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特開2022-10750タッチパネル用電極部材、タッチパネルおよび画像表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022010750
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】タッチパネル用電極部材、タッチパネルおよび画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/044 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
G06F3/044 122
G06F3/044 129
G06F3/044 127
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020111460
(22)【出願日】2020-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】中山 昌哉
(57)【要約】
【課題】タッチ操作の検出感度の向上、視認性の向上およびモアレ発生の抑制を図ることができるタッチパネル用電極部材、タッチパネルおよび画像表示装置を提供する。
【解決手段】タッチパネル用電極部材は、第1電極層と、第2電極層と、第1電極層および第2電極層の間に配置された透明絶縁部材とを備え、第1電極層の第1電極線(EW1)は、少なくとも、第1単位セルと、第1単位セルの辺を2倍にした2倍ピッチ第1単位セルとを有し、第2電極層の第2電極線(EW2)は、第1帯状電極(11)と第2帯状電極(21)とが交差する交差領域(A1)において、第2単位セルの辺を2倍にした2倍ピッチ第2単位セル、または、第2単位セルの辺を3倍にした3倍ピッチ第2単位セルを有し、平面視において、第3単位セル(C3)の繰り返しパターンである第3メッシュパターン(MP3)が形成されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極層と、
第2電極層と、
前記第1電極層および前記第2電極層の間に配置された透明絶縁部材と
を備え、
前記第1電極層は、それぞれ第1の方向に延び、前記第1の方向に直交する第2の方向に間隔を隔てて配列された複数の第1帯状電極を有し、
前記第2電極層は、それぞれ前記第2の方向に延び、前記第1の方向に間隔を隔てて配列されることにより前記複数の第1帯状電極に交差する複数の第2帯状電極を有し、
前記第1帯状電極は、第1パッドと、線幅1μm以上10μm以下の金属細線により形成され且つ前記第1パッドに接続された複数の第1電極線と、前記第1電極線から絶縁された線幅1μm以上10μm以下の金属細線により形成され且つ前記第1電極線で囲まれた領域内に配置された第1非接続線とを有し、
前記第2帯状電極は、第2パッドと、線幅1μm以上10μm以下の金属細線により形成され且つ前記第2パッドに接続された複数の第2電極線と、前記第2電極線から絶縁された線幅1μm以上10μm以下の金属細線により形成され且つ前記第2電極線で囲まれた領域内に配置された第2非接続線とを有し、
前記第1非接続線は、前記第2電極線の金属細線または前記第2非接続線の金属細線と交差する位置に配置された断線部を有し、
前記第1電極線と前記第1非接続線とにより、第1単位セルの繰り返しパターンである第1メッシュパターンが形成され、
前記第1電極線は、少なくとも、前記第1単位セルと、前記第1単位セルの辺を2倍にした2倍ピッチ第1単位セルとを有し、
前記第2電極線と前記第2非接続線とにより、第2単位セルの繰り返しパターンである第2メッシュパターンが形成され、
前記第2電極線は、前記第1帯状電極と前記第2帯状電極とが交差する交差領域において、前記第2単位セルの辺を2倍にした2倍ピッチ第2単位セル、または、前記第2単位セルの辺を3倍にした3倍ピッチ第2単位セルを有し、
平面視において、前記第1メッシュパターンと前記第2メッシュパターンが組み合わされて第3単位セルの繰り返しパターンである第3メッシュパターンが形成されている、タッチパネル用電極部材。
【請求項2】
前記第1帯状電極の前記第2の方向における第1電極幅W1と前記第2帯状電極の前記第1の方向における第2電極幅W2は、0.4<W1/W2<0.6を満たす、請求項1に記載のタッチパネル用電極部材。
【請求項3】
前記第1単位セル、前記第2単位セルおよび前記第3単位セルは、それぞれ菱形の形状を有し、
前記第1単位セルおよび前記第2単位セルは、互いに同じ大きさを有し、
前記第3単位セルは、前記第1単位セルに対して、辺の長さを1/2にした大きさを有する、請求項1または2に記載のタッチパネル用電極部材。
【請求項4】
前記第1電極層は、前記第1帯状電極から絶縁された金属細線により形成され且つ隣接する前記第1帯状電極間に配置された第1ダミー電極線を有し、
前記第2電極層は、前記第2帯状電極から絶縁された金属細線により形成され且つ隣接する前記第2帯状電極間に配置された第2ダミー電極線を有し、
前記第1電極線、前記第1非接続線および前記第1ダミー電極線により、前記第1メッシュパターンが形成され、
前記第2電極線、前記第2非接続線および前記第2ダミー電極線により、前記第2メッシュパターンが形成される、請求項1~3のいずれか一項に記載のタッチパネル用電極部材。
【請求項5】
前記第2電極線は、前記交差領域において、前記2倍ピッチ第2単位セルのみを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のタッチパネル用電極部材。
【請求項6】
前記第2電極線は、前記交差領域において、前記3倍ピッチ第2単位セルのみを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のタッチパネル用電極部材。
【請求項7】
前記透明絶縁部材は、樹脂基板からなる、請求項1~6のいずれか一項に記載のタッチパネル用電極部材。
【請求項8】
前記透明絶縁部材は、絶縁層からなり、
樹脂基板をさらに備え、
前記第1電極層、前記第2電極層および前記透明絶縁部材は、前記樹脂基板の一方の表面上に配置されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のタッチパネル用電極部材。
【請求項9】
前記透明絶縁部材は、絶縁層からなり、
ガラス基板をさらに備え、
前記第1電極層、前記第2電極層および前記透明絶縁部材は、前記ガラス基板の一方の表面上に配置されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のタッチパネル用電極部材。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のタッチパネル用電極部材を含むタッチパネル。
【請求項11】
請求項10に記載のタッチパネルを含む画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、タッチセンサまたはタッチパネルの電極として利用されるタッチパネル用電極部材に関する。
また、この発明は、タッチパネル用電極部材を含むタッチパネルにも関している。
また、この発明は、タッチパネルを含む画像表示装置にも関している。
【背景技術】
【0002】
