【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様では、細菌性バイオフィルムに感染した又はそれで汚染された創傷、粘膜病変、又は皮膚病変を処置する方法であって、0.5〜2.0のオクタノール-水分配係数(log P)を有する少なくとも1種の中極性油と少なくとも1種の抗菌剤との組合せを含む組成物を、創傷、粘膜病変、又は皮膚病変に局所投与する工程を含み、少なくとも1種の中極性油と少なくとも1種の抗菌剤との組合せが、バイオフィルムに対する相乗的抗菌活性を呈する、方法が開示される。
【0015】
本発明の別の態様では、生体表面上の細菌性バイオフィルム中の細菌を減少させるか又は細菌性バイオフィルムを排除する方法であって、0.5〜2.0のオクタノール-水分配係数(log P)を有する少なくとも1種の中極性油と少なくとも1種の抗菌剤との組合せを含む組成物を、生体表面に投与する工程を含み、少なくとも1種の中極性油と少なくとも1種の抗菌剤との組合せが、バイオフィルムに対する相乗的抗菌活性を呈する、方法が開示される。
【0016】
本発明の更に別の態様では、非生体表面上の細菌性バイオフィルム中の細菌を減少させるか又は細菌性バイオフィルムを排除する方法であって、0.5〜2.0のオクタノール-水分配係数(log P)を有する少なくとも1種の中極性油と少なくとも1種の抗菌剤との組合せを含む組成物を、非生体表面に投与する工程を含み、少なくとも1種の中極性油と少なくとも1種の抗菌剤との組合せが、バイオフィルムに対する相乗的抗菌活性を呈する、方法が開示される。
【0017】
本発明の別の態様では、細菌性バイオフィルムを有する生体表面及び非生体表面への適用に好適な組成物であって、0.5〜2.0のオクタノール-水分配係数(log P)を有する少なくとも1種の中極性油と少なくとも1種の抗菌剤との組合せを含み、組成物中の少なくとも1種の中極性油及び少なくとも1種の抗菌剤の濃度が、生体表面及び非生体表面上の細菌性バイオフィルムに対する相乗的抗菌活性を呈する量での濃度である、組成物が開示される。
【0018】
本発明の更に別の態様では、本発明の組成物でコーティングされた表面を備える製造品が開示される。
【0019】
また、本発明の文脈において、実施形態1から126が開示される。
実施形態1:細菌性バイオフィルムに感染した又はそれで汚染された創傷、粘膜病変、又は皮膚病変を処置する方法であって、0.5〜2.0のオクタノール-水分配係数(log P)を有する少なくとも1種の中極性油と少なくとも1種の抗菌剤との組合せを含む組成物を、創傷、粘膜病変、又は皮膚病変に局所投与する工程を含み、少なくとも1種の中極性油と少なくとも1種の抗菌剤との組合せが、バイオフィルムに対する相乗的抗菌活性を呈する、方法。
実施形態2:組成物が、局所処置に好適な担体を更に含む、実施形態1に記載の方法。
実施形態3:抗菌剤が、銀化合物、ヨウ素化合物、又は抗生物質である、実施形態1又は2に記載の方法。
実施形態4:抗菌剤が、C9〜C12脂肪族アルコールではない、実施形態1又は2に記載の方法。いくつかの態様では、実施形態4の組成物は、C9〜C12脂肪族アルコール不含である、すなわちそれを含まない。
実施形態5:抗菌剤が、銀化合物である、実施形態1又は2に記載の方法。
実施形態6:組成物が局所処置に好適な担体を含み、この担体がリンギングゲルである、実施形態5に記載の方法。
実施形態7:銀化合物が、スルファジアジン銀、硝酸銀、又は塩化銀である、実施形態5又は6に記載の方法。
実施形態8:抗菌剤が、ヨウ素化合物である、実施形態1又は2に記載の方法。
実施形態9:ヨウ素化合物が、ヨードホールである、実施形態8に記載の方法。
実施形態10:ヨードホールが、カデキソマーヨウ素である、実施形態9に記載の方法。
実施形態11:ヨードホールが、ポビドンヨウ素である、実施形態9に記載の方法。
実施形態12:抗菌剤が、抗生物質である、実施形態1又は2に記載の方法。
実施形態13:組成物が局所処置に好適な担体を含み、この担体がリンギングゲルである、実施形態12に記載の方法。
実施形態14:抗生物質が、アミノグリコシド系抗生物質である、実施形態12又は13に記載の方法。
実施形態15:アミノグリコシド系抗生物質が、ゲンタマイシン又は硫酸ゲンタマイシンである、実施形態14に記載の方法。
