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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022100546
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】受電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/50 20160101AFI20220629BHJP
   H02J 50/12 20160101ALI20220629BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220629BHJP
   B60M 7/00 20060101ALI20220629BHJP
   B60L 5/00 20060101ALI20220629BHJP
   B60L 53/12 20190101ALI20220629BHJP
【FI】
H02J50/50
H02J50/12
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
B60M7/00 X
B60L5/00 B
B60L53/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020214578
(22)【出願日】2020-12-24
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成29年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、未来社会創造事業「第三世代ワイヤレスインホイールモータを開発と実証」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(71)【出願人】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】角谷 勇人
(72)【発明者】
【氏名】瀧田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】宇田 和弘
(72)【発明者】
【氏名】高橋 英介
(72)【発明者】
【氏名】山口 宜久
(72)【発明者】
【氏名】藤本 博志
(72)【発明者】
【氏名】清水 修
(72)【発明者】
【氏名】若尾 泰通
(72)【発明者】
【氏名】桑山 勲
【テーマコード(参考)】
5G503
5H105
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503AA07
5G503BA02
5G503BB01
5G503FA06
5G503GB08
5H105BA09
5H105BB05
5H105CC02
5H105DD10
5H105EE15
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC27
5H125FF15
(57)【要約】
【課題】送電コイルから受電コイルへの伝送効率を良くする。
【解決手段】車両200に搭載され、地面に埋設された送電コイル40から電力を受電する受電装置250は、前記車両のタイヤ62とホイール64とを有する車輪60に配置された第1コイル71と第2コイル72を有する中継コイル70と、受電コイル240と、前記受電コイルに接続された受電回路230と、を備え、前記第1コイルと前記第2コイルとは導線73で接続されており、前記第1コイルは、前記タイヤの内部に配置され、前記第2コイルは、前記車輪の中心軸61からの距離が、前記車輪の中心軸から前記第1コイルまでの距離より短い位置に配置され、前記受電コイルは、前記第1コイルが前記送電コイルと対向するときに前記第2コイルと対向する位置に設けられている。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(200)に搭載され、地面に埋設された送電コイル(40)から電力を受電する受電装置(250)であって、
前記車両のタイヤ(62)とホイール(64)とを有する車輪(60)に配置された第1コイル(71)と第2コイル(72)を有する中継コイル(70)と、
受電コイル(240)と、
前記受電コイルに接続された受電回路(230)と、
を備え、
前記第1コイルと前記第2コイルとは導線(73)で接続されており、
前記第1コイルは、前記タイヤの内部に配置され、
前記第2コイルは、前記車輪の中心軸(61)からの距離が、前記車輪の中心軸から前記第1コイルまでの距離より短い位置に配置され、
前記受電コイルは、前記第1コイルが前記送電コイルと対向するときに前記第2コイルと対向する位置に設けられている、受電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の受電装置であって、
前記第1コイルは、前記ホイールのリム(64r)よりも外側に配置され、
前記第2コイルは、前記リムよりも内側に配置されている、受電装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の受電装置であって、
前記第1コイルと前記第2コイルとが重なりの位置に配置されており、前記第1コイルと前記第2コイルとを通過する軸から見たとき、前記第1コイルを流れる電流の向きと、前記第2コイルを流れる電流の向きが逆である、受電装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の受電装置であって、
前記第2コイルは前記タイヤの外部に配置されており、
前記タイヤまたは前記ホイールは、前記導線を通す貫通孔(65)を有する、受電装置。
【請求項5】
請求項4に記載の受電装置であって、
前記貫通孔は、前記導線が通された状態で気密にシールされている、受電装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の受電装置であって、
前記導線は、リッツ線(73)またはバスバー(73c)で形成されている、受電装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の受電装置であって、
前記中継コイルを、前記車輪の周方向に沿って2以上有する、受電装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の受電装置であって、
前記受電コイルは、前記ホイールの内側に配置されている、受電装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の受電装置であって、
前記第1コイルが前記送電コイルと対向する際における前記第1コイルのインダクタンス値に対し、前記送電コイルの共振周波数で共振するための共振コンデンサ(74)が、前記第1コイルに設けられている、受電装置。
【請求項10】
請求項9に記載の受電装置であって、
前記共振コンデンサは、前記ホイールの内側に保持されている、受電装置。
【請求項11】
請求項9に記載の受電装置であって、
前記共振コンデンサは、前記ホイールに形成された前記導線を通す貫通孔に配置されている、受電装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の受電装置であって、
前記第1コイルと前記ホイールとは、前記タイヤの中の空気よりも熱伝導率の高い熱伝導部材(82)で接続されている、受電装置。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の受電装置であって、
