(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する基板処理方法および基板処理装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態により本開示が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。さらに、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0009】
従来、半導体ウェハ(以下、ウェハとも呼称する。)などの基板上に形成される膜に2種類の材料(たとえば、配線材料および拡散防止膜)が含まれる場合に、一方の材料を選択的にエッチングする技術が知られている。一方で、2種類の材料の組み合わせによっては、所望の選択性を得ることが難しい場合があった。
【0010】
そこで、基板上に形成される膜に含まれる2種類の材料のうち、一方の材料を高い選択性でエッチングすることが期待されている。
【0011】
<基板処理システムの概要>
最初に、
図1を参照しながら、実施形態に係る基板処理システム1の概略構成について説明する。
図1は、実施形態に係る基板処理システム1の概略構成を示す図である。なお、基板処理システム1は、基板処理装置の一例である。以下では、位置関係を明確にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする。
【0012】
図1に示すように、基板処理システム1は、搬入出ステーション2と、処理ステーション3とを備える。搬入出ステーション2と処理ステーション3とは隣接して設けられる。
【0013】
搬入出ステーション2は、キャリア載置部11と、搬送部12とを備える。キャリア載置部11には、複数枚の基板、実施形態では半導体ウェハW(以下、ウェハWと呼称する。)を水平状態で収容する複数のキャリアCが載置される。
【0014】
搬送部12は、キャリア載置部11に隣接して設けられ、内部に基板搬送装置13と、受渡部14とを備える。基板搬送装置13は、ウェハWを保持するウェハ保持機構を備える。また、基板搬送装置13は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウェハ保持機構を用いてキャリアCと受渡部14との間でウェハWの搬送を行う。
【0015】
処理ステーション3は、搬送部12に隣接して設けられる。処理ステーション3は、搬送部15と、複数の処理ユニット16とを備える。複数の処理ユニット16は、搬送部15の両側に並べて設けられる。
【0016】
搬送部15は、内部に基板搬送装置17を備える。基板搬送装置17は、ウェハWを保持するウェハ保持機構を備える。また、基板搬送装置17は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウェハ保持機構を用いて受渡部14と処理ユニット16との間でウェハWの搬送を行う。
【0017】
処理ユニット16は、基板搬送装置17によって搬送されるウェハWに対して所定の基板処理を行う。
【0018】
また、基板処理システム1は、制御装置4を備える。制御装置4は、たとえばコンピュータであり、制御部18と記憶部19とを備える。記憶部19には、基板処理システム1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部18は、記憶部19に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって基板処理システム1の動作を制御する。
【0019】
なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御装置4の記憶部19にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
【0020】
上記のように構成された基板処理システム1では、まず、搬入出ステーション2の基板搬送装置13が、キャリア載置部11に載置されたキャリアCからウェハWを取り出し、取り出したウェハWを受渡部14に載置する。受渡部14に載置されたウェハWは、処理ステーション3の基板搬送装置17によって受渡部14から取り出されて、処理ユニット16へ搬入される。
【0021】
処理ユニット16へ搬入されたウェハWは、処理ユニット16によって処理された後、基板搬送装置17によって処理ユニット16から搬出されて、受渡部14に載置される。そして、受渡部14に載置された処理済のウェハWは、基板搬送装置13によってキャリア載置部11のキャリアCへ戻される。
【0022】
<処理ユニットの構成>
次に、処理ユニット16の構成について、
図2を参照しながら説明する。
図2は、処理ユニット16の具体的な構成例を示す模式図である。
図2に示すように、処理ユニット16は、チャンバ20と、基板処理部30と、液供給部40と、回収カップ50とを備える。
【0023】
チャンバ20は、基板処理部30と、液供給部40と、回収カップ50とを収容する。チャンバ20の天井部には、FFU(Fan Filter Unit)21が設けられる。FFU21は、チャンバ20内にダウンフローを形成する。
