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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022011240
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】超音波霧化装置及び超音波霧化方法
(51)【国際特許分類】
   B05B 17/06 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
B05B17/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020112238
(22)【出願日】2020-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000243364
【氏名又は名称】本多電子株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】100114605
【弁理士】
【氏名又は名称】渥美 久彦
(72)【発明者】
【氏名】疋田 智美
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】柴田 亨
(72)【発明者】
【氏名】神田 隆之
【テーマコード(参考)】
4D074
【Fターム(参考)】
4D074BB03
4D074DD03
4D074DD33
4D074DD43
4D074DD49
4D074DD55
(57)【要約】
【課題】液体を無駄なく霧化することができる超音波霧化装置を提供すること。
【解決手段】本発明の超音波霧化装置10は、超音波振動子と、超音波振動子により出力される超音波によって振動する超音波振動面63とを備える。超音波霧化装置10は、超音波振動面63上に供給された液体を霧化する。また、超音波霧化装置10は、液体を液柱の状態で超音波振動面63上に保持可能な振動面上液体保持手段81を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波振動子と、前記超音波振動子により出力される超音波によって振動する超音波振動面とを備え、前記超音波振動面上に供給された液体を霧化する超音波霧化装置であって、
前記液体を液柱の状態で前記超音波振動面上に保持可能な振動面上液体保持手段を備えたことを特徴とする超音波霧化装置。
【請求項2】
前記振動面上液体保持手段は、前記超音波振動面の上側位置に配置され、前記液柱を表面張力の作用によって上方に誘導して保持する液柱誘導部材であることを特徴とする請求項1に記載の超音波霧化装置。
【請求項3】
前記液柱誘導部材は、前記超音波振動面との間に一定の空間をもって近接配置されていることを特徴とする請求項2に記載の超音波霧化装置。
【請求項4】
前記液柱誘導部材は、前記超音波振動面における最大振動位置の近傍に配置されていることを特徴とする請求項2または3に記載の超音波霧化装置。
【請求項5】
前記液柱誘導部材は、少なくとも1本の棒状部材によって構成されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の超音波霧化装置。
【請求項6】
前記液柱誘導部材は、少なくともその一端側が前記超音波振動面に対して垂直となるように配置されていることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の超音波霧化装置。
【請求項7】
前記超音波振動面上に前記液体を供給する液体供給手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の超音波霧化装置。
【請求項8】
前記振動面上液体保持手段は、前記液体供給手段を兼ねることを特徴とする請求項7に記載の超音波霧化装置。
【請求項9】
ホーンを有するとともに内部空間に超音波伝達液体が充填可能である容器をさらに備え、
前記容器の下端部に前記超音波振動子が取り付けられるとともに、前記ホーンの上端部に前記超音波振動面が設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の超音波霧化装置。
【請求項10】
前記ホーンの上端に設けられた開口部を塞ぐように配置され、振動膜が取り付けられることにより前記振動膜を支持する支持板を備え、
前記振動膜の厚さは、前記支持板の厚さよりも小さい
ことを特徴とする請求項9に記載の超音波霧化装置。
【請求項11】
前記支持板は、中央部に貫通孔を有する環状をなしており、
前記振動膜が前記貫通孔を塞ぐように配置され、前記貫通孔の上方位置に前記液柱誘導部材が配置されている
ことを特徴とする請求項10に記載の超音波霧化装置。
【請求項12】
超音波振動子から出力される超音波により、超音波振動面上に供給された液体を霧化する超音波霧化方法であって、
前記超音波振動面の近傍に振動面上液体保持手段を配置した状態で前記超音波振動子から超音波を出力することにより、前記液体を液柱の状態で前記超音波振動面上に保持し、かつ前記液柱の側面から前記液体を霧化することを特徴とする超音波霧化方法。