前記第1コイルは、前記タイヤに用いられる金属ベルト(162a、162b、165a、165b)を利用して形成されている、受電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、停車中、あるいは走行中の車両において電力を受電する受電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、走行中非接触給電システムが開示されている。この走行中非接触給電システムでは、地上側に埋め込んだ送電コイルから車両の床下に搭載された受電コイルに電力を伝送している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-220353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の方法では、送電コイルと受電コイルとの間隔が広いため、伝送効率を高めることが難しかった。そのため、伝送効率を高める構成が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一形態によれば、車両(200)に搭載され、地面に埋設された送電コイル(40)から電力を受電する受電装置(250)が提供される。この受電装置は、前記車両のタイヤ(62)とホイール(64)とを有する車輪(60)に配置された第1コイル(71)と第2コイル(72)を有する中継コイル(70)と、受電コイル(240)と、前記受電コイルに接続された受電回路(230)と、を備え、前記第1コイルと前記第2コイルとは導線(73)で接続されており、前記第1コイルは、前記タイヤの内部に配置され、前記第2コイルは、前記車輪の中心軸(61)からの距離が、前記車輪の中心軸から前記第1コイルまでの距離より短い位置に配置され、前記受電コイルは、前記第1コイルが前記送電コイルと対向するときに前記第2コイルと対向する位置に設けられている。この形態によれば、送電コイルと第1コイルとの間隔、第2コイルと受電コイルの間隔をいずれも狭くできるので、電力の伝送効率を高めることができる。
【0006】
なお、本開示は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、受電装置の他、タイヤ、車輪、電力伝送システム、受電装置を備える車両等で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】電力伝送システムを示す説明図である。
図1B】送電回路から受電回路までを示す説明図である。
図2】車輪の中心軸に沿った方向から車輪を見たときの構成を示す説明図である。
図3図2のIII-III断面により車輪の内部構成を示す説明図である。
図4】第1コイルを車輪の中心軸から見た状態を模式的に示す説明図である。
図5】第2コイルを車輪の中心軸から見た状態を模式的に示す説明図である。
図6】電力伝送システムの電気的な構成の概略を示す回路図である。
図7】車輪の位相と、合成インダクタンスの関係を示す説明図である。
図8】複数の第1コイルの一部を添え字付き符号と共に示す説明図である。
図9】車輪及び中継コイルの結合状態の一例を示す部分拡大図である。
図10】第1コイルと第2コイルを接続する導線とホイールのリムの構成を示す説明図である。
図11】ハーメチックシールの構成を示す説明図である。
図12】導線の構成を断面により示す説明図である。
図13】タイヤ及びホイールへの中継コイルの組み付け工程の一例を示す工程図である。
図14】タイヤ及びホイールへの中継コイルの組み付け工程を、模式的に示す説明図である。
図15】参考例1の送電コイルと受電コイルを示す説明図である。
図16】参考例2の送電コイルと受電コイルを示す説明図である。
図17】第1実施形態、参考例1、参考例2の給電効率を示す説明図である。
図18】第1実施形態、参考例1、参考例2の送電コイルと受電コイルの間の結合係数を示す説明図である。
図19】第1実施形態の変形例1を示す説明図である。
図20】第1実施形態の変形例2を示す説明図である。
図21】第1実施形態の変形例3を示す説明図である。
図22】第1実施形態の変形例4を示す説明図である。
図23】第1実施形態の変形例5を示す説明図である。
図24】第1実施形態の変形例6を示す説明図である。
図25】第1実施形態の変形例7を示す説明図である。
図26】第1実施形態の変形例8を示す説明図である。
図27】第1実施形態の変形例9を示す説明図である。
図28】変形例9の概略回路図である。
図29】第1実施形態の変形例10を示す説明図である。
図30】第1実施形態の変形例11を示す説明図である。
図31】第1実施形態の変形例12を示す説明図である。
図32】銅バーを用いた接続の一例を示す説明図である。
図33】第1実施形態の変形例13を示す説明図である。
図34】第1実施形態の変形例14を示す説明図である。
図35】ホイールにおけるバルブの位置のバリエーションを示す説明図である。
図36】ホイールにおけるバルブの位置のバリエーションを示す説明図である。
図37】ホイールにおけるバルブの位置のバリエーションを示す説明図である。
図38】第2実施形態で用いられる車輪を車両の外側から見た図である。
図39】第2実施形態で用いられる車輪を車両側から見た図である。
図40】第2実施形態における送電コイル、第1コイル、第2コイル、受電コイルの配置を模式的に示す説明図である。
図41図38のXLI-XLI断面を示す説明図である。
図42図41の領域X1の拡大図である。
図43】タイヤの概略構成を示す説明図である。
図44A】第3実施形態において用いるタイヤの第1層を示す説明図である。
図44B】第1層の端面を示す説明図である。
図45A】タイヤの第1層を示す説明図である。
図45B】第1層の端面を示す説明図である。
図46A】フェライト層の上にタイヤの第1層と第2層とを重ねた状態を示す説明図である。
図46B】タイヤの第1層1と第2層とを重ねた状態の端面を示す説明図である。
図47】参考例3のフェンダーカバーを示す説明図である。
図48】他の実施形態におけるフェンダーカバー(リアホイールスカート)示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
・第1実施形態:
図1Aに示すように、電力伝送システム500は、道路105に設けられた送電システム100と、車両200に搭載される受電装置250とを備える。電力伝送システム500は、車両200の停車中あるいは走行中において送電システム100から車両200の受電装置250に電力を伝送することが可能なシステムである。車両200は、例えば、電気自動車やハイブリッド車として構成される。
【0009】
道路105側の送電システム100は、道路105に埋設された複数の送電コイル40と、複数の送電コイル40のそれぞれに交流電圧を印加して電力を供給する複数の送電回路30と、複数の送電回路30に電力を供給する外部電源10(以下「電源10」と略す。)と、コイル位置検出部20と、制御装置50と、を備えている。
【0010】
複数の送電コイル40は、道路105の進行方向に沿って設置されている。送電回路30は、電源10から供給される直流電圧を高周波の交流電圧に変換して送電コイル40に印加する回路である。送電回路30については、後述する。電源10は、直流電圧を送電回路30に供給する回路である。例えば、電源10は、系統電源から力率改善回路(PFC)を介して送電回路30へ供給される。PFCについては、図示を省略している。電源10が出力する直流電圧は、完全な直流電圧でなくてもよく、ある程度の変動(リップル)を含んでいても良い。
【0011】
コイル位置検出部20は、車両200の車輪60に搭載されている中継コイル70の、送電コイル40に対する相対的な位置を検出する。コイル位置検出部20は、例えば、複数の送電回路30における送電電力や送電電流の大きさから中継コイル70の位置を検出しても良く、あるいは、車両200との無線通信や車両200の位置を検出する位置センサを利用して中継コイル70の位置を検出しても良い。制御装置50は、コイル位置検出部20で検出された中継コイル70の位置に応じて、中継コイル70に近い1つ以上の送電回路30と送電コイル40に送電を実行させる。
