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特開2022-103752コンテンツ配信システム、サーバシステム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022103752
(43)【公開日】2022-07-08
(54)【発明の名称】コンテンツ配信システム、サーバシステム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/86 20140101AFI20220701BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20220701BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20220701BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20220701BHJP
   A63F 13/87 20140101ALI20220701BHJP
【FI】
A63F13/86
G06F13/00 540A
A63F13/35
A63F13/53
A63F13/87
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020218579
(22)【出願日】2020-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】阿須名 孝次
(72)【発明者】
【氏名】南 清志
(72)【発明者】
【氏名】小倉 建一
(72)【発明者】
【氏名】恩田 明生
(72)【発明者】
【氏名】青木 隆
(72)【発明者】
【氏名】村井 伸太郎
【テーマコード(参考)】
5B084
【Fターム(参考)】
5B084AA01
5B084AA02
5B084AA12
5B084BA03
5B084BB14
5B084CF12
5B084DC02
5B084DC03
(57)【要約】
【課題】演者の行動に対する視聴者のリアクションに対して演者が行動で応えやすくすることができるコンテンツ配信システム等の提供。
【解決手段】演者による演者端末の操作に基づいて進行するコンテンツを視聴者の視聴者端末に配信するコンテンツ配信システムは、視聴者による視聴者端末の操作に基づいて、コンテンツ又は演者に対する投稿情報の投稿を受け付ける受け付け部と、演者端末及び視聴者端末の両方に共通に表示されるコンテンツの共通情報と、演者端末と視聴者端末の一方に表示される情報であって、演者による操作を促すための情報であるコンテンツの差分情報の表示処理を行う表示処理部を含む。表示処理部は、視聴者の投稿情報の投稿状況に応じた、演者端末に対する差分情報の表示処理を行う。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
演者による演者端末の操作に基づいて進行するコンテンツを視聴者の視聴者端末に配信するコンテンツ配信システムであって、
前記視聴者による前記視聴者端末の操作に基づいて、前記コンテンツ又は前記演者に対する投稿情報の投稿を受け付ける受け付け部と、
前記演者端末及び前記視聴者端末の両方に共通に表示される前記コンテンツの共通情報と、前記演者端末と前記視聴者端末の一方に表示される情報であって、前記演者による操作を促すための情報である前記コンテンツの差分情報の表示処理を行う表示処理部と、
を含み、
前記表示処理部は、
前記視聴者の前記投稿情報の投稿状況に応じた、前記演者端末に対する前記差分情報の表示処理を行うことを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記差分情報が、前記視聴者端末では表示状態になり、前記演者端末では非表示状態になる情報である場合に、
前記表示処理部は、
前記投稿情報の前記投稿状況に応じて、前記差分情報の少なくとも一部を前記演者端末に表示する処理を行うことを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項3】
請求項2において、
前記表示処理部は、
前記投稿情報の前記投稿状況に応じて、前記演者端末に表示される前記差分情報の表示内容又は表示態様を設定することを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項4】
請求項1において、
前記差分情報が、前記視聴者端末では非表示状態になり、前記演者端末では表示状態になる情報である場合に、
前記表示処理部は、
前記投稿情報の前記投稿状況に応じて、前記演者端末に表示される前記差分情報の表示内容又は表示態様を設定することを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項5】
請求項3又は4において、
前記表示処理部は、
前記演者端末の前記コンテンツの表示領域において、前記投稿情報の前記投稿状況に応じて指定される位置に、対応する前記差分情報を表示する処理を行うことを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記差分情報は、前記演者の行動を選択するための選択肢の情報であり、
前記コンテンツは、前記選択肢から前記演者の行動が選択されることで進行するコンテンツであることを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記投稿状況は、前記投稿情報の量についての状況であり、
前記表示処理部は、
前記投稿情報の量に応じた、前記演者端末に対する前記差分情報の表示処理を行うことを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかにおいて、
前記投稿状況は、前記投稿情報を受け付けたタイミングの状況であり、
前記表示処理部は、
前記投稿情報を受け付けたタイミングに応じた、前記演者端末に対する前記差分情報の表示処理を行うことを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかにおいて、
前記投稿情報は、前記コンテンツの表示領域における投稿位置の情報を含み、
前記投稿状況は、前記投稿位置の状況であり、
前記表示処理部は、
前記投稿位置に応じた、前記演者端末に対する前記差分情報の表示処理を行うことを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかにおいて、
前記投稿状況は、前記投稿情報を投稿した前記視聴者の属性情報の状況であり、
前記表示処理部は、
前記視聴者の属性情報に応じた、前記演者端末に対する前記差分情報の表示処理を行うことを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかにおいて、
前記投稿情報は、前記視聴者が前記視聴者のパラメータを消費することで投稿される情報であることを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれかにおいて、
前記コンテンツは、前記演者の操作によって進行するゲームコンテンツであることを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項13】
演者による演者端末の操作に基づいて進行するコンテンツを視聴者の視聴者端末に配信するサーバシステムであって、
前記視聴者による前記視聴者端末の操作に基づいて、前記コンテンツ又は前記演者に対する投稿情報の投稿を受け付ける受け付け部と、
前記演者端末及び前記視聴者端末の両方に共通に表示される前記コンテンツの共通情報と、前記演者端末と前記視聴者端末の一方に表示される情報であって、前記演者による操作を促すための情報である前記コンテンツの差分情報の表示処理を行う表示処理部と、
を含み、
前記表示処理部は、
前記視聴者の前記投稿情報の投稿状況に応じた、前記演者端末に対する前記差分情報の表示処理を行うことを特徴とするサーバシステム。
【請求項14】
視聴者による視聴者端末の操作に基づいて、演者による演者端末の操作に基づいて進行するコンテンツ又は前記演者に対する投稿情報の投稿を受け付ける受け付け部と、
前記演者端末及び前記視聴者端末の両方に共通に表示される前記コンテンツの共通情報と、前記演者端末と前記視聴者端末の一方に表示される情報であって、前記演者による操作を促すための情報である前記コンテンツの差分情報の表示処理を行う表示処理部として、
コンピュータを機能させ、
前記表示処理部は、
前記視聴者の前記投稿情報の投稿状況に応じた、前記演者端末に対する前記差分情報の表示処理を行うことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ配信システム、サーバシステム及びプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット等のネットワークを介してコンテンツのライブ配信を行うコンテンツ配信システムが人気を集めている。このようなコンテンツ配信システムの従来技術としては例えば特許文献1、2に開示されるシステムが知られている。特許文献1には、視聴中のコンテンツに出演している演者などに投げ銭を行うためのGUIを、視聴者の端末に表示することが開示されている。特許文献2には、視聴者による演者への応援状況に応じて、視聴者側の画面構成を変更することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-182546号公報
【特許文献2】特開2018-171282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらの従来の技術では、演者が行った行動に対して視聴者が応援等のリアクションを行うだけであり、演者側が視聴者側のリアクションを受けて行動を行うものではなかった。
【0005】
本実施形態の幾つかの態様によれば、演者の行動に対する視聴者のリアクションに対して演者が行動で応えやすくすることができるコンテンツ配信システム、サーバシステム及びプログラム等を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、演者による演者端末の操作に基づいて進行するコンテンツを視聴者の視聴者端末に配信するコンテンツ配信システムであって、前記視聴者による前記視聴者端末の操作に基づいて、前記コンテンツ又は前記演者に対する投稿情報の投稿を受け付ける受け付け部と、前記演者端末及び前記視聴者端末の両方に共通に表示される前記コンテンツの共通情報と、前記演者端末と前記視聴者端末の一方に表示される情報であって、前記演者による操作を促すための情報である前記コンテンツの差分情報の表示処理を行う表示処理部と、を含み、前記表示処理部は、前記視聴者の前記投稿情報の投稿状況に応じた、前記演者端末に対する前記差分情報の表示処理を行うコンテンツ配信システムに関係する。また本開示の一態様は、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラム、又は該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に関係する。
【0007】
