特許第6987139号(P6987139)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6987139ペプチドGLP1/グルカゴン/GIP受容体アゴニストとしての新しい化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6987139
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】ペプチドGLP1/グルカゴン/GIP受容体アゴニストとしての新しい化合物
(51)【国際特許分類】
   C07K 14/605 20060101AFI20211213BHJP
   A61K 38/26 20060101ALI20211213BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20211213BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20211213BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20211213BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20211213BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20211213BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20211213BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20211213BHJP
   A61P 5/50 20060101ALI20211213BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20211213BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   C07K14/605ZNA
   A61K38/26
   A61K45/00
   A61P1/00
   A61P3/04
   A61P3/06
   A61P3/10
   A61P9/10 101
   A61P9/12
   A61P5/50
   A61P1/16
   A61P43/00 111
【請求項の数】37
【全頁数】64
(21)【出願番号】特願2019-529534(P2019-529534)
(86)(22)【出願日】2017年12月1日
(65)【公表番号】特表2019-536795(P2019-536795A)
(43)【公表日】2019年12月19日
(86)【国際出願番号】EP2017081126
(87)【国際公開番号】WO2018100135
(87)【国際公開日】20180607
【審査請求日】2020年11月18日
(31)【優先権主張番号】16306605.3
(32)【優先日】2016年12月2日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504456798
【氏名又は名称】サノフイ
【氏名又は名称原語表記】SANOFI
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・ボッサルト
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・エヴァース
(72)【発明者】
【氏名】トーシュテン・ハーク
(72)【発明者】
【氏名】カトリン・ローレンツ
(72)【発明者】
【氏名】ディーター・カーデライト
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・ワーグナー
(72)【発明者】
【氏名】シュテファーニア・プファイファー−マーレック
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・ローレンツ
【審査官】 池上 京子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−532297(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/155141(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 1/00−19/00
C12P 21/00−21/08
C12N 15/00−15/90
A61K 38/00−38/58
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物:
N−His−Aib−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Leu−X14−Glu−X16−Gln−Arg−Gln−Aib−Glu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Ala−X29−Gly−X31−Pro−Ser−Aib−Lys−Pro−Pro−Pro−Lys−R
[式中、
X14は、Lys、Orn、Dab、もしくはDapからなる群から選択される、官能化されている−NH側鎖基を有するアミノ酸残基を表し、ここで、−NH側鎖基は−Z−C(O)−Rによって官能化されており、式中、
Zは、全ての立体異性体型におけるリンカーを表し、
は、炭素原子最大50個、ならびにNおよびOから選択されるヘテロ原子を含む部分であり、
X16は、GluおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29は、D−AlaおよびGlyから選択されるアミノ酸残基を表し、
X31は、HisおよびProから選択されるアミノ酸残基を表し、
は、NHもしくはOHを表す]
またはその塩もしくは溶媒和物。
【請求項2】
はNHである、
請求項1に記載の化合物、
またはその塩もしくは溶媒和物。
【請求項3】
ペプチド化合物は、グルカゴン受容体において天然のグルカゴンに比べて少なくとも1%の相対的活性を有する、
請求項1〜2のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項4】
ペプチド化合物は、GLP−1受容体においてGLP−1(7−36)−アミドに比べて少なくとも10%の相対的活性を示す、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
ペプチド化合物は、GIP受容体においてGIPに比べて少なくとも2%の相対的活性を示す、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は−Z−C(O)R基で官能化されており、式中、
Zは、gGlu、gGlu−gGlu、gGlu−AEEAc−gAAA−、gGlu−gGlu−AEEAc、AEEAc−AEEAc−gGlu、およびAEEAc−AEEAc−AEEAcから選択される基を表し、
は、ペンタデカニル、またはヘプタデカニルから選択される基を表す、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は−Z−C(O)R基で官能化されており、式中、
Zは、gGlu、gGlu−gGlu、gGlu−AEEAc−gAAA−およびgGlu−gGlu−AEEAcから選択される基を表し;
は、ペンタデカニルまたはヘプタデカニルから選択される基を表す、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(2−{2−[2−(2−{2−[(4S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル−、(2−{2−[2−(2−{2−[(4S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル−、[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−オクタデカノイルアミノ−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチル−によって官能化されており、
はNHを表す、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物、
またはその塩もしくは溶媒和物。
【請求項9】
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(2−{2−[2−(2−{2−[(4S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル、(2−{2−[2−(2−{2−[(4S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルによって官能化されており、
はNHを表す、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物、
またはその塩もしくは溶媒和物。
【請求項10】
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−
によって官能化されており、
X16はGluおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29は、D−AlaおよびGlyから選択されるアミノ酸残基を表し、
X31は、HisおよびProから選択されるアミノ酸残基を表し、
はNHを表す、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物、
またはその塩もしくは溶媒和物。
【請求項11】
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−によって官能化されており、
X16は、GluおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29は、Glyを表し、
X31は、HisおよびProから選択されるアミノ酸残基を表し、
はNHを表す、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物、
またはその塩もしくは溶媒和物。
【請求項12】
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−によって官能化されており、
X16は、Lysを表し、
X29は、D−AlaおよびGlyから選択されるアミノ酸残基を表し、
X31は、HisおよびProから選択されるアミノ酸残基を表し、
はNHを表す、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物、
またはその塩もしくは溶媒和物。
【請求項13】
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−によって官能化されており、
X16は、GluおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29は、D−AlaおよびGlyから選択されるアミノ酸残基を表し、
X31は、Proを表し、
はNHを表す、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物、
またはその塩もしくは溶媒和物。
【請求項14】
配列番号6〜23の化合物から選択される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物、ならびにその塩または溶媒和物。
【請求項15】
配列番号6によって表される、請求項1に記載の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
【請求項16】
配列番号9によって表される、請求項1に記載の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
【請求項17】
配列番号11によって表される、請求項1に記載の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
【請求項18】
ヒトの医療における使用のための、請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項19】
医薬品としての使用のための、請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項20】
少なくとも1つの薬学的に許容される担体と一緒に医薬組成物中に活性薬剤として存在する、請求項18〜19のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
【請求項21】
少なくとも1つのさらなる治療的活性薬剤と一緒になった、請求項19〜20のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
【請求項22】
少なくとも1つのさらなる治療的活性薬剤は、
インスリンおよびインスリン誘導体;
GLP−1、GLP−1類似体およびGLP−1受容体アゴニスト;
DPP−4インヒビター;
SGLT2インヒビター;
二重SGLT2/SGLT1インヒビター;
ビグアナイド、チアゾリジンジオン、二重PPARアゴニスト、スルホニル尿素、メグリチニド、アルファ−グルコシダーゼインヒビター、アミリンおよびアミリン類似体;
GPR119アゴニスト、GPR40アゴニスト、GPR120アゴニスト、GPR142アゴニスト、全身性または低吸収性のTGR5アゴニスト;
メシル酸ブロモクリプチン、11−ベータ−HSDのインヒビター、グルコキナーゼのアクチベーター、DGATのインヒビター、プロテインチロシンホスファターゼ1のインヒビター、グルコース−6−ホスファターゼのインヒビター、フルクトース−1,6−ビスホスファターゼのインヒビター、グリコーゲンホスホリラーゼのインヒビター、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼのインヒビター、グリコーゲンシンターゼキナーゼのインヒビター、ピルビン酸デヒドロキナーゼのインヒビター、アルファ2−アンタゴニスト、CCR−2アンタゴニスト、SGLT−1インヒビター、グルコーストランスポーター−4のモジュレーター、ソマトスタチン受容体3アゴニスト;
脂質低下薬;
肥満を処置するための活性物質;
消化管ペプチド;
リパーゼインヒビター、血管新生インヒビター、H3アンタゴニスト、AgRPインヒビター、トリプルモノアミン取込みインヒビター、MetAP2インヒビター、カルシウムチャネルブロッカーであるジルチアゼムの経鼻製剤、線維芽細胞成長因子受容体4の生成に対するアンチセンス分子、プロヒビチン標的化ペプチド−1;ならびに
高血圧、慢性心不全またはアテローム性動脈硬化に影響を及ぼすための薬物
からなる群から選択される、請求項21に記載の使用のための化合物。
【請求項23】
グルコース不耐性、インスリン抵抗性、糖尿病前症、空腹時グルコースの上昇、高血糖、2型糖尿病、高血圧、異脂肪血症、アテローム性動脈硬化症、冠動脈心疾患、末梢動脈疾患、脳卒中、またはこれら個々の疾患の構成成分の任意の組合せを処置するための、請求項18〜22のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
【請求項24】
食欲、摂食、およびカロリー摂取のコントロール、エネルギー支出の増大、体重増加の予防、体重減少の促進、体重過剰の減少、および病的肥満を含めた肥満の全体的な処置のための、請求項18〜22のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
【請求項25】
肝脂肪症の処置または予防のための、請求項18〜22のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
【請求項26】
高血糖、糖尿病、および肥満の処置または予防のための、請求項18〜22のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
【請求項27】
糖尿病および肥満を同時に処置するための、請求項18〜22のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
【請求項28】
2型糖尿病の処置のための、請求項18〜22のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
【請求項29】
肥満の処置のための、請求項18〜22のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
【請求項30】
患者の腸通過を低減するため、胃内容物を増大するためおよび/または食物摂取を減少させるための、請求項18〜22のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
【請求項31】
患者の血中グルコースレベルを低下させるためおよび/またはHbA1cレベルを低下させるための、請求項18〜22のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
【請求項32】
患者の体重を減少させるための、請求項18〜22のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
【請求項33】
医薬品としての使用のための、請求項1〜17のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物またはそれらのうちのいずれかの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む医薬組成物。
【請求項34】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物またはそれらのうちのいずれかの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物と、少なくとも1つのさらなる薬学的活性成分とを含む医薬組成物。
【請求項35】
患者において高血糖、2型糖尿病または肥満を処置するための医薬組成物であって、請求項1〜17のいずれか1項に記載の少なくとも1つの式Iの化合物の有効量と、糖尿病、肥満、異脂肪血症または高血圧を処置するのに有用な少なくとも1つの他の化合物の有効量とを含む前記医薬組成物
【請求項36】
少なくとも1つの式Iの化合物の有効量とさらなる活性成分とが同時に患者に投与される、請求項35に記載の医薬組成物
【請求項37】
少なくとも1つの式Iの化合物の有効量とさらなる活性成分とが連続に患者に投与される、請求項35に記載の医薬組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三重GLP−1/グルカゴン/GIP受容体アゴニストである新しい化合物、ならびに例えば糖尿病および肥満を含めたメタボリックシンドロームの障害の処置における、ならびに過剰な食物摂取を減少させるためのその医学的使用に関する。本発明の化合物は、エキセンジン−4に構造的に由来し、m−クレゾールまたはフェノールのような抗微生物性保存剤の存在下において酸性条件下で高い溶解性および安定性を示し、したがって、他の抗糖尿病性化合物との併用に特に適する。
【背景技術】
【0002】
Bhatら(非特許文献1)、Bhatら(非特許文献2)、Gaultら(非特許文献3)ならびにFinanら(非特許文献4)は、GLP−1、グルカゴンおよびGIPの作用を1つの分子において組み合わせるなどによる、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、グルカゴンおよびグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)受容体の三重アゴニストを記載しており、この三重アゴニストは、とりわけグルカゴン受容体が媒介する満腹感およびエネルギー消費の増大ならびにGIP受容体が媒介するインスリン分泌増大のため、純粋なGLP−1アゴニストよりも優れた抗糖尿病作用および顕著な体重減少効果のある治療原理をもたらす。