【請求項13】
前記振動面上液体保持手段は、前記超音波振動面の上側位置に配置され、前記液柱を表面張力の作用によって上方に誘導して保持する液柱誘導部材であり、
前記液柱を、前記液柱誘導部材の表面に沿って上下動させる
ことを特徴とする請求項12に記載の超音波霧化方法。
【請求項14】
前記振動面上液体保持手段は、前記超音波振動面の上側位置に配置され、前記液柱を表面張力の作用によって上方に誘導して保持する液柱誘導部材であり、
前記液体を、前記液柱誘導部材を伝わせて前記超音波振動面上に供給する
ことを特徴とする請求項12または13に記載の超音波霧化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波により液体を霧化する超音波霧化装置及び超音波霧化方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波振動子から超音波を出力して液体を霧化する超音波霧化装置が知られている。超音波霧化装置は、一般的に、液体が貯留された容器の底部に超音波振動子を取り付けた構造を有している。そして、超音波振動子から液体の液面に向けて超音波を出力すると、液体が霧化される。
【0003】
ところで、微量の液体を霧化するとともに、液体の霧化により得られる液滴を微細液滴にすることが求められる場合がある。そこで、従来では、液体の霧化によって微細液滴を生成する超音波霧化装置が種々提案されている。なお、液滴の粒径の大きさは超音波の周波数に依存しており、粒径を小さくするためには、周波数を高くすることが必要である。このため、超音波霧化装置には、通常、2.4MHzや1.6MHzといった比較的高い周波数の超音波を出力する超音波振動子が搭載される。
【0004】
また、液体を効率良く霧化させるために、容器内における超音波振動子の上方位置に、超音波を伝達する液体を充填したホーンを形成し、ホーンの上端面(超音波振動面)に超音波を収束させ、超音波振動面上の液体を霧化する技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。なお、特許文献1に記載の従来技術は、容器が外側容器と内側容器とからなる二重構造をなしており、外側容器の底部に超音波振動子を取り付けるとともに、内側容器の底面にホーンを突設した構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-11360号公報(図1等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記したように、超音波霧化装置の超音波振動子から出力される超音波は周波数が比較的高いため、ホーンの超音波振動面上の液体には、超音波を起因とする直進流が発生する。この場合、液体を霧化する際に、大部分が大粒の液滴となって飛び散ってしまい、無駄になるという問題がある。具体的に言うと、例えば1ccの液体に対して霧(微細液滴)となるのは数%であり、残りは大粒の液滴となって飛び散ってしまうため、霧化効率が極めて低い。よって、液体が高価なものであったり貴重なものであったりすると、大きな損失になるという問題がある。
【0007】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものである、その目的は、液体を無駄なく霧化することができる超音波霧化装置及び超音波霧化方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためには、請求項1に記載の発明は、超音波振動子と、前記超音波振動子により出力される超音波によって振動する超音波振動面とを備え、前記超音波振動面上に供給された液体を霧化する超音波霧化装置であって、前記液体を液柱の状態で前記超音波振動面上に保持可能な振動面上液体保持手段を備えたことを特徴とする超音波霧化装置をその要旨とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、超音波振動面上に供給された液体は、液柱の状態で振動面上液体保持手段に保持される。その結果、液柱から液体が飛び散りにくくなるため、液体を無駄なく霧化することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記振動面上液体保持手段は、前記超音波振動面の上側位置に配置され、前記液柱を表面張力の作用によって上方に誘導して保持する液柱誘導部材であることをその要旨とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、超音波振動面の上側位置に液柱誘導部材が配置されているため、液柱は、表面張力の作用によって液柱誘導部材に付着し、液柱誘導部材の上方に誘導されて保持される。しかも、液柱が液柱誘導部材の上方に誘導されるのに伴って、液柱の側部の表面積が広くなるため、広い領域から液体を霧化することができる。以上のことから、液体を効率良く霧化することが可能となる。
