(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022111044
(43)【公開日】2022-07-29
(54)【発明の名称】測長装置
(51)【国際特許分類】
G01D 5/347 20060101AFI20220722BHJP
G01D 5/245 20060101ALI20220722BHJP
【FI】
G01D5/347 110X
G01D5/245 110W
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021168835
(22)【出願日】2021-10-14
(31)【優先権主張番号】10 2021 200 417.2
(32)【優先日】2021-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】390014281
【氏名又は名称】ドクトル・ヨハネス・ハイデンハイン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】DR. JOHANNES HEIDENHAIN GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】タレク・ヌッツィンガー
(72)【発明者】
【氏名】ヘルマン・マイヤー
【テーマコード(参考)】
2F077
2F103
【Fターム(参考)】
2F077AA11
2F077AA43
2F077CC02
2F077NN05
2F077NN24
2F077NN27
2F077PP01
2F077PP05
2F077VV02
2F077VV21
2F103BA06
2F103BA43
2F103CA01
2F103DA01
2F103DA04
2F103DA12
2F103EB01
2F103EB11
2F103GA01
(57)【要約】
【課題】簡潔でコンパクトに構成され、正確な位置測定が可能となるように用いられる測長装置を提供する。
【解決手段】測長装置は、スケール(12)と、当該スケール(12)の目盛り(14)を走査するプローブキャリッジ(16)と、連結子(22)を有する連結体(20)とを有する。連結子(22)は、フレクシャーベアリング(30)を介して連行体(26)に取り付けられている。フレクシャーベアリング(30)は、目盛り(14)の面(S)に垂直に延びる第一の回転軸線(R1)周りに、連結子(22)を連行体(26)に対して自由に回転できる状態で保持するように形成されている。連結子(22)は、鋼と比べて低い密度か鋼と比べて高いヤング率かの少なくともいずれかを有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測長装置であって、
測定方向(X)に縦長に延在し且つスケール(12)が配置された支持体(10)と、
スケール(12)の目盛り(14)を走査するプローブキャリッジ(16)であって、少なくとも一つのガイド面(18.1-18.3)上を測定方向(X)に縦長にガイドされるプローブキャリッジ(16)と、
プローブキャリッジ(16)が測定方向(X)には堅固に連行体(26)に連結され、測定方向に交差する方向には従動的に連行体(26)に連結されるのに用いられる連結体(20)であって、プローブキャリッジ(16)側の第一の連結部位(P1)と、連行体(26)側の第二の連結部位(P2)との間に配置された連結子(22)を有する連結体(20)と、
を備えた測長装置において、
連結子(22)は、第二の連結部位(P2)においてフレクシャーベアリング(30)を介して連行体(26)に取り付けられ、当該フレクシャーベアリング(30)は、目盛り(14)の面(S)に垂直に延びる第一の回転軸線(R1)周りに、連結子(22)を連行体(26)に対して自由に回転できる状態で保持するように形成され、
連結子(22)は、鋼と比べて低い密度か、鋼と比べて高いヤング率かの少なくともいずれかを有することを特徴とする測長装置。
【請求項2】
連結子(22)は、鋼の密度の10~80%の範囲、20~70%の範囲または25~65%の範囲の密度を有する請求項1に記載の測長装置。
【請求項3】
連結子(22)は、100~500GPaの範囲、160~440GPaの範囲または250~350GPaの範囲のヤング率を有する請求項1または2に記載の測長装置。
【請求項4】
連結子(22)は、L字形に屈曲されて形成されている請求項1から3のいずれかに記載の測長装置。
【請求項5】