【0024】
基板処理部30は、保持部31と、支柱部32と、駆動部33とを備え、載置されたウェハWに液処理を施す。保持部31は、ウェハWを水平に保持する。支柱部32は、鉛直方向に延在する部材であり、基端部が駆動部33によって回転可能に支持され、先端部において保持部31を水平に支持する。駆動部33は、支柱部32を鉛直軸まわりに回転させる。
【0025】
かかる基板処理部30は、駆動部33を用いて支柱部32を回転させることによって支柱部32に支持された保持部31を回転させ、これにより、保持部31に保持されたウェハWを回転させる。
【0026】
基板処理部30が備える保持部31の上面には、ウェハWを側面から保持する保持部材311が設けられる。ウェハWは、かかる保持部材311によって保持部31の上面からわずかに離間した状態で水平保持される。なお、ウェハWは、基板処理が行われる表面を上方に向けた状態で保持部31に保持される。
【0027】
液供給部40は、ウェハWに対して処理流体を供給する。液供給部40は、複数(ここでは2つ)のノズル41a、41bと、かかるノズル41a、41bを水平に支持するアーム42と、アーム42を旋回および昇降させる旋回昇降機構43とを備える。
【0028】
ノズル41aは、バルブ44aおよび流量調整器45aを介して処理液供給部60に接続される。かかる処理液供給部60の詳細については後述する。
【0029】
ノズル41bは、バルブ44bおよび流量調整器45bを介してDIW供給源46bに接続される。DIW(DeIonized Water:脱イオン水)は、たとえばリンス処理に用いられる。なお、リンス処理に用いる処理液はDIWに限られない。
【0030】
ノズル41aからは、処理液供給部60より供給される処理液L(
図3参照)が吐出される。かかる処理液Lの詳細については後述する。ノズル41bからは、DIW供給源46bより供給されるDIWが吐出される。
【0031】
回収カップ50は、保持部31を取り囲むように配置され、保持部31の回転によってウェハWから飛散する処理液を捕集する。回収カップ50の底部には、排液口51が形成されており、回収カップ50によって捕集された処理液は、かかる排液口51から処理ユニット16の外部へ排出される。また、回収カップ50の底部には、FFU21から供給される気体を処理ユニット16の外部へ排出する排気口52が形成される。
【0032】
なお、実施形態の処理ユニット16では、ノズルが2つ設けられる例について示したが、処理ユニット16に設けられるノズルの数は2つに限られない。たとえば、IPA(IsoPropyl Alcohol)を供給するIPA供給源と、かかるIPA供給源に接続された第3のノズルを設けて、かかる第3のノズルからIPAが吐出されるように構成してもよい。
【0033】
<洗浄処理の詳細>
次に、処理ユニット16におけるウェハWのエッチング処理の詳細について、
図3を参照しながら説明する。
図3は、実施形態におけるエッチング処理の概要を示す図である。なお、かかるエッチング処理が行われるウェハWの表面上に形成される膜には、材質の異なるタングステン(W)および窒化チタン(TiN)が含まれているものとする。
【0034】
まず、基板搬送装置17により、ウェハWが処理ユニット16のチャンバ20内に搬入される。そして、ウェハWは、基板処理される表面を上方に向けた状態で基板処理部30の保持部材311に保持される。その後、駆動部33により、保持部材311がウェハWとともに所定の回転数で回転する。
【0035】
次に、処理ユニット16では、
図3の(a)に示すように、処理液Lによるエッチング処理が行われる。かかるエッチング処理では、液供給部40のノズル41aがウェハWの中央上方に移動する。
【0036】
その後、バルブ44aが所定時間開放されることにより、ウェハWの表面に対して、濃硫酸で構成された処理液Lが供給される。
【0037】
ここで、実施形態では、所定の温度以上に昇温された処理液LがウェハWに供給される。これにより、処理液L内で以下の式(1)、(2)の反応が発生する。
2H
2SO
4 → H
3SO
4+ + HSO
4− ・・(1)
H
3SO
4+ → H
+ + H
2SO
4 ・・(2)
【0038】
そして、上記の反応で発生したH
+が、ウェハWの表面上に形成される膜に含まれるタングステンおよび窒化チタンのうち、窒化チタンと選択的に下記式(3)のように反応する。
TiN + 4H
+ → Ti
3+ + NH
4+ ・・(3)
【0039】
ここで、式(3)の反応で発生するTi
3+は処理液Lに溶解することから、上記式(1)〜(3)の反応に基づいて、処理液Lは窒化チタンを選択的にエッチングすることができる。したがって、実施形態によれば、ウェハWの表面上に形成される膜に含まれるタングステンおよび窒化チタンのうち、窒化チタンを高い選択性でエッチングすることができる。
【0040】
また、実施形態では、濃硫酸で構成される処理液Lに純水を添加するとよい。これにより、処理液L内で上記式(1)、(2)のほか、以下の式(4)、(5)の反応が発生する。
H
2O + H
2SO
4 → H
3O
+ + HSO