【0003】
GLP−1(7〜36)−アミドのアミノ酸配列を配列番号1に示す。
HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGR−NH
【0004】
リラグルチドは、市販されている化学修飾されたGLP−1類似体であり、他の修飾の中でも、脂肪酸が20位のリジンに連結し、作用時間の延長をもたらす(非特許文献5;非特許文献6)。
【0005】
リラグルチドのアミノ酸配列を配列番号2に示す:
HAEGTFTSDVSSYLEGQAAK((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル)EFIAWLVRGRG−OH
【0006】
グルカゴンは、循環グルコースが低いと血流中に放出される、アミノ酸29個のペプチドである。グルカゴンのアミノ酸配列を配列番号3に示す:
HSQGTFTSDYSKYLDSRRAQDFVQWLMNT−OH
【0007】
低血糖の間、血中グルコースレベルが正常未満に低下すると、グルカゴンはグリコーゲンを分解し、グルコースを放出するように肝臓にシグナルを送り、血中グルコースレベルの上昇を引き起こして正常レベルに到達させる。最近の出版物は、グルカゴンには、その上、体脂肪量の減少、食物摂取の減少、およびエネルギー支出の増大に対する有益な効果があることを示唆している(非特許文献7)。
【0008】
GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)は、食物摂取後に腸のK細胞から放出される、アミノ酸42個のペプチドである。GIPおよびGLP−1は、インクレチン効果を説明する2つの腸の腸内分泌細胞由来のホルモンであり、インクレチン効果は経口糖負荷に対するインスリン反応の70%超を占める(非特許文献8)。
【0009】
GIPのアミノ酸配列を配列番号5に示す:
YAEGTFISDYSIAMDKIHQQDFVNWLLAQKGKKNDWKHNITQ−OH
【0010】
GLP−1またはグルカゴンの構造をベースとし、GLP−1、グルカゴンおよびGIPの受容体に結合し、それらを活性化するペプチドは、特許出願である、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、および特許文献7に記載されている。エキセンジン−4をベースとしたさらなる三重特異性アゴニストは、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12および特許文献13に記載されている。それらの中に記載されている化合物は、血糖調節の改善、膵島細胞およびベータ細胞を保持できること、および体重減少の促進をもたらすことが示されている。
【0011】
エキセンジン−4の類似体として設計されかつ脂肪酸側鎖で置換されている、GIPおよびGLP−1両方の受容体に結合し、両者を活性化するペプチドは、特許出願である、特許文献8、特許文献14、特許文献15、および特許文献16に記載されている。
【0012】
エキセンジン−4は、アメリカドクトカゲ(Heloderma suspectumの唾液腺によって生成される、アミノ酸39個のペプチドである。エキセンジン−4は、GLP−1受容体のアクチベーターである一方、GIP受容体の低い活性化は示し、グルカゴン受容体は活性化しない(表1を参照されたい)。
【0013】
【表1】
【0014】
エキセンジン−4のアミノ酸配列を配列番号4に示す。
HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPS−NH2
【0015】
エキセンジン−4は、GLP−1に観察される血糖調節作用の多くを共有する。臨床試験および非臨床試験により、エキセンジン−4には、インスリンの合成および分泌におけるグルコース依存的な増強、グルカゴン分泌のグルコース依存的な抑制、胃排出の減速、食物摂取および体重の減少、ならびにベータ細胞塊およびベータ細胞機能のマーカーの増大を含めた、いくつかの有益な抗糖尿病性の性質があることが示されている。
【0016】
これらの作用は、糖尿病患者だけでなく肥満に苦しむ患者にも有益であり得る。肥満を有する患者は、糖尿病、高血圧、高脂血症、心血管疾患、および筋骨格疾患にかかるリスクがより高い。
【0017】
GLP−1に比べて、エキセンジン−4は、ジペプチジルペプチダーゼ−4(DPP4)による切断に対して抵抗性であり、in vivoで、より長時間の半減期および作用時間をもたらす(非特許文献9)。
【0018】
エキセンジン−4は、GLP−1、グルカゴン、またはオキシントモジュリンに比べると、中性エンドペプチダーゼ(NEP)による分解に対してはるかにより安定であることも示された(非特許文献10)。それにもかかわらず、エキセンジン−4は、28位のアスパラギンの脱アミドおよび異性体化(特許文献17)同様、14位のメチオニンの酸化(非特許文献11)のため、化学的に不安定である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】WO2010/011439
【特許文献2】WO2010/148089
【特許文献3】WO2012/088116
【特許文献4】WO2013/192129
【特許文献5】WO2013/192130
【特許文献6】WO2014/049610
【特許文献7】WO2015/067716
【特許文献8】WO2014/096145
【特許文献9】WO2015/086731
【特許文献10】WO2015/086732
【特許文献11】WO2015/086733
【特許文献12】WO2015/155141
【特許文献13】PCT/EP2016/063332
【特許文献14】WO2014/096150 A1
【特許文献15】WO2014/096149 A1
【特許文献16】WO2014/096148 A1
【特許文献17】WO2004/035623
【非特許文献】
【0020】
【非特許文献1】Bhatら、Diabetologia 2013、56、1417〜1424
【非特許文献2】Bhatら、Biochem Pharmacol.2013、85、1655〜62
【非特許文献3】Gaultら、J Biol Chem.2013、288、35581〜91
【非特許文献4】Finanら、Nat Med.2015、21、27〜36
【非特許文献5】Druckerら、Nat.Rev.Drug Disc.、2010年、9巻、267〜268頁
【非特許文献6】Buseら、Lancet、2009年、374巻、39〜47頁
【非特許文献7】Heppnerら、Physiology&Behavior、2010年、100巻、545〜548頁
【非特許文献8】Baggioら、Gastroenterology、2007年、132巻、2131〜2157頁
【非特許文献9】Eng J.、Diabetes、1996年、45巻(補完2)、152A頁(抄録554頁)
【非特許文献10】Druceら、Endocrinology、2009年、150巻(4)、1712〜1722頁
【非特許文献11】Hargroveら、Regul.Pept.、2007年、141巻、113〜119頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
Bloomら(WO2006/134340)は、グルカゴンおよびGLP−1受容体の両者に結合し、両者を活性化するペプチドは、グルカゴンおよびエキセンジン−4からハイブリッドの分子として構築することができ、この場合、N末端部分(例えば、残基1〜14または1〜24)はグルカゴンから生じ、C末端部分(例えば、残基15〜39または25〜39)はエキセンジン−4から生じることを開示している。このようなペプチドは、10〜13位にグルカゴンのアミノ酸モチーフであるYSKYを含む。Krstenanskyら(Krstenanskyら、Biochemistry、1986年、25巻、3833〜3839頁)は、グルカゴンのこれらの残基10〜13は、アデニル酸シクラーゼの受容体の相互作用および活性化に重要であることを示している。
【0022】
GLP−1、グルカゴン、およびオキシントモジュリンに比べて、エキセンジン−4には、溶液中および生理学的条件下の溶解性および安定性(DPP4またはNEPなどの酵素による分解に対する酵素の安定性を含む)などの、有益な物理化学的性質があり、これによりin vivoでより長期間の作用がもたらされる。
【0023】
それにもかかわらず、エキセンジン−4も、14位のメチオニンの酸化、ならびに28位のアスパラギンの脱アミドおよび異性体化のため、化学的に不安定であることが示されている。14位のメチオニンの置換により、ならびにアスパルトイミド形成、特に28位および29位のAsp−GlyまたはAsn−Glyによって分解されやすいことが知られている配列を避けることにより、安定性をさらに改善することができる。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明の化合物では、根底となる残基のいくつかが、グルカゴンおよびWO2006/134340に記載されるペプチドと異なる。特に、グルカゴンの原線維形成に寄与することが知られている残基Tyr10およびTyr13は(JS Pedersenら、Biochemistry、2006年、45巻、14503〜14512頁)、Leuによって置き換えられている。この置換は、特に23位のイソロイシンおよび24位のグルタメートと組み合わさって、溶液中の可溶性または凝集の挙動として生物物理学的性質が潜在的に改善されたエキセンジン−4誘導体をもたらす。エキセンジン−4類似体の13位の芳香族アミノ酸を脂肪族アミノ酸で非保存的置換することで、それらのGLP−1受容体に対する活性を保ったまま、グルカゴンおよびGIP両方の受容体に対して高い活性を有するペプチドがもたらされる。
【0025】
天然のエキセンジン−4は、グルカゴン受容体に対する活性がなく、GIP受容体に対する活性が低い、純粋なGLP−1受容体アゴニストである。本発明の化合物は、天然のエキセンジン−4の構造をベースとするが、配列番号4に比べて14個以上の位置において異なり、この場合、この違いがグルカゴン受容体およびGIP受容体でのアゴニスト活性の増強に寄与する。他の置換の中でも、14位のメチオニンが、側鎖に−NH基を有するアミノ酸によって置換され、これが親油性残基によってさらに置換されている(例えば、リンカーと組み合わされている脂肪酸)。さらに、13、19、20、32、34、35および39位のエキセンジン−4アミノ酸を13位でLeu、19位でGln、20位でAibまたはLysアミノ酸、34位でAib、32位でPro、ならびに35および39位でLysによって置換すると、GLP−1受容体に対する高い活性を保ったまま、グルカゴンならびにGIP両方の受容体に対する高い活性をもたらす。これらのペプチドは、pH4.5のような、酸性pH値で高い化学的安定性、溶解性および物理的安定性も示す。
【0026】
本発明の化合物は、以下の式Iを有する:
N−His−Aib−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Leu−X14−Glu−X16−Gln−Arg−Gln−Aib−Glu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Ala−X29−Gly−X31−Pro−Ser−Aib−Lys−Pro−Pro−Pro−Lys−R
[式中、
X14は、Lys、Orn、Dab、またはDapからなる群から選択される、官能化されている−NH側鎖基を有するアミノ酸残基を表し、ここで、−NH側鎖基は−Z−C(O)−Rによって官能化されており、式中、
Zは、全ての立体異性体型におけるリンカーを表し、
は、炭素原子最大50個、ならびにNおよびOから選択されるヘテロ原子を含む部分であり、
X16は、LysおよびGluから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29は、D−AlaおよびGlyから選択されるアミノ酸残基を表し、
X31は、HisおよびProから選択されるアミノ酸残基を表し、
は、NHまたはOHである]
またはこれらの塩もしくは溶媒和物。
【0027】
本発明の化合物は、方法に記載するアッセイ系において細胞内cAMP形成を刺激することができるという観察によって決定される通り、GLP−1、グルカゴンおよびGIP受容体アゴニストである。
【0028】
別の一実施形態によると、特に、親油性残基でさらに置換されている14位のリジンを有する本発明の化合物は、GLP−1受容体のGLP−1(7−36)アミドに比べて、相対的活性を少なくとも0.1%(すなわち、EC50<700pM)、より好ましくは1%(すなわち、EC50<70pM)、より好ましくは5%(すなわち、EC50<14pM)、およびさらにより好ましくは10%(すなわち、EC50<7pM)表す。さらに、本発明の化合物は、グルカゴン受容体において天然のグルカゴンに比べて、0.1%(すなわち、EC50<500pM)、より好ましくは0.25%(すなわち、EC50<200pM)、より好ましくは0.4%(<125pM)、さらにより好ましくは1%(すなわち、EC50<50pM)の相対的活性を少なくとも示す。さらに、本発明の化合物は、GIP受容体において天然のGIPに比べて、0.1%(すなわち、EC50<400pM)、より好ましくは0.4%(すなわち、EC50<100pM)、より好ましくは1%(<40pM)、さらにより好ましくは2%(すなわち、EC50<20pM)の相対的活性を少なくとも示す。
【0029】
本明細書で用いる「活性」の語は、好ましくは、化合物がヒトGLP−1受容体、ヒトグルカゴン受容体およびヒトGIP受容体を活性化させる性能を意味する。より好ましくは、本明細書で用いる「活性」の語は、化合物が、細胞内cAMP形成を刺激する性能を意味する。本明細書で用いる「相対活性」の語は、化合物が、別の受容体アゴニストに比べて、または別の受容体に比べて、ある比率で受容体を活性化させる性能を意味すると理解される。アゴニストによる受容体の活性化は(例えば、cAMPレベルの測定による)、実施例などに記載する通り、本明細書に記載する通りに決定される。
【0030】
本発明の化合物は、好ましくは、hGLP−1受容体に対して、450pM以下、好ましくは200pM以下、より好ましくは100pM以下、より好ましくは50pM以下、より好ましくは25pM以下、より好ましくは10pM以下、より好ましくは8pM以下、より好ましくは5pM以下のEC50、ならびにhグルカゴン受容体に対して、450pM以下、好ましくは200pM以下、より好ましくは100pM以下、より好ましくは50pM以下のEC50、ならびにhGIP受容体に対して、450pM以下、好ましくは200pM以下、より好ましくは100pM以下、より好ましくは50pM以下、より好ましくは25pM以下のEC50を有する。hGLP−1受容体、hグルカゴン受容体、およびhGIP受容体に対するEC50は、本明細書における方法に記載する通りに、および実施例に記載する結果を生成するように用いる通りに決定することができる。
【0031】
式Iの化合物、特に親油性残基でさらに置換されている14位のリジンを有する化合物は、14位に元のメチオニン(エキセンジン−4由来)またはロイシンを有する誘導体に比べて、グルカゴン受容体活性化の上昇を示す(WO2014/056872も参照されたい)。さらに、メチオニンの酸化(in vitroまたはin vivo)は、これ以上可能ではない。
【0032】
式Iの化合物は、グルカゴン受容体に対する高い活性を示すだけでなく、GIP受容体に対しても同様に高い活性を示す。GIP受容体に対するさらなる高い活性は、純粋なGLP−1受容体アゴニズムと比べて血中グルコース対照に対する高い効能を目的とし、GLP−1部分の寄与を減少させることができるので、胃腸障害のようなGLP−1に関連する副作用の可能性を低下させることが意図される。さらなるGIP受容体活性は、グルカゴン受容体活性化による潜在的なグルコース増加を打ち消すことも意図され、したがって、式Iの化合物において観察されるようなより高いグルカゴン受容体活性を可能にする(非特許文献4)。
【0033】
一実施形態において、本発明の化合物は、フェノールまたはm−クレゾールのような抗微生物性保存剤の存在下において酸性のかつ/または生理学的なpH値で、例えば、pH4から5までの酸性度範囲で、特に、pH4.5および/またはより生理学的なpH6から8までの範囲、特に、pH7.4、25℃または40℃で溶解性が高く、別の一実施形態において、少なくとも1mg/ml、および特定の一実施形態において、少なくとも5mg/mlである。
【0034】
さらに、本発明の化合物は、フェノールまたはm−クレゾールのような抗微生物性保存剤の存在下において溶液中で保存した場合に安定性が高いのが好ましい。安定性を決定するのに好ましいアッセイ条件は、pH4から5までの酸性度範囲、特に、pH4.5の溶液中、25℃または40℃、28日間の保存である。ペプチドの安定性は、方法に記載しているようなクロマトグラフィー分析によって決定する。pH4.5の溶液中、40℃、28日後に純度低下が、20%以下であるのが好ましく、より好ましくは15%以下、より好ましくは12%以下、さらにより好ましくは10%以下である。
【0035】
一実施形態において、本発明の化合物は、方法に記載しているような動的光散乱によってアッセイされるように、フェノールまたはm−クレゾールのような抗微生物性保存剤の存在下において、例えば、pH4から5までの酸性度範囲、25℃で、特に、pH4.5、25℃で、≧1mg/mlの濃度で5nm以下の流体力学的半径Rを示す。
【0036】
一実施形態において、本発明の化合物は、方法に記載しているようなThtアッセイによってアッセイされるように、フェノールまたはm−クレゾールのような抗微生物性保存剤の存在下において、例えば、pH4から5までの酸性度範囲、特に、pH4.5、37℃、5時間にわたって、より好ましくは10時間にわたって、より好ましくは20時間にわたって、より好ましくは30時間にわたって、より好ましくは40時間にわたって、さらにより好ましくは45時間にわたって、蛍光プローブとして3mg/mlの濃度でチオフラビンTを用いた蛍光強度において上昇を示さない。
【0037】
一実施形態において、本発明の化合物は、中性エンドペプチダーゼ(NEP)およびジペプチジルペプチダーゼ−4(DPP4)による切断により抵抗性であり、天然のGLP−1およびグルカゴンと比べた場合、in vivoで、より長時間の半減期および作用時間をもたらす。
【0038】
一実施形態において、本発明の化合物が、直鎖状配列の39個のアミノカルボン酸、特にペプチド結合、すなわちカルボキサミド結合によって連結されているα−アミノカルボン酸である、ペプチド部分を含むのが好ましい。
【0039】
一実施形態において、RはNHである。
【0040】
−Z−C(O)−R基に特に好ましい例を以下の表2に列挙し、これらは、
(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル、(4S)−カルボキシ−[2−(2−{2−[(4R)−5−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ペンタノイルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリル、(4S)−カルボキシ−[2−(2−{2−[(4R)−5−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ペンタノイルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−ブチリル、(2−{2−[2−(2−{2−[(4S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル、(2−{2−[2−(2−{2−[(4S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル、[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−オクタデカノイルアミノ−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチル−から選択される。
