(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022106342
(43)【公開日】2022-07-20
(54)【発明の名称】アダマンタン化合物、そのアダマンタン化合物を含有する有機発光素子及びそのアダマンタン化合物を含有する電子輸送材料
(51)【国際特許分類】
C07D 251/24 20060101AFI20220712BHJP
C07D 401/10 20060101ALI20220712BHJP
C07D 405/10 20060101ALI20220712BHJP
C07D 471/04 20060101ALI20220712BHJP
C07D 401/14 20060101ALI20220712BHJP
C07D 213/22 20060101ALI20220712BHJP
C07F 9/53 20060101ALI20220712BHJP
C09K 11/06 20060101ALI20220712BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
C07D251/24 CSP
C07D401/10
C07D405/10
C07D471/04 104Z
C07D401/14
C07D213/22
C07F9/53
C09K11/06 690
H05B33/14 A
H05B33/22 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021001243
(22)【出願日】2021-01-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000173762
【氏名又は名称】公益財団法人相模中央化学研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 正夫
(74)【代理人】
【識別番号】100203312
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 敬孝
(72)【発明者】
【氏名】相原 秀典
(72)【発明者】
【氏名】林 和史
(72)【発明者】
【氏名】早川 直輝
(72)【発明者】
【氏名】松本 周也
(72)【発明者】
【氏名】山縣 拓也
(72)【発明者】
【氏名】服部 一希
(72)【発明者】
【氏名】尾池 華奈
【テーマコード(参考)】
3K107
4C055
4C063
4C065
4H050
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB02
3K107BB04
3K107CC14
3K107CC21
3K107DD75
3K107DD78
4C055AA01
4C055BA02
4C055BA03
4C055BA25
4C055CA01
4C055DA01
4C055DA08
4C055EA03
4C063AA01
4C063AA03
4C063BB06
4C063CC29
4C063CC43
4C063CC76
4C063DD12
4C063DD14
4C063DD16
4C063DD43
4C063EE05
4C065AA04
4C065AA18
4C065BB04
4C065CC01
4C065DD02
4C065EE02
4C065HH02
4C065JJ01
4C065KK09
4C065LL01
4C065PP03
4C065PP04
4C065PP11
4H050AA01
4H050AA03
4H050AB91
4H050AB92
(57)【要約】 (修正有)
【課題】長寿命で高い発光効率を発揮する有機発光素子を形成する、アダマンタン化合物、及びそのアダマンタン化合物を含む有機発光素子を提供する。
【解決手段】式(1)で示される特定の構造のアダマンタン化合物による。
式中、Adは式(2)で表される2価又は3価の連結基を表し、w
1は各々独立に、A、L又はZが結合していてもよいメチン基である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)で表されるアダマンタン化合物。
【化1】
式(1)中、
Adは、式(2)で表される2価又は3価の連結基である。
【化2】
式(2)中、
w
1は、各々独立に、A、L及びZからなる群より選ばれるいずれか1つが結合していてもよいメチン基である。
Aは、各々独立に、
アジン環のみで構成された;もしくは、アジン環ならびに該アジン環と連結及び/又は縮環していてもよい六員環のみで構成された;無置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、
該無置換のヘテロアリール基が、
炭素数1~30のアルキル基、
シアノ基、
フッ素原子、
炭素数1~10のアルコキシ基、
連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数6~30のアリール基、ならびに、
連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された炭素数2~30のヘテロアリール基、からなる群より選ばれる一つ以上の基で置換された、置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、又は、
式(3)で表される基である。
【化3】
式(3)中、
X
1及びX
2は、各々独立に、
窒素原子、又は、
R
1で置換されていてもよい炭素原子であり、
X
2の1つはLと結合している炭素原子であり、
X
2の少なくとも1つは窒素原子である。
R
1は、各々独立に、炭素数1~30のアルキル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数2~30のヘテロアリール基である。
隣接する2つのR
1は互いに結合して縮合環を形成していてもよい。
Yは、
R
2が結合した窒素原子、
酸素原子、
硫黄原子、又は、
1つ以上のR
2で置換されていてもよい炭素原子であり、
R
2は、各々独立に、炭素数1~30のアルキル基、炭素数6~30のアリール基、又は炭素数2~30のヘテロアリール基である。
隣接する2つのR
2は互いに結合して縮合環を形成していてもよい。
R
1及びR
2は、各々独立に、
炭素数1~30のアルキル基、
シアノ基、
フッ素原子、
炭素数1~10のアルコキシ基、
連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数6~30のアリール基、ならびに、
連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された炭素数2~30のヘテロアリール基からなる群より選ばれる一つ以上の基で置換されていてもよい。
Lは、各々独立に、炭素数6~30のアリーレン基、又は、炭素数2~30のヘテロアリーレン基である。
Zは、各々独立に、式(4)で表される基である。
【化4】
式(4)中、
m
1は、各々独立に、0~4の整数を表す。
m
2は、各々独立に、1~4の整数を表す。
L
1は、各々独立に、
炭素数6~30のアリーレン基、又は、
アジン環を含有する炭素数2~30のヘテロアリーレン基であり、
Ar
1は、各々独立に、
シアノ基、
炭素数1~30のアルキル基、
炭素数6~30のアリール基、
隣接原子との間に二重結合を形成している窒素原子、酸素原子、もしくは硫黄原子を含有する炭素数2~30のヘテロアリール基、又は、
式(5a)、(5b)、(5c)もしくは(5d)で表される基である。
【化5】
式(5a)~(5d)中、
R
3a~R
3hは、各々独立に、
水素原子、
炭素数1~30のアルキル基、
炭素数6~30のアリール基、又は、
炭素数2~30のヘテロアリール基であり、
隣接するR
3a及びR
3b;R
3c及びR
3d;並びにR
3f、R
3g及びR
3h;は、互いに結合して縮合環を形成していてもよい。
pは、各々独立に、0~4の整数を表す。
n
1及びn
2は、各々独立に、0~2の整数を表す。
n
1及びn
2は、1≦n
1+n
2≦2を満たす。
L、L
1及びAr
1は、各々独立に、
炭素数1~30のアルキル基、
シアノ基、
フッ素原子、
炭素数1~10のアルコキシ基、
連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数6~30のアリール基、ならびに、
連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された炭素数2~30のヘテロアリール基からなる群より選ばれる一つ以上の基で置換されていてもよい。
ただし、式(1)で表される化合物は、
式(T)で表される基を分子内に少なくとも一つ有し、かつ、
トリアジン環を2つ以上有しない。
【化6】
式(T)中、
X
3は、各々独立に、
窒素原子、又は、
R
5で置換されていてもよい炭素原子であり、
3つのX
3のうち少なくとも一つは窒素原子である。
R
4は、各々独立に、炭素数6~20のアリール基、又は、炭素数2~20のヘテロアリール基である。
R
4は、
炭素数1~10のアルキル基、
シアノ基、
フッ素原子、
炭素数1~10のアルコキシ基
連結及び/又は縮環していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数6~20のアリール基、ならびに、
連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された炭素数2~20のヘテロアリール基からなる群より選ばれる一つ以上の基で置換されていてもよい。
R
5は、各々独立に、炭素数1~10のアルキル基、シアノ基、フッ素原子、炭素数6~20のアリール基、又は炭素数6~20のヘテロアリール基であり、
隣接するR
4とR
5とは互いに結合して縮合環を形成していてもよい。
ただし前記一般式(1)で表される化合物において、下記基(E)が、
【化7】
下記基(F)および(G)の少なくとも一方の基と、異なる組成式を有する。
【化8】
【請求項2】
式(1a)又は(1b)で表される請求項1に記載のアダマンタン化合物。
【化9】
【化10】
式中、A、L、Z及びpは前記と同じ意味を表す。
【請求項3】
式(1c)、(1d)又は(1e)で表される請求項1又は2に記載のアダマンタン化合物。
【化11】
【化12】
【化13】
式中、A、L、Z及びpは前記と同じ意味を表す。
【請求項4】
前記Aが、各々独立に、前記無置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、又は、前記置換の炭素数2~30のヘテロアリール基である、請求項1~3のいずれか1項に記載のアダマンタン化合物。
【請求項5】
前記R5が、各々独立に、炭素数1~10のアルキル基、シアノ基、フッ素原子、又は炭素数6~20のアリール基である、請求項1~4のいずれか1項に記載のアダマンタン化合物。
【請求項6】
前記X3がすべて窒素原子である、請求項1~5のいずれか1項に記載のアダマンタン化合物。
【請求項7】
前記Ar1が、各々独立に、
シアノ基、又は、
置換基を有していてもよい、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、アントリル基、フェナントリル基、ベンゾフルオレニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、アセナフチル基、ジベンゾクリセニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、キサンテニル基、チオキサンテニル基、トリアジル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、キナゾリル基、もしくはシンノリル基であり、
前記Ar1が有する置換基が、フェニル基、トリル基、ピリジル基、メチルピリジル基、ジメチルピリジル基、フッ素原子、シアノ基、炭素数1~4のアルキル基、及び炭素数1~4のアルコキシ基、ならびに、これらの置換基が結合して形成された環からなる群から選ばれる一つ以上の置換基であり、
前記L及びL1が、各々独立に、置換基を有していてもよい、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、アントリレン基、フェナントリレン基、ベンゾフルオレニレン基、ピレニレン基、ペリレニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、クリセニレン基、アセナフチレン基、ジベンゾクリセニレン、ベンゾフラニレン基、ベンゾチエニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチエニレン基、キサンテニレン基、又はチオキサンテニレン基であり、
前記L、及びL1が有する置換基が、フェニル基、トリル基、ピリジル基、メチルピリジル基、ジメチルピリジル基、フッ素原子、シアノ基、炭素数1~4のアルキル基、及び炭素数1~4のアルコキシ基、ならびに、これらの置換基が結合して形成された環からなる群から選ばれる一つ以上の置換基である、請求項1~6のいずれか1項に記載のアダマンタン化合物。
【請求項8】
前記Ar1が、各々独立に、
シアノ基、又は、
置換基を有していてもよい、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基又はキサンテニル基であり、
前記Ar1が有する置換基が、フェニル基、トリル基、ピリジル基、フッ素原子、シアノ基、炭素数1~4のアルキル基、及び炭素数1~4のアルコキシ基、ならびに、これらの置換基が結合して形成された環からなる群から選ばれる一つ以上の置換基であり、
前記L及びL1が、各々独立に、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、アントリレン基、又はフェナントリレン基である請求項1~7のいずれか1項に記載のアダマンタン化合物。
【請求項9】
第一電極、
該第一電極に対向して備えられた第二電極、及び、
該第一電極と該第二電極との間に備えられた複数の有機物層を含む有機発光素子であって、
該複数の有機物層のうちの1層以上に、請求項1~8のいずれか1項に記載のアダマンタン化合物を含む有機発光素子。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか1項に記載のアダマンタン化合物を含む電子輸送材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アダマンタン化合物、そのアダマンタン化合物を含有する有機発光素子及びそのアダマンタン化合物を含有する電子輸送材料に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子は、小型モバイル用途を中心に実用化が始まっている。しかしながら、更なる用途拡大には性能向上が必須であり、低駆動電圧、高い発光効率特性を持ちながら長寿命特性を有する材料が求められている。
【0003】
特許文献1、2及び3は、それぞれ、有機発光素子用の材料であるアダマンタン部位を含む材料を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2017/205425号公報
【特許文献2】中国特許出願公開111039882号公報
【特許文献3】韓国特許出願公開1020200026124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
用途並びに使用可能な環境の拡大に必要な、駆動電圧、発光効率、寿命特性の3つの特性に関して、特許文献1~3にかかるアダマンタン部位を含む材料はこれらを十分に満たしているとはいえず、長寿命で、高い発光効率を達成したものが求められている。
【0006】
そこで、本発明の一態様は、長寿命で高い発光効率を発揮する有機発光素子の形成に資するアダマンタン化合物、及び該アダマンタン化合物を含む電子輸送材料を提供することに向けられている。また、本発明の他の態様は、長寿命で高い発光効率を発揮する有機発光素子を提供することに向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の各態様は以下のとおりである。
1) 式(1)で表されるアダマンタン化合物。
【0008】
【化1】
式(1)中、
Adは、式(2)で表される2価又は3価の連結基である。
【0009】
【化2】
式(2)中、
w
1は、各々独立に、A、L及びZからなる群より選ばれるいずれか1つが結合していてもよいメチン基である。
Aは、各々独立に、
アジン環のみで構成された;もしくは、アジン環ならびに該アジン環と連結及び/又は縮環していてもよい六員環のみで構成された;無置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、
該無置換のヘテロアリール基が、
炭素数1~30のアルキル基、
シアノ基、
フッ素原子、
炭素数1~10のアルコキシ基、
連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数6~30のアリール基、ならびに、
連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された炭素数2~30のヘテロアリール基、からなる群より選ばれる一つ以上の基で置換された、置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、又は、
式(3)で表される基である。
【0010】
【化3】
式(3)中、
X
1及びX
2は、各々独立に、
窒素原子、又は、
R
1で置換されていてもよい炭素原子であり、
X
2の1つはLと結合している炭素原子であり、
X
2の少なくとも1つは窒素原子である。
R
1は、各々独立に、炭素数1~30のアルキル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数2~30のヘテロアリール基である。
隣接する2つのR
1は互いに結合して縮合環を形成していてもよい。
Yは、
R
2が結合した窒素原子、
酸素原子、
硫黄原子、又は、
1つ以上のR
2で置換されていてもよい炭素原子であり、
R
2は、各々独立に、炭素数1~30のアルキル基、炭素数6~30のアリール基、又は炭素数2~30のヘテロアリール基である。
隣接する2つのR
2は互いに結合して縮合環を形成していてもよい。
R
1及びR
2は、各々独立に、
炭素数1~30のアルキル基、
シアノ基、
フッ素原子、
炭素数1~10のアルコキシ基、
連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数6~30のアリール基、ならびに、
連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された炭素数2~30のヘテロアリール基からなる群より選ばれる一つ以上の基で置換されていてもよい。
Lは、各々独立に、炭素数6~30のアリーレン基、又は、炭素数2~30のヘテロアリーレン基である。
Zは、各々独立に、式(4)で表される基である。
【0011】
【化4】
式(4)中、
m
1は、各々独立に、0~4の整数を表す。
m
2は、各々独立に、1~4の整数を表す。
L
1は、各々独立に、
炭素数6~30のアリーレン基、又は、
アジン環を含有する炭素数2~30のヘテロアリーレン基であり、
Ar
1は、各々独立に、
シアノ基、
炭素数1~30のアルキル基、
炭素数6~30のアリール基、
隣接原子との間に二重結合を形成している窒素原子、酸素原子、もしくは硫黄原子を含有する炭素数2~30のヘテロアリール基、又は、
式(5a)、(5b)、(5c)もしくは(5d)で表される基である。
【0012】
【化5】
式(5a)~(5d)中、
R
3a~R
3hは、各々独立に、
水素原子、
炭素数1~30のアルキル基、
炭素数6~30のアリール基、又は、
炭素数2~30のヘテロアリール基であり、
隣接するR
3a及びR
3b;R
3c及びR
3d;並びにR
3f、R
3g及びR
3h;は、互いに結合して縮合環を形成していてもよい。
pは、各々独立に、0~4の整数を表す。
n
1及びn
2は、各々独立に、0~2の整数を表す。
n
1及びn
2は、1≦n
1+n
2≦2を満たす。
L、L
1及びAr
1は、各々独立に、
炭素数1~30のアルキル基、
シアノ基、
フッ素原子、
炭素数1~10のアルコキシ基、
連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数6~30のアリール基、ならびに、
連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された炭素数2~30のヘテロアリール基からなる群より選ばれる一つ以上の基で置換されていてもよい。
ただし、式(1)で表される化合物は、
式(T)で表される基を分子内に少なくとも一つ有し、かつ、
トリアジン環を2つ以上有しない。
【0013】
【0014】
式(T)中、
X3は、各々独立に、
窒素原子、又は、
R5で置換されていてもよい炭素原子であり、
3つのX3のうち少なくとも一つは窒素原子である。
R4は、各々独立に、炭素数6~20のアリール基、又は、炭素数2~20のヘテロアリール基である。
R4は、
炭素数1~10のアルキル基、
シアノ基、
フッ素原子、
炭素数1~10のアルコキシ基
連結及び/又は縮環していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数6~20のアリール基、ならびに、
連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された炭素数2~20のヘテロアリール基からなる群より選ばれる一つ以上の基で置換されていてもよい。
R5は、各々独立に、炭素数1~10のアルキル基、シアノ基、フッ素原子、炭素数6~20のアリール基、又は炭素数6~20のヘテロアリール基であり、
隣接するR4とR5とは互いに結合して縮合環を形成していてもよい。
ただし前記一般式(1)で表される化合物において、下記基(E)が、
【0015】
【化7】
下記基(F)および(G)の少なくとも一方の基と、異なる組成式を有する。
【0016】
【0017】
2) 第一電極、
該第一電極に対向して備えられた第二電極、及び、
該第一電極と該第二電極との間に備えられた複数の有機物層を含む有機発光素子であって、
該複数の有機物層のうちの1層以上に、1)に記載のアダマンタン化合物を含む有機発光素子。
3) 1)に記載のアダマンタン化合物を含む電子輸送材料。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一態様によれば、長寿命で高い発光効率を発揮する有機発光素子の形成に資するアダマンタン化合物、及び該アダマンタン化合物を含む電子輸送材料を提供することができる。
【0019】
また、本発明の他の態様によれば、長寿命で高い発光効率を発揮する有機発光素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一態様にかかる有機発光素子の積層構成の一例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一態様にかかるアダマンタン化合物(以下、アダマンタン化合物(1)と称することもある。)について詳細に説明する。
【0022】
本発明の一態様にかかる化合物は、式(1)で表されるアダマンタン化合物である。
【0023】
【0024】
[Adについて]
式(1)中、Adは、式(2)で表される2価又は3価の連結基である。
【0025】
【化10】
式(2)中、
w
1は、各々独立に、A、L及びZからなる群より選ばれるいずれか1つが結合していてもよいメチン基である。