近年、タブレット型コンピュータおよびスマートフォン等の携帯情報機器を始めとした各種の電子機器において、液晶表示装置等の表示装置と組み合わせて用いられ、指、スタイラスペン等を画面に接触または近接させることにより電子機器への入力操作を行うタッチパネルの普及が進んでいる。
【0003】
タッチパネルには、透明基板上に、指、スタイラスペン等の接触または近接によるタッチ操作を検出するための検出部が形成された導電性部材が用いられる。
検出部は、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電性酸化物で形成されるが、透明導電性酸化物以外に金属等の不透明な導電材料でも形成される。金属等の不透明な導電材料は上述の透明導電性酸化物に比べて、パターニングがしやすく、屈曲性に優れ、抵抗がより低い等の利点があるため、タッチパネル等において銅または銀等の導電材料が導電性細線に用いられている。
【0004】
特許文献1には、不透明な導電材料を用いたタッチパネルが記載されている。特許文献1のタッチパネルは、透明基板と、その透明基板上に形成され、第1方向に間隔をおいて配列された不透明な導電材料からなる複数の第1配線を含む第1束配線、および、第1方向と交差する第2方向に間隔をおいて配列された不透明な導電材料からなる複数の第2配線を含む第2束配線と、第1束配線および第2束配線と電気的に絶縁された不透明な導電材料からなる第3配線とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-120038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、特許文献1に記載されているタッチパネルでは、第1束配線と第2束配線とが重なり合うことにより、複数のメッシュセルから形成されるメッシュパターンが形成される。このようなタッチパネルにおいて、メッシュピッチを小さな値に設定すると、電極の寄生容量が増大して、その結果、タッチ位置の検出感度が低下してしまう。
そこで、検出感度を向上させるために金属細線のメッシュピッチを大きくすると、隣接する金属細線の間隔が広がって、金属細線が目立ちやすくなり、視認性が低下するという問題が発生する。また、タッチパネルが、画像を表示するための液晶ディスプレイ等の上に配置され、画像表示装置として使用される場合に、金属細線のメッシュピッチを拡大すると、液晶ディスプレイ等の周期的な画素パターンとタッチパネルの金属細線からなるメッシュパターンとが干渉して発生するモアレが目立って視認されるという問題が生じる。
【0007】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、タッチ操作の検出感度を向上させ且つ視認性を向上させるとともに、画像表示装置に使用した際のモアレの発生を抑制することができるタッチパネル用電極部材を提供することを目的とする。
また、この発明は、このようなタッチパネル用電極部材を含むタッチパネルを提供することも目的とする。
また、この発明は、このようなタッチパネルを含む画像表示装置を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係るタッチパネル用電極部材は、第1電極層と、第2電極層と、第1電極層および第2電極層の間に配置された透明絶縁部材とを備え、第1電極層は、それぞれ第1の方向に延び、前記第1の方向に直交する第2の方向に間隔を隔てて配列された複数の第1帯状電極を有し、第2電極層は、それぞれ第2の方向に延び、第1の方向に間隔を隔てて配列されることにより複数の第1帯状電極に交差する複数の第2帯状電極を有し、第1帯状電極は、第1パッドと、線幅1μm以上10μm以下の金属細線により形成され且つ第1パッドに接続された複数の第1電極線と、第1電極線から絶縁された線幅1μm以上10μm以下の金属細線により形成され且つ第1電極線で囲まれた領域内に配置された第1非接続線とを有し、第2帯状電極は、第2パッドと、線幅1μm以上10μm以下の金属細線により形成され且つ第2パッドに接続された複数の第2電極線と、第2電極線から絶縁された線幅1μm以上10μm以下の金属細線により形成され且つ第2電極線で囲まれた領域内に配置された第2非接続線とを有し、第1非接続線は、第2電極線の金属細線または第2非接続線の金属細線と交差する位置に配置された断線部を有し、第1電極線と第1非接続線とにより、第1単位セルの繰り返しパターンである第1メッシュパターンが形成され、第1電極線は、少なくとも、第1単位セルと、第1単位セルの辺を2倍にした2倍ピッチ第1単位セルとを有し、第2電極線と第2非接続線とにより、第2単位セルの繰り返しパターンである第2メッシュパターンが形成され、第2電極線は、第1帯状電極と第2帯状電極とが交差する交差領域において、第2単位セルの辺を2倍にした2倍ピッチ第2単位セル、または、第2単位セルの辺を3倍にした3倍ピッチ第2単位セルを有し、平面視において、第1メッシュパターンと第2メッシュパターンが組み合わされて第3単位セルの繰り返しパターンである第3メッシュパターンが形成されていることを特徴とする。
【0009】
第1帯状電極の第2の方向における第1電極幅W1と第2帯状電極の第1の方向における第2電極幅W2は、0.4<W1/W2<0.6を満たすことが好ましい。
第1単位セル、第2単位セルおよび第3単位セルは、それぞれ菱形の形状を有し、第1単位セルおよび第2単位セルは、互いに同じ大きさを有し、第3単位セルは、第1単位セルに対して、辺の長さを1/2にした大きさを有することが好ましい。
【0010】
第1電極層は、第1帯状電極から絶縁された金属細線により形成され且つ隣接する第1帯状電極間に配置された第1ダミー電極線を有し、第2電極層は、第2帯状電極から絶縁された金属細線により形成され且つ隣接する第2帯状電極間に配置された第2ダミー電極線を有し、第1電極線、第1非接続線および第1ダミー電極線により、第1メッシュパターンが形成され、第2電極線、第2非接続線および第2ダミー電極線により、第2メッシュパターンが形成されることが好ましい。
【0011】
第2電極線は、交差領域において、2倍ピッチ第2単位セルのみを有することができる。
また、第2電極線は、交差領域において、3倍ピッチ第2単位セルのみを有することもできる。
【0012】
透明絶縁部材は、樹脂基板からなることができる。
また、透明絶縁部材は、絶縁層からなることもでき、この場合に、タッチパネル用電極部材は、樹脂基板をさらに備え、第1電極層、第2電極層および透明絶縁部材は、樹脂基板の一方の表面上に配置されていることが好ましい。
また、透明絶縁部材は、絶縁層からなることもでき、この場合に、タッチパネル用電極部材は、ガラス基板をさらに備え、第1電極層、第2電極層および透明絶縁部材は、ガラス基板の一方の表面上に配置されていることが好ましい。
【0013】
本発明に係るタッチパネルは、上記のタッチパネル用電極部材を含むことを特徴とする。
本発明に係る画像表示装置は、上記のタッチパネルを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、第1電極層の第1電極線と第1非接続線とにより、第1単位セルの繰り返しパターンである第1メッシュパターンが形成され、第1電極線は、少なくとも、第1単位セルと、第1単位セルの辺を2倍にした2倍ピッチ第1単位セルとを有し、第2電極層の第2電極線と第2非接続線とにより、第2単位セルの繰り返しパターンである第2メッシュパターンが形成され、第2電極線は、第1帯状電極と第2帯状電極とが交差する交差領域において、第2単位セルの辺を2倍にした2倍ピッチ第2単位セル、または、第2単位セルの辺を3倍にした3倍ピッチ第2単位セルを有し、平面視において、第1メッシュパターンと第2メッシュパターンが組み合わされて第3単位セルの繰り返しパターンである第3メッシュパターンが形成されているため、タッチ操作の検出感度を向上させ且つ視認性を向上させるとともに、画像表示装置に使用した際のモアレの発生を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明の実施の形態1におけるタッチパネルの部分断面図である。