【0041】
立体異性体、特に、S−またはR−エナンチオマーいずれかの、これらの基のエナンチオマーがさらに好ましい。表2における「R」の語は、ペプチドバックボーンでの−Z−C(O)−R付着部位、例えば、Lysのイプシロン−アミノ基を意味するものとされる。
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
さらなる一実施形態は、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は−Z−C(O)R基で官能化されており、式中、
Zは、gGlu、gGlu−gGlu、gGlu−AEEAc−gAAA−、gGlu−gGlu−AEEAc、AEEAc−AEEAc−gGlu、およびAEEAc−AEEAc−AEEAcから選択される基を表し、
は、ペンタデカニル、またはヘプタデカニルから選択される基を表す、
式Iの化合物に関する。
【0045】
さらなる実施形態は、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は−Z−C(O)R基で官能化されており、式中、
Zは、gGlu、gGlu−gGlu、gGlu−AEEAc−gAAA−およびgGlu−gGlu−AEEAcから選択される基を表し;
は、ペンタデカニルまたはヘプタデカニルから選択される基を表す、
式Iの化合物に関する。
【0046】
さらなる一実施形態は、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(2−{2−[2−(2−{2−[(4S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル−、(2−{2−[2−(2−{2−[(4S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル−、[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−オクタデカノイルアミノ−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチルアミノ}−エトキシ)−エトキシ]−アセチル−によって官能化されており、
はNHを表す、
式Iの化合物、
またはこれらの塩もしくは溶媒和物に関する。
【0047】
さらなる実施形態は、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(2−{2−[2−(2−{2−[(4S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチル、(2−{2−[2−(2−{2−[(4S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルアミノ]−エトキシ}−エトキシ)−アセチルによって官能化されており、
はNHを表す、
式Iの化合物、
またはこれらの塩もしくは溶媒和物に関する。
【0048】
さらなる一実施形態は、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−によって官能化されており、
X16は、GluおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29は、D−AlaおよびGlyから選択されるアミノ酸残基を表し、
X31は、HisおよびProから選択されるアミノ酸残基を表し、
はNHを表す、
式Iの化合物、
またはこれらの塩もしくは溶媒和物に関する。
【0049】
さらなる実施形態は、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−によって官能化されており、
X16は、GluおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29は、Glyを表し、
X31は、HisおよびProから選択されるアミノ酸残基を表し、
はNHを表す、
式Iの化合物、
またはその塩もしくは溶媒和物
に関する。
【0050】
さらなる実施形態は、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−によって官能化されており、
X16は、Gluを表し、
X29は、D−AlaおよびGlyから選択されるアミノ酸残基を表し、
X31は、Hisを表し、
はNHを表す、
式Iの化合物、
またはその塩もしくは溶媒和物
に関する。
【0051】
さらなる実施形態は、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−によって官能化されており、
X16は、Gluを表し、
X29は、Glyを表し、
X31は、HisおよびProから選択されるアミノ酸残基を表し、
はNHを表す、
式Iの化合物、
またはその塩もしくは溶媒和物
に関する。
【0052】
さらなる実施形態は、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−によって官能化されており、
X16は、Lysを表し、
X29は、D−AlaおよびGlyから選択されるアミノ酸残基を表し、
X31は、HisおよびProから選択されるアミノ酸残基を表し、
はNHを表す、
式Iの化合物、
またはその塩もしくは溶媒和物
に関する。
【0053】
さらなる実施形態は、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−によって官能化されており、
X16は、GluおよびLysから選択されるアミノ酸残基を表し、
X29は、D−AlaおよびGlyから選択されるアミノ酸残基を表し、
X31は、Proを表し、
はNHを表す、
式Iの化合物、
またはその塩もしくは溶媒和物
に関する。
【0054】
さらなる実施形態は、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−、(S)−4−カルボキシ−4−オクタデカノイルアミノ−ブチリル−によって官能化されており、
X16は、Lysを表し、
X29は、D−AlaおよびGlyから選択されるアミノ酸残基を表し、
X31は、Proを表し、
はNHを表す、
式Iの化合物、
またはその塩もしくは溶媒和物
に関する。
【0055】
なおさらなる実施形態は、
X14はLysを表し、ここで、−NH側鎖基は、(S)−4−カルボキシ−4−((S)−4−カルボキシ−4−ヘキサデカノイルアミノ−ブチリルアミノ)−ブチリル−によって官能化されており、
X16は、Lysを表し、
X29は、D−Alaを表し、
X31は、HisおよびProから選択されるアミノ酸残基を表し、
はNHを表す、
式Iの化合物、
またはその塩もしくは溶媒和物
に関する。
【0056】
式Iの化合物の具体的な例は、配列番号6〜23の化合物、ならびにその塩または溶媒和物である。
【0057】
式Iの化合物の具体的な例は、配列番号6、9および11の化合物、ならびにその塩または溶媒和物である。
【0058】
式Iの化合物の特定の例は、配列番号6の化合物、ならびにその塩または溶媒和物である。
【0059】
式Iの化合物の特定の例は、配列番号9の化合物、ならびにその塩または溶媒和物である。
【0060】
式Iの化合物の特定の例は、配列番号11のペプチド化合物、ならびにその塩または溶媒和物である。
【0061】
さらなる一態様において、本発明は、担体との混合物における本発明の化合物を含む組成物に関する。好ましい実施形態において、組成物は薬学的に許容される組成物であり、担体は薬学的に許容される担体である。本発明の化合物は、薬学的に許容される塩などの塩、または水和物などの溶媒和物の形態におけるものでよい。なおさらなる一態様において、本発明は、医療処置の方法における、特にヒトの医療における使用のための組成物に関する。
【0062】
式Iの化合物は、さらなる治療的に有効な薬剤なしでのヒトの治療に適する。しかし、他の実施形態において、「併用治療」において記載する通り、化合物を、少なくとも1つのさらなる治療的活性薬剤と一緒に用いてもよい。
【0063】
式Iの化合物は、炭水化物および/または脂質の代謝における障害によって引き起こされ、障害に関連し、および/または障害を伴う疾患または障害の処置または予防に、例えば、高血糖、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、肥満、メタボリックシンドロームの処置または予防に特に適する。さらに、本発明の化合物は、変性疾患、特に神経変性疾患の処置または予防に特に適することがある。
【0064】
記載する化合物は、とりわけ、体重増加の予防、または体重減少の促進における使用を見出すものである。「予防する」とは、処置の非存在に比べた場合の阻害または低減を意味するものであり、障害の完全な中止をほのめかすことを必ずしも意味するものではない。
【0065】
本発明の化合物は、食物摂取における減少および/またはエネルギー支出における増大を引き起こし、体重に対する観察される効果をもたらし得る。
【0066】
体重に対するこれらの効果とは無関係に、本発明の化合物は、循環コレステロールレベルに対する有益な効果があり得、脂質レベル、特にLDL、およびHDLレベルを改善する(例えば、HDL/LDL比を上げる)ことができる。
【0067】
このように、本発明の化合物は、体重過剰によって引き起こされ、または体重過剰を特徴とする任意の状態の直接的または間接的な治療、例えば、肥満、病的肥満、肥満に関連する炎症、肥満に関連する胆嚢疾患、肥満誘発性の睡眠時無呼吸の処置および/または予防に用いてもよい。本発明の化合物はまた、メタボリックシンドローム、糖尿病、高血圧、アテローム生成的な異脂肪血症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、冠動脈心疾患、または脳卒中の処置および予防に用いてもよい。これらの状態における本発明の化合物の効果は、本発明の化合物の体重に対する効果の結果として、または効果に関連するものでもよく、またはこれらに無関係でもよい。
【0068】
医学的使用は、食物摂取を減少させ、エネルギー支出を増大し、体重を減少させ、耐糖能障害(IGT)から2型糖尿病への進行を遅らせるための2型糖尿病における疾患の進行の遅延または予防、メタボリックシンドロームの処置、肥満の処置、または過体重の予防;2型糖尿病からインスリン要求性糖尿病;および肝臓脂肪症への進行の遅延を含む。
【0069】
定義
本発明のアミノ酸配列は、天然に存在するアミノ酸に対する慣例的な1文字コードおよび3文字コード、ならびに他のアミノ酸に対して一般的に認められる3文字コード、例えば、Aib(α−アミノイソ酪酸)を含む。
【0070】
「天然エキセンジン−4」の語は、配列:HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPS−NH(配列番号4)を有する天然のエキセンジン−4を意味する。
【0071】
本発明は、式Iに規定したペプチド化合物に関する。
【0072】
本発明のペプチド化合物は、ペプチド、すなわちカルボキサミド結合によって連結されるアミノカルボン酸の直鎖状のバックボーンを含む。別段の指摘がなければ、アミノカルボン酸はα−アミノカルボン酸であるのが好ましく、L−α−アミノカルボン酸であるのがより好ましい。ペプチド化合物が、39アミノカルボン酸のバックボーン配列を含むのが好ましい。
【0073】
ペプチド部分(式I)内のアミノ酸は、慣例的なN−末端からC−末端方向において1から39まで連続的に番号付けするものと考えることができる。ペプチド部分I内の「位置」に対する言及は、したがって、エキセンジン−4において1位のHis、2位のGly、・・・、14位のMet、・・・および39位のSerなど、天然エキセンジン−4および他の分子内の位置に対する言及として解釈すべきである。
【0074】
−NH側鎖基を有するアミノ酸残基、例えば、Lys、Orn、Dab、またはDapを、−NH側鎖基の少なくとも1個のH原子が−Z−C(O)−Rによって置き換えられるように官能化し、式中、Rは、親油性部分、例えば、非環式の直鎖または分枝(C〜C30)飽和または不飽和炭化水素基を含み、不飽和炭化水素基は、非置換、またはハロゲン(F、Cl、Br、J)、−OH、および/もしくはCOHなどにより置換されており、Zは、全ての立体異性体におけるリンカー、例えば、1個またはそれ以上の、例えば、1から5個、好ましくは1、2、または3個の、ガンマ−グルタメート(gGlu)、gAAAおよびAEEAcの群から選択されるアミノ酸リンカー基を含むリンカーを含む。好ましいR基は、親油性部分、例えば、非環式の直鎖または分枝(C12〜C20)飽和または不飽和炭化水素基、例えば、ペンタデカニル、ヘキサデカニル、またはヘプタデカニル(これらは非置換、またはCOHにより置換されており)を含み、より好ましくは、ペンタデカニル、またはヘプタデカニルである。一実施形態において、アミノ酸リンカー基は、gGlu、gGlu−gGlu、gGlu−gGlu−AEEAc、gGlu−AEEAc−gAAA、AEEAc−AEEAc−gGlu、およびAEEAc−AEEAc−AEEAcから選択される。別の一実施形態において、アミノ酸リンカー基はgGluである。別の一実施形態において、アミノ酸リンカー基はgGlu−gGlu−AEEAcである。別の一実施形態において、アミノ酸リンカー基はgGlu−AEEAc−gAAAである。別の一実施形態において、アミノ酸リンカー基はgGlu−gGluである。別の一実施形態において、アミノ酸リンカー基はAEEAc−AEEAc−gGluである。別の一実施形態において、アミノ酸リンカー基はAEEAc−AEEAc−AEEAcである。
【0075】
さらなる一態様において、本発明は、担体との混合における、本明細書に記載する本発明の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物を含む組成物に関する。
【0076】
本発明は、医薬としての使用のための、特に、本明細書に記載のような状態の処置のための本発明の化合物の使用にも関する。
【0077】
本発明は、組成物が薬学的に許容される組成物であり、担体が薬学的に許容される担体である、組成物にも関する。
【0078】
ペプチド合成
当業者であれば、本発明に記載するペプチドを調製する、多様な異なる方法を知っている。これらの方法には、それだけには限定されないが、合成手法、および組換え遺伝子発現が含まれる。したがって、これらのペプチドを調製する一方法は、溶液中または固体支持体上で合成し、引き続き単離および精製することである。ペプチドを調製する異なる一方法は、ペプチドをコードするDNA配列を導入する宿主細胞における遺伝子発現である。あるいは、細胞系を利用しないで、遺伝子発現を実現することができる。上記に記載する方法を何らかの方法で組み合わせてもよい。
【0079】
本発明の化合物を調製するのに好ましい方法は、適切な樹脂上での固相合成である。固相ペプチド合成は、十分に確立された方法論である(例えば、Stewart and Young、Solid Phase Peptide Synthesis、Pierce Chemical Co.、Rockford、Ill.、1984年;E.AthertonおよびR.C.Sheppard、Solid Phase Peptide Synthesis.A Practical Approach、Oxford−IRL Press、New York、1989年を参照されたい)。固相合成は、N−末端保護したアミノ酸のカルボキシ末端を、切断可能なリンカーを保有する不活性な固体支持体に付着させることにより開始する。この固体支持体は、カルボキシ基(またはRink樹脂ではカルボキサミド)の樹脂に対する連結が酸に対して感受性である(Fmoc戦略を用いた場合)、トリチル樹脂、クロロトリチル樹脂、Wang樹脂、またはRink樹脂など、最初のアミノ酸のカップリングを可能にする任意のポリマーであってよい。ポリマー支持体は、ペプチド合成の間α−アミノ基を脱保護するのに用いる条件下で安定でなければならない。
【0080】
N−末端保護した第1のアミノ酸を固体支持体にカップリングさせた後、このアミノ酸のα−アミノ保護基を除去する。残りの保護されているアミノ酸を、次いで、BOP、HBTU、HATU、またはDIC(N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド)/HOBt(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)などの適切なアミドカップリング試薬を用いて、ペプチド配列によって表される順序で次々に、または前もって形成されたジペプチド、トリペプチド、テトラペプチドとカップリングさせるが、この場合、BOP、HBTU、およびHATUは三級アミン塩基と用いる。あるいは、遊離したN−末端を、カルボン酸などのアミノ酸以外の基で官能化してもよい。
【0081】
通常、アミノ酸の反応性側鎖基を、適切なブロッキング基で保護する。これらの保護基は、所望のペプチドを構築した後に除去する。これらは、同じ条件下で樹脂から所望の生成物を切断するのに相伴って除去される。保護基、および保護基を導入するための手順は、Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、Greene,T.W.およびWuts,P.G.M.、Wiley & Sons(New York:1999年)に見出すことができる。
【0082】
いくつかの場合において、他の側鎖の保護基が依然としてインタクトである間に、選択的に除去することができる側鎖の保護基があるのが望ましいことがある。この場合、遊離した官能性を選択的に官能化することができる。例えば、リジンを、非常に求核性の塩基(例えば、DMF(ジメチルホルムアミド)中4%ヒドラジン)に対して不安定である、ivDde([1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキサ−1−イリデン)−3−メチルブチル)保護基で保護してもよい(S.R.Chhabraら、Tetrahedron Lett.、39巻、(1998年)、1603頁)。このように、N−末端のアミノ基および全ての側鎖の官能性を酸に不安定な保護基で保護する場合、ivDde基は、DMF中4%ヒドラジンを用いて選択的に除去することができ、対応する遊離のアミノ基を、次いで、アシル化などによってさらに修飾することができる。リジンを代替的に、保護されたアミノ酸にカップリングしてもよく、このアミノ酸のアミノ基を、次いで、脱保護し、別の遊離のアミノ基を得ることができ、この遊離のアミノ基をアシル化し、またはさらなるアミノ酸に付着させてもよい。代替的に、予め官能化された構成単位、例えば、(2S)−6−[[(4S)−5−tert−ブトキシ−4−[[(4S)−5−tert−ブトキシ−4−(ヘキサデカノイルアミノ)−5−オキソ−ペンタノイル]アミノ]−5−オキソ−ペンタノイル]アミノ]−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)ヘキサン酸をカップリングパートナーとして使用して、ペプチド合成中に(表2に記載のような)側鎖をリジンと一緒に導入することができる。
【0083】
最後に、ペプチドを樹脂から切断する。これは、Kingのカクテルを用いることにより実現することができる(D.S.King、C.G.Fields、G.B.Fields、Int.J.Peptide Protein Res.、36巻、1990年、255〜266頁)。原材料を、次いで、必要に応じて、分取RP−HPLCなどのクロマトグラフィーによって精製してもよい。
【0084】
作用強度
本明細書で用いる「作用強度」または「in vitroの作用強度」の語は、細胞ベースのアッセイで、化合物がGLP−1、グルカゴン、またはGIPに対する受容体を活性化する能力に対する尺度である。数値的に、これは「EC50値」と表現され、投与量反応実験において反応(例えば、細胞内cAMPの形成)の最大の増大の半分を誘発する化合物の効果的な濃度である。
【0085】
治療的使用