【0026】
[Aについて]
Aは、各々独立に、
アジン環のみで構成された;もしくは、アジン環ならびに該アジン環と連結及び/又は縮環していてもよい六員環のみで構成された;無置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、
該無置換のヘテロアリール基が、
炭素数1~30のアルキル基、
シアノ基、
フッ素原子、
炭素数1~10のアルコキシ基、
連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数6~30のアリール基、ならびに、
連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された炭素数2~30のヘテロアリール基、からなる群より選ばれる一つ以上の基で置換された、置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、又は、
式(3)で表される基である。
【0027】
【化11】
式(3)中、
X
1及びX
2は、各々独立に、
窒素原子、又は、
R
1で置換されていてもよい炭素原子であり、
X
2の1つはLと結合している炭素原子であり、
X
2の少なくとも1つは窒素原子である。
R
1は、各々独立に、炭素数1~30のアルキル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数2~30のヘテロアリール基である。
隣接する2つのR
1は互いに結合して縮合環を形成していてもよい。
Yは、
R
2が結合した窒素原子、
酸素原子、
硫黄原子、又は、
1つ以上のR
2で置換されていてもよい炭素原子であり、
R
2は、各々独立に、炭素数1~30のアルキル基、炭素数6~30のアリール基、又は炭素数2~30のヘテロアリール基である。
隣接する2つのR
2は互いに結合して縮合環を形成していてもよい。
R
1及びR
2は、各々独立に、
炭素数1~30のアルキル基、
シアノ基、
フッ素原子、
炭素数1~10のアルコキシ基、
連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数6~30のアリール基、ならびに、
連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された炭素数2~30のヘテロアリール基からなる群より選ばれる一つ以上の基で置換されていてもよい。
Lは、各々独立に、炭素数6~30のアリーレン基、又は、炭素数2~30のヘテロアリーレン基である。
Zは、各々独立に、式(4)で表される基である。
Aが、各々独立に、前記無置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、又は、前記置換の炭素数2~30のヘテロアリール基であることが好ましい。
【0028】
[[無置換の炭素数2~30のヘテロアリール基について]]
Aで表される無置換のヘテロアリール基としては、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、トリアジニル基、テトラジニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、キナゾリル基、シンノリル基、フタラジニル基、プテリジニル基、フェニルピリジル基、ピリジルフェニル基、ベンゾキノリル基、フェナントリジニル基、フェナントロリニル基、ナフチリジニル基、ベンゾナフチリジニル基、アクリジニル基、フェナジニル基、アンチリジニル基、アザピレニル基、ベンゾシンノリニル基、ベンゾフェナントリジニル基、フェナントラジニル基、オクタアザフェナントラジニル基、アントラジニル基、ピリドピリミジニル基、ピリドピラジニル基、ビピリジル基、ビピラジル基、ビピリミジル基、ビピリダジル基、テルピリジニル基、ビキノリル基、ビナフチリジニル基、ジピリドフェナジニル基、ベンゾキナゾリニル基、ベンゾキノキサリニル基、ジベンゾキノキサリニル基、ジピリドフェナジリニル基、フェニルキノリニル基、フェニルイソキノリニル基、フェニルキノキサリル基、フェニルキナゾリル基、フェニルシンノリル基、フェニルフタラジニル基、ジフェニルピリジル基、ジフェニルトリアジニル基、ビスナフチルトリアジニル基、ビスビフェニリルトリアジニル基、ピリジルテルピリジニル基、フェニルキノキサリニル基、ジフェニルキノキサリニル基、ジフェニルジベンゾキノキサリニル基、ナフチルピリジル基等を例示することができる。
【0029】
有機発光素子における性能がよい点で、無置換のヘテロアリール基は、炭素数2~20のヘテロアリール基であることが好ましく、トリアジニル基、ピリジル基、ピリミジル基、フェニルピリジル基、ジフェニルピリジル基、ジフェニルピリミジル基、キノリル基、ジフェニルトリアジニル基、又は、アクリジニル基であることがさらに好ましい。
【0030】
[[置換の炭素数2~30のヘテロアリール基について]]
Aで表される無置換のヘテロアリール基は、炭素数1~30のアルキル基で置換されていてもよい。該アルキル基は直鎖状、分岐状、環状アルキル基のいずれでもよい。該アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2-メチルプロピル基、シクロプロピル基、メチルシクロプロピル基、ブチル基、2-ブチル基、tert-ブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、2,2-ジメチルペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、2-メチルヘプチル基、シクロへプチル基、オクチル基、2-メチルオクチル基、シクロオクチル基、ノニル基、2-メチルノニル基、シクロノニル基、デシル基、シクロデシル基、ウンデシル基、2-メチルウンデシル基、シクロウンデシル基、ドデシル基、シクロドデシル基、トリデシル基、シクロトリデシル基、テトラデシル基、シクロテトラデシル基、ペンタデシル基、シクロペンタデシル基、ヘキサデシル基、シクロヘキサデシル基、ヘプタデシル基、シクロヘプタデシル基、オクタデシル基、シクロオクタデシル基、ノナデシル基、シクロノナデシル基、イコシル基、シクロイコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基が例示できる。
【0031】
有機発光素子における性能がよい点で、炭素数1~10のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基であることがさらに好ましい。
【0032】
Aで表される無置換のヘテロアリール基は、炭素数1~10のアルコキシ基で置換されていてもよい。該アルコキシ基は直鎖状、分岐状、環状アルキル基のいずれでもよい。該アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、2-メチルプロポキシ基、シクロプロポキシ基、メチルシクロプロポキシ基、ブトキシ基、2-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、2-メチルブトキシ基、3-メチルブトキシ基、2,3-ジメチルブトキシ基、2-エチルブトキシ基、シクロブトキシ基、ペンチルオキシ基、2-メチルペンチルオキシ基、3-メチルペンチルオキシ基、4-メチルペンチルオキシ基、2,2-ジメチルペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、2-メチルヘキシルオキシ基、3-メチルヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、2-メチルヘプチルオキシ基、シクロへプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2-メチルオクチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、ノニルオキシ基、2-メチルノニルオキシ基、シクロノニルオキシ基、デシルオキシ基、シクロデシルオキシ基が例示できる。
【0033】
アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で、炭素数1~6のアルコキシ基であることが好ましく、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基であることがさらに好ましい。
【0034】
Aで表される無置換のヘテロアリール基は、連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数6~30のアリール基で置換されていてもよい。該アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、ビナフチル基、テルフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、テトラセニル基、ピレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、アセナフチル基、ペリレニル基、ペンタセニル基、ペンタフェニル基、ベンゾピレニル基、ナフトピレニル基、ジベンゾクリセニル基、ベンズアントラセニル基、ベンゾフェナントリル基、ベンゾフルオランテニル基、ジベンゾアントラセニル基、ピセニル基、テトラフェニレニル基、アンタントレニル基、ベンゾペリレニル基、コランニュレニル基、コロネニル基、ヘキサセニル基、ヘキサフェニル基、ヘプタセニル基、ヘプタフェニル基、ゼトレニル基、アセフェナントリル基、アセアントリレニル基、ベンゾアセフェナントリル基、クアテルフェニリル基、キンクフェニリル基、ジベンゾペンタフェニル基、ルビセニル基、トリナフチレニル基、ピラントレニル基、ジフェニルアントリル基が例示できる。
【0035】
有機発光素子における性能がよい点で、炭素数6~20のアリール基であることが好ましく、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、フェナントリル基であることがさらに好ましい。
【0036】
Aで表される無置換のヘテロアリール基は、連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された炭素数2~30のヘテロアリール基で置換されていてもよい。該ヘテロアリール基としては、例えば、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、トリアジニル基、テトラジニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、キナゾリル基、シンノリル基、フタラジニル基、プテリジニル基、フェニルピリジル基、ピリジルフェニル基、ベンゾキノリル基、フェナントリジニル基、フェナントロリニル基、ナフチリジニル基、ベンゾナフチリジニル基、アクリジニル基、フェナジニル基、アンチリジニル基、アザピレニル基、ベンゾシンノリニル基、ベンゾフェナントリジニル基、フェナントラジニル基、オクタアザフェナントラジニル基、アントラジニル基、ピリドピリミジニル基、ピリドピラジニル基、ビピリジル基、ビピラジル基、ビピリミジル基、ビピリダジル基、テルピリジニル基、ビキノリル基、ビナフチリジニル基、ジピリドフェナジニル基、ベンゾキナゾリニル基、ベンゾキノキサリニル基、ジベンゾキノキサリニル基、ジピリドフェナジリニル基、フェニルキノリニル基、フェニルイソキノリニル基、フェニルキノキサリル基、フェニルキナゾリル基、フェニルシンノリル基、フェニルフタラジニル基、ジフェニルピリジル基、ジフェニルトリアジニル基、ビスナフチルトリアジニル基、ビスビフェニリルトリアジニル基、ピリジルテルピリジニル基、フェニルキノキサリニル基、ジフェニルキノキサリニル基、ジフェニルジベンゾキノキサリニル基、ナフチルピリジル基が例示できる。
【0037】
アダマンタン化合物(1)の電子輸送特性が優れる点で、該ヘテロアリール基は、フェニル基、ナフチル基又はビフェニリル基で置換された1,3,5-トリアジニル基であることが好ましい。
【0038】
[[式(3)について]]
R1及びR2で表される炭素数1~30のアルキル基としては、前述の置換の炭素数2~30のヘテロアリール基にて例示した炭素数1~30のアルキル基と同様のものを例示ができる。合成が容易な点で、炭素数1~10のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基であることがさらに好ましい。
【0039】
R1及びR2で表される炭素数6~30のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、ビナフチル基、テルフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、テトラセニル基、ピレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、アセナフチル基、ペリレニル基、ペンタセニル基、ペンタフェニル基、ベンゾピレニル基、ナフトピレニル基、ジベンゾクリセニル基、ベンズアントラセニル基、ベンゾフェナントリル基、ベンゾフルオランテニル基、ジベンゾアントラセニル基、ピセニル基、テトラフェニレニル基、アンタントレニル基、ベンゾペリレニル基、コランニュレニル基、コロネニル基、ヘキサセニル基、ヘキサフェニル基、ヘプタセニル基、ヘプタフェニル基、ゼトレニル基、アセフェナントリル基、アセアントリレニル基、ベンゾアセフェナントリル基、クアテルフェニリル基、キンクフェニリル基、ジベンゾペンタフェニル基、ルビセニル基、トリナフチレニル基、ピラントレニル基、ジフェニルアントリル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、トルキセニル基が例示できる。
【0040】
R1及びR2で表される炭素数2~30のヘテロアリール基としては、例えば、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、キサンテニル基、チオキサンテニル基、ベンゾキサンテニル基、ベンゾチオキサンテニル基が例示できる。合成が容易な点で、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、フェナントリル基、ピリジル基、フルオレニル基、ジベンゾフラニル基もしくはジベンゾチエニル基であることが好ましい。
【0041】
R1及びR2で表される炭素数1~30のアルキル基、炭素数6~30のアリール基及び炭素数2~30のヘテロアリール基は、炭素数1~30のアルキル基で置換されていてもよく、前述の置換の炭素数2~30のヘテロアリール基にて例示した炭素数1~30のアルキル基と同様のものを例示することができる。
【0042】
アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で、炭素数1~10のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基であることがさらに好ましい。
【0043】
R1及びR2で表される炭素数1~30のアルキル基、炭素数6~30のアリール基及び炭素数2~30のヘテロアリール基は、炭素数1~10のアルコキシ基で置換されていてもよく、前述の置換の炭素数2~30のヘテロアリール基にて例示した炭素数1~10のアルコキシ基と同様のものを例示することができる。
【0044】
アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で、炭素数1~6のアルコキシ基であることが好ましく、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基であることがさらに好ましい。
【0045】
R1及びR2で表される炭素数1~30のアルキル基、炭素数6~30のアリール基及び炭素数2~30のヘテロアリール基は、連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数6~30のアリール基で置換されていてもよく、前述の置換の炭素数2~30のヘテロアリール基にて例示した、連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数6~30のアリール基と同様のものを例示することができる。
【0046】
アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で、炭素数6~20のアリール基であることが好ましく、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、フェナントリル基であることがさらに好ましい。
【0047】
式(3)におけるR1及びR2で表される炭素数1~30のアルキル基、炭素数6~30のアリール基及び炭素数2~30のヘテロアリール基は、連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された炭素数2~30のヘテロアリール基で置換されていてもよく、前述の置換の炭素数2~30のヘテロアリール基にて例示した、連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数2~30のヘテロアリール基と同様のものを例示することができる。
【0048】
アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で、炭素数4~18のヘテロアリール基であることが好ましく、ピリジル基、ピリミジル基、トリアジニル基、キノリル基、フェニルピリジル基、ピリジルフェニル基、ジフェニルトリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基であることがさらに好ましい。
【0049】
式(3)で表される基としては、例えば、式(3-1)~(3-51)で示される基が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。これらのうち、有機発光素子における性能がよい点で、式(3-1)で示される基が好ましい。
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
[Lについて]
前記Lは、各々独立に、炭素数6~30のアリーレン基、又は、炭素数2~30のヘテロアリーレン基である。
【0054】
Lで表される炭素数6~30のアリーレン基としては、例えば、1,2-フェニレン基、1,3-フェニレン基、1,4-フェニレン基、1,4-ナフチレン基、1,5-ナフチレン基、2,6-ナフチレン基、9,10-アントリレン基、1,8-アントリレン基、1,2-フェナントリレン基、9,10-フェナントリレン基、2,9-フェナントリレン基、3,9-フェナントリレン基、3,10-フェナントリレン基、ナフタセン-1,2-ジイル基、ナフタセン-2,3-ジイル基、ナフタセン-1,12-ジイル基、ナフタセン-5,6-ジイル基、ピレン-1,6-ジイル基、1,8-ピレニレン基、2,7-ピレニレン基、ビフェニル-2,2’-ジイル基、ビフェニル-4,4’-ジイル基、ビフェニル-3,4’-ジイル基、ビフェニル-2,3-ジイル基、ビフェニル-3,4-ジイル基、p-テルフェニル-4,4’’-ジイル基、m-テルフェニル-4,4’’-ジイル基、p-テルフェニル-3,3’’-ジイル基、o-テルフェニル-4,4’’-ジイル基、o-テルフェニル-3,3’’-ジイル基、クリセン-6,12-ジイル基、コロネン-1,8-ジイルトリフェニレン-2,7-ジイル基、ビナフチル-2,2’-ジイル基等が挙げられる。
【0055】
該アリーレン基は、アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で、炭素数6~18のアリーレン基であることが好ましく、1,2-フェニレン基、1,3-フェニレン基、1,4-フェニレン基、ビフェニル-4,4’-ジイル基、ビフェニル-3,4’-ジイル基、2,9-フェナントリレン基であることがさらに好ましい。
【0056】
Lで表される炭素数2~30のヘテロアリーレン基としては、例えば、2,4-ピリジレン基、2,5-ピリジレン基、2,6-ピリジレン基、2,5-ピラジレン基、2,5-ピリミジレン基、2,4-キノリレン基、2,6-キノリレン基、1,3-イソキノリレン基、2,6-キノキサリレン基、5,8-キノキサリレン基、5,8-キナゾリレン基、5,8-シンノリレン基、5,8-フタラジニレン基、4,4’-フェニルピリジレン基、4,7-フェナントリレン基、2,2’-ビピリジン-4,4’-イル基、2,2’-ビピリジン-3,3’-イル基、3,3’-ビピリジン-4,4’-イル基、3,3’-ビピリジン-5,5’-イル基、4,4’-ビピリジン-3,5’-イル基、2,2’-ビキノリン-1,1’-イル基、4,7-ジフェニルフェナントレン-2,9-イル基等が挙げられる。
【0057】
該ヘテロアリーレン基は、炭素数4~11のヘテロアリーレン基であることが好ましく、合成が容易な点で2,4-ピリジレン基、2,5-ピリジレン基、2,6-ピリジレン基、2,5-ピラジレン基、2,5-ピリミジレン基、2,4-キノリレン基、2,6-キノリレン基であることがさらに好ましい。
【0058】
Lで表される炭素数6~30のアリーレン基、及び炭素数2~30のヘテロアリーレン基は、各々独立に、
炭素数1~30のアルキル基、
シアノ基、
フッ素原子、
炭素数1~10のアルコキシ基、
連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数6~30のアリール基、ならびに、
連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数2~30のヘテロアリール基、からなる群より選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい。該炭素数1~30のアルキル基としては、前述の置換の炭素数2~30のヘテロアリール基にて例示した炭素数1~30のアルキル基と同様のものを例示することができる。
【0059】
アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で、炭素数1~10のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基であることがさらに好ましい。
【0060】
連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数6~30のアリール基としては、前述の置換の炭素数2~30のヘテロアリール基にて例示した、連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数6~30のアリール基と同様のものを例示することができる。
【0061】
アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で炭素数6~20のアリール基であることが好ましく、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アントリル基、フェナントリル基であることがさらに好ましい。
【0062】
連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数2~30のヘテロアリール基としては、前述の置換の炭素数2~30のヘテロアリール基にて例示した、連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数2~30のヘテロアリール基と同様のものを例示することができる。
【0063】
アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で、炭素数4~23の該ヘテロアリール基であることが好ましく、ピリジル基、ピリミジル基、トリアジニル基、キノリル基、ピリジルフェニル基、ジフェニルトリアジニル基、ビスナフチルトリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基であることがさらに好ましい。
【0064】
Lが有する置換基が、フェニル基、トリル基、ピリジル基、メチルピリジル基、ジメチルピリジル基、フッ素原子、シアノ基、炭素数1~4のアルキル基、及び炭素数1~4のアルコキシ基、ならびに、これらの置換基が結合して形成された環からなる群から選ばれる一つ以上の置換基であることがさらに好ましい。
【0065】
Lが、各々独立に、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、アントリレン基、又はフェナントリレン基であることがさらに好ましい。
【0066】
[Zについて]
前記Zは、各々独立に、式(4)で表される基である。
【0067】
【0068】
式(4)中、
m1は、各々独立に、0~4の整数を表す。
m2は、各々独立に、1~4の整数を表す。
L1は、各々独立に、
炭素数6~30のアリーレン基、又は、
アジン環を含有する炭素数2~30のヘテロアリーレン基であり、
Ar1は、各々独立に、
シアノ基、
炭素数1~30のアルキル基、
炭素数6~30のアリール基、
隣接原子との間に二重結合を形成している窒素原子、酸素原子、もしくは硫黄原子を含有する炭素数2~30のヘテロアリール基、又は、
式(5a)、(5b)、(5c)もしくは(5d)で表される基である。
【0069】
【0070】
式(5a)~(5d)中、
R3a~R3hは、各々独立に、
水素原子、
炭素数1~30のアルキル基、
炭素数6~30のアリール基、又は、
炭素数2~30のヘテロアリール基であり、
隣接するR3a及びR3b;R3c及びR3d;並びにR3f、R3g及びR3h;は、互いに結合して縮合環を形成していてもよい。
【0071】
[[L1について]]
L1で表される炭素数6~30のアリーレン基としては、Lにて例示した炭素数6~30のアリーレン基と同様のものを例示することができる。中でも、アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で、炭素数6~18のアリーレン基であることが好ましく、1,2-フェニレン基、1,3-フェニレン基、1,4-フェニレン基、ビフェニル-4,4’-ジイル基、3,9-フェナントリレン基、3,10-フェナントリレン基であることがさらに好ましい。
【0072】
L1で表されるアジン環を含有する炭素数2~30のヘテロアリーレン基としては、Lにて例示した炭素数2~30のヘテロアリーレン基と同様のものを例示することができる。中でも合成が容易な点で、炭素数4~12のヘテロアリーレン基であることが好ましく、2,4-ピリジレン基、2,5-ピリジレン基、2,6-ピリジレン基、2,5-ピラジレン基、2,5-ピリミジレン基、2,4-キノリレン基、2,6-キノリレン基であることがさらに好ましい。
【0073】
L1で表される基は、各々独立に、
炭素数1~30のアルキル基、
シアノ基、
フッ素原子、
炭素数1~10のアルコキシ基、
連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数6~30のアリール基、ならびに、
連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数2~30のヘテロアリール基からなる群より選ばれる一つ以上の基で置換されていてもよい。該炭素数1~30のアルキル基としては、前述の置換の炭素数2~30のヘテロアリール基にて例示した炭素数1~30のアルキル基と同様のものを例示することができる。
【0074】
これらのうち、アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で炭素数1~18のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ペンチルシクロヘキシル基がさらに好ましい。
【0075】
炭素数1~10のアルコキシ基としては、前述の置換の炭素数2~30のヘテロアリール基にて例示した炭素数1~10のアルコキシ基と同様のものを例示することができる。これらのうち、
【0076】
アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で炭素数1~6のアルコキシ基であることが好ましく、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基であることがさらに好ましい。
【0077】
連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数6~30のアリール基としては、前述の置換の炭素数2~30のヘテロアリール基にて例示した、連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数6~30のアリール基と同様のものを例示することができる。
【0078】
これらのうち、アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で、炭素数6~20のアリール基であることが好ましく、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アントリル基、フェナントリル基であることがさらに好ましい。
【0079】
連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数2~30のヘテロアリール基としては、前述の置換の炭素数2~30のヘテロアリール基にて例示した、連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数2~30のヘテロアリール基と同様のものを例示することができる。
【0080】
これらのうち、アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で、炭素数4~23のヘテロアリール基であることが好ましく、ピリジル基、ピリミジル基、トリアジニル基、キノリル基、ピリジルフェニル基、ジフェニルトリアジニル基、ビスナフチルトリアジニル基、ジベンゾフラニル基もしくはジベンゾチエニル基であることがさらに好ましい。
【0081】
L1が、各々独立に、置換基を有していてもよい、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、アントリレン基、フェナントリレン基、ベンゾフルオレニレン基、ピレニレン基、ペリレニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、クリセニレン基、アセナフチレン基、ジベンゾクリセニレン、ベンゾフラニレン基、ベンゾチエニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチエニレン基、キサンテニレン基、又はチオキサンテニレン基であることが好ましい。
L1が、各々独立に、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、アントリレン基、又はフェナントリレン基であることがさらに好ましい。
【0082】
L1が有する置換基が、フェニル基、トリル基、ピリジル基、メチルピリジル基、ジメチルピリジル基、フッ素原子、シアノ基、炭素数1~4のアルキル基、及び炭素数1~4のアルコキシ基、ならびに、これらの置換基が結合して形成された環からなる群から選ばれる一つ以上の置換基であることがより好ましい。
【0083】
[[Ar1について]]
Ar1で表される炭素数1~30のアルキル基としては、前述の置換の炭素数2~30のヘテロアリール基にて例示した炭素数1~30のアルキル基と同様のものを例示することができる。中でも、合成が容易な点で、炭素数1~18のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ペンチルシクロヘキシル基であることがさらに好ましい。
【0084】
Ar1で表される炭素数6~30のアリール基としては、前述の置換の炭素数2~30のヘテロアリール基にて例示した炭素数6~30のアリール基と同様のものを例示することができる。中でも、合成が容易な点で、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、アントリル基、フェナントリル基、ベンゾフルオレニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、アセナフチル基、ジベンゾクリセニル基であることが好ましく、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基であることがさらに好ましい。
【0085】
Ar1で表される、隣接原子との間に二重結合を形成している窒素原子、酸素原子、もしくは硫黄原子を含有する炭素数2~30のヘテロアリール基としては、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、トリアジニル基、テトラジニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、キナゾリル基、シンノリル基、フタラジニル基、プテリジニル基、フェニルピリジル基、ピリジルフェニル基、ベンゾキノリル基、フェナントリジニル基、フェナントロリニル基、ナフチリジニル基、ベンゾナフチリジニル基、アクリジニル基、フェナジニル基、アンチリジニル基、アザピレニル基、ベンゾシンノリニル基、ベンゾフェナントリジニル基、フェナントラジニル基、オクタアザフェナントラジニル基、アントラジニル基、ピリドピリミジニル基、ピリドピラジニル基、ビピリジル基、ビピラジル基、ビピリミジル基、ビピリダジル基、テルピリジニル基、ビキノリル基、ビナフチリジニル基、ジピリドフェナジニル基、ベンゾキナゾリニル基、ベンゾキノキサリニル基、ジベンゾキノキサリニル基、ジピリドフェナジリニル基、フェニルキノリニル基、フェニルイソキノリニル基、フェニルキノキサリル基、フェニルキナゾリル基、フェニルシンノリル基、フェニルフタラジニル基、ジフェニルピリジル基、ジフェニルトリアジニル基、ビスナフチルトリアジニル基、ビスビフェニリルトリアジニル基、ピリジルテルピリジニル基、フェニルキノキサリニル基、ジフェニルキノキサリニル基、ジフェニルジベンゾキノキサリニル基、ナフチルピリジル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、ベンゾナフトフラニル基、ベンゾナフトチエニル基、ジナフトフラニル基、ジナフトチエニル基、キサンテニル基、チオキサンテニル基、ベンゾキサンテニル基、ベンゾチオキサンテニル基、ベンゾジキサンテニル基、オキサントレニル基、チアントレニル基、フェノキサチイニル基等が挙げられる。
【0086】
これらのうち、アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、キサンテニル基、チオキサンテニル基、トリアジニル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、キナゾリル基、シンノリル基、アクリジニル基であることが好ましく、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、キサンテニル基、ピリジル基、キノリル基、アクリジニル基であることがさらに好ましい。
Ar1はシアノ基であることが好ましい。
【0087】
[[[式(5a)、(5b)、(5c)又は(5d)で表される基について]]]
R3a~R3hで表される炭素数1~30のアルキル基としては、前述の置換の炭素数2~30のヘテロアリール基にて例示した炭素数1~30のアルキル基と同様のものを例示することができる。
【0088】
これらのうち、アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で、炭素数1~18のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ペンチルシクロヘキシル基であることがさらに好ましい。
【0089】
R3a~R3hで表される炭素数6~30のアリール基としては、前述の置換の炭素数2~30のヘテロアリール基にて例示した炭素数6~30のアリール基と同様のものを例示することができる。
【0090】
これらのうち、アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で、炭素数6~26のアリール基であることが好ましく、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、アントリル基、フェナントリル基、ベンゾフルオレニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、アセナフチル基、ジベンゾクリセニル基であることが好ましい。
【0091】
R3a~R3hで表される炭素数2~30のヘテロアリール基としては、前述の置換の炭素数2~30のヘテロアリール基にて例示した炭素数2~30のヘテロアリール基と同様のものを例示することができる。
【0092】
これらのうち、アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で、炭素数2~18のヘテロアリール基であることが好ましく、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、キサンテニル基、チオキサンテニル基、トリアジル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、キナゾリル基、シンノリル基であることが好ましい。
【0093】
また、隣接するR3a及びR3b;R3c及びR3d;並びにR3f、R3g及びR3h;は、互いに結合して縮合環を形成していてもよい。
【0094】
式(5)におけるR3a~R3hで表される、炭素数1~30のアルキル基、炭素数6~30のアリール基及び炭素数2~30のヘテロアリール基は、炭素数1~30のアルキル基で置換されていてもよい。
【0095】
これらの中でも、前述の置換の炭素数2~30のヘテロアリール基にて例示した炭素数1~30のアルキル基と同様のものを例示することができる。アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で、炭素数1~10のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基がさらに好ましい。
【0096】
R3a~R3hで表される、炭素数1~30のアルキル基、炭素数6~30のアリール基及び炭素数2~30のヘテロアリール基は、炭素数1~10のアルコキシ基で置換されていてもよい。
【0097】
これらの中でも、前述の置換の炭素数2~30のヘテロアリール基にて例示した炭素数1~10のアルコキシ基と同様のものを例示することができる。
【0098】
アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で炭素数1~6のアルコキシ基であることが好ましく、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基であることがさらに好ましい。
【0099】
R3a~R3hで表される、炭素数1~30のアルキル基、炭素数6~30のアリール基及び炭素数2~30のヘテロアリール基は、連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数6~30のアリール基で置換されていてもよい。これらの中でも、前述の置換の炭素数2~30のヘテロアリール基にて例示した、連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数6~30のアリール基と同様のものを例示することができる。
【0100】
アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で炭素数6~20のアリール基であることが好ましく、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、フェナントリル基であることがさらに好ましい。
【0101】
式(5)におけるR3a~R3hで表される炭素数1~30のアルキル基、炭素数6~30のアリール基及び炭素数2~30のヘテロアリール基は、連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数2~30のヘテロアリール基で置換されていてもよい。これらの中でも、前述の置換の炭素数2~30のヘテロアリール基にて例示した、連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数2~30のヘテロアリール基と同様のものを例示することができる。
【0102】
アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で、炭素数4~18のヘテロアリール基であることが好ましく、ピリジル基、ピリミジル基、トリアジニル基、キノリル基、フェニルピリジル基、ピリジルフェニル基、ジフェニルトリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基であることがさらに好ましい。
【0103】
式(5a)、(5b)、(5c)又は(5d)で表される基としては、具体的には式(5a-1)~(5a-24)、(5b-1)~(5b-24)、(5c-1)~(5c-24)及び(5d-1)~(5d-24)等が挙げられる。
【0104】
【0105】
【0106】
【0107】
【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
Ar1で表される基は、各々独立に、
炭素数1~30のアルキル基、
シアノ基、
フッ素原子、
炭素数1~10のアルコキシ基、
連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数6~30のアリール基、ならびに、
連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された炭素数2~30のヘテロアリール基からなる群より選ばれる一つ以上の基で置換されていてもよい。
【0112】
該炭素数1~30のアルキル基としては、前述の置換の炭素数2~30のヘテロアリール基にて例示した炭素数1~30のアルキル基と同様のものを例示することができる。
【0113】
これらのうち、アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で、炭素数1~18のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ペンチルシクロヘキシル基であることがさらに好ましい。
【0114】
また、該連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数6~30のアリール基としては、前述の置換の炭素数2~30のヘテロアリール基にて例示した連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数6~30のアリール基と同様のものを例示することができる。
【0115】
これらのうち、アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で、炭素数6~20のアリール基であることが好ましく、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アントリル基、フェナントリル基であることがさらに好ましい。
【0116】
また、該連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数2~30のヘテロアリール基としては、前述の置換の炭素数2~30のヘテロアリール基にて例示した、連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数2~30のヘテロアリール基と同様のものを例示することができる。
【0117】
これらのうち、アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で、炭素数4~23のヘテロアリール基であることが好ましく、ピリジル基、ピリミジル基、トリアジニル基、キノリル基、ピリジルフェニル基、ジフェニルトリアジニル基、ビスナフチルトリアジニル基、ジベンゾフラニル基もしくはジベンゾチエニル基であることがさらに好ましい。
【0118】
Ar1が、各々独立に、シアノ基、又は、置換基を有していてもよい、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、アントリル基、フェナントリル基、ベンゾフルオレニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、アセナフチル基、ジベンゾクリセニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、キサンテニル基、チオキサンテニル基、トリアジル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、キナゾリル基、もしくはシンノリル基であることが好ましい。
【0119】
Ar1が有する置換基が、フェニル基、トリル基、ピリジル基、メチルピリジル基、ジメチルピリジル基、フッ素原子、シアノ基、炭素数1~4のアルキル基、及び炭素数1~4のアルコキシ基、ならびに、これらの置換基が結合して形成された環からなる群から選ばれる一つ以上の置換基であることが好ましい。
【0120】
Ar1が、各々独立に、シアノ基、又は、置換基を有していてもよい、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基又はキサンテニル基であることがさらに好ましい。
【0121】
Ar1が有する置換基が、フェニル基、トリル基、ピリジル基、フッ素原子、シアノ基、炭素数1~4のアルキル基、及び炭素数1~4のアルコキシ基、ならびに、これらの置換基が結合して形成された環からなる群から選ばれる一つ以上の置換基であることがさらに好ましい。
【0122】
[[m1、m2、p、n1及びn2について]]
m1は、各々独立に、0~4の整数を表す。
m2は、各々独立に、1~4の整数を表す。m2は1、2、又は3が好ましい。
pは、各々独立に、0~4の整数を表す。pは1、2、又は3が好ましい。
n1及びn2は、各々独立に、0~2の整数を表す。n1は0又は1が好ましい。n1及びn2は、1≦n1+n2≦2を満たす。
【0123】
ただし、アダマンタン化合物(1)は、式(T)で示される基を分子内に少なくとも一つ有する。
【0124】
【0125】
[Tについて]
式(T)中、X3は、各々独立に、窒素原子、又は、R5で置換されていてもよい炭素原子であり、3つのX3のうち少なくとも一つは窒素原子である。
【0126】
[[R5について]]
R5は、各々独立に、炭素数1~10のアルキル基、シアノ基、フッ素原子、炭素数6~20のアリール基、炭素数2~20のヘテロアリール基である。
【0127】
