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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022110515
(43)【公開日】2022-07-29
(54)【発明の名称】容器詰めソースセット
(51)【国際特許分類】
   A23L 23/00 20160101AFI20220722BHJP
【FI】
A23L23/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021005977
(22)【出願日】2021-01-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・株式会社オールアバウト ライフマーケティングが運営するサンプル百貨店のウェブサイト(URL:https://shopping-3ple.dmkt-sp.jp/pay4ship/item/100000316472) 出荷日 2020年3月2日 ・キユーピーダブルソース 明太子&チーズ/トマト&チーズ/バジル&トマト 3品の出荷先(別紙資料1「店舗一覧表」参照) 出荷日 2020年3月2日
(71)【出願人】
【識別番号】000001421
【氏名又は名称】キユーピー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(72)【発明者】
【氏名】山下 浩平
【テーマコード(参考)】
4B036
【Fターム(参考)】
4B036LC04
4B036LE05
4B036LF03
4B036LH10
4B036LH13
4B036LH15
4B036LH39
4B036LP19
(57)【要約】
【課題】保存中の乳風味の劣化を抑制できる容器詰めソースセットの提供。
【解決手段】本発明による2種類のソースA及びBが各々分離された空間に充填された容器詰めソースセットであって、
前記容器が、包装材料でさらに密封されており、
前記ソースAが、少なくとも水を含み、
前記ソースAの水分含有量が、10質量%以上90質量%以下であり、
前記ソースBが、少なくとも、水、食用油脂、乳原料、及び糖類を含み、
前記ソースBの水分含有量が、0.1質量%以上4.0質量%以下であり、
前記ソースBの乳タンパク質の含有量が、0.5質量%以上4.0質量%以下であり、
前記ソースBの還元糖の含有量が、1.0質量%以上7.0質量%以下であることを特徴とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2種類のソースA及びBが各々分離された空間に充填された容器詰めソースセットであって、
前記容器が、包装材料でさらに密封されており、
前記ソースAが、少なくとも水を含み、
前記ソースAの水分含有量が、10質量%以上90質量%以下であり、
前記ソースBが、少なくとも、水、食用油脂、乳原料、及び糖類を含み、
前記ソースBの水分含有量が、0.1質量%以上4.0質量%以下であり、
前記ソースBの乳タンパク質の含有量が、0.5質量%以上4.0質量%以下であり、
前記ソースBの還元糖の含有量が、1.0質量%以上7.0質量%以下であることを特徴とする、
容器詰めソースセット。
【請求項2】
前記ソースBの食用油脂の含有量が、50質量%以上80質量%以下であることを特徴とする、
請求項1に記載の容器詰めソースセット。
【請求項3】
前記ソースBの固形分割合が、15質量%以上45質量%以下であることを特徴とする、
請求項1または2に記載の容器詰めソースセット。
【請求項4】
前記2種類のソースA及びBが、パスタまたは米飯と混ぜ合わせて使用されることを特徴とする、
請求項1~3のいずれか一項に記載の容器詰めソースセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器詰めソースセットに関し、より詳細には、2種類のソースが各々分離された空間に充填された容器詰めソースセットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、働き方の多様化から、共働き世帯が増えていることもあり、簡便調理が注目されている。簡便調理の一助として、例えば、株式会社ディスペンパックジャパン製のパキッテ(登録商標) が知られている。これは、上蓋と容器とからなり、上蓋にある突起や溝を軸に、容器を2つに折ることにより中身が簡単に片手で搾り出せる。そのため、手を汚すことがなく、食品容器として現在広く活用されている。
【0003】
現在では、2種類の調味料を各々分離された容器に充填した分離型の液状調味料が開発されている(特許文献1)。このような容器を折り曲げることで、同時に2種類の調味料を絞り出せ、2種類の調味料を簡便に混合することができる。また、2種類のソースが分離充填された容器を用いた技術として、加熱殺菌工程中及び保存中等における乳化状態及び乳風味の維持を目的に、クリームソースを2分して、一方のソースのみに乳由来原材料を配合し、他方のソースのみに食塩を配合することが提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-57417号公報
