【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明の化合物では、根底となる残基のいくつかが、グルカゴンおよびWO2006/134340に記載されるペプチドと異なる。特に、グルカゴンの原線維形成に寄与することが知られている残基Tyr10およびTyr13は(JS Pedersenら、Biochemistry、2006年、45巻、14503〜14512頁)、Leuによって置き換えられている。この置換は、特に23位のイソロイシンおよび24位のグルタメートと組み合わさって、溶液中の可溶性または凝集の挙動として生物物理学的性質が潜在的に改善されたエキセンジン−4誘導体をもたらす。エキセンジン−4類似体の13位の芳香族アミノ酸を脂肪族アミノ酸で非保存的置換することで、それらのGLP−1受容体に対する活性を保ったまま、グルカゴンおよびGIP両方の受容体に対して高い活性を有するペプチドがもたらされる。
【0025】
天然のエキセンジン−4は、グルカゴン受容体に対する活性がなく、GIP受容体に対する活性が低い、純粋なGLP−1受容体アゴニストである。本発明の化合物は、天然のエキセンジン−4の構造をベースとするが、配列番号4に比べて14個以上の位置において異なり、この場合、この違いがグルカゴン受容体およびGIP受容体でのアゴニスト活性の増強に寄与する。他の置換の中でも、14位のメチオニンが、側鎖に−NH
2基を有するアミノ酸によって置換され、これが親油性残基によってさらに置換されている(例えば、リンカーと組み合わされている脂肪酸)。さらに、13、19、20、32、34、35および39位のエキセンジン−4アミノ酸を13位でLeu、19位でGln、20位でAibまたはLysアミノ酸、34位でAib、32位でPro、ならびに35および39位でLysによって置換すると、GLP−1受容体に対する高い活性を保ったまま、グルカゴンならびにGIP両方の受容体に対する高い活性をもたらす。これらのペプチドは、pH4.5のような、酸性pH値で高い化学的安定性、溶解性および物理的安定性も示す。
【0026】
本発明の化合物は、以下の式Iを有する:
H
2N−His−Aib−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Leu−X14−Glu−X16−Gln−Arg−Gln−Aib−Glu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Ala−X29−Gly−X31−Pro−Ser−Aib−Lys−Pro−Pro−Pro−Lys−R
1 I
[式中、
X14は、Lys、Orn、Dab、またはDapからなる群から選択される、官能化されている−NH
2側鎖基を有するアミノ酸残基を表し、ここで、−NH
2側鎖基は−Z−C(O)−R
5によって官能化されており、式中、
Zは、全ての立体異性体型におけるリンカーを表し、
R
5は、炭素原子最大50個、ならびにNおよびOから選択されるヘテロ原子を含む部分であり、
X16は、LysおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29は、D−AlaおよびGlyから選択されるアミノ酸残基を表し、
X31は、HisおよびProから選択されるアミノ酸残基を表し、
R
1は、NH
2またはOHである]
またはこれらの塩もしくは溶媒和物。
【0027】
本発明の化合物は、方法に記載するアッセイ系において細胞内cAMP形成を刺激することができるという観察によって決定される通り、GLP−1、グルカゴンおよびGIP受容体アゴニストである。
【0028】
別の一実施形態によると、特に、親油性残基でさらに置換されている14位のリジンを有する本発明の化合物は、GLP−1受容体のGLP−1(7−36)アミドに比べて、相対的活性を少なくとも0.1%(すなわち、EC
50<700pM)、より好ましくは1%(すなわち、EC
50<70pM)、より好ましくは5%(すなわち、EC
50<14pM)、およびさらにより好ましくは10%(すなわち、EC
50<7pM)表す。さらに、本発明の化合物は、グルカゴン受容体において天然のグルカゴンに比べて、0.1%(すなわち、EC
50<500pM)、より好ましくは0.25%(すなわち、EC
50<200pM)、より好ましくは0.4%(<125pM)、さらにより好ましくは1%(すなわち、EC
50<50pM)の相対的活性を少なくとも示す。さらに、本発明の化合物は、GIP受容体において天然のGIPに比べて、0.1%(すなわち、EC
50<400pM)、より好ましくは0.4%(すなわち、EC
50<100pM)、より好ましくは1%(<40pM)、さらにより好ましくは2%(すなわち、EC
50<20pM)の相対的活性を少なくとも示す。
【0029】
本明細書で用いる「活性」の語は、好ましくは、化合物がヒトGLP−1受容体、ヒトグルカゴン受容体およびヒトGIP受容体を活性化させる性能を意味する。より好ましくは、本明細書で用いる「活性」の語は、化合物が、細胞内cAMP形成を刺激する性能を意味する。本明細書で用いる「相対活性」の語は、化合物が、別の受容体アゴニストに比べて、または別の受容体に比べて、ある比率で受容体を活性化させる性能を意味すると理解される。アゴニストによる受容体の活性化は(例えば、cAMPレベルの測定による)、実施例などに記載する通り、本明細書に記載する通りに決定される。
【0030】
本発明の化合物は、好ましくは、hGLP−1受容体に対して、450pM以下、好ましくは200pM以下、より好ましくは100pM以下、より好ましくは50pM以下、より好ましくは25pM以下、より好ましくは10pM以下、より好ましくは8pM以下、より好ましくは5pM以下のEC
50、ならびにhグルカゴン受容体に対して、450pM以下、好ましくは200pM以下、より好ましくは100pM以下、より好ましくは50pM以下のEC
50、ならびにhGIP受容体に対して、450pM以下、好ましくは200pM以下、より好ましくは100pM以下、より好ましくは50pM以下、より好ましくは25pM以下のEC
50を有する。hGLP−1受容体、hグルカゴン受容体、およびhGIP受容体に対するEC
50は、本明細書における方法に記載する通りに、および実施例に記載する結果を生成するように用いる通りに決定することができる。
【0031】
式Iの化合物、特に親油性残基でさらに置換されている14位のリジンを有する化合物は、14位に元のメチオニン(エキセンジン−4由来)またはロイシンを有する誘導体に比べて、グルカゴン受容体活性化の上昇を示す(WO2014/056872も参照されたい)。さらに、メチオニンの酸化(in vitroまたはin vivo)は、これ以上可能ではない。
【0032】
式Iの化合物は、グルカゴン受容体に対する高い活性を示すだけでなく、GIP受容体に対しても同様に高い活性を示す。GIP受容体に対するさらなる高い活性は、純粋なGLP−1受容体アゴニズムと比べて血中グルコース対照に対する高い効能を目的とし、GLP−1部分の寄与を減少させることができるので、胃腸障害のようなGLP−1に関連する副作用の可能性を低下させることが意図される。さらなるGIP受容体活性は、グルカゴン受容体活性化による潜在的なグルコース増加を打ち消すことも意図され、したがって、式Iの化合物において観察されるようなより高いグルカゴン受容体活性を可能にする(非特許文献4)。
【0033】
一実施形態において、本発明の化合物は、フェノールまたはm−クレゾールのような抗微生物性保存剤の存在下において酸性のかつ/または生理学的なpH値で、例えば、pH4から5までの酸性度範囲で、特に、pH4.5および/またはより生理学的なpH6から8までの範囲、特に、pH7.4、25℃または40℃で溶解性が高く、別の一実施形態において、少なくとも1mg/ml、および特定の一実施形態において、少なくとも5mg/mlである。
【0034】