メタボリックシンドロームは、一緒に生じた場合に、2型糖尿病、ならびにアテローム硬化性の血管疾患(例えば、心疾患および脳卒中)を発症するリスクを増大する医学的障害の組合せである。メタボリックシンドロームに対する医学的パラメーターの定義には、真性糖尿病、耐糖能障害、空腹時グルコースの上昇、インスリン抵抗性、尿中アルブミン分泌、中心性肥満、高血圧、トリグリセリドの上昇、LDLコレステロールの上昇、およびHDLコレステロールの低下が含まれる。
【0086】
肥満は、過剰の体脂肪が、健康および平均余命に対して有害作用があり得る程度に蓄積し、成人および小児における有病率の増大により、現代の世界における予防できる主要な死因の一つとなっている医学的状態である。肥満は、心疾患、2型糖尿病、閉塞性睡眠時無呼吸、あるタイプの癌、および骨関節炎を含めた多様な他の疾患の可能性を増大し、最も一般的に、過剰な食物摂取、エネルギー支出の低下、および遺伝的感受性の組合せによって引き起こされる。
【0087】
真性糖尿病はしばしば単に糖尿病と呼ばれ、身体が十分なインスリンを生成しないため、または生成されるインスリンに細胞が反応しないためにヒトが高血糖レベルを有する一群のメタボリック疾患である。最も一般的なタイプの糖尿病は:(1)身体がインスリンを生成することができない、1型糖尿病;(2)経時的なインスリン欠乏の増大と組み合わされて、身体がインスリンを適切に用いることができない、2型糖尿病(T2DM)、および(3)女性が妊娠により糖尿病を発症する、妊娠糖尿病である。全ての形態の糖尿病が長期の合併症のリスクを増大し、合併症は長年の後に発症するのが典型的である。これらの長期の合併症の殆どが血管に対する損傷に基づくものであり、大血管のアテローム性動脈硬化に起因する「大血管性」疾患、および小血管の損傷に起因する「微小血管」疾患の2つのカテゴリーに分けることができる。大血管性疾患状態の例には、虚血性心疾患、心筋梗塞、脳卒中、および末梢血管疾患がある。微小血管疾患の例には、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、および糖尿病性神経障害がある。
【0088】
GLP−1およびGIP、ならびにグルカゴンに対する受容体は、7回膜貫通型ヘテロ三量体Gタンパク質連結型受容体のファミリーのメンバーである。これらは構造的に相互に関連しており、著しいレベルの配列同一性を共有するだけでなく、リガンド認識および細胞内シグナル伝達経路の同様の機序も有する。
【0089】
同様に、ペプチドであるGLP−1、GIP、およびグルカゴンは、配列同一性/類似性の高い領域を共有する。GLP−1およびグルカゴンは、共通の前駆物質であるプレプログルカゴンから生成され、これが差次的に組織特異的な形でプロセシングを受けて、例えば、腸の内分泌細胞でGLP−1が、膵島のアルファ細胞でグルカゴンが産生される。GIPはより大型のproGIPプロホルモン前駆物質に由来し、小腸にあるK細胞から合成され、放出される。
【0090】
ペプチドのインクレチンホルモンであるGLP−1およびGIPは、食物に反応して腸の内分泌細胞によって分泌され、食事刺激性インスリン分泌の最大70%を占める。GLP−1分泌は、耐糖能障害または2型糖尿病を有する対象で低下するが、これらの患者ではGLP−1に対する反応性は依然として保存されていることが、証拠により示唆される。したがって、GLP−1受容体を適切なアゴニストで標的化することにより、糖尿病を含めたメタボリック障害の処置に対する魅力的な手法がもたらされる。GLP−1に対する受容体は広く分布しており、主に膵島、脳、心臓、腎臓、および消化管に見出される。膵臓では、GLP−1は、ベータ細胞からのインスリン分泌の増大により、厳密にグルコース依存的に作用する。このグルコース依存性により、GLP−1受容体の活性化は低血糖を引き起こす可能性がないことが示される。また、GIPに対する受容体は、膵島、脂肪組織、胃、小腸、心臓、骨、肺、腎臓、精巣、副腎皮質、下垂体、内皮細胞、気管、脾臓、胸腺、甲状腺、および脳を含めた末梢組織において広範に発現される。インクレチンホルモンとしての生物学的機能に一致して、膵臓のβ細胞は、ヒトにおけるGIPに対する最高レベルの受容体を発現する。
【0091】
GIP受容体媒介性のシグナリングは、T2DMを有する患者において損なわれている可能性があるが、GIP作用の損失は、可逆的であることが示されており、糖尿病状態の改善で回復させることができるという臨床上の証拠がいくつか存在する。重要なことに、インクレチンホルモン、GIPおよびGLP−1のいずれによるインスリン分泌の刺激も厳密にグルコース依存性であり、低血糖の低いリスクに関連した絶対に安全な機序を確実にしている。
【0092】
ベータ細胞レベルで、GLP−1およびGIPは、グルコース感受性、新生、増殖、プロインスリンの転写および肥大、ならびに抗アポトーシスを促進することが示された。GLP−1およびGIP受容体に対する両方のアゴニスト活性を有するペプチドは、相加または相乗的な抗糖尿病有用性を有すると予測することができる。膵臓以外にGLP−1の他の関連した効果には、遅延した胃内容排出、満腹感の増加、食物摂取の減少、体重の低下、ならびに神経保護および心保護的効果が含まれる。2型糖尿病を有する患者において、肥満および心血管疾患のような高い率の併存症を考慮すると、こうした膵外の効果は特に重要となる。骨粗鬆症、およびアルツハイマー病のような認知性欠陥の治療に有益であり得る、膵臓以外の末梢組織におけるさらなるGIP作用は、増加した骨形成および低下した骨再吸収ならびに神経保護効果を含む。
【0093】
グルカゴンは、膵臓のアルファ細胞によって生成され、循環グルコースが低い場合に血流中に放出される、アミノ酸29個のペプチドホルモンである。グルカゴンの重要な生理学的役割は、肝臓におけるグルコース出力を刺激することであり、これはin vivoでグルコース恒常性を維持する上でインスリンに対して主要な対抗制御的な機序をもたらすプロセスである。
【0094】
しかし、グルカゴン受容体は、腎臓、心臓、脂肪細胞、リンパ芽球、脳、網膜、副腎、および消化管などの肝臓外の組織においても発現され、グルコース恒常性を超えたより広範囲の生理学的役割が示唆される。したがって、最近の研究は、グルカゴンには、食物摂取の減少および体重減少を伴う、エネルギー支出の刺激および熱発生を含めたエネルギー管理に対して、治療的にポジティブな効果があることを報告している。まとめると、グルカゴン受容体の刺激は、肥満およびメタボリックシンドロームの処置において有用であり得る。
【0095】
オキシントモジュリンは、C−末端の延長を包含するアミノ酸8個とグルカゴンからなるペプチドホルモンである。GLP−1およびグルカゴン同様、オキシントモジュリンはプレプログルカゴンにおいて前もって形成され、切断され、小腸の内分泌細胞によって組織特異的に分泌される。オキシントモジュリンは、GLP−1およびグルカゴンに対する受容体の両方を刺激し、したがって二重アゴニストの原型であることが知られている(Pocai、Molecular Metabolism、2013年、3巻、241〜51頁を参照されたい)。
【0096】
GLP−1およびGIPは抗糖尿病効果で知られており、GLP−1およびグルカゴンは共に食物摂取抑制効果で知られており、グルカゴンはさらなるエネルギー支出のメディエータでもあるので、1分子に3つのホルモンの活性を組み合わせることで、メタボリックシンドローム、特にその構成成分である糖尿病および肥満を処置するのに強力な薬物療法をもたらすことができると考えられる。
【0097】
したがって、本発明の化合物は、グルコース不耐性、インスリン抵抗性、糖尿病前症、空腹時グルコースの上昇(高血糖)、2型糖尿病、高血圧、異脂肪血症、アテローム性動脈硬化症、冠動脈心疾患、末梢動脈疾患、脳卒中、またはこれら個々の疾患の構成成分の任意の組合せの処置に用いることができる。
【0098】
さらに、本発明の化合物は、食欲、摂食、およびカロリー摂取のコントロール、エネルギー支出の増大、体重増加の予防、体重減少の促進、体重過剰の減少、および病的肥満を含めた肥満の全体的な処置に用いることができる。
【0099】
本発明の化合物は、GLP−1、GIPに対する、およびグルカゴンに対する受容体に対するアゴニスト(例えば、「三重アゴニスト」)であり、糖尿病および肥満を同時に処置できるようにすることにより、メタボリックシンドロームを標的化する臨床的必要性に取り組む治療上の利点を提供することができる。
【0100】
本発明の化合物で処置し得るさらなる疾患状態および健康状態は、肥満関連の炎症、肥満関連の胆嚢疾患、および肥満誘発性の睡眠時無呼吸である。
【0101】
これらの状態は全て肥満に直接的または間接的に関連し得るが、本発明の化合物の効果は、全体的または部分的に体重に対する効果によって、またはこの効果とは独立に媒介され得る。
【0102】
さらに、処置しようとする疾患は、アルツハイマー病もしくはパーキンソン病などの神経変性疾患、または上記に記載した他の変性疾患であることもある。
【0103】
一実施形態において、化合物は、高血糖、2型糖尿病および/または肥満の処置または予防において有用である。
【0104】
本発明の化合物は、患者の腸通過を低減する能力、胃内容物を増大する能力および/または食物摂取を減少させる能力を有し得る。本発明の化合物のこれらの活性は、当業者に知られており本明細書において方法にも記載されている動物モデルにおいて評価することができる。
【0105】
本発明の化合物は、患者の血中グルコースレベルを低下させる能力、および/またはHbA1cレベルを低下させる能力を有する。本発明の化合物のこれらの活性は、当業者に知られており本明細書において方法および実施例にも記載されている動物モデルにおいて評価することができる。
【0106】
本発明の化合物は、患者の体重を減少させる能力を有し得る。本発明の化合物のこれらの活性は、当業者に知られており本明細書において方法および実施例にも記載されている動物モデルにおいて評価することができる。
【0107】
本発明の化合物は、肝脂肪症、好ましくは、非アルコール性肝疾患(NAFLD)および非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の処置または予防において有用であり得る。
【0108】
医薬組成物
「医薬組成物」の語は、混合した場合に適合性であり、投与することができる成分を含む混合物を指し示すものである。医薬組成物は、1つまたはそれ以上の医薬品を含むことができる。さらに、医薬組成物は、活性の、または不活性の成分と考えられても、考えられなくても、担体、バッファー、酸性化剤、アルカリ化剤、溶媒、補助剤、等張化剤、緩和薬、増量剤、保存剤、物理的および化学的安定化剤、例えば、界面活性剤、抗酸化剤、ならびに他の構成成分を含むことができる。医薬組成物の調製における技術者に対する指南は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、(第20版)A.R.Gennaro A.R.編集、2000年、Lippencott Williams & Wilkins、およびR.C.Roweら(編集)、Handbook of Pharmaceutical Excipients、PhP、2013年5月最新版に見出すことができる。
【0109】
本発明のエキセンジン−4ペプチド誘導体、またはその塩は、医薬組成物の一部として、許容される製薬上の担体、希釈剤、または賦形剤と組み合わせて投与される。
【0110】
「薬学的に許容される担体」は、生理学的に許容され(例えば、生理学的に許容されるpH)、一緒に投与される物質の治療上の性質を保持する担体である。標準的な許容される製薬上の担体およびその製剤は当業者には知られており、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、(第20版)A.R.Gennaro A.R.編集、2000年、Lippencott Williams & Wilkins、およびR.C.Roweら(編集)、Handbook of Pharmaceutical excipients、PhP、2013年5月最新版に記載されている。一例の薬学的に許容される担体は、生理学的食塩水溶液である。
【0111】
一実施形態において、担体は、バッファー(例えば、シトレート/クエン酸、アセテート/酢酸)、酸性化剤(例えば、塩酸)、アルカリ化剤(例えば、水酸化ナトリウム)、保存剤(例えば、フェノール、m−クレゾール)、共溶媒(例えば、ポリエチレングリコール400)、等張化剤(例えば、マンニトール、グリセロール)、安定化剤(例えば、界面活性剤、抗酸化剤、アミノ酸)の群から選択される。
【0112】
用いる濃度は、生理学的に許容される範囲におけるものである。
【0113】
許容される製薬上の担体または希釈剤には、経口、直腸、経鼻、または非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内、および経皮を含む)の投与に適する製剤において用いられるものが含まれる。本発明の化合物は、非経口投与するのが典型的である。
【0114】
「薬学的に許容される塩」の語は、哺乳動物において用いるのに安全および効果的である本発明の化合物の塩を意味する。
【0115】
「溶媒和物」の語は、本発明の化合物またはその塩の、有機溶媒分子および/または水などの溶媒分子との複合体を意味する。
【0116】
医薬組成物において、エキセンジン−4誘導体は、モノマーまたはオリゴマーの形態であってよい。
【0117】
化合物の「治療有効量」の語は、所望の効果を提供するのに、非毒性であるが十分な量の化合物を意味する。所望の生物学的効果を実現するのに必要な式Iの化合物の量は、選択する特定の化合物、使用目的、投与様式、および患者の臨床上の状態などの数々の因子に依存する。任意の個々の症例における適切な「有効」量は、当業者によってルーチンの実験を用いて決定され得る。例えば、式Iの化合物の「治療有効量」は、約0.01から50mg/投与量、好ましくは0.02から1mg/投与量である。
【0118】
本発明の医薬組成物は、非経口(例えば、皮下、筋肉内、皮内、または静脈内)、直腸、局所、および経口的(例えば、舌下)の投与に適するものであるが、最も適切な投与様式は、個々の症例の各々において処置しようとする状態の性質および重症度、ならびに各症例において用いられる式Iの化合物の性質に依存する。一実施形態において、適用は、非経口、例えば、皮下である。
【0119】
非経口適用の場合、相当する製剤が、投与の間に微生物および細菌の増殖を阻害するために少なくとも1つの抗微生物性保存剤を含むことが好ましいであろう。好ましい保存剤は、ベンジル型アルコール、またはフェノールもしくはm−クレゾールのようなフェノール化合物である。これらの成分は、製剤中でより低い溶解性および安定性をもたらすペプチドおよびタンパク質の凝集を誘導し得ることが記載されている(R.L.Bisら、Int.J.Pharm.472巻、356〜361頁、2014年;T.J.Kamerzell、Adv.Drug Deliv.Rev.、63巻、1118〜1159頁、2011年を参照されたい)。
【0120】
適切な医薬組成物は、別々の単位の形態、例えば、バイアルまたはアンプル中の、カプセル剤、錠剤、および散剤であってよく、これらは各々、規定された量の化合物を;粉末もしくは顆粒として;水性もしくは非水性の液体中の溶液もしくは懸濁液として;または水中油型もしくは油中水型エマルジョンとして含んでいる。組成物は、単一または複数の投与量の注射可能な形態において、例えば、ペンの形態において提供することができる。組成物は、すでに言及した通り、活性成分および担体(1つまたはそれ以上のさらなる成分からなっていてよい)を接触させるステップを含む、任意の適切な製薬方法によって調製することができる。
【0121】
ある実施形態において、医薬組成物は、適用のための装置と一緒に、例えば、シリンジ、注射用ペン、またはオートインジェクターと一緒に提供することができる。このような装置は、医薬組成物と別々に提供しても、または医薬組成物が予め充填してあってもよい。
【0122】
投与単位、パッケージ、ペン装置および投与
本発明の化合物は、好適な医薬組成物における使用のために調製することができる。好適な医薬組成物は、1つまたは複数の投与単位の形態であってもよい。
【0123】
組成物は、本発明の化合物および担体(1つまたは複数のさらなる成分からなっていてよい)を接触させるステップを含む、任意の適切な製薬方法によって調製することができる。投与単位は、例えば、カプセル剤、錠剤、糖衣剤、顆粒分包剤、滴剤、液剤、懸濁液、凍結乾燥物および散剤であり、そのそれぞれが、規定された量の本発明の化合物を含む。
【0124】
本発明の化合物または本発明の医薬組成物(投与単位)の上記の投与単位のそれぞれは、容易な輸送および保存のためにパッケージに入れて提供されてもよい。投与単位は、標準的な単回投与または多回投与のパッケージング中にパッケージ化され、それらの形態、材料および形状は、調製される単位のタイプに依存する。
【0125】
例えば、錠剤および他の形態の固体投与単位は、単回単位中にパッケージ化することができ、単回パッケージ化単位は、マルチパック容器中にパッケージ化することができる。液体の製剤は、単回単位、例えば、バイアル、カートリッジ、シリンジ/予備充填シリンジ、注入袋、折り畳み式プラスチック袋、注入ボトル、ブロー充填封止ボトルもしくは注入チュービングまたは単回もしくは多回の用量注射用の形態、例えば、ペン装置、ポンプまたはシリンジの形態でパッケージ化することができ、単回パッケージ化単位は、マルチパック容器中にパッケージ化することができる。単回パッケージは、1つだけまたは複数の投与単位を含んでいてもよい。パッケージは、例えば、紙、厚紙、板紙、プラスチック、金属など、紙、プラスチックおよび金属、またはガラスのうちの1つまたは複数の組合せまたはラミネートでできていてもよい。例示的実施形態は、例えば錠剤またはカプセル剤を含むブリスターパッケージであり、これは、次いで、例えば散剤を含む厚紙ボックス、アルミニウムバリアラミネート分包剤、例えば錠剤もしくは溶液を含むガラスもしくはプラスチックボトル、または溶液もしくは懸濁液を含むバイアル、カートリッジ、シリンジ、注入袋、注入ボトル、注入チュービングまたはアンプル中で提供することができる。
【0126】
ある実施形態では、投与単位は、適用のための装置と一緒に、例えば、シリンジ、注射用ペン、またはオートインジェクターと一緒に提供することができる。このような装置は、医薬組成物と別々に提供することもでき、または医薬組成物を予め充填することもできる。
【0127】
「ペン型注射装置」は、簡単に「注入ペン」と呼ばれることが多く、典型的には、筆記のための万年筆に似た細長い形状を有する注入装置である。こうしたペンは、通常、管状断面を有するが、それらは、異なる断面、例えば、三角形、四角形または正方形またはこれらの幾何学的形状の周りのいずれのバリエーションをも簡単に有することができる。一般に、ペン型注射装置は、以下の3つの主要エレメントを含む:カートリッジを含むカートリッジ断面は、ハウジングまたはホルダーの中に含まれることが多く;カートリッジ断面の1つの端に連結されたニードルアセンブリ;およびカートリッジ断面の他の端に連結された投与断面。カートリッジは、「アンプル」と呼ばれることも多く、典型的には、医薬品で充填されたリザーバー、カートリッジリザーバーの1つの端に位置する移動可能なゴム型栓またはストッパー、およびネックダウン端であることが多い他に位置する穿刺可能なゴム封止を有する上部を含む。圧着された環状金属バンドは、典型的には、ゴム封止を所定位置に保持するのに使用される。カートリッジハウジングが典型的にはプラスチックでできているのに対して、カートリッジリザーバーは、歴史的にガラスでできていた。
【0128】
併用治療
本発明の化合物である、GLP−1に対する三重アゴニスト、GIPおよびグルカゴン受容体は、他の薬理学的な有効化合物と、例えば、Rote Liste 2016に言及されている全ての薬物、例えば、Rote Liste 2016、第1章に言及されている全ての体重減少薬または食欲抑制薬と、Rote Liste 2016、第58章に言及されている全ての脂質低下薬と、Rote Liste 2016に言及されている全ての降圧薬および腎臓保護薬(nephroprotectives)と、またはRote Liste 2015、第36章に言及されている全ての利尿薬と、広範に組み合わせることができる。
