(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
<多官能性芳香族ポリエステルの説明>
本発明に用いる多官能性芳香族ポリエステルとしては、特開2004−169021号公報に記載の多官能性芳香族ポリエステルを好適に用いることができる。特開2004−169021号公報に開示されている通り、多官能性芳香族ポリエステルは、後記構造式(a1−1)〜(a1−7)で表される芳香族多価ヒドロキシ化合物残基と、芳香族多価カルボン酸残基とからなり、且つ分子末端がアリールオキシカルボニル基であることを特徴とする。
【0014】
なかでも本発明においては、カラーフィルタの耐熱性の観点から芳香族多価ヒドロキシ化合物残基が、構造式(a1−1)である場合が好ましい。(a1−1)は剛直な環状脂肪族であるジシクロペンタジエン骨格を有することから、得られる多官能芳香族ポリエステルに優れた低誘電特性と相溶性、耐熱性、低吸湿性を付与させることができる。
【0016】
芳香族多価カルボン酸残基(a2)としては、ベンゼン環及びナフタレン環等の芳香核を含む芳香族炭化水素の核に2個以上のカルボキシル基が直接結合した構造であれば良く、更に、該構造中にエーテル結合、メチレン基、エチリデン基、2,2−プロピレン基を含むものであっても、芳香核上に塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メチル基等を有していても良い。また、1個の芳香核に2個以上の該カルボキシル基が結合していても、異なる芳香核に該カルボキシル基が結合した構造であっても良い。
具体的には、下記一般式(a2−1)〜(a2−3):
【0018】
(式中A、B、D、E及びGは各々独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、またはハロゲン原子であり、a、e及びgは各々独立に0〜4の整数であり、b及びdは各々独立に0〜3の整数であり、Xは単結合、−S−、−O−、−CO−、−CH
2−、−C(CH
3)
2−、または−SO
2−である。)で表される基であることが好ましく、多官能性芳香族ポリエステルの製造が容易で、且つ溶媒溶解性に優れる点から、イソフタロイル基及びテレフタロイル基であることがより好ましい。特に構造式(a2−1)は製造が容易で、かつ得られる多官能芳香族ポリエステルに優れた相溶性と耐熱性を付与させることができる点で好ましい。
分子末端のアリールオキシカルボニル基(a3)としては、特に限定されるものではなく、その構造中に、ベンゼン環又はナフタレン環等の芳香環上の置換基として塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メチル基、2−プロピル基、フェノキシ基等を有していても良く、例えば下記一般式(a3−1)〜(a3−3):
【0020】
(式中、J、Q、T、U及びVは各々独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ニトロ基、またはハロゲン原子であり、j及びvは0〜5の整数であり、t及びuは0〜4の整数であり、qは0〜3の整数であり、Zは単結合、−O−、−CO−、−CH
2−、−C(CH
3)
2−、または−SO
2−である。)で表される基であることが好ましい。特に構造式(a3−2)はナフタレン骨格の剛直性と高配向性から、得られる多官能芳香族ポリエステルに優れた耐熱性を付与させることができる点で好ましい。
これらの中でも、芳香族多価ヒドロキシ化合物残基が前記構造式(a1−1)で表される基であり、芳香族多価カルボン酸残基が前記構造式(a2−1)で表される基であり、分子末端のアリールオキシカルボニル基が前記構造式(a3−2)で表される基である多官能性芳香族ポリエステルであり、且つ数平均分子量が550〜2500であるものが、得られるカラーフィルタの耐熱性に優れる点から特に好ましいものである。
【0021】
このような多官能性芳香族ポリエステルは、特開2004−169021号公報に記載の方法などを用いることで製造することができる。
【0022】
本発明においては、カラーフィルタの耐熱性の観点から、有機顔料100部に対して、多官能性芳香族ポリエステルを1〜20部含むように調整することが好ましい。
【0023】
<有機顔料の説明>
本発明に用いる有機顔料としては、公知の有機顔料をいずれも使用することができる。