実施形態16:抗生物質が、ポリペプチド系抗生物質である、実施形態12又は13に記載の方法。
実施形態17:ポリペプチド系抗生物質が、コリスチン又は硫酸コリスチンである、実施形態16に記載の方法。
実施形態18:中極性油がエステルである、実施形態1から17のいずれか1つに記載の方法。
実施形態19:中極性油が脂肪酸エステルである、実施形態1から18のいずれか1つに記載の方法。
実施形態20:中極性油がグリセリルエステルである、実施形態1から19のいずれか1つに記載の方法。
実施形態21:グリセリルエステルが、カプリル酸/カプリン酸グリセリルである、実施形態20に記載の方法。
実施形態22:カプリル酸/カプリン酸グリセリルが、7〜40%w/wの濃度である、実施形態21に記載の方法。
実施形態23:カプリル酸/カプリン酸グリセリルが、7〜15%w/wの濃度である、実施形態21に記載の方法。
実施形態24:細菌性バイオフィルムが、グラム陽性細菌性バイオフィルムである、実施形態1から23のいずれか1つに記載の方法。
実施形態25:グラム陽性細菌性バイオフィルムが、ブドウ球菌種である、実施形態24に記載の方法。
実施形態26:ブドウ球菌種が、黄色ブドウ球菌である、実施形態25に記載の方法。
実施形態27:ブドウ球菌種が、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)である、実施形態26に記載の方法。
実施形態28:細菌性バイオフィルムが、グラム陰性細菌性バイオフィルムである、実施形態1から23のいずれか1つに記載の方法。
実施形態29:グラム陰性細菌性バイオフィルムが、シュードモナス菌種である、実施形態28に記載の方法。
実施形態30:シュードモナス菌種が、シュードモナス・エルジノーサである、実施形態29に記載の方法。
実施形態31:創傷が、慢性創傷である、実施形態1から30のいずれか1つに記載の方法。
実施形態32:慢性創傷が、糖尿病性足部潰瘍、静脈性潰瘍、動脈性潰瘍、褥瘡性潰瘍、うっ血性潰瘍、圧迫潰瘍、又は熱傷である、実施形態31に記載の方法。
実施形態33:皮膚病変又は粘膜病変が、疱疹、潰瘍症、擦過傷、疣贅、擦り傷、又は感染症である、実施形態1から30のいずれか1つに記載の方法。
実施形態34:組成物中の少なくとも1種の中極性油及び少なくとも1種の抗菌剤の濃度が、バイオフィルムに対する相乗的抗菌活性を呈する量での濃度である、実施形態1から33のいずれか1つに記載の方法。
実施形態35:オクタノール-水分配係数(log P)が、液体クロマトグラフィーによる分配係数(N-オクタノール/水)の推定のためのASTM規格試験法(ASTM Standard Test Method for Partition Coefficient (N-Octanol/Water) Estimation by Liquid Chromatography)、名称E 1147-92によって実験的に決定される、実施形態1から34のいずれか1つに記載の方法。
実施形態36:生体表面上の細菌性バイオフィルム中の細菌を減少させるか又は細菌性バイオフィルムを排除する方法であって、0.5〜2.0のオクタノール-水分配係数(log P)を有する少なくとも1種の中極性油と少なくとも1種の抗菌剤との組合せを含む組成物を、生体表面に投与する工程を含み、少なくとも1種の中極性油と少なくとも1種の抗菌剤との組合せが、バイオフィルムに対する相乗的抗菌活性を呈する、方法。
実施形態37:組成物が、担体を更に含む、実施形態36に記載の方法。
実施形態38:抗菌剤が、銀化合物、ヨウ素化合物、又は抗生物質である、実施形態36又は37に記載の方法。
実施形態39:抗菌剤が、C9〜C12脂肪族アルコールではない、実施形態36又は37に記載の方法。いくつかの態様では、実施形態39の組成物は、C9〜C12脂肪族アルコール不含である、すなわちそれを含まない。
実施形態40:抗菌剤が、銀化合物である、実施形態36又は37に記載の方法。
実施形態41:組成物が担体を含み、この担体がリンギングゲルである、実施形態40に記載の方法。
実施形態42:銀化合物が、スルファジアジン銀、硝酸銀、又は塩化銀である、実施形態40又は41に記載の方法。
実施形態43:抗菌剤が、ヨウ素化合物である、実施形態36又は37に記載の方法。