R5で表される炭素数1~10のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状アルキル基のいずれでもよい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2-メチルプロピル基、シクロプロピル基、メチルシクロプロピル基、ブチル基、2-ブチル基、tert-ブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、2,2-ジメチルペンチル基、ヘキシル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、へプチル基、2-メチルヘプチル基、シクロへプチル基、オクチル基、2-メチルオクチル基、シクロオクチル基、ノニル基、2-メチルノニル基、シクロノニル基、デシル基、シクロデシル基を例示することができる。
【0128】
これらのうち、アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で、炭素数1~6のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基であることがさらに好ましい。
【0129】
R5で表される炭素数6~20のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基等が挙げられる。
【0130】
アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で、炭素数6~15のアリール基であることが好ましく、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アントリル基、フェナントリル基がさらに好ましい。
【0131】
R5で表される炭素数2~20のヘテロアリール基としては、例えば、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、トリアジニル基、テトラジニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、キナゾリル基、シンノリル基、フタラジニル基、フェニルピリジル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、キサンテニル基、チオキサンテニル基、ベンゾキサンテニル基、ベンゾチオキサンテニル基、ベンゾキノリル基、フェナントリジニル基、フェナントロリニル基、ベンゾナフチルジニル基、アクリジニル基、フェナジニル基、アンチリジニル基、アザピレニル基等が挙げられる。
【0132】
アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で、炭素数4~18のヘテロアリール基であることが好ましく、ピリジル基、ピリミジル基、トリアジニル基、キノリル基、イソキノリル基、フェニルピリジル基、ピリジルフェニル基、ジフェニルトリアジニル基であることが好ましい。
【0133】
R5は、各々独立に、炭素数1~10のアルキル基、シアノ基、フッ素原子、又は炭素数6~20のアリール基であることが好ましい。
【0134】
[[R4について]]
R4は、各々独立に、炭素数6~20のアリール基、又は、炭素数2~20のヘテロアリール基である。
【0135】
R4で表される炭素数6~20のアリール基としては、前記R5にて例示したアリール基と同様のものを例示することができる。有機発光素子における性能がよい点で、炭素数6~18のアリール基であることが好ましく、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アントリル基、フェナントリル基であることがさらに好ましい。
【0136】
R4で表される炭素数2~20のヘテロアリール基としては、前記R5にて例示したヘテロアリール基と同様のものを例示することができる。有機発光素子における性能がよい点で、炭素数5~18のヘテロアリール基であることが好ましく、ピリジル基、ピリミジル基、フェニルピリジル基、ジフェニルピリジル基、トリアジニル基、キノリル基、アクリジニル基であることがさらに好ましい。
隣接するR4とR5とは互いに結合して縮合環を形成していてもよい。
【0137】
R4で表される基は、
炭素数1~10のアルキル基、
シアノ基、
フッ素原子、
炭素数1~10のアルコキシ基
連結及び/又は縮環していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数6~20のアリール基、ならびに、
連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数2~20のヘテロアリール基からなる群より選ばれる一つ以上の基で置換されていてもよい。
【0138】
該炭素数1~10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2-メチルプロピル基、シクロプロピル基、メチルシクロプロピル基、ブチル基、2-ブチル基、tert-ブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、2,2-ジメチルペンチル基、ヘキシル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、へプチル基、2-メチルヘプチル基、シクロへプチル基、オクチル基、2-メチルオクチル基、シクロオクチル基、ノニル基、2-メチルノニル基、シクロノニル基、デシル基、シクロデシル基等が挙げられる。
【0139】
これらのうち、アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で、炭素数1~6のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基であることがさらに好ましい。
【0140】
該炭素数1~10のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、2-メチルプロポキシ基、シクロプロポキシ基、メチルシクロプロポキシ基、ブトキシ基、2-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、2-メチルブトキシ基、3-メチルブトキシ基、2,3-ジメチルブトキシ基、2-エチルブトキシ基、シクロブトキシ基、ペンチルオキシ基、2-メチルペンチルオキシ基、3-メチルペンチルオキシ基、4-メチルペンチルオキシ基、2,2-ジメチルペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、2-メチルヘキシルオキシ基、3-メチルヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、2-メチルヘプチルオキシ基、シクロへプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2-メチルオクチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、ノニルオキシ基、2-メチルノニルオキシ基、シクロノニルオキシ基、デシルオキシ基、シクロデシルオキシ基が例示できる。
【0141】
これらのうち、アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で、炭素数1~6のアルコキシ基であることが好ましく、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基であることがさらに好ましい。
【0142】
該連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数6~20のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、ビナフチル基、テルフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、テトラセニル基、ピレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、アセナフチル基、ペリレニル基、ベンゾピレニル基、ベンズアントラセニル基、ベンゾフェナントリル基、ベンゾフルオランテニル基、コランニュレニル基、アセフェナントリル基、アセアントリレニル基、ベンゾアセフェナントリル基が例示できる。
【0143】
アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で、炭素数6~15のアリール基であることが好ましく、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アントリル基、フェナントリル基であることがさらに好ましい。
【0144】
該連結及び/又は縮合していてもよい芳香環のみで構成された、炭素数2~20のヘテロアリール基としては、例えば、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、トリアジニル基、テトラジニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、キナゾリル基、シンノリル基、フタラジニル基、プテリジニル基、フェニルピリジル基、ピリジルフェニル基、ベンゾキノリル基、フェナントリジニル基、フェナントロリニル基、ナフチリジニル基、ベンゾナフチリジニル基、アクリジニル基、フェナジニル基、アンチリジニル基、アゾピレニル基、ベンゾシンノリニル基、ベンゾフェナントリジニル基、オクタアザフェナントラジニル基、ピリドピリミジニル基、ピリドピラジニル基、ビピリジル基、ビピラジル基、ビピリミジル基、ビピリダジル基、テルピリジニル基、ビキノリル基、ビナフチリジニル基、ジピリドフェナジニル基、ベンゾキナゾリニル基、ベンゾキノキサリニル基、ジベンゾキノキサリニル基、ジピリドフェナジリニル基、フェニルキノリニル基、フェニルイソキノリニル基、フェニルキノキサリル基、フェニルキナゾリル基、フェニルシンノリル基、フェニルフタラジニル基、ジフェニルピリジル基、ジフェニルトリアジニル基、ピリジルテルピリジニル基、フェニルキノキサリニル基、ジフェニルキノキサリニル基、ナフチルピリジル基が例示できる。
【0145】
アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で、炭素数4~18の該ヘテロアリール基であることが好ましく、ピリジル基、ピリミジル基、トリアジニル基、キノリル基、フェニルピリジル基、ピリジルフェニル基、ジフェニルトリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基であることがさらに好ましい。
【0146】
アダマンタン化合物(1)は、式(T)で表される基を少なくとも1つ有し、かつ、トリアジン環を2つ以上有しない。ここで2つ以上有しないとは、トリアジン環を有していないか、有していても1つであることを意味する。
【0147】
式(T)で表される基としては、例えば、式(T-1)~(T-36)で示される基を例示することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0148】
【0149】
【0150】
式(T-1)~(T-36)で示される基のうち、アダマンタン化合物(1)の合成が容易な点で、式(T-1)、(T-3)、(T-4)、(T-5)、(T-10)、(T-12)で示される基が好ましい。
【0151】
前記一般式(1)で表される化合物において、下記基(E)が、
【0152】
【化27】
下記基(F)および(G)の少なくとも一方の基と、異なる組成式を有する。
【0153】
【0154】
ここで異なる組成式を有するとは、各基を構成する元素の組成が基全体として異なることをいう。このように本発明の一態様に係るアダマンタン化合物(1)は、Adを通過する対称軸を有しないことが好ましい。すなわち、アダマンタン化合物(1)は、Adを中心として非対称であることが好ましい。係る構造とすることで、アモルファス性を向上させることができる。
【0155】
<アダマンタン化合物の具体例>
アダマンタン化合物(1)のより好ましい構造は、式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)又は(1e)で示される。
【0156】
【0157】
【0158】
【0159】
【0160】
【0161】
各式中、A、L、Z、pは前記と同じ意味を表す。
【0162】
アダマンタン化合物(1)の具体例を式1-1~1-250に例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0163】
【0164】
【0165】
【0166】
【0167】
【0168】
【0169】
【0170】
【0171】
【0172】
【0173】
【0174】
【0175】
【0176】
【0177】
【0178】
【0179】
【0180】
【0181】
【0182】
式(1-1)~(1-250)で示されるアダマンタン化合物のうち、有機発光素子における性能がよい点で、式(1-1)~(1-13)、(1-14)~(1-16)、(1-20)~(1-22)、(1-25)、(1-29)~(1-31)、(1-38)、(1-41)、(1-44)、(1-49)、(1-55)~(1-58)、(1-62)~(1-66)、(1-70)、(1-73)~(1-74)、(1-78)、(1-80)、(1-82)~(1-83)、(1-85)~(1-88)、(1-93)、(1-94)、(1-98)~(1-101)、(1-107)~(1-109)、(1-114)、(1-117)、(1-122)~(1-125)、(1-179)、(1-198)、(1-229)、(1-239)~(1-241)、(1-248)~(1-250)が好ましく、式(1-1)、(1-3)、(1-5)、(1-6)、(1-12)、(1-14)、(1-22)、(1-29)、(1-38)、(1-41)、(1-49)、(1-85)、(1-94)、(1-107)、(1-109)、(1-114)、(1-117)、(1-122)、(1-248)~(1-250)で示される化合物がさらに好ましい。
【0183】
本発明の一態様にかかるアダマンタン化合物(1)は、既知の反応を適宜組み合わせることによって製造することができる。
例えば、本開示の一態様にかかるアダマンタン化合物(1)に含まれるアダマンタン化合物(1’)、(1’’)及び(1’’’)は、次の反応式に示される合成経路(i)~(vi)のいずれか1つで示される製法に従って製造可能であるが、これらの例により何ら限定して解釈されるものではない。
【0184】
【0185】
【0186】
【0187】
【0188】
【0189】
【0190】
合成経路(i)~(vi)中、A、L、L1、Ar1、m1及びpは、前記と同じ意味を表す。
Q1、Q2、Q3及びQ4は、各々独立に、脱離基を表す。該脱離基としては、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等が挙げられる。このうち、反応収率がよい点でトリフルオロメタンスルホニルオキシ基、臭素原子又は塩素原子が好ましい。
Gは、水素原子、炭素数1~4のアルキル基又はフェニル基を表す。B(OG)2の2つのGは、同一又は異なってもよい。2つのGは一体となって酸素原子及びホウ素原子を含んで環を形成してもよい。
【0191】
B(OG)2としては、特に限定されるものではないが、例えば、B(OH)2、B(OMe)2、B(OiPr)2、B(OBu)2、B(OPh)2等を例示することができる。なお、Meはメチル基、iPrはイソプロピル基、Buはブチル基、Phはフェニル基を示す。2つのGが一体となって酸素原子及びホウ素原子を含んで環を形成した場合のB(OG)2の例としては、特に限定されるものではないが、例えば、次の式(I)から(VI)で示される基が例示でき、収率がよい点で、式(II)で示される基が好ましい。
【0192】
【0193】
合成経路(i)~(vi)におけるカップリング反応は、式(7)、(8)、(10)、(14)、(15)、(16)、(19)又は(20)で表される脱離基を有する化合物と、式(9)、(11)、(12)、(13)、(17)又は(18)で表されるホウ素化合物とをパラジウム触媒及び塩基存在下に反応させる方法であり、一般的な鈴木-宮浦反応の反応条件を適用することができる。脱離基を有する化合物は、反応収率がよい点で、ホウ素化合物に対して0.5~3.0モル当量を用いることが好ましい。
【0194】
式(7)で表される脱離基を有する化合物は、例えばJournal of the American Chemical Society,126巻,14843頁,2004年又はMacromolecules,49巻,3838頁,2016年に開示された方法、又は、Chemistry of Materials,18巻,308頁,2006年に従い、1,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)アダマンタンを合成し、一般的なトリフルオロメタンスルホニルオキシ化反応(例えば公開特許公報6492432号)を適応させることで、製造することができる。また、市販品を用いてもよい。
【0195】
式(14)で表される脱離基を有する化合物は、例えばJournal of the American Chemical Society,136巻,10499頁,2014年に開示された方法、又は公開特許公報2003/306461号に従い、1,3,5-トリス(4-ヒドロキシフェニル)アダマンタンを合成し、一般的なトリフルオロメタンスルホニルオキシ化反応(例えば公開特許公報6492432号)を適応させることで、製造することができる。
【0196】
式(19)及び式(20)で表される脱離基を有する化合物は、例えばJournal of the American Chemical Society,74巻,6289頁,1952年又はSynlett,808頁,2002年に従い、製造することができる。また、市販品を用いてもよい。
【0197】
合成経路(i)~(vi)におけるホウ素化反応は、式(7)、(8)又は(10)で表される脱離基を有する化合物を、パラジウム触媒及び塩基存在下でホウ素原料(例えばピナコラートボラン、ビスピナコラートジボロンなど)を反応させて式(9)、(11)又は(12)で表されるホウ素化合物を製造する方法である。ホウ素化反応は、一般的な有機金属化合物を合成する反応条件(例えばAngew.Chem.Int.Ed.2007,46,5359-5363参照)を適用することにより、収率よく目的物を得ることができる。
【0198】
式(17)で表されるホウ素化合物は、例えば、式(20)で表される脱離基を有する化合物から一般的な有機金属化合物を合成する反応(例えばAngew.Chem.Int.Ed.2007,46,5359-5363参照)を用いて合成することができる。また、市販品を用いてもよい。
【0199】
式(18)で表されるホウ素化合物は、例えば、式(19)で表される脱離基を有する化合物から一般的な有機金属化合物を合成する反応(例えばAngew.Chem.Int.Ed.2007,46,5359-5363参照)を用いて合成することができる。また、市販品を用いてもよい。
【0200】
前述のカップリング反応及びホウ素化反応に用いるパラジウム触媒としては、特に限定されるものではないが、具体的には、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、硝酸パラジウム等のパラジウム塩、π-アリルパラジウムクロリドダイマ-、パラジウムアセチルアセトナト、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム等の錯化合物、及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム、ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム等の第三級ホスフィンを配位子として有するパラジウム錯体を例示することができる。
【0201】
第三級ホスフィンを配位子として有するパラジウム錯体は、パラジウム塩又は錯化合物に第三級ホスフィンを添加し、反応系中で調製することもできる。この際用いることのできる第三級ホスフィンとしては、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(tert-ブチル)ホスフィン、トリシクロへキシルホスフィン、tert-ブチルジフェニルホスフィン、9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン、2-(ジフェニルホスフィノ)-2’-(N,N-ジメチルアミノ)ビフェニル、2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)ビフェニル、2-(ジシクロへキシルホスフィノ)ビフェニル、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリ(2-フリル)ホスフィン、トリ(o-トリル)ホスフィン、トリス(2,5-キシリル)ホスフィン、(±)-2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル、2-ジシクロへキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル等が例示できる。
【0202】
これらの中でも、第三級ホスフィンを配位子として有するパラジウム錯体が収率のよい点で好ましく、2-ジシクロへキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル又はトリフェニルホスフィンを配位子として有するパラジウム錯体がさらに好ましい。
【0203】
第三級ホスフィンとパラジウム塩又は錯化合物とのモル比は1:10~10:1の範囲にあることが好ましく、収率がよい点で1:2~3:1の範囲にあることがさらに好ましい。カップリング反応で用いるパラジウム触媒の量に制限はないが、収率がよい点で、パラジウム触媒のモル当量はホウ素化合物に対して0.005~0.5モル当量の範囲にあることが好ましい。
【0204】
前述のカップリング反応及びホウ素化反応に用いる塩基としては、特に限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム等の金属炭酸塩、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等の金属酢酸塩、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等の金属リン酸塩、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム等の金属フッ化物塩、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムイソプロピルオキシド、カリウムtert-ブトキシド等の金属アルコキシド等を挙げることができる。
【0205】
中でも反応収率がよい点で、金属炭酸塩及び金属リン酸塩が好ましく、炭酸カリウム又はリン酸カリウムがさらに好ましい。塩基の量に特に制限は無いが、反応収率がよい点で、塩基とホウ素化合物とのモル比は、1:2~10:1の範囲にあることが好ましく、1:1~4:1の範囲にあることがさらに好ましい。
【0206】
