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特開2022-105549無線LAN通信システム、アクセスポイント通信品質判定方法および情報収集サーバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105549
(43)【公開日】2022-07-14
(54)【発明の名称】無線LAN通信システム、アクセスポイント通信品質判定方法および情報収集サーバ
(51)【国際特許分類】
   H04W 88/18 20090101AFI20220707BHJP
   H04W 24/10 20090101ALI20220707BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20220707BHJP
   H04B 17/309 20150101ALI20220707BHJP
   H04L 43/045 20220101ALI20220707BHJP
   H04L 43/02 20220101ALI20220707BHJP
【FI】
H04W88/18
H04W24/10
H04W84/12
H04B17/309
H04L43/045
H04L43/02
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022075952
(22)【出願日】2022-05-02
(62)【分割の表示】P 2018200427の分割
【原出願日】2018-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鍋島 正義
(72)【発明者】
【氏名】中村 宏之
(72)【発明者】
【氏名】小川 智明
(72)【発明者】
【氏名】大槻 信也
(72)【発明者】
【氏名】梅内 誠
(72)【発明者】
【氏名】岩谷 純一
(72)【発明者】
【氏名】坂本 寛
(57)【要約】
【課題】無線LAN通信システムのアクセスポイントの通信品質を判定し、接続に適するアクセスポイントの情報をユーザに提供する。
【解決手段】配下の無線LAN端末と通信する複数のアクセスポイントと、複数のアクセスポイントと無線LAN端末との間でそれぞれ送受信されるフレームを収集し、該フレームのヘッダからアクセスポイントにおける通信品質に関する情報を取り出す情報収集装置と、情報収集装置からアクセスポイントの通信品質に関する情報を取得し、当該情報を解析してアクセスポイントごとの通信品質の良否を判定し、その判定結果を外部に表示または通知する処理を行う情報収集サーバとを備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配下の無線LAN端末と通信する複数のアクセスポイントと、
前記複数のアクセスポイントと前記無線LAN端末との間でそれぞれ送受信されるフレームを収集し、該フレームのヘッダから前記アクセスポイントにおける通信品質に関する情報を取り出す情報収集装置と、
前記情報収集装置から前記アクセスポイントの通信品質に関する情報を取得し、当該情報を解析してアクセスポイントごとの通信品質の良否を判定し、その判定結果を外部に表示または通知する処理を行う情報収集サーバと
を備えたことを特徴とする無線LAN通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の無線LAN通信システムにおいて、
前記情報収集装置は、前記アクセスポイントの通信品質に関する情報としてチャネル使用時間を算出するための情報をフレームのヘッダから取り出して前記情報収集サーバに出力する構成であり、
前記情報収集サーバは、所定の時間における前記アクセスポイントのチャネル使用時間の割合であるチャネル使用率を算出し、該チャネル使用率に応じて通信品質の良否を判定する構成である
ことを特徴とする無線LAN通信システム。
【請求項3】
請求項1に記載の無線LAN通信システムにおいて、
前記情報収集装置は、前記アクセスポイントの通信品質に関する情報としてMCS値を前記フレームのヘッダから取り出して前記情報収集サーバに出力する構成であり、
前記情報収集サーバは、所定の時間における前記MCS値の平均値を算出し、該MCS値の平均値に応じて通信品質の良否を判定する構成である
ことを特徴とする無線LAN通信システム。
【請求項4】
請求項1に記載の無線LAN通信システムにおいて、
前記情報収集装置は、前記アクセスポイントの通信品質に関する情報としてチャネル使用時間を算出するための情報およびMCS値を前記フレームのヘッダから取り出して前記情報収集サーバに出力する構成であり、