図2】実施の形態1に係るタッチパネル用電極部材の平面図である。
図3】実施の形態1に係るタッチパネル用電極部材の第1電極層のみを視認側から見た部分平面図である。
図4】実施の形態1に係るタッチパネル用電極部材の第2電極層のみを視認側から見た部分平面図である。
図5】実施の形態1に係るタッチパネル用電極部材の第1電極層と第2電極層を視認側から見た部分平面図である。
図6】実施の形態1における画像表示装置の部分断面図である。
図7】実施の形態2に係るタッチパネル用電極部材の第2電極層のみを視認側から見た部分平面図である。
図8】実施の形態2に係るタッチパネル用電極部材の第1電極層と第2電極層を視認側から見た部分平面図である。
図9】実施の形態3におけるタッチパネルの部分断面図である。
図10】実施の形態4に係るタッチパネル用電極部材の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、添付の図面に示す好適な実施の形態に基づいて、この発明に係るタッチパネル用電極部材、タッチパネルおよび画像表示装置を詳細に説明する。
なお、以下において、数値範囲を示す表記「~」は、両側に記載された数値を含むものとする。例えば、「sが数値t1~数値t2である」とは、sの範囲は数値t1と数値t2を含む範囲であり、数学記号で示せばt1≦s≦t2である。
「直交」および「平行」等を含め角度は、特に記載がなければ、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含むものとする。
「透明」とは、光透過率が、波長400nm~800nmの可視光波長域において、少なくとも40%以上のことであり、好ましくは75%以上であり、より好ましくは80%以上、さらにより好ましくは90%以上のことである。光透過率は、JIS K 7375:2008に規定される「プラスチック--全光線透過率および全光線反射率の求め方」を用いて測定されるものである。
【0017】
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1におけるタッチパネル1の構成を示す。
タッチパネル1は、表面1Aと裏面1Bを有しており、裏面1B側に液晶ディスプレイ等を有する図示しない表示モジュールが配置された状態で使用される。タッチパネル1の表面1Aは、タッチ検出面であり、タッチパネル1の操作者が、タッチパネル1を通して表示モジュールに表示された画像を観察する視認側となる。
タッチパネル1は、表面1A側に配置された透明な絶縁性のカバーパネル2を有し、表面1Aとは反対側のカバーパネル2の面上にタッチパネル用電極部材3が透明な接着剤4により接合されている。
【0018】
タッチパネル用電極部材3は、透明絶縁基板5と、透明絶縁基板5上に形成され且つパターニングされた第2電極層6Bと、第2電極層6B上に形成された透明絶縁部材7Bと、透明絶縁部材7Bを介して第2電極層6Bと重なるように配置され且つパターニングされた第1電極層6Aを有している。透明絶縁基板5としては、樹脂基板またはガラス基板等が用いられる。透明絶縁部材7Bは、第1電極層6Aと第2電極層6Bとを互いに電気的に絶縁させる絶縁層として機能している。また、図1に示すように、平坦化またはパターニングされた第1電極層6Aを保護する目的で、第1電極層6Aを覆うように透明絶縁部材7Aが配置されていてもよい。
【0019】
図2に、タッチパネル用電極部材3の平面図を示す。タッチパネル用電極部材3には、指およびスタイラスペン等によるタッチ操作を検出するための透過領域S1と、タッチパネル用電極部材3に、図示しないタッチパネル駆動回路に接続される周辺配線等を配置するための、透過領域S1の外側の領域である周辺領域S2が区画されている。なお、図2では、タッチパネル用電極部材3の構成を明確に示すため、透明絶縁部材7Bを省略している。
【0020】
第1電極層6Aと第2電極層6Bには、タッチ操作を検出するための電極およびそれに接続される周辺配線等がパターニングされている。第1電極層6Aと第2電極層6Bのうち、カバーパネル2側に位置する、すなわち、視認側に位置する第1電極層6Aは、それぞれ第1の方向D1に沿って延び且つ第1の方向D1に直交する第2の方向D2に間隔を隔てて配列された複数の第1帯状電極11を有している。これらの複数の第1帯状電極11は、それぞれ、第1の方向D1の端部に第1パッド12を有している。
また、第1電極層6Aは、複数の第1帯状電極11の間に配置され且つ複数の第1帯状電極11と電気的に絶縁された複数の第1ダミー電極15を有している。
【0021】
また、第1電極層6Aは、複数の第1帯状電極11の複数の第1パッド12から引き出された複数の第1周辺配線13と、複数の第1周辺配線13のそれぞれに接続される複数の第1外部接続端子14を有している。
【0022】
図示しない表示モジュール側に位置する第2電極層6Bは、それぞれ第2の方向D2に沿って延び且つ第1の方向D1に間隔を隔てて配列された複数の第2帯状電極21を有している。これらの複数の第2帯状電極21は、それぞれ、第2の方向D2の端部に第2パッド22を有している。
また、第2帯状電極21は、複数の第2帯状電極21の間に配置され且つ複数の第2帯状電極21と電気的に絶縁された複数の第2ダミー電極25を有している。
【0023】
また、第2電極層6Bは、複数の第2帯状電極21の複数の第2パッド22から引き出された複数の第2周辺配線23と、複数の第2周辺配線23のそれぞれに接続される複数の第2外部接続端子24を有している。
【0024】
ここで、第1電極層6Aの複数の第1帯状電極11と複数の第1ダミー電極15、および、第2電極層6Bの複数の第2帯状電極21と複数の第2ダミー電極25は、タッチパネル用電極部材3に区画された透過領域S1に配置されている。
また、第1電極層6Aの複数の第1パッド12、複数の第1周辺配線13、複数の第1外部接続端子14、第2電極層6Bの複数の第2パッド22、複数の第2周辺配線23、複数の第2外部接続端子24は、タッチパネル用電極部材3に区画された周辺領域S2に配置されている。
【0025】
図3に、第1帯状電極11と第2帯状電極21とが互いに重なる部分を含む領域Rにおける、第1帯状電極11と第1ダミー電極15の部分拡大平面図を示す。
第1帯状電極11は、図3において実線で描かれた電極であり、第2の方向D2において第1電極幅W1を有する。また、第1帯状電極11は、金属細線MW1により形成され、対応する第1パッド12に接続された複数の第1電極線EW1と、金属細線MW1により形成され、複数の第1電極線EW1により囲まれた領域内に配置された複数の第1非接続線NW1とを有している。複数の第1非接続線NW1は、複数の第1電極線EW1に対して、ギャップG2を隔てて配置されることにより電気的に絶縁されている。複数の第1非接続線NW1は、それぞれの第1非接続線NW1内に形成された断線部G1を有している。
【0026】