さらに、本発明の化合物は、フェノールまたはm−クレゾールのような抗微生物性保存剤の存在下において溶液中で保存した場合に安定性が高いのが好ましい。安定性を決定するのに好ましいアッセイ条件は、pH4から5までの酸性度範囲、特に、pH4.5の溶液中、25℃または40℃、28日間の保存である。ペプチドの安定性は、方法に記載しているようなクロマトグラフィー分析によって決定する。pH4.5の溶液中、40℃、28日後に純度低下が、20%以下であるのが好ましく、より好ましくは15%以下、より好ましくは12%以下、さらにより好ましくは10%以下である。
【0035】
一実施形態において、本発明の化合物は、方法に記載しているような動的光散乱によってアッセイされるように、フェノールまたはm−クレゾールのような抗微生物性保存剤の存在下において、例えば、pH4から5までの酸性度範囲、25℃で、特に、pH4.5、25℃で、≧1mg/mlの濃度で5nm以下の流体力学的半径R
hを示す。
【0036】
一実施形態において、本発明の化合物は、方法に記載しているようなThtアッセイによってアッセイされるように、フェノールまたはm−クレゾールのような抗微生物性保存剤の存在下において、例えば、pH4から5までの酸性度範囲、特に、pH4.5、37℃、5時間にわたって、より好ましくは10時間にわたって、より好ましくは20時間にわたって、より好ましくは30時間にわたって、より好ましくは40時間にわたって、さらにより好ましくは45時間にわたって、蛍光プローブとして3mg/mlの濃度でチオフラビンTを用いた蛍光強度において上昇を示さない。
【0037】
一実施形態において、本発明の化合物は、中性エンドペプチダーゼ(NEP)およびジペプチジルペプチダーゼ−4(DPP4)による切断により抵抗性であり、天然のGLP−1およびグルカゴンと比べた場合、in vivoで、より長時間の半減期および作用時間をもたらす。
【0038】
一実施形態において、本発明の化合物が、直鎖状配列の39個のアミノカルボン酸、特にペプチド結合、すなわちカルボキサミド結合によって連結されているα−アミノカルボン酸である、ペプチド部分を含むのが好ましい。
【0039】
一実施形態において、R
1はNH
2である。
【0040】
−Z−C(O)−R
5基に特に好ましい例を以下の表2に列挙し、これらは、
(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル、(4S)−カルボキシ−[2−(2−{2−[(4R)−5−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ペンタノイルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリル、(4S)−カルボキシ−[2−(2−{2−[(4R)−5−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ペンタノイルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリル、(2−{2−[2−(2−{2−[(4S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル、(2−{2−[2−(2−{2−[(4S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル、[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−オクタデカノイルアミノ−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチル−から選択される。
【0041】
立体異性体、特に、S−またはR−エナンチオマーいずれかの、これらの基のエナンチオマーがさらに好ましい。表2における「R」の語は、ペプチドバックボーンでの−Z−C(O)−R
5付着部位、例えば、Lysのイプシロン−アミノ基を意味するものとされる。
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
さらなる一実施形態は、
X14はLysを表し、ここで、−NH
2側鎖基は−Z−C(O)R
5基で官能化されており、式中、
Zは、gGlu、gGlu−gGlu、gGlu−AEEAc−gAAA−、gGlu−gGlu−AEEAc、AEEAc−AEEAc−gGlu、およびAEEAc−AEEAc−AEEAcから選択される基を表し、
R
5は、ペンタデカニル、またはヘプタデカニルから選択される基を表す、
式Iの化合物に関する。
【0045】
さらなる実施形態は、
X14はLysを表し、ここで、−NH
2側鎖基は−Z−C(O)R
5基で官能化されており、式中、
Zは、gGlu、gGlu−gGlu、gGlu−AEEAc−gAAA−およびgGlu−gGlu−AEEAcから選択される基を表し;
R
5は、ペンタデカニルまたはヘプタデカニルから選択される基を表す、
式Iの化合物に関する。
【0046】
さらなる一実施形態は、
X14はLysを表し、ここで、−NH
2側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(2−{2−[2−(2−{2−[(4S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル−、(2−{2−[2−(2−{2−[(4S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル−、[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−オクタデカノイルアミノ−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチル−によって官能化されており、
R
1はNH
2を表す、
式Iの化合物、
またはこれらの塩もしくは溶媒和物に関する。
【0047】
さらなる実施形態は、
X14はLysを表し、ここで、−NH
2側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(2−{2−[2−(2−{2−[(4S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル、(2−{2−[2−(2−{2−[(4S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルによって官能化されており、
R
1はNH
2を表す、
式Iの化合物、
またはこれらの塩もしくは溶媒和物に関する。
【0048】
さらなる一実施形態は、
X14はLysを表し、ここで、−NH
2側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−によって官能化されており、
X16は、GluおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29は、D−AlaおよびGlyから選択されるアミノ酸残基を表し、
X31は、HisおよびProから選択されるアミノ酸残基を表し、
R
1はNH
2を表す、
式Iの化合物、
またはこれらの塩もしくは溶媒和物に関する。
【0049】
さらなる実施形態は、
X14はLysを表し、ここで、−NH
2側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−によって官能化されており、
X16は、GluおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29は、Glyを表し、
X31は、HisおよびProから選択されるアミノ酸残基を表し、
R
1はNH
2を表す、
式Iの化合物、
またはその塩もしくは溶媒和物
に関する。
【0050】
さらなる実施形態は、
X14はLysを表し、ここで、−NH
2側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−によって官能化されており、
X16は、Gluを表し、
X29は、D−AlaおよびGlyから選択されるアミノ酸残基を表し、
X31は、Hisを表し、
R
1はNH
2を表す、