【0012】
車両200は、メインバッテリ210と、補機バッテリ215と、制御装置220と、受電回路230と、受電コイル240と、DC/DCコンバータ回路260と、インバータ回路270と、モータジェネレータ280と、補機290と、車輪60と、中継コイル70と、を備えている。上記構成のうち、中継コイル70と、受電コイル240と、受電回路230とが、受電装置250を構成している。中継コイル70は、車輪60に設けられている。車輪60は、タイヤ62とホイール64とを有している。第1実施形態では、受電コイル240は、車輪60のホイール64の内側(中心軸61側)に設けられている。受電コイル240には、受電回路230が接続されている。受電回路230の出力には、メインバッテリ210と、DC/DCコンバータ回路260の高圧側と、インバータ回路270と、が接続されている。DC/DCコンバータ回路260の低圧側には、補機バッテリ215と、補機290とが接続されている。インバータ回路270には、モータジェネレータ280が接続されている。
【0013】
中継コイル70は、上述したように、車輪60に設けられている。中継コイル70は、導線で接続された第1コイル71と第2コイル72とを有する。第1コイル71は、ホイール64の外側、すなわちタイヤ62側に設けられており、第2コイル72は、ホイール64の内側に設けられている。従って、車輪60の中心軸61から第1コイル71までの間隔と、中心軸61から第2コイル72までの間隔は異なっており、中心軸61から第1コイル71までの間隔の方が大きい。そのため、第1コイル71は、第2コイル72よりも道路105に埋設された送電コイル40に近づくことができる。車輪60が回転し、第1コイル71が道路105に埋設された送電コイル40と対向すると、送電コイル40には、交流電圧が印加されているため、送電コイル40との間の電磁誘導によって第1コイル71に交流の誘導電流が生じる。第1コイル71と第2コイル72とは、直列に接続されており、この誘導電流は、導線を通って第1コイル71から第2コイル72に流れる。このとき、受電コイル240は、交流の誘導電流が流れている第2コイル72と対向する位置に位置している。その結果、受電コイル240には、第2コイル72との間の電磁誘導によって交流の誘導電流を生じる。中継コイル70は、このように、第1コイル71と第2コイル72を用いて、送電コイル40から受電コイル240への電力の伝送を中継する。すなわち、電力は、図1Bに示すように、送電回路30から送電コイル40、中継コイル70(第1コイル71、第2コイル72)、受電コイル240を経て、受電回路230に伝送される。
【0014】
図1Aの受電回路230は、受電コイル240から出力される交流電流を直流電流に変換する整流回路を含む。なお、受電回路230は、整流回路にて生成した直流の電圧を、メインバッテリ210の充電に適した電圧に変換するDC/DCコンバータ回路を含んでいても良い。受電回路230から出力される直流の電力は、メインバッテリ210の充電や、インバータ回路270を介したモータジェネレータ280の駆動に利用することができ、また、DC/DCコンバータ回路260を用いて直流の電圧を降圧することで、補機バッテリ215の充電や、補機290の駆動にも利用可能である。
【0015】
メインバッテリ210は、モータジェネレータ280を駆動するための比較的高い直流電圧を出力する2次電池である。モータジェネレータ280は、3相交流モータとして動作し、車両200の走行のための駆動力を発生する。モータジェネレータ280は、車両200の減速時にはジェネレータとして動作し、3相交流電圧を発生する。インバータ回路270は、モータジェネレータ280がモータとして動作するとき、メインバッテリ210の直流電圧を3相交流電圧に変換してモータジェネレータ280に供給する。インバータ回路270は、モータジェネレータ280がジェネレータとして動作するとき、モータジェネレータ280が出力する3相交流電圧を直流電圧に変換してメインバッテリ210に供給する。
【0016】
DC/DCコンバータ回路260は、メインバッテリ210の直流電圧を、補機290の駆動に適した直流電圧に変換して補機バッテリ215及び補機290に供給する。補機バッテリ215は、補機290を駆動するための直流電圧を出力する2次電池である。補機290は、車両200の空調装置や電動パワーステアリング装置、ヘッドライト、ウインカ、ワイパー等の周辺装置や車両200の様々なアクセサリーを含む。DC/DCコンバータ回路260は無くても良い。
【0017】
制御装置220は、車両200内の各部を制御する。制御装置220は、走行中非接触給電を受ける際には、受電回路230を制御して受電を実行する。
【0018】
図2は、車輪60の中心軸61に沿った方向から車輪60を見たときの構成を示す説明図である。図2では、理解の便を図って、右半分を透視図として示し、一部を、回路記号を用いて図示している。中継コイル70は、第1コイル71と、第2コイル72と、導線73と、共振コンデンサ74とを備える。第1コイル71は、ホイール64の外周64oの外側、かつ、タイヤ62の内部に設けられている。第2コイル72は、ホイール64の外周64oの内側に設けられている。受電コイル240は、ホイール64の外周64oよりも内側において、車両200に設置されている。受電コイル240は、例えば、ディスクブレーキのブレーキキャリパと同様の仕組みで車両200に取り付けられている。そのため、車両200の走行状態によらず、受電コイル240と車輪60との相対的な位置は、変わらない。
【0019】
図2では、一部の中継コイル70のみを図示しているが、第1実施形態では、車輪60は、6個の中継コイル70を有している。すなわち、車輪60には、6個の第1コイル71と6個の第2コイル72が配置されている。隣接する2つの第1コイル71は互いに重なっておらず、隣接する2つの第2コイル72は、互いに重なっていない。従って、第1コイル71、第2コイル72の車輪60の周に沿った方向の大きさは、それぞれ、配置される位置における円周の1/6弱となっている。なお、隣接する2つの第1コイル71が重なっていてもよく、隣接する2つの第2コイル72が重なっていてもよい。各組の中継コイル70において、第1コイル71と第2コイル72と共振コンデンサ74は、導線73において直列に接続されて閉回路を形成している。すなわち、車輪60は、6個の閉回路を有している。6個の中継コイル70を、3個ずつ用いて、3相を構成していてもよい。3相を構成すると、導線73の一部を共用できる。
【0020】
図3は、中心軸61と垂直な方向から車輪60を見たときの構成を示す説明図である。図3では、一部を透視した図としている。第1コイル71は、ホイール64よりも外側のタイヤ62の内部において、中子80に保持されて配置されている。中子80は、ホイール64の外周面に取り付けられているが、その構成の詳細は後述する。第2コイル72は、ホイール64よりも内側に配置されている。第1コイル71と第2コイルとは、中心軸61から見たときに、重なりの位置に配置されている。前記第1コイルと前記第2コイルとを通過する軸から第2コイル72と受電コイル240との間の間隔G2は、第1コイル71と送電コイル40との間の間隔G1よりも狭くなっている。図3に示すように、タイヤ62は、道路105と接触しており、道路105の凹凸により変形する。この変形する領域に第1コイル71が存在すると、第1コイル71が変形するなどの影響を受ける。そのため、第1コイル71とタイヤ62の外縁との間には、ある程度の間隔G1が必要である。これに対し、受電コイル240と車輪60との相対的な位置は、道路105の凹凸の影響を受けずに変わらない。そのため、第2コイル72と受電コイル240との間の間隔G2を狭くできる。実際、第2コイル72と受電コイル240との間の間隔G2は、第1コイル71と送電コイル40との間の間隔G1よりも狭い。第2コイル72と受電コイル240との間の間隔G2を狭くすると、第2コイル72から受電コイル240への伝送効率を高めることができる。