例えば、フタロシアニン顔料、ジオキサジン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、スレン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、フタロン顔料、イソインドリン顔料、イソインドリノン顔料、メチン・アゾメチン顔料、アントラキノン顔料、チオインジゴ顔料、金属錯体顔料またはジケトピロロピロール顔料等の有機顔料を挙げることができ、フタロシアニン顔料としては、銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、コバルトフタロシアニン、ニッケルフタロシアニン、鉄フタロシアニン等、およびそれらのフタロシアニンをハロゲン化したハロゲン化フタロシアニン、アゾ顔料としてはアゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料等、アントラキノン顔料としては、アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等、または、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラック、その他有機顔料全般を用いることができる。
より好適には、フタロシアニン顔料を挙げることができる。
フタロシアニン顔料は、例えば、C.I.ピグメントグリーン7、同36、同58、同59、同62、同63のような緑色顔料を用いることができる。
また、例えばC.I.ピグメントブルー15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6、アルミニウムフタロシアニン誘導体のような青色顔料を用いることができる。
ここで、上記のアルミニウムフタロシアニン誘導体とは、例えば、下記一般式(3−1)で表される化合物等が挙げられる。
【0025】
(式(3−1)中、Rはハロゲン原子、ヒドロキシ基、又は下記一般式(3−2)で表される基である。)
【0027】
(式(3−2)中、Xは直接結合又は酸素原子である。Arはフェニル基又はナフチル基である。式中、アスタリスクは結合部位を示す。)
【0028】
上記した式(3−1)中のRにおける前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。中でも、Rにおける前記ハロゲン原子としては、塩素原子、又は臭素原子であることが好ましい。
【0029】
式(3−1)中、Rは、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、又は上記一般式(3−2)で表される基であることが好ましい。
【0030】
式(3−2)中、Xは酸素原子であることが好ましい。
【0031】
式(3−1)の中でも好ましいものとしては、例えば、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニン、クロロアルミニウムフタロシアニン、ブロモアルミニウムフタロシアニン、下記式(3−1−1)で表される化合物、下記式(3−1−2)で表される化合物、下記式(3−1−3)で表される化合物、下記式(3−1−4)で表される化合物などが挙げられる。
【0033】
これら有機顔料は、1種単独で用いても良いし、2種以上を適宜選択して用いることもできる。また、本発明に用いる有機顔料は、顔料誘導体および/もしくはポリマーによって被覆されていない粒子からなってもよいが、後記するカラーフィルタ用ペーストのような顔料分散体や、レジストのような光硬化性組成物へのより優れた親和性を確保するためには、顔料誘導体および/もしくはポリマーに被覆されていることが好ましい。
【0034】
そして、カラーフィルタ画素部の調製に用いるので、一次粒子径は汎用用途より微細であることが好ましい。このような観点から本発明の顔料組成物を構成する有機顔料は、一次粒子の平均粒子径が10nm〜80nmであることが好ましい。一次粒子の平均粒子は、次のように測定される。まず透過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡で視野内の粒子を撮影する。そして、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子の50個につき、個々の粒子の内径の最長の長さ(最大長)を求める。個々の粒子の最大長の平均値を一次粒子の平均粒子径とする。一方、粒子の最大長となる線に直交する様に無数に引くことが出来る仮想線のうち最短となる長さを最小長とし、これも50個につき求めることが出来る。
【0035】
一次粒子の平均粒子径を10nm〜80nmとするためには、ソルベントソルトミリングやボールミリングやアトライター等の公知慣用の手段により摩砕して、前記した好適な粒子径比となる様にすることもできる。
【0036】
特に、ソルベントソルトミリング処理により、有機顔料の微細化が行われる。この処理により得られた有機顔料組成物は、カラーフィルタに含有されることにより、高い輝度を発現する。
【0037】
有機顔料組成物は、予め有機顔料と顔料誘導体とポリマーを充分に混合しても良い。必要であれば、有機顔料、および顔料誘導体やポリマーを予め混合前に、混合しながら、或いは、混合後に、上記ソルベントソルトミリングやボールミリングやアトライター等ボールミリングやアトライター等の公知慣用の手段により共磨砕することもできる。
【0038】