【特許文献2】特開2010-187555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載の技術を用いたとしても、保存中に乳原料を含むクリームソースに水分が移行し、乳風味が劣化するという新たな課題を知見した。また、特許文献2に記載の技術では、分離包装された2種類のソースの成分に制限がかかるという課題も知見した。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、ソースA及び乳原料を含むソースBが各々分離された空間に充填された容器詰めソースセットにおいて、保存中の乳風味の劣化を抑制できる容器詰めソースセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、鋭意検討した結果、驚くべきことに、保存中に水分含有量の高いソースA及び乳原料を含む水分含有量の低いソースBが各々分離された空間に充填され、包装材料でさらに密封された容器詰めソースセットにおいては、ソースAからソースBへの水分移行が起こり易いが、ソースBの水分、還元糖、乳タンパク質の含有量を調節することにより、上記の技術的課題を解決できることを知見し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の一態様によれば、
2種類のソースA及びBが各々分離された空間に充填された容器詰めソースセットであって、
前記容器が、包装材料でさらに密封されており、
前記ソースAが、少なくとも水を含み、
前記ソースAの水分含有量が、10質量%以上90質量%以下であり、
前記ソースBが、少なくとも、水、食用油脂、乳原料、及び糖類を含み、
前記ソースBの水分含有量が、0.1質量%以上4.0質量%以下であり、
前記ソースBの乳タンパク質の含有量が、0.5質量%以上4.0質量%以下であり、
前記ソースBの還元糖の含有量が、1.0質量%以上7.0質量%以下であることを特徴とする、
容器詰めソースセットが提供される。
【0009】
本発明の態様においては、前記ソースBの食用油脂の含有量が、50質量%以上80質量%以下であることが好ましい。
【0010】
本発明の態様においては、前記ソースBの固形分割合が、15質量%以上45質量%以下であることが好ましい。
【0011】
本発明の態様においては、前記2種類のソースA及びBが、パスタまたは米飯と混ぜ合わせて使用されることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ソースA及び乳原料を含むソースBが各々分離された空間に充填された容器詰めソースセットであって、保存中の乳風味の劣化を抑制できる容器詰めソースセットを提供することができる。このような容器詰めソースセットの品質向上によって、消費者の購買意欲を高め、容器詰めソースセットのさらなる市場拡大が期待できる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<容器詰めソースセット>
本発明の容器詰めソースセットにおいて、2種類のソースA及びBは各々分離された空間に充填されている。分離された空間は、同一の容器中に存在してもよいし、別個の容器であってもよい。これらの容器は包装材料でさらに密封されている。2種類のソースA及びBは、一般的に調理に用いられる液状またはペースト状のものをいう。液状については、特に限定されず、乳化液状でも、乳化していない分離液状でもよい。以下、2種類のソースA及びBの詳細について説明する。
【0014】
(ソースA)
本発明の容器詰めソースセットのソースAは、少なくとも水を含み、さらに、食用油脂、糖類、及び食塩等のその他の原料を含んでもよい。ソースAは、乳原料を含まなくてもよいし、含んでもよいが、乳原料を含む場合には0.5質量%未満で含む。ソースAの種類は特に限定されないが、例えば、トマトソース、デミグラスソース、タラコソース、明太子ソース、バジルソース等である。
【0015】
(ソースAの水分含有量)
ソースAの水分含有量は、10質量%以上90質量%以下であり、好ましくは20質量%以上80質量%以下であり、より好ましくは25質量%以上70質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以上60質量%以下である。ソースAの水分含有量はソースBの水分含有量に比べて高いため、保存中に容器の分離された空間に充填されたソースAからソースBへの水分の移行が起こり易いが、ソースBの還元糖の含有量を調節することにより、ソースBの乳風味の劣化を抑制することができる。
【0016】
(ソースAの水分活性)
ソースAの水分活性は、0.75以上0.85以下であり、好ましくは0.77以上であり、より好ましくは0.80以上であり、また、好ましくは0.84以下である。ソースAの水分活性を上記数値範囲内に調節することで、容器詰めソースセットの保存中にソースAからソースBへ水分が移行するのを抑制することが期待できる。なお、ソースAの水分活性は、ソースAに配合する水分含有量、食塩及び糖類等の含有量を調整することにより、調節することができる。また、ソースAの水分活性は、25℃で従来公知の方法により測定することができる。
【0017】