4− ・・(4)
H
3O
+ → H
+ + H
2O ・・(5)
【0041】
かかる式(4)、(5)の反応により、処理液L内により多くのH
+が供給される。これにより、実施形態では、上記式(3)の反応が促進されることから、処理液Lは窒化チタンをさらに選択的にエッチングすることができる。
【0042】
図3の説明に戻る。次に、処理ユニット16では、
図3の(b)に示すように、DIWによるリンス処理が行われる。かかるリンス処理では、液供給部40のノズル41bがウェハWの中央上方に移動し、バルブ44bが所定時間開放されることにより、ウェハWの表面に対してリンス液である室温のDIWが供給される。このリンス処理により、ウェハW上に残存する処理液Lやエッチングされた窒化チタンなどの残渣を除去することができる。なお、リンス処理におけるDIWの温度は、室温でも室温より高い温度でもよい。
【0043】
つづいて、処理ユニット16では、ウェハWを乾燥させる乾燥処理が行われる。かかる乾燥処理では、たとえば、駆動部33により保持部材311を高速回転させることにより、保持部材311に保持されるウェハW上のDIWを振り切る。なお、DIWを振り切る代わりに、DIWをIPAに置換させた後、かかるIPAを振り切ってウェハWを乾燥させてもよい。
【0044】
その後、処理ユニット16では、搬出処理が行われる。搬出処理では、ウェハWの回転を停止させた後、基板搬送装置17により、ウェハWが処理ユニット16から搬出される。かかる搬出処理が完了すると、1枚のウェハWについての一連のエッチング処理が完了する。
【0045】
<処理液供給部の構成>
次に、基板処理システム1が備える処理液供給部60の構成について、
図4を参照しながら説明する。
図4は、実施形態に係る処理液供給部60の構成を示す図である。なお、以下に示す処理液供給部60の各部は、制御部18によって制御可能である。
【0046】
図4に示すように、実施形態に係る処理液供給部60は、濃硫酸供給部100と、純水供給部120と、添加部140とを備える。
【0047】
濃硫酸供給部100は、濃硫酸を供給する。かかる濃硫酸供給部100は、濃硫酸供給源101aと、バルブ101bと、流量調整器101cと、タンク102と、循環ライン103とを有する。
【0048】
そして、濃硫酸供給源101aは、バルブ101bおよび流量調整器101cを介してタンク102に接続される。これにより、濃硫酸供給部100は、濃硫酸供給源101aからタンク102に濃硫酸を供給し、タンク102に濃硫酸を貯留することができる。
【0049】
また、循環ライン103は、タンク102から出て、かかるタンク102に戻る循環ラインである。かかる循環ライン103には、タンク102を基準として、上流側から順にポンプ104と、フィルタ105と、流量調整器106と、ヒータ107と、熱電対108と、切替部109とが設けられる。
【0050】
ポンプ104は、タンク102から出て、循環ライン103を通り、タンク102に戻る濃硫酸の循環流を形成する。フィルタ105は、循環ライン103内を循環する濃硫酸に含まれるパーティクルなどの汚染物質を除去する。流量調整器106は、循環ライン103を通る濃硫酸の循環流の流量を調整する。
【0051】
ヒータ107は、循環ライン103内を循環する濃硫酸を加熱する。熱電対108は、循環ライン103内を循環する濃硫酸の温度を計測する。したがって、制御部18は、ヒータ107および熱電対108を用いることにより、循環ライン103内を循環する濃硫酸の温度を制御することができる。
【0052】
切替部109は、処理液供給部60の添加部140に接続され、循環ライン103内を循環する濃硫酸の向きをタンク102または添加部140に切り替えることができる。
【0053】
また、タンク102には、純水供給源110aと、バルブ110bと、流量調整器110cと、バルブ110dとが設けられる。タンク102は、バルブ110dを介してドレン部に接続され、純水供給源110aは、バルブ110bおよび流量調整器110cを介してタンク102とバルブ110dとの間に接続される。
【0054】
これにより、制御部18は、タンク102内の濃硫酸を交換する際などに、バルブ110b、流量調整器110cおよびバルブ110dを制御して、タンク102内の濃硫酸を所定の濃度に希釈してからドレン部に排出することができる。
【0055】
純水供給部120は、純水を供給する。かかる純水は、たとえばDIWである。純水供給部120は、純水供給源120aと、バルブ120bと、流量調整器120cと、配管120dと、バルブ120eとを有する。
【0056】
そして、配管120dは、バルブ120bおよび流量調整器120cを介して、純水供給源120aと添加部140との間を接続する。これにより、純水供給部120は、所望の流量の純水を添加部140に供給することができる。
【0057】
また、純水供給源120aは、バルブ120eを介してドレン部に接続される。これにより、制御部18は、純水供給源120a内の純水を交換する際などに、バルブ120eを制御して、純水供給源120a内の純水をドレン部に排出することができる。
【0058】