式Iの化合物、
またはその塩もしくは溶媒和物
に関する。
【0051】
さらなる実施形態は、
X14はLysを表し、ここで、−NH
2側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−によって官能化されており、
X16は、Gluを表し、
X29は、Glyを表し、
X31は、HisおよびProから選択されるアミノ酸残基を表し、
R
1はNH
2を表す、
式Iの化合物、
またはその塩もしくは溶媒和物
に関する。
【0052】
さらなる実施形態は、
X14はLysを表し、ここで、−NH
2側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−によって官能化されており、
X16は、Lysを表し、
X29は、D−AlaおよびGlyから選択されるアミノ酸残基を表し、
X31は、HisおよびProから選択されるアミノ酸残基を表し、
R
1はNH
2を表す、
式Iの化合物、
またはその塩もしくは溶媒和物
に関する。
【0053】
さらなる実施形態は、
X14はLysを表し、ここで、−NH
2側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−によって官能化されており、
X16は、GluおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29は、D−AlaおよびGlyから選択されるアミノ酸残基を表し、
X31は、Proを表し、
R
1はNH
2を表す、
式Iの化合物、
またはその塩もしくは溶媒和物
に関する。
【0054】
さらなる実施形態は、
X14はLysを表し、ここで、−NH
2側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−によって官能化されており、
X16は、Lysを表し、
X29は、D−AlaおよびGlyから選択されるアミノ酸残基を表し、
X31は、Proを表し、
R
1はNH
2を表す、
式Iの化合物、
またはその塩もしくは溶媒和物
に関する。
【0055】
なおさらなる実施形態は、
X14はLysを表し、ここで、−NH
2側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−によって官能化されており、
X16は、Lysを表し、
X29は、D−Alaを表し、
X31は、HisおよびProから選択されるアミノ酸残基を表し、
R
1はNH
2を表す、
式Iの化合物、
またはその塩もしくは溶媒和物
に関する。
【0056】
式Iの化合物の具体的な例は、配列番号6〜23の化合物、ならびにその塩または溶媒和物である。
【0057】
式Iの化合物の具体的な例は、配列番号6、9および11の化合物、ならびにその塩または溶媒和物である。
【0058】
式Iの化合物の特定の例は、配列番号6の化合物、ならびにその塩または溶媒和物である。
【0059】
式Iの化合物の特定の例は、配列番号9の化合物、ならびにその塩または溶媒和物である。
【0060】
式Iの化合物の特定の例は、配列番号11のペプチド化合物、ならびにその塩または溶媒和物である。
【0061】
さらなる一態様において、本発明は、担体との混合物における本発明の化合物を含む組成物に関する。好ましい実施形態において、組成物は薬学的に許容される組成物であり、担体は薬学的に許容される担体である。本発明の化合物は、薬学的に許容される塩などの塩、または水和物などの溶媒和物の形態におけるものでよい。なおさらなる一態様において、本発明は、医療処置の方法における、特にヒトの医療における使用のための組成物に関する。
【0062】
式Iの化合物は、さらなる治療的に有効な薬剤なしでのヒトの治療に適する。しかし、他の実施形態において、「併用治療」において記載する通り、化合物を、少なくとも1つのさらなる治療的活性薬剤と一緒に用いてもよい。
【0063】
式Iの化合物は、炭水化物および/または脂質の代謝における障害によって引き起こされ、障害に関連し、および/または障害を伴う疾患または障害の処置または予防に、例えば、高血糖、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、肥満、メタボリックシンドロームの処置または予防に特に適する。さらに、本発明の化合物は、変性疾患、特に神経変性疾患の処置または予防に特に適することがある。
【0064】
記載する化合物は、とりわけ、体重増加の予防、または体重減少の促進における使用を見出すものである。「予防する」とは、処置の非存在に比べた場合の阻害または低減を意味するものであり、障害の完全な中止をほのめかすことを必ずしも意味するものではない。
【0065】
本発明の化合物は、食物摂取における減少および/またはエネルギー支出における増大を引き起こし、体重に対する観察される効果をもたらし得る。
【0066】
体重に対するこれらの効果とは無関係に、本発明の化合物は、循環コレステロールレベルに対する有益な効果があり得、脂質レベル、特にLDL、およびHDLレベルを改善する(例えば、HDL/LDL比を上げる)ことができる。
【0067】
このように、本発明の化合物は、体重過剰によって引き起こされ、または体重過剰を特徴とする任意の状態の直接的または間接的な治療、例えば、肥満、病的肥満、肥満に関連する炎症、肥満に関連する胆嚢疾患、肥満誘発性の睡眠時無呼吸の処置および/または予防に用いてもよい。本発明の化合物はまた、メタボリックシンドローム、糖尿病、高血圧、アテローム生成的な異脂肪血症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、冠動脈心疾患、または脳卒中の処置および予防に用いてもよい。これらの状態における本発明の化合物の効果は、本発明の化合物の体重に対する効果の結果として、または効果に関連するものでもよく、またはこれらに無関係でもよい。
【0068】
医学的使用は、食物摂取を減少させ、エネルギー支出を増大し、体重を減少させ、耐糖能障害(IGT)から2型糖尿病への進行を遅らせるための2型糖尿病における疾患の進行の遅延または予防、メタボリックシンドロームの処置、肥満の処置、または過体重の予防;2型糖尿病からインスリン要求性糖尿病;および肝臓脂肪症への進行の遅延を含む。
【0069】
定義
本発明のアミノ酸配列は、天然に存在するアミノ酸に対する慣例的な1文字コードおよび3文字コード、ならびに他のアミノ酸に対して一般的に認められる3文字コード、例えば、Aib(α−アミノイソ酪酸)を含む。
【0070】
「天然エキセンジン−4」の語は、配列:HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPS−NH
2(配列番号4)を有する天然のエキセンジン−4を意味する。
【0071】
本発明は、式Iに規定したペプチド化合物に関する。
【0072】
本発明のペプチド化合物は、ペプチド、すなわちカルボキサミド結合によって連結されるアミノカルボン酸の直鎖状のバックボーンを含む。別段の指摘がなければ、アミノカルボン酸はα−アミノカルボン酸であるのが好ましく、L−α−アミノカルボン酸であるのがより好ましい。ペプチド化合物が、39アミノカルボン酸のバックボーン配列を含むのが好ましい。
【0073】
ペプチド部分(式I)内のアミノ酸は、慣例的なN−末端からC−末端方向において1から39まで連続的に番号付けするものと考えることができる。ペプチド部分I内の「位置」に対する言及は、したがって、エキセンジン−4において1位のHis、2位のGly、・・・、14位のMet、・・・および39位のSerなど、天然エキセンジン−4および他の分子内の位置に対する言及として解釈すべきである。
【0074】
−NH
2側鎖基を有するアミノ酸残基、例えば、Lys、Orn、Dab、またはDapを、−NH
2側鎖基の少なくとも1個のH原子が−Z−C(O)−R
5によって置き換えられるように官能化し、式中、R
5は、親油性部分、例えば、非環式の直鎖または分枝(C
8〜C
30)飽和または不飽和炭化水素基を含み、不飽和炭化水素基は、非置換、またはハロゲン(F、Cl、Br、J)、−OH、および/もしくはCO