ポリマーについては、質量換算で、有機顔料100部に対して、ポリマー不揮発分は、0.5〜10部とすることが好ましい。この際のポリマーとしては、公知慣用のものをいずれも用いることが出来るが、顔料に対する相互作用が強く、顔料表面に吸着する単量体Aを有するアクリル系共重合体が好ましく、単量体Aとしては(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸1−ナフチル、(メタ)アクリル酸2−ナフチル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の炭化水素系環状化合物を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体が好ましい。また、単量体Aに加えて、顔料表面に吸着後、分散安定化効果を発揮する単量体Bも有するアクリル系共重合体が更に好ましく、単量体Bとしては(メタ)アクリル酸単量体や、グリシジル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル単量体が好ましい。また、アクリル系共重合体は、異なる複数の単量体Aを有していてもよいし、さらには異なる複数の単量体Aに単独または複数の単量体Bを共重合したアクリル系共重合体であっても良い。
さらに、単量体A、単量体Bに加え、それに共重合可能なその他の単量体を併用した重合体であっても良い。
なお、本発明において「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの一方又は両方をいい「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸の一方又は両方をいう。
【0039】
(メタ)アクリル酸エステルとは、(メタ)アクリル酸とその他の各種アルコールとから形成されるようなエステル結合を含有する化合物であり、上記アルコールに由来する、エステル結合COOの末端に炭素原子鎖を含有するものを言う。典型的には、前記炭素鎖がアルキル基であるものが、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと称されている。(メタ)アクリル酸アルキルエステルで言えば、側鎖はアルキル基を意味する。当業界では、(メタ)アクリル酸アルキルエステルばかりでなく、上記炭素鎖がアルキル基以外の化合物もよく知られていることから、本発明においては(メタ)アクリル酸アルキルエステルだけでなく、炭素鎖が、アルキル基以外の化合物を含めて、(メタ)アクリル酸エステルと称するものとする。
【0040】
このような(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルである、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャルブチル(メタ)アクレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート〔ラウリル(メタ)アクリレート〕、オクタデシル(メタ)アクリレート〔ステアリル(メタ)アクリレート〕等のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の脂環基を含有する(メタ)アクリル酸エステル;メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール#400(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、p−ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、p−ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のエーテル基を含有する(メタ)アクリル酸エステル;ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香環を含有する(メタ)アクリル酸エステル;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等のエポキシ基を含有する(メタ)アクリル酸エステル;アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート、及びアシッドホスホオキシポリオキシプロピレングリコールモノメタクリレート、エチレングリコールメタクリレートフォスフェート、プロピレングリコールメタクリレートフォスフェート、エチレングリコールアクリレートフォスフェート、プロピレングリコールアクリレートフォスフェート、また、市販品として、ホスマーM、ホスマーCL、ホスマーPE、ホスマーMH(以上、ユニケミカル社製)、ライトエステルP−1M(以上、共栄社化学社製)、JAMP−514(以上、城北化学工業社製)、KAYAMER PM−2、KAYAMER PM−21(以上、日本化薬社製)等のリン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
