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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022102600
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】増幅装置
(51)【国際特許分類】
   H03F 3/34 20060101AFI20220630BHJP
   H03F 1/26 20060101ALI20220630BHJP
   H03F 3/42 20060101ALI20220630BHJP
【FI】
H03F3/34 220
H03F1/26
H03F3/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020217428
(22)【出願日】2020-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】000191238
【氏名又は名称】日清紡マイクロデバイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 大司
【テーマコード(参考)】
5J500
【Fターム(参考)】
5J500AA01
5J500AA21
5J500AA26
5J500AA51
5J500AC13
5J500AC18
5J500AC50
5J500AF14
5J500AF15
5J500AF18
5J500AF19
5J500AH29
5J500AH39
5J500AH42
5J500AK03
5J500AK16
5J500AK19
5J500AK42
5J500AK46
5J500AK56
5J500AM08
5J500AM13
5J500AS15
5J500AT01
5J500LV07
5J500MU04
5J500MU05
5J500MV14
5J500RF02
5J500RU02
(57)【要約】
【課題】グリッチノイズを低減することによって、残差オフセットを低減した増幅装置を提供する。
【解決手段】増幅装置1Aは、互いに並列接続された2つのオートゼロ増幅器21A、22Aを備えている。オートゼロ増幅器21A、22Aは、出力端と相互コンダクタンス増幅器201の出力とを切り離して、相互コンダクタンス増幅器201のオフセット成分及び低周波雑音成分を低減させる校正信号をサンプリングするオフセット校正モードと、出力端と相互コンダクタンス増幅器201の出力とを接続して、校正信号によりオフセット成分及び低周波雑音成分が低減された相互コンダクタンス増幅器201の出力を出力端から出力させる増幅モードと、出力端と相互コンダクタンス増幅器201の出力とを切り離した状態で、相互コンダクタンス増幅器201の出力を出力端の出力に近づけるグリッチ校正モードと、に切り替え可能に設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力端と第1増幅器の出力とを切り離して、前記第1増幅器の出力のオフセット成分及び低周波雑音成分を低減させる校正信号をサンプリングするオフセット校正モードと、
前記出力端と前記第1増幅器の出力とを接続して、前記校正信号によりオフセット成分及び低周波雑音成分が低減された前記第1増幅器の出力を前記出力端から出力させる増幅モードと、
前記出力端と前記第1増幅器の出力とを切り離した状態で、前記第1増幅器の出力を前記出力端の出力に近づけるグリッチ校正モードと、に切り替え可能なオートゼロ増幅器と、
前記オートゼロ増幅器を、前記オフセット校正モード、前記グリッチ校正モード、前記増幅モードの順に切り替え、該切り替えを繰り返す制御回路と、を備えた
増幅装置。
【請求項2】
請求項1に記載の増幅装置であって、
前記オートゼロ増幅器は、第2増幅器を有し、
前記制御回路は、前記グリッチ校正モード時に前記出力端と前記第1増幅器の出力との間に1倍のバッファ構成とした前記第2増幅器を接続する、
増幅装置。
【請求項3】
請求項2に記載の増幅装置であって、
前記制御回路は、前記グリッチ校正モード時に前記第2増幅器を1倍のバッファ構成とし、前記増幅モード時に増幅器構成とした前記第2増幅器を、入力端と前記第1増幅器の出力との間に接続する、
増幅装置。
【請求項4】
請求項3に記載の増幅装置であって、
前記オートゼロ増幅器は、1倍バッファを有し、
前記制御回路は、前記オフセット校正モード時に、前記1倍バッファを前記出力端と前記第2増幅器の入力との間に接続する、
増幅装置。
【請求項5】
請求項2又は3に記載の増幅装置であって、
前記オートゼロ増幅器は、前記第2増幅器の入力と前記出力端との間に接続されたフィルタ回路を有する、
増幅装置。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1項に記載の増幅装置であって、
前記オートゼロ増幅器が複数設けられ、
前記制御回路は、複数の前記オートゼロ増幅器の少なくとも1つを前記増幅モードに制御しているときに、他の前記オートゼロ増幅器の1つ以上を前記オフセット校正モード又は前記グリッチ校正モードに制御する、
