(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105050
(43)【公開日】2022-07-12
(54)【発明の名称】アミノヨードシラン、及び当該アミノヨードシランの合成方法
(51)【国際特許分類】
C07F 7/02 20060101AFI20220705BHJP
【FI】
C07F7/02 Z CSP
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022068798
(22)【出願日】2022-04-19
(62)【分割の表示】P 2020538039の分割
【原出願日】2019-01-11
(31)【優先権主張番号】62/616,568
(32)【優先日】2018-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】カイパー, デーヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】バウム, トーマス エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】カンデルワル, マニーシュ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】新規なアミノヨードシラン化合物を提供する。
【解決手段】式SiI
y(NHR
1)
z[式中、R
1は、C
1~C
10アルキル若しくはシクロアルキル、アリール、又はヘテロ基から選択され、y=1~3であり、z=4-yである]を有するアミノヨードシランである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミノヨードシランの合成法であって、
式SiI4を有するヨードシランを、式NH2R1を有するモノ置換されたアミンと接触させて、式SiIy(NHR1)z
[式中、R1は、C1~C10アルキル若しくはシクロアルキル、アリール、又はヘテロ基から選択され、y=1~3であり、z=4-yである]
を有するアミノヨードシラン反応生成物を製造することを含む、アミノヨードシランの合成法。
【請求項2】
ヨードシランの、モノ置換されたアミンに対するモル比が、およそ1:2から1:4の範囲にある、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アミノヨードシラン反応生成物を、反応により生成した粗製混合物から単離することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
アミノヨードシラン反応生成物を、真空蒸留することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
アミノヨードシラン反応生成物及びアルキルアンモニウムヨージド塩が製造される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
反応が溶媒中で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
溶媒がトルエンである、請求項7に記載の方法。
【請求項8】
モノ置換されたアミンがt-ブチルアミンであり、アミノヨードシランがt-ブチルアミノトリヨードシランである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
モノ置換されたアミンが、メチルアミン又はエチルアミンであり、アミノヨードシランが、メチルアミノトリヨードシラン又はエチルアミノトリヨードシランである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
モノ置換されたアミンがイソプロピルアミンであり、アミノヨードシランがイソプロピルアミノトリヨードシランである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
アミノヨードシランが、ビス(t-ブチルアミノ)ジヨードシラン、又はビス(イソプロピルアミノ)ジヨードシランである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
アミンをヨードシランに添加する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
以下の工程:
テトラヨードシランを、反応器に添加する工程;
式NHR1
[式中、R1は、C1~C10アルキル若しくはシクロアルキル、アリール、又はヘテロ基から選択される]
を有するモノ置換されたアミンを反応器に添加して、混合物を生成させる工程;
前記混合物を攪拌して、攪拌された混合物を形成する工程;及び
アミノヨードシランを、攪拌された混合物から単離する工程
を含む、アミノヨードシランの合成法。
【請求項14】
溶媒がトルエンである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
アミノシラン反応生成物を真空蒸留することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
モノ置換されたアミンがt-ブチルアミンであり、アミノヨードシランがt-ブチルアミノトリヨードシランである、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