その他の共単量体としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、第3級カルボン酸ビニル等のビニルエステル類;ビニルピロリドン等の複素環式ビニル化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノ基含有単量体;エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;メチルビニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類;ブタジエン、イソプレン等のジエン類;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、ターシャルブチルスチレン等のスチレン系単量体が挙げられる。
また、共重合可能な不飽和カルボン酸としては、例えば、クロトン酸、イソクロトン酸、2−(メタ)アクロイルオキシエチルサクシニック酸、2−(メタ)アクロイルオキシヘキサハイドロフタル酸、2−(メタ)アクロイルオキシエチルグルタレート;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸及びその無水物;モノメチルマレイン酸、モノエチルマレイン酸、モノブチルマレイン酸、モノオクチルマレイン酸、モノメチルフマル酸、モノエチルフマル酸、モノブチルフマル酸、モノオクチルフマル酸、モノメチルイタコン酸、モノエチルイタコン酸、モノブチルイタコン酸、モノオクチルイタコン酸等のジカルボン酸のモノアルキルエステルなどが挙げられる。
【0041】
顔料誘導体については、質量換算で、有機顔料100部に対して、0.5〜10部とすることが好ましい。この際の顔料誘導体としては、公知慣用のものをいずれも用いることが出来るが、顔料に対する相互作用が強く、顔料表面に吸着できることから、用いた有機顔料のフタルイミドメチル誘導体、同スルホン酸誘導体、同N−(ジアルキルアミノ)メチル誘導体、同N−(ジアルキルアミノアルキル)スルホン酸アミド誘導体等も含有することも出来る。もちろん、これら誘導体は、異なる種類のものを二種以上併用することも出来る。
【0042】
本発明に用いる有機顔料に顔料誘導体および/もしくはポリマーを被覆する工程は、本発明の顔料分散体を製造する前に予め行っていてもよいし。本発明の顔料分散体を製造する際に同時に行っても良いが、顔料分散体中の有機顔料の分散性を維持させる点で予め行っていることが好ましい。
【0043】
本発明の有機顔料分散体は、例えば、有機顔料と、多官能性芳香族ポリエステルと、必要に応じて、その他の顔料誘導体や分散剤と有機溶剤を、後述の質量割合となる様に、任意の順序で分散すれば製造することができる。
【0044】
<有機顔料分散体における各成分の配合量>
本発明の有機顔料分散体は、質量換算で、有機顔料100部当たり、1〜20部の多官能性芳香族ポリエステルと、300〜1,000部の有機溶剤と、0〜100部の分散剤と、0〜100部のポリマーと、0〜10部の顔料誘導体とを、均一となるように分散して得られるものである。
また、多官能性芳香族ポリエステルは、前記した「有機顔料を被覆するためのポリマー」としての使用態様により本発明の顔料分散体中に含有することも可能である。このような態様の場合には、上記「有機顔料分散体における各成分の配合量」の説明における多官能性芳香族ポリエステルの量(質量換算で、有機顔料100部当たり、1〜20部の多官能性芳香族ポリエステル)は、被覆処理に用いる多官能性芳香族ポリエステルの量だけで「1〜20部」を使用しても良いし、別途多官能性芳香族ポリエステルを分散体化したものを被覆処理された有機顔料と混合させる態様により、有機顔料分散体中の多官能性芳香族ポリエステルの合計が、前記配合量の範囲(質量換算で、有機顔料100部当たり、1〜20部の多官能性芳香族ポリエステル)にあれば、どのような態様で含有させても構わない。
【0045】
ここで分散剤としては、例えば、ビックケミー社のディスパービック130、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック170、ディスパービック171、ディスパービック174、ディスパービック180、ディスパービック182、ディスパービック183、ディスパービック184、ディスパービック185、ディスパービック2000、ディスパービック2001、ディスパービック2020、ディスパービック2050、ディスパービック2070、ディスパービック2096、ディスパービック2150、ディスパービックLPN21116、ディスパービックLPN6919、ルーブリゾール社のソルスパース3000、ソルスパース9000、ソルスパース13240、ソルスパース13650、ソルスパース13940、ソルスパース17000、ソルスパース18000、ソルスパース20000、ソルスパース21000、ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース27000、ソルスパース28000、ソルスパース32000、ソルスパース36000、ソルスパース37000、ソルスパース38000、ソルスパース41000、ソルスパース42000、ソルスパース43000、ソルスパース46000、ソルスパース54000、ソルスパース71000、味の素株式会社のアジスパーPB711、アジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB814、アジスパーPN411、アジスパーPA111等等が挙げられる。また、レベリング剤、カップリング剤、カチオン系の界面活性剤等も併せて使用可能である。
