(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022101508
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】2液硬化型エポキシ樹脂組成物、硬化物及びライニング剤
(51)【国際特許分類】
C08G 59/50 20060101AFI20220629BHJP
C09D 163/00 20060101ALI20220629BHJP
C09D 7/65 20180101ALI20220629BHJP
【FI】
C08G59/50
C09D163/00
C09D7/65
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206926
(22)【出願日】2021-12-21
(31)【優先権主張番号】P 2020214826
(32)【優先日】2020-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177471
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 眞治
(74)【代理人】
【識別番号】100163290
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 明洋
(74)【代理人】
【識別番号】100149445
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】戸村 次男
(72)【発明者】
【氏名】寺田 浩之
【テーマコード(参考)】
4J036
4J038
【Fターム(参考)】
4J036AA01
4J036AD08
4J036DA01
4J036DC03
4J036FB02
4J036FB12
4J036JA01
4J036KA01
4J038CR012
4J038DB061
4J038JB01
4J038JB04
4J038JB07
4J038KA03
4J038KA04
4J038LA06
4J038PB05
(57)【要約】
【課題】優れた施工作業性を有し、硬化物における優れた硬度及び強度を有する2液硬化型エポキシ樹脂組成物、前記2液硬化型エポキシ樹脂組成物の硬化物及び前記2液硬化型エポキシ樹脂組成物を含有するライニング剤を提供する。
【解決手段】エポキシ樹脂(A)と、硬化剤(B)とを含有する2液硬化型エポキシ樹脂組成物であって、前記硬化剤(B)が、C9系石油樹脂及びポリアミン化合物を含有するものであることを特徴とする2液硬化型エポキシ樹脂組成物を用いる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エポキシ樹脂(A)と、硬化剤(B)とを含有する2液硬化型エポキシ樹脂組成物であって、前記硬化剤(B)が、C9系石油樹脂及びポリアミン化合物を含有するものであることを特徴とする2液硬化型エポキシ樹脂組成物。
【請求項2】
前記エポキシ樹脂(A)が、エポキシ基を1分子中に2個以上有するものである請求項1記載の2液硬化型エポキシ樹脂組成物。
【請求項3】
さらに、硬化促進剤として3級アミン化合物を含有するものである請求項1又は2記載の2液硬化型エポキシ樹脂組成物。
【請求項4】
前記ポリアミン化合物が、1分子中に少なくとも2個のアミノ基を有するものである請求項1~3の何れか1項記載の2液硬化型エポキシ樹脂組成物。
【請求項5】
前記C9系石油樹脂の含有量が、前記硬化剤(B)中に5~40質量%の範囲である請求項1~4の何れか1項記載の2液硬化型エポキシ樹脂組成物。
【請求項6】
前記エポキシ樹脂(A)と前記硬化剤(B)との配合比率が、前記エポキシ樹脂(A)が有するエポキシ基1当量に対して、前記硬化剤(B)中の活性水素が、0.5~1.5当量となる範囲である請求項1~5の何れか1項記載の2液硬化型エポキシ樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1~6の何れか1項記載の2液硬化型エポキシ樹脂組成物の硬化物。
【請求項8】
請求項1~6の何れか1項記載の2液硬化型エポキシ樹脂組成物を含有することを特徴とするライニング剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可使時間が長く、優れた施工作業性を有し、硬化物における優れた硬度及び強度を有する2液硬化型エポキシ樹脂組成物、硬化物、及びライニング剤に関する。
【背景技術】
【0002】
2液硬化型エポキシ樹脂組成物は、道路舗装や、倉庫工場等の床材などライニング剤用途で広く利用されている。これらの施工は屋内外で行われるため、施工時の気温や湿度、天候などによらず、どのような環境下においても安定した作業性を有することが求められている。また、硬化物の物性として、硬度が要求されるとともに、道路舗装等土木系のライニング剤では、たわみの大きい場所に舗装してもクラックが生じ難く、寒暖の差が激しい土地で使用でも施工下地の熱膨張・収縮に追従し得る強度が求められる。
【0003】
施工作業性に優れるエポキシ樹脂組成物としては、例えば、エポキシ樹脂硬化剤としてオレイルプロピレンジアミン等を用いたものが知られている(特許文献1参照)が、比較的温暖な気温条件下では作業性に優れる特徴を有するものの、冬季或いは寒冷地等の低温環境下では作業性の低下が著しいなどの問題がある。
【0004】
一方で塗床材等、建築系のライニング剤では施工時間の短縮化と短時間での硬度の発現が求められており、両立が困難な状況であり課題となっている。
【0005】