前述のカップリング反応及びホウ素化反応は溶媒中で実施することができ、該溶媒としては、水、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、テトラヒドロフラン(THF)、2-メチルテトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン等の芳香族炭化水素;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、4-フルオロエチレンカーボネート等の炭酸エステル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、γ-ラクトン等のエステル;N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチルピロリドン(NMP)等のアミド;N,N,N’,N’-テトラメチルウレア(TMU)、N,N’-ジメチルプロピレンウレア(DMPU)等のウレア;ジメチルスルホキシド(DMSO);及び、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、オクタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、2,2,2-トリフルオロエタノール等のアルコール等を例示することができ、これらを任意の比で混合して用いてもよい。溶媒の使用量に特に制限はない。これらのうち、反応収率がよい点で水、エーテル、アミド、アルコール又はこれらの混合溶媒が好ましく、THFと水の混合溶媒がさらに好ましい。
【0207】
前述のカップリング反応及びホウ素化反応は、0℃~200℃から適宜選択された温度にて実施することができ、反応収率がよい点で40℃~150℃から適宜選択された温度にて実施することが好ましい。
【0208】
前述のカップリング反応及びホウ素化反応は、反応の終了後に通常の処理をすることで得られる。必要に応じて、再結晶、カラムクロマトグラフィー、昇華又は分取HPLC等の一般的な精製処理を必要に応じて適宜組み合わせることによって、目的物を得ることができる。
【0209】
<電子輸送材料>
本発明の一態様にかかる電子輸送材料は、本発明の他の態様にかかるアダマンタン化合物を含む。
【0210】
アダマンタン化合物(1)は、電子輸送材料として有用である。アダマンタン化合物(1)は、例えば、有機発光素子用電子輸送材料として用いることができる。アダマンタン化合物(1)を含む電子輸送材料は、長寿命で高い発光効率特性を発揮し、種々の用途又は様々な環境下で利用可能な有機発光素子を作製することができる。
【0211】
電子輸送材料は、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有する。電子輸送材料を陰極と発光層との間に介在させることによって、電子がより低い電界で発光層に注入される。
また、電子輸送材料は、正孔阻止層としての機能を有していてもよい。正孔阻止層とは、発光層から電子輸送層への正孔や励起子の侵入を防止する、及び/又は電子輸送層から発光層への電子注入を補助する層である。
【0212】
従来公知の電子輸送性材料としては、特に限定するものではないが、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、土類金属錯体、希土類金属等が挙げられる。アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、土類金属錯体、希土類金属、有機化合物としては、例えば、8-ヒドロキシキノリナートリチウム(Liq)、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)亜鉛、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)銅、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)マンガン、トリス(8-ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(2-メチル-8-ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(8-ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛、ビス(2-メチル-8-キノリナート)クロロガリウム、ビス(2-メチル-8-キノリナート)(o-クレゾラート)ガリウム、ビス(2-メチル-8-キノリナート)-1-ナフトラートアルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリナート)-2-ナフトラートガリウム、イッテルビウム、トリアジン化合物、ピリミジン化合物、ピリジン化合物、アントラセン化合物等が挙げられる。
【0213】
電子輸送材料は、前述したとおり、アダマンタン化合物(1)を含むことが好ましい。また、電子輸送材料は、アダマンタン化合物(1)単独で用いてもよいし、アダマンタン化合物(1)に加えてさらに従来公知の電子輸送材料から選ばれる1種以上を含んでいてもよい。該電子輸送材料は、アダマンタン化合物(1)と、8-ヒドロキシキノリナートリチウム(Liq)、トリス(8-ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、もしくはイッテルビウムを含んでいることが好ましい。該電子輸送材料における、アダマンタン化合物(1)と金属錯体、及び希土類金属との重量比は、1:10から10:1が好ましく、電子輸送特性が優れる点で3:7から7:3がより好ましい。
<有機発光素子>
【0214】
以下、アダマンタン化合物(1)を含む層を有する有機発光素子(以下、単に有機発光素子と称することがある)について説明する。
【0215】
本発明の一態様にかかる有機発光素子は、
第一電極、
該第一電極に対向して備えられた第二電極、及び、
該第一電極と該第二電極との間に備えられた複数の有機物層を含む有機発光素子であって、
該複数の有機物層のうちの1層以上に、本発明の他の態様にかかるアダマンタン化合物を含む。
【0216】
有機発光素子の構成については特に限定されるものではないが、例えば、以下に示す(i)~(v)の構成が挙げられる。
(i):陽極/発光層/陰極
(ii):陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
(iii):陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(iv):陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(v):陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(vi):陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/陰極
【0217】
ここで、陽極及び陰極の一方が、第一電極に相当し、他方が第二電極に相当する。第一電極と第二電極との間に備えられた、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、正孔阻止層及び電子注入層は、並びに、必要に応じて設けられる他の層は、有機物層に相当する。
【0218】
アダマンタン化合物(1)は、上記のいずれの層に含まれていてもよいが、有機発光素子の発光特性に優れる点で、発光層、及び、該発光層と陰極との間の層、からなる群より選ばれる1層以上に含まれることが好ましい。
【0219】
したがって、上記(i)~(v)に示された構成の場合、アダマンタン化合物(1)が、発光層、電子輸送層、及び電子注入層からなる群より選ばれる1層以上に含まれることが好ましい。
【0220】
以下、本発明の一態様にかかる有機発光素子を、上記(vi)の構成を例に挙げて、
図1を参照しながらより詳細に説明する。
【0221】
なお、
図1に示す有機発光素子は、いわゆるボトムエミッション型の素子構成を有するものであるが、本発明の一態様にかかる有機発光素子はボトムエミッション型の素子構成に限定されるものではない。すなわち、本発明の一態様にかかる有機発光素子は、トップエミッション型など、他の公知の素子構成であってもよい。
【0222】
アダマンタン化合物(1)から成る有機発光素子用薄膜の製造方法に特に制限はないが、真空蒸着法による成膜が可能である。真空蒸着法による成膜は、汎用の真空蒸着装置を用いることにより行うことができる。真空蒸着法で膜を形成する際の真空槽の真空度は、有機発光素子作製の製造タクトタイムや製造コストを考慮すると、一般的に用いられる拡散ポンプ、ターボ分子ポンプ、クライオポンプ等により到達し得る1×10-2~1×10-5~1×10-6Pa程度が好ましく、より好ましくは1×10-3~10-6Paである。蒸着速度は、形成する膜の厚さによるが0.005~1.0nm/秒が好ましく、より好ましくは0.01~1nm/秒である。また、アダマンタン化合物(1)は、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン、トルエン、酢酸エチル又は、テトラヒドロフラン等に対する溶解度が高いため、汎用の装置を用いたスピンコ-ト法、インクジェット法、キャスト法又は、ディップ法等による成膜も可能である。
【0223】
図1は、本発明の一態様にかかるアダマンタン化合物を含む有機発光素子の積層構成の一例を示す概略断面図である。
【0224】
有機発光素子100は、基板1、陽極2、正孔注入層3、正孔輸送層4、発光層5、電子輸送層6、電子注入層7、及び陰極8をこの順で備える。ただし、これらの層のうちの一部の層が省略されていてもよく、また逆に他の層が追加されていてもよい。例えば、発光層5と電子輸送層6との間に正孔阻止層9が設けられていてもよく、正孔注入層3が省略され、陽極2上に正孔輸送層4が直接設けられていてもよい。
【0225】
また、例えば電子注入層の機能と電子輸送層の機能とを単一の層で併せ持つ電子注入・輸送層のような、複数の層が有する機能を併せ持った単一の層を、当該複数の層の代わりに備えた構成であってもよい。さらに、例えば単層の正孔輸送層4、単層の電子輸送層6が、それぞれ複数層からなっていてもよい。
<<アダマンタン化合物(1)を含有する層>>
【0226】
図1に示される構成例において有機発光素子100は、発光層5、電子輸送層6及び電子注入層7からなる群より選ばれる1層以上にアダマンタン化合物(1)を含む。特に、電子輸送層6がアダマンタン化合物(1)を含むことが好ましい。なお、アダマンタン化合物(1)は、有機発光素子が備える複数の層に含まれていてもよい。
【0227】
以下、好ましい実施態様の一つとして電子輸送層6がアダマンタン化合物(1)を含む有機発光素子100について説明する。
[基板1]
【0228】
基板1としては特に限定はなく、例えばガラス板、石英板、プラスチック板などが挙げられる。
【0229】
基板1としては、例えば、ガラス板、石英板、プラスチック板、プラスチックフィルムなどが挙げられる。これらの中でも、ガラス板、石英板、光透過性プラスチックフィルムが好ましい。
【0230】
光透過性プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルムが挙げられる。
【0231】
なお、基板1側から発光が取り出される構成の場合、基板1は光の波長に対して透明である。
[陽極2]
【0232】
基板1上(正孔注入層3側)には陽極2が設けられている。
【0233】
陽極の材料としては、仕事関数の大きい(例えば4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物が挙げられる。陽極の材料の具体例としては、Auなどの金属;CuI、酸化インジウム-スズ(ITO;Indium Tin Oxide)、SnO2、ZnOなどの導電性透明材料が挙げられる。
【0234】
発光が陽極を通過して取り出される構成の有機発光素子の場合、陽極は当該発光を通すか又は実質的に通す導電性透明材料で形成される。
[正孔注入層3、正孔輸送層4]
【0235】
陽極2と発光層5との間には、陽極2側から、正孔注入層3、正孔輸送層4がこの順で設けられている。
【0236】
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有し、この正孔注入層、正孔輸送層を陽極と発光層の間に介在させることによって、より低い電界で多くの正孔が発光層に注入される。
【0237】
また、正孔注入層、正孔輸送層は、電子障壁性の層としても機能する。すなわち、陰極から注入され、電子注入層及び/又は電子輸送層より発光層に輸送された電子は、発光層と正孔注入層及び/又は正孔輸送層との界面に存在する電子の障壁により、正孔注入層及び/又は正孔輸送層に漏れることが抑制される。その結果、該電子が発光層内の界面に累積され、発光効率が向上する等の効果をもたらし、発光性能の優れた有機発光素子が得られる。
【0238】
正孔注入層、正孔輸送層の材料としては、正孔注入性、正孔輸送性、電子障壁性の少なくともいずれかを有するものである。正孔注入層、正孔輸送層の材料は、有機物、無機物のいずれであってもよい。
【0239】
正孔注入層、正孔輸送層の材料の具体例としては、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、導電性高分子オリゴマー(特にチオフェンオリゴマー)、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物などが挙げられる。
【0240】
これらの中でも、有機発光素子の性能がよい点で、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物が好ましく、特に芳香族第三級アミン化合物が好ましい。
【0241】
芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の具体例としては、N,N,N’,N’-テトラフェニル-4,4’-ジアミノフェニル、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(m-トリル)-〔1,1’-ビフェニル〕-4,4’-ジアミン(TPD)、2,2-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’-テトラ-p-トリル-4,4’-ジアミノビフェニル、1,1-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)-4-フェニルシクロヘキサン、ビス(4-ジメチルアミノ-2-メチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,N’-ジフェニル-N,N’-ジ(4-メトキシフェニル)-4,4’-ジアミノビフェニル、N,N,N’,N’-テトラフェニル-4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル、N,N,N-トリ(p-トリル)アミン、4-(ジ-p-トリルアミノ)-4’-〔4-(ジ-p-トリルアミノ)スチリル〕スチルベン、4-N,N-ジフェニルアミノ-(2-ジフェニルビニル)ベンゼン、3-メトキシ-4’-N,N-ジフェニルアミノスチルベンゼン、N-フェニルカルバゾール、4,4’-ビス〔N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、4,4’,4’’-トリス〔N-(m-トリル)-N-フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)などが挙げられる。
【0242】
また、p型-Si、p型-SiCなどの無機化合物も正孔注入層の材料、正孔輸送層の材料の一例として挙げることができる。
【0243】
正孔注入層、正孔輸送層は、一種又は二種以上の材料からなる単構造であってもよく、同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
【0244】
正孔注入層と正孔輸送層との間には、電荷発生層が設けられていてもよい。
電荷発生層の材料としては特に制限はないが、例えば、ジピラジノ[2,3-f:2’,3’-h]キノキサリン-2,3,6,7,10,11-ヘキサカルボニトリル(HAT-CN)が挙げられる。
電荷発生層は、一種又は二種以上の材料からなる単層構造であってもよく、同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
[発光層5]
【0245】
正孔輸送層4と電子輸送層6との間には、発光層5が設けられている。
【0246】
発光層の材料としては、燐光発光材料、蛍光発光材料、熱活性化遅延蛍光発光材料が挙げられる。発光層では電子・正孔対が再結合し、その結果として発光が生じる。
【0247】
発光層は、単一の低分子材料又は単一のポリマー材料からなっていてもよいが、より一般的には、ゲスト化合物でドーピングされたホスト材料からなっている。発光は主としてドーパントから生じ、任意の色を有することができる。
【0248】
ホスト材料としては、例えば、ビフェニリル基、フルオレニル基、トリフェニルシリル基、カルバゾール基、ピレニル基、アントリル基を有する化合物が挙げられる。より具体的には、DPVBi(4,4’-ビス(2,2-ジフェニルビニル)-1,1’-ビフェニル)、BCzVBi(4,4’-ビス(9-エチル-3-カルバゾビニレン)1,1’-ビフェニル)、TBADN(2-ターシャリーブチル-9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン)、ADN(9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン)、CBP(4,4’-ビス(カルバゾール-9-イル)ビフェニル)、CDBP(4,4’-ビス(カルバゾール-9-イル)-2,2’-ジメチルビフェニル)、2-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-9-[4-(4-フェニルフェニルキナゾリン-2-イル)カルバゾール、9,10-ビス(ビフェニル)アントラセン等が挙げられる。
【0249】
蛍光ドーパントとしては、例えば、アントラセン、ピレン、テトラセン、キサンテン、ペリレン、ルブレン、クマリン、ローダミン、キナクリドン、ジシアノメチレンピラン化合物、チオピラン化合物、ポリメチン化合物、ピリリウム、チアピリリウム化合物、フルオレン誘導体、ペリフランテン誘導体、インデノペリレン誘導体、ビス(アジニル)アミンホウ素化合物、ビス(アジニル)メタン化合物、カルボスチリル化合物、ホウ素化合物、環状アミン化合物等が挙げられる。蛍光ドーパントはこれらから選ばれる2種以上を組み合わせたものであってもよい。
【0250】
燐光ドーパントとしては、例えば、イリジウム、白金、パラジウム、オスミウム等の遷移金属の有機金属錯体が挙げられる。
【0251】
蛍光ドーパント、燐光ドーパントの具体例としては、Alq3(トリス(8-ヒドロキシキノリン)アルミニウム)、DPAVBi(4,4’-ビス[4-(ジ-p-トリルアミノ)スチリル]ビフェニル)、ペリレン、ビス[2-(4-n-ヘキシルフェニル)キノリン](アセチルアセトナート)イリジウム(III)、Ir(PPy)3(トリス(2-フェニルピリジン)イリジウム(III))、及びFIrPic(ビス(3,5-ジフルオロ-2-(2-ピリジル)フェニル-(2-カルボキシピリジル)イリジウム(III)))等が挙げられる。
【0252】
また、発光材料は発光層のみに含有されることに限定されるものではない。例えば、発光材料は、発光層に隣接した層(正孔輸送層4、又は電子輸送層6)が含有していてもよい。これによってさらに有機発光素子の発光効率を高めることができる。
【0253】
発光層は、一種又は二種以上の材料からなる単層構造であってもよく、同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
[電子輸送層6]
【0254】
発光層5と電子注入層7との間には、電子輸送層6が設けられている。
【0255】
電子輸送層は、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有する。電子輸送層を陰極と発光層との間に介在させることによって、電子がより低い電界で発光層に注入される。
【0256】
従来公知の電子輸送性材料としては、特に限定するものではないが、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、土類金属錯体、希土類金属等が挙げられる。アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、土類金属錯体、希土類金属、有機化合物としては、例えば、8-ヒドロキシキノリナートリチウム(Liq)、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)亜鉛、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)銅、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)マンガン、トリス(8-ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(2-メチル-8-ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(8-ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛、ビス(2-メチル-8-キノリナート)クロロガリウム、ビス(2-メチル-8-キノリナート)(o-クレゾラート)ガリウム、ビス(2-メチル-8-キノリナート)-1-ナフトラートアルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリナート)-2-ナフトラートガリウム、イッテルビウム、トリアジン化合物、ピリミジン化合物、ピリジン化合物、アントラセン化合物等が挙げられる。
【0257】
電子輸送層は、アダマンタン化合物(1)に加えてさらに従来公知の電子輸送材料から選ばれる1種以上を含んでいてもよい。該電子輸送層は、アダマンタン化合物(1)と、8-ヒドロキシキノリナートリチウム(Liq)、トリス(8-ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、もしくはイッテルビウムを含んでいることが好ましい。該電子輸送層における、アダマンタン化合物(1)と金属錯体、及び希土類金属との重量比は、1:10から10:1が好ましく、電子輸送特性が優れる点で3:7から7:3がより好ましい。
【0258】
なお、アダマンタン化合物(1)が電子輸送層に含まれず、他の層に含まれる場合は、従来公知の電子輸送材料から選ばれる1種以上を、電子輸送層を構成する電子輸送材料として用いることができる。該電子輸送層が、8-ヒドロキシキノリナートリチウム(Liq)、トリス(8-ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、イッテルビウムを含んでいることが好ましい。
【0259】
電子輸送層は、一種又は二種以上の材料からなる単層構造であってもよく、同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
[正孔阻止層9]
【0260】
発光層5と電子輸送層6との間には、正孔阻止層9が設けられていてもよい。
正孔阻止層とは、発光層から電子輸送層への正孔や励起子の侵入を防止する、及び/又は電子輸送層から発光層への電子注入を補助する層である。従来公知の正孔阻止材料としては、特に限定するものではないが、トリアジン化合物、ピリミジン化合物、ピリジン化合物、カルバゾール化合物、アントラセン化合物、(2-[3’-(2-トリフェニレニル)-[1,1’-ビフェニル]-3-イル]-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン、2-[3’-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)[1,1’-ビフェニル]-3-イル]-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(ビフェニル-3-イル)-1,3,5-トリアジンなどが挙げられる。