【0012】
ここで、液柱誘導部材の形状は特に限定される訳ではなく、例えば、棒状、管状、線状、板状等を挙げることができる。なお、液柱誘導部材は、少なくとも1本の棒状部材によって構成されていることが好ましい(請求項5)。この場合、液柱誘導部材が棒状部材のような形状であると、液柱が、表面張力の作用によって液柱誘導部材の上方に誘導されやすくなる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記液柱誘導部材は、前記超音波振動面との間に一定の空間をもって近接配置されていることをその要旨とする。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、液柱誘導部材が超音波振動面に近接配置されているため、液柱誘導部材と超音波振動面との間に一定の空間が生じている場合であっても、超音波振動面上に供給された液体と液柱誘導部材の表面との間に表面張力が作用しやすくなる。その結果、液体が、飛び散らずに塊状(即ち液柱)となって液柱誘導部材に付着するため、液体を確実に霧化することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3において、前記液柱誘導部材は、前記超音波振動面における最大振動位置の近傍に配置されていることをその要旨とする。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、超音波振動面のうち、供給された液体が最も振動しやすく超音波が最も強い最大振動位置の近傍に、液柱誘導部材が配置される。その結果、液柱の状態の液体が、表面張力の作用によって効率良く液柱誘導部材に付着するため、付着した液体を無駄なく霧化することができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項2乃至5のいずれか1項において、前記液柱誘導部材は、少なくともその一端側が前記超音波振動面に対して垂直となるように配置されていることをその要旨とする。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、液柱誘導部材の少なくとも一端側が超音波振動面に対して垂直に配置されているため、液柱誘導部材に付着した液柱から液柱誘導部材の側方への液体の垂れを防止することができる。また、液柱誘導部材の表面を伝って液体を超音波振動面上に供給する場合、液体は、液柱誘導部材の表面に沿ってスムーズに下方に誘導されるため、液体を超音波振動面上に迅速に供給することができる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項において、前記超音波振動面上に前記液体を供給する液体供給手段をさらに備えたことをその要旨とする。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、液体供給手段により、霧化に好適な量の液体を超音波振動面上に供給することができる。
【0021】
請求項8に記載の発明は、請求項7において、前記振動面上液体保持手段は、前記液体供給手段を兼ねることをその要旨とする。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、液体供給手段を振動面上液体保持手段とは別々に設けなくても済む。
【0023】
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項において、ホーンを有するとともに内部空間に超音波伝達液体が充填可能である容器をさらに備え、前記容器の下端部に前記超音波振動子が取り付けられるとともに、前記ホーンの上端部に前記超音波振動面が設けられていることをその要旨とする。
【0024】
請求項9に記載の発明によれば、容器の下端部に取り付けられた超音波振動子の上方位置に、超音波伝達液体が充填されたホーンが配置されるため、超音波振動子から出力された超音波を、ホーンの上端部に設けられた超音波振動面に収束させることができる。その結果、超音波振動面上に供給された液体が強く振動するため、液柱の状態の液体を、振動面上液体保持手段に付着させて効率良く霧化することができる。
【0025】
請求項10に記載の発明は、請求項9において、前記ホーンの上端に設けられた開口部を塞ぐように配置され、振動膜が取り付けられることにより前記振動膜を支持する支持板を備え、前記振動膜の厚さは、前記支持板の厚さよりも小さいことをその要旨とする。
【0026】
請求項10に記載の発明によれば、振動膜が、支持板に取り付けられることにより支持板に支持されるため、振動膜の膜厚を薄くすることができる。その結果、振動膜が振動しやすくなるため、振動膜を振動させることにより、液体をより効率良く霧化することができる。また、支持板に振動膜を取り付ければ、取り扱いが容易になり、振動膜をホーンの開口部に対して容易にかつ正確に配置することができる。よって、振動膜を確実に機能させることができる。
【0027】