本開示の一態様によれば、演者の行動に対して視聴者が投稿情報による投稿を行うと、その視聴者の投稿情報の投稿状況に応じた、演者端末に対するコンテンツの差分情報の表示処理が行われる。従って、演者の行動に対する投稿情報による視聴者のリアクションが可能になるのみならず、投稿状況に応じた差分情報の表示処理が行われることで、視聴者の投稿情報によるリアクションを受けて、演者が行動を行うことを促すことが可能になる。従って、演者の行動に対する視聴者のリアクションに対して演者が行動で応えやすくすることができるコンテンツ配信システム等の提供が可能になる。
【0008】
また本開示の一態様では、前記差分情報が、前記視聴者端末では表示状態になり、前記演者端末では非表示状態になる情報である場合に、前記表示処理部は、前記投稿情報の前記投稿状況に応じて、前記差分情報の少なくとも一部を前記演者端末に表示する処理を行ってもよい。
【0009】
このようにすれば、演者が視認できなかった差分情報を、視聴者の投稿情報の投稿により、演者が視認できるようになり、当該視認による演者の行動を促すことが可能になる。
【0010】
また本開示の一態様では、前記表示処理部は、前記投稿情報の前記投稿状況に応じて、前記演者端末に表示される前記差分情報の表示内容又は表示態様を設定してもよい。
【0011】
このようにすれば、投稿情報の投稿状況に応じて、演者端末に表示される差分情報の表示内容又は表示態様を様々に変化させることが可能になり、視聴者の投稿状況を反映させた差分情報の効果的な表示処理を実現できるようになる。
【0012】
また本開示の一態様では、前記差分情報が、前記視聴者端末では非表示状態になり、前記演者端末では表示状態になる情報である場合に、前記表示処理部は、前記投稿情報の前記投稿状況に応じて、前記演者端末に表示される前記差分情報の表示内容又は表示態様を設定してもよい。
【0013】
このようにすれば、差分情報が、視聴者端末では非表示状態になり、演者端末では表示状態になる情報である場合に、投稿情報の投稿状況に応じて、演者端末に表示される差分情報の表示内容又は表示態様を様々に変化させることが可能になる。
【0014】
また本開示の一態様では、前記表示処理部は、前記演者端末の前記コンテンツの表示領域において、前記投稿情報の前記投稿状況に応じて指定される位置に、対応する前記差分情報を表示する処理を行ってもよい。
【0015】
このようにすれば、視聴者の投稿状況に応じて指定される位置に、コンテンツの差分情報を表示して、当該位置に表示された差分情報により、演者の行動を促すことが可能になる。
【0016】
また本開示の一態様では、前記差分情報は、前記演者の行動を選択するための選択肢の情報であり、前記コンテンツは、前記選択肢から前記演者の行動が選択されることで進行するコンテンツであってもよい。
【0017】
このようにすれば、視聴者の投稿状況に応じた選択肢の情報の表示処理を実行できるようになり、例えば投稿状況に応じて選択肢の情報の表示制御を変更することなどが可能になる。
【0018】
また本開示の一態様では、前記投稿状況は、前記投稿情報の量についての状況であり、前記表示処理部は、前記投稿情報の量に応じた、前記演者端末に対する前記差分情報の表示処理を行ってもよい。
【0019】
このようにすれば、視聴者の投稿情報の量を反映させた、演者端末での差分情報の表示処理を実現できるようになり、視聴者が投稿した投稿情報の量に応じて、演者端末での差分情報の表示内容や表示態様等を変化させることなどが可能になる。
【0020】
また本開示の一態様では、前記投稿状況は、前記投稿情報を受け付けたタイミングの状況であり、前記表示処理部は、前記投稿情報を受け付けたタイミングに応じた、前記演者端末に対する前記差分情報の表示処理を行ってもよい。
【0021】
このようにすれば、視聴者の投稿タイミングを反映させた、演者端末での差分情報の表示処理を実現できるようになり、視聴者の投稿タイミングに応じて、演者端末での差分情報の表示内容や表示態様等を変化させることなどが可能になる。
【0022】
また本開示の一態様では、前記投稿情報は、前記コンテンツの表示領域における投稿位置の情報を含み、前記投稿状況は、前記投稿位置の状況であり、前記表示処理部は、前記投稿位置に応じた、前記演者端末に対する前記差分情報の表示処理を行ってもよい。
【0023】
このようにすれば、投稿情報に含まれる投稿位置を反映させた、演者端末での差分情報の表示処理を実現できるようになり、視聴者の投稿情報に含まれる投稿位置の情報に応じて、演者端末での差分情報の表示内容や表示態様等を変化させることなどが可能になる。
【0024】
また本開示の一態様では、前記投稿状況は、前記投稿情報を投稿した前記視聴者の属性情報の状況であり、前記表示処理部は、前記視聴者の属性情報に応じた、前記演者端末に対する前記差分情報の表示処理を行ってもよい。
【0025】
このようにすれば、コンテンツを視聴する視聴者の属性情報を反映させた、演者端末での差分情報の表示処理を実現できるようになり、視聴者の属性情報に応じて、演者端末での差分情報の表示内容や表示態様等を変化させることなどが可能になる。
【0026】
また本開示の一態様では、前記投稿情報は、前記視聴者が前記視聴者のパラメータを消費することで投稿される情報であってもよい。
【0027】
このようにすれば、視聴者のパラメータが消費されることで投稿される投稿情報の投稿状況を判断して、当該投稿状況に応じた、演者端末に対する差分情報の表示処理を行うことが可能になる。
【0028】
また本開示の一態様では、前記コンテンツは、前記演者の操作によって進行するゲームコンテンツであってもよい。
【0029】
このようにすれば、演者の操作によって進行するゲームの様子を中継するゲーム実況のライブ配信等の実現が可能になる。
【0030】
また本開示の一態様は、演者による演者端末の操作に基づいて進行するコンテンツを視聴者の視聴者端末に配信するサーバシステムであって、前記視聴者による前記視聴者端末の操作に基づいて、前記コンテンツ又は前記演者に対する投稿情報の投稿を受け付ける受け付け部と、前記演者端末及び前記視聴者端末の両方に共通に表示される前記コンテンツの共通情報と、前記演者端末と前記視聴者端末の一方に表示される情報であって、前記演者による操作を促すための情報である前記コンテンツの差分情報の表示処理を行う表示処理部と、を含み、前記表示処理部は、前記視聴者の前記投稿情報の投稿状況に応じた、前記演者端末に対する前記差分情報の表示処理を行うことを特徴とするサーバシステムに関係する。
【0031】
このようなサーバシステムによれば、演者の行動に対する投稿情報による視聴者のリアクションが可能になるのみならず、投稿状況に応じた差分情報の表示処理が行われることで、この視聴者の投稿情報によるリアクションを受けて、演者が行動を行うことを促すことが可能になる。従って、演者の行動に対する視聴者のリアクションに対して演者が行動で応えやすくすることができるサーバシステム等の提供が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1(A)~図1(F)は本実施形態のコンテンツ配信システムを実現するハードウェア装置の説明図。
図2】本実施形態のコンテンツ配信システムの構成例。
図3】端末装置の構成例。
図4図4(A)、図4(B)は釣りゲームのライブ配信に適用した場合の本実施形態の手法の説明図。
図5図5(A)、図5(B)は釣りゲームのライブ配信に適用した場合の本実施形態の手法の説明図。
図6図6(A)、図6(B)は対戦ゲームのライブ配信に適用した場合の本実施形態の手法の説明図。
図7図7(A)、図7(B)は対戦ゲームのライブ配信に適用した場合の本実施形態の手法の説明図。
図8図8(A)、図8(B)はVRキャラクタのライブ配信に適用した場合の本実施形態の手法の説明図。
図9図9(A)、図9(B)はVRキャラクタのライブ配信に適用した場合の本実施形態の手法の説明図。
図10】本実施形態の処理を説明するフローチャート。
図11】投稿状況に応じて差分情報の表示内容又は表示態様を設定する処理を説明するフローチャート。
図12】投稿状況に応じて指定される位置に差分情報を表示する処理を説明するフローチャート。
図13】投稿情報の一例。
図14】投稿情報の量、受け付けタイミング、投稿位置、視聴者の属性情報に応じた差分情報の表示処理を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲の記載内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、必須構成要件であるとは限らない。
【0034】
1.コンテンツ配信システム
まず、図1(A)~図1(F)を用いて、本実施形態のコンテンツ配信システムを実現するハードウェア装置について説明する。
【0035】
図1(A)では、サーバシステム500(情報処理システム)が、ネットワーク510を介して端末装置TM1~TMnと通信接続されている。例えばサーバシステム500はホストであり、端末装置TM1~TMnはクライアントである。なお、本実施形態のコンテンツ配信システム及びその処理は、サーバシステム500により実現してもよいし、或いはサーバシステム500と端末装置TM1~TMnの分散処理により実現してもよい。
【0036】
また本実施形態のコンテンツ配信システム及び処理は、ブロックチェーンの手法により実現することも可能である。例えばイーサリウム(Ethereum)で実行可能なスマートコントラクトと呼ばれるプログラムを用いて、本実施形態のコンテンツ配信システムの各処理を実行してもよい。この場合には端末装置TM1~TMnはピア・ツー・ピアで接続されることになる。また端末装置TM1~TMnの間で通信されるコンテンツ情報等の各種の情報は、ブロックチェーンを用いて転送されることになる。なお、以下では、TM1~TMnの各端末装置を、適宜、端末装置TMと記載する。
【0037】
サーバシステム500は例えば1又は複数のサーバ(管理サーバ、ゲーム配信サーバ、動画配信サーバ、課金サーバ、サービス提供サーバ、認証サーバ、データベースサーバ、又は通信サーバ等)により実現できる。このサーバシステム500は、ライブ配信を運営するための各種サービスを提供し、ゲームやVRキャラクタなどの各種コンテンツのライブ配信に必要なデータの管理や、クライアントプログラム及び各種データ等の配信を行うことができる。これにより視聴者は、視聴者端末である端末装置TMによりサーバシステム500にアクセスし、当該サーバシステム500から提供されるコンテンツのライブ配信の視聴が可能になる。このサーバシステム500の処理により、視聴者にコンテンツをライブ配信するライブ配信機能、演者やそのパフォーマンスに対する視聴者の投げ銭やコメントなどの投稿を可能にする投稿機能などが実現される。投げ銭はギフトとも呼ばれる。演者はコンテンツの配信者である。またサーバシステム500の処理により、課金アイテムなどの仮想電子媒体のオンラインショッピング機能、オンラインゲームをプレイ可能にするゲーム提供機能、ユーザの登録やユーザ別の情報を管理するユーザ管理機能などが実現される。
【0038】
ネットワーク510(配信網、通信回線)は、例えばインターネットや無線LAN等を利用した通信路であり、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網や無線LAN等の通信網を含むことができる。また通信方法については有線/無線を問わない。
【0039】