増幅装置。
【請求項7】
請求項1~5の何れか1項に記載の増幅装置であって、
前記オートゼロ増幅器として、前記増幅モード時に反転増幅する第1オートゼロ増幅器と、前記増幅モード時に非反転増幅する第2オートゼロ増幅器と、が設けられ、
前記制御回路は、前記第1オートゼロ増幅器を前記オフセット校正モード又は前記グリッチ校正モードに制御しているときに、前記第2オートゼロ増幅器を前記増幅モードに制御し、前記第2オートゼロ増幅器を前記オフセット校正モード又は前記グリッチ校正モードに制御しているときに、前記第1オートゼロ増幅器を前記増幅モードに制御する、
増幅装置。
【請求項8】
請求項1~7の何れか1項に記載の増幅装置であって、
前記制御回路は、前記オートゼロ増幅器を前記グリッチ校正モードに制御している時間を、前記オフセット校正モードに制御している時間よりも短くする、
増幅装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、増幅装置に関する。
【背景技術】
【0002】
増幅器は、センサ信号等の増幅に広く用いられているが、いくつかの応用例では、増幅器内部のオフセット成分及び低周波雑音成分が非常に小さいことを要求される。従来の増幅器では、オフセット成分及び低周波雑音成分がその要求を満たすことができないため、オフセット成分及び低周波雑音成分を低減する手法が多く存在している。
【0003】
オフセット成分及び低周波雑音成分を低減する手法として、オートゼロ増幅器が知られている(特許文献1、非特許文献1)。オートゼロ増幅器は、内蔵している校正回路によって増幅器のオフセット成分及び低周波雑音成分を低減する手法である。一般にオートゼロ増幅器は、校正モードと増幅モードとを交互に動作させる。校正モードでは、オートゼロ増幅器に内蔵された増幅器は、反転入力及び非反転入力が短絡され、出力がサンプリング容量に接続される。これにより、サンプリング容量にオフセット成分及び低周波雑音成分を低減するための校正電圧がサンプリングされる。増幅モードでは、オートゼロ増幅器に内蔵された増幅器に入力信号が入力され、増幅器が入力信号を増幅した出力信号を出力する。また、増幅モードでは、サンプリングされた校正電圧によって出力信号に含まれるオフセット成分及び低周波雑音成分は低減される。
【0004】
そのため、一つのオートゼロ増幅器だけでは、校正モードのときに入力信号を増幅することができない。そこで、二つのオートゼロ増幅器を用意し、一方のオートゼロ増幅器が校正モードの時、他方が増幅モードとなり入力信号を増幅するように構成されたPing-Pongオートゼロ増幅器が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6476671号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Ion E. Opris and Gregory T.A. Kovacs, “A Rail-to-Rail Ping-Pong Op-Amp”, IEEE J. Solid-State Circuits, vol. 31, no 9, pp. 1320-1324, Sep. 1996.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したPing-Pongオートゼロ増幅器では、増幅モードをオートゼロ増幅器の一方から他方に切り替えるために、一方のオートゼロ増幅器の出力を出力端から切り離すと共に、他方のオートゼロ増幅器の出力を出力端に接続する。上述したオートゼロ増幅器の出力電圧は、校正モードと増幅モードとで違いがある。このため、他方のオートゼロ増幅器の出力と、出力端とに電圧差が生じ、図20に示すように、出力端の出力電圧V2にノコギリ波状のグリッチノイズNが発生してしまう。これにより、グリッチノイズNの直流成分が増幅装置の残差オフセット成分となってしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、グリッチノイズを低減することによって、残差オフセットを低減した増幅装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するために、本発明に係る増幅装置は、下記[1]~[8]を特徴としている。
[1]
出力端と第1増幅器の出力とを切り離して、前記第1増幅器の出力のオフセット成分及び低周波雑音成分を低減させる校正信号をサンプリングするオフセット校正モードと、
前記出力端と前記第1増幅器の出力とを接続して、前記校正信号によりオフセット成分及び低周波雑音成分が低減された前記第1増幅器の出力を前記出力端から出力させる増幅モードと、
前記出力端と前記第1増幅器の出力とを切り離した状態で、前記第1増幅器の出力を前記出力端の出力に近づけるグリッチ校正モードと、に切り替え可能なオートゼロ増幅器と、