2Hなどにより置換されており、Zは、全ての立体異性体におけるリンカー、例えば、1個またはそれ以上の、例えば、1から5個、好ましくは1、2、または3個の、ガンマ−グルタメート(gGlu)、gAAAおよびAEEAcの群から選択されるアミノ酸リンカー基を含むリンカーを含む。好ましいR
5基は、親油性部分、例えば、非環式の直鎖または分枝(C
12〜C
20)飽和または不飽和炭化水素基、例えば、ペンタデカニル、ヘキサデカニル、またはヘプタデカニル(これらは非置換、またはCO
2Hにより置換されており)を含み、より好ましくは、ペンタデカニル、またはヘプタデカニルである。一実施形態において、アミノ酸リンカー基は、gGlu、gGlu−gGlu、gGlu−gGlu−AEEAc、gGlu−AEEAc−gAAA、AEEAc−AEEAc−gGlu、およびAEEAc−AEEAc−AEEAcから選択される。別の一実施形態において、アミノ酸リンカー基はgGluである。別の一実施形態において、アミノ酸リンカー基はgGlu−gGlu−AEEAcである。別の一実施形態において、アミノ酸リンカー基はgGlu−AEEAc−gAAAである。別の一実施形態において、アミノ酸リンカー基はgGlu−gGluである。別の一実施形態において、アミノ酸リンカー基はAEEAc−AEEAc−gGluである。別の一実施形態において、アミノ酸リンカー基はAEEAc−AEEAc−AEEAcである。
【0075】
さらなる一態様において、本発明は、担体との混合における、本明細書に記載する本発明の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物を含む組成物に関する。
【0076】
本発明は、医薬としての使用のための、特に、本明細書に記載のような状態の処置のための本発明の化合物の使用にも関する。
【0077】
本発明は、組成物が薬学的に許容される組成物であり、担体が薬学的に許容される担体である、組成物にも関する。
【0078】
ペプチド合成
当業者であれば、本発明に記載するペプチドを調製する、多様な異なる方法を知っている。これらの方法には、それだけには限定されないが、合成手法、および組換え遺伝子発現が含まれる。したがって、これらのペプチドを調製する一方法は、溶液中または固体支持体上で合成し、引き続き単離および精製することである。ペプチドを調製する異なる一方法は、ペプチドをコードするDNA配列を導入する宿主細胞における遺伝子発現である。あるいは、細胞系を利用しないで、遺伝子発現を実現することができる。上記に記載する方法を何らかの方法で組み合わせてもよい。
【0079】
本発明の化合物を調製するのに好ましい方法は、適切な樹脂上での固相合成である。固相ペプチド合成は、十分に確立された方法論である(例えば、Stewart and Young、Solid Phase Peptide Synthesis、Pierce Chemical Co.、Rockford、Ill.、1984年;E.AthertonおよびR.C.Sheppard、Solid Phase Peptide Synthesis.A Practical Approach、Oxford−IRL Press、New York、1989年を参照されたい)。固相合成は、N−末端保護したアミノ酸のカルボキシ末端を、切断可能なリンカーを保有する不活性な固体支持体に付着させることにより開始する。この固体支持体は、カルボキシ基(またはRink樹脂ではカルボキサミド)の樹脂に対する連結が酸に対して感受性である(Fmoc戦略を用いた場合)、トリチル樹脂、クロロトリチル樹脂、Wang樹脂、またはRink樹脂など、最初のアミノ酸のカップリングを可能にする任意のポリマーであってよい。ポリマー支持体は、ペプチド合成の間α−アミノ基を脱保護するのに用いる条件下で安定でなければならない。
【0080】
N−末端保護した第1のアミノ酸を固体支持体にカップリングさせた後、このアミノ酸のα−アミノ保護基を除去する。残りの保護されているアミノ酸を、次いで、BOP、HBTU、HATU、またはDIC(N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド)/HOBt(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)などの適切なアミドカップリング試薬を用いて、ペプチド配列によって表される順序で次々に、または前もって形成されたジペプチド、トリペプチド、テトラペプチドとカップリングさせるが、この場合、BOP、HBTU、およびHATUは三級アミン塩基と用いる。あるいは、遊離したN−末端を、カルボン酸などのアミノ酸以外の基で官能化してもよい。
【0081】
通常、アミノ酸の反応性側鎖基を、適切なブロッキング基で保護する。これらの保護基は、所望のペプチドを構築した後に除去する。これらは、同じ条件下で樹脂から所望の生成物を切断するのに相伴って除去される。保護基、および保護基を導入するための手順は、Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、Greene,T.W.およびWuts,P.G.M.、Wiley & Sons(New York:1999年)に見出すことができる。
【0082】
いくつかの場合において、他の側鎖の保護基が依然としてインタクトである間に、選択的に除去することができる側鎖の保護基があるのが望ましいことがある。この場合、遊離した官能性を選択的に官能化することができる。例えば、リジンを、非常に求核性の塩基(例えば、DMF(ジメチルホルムアミド)中4%ヒドラジン)に対して不安定である、ivDde([1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキサ−1−イリデン)−3−メチルブチル)保護基で保護してもよい(S.R.Chhabraら、Tetrahedron Lett.、39巻、(1998年)、1603頁)。このように、N−末端のアミノ基および全ての側鎖の官能性を酸に不安定な保護基で保護する場合、ivDde基は、DMF中4%ヒドラジンを用いて選択的に除去することができ、対応する遊離のアミノ基を、次いで、アシル化などによってさらに修飾することができる。リジンを代替的に、保護されたアミノ酸にカップリングしてもよく、このアミノ酸のアミノ基を、次いで、脱保護し、別の遊離のアミノ基を得ることができ、この遊離のアミノ基をアシル化し、またはさらなるアミノ酸に付着させてもよい。代替的に、予め官能化された構成単位、例えば、(2S)−6−[[(4S)−5−tert−ブトキシ−4−[[(4S)−5−tert−ブトキシ−4−(ヘキサデカノイルアミノ)−5−オキソ−ペンタノイル]アミノ]−5−オキソ−ペンタノイル]アミノ]−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)ヘキサン酸をカップリングパートナーとして使用して、ペプチド合成中に(表2に記載のような)側鎖をリジンと一緒に導入することができる。
【0083】
最後に、ペプチドを樹脂から切断する。これは、Kingのカクテルを用いることにより実現することができる(D.S.King、C.G.Fields、G.B.Fields、Int.J.Peptide Protein Res.、36巻、1990年、255〜266頁)。原材料を、次いで、必要に応じて、分取RP−HPLCなどのクロマトグラフィーによって精製してもよい。
【0084】
作用強度
本明細書で用いる「作用強度」または「in vitroの作用強度」の語は、細胞ベースのアッセイで、化合物がGLP−1、グルカゴン、またはGIPに対する受容体を活性化する能力に対する尺度である。数値的に、これは「EC50値」と表現され、投与量反応実験において反応(例えば、細胞内cAMPの形成)の最大の増大の半分を誘発する化合物の効果的な濃度である。
【0085】
治療的使用