ここで、複数の第1電極線EW1と複数の第1非接続線NW1を形成する金属細線MW1の線幅は、観察者に視認されにくくするように、すなわち、視認性を確保するために、1.0μm以上10.0μm以下、特に、2.0μm~5.0μmの範囲内に設定されることが好ましい。また、ギャップG2の長さおよび断線部G1の長さは、0.5μm~50.0μmであることが好ましく、1.0μm~30.0μmであることがより好ましく、5.0μm~20.0μmであることがさらに好ましい。
【0027】
また、図3に示すように、複数の第1電極線EW1と複数の第1非接続線NW1とは、ギャップG2および断線部G1が形成された部分を含めて、菱形の第1単位セルC1が規則的に配列された第1メッシュパターンMP1を形成している。ここで、複数の第1電極線EW1は、第1単位セルC1と、第1単位セルC1の辺の長さを2倍にした第2ピッチ第1単位セルC12からなるメッシュパターンを形成している。また、複数の第1非接続線NW1は、1つの2倍ピッチ第1単位セルC12内に4つの第1単位セルC1を形成するように配置されており、第1単位セルC1の1辺を構成する第1非接続線NWの中点付近の位置に、断線部G1が形成されている。
【0028】
第1ダミー電極15は、複数の第1帯状電極11間の隙間がタッチパネル用電極部材3の観察者により視認されにくくするための電極である。第1ダミー電極15は、図3において分かりやすくするために点線で描かれているが、実際は、第1電極線EW1と第1非接続線NW1と同様に連続した金属細線で構成されている。第1ダミー電極15は、第1帯状電極11と同様に金属細線MW1により形成され、第1帯状電極11に対してギャップG3を隔てて配置されており、第1パッド12および第1帯状電極11の複数の第1電極線EW1に対して電気的に絶縁された複数の第1ダミー電極線DW1を有している。
複数の第1ダミー電極線DW1は、ギャップG3が形成されている部分を含めて、第1電極線EW1と第1非接続線NW1と合わせて、透過領域S1の全体に、菱形の第1単位セルC1からなる第1メッシュパターンMP1を形成している。なお、第1ダミー電極線DW1は、絶縁性を高めるために、断線部を有していてもよい。また、ギャップG3および第1ダミー電極線DW1に設ける断線部の長さは、0.5μm~50.0μmであることが好ましく、1.0μm~30.0μmであることがより好ましく、5.0μm~20.0μmであることがさらに好ましい。
【0029】
図4に、領域Rにおける第2帯状電極21と第2ダミー電極25の部分拡大平面図を示す。
第2帯状電極21は、図4において実線で描かれた電極であり、第1の方向D1において第1電極幅W1よりも広い第2電極幅W2を有する。
【0030】
また、第2帯状電極21は、金属細線MW2により形成され、対応する第2パッド22に接続された複数の第2電極線EW2と、金属細線MW2により形成され、複数の第2電極線EW2により囲まれた領域内に配置された複数の第2非接続線NW2とを有している。複数の第2非接続線NW2は、複数の第2電極線EW2に対してギャップG4を隔てて配置されることにより、電気的に絶縁されている。
【0031】
ここで、複数の第2電極線EW2および複数の第2非接続線NW2を形成する金属細線MW2の線幅は、視認性を確保するために、1.0μm以上10.0μm以下、特に、2.0μm~5.0μmの範囲内に設定されることが好ましい。また、ギャップG4の長さは、0.5μm~50.0μmであることが好ましく、1.0μm~30.0μmであることがより好ましく、5.0μm~20.0μmであることがさらに好ましい。
【0032】
また、図4に示すように、複数の第2電極線EW2と複数の第2非接続線NW2とは、ギャップG4が形成されている部分を含めて、菱形の第2単位セルC2が規則的に配列された第2メッシュパターンMP2を形成している。ここで、複数の第2電極線EW2は、第2単位セルC2の辺の長さを2倍にした2倍ピッチ第2単位セルC22からなるメッシュパターンを有している。複数の第2電極線EW2は、第1帯状電極11が重なる交差領域A1においては、第2単位セルC2の辺の長さを2倍にした2倍ピッチ第2単位セルC22からなるメッシュパターンのみを有している。また、複数の第2非接続線NW2は、1つの2倍ピッチ第2単位セルC22内に4つの第2単位セルC2を形成するように配置されている。
【0033】
第2ダミー電極25は、複数の第2帯状電極21間の隙間がタッチパネル用電極部材3の観察者により視認されにくくするための電極である。第2ダミー電極25は、図4において分かりやすくするために点線で描かれているが、実際は、第2電極線EW2と第2非接続線NW2と同様に連続した金属細線で構成されている。第2ダミー電極25は、第2帯状電極21と同様に金属細線MW2により形成され、第2帯状電極21に対してギャップG5を隔てて配置されており、第2パッド22および第2帯状電極21の複数の第2電極線EW2に対して電気的に絶縁された複数の第2ダミー電極線DW2を有している。
【0034】
複数の第2ダミー電極線DW2は、ギャップG5が形成されている部分を含めて、第2電極線EW2と第2非接続線NW2と合わせて、透過領域S1の全体に、菱形の第2単位セルC2からなる第2メッシュパターンMP2を形成している。なお、第2非接続線NW2と第2ダミー電極線DW2は、絶縁性を高めるために、断線部を有していてもよい。また、ギャップG5および第2ダミー電極線DW2に設ける断線部の長さは、0.5μm~50.0μmであることが好ましく、1.0μm~30.0μmであることがより好ましく、5.0μm~20.0μmであることがさらに好ましい。
【0035】
図5に、領域Rにおけるタッチパネル用電極部材3の部分拡大平面図を示す。図5では、分かりやすくするために、第1帯状電極11は比較的細い実線で描かれており、第2帯状電極21は比較的太い実線で描かれている。また、分かりやすくするために、第1ダミー電極15は比較的細い点線で描かれており、第2ダミー電極25は比較的太い点線で描かれている。しかし、実際には、金属細線MW1の線幅と金属細線MW2の線幅は互いに同じでもよい。
【0036】
タッチパネル用電極部材3において、複数の第1帯状電極11および複数の第1ダミー電極15と、複数の第2帯状電極21および複数の第2ダミー電極25とが互いに組み合わされて、すなわち、第1メッシュパターンMP1と第2メッシュパターンMP2とが互いに組み合わされて、菱形の複数の第3単位セルC3が規則的に配列されて構成される繰り返しパターンである、第3メッシュパターンMP3が形成されている。
【0037】
実施の形態1の一例として、図5では、第1単位セルC1と第2単位セルC2は、互いに同一の大きさを有する菱形である。第1単位セルC1と第2単位セルC2は、第3単位セルC3が第1単位セルC1と第2単位セルC2に対して、辺の長さを1/2にした大きさを有するように、第1メッシュパターンMP1と第2メッシュパターンMP2とが互いにずれて配置されている。つまり、第1単位セルC1と第2単位セルC2は、第1単位セルC1の中心と第2単位セルC2の頂点が互いに一致するように配置されている。
【0038】
また、複数の第1帯状電極11における複数の第1非接続線NW1に形成された断線部G1は、複数の第2帯状電極21における第2電極線EW2と交差する位置および第2非接続線NW2と交差する位置に配置されている。ここで、平面視において金属細線MW1、MW2が互いに重なる箇所は、観察者に目立って視認されることがある。複数の第1非接続線NW1に形成された断線部G1により、金属細線MW1、MW2が互いに重なる箇所、すなわち、金属細線MW1、MW2が目立って視認される箇所を減らし、タッチパネル用電極部材3の視認性を向上させることができ、さらに、寄生容量を低減することができる。