添加部140は、濃硫酸供給部100から供給される濃硫酸に、純水供給部120から供給される純水を添加する。実施形態において、添加部140は、濃硫酸供給部100の切替部109から延びる配管と、純水供給源120aから延びる配管120dとが合流する箇所である。
【0059】
また、濃硫酸供給部100と添加部140との間には第1バルブ141が設けられ、純水供給部120と添加部140との間には第2バルブ142が設けられる。
【0060】
そして、添加部140は、上述したバルブ44aおよび流量調整器45aを介して処理ユニット16に接続される。これにより、処理液供給部60は、濃硫酸と純水とが所定の割合で混ざった処理液Lを処理ユニット16に供給することができる。
【0061】
また、上述のように、濃硫酸供給部100にはヒータ107が設けられるとともに、添加部140では、濃硫酸と純水が反応することによって処理液Lの温度が上昇する。これにより、実施形態の処理液供給部60は、処理液Lを所望の温度に昇温して処理ユニット16に供給することができる。
【0062】
たとえば、処理液供給部60は、濃硫酸供給部100のヒータ107を用いて濃硫酸の温度を120℃程度まで昇温することにより、添加部140において処理液Lを150℃程度まで昇温することができる。
【0063】
すなわち、実施形態の処理液供給部60において、ヒータ107および添加部140は、処理液Lを昇温する昇温機構として機能する。なお、実施形態の昇温機構はヒータ107や添加部140に限られず、ノズル41aの近傍などに別途追加されたヒータなどを昇温機構として用いてもよい。
【0064】
また、
図4には図示していないが、循環ライン103などには、別途バルブなどが設けられていてもよい。
【0065】
<実験結果>
次に、実施形態の基板処理システム1において、タングステンのエッチングレートに対する窒化チタンのエッチングレートの割合(すなわち、エッチングの選択比)が、各種条件によりどのように変化したかを求めた実験結果について説明する。
図5は、実施形態に係る処理液Lの温度とエッチングの選択比との関係を示した図である。
【0066】
なお、
図5に示した実験結果は、濃硫酸(すなわち、硫酸の濃度が98(質量%))で構成される処理液Lの温度を120℃および150℃にした場合の測定値である。また、タングステンおよび窒化チタンのエッチングはそれぞれ単独の材料で行い、エッチング時間は60秒で行った。
【0067】
図5に示すように、濃硫酸で構成される処理液Lの温度が上昇するにしたがい、エッチングの選択比が向上していることがわかる。この実験結果は、処理液Lの温度が上昇するにしたがい、上記式(1)〜(3)の反応が促進していることが要因である。
【0068】
このように、処理液Lの温度を130℃以上(たとえば、150℃)に昇温することにより、所望の選択比を得ることができる。なお、処理液Lの温度の上限は特に限られないが、処理液Lの沸点(たとえば、濃硫酸の場合290℃)以下にするとよい。
【0069】
次に、エッチングの選択比と、処理液L内の硫酸濃度との関係を求めた実験結果について、
図6を参照しながら説明する。
図6は、実施形態におけるタングステンのエッチングレート、窒化チタンのエッチングレートおよびエッチングの選択比と、硫酸濃度との関係を示した図である。
【0070】
なお、
図6に示した実験結果は、処理液Lの温度が150℃である場合の測定値である。また、タングステンおよび窒化チタンのエッチングはそれぞれ単独の材料で行い、エッチング時間は60秒で行った。
【0071】
図6に示すように、処理液L内の硫酸の濃度が98(質量%)(すなわち、濃硫酸)である条件に比べて、処理液L内の硫酸の濃度を減少させることにより、窒化チタンのエッチングレートが増加している。
【0072】
これは、処理液L内の硫酸の濃度が減少、すなわち濃硫酸に純水を添加することにより、上記式(1)〜(3)の反応に加え、上記式(4)、(5)の反応が発生していることが要因である。
【0073】
さらに、実施形態では、処理液L内の硫酸の濃度が98(質量%)である条件に比べて、処理液L内の硫酸の濃度を減少させることにより、タングステンのエッチングレートが低減している。
【0074】
ここで、タングステンは、酸化剤(酸化作用)を含む溶液であれば酸やアルカリにかかわらずエッチングされることから、酸化剤として機能する濃硫酸によりエッチングされる。そして、実施形態では、処理液L内の硫酸の濃度を減少させることにより、処理液Lの酸化剤としての機能が低下することから、タングステンのエッチングレートが低減する。
【0075】
ここまで説明したように、実施形態では、処理液L内の硫酸の濃度を減少させることにより、窒化チタンのエッチングレートが増加するとともに、タングステンのエッチングレートが低減する。これにより、
図6に示すように、処理液L内の硫酸の濃度を減少させることにより、エッチングの選択比を大きく向上させることができる。
【0076】
したがって、実施形態によれば、ウェハWの表面上に形成される膜に含まれるタングステンおよび窒化チタンのうち、窒化チタンを高い選択性でエッチングすることができる。
【0077】