実施形態44:ヨウ素化合物が、ヨードホールである、実施形態43に記載の方法。
実施形態45:ヨードホールが、カデキソマーヨウ素である、実施形態44に記載の方法。
実施形態46:ヨードホールが、ポビドンヨウ素である、実施形態44に記載の方法。
実施形態47:抗菌剤が、抗生物質である、実施形態36又は37に記載の方法。
実施形態48:組成物が担体を含み、この担体がリンギングゲルである、実施形態47に記載の方法。
実施形態49:抗生物質が、アミノグリコシド系抗生物質である、実施形態47又は48に記載の方法。
実施形態50:アミノグリコシド系抗生物質が、ゲンタマイシン又は硫酸ゲンタマイシンである、実施形態49に記載の方法。
実施形態51:抗生物質が、ポリペプチド系抗生物質である、実施形態47又は48に記載の方法。
実施形態52:ポリペプチド系抗生物質が、コリスチン又は硫酸コリスチンである、実施形態51に記載の方法。
実施形態53:中極性油がエステルである、実施形態36から52のいずれか1つに記載の方法。
実施形態54:中極性油が脂肪酸エステルである、実施形態36から53のいずれか1つに記載の方法。
実施形態55:中極性油がグリセリルエステルである、実施形態36から54のいずれか1つに記載の方法。
実施形態56:グリセリルエステルが、カプリル酸/カプリン酸グリセリルである、実施形態55に記載の方法。
実施形態57:カプリル酸/カプリン酸グリセリルが、7〜40%w/wの濃度で存在する、実施形態56に記載の方法。
実施形態58:カプリル酸/カプリン酸グリセリルが、7〜15%w/wの濃度で存在する、実施形態56に記載の方法。
実施形態59:細菌性バイオフィルムが、グラム陽性細菌性バイオフィルムである、実施形態36から58のいずれか1つに記載の方法。
実施形態60:グラム陽性細菌性バイオフィルムが、ブドウ球菌種である、実施形態59に記載の方法。
実施形態61:ブドウ球菌種が、黄色ブドウ球菌である、実施形態60に記載の方法。
実施形態62:ブドウ球菌種が、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)である、実施形態61に記載の方法。
実施形態63:細菌性バイオフィルムが、グラム陰性細菌性バイオフィルムである、実施形態36から58のいずれか1つに記載の方法。
実施形態64:グラム陰性細菌性バイオフィルムが、シュードモナス菌種である、実施形態63に記載の方法。
実施形態65:シュードモナス菌種が、シュードモナス・エルジノーサである、実施形態64に記載の方法。
実施形態66:生体表面が、慢性創傷である、実施形態36から65のいずれか1つに記載の方法。
実施形態67:慢性創傷が、糖尿病性足部潰瘍、静脈性潰瘍、動脈性潰瘍、褥瘡性潰瘍、うっ血性潰瘍、圧迫潰瘍、又は熱傷である、実施形態66に記載の方法。
実施形態68:生体表面が、皮膚病変又は粘膜病変である、実施形態36から65のいずれか1つに記載の方法。
実施形態69:皮膚病変又は粘膜病変が、疱疹、潰瘍症、擦過傷、疣贅、擦り傷、又は感染症である、実施形態68に記載の方法。
実施形態70:組成物中の少なくとも1種の中極性油及び少なくとも1種の抗菌剤の濃度が、バイオフィルムに対する相乗的抗菌活性を呈する量での濃度である、実施形態36から69のいずれか1つに記載の方法。
実施形態71:オクタノール-水分配係数(log P)が、液体クロマトグラフィーによる分配係数(N-オクタノール/水)の推定のためのASTM規格試験法、名称E 1147-92によって実験的に決定される、実施形態36から70のいずれか1つに記載の方法。
実施形態72:非生体表面上の細菌性バイオフィルム中の細菌を減少させるか又は細菌性バイオフィルムを排除する方法であって、0.5〜2.0のオクタノール-水分配係数(log P)を有する少なくとも1種の中極性油と少なくとも1種の抗菌剤との組合せを含む組成物を非生体表面に投与する工程を含み、少なくとも1種の中極性油と少なくとも1種の抗菌剤との組合せが、バイオフィルムに対する相乗的抗菌活性を呈する、方法。
実施形態73:組成物が、非生体表面への適用に好適な担体を更に含む、実施形態72に記載の方法。
実施形態74:非生体表面が、医療装置である、実施形態72又は73に記載の方法。