【0021】
図4は、第1コイル71を車輪60の中心軸61から見た図であり、図5は、第2コイル72を車輪60の中心軸61から見た図である。図4図5では、コイル71、72の一部の図示を省略している。第1コイル71、第2コイル72は、それぞれ渦巻き状に巻かれている。第1コイル71と第2コイル72のターン数は、第1コイル71と第2コイル72に所望されるインダクタンス値に基づいて決定され、第1実施形態では、およそ5から10ターンである。図4に示すように、中心軸61から見て第1コイル71に時計回りの誘導電流が流れるときには、第2コイル72には、図5に示すように、中心軸61から見て反時計回りの誘導電流が流れる。逆に、中心軸61から見て第1コイル71に反時計回りの誘導電流が流れるときには、第2コイル72には、中心軸61から見て時計回りの誘導電流が流れる。第1コイル71と第2コイルとは、中心軸61から見たときに、重なりの位置に配置されているので、第1コイル71と第2コイル72に流れる電流により発生する磁界は互いに打ち消し、漏洩電磁界を抑制できる。
【0022】
図6は、電力伝送システムの電気的な概略構成を示す回路図である。送電回路30は、電源32と、平滑コンデンサ34と、インバータ36と、共振コンデンサ38と、を備える。電源32は、外部電源10から供給される電源を便宜上、電源32として記載したものである。第1実施形態では、送電コイル40と共振コンデンサ38を直列に接続するSS方式を採用している。SS方式の代わりに、送電コイル40と共振コンデンサを並列に接続するPP方式、あるいは、共振コンデンサを直列及び並列に有するLCC方式を採用してもよい。なお、中継コイル70側については、送電側と同様の方式であることが好ましい。
【0023】
図6に示すように、中継コイル70は、本実施形態では、車輪60の周方向に沿って6組配置されている。各組の中継コイル70は、導線73により直列に接続された、第1コイル71と、第2コイル72と、共振コンデンサ74とを備える。なお、中継コイル70の数は1つでも良いし、複数個でもよく、その数は任意である。
【0024】
SS方式の場合、送電コイル40の共振周波数f1は、以下の式で表される。
f1=1/(2π(L1・C1)^(1/2))
上式において、C1は、共振コンデンサ38の容量であり、インダクタンスL1は、送電コイル40が第1コイル71と対向しているときの送電コイル40のインダクタンスである。
【0025】
中継コイル70のインダクタンスLaは、第1コイル71と第2コイルの合成インダクタンスであり、以下の式で表される。
La=L71+L72±2Ma
ここで、インダクタンスL71は、第1コイル71のインダクタンスであり、インダクタンスL72は、第2コイル72のインダクタンスである。Maは、第1コイル71と第2コイル72の相互インダクタンスである。相互インダクタンスMaの前の「±」の符号は、第1コイル71の巻き向きと、第2コイル72の巻き向きが、同じである場合に「+」となり、逆向きのときに「-」となる。なお、第1コイル71のインダクタンスL71は、送電コイル40との相対的な位置の影響を受け、第2コイル72のインダクタンスL72は、受電コイル240との相対的な位置の影響を受けるため、車輪60の位相によりインダクタンスL71、L72、Laは変化する。
【0026】
中継コイル70の共振コンデンサ74の容量C2は、送電コイル40と第1コイル71とが対向し、最も結合したときに、送電コイル40の共振周波数f1と同じ周波数で第1コイル71が共振するような値に設定されている。従って、以下の式を満たす。
f1=1/(2π(La・C2)^(1/2))
インダクタンスLaは、上述したように、中継コイル70のインダクタンスである。
【0027】
受電回路230は、共振コンデンサ232と、整流回路234と、平滑コンデンサ236と、を備える。共振コンデンサ232の容量C3は、この送電コイル40、第1コイル71の共振周波数f1で受電コイル240が共振するように設定されており、以下の式を満たす。
f1=1/(2π(L2・C3)^(1/2))
上式において、インダクタンスL2は、受電コイル240が、中継コイル70の第2コイル72と対向しているときのインダクタンスである。
【0028】
車輪60が回転すると、中継コイル70も回転し、道路105に対向する第1コイル71が順次切り替わり、第1コイル71に対向する送電コイル40も順次切り替わる。また、受電コイル240に対抗する第2コイル72も順次切り替わる。
【0029】
図7は、車輪60の位相と、中継コイル70の合成インダクタンスLaの関係を示す説明図である。図8は、複数の第1コイル71を区別して符号に添え字を付した説明図である。中継コイル70の第1コイル71が送電コイル40と対向したときに、合成インダクタンスLaが最も大きくなる。位相0°では中継コイル70aの第1コイル71aが送電コイル40と対向しており、中継コイル71aの合成インダクタンスLaaが極大になっている。同様に、位相60°では中継コイル70bの第1コイル71bが送電コイル40と対向し、中継コイル70bの合成インダクタンスLabが極大になっている。位相120°では中継コイル70c第1コイル71cが送電コイル40と対向し、位相180°では中継コイル70dの第1コイル71dが送電コイル40と対向し、それぞれ、中継コイル70cの合成インダクタンスLac、中継コイル70dの合成インダクタンスLadが極大になっている。すなわち、中継コイル70a、70b、70c、70dは、位相が0°、60°、120°、180°で合成インダクタンスLaが極大となり、第1コイル71と送電コイル40とが最も結合する。
【0030】
同様に、受電コイル240は、第2コイル72と対向する位置に位置すると、受電コイル240と中継コイル70のインダクタンスが極大となる。
【0031】
第1コイル71が送電コイル40と対向するときに、受電コイル240が第2コイル72と対向する位置に位置していると、送電コイル40と第1コイル71との間の結合係数ka、第2コイル72と受電コイル240との間の結合係数kbをいずれも最大にでき、送電コイル40から中継コイル70を介した受電コイル240への送電効率を高めることができる。
【0032】
図9は、車輪60及び中継コイル70の構成を示す部分拡大図である。ホイール64は、リム64rと、スポーク64sと、を有する。リム64rは、ホイール64の略円筒形をした部分であり、リム64rの外縁側にタイヤ62が取り付けられる。スポーク64sは、リム64rの一方の端部に設けられる略円板形状を有した部材であり、車両200のハブ66に固定される部材である。すなわち、車輪60は、ハブ66に取り付けられる。なお、ハブ66には、ディスクブレーキのブレーキディスク67も取り付けられている。図9以下において、車輪60及び中継コイル70の構成を示す図では、各位コイル40、71、72、240等には、ハッチングを施した矩形により、またこれらのコイルを保持している支持台は、白抜きの矩形により、それぞれ模式的に示す。支持台は、コイルを所望の位置に固定できれば、どのような形状であっても差し支えない。また、各コイルが形成する磁界よって損失を発生しない、あるいは損失の小さい材質および形状としている。
【0033】