前記情報収集サーバは、所定の時間における前記アクセスポイントのチャネル使用時間の割合であるチャネル使用率を算出し、さらに所定の時間における前記MCS値の平均値を算出し、該チャネル使用率と該MCS値の平均値に応じて通信品質の良否を判定する構成である
ことを特徴とする無線LAN通信システム。
【請求項5】
請求項1に記載の無線LAN通信システムにおいて、
前記情報収集装置は、前記アクセスポイントの通信品質に関する情報としてリトライ数を前記フレームのヘッダから取り出して前記情報収集サーバに出力する構成であり、
前記情報収集サーバは、所定の時間におけるリトライ率を算出し、該リトライ率に応じて通信品質の良否を判定する構成である
ことを特徴とする無線LAN通信システム。
【請求項6】
複数のアクセスポイントとその配下の無線LAN端末との間でそれぞれ送受信されるフレームを収集する情報収集装置が、該フレームのヘッダから前記アクセスポイントにおける通信品質に関する情報を取り出して情報収集サーバに出力し、
前記情報収集サーバは、前記情報収集装置から前記アクセスポイントの通信品質に関する情報として、チャネル使用率またはMCS値またはリトライ数を取得して解析し、前記アクセスポイントごとの通信品質の良否を判定し、その判定結果を外部に表示または通知する処理を行う
ことを特徴とするアクセスポイント通信品質判定方法。
【請求項7】
複数のアクセスポイントと配下の無線LAN端末との間でそれぞれ送受信されるフレームを収集し、該フレームのヘッダから各アクセスポイントにおける通信品質に関する情報を取得し、各アクセスポイントの通信品質を判定する情報収集サーバにおいて、
前記アクセスポイントの通信品質に関する情報として、チャネル使用率、MCS値、リトライ数を解析し、前記アクセスポイントごとの通信品質の良否を判定し、その判定結果を外部に表示または通知する処理を行う手段を備えた
ことを特徴とする情報収集サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線LAN通信システムのアクセスポイントの通信品質を判定し、接続に適するアクセスポイントの情報をユーザに提供する無線LAN通信システム、アクセスポイント通信品質判定方法および情報収集サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
無線LAN(WiFi)通信ができる端末(スマートホン,タブレット,パソコン)であれば、外出先のカフェや駅、ホテルなどの場所で、高速インターネット通信を利用できる無線LANによるインターネット接続サービス(フリーWiFi)が普及している(非特許文献1)。その一方で、ユーザに対して無線LANによる安定した通信品質を提供するために、ユーザが多く集まる場所である例えばショッピングモールやイベント会場では、「Wi-Fi 利用可能」などの案内とともに、多くのアクセスポイントを配置するなどの対策も講じられている。
【0003】
すなわち、従来の無線LAN通信システムでは、ユーザは「Wi-Fi 利用可能」と書かれた無線LANを提供していることを示す案内板などを見つけると、アクセスポイントの位置を意識することなく、電波状態のよいアクセスポイントに接続する処理を行っている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】FREE Wi-Fi&TOKYOの利用方法、http://www.wifi-tokyo.jp/ja/mail.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、フリーWiFiのアクセスポイントに接続しようとしても接続できない、接続できたとしても速度が遅いことがある。そのため、ウェブページの表示待ち時間が長く、表示が完了するまでの時間が最大許容待ち時間を超え、その結果として、無線LANサービスの利用を中止するなどの問題があった。
【0006】
しかし、現状では、どのアクセスポイントに接続すれば、スムーズに無線LANサービスに接続できるか、接続後の最大許容待ち時間以内にウェブページが表示されるかはユーザには分からなかった。
【0007】
本発明は、無線LAN通信システムのアクセスポイントの通信品質を判定し、接続に適するアクセスポイントの情報をユーザに提供することができる無線LAN通信システム、アクセスポイント通信品質判定方法および情報収集サーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明の無線LAN通信システムは、現在接続している無線LAN端末の接続台数を示す情報を出力する複数のアクセスポイントと、アクセスポイントから接続台数の情報を入力し、アクセスポイントの最大接続台数に対する現在の接続台数の割合である接続台数割合を算出し、アクセスポイントごとに接続台数割合に応じて通信品質の良否を判定し、その判定結果を外部に表示または通知する処理を行う情報収集サーバとを備える。