実施形態では、処理液L内における硫酸の濃度を70〜97質量%にするとよい。硫酸の濃度をかかる範囲にすることにより、処理液L内において、上記式(1)〜(5)の反応をバランスよく発生させることができる。したがって、実施形態によれば、窒化チタンのエッチングレートを大きく向上させることができる。
【0078】
なお、処理液L内における硫酸の濃度を70%より低くした場合、上記式(1)〜(3)の反応に寄与する硫酸原子が処理液L内で少なくなることから、窒化チタンのエッチングレートが低下してしまう。
【0079】
また、実施形態において、処理液Lは濃硫酸に純水が添加されて構成される場合に限られず、濃硫酸のみで構成されていてもよい。また、実施形態では、ウェハWの表面上に形成される膜に含まれる2種類の材料の組み合わせはタングステンおよび窒化チタンに限られず、酸化アルミニウムおよび窒化チタンとの組み合わせであってもよい。この場合であっても、窒化チタンを高い選択性でエッチングすることができる。
【0080】
<処理液供給処理の詳細>
つづいて、実施形態においてウェハWに処理液Lを供給する処理の詳細について、
図7を参照しながら説明する。
図7は、実施形態に係る処理液供給処理の詳細を説明するための図である。
【0081】
上述のように、窒化チタンのエッチングは、処理液L内の硫酸濃度により大きく変化する。したがって、添加部140で生成される処理液Lにおいて、硫酸濃度が所望の濃度から変化した場合、窒化チタンのエッチングにバラツキが生じる恐れがある。
【0082】
そこで、実施形態では、以下に示す処理を実行することにより、窒化チタンのエッチングにバラツキが生じることを抑制することとした。最初に、制御部18は、濃硫酸に所定の割合で純水が添加された処理液LをウェハWに供給する前に、
図7の(a)に示すように、第1バルブ141を閉め、第2バルブ142を開けることにより、純水をノズル41aからウェハWに供給する。
【0083】
なお、
図7において、第1バルブ141または第2バルブ142が閉まっている場合は「C」と表記し、第1バルブ141または第2バルブ142が開いている場合は「O」と表記する。
【0084】
ここで、純水は窒化チタンのエッチングに寄与しないことから、所定の硫酸濃度の処理液Lによるエッチングが行われる前に、硫酸濃度のばらついた処理液LがウェハWに供給されることを抑制することができる。
【0085】
したがって、実施形態によれば、所定の硫酸濃度の処理液Lによるエッチングが行われる前に、窒化チタンのエッチングにバラツキが生じることを抑制することができる。
【0086】
つづいて、制御部18は、
図7の(b)に示すように、第1バルブ141および第2バルブ142を開けることにより、添加部140で生成された処理液LをウェハWに供給し、ウェハWのエッチング処理を行う。
【0087】
そして、処理液LによるウェハWのエッチングが終了すると、制御部18は、
図7の(c)に示すように、第1バルブ141を閉め、第2バルブ142を開けることにより、純水をノズル41aからウェハWに供給する。これにより、所定の硫酸濃度の処理液Lによるエッチングが行われた後に、硫酸濃度がばらついた処理液LがウェハWに供給されることを抑制することができる。
【0088】
したがって、実施形態によれば、所定の硫酸濃度の処理液Lによるエッチングが行われた後に、窒化チタンのエッチングにバラツキが生じることを抑制することができる。
【0089】
ここまで説明したように、実施形態では、処理液Lを供給する際に、第1バルブ141および第2バルブ142を制御することにより、窒化チタンのエッチングにバラツキが生じることを抑制することができる。
【0090】
<変形例>
つづいて、実施形態の各種変形例にかかる処理液供給部60の構成について、
図8および
図9を参照しながら説明する。
図8は、実施形態の変形例1に係る処理液供給部60の構成を示す図である。
【0091】
図8に示すように、変形例1の処理液供給部60は、配管を合流させた箇所で添加部140が構成されるのではなく、タンクで構成される。
【0092】
濃硫酸供給部100は、濃硫酸供給源100aと、バルブ100bと、流量調整器100cとを有する。そして、濃硫酸供給源100aは、バルブ100bおよび流量調整器100cを介して添加部140に接続される。これにより、濃硫酸供給部100は、添加部140に濃硫酸を供給することができる。
【0093】
純水供給部120は、純水供給源120aと、バルブ120bと、流量調整器120cとを有する。そして、純水供給源120aは、バルブ120bおよび流量調整器120cを介して添加部140に接続される。これにより、純水供給部120は、添加部140に純水を供給することができる。
【0094】
添加部140は、濃硫酸供給部100から供給される濃硫酸に、純水供給部120から供給される純水を添加して、処理液Lを生成する。変形例1において、添加部140はタンクであり、処理液Lを貯留する。
【0095】
また、タンクである添加部140には、かかる添加部140から出て、添加部140に戻る循環ライン151が設けられる。そして、かかる循環ライン151には、添加部140を基準として、上流側から順にポンプ152と、フィルタ153と、流量調整器154と、ヒータ155と、熱電対156と、切替部157とが設けられる。