実施形態75:医療装置が、人工尿路、尿路カテーテル、腹膜カテーテル、腹膜透析カテーテル、血液透析用の留置カテーテル、化学療法剤投与用の留置カテーテル、心臓インプラント、ペースメーカー、人工心臓弁、心室補助装置、合成血管移植片、合成血管ステント、人工器官、経皮縫合糸、気管チューブ、又は人工呼吸器チューブである、実施形態74に記載の方法。
実施形態76:組成物中の少なくとも1種の中極性油及び少なくとも1種の抗菌剤の濃度が、バイオフィルムに対する相乗的抗菌活性を呈する量での濃度である、実施形態72から75のいずれか1つに記載の方法。
実施形態77:オクタノール-水分配係数(log P)が、液体クロマトグラフィーによる分配係数(N-オクタノール/水)の推定のためのASTM規格試験法、名称E 1147-92によって実験的に決定される、実施形態72から76のいずれか1つに記載の方法。
実施形態78:0.5〜2.0のオクタノール-水分配係数(log P)を有する少なくとも1種の中極性油と少なくとも1種の抗菌剤との組合せを含む組成物であって、組成物中の少なくとも1種の中極性油及び少なくとも1種の抗菌剤の濃度が、生体表面及び非生体表面上の細菌性バイオフィルムに対する相乗的抗菌活性を呈する量での濃度である、組成物。
実施形態79:組成物が、担体を更に含む、実施形態78に記載の組成物。
実施形態80:担体が、非生体表面への適用に好適な担体である、実施形態79に記載の組成物。
実施形態81:担体が、薬学的担体である、実施形態79に記載の組成物。
実施形態82:薬学的担体が、ローション、溶液、懸濁液、液体、エマルション、クリーム、ゲル、リンギングゲル、軟膏、ペースト、エアロゾルスプレー、エアロゾルフォーム、非エアロゾルスプレー、非エアロゾルフォーム、フィルム、又はシートである、実施形態81に記載の組成物。
実施形態83:抗菌剤が、銀化合物、ヨウ素化合物、又は抗生物質である、実施形態78から82のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態84:抗菌剤が、C9〜C12脂肪族アルコールではない、実施形態78から82のいずれか1つに記載の組成物。いくつかの態様では、実施形態84の組成物は、C9〜C12脂肪族アルコール不含である、すなわちそれを含まない。
実施形態85:抗菌剤が、銀化合物である、実施形態78から82のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態86:組成物が担体を含み、この担体がリンギングゲルである、実施形態85に記載の組成物。
実施形態87:銀化合物が、スルファジアジン銀、硝酸銀、又は塩化銀である、実施形態85又は86に記載の組成物。
実施形態88:銀化合物が、0.1〜5%w/wの濃度である、実施形態85から87のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態89:抗菌剤が、ヨウ素化合物である、実施形態78から82のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態90:ヨウ素化合物が、ヨードホールである、実施形態89に記載の組成物。
実施形態91:ヨードホールが、カデキソマーヨウ素である、実施形態90に記載の組成物。
実施形態92:カデキソマーヨウ素が、40〜60%w/wの濃度である、実施形態91に記載の組成物。
実施形態93:ヨードホールが、ポビドンヨウ素である、実施形態90に記載の組成物。
実施形態94:ポビドンヨウ素が、1〜20%w/wの濃度である、実施形態93に記載の組成物。
実施形態95:抗菌剤が、抗生物質である、実施形態78から82のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態96:組成物が担体を含み、この担体がリンギングゲルである、実施形態95に記載の組成物。
実施形態97:抗生物質が、アミノグリコシド系抗生物質である、実施形態95又は96に記載の組成物。
実施形態98:アミノグリコシド系抗生物質が、ゲンタマイシン又は硫酸ゲンタマイシンである、実施形態97に記載の組成物。
実施形態99:ゲンタマイシン又は硫酸ゲンタマイシンが、0.1〜5%w/wの濃度である、実施形態98に記載の組成物。