モノ置換されたアミンが、メチルアミン又はエチルアミンであり、アミノヨードシランが、メチルアミノトリヨードシラン、又はエチルアミノトリヨードシランである、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
モノ置換されたアミンがイソプロピルアミンであり、アミノヨードシランがイソプロピルトリヨードシランである、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
アミノヨードシランが、ビス(t-ブチルアミノ)ジヨードシラン、又はビス(イソプロピルアミノ)ジヨードシランである、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
アミンをヨードシランに添加する、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、35 USC 119のもとで2018年1月12日に出願された米国特許仮出願第62/616,568号の利益を主張するものであり、その開示内容は、あらゆる目的についてその全体が参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本願は、アミノヨードシラン、及びアミノヨードシランの製造方法に関する。
【0003】
アミノハロシランは、幅広い産業にわたり、その化学的特性のため、また膜堆積前駆体として使用可能なため、商業上重要である。堆積された膜は例えば、半導体の誘電材料及びコーティング、光起電デバイスのコーティング、難燃性光学コーティング、及び航空宇宙材料として使用できる。
【0004】
アミノ(ハロ)シランの合成は、ハロシランのアミノリシスによって行われてきた(J. Chem. Soc. 1952, pp. 2347-2349)。この既知の合成法では、副生成物としてハロゲン化アンモニウム塩も生成される。
【0005】
ヨードアミノシリコン前駆体を生成するための合成法(例えば、膜堆積プロセスでの使用に適したもの)が、未だに必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
アミノヨードシランの合成法が開示される。本開示によりアミノヨードシランを生成させるための反応は、以下の等式によって表される:
SiI4+z(NH2R1)=SiIy(NHR1)z
式中、R1は、C1~C10アルキル若しくはシクロアルキル、アリール、又はヘテロ基から選択され、y=1~3であり、z=4-yである。
【0007】
本開示による方法は、式SiI4を有するヨードシランを、式NH2R1を有するモノ置換されたアミンと反応させて、式SiIy(NHR1)zを有するアミノヨードシラン反応生成物を製造することを含み、式中、R1は、C1~C10アルキル若しくはシクロアルキル、アリール、又はヘテロ基から選択され、y=1~3であり、z=4-yである。
【0008】
本発明の性質及び対象をさらに理解するため、添付図面とともに以下の詳細な説明を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示に記載された方法により製造されるビス(t-ブチルアミノ(ジヨード)-シランのプロトンNMRスペクトルを示す。
【
図2】本開示に記載された方法により製造されるビス(t-ブチルアミノ(ジヨード)シランについて、熱重量分析プロット(TGAプロット)及び質量スペクトルを示す。
【
図3】本開示に記載された方法により製造されるt-ブチルアミノ(トリヨード)シランのプロトンNMRスペクトルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明及び特許請求の範囲では、当業者に一般的によく知られた幾つかの略称、符号及び用語を使用することがある。これらの定義は通常、頭文字による略称の最初の例によってそれぞれ示されるが、利便性のため、使用する略称、符号及び用語について、各定義ともに表1として列記する。
【0011】
【0012】
元素周期表からの標準的な元素略称を使用し、これらの元素については、慣用の略称で言及することがある(例えば、Siはケイ素、Nは窒素、Oは酸素、Cは炭素など)。
【0013】
全ての範囲は、その境界値を含むものとし、例えばx=1~4という場合、X=1、x=4、及びx=その間にあるあらゆる数が含まれる。
【0014】
本開示による方法は、式SiI4を有するヨードシランを、式NH2R1を有するモノ置換されたアミンと反応させて、式SiIy(NHR1)zを有するアミノヨードシラン反応生成物を製造することを含み、式中、R1は、C1~C10アルキル若しくはシクロアルキル、アリール、又はヘテロ基から選択され、y=1~3であり、z=4-yである。
【0015】
本開示の1つの実施態様によれば、ヨードシランを不活性雰囲気下で反応器又は反応フラスコにおよそ-100℃~およそ20℃の範囲、好ましくはおよそ-78℃~およそ15℃の範囲、より好ましくは-40℃~およそ0℃の範囲、より好ましくはおよそ-15℃~およそ-5℃の範囲にある温度で添加する。様々な実施多様において、使用する不活性雰囲気には、Ar、N2、He、又はKrが含まれ得る。
【0016】
それから、モノ置換されたアミンを反応フラスコに添加して、ヨードシランとモノ置換されたアミンとの混合物を、例えばおよそ-15℃~およそ-5℃の範囲にある温度で生成させる。モノ置換されたアミンは、フラスコ中のヨードシランの温度に等しい温度に予冷又は予熱することができる。
【0017】
ヨードシランの、モノ置換されたアミンに対するモル比は、モノ置換された生成物についてはおよそ1:2の範囲に、ジ置換された生成物についてはおよそ1:4の範囲にあり得る。このモル比は、所望の生成物の形成を最適化するため、及び/又は所望の反応生成物の精製を単純化するために、必要に応じて調整又は変えることができる。