【0261】
正孔阻止層9は、アダマンタン化合物(1)を含んでいることが好ましい。該正孔阻止層は、アダマンタン化合物(1)単独で使用されるか、又は8-ヒドロキシキノリナートリチウム(Liq)、トリス(8-ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、イッテルビウムを含んでいることが好ましい。該正孔阻止層における、アダマンタン化合物(1)と金属錯体、及び希土類金属との重量比は、1:10から10:1が好ましく、電子輸送特性が優れる点で3:7から7:3がより好ましい。
【0262】
正孔阻止層は、アダマンタン化合物(1)以外の公知の正孔阻止材料、電子輸送補助材料を含んでいてもよい。該正孔阻止層は、公知の正孔阻止材料単独で使用されるか、又は8-ヒドロキシキノリナートリチウム(Liq)、トリス(8-ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、イッテルビウムを含んでいることが好ましい。
【0263】
本発明の一態様にかかる有機発光素子においては、電子注入性を向上させ、素子特性(例えば、発光効率、低電圧駆動、又は高耐久性)を向上させる目的で、電子注入層を設けてもよい。
[電子注入層7]
【0264】
電子輸送層6と陰極8との間には、電子注入層7が設けられている。電子注入層は、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有する。電子注入層を陰極と発光層との間に介在させることによって、電子がより低い電界で発光層に注入される。
【0265】
電子注入層の材料としては、フルオレノン、アントラキノジメタン、ジフェノキノン、チオピランジオキシド、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、ペリレンテトラカルボン酸、フレオレニリデンメタン、アントラキノジメタン、アントロン等の有機化合物が挙げられる。
【0266】
また、電子注入層の材料としては、SiO2、AlO、SiN、SiON、AlON、GeO、LiO、LiON、TiO、TiON、TaO、TaON、TaN、LiF、C、Ybなどの各種酸化物、フッ化物、窒化物、酸化窒化物等の無機化合物も挙げられる。
[陰極8]
【0267】
電子注入層7上には陰極8が設けられている。陽極を通過した発光のみが取り出される構成の有機エレクトロルミネッセンス素子の場合、陰極は任意の導電性材料から形成することができる。
【0268】
陰極の材料としては、例えば、仕事関数の小さい金属(以下、電子注入性金属とも称する)、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物が挙げられる。ここで、仕事関数の小さい金属とは、例えば、4eV以下の金属である。
【0269】
陰極の材料の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム-カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属などが挙げられる。
【0270】
これらの中で、電子注入性及び酸化などに対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えばマグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、リチウム/アルミニウム混合物などが好ましい。
[各層の形成方法]
【0271】
以上説明した、電極(陽極、陰極)を除く各層は、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB(Langmuir-Blodgett method)法などの公知の方法によって薄膜化することにより、形成することができる。各層の材料は、それ単独で用いてもよく、必要に応じて結着樹脂などの材料、溶剤と共に用いてもよい。
【0272】
このようにして形成された各層の膜厚については特に制限はなく、状況に応じて適宜選択することができるが、通常は5nm~5μmの範囲である。
【0273】
陽極及び陰極は、電極材料を蒸着やスパッタリングなどの方法によって薄膜化することにより、形成することができる。蒸着やスパッタリングの際に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよく、蒸着やスパッタリングなどによって薄膜を形成した後、フォトリソグラフィーで所望の形状のパターンを形成してもよい。
【0274】
陽極及び陰極の膜厚は、1μm以下であることが好ましく、10nm以上200nm以下であることがより好ましい。
【0275】
なお、アダマンタン化合物(1)を含む層を形成するは、上記の従来公知の電子輸送性材料と併用してもよい。したがって、例えば、アダマンタン化合物(1)と従来公知の電子輸送性材料とを共蒸着してもよく、アダマンタン化合物(1)の層に従来公知の電子輸送性材料の層を積層してもよい。
【0276】
有機発光素子は、照明用や露光光源のような一種のランプとして使用してもよいし、画像をスクリーン等に投影するタイプのプロジェクション装置や、静止画像や動画像を直接視認するタイプの表示装置(ディスプレイ)として使用してもよい。
【0277】
動画再生用の表示装置として有機発光素子を使用する場合、駆動方式としては、単純マトリクス(パッシブマトリクス)方式であってもよく、アクティブマトリクス方式であってもよい。また、異なる発光色を有する有機発光素子を2種以上使用することにより、フルカラー表示装置を作製することが可能である。
【0278】
アダマンタン化合物(1)は、電子輸送層として用いた際に従来公知のアダマンタン化合物に比べて、発光効率と寿命特性が顕著に優れる有機発光素子を提供することができる。更に、アダマンタン化合物(1)はその嵩高い立体骨格によってアモルファス性が高く、高い膜質安定性を有する。
【実施例0279】
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定して解釈されるものではない。
【0280】
[1H-NMR測定]
1H-NMRの測定には、AVANCE III HD 400(400MHz;BRUKER製)及び AVANCE III 400(400MHz;BRUKER製)を用いた。1H-NMRは、重クロロホルム(CDCl3)を測定溶媒とし、内部標準物質としてテトラメチルシラン(TMS)を用いて測定した。また、試薬類は市販品を用いた。
【0281】
[DSC測定(ガラス転移温度、結晶化温度、融点)]
ガラス転移温度、結晶化温度及び融点の測定は、DSC7020(日立ハイテクサイエンス社製、製品名)を用いて行った。
【0282】
DSCの測定条件は以下のとおりである。なお、測定は、窒素雰囲気下(流量50mL/min)にて行った。ファーストクーリング、セカンドヒーティングの順に行い、セカンドヒーティングの際のガラス転移温度、結晶化温度及び融点を、それぞれ試料のガラス転移温度、結晶化温度及び融点とした。
試料量 :5~10mg
測定条件:
<ファーストヒーティング>
昇温速度:15℃/min
測定温度範囲:30℃~360℃
<ファーストクーリング>
ドライアイスによる急冷
<セカンドヒーティング>
昇温速度:5℃/min
測定温度範囲:30℃~360℃
【0283】
合成実施例-1(化合物-1-1)
【0284】
【0285】
アルゴン雰囲気下、2,4-ジフェニル-6-[3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-フェニル]-1,3,5-トリアジン(946mg,2.14mmol)、3-(4-ビフェニリル)-1-(4-トリフルオロメタンスルホニルオキシフェニル)アダマンタン(1.23g,2.39mmol)、酢酸パラジウム(14.6mg,0.0650mmol)、及び2-ジシクロへキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(62.2mg,0.130mmol)をTHF(22mL)に懸濁した。この懸濁液に2.0M-リン酸三カリウム水溶液(3.26mL,6.52mmol)を加え、80℃で24時間加熱還流した。室温まで放冷後、反応混合物に水及びメタノールを加え、析出した固体をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解し、活性炭を加えて70℃で30分間攪拌した後、放冷しセライトろ過を行った。ろ液から低沸分を減圧留去し、得られた固体をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム)により精製することで、目的の4,6-ジフェニル-2-[4’-{3-(4-ビフェニリル)アダマンタン-1-イル}ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジンを白色固体として得た(収量1.06g,収率74%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):9.01(t,J=1.6Hz,1H),8.78-8.82(m,4H),8.75(dt,J=7.8,1.4Hz,1H),7.84(ddd,J=7.7,1.8,1.3Hz,1H),7.71-7.76(m,2H),7.56-7.67(m,13H),7.51(dt,J=8.5,2.3Hz,2H),7.40-7.46(m,2H),7.33(tt,J=7.3,1.8Hz,1H),2.40(brs,2H),2.18(s,2H),2.06(dd,J=8.2,2.5Hz,8H),1.86(brs,2H).
【0286】
合成実施例-2(化合物-1-22)
【0287】
【0288】
アルゴン雰囲気下、2,4-ジフェニル-6-[3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-フェニル]-1,3,5-トリアジン(578mg,1.33mmol)、4-(3-(4-[6-フェニルピリジン-3-イル]フェニル)アダマンタン-1-イル)フェニルトリフルオロメタンスルホン酸(860mg,1.46mmol)、酢酸パラジウム(8.9mg,40μmol)、及び2-ジシクロへキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(38.0mg,79.6μmol)をTHF(15mL)に懸濁した。この懸濁液に2.0M-リン酸カリウム水溶液(1.99mL,3.98mmol)を加え、80℃で24時間加熱還流した。室温まで放冷後、反応混合物に水及びメタノールを加え、析出した固体をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解し、活性炭を加えて70℃で30分間攪拌した後、放冷しセライトろ過を行った。ろ液から低沸分を減圧留去し、得られた固体を再結晶(トルエン)により精製することで、目的の2-(4’ -(3-(4-[6-フェニルピリジン-3-イル]フェニル)アダマンタン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジンを白色固体として得た(収量847mg,収率77%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):9.01(t,J=1.7Hz,1H),8.95(dd,J=2.3,0.6Hz,1H),8.77-8.82(m,4H),8.75(dt,J=7.8,1.4Hz,1H),8.02-8.07(m,2H),7.97(dd,J=8.2,2.4Hz,1H),7.84(ddd,J=7.6,1.8,1.2Hz,1H),7.81(dd,J=8.2,0.6Hz,1H),7.71-7.76(m,2H),7.55-7.67(m,13H),7.47-7.53(m,2H),7.81(tt,J=7.2,2.2Hz,1H),2.41(brs,2H),2.18(s,2H),2.07(dd,J=8.5,2.4Hz,8H),1.87(brs,2H).
【0289】
合成実施例-3(化合物-1-94)
【0290】
【0291】
アルゴン雰囲気下、2,4-ジフェニル-6-[3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-フェニル]-1,3,5-トリアジン(258mg,0.592mmol)、4-(3-(4’-シアノ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)アダマンタン-1-イル)フェニルトリフルオロメタンスルホン酸(350mg,0.651mmol)、酢酸パラジウム(4.0mg,18μmol)、および2-ジシクロへキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(16.9mg,35.5μmol)をTHF(6.0mL)に懸濁した。この懸濁液に2.0M-リン酸カリウム水溶液(0.898mL,1.78mmol)を加え、80℃で24時間加熱還流した。室温まで放冷後、反応混合物に水及びメタノールを加え、析出した固体をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解し、活性炭を加えて70℃で30分間攪拌した後、放冷しセライトろ過を行った。ろ液から低沸分を減圧留去し、得られた固体を再結晶(トルエン)により精製することで、目的の2-(4’ -(3-(4’-シアノ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)アダマンタン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジンを白色固体として得た(収量309mg,収率75%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):9.00(brs,1H),8.78-8.82(m,4H),8.75(d,J=7.8Hz,1H),7.84(d,J=7.8Hz,1H),7.51-7.76(m,19H),2.41(brs,2H),2.16(brs,2H),2.03-2.10(m,8H),1.87(brs,2H).
【0292】
合成実施例-4(化合物-1-49)
【0293】
【0294】
アルゴン雰囲気下、4,6-ジフェニル-2-[4’-{3-(4-トリフルオロメタンスルホニルオキシフェニル)アダマンタン-1-イル}-ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(100mg,0.134mmol)、ジフェニル[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-フェニル)ホスフィンオキサイド(65.1mg,0.161mmol)、酢酸パラジウム(1.5mg、6.7μmol)及び2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’ -トリイソプロピルビフェニル(6.3mg,0.013mmol)をTHF(1.3mL)に懸濁した。この懸濁液に2.0M-炭酸カリウム水溶液(0.201mL,0.402mmol)を加え、80℃で14時間加熱還流した。室温まで放冷後、反応混合物に水を加え、クロロホルムで抽出後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し得られた固体をクロロホルムに溶解し、活性炭を加えて30分間攪拌した後、セライトろ過を行った。ろ液から低沸分を減圧留去し、得られた固体をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム)により精製することで、目的の4,6-ジフェニル-2-[4’-{3-(4’-(ジフェニルホスフィンオキサイド)-1,1’-ビフェニル-4-イル)アダマンタン-1-イル}-ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジンを白色固体として得た(収量79.0mg,収率68%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):9.00(t,J=1.7Hz,1H),8.78-8.81(m,4H),8.75(dt,J=7.8,1.3Hz,1H),7.84(dt,J=7.5,1.5Hz,1H),7.67-7.75(m,10H),7.54-7.66(m,14H),7.46-7.52(m,5H),2.40(brs,2H),2.16(s,2H),2.06(dd,J=11.7,1.7Hz,8H),1.86(brs,2H).
【0295】
合成実施例-5(化合物-1-3)
【0296】
【0297】
アルゴン雰囲気下、4,6-ジフェニル-2-[4’-{3-(4-トリフルオロメタンスルホニルオキシフェニル)アダマンタン-1-イル}-ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(100mg,0.134mmol)、9-フェナントレンボロン酸(35.8mg,0.161mmol)、酢酸パラジウム(1.5mg,6.7μmol)及び2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(6.3mg,0.013mmol)をTHF(1.3mL)に懸濁した。この懸濁液に2.0M-炭酸カリウム水溶液(0.201mL,0.402mmol)を加え、80℃で14時間加熱還流した。室温まで放冷後、反応混合物に水及びメタノールを加え、析出した固体をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解し、活性炭を加えて30分間攪拌した後、セライトろ過を行った。ろ液から低沸分を減圧留去し、得られた固体を再結晶(トルエン)により精製することで、目的の4,6-ジフェニル-2-[4’-{3-(4-(フェナントレン-9-イル)-フェニル)アダマンタン-1-イル}-ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジンを白色固体として得た(収量30.0mg,収率29%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):9.02(t,J=1.7Hz,1H),8.74-8.82(m,6H),8.72(d,J=8.2Hz,1H),7.99(dd,J=8.2,1.0Hz,1H),7.89(dd,J=7.7,1.3Hz,1H),7.84-7.87(m,1H),7.75(d,J=8.3Hz,2H),7.53-7.70(m,18H),2.44(brs,2H),2.24(s,2H),2.12(dd,J=5.9,2.2Hz,8H),1.90(brs,2H).
【0298】
合成実施例-6(化合物-1-41)
【0299】
【0300】
アルゴン雰囲気下、2,4-ジフェニル-6-[3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-フェニル]-1,3,5-トリアジン(122mg,0.269mmol)、3-[4-(ジベンゾフラン-4-イル)フェニル]-1-(4-トリフルオロメタンスルホニロキシフェニル)-アダマンタン(147mg,0.244mmol)、酢酸パラジウム(2.69mg、0.0122mmol)及び2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(11.2mg,0.0244mmol)をTHF(2.7mL)に懸濁した。この懸濁液に2.0M-炭酸カリウム水溶液(0.404mL,0.807mmol)を加え、80℃で15時間加熱還流した。室温まで放冷後、反応混合物に水及びメタノールを加え、析出した固体をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解し、活性炭を加えて30分間攪拌した後、セライトろ過を行った。ろ液から低沸分を減圧留去し、得られた固体をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム)により精製することで、目的の4,6-ジフェニル-2-[4’-{3-(4-(ジベンゾフラン-4-イル)-フェニル)アダマンタン-1-イル}-ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジンを白色固体として得た(収量101mg,収率49%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):9.02(t,J=1.6Hz,1H),8.79-8.82(m,4H),8.76(dt,J=7.8,1.3Hz),8.00(d,J=7.7Hz,1H),7.92-7.94(m,3H),7.85(dt,J=7.8,1.4Hz,1H),7.75(d,J=8.5Hz,2H),7.66(d,J=7.7Hz,1H),7.57-7.63(m,12H),7.41-7.49(m,2H),7.36(dt,J=7.4,0.8Hz,1H),2.42(brs,2H),2.23(s,2H),2.10(brs,8H),1.89(brs,2H).
【0301】
合成実施例-7(化合物-1-5)
【0302】
【0303】
アルゴン雰囲気下、4,6-ジフェニル-2-[4’-{3-(4-トリフルオロメタンスルホニルオキシフェニル)アダマンタン-1-イル}-ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(100mg,0.134mmol)、1,1’:4’,1’’-テルフェニル-4-イルボロン酸(44.1mg,0.160mmol)、酢酸パラジウム(1.5mg、6.7μmol)及び2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(6.3mg,0.013mmol)をTHF(1.3mL)に懸濁した。この懸濁液に2.0M-炭酸カリウム水溶液(0.201mL,0.402mmol)を加え、80℃で14時間加熱還流した。室温まで放冷後、反応混合物に水及びメタノールを加え、析出した固体をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解し、活性炭を加えて30分間攪拌した後、セライトろ過を行った。ろ液から低沸分を減圧留去し、得られた固体を再結晶(トルエン)により精製することで、目的の4,6-ジフェニル-2-[4’-{3-(4-(1,1’:4’,1’’:4’’,1’’’-クアトロフェニル)アダマンタン-1-イル)-ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジンを白色固体として得た(収量74.0mg,収率67%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):9.01(t,J=1.7Hz,1H),8.78-8.81(m,4H),8.75(dt,J=7.8,1.3Hz,1H),7.83-7.86(m,1H),7.66-7.75(m,10H),7.57-7.67(m,13H),7.54(d,J=8.5Hz,2H),7.47(t,J=7.5Hz,2H),7.37(tt,J=6.7,1.3Hz,1H),2.41(brs,2H),2.19(s,2H),2.08(dd,J=5.8,2.3Hz,8H),1.87(brs,2H).