なお、振動膜の形成材料としては、例えば、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、パラジウム(Pd)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)などを挙げることができる。また、支持板の形成材料としては、例えば金属材料や樹脂材料などが使用可能である。かかる金属材料の好適例としては、ステンレス、コバルト、チタン等を挙げることができる。また、樹脂材料の好適例としては、ポリエチレンテレフタレートやポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
【0028】
請求項11に記載の発明は、請求項10において、前記支持板は、中央部に貫通孔を有する環状をなしており、前記振動膜が前記貫通孔を塞ぐように配置され、前記貫通孔の上方位置に前記液柱誘導部材が配置されていることをその要旨とする。
【0029】
請求項11に記載の発明によれば、振動膜において貫通孔を塞ぐ領域は、支持板に接触しないため、振動しやすくなっている。よって、振動膜を振動させることにより、液体をより効率良く霧化することができる。また、液柱誘導部材が、貫通孔の上方位置、即ち、振動膜が振動しやすいために液柱が発生しやすい領域の上方位置に配置されている。よって、液体から生成された液柱を、液柱誘導部材によって確実に上方に誘導することができる。
【0030】
請求項12に記載の発明は、超音波振動子から出力される超音波により、超音波振動面上に供給された液体を霧化する超音波霧化方法であって、前記超音波振動面の近傍に振動面上液体保持手段を配置した状態で前記超音波振動子から超音波を出力することにより、前記液体を液柱の状態で前記超音波振動面上に保持し、かつ前記液柱の側面から前記液体を霧化することを特徴とする超音波霧化方法をその要旨とする。
【0031】
請求項12に記載の発明によれば、超音波振動子から超音波を出力させることにより、超音波振動面上に供給された液体は、液柱の状態で振動面上液体保持手段に保持される。その結果、液柱から液体が飛び散りにくくなるため、液体を無駄なく霧化することができる。
【0032】
請求項13に記載の発明は、請求項12において、前記振動面上液体保持手段は、前記超音波振動面の上側位置に配置され、前記液柱を表面張力の作用によって上方に誘導して保持する液柱誘導部材であり、前記液柱を、前記液柱誘導部材の表面に沿って上下動させることをその要旨とする。
【0033】
請求項13に記載の発明によれば、液柱が上下動することによって液柱が揺すられるため、液柱の側部からより確実に液体を霧化することができる。
【0034】
請求項14に記載の発明は、請求項12または13において、前記振動面上液体保持手段は、前記超音波振動面の上側位置に配置され、前記液柱を表面張力の作用によって上方に誘導して保持する液柱誘導部材であり、前記液体を、前記液柱誘導部材を伝わせて前記超音波振動面上に供給することをその要旨とする。
【0035】
請求項14に記載の発明によれば、液柱誘導部材により、液体が、同液体の霧化に用いられる超音波振動面上に直接導かれるため、液体をより効率良く霧化することができる。
【発明の効果】
【0036】
以上詳述したように、請求項1~11に記載の発明によると、液体を無駄なく霧化することができる超音波霧化装置を提供することができる。また、請求項12~14に記載の発明によると、液体を無駄なく霧化することができる超音波霧化方法を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本実施形態における超音波霧化装置を示す側面図。
図2】超音波霧化装置を示す平面図。
図3】超音波霧化装置を示す概略断面図。
図4】ホーンの上端部付近の構成を示す要部断面図。
図5】水が霧化される様子を示す説明図。
図6】水柱が誘導部の上方に誘導される状態を示す説明図。
図7】水柱が誘導部の下方に誘導される状態を示す説明図。
図8】(a)は、本実施形態における液柱誘導部材を示す図、(b)~(h)は、他の実施形態における液柱誘導部材を示す図。
図9】他の実施形態において、棒状部材と振動膜との関係を示す側面図。
図10】他の実施形態において、ホーンの上端部付近の構成を示す要部断面図。
図11】他の実施形態における振動膜を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0039】
図1図3に示されるように、本実施形態の超音波霧化装置10は、例えば、加湿器に用いられる装置である。超音波霧化装置10を構成する容器11は、同容器11の下部を構成する容器本体21と、容器11の上部を構成しかつ容器本体21によって支持される板部材51とからなり、容器本体21及び板部材51は互いに分割可能な構造となっている。
【0040】