前記オートゼロ増幅器を、前記オフセット校正モード、前記グリッチ校正モード、前記増幅モードの順に切り替え、該切り替えを繰り返す制御回路と、を備えた
増幅装置であること。
[2]
[1]に記載の増幅装置であって、
前記オートゼロ増幅器は、第2増幅器を有し、
前記制御回路は、前記グリッチ校正モード時に前記出力端と前記第1増幅器の出力との間に1倍のバッファ構成とした前記第2増幅器を接続する、
増幅装置であること。
[3]
[2]に記載の増幅装置であって、
前記制御回路は、前記グリッチ校正モード時に前記第2増幅器を1倍のバッファ構成とし、前記増幅モード時に増幅器構成とした前記第2増幅器を、入力端と前記第1増幅器の出力との間に接続する、
増幅装置であること。
[4]
[3]に記載の増幅装置であって、
前記オートゼロ増幅器は、1倍バッファを有し、
前記制御回路は、前記オフセット校正モード時に、前記1倍バッファを前記出力端と前記第2増幅器の入力との間に接続する、
増幅装置であること。
[5]
[2]又は[3]に記載の増幅装置であって、
前記オートゼロ増幅器は、前記第2増幅器の入力と前記出力端との間に接続されたフィルタ回路を有する、
増幅装置であること。
[6]
[1]~[5]の何れか1項に記載の増幅装置であって、
前記オートゼロ増幅器が複数設けられ、
前記制御回路は、複数の前記オートゼロ増幅器の少なくとも1つを前記増幅モードに制御しているときに、他の前記オートゼロ増幅器の1つ以上を前記オフセット校正モード又は前記グリッチ校正モードに制御する、
増幅装置であること。
[7]
[1]~[5]の何れか1項に記載の増幅装置であって、
前記オートゼロ増幅器として、前記増幅モード時に反転増幅する第1オートゼロ増幅器と、前記増幅モード時に非反転増幅する第2オートゼロ増幅器と、が設けられ、
前記制御回路は、前記第1オートゼロ増幅器を前記オフセット校正モード又は前記グリッチ校正モードに制御しているときに、前記第2オートゼロ増幅器を前記増幅モードに制御し、前記第2オートゼロ増幅器を前記オフセット校正モード又は前記グリッチ校正モードに制御しているときに、前記第1オートゼロ増幅器を前記増幅モードに制御する、
増幅装置であること。
[8]
[1]~[7]の何れか1項に記載の増幅装置であって、
前記制御回路は、前記オートゼロ増幅器を前記グリッチ校正モードに制御している時間を、前記オフセット校正モードに制御している時間よりも短くする、
増幅装置であること。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、グリッチノイズを低減することによって、残差オフセットを低減した増幅装置を提供できる。
【0011】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、第1実施形態のオフセット校正モードにおける増幅装置の構成を示す図である。
図2図2は、第1実施形態のグリッチ校正モードにおける増幅装置の構成を示す図である。
図3図3は、第1実施形態の増幅モードにおける増幅装置の構成を示す図である。
図4図4は、図1図3に示す増幅装置のスイッチに供給されるクロックのタイムチャートである。
図5図5は、図1に示す増幅装置の出力電圧V1、V2のタイムチャートである。
図6図6は、第2実施形態のオフセット校正モードにおける増幅装置の構成を示す図である。
図7図7は、第2実施形態のグリッチ校正モードにおける増幅装置の構成を示す図である。
図8図8は、第2実施形態の増幅モードにおける増幅装置の構成を示す図である。
図9図9は、第3実施形態のオフセット校正モードにおける増幅装置の構成を示す図である。
図10図10は、第3実施形態のグリッチ校正モードにおける増幅装置の構成を示す図である。
図11図11は、第3実施形態の増幅モードにおける増幅装置の構成を示す図である。
図12図12は、第3実施形態の変形例における増幅装置の構成例を示す図である。
図13図13は、第3実施形態の変形例における増幅装置の構成例を示す図である。
図14図14は、第4実施形態の増幅装置の構成例を示す図である。
図15図15は、第5実施形態の増幅装置を組み込んだチョッパ安定化増幅器の構成例を示す図である。
図16図16は、図15に示すチョッパ安定化増幅器による信号成分、雑音成分及びオフセット成分の時間波形と周波数特性の一例を示す特性図である。
図17図17は、図15に示すチョッパ安定化増幅器を構成するチョッパ変調器の一例を示す回路図である。
図18図18は、図15に示すチョッパ変調器増幅器を構成するチョッパ変調器の一例を示す回路図である。
図19図19は、他の実施形態における図15に示す増幅器の構成例を示す図である。
図20図20は、従来の増幅装置の出力端から出力される信号Voutのタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0014】
(第1実施形態)