2液硬化型エポキシ樹脂組成物は、液状のエポキシ樹脂と液状又は固体のアミン系硬化剤、酸無水物、フェノール系硬化剤とを組み合わせて用いられるが、常温で硬化剤と容易に反応するので、使用直前に両者を混合する必要がある事、使用可能な時間(可使時間)が短く、自動機械への適用が困難である事などの欠点がある。
【0006】
とりわけ日本の夏は気温が高いため、より長い可使時間の仕様が好まれる。しかしながら可使時間の長い硬化剤は、常温硬化系において硬度発現および強度の低いものになり易い。可使時間が長く、強度の高い組成物としては、繰り返し単位数の多いポリエチレンポリアミンと脂肪酸を反応させて得られるアミン系硬化剤とエポキシ樹脂を反応させるエポキシ樹脂組成物が知られている(特許文献2参照)。しかしながら可使時間は長いものの、硬度発現の速さが求めれる塗床材等、建築系のライニング剤では硬度発現が遅すぎ適用できない実態がある。
【0007】
このため、可使時間が長く、硬度発現が速く、最終強度の高い2液硬化型エポキシ樹脂組成物の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭57-18753号公報
【特許文献2】特開2011-68814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、優れた施工作業性を有し、硬化物における優れた硬度及び強度を有する2液硬化型エポキシ樹脂組成物、硬化物及びライニング剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、エポキシ樹脂と、特定の硬化剤とを含有する2液硬化型エポキシ樹脂組成物を用いることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【0011】
すなわち、本発明は、エポキシ樹脂(A)と、硬化剤(B)とを含有する2液硬化型エポキシ樹脂組成物であって、前記硬化剤(B)が、C9系石油樹脂及びポリアミン化合物を含有するものであることを特徴とする2液硬化型エポキシ樹脂組成物、硬化物及びライニング剤に関するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の2液硬化型エポキシ樹脂組成物は、優れた施工作業性を有し、硬化物における優れた硬度及び強度を有することから、ライニング剤に好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の2液硬化型エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)と、硬化剤(B)とを含有することを特徴とする。
【0014】
前記エポキシ樹脂(A)としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェニレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール-フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール-クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン-フェノール付加反応型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、キサンテン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂、トリヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂、オキサゾリドン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂(A)は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。また、優れた施工作業性を有し、硬化物における優れた硬度及び強度を有する2液硬化型エポキシ樹脂が得られることから、分子内にエポキシ基を2個以上有する液状型エポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノール型エポキシ樹脂がより好ましい。
【0015】
前記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAP型エポキシ樹脂、ビスフェノールB型エポキシ樹脂、ビスフェノールBP型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0016】
前記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールB型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールE型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールS型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0017】
前記ビフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、4,4’-ビフェノール型エポキシ樹脂、2,2’-ビフェノール型エポキシ樹脂、テトラメチル-4,4’-ビフェノール型エポキシ樹脂、テトラメチル-2,2’-ビフェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0018】