第1コイル71は、リム64rの外側、かつ、タイヤ62の内部に設けられた中子80の外縁側に設けられている。中子とは、入れ子づくりのもので、中に入るものを意味し、第1実施形態では、タイヤ62の中に挿入される挿入部材を意味する。中子80は、例えば、樹脂で形成されており、外周側に複数の第1コイル71が取り付けられている。中子80は、充填構造であってもよく、中に空洞を有する枠構造であってもよい。中子80は、ホイール64のリム64rの外周面に貼り付けられている。リム64rの内側には、第2コイル72が配置されている。リム64rには、貫通孔65が開けられている。中継コイル70の導線73は、貫通孔65を通り、リム64rの外側の第1コイル71と、リム64rの内側の第2コイル72とを接続している。貫通孔65は、気密を確保するために、シールされている。このシール構造については、後述する。第1実施形態では、共振コンデンサ74は、中子80の中に設けられており、中子80により保持されている。
【0034】
図10は、タイヤ60の内部に設けられた第1コイル71とタイヤ60の外であってホイール64に設けられた第2コイル72とを電気的に接続する構造ASの一例を示す説明図である。この実施形態では、第1コイル71と第2コイル72とは、導線73により接続されている。共振コンデンサ74は、ホイール64のリム64rの外側に配置されるが、図10では、共振コンデンサ74の図示を省略している。リム64rの貫通孔65には、ハーメチックシール78が配置され、タイヤ62内の空気が抜けないように、密閉している。ハーメチックシール78は、図11に示すように、バルブ76とシール77とを備える。バルブ76は、筒部76aと、筒部76aの外周に設けられた鍔76bと、筒部76aを貫通する貫通孔76cと、を備える。シール77は、タイヤ62内の圧力によりリム64rに押しつけられ、図10に示すように、リム64rの貫通孔65と、バルブ76との隙間を密閉し、タイヤ62の気密を維持する。貫通孔76cには、導線73が通る。
【0035】
導線73は、図12に示すように、多数の細い導線73aの集合体をねじって形成されたリッツ線として形成されている。導線73を細い導線73aをねじったリッツ線とすることで、表皮効果を低減できる。多数の細い導線73aは、樹脂73bにより含浸されている。この樹脂73bに含浸された導線73が、バルブ76の貫通孔76cを通っている。樹脂73bは、貫通孔76cを密閉し、タイヤ62の気密を維持する。
【0036】
以下、車輪60への中継コイル70の組み付けについて説明する。図13は、タイヤ62及びホイール64への中継コイル70の組み付け工程を示す工程図である。図14は、タイヤ62及びホイール64への中継コイル70の組み付け工程を図示する説明図である。ステップS10では、作業者は、タイヤ62の一方のビード62aをホイール64に嵌める。タイヤ62の他方のビード62bとホイール64との間には、図14に示すように、隙間が開く。ビードとは、タイヤ62の2つの円形の開口に設けられるリング状の部材である。ビードは、タイヤ62に空気を充填した場合に、タイヤ62をホイール64のリム64rに固定する機能を有する。ビードは、ビードワイヤーと呼ばれる鋼線が束ねられてリング状に形成され、ビードワイヤーがゴムで被覆された構造を有する。
【0037】
ステップS20では、作業者は、タイヤ62の他方のビードと、ホイール64との隙間から、中子80を挿入する。中子80は、車輪60に設置される前の状態では、図14に示すように、複数の小さなブロック81が直線上に連結された形状を有している。図14では、端部の2つのブロック81にのみ第1コイル71を図示しているが、各ブロック81には、それぞれ、第1コイル71が配置されている。中子80の長さは、ホイール64のリム64rの円周長とほぼ同じである。
【0038】
ステップS30では、作業者は、中子80の挿入後、ホイール64に形成された貫通孔65からホイール64の内側に導線73を引き出し、各ブロック81をホイール64のリム64rの外側に貼り付ける。中子80は、リム64rの外周に沿って円環状に配置される。作業者は、貫通孔65からの導線73の引き出しと、ブロック81のホイール64への貼り付け、について、どちらを先に行ってもよい。
【0039】
ステップS40では、作業者は、ホイール64の内側に第2コイル72を配置し、導線73と第2コイル72とをコネクタ75を用いて結線する。ステップS50では、作業者は、タイヤ62の他方のビード62bをホイール64に嵌める。なお、作業者は、ステップS40とS50は、いずれを先に行ってもよい。
【0040】
図15に示す参考例1では、受電コイル240は、車両200の床下202に配置されている。参考例1では、受電コイル240の径を大きくできる、中継コイル70が不要であるというメリットがある。なお、受電コイル240は、車両200の最低地上高よりも高い位置にあるため、送電コイル40と受電コイル240との間隔G3は、第1実施形態の送電コイル40と第1コイル71との間隔G1よりも広い。図16に示す参考例2では、受電コイル240は、ホイール64の内側に配置されるIWC(In Wheel Coil)構造を採用している。参考例2では、中継コイル70が不要であるというメリットがある。また、タイヤ62の扁平率にもよるが、送電コイル40と受電コイル240との間隔G4を、参考例1の送電コイル40と受電コイル240との間隔G3よりも狭くできる。また、車両200のサスペンションが変動しても、送電コイル40と受電コイル240との間隔G4の大きさに変化が生じない。
【0041】
図17に、第1実施形態、参考例1、参考例2の給電効率を示す。図17では、第1実施形態の給電効率が1になるように、給電効率を規格化している。第1実施形態の給電効率が最もよく、次いで、参考例1、参考例2の順である。
【0042】
図18に、第1実施形態、参考例1、参考例2の送電コイル40と受電コイル240の間の結合係数を示す。第1実施形態では、送電コイル40と受電コイル240との間の中継コイル70が配置されているため、第1実施形態では、結合係数は、送電コイル40と第1コイル71との間の結合係数kaと、第2コイル72と受電コイルとの間の結合係数kbの積となる。図17では、第1実施形態の結合係数が1になるように、結合係数を規格化している。第1実施形態の結合係数が最もよく、次いで、参考例1、参考例2の順である。
【0043】
以上、第1実施形態によれば、受電装置250は、車両200のタイヤ62とホイール64とを有する車輪60に配置された第1コイル71と第2コイル72を有する中継コイル70と、受電コイル240と、受電コイルに接続された受電回路230と、を備える。第1コイル71は、ホイール64の外側であってタイヤ62の内部に配置されているので、第1コイル71と、道路105に埋設された送電コイル40との間隔G1を狭くできる。また、第2コイル72と受電コイル240とは、いずれもホイール64の内側に配置されているので、第2コイル72と受電コイル240との間隔G2を狭くできる。すなわち、第1実施形態によれば、中継コイル70を第1コイル71と第2コイル72に分離したことにより、送電コイル40と第1コイル71との間隔、第2コイル72と受電コイル240の間隔をいずれも狭くでき、しかも第1コイル71と第2コイル72とは導線73で接続しているので、この間の損失は導線73に発生する損失のみとなるので、結果的に送電コイル40から受電コイル240へのトータルの電力の伝送効率を高めることができる。
【0044】
一般に、車輪60のリム64rよりも内側には、ハブ66とブレーキディスク67が設けられている。第1実施形態によれば、受電コイル240は、リム64rよりも内側に配置することで、車両200への受電コイル240の搭載スペースを低減できる。また、受電コイル240と第2コイル72との間隔を狭くすることができる。
【0045】
第1実施形態によれば、車輪60の中心軸61から見たとき、第1コイル71を流れる誘導電流の向きと、第2コイル72を流れる誘導電流の向きが逆であるので、漏洩電磁界を抑制できる。なお、車輪60の中心軸61から見たとき、第1コイル71を流れる誘導電流の向きと、第2コイル72を流れる誘導電流の向きを逆向きにしなくてもよい。なお、第1コイル71と第2コイル72との配置によっては、両コイルにより生じる磁界の方向は、同一であってもよいいし、反対であってもよい。