実施形態100:抗生物質が、ポリペプチド系抗生物質である、実施形態95又は96に記載の組成物。
実施形態101:ポリペプチド系抗生物質が、コリスチン又は硫酸コリスチンである、実施形態100に記載の組成物。
実施形態102:コリスチン又は硫酸コリスチンの濃度が0.01〜2%w/wである、実施形態101に記載の組成物。
実施形態103:中極性油がエステルである、実施形態78から102のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態104:中極性油が脂肪酸エステルである、実施形態78から103のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態105:中極性油がグリセリルエステルである、実施形態78から104のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態106:グリセリルエステルが、カプリル酸/カプリン酸グリセリルである、実施形態105に記載の組成物。
実施形態107:カプリル酸/カプリン酸グリセリルが、7〜40%w/wの濃度である、実施形態106に記載の組成物。
実施形態108:カプリル酸/カプリン酸グリセリルが、7〜15%w/wの濃度である、実施形態106に記載の組成物。
実施形態109:細菌性バイオフィルムが、グラム陽性細菌性バイオフィルムである、実施形態78から108のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態110:グラム陽性細菌性バイオフィルムが、ブドウ球菌種である、実施形態109に記載の組成物。
実施形態111:ブドウ球菌種が、黄色ブドウ球菌である、実施形態110に記載の組成物。
実施形態112:ブドウ球菌種が、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)である、実施形態111に記載の組成物。
実施形態113:細菌性バイオフィルムが、グラム陰性細菌性バイオフィルムである、実施形態78から108のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態114:グラム陰性細菌性バイオフィルムが、シュードモナス菌種である、実施形態113に記載の組成物。
実施形態115:シュードモナス菌種が、シュードモナス・エルジノーサである、実施形態114に記載の組成物。
実施形態116:生体表面が、慢性創傷である、実施形態78から115のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態117:慢性創傷が、糖尿病性足部潰瘍、静脈性潰瘍、動脈性潰瘍、褥瘡性潰瘍、うっ血性潰瘍、圧迫潰瘍、又は熱傷である、実施形態116に記載の組成物。
実施形態118:生体表面が、皮膚病変又は粘膜病変である、実施形態78から115のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態119:皮膚病変又は粘膜病変が、疱疹、潰瘍症、擦過傷、疣贅、擦り傷、又は感染症である、実施形態118に記載の組成物。
実施形態120:オクタノール-水分配係数(log P)が、液体クロマトグラフィーによる分配係数(N-オクタノール/水)の推定のためのASTM規格試験法、名称E 1147-92によって実験的に決定される、実施形態78から119のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態121:実施形態78から115のいずれか1つに規定の組成物でコーティングされた表面を備える製造品。
実施形態122:製造品が医療装置である、実施形態121に記載の製造品。
実施形態123:医療装置が、人工尿路、尿路カテーテル、腹膜カテーテル、腹膜透析カテーテル、血液透析用の留置カテーテル、化学療法剤投与用の留置カテーテル、心臓インプラント、ペースメーカー、人工心臓弁、心室補助装置、合成血管移植片、合成血管ステント、人工器官、経皮縫合糸、気管チューブ、又は人工呼吸器チューブである、実施形態121に記載の製造品。
実施形態124:コーティングされた表面上にバイオフィルムが存在しない、実施形態121から123のいずれか1つに記載の製造品。