【0039】
ここで、実施の形態1に係るタッチパネル用電極部材3を備えたタッチパネル1が、例えば図6に示すように、画像を表示するための表示モジュール8上に配置されることにより、画像表示装置9が構成される。図6において、表示モジュール8は、透明な接着剤4Aによりタッチパネル1の裏面1Bに接着されている。また、表示モジュール8は、詳細には図示しないが、液晶ディスプレイ等の表示画面と、表示画面における画像の表示等を制御するためのコントローラ等を含んでいる。画像表示装置9の操作者は、表示モジュール8に表示される画像を、タッチパネル1を通して視認し、視認された画像に基づいてタッチパネル1を介してタッチ操作を行う。
【0040】
一般的に、このような画像表示装置では、表示モジュールの画素パターンとタッチパネルのセンサを構成する金属細線により形成されるメッシュパターンとの干渉により、モアレが発生することがある。
【0041】
実施の形態1のタッチパネル用電極部材3では、図5に示すように、第1電極層6Aにおける第1メッシュパターンMP1および第2電極層6Bにおける第2メッシュパターンMP2とが互いにずれて配置されることにより、第1メッシュパターンMP1の第1単位セルC1および第2メッシュパターンMP2の第2単位セルC2よりも小さい第3単位セルC3が規則的に配列された第3メッシュパターンMP3が形成される。そのため、第1帯状電極11および第1ダミー電極15を構成する金属細線MW1、第2帯状電極21および第2ダミー電極25を構成する金属細線MW2をタッチパネル用電極部材3の観察者に視認されにくくするだけではなく、表示モジュール8の画素パターンと金属細線MW1、MW2との干渉によるモアレの発生を低減することが可能である。
【0042】
また、実施の形態1のタッチパネル用電極部材3では、複数の第1帯状電極11の第1電極幅W1よりも複数の第2帯状電極21の第2電極幅W2の方が広くなっている。そのため、画像表示装置9においては、表示モジュール8の動作より発生する電磁波が、表示モジュール8側に配置された複数の第2帯状電極21により遮蔽されやすくなり、タッチ操作がなされる際に、その検出信号におけるノイズを低減して、タッチ操作の検出感度を向上できる。また、第1帯状電極11の第1電極幅W1を小さくすると、電極の電気抵抗が高くなり、タッチ操作の検出感度が低下することから、第1帯状電極11の第1電極幅W1と第2帯状電極21の第2電極幅W2は、0.4<W1/W2<0.6の関係を満たすことが好ましい。なお、第1電極幅W1は、第1帯状電極11の第2の方向D2における最大の長さであり、第2電極幅W2は、第2帯状電極21の第1の方向D1における最大の長さである。
【0043】
また、複数の第1帯状電極11を構成する複数の第1電極線EW1は、第1単位セルC1と2倍ピッチ第1単位セルC12からなるメッシュパターンを形成しているため、例えば、複数の第1電極線EW1が第1単位セルC1のみからなるメッシュパターンを形成する場合と比較して、第1帯状電極11における寄生容量を低減することができる。また、複数の第2帯状電極21を構成する複数の第2電極線EW2は、交差領域A1において2倍ピッチ第2単位セルC22のみからなるメッシュパターンを形成しているため、例えば、複数の第2電極線EW2が第2単位セルC2のみからなるメッシュパターンを形成する場合と比較して、第2帯状電極21における寄生容量を低減することができる。
【0044】
さらに、第2帯状電極21における複数の第2電極線EW2の占有率は、第1帯状電極11における複数の第1電極線EW1の占有率よりも小さくてもよい。
【0045】
第1帯状電極11における複数の第1電極線EW1の占有率とは、平面視において、1つの第1帯状電極11に含まれる複数の第1電極線EW1の合計面積を、その第1帯状電極11に含まれる複数の第1電極線EW1と複数の第1非接続線NW1の合計面積で除したものである。また、第2帯状電極21における複数の第2電極線EW2の占有率とは、平面視において、1つの第2帯状電極21に含まれる複数の第2電極線EW2の合計面積を、その第2帯状電極21に含まれる複数の第2電極線EW2と複数の第2非接続線NW2の合計面積で除したものである。
【0046】
ここで、第2帯状電極21の第2電極幅W2は、第1帯状電極11の第1電極幅W1よりも広く、一般的には、電極幅が広くなるほど、寄生容量が大きくなり、電気抵抗は小さくなる。実施の形態1のタッチパネル用電極部材3では、第2帯状電極21における複数の第2電極線EW2の占有率は、第1帯状電極11における複数の第1電極線EW1の占有率よりも小さくすることで、第2帯状電極21の第2電極幅W2が第1帯状電極11の第1電極幅W1よりも広くても、寄生容量は大きくならずに、第2帯状電極21の電気抵抗を、第1帯状電極11の電気抵抗と同程度にできる。これにより、第1帯状電極11の全体の電気抵抗と第2帯状電極21の全体の電気抵抗との差を低減し、タッチ操作の検出感度が低下することを防止できる。
【0047】
以上から、本発明の実施の形態1に係るタッチパネル用電極部材3によれば、タッチ操作の検出感度を向上させ且つ視認性を向上させるとともに、画像表示装置9に使用した際のモアレの発生を抑制することができる。
【0048】
なお、図3の例において、第1帯状電極11の複数の第1電極線EW1は、複数の第1単位セルC1と複数の2倍ピッチ第1単位セルC12からなるメッシュパターンを形成しているが、第1帯状電極11の電気抵抗と第2帯状電極21の電気抵抗とが一定の範囲内にあり、タッチ操作に対する検出感度を大きく低下させるものでなければ、複数の第1電極線EW1により形成されるメッシュパターンは、異なる大きさの単位セルをさらに含むことができる。例えば、複数の第1電極線EW1により形成されるメッシュパターンは、第1単位セルC1の1辺の長さを3倍にした3倍ピッチ第1単位セル、または、他の形状のメッシュセルをさらに含むことができる。
【0049】
また、第1メッシュパターンMP1と第2メッシュパターンMP2が互いに組み合わされて形成される第3メッシュパターンMP3のメッシュピッチを、第2の方向D2において隣接する2つの第3単位セルC3の中心間の距離と定義することができる。この場合に、第3メッシュパターンMP3のメッシュピッチの大きさは、特に制限されないが、視認性を考慮して、50μm~500μmであることが好ましく、150μm~300μmであることがさらに好ましい。
【0050】
第3メッシュパターンMP3の構成単位となる第3単位セルC3は、菱形の形状を有しているが、画像表示装置9におけるモアレ抑制の観点から、この菱形の鋭角の大きさは、例えば、20度~70度が好ましく、菱形の1辺の長さは100μm~300μmであることが好ましい。
【0051】
実施の形態2
実施の形態1では、第1帯状電極11と第2帯状電極21が互いに重なる交差領域A1において、複数の第2電極線EW2は、複数の2倍ピッチ第2単位セルC22からなるメッシュパターンのみを形成しているが、複数の第2電極線EW2により形成されるメッシュパターンは、これに限定されない。
【0052】