図3に示されるように、容器本体21は、上端にて開口する有底円筒状をなし、ステンレス等の金属材料によって形成されている。容器本体21の中央部には、同容器本体21の上面22にて開口する凹部23が設けられている。凹部23は、小径部24と、小径部24よりも上面22側に位置する大径部25とからなっている。小径部24と大径部25との接続部分には、段差面26が形成されている。そして、小径部24内には、略円板状をなす基板31が配置されている。基板31の中央部には、陽極側の電極であるバネ電極32の基端部がはんだ付けなどにより接続されている。また、大径部25内には、Oリング33が段差面26に接触した状態で配置されている。さらに、Oリング33上には、陰極側の電極である円環状の電極板34が載置されている。なお、電極板34には、配線34aの第1端がはんだ付けにより接続されている。
【0041】
また、図3に示されるように、容器11の下端部には、超音波振動子35が取り付けられている。具体的に言うと、超音波振動子35は、円板状をなし、大径部25内において電極板34上に載置されている。超音波振動子35は、2.4MHzの周波数の超音波S1(図5参照)を超音波放射面36から放射(出力)するためのものである。また、超音波振動子35の下面には陽極側電極層(図示略)が形成され、超音波振動子35の上面には陰極側電極層(図示略)が形成されている。そして、大径部25には、リングネジ37が螺着されている。なお、リングネジ37が、螺着に伴って超音波振動子35を上側から押さえ付けるのに伴い、超音波振動子35は、バネ電極32に付勢され、陽極側電極層にバネ電極32が押し当てられる。なお、超音波振動子35の超音波放射面36は、リングネジ37の貫通孔38から露出するようになっている。
【0042】
また、容器本体21には、同容器本体21の外周面21aにて開口するとともに凹部23の小径部24に連通する連通孔27が設けられている。連通孔27には、継手39を挿通したケーブル40(本実施形態では1芯シールド線)の一端が挿入されている。ケーブル40の芯線は、バネ電極32の基端部に対してはんだ付けにより接続されている。また、ケーブル40のシールドには、配線34aの第2端がはんだ付けにより接続されている。そして、ケーブル40は、容器本体21の外部に引き出され、図示しない電源に接続される。なお、継手39は連通孔27に螺着されている。さらに、容器本体21には、容器本体21の外周面21aにて開口するとともに凹部23の大径部25に連通する空気抜き穴28が設けられている。空気抜き穴28には、基端部にOリング41が装着されたネジ42が螺着されている。また、容器本体21には、上面22にて開口するネジ穴29が6箇所に設けられている。各ネジ穴29は、凹部23を取り囲むように設けられている。
【0043】
図1図3に示されるように、板部材51は、略円板状をなし、ステンレス等の金属材料によって形成されている。板部材51の上面52(即ち、容器11の上面12)の中央部には、ホーン61が突設されている。ホーン61は、同ホーン61の上端にて開口するとともに、板部材51の下面53にて開口する円筒状をなしている。また、ホーン61は、上端に行くに従って徐々に外径(及び内径)が小さくなるテーパ状をなしている。
【0044】
また、図3に示されるように、板部材51には、上面52及び下面53にて開口する6個のネジ挿通孔54が設けられている。各ネジ挿通孔54は、ホーン61を取り囲むように設けられている。なお、容器本体21の上面22上に板部材51を載置した状態で、各ネジ挿通孔54にそれぞれネジ55を挿通し、挿通したネジ55の先端部を容器本体21に設けられたネジ穴29に螺着させる。その結果、板部材51が容器本体21に取り付けられる。また、板部材51には、下面53にて開口する溝部56が設けられている。溝部56は、円環状をなし、ホーン61を包囲するように配置されている。そして、溝部56内には、板部材51の下面53と容器本体21の上面22との隙間を塞ぐOリング57が挿入されている。
【0045】
図4に示されるように、ホーン61の上端面62は、水平な超音波振動面63となっている。詳述すると、ホーン61の上端に設けられた開口部64は、支持板65によって塞がれている。本実施形態の支持板65は、ステンレス等の金属材料からなり、中央部に貫通孔66を有する厚さ0.2mm程度の円環状をなしている。
【0046】
また、支持板65の上面67a全体には振動膜68が貼付されている。これにより、振動膜68は、支持板65の貫通孔66を塞ぐように配置され、かつ支持板65によって支持される。そして、振動膜68の上面が、ホーン61の超音波振動面63(上端面62)となる。なお、本実施形態の振動膜68は、銅箔によって形成された平面視円形状の薄膜である。振動膜68の厚さは、支持板65の厚さ(0.2mm程度)よりも小さく、0.05mm程度となっている。
【0047】
そして、図3図4に示されるように、容器本体21の大径部25の内壁面、リングネジ37の上面37a、リングネジ37の貫通孔38の内周面、超音波振動子35の超音波放射面36、板部材51の下面53、ホーン61の内周面61a、支持板65の下面67b、支持板65の貫通孔66の内周面、及び振動膜68の裏面等により、密閉された内部空間13が容器11内に構成される。内部空間13には、超音波伝達液体14(本実施形態では脱気水)が充填されている。超音波伝達液体14は、超音波振動子35から出力された超音波S1(図5参照)を振動膜68に伝達する機能を有している。