メタボリックシンドロームは、一緒に生じた場合に、2型糖尿病、ならびにアテローム硬化性の血管疾患(例えば、心疾患および脳卒中)を発症するリスクを増大する医学的障害の組合せである。メタボリックシンドロームに対する医学的パラメーターの定義には、真性糖尿病、耐糖能障害、空腹時グルコースの上昇、インスリン抵抗性、尿中アルブミン分泌、中心性肥満、高血圧、トリグリセリドの上昇、LDLコレステロールの上昇、およびHDLコレステロールの低下が含まれる。
【0086】
肥満は、過剰の体脂肪が、健康および平均余命に対して有害作用があり得る程度に蓄積し、成人および小児における有病率の増大により、現代の世界における予防できる主要な死因の一つとなっている医学的状態である。肥満は、心疾患、2型糖尿病、閉塞性睡眠時無呼吸、あるタイプの癌、および骨関節炎を含めた多様な他の疾患の可能性を増大し、最も一般的に、過剰な食物摂取、エネルギー支出の低下、および遺伝的感受性の組合せによって引き起こされる。
【0087】
真性糖尿病はしばしば単に糖尿病と呼ばれ、身体が十分なインスリンを生成しないため、または生成されるインスリンに細胞が反応しないためにヒトが高血糖レベルを有する一群のメタボリック疾患である。最も一般的なタイプの糖尿病は:(1)身体がインスリンを生成することができない、1型糖尿病;(2)経時的なインスリン欠乏の増大と組み合わされて、身体がインスリンを適切に用いることができない、2型糖尿病(T2DM)、および(3)女性が妊娠により糖尿病を発症する、妊娠糖尿病である。全ての形態の糖尿病が長期の合併症のリスクを増大し、合併症は長年の後に発症するのが典型的である。これらの長期の合併症の殆どが血管に対する損傷に基づくものであり、大血管のアテローム性動脈硬化に起因する「大血管性」疾患、および小血管の損傷に起因する「微小血管」疾患の2つのカテゴリーに分けることができる。大血管性疾患状態の例には、虚血性心疾患、心筋梗塞、脳卒中、および末梢血管疾患がある。微小血管疾患の例には、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、および糖尿病性神経障害がある。
【0088】
GLP−1およびGIP、ならびにグルカゴンに対する受容体は、7回膜貫通型ヘテロ三量体Gタンパク質連結型受容体のファミリーのメンバーである。これらは構造的に相互に関連しており、著しいレベルの配列同一性を共有するだけでなく、リガンド認識および細胞内シグナル伝達経路の同様の機序も有する。
【0089】
同様に、ペプチドであるGLP−1、GIP、およびグルカゴンは、配列同一性/類似性の高い領域を共有する。GLP−1およびグルカゴンは、共通の前駆物質であるプレプログルカゴンから生成され、これが差次的に組織特異的な形でプロセシングを受けて、例えば、腸の内分泌細胞でGLP−1が、膵島のアルファ細胞でグルカゴンが産生される。GIPはより大型のproGIPプロホルモン前駆物質に由来し、小腸にあるK細胞から合成され、放出される。
【0090】
ペプチドのインクレチンホルモンであるGLP−1およびGIPは、食物に反応して腸の内分泌細胞によって分泌され、食事刺激性インスリン分泌の最大70%を占める。GLP−1分泌は、耐糖能障害または2型糖尿病を有する対象で低下するが、これらの患者ではGLP−1に対する反応性は依然として保存されていることが、証拠により示唆される。したがって、GLP−1受容体を適切なアゴニストで標的化することにより、糖尿病を含めたメタボリック障害の処置に対する魅力的な手法がもたらされる。GLP−1に対する受容体は広く分布しており、主に膵島、脳、心臓、腎臓、および消化管に見出される。膵臓では、GLP−1は、ベータ細胞からのインスリン分泌の増大により、厳密にグルコース依存的に作用する。このグルコース依存性により、GLP−1受容体の活性化は低血糖を引き起こす可能性がないことが示される。また、GIPに対する受容体は、膵島、脂肪組織、胃、小腸、心臓、骨、肺、腎臓、精巣、副腎皮質、下垂体、内皮細胞、気管、脾臓、胸腺、甲状腺、および脳を含めた末梢組織において広範に発現される。インクレチンホルモンとしての生物学的機能に一致して、膵臓のβ細胞は、ヒトにおけるGIPに対する最高レベルの受容体を発現する。
【0091】
GIP受容体媒介性のシグナリングは、T2DMを有する患者において損なわれている可能性があるが、GIP作用の損失は、可逆的であることが示されており、糖尿病状態の改善で回復させることができるという臨床上の証拠がいくつか存在する。重要なことに、インクレチンホルモン、GIPおよびGLP−1のいずれによるインスリン分泌の刺激も厳密にグルコース依存性であり、低血糖の低いリスクに関連した絶対に安全な機序を確実にしている。
【0092】
ベータ細胞レベルで、GLP−1およびGIPは、グルコース感受性、新生、増殖、プロインスリンの転写および肥大、ならびに抗アポトーシスを促進することが示された。GLP−1およびGIP受容体に対する両方のアゴニスト活性を有するペプチドは、相加または相乗的な抗糖尿病有用性を有すると予測することができる。膵臓以外にGLP−1の他の関連した効果には、遅延した胃内容排出、満腹感の増加、食物摂取の減少、体重の低下、ならびに神経保護および心保護的効果が含まれる。2型糖尿病を有する患者において、肥満および心血管疾患のような高い率の併存症を考慮すると、こうした膵外の効果は特に重要となる。骨粗鬆症、およびアルツハイマー病のような認知性欠陥の治療に有益であり得る、膵臓以外の末梢組織におけるさらなるGIP作用は、増加した骨形成および低下した骨再吸収ならびに神経保護効果を含む。
【0093】
グルカゴンは、膵臓のアルファ細胞によって生成され、循環グルコースが低い場合に血流中に放出される、アミノ酸29個のペプチドホルモンである。グルカゴンの重要な生理学的役割は、肝臓におけるグルコース出力を刺激することであり、これはin vivoでグルコース恒常性を維持する上でインスリンに対して主要な対抗制御的な機序をもたらすプロセスである。
【0094】
しかし、グルカゴン受容体は、腎臓、心臓、脂肪細胞、リンパ芽球、脳、網膜、副腎、および消化管などの肝臓外の組織においても発現され、グルコース恒常性を超えたより広範囲の生理学的役割が示唆される。したがって、最近の研究は、グルカゴンには、食物摂取の減少および体重減少を伴う、エネルギー支出の刺激および熱発生を含めたエネルギー管理に対して、治療的にポジティブな効果があることを報告している。まとめると、グルカゴン受容体の刺激は、肥満およびメタボリックシンドロームの処置において有用であり得る。
【0095】
オキシントモジュリンは、C−末端の延長を包含するアミノ酸8個とグルカゴンからなるペプチドホルモンである。GLP−1およびグルカゴン同様、オキシントモジュリンはプレプログルカゴンにおいて前もって形成され、切断され、小腸の内分泌細胞によって組織特異的に分泌される。オキシントモジュリンは、GLP−1およびグルカゴンに対する受容体の両方を刺激し、したがって二重アゴニストの原型であることが知られている(Pocai、Molecular Metabolism、2013年、3巻、241〜51頁を参照されたい)。
【0096】
GLP−1およびGIPは抗糖尿病効果で知られており、GLP−1およびグルカゴンは共に食物摂取抑制効果で知られており、グルカゴンはさらなるエネルギー支出のメディエータでもあるので、1分子に3つのホルモンの活性を組み合わせることで、メタボリックシンドローム、特にその構成成分である糖尿病および肥満を処置するのに強力な薬物療法をもたらすことができると考えられる。
【0097】
したがって、本発明の化合物は、グルコース不耐性、インスリン抵抗性、糖尿病前症、空腹時グルコースの上昇(高血糖)、2型糖尿病、高血圧、異脂肪血症、アテローム性動脈硬化症、冠動脈心疾患、末梢動脈疾患、脳卒中、またはこれら個々の疾患の構成成分の任意の組合せの処置に用いることができる。
【0098】
さらに、本発明の化合物は、食欲、摂食、およびカロリー摂取のコントロール、エネルギー支出の増大、体重増加の予防、体重減少の促進、体重過剰の減少、および病的肥満を含めた肥満の全体的な処置に用いることができる。
【0099】