前記水添ビフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、水添4,4’-ビフェノール型エポキシ樹脂、水添2,2’-ビフェノール型エポキシ樹脂、水添テトラメチル-4,4’-ビフェノール型エポキシ樹脂、水添テトラメチル-2,2’-ビフェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0019】
前記硬化剤(B)としては、C9系石油樹脂及びポリアミン化合物を含有するものを用いる。
【0020】
前記C9系石油樹脂としては、C9留分を主原料とする芳香族系炭化水素樹脂であり、主成分は、スチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン、インデンの共重合体である。
【0021】
前記C9系石油樹脂市販品としては、例えば、ENEOS株式会社製「ネオポリマーL-90」、「ネオポリマー120」、「ネオポリマー130」、「ネオポリマー140」、「ネオポリマー150」、「ネオポリマー170S」、「ネオポリマーPremium160」、「ネオポリマーPremiumE-100」、「ネオポリマーPremiumE-130」、「ネオポリマーPremiumM-1」、「ネオポリマーPremiumS」、「ネオポリマーPremiumS100」、「ネオポリマーPremium120S」、「ネオポリマーPremium130S」、「ネオポリマーPremium120P」、東ソー株式会社製「ペトコール140」、「ペトコール130」、「ペトコール120」、UNITED PERFORMANCE MATERIALS CORPORATION製「SUN-TACK U-90」、「SUN-TACK U-101」、「SUN-TACK U-120」、「SUN-TACK U-120P」「SUN-TACK U-140」、「SUN-TACK GS-90」、「SUN-TACK SK-120」、「SUN-TACK YT-130」、「SUN-TACK YT-140」、「SUN-TACK GA100-R」、「SUN-TACK GA-120」等が挙げられる。これらのC9系石油樹脂は、単独で用いることも同系のC5系石油樹脂を併用することもできる。また、これらの中でも、優れた施工作業性を有し、硬化物における優れた硬度及び強度を有する2液硬化型エポキシ樹脂が得られることから、ENEOS株式会社製「ネオポリマー120」、「ネオポリマー130」等が好ましい。
【0022】
前記C9系石油樹脂の含有量は、優れた施工作業性を有し、硬化物における優れた硬度及び強度を有する2液硬化型エポキシ樹脂が得られることから前記硬化剤(B)中に5~40質量%の範囲が好ましく、10~30質量%の範囲がより好ましい。
【0023】
前記ポリアミン化合物としては、例えば、メチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブテンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、トリプロピレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、テトラプロプレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、テトラ(アミノメチル)メタン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、アミノエチルプロピレンジアミン、アミノプロピルエチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン等の脂肪族ポリアミン化合物;
【0024】
ベンジルアミン、N-アミノエチルピペラジン、キシリレンジアミン、N-ベンジルエチレンジアミン、等の芳香環構造含有脂肪族ポリアミン化合物;
【0025】
イソホロンジアミン、ノルボルネンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、シクロヘキサンジアミン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、メチレンビス(メチルシクロヘキサンアミン)等の脂肪族環状ポリアミン化合物;
【0026】
フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、トルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、メチレン架橋ポリアニリン型化合物等の芳香族ポリアミン化合物などが挙げられる。これらのポリアミン化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。また、これらの中でも、優れた施工作業性を有し、硬化物における優れた硬度及び強度を有する2液硬化型エポキシ樹脂が得られることから、1分子中に少なくとも2個のアミノ基を有するものが好ましく、ポリオキシプロピレンジアミン、キシリレンジアミン、N-アミノエチルピペラジン等が好ましい。
【0027】
前記硬化剤(B)としては、前記C9系石油樹脂の溶解性が向上することから、沸点が150℃以上の石油系溶剤を併用することもできる。
【0028】
前記石油系溶剤としては、例えば、芳香族炭化水素系のフェニルキシリルエタン、アルコール系のベンジルアルコール、芳香族オリゴマーのキシレン樹脂等が挙げられる。
【0029】