【0048】
図1図2に示されるように、超音波霧化装置10は、容器11を支持する支持部材71を備えている。支持部材71は、側面視L字状をなしており、容器11を支持する底板部72と、底板部72の一端(図1では右端)から上方に延びる壁板部73とを有している。さらに、壁板部73の上端部の側部(図2では下部)には接続板74が接続されている。接続板74は、平面視略く字状をなしており、壁板部73に接続される基端部75と、ホーン61側に延びる先端部76とを有している。
【0049】
図1に示されるように、接続板74の先端部76には、4つの棒状部材取付孔77が設けられている。各棒状部材取付孔77のいずれか1つには、振動面上液体保持手段及び液柱誘導部材である棒状部材81が取り付けられている。本実施形態の棒状部材81は、鉄等の導電性を有する金属材料からなる線材を変形させることによって形成され、外径が約1mmとなっている。なお、棒状部材81の基端部分(図1では右側部分)にネジ78を挿通し、挿通したネジ78の先端部を棒状部材取付孔77に螺着させることにより、棒状部材81が接続板74に取り付けられる。
【0050】
図1図4図5に示されるように、棒状部材81は、上述した超音波振動面63の上側位置に配置されている。詳述すると、棒状部材81の先端側(一端側)に位置する誘導部82は、超音波振動面63の直上位置に配置されている。そして、誘導部82は、超音波振動面63の直上位置において、超音波振動面63に対して垂直となるように配置されている。また、誘導部82は、超音波振動面63における最大振動位置の近傍に配置されている。具体的に言うと、誘導部82は、ホーン61の中心軸C1上であって、支持板65に設けられた貫通孔66の中心軸上(上方位置)に配置されている。即ち、貫通孔66の中心軸は、ホーン61の中心軸C1と一致している。そして、誘導部82の下端は、超音波振動面63との間に一定の空間を持って近接配置されている。なお、超音波振動面63から誘導部82の下端までの距離は、1mm以上10mm未満、本実施形態では2,3mm程度となっている。仮に、超音波振動面63から誘導部82の下端までの距離が1mm未満になると、振動膜68の振動時に、振動膜68が誘導部82に接触してしまうおそれがある。一方、超音波振動面63から誘導部82の下端までの距離が10mm以上になると、水W1から生成される水柱W3が誘導部82に付着しない可能性がある。
【0051】
なお、図5に示されるように、誘導部82は、超音波振動面63上に供給された水W1(液体)を、水柱W3(液柱)の状態で、誘導部82(棒状部材81)の表面83と水W1との間に作用する表面張力の作用によって上方に誘導して保持するようになっている。さらに、誘導部82は、水柱W3を表面張力の作用によって付着させることにより、水柱W3の飛散を防止するようになっている。また、誘導部82は、水柱W3を表面張力の作用によって引き寄せることにより、水柱W3の位置及び形状を安定化させるようになっている。
【0052】
次に、超音波霧化装置10の超音波振動子35から出力される超音波S1を用いて水W1を霧化する方法を説明する。
【0053】
まず、超音波振動子35を駆動し、超音波振動子35の超音波放射面36から2.4MHzの周波数の超音波S1を出力させる。出力された超音波S1は、ホーン61の内部空間13に充填された超音波伝達液体14中を伝播して上方に伝達される。このとき、超音波放射面36の外周部分から出力された超音波S1は、ホーン61の内周面61aで反射して、中心軸C1側に導かれる。そして、超音波S1は、ホーン61の上端面62の近傍において中心軸C1付近に収束し、支持板65の貫通孔66を通過して振動膜68に到達する。その結果、振動膜68が振動する。
【0054】
次に、作業者は、スポイト等から微量(本実施形態では1cc程度)の水W1を滴下し、水W1を棒状部材81の誘導部82の上部に付着させる。付着した水W1は、誘導部82の表面83と水W1との間に生じる表面張力の作用と、重力の作用とにより、誘導部82の表面83を伝って下方に流れ、誘導部82の下端からホーン61の超音波振動面63上に落下する。その結果、水W1が超音波振動面63上に供給される。即ち、棒状部材81は、超音波振動面63上に水W1を供給する液体供給手段としての機能を兼ねている。
【0055】
そして、水W1が超音波振動面63上に供給されると、振動膜68に到達した超音波S1は、水W1の水面W2に向かって伝播する。このとき、水W1には超音波S1の直進流の力が作用するため、水W1が飛び散ってしまう可能性がある。しかし、本実施形態では、水W1と誘導部82の表面83との間に表面張力が作用するため、水W1は、飛び散らずに塊状(即ち水柱W3)となり、誘導部82に付着する。
【0056】