本発明の化合物は、GLP−1、GIPに対する、およびグルカゴンに対する受容体に対するアゴニスト(例えば、「三重アゴニスト」)であり、糖尿病および肥満を同時に処置できるようにすることにより、メタボリックシンドロームを標的化する臨床的必要性に取り組む治療上の利点を提供することができる。
【0100】
本発明の化合物で処置し得るさらなる疾患状態および健康状態は、肥満関連の炎症、肥満関連の胆嚢疾患、および肥満誘発性の睡眠時無呼吸である。
【0101】
これらの状態は全て肥満に直接的または間接的に関連し得るが、本発明の化合物の効果は、全体的または部分的に体重に対する効果によって、またはこの効果とは独立に媒介され得る。
【0102】
さらに、処置しようとする疾患は、アルツハイマー病もしくはパーキンソン病などの神経変性疾患、または上記に記載した他の変性疾患であることもある。
【0103】
一実施形態において、化合物は、高血糖、2型糖尿病および/または肥満の処置または予防において有用である。
【0104】
本発明の化合物は、患者の腸通過を低減する能力、胃内容物を増大する能力および/または食物摂取を減少させる能力を有し得る。本発明の化合物のこれらの活性は、当業者に知られており本明細書において方法にも記載されている動物モデルにおいて評価することができる。
【0105】
本発明の化合物は、患者の血中グルコースレベルを低下させる能力、および/またはHbA1cレベルを低下させる能力を有する。本発明の化合物のこれらの活性は、当業者に知られており本明細書において方法および実施例にも記載されている動物モデルにおいて評価することができる。
【0106】
本発明の化合物は、患者の体重を減少させる能力を有し得る。本発明の化合物のこれらの活性は、当業者に知られており本明細書において方法および実施例にも記載されている動物モデルにおいて評価することができる。
【0107】
本発明の化合物は、肝脂肪症、好ましくは、非アルコール性肝疾患(NAFLD)および非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の処置または予防において有用であり得る。
【0108】
医薬組成物
「医薬組成物」の語は、混合した場合に適合性であり、投与することができる成分を含む混合物を指し示すものである。医薬組成物は、1つまたはそれ以上の医薬品を含むことができる。さらに、医薬組成物は、活性の、または不活性の成分と考えられても、考えられなくても、担体、バッファー、酸性化剤、アルカリ化剤、溶媒、補助剤、等張化剤、緩和薬、増量剤、保存剤、物理的および化学的安定化剤、例えば、界面活性剤、抗酸化剤、ならびに他の構成成分を含むことができる。医薬組成物の調製における技術者に対する指南は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、(第20版)A.R.Gennaro A.R.編集、2000年、Lippencott Williams & Wilkins、およびR.C.Roweら(編集)、Handbook of Pharmaceutical Excipients、PhP、2013年5月最新版に見出すことができる。
【0109】
本発明のエキセンジン−4ペプチド誘導体、またはその塩は、医薬組成物の一部として、許容される製薬上の担体、希釈剤、または賦形剤と組み合わせて投与される。
【0110】
「薬学的に許容される担体」は、生理学的に許容され(例えば、生理学的に許容されるpH)、一緒に投与される物質の治療上の性質を保持する担体である。標準的な許容される製薬上の担体およびその製剤は当業者には知られており、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、(第20版)A.R.Gennaro A.R.編集、2000年、Lippencott Williams & Wilkins、およびR.C.Roweら(編集)、Handbook of Pharmaceutical excipients、PhP、2013年5月最新版に記載されている。一例の薬学的に許容される担体は、生理学的食塩水溶液である。
【0111】
一実施形態において、担体は、バッファー(例えば、シトレート/クエン酸、アセテート/酢酸)、酸性化剤(例えば、塩酸)、アルカリ化剤(例えば、水酸化ナトリウム)、保存剤(例えば、フェノール、m−クレゾール)、共溶媒(例えば、ポリエチレングリコール400)、等張化剤(例えば、マンニトール、グリセロール)、安定化剤(例えば、界面活性剤、抗酸化剤、アミノ酸)の群から選択される。
【0112】
用いる濃度は、生理学的に許容される範囲におけるものである。
【0113】
許容される製薬上の担体または希釈剤には、経口、直腸、経鼻、または非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内、および経皮を含む)の投与に適する製剤において用いられるものが含まれる。本発明の化合物は、非経口投与するのが典型的である。
【0114】
「薬学的に許容される塩」の語は、哺乳動物において用いるのに安全および効果的である本発明の化合物の塩を意味する。
【0115】
「溶媒和物」の語は、本発明の化合物またはその塩の、有機溶媒分子および/または水などの溶媒分子との複合体を意味する。
【0116】
医薬組成物において、エキセンジン−4誘導体は、モノマーまたはオリゴマーの形態であってよい。
【0117】
化合物の「治療有効量」の語は、所望の効果を提供するのに、非毒性であるが十分な量の化合物を意味する。所望の生物学的効果を実現するのに必要な式Iの化合物の量は、選択する特定の化合物、使用目的、投与様式、および患者の臨床上の状態などの数々の因子に依存する。任意の個々の症例における適切な「有効」量は、当業者によってルーチンの実験を用いて決定され得る。例えば、式Iの化合物の「治療有効量」は、約0.01から50mg/投与量、好ましくは0.02から1mg/投与量である。
【0118】
本発明の医薬組成物は、非経口(例えば、皮下、筋肉内、皮内、または静脈内)、直腸、局所、および経口的(例えば、舌下)の投与に適するものであるが、最も適切な投与様式は、個々の症例の各々において処置しようとする状態の性質および重症度、ならびに各症例において用いられる式Iの化合物の性質に依存する。一実施形態において、適用は、非経口、例えば、皮下である。
【0119】
非経口適用の場合、相当する製剤が、投与の間に微生物および細菌の増殖を阻害するために少なくとも1つの抗微生物性保存剤を含むことが好ましいであろう。好ましい保存剤は、ベンジル型アルコール、またはフェノールもしくはm−クレゾールのようなフェノール化合物である。これらの成分は、製剤中でより低い溶解性および安定性をもたらすペプチドおよびタンパク質の凝集を誘導し得ることが記載されている(R.L.Bisら、Int.J.Pharm.472巻、356〜361頁、2014年;T.J.Kamerzell、Adv.Drug Deliv.Rev.、63巻、1118〜1159頁、2011年を参照されたい)。
【0120】
適切な医薬組成物は、別々の単位の形態、例えば、バイアルまたはアンプル中の、カプセル剤、錠剤、および散剤であってよく、これらは各々、規定された量の化合物を;粉末もしくは顆粒として;水性もしくは非水性の液体中の溶液もしくは懸濁液として;または水中油型もしくは油中水型エマルジョンとして含んでいる。組成物は、単一または複数の投与量の注射可能な形態において、例えば、ペンの形態において提供することができる。組成物は、すでに言及した通り、活性成分および担体(1つまたはそれ以上のさらなる成分からなっていてよい)を接触させるステップを含む、任意の適切な製薬方法によって調製することができる。
【0121】
ある実施形態において、医薬組成物は、適用のための装置と一緒に、例えば、シリンジ、注射用ペン、またはオートインジェクターと一緒に提供することができる。このような装置は、医薬組成物と別々に提供しても、または医薬組成物が予め充填してあってもよい。
【0122】
投与単位、パッケージ、ペン装置および投与
本発明の化合物は、好適な医薬組成物における使用のために調製することができる。好適な医薬組成物は、1つまたは複数の投与単位の形態であってもよい。