【0129】
活性成分の併用を、特に作用における相乗作用的改善に用いることができる。これは、活性成分を患者に別々に投与することにより、または複数の活性成分が1つの医薬調製物に存在する併用生成物の形態において適用することができる。活性成分の別々の投与によって活性成分を投与する場合、これは同時に、または連続的に行うことができる。
【0130】
このような併用に適する他の活性物質には、特に、例えば、言及する徴候の1つに関して1つもしくはそれ以上の活性物質の治療効果を増強するもの、および/または1つもしくはそれ以上の活性物質の投与量の減少を可能にするものが含まれる。
【0131】
併用に適切である治療剤は、例えば、以下のような抗糖尿病剤を含む:
インスリンおよびインスリン誘導体、例えば:Glargine/Lantus(登録商標)、インスリングラルギン270〜330U/mL(EP2387989A)、インスリングラルギン300U/mL(EP2387989A)、Glulisin/Apidra(登録商標)、Detemir/Levemir(登録商標)、Lispro/Humalog(登録商標)/Liprolog(登録商標)、Degludec/DegludecPlus、Aspart、基本のインスリンおよび類似体(例えば、LY−2605541、LY2963016、NN1436)、PEG化インスリンLispro、Humulin(登録商標)、Linjeta、SuliXen(登録商標)、NN1045、インスリンプラスSymlin、PE0139、即効性および短時間作用型のインスリン(例えば、Linjeta、PH20、NN1218、HinsBet)、(APC−002)ヒドロゲル、経口、吸入可能、経皮、および舌下のインスリン(例えば、Exubera(登録商標)、Nasulin(登録商標)、Afrezza、Tregopil、TPM 02、Capsulin、Oral−lyn(登録商標)、Cobalamin(登録商標)経口インスリン、ORMD−0801、NN1953、NN1954、NN1956、VIAtab、Oshadi経口インスリン)。さらに、二官能性のリンカーによってアルブミンまたは別のタンパク質に結合しているインスリン誘導体もさらに含まれる。
【0132】
GLP−1、GLP−1類似体およびGLP−1受容体アゴニスト、例えば:リキシセナチド/AVE0010/ZP10/リキスミア、エキセナチド/エキセンジン−4/Byetta/Bydureon/ITCA 650/AC−2993、リラグルチド/Victoza、セマグルチド、タスポグルチド、シンクリア(Syncria)/アルビグルチド、デュラグルチド、rエキセンジン−4、CJC−1134−PC、PB−1023、TTP−054、エフェグレナチド(Efpeglenatide)/HM−11260C、CM−3、GLP−1エリゲン(Eligen)、ORMD−0901、NN−9924、NN−9926、NN−9927、ノデキセン(Nodexen)、Viador−GLP−1、CVX−096、ZYOG−1、ZYD−1、GSK−2374697、DA−3091、MAR−701、MAR709、ZP−2929、ZP−3022、ZP−DI−70、TT−401、MK−8521、MEDI0382、BHM−034、HM12525A、MOD−6030、CAM−2036、DA−15864、ARI−2651、ARI−2255、LY3298176、NN1177、エキセナチド−XTENおよびグルカゴン−XTEN、NN9030。
【0133】
DPP−4インヒビター、例えば:アログリプチン/Nesina、Trajenta/リナグリプチン/BI−1356/Ondero/Trajenta/Tradjenta/Trayenta/Tradzenta、サキサグリプチン/Onglyza、シタグリプチン/Januvia/Xelevia/Tesave/Janumet/Velmetia、Galvus/ビルダグリプチン、アナグリプチン、ゲミグリプチン、テネリグリプチン、メログリプチン、トレラグリプチン、DA−1229、オマリグリプチン/MK−3102、KM−223、エボグリプチン、ARI−2243、PBL−1427、ピノキサシン(Pinoxacin)。
【0134】
SGLT2インヒビター、例えば:Invokana/カナグリフロジン、Forxiga/ダパグリフロジン、レモグリフロジン、セリグロフロジン、エンパグリフロジン、イプラグリフロジン、トホグリフロジン、ルセオグリフロジン、ソタグリフロジン(LX−4211)、エルツグリフロジン/PF−04971729、RO−4998452、ベキサグリフロジン(EGT−0001442)、KGA−3235/DSP−3235、LIK066、SBM−TFC−039、ヘナグリフロジン(SHR3824)、ジャナグリフロジン、ティアナグリフロジン、AST1935、JRP493、HEC−44616
ビグアナイド(例えば、メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン)、チアゾリジンジオン(例えば、ピオグリタゾン、リボグリタゾン、ロシグリタゾン、トログリタゾン)、二重PPARアゴニスト(例えば、アレグリタザール、ムラグリタザール、テサグリタザール)、スルホニル尿素(例えば、トルブタミド、グリベンクラミド、グリメピリド/アマリール、グリピジド)、メグリチニド(例えば、ナテグリニド、レパグリニド、ミチグリニド)、アルファグルコシダーゼインヒビター(例えば、アカルボース、ミグリトール、ボグリボース)、アミリンおよびアミリン類似体(例えば、プラムリンチド、シムリン)。
【0135】
GPR119アゴニスト(例えば、GSK−263A、PSN−821、MBX−2982、APD−597、ZYG−19、DS−8500)、GPR40アゴニスト(例えば、ファシグリファム/TAK−875、TUG−424、P−1736、JTT−851、GW9508)。
【0136】
他の適切な併用パートナーには:Cycloset、11−ベータ−HSDのインヒビター(例えば、LY2523199、BMS770767、RG−4929、BMS816336、AZD−8329、HSD−016、BI−135585)、グルコキナーゼのアクチベーター(例えば、TTP−399、AMG−151、TAK−329、GKM−001)、DGATのインヒビター(例えば、LCQ−908)、プロテインチロシンホスファターゼ1のインヒビター(例えば、トロズスクエミン)、グルコース−6−ホスファターゼのインヒビター、フルクトース−1,6−ビスホスファターゼのインヒビター、グリコーゲンホスホリラーゼのインヒビター、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼのインヒビター、グリコーゲンシンターゼキナーゼのインヒビター、ピルビン酸デヒドロキナーゼのインヒビター、アルファ2−アンタゴニスト、CCR−2アンタゴニスト、SGLT−1インヒビター(例えば、LX−2761)がある。
【0137】
例えば:HMG−CoA−レダクターゼインヒビター(例えば、シンバスタチン、アトルバスタチン)、フィブラート(例えば、ベザフィブラート、フェノフィブラート)、ニコチン酸およびその誘導体(例えば、ナイアシン)、PPAR−(アルファ、ガンマまたはアルファ/ガンマ)アゴニストまたはモジュレーター(例えば、アレグリタザール)、PPAR−デルタアゴニスト、ACATインヒビター(例えば、アバシミブ)、コレステロール吸収インヒビター(例えば、エゼチミブ)、胆汁酸結合物質(例えば、コレスチラミン)、回腸胆汁酸輸送インヒビター、MTPインヒビター、またはPCSK9のモジュレーターのような1つまたはそれ以上の脂質低下薬も併用パートナーとして適切である。
【0138】
CETPインヒビター(例えば、トルセトラピブ、アナセトラピブ、ダルセトラピブ、エバセトラピブ、JTT−302、DRL−17822、TA−8995)またはABC1レギュレーターのようなHDL上昇化合物。
【0139】
他の適切な併用パートナーは、例えば:シブトラミン、テソフェンシン、オルリスタット、カンナビノイド−1受容体のアンタゴニスト、MCH−1受容体アンタゴニスト、MC4受容体アゴニスト、NPY5もしくはNPY2アンタゴニスト(例えば、ベルネペリット)、ベータ−3−アゴニスト、レプチンもしくはレプチンミメティック、5HT2c受容体のアゴニスト(例えば、ロルカセリン)、またはブプロピオン/ナルトレキソン、ブプロピオン/ゾニサミド、ブプロピオン/フェンテルミン、またはプラムリンチド/メトレレプチンの併用のような、肥満を処置するための1つまたはそれ以上の活性物質である。
【0140】
他の適切な併用パートナーは:
ペプチドYY3−36(PYY3−36)またはその類似体、膵臓ポリペプチド(PP)またはその類似体のようなさらなる消化管ペプチド、
グルカゴン受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、GIP受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、グレリンアンタゴニストまたはインバースアゴニスト、キセニンおよびその類似体である。
【0141】
さらに、例えば:アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト(例えば、テルミサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、ロサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、オルメサルタン、タソサルタン、アジルサルタン)、ACEインヒビター、ECEインヒビター、利尿薬、ベータブロッカー、カルシウムアンタゴニスト、中枢作用性昇圧薬、アルファ−2−アドレナリン作用性受容体のアンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼのインヒビター、血小板凝集インヒビターおよびその他、またはこれらの組合せのような、高血圧、慢性心不全またはアテローム性動脈硬化に影響を及ぼすための薬物との併用が適切である。
【0142】
別の一態様において、本発明は、GLP−1およびグルカゴンに対する受容体に結合することにより、およびこれらの活性を変調することにより、影響を及ぼすことができる疾患または状態を処置または予防するのに適する薬物を調製するための、併用パートナーとして上記に記載した活性物質の少なくとも1つと組み合わせた、本発明による化合物または生理学的に許容されるその塩の使用に関する。これは、メタボリックシンドローム、特に上記に列挙した疾患または状態の1つ、最も詳しくは糖尿病もしくは肥満またはこれらの合併症の状況における疾患であるのが好ましい。
【0143】
本発明による化合物、または生理学的に許容されるその塩の、1つまたはそれ以上の活性物質との併用における使用は、同時に、別々に、または連続的に起こり得る。
【0144】
本発明による化合物、または生理学的に許容されるその塩の、別の活性物質との併用における使用は、同時に、または互い違いの時間であるが、特に短期の時間間隔内に起こり得る。これらを同時に投与する場合、2つの活性物質は患者に一緒に投与され;これらを互い違いの時間に用いる場合、2つの活性物質は患者に、12時間以下、特に6時間以下の期間内に投与される。
【0145】
したがって、別の一態様において、本発明は、本発明による化合物、またはそのような化合物の生理学的に許容される塩、および併用パートナーとして上記に記載した少なくとも1つの活性物質を、場合により1つまたはそれ以上の不活性な担体および/または希釈剤と一緒に含む薬物に関する。
【0146】
本発明による化合物、または生理学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、およびこれらと併用されるさらなる活性物質は、共に、錠剤もしくはカプセル剤中などの1製剤中に一緒に、またはいわゆるキットオブパーツなど、2つの同一の、もしくは異なる製剤中に別々に存在することができる。
【図面の簡単な説明】
【0147】
図1】可逆的自己会合(吸引相互作用)および反発的ビリアル相互作用を示しているペプチド製剤についての動的デバイプロットの比較を示す図である。
図2】配列番号6、配列番号7−食餌を与えたDIOマウスにおける、第1の処置後の血中グルコースプロファイルを示す図である。
図3】配列番号6、配列番号7−DIOマウスにおける体重を示す図である。
図4】配列番号6、配列番号7−DIOマウスにおける体重変化を示す図である。
図5】配列番号配列番号6、配列番号7−DIOマウス(n=8/群、n=7 DIO−ビヒクル)における総体脂肪量変化を示す図である。
図6】配列番号6、配列番号7−DIOマウスにおける最終肝臓重量を示す図である。
図7】配列番号6、配列番号7−DIOマウス(n=8/群、n=7 DIO−ビヒクル)における最終血漿中アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALAT)濃度を示す図である。
図8】配列番号6、配列番号7−DIOマウスにおける最終総血漿中コレステロール濃度を示す図である。
図9】配列番号6、配列番号7−DIOマウスにおける最終血漿中インスリン濃度を示す図である。
図10】配列番号6、配列番号7−食餌を与えたdb/dbマウスにおける、単回処置後の血中グルコースプロファイルを示す図である。
図11】配列番号6、配列番号7−食餌を与えたdb/dbマウスにおける血中グルコース曲線下面積(AUC)を示す図である。
図12】配列番号8、配列番号9、または配列番号10−食餌を与えたDIOマウスにおける、第1の処置後の血中グルコースプロファイルを示す図である。
図13】配列番号8、配列番号9、または配列番号10−DIOマウスにおける体重を示す図である。
図14】配列番号8、配列番号9、または配列番号10−DIOマウスにおける体重変化を示す図である。
図15】配列番号8、配列番号9、または配列番号10−DIOマウスにおける総体脂肪量変化を示す図である。
図16】配列番号8、配列番号9、または配列番号10−DIOマウスにおける最終肝臓重量を示す図である。
図17】配列番号8、配列番号9、または配列番号10−DIOマウスにおける最終血漿中アラニンアミノトランスフェラーゼ濃度を示す図である。
図18】配列番号8、配列番号9、または配列番号10−DIOマウスにおける最終総血漿中コレステロール濃度を示す図である。
図19】配列番号8、配列番号9、または配列番号10−DIOマウスにおける最終血漿中インスリン濃度を示す図である。
図20】配列番号13−食餌を与えたdb/dbマウスにおける、単回処置後の血中グルコースプロファイルを示す図である。
図21】配列番号13−食餌を与えたdb/dbマウスにおける血中グルコース曲線下面積(AUC)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0148】
方法
用いる略語は以下の通りである:
AA アミノ酸
AEEAc (2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)アセチル
Aib アルファ−アミノ−イソ酪酸
cAMP 環状アデノシン一リン酸
Boc tert−ブトキシカルボニル
BOP (ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)tris(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
BSA ウシ血清アルブミン
tBu 三級ブチル
dAla D−アラニン
DCM ジクロロメタン
Dde 1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキシリデン)−エチル
ivDde 1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキシリデン)−3−メチル−ブチル
DIC N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMEM ダルベッコ変法イーグル培地
DMF ジメチルホルムアミド
DMS ジメチルスルフィド
EDT エタンジチオール
FA ギ酸
FBS ウシ胎児血清
Fmoc フルオレニルメチルオキシカルボニル
gAAA ガンマ−アミノアジピン酸
gGlu ガンマ−グルタメート(γE)
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HBSS ハンクス平衡塩類溶液
HBTU 2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HEPES 2−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル]エタンスルホン酸
HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HOSu N−ヒドロキシスクシンイミド
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
HTRF ホモジニアス時間分解蛍光(Homogenous Time Resolved Fluorescence)
IBMX 3−イソブチル−1−メチルキサンチン
LC/MS 液体クロマトグラフィー/質量分析法
Mmt モノメトキシ−トリチル
Palm パルミトイル
PBS リン酸緩衝食塩水
PEG ポリエチレングリコール
PK 薬物動態
RP−HPLC 逆相高速液体クロマトグラフィー
Stea ステアリル
TFA トリフルオロ酢酸
Trt トリチル
UV 紫外線
【0149】
ペプチド化合物の一般的合成
材料
様々なRink−アミド樹脂(4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチル)−フェノキシアセトアミド−ノルロイシルアミノメチル樹脂、Merck Biosciences;4−[(2,4−ジメトキシフェニル)(Fmoc−アミノ)メチル]フェノキシアセトアミドメチル樹脂、Agilent Technologies)を、0.2〜0.7mmol/gの範囲のローディング(loading)で、ペプチドアミドの合成に用いた。
【0150】
Fmoc保護した天然のアミノ酸は、Protein Technologies Inc.、Senn Chemicals、Merck Biosciences、Novabiochem、Iris Biotech、Bachem、Chem−Impex International、またはMATRIX Innovationから購入した。合成を通して以下の標準のアミノ酸を用いた:Fmoc−L−Ala−OH、Fmoc−Arg(Pbf)−OH、Fmoc−L−Asn(Trt)−OH、Fmoc−L−Asp(OtBu)−OH、Fmoc−L−Cys(Trt)−OH、Fmoc−L−Gln(Trt)−OH、Fmoc−L−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−L−His(Trt)−OH、Fmoc−L−Ile−OH、Fmoc−L−Leu−OH、Fmoc−L−Lys(Boc)−OH、Fmoc−L−Met−OH、Fmoc−L−Phe−OH、Fmoc−L−Pro−OH、Fmoc−L−Ser(tBu)−OH、Fmoc−L−Thr(tBu)−OH、Fmoc−L−Trp(Boc)−OH、Fmoc−L−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−L−Val−OH。
【0151】
さらに、以下の特殊なアミノ酸を上記と同じ供給業者から購入した:Fmoc−L−Lys(ivDde)−OH、Fmoc−L−Lys(Mmt)−OH、Fmoc−Aib−OH、Fmoc−D−Ser(tBu)−OH、Fmoc−D−Ala−OH、Boc−L−His(Boc)−OH(トルエン溶媒和物として入手可能)、およびBoc−L−His(Trt)−OH。
【0152】
さらに、構成単位(2S)−6−[[(4S)−5−tert−ブトキシ−4−[[(4S)−5−tert−ブトキシ−4−(ヘキサデカノイルアミノ)−5−オキソ−ペンタノイル]アミノ]−5−オキソ−ペンタノイル]アミノ]−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)ヘキサン酸およびBoc−L−His(Trt)−Aib−OHを適用することができる。両方の構成単位を別々に合成する。