端末装置TM(ユーザ端末)は、例えばネット接続機能(インターネット接続機能)を有する端末である。これらの端末装置TMとしては、例えば図1(B)に示すスマートフォンや携帯電話機などの携帯型通信端末、図1(C)に示す携帯型ゲーム装置、図1(D)に示す家庭用ゲーム装置(据え置き型)、図1(E)に示す業務用ゲーム装置、或いは図1(F)に示すパーソナルコンピュータ(PC)やタブレット型PCなどの情報処理装置などの種々の装置を用いることができる。或いは、端末装置TMとして、ユーザの頭部や腕などの部位に装着されるウェアラブル機器(HMD、ウォッチ型機器等)を用いてもよい。
【0040】
図2に本実施形態のコンテンツ配信システムの構成例を示す。なお、コンテンツ配信システムの構成は図2に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0041】
コンテンツ配信システムは、処理部100と記憶部170と通信部196を含む。このコンテンツ配信システムは、例えば図1(A)のサーバシステム500により実現することができ、ネットワーク510を介して、端末装置TMである演者端末TMPや視聴者端末TMA~TMAmに通信接続されている。なお、以下では、TMA1~TMAnの各視聴者端末を、適宜、視聴者端末TMAと総称する。
【0042】
処理部100(プロセッサ)は、記憶部170に記憶される各種の情報、プログラム、又は操作情報等に基づいて、受信処理、送信処理、コンテンツ情報生成処理、受け付け処理、管理処理、表示処理、或いは音処理などを行う。
【0043】
処理部100の各部が行う本実施形態の各処理(各機能)はプロセッサ(ハードウェアを含むプロセッサ)により実現できる。例えば本実施形態の各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサと、プログラム等の情報を記憶するメモリーにより実現できる。プロセッサは、例えば各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよいし、或いは各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサはハードウェアを含み、そのハードウェアは、デジタル信号を処理する回路及びアナログ信号を処理する回路の少なくとも一方を含むことができる。例えば、プロセッサは、回路基板に実装された1又は複数の回路装置(例えばIC等)や、1又は複数の回路素子(例えば抵抗、キャパシタ等)で構成することもできる。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)であってもよい。但し、プロセッサはCPUに限定されるものではなく、GPU(Graphics Processing Unit)、或いはDSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサを用いることが可能である。またプロセッサはASICによるハードウェア回路であってもよい。またプロセッサは、アナログ信号を処理するアンプ回路やフィルタ回路等を含んでもよい。メモリー(記憶部)は、SRAM、DRAM等の半導体メモリーであってもよいし、レジスターであってもよい。或いはハードディスク装置(HDD)等の磁気記憶装置であってもよいし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であってもよい。例えば、メモリーはコンピュータにより読み取り可能な命令を格納しており、当該命令がプロセッサにより実行されることで、処理部100の各部の処理(機能)が実現されることになる。ここでの命令は、プログラムを構成する命令セットでもよいし、プロセッサのハードウェア回路に対して動作を指示する命令であってもよい。
【0044】
処理部100は、受信処理部102、送信処理部104、コンテンツ情報生成部106、受け付け部108、管理部118、表示処理部120、音処理部130を含む。なお処理部100の構成はこれに限定されず、これらの構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0045】
受信処理部102は、通信部196を用いた情報の受信処理を行う。例えば受信処理部102は、通信部196、ネットワーク510を介して演者端末TMPや視聴者端末TMAから情報を受信する処理を行う。演者端末TMPから受信する情報は、例えば演者が後述する図3の操作部260を用いに入力する操作情報や、演者のパフォーマンスを再生するための再生用データなどである。再生用データは、例えば演者のパフォーマンスに応じて動作するキャラクタのモーションを再生するためのモーション番号、モーションデータ又は演者のパフォーマンスの撮影データなどである。視聴者端末TMAから受信する情報は、例えば視聴者が図3の操作部260を用いに入力する操作情報や、コンテンツ又は演者に対する視聴者の投稿情報である。投稿情報における投稿としては、コンテンツ又は演者に対する投げ銭(ギフト)や投稿コメントなどがある。
【0046】
送信処理部104は、通信部196を用いた情報の送信処理を行う。例えば送信処理部104は、通信部196、ネットワーク510を介して視聴者端末TMAや演者端末TMPに情報を送信する処理を行う。視聴者端末TMA、演者端末TMPに送信する情報は、例えば視聴者端末TMA、演者端末TMPでのコンテンツ再生に用いられるコンテンツ情報である。コンテンツ情報は、図3の表示部290に表示される表示画像情報や、音出力部292から出力される音声情報や楽曲情報や効果音情報などの出力音情報である。
【0047】
コンテンツ情報生成部106は、本実施形態のコンテンツ配信システムが配信するコンテンツ情報の生成処理を行う。具体的にはコンテンツ情報生成部106は、演者による演者端末TMPの操作に基づいて進行するコンテンツの情報を生成する。即ち、コンテンツを進行させる処理を行って、コンテンツ情報を生成する。例えばコンテンツ情報生成部106は、視聴者端末TMAや演者端末TMPの表示部290に表示される表示画像情報や音出力部292から出力される出力音情報などのコンテンツ情報の生成処理を行う。
【0048】
またコンテンツ情報生成部106は、ユーザがゲームをプレイするためのゲーム処理を行って、ゲームコンテンツ情報を生成してもよい。ゲーム処理は、例えば、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、開始したゲームを進行させる処理、ゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理、或いはゲーム成績を演算する処理などである。ブラウザゲームを例にとれば、コンテンツ情報生成部106は、ユーザの各種の情報をユーザごとに管理することで、ユーザごとにゲームの進行を制御する。ユーザの情報はユーザ情報記憶部174に記憶される。例えば、ゲームサービスを提供するウェブサイトを構成するウェブページを、演者端末TMPや視聴者端末TMAなどの端末装置TMからの要求に応じて、端末装置TMに表示させる。具体的には端末装置TMが備えるウェブブラウザによりウェブページが表示される。表示されたウェブページのハイパーリンクがユーザにより選択されると、ハイパーリンクに対応する新たなHTMLデータが端末装置TMに送信され、端末装置TMでは新たなHTMLデータに基づくウェブページが表示される。このように、ウェブページが、ユーザの操作に応じて端末装置TMに順次に提供されることで、端末装置TMでのユーザの操作に基づきゲームを進行させることが可能になる。この場合にコンテンツ情報生成部106が生成する表示画像情報は例えばHTMLデータなどである。
【0049】
受け付け部108は、演者による操作入力情報の受け付け処理を行ったり、視聴者による操作入力情報の受け付け処理を行う。操作入力情報は、演者による演者端末TMPの操作部260(図3)の操作に基づき入力される情報や、視聴者による視聴者端末TMAの操作部260の操作に基づき入力される情報である。
【0050】
管理部118は、例えばユーザの認証処理を行う。例えば端末装置TMを用いてログインしたユーザの認証処理を行う。この認証処理は、例えばユーザが入力するパスワードやアカウント情報などに基づいて行う。また管理部118は、種々の課金処理を行う。例えば課金の決定処理、課金データの作成処理、保存処理等を行う。また管理部118は、各種の管理処理を行う。例えば各種サービスの管理処理や、各種情報の管理処理を行う。管理部118は例えば管理サーバにより実現できる。
【0051】
例えばユーザは、図1(A)のサーバシステム500等が提供するサービスを利用するために、所定の手続きを行ってアカウントを取得する。取得したアカウントと対応づけられるパスワードを入力してログインすることで、ユーザは、ライブ配信や、ソーシャルゲームなどのネットワークゲームのプレイや、ライブ配信用サイトやゲーム用サイトでのサービスや、アイテム等のオンライショッピングや、ユーザ間でのメッセージ交換や、フレンドユーザの登録などの各種サービスを利用できるようになる。管理部118は、このようなユーザのアカウント情報の管理処理等も行う。
【0052】
表示処理部120は、演者端末TMPや視聴者端末TMAである図3の端末装置TMの表示部290に画像を表示するための処理を行う。例えばHTMLデータ等の表示画像情報(画像生成用データ)を、送信処理部104、通信部196、ネットワーク510を介して端末装置TMに送信し、端末装置TMの表示部290に、表示画像情報に対応する画像を表示するための処理を行う。
【0053】
音処理部130は、端末装置TMの音出力部292から音を出力するための処理を行う。例えば、出力音情報(音生成用データ)を、送信処理部104、通信部196、ネットワーク510を介して端末装置TMに送信し、端末装置TMの音出力部292から、出力音情報に対応する音(音声、音楽、ゲーム音、効果音)を出力するための処理を行う。
【0054】
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能は、半導体メモリー、HDD、SSD、光ディスク装置などにより実現できる。記憶部170は、コンテンツ情報記憶部172、ユーザ情報記憶部174を含む。コンテンツ情報記憶部172は、コンテンツ配信の対象となるコンテンツの情報を記憶する。コンテンツは、例えばエンターテインメントコンテンツであり、例えばゲームコンテンツ、バーチャルリアルティ(VR)のコンテンツ、或いは動画配信のコンテンツなどである。具体的にはコンテンツはライブコンテンツであり、例えば演者のゲームプレイの様子を実況するゲーム実況のライブコンテンツや、或いは演者や演者に対応するVRキャラクタのパフォーマンスを実況するライブコンテンツなどである。コンテンツ情報は、コンテンツを構成する各種の情報であり、表示画像情報、出力音情報、動画情報、或いはコンテンツ進行のためのコンテンツシーケンスの情報などである。ユーザ情報記憶部174は、ユーザについての各種の情報を記憶する。例えばユーザ情報記憶部174は、ユーザの個人情報(名前、性別、生年月日、メールアドレス等)をユーザ情報として記憶する。例えば、ユーザのアカウント情報(ユーザID)もユーザ情報として記憶される。例えば課金処理の対象となる課金情報は、各ユーザの各アカウント情報に対応づけられる。
【0055】
通信部196は、外部装置との間で通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。例えば通信インターフェースである通信部196は、ネットワーク510を介して演者端末TMPや視聴者端末TMAなどの端末装置TMと通信するための各種の通信処理を行う。