また、前記硬化剤(B)は、必要に応じて、更に、硬化促進剤を併用することもできる。前記硬化促進剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール等のアルキルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ブチルカテコール等のポリヒドロキシベンゼンなどのフェノール性水酸基含有化合物;N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、ジメチルアミノシクロヘキサン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン、N,N-ジメチルベンジルアミン等の3級アミン化合物;ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のフェノール性水酸基含有3級アミン化合物:イミダゾール、1-メチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニル-1H-イミダゾール等のイミダゾール化合物などが挙げられる。これらの硬化促進剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。また、これらの中でも、優れた施工作業性を有し、硬化物における優れた硬度及び強度を有する2液硬化型エポキシ樹脂が得られることから、3級アミン化合物が好ましい。
【0030】
前記硬化促進剤の使用量は、前記硬化剤(B)100質量部に対して、3~12質量部の範囲が好ましい。
【0031】
本発明の2液硬化型エポキシ樹脂組成物は、前述の成分に加え、本発明の効果を阻害しない範囲で各種添加剤や充填剤等を配合してもよい。前記添加剤や充填材としては、例えば、界面活性剤、キレート剤、ポリカルボン酸のアミン塩等の添加剤や各種消泡剤、クロメート系、フォスフェート系、モリブデン酸系、ホウ酸系、鉛酸系、フェライト系、金属粉系等の防錆顔料、フレーク状顔料、強化用繊維、通常塗料に使用される着色顔料、超微粉末シリカ、炭酸カルシウム、表面処理炭酸カルシウム、タルク、マイカ、珪酸アルミニウム等の体質顔料、セメント、活性アルミナ、炭酸カルシウム、酸化チタン等が挙げられる。
【0032】
前記エポキシ樹脂(A)と前記硬化剤(B)との配合比率は、優れた施工作業性を有し、硬化物における優れた硬度及び強度を有する2液硬化型エポキシ樹脂が得られることから、前記エポキシ樹脂(A)が有するエポキシ基1当量に対して、前記硬化剤(B)中の活性水素が、0.5~1.5当量となる範囲が好ましく、0.7~1.2当量となる範囲がより好ましい。
【0033】
本発明の2液硬化型エポキシ樹脂組成物の製造方法としては、特に制限されず、どのような方法にて製造してもよい。例えば、前記エポキシ樹脂(A)と前記硬化剤(B)とを室温(25℃)条件下でプラスチック製容器に入れ、金属へら等にて手動攪拌、または電動攪拌装置にて攪拌し、均一になる迄行う事で製造できる。
【0034】
また、本発明の2液硬化型エポキシ樹脂組成物としては、必要に応じて、更にその他の成分を含有していてもよい。前記その他の成分は、例えば、無機微粒子、シランカップリング剤、リン酸エステル化合物、溶剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、シリコン系添加剤、フッ素系添加剤、帯電防止剤、有機ビーズ、量子ドット(QD)、レオロジーコントロール剤、脱泡剤、防曇剤、着色剤等が挙げられる。
【0035】
前記無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、チタン酸バリウム、三酸化アンチモン等が挙げられる。これらの無機微粒子は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。このうち特に汎用性が高いシリカ粒子は、フュームドシリカや、沈殿法シリカ、ゲルシリカ、ゾルゲルシリカ等と呼ばれる湿式シリカなど様々な種類があるが、いずれを用いてもよい。また、無機微粒子の表面はシランカップリング剤等で修飾されていてもよい。
【0036】
前記シランカップリング剤としては、例えば、[(メタ)アクリロイルオキシアルキル]トリアルキルシラン、[(メタ)アクリロイルオキシアルキル]ジアルキルアルコキシシラン、[(メタ)アクリロイルオキシアルキル]アルキルジアルコキシシラン、[(メタ)アクリロイルオキシアルキル]トリアルコキシシラン等の(メタ)アクリロイルオキシ系シランカップリング剤;トリアルキルビニルシラン、ジアルキルアルコキシビニルシラン、アルキルジアルコキシビニルシラン、トリアルコキシビニルシラン、トリアルキルアリルシラン、ジアルキルアルコキシアリルシラン、アルキルジアルコキシアリルシラン、トリアルコキシアリルシラン等のビニル系シランカップリング剤;スチリルトリアルキル、スチリルジアルキルアルコキシシラン、スチリルアルキルジアルコキシシラン、スチリルトリアルコキシシラン等のスチレン系シランカップリング剤;(グリシジルオキシアルキル)トリアルキルシラン、(グリシジルオキシアルキル)ジアルキルアルコキシシラン、(グリシジルオキシアルキル)アルキルジアルコキシシラン、(グリシジルオキシアルキル)トリアルコキシシラン、[(3,4-エポキシシクロヘキシル)アルキル]トリメトキシシラン、[(3,4-エポキシシクロヘキシル)アルキル]トリアルキルシラン、[(3,4-エポキシシクロヘキシル)アルキル]ジアルキルアルコキシシラン、[(3,4-エポキシシクロヘキシル)アルキル]アルキルジアルコキシシラン、[(3,4-エポキシシクロヘキシル)アルキル]トリアルコキシシラン等のエポキシ系シランカップリング剤;(イソシアネートアルキル)トリアルキルシラン、(イソシアネートアルキル)ジアルキルアルコキシシラン、(イソシアネートアルキル)アルキルジアルコキシシラン、(イソシアネートアルキル)トリアルコキシシラン等のイソシアネート系シランカップリング剤などが挙げられる。これらのシランカップリング剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0037】