図1図3は、第1実施形態の増幅装置の構成を示す図である。第1実施形態の増幅装置1Aは、Ping-Pongオートゼロ増幅器から構成されている。増幅装置1Aは、並列に接続された2つのオートゼロ増幅器21A、22A(第1オートゼロ増幅器、第2オートゼロ増幅器)を備える。オートゼロ増幅器21A、22Aは、並列に接続され、入力を反転増幅する。2つのオートゼロ増幅器21A、22Aは同じ構成である。ここではオートゼロ増幅器21Aを代表して説明して、オートゼロ増幅器22Aの詳細な説明については省略する。
【0015】
オートゼロ増幅器21Aは、相互コンダクタンス増幅器201(第1増幅器)と、オフセット校正回路202と、グリッチ校正回路203Aとを有して構成される。相互コンダクタンス増幅器201は、入力端に供給される信号Vinを増幅して出力端から信号Voutとして出力する。
【0016】
オフセット校正回路202は、信号Voutに含まれる相互コンダクタンス増幅器201、後述する相互コンダクタンス増幅器205、206のオフセット成分及び低周波雑音成分を低減させる回路である。オフセット校正回路202は、スイッチS1、S2、スイッチS31、S32、スイッチS41、S42と、相互コンダクタンス増幅器204と、サンプリング容量C1、C2と、を備えている。
【0017】
スイッチS1は、正側の入力端と、相互コンダクタンス増幅器201の反転入力との間に接続されている。スイッチS2は、相互コンダクタンス増幅器201の反転入力と、非反転入力との間に接続されている。スイッチS31、S32は、相互コンダクタンス増幅器201の出力と、出力端との間に接続されている。即ち、スイッチS31は、相互コンダクタンス増幅器201の正側の出力と、正側の出力端との間に接続されている。スイッチS32は、相互コンダクタンス増幅器201の負側の出力と、負側の出力端との間に接続されている。
【0018】
スイッチS41、S42は、相互コンダクタンス増幅器201の出力と、スイッチS31、S32との接続点と、サンプリング容量C1、C2との間に接続されている。サンプリング容量C1は、一端がグランドに接続され、他端がスイッチS42を介して相互コンダクタンス増幅器201の負側の出力に接続されている。サンプリング容量C2は、一端がグランドに接続され、他端がスイッチS41を介して相互コンダクタンス増幅器201の正側の出力に接続されている。相互コンダクタンス増幅器204は、反転入力にサンプリング容量C1の他端が接続され、非反転入力にサンプリング容量C2の他端が接続される。また、相互コンダクタンス増幅器204は、正側の出力が相互コンダクタンス増幅器201の負側の出力に接続され、負側の出力が相互コンダクタンス増幅器201の正側の出力に接続されている。
【0019】
オフセット校正回路202によりオートゼロ増幅器21Aは、動作モードとして、校正モードであるオフセット校正モードと、増幅モードとを有する。オフセット校正モードは、相互コンダクタンス増幅器201や後述する相互コンダクタンス増幅器205、206のオフセット成分及び低周波雑音成分を低減するための校正電圧をサンプリング容量C1、C2にサンプリングするモードである。
【0020】
図1に示すように、オフセット校正モードでは、スイッチS1がオフ、スイッチS2がオンされる。これにより、相互コンダクタンス増幅器201の反転入力、非反転入力が短絡され、相互コンダクタンス増幅器201からはオフセット成分及び低周波雑音成分が出力される。また、オフセット校正モードでは、スイッチS31、S32がオフされて、相互コンダクタンス増幅器201の出力が出力端から切り離される。また、オフセット校正モードでは、スイッチS41、S42がオンされ、相互コンダクタンス増幅器201の出力と、サンプリング容量C1、C2とが接続される。これにより、相互コンダクタンス増幅器201から出力されるオフセット成分及び低周波雑音成分を校正電圧としてサンプリング容量C1、C2にサンプリングすることができる。
【0021】
増幅モードは、相互コンダクタンス増幅器201に信号Vinを入力して、相互コンダクタンス増幅器201から信号Vinを増幅した信号Voutを出力させる。また、増幅モードでは、サンプリングされた校正電圧によって信号Voutに含まれるオフセット成分及び低周波雑音成分は低減される。
【0022】
図3に示すように、増幅モードでは、スイッチS2がオフ、スイッチS1、スイッチS31、S32がオンされる。これにより、入力端、出力端に相互コンダクタンス増幅器201が接続され、相互コンダクタンス増幅器201により信号Vinを増幅した信号Voutが出力端から出力される。また、増幅モードでは、スイッチS41、S42がオフされる。これにより、サンプリング容量C1、C2にサンプリングされた校正電圧が相互コンダクタンス増幅器204を介して相互コンダクタンス増幅器201の出力に印加され、信号Voutに含まれるオフセット成分及び低周波雑音成分が低減される。
【0023】
増幅装置1Aは、オートゼロ増幅器21Aがオフセット校正モードに切り替えられると、オートゼロ増幅器22Aが増幅モードに切り替えられる。オートゼロ増幅器21Aが増幅モードに切り替えられると、オートゼロ増幅器22Aがオフセット校正モードに切り替えられる。これにより、増幅装置1Aは、オフセット成分及び低周波成分が低減された信号Voutを常時、出力することができる。