【0018】
反応は、溶媒無しで、又は溶媒を用いて行うことができ、この溶媒には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、2-メチルテトラヒドロフラン、ジグリム、ジクロロメタン、クロロホルム、アニソール、ベンゼン、又はアセトニトリルが含まれるが、これらに限られない。反応体のうちのいずれか一方又は双方とアミノヨードシラン反応生成物とが、すべて液体であるか、又は融点の低い(すなわち23~50℃)固体である場合、本方法は、溶媒無しで行うことができ、これによって合成法が短縮可能であり、また反応生成物における不純物の濃度を低下させることもできる。
【0019】
続いて、反応生成物の混合物を室温に温め、室温でおよそ1~48時間、攪拌することができる。攪拌された反応混合物は、アミノヨードシラン、未反応のヨードシラン、アルキルアンモニウムヨージド塩、及び場合によっては不純物を含有する、濁った(cloudy)液体であり得る。
【0020】
アミノハロシラン反応生成物が固体である場合、不純物を除去してアミノヨードシラン反応生成物を得るために、攪拌された混合物を濾過することができる。この生成物は、溶媒(例えばペンタン、ヘキサン、及びトルエン)を用いて抽出することができる。典型的なフィルタには、フリットガラス又はフリットポリマーによるフィルタが含まれる。
【0021】
それから、例えば蒸留又は真空蒸留により室温を超える温度、好ましくは25℃~150℃の範囲、より好ましくは30℃~120℃の範囲、さらにより好ましくは50℃~70℃の範囲の温度で、約50ミリトル(mTorr)~1トル(Torr)の範囲の圧力で、アミノヨードシラン反応生成物を単離及び/又は精製することができる。
【0022】
或いは、アミノヨードシラン反応生成物が液体の場合、固体の副生成物を除去するために、攪拌した混合物を濾過することができる。プロセス改善のために、濾過材(例えば無水珪藻土)を使用することができる。典型的なフィルタには、ガラスフリット又はポリマーフリットによるフィルタが含まれる。この工程は、すべての固体副生成物を除去するために充分であり得る。
【0023】
別の実施態様では、濾液をさらなる処理にかける必要があり得る。例えば、濾液により固体物質との不均一な懸濁液が生じる場合、濾液は短経路カラムで蒸留して、不所望の反応生成物又は不純物の一部又は全部を除去するフラッシュ蒸留処理を介してアミノヨードシラン反応生成物を得ることができる。或いは、アミノヨードシラン反応生成物は、例えば真空蒸留カラムを介して、又は濾液をアミノヨードシランの沸点付近に加熱することにより、濾液から単離することができる。別の実施態様では、フラッシュ処理と蒸留カラムの両方が必要になることもあり得る。当業者であれば、攪拌混合物を温めた場合、アミノヨードシラン反応生成物が温められた攪拌混合物から単離されるにつれて攪拌混合物の沸点が変化し、これに従って回収温度を調整することが分かるであろう。未反応のあらゆるヨードシランを回収することができ、当業者であれば、このヨードシランを後で使用するために、又は廃棄するために回収可能なことが分かるであろう。
【0024】
以下の実施例に示すように、精製された生成物は、その純度を示すガスクロマトグラフィー及び/又は質量分析器(GCMS)により分析することができる。生成物の構造は、1H、13C、及び/又は29SiNMRによって確認できる。
【0025】
本開示による方法において溶媒は、アレーン、アルカン、アルケン、シクロアルカン、又はアルキン系化合物から選択することができる。選択された溶媒は、いずれの反応体又は生成物とも非反応性である。さらに、溶媒は反応温度で液体でなければならない。よって、選択された溶媒は、-100℃~当該溶媒の沸点の範囲にある温度では液体のままである。最後に溶媒は、酸素化された化学種(例えばジシロキサン)の形成を防止するために、無水でなければならない。例示的な溶媒には例えば、ヘキサン、トルエン、ヘプタン、エチルベンゼン、又は1種以上のキシレン類が含まれる。このキシレン類は、1,2-ジメチルベンゼン、1,3-ジメチルベンゼン、及び1-4-ジメチルベンゼンである。溶媒は、ヘキサン又はトルエンであるのが好ましい。これらの溶媒は、-78℃で凍らないからである。ヘキサン及びトルエンに似た特性を有するその他の溶媒もまた、本開示による方法では好ましい。
【0026】
以下に、本開示による合成法によって製造される例示的なアミノハロシラン反応生成物のリストを挙げる。
【0027】
例示的なアミノヨードシランは、式SiI3(NHR1)を有することができ、式中、R1は、C1~C10アルキル、アリール、又はヘテロ基から選択される。いくつかの実施態様において、R1は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルであり得る。例示的な化合物には、SiI3NHCH3、SiI3NHCH2CH3、及びSiI3NHCH(CH3)2が含まれる。
【0028】
例示的なアミノヨードシランは、式SiI2(NHR1)2を有することができ、式中、R1は、C1~C10アルキル、アリール、又はヘテロ基から選択される。幾つかの実施態様においてR1は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、又はtert-ブチルであり得る。例示的な化合物には、SiI2[NHCH(CH3)2]2が含まれる。
【0029】