【0153】
固相ペプチド合成を、例えば、Preludeペプチドシンセサイザー(Protein Technologies Inc)または同様の自動合成機上で、標準のFmoc化学反応およびHBTU/DIPEA活性化を用いて行った。溶媒としてDMFを用いた。脱保護:20%ピペリジン/DMFで2×2.5分間。洗浄:7×DMF。カップリングDMF2×中、2:5:10 200mMAA/500mM HBTU/2M DIPEA20分間。洗浄:5×DMF。
【0154】
Lys−側鎖を修飾する場合は、Fmoc−L−Lys(ivDde)−OHまたはFmoc−L−Lys(Mmt)−OHを、相当する位置で用いた。合成の完了後、文献の手順(S.R.Chhabraら、Tetrahedron Lett.、1998、39、1603)を部分修正したものに従って、DMF中4%のヒドラジン水和物を使用して、ivDde基を除去した。AcOH/TFE/DCM(1/2/7)で室温で15分間繰返し処理することによってMmt基を除去し、次いで、樹脂をDCM、DCM中5%のDIPEA、およびDCM/DMF中5%のDIPEAで繰返し洗浄した。
【0155】
樹脂を所望の酸のN−ヒドロキシスクシンイミドエステルで処理し、またはHBTU/DIPEAもしくはHOBt/DICなどのカップリング試薬を用いて、以下のアシル化を行った。
【0156】
合成したペプチドを全て、82.5%TFA、5%フェノール、5%水、5%チオアニソール、2.5%EDTからなるKingの切断カクテルで、樹脂から切断した。次いで、粗製ペプチドをジエチルエーテルまたはジイソプロピルエーテル中で沈殿させ、遠心分離し、凍結乾燥した。ペプチドを分析用HPLCによって分析し、ESI質量分析法によってチェックした。粗製のペプチドを、慣例的な分取用RP−HPLC精製手順によって精製した。
【0157】
あるいは、ペプチドを、手操作の合成手順により合成した:乾燥させたRinkアミドMBHA樹脂(0.66mmol/g)0.3gを、ポリプロピレンフィルタを装着したポリエチレン製容器中に配置した。樹脂を、DCM(15ml)中1時間、およびDMF(15ml)中1時間膨潤させた。樹脂上のFmoc基を20%(v/v)ピペリジン/DMF溶液で5分間および15分間の2回、処理することにより脱保護した。樹脂を、DMF/DCM/DMF(各6:6:6回)で洗浄した。Kaiser試験(定量方法)を、固体支持体からFmocを除去されたことの確認に用いた。乾燥DMF中のC末端Fmoc−アミノ酸(樹脂ローディングに対応して5等量過剰)を、脱保護した樹脂に加え、DMF中の5等量過剰のDICおよびHOBTを用いて次のFmoc−アミノ酸のカップリングを開始させた。反応混合物中の各反応物の濃度はおよそ0.4Mであった。混合物を室温で2時間、ローター上で回転させた。樹脂をろ過し、DMF/DCM/DMF(各6:6:6回)で洗浄した。カップリング完了時、ペプチド樹脂アリコートに対するKaiser試験は陰性であった(樹脂上に着色なし)。第1のアミノ酸を付着させた後、樹脂中に非反応のアミノ基があれば、無水酢酸/ピリジン/DCM(1:8:8)を用いて20分間キャッピングして、配列のあらゆる欠失を回避した。キャッピング後、樹脂をDCM/DMF/DCM/DMF(各6/6/6/6回)で洗浄した。ペプチジル樹脂に付着しているC末端アミノ酸上のFmoc基を、20%(v/v)ピペリジン/DMF溶液で5分間および15分間の2回処理することにより、脱保護した。樹脂をDMF/DCM/DMF(各6:6:6回)で洗浄した。Fmoc脱保護完了時、ペプチド樹脂アリコートに対するKaiser試験は陽性であった。
【0158】
RinkアミドMBHA樹脂上の標的配列における残りのアミノ酸を、Fmoc AA/DIC/HOBt方法を用い、DMF中樹脂充填に相当する5等量過剰を用いて、逐次的にカップリングさせた。反応混合物中の各反応物の濃度は、およそ0.4Mであった。混合物を室温で2時間、ローター上で回転させた。樹脂をろ過し、DMF/DCM/DMF(各6:6:6回)で洗浄した。各カップリング工程およびFmoc脱保護工程後、Kaiser試験を行って反応の完全性を確認した。
【0159】
直鎖状配列が完成した後、分枝点または修飾点として用いたリジンのε−アミノ基を、DMF中2.5%ヒドラジン水和物を用いて15分間×2、脱保護し、DMF/DCM/DMF(各6:6:6回)洗浄した。グルタミン酸のγ−カルボキシル終端をLysのε−アミノ基に、DMF中、DIC/HOBt法でFmoc−Glu(OH)−OtBuを用いて付着させた(樹脂充填に関して5等量過剰)。混合物を室温で2時間、ローター上で回転させた。樹脂をろ過し、DMF/DCM/DMF(各6×30ml)で洗浄した。グルタミン酸上のFmoc基を、20%(v/v)ピペリジン/DMF溶液で5分間および15分間(各25ml)の2回処理することにより脱保護した。樹脂を、DMF/DCM/DMF(各6:6:6回)で洗浄した。Fmoc脱保護完了時、ペプチド樹脂アリコートに対するKaiser試験は陽性であった。
【0160】
側鎖の分枝がまた、γグルタミン酸をもう1つ含んでいる場合、第2のFmoc−Glu(OH)−OtBuを、DMF中、DIC/HOBt法(樹脂充填に関して5等量過剰)でのγグルタミン酸の遊離のアミノ基に対する付着に用いた。混合物を室温で2時間、ローター上で回転させた。樹脂をろ過し、DMF/DCM/DMF(各6×30ml)で洗浄した。γ−グルタミン酸上のFmoc基を、20%(v/v)ピペリジン/DMF溶液で5分間および15分間(25ml)の2回処理することにより脱保護した。樹脂を、DMF/DCM/DMF(各6:6:6回)で洗浄した。Fmoc脱保護完了時、ペプチド樹脂アリコートに対するKaiser試験は陽性であった。
【0161】
グルタミン酸の側鎖に対するパルミチン酸およびステアリン酸の付着:
γグルタミン酸の遊離のアミノ基に、DMF中に溶解したパルミチン酸またはステアリン酸(5等量)を加え、DMF中DIC(5等量)およびHOBt(5等量)を加えることにより、カップリングを開始させた。樹脂を、DMF/DCM/DMF(各6:6:6回)で洗浄した。
【0162】
樹脂からのペプチドの最終的な切断:
手操作の合成により合成したペプチジル樹脂を、DCM(6×10ml)、MeOH(6×10ml)、およびエーテル(6×10ml)で洗浄し、真空乾燥機で一夜乾燥させた。固体支持体からのペプチドの切断を、ペプチド樹脂を室温で3時間、試薬カクテル(80.0%TFA/5%チオアニソール/5%フェノール/2.5%EDT、2.5%DMS、および5%DCM)で処理することによって実現した。切断混合物をろ過により収集し、樹脂をTFA(2ml)およびDCM(2×5ml)で洗浄した。過剰のTFAおよびDCMを、窒素下で小体積に濃縮し、少量のDCM(5〜10ml)を樹脂に加え、窒素下で蒸発させた。プロセスを3〜4回繰り返して、揮発性不純物の殆どを除去した。残渣を0℃に冷却し、無水エーテルを加えてペプチドを沈殿させた。沈殿したペプチドを遠心分離し、上清のエーテルを除去し、新たなエーテルをペプチドに加え、再び遠心分離した。粗製試料を、分取HPLCで精製し、凍結乾燥した。ペプチドの同一性をLCMSによって確認した。
【0163】
さらに、リジン側鎖の導入のための異なる経路を使用し、側鎖がすでにリジンに付加されている予め官能化された構成単位(例えば、(2S)−6−[[(4S)−5−tert−ブトキシ−4−[[(4S)−5−tert−ブトキシ−4−(ヘキサデカノイルアミノ)−5−オキソ−ペンタノイル]アミノ]−5−オキソ−ペンタノイル]アミノ]−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)ヘキサン酸)をペプチド合成におけるカップリングパートナーとして適用する。アミノ基を有する0.67mmolのペプチド樹脂を20mlのジメチルホルムアミドで洗浄する。2.93gの(2S)−6−[[(4S)−5−tert−ブトキシ−4−[[(4S)−5−tert−ブトキシ−4−(ヘキサデカノイルアミノ)−5−オキソ−ペンタノイル]アミノ]−5−オキソ−ペンタノイル]アミノ]−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)ヘキサン酸を310mgのヒドロキシベンゾトリアゾール水和物および0.32mlのジイソプロピルカルボジイミドと一緒に20mlのジメチルホルムアミド中に溶解する。5分間の撹拌後、溶液を樹脂に添加した。樹脂を20時間撹拌し、次いで、それぞれ20mlのジメチルホルムアミドで3回洗浄した。小さな樹脂試料を採取して、Kaiser試験およびChloranil試験(E.Kaiser、R.L.Colescott、C.D.Bossinger、P.I.Cook、Anal.Biochem.1970年、34巻、595〜598頁;Chloranil−Test:T.Vojkovsky、Peptide Research 1995年、8巻、236〜237頁)を行った。この手順は、選択的脱保護工程の必要性ならびにきわめて進行した合成中間体上での側鎖構成単位の選択的付加を回避するものである。
【0164】
分析用HPLC/UPLC
方法A:検出210〜225nm
カラム:Waters ACQUITY UPLC(登録商標)CSH(商標)C18 1.7μm(150×2.1mm)、50℃
溶媒:HO+0.05%TFA:ACN+0.035%TFA(流速0.5ml/分)
勾配:80:20(0分)から80:20(3分)から25:75(23分)から2:98(23.5分)から2:98(30.5分)から80:20(31分)から80:20(37分)
場合により、エレクトロスプレーポジティブイオンモードの、質量分析計:LCT Premierで
【0165】
方法B:214で検出
カラム: Waters ACQUITY UPLC(登録商標)CSH(商標)C18 1.7μm(150×2.1mm)、50℃
溶媒: HO+0.05%TFA:ACN+0.035%TFA(流速0.5ml/分)
勾配: 80:20(0分)から80:20(3分)から25:75(23分)から2:98(23.5分)から2:98(30.5分)から80:20(31分)から80:20(37分)
場合により、質量分析計:Agilent 6230 Accurate−Mass TOF、Dual Agilent Jet Stream ESIで
【0166】
方法C:214nmで検出
カラム: Waters ACQUITY UPLC(登録商標)CSH(商標)C18 1.7μm(150×2.1mm)、50℃
溶媒: HO+0.1%TFA:ACN+0.1%TFA(流速0.5ml/分)
勾配: 80:20(0分)から80:20(3分)から25:75(23分)から2:98(23.5分)から2:98(30.5分)から80:20(31分)から80:20(38分)
場合により、質量分析計:Agilent 6230 Accurate−Mass TOF、Agilent Jet Stream ESIで
【0167】
方法D:220nmで検出
カラム: Waters ACQUITY BEH C18(2.1×100mm×1.7μm)、温度:40℃
AriesペプチドXB C18(4.6×250mm×3.6μm)、温度:40℃
溶媒: HO+0.1%ギ酸(バッファーA):ACN+0.1%ギ酸(流速1ml/分)(バッファーB)
勾配: 2%バッファーBでカラムを平衡にし、バッファーB2%から70%の勾配によって15分間溶出
【0168】
方法E:215nmで検出
カラム:Waters ACQUITY UPLC(登録商標)CSHTMC18 1.7μm(150×2.1mm)、温度:50℃
溶媒:HO+0.05%TFA:ACN+0.035%TFA(流速0.5ml/分)
勾配:80:20(0分)から80:20(3分)から25:75(23分)から5:95(23.5分)から5:95(25.5分)から80:20(26分)から80:20(30分)
【0169】
一般的な分取HPLC精製手順
粗製ペプチドを、Akta Purifierシステム上、Jasco semiprep HPLCシステム上、またはAgilent 1100 HPLCシステム上のいずれかで精製した。精製しようとする粗製ペプチドの量に応じて、様々なサイズおよび様々な流速の分取用RP−C18−HPLCカラムを用いた。アセトニトリル+0.1%TFA(B)および水+0.1%TFA(A)を、溶離液として使用した。生成物を含む分画を収集し、凍結乾燥させて、典型的にTFA塩である、精製生成物を得た。
【0170】
エキセンジン−4誘導体の溶解性の評価
ペプチドバッチの溶解性の測定前に、その純度をUPLC/MSによって決定した。
溶解性試験では、目的濃度は、純粋化合物10mg/mlであった。したがって、固体試料からの溶液を、緩衝系において、予め決定した%純度に基づいて10mg/mLの化合物の濃度で調製した:
溶解性緩衝系A)酢酸バッファー pH4.5、酢酸ナトリウム三水和物100mM、m−クレゾール2.7mg/ml
溶解性緩衝系B)リン酸バッファー pH7.4、リン酸水素ナトリウム100mM、m−クレゾール2.7mg/ml
溶解性緩衝系C)クエン酸バッファー pH6.0、クエン酸100mM、m−クレゾール2.7mg/mL
【0171】
1時間の穏やかな撹拌後に、2500RCF(相対遠心加速度)で15分間の遠心分離後に得た、上清から、HPLC−UVを行った。
【0172】
既知の濃度の参照ペプチドの標準曲線を用いて、1:10希釈した緩衝処理した試料の2μLの注射のUVピーク面積を比較することによって溶解性を決定した。異なるアミノ酸配列に基づいて試料および参照ペプチドの異なるUV吸光係数を算出し、濃度計算の考慮に入れた。
【0173】
エキセンジン−4誘導体の化学的安定性評価
ペプチドバッチの化学的安定性の測定前に、その純度をUPLC/MSによって決定した。安定性試験では、目的濃度は、純粋化合物1mg/mlであった。したがって、固体試料からの溶液を、緩衝系において、予め決定した%純度に基づいて1mg/mLの化合物の濃度で調整した:
【0174】
化学的安定性緩衝系A)25mM酢酸バッファー pH4.5、L−メチオニン3mg/mL、m−クレゾール2.7mg/mL、85%グリセリン18mg/mL
化学的安定性緩衝系B)25mMリン酸バッファー pH6.0、L−メチオニン3mg/mL、m−クレゾール2.7mg/mL、85%グリセリン18mg/mL
【0175】
ペプチド溶液を0.22μMの細孔径に通してろ過し、無菌条件下で分注してアリコートにした。出発点において、無希釈の試料2μlの注入によってUPLC−UVを行った。
【0176】
化学的安定性試験では、アリコートを5℃および40℃で28日間保存した。この時間経過後、試料を2500RCFで15分間遠心分離した。次いで、無希釈の上清2μlをUPLC−UVで分析した。
【0177】
化学的安定性については、以下の等式によって算出した純度の相対的な低下を通して評価した:
[(出発点の純度)−(X℃で28日後の純度)]/(出発点の純度)]100%
X=5℃または40℃
【0178】
純度については、
[(ペプチドのピーク面積)/(合計ピーク面積)]100%
として算出する。
【0179】
物理的安定性の評価のための動的光散乱(DLS)
単色性かつ可干渉性の光ビーム(レーザー)を使用して液体試料を照らした。動的光散乱(DLS)は、ブラウン運動を行う粒子(1nm≦半径≦1μm)から散乱した光を測定する。この運動は、粒子と、それ自体がそれらの熱エネルギーによって動いている溶媒分子との間の衝突によって誘導される。粒子の拡散運動は、散乱光の一時性の揺らぎをもたらす[Pecora,R.Dynamic Light Scattering:Applications of Photon Correlation Spectroscopy、Plenum Press、1985]。
【0180】
散乱光強度の揺らぎを記録して自己相関関数に変換する。自己相関曲線を指数関数に適合させることにより、溶液中での粒子の拡散係数Dを導くことができる。次いで、拡散係数を使用して、球状粒子を仮定するStokes−Einstein式を通して流体力学的半径R(または見かけのストークス半径)を算出する。この計算は、ISO13321およびISO22412において定義されている[国際標準ISO13321 Methods for Determination of Particle Size Distribution 第8部:Photon Correlation Spectroscopy、国際標準化機構(ISO) 1996;国際標準ISO22412 Particle Size Analysis − Dynamic Light Scattering、国際標準化機構(ISO) 2008]。
【0181】
多分散試料の場合には、自己相関関数は、種のそれぞれに該当する指数関数的減衰の和である。次いで、散乱光の一時性の揺らぎを使用して、粒子の画分またはファミリーの粒径分布プロファイルを決定することができる。一次結果は、粒径の関数としての散乱光の強度分布である。強度分布は、それぞれの粒子の画分またはファミリーの散乱強度によって自然に加重される。生物学的材料またはポリマーでは、粒子散乱強度は、分子量の二乗に比例する。したがって、少量の凝結体/凝集体またはより大きな粒子種の存在は、強度分布を支配し得る。しかし、この分布を使用して、試料中の大きな物質の存在を高感度で検出することができる。ある仮定の下でMie理論を使用して、強度分布を粒径の体積または質量の分布に転換することができる。強度分布とは対照的に、質量分布は、比較目的で使用するのが最善であり、(基礎となっている仮定により)決して絶対的なものであると考慮されるべきではない。
【0182】
DLS技術により、固有のピーク広がりを有する分布が作成される。多分散指数%Pdは、粒径分布の幅の尺度であり、ISO13321およびISO22412に記載されている標準的な方法によって算出される[国際標準ISO13321 Methods for Determination of Particle Size Distribution 第8部:Photon Correlation Spectroscopy、国際標準化機構(ISO) 1996;国際標準ISO22412 Particle Size Analysis − Dynamic Light Scattering、国際標準化機構(ISO) 2008]。
【0183】
DLS相互作用パラメーター(k
DLS相互作用パラメーター(k)は、粒子間相互作用を記述する尺度であり、ここで、粒子は、折り畳まれたタンパク質またはペプチドである[Sandeep Yadavら(2009)J Pharm Sc、99巻(3)、1152〜1168頁;Brian D.Connollyら(2012)Biophysical Journal 103巻、69〜78頁]。
【0184】
パラメーターkは、拡散係数Dの濃度依存性から導かれ、これは、濃度cの冪で展開することによって得られる:
D(c)=D(1+kc+kiD+kjD+…)
【0185】
より高次の項を無視して、すなわち、kiD=kjD=…=0で、データを直線的にあてはめることができ、kは、曲線D=D(1+kc)とDとの勾配から得られる。Dは、ゼロ濃度における拡散係数である。パラメーターkを使用して、タンパク質またはペプチド分子もしくはオリゴマーの、それら自身および溶液中のそれらの環境との相互作用を記述することができ、パラメーターkを、例えば、HardingおよびJohnsonによって記載されるような、ビリアル係数B22と理論的に関連する[式中、Mはモル質量であり、kは沈降速度の一次濃度係数であり、υは偏比容である][Harding SE、Johnson P.(1985)Biochem J、231、543〜547頁]。
=2B22M−k−υ
【0186】
正のB22値は、自己会合よりも溶媒和(salvation)を好む試料を示すのに対して、負のB22値は、自己会合を好む試料を示す。実用的な観点から、kは、その意味においてB22に類似しており、分子間の正味の力における情報が得られる。高い値は、強い正味の反発相互作用を示すのに対して、低い値は、正味の吸引力を示す。したがって、kを相対的な定性的比較に使用することができる(図1を参照されたい)。