【0046】
有機溶剤としては、例えば、トルエンやキシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤、エトキシエチルプロピオネート等のプロピオネート系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤、カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物の様なカルバミン酸エステル等が挙げられる。有機溶剤としては、特にプロピオネート系、アルコール系、エーテル系、ケトン系、窒素化合物系、ラクトン系等の極性溶媒で水可溶のものが好ましい。水可溶の有機溶剤を使用する場合には、それに水を併用することも出来る。
【0047】
分散には、ペイントコンディショナー、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、またはアトライター等の各種分散手段を用いて、有機顔料を微細に分散して製造することができる
【0048】
本発明の顔料分散体は、従来公知の方法でカラーフィルタ画素部に使用することが出来る。本発明の顔料分散体を使用してカラーフィルタ画素部を製造するに当たっては、本顔料分散法が好適に採用出来る。
【0049】
カラーフィルタ画素部作成方法として代表的な方法は、フォトリソグラフィー法であり、これは、後記する光硬化性組成物を、カラーフィルタ用の透明基板のブラックマトリックスを設けた側の面に塗布、加熱乾燥(プリベーク)した後、フォトマスクを介して紫外線を照射することでパターン露光を行って、画素部に対応する箇所の光硬化性化合物を硬化させた後、未露光部分を現像液で現像し、非画素部を除去して画素部を透明基板に固着させる方法である。この方法では、光硬化性組成物の硬化着色皮膜からなる画素部が透明基板上に形成される。
【0050】
赤色、緑色、青色の各色ごとに、後記する光硬化性組成物を調製して、前記した操作を繰り返すことにより、所定の位置に赤色、緑色、青色の着色画素部を有するカラーフィルタを製造することが出来る。
【0051】
赤色画素部を形成するための顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 254、同177などが挙げられる。
青色画素部を形成するための顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 15:6(ε型銅フタロシアニン顔料)やC.I.Pigment Violet 23(ジオキサジンバイオレット顔料)等が挙げられる。
【0052】
緑色画素部を形成するための顔料としては、例えば、C.I.Pigment Green 7、同36、同58、同59、同62、同63等の金属フタロシアニン顔料などが挙げられる。緑色画素部の形成には、C.I.Pigment Yellow 138、同139、同150等の黄色顔料を併用することもできる。その後、必要に応じて、未反応の光硬化性化合物を熱硬化させるために、カラーフィルタ全体を加熱処理(ポストベーク)することもできる。
【0053】
本発明の顔料分散体は、フタロシアニン系顔料とキノフタロン系黄色顔料を含む緑色画素部や、フタロシアニン系顔料とジオキサジン系紫色顔料及び/又はキサンテン系紫色染料を含む青色画素部を形成するのに特に適している。
【0054】
後記する光硬化性組成物をガラス等の透明基板上に塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、スリットコート法、ロールコート法、インクジェット法等が挙げられる。
【0055】
透明基板に塗布した光硬化性組成物の塗膜の乾燥条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、通常、50〜150℃で、1〜15分間程度である。この加熱処理を一般に「プリベーク」という。また、光硬化性組成物の光硬化に用いる光としては、200〜500nmの波長範囲の紫外線、あるいは可視光を使用するのが好ましい。この波長範囲の光を発する各種光源が使用出来る。
【0056】