第一の連結部位(P1)と第二の連結部位(P2)は、目盛り(14)の面(S)に垂直に延びる方向(Z)において互いにずらされて配置されている請求項1から4のいずれかに記載の測長装置。
【請求項6】
連結体(20)は、ボール(32)を有し、当該ボールを介して連結子(22)がプローブキャリッジ(16)側の第一の連結部位(P1)に連結され、連結子(22)は、当該ボール(32)を受ける受け部(Q)を有し、当該受け部(Q)は、係止ピンおよび/またはボール受け用のピンが無く、しかもボール(32)が測定方向(X)に垂直な方向に動けるように形成されている請求項1から5のいずれかに記載の測長装置。
【請求項7】
少なくとも受け部(Q)がセラミックを備える請求項6に記載の測長装置。
【請求項8】
連結体(20)は、フレクシャーベアリング(30)を連結子(22)に接続するための平板形状子(34)を有し、連結子(22)は、複数の切頭円錐形状子(24.1-24.3)を備え、当該切頭円錐形状子が、これらにそれぞれ対応して設けられた平板形状子(34)の開口部(36.1-36.3)を少なくとも部分的に貫いて延びている請求項1から7のいずれかに記載の測長装置。
【請求項9】
連結子(22)は、少なくとも第一及び第二の切頭円錐形状子(24.1,24.2)を備え、これらの切頭円錐形状子は、目盛り(14)の面(S)に垂直に延びる方向(Z)において重なり合う位置に配置され、第一の切頭円錐形状子(24.1)は、第一の切頭円錐形状子(24.1)に対応して設けられた平板形状子(34)の開口部(36.1)を介して平板形状子(34)を位置決めするために星形に形成され、第二の切頭円錐形状子(24.2)は、目盛り(14)の面(S)に平行な方向(Y)に延びる第二の回転軸線(R2)周りに平板形状子(34)が回転するのを阻止して距離公差を補償するために、第二の切頭円錐形状子(24.2)に対応して設けられた開口部(36.2)の縁に両側で当接する請求項8に記載の測長装置。
【請求項10】
切頭円錐形状子(24.1-24.3)は、平板形状子(34)に臨む連結子(22)の部分(A)を成形することにより作られた要素である請求項8または9に記載の測長装置。
【請求項11】
少なくとも切頭円錐形状子(24.1-24.3)はセラミックを備える請求項8から10のいずれかに記載の測長装置。
【請求項12】
平板形状子(34)は鋼板である請求項8から11のいずれかに記載の測長装置。
【請求項13】
連結子(22)は、大部分または全部がセラミックからなる請求項1から12のいずれかに記載の測長装置。
【請求項14】
フレクシャーベアリング(30)は板バネである請求項1から13のいずれかに記載の測長装置。
【請求項15】
板バネは鋼からなる請求項14に記載の測長装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のおいて書きに記載の測長装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の測長装置は、長さや経路を測定するのに用いられ、特に、加工機械(Bearbeitungsmaschine)において加工対象のワークに対する工具の相対運動を測定するために使用され、三次元測定装置(Koordinatenmessmaschine)において、そしてさらには、半導体産業にも使用される。
【0003】
特許文献1は、スケールと当該スケールを走査するプローブキャリッジとからなる測長装置を開示している。プローブキャリッジは、連結体によって測定方向にはしっかりと(堅固に)、それ以外は動けるように連行体に取り付けられている。連結体は、測定方向に延在する結合部材を有し、当該結合部材は、プローブキャリッジ上の第一のロータリージョイントに回転可能に支承されているとともに、連行体上の第二のロータリージョイントに回転可能に支承されている。この結合部材と連行体との間に第一の弾性手段が設けられ、当該弾性手段が、プローブキャリッジに押圧力を及ぼし、ガイド面に押し付ける。さらに、上記結合部材とプローブキャリッジとの間には第二の弾性手段が設けられ、当該弾性手段は、プローブキャリッジに押圧力を及ぼし、同じくガイド面に押し付ける。第一の弾性手段は、第二の弾性手段から測定方向に離間して配置されている。
【0004】
連結体を備えたさらに別の測長装置は、特許文献2、特許文献3及び特許文献4から公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3228993号明細書
【特許文献2】欧州特許第2037230号明細書