【0187】
全てのペプチド溶液について、(Stokes−Einstein式によって関連付けされる)流体力学的半径Rおよび拡散定数Dを、同じもの3つずつの平均値として決定した。両方のパラメーターを、同じ緩衝系中の異なる濃度(例えば、Rh1およびD:1mg/mlならびにRh5およびD:5mg/ml)で決定した。低いペプチド濃度と高いペプチド濃度との間のこれらのパラメーターの差異は、DLS相互作用パラメーターkの代替である。Rh5<Rh1またはD>Dは、k>0に相当し、したがって、物理的(またはコロイドの)安定性の改良をもたらす反発的粒子間相互作用に相当する。
【0188】
DLS緩衝系A)25mM酢酸バッファー pH4.5、L−メチオニン3mg/mL、m−クレゾール2.7mg/mL、85%グリセリン18mg/mL
DLS緩衝系B)25mMリン酸バッファー pH6.0、L−メチオニン3mg/mL、m−クレゾール2.7mg/mL、85%グリセリン18mg/mL
【0189】
DLS方法A:DLS測定を、W130i装置(Avid Nano Ltd、High Wycombe、UK)上で、体積の小さい使い捨て可能なキュベット(UVette、Eppendorf AG、Hamburg、Germany)を使用して行った。データを、Avid Nanoによって提供されたi−Size3.0で処理した。粒径分布のパラメーターを、DynaLSアルゴリズムを使用して非負拘束付き最小二乗(NNLS)法で決定した。測定は、25℃で、660nmのレーザー光源を用いて90°の角度で行った。
【0190】
DLS方法B:DLS測定を、Nanosizer ZS(Malvern Instruments、Malvern、UK)上で、使い捨て可能なUVキュベット(Brandマクロ、2.5mLおよびBrandセミミクロ1.5mL、Brand GmbH+Co KG、Wertheim、Germany)を使用して行った。データを、Malvern ZetasizerソフトウェアVersion7.10または7.01で処理した。粒径分布のパラメーターを、非負拘束付き最小二乗(NNLS)法で決定した。測定は、25℃で、633nmのレーザー光源を用いてNIBS(非侵襲性後方散乱)モードで173°の角度で行った。
【0191】
DLS方法C:DLS測定を、DynaPro Plate Reader II(Wyatt Technology、Santa Barbara、CA、US)上で、以下の黒色で体積の小さい、無処理のプレートのうちの1種を使用して行った:透明な底を有するポリスチレン384アッセイプレート(Corning、NY、US)、透明な底を有するポリスチレン96アッセイプレート(Corning、NY、US)、透明な底を有するシクロオレフィンポリマー(COP)384アッセイプレート(Aurora、MT、US)、または透明な底を有するポリスチレン384アッセイプレート(Greiner Bio−One、Germany)。データを、Wyatt Technologyによって提供されるDynamicsソフトウェアで処理した。粒径分布のパラメーターを、DynaLSアルゴリズムを使用して非負拘束付き最小二乗(NNLS)法で決定した。測定は、25℃で、830nmのレーザー光源を用いて158°の角度で行った。
【0192】
物理的安定性の評価のためのThTアッセイ
ペプチド溶液の低い物理的安定性は、アミロイド線維形成を導く場合もあり、それは、試料中で、秩序立ったねじ山のような巨大分子構造として観察され、最終的にゲル形成を導く場合もある。チオフラビンT(ThT)は、誤って折り畳まれたタンパク質凝集体の存在を可視化して定量化するために広く使用される。[Biancalanaら(2010)Biochimica et Biophysica Acta.1804(7):1405〜1412.]。それが、アミロイド凝集体中のもののような、線維に結合するとき、色素は、異なる蛍光サインを示す[Naikiら(1989)Anal.Biochem.177、244〜249;LeVine(1999)Methods.Enzymol.309、274〜284]。線維形成の経時変化は、シグモイド曲線の特徴的な形状をたどることが多く、以下の3つの領域に分離することができる:遅滞期、急速発達期、および定常期。
【0193】
典型的な線維形成過程は、遅滞期で始まり、ここで、線維に変化した、部分的に折り畳まれたペプチドの量は、検出するのに十分なほどは多くない。遅滞時間は、臨界量の核が形成される時間に該当する。その後、急激な伸長期がそれに続き、線維濃度は急速に上昇する。
【0194】
Fluoroskan Ascent FLにおいて37℃での振盪によるストレス条件下での線維化の傾向を決定するために研究を行った。
【0195】
Fluoroskan Ascent FLにおける試験では、試料200μLを96ウエルマイクロタイタープレートPS、平底、Greiner Fluotrac 655076番に入れた。プレートをScotch Tape(Quiagen)で封じた。960rpmで10秒振盪および37℃で50秒の休止期間の連続サイクルによって試料にストレスをかけた。その動態を、20分間毎に蛍光強度を測定することによってモニターした。
【0196】
ペプチドを緩衝系中に希釈して3mg/mlの最終濃度にした。HO中に10.1mMのThT溶液20μLを、ペプチド溶液2mLに添加してThT 100μMの最終濃度にした。各試料について8つずつの重複試料を試験した。
【0197】
Tht緩衝系A)m−クレゾールを含む100mM酢酸 pH4.5(100mM酢酸ナトリウム三水和物、2N CH3COOH、m−クレゾール2.7mg/mLを使用してpH調整)
Tht緩衝系B)100mMクエン酸バッファー pH6.0
【0198】
GLP−1、グルカゴン、およびGIP受容体の効能に対するin vitro細胞アッセイ
受容体に対する化合物のアゴニズムを、ヒトGLP−1、GIPまたはグルカゴン受容体を安定して発現するHEK−293細胞株のcAMP反応を測定する機能的アッセイによって決定した。
【0199】
細胞のcAMP含量を、HTRF(ホモジニアス時間分解蛍光)をベースとしたCisbio Corp.(カタログ番号62AM4PEJ)からのキットを用いて決定した。調製のため、細胞をT175培養フラスコ中に分割し、培地(DMEM/10%FBS)中で一夜増殖させてほぼコンフルエントにした。次いで、培地を除去し、カルシウムおよびマグネシウムを欠くPBSで細胞を洗浄し、引き続きアキュターゼ(Sigma−Aldrich カタログ番号A6964)でプロテイナーゼ処理した。剥離した細胞を洗浄し、アッセイバッファー(1×HBSS;20mM HEPES、0.1% BSA、2mM IBMX)中に再懸濁し、細胞密度を決定した。次いで、これらを400000細胞/mlに希釈し、25μlアリコートを、96ウエルプレートのウエル中に懸濁した。測定のため、アッセイバッファー中の試験化合物25μlをウエルに加え、引き続き室温で30分間インキュベートした。溶解バッファー(キットの構成成分)中に希釈したHTRF試薬を加えた後、プレートを1時間インキュベートし、引き続き665/616nmで蛍光比を測定した。最大反応の50%活性化を引き起こした濃度(EC50)を決定することによって、アゴニストのin vitroの作用強度を定量した。
【0200】
マウスおよびミニブタにおけるエキセンジン−4誘導体を定量するための生物学的分析スクリーニング方法
マウスに1mg/kgを皮下投与(s.c.)する。マウスを屠殺し、適用後0.25、0.5、1、2、4、8、16、および24時間後に血液試料を採取した。タンパク質を沈殿させた後、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC/MS)により血漿試料を分析した。PKパラメーターおよび半減期を、WinonLinバージョン5.2.1(非コンパートメントモデル)を用いて算出した。
【0201】
Gottinger雌ミニブタに、0.05mg/kg、0.075mg/kg、または0.1mg/kgを皮下投与した(s.c.)。適用後0.25、0.5、1、2、4、8、24、32、48、56、および72時間後に血液試料を採取した。血漿試料を、タンパク質を沈殿させた後、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC/MS)によって分析した。PKパラメーターおよび半減期を、WinonLin Version5.2.1(ノンコンパートメントモデル)を用いて計算した。
【0202】
食餌誘発性肥満(DIO)C57BL/6雌マウスにおける、血中グルコース、体重、総体脂肪含量および摂食量に対する、皮下処置後の急性および慢性効果
C57BL/6NHsd雌マウスを、Envigo RMS Inc.から群収容で注文して、群収容で輸送し、投与前フェーズの38日目まで、木材チップの床敷を備えた靴箱型ケージング中に、輸送したケージ仲間と共に群収容したままにした。試験開始時、マウスは、25〜26週齢の間であった。
【0203】
12時間の明/暗サイクル(明期 午前04:00〜午後4:00)、23〜26℃の間の室温および30〜70%の間の相対湿度を含んだ動物施設条件下でマウスを収容した。全ての動物に、薬理学的介入(投与フェーズ)前の16週間、水および高脂肪食(TD97366)を自由に摂取させた。投与前フェーズの38日目の最後まで毎週およびその最後に、餌を新しい餌と交換した。次の投与フェーズの間、1週間毎に1回、残っている餌のうちの約50%を除去して新しい餌と交換し、ペレットを均一に混合した。
【0204】
投与前38日目に、平均体重が全てのDIO群の間で一致するように肥満型DIOマウスを処置群(n=8)に割り当てた。げっ歯動物の維持食(Teklad Global Diets Rodent 2014、ペレット状)を自由に摂取させた同齢の群を、痩せ型対照群として試験に含めた。投与前フェーズにおいて32日目から38日目にわたり、全ての試験動物をビヒクル(CaClおよびMgClを含まない、リン酸緩衝食塩水、PBS、Gibco)で1日1回処置した(s.c.約0.2mL/マウス)。
【0205】
投与前フェーズの37日目に、試験物をPBSで100μg/mLの濃度に希釈し、このストック溶液のアリコートを約≦−60℃で保存した。ストックアリコートを、一週間の使用のために解凍し、その後、冷蔵庫中で約4℃で保存した。それぞれの投与日に、ストック溶液をPBSで希釈することにより、注射する試験物の溶液を一度新しく調製して所望の濃度にした。
【0206】
マウスをPBS−ビヒクルまたは試験物のs.c.注射で1日2回、28日間処置した。朝の投与は午前06:00から07:30の間に、午後の投与は午後2:00から3:30の間に開始および完了した。投与フェーズの28日目には、朝の用量のみを投与した。適用した量は5ml/kgであって、各個体の最新の体重記録に合うように用量を調整した。
【0207】
1)食餌を与えたDIO雌マウスにおける、血中グルコースプロファイルに対する急性効果:
実験の間、動物に水および餌を自由に摂取させた。投与フェーズの1日目に、PBS−ビヒクルまたは試験物の1回目のs.c.投与前の0時間、ならびに投与後の1、2、3、4、6、および24時間に、尾の切断を介して血液約5μLを採取した。1回目の投与の8時間後、動物にPBS−ビヒクルまたは試験物の2回目のs.c.投与を行った。血中グルコースプロファイルの24時間の血液採取は、2日目の投与前に行った。Avivaグルコメーターを使用して、グルコース測定を全血において同じもの2つずつまたは3つずつで行った。
【0208】
2)食餌を与えたDIO雌マウスにおける、体重に対する慢性効果:
投与前フェーズの32日目から38日目および投与フェーズの28日間にわたり体重をほぼ午前06:00〜07:30の間に毎日測定した。投与フェーズの間、マウスをPBS−ビヒクルまたは試験物のいずれかのs.c.注射で1日2回処置した。
【0209】
3)食餌を与えたDIO雌マウスにおける、総体脂肪量に対する慢性効果:
総体脂肪量を決定するために、投与前の37日目および投与フェーズの26日目に定量核磁気共鳴(QNMR)測定を行った。投与フェーズの間、マウスをPBS−ビヒクルまたは試験物のいずれかのs.c.注射で1日2回処置した。
【0210】
4)DIO雌マウスにおける、摂食量に対する効果:
摂食量は、午前06:00〜07:30の間の各ケージの給餌器重量の毎日の評価に基づいていた。それぞれのケージに4匹のマウスを収容し、投与フェーズの28日にわたって摂食量を算出した。投与フェーズの間、マウスをPBS−ビヒクルまたは試験物のいずれかのs.c.注射で1日2回処置した。
【0211】
5)非空腹時のDIO雌マウスにおける最終血漿パラメーター:
28日目に、他の全ての生存中の活動(inlife activities)の前に血漿中インスリン濃度の決定のために血液を採取した。次いで、朝の用量を投与し、投与4時間後に剖検を行った。この目的のために、動物をイソフルランで麻酔し、眼窩採血によって血液を採取した。
【0212】
5)非空腹時のDIO雌マウスにおける最終肝臓重量:
28日目、朝の投与の4時間後に、上記のように、イソフルラン麻酔下でマウスから血液を採取した。次いで、マウスを殺し、肝臓を採取して計量した。
【0213】
6)肝臓脂質の定量化
肝臓アリコートをジクロロメタン:メタノール(2:1)と共にインキュベートした。dHOの添加およびその後の遠心分離によって親油相および疎油相を分離した。底部の親油相を収集し、残りの疎油層および肝臓組織でこの手順を繰り返した。次に、それらの親油相を合わせ、溶媒を蒸発させた。次いで、60℃で継続的に振盪しながら、試料を2−プロパノールと共にインキュベートした。総コレステロール、トリアシルグリセリンおよびリン脂質の濃度を、市販のキットを用いて製造業者の説明書に従って酵素的に定量化した。
【0214】
7)統計分析:
データを平均±SEMとして示している。Sigmaplot12.5を用いて統計分析を行った。一元配置ANOVAおよびTukey検定を、全ての群(n=8/群、群サイズからの偏差を示す)のペアワイズ多重比較に用いた。2つの群の平均値における差異が0.05よりも大きいときには、それらが統計学的に有意に異なると考えた。痩せ型−ビヒクル群データは、非肥満状態についての参照データセットとしての役割を果たす。
【0215】
非空腹時の糖尿病db/db雌マウスにおける、血中グルコース濃度に対する、皮下処置後の急性効果
雌の健常な痩せ型BKS.Cg−(痩せ型)/OlaHsdおよび糖尿病になりやすい肥満型BKS.Cg−+Leprdb/+Leprdb/OlaHsdマウスを、Envigo RMS Inc.から群収容で注文して、群収容で輸送し、投与前フェーズの15日目まで、木材チップの床敷を備えた靴箱型ケージング中に群収容したままにした。試験開始時、マウスは、約12週齢であった。
【0216】
12時間の明/暗サイクル(明期 午前04:00〜午後4:00)、23〜26℃の間の室温および30〜70%の間の相対湿度を含む動物施設条件下でマウスを収容した。全ての動物に水およびPurina Fomulab Diet 5008を自由に摂取させた。
【0217】
投与前9日目に、(ほぼ午前08:00〜10:00の間の)血中グルコースおよび体重ならびにHbA1cの測定を行った。投与前フェーズの15日目に、平均HbA1cおよび平均体重が全てのdb/db群の間で一致するように動物を処置群(n=8)に割り当て、新しいケージに振り分けた。同齢の痩せ型群を、健常な痩せ型参照として試験に含めた。
【0218】
投与フェーズの1日目の前に、試験物を(CaClおよびMgClを含まない)リン酸緩衝食塩水(PBS、Gibco)で1mg/mLの濃度に希釈し、このストック溶液のアリコートを約≦−60℃で保存した。投与フェーズの1日目に、ストックアリコートを解凍し、それをPBSで希釈することにより、注射する試験物の溶液を新しく調製して所望の濃度にした。
【0219】
投与フェーズの1日目に、db/dbマウスをPBS−ビヒクルまたは試験物30μg/kgのいずれかのs.c.注射で1回処置した。痩せ型参照群については、PBS−ビヒクルのs.c.注射で1回処置した。投与は、午前08:00から10:00の間に開始および完了した。適用した量は5ml/kgであって、各個体の最新の体重記録に合うように用量を調整した。
【0220】
1)非空腹時の動物における、血中グルコースプロファイルに対する急性効果:
実験の間、動物に水および餌を自由に摂取させた。投与フェーズの1日目に、他の全ての生存中の活動の前の−30分および0分に尾の切断を介して血液約5μLを採取した。0分にマウスにPBS−ビヒクルまたは試験物30μg/kgのいずれかのs.c.投与を行った。投与後の0.25、0.5、1、1.5、2、3、4、6、8、および24時間に、さらなる血液試料を採取した。AlphaTRAKグルコメーターを使用して、グルコース測定を全血で行った。2つの測定値のグルコース濃度が20mg/dLを超えて異なる場合、3つ目の値を記録した。血中グルコースについての曲線下面積(AUC)を、台形法によって、投与後24時間の期間について算出した。
【0221】
2)統計分析:
3)データを平均±SEMとして示している。Sigmaplot12.5を用いて統計分析を行った。一元配置ANOVAおよびTukey検定を、全ての群(n=8/群、群サイズからの偏差を示す)のペアワイズ多重比較に用いた。2つの群の平均値における差異が0.05よりも大きいときには、それらが統計学的に有意に異なると考えた。非糖尿病−ビヒクル群のデータは、正常血糖の痩せ状態についての参照データセットとしての役割を果たす。
【実施例】
【0222】
本発明を以下の実施例によってさらに説明する。
【実施例1】
【0223】
配列番号6の合成
方法に記載しているような固相合成を、Novabiochem Rink−Amide樹脂(4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチル)−フェノキシアセトアミド−ノルロイシルアミノメチル樹脂)、100〜200メッシュ上で0.43mmol/gをロードして行った。Fmoc合成の戦略をHBTU/DIPEA活性化とともに適用した。14位にFmoc−Lys(Mmt)−OHおよび1位にBoc−His(Trt)−OHを固相合成プロトコールにおいて使用した。Mmt基を、方法に記載する通りに樹脂上のペプチドから切断した。この後、DIPEAを塩基として用いて、Palm−gGlu−gGlu−OSuを、遊離したアミノ基にカップリングさせた。ペプチドを、Kingのカクテル(D.S.King、C.G.Fields、G.B.Fields、Int.J.Peptide Protein Res.1990年、36巻、255〜266頁)で樹脂から切断した。粗製生成物を、アセトニトリル/水勾配(両方とも0.1%TFAを含むバッファー)を用いてWatersカラム(Sunfire Prep C18 ODB 5μm 50×150mm)上の分取HPLCによって精製した。精製したペプチドをLCMSによって分析した(方法B)。
保持時間9.824分のピークのもとに見出された質量シグナルの逆重畳積分により、ペプチドの質量は4839.67であることが明らかになり、これは予想値である4839.67と一致する。
【実施例2】
【0224】
配列番号7の合成
方法に記載しているような固相合成を、Novabiochem Rink−Amide樹脂(4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチル)−フェノキシアセトアミド−ノルロイシルアミノメチル樹脂)、100〜200メッシュ上で0.43mmol/gをロードして行った。Fmoc合成の戦略をHBTU/DIPEA活性化とともに適用した。14位にFmoc−Lys(Mmt)−OHおよび1位にBoc−His(Trt)−OHを固相合成プロトコールにおいて使用した。方法に記載しているように、Mmt基を樹脂上のペプチドから切断した。この後、DIPEAを塩基として用いて、Palm−gGlu−gGlu−OSuを、遊離したアミノ基にカップリングさせた。ペプチドを、Kingのカクテル(D.S.King、C.G.Fields、G.B.Fields、Int.J.Peptide Protein Res.1990、36、255〜266)で樹脂から切断した。粗製生成物を、アセトニトリル/水勾配(両方とも0.1%TFAを含むバッファー)を用いてWatersカラム(Sunfire Prep C18 OBD 5μm 50×150mm)上の分取HPLCによって精製した。精製したペプチドをLCMSによって分析した(方法B)。