図7に、実施の形態2における第2電極層31の第2帯状電極32および第2ダミー電極33の部分拡大平面図を示す。第1電極層6Aの第1帯状電極11と第2電極層31の第2帯状電極32が互いに重なる交差領域A2において、第2帯状電極32の複数の第2電極線EW2は、第2単位セルC2の1辺の長さを3倍にした3倍ピッチ第2単位セルC23のみからなるメッシュパターンを形成している。また、複数の第2非接続線NW2は、3倍ピッチ第2単位セルC23の内部に、複数の第2電極線EW2に対してギャップG4を隔てて配置されており、複数の第2電極線EW2と複数の第2非接続線NW2とで、ギャップG4が形成されている部分を含めて、複数の第2単位セルC2からなる第2メッシュパターンMP2が形成されている。
【0053】
このように、交差領域A2において、複数の第2電極線EW2は、3倍ピッチ第2単位セルC23のみからなるメッシュパターンを形成するため、実施の形態2における第2帯状電極32内の寄生容量は、実施の形態1における第2帯状電極21内の寄生容量と比較して容易に小さくされることができ、これにより、実施の形態2のタッチパネル用電極部材をタッチパネルに使用した場合のタッチ操作に対する検出感度を容易に向上させることができる。
【0054】
図8に、領域Rにおけるタッチパネル用電極部材34の部分拡大平面図を示す。図8では、図5と同様に分かりやすいように、第1帯状電極11は比較的細い実線で描かれており、第2帯状電極32は比較的太い実線で描かれている。第1ダミー電極15は比較的細い点線で描かれており、第2ダミー電極33は比較的太い点線で描かれている。しかし、実際には、金属細線MW1と金属細線MW2の線幅は互いに同じでもよい。
【0055】
実施の形態2に係るタッチパネル用電極部材34において、実施の形態1のタッチパネル用電極部材3と同様にして、複数の第1帯状電極11および複数の第1ダミー電極15と、複数の第2帯状電極32および複数の第2ダミー電極33とが互いに組み合わされて、第3単位セルC3が規則的に配列されて構成される第3メッシュパターンMP3が形成されている。また、第1帯状電極11における複数の第1非接続線NW1に形成された断線部G1は、実施の形態1における断線部G1と同様に、第2帯状電極32における第2電極線EW2と交差する位置および第2非接続線NW2と交差する位置に配置されている。
【0056】
そのため、実施の形態2に係るタッチパネル用電極部材34によれば、実施の形態1のタッチパネル用電極部材3と同様に、タッチ操作の検出感度を向上させ且つ視認性を向上させるとともに、画像表示装置9に使用した際のモアレの発生を抑制することができる。
【0057】
実施の形態3
実施の形態1において、第1電極層6Aと第2電極層6Bは、いずれも透明絶縁基板5に対して視認側すなわちカバーパネル2側に配置されているが、第1電極層6Aと第2電極層6Bの配置位置は、これに限定されない。
【0058】
図9に、本発明の実施の形態3におけるタッチパネル41の構成を示す。
タッチパネル41は、表面41Aと裏面41Bを有しており、裏面41B側に表示モジュール8が配置された状態で使用される。タッチパネル41の表面41Aは、タッチ検出面であり、タッチパネル41の観察者にとっては視認側となる。
【0059】
図9に示すように、タッチパネル41は、視認側に配置されたカバーパネル2と、視認側とは反対側において、接着剤4によりカバーパネル2に接合されたタッチパネル用電極部材42とを有している。タッチパネル用電極部材42は、透明絶縁部材43と、透明絶縁部材43の視認側の面43A上に形成された第1電極層6Aと、透明絶縁部材43の面43Aとは反対側の面43B上に形成された第2電極層6Bを有している。透明絶縁部材43は、第1電極層6Aおよび第2電極層6Bを支持する基板として機能しており、透明絶縁部材43としては、樹脂基板またはガラス基板等が用いられる。また、図9に示すように、平坦化および第1電極層6Aを保護する目的で第1電極層6A上に透明絶縁部材7Aが配置されていてもよい。また、第2電極層6Bを保護する目的で第2電極層6B上に透明絶縁部材7Bが配置されていてもよい。
【0060】
このように、透明絶縁部材43の一方の面43A側に第1電極層6Aが配置され、透明絶縁部材43の他方の面43B側に第2電極層6Bが配置されている場合であっても、実施の形態1のタッチパネル用電極部材3のように、透明絶縁基板5の一方の面側に第1電極層6Aと第2電極層6Bの双方が配置されている場合と同様にして、タッチ操作の検出感度を向上させ且つ視認性を向上させるとともに、タッチパネル41を画像表示装置9に使用した際のモアレの発生を抑制することができる。
【0061】
なお、実施の形態3の態様は、実施の形態1に適用されるが、実施の形態2に対しても同様に適用されることができる。
【0062】
実施の形態4
実施の形態1のタッチパネル用電極部材3において、第1電極層6Aと第2電極層6Bは、透明絶縁基板5に支持されているが、第1電極層6Aと第2電極層6Bがカバーパネル2に支持されるようにタッチパネル用電極部材が構成されていてもよい。
【0063】
図10に、本発明の実施の形態4に係るタッチパネル用電極部材51の構成を示す。
タッチパネル用電極部材51は、表面51Aと裏面51Bを有しており、裏面51B側に表示モジュール8が配置された状態で使用される。タッチパネル用電極部材51の表面51Aは、タッチ検出面であり、タッチパネル用電極部材51の観察者にとっては視認側となる。
【0064】
図10に示すように、タッチパネル用電極部材51は、カバーパネル2と、カバーパネル2の視認側とは反対側の面2B上に形成された第1電極層6Aと、第1電極層6A上に形成された透明絶縁部材7Aと、透明絶縁部材7A上に形成された第2電極層6Bと、第2電極層6B上に形成された透明絶縁部材7Bとを有している。また、カバーパネル2の視認側の面2Aは外部に開放されている。カバーパネル2は、第1電極層6Aを支持する基板として機能しており、カバーパネル2として、例えば、ガラス基板等が用いられる。このように、実施の形態4のタッチパネル用電極部材51は、カバーパネル2を有しており、タッチパネルとして使用されることができる。
【0065】
このように、透明絶縁基板5を有さずに、カバーパネル2上に第1電極層6Aが形成されている場合であっても、実施の形態1のタッチパネル用電極部材3のように、透明絶縁基板5の一方の面側に第1電極層6Aと第2電極層6Bの双方が配置されている場合と同様にして、タッチ操作の検出感度を向上させ且つ視認性を向上させるとともに、タッチパネル用電極部材51を画像表示装置9に使用した際のモアレの発生を抑制することができる。
【0066】
なお、実施の形態4の態様は、実施の形態1に適用されるが、実施の形態2に対しても同様に適用されることができる。
【0067】
以下、実施の形態1のタッチパネル用電極部材3を構成する各部材について説明する。なお、実施の形態2のタッチパネル用電極部材34、実施の形態3のタッチパネル用電極部材42、実施の形態4のタッチパネル用電極部材51を構成する各部材についても、実施の形態1のタッチパネル用電極部材3を構成する各部材に準ずるものとする。
【0068】
<透明絶縁部材>