例示的なアミノヨードシランは、式SiI(NHR1)3を有することができ、式中、R1は、C1~C10アルキル、アリール、又はヘテロ基から選択される。幾つかの実施態様においてR1は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシルであり得る。
【0030】
実施例
以下の実施例は、非限定的な実施例であり、本発明の実施態様をさらに説明するためのものである。しかしながらこれらの実施例は、すべて網羅することを意図しているわけではなく、また本開示に記載された発明の範囲を制限することを意図しているわけでもない。
【0031】
実施例1:ビス(t-ブチルアミノ(ジヨード)シラン(SiI
2(NH-t-ブチル)
2)の合成
【0032】
メカニカルスターラ、熱電対及びゴム隔壁を備える3つ首丸底フラスコ(250mL)に、テトラヨードシラン(10g)をトルエン(50mL)に入れた溶液を装入した。この溶液を、ブライン浴により冷却した。t-ブチルアミン(5.4g)をヘキサン(40mL)に入れた溶液を、約-2℃未満に冷やした溶液に、使い捨てシリンジ及びシリンジポンプを用いて滴加した。中間反応が起こり、白色の析出物が形成されたが、著しい発熱は観察されなかった。反応温度は、アミン溶液の添加速度を調節することなく、約-2℃未満に維持した。周囲温度に温めながら、この反応混合物を一晩攪拌した。
【0033】
それから、この反応混合物を粗目のポリエチレン(PE)フィルタを通じて濾過し、きれいなフラスコに入れた。こうして生成した透明で黄色い溶液から、減圧下(50ミリトル)で全ての揮発分をストリッピングした。
【0034】
粗製生成物を、50ミリトルの真空下、125℃の油浴で蒸留した。こうして生じる精製した生成物(ビス(t-ブチルアミド)ジヨードシラン)は、やや黄色い油に見えた。この生成物の純度は97%であり、短経路蒸留で分離されなかった二次的な不純物が約2.5%含まれていた。
【0035】
図1は、本実施例により製造されたビス(t-ブチルアミノ(ジヨード)-シランのプロトンNMRスペクトルを示す。
【0036】
図2は、本実施例により製造されたビス(t-ブチルアミノ(ジヨード)シランの熱重量分析(TGA)プロット及び質量スペクトルを示す。
【0037】
実施例2:t-ブチルアミノ(トリヨード)シラン(SiI
3(NH-t-ブチル))の合成
【0038】
100mLのフラスコに、テトラヨードシラン(10g)及びトルエン(40mL)を装入し、隔壁でふさいだ。別のフラスコに、2-メチルプロパンー2-アミン(2.7g)及びヘキサン(40mL)を装入し、隔壁でふさいだ。反応器に、カニューレ移送によりテトラヨードシラン溶液を装入した。約―5℃で冷却循環器を使用した。それから、反応温度を約0℃未満に保ちながら、シリンジ及びシリンジポンプを用いてアミン溶液を滴加した。それからこの反応混合物を周囲温度に温めた。
【0039】
反応混合物をプロトンNMRによりサンプリングしたところ、1つの共鳴ピーク(resonance)がt-ブチル基と一致した。それからこの反応混合物を粗目のPEフィルタスティックを介して丸底フラスコに移した。ややピンク色の溶液から溶媒を除去したところ、青白い黄色の油が、若干の固体析出物とともに得られた。この半固体を移動させる際、この物質全体が凝固した。プロトンNMRにより、粗製生成物は純度がおおよそ96%であることが判明した。それから、粗製生成物を短経路蒸留装置で完全な真空下で蒸留して、ほぼ無色の油を得た。蒸留受け器フラスコの側面から擦り取る際、残留物はすぐに凝固して白色の固体になった。
【0040】
蒸留され、凝固した生成物を、プロトン、炭素及びケイ素のNMRによりアッセイした。
図3は、本実施例により製造されたt-ブチルアミノ(トリヨード)シランのプロトンNMRスペクトルを示す。
【0041】
当業者であれば、本発明の本質を説明するために記載され、述べられた細部、材料、工程、及び部材の配置について、添付特許請求の範囲に表現された原理及び発明の範囲内でさらなる変更を加えることが可能であろう。本開示が、上述の実施例における特定の実施態様に制限されることは、意図されていない。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式SiIy(NHR1)z
[式中、R1は、C1~C10アルキル若しくはシクロアルキル、アリール、又はヘテロ基から選択され、y=1~3であり、z=4-yである]
を有するアミノヨードシラン。
【請求項2】
yが2であり、zが2である、請求項1に記載のアミノヨードシラン。
【請求項3】
yが1であり、zが3である、請求項1に記載のアミノヨードシラン。
【請求項4】
アミノヨードシランがt-ブチルアミノトリヨードシランである、請求項1に記載のアミノヨードシラン。
【請求項5】
アミノヨードシランが、メチルアミノトリヨードシラン又はエチルアミノトリヨードシランである、請求項1に記載のアミノヨードシラン。
【請求項6】
アミノヨードシランが、イソプロピルアミノトリヨードシランである、請求項1に記載のアミノヨードシラン。
【請求項7】
アミノヨードシランが、ビス(t-ブチルアミノ)ジヨードシラン、又はビス(イソプロピルアミノ)ジヨードシランである、請求項1に記載のアミノヨードシラン。
【請求項8】
R1が、シクロアルキルである、請求項1に記載のアミノヨードシラン。
【請求項9】
アミノヨードシランが、96%超の純度である、請求項1に記載のアミノヨードシラン。
【請求項10】
アミノヨードシランが、-40℃から0℃で生成される、請求項1に記載のアミノヨードシラン。
【外国語明細書】