保持時間9.935分のピークのもとに見出された質量シグナルの逆重畳積分により、ペプチドの質量は4853.73であることが明らかになり、これは予想値である4853.67と一致する。
【実施例3】
【0225】
配列番号11の合成
方法に記載しているような固相合成を、Novabiochem Rink−Amide樹脂(4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチル)−フェノキシアセトアミド−ノルロイシルアミノメチル樹脂)、100〜200メッシュ上で0.43mmol/gをロードして行った。Fmoc合成の戦略をHBTU/DIPEA活性化とともに適用した。14位にFmoc−Lys(Mmt)−OHおよび1位にBoc−His(Trt)−OHを固相合成プロトコールにおいて使用した。Mmt基を、方法に記載する通りに樹脂上のペプチドから切断した。この後、DIPEAを塩基として用いて、Palm−gGlu−gGlu−OSuを、遊離したアミノ基にカップリングさせた。ペプチドを、Kingのカクテル(D.S.King、C.G.Fields、G.B.Fields、Int.J.Peptide Protein Res.1990年、36巻、255〜266頁)で樹脂から切断した。粗製生成物を、アセトニトリル/水勾配(両方とも0.1%TFAを含むバッファー)を用いてWatersカラム(Sunfire Prep C18 OBD 5μm 50×150mm)上の分取HPLCによって精製した。精製したペプチドをLCMSによって分析した(方法B)。
保持時間9.828分のピークのもとに見出された質量シグナルの逆重畳積分により、ペプチドの質量は4894.63であることが明らかになり、これは予想値である4894.64と一致する。
【0226】
類似の方法で、表3にリストする他のペプチドを合成し、特性を決定した。
【0227】
【表4】
【実施例4】
【0228】
安定性
ペプチド試料を化学的安定性緩衝系A中で調整し、方法に記載しているように化学的安定性を評価した。結果を表4に示す。
【0229】
【表5】
【実施例5】
【0230】
溶解性
ペプチド試料を溶解性緩衝系A中で調整し、方法に記載しているように溶解性を評価した。結果を表5に示す。
【0231】
【表6】
【実施例6】
【0232】
DLS相互作用パラメーターによって評価される安定性
DLS相互作用パラメーターkの代替として、ペプチド試料の流体力学的半径Rを、方法に記載しているようなDLS方法Cを使用して、DLS緩衝系A中の異なるペプチド濃度(1mg/mlおよび5mg/ml)で決定した。結果を表6に示す。
【0233】
【表7】
【実施例7】
【0234】
安定性をThTアッセイにおいて評価した。
ペプチド試料のチオフラビンT(ThT)アッセイにおける時間単位での遅滞時間を、方法に記載しているように、Tht緩衝系A中で決定した。結果を表7に示す。
【0235】
【表8】
【実施例8】
【0236】
ヒトGLP−1、GIP、グルカゴンおよびGIP受容体に対するin vitroのデータ
GLP−1、グルカゴン、およびGIP受容体でのペプチド化合物の作用強度を、ヒトグルカゴン受容体(hグルカゴン R)、ヒトGIP受容体(hGIP−R)、またはヒトGLP−1受容体(hGLP−1 R)を発現する細胞を、「方法」に記載した通りに、濃度を増大させながら列挙する化合物に曝露し、形成したcAMPを測定することによって測定した。
【0237】
結果を以下の表8に示す:
【0238】
【表9】
【実施例9】
【0239】
食餌誘発性肥満(DIO)C57BL/6NHsd雌マウスにおける、血中グルコースおよび体重に対する、皮下処置後の配列番号6および配列番号7の急性および慢性効果
痩せ型および食餌誘発性肥満の、25〜26週齢C57BL/6NHsd雌マウスを、PBS、配列番号6 30μg/kg、または配列番号7 30μg/kgのs.c.注射で1日2回、28日間処置した。朝の投与は午前06:00から07:30の間に、午後の投与は午後2:00から3:30の間に開始および完了した。適用した量は5ml/kgであって、各個体の最新の体重記録に合うように用量を調整した。
【0240】
1)グルコースプロファイル
実験の間、動物に水および餌を自由に摂取させた。投与フェーズの1日目に、PBS−ビヒクル、配列番号6 30μg/kg、または配列番号7 30μg/kgの1回目のs.c.投与前の0時間、ならびに投与後の1、2、3、4、6、および24時間に、尾の切断を介して血液約5μLを採取した。1回目の投与の8時間後、動物にPBS−ビヒクル、配列番号6 30μg/kg、または配列番号7 30μg/kgの2回目のs.c.投与を行った。血中グルコースプロファイルの24時間の血液採取は、2日目の投与前に行った。Avivaグルコメーターを使用して、グルコース測定を全血において同じもの2つずつまたは3つずつで行った。
【0241】
配列番号6 30μg/kgおよび配列番号7 30μg/kgはともに、24時間の血中グルコースプロファイルの間、DIO対照マウスにおいて観察された濃度を下回る、血中グルコース濃度における同程度の低下を媒介した(図2)。
【0242】
2)体重
体重を毎日決定した。投与フェーズにおいて、PBS−ビヒクル、配列番号6 30μg/kg、または配列番号7 30μg/kgのいずれかのs.c.注射でマウスを1日2回処置した。
【0243】
配列番号6、または配列番号7での慢性的な1日2回の処置は、投与フェーズの28日以内に、DIO−ビヒクル群の動物とは対照的に体重減少をもたらした(図3)。配列番号6または配列番号7 30μg/kgでのDIO動物の慢性的な処置は、DIO−ビヒクル群と比べて、体重における統計学的に有意な減少を誘導した(一元配置ANOVAおよびTukey検定、図4、表9)。
【0244】
3)総体脂肪量
核磁気共鳴(QNMR)により、投与前フェーズで1回、および投与フェーズの26日目に1回、毎日総体脂肪量を決定した。投与フェーズにおいて、PBS−ビヒクル、配列番号6 30μg/kg、または配列番号7 30μg/kgのいずれかのs.c.注射でマウスを1日2回処置した。
【0245】
配列番号6および配列番号7での慢性的な1日2回の処置は、28日以内に、DIO−ビヒクル群と比べて、総体脂肪量における統計学的に有意な減少をもたらした(一元配置ANOVAおよびTukey検定、図5、表9)。
【0246】
4)最終肝臓重量
28日目に、朝の投与の4時間後にマウスを安楽死させて肝臓を採取した。
【0247】
配列番号6 30μg/kg、または配列番号7 30μg/kgでの1日2回の慢性的なDIO動物の処置は、ビヒクルで処置したDIO動物と比べて、投与フェーズの28日目の肝臓重量の統計学的に有意な減少をもたらした(一元配置ANOVAおよびTukey検定、図6、表9)。
【0248】
5)最終血漿中アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALAT)濃度
28日目、朝の投与の4時間後に、麻酔した非空腹時のマウスから眼窩採血によって血液を採取した。
【0249】
配列番号6 30μg/kg、または配列番号7 30μg/kgでの1日2回の慢性的なDIO動物の処置は、ビヒクルで処置したDIO動物と比べて、投与フェーズの28日目の血漿中アラニンアミノトランスフェラーゼ濃度の統計学的に有意な低下をもたらし、肝機能の改善が示唆された(一元配置ANOVAおよびTukey検定、図7、表9)。
【0250】
6)最終血漿中総コレステロール
28日目、朝の投与の4時間後に、麻酔した非空腹時のマウスから眼窩採血によって血液を採取した。
【0251】
配列番号6 30μg/kg、または配列番号7 30μg/kgでの1日2回の慢性的なDIO動物の処置は、ビヒクルで処置したDIO動物と比べて、血漿中総コレステロール濃度における統計学的に有意な低下をもたらした(一元配置ANOVAおよびTukey検定、図8、表9)。
【0252】
7)最終血漿中インスリン
28日目、朝の投与の4時間後に、麻酔した非空腹時のマウスから眼窩採血によって血液を採取した。
【0253】
配列番号6 30μg/kg、または配列番号7 30μg/kgでの1日2回の慢性的なDIO動物の処置は、ビヒクルで処置したDIO動物と比べて、血漿中インスリン濃度における統計学的に有意な低下をもたらし、高脂肪食誘発性のインスリン抵抗性の改善が示唆された(一元配置ANOVAおよびTukey検定、図9、表9)。
【0254】
8)統計分析
データを平均±SEMとして示している。Sigmaplot12.5を用いて統計分析を行った。一元配置ANOVAおよびTukey検定を、全ての群(示したようにn=7〜8/群)のペアワイズ多重比較に用いた。2つの群の平均値における差異が0.05よりも大きいときには、それらが統計学的に有意に異なると考えた。痩せ型−ビヒクル群データを図面において示しており、これは、非肥満状態についての参照データセットとしての役割を果たす。
【0255】
【表10】
【実施例10】
【0256】
非空腹時の糖尿病db/db雌マウスにおける、血中グルコース濃度に対する、皮下処置後の配列番号6および配列番号7の急性効果
雌の12週齢の健常な痩せ型BKS.Cg−(痩せ型)/OlaHsdまたは糖尿病になりやすい肥満型BKS.Cg−+Leprdb/+Leprdb/OlaHsdマウスを、PBS、配列番号6 30μg/kgまたは配列番号7 30μg/kgのs.c.注射で1回処置した。投与は、午前08:00から10:00の間に開始および完了した。適用した量は5ml/kgであって、各個体の最新の体重記録に合うように用量を調整した。糖尿病db/dbマウスはHbA1cおよび体重を一致させた。痩せ型参照群については、PBS−ビヒクルのs.c.注射で1回処置した。
【0257】
1)血中グルコースプロファイル
実験の間、動物に水および餌を自由に摂取させた。投与フェーズの1日目に、他の全ての生存中の活動の前の−30分および0分に尾の切断を介して血液約5μLを採取した。0分にマウスにPBS−ビヒクル、配列番号6または配列番号7 30μg/kgのいずれかのs.c.投与を行った。投与後の15、30、60、90、120、150、180、240、360、および480分に、さらなる血液試料を採取した。AlphaTRAKグルコメーターを使用して、グルコース測定を全血で行った。2つの測定値のグルコース濃度が20mg/dLを超えて異なる場合、3つ目の値を記録した。血中グルコースについての曲線下面積(AUC)を、台形法によって、投与後24時間の期間について算出した。
【0258】
配列番号6または配列番号7で処置した動物は、血中グルコース濃度における同程度の急性低下を示し、投与後約8時間で最低レベルに到達した(図10)。投与24時間後、全ての処置した動物の平均血中グルコース濃度は、ベースラインまたはその近くにあった(図10)。配列番号6 30μg/kgまたは配列番号7 30μg/kgでの糖尿病db/dbマウスの単回処置は、糖尿病−ビヒクル群と比べて、血中グルコースAUCにおける統計学的に有意な減少をもたらした(一元配置ANOVAおよびTukey検定、図11、表10)。
【0259】
2)統計分析
データを平均±SEMとして示している。Sigmaplot12.5を用いて統計分析を行った。一元配置ANOVAおよびTukey検定を、全ての群(n=8/群)のペアワイズ多重比較に用いた。2つの群の平均値における差異が0.05よりも大きいときには、それらが統計学的に有意に異なると考えた。非肥満状態についての参照データセットとしての役割を果たす痩せ型−ビヒクル群のデータを図に示す。
【0260】
【表11】
【実施例11】
【0261】
食餌誘発性肥満(DIO)C57BL/6NHsd雌マウスにおける、血中グルコースおよび体重に対する、皮下処置後の配列番号8、配列番号9および配列番号10の急性および慢性効果
痩せ型および食餌誘発性肥満の、25〜26週齢C57BL/6NHsd雌マウスを、PBS、配列番号8 30μg/kg、配列番号9 30μg/kg、または配列番号10 30μg/kgのs.c.注射で1日2回、28日間処置した。朝の投与は午前06:00から07:30の間に、午後の投与は午後14:00から15:30の間に開始および完了した。適用した量は5ml/kgであって、各個体の最新の体重記録に合うように用量を調整した。
【0262】
1)グルコースプロファイル
実験の間、動物に水および餌を自由に摂取させた。投与フェーズの1日目に、PBS−ビヒクル、配列番号8 30μg/kg、配列番号9 30μg/kg、または配列番号10 30μg/kgの1回目のs.c.投与前の0時間、ならびに投与後の1、2、3、4、6、および24時間に、尾の切断を介して血液約5μLを採取した。1回目の投与の8時間後、動物にPBS−ビヒクル、配列番号8 30μg/kg、配列番号9 30μg/kg、または配列番号10 30μg/kgの2回目のs.c.投与を行った。血中グルコースプロファイルの24時間の血液採取は、2日目の投与前に行った。Avivaグルコメーターを使用して、グルコース測定を全血において同じもの2つずつまたは3つずつで行った。
【0263】
配列番号8 30μg/kg、配列番号9 30μg/kg、または配列番号10 30μg/kgは、24時間の血中グルコースプロファイルの間、DIO対照マウスにおいて観察された濃度を下回る、血中グルコース濃度における同程度の低下を媒介した(図12)。
【0264】
2)体重
体重を毎日決定した。投与フェーズにおいて、PBS−ビヒクル、配列番号8 30μg/kg、配列番号9 30μg/kg、または配列番号10 30μg/kgのいずれかのs.c.注射でマウスを1日2回処置した。
【0265】
配列番号8、配列番号9、または配列番号10での慢性的な1日2回の処置は、投与フェーズの28日以内に、DIO−ビヒクル群の動物とは対照的に体重減少をもたらした(図13)。配列番号8、配列番号9、または配列番号10 30μg/kgでのDIO動物の慢性的な処置は、DIO−ビヒクル群と比べて、体重における統計学的に有意な減少を誘導した(一元配置ANOVAおよびTukey検定、図14、表11)。
【0266】
3)総体脂肪量
核磁気共鳴(QNMR)により、投与前フェーズで1回、および投与フェーズの26日目に1回、毎日総体脂肪量を決定した。投与フェーズにおいて、PBS−ビヒクル、配列番号8 30μg/kg、配列番号9 30μg/kg、または配列番号10 30μg/kgのいずれかのs.c.注射でマウスを1日2回処置した。
【0267】
配列番号8、配列番号9、または配列番号での慢性的な1日2回の処置は、28日以内に、DIO−ビヒクル群と比べて、総体脂肪量における統計学的に有意な減少をもたらした(一元配置ANOVAおよびTukey検定、図15、表11)。
【0268】
4)最終肝臓重量
28日目に、朝の投与の4時間後にマウスを安楽死させて肝臓を採取した。
【0269】
配列番号8 30μg/kg、配列番号9 30μg/kg、または配列番号10 30μg/kgでの1日2回の慢性的なDIO動物の処置は、ビヒクルで処置したDIO動物と比べて、投与フェーズの28日目の肝臓重量の統計学的に有意な減少をもたらした(一元配置ANOVAおよびTukey検定、図16、表11)。
【0270】
5)最終血漿中アラニンアミノトランスフェラーゼ濃度
28日目、朝の投与の4時間後に、麻酔した非空腹時のマウスから眼窩採血によって血液を採取した。
【0271】
配列番号8 30μg/kg、配列番号9 30μg/kg、または配列番号10 30μg/kgでの1日2回の慢性的なDIO動物の処置は、ビヒクルで処置したDIO動物と比べて、投与フェーズの28日目の血漿中アラニンアミノトランスフェラーゼ濃度の統計学的に有意な低下をもたらし、肝機能の改善が示唆された(一元配置ANOVAおよびTukey検定、図17、表11)。
【0272】
6)最終血漿中総コレステロール
28日目、朝の投与の4時間後に、麻酔した非空腹時のマウスから眼窩採血によって血液を採取した。
【0273】
配列番号8 30μg/kg、配列番号9 30μg/kg、または配列番号10 30μg/kgでの1日2回の慢性的なDIO動物の処置は、ビヒクルで処置したDIO動物と比べて、血漿中総コレステロール濃度における統計学的に有意な低下をもたらした(一元配置ANOVAおよびTukey検定、図18、表11)。
【0274】
7)最終血漿中インスリン
28日目、朝の投与の4時間後に、麻酔した非空腹時のマウスから眼窩採血によって血液を採取した。
【0275】
配列番号8 30μg/kg、配列番号9 30μg/kg、または配列番号10 30μg/kgでの1日2回の慢性的なDIO動物の処置は、ビヒクルで処置したDIO動物と比べて、血漿中インスリン濃度における統計学的に有意な低下をもたらし、高脂肪食誘発性のインスリン抵抗性の改善が示唆された(一元配置ANOVAおよびTukey検定、図19、表11)。
【0276】
8)統計分析
データを平均±SEMとして示している。Sigmaplot12.5を用いて統計分析を行った。一元配置ANOVAおよびTukey検定を、全ての群(示したようにn=7〜8/群)のペアワイズ多重比較に用いた。2つの群の平均値における差異が0.05よりも大きいときには、それらが統計学的に有意に異なると考えた。非肥満状態についての参照データセットとしての役割を果たす痩せ型−ビヒクル群のデータを図に示す。
【0277】
【表12】
【実施例12】
【0278】
非空腹時の糖尿病db/db雌マウスにおける、血中グルコース濃度に対する、皮下処置後の配列番号13の急性効果
雌の12週齢の健常な痩せ型BKS.Cg−(痩せ型)/OlaHsdまたは糖尿病になりやすい肥満型BKS.Cg−+Leprdb/+Leprdb/OlaHsdマウスを、PBSまたは配列番号13 30μg/kgのs.c.注射で1回処置した。投与は、午前08:00から10:00の間に開始および完了した。適用した量は5ml/kgであって、各個体の最新の体重記録に合うように用量を調整した。糖尿病db/dbマウスはHbA1cおよび体重を一致させた。痩せ型参照群については、PBS−ビヒクルのs.c.注射で1回処置した。
【0279】
1)血中グルコースプロファイル
実験の間、動物に水および餌を自由に摂取させた。投与フェーズの1日目に、他の全ての生存中の活動の前の−30分および0分に尾の切断を介して血液約5μLを採取した。0分にマウスにPBS−ビヒクルまたは配列番号13 30μg/kgのいずれかのs.c.投与を行った。投与後の15、30、60、90、120、150、180、240、360、および480分に、さらなる血液試料を採取した。AlphaTRAKグルコメーターを使用して、グルコース測定を全血で行った。2つの測定値のグルコース濃度が20mg/dLを超えて異なる場合、3つ目の値を記録した。血中グルコースについての曲線下面積(AUC)を、台形法によって、投与後24時間の期間について算出した。
【0280】
配列番号13で処置した動物は、血中グルコース濃度における急性低下を示し、投与後約8時間で最低レベルに到達した(図20)。投与24時間後、配列番号13で処置した動物の平均血中グルコース濃度は、ベースラインの近くにあった(図20)。配列番号13 30μg/kgでの糖尿病db/dbマウスの単回処置は、糖尿病−ビヒクル群と比べて、血中グルコースAUCにおける統計学的に有意な減少をもたらした(一元配置ANOVAおよびTukey検定、図21、表12)。
【0281】
2)統計分析
データを平均±SEMとして示している。Sigmaplot12.5を用いて統計分析を行った。一元配置ANOVAおよびTukey検定を、全ての群(n=8/群)のペアワイズ多重比較に用いた。2つの群の平均値における差異が0.05よりも大きいときには、それらが統計学的に有意に異なると考えた。非肥満状態についての参照データセットとしての役割を果たす痩せ型−ビヒクル群のデータを図に示す。
【0282】
【表13】
【0283】
【表14】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]