【0009】
第2の発明の無線LAN通信システムは、配下の無線LAN端末と通信する複数のアクセスポイントと、複数のアクセスポイントと無線LAN端末との間でそれぞれ送受信されるフレームを収集し、該フレームのヘッダからアクセスポイントにおける通信品質に関する情報を取り出す情報収集装置と、情報収集装置からアクセスポイントの通信品質に関する情報を取得し、当該情報を解析してアクセスポイントごとの通信品質の良否を判定し、その判定結果を外部に表示または通知する処理を行う情報収集サーバとを備える。
【0010】
第2の発明の無線LAN通信システムにおいて、情報収集装置は、アクセスポイントの通信品質に関する情報としてチャネル使用時間を算出するための情報をフレームのヘッダから取り出して情報収集サーバに出力する構成であり、情報収集サーバは、所定の時間におけるアクセスポイントのチャネル使用時間の割合であるチャネル使用率を算出し、該チャネル使用率に応じて通信品質の良否を判定する構成である。
【0011】
第2の発明の無線LAN通信システムにおいて、情報収集装置は、アクセスポイントの通信品質に関する情報としてMCS値をフレームのヘッダから取り出して情報収集サーバに出力する構成であり、情報収集サーバは、所定の時間におけるMCS値の平均値を算出し、該MCS値の平均値に応じて通信品質の良否を判定する構成である。
【0012】
第2の発明の無線LAN通信システムにおいて、情報収集装置は、アクセスポイントの通信品質に関する情報としてチャネル使用時間を算出するための情報およびMCS値をフレームのヘッダから取り出して情報収集サーバに出力する構成であり、情報収集サーバは、所定の時間におけるアクセスポイントのチャネル使用時間の割合であるチャネル使用率を算出し、さらに所定の時間におけるMCS値の平均値を算出し、該チャネル使用率と該MCS値の平均値に応じて通信品質の良否を判定する構成である。
【0013】
第2の発明の無線LAN通信システムにおいて、情報収集装置は、アクセスポイントの通信品質に関する情報としてリトライ数をフレームのヘッダから取り出して情報収集サーバに出力する構成であり、情報収集サーバは、所定の時間におけるリトライ率を算出し、該リトライ率に応じて通信品質の良否を判定する構成である。
【0014】
第3の発明のアクセスポイント通信品質判定方法は、複数のアクセスポイントが現在接続している無線LAN端末の接続台数を示す情報を情報収集サーバに出力し、情報収集サーバは、アクセスポイントから接続台数の情報を入力し、アクセスポイントの最大接続台数に対する現在の接続台数の割合である接続台数割合を算出し、アクセスポイントごとに接続台数割合に応じて通信品質の良否を判定し、その判定結果を外部に表示または通知する処理を行う。
【0015】
第4の発明のアクセスポイント通信品質判定方法は、複数のアクセスポイントとその配下の無線LAN端末との間でそれぞれ送受信されるフレームを収集する情報収集装置が、該フレームのヘッダからアクセスポイントにおける通信品質に関する情報を取り出して情報収集サーバに出力し、情報収集サーバは、情報収集装置からアクセスポイントの通信品質に関する情報として、チャネル使用率またはMCS値またはリトライ数を取得して解析し、アクセスポイントごとの通信品質の良否を判定し、その判定結果を外部に表示または通知する処理を行う。
【0016】
第5の発明は、複数のアクセスポイントと情報収集サーバとの間で、各アクセスポイントに現在接続している無線LAN端末の接続台数を示す情報を送受信し、各アクセスポイントの通信品質を判定する情報収集サーバにおいて、アクセスポイントから接続台数の情報を入力し、アクセスポイントの最大接続台数に対する現在の接続台数の割合である接続台数割合を算出し、アクセスポイントごとに接続台数割合に応じて通信品質の良否を判定し、その判定結果を外部に表示または通知する処理を行う手段を備える。
【0017】