実施形態125:コーティングされた表面上にバイオフィルムが存在する、実施形態121から123のいずれか1つに記載の製造品。
実施形態126:オクタノール-水分配係数(log P)が、液体クロマトグラフィーによる分配係数(N-オクタノール/水)の推定のためのASTM規格試験法、名称E 1147-92によって実験的に決定される、実施形態121から125のいずれか1つに記載の製造品。
【0020】
特に指定がない限り、本明細書において表現されるパーセント値は質量比(weight by weight)により、全組成物の質量に関するものである。例として、10グラムの成分を含む100グラムの組成物中の10グラムの成分は、組成物中10質量%の成分である。
【0021】
細菌性バイオフィルムの文脈における「減少させる」、「減少した」、「減少させること」、又は「減少」という用語は、バイオフィルム中に存在する細菌数の減少を意味する。
【0022】
生体表面上の細菌性バイオフィルムの処置、又は粘膜病変、創傷、若しくは皮膚病変の処置の文脈における「処置する」、「処置した」、又は「処置すること」という用語は、細菌性バイオフィルムのあらゆる測定可能な減少若しくは全体的な排除、及び/又は粘膜病変、創傷、若しくは皮膚病変の治療的改善を意味する。
【0023】
細菌性バイオフィルムの処置、又は創傷、粘膜病変、若しくは皮膚病変の処置の文脈における「効果的な」という用語は、治療的改善を含め、所望、期待、若しくは意図される結果を達成するのに十分であることを意味する。
【0024】
細菌性バイオフィルムの文脈における「排除する」、「排除した」、「排除すること」、又は「排除」という用語は、バイオフィルム中に存在する細菌の完全な根絶を意味する。
【0025】
本明細書で使用される「創傷」という用語は、皮膚又は粘膜の外傷を意味し、慢性創傷及び急性創傷を含む。
【0026】
「約」又は「およそ」という用語は、当業者には理解されているように、近似していることとして定義され、非限定的な一実施形態では、これらの用語は、10%以内、好ましくは5%以内、より好ましくは1%以内、最も好ましくは0.5%以内であるものと定義される。
【0027】
「含む(comprising)」(及び「comprising」のあらゆる形態、例えば「comprise」及び「comprises」)、「有する(having)」(及び「having」のあらゆる形態、例えば「have」及び「has」)、「含む(including)」(及び「including」のあらゆる形態、例えば「includes」及び「include」)、又は「含有する(containing)」(及び「containing」のあらゆる形態、例えば「contains」及び「contain」)という語は、包括的、すなわち無制限であり、列挙されていない更なる要素又は方法工程を除外しない。
【0028】
「1つの(a)」又は「1つの(an)」という語の使用は、「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、又は「含有する(containing)」という用語(又はこれらの語のあらゆる変形形態)と併せて使用される場合、「1つの(one)」を意味しうるが、「1つ又は複数の」、「少なくとも1つの」、及び「1つ又は2つ以上」の意味とも一致する。
【0029】
組成物及びその使用方法は、本明細書全体を通して開示される成分又は工程のうちのいずれかを「含む(comprise)」か、「から本質的になる(consist essentially of)」か、又は「からなる(consist of)」ことができる。
【0030】
本明細書に詳解される任意の実施形態は、任意の本発明の方法又は組成物に関して実施することができ、その逆も同様であることが想定される。更に、本発明の方法を実現するために、本発明の組成物を使用してもよい。
【0031】
本発明の他の目的、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、この詳細な説明から本発明の趣旨及び範囲内にある様々な変更及び改変形態が当業者に明らかになるであろうことから、この詳細な説明及び具体例は、本発明の具体的な実施形態を示唆するとはいえ、例示として提示されるに過ぎないことを理解されたい。