前記リン酸エステル化合物としては、例えば、分子構造中に(メタ)アクリロイル基を有するリン酸エステル化合物である日本化薬株式会社製「カヤマーPM-2」、「カヤマーPM-21」、共栄社化学株式会社製「ライトエステルP-1M」「ライトエステルP-2M」、「ライトアクリレートP-1A(N)」、SOLVAY社製「SIPOMER PAM 100」、「SIPOMER PAM 200」、「SIPOMER PAM 300」、「SIPOMER PAM 4000」、大阪有機化学工業社製「ビスコート#3PA」、「ビスコート#3PMA」、第一工業製薬社製「ニューフロンティア S-23A」;分子構造中にアリルエーテル基を有するリン酸エステル化合物であるSOLVAY社製「SIPOMER PAM 5000」等の市販品が挙げられる。
【0038】
前記溶剤は、2液硬化型エポキシ樹脂組成物の塗工粘度調節等の目的で添加されるものであり、その種類や添加量は、所望の性能に応じて適宜調整される。前記溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキソラン等の環状エーテル溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;トルエン、キシレン等の芳香族溶剤;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族溶剤;カルビトール、セロソルブ、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール溶剤;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤などが挙げられる。これらの溶剤は単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0039】
前記紫外線吸収剤は、例えば、2-[4-{(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロピル)オキシ}-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-{(2-ヒドロキシ-3-トリデシルオキシプロピル)オキシ}-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン等のトリアジン誘導体、2-(2’-キサンテンカルボキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-o-ニトロベンジロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-キサンテンカルボキシ-4-ドデシロキシベンゾフェノン、2-o-ニトロベンジロキシ-4-ドデシロキシベンゾフェノン等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0040】
前記酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、有機硫黄系酸化防止剤、リン酸エステル系酸化防止剤等が挙げられる。これらの酸化防止剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0041】
前記シリコン系添加剤は、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロゲンポリシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン共重合体、ポリエステル変性ジメチルポリシロキサン共重合体、フッ素変性ジメチルポリシロキサン共重合体、アミノ変性ジメチルポリシロキサン共重合体など如きアルキル基やフェニル基を有するポリオルガノシロキサン、ポリエーテル変性アクリル基を有するポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性アクリル基を有するポリジメチルシロキサン等が挙げられる。これらのシリコン添加剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0042】
前記フッ素系添加剤は、例えば、DIC株式会社製「メガフェース」シリーズ等が挙げられる。これらのフッ素系添加剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0043】
前記帯電防止剤は、例えば、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド又はビス(フルオロスルホニル)イミドのピリジニウム、イミダゾリウム、ホスホニウム、アンモニウム、又はリチウム塩が挙げられる。これらの帯電防止剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0044】
前記有機ビーズは、例えば、ポリメタクリル酸メチルビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポリスチレンビーズ、ポリアクリルスチレンビーズ、シリコーンビ-ズ、ガラスビーズ、アクリルビーズ、ベンゾグアナミン系樹脂ビーズ、メラミン系樹脂ビーズ、ポリオレフィン系樹脂ビーズ、ポリエステル系樹脂ビーズ、ポリアミド樹脂ビーズ、ポリイミド系樹脂ビーズ、ポリフッ化エチレン樹脂ビーズ、ポリエチレン樹脂ビーズ等が挙げられる。これらの有機ビーズは、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。これら有機ビーズの平均粒径は1~10μmの範囲であることが好ましい。