【0024】
相互コンダクタンス増幅器201の出力電圧V1は、オフセット校正モードと増幅モードとで異なる。このため、オフセット校正モードから増幅モードに切り替えられ、スイッチS31、S32をオンすると、相互コンダクタンス増幅器201の出力電圧V1と、出力端の出力電圧V2との電圧差によって出力端からノコギリ波状のグリッチノイズが発生してしまう。そこで、本実施形態では、グリッチ校正回路203Aを設けて、校正モードを上述したオフセット校正モードと、後述するグリッチ校正モードとに分け、校正モードから増幅モードに切り替える前に、出力電圧V1を出力電圧V2に近づける。
【0025】
グリッチ校正回路203Aは、2つの相互コンダクタンス増幅器205、206(第2増幅器)と、スイッチS51、S52と、スイッチS61、S62とを備えている。相互コンダクタンス増幅器205は、反転入力が出力端の負側に接続され、非反転入力がスイッチS51を介して負側の出力に接続されている。相互コンダクタンス増幅器205は、正側の出力が相互コンダクタンス増幅器201の正側の出力に接続され、負側の出力が相互コンダクタンス増幅器201の負側の出力に接続されている。
【0026】
相互コンダクタンス増幅器206は、非反転入力が出力端の正側に接続され、反転入力がスイッチS52を介して正側の出力に接続されている。相互コンダクタンス増幅器206は、正側の出力が相互コンダクタンス増幅器201の正側の出力に接続され、負側の出力が相互コンダクタンス増幅器201の負側の出力に接続されている。また、スイッチS61、S62は、相互コンダクタンス増幅器205、206の反転入力と非反転入力との間に接続されている。
【0027】
グリッチ校正回路203Aを設けることにより、増幅装置1Aは、校正モードとして、上述したオフセット校正モードと、グリッチ校正モードとを有する。オフセット校正モードにおいて、グリッチ校正回路203Aは、図1に示すように、スイッチS61、S62がオン、スイッチS51、S52がオフされる。これにより、相互コンダクタンス増幅器205、206は、自身のオフセット成分及び低周波雑音成分を、相互コンダクタンス増幅器201の出力に印加する。これにより、相互コンダクタンス増幅器205、206のオフセット成分及び低周波雑音成分もサンプリング容量C1、C2に校正電圧としてサンプリングされる。
【0028】
グリッチ校正モードは、出力電圧V1を出力電圧V2に近づけるモードである。グリッチ校正モードにおいて、グリッチ校正回路203Aは、図2に示すように、スイッチS51、S52がオン、スイッチS61、S62がオフされる。これにより、ゲインが1倍のバッファ構成となった相互コンダクタンス増幅器205、206が、相互コンダクタンス増幅器201の出力と、出力端との間に接続される。そして、相互コンダクタンス増幅器201の出力に接続された寄生容量Cpが出力端の出力電圧V2にチャージされ、出力電圧V1が出力電圧V2に近づく。
【0029】
また、グリッチ校正モードでは、スイッチS41、S42もオフされる。これにより、サンプリング容量C1、C2にサンプリングされた校正電圧が相互コンダクタンス増幅器201の出力に印加され、相互コンダクタンス増幅器201の出力に印加される出力電圧V2に含まれるオフセット成分及び低周波雑音成分が低減される。
【0030】
増幅モードでは、図3に示すように、スイッチS61、S62がオン、スイッチS51、S52がオフされる。
【0031】
次に、上述した構成の増幅装置の動作について図4に示すタイムチャートを参照して説明する。オートゼロ増幅器21AのスイッチS1、S31、S32には、クロックCLK1が供給され、スイッチS2には、クロックCLK2が供給され、スイッチS41、S42には、クロックCLK3が供給される。スイッチS51、S52は、クロックCLK4が供給され、スイッチS61、S62は、クロックCLK5が供給される。このクロックCLK1~CLK5により、オートゼロ増幅器21Aは、オフセット校正モード(図1)と、グリッチ校正モード(図2)と、増幅モード(図3)と、の順に動作モードが切り替わり、この切り替わりを繰り返す。このクロックCLK1~CLK5を供給する回路(図示せず)が、オートゼロ増幅器21A、22Aの制御回路を構成する。
【0032】
オートゼロ増幅器22AのスイッチS1、S2、S31、S32、S41、S42、S51、S52、S61、S62には、クロックCLK1~CLK5の位相を180度ずらしたクロックが供給される。同様に、オートゼロ増幅器22Aは、オフセット校正モードと、グリッチ校正モードと、増幅モードと、の順に動作モードが切り替わる。このとき、オートゼロ増幅器21Aが増幅モードのときに、オートゼロ増幅器22Aは、オフセット校正モード、グリッチ校正モードとなる。また、オートゼロ増幅器21Aがオフセット校正モード、グリッチ校正モードのときに、オートゼロ増幅器22Aは増幅モードとなる。
【0033】