【0056】
また図2のコンテンツ配信システムは、本実施形態のプログラムに基づいて本実施形態の各処理を行う。このプログラムは、本実施形態の各部としてコンピュータ(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)である。このプログラムは例えば情報記憶媒体に記憶される。即ち本実施形態のコンテンツ配信システムは、情報記憶媒体に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。コンピュータにより読み取り可能な媒体である情報記憶媒体は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク、HDD、半導体メモリーなどにより実現できる。なお本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、サーバシステム500(ホスト装置)が有する情報記憶媒体からネットワーク510を介して配信してもよい。このようなサーバシステム500による情報記憶媒体の使用も本実施形態の範囲内に含めることができる。
【0057】
図3に端末装置TMの構成例を示す。端末装置TMは、処理部200、操作部260、インターフェース部262、記憶部270、情報記憶媒体280、表示部290、音出力部292、通信部296を含む。なお端末装置TMの構成は図3に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0058】
処理部200(プロセッサ)は、操作部260からの操作情報やプログラムなどに基づいて、コンテンツ配信システムにおける端末側の処理を実行する。例えばコンテンツ配信のための処理やゲーム処理などを実行する。処理部200は、前述した図2の処理部100と同様に、プロセッサ等により実現できる。なお、本実施形態のコンテンツ配信システムの各処理はサーバシステム500と端末装置TMの分散処理により実現してもよい。
【0059】
操作部260は、ユーザが、操作情報等の種々の情報を入力するためのものであり、その機能は、操作ボタン、方向指示キー、アナログスティック、レバー、各種センサ(角速度センサ、加速度センサ等)、マイク、或いはタッチパネル型ディスプレイなどにより実現できる。インターフェース部262は、外部機器とのインターフェース処理を行うものであり、例えば所定のインターフェース規格により外部機器と通信する処理を行う。インターフェース部262の機能は、例えばインターフェース処理用ASIC又はインターフェース処理用プロセッサなどのハードウェアや、インターフェース処理用ファームウェアにより実現できる。例えば演者の動作を外部のモーションキャプチャ機器によりキャプチャする場合には、モーションキャプチャにより得られたモーションデータは、インターフェース部262を介して端末装置TMに入力される。また演者の動作を外部の撮影装置により撮影したり、演者の音声を外部のマイクにより録音する場合には、撮影された映像や録音された音声のデータは、インターフェース部262を介して端末装置TMに入力される。またインターフェース部262は、ユーザについての各種の情報が保存されるICカード(メモリーカード)、USBメモリー又は磁気カード等の携帯型情報記憶媒体とのインターフェース処理を行う。
【0060】
記憶部270は、処理部200や通信部296などのワーク領域となるもので、その機能は、半導体メモリー、HDD、SSD、光ディスク装置などにより実現できる。情報記憶媒体280(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク、HDD、半導体メモリーなどにより実現できる。処理部200は、情報記憶媒体280に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。この情報記憶媒体280に、本実施形態の各部としてコンピュータ(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶できる。
【0061】
表示部290は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、LCD、有機ELディスプレイ、CRT、或いはHMDなどにより実現できる。音出力部292は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。通信部296(通信インターフェース)は、ネットワーク510を介してサーバシステム500や他の端末装置等の外部装置との間で通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
【0062】
そして図2に示すように、演者による演者端末TMPの操作に基づいて進行するコンテンツを視聴者の視聴者端末TMAに配信する本実施形態のコンテンツ配信システム(サーバシステム)は、受け付け部108と表示処理部120を含む。
【0063】
受け付け部108は、視聴者による視聴者端末TMAの操作に基づいて、コンテンツ又は演者に対する投稿情報の投稿を受け付ける処理を行う。コンテンツは、例えば演者が行うパフォーマンスのコンテンツである。投稿情報の投稿は、例えば視聴者が投入する投げ銭や、投稿コメントなどである。例えばコンテンツの配信システムにおいては、コンテンツの視聴者が、コンテンツ又は演者への称讃や、コンテンツを配信する演者への応援のために、投稿アイテムを提供したり、コメントを投稿する。視聴者から演者への投稿アイテムの提供は、ストリートパフォーマーへの観客からの寄附にあやかって「投げ銭」と呼ばれたり、「ギフト」等と呼ばれている。以降では、適宜、これらを包括して「投げ銭」と記載する。投げ銭の投稿は、例えば投げ銭等の投稿アイテムである投稿オブジェクトを、視聴者が投入することで実現される。投稿オブジェクトはギフトオブジェクトと言うこともできる。例えば視聴者は、視聴者端末TMAの操作部260を操作して、演者の操作に基づき進行するコンテンツや演者に対して、投げ銭を投入する操作を行う。例えば視聴者は、演者(演者に対応するキャラクタ)のパフォーマンスが行われる仮想フィールドに対して投げ銭を投入する操作を行う。すると受け付け部108は、視聴者による投げ銭の投入の投稿を受け付ける。或いは視聴者は、視聴者端末TMAの操作部260を操作して、演者の操作に基づき進行するコンテンツや演者に対して、コメントを入力する投稿を行う。すると受け付け部108は、視聴者によるコメント入力の投稿を受け付ける。なお1つのコンテンツにおいて、複数の演者がパフォーマンスを行う場合には、受け付け部108は、複数の演者のうち、視聴者が指定した演者に対する投げ銭やコメント等の投稿を受け付けることになる。
【0064】
表示処理部120はコンテンツ情報の表示処理を行う。具体的には表示処理部120は、演者端末TMP及び視聴者端末TMAの両方に共通に表示されるコンテンツの共通情報と、演者端末TMPと視聴者端末TMAの一方に表示されるコンテンツの差分情報の表示処理を行う。コンテンツの差分情報は、例えば演者による操作を促すための情報である。例えばコンテンツの差分情報を表示することで、演者端末TMPの操作部260を用いた演者の操作が促進される。具体的には表示処理部120は、コンテンツ又は演者に対する視聴者側の反応(投稿等)に対する、演者のリアクションを促すような差分情報の表示処理を行う。例えば表示処理部120は、コンテンツの共通情報を、演者端末TMPの表示部290及び視聴者端末TMAの表示部290の両方に表示するための処理を行う。また表示処理部120は、コンテンツの差分情報を、演者端末TMPの表示部290又は視聴者端末TMAの表示部290に表示するための処理を行う。
【0065】
そして表示処理部120は、視聴者の投稿情報の投稿状況に応じた、演者端末TMPに対するコンテンツの差分情報の表示処理を行う。例えば表示処理部120は、視聴者の投稿情報の投稿状況に基づいて、演者端末TMPに対するコンテンツの差分情報の表示制御を変更する。例えば差分情報の表示内容を変更したり表示態様を変更する処理を行う。具体的には表示処理部120は、視聴者によって投げ銭等の投稿情報の投稿が行われ、当該投稿が受け付け部108により受け付けられると、視聴者にしか見えていなかった差分情報が演者にも見えるようにしたり、視聴者には見せていなかった差分情報の内容を変更する表示処理を行う。例えば表示処理部120は、コンテンツ又は演者に対して視聴者が投稿を行った合に、この投稿に対する演者のリアクションを発生させるような表示処理を行う。
【0066】
例えばコンテンツの差分情報が、視聴者端末TMAでは表示状態になり、演者端末TMPでは非表示状態になる情報であったとする。即ち差分情報が視聴者端末TMAの表示部290には表示されているが、演者端末TMPの表示部290には表示されていない。この場合に表示処理部120は、投稿情報の投稿状況に応じて、差分情報の少なくとも一部を演者端末TMPに表示する処理を行う。例えば差分情報の全部を演者端末TMPに表示したり、差分情報の一部だけを演者端末TMPに表示する。
【0067】
例えばコンテンツの差分情報が、視聴者端末TMAでは表示状態になり、演者端末TMPでは非表示状態になる第1状態は、後述する釣りゲームにおいては、視聴者端末TMAだけに、差分情報である水面の魚影の画像が表示されて、視聴者が魚影を見ることができる状態である。この場合には、視聴者が投げ銭等の投稿を行うことで、演者端末TMPにも差分情報である魚影の画像が表示されて、演者が魚影を見れるようになる。また音ゲームにおいては、上述の第1状態は、視聴者端末TMAだけに差分情報であるマーカーの画像が表示されて、視聴者がマーカーを見ることができる状態である。この場合には、視聴者が投げ銭等の投稿を行うことで、演者端末TMPにもマーカーの画像が表示されて、演者がマーカーを見れるようになる。またFPS(First-person shooter)やTPS(Third-person shooter)においては、上述の第1状態は、視聴者端末TMAだけに、幽霊などの敵キャラクタの画像が表示されて、敵キャラクタを見ることができる状態である。この場合には、視聴者が投げ銭等の投稿を行うことで、演者端末TMPにも敵キャラクタの画像が表示されて、演者が敵キャラクタを視認できるようになる。また上述の第1状態は、視聴者端末TMAだけに演者の行動の選択肢が表示されている状態である。この場合には、視聴者が投げ銭等の投稿を行うことで、演者端末TMPにも選択肢が表示されて、演者が選択肢を見ることが可能になる。そして視聴者端末TMAに表示されていたコンテンツの差分情報を、演者端末TMPに対してどのような態様で表示するかが、視聴者の投稿状況に応じて決定される。なお視聴者端末TMAの方で選択肢の表示内容や敵キャラクタの表示内容を変更したうえで、演者端末TMPに表示するようにしてもよい。
【0068】
また表示処理部120は、投稿情報の投稿状況に応じて、演者端末に表示される差分情報の表示内容又は表示態様を設定する。例えば投稿情報の投稿状況に応じて、コンテンツの差分情報について、何を表示するか、どこに表示するか、どのようなタイミングで表示するかなどの表示内容を設定する。また投稿情報の投稿状況に応じて、コンテンツの差分情報について、どのぐらいの量で表示するか、どの程度の視認し易さで表示するか、どのぐらいの表示期間において表示するかなどの表示態様を設定する。