【0096】
ポンプ152は、添加部140から出て、循環ライン151を通り、添加部140に戻る混合液の循環流を形成する。フィルタ153は、循環ライン151内を循環する処理液Lに含まれるパーティクルなどの汚染物質を除去する。流量調整器154は、循環ライン151を通る混合液の循環流の流量を調整する。
【0097】
ヒータ155は、循環ライン151内を循環する混合液を加熱する。熱電対156は、循環ライン151内を循環する混合液の温度を計測する。そして、制御部18は、ヒータ155および熱電対156を用いることにより、循環ライン151内を循環する処理液Lの温度を制御することができる。
【0098】
したがって、変形例1の処理液供給部60は、処理液Lを所望の温度に昇温して処理ユニット16に供給することができる。すなわち、変形例1では、ヒータ155が処理液Lの昇温機構として機能する。
【0099】
切替部157は、バルブ44aおよび流量調整器45aを介して処理ユニット16に接続され、循環ライン151内を循環する処理液Lの向きを処理ユニット16または添加部140に切り替えることができる。
【0100】
また、循環ライン151には、フィルタ153と流量調整器154の間から分岐して、添加部140につながる分岐ライン158が設けられる。そして、かかる分岐ライン158には濃度計159が設けられることから、制御部18は、かかる濃度計159を用いて、循環ライン151を循環する処理液L内における硫酸の濃度を計測することができる。
【0101】
さらに、制御部18は、計測された処理液L内の硫酸濃度に基づいて濃硫酸供給部100および純水供給部120を制御し、処理液L内における硫酸濃度を所定の濃度に制御することができる。
【0102】
また、添加部140には、純水供給源160aと、バルブ160bと、流量調整器160cと、バルブ160dとが設けられる。添加部140は、バルブ160dを介してドレン部に接続され、純水供給源160aは、バルブ160bおよび流量調整器160cを介して添加部140とバルブ160dとの間に接続される。
【0103】
これにより、制御部18は、タンクである添加部140内の処理液Lを交換する際などに、バルブ160b、流量調整器160cおよびバルブ160dを制御して、添加部140内の処理液Lを所定の濃度に希釈してからドレン部に排出することができる。
【0104】
ここまで説明したように、変形例1の処理液供給部60では、タンクである添加部140で濃硫酸に純水を添加することにより、硫酸濃度が所定の濃度に制御された処理液Lを安定して生成することができる。
【0105】
図9は、実施形態の変形例2に係る処理液供給部60の構成を示す図である。
図9に示すように、変形例2の処理液供給部60は、純水供給部120の構成が実施形態と異なる。
【0106】
変形例2の純水供給部120は、純水供給源121aと、バルブ121bと、流量調整器121cと、タンク122と、循環ライン123とを有する。
【0107】
そして、純水供給源121aは、バルブ121bおよび流量調整器121cを介してタンク122に接続される。これにより、純水供給部120は、純水供給源121aからタンク122に純水を供給し、タンク122に純水を貯留することができる。
【0108】
また、循環ライン123は、タンク122から出て、かかるタンク122に戻る循環ラインである。かかる循環ライン123には、タンク122を基準として、上流側から順にポンプ124と、フィルタ125と、流量調整器126と、冷却器127と、熱電対128と、切替部129とが設けられる。
【0109】
ポンプ124は、タンク122から出て、循環ライン123を通り、タンク122に戻る純水の循環流を形成する。フィルタ125は、循環ライン123内を循環する純水に含まれるパーティクルなどの汚染物質を除去する。流量調整器126は、循環ライン123を通る純水の循環流の流量を調整する。
【0110】
冷却器127は、循環ライン123内を循環する純水を冷却する。熱電対128は、循環ライン123内を循環する純水の温度を計測する。したがって、制御部18は、冷却器127および熱電対128を用いることにより、循環ライン123内を循環する純水の温度を制御することができる。
【0111】
切替部129は、流量調整器130を介して処理液供給部60の添加部140に接続され、循環ライン123内を循環する純水の向きをタンク122または添加部140に切り替えることができる。
【0112】
また、タンク122は、バルブ131を介してドレン部に接続される。これにより、制御部18は、タンク122内の純水を交換する際などに、バルブ131を制御して、タンク122内の純水をドレン部に排出することができる。
【0113】
ここまで説明したように、変形例2の処理液供給部60では、純水供給部120に冷却器127が設けられることにより、温度が制御された純水を処理液Lに添加することができる。したがって、変形例2によれば、処理液を所望の温度にさらに正確に昇温して処理ユニット16に供給し、温度制御された純水で処理を行うことができる。
【0114】