【0304】
合成実施例-8(化合物-1-14)
【0305】
【0306】
アルゴン雰囲気下、4,6-ジフェニル-2-[4’-{3-(4-トリフルオロメタンスルホニロキシフェニル)アダマンタン-1-イル}-ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(100mg,0.134mmol)、4-(4-ペンチルシクロヘキシル)フェニルボロン酸(44.1mg,0.161mmol)、酢酸パラジウム(1.5mg,6.7μmol)及び2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(6.3mg,0.013mmol)をTHF(1.3mL)に懸濁した。この懸濁液に2.0M-炭酸カリウム水溶液(0.201mL,0.402mmol)を加え、80℃で14時間加熱還流した。室温まで放冷後、反応混合物に水及びメタノールを加え、析出した固体をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解し、活性炭を加えて30分間攪拌した後、セライトろ過を行った。ろ液から低沸分を減圧留去し、得られた固体を再結晶(トルエン)により精製することで、目的の4,6-ジフェニル-2-[4’-{3-(4’-(4-ペンチルシクロヘキシル)-1,1’-ビフェニル-4-イル)アダマンタン-1-イル}-ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジンを白色固体として得た(収量30.0mg,収量27%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):9.01(t,J=1.7Hz,1H),8.79-8.81(m,4H),8.75(dt,J=7.8,1.4Hz,1H),7.83-7,85(m,1H),7.73(d,J=8.5Hz,2H),7.48-7.66(m,16H),7.28(s,1H),2.50(tt,J=12.0,3.3Hz,1H),2.39(brs,2H),2.17(s,2H),2.06(dd,J=8.9,2.3Hz,8H),1.95(d,J=3.2Hz,1H),1.91(brs,2H),1.86(d,J=2.0Hz,3H),1.49(dd,J=12.5,2.8Hz,2H),1.20-1.37(m,10H),1.01-1.11(m,2H),0.90(t,J=7.0Hz,3H).
【0307】
合成実施例-9(化合物-1-6)
【0308】
【0309】
アルゴン雰囲気下、4,6-ジフェニル-2-[4’-{3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル-フェニル)アダマンタン-1-イル}-ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(100mg,0.139mmol)、2,4,6-トリフェニルブロモベンゼン(76.9mg,0.167mmol)、酢酸パラジウム(1.8mg、7.0μmol)及び2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(6.50mg,0.0139mmol)をTHF(1.5mL)に懸濁した。この懸濁液に2.0M-炭酸カリウム水溶液(0.209mL,0.417mmol)を加え、80℃で15時間加熱還流した。室温まで放冷後、反応混合物に水及びメタノールを加え、析出した固体をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解し、活性炭を加えて30分攪拌した後、セライトろ過を行った。ろ液から低沸分を減圧留去し、得られた固体を再結晶(トルエン)により精製することで、目的の4,6-ジフェニル-2-[4’-{3-(4’,6’-ジフェニル-1,1’:2’:1’’-テルフェニル-4-イル)-アダマンタン-1-イル}-ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジンを白色固体として得た(収量24.0mg,収量19%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):9.00(t,J=1.7Hz,1H),8.71-8.79(m,4H),8.75(dt,J=7.8,1.4Hz,1H),7.82-7.85(m,1H),7.70-7.73(m,4H),7.68(s,2H),7.57-7.66(m,7H),7.54(d,J=8.5Hz,2H),7.46(t,J=7.4Hz,2H),7.37(tt,J=6.6,1.2Hz,1H),7.12-7.18(m,10H),7.03(d,J=8.5Hz,2H),6.80(d,J=8.4Hz,2H),2.31(brs,2H),2.00(brs,6H),1.86(d,J=2.4Hz,4H),1.78(brs,2H).
【0310】
合成実施例-10(化合物-1-12)
【0311】
【0312】
アルゴン雰囲気下、4,6-ジフェニル-2-[4’-{3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル-フェニル)アダマンタン-1-イル}-ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(67.6mg,0.0937mmol)、3-クロロ-9-フェニル-10-(1,1’-ビフェニル-4-イル)フェナントレン(45.4mg,0.103mmol)、酢酸パラジウム(1.0mg,4.7μmol)及び2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(4.35mg,9.30μmol)をTHF(1.00mL)に懸濁した。この懸濁液に5.0M-水酸化ナトリウム水溶液(0.056mL,0.28mmol)を加え、80℃で15時間加熱還流した。室温まで放冷後、反応混合物に水及びメタノールを加え、析出した固体をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解し、活性炭を加えて30分間攪拌した後、セライトろ過を行った。ろ液から低沸分を減圧留去し、得られた固体を再結晶(トルエン)により精製することで、目的の4,6-ジフェニル-2-[4’-{3-(9-フェニル-10-(1,1’-ビフェニル-4-イル)フェナントレン-3-イル)-アダマンタン-1-イル}-ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジンを白色固体として得た(収量33.0mg,収量35%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):9.03(d,J=1.6Hz,1H),9.02(t,J=1.7Hz,1H),8.90(d,J=3.1Hz,1H),8.79-8.81(m,4H),8.76(dt,J=8.7,1.6Hz,1H),7.84-7.86(m,1H),7.80(d,J=8.6Hz,2H),7.67-7.79(m,5H),7.57-7.65(m,14H),7.44(t,J=7.5Hz,2H),7.34(tt,J=6.7,1.3Hz,1H),7.25(d,J=1.2Hz,2H),7.14-7.22(m,5H),2.43(brs,2H),2.22(s,2H),2.10(d,J=2.3Hz,8H),1.89(brs,2H).
【0313】
合成実施例-11(化合物-1-85)
【0314】
【0315】
アルゴン雰囲気下、2,4-ビス(1,1’-ビフェニル-4-イル)-6-クロロ-1,3,5-トリアジン(0.977g,2.33mmol)、3-(4-ビフェニリル)-1-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-アダマンタン(1.37g,2.79mmol)及びテトラキストリフェニルホスフィノパラジウム(80.8mg,0.0699mmol)をTHF(25mL)に懸濁した。この懸濁液に2.0M-炭酸カリウム水溶液(3.50mL,6.99mmol)を加え、80℃で17時間加熱還流した。室温まで放冷後、反応混合物に水及びメタノールを加え、析出した固体をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解し、活性炭を加えて30分間攪拌した後、セライトろ過を行った。ろ液から低沸分を減圧留去し、得られた固体を再結晶(トルエン)により精製することで、目的の4,6-ビス(1,1’-ビフェニル-4-イル)-2-[4-{3-(4-ビフェニリル)アダマンタン-1-イル}-フェニル-1-イル]-1,3,5-トリアジンを白色固体として得た(収量1.23g,収量70%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):8.86(d,J=8.3Hz,4H),7.85(d,J=8.6Hz,2H),7.82(d,J=8.5Hz,4H),7.71-7.74(m,4H),7.64(d,J=8.6Hz,2H),7.60-7.62(m,3H),7.59(t,J=2.0Hz,1H),7.51(t,J=7.6Hz,6H),7.43(q,J=7.2Hz,4H),7.33(tt,J=6.8,1.3Hz,1H),2.41(brs,2H),2.19(s,2H),2.07(dd,J=6.9,2.7Hz,8H),1.87(brs,2H).
【0316】
合成実施例-12(化合物-1-249)
【0317】
【0318】
アルゴン雰囲気下、2-クロロ-4,6-ジフェニルピリミジン(27.2mg,0.102mmol)、3-[4-(4-ピリジニル)フェニル]-1-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-フェニル)-アダマンタン(60.0mg,0.122mmol)、酢酸パラジウム(2.3mg,5.1μmol)及び2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(4.90mg,0.0102mmol)をTHF(1.2mL)に懸濁した。この懸濁液に2.0M-炭酸カリウム水溶液(0.153mL,0.306mmol)を加え、80℃で16時間加熱還流した。室温まで放冷後、反応混合物に水を加え、クロロホルムで抽出後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し得られた固体をクロロホルムに溶解し、活性炭を加えて30分間攪拌した後、セライトろ過を行った。ろ液から低沸分を減圧留去し、得られた固体をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム)により精製することで、目的の4,6-ジフェニル-2-[4’-{3-(4-(4-ピリジニル)フェニル)アダマンタン-1-イル}-ビフェニル-4-イル]ピリミジンを白色固体として得た(収量33.0mg,収量35%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):8.67(d,J=8.7Hz,2H),8.65(d,J=5.2Hz,2H),8.28-8.31(m,4H),8.01(s,1H),7.64(d,J=8.5Hz,2H),7.54-7.59(m,10H),7.53(dd,J=4.5,1.6Hz,2H),2.40(brs,2H),2.16(s,2H),2.06(dd,J=11.0,2.3Hz,8H),1.86(brs,2H).
【0319】
合成実施例-13(化合物-1-29)
【0320】
【0321】
アルゴン雰囲気下、4,6-ジフェニル-2-[4’-{3-(4-トリフルオロメタンスルホニルオキシフェニル)アダマンタン-1-イル}-ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(100mg,2.14μmol)、キノリン-4-ボロン酸(34.9mg,202μmol)、酢酸パラジウム(1.51mg,6.72μmol)、及び2-ジシクロへキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(6.29mg,13.4μmol)をTHF(1.0mL)に懸濁した。この懸濁液に2.0M-リン酸三カリウム水溶液(0.202mL,0.403μmol)を加え、80℃で18時間加熱還流した。その後、酢酸パラジウム(1.51mg,6.72μmol)、及び2-ジシクロへキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(6.29mg,13.4μmol)をTHF(1.0mL)中に懸濁した溶液を加え、再度80℃で18時間加熱還流した。室温まで放冷後、低沸分を減圧留去し、水を加え、クロロホルムで抽出後、硫酸ナトリウム及び硫酸マグネシウムで乾燥した。固体を濾別し、得られたろ液から低沸分を減圧留去した。得られた固体をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム及びトルエン/酢酸エチル)により精製することで、目的の4,6-ジフェニル-2-[4’-{3-(4-(4-キノリニル)フェニル)アダマンタン-1-イル}-ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジンを白色固体として得た(収量52.6mg,収率54%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):9.01(t,J=1.6Hz,1H),8.94(d,J=4.4Hz,1H),8.78-8.82(m,4H),8.76(dt,J=7.9,1.4Hz,1H)8.18(d,J=8.2Hz,1H),8.00(d,J=8.5Hz,1H),7.85(ddd,J=7.5,1.7,1.1Hz,1H),7.70-7.77(m,3H),7.56-7.68(m,11H),7.48-7.54(m,3H),7.36(d,J=4,4Hz,1H),2.43(brs,2H),2.22(s,2H),2.10(d,J=2.2Hz,8H),1.89(brs,2H).
【0322】
合成実施例-14(化合物-1-38)
【0323】
【0324】
アルゴン雰囲気下、4,6-ジフェニル-2-[4’-{3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル-フェニル)アダマンタン-1-イル}-ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(21.1mg,75.5μmol)、4-クロロ-9-フェニル-ピリド[2,3-b]インドール(60.0mg,83.1μmol)、酢酸パラジウム(0.59mg,2.3μmol)、および2-ジシクロへキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(2.16mg,4.53μmol)をTHF(0.76mL)に懸濁した。この懸濁液に2.0M-炭酸カリウム水溶液(0.113mL,0.227mmol)を加え、80℃で18時間加熱還流した。室温まで放冷後、反応混合物に水及びメタノールを加え、析出した固体をろ取した。ろ液から低沸分を減圧留去し、得られた固体をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製することで、目的の4,6-ジフェニル-2-[4’-(3-(9-フェニルピリド[2,3-b]インドール-4-イル)アダマンタン-1-イル)-ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジンを白色固体として得た(収量54.2mg,収率86%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):9.02(t,J=1.6Hz,1H),8.78-8.82(m,4H),8.76(dt,J=7.9,1.4Hz,1H),8.49(d,J=5.0Hz,1H),7.85(ddd,J=7.7,1.8,1.2Hz,1H),7.74-7.81(m,3H),7.69-7.73(m,2H),7.56-7.68(m,17H),7.38-7.52(m,3H),7.15(d,J=5.0Hz,1H),7.13(ddd,J=8.1,6.9,1.4Hz,1H),2.46(brs,2H),2.27(s,2H),2.07-2.20(m,8H),1.91(brs,2H).
【0325】
合成実施例-15(化合物-1-107)
【0326】
【0327】
アルゴン雰囲気下、2-(4-ブロモフェニル)-4,6-ジ(1-ナフタレニル)-1,3,5-トリアジン(49.8mg,0.102mmol)、3-[4-(4-ピリジニル)フェニル]-1-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-フェニル)-アダマンタン(60.0mg,0.122mmol)、酢酸パラジウム(1.1mg,5.1μmol)及び2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(4.9mg,10μmol)をTHF(1.2mL)に懸濁した。この懸濁液に2.0M-炭酸カリウム水溶液(0.153mL,0.306mmol)を加え80℃で11時間過熱還流した。室温まで放冷後、反応混合物に水及びメタノールを加え析出した固体をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解し、活性炭を加えて室温で30分間撹拌した後、セライトろ過を行った。ろ液から低沸分を減圧留去し、得られた固体を再結晶(トルエン)により精製することで、目的の4,6-ジ(1-ナフタレニル)-2-[4’-(3-(4-(4-ピリジニル)フェニル)アダマンタン-1-イル)-ビフェニル-4-イル]-1,3,5-トリアジンを白色固体として得た(収量32.0mg,収率34%)。
1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):9.22(d,J=8.6Hz,2H),8.85(d,J=8.6Hz,2H),8.63-8.66(m,2H),8.58(dd,J=7.2,1.2Hz,2H),8.10(d,J=8.2Hz,2H),7.99(d,J=8.0Hz、2H),7.83(d,J=8.6Hz,2H),7.46-7.72(m,16H),2.40(brs,2H),2.11-2.14(m,2H),2.03-2.05(m,8H),1.85(brs,2H).
【0328】
合成実施例-16(化合物-1-109)
【0329】
【0330】
アルゴン雰囲気下、2-(4’-ブロモ-[1,1-ビフェニル]-4-イル)-4,6-ビス[4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル]-1,3,5-トリアジン(58.8mg,0.102mmol)、3-[4-(4-ピリジニル)フェニル]-1-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-フェニル)-アダマンタン(60.0mg、0.122mmol)、酢酸パラジウム(1.1mg,5.1μmol)及び2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(4.9mg,10μmol)をTHF(1.2mL)に懸濁した。この懸濁液に2.0M-炭酸カリウム水溶液(0.153mL,0.306mmol)を加え80℃で11時間過熱還流した。室温まで放冷後、反応混合物に水及びメタノールを加え析出した固体をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解し、活性炭を加えて室温で30分間撹拌した後、セライトろ過を行った。ろ液から低沸分を減圧留去し、得られた固体を再結晶(トルエン)により精製することで、目的の4,6-ビス[4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル]-2-[4’’-(3-(4-(4-ピリジニル)フェニル)アダマンタン-1-イル)-1,1’:4’,1’’-テルフェニル-4-イル]-1,3,5-トリアジンを白色固体として得た(収量42.0mg,収率40%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):8.86(d,J=8.5Hz,2H),8.71(d,J=8.6Hz,4H),8.65(dd,J=4.6,1.6Hz,2H),7.85(d,J=8.4Hz,2H),7.80(d,J=8.4Hz,2H),7.73(d,J=8.4Hz,2H),7.60-7.67(m,8H),7.51-7.56(m,6H),2.40(brs,2H),2.15(s,2H),2.05(dd,J=7.4,2.5Hz,8H).1.86(brs,2H),1.42(s,18H).
【0331】
合成実施例-18(化合物-1-114)
【0332】
【0333】
アルゴン雰囲気下、2,4-ジフェニル-6-[4’-(2-ピリジニル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,1’-ビフェニル-3イル-]-1,3,5-トリアジン(50mg,0.0850mmol)、3-[4-(4-ピリジニル)フェニル]-1-(4-トリフルオロメタンスルホニロキシフェニル)-フェニル)-アダマンタン(51mg,0.0985mmol)、酢酸パラジウム(1.0mg、4.25μmol)及び2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(4.2mg,8.5μmol)をTHF(1.0mL)に懸濁した。この懸濁液に2.0M-炭酸カリウム水溶液(0.140mL,0.280mmol)を加え80℃で15時間過熱還流した。室温まで放冷後、反応混合物に水及びメタノールを加え析出した固体をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解し、活性炭を加えて室温で30分間撹拌した後、セライトろ過を行った。ろ液から低沸分を減圧留去し、得られた固体を再結晶(トルエン)により精製することで、目的の2,4-ジフェニル-6-[4-(2-ピリジニル)-4’’-{3-(4-(4-ピリジニル)フェニル)-アダマンタン-1イル}-1,1’:3’,1’’-テルフェニル-3イル]-1,3,5-トリアジンを白色固体として得た(収量24.0mg,収率33%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):9.01(tt,J=9.8,1.5Hz,2H),8.80-8.83(m,4H),8.74-8.76(m,1H),8.65(dd,J=4.5,1.6Hz,2H),8.19(d,J=8.4Hz,2H),8.09(t,J=1.7Hz,1H),7.92(d,J=8.9Hz,2H),7.79-7.85(m,4H),7.55-7.66(m,12H),7.52(dd,J=4.6,1.6Hz,2H),7.27-7.29(m,1H),2.41(brs,2H),2.18(s,2H),2.07(dd,J=15.5,2.7Hz,8H),1.87(brs,2H).