【0069】
またコンテンツの差分情報が、視聴者端末TMAでは非表示状態になり、演者端末TMPでは表示状態になる情報であったとする。即ち差分情報が演者端末TMPの表示部290には表示されているが、視聴者端末TMAの表示部290には表示されていない。この場合に表示処理部120は、投稿情報の投稿状況に応じて、演者端末TMPに表示される差分情報の表示内容又は表示態様を設定する。例えば投稿情報の投稿状況に応じて、コンテンツの差分情報について、何を表示するか、どこに表示するか、どのようなタイミングで表示するか、どのぐらいの量で表示するか、どの程度の視認し易さで表示するか、或いは、どのぐらいの表示期間において表示するかなどを設定する。
【0070】
例えばコンテンツの差分情報が、視聴者端末TMAでは非表示状態になり、演者端末TMPでは表示状態になる第2状態は、演者の行動の選択肢を例にとれば、演者端末TMPには差分情報である選択肢は表示されるが、視聴者端末TMAには選択肢が表示されず、視聴者は、演者が行動するまで選択肢において演者が何を選択したのかが分からない状態である。また上述の第2状態は、釣りゲームにおいては、視聴者端末TMAには差分情報である水面の魚影の画像が表示されず、視聴者は、演者が釣るまで魚の存在が分からない状態である。また音ゲームにおいては、上述の第2状態は、視聴者端末TMAには差分情報であるマーカーの画像が表示されず、視聴者はマーカーを見ることができず、演者又は演者に対応するキャラクタが音楽に合わせて踊ったり歌ったりしている様子しか分からない状態である。またFPSやTPSにおいては、上述の第2状態は、視聴者端末TMAには幽霊等である敵キャラクタが表示されず、視聴者は、敵キャラクタを視認できず、見えない敵キャラクタと演者が戦っている様子を見るような状態である。そして視聴者の投稿状況に応じて、視聴者に見えていなかった差分情報の表示内容や表示態様が変化する。例えば視聴者の投稿状況に応じて、例えば演者端末TMPでの選択肢や敵キャラクタについての表示内容や表示態様が変化する。例えば視聴者の投稿状況に応じて、選択可能な新たな項目が選択肢に追加されたり、敵キャラクタの見え方や様子が変化する。
【0071】
また表示処理部120は、演者端末TMPのコンテンツの表示領域において、投稿情報の投稿状況に応じて指定される位置に、対応するコンテンツの差分情報を表示する処理を行う。例えば視聴者が視聴者端末TMAを操作して、投げ銭等の投稿オブジェクトを投入する投稿を行った場合には、表示処理部120は、投稿オブジェクトの投入位置に対応する位置に、コンテンツの差分情報を表示する処理を行う。例えば視聴者の操作により投稿オブジェクトの軌道情報が設定される場合には、演者がパフォーマンスを行う仮想フィールドにおいて、軌道情報に対応する軌道で投稿オブジェクトを移動させ、例えば投稿オブジェクトの着地位置にコンテンツの差分情報を表示する。
【0072】
またコンテンツの差分情報は、演者の行動を選択するための選択肢の情報であり、コンテンツは、選択肢から演者の行動が選択されることで進行するコンテンツである。例えば演者が行うことが可能な行動を選択するための選択肢の画像が、差分情報として表示される。例えば演者端末TMP又は視聴者端末TMAに選択肢の画像が表示される。そして選択肢から演者の行動(行動に対応する枝)が選択されると、演者のパフォーマンスとして、選択された行動が行われるようになる。例えば演者に対応するキャラクタが、選択された行動を行うコンテンツ画像が表示される。演者の行動は、選択肢の中から演者が選択するものであってもよいし、視聴者が選択するものであってもよい。そして表示処理部120は、視聴者の投稿情報の投稿状況に応じた、選択肢の情報の表示処理を行う。例えば投稿状況に応じて、選択肢の情報の表示制御を変更する。例えば選択肢の情報の表示内容を変更したり表示態様を変更する処理を行う。例えば選択可能な新たな項目(枝)が選択肢に追加されたり、選択肢の見え方が変化する。
【0073】
また投稿状況は、投稿情報の量についての状況であり、表示処理部120は、投稿情報の量に応じた、演者端末に対する差分情報の表示処理を行う。例えば投稿情報の量に応じて、差分情報の表示処理を変更する。具体的には投稿情報の量に応じて、差分情報の表示内容又は表示態様を設定する。ここで投稿情報の量は、例えば投稿数に対応するものであり、投稿オブジェクトの場合には、例えば投稿オブジェクトの個数であり、投稿コメントの場合には、例えば投稿コメントのコメント数である。投稿情報の量は、視聴者毎の量であってもよいし、視聴者全体での量であってもよい。即ち、投稿情報の量は、1人の投稿者についての投稿情報の量であってもよいし、演者のコンテンツを複数の視聴者が視聴する場合には、これらの複数の視聴者の投稿情報の量の総和であってもよい。そして表示処理部120は、視聴者の投稿情報の量を反映させた差分情報の表示処理を行う。例えば投稿情報の量が第1の量である場合には、差分情報の表示内容又は表示態様を第1の表示内容又は第1の表示内容に設定し、投稿情報の量が第2の量である場合には、差分情報の表示内容又は表示態様を第2の表示内容又は第2の表示内容に設定する。例えば投稿情報の量が多いほど、演者が有利になったり、演者を優遇するような差分情報の表示処理を行う。
【0074】
また投稿状況は、投稿情報を受け付けたタイミングの状況であり、表示処理部120は、投稿情報を受け付けたタイミングに応じた、演者端末TMPに対する差分情報の表示処理を行う。例えば表示処理部120は、投稿情報を受け付けたタイミングに応じて、差分情報の表示処理を変更する。具体的には投稿情報を受け付けたタイミングに応じて、差分情報の表示内容又は表示態様を設定する。例えば投稿情報を受け付けたタイミングが所与の期間内か否かに応じた、差分情報の表示処理を行う。例えば受け付け期間中などに視聴者の投稿が行われた場合に、差分情報が演者端末TMPに表示されるようにしたり、ボーナスタイム期間中に視聴者の投稿が行われると、差分情報に対応する画像がたくさん表示されるようにする。
【0075】
また投稿情報は、コンテンツの表示領域における投稿位置の情報を含み、投稿状況は、投稿位置の状況であり、表示処理部120は、投稿位置に応じた、演者端末に対する差分情報の表示処理を行う。例えば表示処理部120は、投稿位置に応じて、差分情報の表示処理を変更する。具体的には投稿位置に応じて、差分情報の表示内容又は表示態様を設定する。例えば視聴者が投稿位置を指定して投稿すると、投稿情報に位置が含まれて、その投稿位置に応じて、演者端末TMPに表示する差分情報の表示内容又は表示態様が設定される。投稿位置の情報は、例えば投げ銭等の投稿オブジェクトの投稿位置の情報である。投稿オブジェクトの投稿位置は、位置を直接に指定するものであってもよいし、軌道情報により特定される位置であってもよい。釣りゲームやFPS、TPSを例にとれば、視聴者が投げ銭等の投稿オブジェクトを投入した位置の魚影や敵影が、演者端末TMPに表示されて演者が見えるようになったり、投稿位置に魚や敵が出現するようになる。なお本実施形態では、視聴者による投稿位置の指定が行われなくてよく、例えば投稿オブジェクトの個数(投げ銭量)が多い場合に、演者(演者のキャラクタ)に近い位置に魚や敵などを出現させてもよい。
【0076】
また投稿状況は、投稿情報を投稿した視聴者の属性情報の状況であり、表示処理部120は、視聴者の属性情報に応じた、演者端末TMPに対する差分情報の表示処理を行う。例えば表示処理部120は、視聴者の属性情報に応じて、差分情報の表示処理を変更する。具体的には視聴者の属性情報に応じて、差分情報の表示内容又は表示態様を設定する。視聴者の属性情報は、例えば視聴者のユーザ情報や視聴履歴情報などである。視聴者のユーザ情報は、例えば視聴者の性別、年齢層の情報やフレンド情報などである。視聴履歴情報は、演者のコンテンツの視聴回数、視聴頻度、或いは直近での視聴履歴などの情報である。例えば演者のコンテンツを初めて視聴した視聴者が投稿した場合は、差分情報が演者端末TMPに表示され易くするなど、演者が有利になったり、演者を優遇するような差分情報の表示処理を行う。このようにすることで、コンテンツを新たに視聴する視聴者の数を増やすことが可能になる。或いは、逆に何度もコンテンツを視聴しているリピーターの視聴者が投稿した場合に、演者が有利になったり、演者を優遇するような差分情報の表示処理を行ってもよい。また例えば演者のフレンドの視聴者が投稿した場合には、差分情報が演者端末TMPに表示され易くするなど、演者が有利になったり、演者を優遇するような差分情報の表示処理を行う。
【0077】
このように本実施形態では、投稿情報の量の状況、投稿情報を受け付けたタイミングの状況、投稿位置の状況、或いは視聴者の属性情報の状況などの投稿状況に応じた、演者端末TMPに対する差分情報の表示処理を行っているが、基本的には、投稿状況が「優」であるほど、演者に有利になったり、演者を優遇するような差分情報の表示処理が行われる。或いは、視聴者ごとの投稿情報の量、受け付けタイミング又は属性情報により、個別に差分情報の表示処理を行ってよいし、視聴者全体の傾向や全体量を用いて差分情報の表示処理を行ってよい。具体的には、受け付け期間やボーナイスタイム期間などの所与の期間に投稿した視聴者の人数が所定人数以上であるか、初めて視聴した視聴者の投稿数が所定数以上であるか、或いは投稿位置に投稿した視聴者の人数が所定人数以上であるかなどに応じて、コンテンツの差分情報の表示処理を行ってもよい。
【0078】
また投稿情報は、例えば視聴者が視聴者のパラメータを消費することで投稿される情報である。例えば投稿オブジェクトが課金アイテムである場合には、視聴者のパラメータは、課金に対して視聴者が支払う対価のパラメータである。例えば投げ銭であれば投げ銭の額のパラメータである。対価は、ゲーム内通貨等の仮想通貨により支払う対価であってもよいし、ゲーム内ポイント等のエンターテインメントコンテンツのポイントにより支払う対価であってもよい。即ち投稿情報は、視聴者が対価を支払うことで投稿可能となる投稿オブジェクトや投稿コメントなどである。或いは視聴者のパラメータは、投稿オブジェクトや投稿コメントの個数パラメータであってもよい。例えば視聴者が投稿を行うごとに個数パラメータが消費されて減少する。また1回の投稿で、複数の投稿オブジェクトや投稿コメントを投稿した場合には、投稿した個数分だけ個数パラメータが消費されて減少する。これらの視聴者のパラメータは、例えば図2のユーザ情報記憶部174に対して、ユーザである視聴者に関連づけて記憶される。
【0079】
またコンテンツは、例えば演者の操作によって進行するゲームコンテンツである。例えばコンテンツは、演者端末TMPの操作部260の操作情報に基づいてゲーム処理が行われて、ゲームが進行するゲームコンテンツである。そして例えば、演者のゲームプレイの様子を視聴者が視聴するためのゲーム中継のライブコンテンツが、本実施形態のコンテンツ配信システムにより配信されることになる。
【0080】