第6の発明は、複数のアクセスポイントと配下の無線LAN端末との間でそれぞれ送受信されるフレームを収集し、該フレームのヘッダから各アクセスポイントにおける通信品質に関する情報を取得し、各アクセスポイントの通信品質を判定する情報収集サーバにおいて、アクセスポイントの通信品質に関する情報として、チャネル使用率、MCS値、リトライ数を解析し、アクセスポイントごとの通信品質の良否を判定し、その判定結果を外部に表示または通知する処理を行う手段を備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、アクセスポイントに接続される無線LAN端末の接続台数を情報収集サーバに出力し、あるいは情報収集装置でアクセスポイントと無線LAN端末との間で送受信されるフレームから、アクセスポイントの通信品質に関する情報として、チャネル使用時間を算出する情報(フレーム長と送信時間)、MCS値、リトライ数を取得して情報収集サーバに出力する。情報収集サーバでは、無線LAN端末の接続台数割合、あるいは所定の時間におけるチャネル使用率、MCS値の平均値、リトライ率を算出し、例えばそれぞれ所定の閾値と比較することにより、アクセスポイントごとの通信品質の良否を判定することができる。
【0019】
さらに、アクセスポイントごとの通信品質の良否の情報を外部に表示または通知することにより、ユーザは容易に接続しやすいアクセスポイントを見つけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の無線LAN通信システムの構成例を示す図である。
図2】実施例1における情報収集サーバ30の処理手順例を示すフローチャートである。
図3】実施例2における情報収集サーバ30の処理手順例を示すフローチャートである。
図4】実施例3における情報収集サーバ30の処理手順例を示すフローチャートである。
図5】実施例4における情報収集サーバ30の処理手順例を示すフローチャートである。
図6】実施例5における情報収集サーバ30の処理手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明の無線LAN通信システムの構成例を示す。
図1において、本発明の無線LAN通信システムは、アクセスポイント10、情報収集装置20、情報収集サーバ30から構成される。
【0022】
アクセスポイント10は、SNMP(Simple Network Management Protocol)を用いて無線LAN通信機器の監視を行うSNMPエージェント部11を備える。SNMPエージェント部11は、情報収集サーバ30のSNMPマネージャ部31から要求された情報を情報収集サーバ30に送信する。なお、アクセスポイント10が配下の無線LAN端末(図示せず)と通信する機能等については省略している。
【0023】
情報収集装置20は、情報収集部21と情報送信部22を備える。情報収集部21は、アクセスポイント10と無線LAN端末との間で送受信される指定したチャネルの802.11フレームを収集し、そこから必要な情報を取り出し、その情報を情報送信部22から情報収集サーバ30に送信する。
【0024】
情報収集サーバ30は、SNMPマネージャ部31、情報受信部32、解析部33、可視化部34を備え、アクセスポイント10および情報収集装置20から受信した情報を基に、アクセスポイント10の通信品質を解析し、良好な通信品質が得られて接続しやすいか否かを示す情報(推奨/非推奨)を出力する。
【0025】
SNMPマネージャ部31は、アクセスポイント10のSNMPエージェント部11から送信された情報を受信し、その情報を解析部33に送る。情報受信部32は、情報収集装置20が送信された情報を受信し、その情報を解析部33に送る。
【0026】
解析部33は、後述の実施例1~5で示すフローチャートに従って、入力する情報を基にアクセスポイントの通信品質を解析し、その解析結果として推奨/非推奨のアクセスポイントを示す情報を可視化部34に送る。ここで、推奨されるアクセスポイントは、良好な通信品質が得られて接続しやすく、快適な無線LANサービスをユーザに提供可能なものをいう。可視化部34は、その解析結果を基にして、推奨されるアクセスポイントを可視化するためのファイルを作成する。可視化部34は、大型ディスプレイやユーザのスマートホンなどに、推奨または非推奨のアクセスポイントを表示させ、無線LANサービスのユーザに提供する。
【0027】
(実施例1)
図2は、実施例1における情報収集サーバ30の処理手順例を示す。
図2において、SNMPマネージャ部31は、SNMPを用いて評価対象のアクセスポイント10から現在の接続台数Pの情報を受信する(S11)。最大接続台数Qは不変値なので、ネットワーク管理者が情報収集サーバ30に予め設定しておく。解析部33は、現在の端末接続割合W=P/Qを算出し(S12)、端末接続割合Wと所定の閾値THaおよびTHbを比較する(S13,S14)。ここで、THa>THbとする。