そして、図6に示されるように、誘導部82に付着した水柱W3は、同水柱W3と誘導部82の表面83との間に生じる表面張力の作用により、誘導部82の上方(図6の矢印F1方向)に誘導される。さらに、水柱W3は、誘導部82の上方に誘導された状態に保持される(図5参照)。また、水柱W3の側面W4から水W1が霧化され、平均粒径が数μmもしくはそれ以下の微細な水滴W5が大量に得られる。
【0057】
その後、水柱W3の上端が誘導部82の上部に到達すると、図示しない制御手段は、超音波振動子35の出力を低下させる制御を行う。これにより、超音波S1の出力が小さくなるため、水柱W3は、重力の作用により、誘導部82の表面83に沿って下方(図7の矢印F2)に誘導される。さらに、水柱W3の上端が誘導部82の下部まで下降すると、制御手段は、超音波振動子35の出力を上昇させる制御を行う。これにより、水柱W3は、同水柱W3と誘導部82の表面83との間に生じる表面張力の作用により、再び誘導部82の表面83に沿って上方に誘導される。なお、制御手段は、超音波振動子35の出力を上昇させる制御と低下させる制御とを交互に行い、水柱W3を、誘導部82の表面83に沿って上下動させる。その結果、水柱W3が上下に揺すられるため、水柱W3の側面W4から水W1が確実に霧化される。
【0058】
その後、十分な量の水W1が霧化された段階で、超音波振動子35からの超音波S1の出力を停止させる。霧化した水W1は、例えば部屋の加湿に用いられる。
【0059】
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
【0060】
(1)本実施形態の超音波霧化装置10では、ホーン61の超音波振動面63の上側位置に棒状部材81の誘導部82が配置されているため、超音波振動面63上に供給された水W1から生成される水柱W3は、表面張力の作用によって誘導部82に付着し、誘導部82の上方に誘導されて保持される。その結果、水柱W3から水W1が飛び散りにくくなるため、水W1を無駄なく霧化することができる。しかも、水柱W3が誘導部82の上方に誘導されるのに伴って、水柱W3の側部(側面W4)の表面積が広くなるため、広い領域から水W1を霧化することができる。以上のことから、水W1を効率良く霧化することが可能となる。
【0061】
(2)本実施形態の振動膜68は、膜厚を薄くして振動しやすくしているため、強度が低い。そこで、本実施形態では、振動膜68の上方位置にある棒状部材81の誘導部82の下端を、振動膜68の超音波振動面63から離間させている。このため、誘導部82の接触に起因する振動膜68の破損を防止することができる。
【0062】
(3)本実施形態では、水W1が供給される超音波振動面63が、鉛直方向に延びる誘導部82に直交する水平面となっているため、水W1は、超音波振動面63上に確実に留まるようになる。よって、超音波振動面63上に供給された水W1から水柱W3を確実に生成することができ、水柱W3を表面張力の作用によって誘導部82に付着させることができるため、水柱W3の側面W4から水W1を効率良く霧化することができる。
【0063】
なお、上記実施形態を以下のように変更してもよい。
【0064】
・上記実施形態の液柱誘導部材(棒状部材81)は、鉄等の金属材料によって形成されていた。しかし、液柱誘導部材は、ステンレス等の他の金属材料によって形成されていてもよいし、樹脂材料やセラミック材料などによって形成されていてもよい。なお、液状誘導部材は、ポリテトラフルオロエチレン等の表面83の濡れ性が良い材料からなることがより好ましい。
【0065】
・上記実施形態の液柱誘導部材は、断面円形状をなす棒状部材81であったが(図8(a)参照)、これに限定される訳ではない。例えば、断面多角形状(断面三角形状、断面矩形状等)や断面楕円形状などの他の形状をなす棒状部材を液柱誘導部材として用いてもよい。また、図8(b)に示されるように、軸線方向に沿って延びる凸部92が周方向に沿って複数配置された断面異形状の棒状部材93を、液柱誘導部材として用いてもよい。この場合、水柱W3と棒状部材93との接触面積が大きくなるため、水柱W3を確実に棒状部材93に付着させることができる。さらに、下端に行くに従って外径が徐々に小さくなる形状をなす棒状部材94(図8(c)参照)を、液柱誘導部材として用いてもよいし、下端に行くに従って外径が徐々に大きくなる形状をなす棒状部材を、液柱誘導部材として用いてもよい。
【0066】
また、図8(d)に示す管状部材95を液柱誘導部材として用いてもよい。この場合、水W1を、管状部材95が有する貫通孔97の内周面を伝って超音波振動面63上に供給すると同時に、水柱W3を、管状部材95の表面96を伝って同管状部材95の上方に誘導することができる。さらに、図8(e)に示す板材98を液柱誘導部材として用いてもよい。なお、板材98の正面視での形状は、矩形状であるが、多角形状(三角形状、五角形状等)や円形状などの他の形状をなしていてもよい。また、板材98は鉛直方向に延びているが、湾曲形状をなす板材99(図8(f)参照)を液柱誘導部材として用いてもよい。さらに、螺旋状(コイル状)をなす線材101(図8(g)参照)を液柱誘導部材として用いてもよいし、複数本の線材102を撚り合わせることによって形成した撚り線103(図8(h)参照)を液柱誘導部材として用いてもよい。