透明絶縁部材7A、7Bおよび43は、透明で電気絶縁性を有し、第1電極層6Aと第2電極層6Bとを絶縁することができれば、特に限定されるものではないが、例えば、絶縁層また後述する透明絶縁基板が用いられる。絶縁層を構成する材料として、例えば、二酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化アルミ等の無機膜、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等を使用することができる。絶縁層としては、有機膜であることが好ましく、特にアクリル樹脂が好ましい。透明絶縁部材の厚みは、例えば、0.05μm~700μmが好ましく、0.1μm~100.0μmがより好ましい。特に透明絶縁部材が有機膜の絶縁層の場合、厚みは、1.0μm~10.0μmが好ましく、1.0μm~3.0μmであることがより好ましい。
【0069】
<透明絶縁基板>
透明絶縁基板5は、透明で電気絶縁性を有し、第1電極層6Aおよび第2電極層6Bを支持することができれば、特に限定されるものではないが、例えば、樹脂基板またはガラス基板等が用いられる。より具体的に、透明絶縁基板5を構成する材料として、例えば、ガラス、強化ガラス、無アルカリガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET:polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN:polyethylene naphthalate)、シクロオレフィンポリマー(COP:cyclo-olefin polymer)、環状オレフィン・コポリマー(COC:cyclic olefin copolymer)、ポリカーボネート(PC:polycarbonate)、アクリル樹脂、ポリエチレン(PE:polyethylene)、ポリプロピレン(PP:polypropylene)、ポリスチレン(PS:polystylene)、ポリ塩化ビニル(PVC:polyvinyl chloride)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC:polyvinylidene chloride)、トリアセチルセルロース(TAC:cellulose triacetate)等を使用することができる。透明絶縁基板5の厚みは、例えば、20μm~1100μmが好ましく、20μm~500μmがより好ましい。特に、PETのような有機樹脂基板の場合は、厚み20μm~200μmであることが好ましく、30μm~100μmであることがより好ましい。
【0070】
透明絶縁基板5の全光線透過率は、40%~100%であることが好ましい。全光透過率は、例えば、JIS K 7375:2008に規定される「プラスチック--全光線透過率および全光線反射率の求め方」を用いて測定されるものである。
【0071】
透明絶縁基板5の好適態様の1つとしては、大気圧プラズマ処理、コロナ放電処理および紫外線照射処理からなる群から選択される少なくとも1つの処理が施された処理済基板が挙げられる。上述の処理が施されることにより、処理された透明絶縁基板5の表面にOH基等の親水性基が導入される。これにより、透明絶縁基板5と、第2電極層6Bとの密着性が向上する。また、上述の処理の中でも、第2電極層6Bとの密着性がより向上する点で、大気圧プラズマ処理が好ましい。
また、透明絶縁基板5を、透明絶縁部材43として使用することもできる。その場合に、透明絶縁部材43としては、樹脂基板であることが好ましい。
【0072】
<下塗り層>
透明絶縁基板5と第2電極層6Bとの密着性を向上させるために、透明絶縁基板5と第2電極層6Bとの間に下塗り層を配置することもできる。この下塗り層は、高分子を含んでおり、透明絶縁基板5と第2電極層6Bとの密着性がより向上する。
【0073】
下塗り層の形成方法は特に限定されるものではないが、例えば、高分子を含む下塗り層形成用組成物を基板上に塗布して、必要に応じて加熱処理を施す方法が挙げられる。また、高分子を含む下塗り層形成用組成物として、ゼラチン、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、無機または高分子の微粒子を含むアクリル・スチレン系ラテックス等を使用してもよい。
【0074】
なお、必要に応じて、タッチパネル用電極部材3は、透明絶縁基板5と第2電極層6Bとの間に、他の層として、上述の下塗り層以外に、屈折率調整層を備えていてもよい。屈折率調整層として、例えば、屈折率を調整する酸化ジルコニウム等の金属酸化物の粒子が添加された有機層を使用できる。
【0075】
<金属細線>
第1電極層6Aの複数の第1帯状電極11および複数の第1ダミー電極15、第2電極層6Bの複数の第2帯状電極21および複数の第2ダミー電極25を形成する金属細線MW1およびMW2は、タッチパネル用電極部材3における視認性を確保するために、1.0μm~10.0μmの範囲内に設定された線幅を有することが望ましい。金属細線MW1およびMW2が、このような線幅を有していれば、低抵抗の第1帯状電極11および第2帯状電極21を比較的容易に形成することができる。なお、金属細線MW1、MW2の線幅として、光学顕微鏡(キーエンス製デジタルマイクロスコープVHX-7000)を用いて測定した値を用いる。
【0076】
金属細線MW1およびMW2の厚みは、特に限定されるものではないが、0.01μm~10.00μmが好ましく、2.00μm以下であることがより好ましく、0.02μm~1.00μmであることが特に好ましく、0.02μm~0.60μmであることが最も好ましい。これにより、第1帯状電極11および第2帯状電極21の耐久性と、第1帯状電極11、第1ダミー電極15、第2帯状電極21および第2ダミー電極25の視認性の向上を比較的容易に実現することができる。
【0077】
金属細線MW1およびMW2は、金属または合金を形成材料とし、例えば、銅、アルミニウムまたは銀から形成することができる。金属細線MW1およびMW2には、銅が含まれることが好ましいが、銅以外の金属、例えば、金、銀等が含まれていてもよい。また、金属細線MW1およびMW2は、メッシュパターンの形成に好適な、金属銀およびゼラチンまたはアクリル・スチレン系ラテックス等の高分子バインダーが含有されたものでもよい。その他の好ましいものとして、アルミニウム、銀、モリブデン、チタンの金属およびその合金である。また、これらの積層構造であってもよく、例えば、モリブデン/銅/モリブデン、モリブデン/アルミニウム/モリブデン等の積層構造の金属細線が使用できる。
【0078】
さらに、金属細線MW1およびMW2は、例えば、金属酸化物粒子、銀ペーストおよびは銅ペースト等の金属ペースト、並びに銀ナノワイヤおよび銅ナノワイヤ等の金属ナノワイヤ粒子を含むものであってもよい。
金属細線MW1およびMW2の視認性を向上させるために、少なくとも金属細線MW1およびMW2の視認側に黒化層を形成してもよい。黒化層としては、金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物、金属硫化物等が使用され、代表的には、酸窒化銅、窒化銅、酸化銅、酸化モリブデン等が使用できる。
【0079】
次に、金属細線MW1およびMW2の形成方法について説明する。これらの金属細線の形成方法として、例えば、スパッタ法、めっき法、銀塩法、および印刷法等が適宜利用可能である。
スパッタ法による金属細線MW1およびMW2の形成方法について説明する。まず、スパッタにより、銅箔層を形成し、フォトリソグラフィー法により銅箔層から銅配線を形成することにより、金属細線MW1およびMW2を形成することができる。なお、スパッタの代わりに、いわゆる蒸着により銅箔層を形成することもできる。銅箔層は、スパッタ銅箔または蒸着銅箔以外にも、電解銅箔が利用可能である。より具体的には、特開2014-29614号公報に記載の銅配線を形成する工程を利用することができる。