【特許文献3】欧州特許第1180662号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第3624485号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、簡潔でコンパクトに構成され、正確な位置測定が可能となるように用いられる測長装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、本発明により、請求項1の特徴を有する測長装置により解決される。
【0008】
本発明により形成された測長装置は、測定方向に縦長に延在し且つスケールが配置された支持体と、スケールの目盛りを走査するプローブキャリッジであって、少なくとも一つのガイド面上を測定方向に縦長にガイドされるプローブキャリッジと、プローブキャリッジが測定方向には堅固に連行体に連結され、測定方向に交差する方向には従動的に連行体に連結されるのに用いられる連結体とを有している。連結体は、プローブキャリッジ側の第一の連結部位と連行体側の第二の連結部位との間に配置された連結子を有している。連結子は、第二の連結部位においてフレクシャーベアリングを介して連行体に取り付けられている。フレクシャーベアリングは、目盛りの面に垂直に延びる第一の回転軸線周りに、連結子を連行体に対して自由に回転できる状態で保持するように形成されている。連結子は、鋼と比べて密度が低いか或いは鋼と比べてヤング率が高いかの少なくともいずれかである。
【0009】
例えば、連結子は、鋼の密度の10~80%の範囲、20~70%の範囲または25~65%の範囲の密度を有する。
【0010】
例えば、連結子は、100~500GPaの範囲、160~440GPaの範囲または250~350GPaの範囲のヤング率を有する。
【0011】
有利であるのは、連結体がボールを有し、当該ボールを介して連結子がプローブキャリッジ側の第一の連結部位に連結される場合であり、連結子が、ボールを受ける受け部を有する場合であり、さらに、受け部は、係止ピンおよび/またはボール受け用のピンが無く、しかもボールが測定方向に垂直な方向に動けるように形成されている場合である。
【0012】
また、有利であるのは、連結体が、フレクシャーベアリングを連結子に接続するための平板形状子を有する場合であり、連結子が、複数の切頭円錐形状子を備え、当該切頭円錐形状子が、これらにそれぞれ対応して設けられた平板形状子の開口部を少なくとも部分的に貫いて延びている場合である。
【0013】
好ましくは、連結子は、大部分または全部がセラミックからなる。
【0014】
或いは、連結子は、大部分または全部が炭素繊維強化プラスチック(CFK)からなるのでもよい。
【0015】
フレクシャーベアリングは、特に板バネである。
【0016】
本発明により、一方では固有剛性が比較的高くなり、他方では連結子の質量が比較的小さくなる。その結果、システムの固有周波数の周波数帯域の位置を、より高い周波数の方に大幅にシフトさせることができる。これによりまた、従来技術に比べて測長装置の周波数特性を改善することが可能となる。しかも、固有振動数が特定の周波数帯域における測定精度を著しく低下させる、連結体を実体化させるための(付加的な)質量バネ系は無くすことができる。従って、簡潔でコンパクトな構造が実現される一方、他方では正確な位置測定が可能になる。
【0017】
本発明の有利な構成は、従属請求項において把握される。
【0018】
本発明の可能な実施例の以下の説明に基づいて、本発明のさらなる詳細をよび長所を図と関連させながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】連結子の領域における
図1による測長装置の断面図である。
【
図3】
図1による測長装置の連結子の側面図である。
【
図4】フレクシャーベアリングの連結子との接続を分かり易く示すための、
図1による測長装置の連結子のさらに他の側面図である。
【
図5】
図1による測長装置の連結子の斜視図である。
【
図6】従来技術による測長装置の連結子の側面図である。
【
図7】フレクシャーベアリングの連結子との接続を分かり易く示すための、従来技術による測長装置の連結子のさらに他の側面図である。
【
図8】係止ピンとボール受け用のピンを備えた従来技術による測長装置の連結子の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
同一の要素または機能的に同じ要素は、図中に同じ符号が付されている。
【0021】
以下に、
図1乃至5に基づいて一実施例を説明する。