(食用油脂)
ソースAに用いる食用油脂としては、特に限定されないが、例えば、菜種油、大豆油、パーム油、綿実油、コーン油、ひまわり油、サフラワー油、胡麻油、オリーブ油、亜麻仁油、米油、椿油、荏胡麻油、グレープシードオイル、ピーナッツオイル、アーモンドオイル、アボカドオイル、魚油、牛脂、豚脂、鶏脂、又はMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、ショートニング、エステル交換油等のような化学的あるいは酵素的処理等を施して得られる油脂等を挙げることができる。これらの中でも、菜種油、大豆油又はパーム油を用いることが好ましい。
【0018】
ソースAの食用油脂の含有量は、好ましくは1質量%以上60質量%以下であり、好ましくは3質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上40質量%以下である。ソースAの食用油脂の含有量が上記数値範囲内であれば、油脂のコクを感じ易く、またソースの食味を滑らかにしたり、パスタや米飯等と混ぜ合わせ易くしたりすることができる。
【0019】
(ソースB)
本発明の容器詰めソースセットのソースBは、少なくとも、水、食用油脂、乳原料、及び糖類を含み、さらに、食塩等のその他の原料を含んでもよい。なお、ソースBには、他の原料とともに水を添加してもよいし、他の原料中に水が含まれていてもよい。ソースBの種類は特に限定されないが、例えば、チーズソース、クリームソース等である。
【0020】
(ソースBの水分含有量)
ソースBの水分含有量は、0.1質量%以上4.0質量%以下であり、好ましくは0.2質量%以上3.5質量%以下であり、より好ましくは0.3質量%以上3.0質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以上2.5質量%以下である。ソースBの水分含有量が上記数値範囲内であれば、保存中にソースBの乳風味の劣化を抑制することができる。
【0021】
(ソースBの固形分割合)
ソースBの固形分割合は、好ましくは15質量%以上45質量%以下であり、より好ましくは20質量%以上42質量%以下であり、より好ましくは22質量%以上40質量%以下である。ソースBの固形分割合が上記数値範囲内であれば、保存中にソースBが水分を吸収するのを抑制し、乳風味の劣化を抑制することができる。
【0022】
(乳原料)
ソースBに用いる乳原料は、少なくとも乳タンパク質を含むものである。乳原料としては、例えば、チーズ、バター、生クリーム、牛乳、乳清(ホエイ)、脱脂粉乳、乳脂肪、乳タンパク質、クリームパウダー等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0023】
乳原料に用いるチーズは、特に限定されないが、ナチュラルチーズ及び/又はこれを用いて製したプロセスチーズを用いることができる。例えば、ナチュラルチーズとしては、パルメザンチーズ、グラナチーズ、チェダー、エメンタール、ゴーダ、マリボー等の原料チーズが挙げられる。本発明においては、これらの1種又は2種以上の原料チーズを用いることができ、液状調味料のチーズ風味を際立たせるために2種以上用いることが好ましい。
【0024】
ソースBの乳タンパク質の含有量は、0.5質量%以上4.0質量%以下であり、好ましくは0.6質量%以上3.5質量%以下であり、より好ましくは0.7質量%以上3.2質量%以下である。ソースB中の乳タンパク質の含有量が上記数値範囲内であれば、乳タンパク質の凝集を抑えながら、ソースBに十分な乳風味を与えることができる。なお、ソースB中の乳タンパク質の含有量は、乳原料の配合量や種類に応じて適宜、調節することができる。
【0025】
(糖類)
ソースBに用いる糖類は、例えば、ぶどう糖及び果糖等の単糖類、蔗糖、麦芽糖、及びトレハロース等の二糖類、オリゴ糖等の還元糖に加え、還元水あめ等の糖アルコール、食物繊維、セルロース等も含む概念である。本発明においては、ソースBに少なくとも還元糖を用いる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、ソースAに糖類を用いる場合には、上記と同様のものを用いることができる。
【0026】
ソースBの還元糖の含有量は、1.0質量%以上7.0質量%以下であり、より好ましくは1.2質量%以上6.5質量%以下であり、より好ましくは1.4質量%以上5.0質量%以下であり、さらに好ましくは1.5質量%以上3.5質量%以下である。ソースBの還元糖の含有量が上記範囲内であれば、保存中にソースBの乳風味の劣化を抑制することができる。
【0027】
(食用油脂)
ソースBに用いる食用油脂としては、上述のソースAに用いる油脂と同様の油脂を用いることができる。ソースBの食用油脂の含有量は、好ましくは50質量%以上80質量%以下であり、好ましくは52質量%以上78質量%以下であり、より好ましくは55質量%以上75質量%以下である。ソースBの食用油脂の含有量が上記数値範囲内であれば、油脂のコクを感じ易く、またソースBの食味を滑らかにしたり、パスタや米飯等と混ぜ合わせ易くしたりすることができる。
【0028】
(その他の原料)