【0080】
めっき法による金属細線MW1およびMW2の形成方法について説明する。例えば、金属細線MW1およびMW2は、無電解めっき下地層に無電解めっきを施すことにより下地層上に形成される金属めっき膜を用いて構成することができる。この場合、金属細線MW1およびMW2は、少なくとも金属微粒子を含有する触媒インクを基材上にパターン状に形成した後に、基材を無電解めっき浴に浸漬し、金属めっき膜を形成することにより形成される。より具体的には、特開2014-159620号公報に記載の金属被膜基材の製造方法を利用することができる。
【0081】
また、金属細線MW1およびMW2は、少なくとも金属触媒前駆体と相互作用し得る官能基を有する樹脂組成物を基材上にパターン状に形成した後、触媒または触媒前駆体を付与し、基材を無電解めっき浴に浸漬し、金属めっき膜を形成することにより形成される。より具体的には、特開2012-144761号公報に記載の金属被膜基材の製造方法を応用することができる。
【0082】
銀塩法による金属細線MW1およびMW2の形成方法について説明する。まず、ハロゲン化銀が含まれる銀塩乳剤層に、金属細線MW1およびMW2となる露光パターンを用いて露光処理を施し、その後現像処理を行うことで、金属細線MW1およびMW2を形成することができる。より具体的には、特開2012-6377号公報、特開2014-112512号公報、特開2014-209332号公報、特開2015-22397号公報、特開2016-192200号公報および国際公開第2016/157585号に記載の金属細線MW1およびMW2の製造方法を利用することができる。
【0083】
印刷法による金属細線MW1およびMW2の形成方法について説明する。まず、導電性粉末を含有する導電性ペーストを金属細線MW1およびMW2と同じパターンとなるように基板に塗布し、その後、加熱処理を施すことにより金属細線MW1およびMW2を形成することができる。導電性ペーストを用いたパターン形成は、例えば、インクジェット法またはスクリーン印刷法によりなされる。導電性ペーストとしては、より具体的には、特開2011-28985号公報に記載の導電性ペーストを利用することができる。
【0084】
<カバーパネル>
カバーパネル2の材質としては、強化ガラス、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA:polymethyl methacrylate)等を使用することができ、カバーパネル2の厚みは0.1mm~1.5mmが好ましい。
<接着剤>
カバーパネル2とタッチパネル用電極部材3とを互いに接着させる接着剤4としては、光学透明粘着シート(OCA:Optical Clear Adhesive)または光学透明粘着樹脂(OCR:Optical Clear Resin)を使用することができ、好ましい膜厚は、10μm以上200μm以下である。光学透明粘着シートとしては、例えば、3M社製の8146シリーズの使用が可能である。
【0085】
ここで、一例として、スパッタ法により金属細線MW1、MW2を形成してタッチパネル用電極部材3を作製する方法を具体的に説明する。
透明絶縁基板5として、厚み100.0μmのPETフィルムを準備した。
【0086】
次に、PETフィルム上にアクリル樹脂で下塗り層を形成した。下塗り層の厚みは10.0μmであった。
【0087】
次に、下塗り層上にパターニングされた第2電極層6Bを構成した。まず、下塗り層上に、モリブデンを厚み20nm、銅を厚み300nm、モリブデンを20nmとなるよう、順次スパッタにて成膜して金属層を得た。
【0088】
次に、上記金属層上にレジスト組成物を塗布し、プリベークし、その後、パターン露光してアルカリ現像した。その後、ポストベークして、第2帯状電極21、第2パッド22、第2周辺配線23、第2外部接続端子24および第2ダミー電極25に対応するパターンを有するレジスト膜を形成した。次に、リン酸二水素アンモニウム10質量%、酢酸アンモニウム10質量%、過酸化水素6質量%、および、残部が水で調合されたエッチング液(pH(水素イオン指数)5.23)を用いて、上記金属層をエッチングし、その後、レジスト膜を剥離液で剥離した。これにより、図4に示すパターンを有するパターニングされた第2電極層6Bを形成した。形成された第2電極層6Bにおいて、第2メッシュパターンMP2の第2単位セルC2の菱形の鋭角は60度であり、1辺の長さは350.0μmであった。第2帯状電極21の電極幅W2は、2.43mmであった。また、第2帯状電極21および第2ダミー電極25の金属細線MW2の線幅は3.0μm、厚みは0.34μmであった。
【0089】
次に、第2電極層6Bを覆うように、アクリル樹脂からなる厚み3.0μmの透明絶縁部材7Bを形成した。次に、透明絶縁部材7B上にスパッタ法を用いて、第2電極層6Bと同様に、モリブデン/銅/モリブデンからなる金属層を形成した。次に、レジスト塗布、パターン露光、現像、エッチング、および、レジスト剥離の工程を行うことにより、第1帯状電極11、第1パッド12、第1周辺配線13、第1外部接続端子14および第1ダミー電極15を有し、図3に示すパターンを有するパターニングされた第1電極層6Aを形成した。形成された第1電極層6Aにおいて、第1メッシュパターンMP1の第1単位セルC1の菱形の鋭角は60度であり、1辺の長さは350.0μmであった。第1帯状電極11の電極幅W1は、1.40mmであった。また、第1帯状電極11および第1ダミー電極15の金属細線MW1の線幅は3.0μm、厚みは0.34μmであった。
【0090】
このようにして、タッチパネル用電極部材3を得た。
タッチパネル用電極部材3の第1電極層6Aを保護する目的で、第1電極層6Aを覆うように、アクリル樹脂からなる厚み3.0μmの透明絶縁部材7Aを形成し、透明絶縁部材7Aと、加飾層を有する厚み0.5mmの強化ガラスとを、OCAを介して互いに貼り合わせて、タッチパネルを形成した。得られたタッチパネルは、タッチ感度および視認性共に良好な特性を示した。
【符号の説明】
【0091】
1,41 タッチパネル、2 カバーパネル、3,34,51 タッチパネル用電極部材、1A,41A,51A 表面、1B,41B,51B 裏面、4,4A 接着剤、5 透明絶縁基板、2A,2B,43A,43B 面、6A 第1電極層、6B 第2電極層、7A,7B,43 透明絶縁部材、8 表示モジュール、9 画像表示装置、11 第1帯状電極、12 第1パッド、13 第1周辺配線、14 第1外部接続端子、15 第1ダミー電極、21,32 第2帯状電極、22 第2パッド、23 第2周辺配線、24 第2外部接続端子、25,33 第2ダミー電極、A1,A2 交差領域、C1 第1単位セル、C12 2倍ピッチ第1単位セル、C2 第2単位セル、C22 2倍ピッチ第2単位セル、C23 3倍ピッチ第2単位セル、D1 第1の方向、D2 第2の方向、DW1 第1ダミー電極線、DW2 第2ダミー電極線、EW1 第1電極線、EW2 第2電極線、G1 断線部、G2~G5 ギャップ、MP1 第1メッシュパターン、MP2 第2メッシュパターン、MP3 第3メッシュパターン、MW1,MW2 金属細線、NW1 第1非接続線、NW2 第2非接続線、R 領域、S1 透過領域、S2 周辺領域、W1 第1電極幅、W2 第2電極幅。
図1
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