実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)は、基板処理部30と、濃硫酸供給部100と、昇温機構と、液供給部40とを備える。基板処理部30は、基板(ウェハW)に液処理を施す。昇温機構は、濃硫酸供給部100から供給される濃硫酸で構成される処理液Lを昇温する。液供給部40は、昇温された処理液Lを基板処理部30に載置された基板(ウェハW)に供給する。これにより、ウェハWの表面上に形成される膜に含まれる2種類の材料のうち、一方の材料を高い選択性でエッチングすることができる。
【0115】
また、実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)は、純水供給部120と、添加部140とをさらに備える。添加部140は、純水供給部120から供給される純水を処理液Lに添加する。これにより、エッチングの選択比を大きく向上させることができる。
【0116】
また、実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)において、処理液Lは、過酸化水素を含まない。
【0117】
<処理の手順>
つづいて、実施形態および変形例1に係る基板処理の手順について、
図10および
図11を参照しながら説明する。
図10は、実施形態に係る基板処理システム1が実行する基板処理の手順を示すフローチャートである。
【0118】
最初に、制御部18は、濃硫酸供給部100のヒータ107を制御して、循環ライン103を循環する濃硫酸を所定の温度に昇温する(ステップS101)。たとえば、制御部18は、循環ライン103を循環する濃硫酸を120℃程度に昇温する。
【0119】
次に、制御部18は、処理液Lによるエッチングが行われる前に、第2バルブ142を開けて、基板処理部30に載置されるウェハWに純水供給部120から純水を供給する(ステップS102)。
【0120】
その後、制御部18は、第1バルブ141および第2バルブ142を開けて、濃硫酸に純水を所定の割合で添加し(ステップS103)、処理液Lを生成する。そして、制御部18は、濃硫酸と純水とが混合する際に生じる熱を利用して、処理液Lを所定の温度に昇温する(ステップS104)。たとえば、制御部18は、処理液Lを150℃程度に昇温する。
【0121】
次に、制御部18は、バルブ44aを制御して、昇温された処理液LをウェハWに供給し(ステップS105)、かかる処理液LでウェハWをエッチング処理する。
【0122】
そして、処理液Lによるエッチング処理が終わると、制御部18は、第1バルブ141を閉めるとともに第2バルブ142を開けて、純水をウェハWに供給する(ステップS106)。次に、制御部18は、第2バルブ142およびバルブ44aを閉めて、ウェハWに対する純水の供給を停止する(ステップS107)。
【0123】
次に、制御部18は、バルブ44bを制御して、ノズル41bからリンス液をウェハWに供給する(ステップS108)。そして、制御部18は、基板処理部30を制御して、ウェハWを高速回転させることにより、リンス液を振り切ってウェハWをスピン乾燥するか、もしくはリンス液をIPAで置換した後にIPAを振り切るIPA乾燥を行い(ステップS109)、処理を完了する。
【0124】
図11は、実施形態の変形例1に係る基板処理システム1が実行する基板処理の手順を示すフローチャートである。最初に、制御部18は、処理液供給部60を制御して、濃硫酸および純水をタンクである添加部140に供給することにより、濃硫酸に純水を添加し(ステップS201)、処理液Lを生成する。
【0125】
次に、制御部18は、循環ライン151のヒータ155を制御して、循環ライン151を循環する処理液Lを所定の温度に昇温する(ステップS202)。たとえば、制御部18は、処理液Lを150℃程度に昇温する。
【0126】
次に、制御部18は、切替部157およびバルブ44aを制御して、昇温された処理液LをウェハWに供給し(ステップS203)、かかる処理液LでウェハWをエッチング処理する。そして、制御部18は、バルブ44aを制御して、ウェハWに対する処理液Lの供給を停止する(ステップS204)。
【0127】
次に、制御部18は、バルブ44bを制御して、ノズル41bからリンス液をウェハWに供給する(ステップS205)。そして、制御部18は、基板処理部30を制御して、ウェハWを高速回転させることにより、リンス液を振り切ってウェハWをスピン乾燥するか、もしくはリンス液をIPAで置換した後にIPAを振り切るIPA乾燥を行い(ステップS206)、処理を完了する。
【0128】
実施形態に係る基板処理方法は、昇温工程(ステップS104、S202)と、液供給工程(ステップS105、S203)とを含む。昇温工程は、濃硫酸で構成される処理液Lを昇温する。液供給工程は、昇温された処理液Lを基板処理部30に載置された基板(ウェハW)に供給する。これにより、ウェハWの表面上に形成される膜に含まれる2種類の材料のうち、一方の材料を高い選択性でエッチングすることができる。
【0129】
また、実施形態に係る基板処理方法において、昇温工程(ステップS104、S202)は、処理液Lを130℃以上かつ沸点以下に昇温する。これにより、ウェハWの表面上に形成される膜に含まれるタングステンおよび窒化チタンのうち、窒化チタンを所望の選択比でエッチングすることができる。