【0045】
前記量子ドット(QD)としては、例えば、II-V族半導体化合物、II-VI族半導体化合物、III-IV族半導体化合物、III-V族半導体化合物、III-VI族半導体化合物、IV-VI族半導体化合物、I-III-VI族半導体化合物、II-IV-VI族半導体化合物、II-IV-V族半導体化合物、I-II-IV-VI族半導体化合物、IV族元素又はこれを含む化合物等が挙げられる。前記II-VI族半導体化合物としては、例えば、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTe等の二元化合物;ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe等の三元化合物;CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、CdHgZnTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTe等の四元化合物などが挙げられる。前記III-IV族半導体化合物としては、例えば、B4C3、Al4C3、Ga4C3等が挙げられる。前記III-V族半導体化合物としては、例えば、BP、BN、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb等の二元化合物;GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaAlNP等の三元化合物;GaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、InAlPSb等の四元化合物などが挙げられる。前記III-VI族半導体化合物としては、例えば、Al2S3、Al2Se3、Al2Te3、Ga2S3、Ga2Se3、Ga2Te3、GaTe、In2S3、In2Se3、In2Te3、InTe等が挙げられる。前記IV-VI族半導体化合物としては、例えば、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe等の二元化合物;SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe等の三元化合物;SnPbSSe、SnPbSeTe、SnPbSTe等の四元化合物などが挙げられる。前記I-III-VI族半導体化合物としては、例えば、CuInS2、CuInSe2、CuInTe2、CuGaS2、CuGaSe2、CuGaSe2、AgInS2、AgInSe2、AgInTe2、AgGaSe2、AgGaS2、AgGaTe2等が挙げられる。前記IV族元素又はこれを含む化合物としては、例えば、C、Si、Ge、SiC、SiGe等が挙げられる。量子ドットは単一の半導体化合物からなっていてもよいし、複数の半導体化合物からなるコアシェル構造を有していてもよい。また、その表面を有機化合物にて修飾したものであってもよい。
【0046】
これら各種の添加剤は、所望の性能等に応じて任意の量添加することができるが、通常、2液硬化型エポキシ樹脂組成物の不揮発分100質量部に対して、0.01~40質量部の範囲で用いることが好ましい。
【0047】
本発明のライニング剤は、前記2液硬化型エポキシ樹脂組成物を含有するものである。
【実施例0048】
以下、実施例と比較例とにより、本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、以下に挙げた実施例に限定されるものではない。
【0049】
(合成例1:アミン系硬化剤(1)の合成)
温度計、攪拌装置及び脱水縮合用冷却管を備えた2L容器にポリオキシプロピレンジアミン45質量部、N-アミノエチルピペラジン7質量部、キシレン樹脂18質量部を仕込み、系内を発泡に注意しながら温度を上げ、60℃に達したところでp-tert-ブチルフェノールを10質量部投入した。80℃まで温度を上げp-tert-ブチルフェノールの溶解を確認した。80℃に保持し、C9系石油樹脂(JXTGエネルギー株式会社製「日石ネオポリマー120」)10質量部を1時間おきに2分割仕込みした。1時間後C9系石油樹脂の溶解を確認した。2,4,6-トリスジメチルアミノメチルフェノール10質量部を投入し、降温しつつ溶解させ活性水素当量110g/eqのアミン系硬化剤(1)を得た。このアミン硬化剤(1)のBM型回転粘度計により測定した粘度(25℃)は158mPa・sであった。なお、本発明において、粘度の測定は、以下のように行った。
【0050】
[粘度の測定方法]
100ccのガラス瓶容器に試料100gを入れたアミン系硬化剤サンプルを25℃調整済の恒温水槽で3時間浸漬した。恒温水槽に取り付けたBM型回転粘度計に所定のローターを取り付け、所定の回転数にて3分間回転させた。表示された値を読み取り粘度とした。
【0051】
(合成例2~8:アミン系硬化剤(2)~(8)の合成)
表1に示す組成及び配合で合成例1と同様の方法にて、アミン系硬化剤(2)~(8)を合成した。
【0052】
【0053】
(実施例1~3:2液硬化型エポキシ樹脂組成物(1)~(3)の調製)
主剤としてビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON 850」)100質量部と、硬化剤として合成例で得たアミン系硬化剤40質量部を用いて、各評価方法に記載の方法で混合し、2液硬化型エポキシ樹脂組成物(1)~(3)を得た。