なお、以上に説明した本実施形態のコンテンツ配信システムや処理は、図1(A)のサーバシステム500により実現したり、サーバシステム500と端末装置TMの分散処理により実現するなどの種々の変形実施が可能である。例えばコンテンツ配信システムのコンテンツ情報生成部106、受け付け部108、管理部118、表示処理部120、音処理部130等が行う各処理を、演者端末TMPや視聴者端末TMAなどの端末装置TMの処理により実現してもよい。例えばサーバシステムは、表示処理やコンテンツ情報生成処理等の上記の各処理を行うために必要な情報だけを処理したり、当該情報を端末装置TMに送信するだけの処理を行い、それ以外の処理については端末装置TMが実行するようにしてもよい。例えば端末装置TMには、表示処理やコンテンツ情報生成処理等の上記の各処理を行うためのプログラムがインストールされており、インストールされたプログラムに基づき端末装置TMが上記の各処理を実行する。また演者端末TMPと視聴者端末TMAに、上記の各処理を行うための同じプログラムをインストールしておき、端末装置TMの操作者が演者なのか視聴者なのかに応じて、プログラムが実行する上記の各処理の内容を変更するようにしてもよい。またコンテンツ配信システムはサーバシステム500以外の情報処理システムにより実現してもよい。
【0081】
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について詳細に説明する。
【0082】
2.1 投稿状況に応じたコンテンツの差分情報の表示処理
これまでのコンテンツ配信システムでは、視聴者が投げ銭等を投げて、演者の行動に対して視聴者が応援等のリアクションを行うだけであり、この視聴者のリアクションを受けて、演者が行動を行うものではなかった。例えば視聴者が投げ銭を投げても、それに対して演者がリアクションを行わないため、視聴者から演者への一方通行のコミュニケーションとなり、コンテンツ配信の魅力、面白味やコンテンツ配信に対する視聴者の熱中度等を今ひとつ向上できなった。
【0083】
そこで本実施形態では、演者の行動に対する視聴者のリアクションに対して演者が行動で応えやすくすることができる仕組みを設けることで、演者と視聴者を密接に関わらせることが可能なコンテンツ配信システムの提供を実現する。例えば演者と視聴者とで異なるGUI(Graphical User Interface)を用意して、投稿状況に応じて演者端末側のGUIを変化させる。具体的には本実施形態では、演者端末には表示されるが視聴者端末には表示されない情報や、演者端末には表示されないが視聴者の端末には表示される情報である差分情報が存在する場合において、視聴者の投げ銭の状況などの投稿状況に応じて、演者端末における差分情報の表示処理を行い、この差分情報の表示処理によって演者に操作を促すようにする。具体的には、視聴者によって投げ銭等の投稿が行われることによって、視聴者にしか見えていなかった情報(例えば後述する釣りゲームにおける魚影等のヒント)が演者にも見えるようになったり、視聴者には見せていない情報(例えば演者等が選ぶことができる行動の選択肢)の内容が変化する表示処理を行う。
【0084】
図4(A)~図5(B)は釣りゲームのライブ配信に適用した場合の本実施形態の手法の説明図である。釣りゲームのコンテンツは、演者による演者端末の操作に基づいて進行し、演者が釣りゲームをプレイしている様子を示すゲーム実況がライブ配信されている。例えばゲーム空間の仮想フィールドVFLには、魚が泳ぐ池や、木、岩などが配置され、演者に対応する仮想的なキャラクタCHが、池で泳ぐ魚を釣る釣りゲームが行われている。そして図4(A)は演者端末の表示部290に表示される表示画像であり、図4(B)は視聴者端末の表示部290に表示される表示画像である。
【0085】
そして表示画像であるコンテンツ情報(コンテンツ画像)には、演者端末及び視聴者端末の両方に共通に表示されるコンテンツの共通情報(共通画像)と、演者端末と視聴者端末の一方に表示されるコンテンツの差分情報(差分画像)がある。例えば図4(A)、図4(B)では、池、木、岩、キャラクタCH、釣り竿は、演者端末及び視聴者端末の両方に共通に表示されるコンテンツの共通情報である。一方、魚FHの魚影は、図4(B)に示すように視聴者端末には表示されるが、図4(A)に示すように演者端末には表示されず、演者端末と視聴者端末の一方に表示されるコンテンツの差分情報である。即ち図4(A)、図4(B)では、共通情報である池、木、岩、キャラクタCH、釣り竿については、演者端末及び視聴者端末の両方に表示し、差分情報である魚影については、視聴者端末にだけ表示され、演者端末には表示されない。従って、視聴者だけが魚影を見ることができ、演者は魚影を見ることができない。
【0086】
そして図5(A)では、視聴者が投げ銭である投稿オブジェクトOBCを仮想フィールドVFLに投入する投稿を行っており、この投稿が受け付けられている。即ち視聴者による視聴者端末の操作に基づいて、コンテンツ又は演者に対する投稿情報である投稿オブジェクトOBCの投稿が行われ、この投稿が受け付けられている。この場合に本実施形態では、視聴者の投稿情報の投稿状況に応じた、演者端末に対する差分情報の表示処理を行う。具体的には視聴者により投げ銭等の投稿が行われると、図4(A)のように演者端末には表示されていなかった差分情報である魚影が、図5(A)に示すように演者端末に表示されるようになる。例えば視聴者による投稿の状況に応じて、演者端末での差分情報の表示制御が変更される。即ち図4(A)のように差分情報である魚影を演者端末に表示しないという表示制御から、図5(A)のように差分情報である魚影を演者端末に表示するという表示制御に変更される。
【0087】
以上のように、本実施形態のコンテンツ配信システムは、視聴者による視聴者端末の操作に基づいて、コンテンツ又は演者に対する投稿情報の投稿を受け付ける。また図4(A)、図4(B)で説明したように、演者端末及び視聴者端末の両方に共通に表示されるコンテンツの共通情報と、演者端末と視聴者端末の一方に表示される情報であって、演者による操作を促すための情報であるコンテンツの差分情報の表示処理を行う。そして図5(A)で説明したように、視聴者の投げ銭等の投稿情報が受け付けられると、視聴者の投稿情報の投稿状況に応じた、演者端末に対する差分情報の表示処理が行われる。
【0088】
このようにすれば、演者の行動に対して視聴者が投稿情報による投稿を行うと、その視聴者の投稿情報の投稿状況に応じた、演者端末に対するコンテンツの差分情報の表示処理が行われるようになる。従って、演者の行動に対する投稿情報による視聴者のリアクションが可能になるのみならず、投稿状況に応じた差分情報の表示処理が行われることで、この視聴者の投稿情報によるリアクションを受けて、演者が行動を行うことを促すことが可能になる。従って、視聴者から演者への一方通行のコミュニケーションではなく、双方向でのコミュニケーションの実現が可能になり、演者の行動に対する視聴者のリアクションに対して演者が行動で応えやすくすることができる仕組みを実現できる。従って、演者と視聴者を密接に関わらせることが可能なコンテンツ配信システムの提供が可能になり、コンテンツ配信の魅力、面白味やコンテンツ配信に対する視聴者の熱中度等を格段に向上できるようになる。
【0089】
また本実施形態では、投稿情報の投稿状況に応じて、差分情報の少なくとも一部を演者端末に表示する処理が行われている。例えば図4(A)では差分情報である魚影が演者端末に表示されていなかったが、図5(A)に示すように、視聴者の投げ銭等の投稿が行われると、差分情報である魚影が演者端末に表示されるようになる。このようにすれば、演者は、図4(A)では視認できなかった魚影を、図5(A)では視認できるようになり、例えば釣り竿を魚影が見える位置に投げるというような演者の行動を促すことが可能になる。従って、演者の行動に対する視聴者の投稿のリアクションに対して演者が行動で応えやすくすることができる仕組みの実現が可能になる。
【0090】
また本実施形態では投稿情報の投稿状況に応じて、演者端末に表示される差分情報の表示内容又は表示態様を設定する。例えば、コンテンツの差分情報について、何を表示するか、どこに表示するか、どのようなタイミングで表示するか、どのぐらいの量で表示するか、どの程度の視認し易さで表示するか、或いは、どのぐらいの表示期間において表示するかなどが設定される。例えば図5(A)では、差分情報として、釣りゲームにおける捕獲対象である魚FHの魚影が表示されている。また視聴者が投稿オブジェクトOBCを投入した場所に、差分情報である魚影が表示されている。また視聴者が投稿オブジェクトOBCを投入したタイミングで、差分情報である魚影が表示されている。或いは、このような投稿オブジェクトOBCの投入による魚影の表示は、受け付け期間やボーナスタイム期間などの所与の期間内に投稿が行われた場合にだけ行うようにする。また例えば図5(A)のように投稿オブジェクトOBCの投稿数が1個である場合には、差分情報として、1つの魚FHの魚影を表示し、図5(B)のように投稿オブジェクトOBCの投稿数が複数個である場合には、差分情報として、複数の魚FHの魚影を表示する。或いは、投稿オブジェクトの投稿数が多いほど、視認し易い表示態様を魚影を表示するようにしてもよい。例えば投稿数が少ない場合には半透明で魚影を表示し、投稿数が多い場合には半透明ではない通常画像で魚影を表示する。或いは、投稿数が多いほど、魚影の表示期間を長くする。
【0091】
図6(A)~図7(B)は対戦ゲームのライブ配信に適用した場合の本実施形態の手法の説明図である。図4(A)~図5(B)は、コンテンツの差分情報(魚影)が、視聴者端末では表示状態になり、演者端末では非表示状態になる場合の例であるが、図6(A)~図7(A)は、コンテンツの差分情報が、視聴者端末では非表示状態になり、演者端末では表示状態になる場合の例である。例えば図6(A)、図6(B)では、キャラクタCH、敵キャラクタCE1~CE3、対戦フィールドである仮想フィールドVFLは、演者端末及び視聴者端末の両方に共通に表示されるコンテンツの共通情報である。一方、行動の選択肢の情報が表示されるメニュー画面MSは、図6(A)に示すように演者端末には表示されるが、図6(B)に示すように視聴者端末には表示されず、演者端末と視聴者端末の一方に表示されるコンテンツの差分情報である。例えばメニュー画面MSには、演者に対応するキャラクタCHの行動を選択するための選択肢の情報が表示されており、例えば攻撃、魔法、防御、アイテムなどの項目が選択肢として表示されている。このように図6(A)、図6(B)では、共通情報であるキャラクタCH、敵キャラクタCE1~CE3、仮想フィールドVFLについては、演者端末及び視聴者端末の両方に表示し、差分情報である行動の選択肢の情報については、演者端末にだけ表示され、視聴者端末には表示されない。従って、演者だけが行動の選択肢のメニュー画面MSを見ることができ、視聴者は選択肢のメニュー画面MSを見ることができない。
【0092】
そして図7(A)では、視聴者が投げ銭である投稿オブジェクトOBCを仮想フィールドVFLに投入する投稿を行っており、この投稿が受け付けられている。この場合に本実施形態では、視聴者の投稿状況に応じた、演者端末に対する差分情報の表示処理を行う。具体的には視聴者により投げ銭等の投稿が行われると、図6(A)では選択肢として表示されていなかった「必殺技A」の項目が、図7(A)では表示されるようになる。即ち、視聴者による投稿の状況に応じて、差分情報である選択肢の表示制御が変更される。即ち図6(A)のように差分情報の一部である選択肢の「必殺技A」の項目を表示しないという制御から、図7(A)のように選択肢の「必殺技A」の項目を表示するという表示制御に変更される。
【0093】