図6乃至8は、公知の測長装置の構成部材(要素)を示す。この実施例による測長装置は、測定方向Xに互いに移動可能な二つの物体の相対的な位置を測定するのに用いられる。位置測定のために、測長装置のスケール12がこれらの物体の一方に取り付けられ、測長装置のプローブキャリッジ16がこれらの物体の他方に取り付けられる。スケール12はこのとき、当該スケール12に対して測定方向Xに移動可能なプローブキャリッジ16により走査される。測長装置は、測定方向Xに縦長に延在する支持体10を備えている。スケール12は、目盛り14を備え、この目盛りがプローブキャリッジ16によって走査される。さらに、プローブキャリッジ16は、光ビームを放射する照明ユニットを有し、光ビームは、目盛り14の位置に応じて変調されて、最終的にはプローブキャリッジ16の光感知式走査センサに入る。プローブキャリッジ16の走査センサと照明ユニットは、図示されていない。
【0022】
スケール12は、支持体10上に配設されている。
図2に示されているように、支持体10は中空プロファイルであり、その内部にスケール12とプローブキャリッジ16とが保護された状態で収められている。スケール12はここで、例えば接着や締結といった公知の方法で支持体10に接合されている。中空プロファイルとして形成された支持体10は、その長手方向において、測定方向Xに延在した状態でスリットを備えており、このスリットが、屋根形に傾斜したシールリップ11により密閉されていて、連行体26は、剣形の中央部分28.1がこのシールリップを貫くように係入している。連行体26は、取付部28.2を備え、この取付部によって測定対象の物体の一つに、例えば工作機械のスライダに取り付けられている。
【0023】
プローブキャリッジ16は、正確な平行ガイドのために、スケール12に沿って、当該スケール上および/または支持体10上を案内されている。そのために、プローブキャリッジ16は、図示された実施例においては、案内子を介して、複数のガイド面18.1~18.3上で自身を支えている。ガイド面18.1~18.3は、支持体10に取り付けられたガイドストリップにより形成される。ガイド面18.2,18.3は、目盛り14の面Sに平行に配向されている。ガイド面18.1は、この面Sに垂直に配向されている。これら案内子は、滑走部材でもよいが、特に玉軸受されたローラないしコロでもよい。
【0024】
プローブキャリッジ16は、連結体20を介し、測定方向Xには堅固に連行体26に連結され、測定方向に交差する方向には従動的に連行体26に連結されている。連結体20は、連結子22を有し、当該連結子がプローブキャリッジ16側の第一の連結部位P1と、連行体26側の第二の連結部位P2との間に配置されている(
図3参照)。連結子22は、第二の連結部位P2においてフレクシャーベアリング30、特に板バネを介して連行体26に取り付けられている。フレクシャーベアリング30は、目盛り14の面Sに垂直に延びる第一の回転軸線R1周りに、連結子22を連行体26に対して自由に回転できる状態で保持するように形成されている。板バネは、特に鋼からなる。
【0025】
連結子22は、鋼と比べて低い密度か、鋼と比べて高いヤング率かの少なくともいずれかを有する。例えば、連結子22は、鋼の密度の10~80%の範囲、20~70%の範囲または25~65%の範囲の密度を有する。さらに、連結子22は、例えば、100~500GPaの範囲、160~440GPaの範囲または250~350GPaの範囲のヤング率を有する。図示した実施例では、連結子22は、大部分または好ましくは全部がセラミックからなる。
【0026】
図3を参照すると、連結子22は、略L字形に屈曲されて形成されている。さらに、連結子22は、フォーク形に形成され、連結子22の上側の部分は、目盛り14の両側に配置されている(
図2参照)。連結子22は、第一と第二の連結部位P1,P2の間に延在している。第一の連結部位P1と第二の連結部位P2はここで、目盛り14の面Sに垂直に延びる方向Zにおいて互いにずらされて配置されている。
【0027】
第一の連結部位P1は、一方では目盛り14の面S内或いは少なくともこの面Sの(Z方向における)近傍に配置され、他方では目盛り14の(Y方向における)両側に配置されていることが好ましい。このことが特に
図2に示されている。
【0028】
図3に示される連結体20は、ボール32を有し、このボールを介して連結子22がプローブキャリッジ16側の第一の連結部位P1に連結されている。連結子22は、このボール32を受ける受け部Qを有している。従来技術とは対照的に、受け部Qは、係止ピンおよび/またはボール受け用のピンが無く、しかもボール32が測定方向Xに垂直な方向(すなわちYZ面内)に動けるように形成されている。この目的のために、少なくとも受け部Qはセラミックを備えている必要がある。