【0123】
組成物は、本発明の化合物および担体(1つまたは複数のさらなる成分からなっていてよい)を接触させるステップを含む、任意の適切な製薬方法によって調製することができる。投与単位は、例えば、カプセル剤、錠剤、糖衣剤、顆粒分包剤、滴剤、液剤、懸濁液、凍結乾燥物および散剤であり、そのそれぞれが、規定された量の本発明の化合物を含む。
【0124】
本発明の化合物または本発明の医薬組成物(投与単位)の上記の投与単位のそれぞれは、容易な輸送および保存のためにパッケージに入れて提供されてもよい。投与単位は、標準的な単回投与または多回投与のパッケージング中にパッケージ化され、それらの形態、材料および形状は、調製される単位のタイプに依存する。
【0125】
例えば、錠剤および他の形態の固体投与単位は、単回単位中にパッケージ化することができ、単回パッケージ化単位は、マルチパック容器中にパッケージ化することができる。液体の製剤は、単回単位、例えば、バイアル、カートリッジ、シリンジ/予備充填シリンジ、注入袋、折り畳み式プラスチック袋、注入ボトル、ブロー充填封止ボトルもしくは注入チュービングまたは単回もしくは多回の用量注射用の形態、例えば、ペン装置、ポンプまたはシリンジの形態でパッケージ化することができ、単回パッケージ化単位は、マルチパック容器中にパッケージ化することができる。単回パッケージは、1つだけまたは複数の投与単位を含んでいてもよい。パッケージは、例えば、紙、厚紙、板紙、プラスチック、金属など、紙、プラスチックおよび金属、またはガラスのうちの1つまたは複数の組合せまたはラミネートでできていてもよい。例示的実施形態は、例えば錠剤またはカプセル剤を含むブリスターパッケージであり、これは、次いで、例えば散剤を含む厚紙ボックス、アルミニウムバリアラミネート分包剤、例えば錠剤もしくは溶液を含むガラスもしくはプラスチックボトル、または溶液もしくは懸濁液を含むバイアル、カートリッジ、シリンジ、注入袋、注入ボトル、注入チュービングまたはアンプル中で提供することができる。
【0126】
ある実施形態では、投与単位は、適用のための装置と一緒に、例えば、シリンジ、注射用ペン、またはオートインジェクターと一緒に提供することができる。このような装置は、医薬組成物と別々に提供することもでき、または医薬組成物を予め充填することもできる。
【0127】
「ペン型注射装置」は、簡単に「注入ペン」と呼ばれることが多く、典型的には、筆記のための万年筆に似た細長い形状を有する注入装置である。こうしたペンは、通常、管状断面を有するが、それらは、異なる断面、例えば、三角形、四角形または正方形またはこれらの幾何学的形状の周りのいずれのバリエーションをも簡単に有することができる。一般に、ペン型注射装置は、以下の3つの主要エレメントを含む:カートリッジを含むカートリッジ断面は、ハウジングまたはホルダーの中に含まれることが多く;カートリッジ断面の1つの端に連結されたニードルアセンブリ;およびカートリッジ断面の他の端に連結された投与断面。カートリッジは、「アンプル」と呼ばれることも多く、典型的には、医薬品で充填されたリザーバー、カートリッジリザーバーの1つの端に位置する移動可能なゴム型栓またはストッパー、およびネックダウン端であることが多い他に位置する穿刺可能なゴム封止を有する上部を含む。圧着された環状金属バンドは、典型的には、ゴム封止を所定位置に保持するのに使用される。カートリッジハウジングが典型的にはプラスチックでできているのに対して、カートリッジリザーバーは、歴史的にガラスでできていた。
【0128】
併用治療
本発明の化合物である、GLP−1に対する三重アゴニスト、GIPおよびグルカゴン受容体は、他の薬理学的な有効化合物と、例えば、Rote Liste 2016に言及されている全ての薬物、例えば、Rote Liste 2016、第1章に言及されている全ての体重減少薬または食欲抑制薬と、Rote Liste 2016、第58章に言及されている全ての脂質低下薬と、Rote Liste 2016に言及されている全ての降圧薬および腎臓保護薬(nephroprotectives)と、またはRote Liste 2015、第36章に言及されている全ての利尿薬と、広範に組み合わせることができる。
【0129】
活性成分の併用を、特に作用における相乗作用的改善に用いることができる。これは、活性成分を患者に別々に投与することにより、または複数の活性成分が1つの医薬調製物に存在する併用生成物の形態において適用することができる。活性成分の別々の投与によって活性成分を投与する場合、これは同時に、または連続的に行うことができる。
【0130】
このような併用に適する他の活性物質には、特に、例えば、言及する徴候の1つに関して1つもしくはそれ以上の活性物質の治療効果を増強するもの、および/または1つもしくはそれ以上の活性物質の投与量の減少を可能にするものが含まれる。
【0131】
併用に適切である治療剤は、例えば、以下のような抗糖尿病剤を含む:
インスリンおよびインスリン誘導体、例えば:Glargine/Lantus(登録商標)、インスリングラルギン270〜330U/mL(EP2387989A)、インスリングラルギン300U/mL(EP2387989A)、Glulisin/Apidra(登録商標)、Detemir/Levemir(登録商標)、Lispro/Humalog(登録商標)/Liprolog(登録商標)、Degludec/DegludecPlus、Aspart、基本のインスリンおよび類似体(例えば、LY−2605541、LY2963016、NN1436)、PEG化インスリンLispro、Humulin(登録商標)、Linjeta、SuliXen(登録商標)、NN1045、インスリンプラスSymlin、PE0139、即効性および短時間作用型のインスリン(例えば、Linjeta、PH20、NN1218、HinsBet)、(APC−002)ヒドロゲル、経口、吸入可能、経皮、および舌下のインスリン(例えば、Exubera(登録商標)、Nasulin(登録商標)、Afrezza、Tregopil、TPM 02、Capsulin、Oral−lyn(登録商標)、Cobalamin(登録商標)経口インスリン、ORMD−0801、NN1953、NN1954、NN1956、VIAtab、Oshadi経口インスリン)。さらに、二官能性のリンカーによってアルブミンまたは別のタンパク質に結合しているインスリン誘導体もさらに含まれる。
【0132】
GLP−1、GLP−1類似体およびGLP−1受容体アゴニスト、例えば:リキシセナチド/AVE0010/ZP10/リキスミア、エキセナチド/エキセンジン−4/Byetta/Bydureon/ITCA 650/AC−2993、リラグルチド/Victoza、セマグルチド、タスポグルチド、シンクリア(Syncria)/アルビグルチド、デュラグルチド、rエキセンジン−4、CJC−1134−PC、PB−1023、TTP−054、エフェグレナチド(Efpeglenatide)/HM−11260C、CM−3、GLP−1エリゲン(Eligen)、ORMD−0901、NN−9924、NN−9926、NN−9927、ノデキセン(Nodexen)、Viador−GLP−1、CVX−096、ZYOG−1、ZYD−1、GSK−2374697、DA−3091、MAR−701、MAR709、ZP−2929、ZP−3022、ZP−DI−70、TT−401、MK−8521、MEDI0382、BHM−034、HM12525A、MOD−6030、CAM−2036、DA−15864、ARI−2651、ARI−2255、LY3298176、NN1177、エキセナチド−XTENおよびグルカゴン−XTEN、NN9030。
【0133】
DPP−4インヒビター、例えば:アログリプチン/Nesina、Trajenta/リナグリプチン/BI−1356/Ondero/Trajenta/Tradjenta/Trayenta/Tradzenta、サキサグリプチン/Onglyza、シタグリプチン/Januvia/Xelevia/Tesave/Janumet/Velmetia、Galvus/ビルダグリプチン、アナグリプチン、ゲミグリプチン、テネリグリプチン、メログリプチン、トレラグリプチン、DA−1229、オマリグリプチン/MK−3102、KM−223、エボグリプチン、ARI−2243、PBL−1427、ピノキサシン(Pinoxacin)。