上述した実施形態によれば、グリッチ校正モードにおいて、相互コンダクタンス増幅器201の出力電圧V1は、図5中の点線で示すように、出力電圧V2に近づく。これにより、出力電圧V1を出力電圧V2に近づけた状態で増幅モードに切り替えることができ、図5に示すように、グリッチノイズNを低減することができる。
【0034】
また、上述した実施形態によれば、グリッチ校正モードにおいて、出力端と相互コンダクタンス増幅器201との出力との間にゲインが1倍の相互コンダクタンス増幅器205、206を接続して、出力電圧V1を出力電圧V2に近づける。この相互コンダクタンス増幅器205、206により、出力電圧V2に影響を与えることなく、相互コンダクタンス増幅器201の出力に、出力電圧V2を供給することができる。
【0035】
また、上述した実施形態によれば、2つのオートゼロ増幅器21A、22Aが設けられ、オートゼロ増幅器21A、22Aの一方がオフセット校正モード又はグリッチ校正モードに制御しているときに、他方が増幅モードに制御される。これにより、出力端から常に信号Vinを増幅した信号Voutを出力することができる。
【0036】
また、上述した実施形態によれば、オートゼロ増幅器21A、22Aをグリッチ校正モードとする時間は、オフセット校正モードとする時間よりも短い。
【0037】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。図6図8は、第2実施形態の増幅装置の構成を示す図である。図6図8において、上述した第1実施形態において既に説明した図1図3に示す増幅装置1Aと同等の部分には、同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0038】
増幅装置1Bは、2つのオートゼロ増幅器21B、22Bを備えている。オートゼロ増幅器21B、22Bは、図1図3に示すグリッチ校正回路203Aに代え信号Vinの増幅機能を有するグリッチ校正回路203Bを備えていてもよい。グリッチ校正回路203Bは、第1実施形態と同様に、2つの相互コンダクタンス増幅器205、206と、スイッチS51、S52、S61、S62とを備えている。また、グリッチ校正回路203Bは、スイッチS71~S74をさらに備えている。
【0039】
スイッチS71~S74は、相互コンダクタンス増幅器205、206の入力と、入力端との間に接続されている。即ち、スイッチS71、S73は、相互コンダクタンス増幅器205、206の反転入力と、正側の入力端との間に接続され、スイッチS72、S74は、相互コンダクタンス増幅器205、206の非反転入力と、負側の入力端との間に接続される。これらスイッチS71~S74には、クロックCLK1が供給され、増幅モード時に相互コンダクタンス増幅器205、206の入力に入力端を接続し、信号Vinを入力する。
【0040】
また、相互コンダクタンス増幅器205、206の入力と出力端との間にスイッチS81、S82が設けられる。スイッチS81、S82には、クロックCLK2が供給され、増幅モード時に相互コンダクタンス増幅器205、206の入力と出力端との接続を切り離す。
【0041】
さらに、スイッチS61、S62には、CLK5に代えてCLK3が供給される。これにより、増幅モード時に相互コンダクタンス増幅器205、206の反転入力、非反転入力が短絡されない。よって、増幅モード時に、相互コンダクタンス増幅器205、206の入力に信号Vinが入力される。相互コンダクタンス増幅器205、206は、信号Vinを増幅して、相互コンダクタンス増幅器201の出力に印加する。これにより、相互コンダクタンス増幅器205、206は、信号Vinの増幅にも寄与することができる。すなわち、増幅モード時には、相互コンダクタンス増幅器205、206は増幅器として機能する。また、第2実施形態では、相互コンダクタンス増幅器201を備えていたが、これに限ったものではなく、相互コンダクタンス増幅器201は省略してもよい。
【0042】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。図9図11は、第3実施形態の増幅装置の構成を示す図である。図9図11において、上述した第2実施形態において既に説明した図6図8に示す増幅装置1Bと同等の部分には、同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0043】
増幅装置1Cは、2つのオートゼロ増幅器21C、22Cを備えている。オートゼロ増幅器21C、22Cは、図6図8に示すグリッチ校正回路203Bに代えてグリッチ校正回路203Cを備える。実際の回路には、図9図11に示すように、出力端と相互コンダクタンス増幅器205、206の入力には、寄生容量Cp1、Cp2が存在する。このため、第2実施形態のように、グリッチ校正モードに切り替わり、相互コンダクタンス増幅器205、206の入力が、出力端に接続されると、寄生容量Cp1、Cp2に電荷がチャージされる。この寄生容量Cp1、Cp2へのチャージにより出力端にグリッチノイズが現れるおそれがある。そこで、第3実施形態のグリッチ校正回路203Cでは、1倍バッファ207、208を設けて、寄生容量Cp1、Cp2に電荷をチャージしてからグリッチ校正モードに切り替える。