【0028】
W≧THaの場合は、評価対象のアクセスポイント10の端末接続割合Wが高いと判定し、当該アクセスポイントは非推奨とする(S15)。また、W≦THbの場合は、評価対象のアクセスポイント10の端末接続割合Wに余裕があると判定し、当該アクセスポイントは推奨とする(S16)。なお、THb<W<THaの場合は、当該アクセスポイントは非推奨または推奨の判定を保留するが、THa=THbの場合は判定保留がなく非推奨か推奨のいずれかとなる。
【0029】
(実施例2)
図3は、実施例2における情報収集サーバ30の処理手順例を示す。
図3において、SNMPマネージャ部31は、SNMPを用いて評価対象のアクセスポイント10からMACアドレスを受信する(S20)。情報収集装置20は、1個の802.11フレームを収集すると、ヘッダにあるMACアドレス、フレーム長、送信速度を取り出して情報収集サーバ30に送信し、情報収集サーバ30の情報受信部32はその情報を受信する(S21)。
【0030】
情報収集サーバ30の解析部33は、情報収集装置20から受信した802.11フレームに関する情報のMACアドレスについて、評価対象のアクセスポイント10のMACアドレスと同一か否かを調べる(S22)。同一ならば、その情報は評価対象のアクセスポイント10に関する情報と判定し(S22,Yes)、チャネル使用時間ChUsage を積算する(S23)。すなわち、前回までのチャネル使用時間ChUsageと今回のチャネル使用時間(=フレーム長/送信速度)を加算する。ここで、前回の推奨/非推奨の判定から時間Tの経過を判定し(S24)、時間Tが経過するまでチャネル使用時間ChUsageの積算を繰り返す。時間Tが経過すると、時間Tにおけるチャネル使用率X=ChUsage/Tを算出し、チャネル使用時間ChUsageをリセットする(S25)。すなわち、前回の判定から時間Tが経過するまでチャネル使用時間ChUsageを積算し、時間Tが経過した時点でチャネル使用率Xに置き換える。
【0031】
このチャネル使用率Xと所定の閾値THcおよびTHdを比較する(S26,S27)。ここで、THc>THdとする。
【0032】
X≧THcの場合は、評価対象のアクセスポイント10のチャネル使用率Xが高いと判定し、当該アクセスポイントは非推奨とする(S28)。また、X≦THdの場合は、評価対象のアクセスポイント10のチャネル使用率Xには余裕があると判定し、当該アクセスポイントは推奨とする(S29)。なお、THd<X<THcの場合は、当該アクセスポイントは非推奨または推奨の判定を保留するが、THc=THdの場合は判定保留がなく非推奨か推奨のいずれかとなる。
【0033】
(実施例3)
図4は、実施例3における情報収集サーバ30の処理手順例を示す。
図4において、SNMPマネージャ部31は、SNMPを用いて評価対象のアクセスポイント10からMACアドレスを受信する(S30)。情報収集装置20は、1個の802.11フレームを収集すると、ヘッダにあるMACアドレス、MCS(Modulation and Coding Scheme)値を取り出して情報収集サーバ30に送信し、情報収集サーバ30の情報受信部32はその情報を受信する(S31)。
【0034】
情報収集サーバ30の解析部33は、情報収集装置20から受信した802.11フレームに関する情報のMACアドレスについて、評価対象のアクセスポイント10のMACアドレスと同一か否かを調べる(S32)。同一ならば、その情報は評価対象のアクセスポイント10に関する情報と判定し(S32,Yes)、当該情報の受信回数NとMCS値を積算する(S33)。すなわち、前回までの受信回数Nに1を加え、前回までのMCS値と今回のMCS値(MCS arv)を加算する。ここで、前回の推奨/非推奨の判定から時間Tの経過を判定し(S34)、時間Tが経過するまで情報の受信回数NとMCS値の積算を繰り返す。時間Tが経過すると、受信回数NにおけるMCS値の平均値Y=MCS/Nを求め、MCS値の積算値および受信回数Nをリセットする(S35)。すなわち、前回の判定から時間Tが経過するまでMCS値を積算し、時間Tが経過した時点でMCS値の平均値Yに置き換える。
【0035】
このMCS値の平均値Yと所定の閾値THeおよびTHfを比較する(S36,S37)。ここで、THe>THfとする。
【0036】
Y≧THeの場合は、評価対象のアクセスポイント10のMCS値の平均値Yが高く、通信が良好であると判定し、当該アクセスポイントは推奨とする(S38)。また、Y≦THfの場合は、評価対象のアクセスポイント10のMCS値の平均値Yは低く、通信が良好でないと判定し、当該アクセスポイントは非推奨とする(S39)。なお、THe<Y<THfの場合は、当該アクセスポイントは非推奨または推奨の判定を保留するが、THe=THfの場合は判定保留がなく非推奨か推奨のいずれかとなる。