【0130】
また、実施形態に係る基板処理方法において、処理液Lは、過酸化水素を含まない。
【0131】
また、実施形態に係る基板処理方法は、処理液Lに純水を添加する純水添加工程(ステップS103、S201)をさらに含む。これにより、窒化チタンのエッチングレートを向上させることができる。
【0132】
また、実施形態に係る基板処理方法において、純水添加工程(ステップS103、S201)は、処理液L内の硫酸の濃度が70〜97質量%となるように純水を添加する。これにより、ウェハWの表面上に形成される膜に含まれるタングステンおよび窒化チタンのうち、窒化チタンを高い選択性でエッチングすることができる。
【0133】
また、実施形態に係る基板処理方法は、事後純水供給工程(ステップS106)を含む。事後純水供給工程は、液供給工程(ステップS105)の後に、処理液Lに添加される純水を基板(ウェハW)に供給する。これにより、所定の硫酸濃度の処理液Lによるエッチングが行われた後に、窒化チタンのエッチングにバラツキが生じることを抑制することができる。
【0134】
また、実施形態に係る基板処理方法は、事前純水供給工程(ステップS102)を含む。事前純水供給工程は、液供給工程(ステップS105)の前に、処理液Lに添加される純水を基板(ウェハW)に供給する。これにより、所定の硫酸濃度の処理液Lによるエッチングが行われる前に、窒化チタンのエッチングにバラツキが生じることを抑制することができる。
【0135】
また、実施形態に係る基板処理方法において、基板(ウェハW)の表面には、タングステンを含む膜が形成される。これにより、ウェハWの表面上の膜に含まれるタングステンをあまりエッチングすることなく、ウェハWを処理液Lで洗浄処理することができる。
【0136】
また、実施形態に係る基板処理方法において、基板(ウェハW)の表面には、タングステンまたは酸化アルミニウムと、窒化チタンとを含む膜が形成される。これにより、ウェハWの表面上に形成される膜に含まれるタングステンまたは酸化アルミニウムと窒化チタンとのうち、窒化チタンを高い選択性でエッチングすることができる。
【0137】
また、実施形態に係る基板処理方法において、液供給工程(ステップS105、S203)は、ドライエッチング後またはCMP処理後の基板(ウェハW)上の残渣を除去する工程を含む。これにより、ドライエッチング後やCMP処理後のウェハW上の残渣を効率よく除去することができる。
【0138】
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。たとえば、上記の実施形態では、基板上に形成される複数の膜のうち、一方の膜をエッチングする工程だけでなく、基板上を洗浄する工程にもこの技術を適用することができる。
【0139】
たとえば、タングステンの膜が基板上に形成されている時に、ドライエッチング後の残渣除去やCMP(Chemical-Mechanical Polishing)処理後の残渣除去を行う場合などにも適用可能である。かかる適用例について以下に述べる。
【0140】
CMP処理後のウェハWに、上記実施形態の基板処理方法を適用した。この例におけるCMP処理では、セリア(CeO
2:セリウム酸化物)がスラリとして用いられ、CMP処理後にはセリア残渣物(以下、「セリアスラリ」とも呼称する。)がウェハW上に残っている。
【0141】
かかるセリアスラリが残ったウェハWに、まず、150℃の希釈硫酸(硫酸濃度92(質量%))を供給した。そして、かかる希釈硫酸による処理の後、ウェハWに温水(温度70℃)を60秒間供給し、その後、室温の純水を30秒間供給してリンスを行った。
【0142】
さらに、かかるリンス処理の後、ウェハWにスピン乾燥(26秒間)を施し、ウェハW上のセリアスラリの除去量をICP−MS(Inductively Coupled Plasma-Mass Spectrometry)を用いて観察した。実験結果を表1に示す。
【0144】
表1に示される通り、上記実施形態の基板処理方法を用いれば、ウェハW上のセリアスラリの残渣量が大幅に減少していることがわかる。すなわち、実施形態によれば、ドライエッチング後やCMP処理後のウェハW上の残渣を効率よく除去することができる。
【0145】
また、上記の実施形態では、処理液LでウェハWをエッチングした後、リンス処理する例について示したが、エッチングした後の処理はリンス処理に限られず、どのような処理を行ってもよい。
【0146】
たとえば、上記の実施形態において、処理液LでウェハWをエッチングした後に、温度調整された濃硫酸をウェハWに供給してもよい。このように、温度調整された濃硫酸をウェハWに供給することにより、処理液Lに含まれる希硫酸によって配管内に発生した気泡を除去することができる。
【0147】
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実に、上記した実施形態は多様な形態で具現され得る。また、上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。