【0134】
SGLT2インヒビター、例えば:Invokana/カナグリフロジン、Forxiga/ダパグリフロジン、レモグリフロジン、セリグロフロジン、エンパグリフロジン、イプラグリフロジン、トホグリフロジン、ルセオグリフロジン、ソタグリフロジン(LX−4211)、エルツグリフロジン/PF−04971729、RO−4998452、ベキサグリフロジン(EGT−0001442)、KGA−3235/DSP−3235、LIK066、SBM−TFC−039、ヘナグリフロジン(SHR3824)、ジャナグリフロジン、ティアナグリフロジン、AST1935、JRP493、HEC−44616
ビグアナイド(例えば、メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン)、チアゾリジンジオン(例えば、ピオグリタゾン、リボグリタゾン、ロシグリタゾン、トログリタゾン)、二重PPARアゴニスト(例えば、アレグリタザール、ムラグリタザール、テサグリタザール)、スルホニル尿素(例えば、トルブタミド、グリベンクラミド、グリメピリド/アマリール、グリピジド)、メグリチニド(例えば、ナテグリニド、レパグリニド、ミチグリニド)、アルファグルコシダーゼインヒビター(例えば、アカルボース、ミグリトール、ボグリボース)、アミリンおよびアミリン類似体(例えば、プラムリンチド、シムリン)。
【0135】
GPR119アゴニスト(例えば、GSK−263A、PSN−821、MBX−2982、APD−597、ZYG−19、DS−8500)、GPR40アゴニスト(例えば、ファシグリファム/TAK−875、TUG−424、P−1736、JTT−851、GW9508)。
【0136】
他の適切な併用パートナーには:Cycloset、11−ベータ−HSDのインヒビター(例えば、LY2523199、BMS770767、RG−4929、BMS816336、AZD−8329、HSD−016、BI−135585)、グルコキナーゼのアクチベーター(例えば、TTP−399、AMG−151、TAK−329、GKM−001)、DGATのインヒビター(例えば、LCQ−908)、プロテインチロシンホスファターゼ1のインヒビター(例えば、トロズスクエミン)、グルコース−6−ホスファターゼのインヒビター、フルクトース−1,6−ビスホスファターゼのインヒビター、グリコーゲンホスホリラーゼのインヒビター、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼのインヒビター、グリコーゲンシンターゼキナーゼのインヒビター、ピルビン酸デヒドロキナーゼのインヒビター、アルファ2−アンタゴニスト、CCR−2アンタゴニスト、SGLT−1インヒビター(例えば、LX−2761)がある。
【0137】
例えば:HMG−CoA−レダクターゼインヒビター(例えば、シンバスタチン、アトルバスタチン)、フィブラート(例えば、ベザフィブラート、フェノフィブラート)、ニコチン酸およびその誘導体(例えば、ナイアシン)、PPAR−(アルファ、ガンマまたはアルファ/ガンマ)アゴニストまたはモジュレーター(例えば、アレグリタザール)、PPAR−デルタアゴニスト、ACATインヒビター(例えば、アバシミブ)、コレステロール吸収インヒビター(例えば、エゼチミブ)、胆汁酸結合物質(例えば、コレスチラミン)、回腸胆汁酸輸送インヒビター、MTPインヒビター、またはPCSK9のモジュレーターのような1つまたはそれ以上の脂質低下薬も併用パートナーとして適切である。
【0138】
CETPインヒビター(例えば、トルセトラピブ、アナセトラピブ、ダルセトラピブ、エバセトラピブ、JTT−302、DRL−17822、TA−8995)またはABC1レギュレーターのようなHDL上昇化合物。
【0139】
他の適切な併用パートナーは、例えば:シブトラミン、テソフェンシン、オルリスタット、カンナビノイド−1受容体のアンタゴニスト、MCH−1受容体アンタゴニスト、MC4受容体アゴニスト、NPY5もしくはNPY2アンタゴニスト(例えば、ベルネペリット)、ベータ−3−アゴニスト、レプチンもしくはレプチンミメティック、5HT2c受容体のアゴニスト(例えば、ロルカセリン)、またはブプロピオン/ナルトレキソン、ブプロピオン/ゾニサミド、ブプロピオン/フェンテルミン、またはプラムリンチド/メトレレプチンの併用のような、肥満を処置するための1つまたはそれ以上の活性物質である。
【0140】
他の適切な併用パートナーは:
ペプチドYY3−36(PYY3−36)またはその類似体、膵臓ポリペプチド(PP)またはその類似体のようなさらなる消化管ペプチド、
グルカゴン受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、GIP受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、グレリンアンタゴニストまたはインバースアゴニスト、キセニンおよびその類似体である。
【0141】
さらに、例えば:アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト(例えば、テルミサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、ロサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、オルメサルタン、タソサルタン、アジルサルタン)、ACEインヒビター、ECEインヒビター、利尿薬、ベータブロッカー、カルシウムアンタゴニスト、中枢作用性昇圧薬、アルファ−2−アドレナリン作用性受容体のアンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼのインヒビター、血小板凝集インヒビターおよびその他、またはこれらの組合せのような、高血圧、慢性心不全またはアテローム性動脈硬化に影響を及ぼすための薬物との併用が適切である。
【0142】
別の一態様において、本発明は、GLP−1およびグルカゴンに対する受容体に結合することにより、およびこれらの活性を変調することにより、影響を及ぼすことができる疾患または状態を処置または予防するのに適する薬物を調製するための、併用パートナーとして上記に記載した活性物質の少なくとも1つと組み合わせた、本発明による化合物または生理学的に許容されるその塩の使用に関する。これは、メタボリックシンドローム、特に上記に列挙した疾患または状態の1つ、最も詳しくは糖尿病もしくは肥満またはこれらの合併症の状況における疾患であるのが好ましい。
【0143】
本発明による化合物、または生理学的に許容されるその塩の、1つまたはそれ以上の活性物質との併用における使用は、同時に、別々に、または連続的に起こり得る。
【0144】
本発明による化合物、または生理学的に許容されるその塩の、別の活性物質との併用における使用は、同時に、または互い違いの時間であるが、特に短期の時間間隔内に起こり得る。これらを同時に投与する場合、2つの活性物質は患者に一緒に投与され;これらを互い違いの時間に用いる場合、2つの活性物質は患者に、12時間以下、特に6時間以下の期間内に投与される。
【0145】
したがって、別の一態様において、本発明は、本発明による化合物、またはそのような化合物の生理学的に許容される塩、および併用パートナーとして上記に記載した少なくとも1つの活性物質を、場合により1つまたはそれ以上の不活性な担体および/または希釈剤と一緒に含む薬物に関する。
【0146】
本発明による化合物、または生理学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、およびこれらと併用されるさらなる活性物質は、共に、錠剤もしくはカプセル剤中などの1製剤中に一緒に、またはいわゆるキットオブパーツなど、2つの同一の、もしくは異なる製剤中に別々に存在することができる。