【0044】
詳しく説明すると、第3実施形態のグリッチ校正回路203Cは、第2実施形態と同様に、相互コンダクタンス増幅器205、206と、スイッチS51、S52、S61、S62、S71~S74、S81、S82とに加えて、1倍バッファ207、208と、スイッチS91、S92と、を備えている。スイッチS91、S92には、クロックCLK3を供給し、オフセット校正モードにのみオンさせる。
【0045】
これにより、オフセット校正モード時に1倍バッファ207、208を介して寄生容量Cp1、Cp2にチャージすることができる。また、1倍バッファ207、208を介して、寄生容量Cp1、Cp2と、出力端とを接続しているため、出力端に寄生容量Cp1、Cp2へのチャージによるグリッチノイズが発生することがない。
【0046】
次に、グリッチ校正モードに切り替わり、スイッチS81、S82がオンされ、出力端に相互コンダクタンス増幅器205、206の入力が接続されると、既に寄生容量Cp1、Cp2には電荷がある程度チャージされているため、グリッチノイズの発生を低減させることができる。1倍バッファ207、208にはオフセット成分が存在するため、寄生容量Cp1、Cp2にチャージされる電荷は出力電圧V2とはオフセット成分の分だけずれてしまうが、1倍バッファ207、208のオフセット成分以上に出力電圧V2が大きいときに有効である。
【0047】
なお、図9図11は、オートゼロ増幅器21C、22Cにそれぞれ2つの1倍バッファ207、208を設けていたが、これに限ったものではない。図12に示すように、2つのオートゼロ増幅器21C、22Cで2つの1倍バッファ207、208を共用してもよい。
【0048】
また、図13に示すように、2つのバッファ207、208に代えてフィルタ回路209を設け、また共用してもよい。出力端と相互コンダクタンス増幅器205、206の入力とは上記フィルタ回路209を介して接続されている。この場合も、寄生容量Cp1、Cp2の充放電が原因となるグリッチノイズが出力端に現れる量を低減することができる。
【0049】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。図14は、第4実施形態における増幅装置の構成を示す図である。上述した第1~第3実施形態に示す増幅装置1A~1Cにさらに増幅器100を接続して、2段の増幅装置としてもよい。増幅器100の内部回路を多段構成として、2段以上の増幅装置としてもよい。
【0050】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。図15は、第5実施形態における増幅装置を組み込んだチョッパ安定化増幅器の構成を示す図である。第5実施形態における増幅装置は、チョッパ安定化増幅器に用いられている。チョッパ安定化増幅器1Dは、チョッパ変調器31と、相互コンダクタンス増幅器32と、第1~第4実施形態に示すオートゼロ増幅器21A~21C、22A~22Cを含んだチョッパ変調器33と、増幅器34Aと、を備えている。
【0051】
チョッパ変調器31は、入力端により入力される信号Vinを高周波帯に変調する(図16(A)、(B)参照)。相互コンダクタンス増幅器32は、チョッパ変調器31の出力を増幅する。チョッパ変調器33は、相互コンダクタンス増幅器32の出力の信号成分を低周波帯域に変調し、オフセット成分及び低周波雑音成分を高周波帯域に変調する(図16(B)、(C)参照)。
【0052】
増幅器34Aは、チョッパ変調器31により復調された信号を増幅する。第5実施形態では、増幅器34Aは、相互コンダクタンス増幅器341と、増幅器342と、相互コンダクタンス増幅器341と増幅器342の位相補償を行う位相補償回路343とを有している。相互コンダクタンス増幅器341の出力には、増幅器342の入力が接続され、増幅器342の出力が、チョッパ安定化増幅器の出力端となる。
【0053】
位相補償回路343は、容量Cc1~Cc3から構成されている。容量Cc1は、増幅器342の入力と出力との間に接続される。容量Cc2は、相互コンダクタンス増幅器341の反転入力と、増幅器342の出力との間に接続される。容量Cc3は、相互コンダクタンス増幅器341の非反転入力とグランドとの間に接続される。また、相互コンダクタンス増幅器341の出力と増幅器342の入力との間にフィードフォワードアンプとして機能する相互コンダクタンス増幅器35を接続してもよい。
【0054】
チョッパ変調器33には、図17に示すようにノイズリダクションループ回路331が設けられている。同図に示すように、チョッパ変調器33は、ノイズリダクションループ回路331と、チョッパ変調器本体333と、を備えている。
【0055】