現像方法としては、例えば、液盛り法、ディッピング法、スプレー法等が挙げられる。光硬化性組成物の露光、現像の後に、必要な色の画素部が形成された透明基板は水洗いし乾燥させる。こうして得られたカラーフィルタは、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により、100〜280℃で、所定時間加熱処理(ポストベーク)することによって、着色塗膜中の揮発性成分を除去すると同時に、光硬化性組成物の硬化着色皮膜中に残存する未反応の光硬化性化合物が熱硬化し、カラーフィルタが完成する。
【0057】
カラーフィルタの画素部を形成するための光硬化性組成物(顔料分散フォトレジストとも呼ばれる。)は、本発明の顔料組成物と、分散剤と、光硬化性化合物と、有機溶剤とを必須成分とし、必要に応じて熱可塑性樹脂を用いて、これらを混合することで調製することが出来る。画素部を形成する着色樹脂皮膜に、カラーフィルタの実生産で行われるベーキング等に耐え得る強靱性等が要求される場合には、前記光硬化性組成物を調製するに当たって、光硬化性化合物だけでなく、この熱可塑性樹脂を併用することが不可欠である。熱可塑性樹脂を併用する場合には、有機溶剤としては、それを溶解するものを使用するのが好ましい。
【0058】
前記光硬化性組成物の製造方法としては、本発明の顔料組成物と、有機溶剤と分散剤とを必須成分として使用し、これらを混合し均一となる様に攪拌分散を行って、まずカラーフィルタの画素部を形成するための顔料分散体(着色ペーストとも呼ばれる。)を調製してから、そこに、光硬化性化合物と、必要に応じて熱可塑性樹脂や光重合開始剤等を加えて前記光硬化性組成物とする方法が一般的である。
【0059】
光硬化性組成物の調製に使用する熱可塑性樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド酸系樹脂、ポリイミド系樹脂、スチレンマレイン酸系樹脂、スチレン無水マレイン酸系樹脂等が挙げられる。
【0060】
光硬化性化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ビス(アクリロキシエトキシ)ビスフェノールA、3−メチルペンタンジオールジアクリレート等のような2官能モノマー、トリメチルロールプロパトントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の比較的分子量の小さな多官能モノマー、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート等の様な比較的分子量の大きな多官能モノマーが挙げられる。
【0061】
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタノール、ベンゾイルパーオキサイド、2−クロロチオキサントン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロパン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロパン−2’−スルホン酸、4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン酸等が挙げられる。
【0062】
本発明の顔料分散体に、有機顔料組成物1部当たり、熱可塑性樹脂と光硬化性化合物の合計が0.1〜5部、光硬化性化合物1部当たり0.05〜3部の光重合開始剤と、必要に応じてさらに有機溶剤を添加し、ペイントシェーカー等の混合機で、均一となる様に攪拌してカラーフィルタ画素部を形成するための光硬化性組成物を得ることが出来る。この様な光硬化性組成物は、通常は、分散粒子の平均粒子径が100nm以下となる様に調製される。
【0063】
本発明の顔料分散体及び調製された光硬化性組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子さらに好ましくは、0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
【0064】
現像液としては、公知慣用の有機溶剤やアルカリ水溶液を使用することが出来る。特に前記光硬化性組成物に、熱可塑性樹脂または光硬化性化合物が含まれており、これらの少なくとも一方が酸価を有し、アルカリ可溶性を呈する場合には、アルカリ水溶液での洗浄がカラーフィルタ画素部の形成に効果的である。
【0065】
顔料分散法のうち、フォトリソグラフィー法によるカラーフィルタ画素部の製造方法について詳記したが、本発明の顔料組成物を使用して調製されたカラーフィルタ画素部は、その他の電着法、転写法、ミセル電解法、PVED(Photovoltaic Electrodeposition)法等の方法で画素部を形成して、カラーフィルタを製造してもよい。
【0066】
カラーフィルタは、青色顔料組成物、緑色顔料組成物、赤色顔料組成物を使用して得た各色の光硬化性組成物を使用し、平行な一対の透明電極間に液晶材料を封入し、透明電極を不連続な微細区間に分割すると共に、この透明電極上のブラックマトリクスにより格子状に区分けされた微細区間のそれぞれに、赤(R)、緑(G)および青(B)のいずれか1色から選ばれたカラーフィルタ着色画素部を交互にパターン状に設ける方法、あるいは基板上にカラーフィルタ着色画素部を形成した後、透明電極を設ける様にすることで得ることが出来る。