【0046】
・第1実施形態の変形例1:
図19は、第1実施形態の変形例1を示す説明図である。図9に示す第1実施形態では、中継コイル70の導線73は、ホイール64のリム64rの貫通孔65を通っていたが、変形例1では、中継コイル70の導線73は、タイヤ62のサイドウォール62sを通っている点で相違する。変形例1では、タイヤ62の製造時に導線73を埋め込むことができる。その結果、ホイール64のリム64rに貫通孔65を設けることが不要となるので、タイヤ62の気密を確保しやすい。変形例1では、作業者は、中子80をタイヤ62とホイール64との間に挿入した後、導線73と第1コイル71とを接続し、導線73と第2コイル72とを接続すればよい。美観を考慮すれば、導線73は、ホイール64のスポーク64sと反対側のサイドウォール62sから引き出されてることが好ましい。
【0047】
変形例1においても、送電コイル40と第1コイル71との間隔、第2コイル72と受電コイル240の間隔は、第1実施形態と同じであり、第1実施形態と同様に、送電コイル40から受電コイル240への電力の伝送効率を高めることができるなど、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0048】
・第1実施形態の変形例2:
図20は、第1実施形態の変形例2を示す説明図である。図9に示す第1実施形態では、ホイール64のリム64rの貫通孔65は、リム64rのほぼ中央に設けられていたが、変形例2では、貫通孔65は、リム64rのうち、スポーク64sとは反対側の端部に開けられている点で相違する。
【0049】
変形例2においても、送電コイル40と第1コイル71との間隔、第2コイル72と受電コイル240の間隔は、第1実施形態と同じであり、第1実施形態と同様に、送電コイル40から受電コイル240への電力の伝送効率を高めることができる。導線73が通る貫通孔65がスポーク64sとは反対側の端部に開けられているので、導線73と第2コイル72とを接続する作業性を高めることができる。
【0050】
・第1実施形態の変形例3:
図21は、第1実施形態の変形例3を示す説明図である。図9に示す第1実施形態では、共振コンデンサ74を中子80に配置しているが、変形例3では、共振コンデンサ74を、リム64rの内周面に接する位置に設けている点で相違する。
【0051】
変形例3においても、送電コイル40と第1コイル71との間隔、第2コイル72と受電コイル240の間隔は、第1実施形態と同じであり、第1実施形態と同様に、送電コイル40から受電コイル240への電力の伝送効率を高めることができるなど、同様の作用効果を奏する。
【0052】
車両200が走行すると、車輪60の各部材には、遠心力がかかる。変形例3では、共振コンデンサ74の外周側には、ホイール64のリム64rが存在するため、共振コンデンサ74に遠心力がかかっても、共振コンデンサ74にかかる力をリム64rで受け止めることができる。その結果、共振コンデンサ74を保持する固定具や接着剤などによる固定強度を徒に高める必要がなく、設計が容易となる。
【0053】
・第1実施形態の変形例4:
図22は、第1実施形態の変形例4を示す説明図である。図21に示す変形例3では、共振コンデンサ74を、リム64rの内周面に接して配置したが、変形例4では、共振コンデンサ74を、リム64rの貫通孔65に設け、樹脂68で固定している点で相違する。
【0054】
変形例4においても、送電コイル40と第1コイル71との間隔、第2コイル72と受電コイル240の間隔は、第1実施形態と同じであり、第1実施形態と同様に、送電コイル40から受電コイル240への電力の伝送効率を高めることができるなど、同様の作用効果を奏する。また、変形例4では、共振コンデンサ74は、リム64rの貫通孔65に設けられ、樹脂68で固定されているので、タイヤ62の気密を確保する樹脂68を共振コンデンサ74の固定と兼用できる。
【0055】
・第1実施形態の変形例5:
図23は、第1実施形態の変形例5を示す説明図である。図9に示す第1実施形態では、第2コイル72を、ホイール64のリム64rよりも内側、すなわち、中心軸61側に配置されているが、変形例5では、第2コイル72を、ホイール64のリム64rよりも外側に配置されている点で相違する。また、変形例5では、ホイール64の少なくともリム64rは、樹脂で形成されている。ホイール64のスポーク64sは、樹脂、金属のいずれで形成されていてもよい。図23に示す例では、ホイール64のリム64rとスポーク64sは、いずれも樹脂で形成されている。
【0056】
変形例5においては、送電コイル40と第1コイル71との間隔は第1実施形態と変わらないため、送電コイル40から第1コイル71への電力の伝送効率を高めることができるなど、同様の作用効果を奏する。
【0057】
変形例5においては、第1コイル71と第2コイル72とは、中子80に取り付けられているため、中子80をタイヤ62とホイール64との間に設置するだけで、第1コイル71と、第2コイル72の両方を同時に設置できる。また、変形例5においては、ホイール64やタイヤ62に貫通孔が不要のため、タイヤ62の気密性を高めることができるなど、同様の作用効果を奏する。
【0058】
・第1実施形態の変形例6:
図24は、第1実施形態の変形例6を示す説明図である。図9に示す第1実施形態では、中子80のタイヤ径方向の面には、何も取り付けられていないが、変形例6では、中子80のタイヤ径方向の面に、第1コイル71とホイール64とに接触する熱伝導部材82が設けられている点で相違する。熱伝導部材82は、空気よりも熱伝導率の高い物質で形成されていればよく、例えば、金属で形成されている。なお、第1コイル71、第2コイル72、導線73は、樹脂により被覆されているので、熱伝導部材82により短絡することはない。中心軸61から熱伝導部材82の最遠端までの距離は、中心軸61から第1コイル71までの距離よりも長さG6だけ短くなっている。
【0059】
変形例6においても、送電コイル40と第1コイル71との間隔、第2コイル72と受電コイル240の間隔は、第1実施形態と同じであり、第1実施形態と同様に、送電コイル40から受電コイル240への電力の伝送効率を高めることができるなど、同様の作用効果を奏する。
【0060】
変形例6では、誘導電流により第1コイル71の温度が上がっても、熱伝導部材82によってホイール64に放熱できる。また、熱伝導部材82は、金属で形成されているので、電磁界の漏洩を遮蔽できる。なお、熱伝導部材82は、空気よりも熱伝導率が高ければ、どのような部材でもよく、金属などの磁性体以外の材料から構成すれば、第1コイル71との干渉を考慮する必要は特にない。また、熱伝導部材82は、リム64rから、第1コイル71に延びる棒材、板材形状であってもよく、1本でも複数本でも良い。更に熱伝導部材82は、角筒形状であってもよい。
【0061】
変形例6において、熱伝導部材82を、第1コイル71の外形よりも内側に設けると、効率の低下を抑制できる。
【0062】
・第1実施形態の変形例7:
図25は、第1実施形態の変形例7を示す説明図である。図24に示す変形例6では、中心軸61から熱伝導部材82の最遠端までの距離は、中心軸61から第1コイル71までの距離よりも長さG6だけ短くなっているが、変形例7では、中心軸61から熱伝導部材82aの最遠端までの距離は、中心軸61から第1コイル71までの距離よりも長さG7だけ長くなっている。
【0063】
変形例7においても、送電コイル40と第1コイル71との間隔、第2コイル72と受電コイル240の間隔は、第1実施形態と同じであり、第1実施形態と同様に、送電コイル40から受電コイル240への電力の伝送効率を高めることができるなど、同様の作用効果を奏する。また、変形例7は、変形例6と同様に、変形例6では、誘導電流により第1コイル71の温度が上がっても、熱伝導部材82aによってホイール64に放熱できる。また、熱伝導部材82aは、金属で形成されているので、電磁界の漏洩を遮蔽できる。