ノイズリダクションループ回路331は、相互コンダクタンス増幅器32のオフセット成分を抽出し、抽出したオフセット成分及び低周波雑音成分を相互コンダクタンス増幅器32の出力に負帰還する回路である。このノイズリダクションループ回路331により相互コンダクタンス増幅器32において発生するオフセット成分及び低周波雑音成分を低減して、チョッパ変調器33の出力に含まれるリップルノイズを低減できる(図16(B)、図16(C)参照)。
【0056】
ノイズリダクションループ回路331は、入力が相互コンダクタンス増幅器32の出力に接続され、入力を増幅する上述した第1~第4実施形態に示す増幅装置1A~1Cと、増幅装置1A~1Cの出力の高周波信号成分を低減するフィルタ回路334と、フィルタ回路334の出力を増幅して、相互コンダクタンス増幅器32の出力に印加する相互コンダクタンス増幅器335とを有する構成である。ノイズリダクションループ回路331は、フィルタ回路334によって相互コンダクタンス増幅器32のオフセット成分を抽出し、相互コンダクタンス増幅器32の出力にフィードバックして、オフセット成分及び低周波雑音を低減する。
【0057】
チョッパ変調器33には、図18に示すようにリップル校正回路332が設けられていてもよい。同図に示すように、チョッパ変調器33は、リップル校正回路332と、チョッパ変調器本体333と、を備えている。リップル校正回路332は、チョッパ変調器33の出力のうち高周波雑音成分(リップルノイズ)を抽出して、抽出したリップルノイズを変調してオフセット成分に変調し、変調したオフセット成分を相互コンダクタンス増幅器32の出力に負帰還する回路である。リップル校正回路332により、相互コンダクタンス増幅器32の出力に含まれるオフセット成分を低減して、チョッパ変調器33の出力に含まれるリップルノイズを低減できる(図16(B)、(C)参照)。
【0058】
リップル校正回路332は、チョッパ変調器33の出力に入力が接続され、入力される低周波雑音成分を低減し、リップルノイズを検出するハイパスフィルタ336と、ハイパスフィルタ336の出力のリップルノイズを低周波成分に復調してオフセット成分に変調する位相反転オートゼロ増幅器337と、位相反転オートゼロ増幅器337の出力の高周波成分を低減するフィルタ回路338と、フィルタ回路338の出力を増幅して、相互コンダクタンス増幅器32の出力に印加する相互コンダクタンス増幅器339とを有する構成である。
【0059】
位相反転オートゼロ増幅器337は、上述した第1~第4実施形態で説明した2つのオートゼロ増幅器21A~21C、22A~22Cを有して構成される。オートゼロ増幅器21A~21Cは、入力を反転増幅する。オートゼロ増幅器22A~22Cは、入力を非反転増幅する。以上の構成の位相反転オートゼロ増幅器337によれば、2つのオートゼロ増幅器21A~21C、22A~22Cを増幅モード、校正モードに交互に切り替えると、反転増幅、非反転増幅に交互に切り替える。これにより、位相反転オートゼロ増幅器337は、入力を変調することができる。
【0060】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0061】
例えば、上述した第5実施形態で示した出力段の増幅器34Aは、相互コンダクタンス増幅器341と、増幅器342とから構成されていたが、これに限ったものではない。例えば、図19に示すように、2つの相互コンダクタンス増幅器344、345から構成された増幅器34Bを設けてもよい。図19に示す例では、位相補償回路346は、2つの容量Cc4、Cc5から構成されている。容量Cc4は、相互コンダクタンス増幅器344の反転入力と正極側の出力との間に接続されている。容量Cc5は、相互コンダクタンス増幅器344の非反転入力と負極側の出力との間に接続されている。
【0062】
また、上述した実施形態によれば、増幅装置1A~1Cは、2つのオートゼロ増幅器21A~21C、22A~22Cを備えていたが、これに限ったものではない。増幅装置は、3つ以上のオートゼロ増幅器を備えてもよい。3つ以上のオートゼロ増幅器のうち少なくとも一つが増幅モードになるように制御される。
【0063】
また、上述した実施形態によれば、グリッチ校正モード時に、出力端と、相互コンダクタンス増幅器201の出力との間を1倍バッファ構成の相互コンダクタンス増幅器205、206を介して接続することにより、出力端に影響を与えずに出力電圧V1を出力電圧V2に近づけていたが、これに限ったものではない。コンデンサを用いて、出力電圧V1を出力電圧V2に近づけるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1A~1C 増幅装置
21A~21C オートゼロ増幅器(第1オートゼロ増幅器)
22A~22C オートゼロ増幅器(第2オートゼロ増幅器)
201 相互コンダクタンス増幅器(第1増幅器)
205、206 相互コンダクタンス増幅器(第2増幅器)
207、208 1倍バッファ
209 フィルタ回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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