【0067】
尚、本発明のカラーフィルタ用有機顔料分散体は、公知慣用の各種用途、例えば、塗料、プラスチック(樹脂成型品)、印刷インキ、ゴム、レザー、静電荷像現像用トナー、インクジェット記録用インキ、熱転写インキ等の着色にも適用することも出来る。
【実施例】
【0068】
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例において特に断りがない場合は、「部」及び「%」は質量基準である。
【0069】
また、後記する実施例で使用した測定方法は以下の通り。
[コントラストの評価]
得られたカラーフィルタの230℃焼成前後のコントラストをコントラストテスター(壺坂電機株式会社製、装置名:CT−1)を用いて測定した。この装置は2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設置する場所があり、偏光板の一方には光源を、更にその反対側には色彩輝度計を設置しているものである。偏光軸が平行になる時と垂直になる時との輝度(透過光強度)の比よりコントラストを算出している。尚、カラーフィルタのない状態であるブランクのコントラストが、10,000となるように、あらかじめ調整してから測定した。コントラストは高いほど優れる。
[輝度の評価]
得られたカラーフィルタのC光源における色度x,y及び輝度を、分光光度計U−3900(株式会社日立ハイテクサイエンス製)で測定し、所定の色度における輝度を算出した。輝度は高いほど優れる。
[耐熱性の評価]
SEMI D29−1101「FPDカラーフィルタの耐熱性試験方法」に準じ、スピンコートし、90℃で3分乾燥してカラーフィルタ基板を分光光度計U−3900(株式会社日立ハイテクサイエンス製)で色度を測定した後、230℃1時間焼成後のカラーフィルタ基板を分光光度計U−3900で色度を測定して、得られた230℃1時間焼成前後の色度より、色差ΔEを計算した。ΔEは小さい程優れる。
膜減りについては、230℃1時間焼成前後のカラーフィルタの膜厚を微分干渉方式の膜厚計で測定し、焼成前の膜厚をd1、焼成後の膜厚をd2として、膜減り(%)=d2/d1 x 100を計算した。膜減り(%)の値は大きい程優れる。
【0070】
[合成例1]
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、ジシクロペンタジエンとフェノールとの付加反応物(水酸基当量165g/当量、軟化点85℃)165質量部、1−ナフトール72質量部、及びトルエン630質量部を仕込み、系内を減圧窒素置換しながら溶解させた。次いで、イソフタル酸クロライド152質量部を仕込み、系内を減圧窒素置換しながら溶解させた。その後、テトラブチルアンモニウムブロマイド0.5質量部を仕込み、窒素ガスパージを施しながら、系内を60℃以下に制御して、20%水酸化ナトリウム水溶液210gを3時間かけて滴下した。滴下終了後、そのまま1時間撹拌を続けて反応させた。反応終了後、反応混合物を静置して分液し、水層を取り除いた。残った有機層に水を加えて約15分間撹拌混合した後、混合物を静置して分液し、水層を取り除いた。水層のpHが7になるまでこの操作を繰り返した後、加熱減圧条件下でトルエン等を留去し、固形分65%の(a1−1)を含有する多官能性芳香族ポリエステルのトルエン溶液(1)を得た。多官能性芳香族ポリエステル(1)の官能基当量は223g/当量、JIS K7234に基づいて測定した軟化点は150℃であった。
【0071】
[実施例1]
平均一次粒子径20nmのC.I.ピグメントグリーン58 100部を、固形分65%の芳香族ポリエステルのトルエン溶液(1)7.7部、ビックケミー社製BYK−LPN6919 50部、DIC株式会社製 ユニディックZL−295 75部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート440部と共に、0.3−0.4mmφセプルビーズ(サンゴバン株式会社製)1532部をポリビンに入れ、東洋精機株式会社製ペイントコンディショナーで2時間分散して、着色組成物(MG1)を得た。着色組成物(MG1)2.0部、DIC株式会社製 ユニディックZL−295 0.44部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.16部を加えて、ペイントシェーカーで混合することでカラーフィルタ用緑色画素部を形成するための評価用分散体(CG1)を得た。この評価用分散体(CG1)をソーダガラスに色度y=0.500となるように膜厚を変えてスピンコートし、90℃で3分乾燥して評価用カラーフィルタ基板を得た。このカラーフィルタ基板の輝度、コントラスト、膜厚を測定したところ、それぞれ、60.2、7400、1.67μmであった。更に、230℃で1時間焼成を行い、焼成後のカラーフィルタ基板を得た。焼成後のカラーフィルタ基板の輝度、コントラスト、膜厚はそれぞれ、61.7、7200、1.28であり、膜減りは77%、焼成前後の色差ΔEは5.4であった。