【0054】
(比較例1~5:2液硬化型エポキシ樹脂組成物(R1)~(R4)の調製)
主剤としてビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON 850」)100質量部と、硬化剤として合成例で得たアミン系硬化剤40質量部を用いて、各評価方法に記載の方法で混合し、2液硬化型エポキシ樹脂組成物(R1)~(R4)を得た。
【0055】
上記の実施例及び比較例で得られた2液硬化型エポキシ樹脂組成物(1)~(3)及び(R1)~(R4)を用いて、下記の評価を行った。
【0056】
[可使時間の測定方法]
試験温度23℃の環境下で、主剤としてビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON 850」)100質量部と、硬化剤として合成例で得たアミン系硬化剤40質量部とを23℃条件下でプラスチック製容器に入れ、金属へら等にて1分間手動攪拌させ、2液硬化型エポキシ樹脂組成物を得、180ccの紙容器に2液硬化型エポキシ樹脂組成物100質量部を取り分けた。次いで、硬化発熱測定装置を用いて、最高発熱温度までの到達時間を測定し、測定値に0.7を乗じた値を可使時間とした。
【0057】
[施工作業性の評価方法]
主剤としてビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON 850」)100質量部と、硬化剤として合成例で得たアミン系硬化剤40質量部とを室温(25℃)条件下でプラスチック製容器に入れ、金属へら等にて1分間手動攪拌させて容器内の均一化状況を目視で観察し、以下の評価基準に従い評価した。
【0058】
○:主剤と硬化剤が均一に溶解している。
×:主剤と硬化剤が均一に溶解していない。又は高粘度のため1分以内では溶解しきれない。
【0059】
[硬度の評価方法]
主剤としてビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON 850」)100質量部と、硬化剤として合成例で得たアミン系硬化剤40質量部とを混合し、脱泡後、直径30mm、高さ10mmのアルミンシャーレに試料を注入し試験片を作成した。養生温度は23℃、養生期間は7日間とした。デュロメータ硬度計タイプDを用いて硬化物測定を行い最大値を測定した。
【0060】
[圧縮強度の測定方法]
主剤としてビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON 850」)100質量部と、硬化剤として合成例で得たアミン系硬化剤40質量部とを室温(25℃)条件下でプラスチック製蓋付250cc容器に入れ、真空式自転自動公転ミキサーにて回転数2000rpm、攪拌1分、脱泡3分で均一混合調整した。次いで、空隙の縦横高さ各20mmになるよう成型した脱型用シリコン型枠に試料を注入し試験片を作成した。養生温度は23℃、養生期間は7日間とし、JIS-R5201(セメントの物理試験方法)に準じて試験を行った。最大点応力(Mpa)を測定することにより評価した。
【0061】
[曲げ強度の測定方法]
主剤としてビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON 850」)100質量部と、硬化剤として合成例で得たアミン系硬化剤40質量部とを室温条件下でプラスチック製蓋付250cc容器に入れ、真空式自転自動公転ミキサーにて回転数2000rpm、攪拌1分、脱泡3分で均一混合調整した。次いで、厚さ3mmになるようセットしたガラス板の隙間に試料を注入し、注型板を作成した。養生温度は23℃、養生期間は7日間とし、JIS-K7171(プラスチック-曲げ特性の求め方)に準じて試験を行った。なお、試験片の形状は10mm×100mmの直方体とした。最大点応力(Mpa)及び弾性率(Mpa)を測定することにより評価した。
【0062】
実施例1~4で調製した2液硬化型エポキシ樹脂組成物(1)~(4)及び比較例1~4で調製した2液硬化型エポキシ樹脂組成物(R1)~(R4)の組成及び評価結果を表2に示す。
【0063】
【0064】
表2に示した実施例1~4は、本発明の2液硬化型エポキシ樹脂組成物の例である。これらの2液硬化型エポキシ樹脂組成物は、長い可使時間を有し、施工作業性及び乾燥性に優れ、得られた硬化物は、硬度及び強度に優れることが確認できた。
【0065】
一方、比較例1は、硬化剤として、C9系石油樹脂を用いない2液硬化型エポキシ樹脂組成物の例である。この2液硬化型エポキシ樹脂組成物は、長い可使時間を有するものの、乾燥性が著しく不十分であり、また、硬化物における硬度及び強度に関しても著しく不十分であることが確認できた。
【0066】
比較例2は、比較例1同様、硬化剤として、C9系石油樹脂を用いない2液硬化型エポキシ樹脂組成物の例である。この2液硬化型エポキシ樹脂組成物は、可使時間が短く、施工作業性が著しく不十分であることが確認できた。
【0067】
比較例3は、比較例1同様、硬化剤として、C9系石油樹脂を用いない2液硬化型エポキシ樹脂組成物の例である。この2液硬化型エポキシ樹脂組成物は、可使時間が短く、施工作業性が著しく不十分であることが確認できた。
【0068】
比較例4は、比較例1同様、硬化剤として、C9系石油樹脂を用いない2液硬化型エポキシ樹脂組成物の例である。この2液硬化型エポキシ樹脂組成物は、長い可使時間を有するものの、乾燥性が著しく不十分であり、また、硬化物における硬度及び強度に関しても著しく不十分であることが確認できた。