本発明の容器詰めソースセットのソースは、上述の原料の他に、本発明の効果を損なわない範囲でその他の原料を適宜選択し含有させることができる。その他の原料としては、例えば、食塩、グルタミン酸ナトリウム、醤油等の各種調味料、各種エキス、胡椒等の香辛料、着色料、香料、各種アミノ酸、各種ビタミン、各種ミネラル等が挙げられる。
【0029】
(用途)
本発明の容器詰めソースセットのソースは、パスタや米飯等と混ぜ合わせる際に、好適に使用できる。
【0030】
(容器)
本発明の容器詰めソースセットに用いる容器は、ソースA及びBを充填するための分離された空間を有するものではあれば特に限定されない。ソースAを充填するための空間AとソースBを充填するための空間Bの容積は特に限定されず、同一であっても異なっていてもよい。このような容器としては、例えば、株式会社ディスペンパックジャパン製のパキッテ(登録商標)を用いることができる。
【0031】
本発明の容器詰めソースセットに用いる容器の材料は特に限定されず、従来公知の食品容器用の材料を用いることができる。容器の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂等を挙げることができる。
【0032】
(包装材料)
包装材料には、従来公知の包装材料用のフィルムを用いることができる。フィルムは、例えば、単層又は二種以上を積層してなるフィルムやアルミニウム等の金属箔、金属又は金属酸化物の蒸着フィルム等を積層してなるフィルムであってもよい。
【0033】
<容器詰めソースセットの製造方法>
本発明の容器詰めソースセットの製造方法の一例について説明する。例えば、まず、食用油脂、たらこ、食塩、糖アルコール、魚介エキス、その他調味料、清水を均一になるように混合して、ソースAを調製する。また、食用油脂、チーズ等の乳原料、糖類、その他の調味料を均一になるように混合して、ソースBを調製する。なお、ソースA及びBの調製には、通常のソースの製造に使われる装置を用いることができる。このような装置としては、例えば、一般的な攪拌機、スティックミキサー、スタンドミキサー、ホモミキサー、ホモディスパー等が挙げられる。撹拌機の撹拌羽形状としては、例えばプロペラ翼、タービン翼、パドル翼、アンカー翼等が挙げられる。
【0034】
続いて、得られた2種類のソースA及びBをそれぞれ、容器の分離された空間に従来公知の方法により充填する。その後、2種類のソースA及びBが充填された容器を包装材料により密封することで、容器詰めソースセットを製造することができる。
【実施例0035】
[実施例1~9、1~4]
<容器詰めソースセットの製造>
(ソースA1の調製)
食用油脂30質量%、たらこ20質量%、食塩5質量%、糖アルコール10質量%、魚介エキス10質量%、その他調味料15%、清水10質量%をミキサーで混合し、ソースA1を調製した。
得られたソースA1の25℃での水分活性を水分活性計(LabMaster-aw Basic、ノバジーナ社製)により測定した。水分活性は0.80であった。得られたソースA1は、実施例1及び比較例4の容器詰めソースセットで用いた。
【0036】
(ソースA2の調製)
トマトペースト50質量%、食塩10質量%、食用油脂7質量%、砂糖6質量%、その他調味料10質量%、清水15質量%をミキサーで混合し、ソースA2を調製した。
得られたソースA2の25℃での水分活性を水分活性計)により測定した。水分活性は0.84であった。得られたソースA2は、実施例2~9及び比較例1~3の容器詰めソースセットで用いた。
【0037】
(ソースBの調製)
続いて、表1の配合割合に準じ、ソースBを調製した。具体的には、ソースBは、食用油脂、チーズ等の乳原料、糖類、その他の調味料をミキサーで混合することにより調製した。
【0038】
(ソースA及びBの充填)
次いで、得られた2種類のソースA及びB11gずつを、ポリエチレン製容器の各々分離された空間に充填した。続いて、2種類のソースA及びBを充填した容器をアルミ蒸着フィルムからなる包装材料で密封して、容器詰めソースセットを得た。
【0039】
<官能評価試験>
上記で得られた容器詰めソースセットを55℃で3日間保存した。保存試験後の容器詰めソースセットを開封し、乳原料を含むソースBを取り出した。取り出したソースBについて、訓練された複数のパネルにより、下記の基準で「乳風味」を官能評価した。評価結果を表1に示した。
[乳風味の評価基準]
◎:乳風味(特にチーズ風味)を非常に良く感じた。
〇:乳風味(特にチーズ風味)を良く感じた。
×:乳風味(特にチーズ風味)をあまり感じなかった。
【0040】
【表1】
【0041】
表1に示す通り、実施例1~9の容器詰めソースセットのソースBはいずれも、保存試験後の乳風味(特にチーズ風味)が良好であった。
一方、比較例1の容器詰めソースセットのソースBは、水分含有量が高いため、保存試験後に乳風味(特にチーズ風味)が劣化しており、あまり感じなかった。
比較例2の容器詰めソースセットのソースBは、乳タンパク質の含有量が高いため、保存試験後に乳風味(特にチーズ風味)が劣化しており、あまり感じなかった。
比較例3及び4の容器詰めソースセットのソースBは、還元糖の含有量が高いため、保存試験後に乳風味(特にチーズ風味)が劣化しており、あまり感じなかった。