【0072】
[実施例2]
実施例1の、固形分65%の芳香族ポリエステルのトルエン溶液(1)7.7部を15.4部に変えて、着色組成物(MG2)を得た。着色組成物(MG2)2.0部、DIC株式会社製 ユニディックZL−295 0.40部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.20部を加えて、ペイントシェーカーで混合することでカラーフィルタ用緑色画素部を形成するための評価用分散体(CG2)を得た。この評価用分散体(CG2)をソーダガラスに色度y=0.500となるように膜厚を変えてスピンコートし、90℃で3分乾燥して評価用カラーフィルタ基板を得た。このカラーフィルタ基板の輝度、コントラスト、膜厚を測定したところ、それぞれ、60.0、7400、1.67μmであった。更に、230℃で1時間焼成を行い、焼成後のカラーフィルタ基板を得た。焼成後のカラーフィルタ基板の輝度、コントラスト、膜厚はそれぞれ、61.5、7300、1.25であり、膜減りは75%、焼成前後の色差ΔEは5.5であった。
【0073】
[実施例3]
実施例1の、固形分65%の芳香族ポリエステルのトルエン溶液(1)7.7部を23.1部に変えて、着色組成物(MG3)を得た。着色組成物(MG3)2.0部、DIC株式会社製 ユニディックZL−295 0.36部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.24部を加えて、ペイントシェーカーで混合することでカラーフィルタ用緑色画素部を形成するための評価用分散体(CG3)を得た。この評価用分散体(CG3)をソーダガラスに色度y=0.500となるように膜厚を変えてスピンコートし、90℃で3分乾燥して評価用カラーフィルタ基板を得た。このカラーフィルタ基板の輝度、コントラスト、膜厚を測定したところ、それぞれ、59.3、7100、1.67μmであった。更に、230℃で1時間焼成を行い、焼成後のカラーフィルタ基板を得た。焼成後のカラーフィルタ基板の輝度、コントラスト、膜厚はそれぞれ、60.7、6800、1.26であり、膜減りは75%、焼成前後の色差ΔEは5.9であった。
【0074】
[実施例4]
実施例1の、固形分65%の芳香族ポリエステルのトルエン溶液(1)7.7部を無しにして、着色組成物(MG4)を得た。着色組成物(MG4)2.0部、固形分65%の芳香族ポリエステル樹脂のトルエン溶液(1)0.05部、DIC株式会社製 ユニディックZL−295 0.49部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.11部を加えて、ペイントシェーカーで混合することでカラーフィルタ用緑色画素部を形成するための評価用分散体(CG4)を得た。この評価用分散体(CG4)をソーダガラスに色度y=0.500となるように膜厚を変えてスピンコートし、90℃で3分乾燥して評価用カラーフィルタ基板を得た。このカラーフィルタ基板の輝度、コントラスト、膜厚を測定したところ、それぞれ、59.3、7400、1.90μmであった。更に、230℃で1時間焼成を行い、焼成後のカラーフィルタ基板を得た。焼成後のカラーフィルタ基板の輝度、コントラスト、膜厚はそれぞれ、61.1、6800、1.46μmであり、膜減りは76%、焼成前後の色差ΔEは4.4であった。
【0075】
[比較例1]
実施例1の、固形分65%の芳香族ポリエステル樹脂のトルエン溶液(1)7.7部を無しにして、着色組成物(MG4)を得た。着色組成物(MG4)2.0部、DIC株式会社製 ユニディックZL−295 0.49部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.11部を加えて、ペイントシェーカーで混合することでカラーフィルタ用緑色画素部を形成するための評価用分散体(CG5)を得た。この評価用分散体(CG5)をソーダガラスに色度y=0.500となるように膜厚を変えてスピンコートし、90℃で3分乾燥して評価用カラーフィルタ基板を得た。このカラーフィルタ基板の輝度、コントラスト、膜厚を測定したところ、それぞれ、60.2、7400、1.73μmであった。更に、230℃で1時間焼成を行い、焼成後のカラーフィルタ基板を得た。焼成後のカラーフィルタ基板の輝度、コントラスト、膜厚はそれぞれ、61.8、6800、1.27μmであり、膜減りは73%、焼成前後の色差ΔEは6.2であった。
【0076】
上記実施例1、実施例2、実施例3、実施例4及び比較例1の評価結果を表1に示す。
【0077】
【表1】
実施例と比較例との対比から分かる通り、本発明のカラーフィルタ用有機顔料体、コントラストの優れるカラーフィルタを与える。加えて、230℃1時間焼成後の膜減りが小さく、焼成前後の色差ΔEが小さく耐熱性に優れている。