【0037】
(実施例4)
図5は、実施例4における情報収集サーバ30の処理手順例を示す。
図5において、SNMPマネージャ部31は、SNMPを用いて評価対象のアクセスポイント10からMACアドレスを受信する(S40)。情報収集装置20は、1個の802.11フレームを収集すると、ヘッダにあるMACアドレス、フレーム長、送信速度、MCS値を取り出して情報収集サーバ30に送信し、情報収集サーバ30の情報受信部32はその情報を受信する(S41)。
【0038】
情報収集サーバ30の解析部33は、情報収集装置20から受信した802.11フレームに関する情報のMACアドレスについて、評価対象のアクセスポイント10のMACアドレスと同一か否かを調べる(S42)。同一ならば、その情報は評価対象のアクセスポイント10に関する情報と判定し(S42,Yes )、実施例2と同様にチャネル使用時間ChUsageを積算し、さらに実施例3と同様に当該情報の受信回数NとMCS値を積算する(S43)。ここで、前回の推奨/非推奨の判定から時間Tの経過を判定し(S44)、時間Tが経過するまでチャネル使用時間ChUsage、情報の受信回数NとMCS値の積算を繰り返す。時間Tが経過すると、時間Tにおけるチャネル使用率X=ChUsage/T、受信回数NにおけるMCS値の平均値Y=MCS/Nを求め、チャネル使用時間ChUsage、MCS値の積算値および受信回数Nをリセットする(S45)。
【0039】
このチャネル使用率Xと所定の閾値THcおよびTHdを比較し、MCS値の平均値Yと所定の閾値THeを比較する(S46,S47)。ここで、THc>THdとする。
【0040】
X≧THcの場合は、評価対象のアクセスポイント10のチャネル使用率Xが高いと判定し、当該アクセスポイントは非推奨とする(S48)。また、X≦THdかつY≧THeの場合は、評価対象のアクセスポイント10のチャネル使用率Xに余裕があり、かつMCS値の平均値Yが高く、通信が良好であると判定し、当該アクセスポイントは推奨とする(S49)。なお、THd<X<THcまたはY<THeの場合は、当該アクセスポイントは非推奨または推奨の判定を保留する。
【0041】
(実施例5)
図6は、実施例5における情報収集サーバ30の処理手順例を示す。
図6において、SNMPマネージャ部31は、SNMPを用いて評価対象のアクセスポイント10からMACアドレスを受信する(S50)。情報収集装置20は、1個の802.11フレームを収集すると、ヘッダにあるMACアドレス、リトライビット値を取り出して情報収集サーバ30に送信し、情報収集サーバ30の情報受信部32はその情報を受信する(S51)。
【0042】
情報収集サーバ30の解析部33は、情報収集装置20から受信した802.11フレームに関する情報のMACアドレスについて、評価対象のアクセスポイント10のMACアドレスと同一か否かを調べる(S52)。同一ならば、その情報は評価対象のアクセスポイント10に関する情報と判定して当該情報の受信回数Nを積算し(S53)、さらに取得したリトライビット値が1、すなわち再送フレームならば(S54)、リトライ数Rを積算する(S55)。ここで、前回の推奨/非推奨の判定から時間Tの経過を判定し(S56)、時間Tが経過するまで情報の受信回数Nとリトライ数Rの積算を繰り返す。時間Tが経過すると、受信回数Nにおけるリトライ率Z=R/Nを求め、リトライ数Rおよび受信回数Nをリセットする(S57)。
【0043】
このリトライ率Zと所定の閾値THgおよびTHhを比較する(S58,S59)。ここで、THg>THhとする。
【0044】
Z≧THgの場合は、評価対象のアクセスポイント10のリトライ率Zが高く、通信が良好でないと判定し、当該アクセスポイントは非推奨とする(S60)。また、Z≦THhの場合は、評価対象のアクセスポイント10のリトライ率Zは低く、通信が良好と判定し、当該アクセスポイントは推奨とする(S61)。なお、THg<Z<THhの場合は、当該アクセスポイントは非推奨または推奨の判定を保留するが、THg=THhの場合は判定保留がなく非推奨か推奨のいずれかとなる。
【符号の説明】
【0045】
10 アクセスポイント
11 SNMPエージェント部
20 情報収集装置
21 情報収集部
22 情報送信部
30 情報収集サーバ
31 SNMPマネージャ部
32 情報受信部
33 解析部
34 可視化部
図1
図2
図3
図4
図5
図6