【0064】
変形例7では、中心軸61から熱伝導部材82aの最遠端までの距離は、中心軸61から第1コイル71までの距離よりも長さG7だけ長くなっているので、道路105に凹凸があり、道路105の凹凸によりタイヤ60が変形しても、その影響の少なくとも一部を熱伝導部材82aで受け止めるので、第1コイル71の変形を抑制できる。したがって、第1コイル71と送電コイル40との間の間隔G1を短くできる。
【0065】
・第1実施形態の変形例8:
図26は、第1実施形態の変形例8を示す説明図である。図9に示す第1実施形態では、第2コイル72は、ホイール64のリム64rとほぼ並行に配置されているが、変形例8では、リム64rの内周に取り付けられた取付部材83により、タイヤ60の中心軸61とほぼ垂直に配置されている。
【0066】
変形例8においても、送電コイル40と第1コイル71との間隔、第2コイル72と受電コイル240の間隔は、第1実施形態と同じであり、第1実施形態と同様に、送電コイル40から受電コイル240への電力の伝送効率を高めることができるなど、同様の作用効果を奏する。しかも受電コイル240をホイール64の内側ではなく、外側に配置できるので、設計や製造が容易となる。
【0067】
・第1実施形態の変形例9:
図27は、第1実施形態の変形例9を示す説明図である。図28は、変形例9の概略回路図である。図9に示す第1実施形態では、中継コイル70は、共振コンデンサ74を1つのみ有していたが、変形例9では、中継コイル701は、第1コイル71用の共振コンデンサ741と、第2コイル72用の共振コンデンサ742を別個に備える点で相違する。共振コンデンサ741と、共振コンデンサ742は、一方の第1コイル71と第2コイル72を繋ぐ導線のうち、導線731に直列に設けられ、他方の導線732には、共振コンデンサは、設けられていない。
【0068】
変形例9においても、送電コイル40と第1コイル71との間隔、第2コイル72と受電コイル240の間隔は、第1実施形態と同じであり、第1実施形態と同様に、送電コイル40から受電コイル240への電力の伝送効率を高めることができるなど、同様の作用効果を奏する。
【0069】
変形例9では、第1コイル71用の共振コンデンサ741と、第2コイル72用の共振コンデンサ742とが直列に接続されており、その間のノード74Nの電位は0となるため、ノード74Nの絶縁耐力を考慮しなくてもよい。
【0070】
・第1実施形態の変形例10:
図29は、第1実施形態の変形例10を示す説明図である。図27に示す変形例9では、第1コイル71と第2コイル72とを繋ぐ2本の導線73のうち、1本の導線73にのみ、第1コイル71用の共振コンデンサ741と、第2コイル72用の共振コンデンサ742とが直列に接続されているが、変形例10では、一方の導線731に第1コイル71用の共振コンデンサ741aと第2コイル72用の共振コンデンサ742aとが直列に接続され、他方の導線732に第1コイル71用の共振コンデンサ741bと第2コイル72用の共振コンデンサ742bとが直列に接続されている点で相違する。
【0071】
変形例10においても、送電コイル40と第1コイル71との間隔、第2コイル72と受電コイル240の間隔は、第1実施形態と同じであり、第1実施形態と同様に、送電コイル40から受電コイル240への電力の伝送効率を高めることができるなど、同様の作用効果を奏する。
【0072】
変形例10では、第1コイル71用の共振コンデンサ741aと、第2コイル72用の共振コンデンサ742aとが直列に接続されており、その間のノード74Naの電位は0となるため、ノード74Naの絶縁を考慮しなくてもよい。第1コイル71用の共振コンデンサ741bと、第2コイル72用の共振コンデンサ742bの間のノード74Nbについても同様である。
【0073】
・第1実施形態の変形例11:
図30は、第1実施形態の変形例11を示す説明図である。図10に示す第1実施形態では、ホイール64のリム64rの第2コイル72側にコネクタ75を備えているが、変形例11では、ホイール64のリム64rの第1コイル71側にコネクタ75aを備え、第2コイル72側にコネクタ75bを備えている点で相違する。
【0074】
変形例11においても、送電コイル40と第1コイル71との間隔、第2コイル72と受電コイル240の間隔は、第1実施形態と同じであり、第1実施形態と同様に、送電コイル40から受電コイル240への電力の伝送効率を高めることができるなど、同様の作用効果を奏する。
【0075】
変形例11によれば、2つのコネクタ75a、75b間をホイール64と一体に形成できるので、タイヤ62の気密を取りやすい。リッツ線などの撚り線による導線73を通す場合、樹脂で導線内部まで含侵する必要がある。このような場合、導線73をコネクタ75等によって分離すれば、製造が容易となる。こうすれば、リッツ線などを用いて、高周波特有の表皮効果および近接効果による交流導体抵抗の増大を抑制し、コイルの温度上昇を防ぐことができる。
【0076】
・第1実施形態の変形例12:
図31は、第1実施形態の変形例12を示す説明図である。図11に示す第1実施形態では、バルブ76の貫通孔76cを導線73が通っているが、変形例12では、バルブ76の貫通孔76cに、中空の銅バー79が通っている点で相違する。銅バー79は、第1コイル71と、第2コイル72とを繋ぐ配線として機能する。図31では、銅バー79を1つのみ図示しているが、1つの中継コイル70は、2つの銅バー79を備えている。
【0077】
図32は、銅バー79の構成を示す説明図である。銅バー79は、円筒部79aと、鍔79bと、孔79cとを備える。鍔79bは、銅バー79が引っ張られたときに、ハーメチックシール78から抜けることを抑制する。孔79cは、途中で閉塞している。そのため、タイヤ62の気密を維持できる。
【0078】
変形例12においても、送電コイル40と第1コイル71との間隔、第2コイル72と受電コイル240の間隔は、第1実施形態と同じであり、第1実施形態と同様に、送電コイル40から受電コイル240への電力の伝送効率を高めることができるなど、同様の作用効果を奏する。
【0079】
変形例12によれば、銅バー79は、鍔79bを備えているので、ハーメチックシール78から銅バー79を抜け難くできる。
【0080】
・第1実施形態の変形例13:
図33は、第1実施形態の変形例13を示す説明図である。図30に示す第1実施形態の変形例11では、2つのコネクタ75a、75b間を導線73で接続しているが、変形例13では、銅バスバー73cで接続している点で相違する。銅バスバー73cは、ホイール64のリム64rの貫通孔65を通っており、貫通孔65は、樹脂77bにより埋められている。
【0081】
変形例13においても、送電コイル40と第1コイル71との間隔、第2コイル72と受電コイル240の間隔は、第1実施形態と同じであり、第1実施形態と同様に、送電コイル40から受電コイル240への電力の伝送効率を高めることができるなど、同様の作用効果を奏する。
【0082】
変形例13によれば、銅バスバー73cをホイール64と一体に製造できるので、タイヤ62の気密を維持できる。
【0083】
・第1実施形態の変形例14:
図34は、第1実施形態の変形例14を示す説明図である。図33に示す第1実施形態の変形例13は、1つの銅バスバー73cを備えているが、変形例14では、銅バスバー73dが複数の銅バーで形成されている点で相違する。変形例14では、変形例13の効果に加え、銅バスバー73dの表皮効果を抑制できる効果を有する。
【0084】