【0334】
合成実施例-19(化合物-1-117)
【0335】
【0336】
アルゴン雰囲気下、4,6-ジフェニル-2-(9-ブロモ-10-フェニルフェナントレン-2-イル)-1,3,5-トリアジン(57.6mg,0.102mmol)、3-[4-(4-ピリジニル)フェニル]-1-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-フェニル)-アダマンタン(60mg,0.122mmol)、酢酸パラジウム(1.1mg,5.09μmol)及び2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(4.9mg、10μmol)をTHF(1.2mL)に懸濁した。この懸濁液に2.0M-炭酸カリウム水溶液(0.153mL,0.306mmol)を加え80℃で11時間過熱還流した。室温まで放冷後、反応混合物に水及びメタノールを加え析出した固体をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解し、活性炭を加えて室温で30分間撹拌した後、セライトろ過を行った。ろ液から低沸分を減圧留去し、得られた固体を再結晶(トルエン)により精製することで、目的の4,6-ジフェニル-2-[9-{4-(3-(4-(4-ピリジニル)フェニル)アダマンタン-1-イル)フェニル-10-フェニルフェナントレン-2-イル]-1,3,5-トリアジンを白色固体として得た(収量77.0mg,収率75%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):8.64(dd,J=4.6,1.6Hz,2H),7.63(d,J=8.6Hz,2H),7.52-7.58(m,4H),7.51(dd,J=4.7,1.6Hz,2H),7.47(d,J=8.6Hz,2H),2.37(brs,2H),2.12(s,2H),2.02(brs,8H),1.84(brs,2H).
【0337】
合成実施例-20(化合物-1-248)
【0338】
【0339】
アルゴン雰囲気下、4’-[3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-2,2’:6’2’’-テルピリジン(100mg,0.230mmol)、3-[4-(4-ピリジニル)フェニル]-1-(4-トリフルオロメタンスルホニロキシフェニル)-アダマンタン(142mg,0.276mmol)、酢酸パラジウム(2.6mg,0.012mmol)及び2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(10.8mg,0.0230mmol)をTHF(2.3mL)に懸濁した。この懸濁液に2.0M-炭酸カリウム水溶液(0.345mL,0.690mmol)を加え80℃で14時間過熱還流した。室温まで放冷後、反応混合物に反応混合物に水を加え、クロロホルムで抽出後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し得られた固体をクロロホルムに溶解し、活性炭を加えて30分間攪拌した後、セライトろ過を行った。ろ液から低沸分を減圧留去し、得られた固体をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム)により精製することで、目的の4’-[4’-{3-(4-(4-ピリジニル)フェニル)アダマンタン-1-イル}-ビフェニル-3-イル]-2,2’:6’2’’-テルピリジンを白色固体として得た(収量78.0mg,収率50%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):8.79(s,2H),8.72-8.74(m,2H),8.69(dt,J=8.0,1.0Hz,2H),8.64(dd,J=4.5,1.6Hz,2H),8.09(t,J=1.7Hz,1H),7.85-7.91(m,3H),7.66-7.69(m,3H),7.63(d,J=8.6Hz,2H),7.51-7.59(m,7H),7.37(dd,J=4.8,1.2Hz,1H),7.35(dd,J=4.7,1.2Hz,1H),2.39(brs,2H),2.14(s,2H),2.04(dd,J=8.5,2.5Hz,8H),1.85(brs,2H).
【0340】
合成実施例-21(化合物-1-250)
【0341】
【0342】
アルゴン雰囲気下、4,6-ジフェニル-2-[4’-{3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル-フェニル)アダマンタン-1-イル}-ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(50.0mg,69.3μmol)、9-クロロアクリジン(22mg,104μmol)及びテトラキストリフェニルホスフィノパラジウム(4.0mg,3.46μmol)を1,4-ジオキサン(0.70mL)に懸濁した。この懸濁液に2.0M-炭酸カリウム水溶液(104μL,208μmol)を加え、110℃で10時間加熱還流した。室温まで放冷後、反応混合物に水及びメタノールを加え、析出した固体をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解し、活性炭を加えて60℃で30分攪拌した後、セライトろ過を行った。ろ液から低沸分を減圧留去し、得られた固体をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製することで、目的の4,6-ジフェニル-2-[4’-{3-(4--アクリジニル)フェニル)アダマンタン-1-イル}ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジンを白色固体として得た(収量27.2mg,収率51%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):9.02(t,J=1.6Hz,1H),8.78-8.83(m,4H),8.76(dt,J=7.9,1.4Hz,1H),8.25-8.30(m,2H),7.85(ddd,J=7.7,1.8,1.2Hz,1H),7.74-7.80(m,6H),7.56-7.69(m,11H),7.41-7.46(m,4H),2.47(brs,2H),2.27(s,2H),2.17(brs,4H),2.13(brs,4H),1.92(brs,2H).
【0343】
合成実施例-23(化合物-1-122)
【0344】
【0345】
アルゴン雰囲気下、2,4-ジフェニル-6-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-1,3,5-トリアジン(1.16g,2.67mmol)、3,5-(4-ビフェニリル)-1-(4-トリフルオロメタンスルホニルオキシフェニル)アダマンタン(1.48g,2.67mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(128mg,0.111mmol)、をTHF(23mL)に懸濁した。この懸濁液に2.0M-リン酸カリウム水溶液(3.3mL,6.6mmol)を加え、80℃で24時間加熱還流した。室温まで放冷後、反応混合物に水及びメタノールを加え、析出した固体をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解し、活性炭を加えて70℃で30分間攪拌した後、放冷しセライトろ過を行った。ろ液から低沸分を減圧留去し、得られた固体をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム)により精製することで、目的の4,6-ジフェニル-2-[1’-{3,5-ビス(4-ビフェニリル)アダマンタン-1-イル}ビフェニル-4-イル]-1,3,5-トリアジンを白色固体として得た(収量947mg,収率52%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):8.85(t,J=8.5Hz,2H),8.80(dd,J=7.7,1.5Hz,4H),7.82(dt,J=8.6,2.0Hz,2H),7.72(d,J=7.7Hz,2H),7.58-7.63(m,15H),7.57(brs,3H),7.55(brs,2H),7.44(t,J=7.6Hz,4H),7.34(tt,J=7.3,1.3Hz,2H),2.63(brs,1H),2.24(s,6H),2.11(dd,J=8.2,2.5Hz,6H).
【0346】
参考例-1
【0347】
【0348】
アルゴン雰囲気下、(アダマンタン‐1,3‐ジイル)ビス(4,1‐フェニレン)ビストリフルオロメタンスルホン酸(4.38g,7.50mmol)、5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナン(1.28g,6.75mmol)、及びテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(260mg,0.225mmol)をTHF(75mL)に懸濁した。この懸濁液に2.0M-炭酸カリウム水溶液(11.3mL,22.5mmol)を加え、80℃で24時間加熱還流した。室温まで放冷後、反応混合物に水を加え、クロロホルムで抽出し、硫酸ナトリウムと硫酸マグネシウムで乾燥した。固形物をろ別後、ろ液から低沸分を減圧留去し、得られた固体をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム)により精製することで、目的の4-(3-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)アダマンタン-1-イル)フェニルトリフルオロメタンスルホン酸を白色固体として得た(収量1.08g,収率31%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):7.54-7.61(m,4H),7.40-7.50(m,6H),7.33(tt,J=7.3,1.9Hz,1H),7.19-7.24(m,2H),2.33-2.40(brm,2H),1.94-2.08(m,10H),1.82(d,J=2.8Hz,2H).
【0349】
参考例-2
【0350】
【0351】
5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナンを2-フェニル-5-(4,4,5,5,-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジンに変更した以外は参考例-1と同様の手法により得た(収量860mg,収率42%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):8.94(d,J=2.0Hz,1H),8.04(d,J=7.4Hz,2H),7.95(dd,J=8.2,2.2Hz,1H),7.80(d,J=8.1Hz,1H),7.62(d,J=8.4Hz,2H),7.39-7.55(m,7H),7.22(d,J=8.9Hz,2H),2.39(brs,2H),2.06(brs,2H),2.00(dd,J=8.2,2.2Hz,1H),1.95-2.04(m,8H),1.83(brs,2H).
【0352】
参考例-3
【0353】
【0354】
5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナンを4-シアノフェニルボロン酸に変更した以外は参考例-1と同様の手法を用いて目的物を得た(収量367g,収率40%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):7.65-7.74(m,4H),7.22(dt,J=8.5,2.0Hz,2H),7.48-7.52(m,2H),7.47(dt,J=9.0,2.1Hz,2H),7.22(dt,J=8.9,2.1Hz,2H),2.37(brs,2H),2.04(brs,2H),1.94-2.03(m,8H),1.83(brs,2H),1.82(brs,2H).
【0355】
参考例-4
【0356】
【0357】
5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナンを4-ピリジルボロン酸に変更した以外は参考例-1と同様の手法を用いて目的物得た(収量1.71g,収率40%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):8.64(dd,J=4.5,1.6Hz,2H),7.26(d,J=8.4Hz,2H),7.49-7.52(m,4H),7.47(d,J=8.9Hz,2H),7.22(d,J=8.9Hz,2H),2.37(brs,2H),2.05(s,2H),1.99(dd,J=15.1,2.5Hz,8H),1.82(brs,2H).
【0358】
参考例-5
【0359】
【0360】
((1s,3s,5r,7r)-アダマンタン-1,3-ジイル)ビス(4,1-フェニレン)ビス(トリフルオロメタンスルホン酸)を((1s,3s,5s)-アダマンタン-1,3,5-トリル)トリス(ベンゼン-4,1-ジイル)トリス(トリフルオロメタンスルホン酸)に変更し、5,5-ジメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボリナンをフェニルボロン酸に変更した以外は参考例-1と同様の手法を用いて目的物を得た(収量1.48g,収率49%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):7.57-7.63(m,5H),7.50-7.55(m,4H),7.44(t,J=7.0Hz,4H),7.34(t,J=7.3Hz,2H),7.25(d,J=8.3Hz,4H),7.18(d,J=7.3Hz,3H),2.61(brs,1H),2.00-2.22(m,12H).
【0361】
素子実施例-1(
図1参照)
(基板1、陽極2の用意)
陽極2をその表面に備えた基板1として、2mm幅の酸化インジウム-スズ(ITO)膜(膜厚110nm)がストライプ状にパターンされたITO透明電極付きガラス基板を用意した。ついで、この基板をイソプロピルアルコールで洗浄した後、オゾン紫外線洗浄にて表面処理を行った。
【0362】
(真空蒸着の準備)
洗浄後の表面処理が施された基板上に、真空蒸着法で各層の真空蒸着を行い、各層を積層形成した。
まず、真空蒸着槽内に前記ガラス基板を導入し、1.0×10-4Paまで減圧した。
そして、以下の順で、各層の成膜条件に従ってそれぞれ作製した。なお、各有機材料は抵抗加熱方式により成膜した。
【0363】
(正孔注入層3の作製)
昇華精製したN-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-9,9-ジメチル-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]-9H-フルオレン-2-アミンと1,2,3-トリス[(4-シアノ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)メチレン]シクロプロパンとを99:1(質量比)の割合で10nm成膜し、正孔注入層3を作製した。成膜速度は0.1nm/秒の速度であった。
【0364】
(第一正孔輸送層41の作製;正孔輸送層4の作製)
昇華精製したN-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-9,9-ジメチル-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]-9H-フルオレン-2-アミンを0.2nm/秒の速度で85nm成膜し、第一正孔輸送層41を作製した。
【0365】
(第二正孔輸送層42の作製;正孔輸送層4の作製)
昇華精製したN-フェニル-N-(9,9-ジフェニルフルオレン-2-イル)-N-(1,1’-ビフェニル-4-イル)アミンを0.15nm/秒の速度で5nm成膜し、第二正孔輸送層42を作製した。
【0366】
(発光層5の作製)
昇華精製した3-(10-フェニル-9-アントリル)-ジベンゾフランと2,7-ビス[N,N-ジ-(4-tertブチルフェニル)]アミノ-ビスベンゾフラノ-9,9’-スピロフルオレンとを95:5(質量比)の割合で20nm成膜し、発光層5を作製した。成膜速度は0.1nm/秒であった。
【0367】
(正孔阻止層(電子輸送補助層)9の作製)
合成実施例1で合成した4,6-ジフェニル-2-[4’-(3-(4-ビフェニリル)アダマンタン-1-イル)-ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(化合物1-1)を0.05nm/秒の速度で6nm成膜し、正孔阻止層(電子輸送補助層)9を作製した。
【0368】
(電子輸送層6の作製)
昇華精製した4,6-ジフェニル-2-(4-{4-[4’-シアノ-(1,1’-ビフェニル)-4-イル]ナフタレン-1-イル}フェニル)-1,3,5-トリアジン(ETL-1)及び8-ヒドロキシキノリノラートリチウム(以下、Liq)を50:50(質量比)の割合で25nm成膜し、電子輸送層6を作製した。成膜速度は0.15nm/秒であった。
【0369】
(電子注入層7の作製)
Liqを0.02nm/秒の速度で1nm成膜し、電子注入層7を作製した。
【0370】
(陰極8の作製)
最後に、基板1上のITOストライプ(陽極2)と直交するようにメタルマスクを配し、陰極8を成膜した。陰極は、銀/マグネシウム(質量比1/10)と銀とを、この順番で、それぞれ80nmと20nmとで成膜し、2層構造とした。銀/マグネシウムの成膜速度は0.5nm/秒、銀の成膜速度は成膜速度0.2nm/秒であった。
【0371】
以上により、
図2に示すような発光面積4mm
2有機発光素子100を作製した。
なお、それぞれの膜厚は、触針式膜厚測定計(DEKTAK、Bruker社製)で測定した。
【0372】
さらに、このようにして作製した有機発光素子100を酸素及び水分濃度1ppm以下の窒素雰囲気グローブボックス内で封止した。封止は、ガラス製の封止キャップと成膜基板(素子)とを、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製)を用いて行った。
【0373】
素子実施例-2
素子実施例-1において正孔阻止層9の材料として用いた化合物1-1の代わりに、合成実施例-22で合成した化合物1-69を用いた以外は、素子実施例-1と同じ方法で有機発光素子を作製した。
【0374】
素子実施例-3
化合物1-1の代わりに、特表2018-507174号公報に記載されている2-[3’-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)[1,1’-ビフェニル]-3-イル]-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン(ETL-2)を用い、ETL-1の代わりに、合成実施例-11で合成した化合物1-91を用いた以外は、素子実施例-1と同じ方法で有機発光素子を作製した。
【0375】
素子実施例-4
化合物1-1の代わりにETL-2を用い、ETL-1の代わりに合成実施例-2で合成した化合物1-24を用いた以外は、素子実施例-1と同じ方法で有機発光素子を作製した。
【0376】
素子実施例-5
化合物1-1の代わりにETL-2を用い、ETL-1の代わりに合成実施例-3で合成した化合物1-100を用いた以外は、素子実施例-1と同じ方法で有機発光素子を作製した。
【0377】
素子参考例-1
化合物1-1の代わりに、下記化合物XXを用いた以外は、素子実施例-1と同じ方法で有機発光素子を作製した。
【0378】
【0379】
素子参考例-2
化合物1-1の代わりにETL-2を用い、ETL-1の代わりに、特許文献3に記載されている化合物Xを用いた以外は、素子実施例-1と同じ方法で有機発光素子を作製した。
<電流効率・素子寿命の測定方法>
【0380】
上記のようにして作製した有機電界発光素子に直流電流を印加し、輝度計(製品名:BM-9、トプコンテクノハウス社製)を用いて発光特性を評価した。発光特性として、電流密度10mA/cm2を流した時の電流効率(cd/A)を測定し、連続点灯時の素子寿命(h)を測定した。なお、表3の素子寿命(h)は、作製した素子を初期輝度1000cd/m2で駆動したときの連続点灯時の輝度減衰時間を測定し、輝度(cd/m2)が5%減じるまでに要した時間を測定した。なお、電流効率、および素子寿命は、素子参考例1及び素子参考例2における結果を基準値(100)とした相対値である。得られた測定結果を表1及び表2に示す。
【0381】
【0382】
【0383】
本発明の一態様にかかるアダマンタン化合物は、該化合物を用いることによって素子寿命特性、高効率特性に優れる有機発光素子を提供することができる。