【0029】
図3を参照して説明した第一の連結部位P1への連結により、係止ピン若しくはボール受け用のピン(
図8中の部材2および部材4参照)の使用を省くことができる。 これにより、従来技術に比べて、測長装置を製造する際のかなりのコストの節約が可能になる。
【0030】
図4を参照すると、連結体20は、フレクシャーベアリング30を連結子22に接続するための平板形状子34、特に鋼板を有している。平板形状子34は、Y軸線方向に視て略長方形に形成されている。連結子22は、複数の切頭円錐形状子24.1~24.3を備え、これらの切頭円錐形状子がこれらのそれぞれに対応して設けられた平板形状子34の開口部36.1~36.3を少なくとも部分的に貫くように延びている。
図4には、フレクシャーベアリング30の接続状態が示されている。接続状態では、フレクシャーベアリング30は、平板形状子34と、これとは反対側の連結子22の部分(
図5の部分Aを参照)との間に配置されている。さらに、接続状態では、平板形状子34は、ネジ38を介して連結子22に取り付けられている。
【0031】
図5を参照すると、連結子22は、第一乃至第三の切頭円錐形状子24.1~24.3を備えている。切頭円錐形状子24.1~24.3は、Z方向に互いに重なり合うように配置されている。第一の切頭円錐形状子24.1は、第一の切頭円錐形状子24.1に対応して設けられた平板形状子34の開口部36.1(穴)を介して平板形状子34を位置決めするために、星形に形成されている。第二及び第三の切頭円錐形状子24.2,24.3はそれぞれ、第二及び第三の切頭円錐形状子24.2,24.3に対応してそれぞれ設けられた開口部36.2,36.3(穴)の縁に両側で当接していることで、目盛り14の面Sに平行な方向Yに延びている第二の回転軸線R2(
図3参照)周りの平板形状子34の回転を防止し且つ(実質的にZ方向における)距離公差を補償する。
【0032】
図5に示すように、第一の切頭円錐形状子24.1はここで、略自身の全周に亘って開口部36.1の縁に当接できるように形成されている。さらにこのとき、第二及び第三の切頭円錐形状子24.2,24.3は、X方向において対向し合うように位置する二つの地点において、それらが開口部36.2または36.3の縁に当接するようにそれぞれ形成されている。しかしながら、第二及び第三の切頭円錐形状子24.2,24.3は、Z方向には二つの開口部36.2,36.3の縁には当接していない。
【0033】
また、
図5には、第一及び第二の切頭円錐形状子24.1,24.2の間に配置された開口部40が示されている。この開口部40は、ネジ38を受けるのに用いられる(
図4参照)。
【0034】
図5に関連して述べられた機能は、二つの切頭円錐形状子24.2,24.3の一つが省略された場合にも得られる。
【0035】
図5を参照すると、第二及び第三の切頭円錐形状子24.2,24.3は、開口部40を挟んで互いに正反対の側または第一の切頭円錐形状子24.1を挟んで互いに正反対の側に配置されている。
【0036】
有利には、切頭円錐形状子24.1~24.3は、平板形状子34側を臨む連結子22の部分Aに成形を施すことによって作られる要素である。これにより、従来技術においてフレクシャーベアリング30aを連結子22aに接続するために必要なピン(
図7の部材24.1a~24.3a参照)の圧入が無くなる。第二の連結部位P2への連結子22のより改善された(或いはロバストな)連結を達成するためには、さらに、少なくとも切頭円錐形状子24.1~24.3がセラミックを備えていることが必要である。
【0037】
図6乃至8では、対応する要素または類似の要素は、文字aを伴っている他は
図1乃至5と同じ参照符号が付されているか或いは取り除いた状態で
図1乃至5と同じ参照符号が付されている。
【0038】
連結子の大部分(または主要部分)にセラミックを使用することで、少なくとも第一および第二の連結部位P1,P2においてセラミックと同じ優れた表面性状と高硬度が可能になる。
【0039】
目盛り14は、インクリメンタル目盛りとすることができる。それに代えて、目盛り14は、絶対目盛りにすることもでき、例えば擬似ランダムコードとして形成されていてもよい。
【0040】
目盛り14が光学的に走査可能に形成されている場合、本発明により、特に高解像度の位置測定が可能になる。目盛り14は、代替的に磁気的、誘導的または容量的に走査可能に形成することもできる。
【外国語明細書】