図35から図37は、ホイール64におけるバルブ76の位置のバリエーションを示す説明図である。図35に示す例は、ホイール64のリム64rのうち、スポーク64sに近い近位端にバルブ76を設けた例である。図37に示す例は、ホイール64のリム64rのうち、スポーク64sから遠い遠位端にバルブ76を設けた例である。図36に示す例は、ホイール64のリム64rのほぼ中間にバルブ76を設けた例である。スポーク64sから遠い位置にバルブ76を設けた方が、作業領域にスポーク64sが無く、作業性が邪魔されないため、中子80の組み付け作業が容易となる。一方、バルブ76を設ける場合には、リム64rに貫通孔65を形成する。貫通孔65は、スポーク64sに近い位置に形成した方が、スポーク64sにより強度が補強される。従って、強度面を考慮すれば、スポーク64sに近い位置に形成した方が、好ましい。
【0085】
・第2実施形態:
第1実施形態では、受電コイル240をホイール64の内側に配置したが、第2実施形態では、受電コイル240をタイヤ62のサイドウォール62sに対向させるように配置する点で相違する。図38は、第2実施形態で用いられる車輪60を車両200の外側から見た図である。図39は、第2実施形態で用いられる車輪60を車両200側から見た図である。図40は、第2実施形態における送電コイル40、第1コイル71、第2コイル72、受電コイル240を示す説明図である。図41は、図38のXLI-XLI断面を示す説明図である。図42は、図41の領域X1の拡大図である。
【0086】
第2実施形態で用いられる車輪60の中継コイル70の内、第1コイル71は、第1実施形態と同様に、中子80の外周に設けられている。第1コイル71は、中子80の内周、外周を除く側面、ちょうどタイヤ62のサイドウォール62sに対応する位置に設けられている。受電コイル240は、タイヤ62のサイドウォール62sに対応する位置であって、第1コイル71が送電コイル40と対向する位置に来たときに、その第1コイル71に対応する第2コイル72と対向する位置に配置されている。
【0087】
第2実施形態によれば、送電コイル40と第1コイル71との間隔、第2コイル72と受電コイル240の間隔をいずれも狭くできるので、送電コイル40から受電コイル240への電力の伝送効率を高めることができるなど、同様の作用効果を奏する。
【0088】
第2実施形態によれば、第1コイル71、第2コイル72は、いずれも中子80に配置できるので、中子80をタイヤ62とホイール64との間に配置することで、第1コイル71、第2コイル72の両方を同時に配置できる。また、第1コイル71、第2コイル72は、いずれも、タイヤ62の内部に配置され、タイヤ62やホイール64に貫通孔を形成する必要が無い。その結果、タイヤ62の気密性を高めることができるなど、同様の作用効果を奏する。
【0089】
・第3実施形態:
第1実施形態、第2実施形態では、第1コイル71を中子80に設けたが、第3実施形態では、タイヤ62の金属ベルトを用いて第1コイル71を形成する点で相違する。図43は、タイヤ62の概略構成を示す説明図である。タイヤ62は、外周側から、トレッド160、第1層161と、第2層164と、フェライト層167と、を備える。トレッド160は、道路105に接する部分であり、ゴムで形成されている。第1層161,第2層164は、タイヤ62を強化し、タイヤ62の変形を抑制するするための金属ベルトを備えている。第3実施形態では、後述するように、この金属ベルトを用いて、第1コイル71を形成する。図43に示す例では、金属ベルトを備える層は、2層のみ図示しているが、3層以上あってもよい。フェライト層167は、金属ベルトにより形成される第1コイル71の磁束を高めるために用いられる。フェライト層167は、無くてもよい。
【0090】
図44Aは、タイヤ62の第1層161を示す説明図であり、図44Bは、第1層161の端面を示す説明図である。第1層161は、短手方向の中央部163で切断されて2つに分かれた金属ワイヤ162a、162bを備える。図45Aは、タイヤ62の第2層164を示す説明図であり、図45Bは、第2層164の端面を示す説明図である。第2層164は、短手方向の中央部166で切断されて2つに分かれた金属ワイヤ165a、165bを備える。金属ワイヤ162a、162bと金属ワイヤ165a、165bは、互いに捻れの位置にあり、タイヤ62の金属ベルトとしての機能を有する。
【0091】
図46Aは、フェライト層167の上にタイヤ62の第1層161と第2層164とを重ねた状態を示す説明図であり、図46Bは、タイヤ62の第1層161と第2層164とを重ねた状態の端面を示す説明図である。第1層161と第2層164とが重ねられた後、金属ワイヤ162a、162b、金属ワイヤ165a、165bは、合わせて1本の線となるように、接合され、第1コイル71を形成している。
【0092】
以上、第3実施形態によれば、タイヤ62の金属ベルト(金属ワイヤ162a、162b、165a、165b)を用いて形成するので、第1コイルを別個に作成する必要が無い。
【0093】
第3実施形態によれば第1コイル71は、タイヤ62の金属ベルト(金属ワイヤ162a、162b、165a、165b)を用いて形成されているので、送電コイル40と第1コイル71との間隔を狭めることができ、送電コイル40から第1コイル71への電力の伝送効率を高めることができるなど、同様の作用効果を奏する。
【0094】
第1コイル71がタイヤ62に形成されており、中子80を用いないので、タイヤ62の交換が容易となる。
【0095】
・他の実施形態:
図47は、参考例3のフェンダーカバー169を示す説明図である。フェンダーカバー169は、スカートとも言い、タイヤ62を覆っている。図48は、他の実施形態におけるフェンダーカバー169a示す説明図である。フェンダーカバー169sは、車輪60のほぼ半分を覆っている。フェンダーカバー169sは、例えば金属で形成されており、中継コイル70が発する電磁界の漏洩を遮蔽できる。なお、フェンダーカバー169sは、受電コイル240も覆っていることが好ましい。さらに、タイヤ62のサイドウォール62sにアルミニウムの薄膜を貼り付けたり、道路105の送電コイル40の周りにシールド40sを配置したりしてもよい。電磁界の漏洩を遮蔽できる。
【0096】
フェンダーカバー169sは、車輪60のほぼ半分を覆っているので、空気抵抗を低減できる。
【0097】
上記各実施形態において、車輪60は、車輪60の周方向に沿って6組の中継コイル70を有しているが、車輪60は、周方向に沿って中継コイル70を2以上有していればよい。
【0098】
上記各実施形態において、送電コイル40は、道路105に埋設されているとしたが、送電コイル40は、駐車場の地面等、道路105を含む地面に埋設されていてもよい。
【0099】
上記各実施形態において、中継コイル70は、共振コンデンサ74を備えているとしたが、共振コンデンサ74は、省略されてもよい。この場合、第1コイル71、第2コイル72をオープンコイルとして、第1コイル71、第2コイル72の寄生容量を使用することで、共振させることができる。
【0100】
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0101】
10…電源(外部電源)、30…送電回路、40…送電コイル、50…制御装置、60 車輪、61…中心軸、62…タイヤ、64…ホイール、64r…リム、64s…スポーク、65…貫通孔、70、70a~70d…中継コイル、71、71a~71d…第1コイル、72…第2コイル、73…導線、73c…銅バスバー、74…共振コンデンサ、80…中子、82…熱伝導部材、100…送電システム、105…道路、162a、162b、165a、165…金属ワイヤ、220…制御装置、230…受電回路、240…受電コイル、250…受電装置
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図40
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図42
図43
図44A
図44B
図45A
図45B
図46A
図46B
図47
図48