このようにすれば、図7(A)に示すように、視聴者が投げ銭である投稿オブジェクトOBCの投稿を行うことで、演者の行動の選択肢の項目が増え、演者に対応するキャラクタCHが例えば必殺技Aを放つなどの新たな行動を選択することが可能になる。従って、演者の行動に対する投げ銭等の投稿情報による視聴者のリアクションが可能になるのみならず、この視聴者の投稿情報によるリアクションを受けて、演者が必殺技Aなどの新たな行動を行うことを促すことが可能になる。従って、演者の行動に対する視聴者のリアクションに対して演者が行動で応えやすくすることができる仕組みを実現して、演者と視聴者を密接に関わらせることが可能なコンテンツ配信を実現できるようになる。
【0094】
また本実施形態では、図7(A)の場合においても、投稿情報の投稿状況に応じて、演者端末に表示される差分情報の表示内容又は表示態様を設定することでき、何を、どこに、どのようなタイミングで、どのぐらいの量で、どの程度の視認し易さで、どのぐらいの表示期間において表示するかなどを設定できる。例えば図7(A)では、差分情報として、対戦ゲームにおいて演者に対応するキャラクタCHの行動の選択肢の新たな項目(必殺技A)が表示されている。また視聴者が投稿オブジェクトOBCをキャラクタCHの位置に投げ込んだことを条件に、選択肢として新たな項目を表示する。また視聴者が投稿オブジェクトOBCを投入したタイミングで、選択肢として新たな項目を表示したり、或いは受け付け期間やボーナスタイム期間などの所与の期間内に投稿オブジェクトOBCが投入された場合に、選択肢として新たな項目を表示する。或いは、投稿オブジェクトOBCの個数に応じて、選択肢として新たに表示される項目の個数を変化させたり、当該項目の視認し易さを変化させたり、当該項目の表示期間を変化させる。
【0095】
また図7(B)では、視聴者により投稿オブジェクトOBCが投入されると、それまでは演者端末に表示されていなかった差分情報であるモンスターのキャラクタCM1、CM2の画像が表示されるようになる。この場合に投稿オブジェクトOBCの投入位置において、モンスターのキャラクタCM1、CM2を表示したり、投稿オブジェクトOBCの個数に応じて、表示されるモンスターのキャラクタCM1、CM2の数を変化させたり、視認度合いを変化させたり、表示期間を変化させる。
【0096】
図8(A)~図9(B)はVRキャラクタのライブ配信に適用した場合の本実施形態の手法の説明図である。このライブ配信では、演者が行動を選択することで、仮想空間の仮想フィールドVFLにおいて、VRのキャラクタCHが、選択された行動に応じたパフォーマンスを行う。例えばVRのキャラクタCHが、踊りながら、手を振ったり、ジャンプしたり、手拍子を打ったりする。この場合に例えば図8(A)、図8(B)では、キャラクタCHや仮想フィールドVFLは演者端末及び視聴者端末の両方に共通に表示されるコンテンツの共通情報である。一方、キャラクタCHの行動の選択肢の情報が表示されるメニュー画面MSは、演者端末のみに表示され、視聴者端末には表示されないため、コンテンツの差分情報である。また、このライブコンテンツでは、複数の視聴者が、キャラクタCHに着せる服飾品を選ぶための投票を行うことができる。そして図8(B)に示すように、この複数の視聴者による投票の様子が示される投票画面VSは、視聴者端末のみに表示され、演者端末には表示されないため、コンテンツの差分情報である。この投票画面VSでは、投票の対象となっている帽子やリボンやブーツなどの服飾品の画像が表示されており、視聴者はこれらの服飾品の画像を見ることができるが、演者端末にはこれらの服飾品の画像は表示されていないため、演者は見ることができない。
【0097】
そして図8(B)では、複数の視聴者の投稿による投票により、例えば帽子が第1位になって選ばれている。これにより図9(A)に示すように、図8(A)では演者端末に表示されていなかった差分情報である帽子OBHの画像が、演者端末にも表示されるようになる。即ち複数の視聴者の投稿情報の投稿状況に応じた、演者端末に対する差分情報の表示処理が行われている。例えば視聴者端末では表示状態であり、演者端末では非表示状態である差分情報である帽子OBHの画像が、複数の視聴者の投票による投稿状況に応じて、演者端末に表示する処理が行われている。
【0098】
また複数の視聴者の投稿状況に応じて、演者端末に表示される差分情報の表示内容又は表示態様も設定される。例えば図8(B)では、複数の視聴者が投票の投稿を行った結果、帽子の投票数が第1位であったため、図9(A)では帽子の画像が演者端末に表示されているが、リボンの投票数が第1位である場合にはリボンの画像が表示され、ブーツの投票数が第1位である場合にはブーツの画像が表示されるようになる。即ち複数の視聴者の投稿状況である投票数に応じて、差分情報である服飾品のうちの何を演者端末に表示するかが決定されており、演者端末に表示される差分情報の表示内容が決定されている。また投票により帽子が選ばれた場合は、キャラクタCHの頭の位置に帽子が表示され、投票によりブーツが選ばれた場合には、キャラクタCHの足の位置にブーツが表示される。即ち、複数の視聴者の投稿状況である投票数に応じて、キャラクタCHのどの位置に差分情報である服飾品を表示するかが決定されている。また例えば投票数が非常に多い服飾品が選ばれた場合には、特別な演出エフェクトを表示するなど、差分情報の表示態様を変化させてもよい。
【0099】
なお図9(B)に示すように、視聴者により投稿オブジェクトOBCが投入され、これが受け付けられると、メニュー画面MSにおいて演者が選択できる選択肢の項目が増える。例えば図9(B)では、「ウィンクする」という選択肢の項目が増えている。そして例えば演者が「ウィンクする」を選択すると、キャラクタCHが、投稿オブジェクトOBCを投げ込んだ視聴者の方に向かって、ウィンクする行動を行うようになる。これにより、キャラクタCHのパフォーマンスに対して視聴者が投稿オブジェクトを投入するリアクションを行うと、このリアクションにより発生した選択肢の項目を演者が新たに選べるようになり、この選択肢の項目を演者が選ぶと、視聴者に対してウィンクのリアクションが行われるようになる。従って、演者と視聴者を密接に関わらせることが可能なコンテンツ配信システムの提供が可能になる。
【0100】
2.2 処理例
次に本実施形態の種々の処理例について説明する。図10は本実施形態の処理を説明するフローチャートである。
【0101】
まず本実施形態のコンテンツ配信システムは、視聴者による視聴者端末の操作により、投稿情報の投稿が行われたか否かを判断し(ステップS1)、投稿が行われた場合に、視聴者の投稿情報の投稿を受け付ける(ステップS2)。例えば図4(A)~図9(B)では、視聴者が投稿オブジェクトOBCを仮想フィールドVFLに投入する投稿を行うと、この投稿が受け付けられている。なお視聴者の投稿はこれに限定されず、例えば投稿オブジェクトは端末装置に表示されないオブジェクトであってもよいし、投稿オブジェクトではなく投稿コメントなどによる投稿であってもよい。
【0102】
次にコンテンツ配信システムは、演者端末と視聴者端末の両方に表示される共通情報と、一方に表示される差分情報を表示するためのコンテンツ情報の生成処理を行う(ステップS3)。例えば図4(A)、図4(B)では、仮想フィールドVFL、キャラクタCH等が共通情報として演者端末と視聴者端末の両方に表示され、魚FHの魚影が差分情報として視聴者端末だけに表示されるようなコンテンツ情報の生成処理が行われる。図6(A)、図5(B)では、仮想フィールドVFL、キャラクタCH、敵キャラクタCE1~CE3等が共通情報として演者端末と視聴者端末の両方に表示され、選択肢のメニュー画面MSが差分情報として演者端末だけに表示されるようなコンテンツ情報の生成処理が行われる。
【0103】
次にコンテンツ配信システムは、視聴者端末に対するコンテンツの表示処理を実行する(ステップS4)。例えばコンテンツの共通情報を視聴者端末に表示する処理を行うと共に、図4(A)、図4(B)のようにコンテンツの差分情報についても視聴者端末に表示される場合には、当該差分情報を視聴者端末に表示する処理を行う。またコンテンツ配信システムは、演者端末に対するコンテンツの表示処理を実行し、この際に、視聴者の投稿の投稿状況に応じた、差分情報の表示処理を行う(ステップS5)。例えばコンテンツの共通情報を演者端末に表示する処理を行うと共に、図6(A)、図6(B)のようにコンテンツの差分情報についても演者端末に表示される場合には、当該差分情報を演者端末に表示する処理を行う。そして更に視聴者の投稿情報の投稿状況を判断し、例えば投稿状況に応じて、演者端末での差分情報の表示制御を変更する処理などを行う。例えば図5(A)のように、投稿オブジェクトOBCが投入された場合には、図4(A)では演者端末に表示されていなかった差分情報である魚影を、投稿オブジェクトOBCの投入位置に表示する処理を行う。また図7(A)のように、投稿オブジェクトOBCが投入された場合には、演者端末に表示されていた選択肢に対して、新たな選択肢の項目を追加する表示処理を行う。
【0104】
以上のように本実施形態では、視聴者の投稿情報の投稿状況に応じた、演者端末に対する差分情報の表示処理を行っている。このようにすることで、演者の行動に対する視聴者のリアクションに対して演者が行動で応えやすくすることが可能なコンテンツ配信を実現できるようになる。
【0105】
また本実施形態では、差分情報が、視聴者端末では表示状態になり、演者端末では非表示状態になる情報である場合に、投稿情報の投稿状況に応じて、差分情報の少なくとも一部を演者端末に表示する処理を行っている。例えば図4(A)~図5(B)で説明したように、差分情報が視聴者端末では表示され演者端末には表示されないような情報である場合にも、視聴者の投稿状況に応じて、差分情報の少なくとも一部を演者端末に表示する処理を行う。このようにすることで、例えば演者端末には表示されていなかった差分情報が、視聴者が投稿を行うことで演者端末に表示されるようになり、この差分情報の表示が起因となって、視聴者の投稿に対して反応する演者の行動を促すことが可能になる。これにより、演者と視聴者を密接に関わらせることが可能なコンテンツ配信の実現が可能になる。
【0106】
また本実施形態では、図6(A)、図6(B)、図7(A)で説明したように、差分情報は、例えば演者の行動を選択するための選択肢の情報であり、コンテンツは、選択肢から演者の行動が選択されることで進行するコンテンツである。このようにすれば、視聴者の投稿情報の投稿状況に応じて、演者端末に対する選択肢の情報の表示処理を実行できるようになり、例えば投稿状況に応じて選択肢の情報の表示制御を変更することなどが可能になる。例えば演者端末に表示されていた選択肢の情報に対して、新たな選択肢の項目を追加するような処理を実現したり、或いは選択肢の情報が視聴者端末に表示され演者端末には表示されない情報である場合に、当該選択肢の情報を、視聴者の投稿状況に応じて演者端末に表示するような処理を実現できるようになる。
【0107】
また本実施形態では、投稿情報は、例えば視聴者が視聴者のパラメータを消費することで投稿される情報である。例えば視聴者のパラメータは、課金に対して視聴者が支払った対価のパラメータや、投稿オブジェクトや投稿コメントの個数パラメータなどである。このようにすれば、視聴者のパラメータが消費されることで投稿される投稿情報の投稿状況を判断して、当該投稿状況に応じた、演者端末に対する差分情報の表示処理を行うことが可能になる。
【0108】
また本実施形態では、コンテンツは、例えば演者の操作によって進行するゲームコンテンツである。このようにすれば演者の操作によって進行するゲームの様子等を中継するライブ配信を実現できるようになる。例えば図5(A)~図6(B)では、演者の操作によって釣りゲームのコンテンツが進行し、この釣りゲームのプレイの様子を中継するライブ配信が実現される。また図7(A)~図8(B)では、演者の操作によってキャラクタの対戦ゲームのコンテンツが進行し、この対戦ゲームのプレイの様子を中継するライブ配信が実現される。
【0109】
図11は、投稿状況に応じて差分情報の表示内容又は表示態様を設定する処理を説明するフローチャートである。
【0110】
まずコンテンツ配信システムは、視聴者の投稿情報の投稿状況を判断する(ステップS11)。例えば投稿情報の種類、投稿情報の内容、投稿情報の量、投稿情報の受け付けタイミング、投稿情報の投稿位置、又は投稿を行った視聴者の属性情報などの投稿状況を判断する。そして投稿情報の投稿状況に応じて、演者端末に表示される差分情報の表示内容又は表示態様を設定する(ステップS12)。例えばコンテンツの差分情報について、何を、どこに、どのようなタイミングで、どのぐらいの量で、どの程度の視認し易さで、或いはどのぐらいの表示期間において表示するかなどを設定する。そして演者端末に対するコンテンツの表示処理を実行する(ステップS13)。即ち、投稿状況に応じて設定された表示内容又は表示態様でコンテンツの差分情報等を演者端末に表示する処理を実行する。
【0111】
このように本実施形態では、投稿情報の投稿状況に応じて、演者端末に表示される差分情報の表示内容又は表示態様を設定している。このようにすれば、投稿情報の投稿状況に応じて、演者端末に表示される差分情報の表示内容又は表示態様を様々に変化させることが可能になる。例えば投稿情報の種類、内容、量、受け付けタイミング、投稿位置又は視聴者の属性情報などの投稿状況に応じて、コンテンツの差分情報について、何を表示するか、どこに表示するか、どのようなタイミングで表示するか、どのぐらいの量で表示するか、どの程度の視認し易さで表示するか、或いはどのぐらいの表示期間において表示するかなどが変化するようになる。従って、視聴者の投稿状況を反映させた差分情報の効果的な表示処理を実現できるようになり、演者と視聴者を密接に関わらせることが可能なコンテンツ配信の実現が可能になる。
【0112】
図12は、投稿状況に応じて指定される位置に差分情報を表示する処理を説明するフローチャートである。まずコンテンツ配信システムは、視聴者の投稿情報の投稿状況を判断する(ステップS21)。そして演者端末のコンテンツの表示領域において、投稿情報の投稿状況に応じて指定される位置に、対応する差分情報を表示する処理を実行する(ステップS22)。図5(A)、図5(B)を例にとれば、投稿オブジェクトOBCが投入される投稿が行われると、投稿オブジェクトOBCの投入位置に、差分情報である魚影を表示する処理が行われる。図7(A)を例にとれば、演者のキャラクタCHの位置に対して投稿オブジェクトOBCが投入される投稿が行われると、そのキャラクタCHの行動の選択肢の情報が表示されたメニュー画面MSが、例えばキャラクタCHの近傍の位置に表示される。図7(B)を例にとれば、演者端末には非表示であったモンスターのキャラクタCM1、CM2の位置に投稿オブジェクトOBCが投入されると、演者端末のコンテンツの表示領域において、投稿オブジェクトOBCの投入位置にモンスターのキャラクタCM1、CM2が表示されるようになる。図9(A)を例にとれば、複数の視聴者の投票数に基づき、帽子OBHが投票により選ばれると、演者端末のコンテンツの表示領域において、キャラクタCHの頭の位置に帽子OBHが表示されるようになる。
【0113】
このように本実施形態では、演者端末のコンテンツの表示領域において、投稿情報の投稿状況に応じて指定される位置に、対応する差分情報を表示する処理を行う。このようにすれば、視聴者の投稿状況により指定される位置に、コンテンツの差分情報を表示して、当該位置に表示された差分情報により、演者の行動を促すことが可能になる。例えば図5(A)のように投稿オブジェクトOBCの投入位置に、差分情報である魚影を表示することで、この魚影の魚を釣る行動を行うことを、演者に促すことが可能になる。また図7(B)のように、投稿オブジェクトOBCの投入位置に、差分情報であるモンスターのキャラクタCM1、CM2を表示することで、これらのキャラクタCM1、CM2に対する演者の攻撃等の行動を促すことが可能になる。
【0114】
図13は投稿情報の一例である。図13では、投稿情報は、投稿を行った視聴者の識別情報である識別IDや、投稿を行った視聴者の属性情報を含む。視聴者の属性情報は、視聴者のユーザ情報や視聴履歴情報などである。また投稿情報は、視聴者が投入した投げ銭等の投稿オブジェクトの情報を含む。投稿オブジェクト情報は、例えば投稿オブジェクトの種類や名前や形状等の情報である。また投稿情報は、投稿位置情報や投稿量情報を含む。投稿位置情報は、投稿情報の投稿状況に応じて指定される位置の情報であり、例えば投稿オブジェクトの投入位置の情報や、投稿オブジェクトの軌道情報により特定される位置の情報である。投稿量情報は、投稿情報の量についての情報であり、例えば投稿オブジェクトの個数の情報や投稿コメントのコメント数の情報である。
【0115】
図14は、投稿情報の量、受け付けタイミング、投稿位置、視聴者の属性情報に応じた差分情報の表示処理を説明するフローチャートである。まずコンテンツ配信システムは、視聴者の投稿情報の投稿状況を判断する(ステップS31)。そして、投稿情報の量、投稿情報の受け付けタイミング、投稿位置、又は視聴者の属性情報に応じた、演者端末に対する差分情報の表示処理を実行する(ステップS32)。例えば投稿情報の量、投稿情報の受け付けタイミング、投稿位置又は視聴者の属性情報に応じて、演者端末に対する差分情報の表示制御を変更する。具体的には、投稿情報の量、投稿情報の受け付けタイミング、投稿位置又は視聴者の属性情報に応じて、演者端末に表示される差分情報の表示内容又は表示態様を設定する。
【0116】
このように本実施形態では、視聴者の投稿情報の量に応じた、演者端末に対する差分情報の表示処理を行う。例えば図5(A)、図5(B)に示すように、投稿情報の量に対応する投稿オブジェクトOBCの個数に応じて、演者端末に表示される差分情報である魚影の画像が変化する。具体的には投稿オブジェクトOBCの個数が多いほど魚影として映る魚の数が増える。また図8(A)~図9(A)では、投稿情報の量に対応する複数の視聴者の投票数に応じて、演者端末に表示される差分情報である服飾品の種類等が変化する。このようにすれば、視聴者の投稿情報の量を反映させた演者端末での差分情報の表示処理を実現できるようになる。従って、視聴者が投稿した投稿情報の量に応じて、演者端末での差分情報の表示内容や表示態様等を変化させることが可能になり、コンテンツ配信の魅力や面白味を向上できる。
【0117】
また本実施形態では、投稿情報を受け付けたタイミングに応じた、演者端末に対する差分情報の表示処理を行う。例えば受け付け期間やボーナスタイム期間などの所与の期間内に投稿情報が受け付けられたことを条件に、投稿状況に応じた演者端末に対する差分情報の表示処理が行われる。或いは投稿情報を受け付けたタイミングに応じたタイミングにおいて、投稿状況に応じた演者端末に対する差分情報の表示処理が行われる。このようにすれば、視聴者の投稿タイミングを反映させた演者端末での差分情報の表示処理を実現できるようになる。従って、視聴者が投稿したタイミングに応じて、演者端末での差分情報の表示内容や表示態様等を変化させることが可能になり、コンテンツ配信の魅力や面白味を向上できる。
【0118】
また本実施形態では、投稿情報は、コンテンツの表示領域における投稿位置の情報を含み、投稿位置に応じた、演者端末に対する差分情報の表示処理を行う。例えば図5(A)、図5(B)のように、投稿情報は、投稿オブジェクトOBCが投入位置である投稿位置の情報を含み、投稿位置に魚影が表示されるなど、投稿位置に応じた演者端末に対する差分情報の表示処理が行われる。また図7(B)に示すように、投稿位置にモンスターのキャラクタCM1、CM2が表示されるなど、投稿位置に応じた演者端末に対する差分情報の表示処理が行われる。このようにすれば、投稿情報に含まれる投稿位置を反映させた演者端末での差分情報の表示処理を実現できるようになる。従って、視聴者の投稿情報に含まれる投稿位置の情報に応じて、演者端末での差分情報の表示内容や表示態様等を変化させることが可能になり、コンテンツ配信の魅力や面白味を向上できる。
【0119】
また本実施形態では、視聴者の属性情報に応じた、演者端末に対する差分情報の表示処理を行う。例えば視聴者のユーザ情報や視聴履歴情報などの属性情報に応じて、演者端末に対する差分情報の表示制御が変更される。具体的には視聴者の性別、年齢層の情報やフレンド情報などのユーザ情報や、視聴者のコンテンツの視聴回数、視聴頻度、或いは直近での視聴履歴などの視聴履歴情報に応じて、演者端末に表示される差分情報の表示内容又は表示態様が設定される。例えば演者のフレンドである視聴者が投稿した場合と、演者のフレンドではない視聴者が投稿した場合とで、演者端末に表示される差分情報の表示内容又は表示態様を異ならせる。また例えば、演者のコンテンツを初めて視聴した視聴者が投稿した場合は、演者が有利になったり、演者を優遇するような差分情報の表示処理を行う。或いは、逆に、演者のコンテンツの視聴回数が多い視聴者が投稿した場合に、演者が有利になったり、演者を優遇するような差分情報の表示処理を行ってもよい。このようにすれば、コンテンツを視聴する視聴者の属性情報を反映させた演者端末での差分情報の表示処理を実現できるようになる。従って、視聴者の属性情報に応じて、演者端末での差分情報の表示内容や表示態様等を変化させることが可能になり、コンテンツ配信の魅力や面白味を向上できる。
【0120】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本開示の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、投稿情報の受け付け処理、コンテンツの共通情報や差分情報の表示処理、投稿状況に応じた差分情報の表示処理等も、本実施形態で説明したものに限定されず、これらと均等な手法も本開示の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0121】
100…処理部、102…受信処理部、104…送信処理部、106…コンテンツ情報生成部、108…受け付け部、118…管理部、120…表示処理部、130…音処理部、170…記憶部、172…コンテンツ情報記憶部、174…ユーザ情報記憶部、196…通信部、200…処理部、260…操作部、262…インターフェース部、270…記憶部、280…情報記憶媒体、290…表示部、292…音出力部、296…通信部、500…サーバシステム、510…ネットワーク、CH、CM1、CM2…キャラクタ
CE1、CE2、CE3…敵キャラクタ、FH…魚、MS…メニュー画面、OBC…投稿オブジェクト、OBH…帽子、TM、TM1~TMn…端末装置、TMA…視聴者端末、TMP…演者端末、VFL…仮想フィールド、VS…投票画面
図1
図2
図3
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図11
図12
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