【0067】
・上記実施形態の棒状部材81は、超音波振動面63の上側位置にある誘導部82のみが超音波振動面63に対して垂直となるように配置されていたが、棒状部材81全体が超音波振動面63に対して垂直となるように配置されていてもよい。さらに、誘導部82(または棒状部材81全体)は、超音波振動面63に垂直な方向に対して傾斜して(例えば30°以内)配置されていてもよい。
【0068】
・上記実施形態では、棒状部材81(誘導部82)の下端が、振動膜68の超音波振動面63から離間していた。しかし、図9に示されるように、棒状部材111(液柱誘導部材)の下端は、振動膜112の超音波振動面113に当接していてもよい。換言すると、振動膜112の超音波振動面113に、鉛直方向に延びる針状の棒状部材111を突設してもよい。この場合、棒状部材111全体が、超音波振動面113の上側位置において、超音波振動面113に対して垂直となるように配置される。しかしながら、棒状部材111は、薄いために強度が低い振動膜112上に配置されているため、振動膜112が棒状部材111の重みで破れてしまうおそれがある。また、棒状部材111の重みで振動膜112が上手く振動しない可能性もある。よって、棒状部材は、振動膜112の超音波振動面113から離間していることが好ましい。
【0069】
・上記実施形態では、液柱誘導部材が1本の棒状部材81によって構成されていたが、2本以上の棒状部材によって構成されていてもよい。なお、棒状部材が2本以上ある場合、各棒状部材は、1つにまとめられていてもよいし、互いに離間した状態に配置されていてもよい。
【0070】
・上記実施形態の超音波霧化装置10では、支持板65の上面67aに振動膜68が貼付されていたが、支持板65の下面67bに振動膜68が貼付されていてもよい。また、図10に示されるように、支持板65を省略し、振動膜68を、ホーン61の開口端面64aに直接貼付してもよい。さらに、図11に示されるように、振動膜121の中央部(即ち、振動膜121において超音波S1の振幅が大きくなる領域)に、超音波振動面122にて開口する凹部123を設けてもよい。このようにすれば、超音波振動面122上に供給された水W1を凹部123内に溜めておくことができるため、超音波振動面122上からの水W1の落下に起因する水W1の無駄を低減することができる。また、振動膜において超音波S1の振幅が大きくなる領域に、超音波振動面から突出する凸部を設けてもよい。さらに、超音波振動面に対して表面処理(粗化処理、親水処理、撥水処理など)を施してもよい。
【0071】
・上記実施形態では、超音波振動子35の出力を上昇及び低下させることにより、水柱W3を誘導部82の表面83に沿って上下動させていたが、他の方法によって水柱W3を上下動させてもよい。例えば、霧状になる水滴W5の量を増減させることにより、水柱W3を上下動させてもよい。具体的には、超音波振動子35から出力される超音波S1の周波数を高くすると、水滴W5の粒径が小さくなる。この場合、水滴W5は軽くなることで霧状になりやすいため、霧状になる水滴W5の量も増大する。これに伴い、水柱W3が軽くなるため、水柱W3は、同水柱W3と誘導部82の表面83との間に生じる表面張力の作用により、誘導部82の表面83に沿って上方に誘導される。逆に、超音波振動子35から出力される超音波S1の周波数を低くすると、水滴W5の粒径が大きくなる。この場合、水滴W5は重くなることで霧状になりにくいため、霧状になる水滴W5の量も減少する。これに伴い、水柱W3が重くなるため、水柱W3は、重力の作用により、誘導部82の表面83に沿って下方に誘導される。
【0072】
・上記実施形態では、超音波振動子35から出力された超音波S1を超音波振動面63に伝達する振動伝達部が、超音波伝達液体14が充填された円筒状のホーン61の開口部64を振動膜68で塞いでなるダイアフラム構造をなしていた。しかし、振動伝達部は、他の構造をなしていてもよい。例えば、円錐台状の金属柱によって振動伝達部を構成してもよい。
【0073】
・上記実施形態では、ホーン61に充填される超音波伝達液体14が脱気水であった。しかし、超音波伝達液体14は、脱気されていない通常の水であってもよいし、油等の他の液体であってもよい。また、ホーン61に超音波伝達液体14を充填する代わりに、例えば樹脂等の絶縁体からなる超音波伝達固体をホーン61に充填してもよい。
【0074】
・上記実施形態の容器11は、内部空間13が密閉された密閉容器であった。しかし、容器11内の超音波伝達液体14を循環させる液体循環機構等を設けることにより、容器11を、密閉されていない容器に変更してもよい。なお、この場合、液体循環機構の一部に、循環する超音波伝達液体14を冷却する液体冷却機構を設けてもよい。また、液体循環機構は、循環する超音波伝達液体14の温度を検知して制御する液体温度制御手段を備えていてもよい。さらに、液体循環機構は、循環する超音波伝達液体14の脱気を行う脱気手段を備えていてもよい。なお、液体循環機構が脱気手段を備える場合には、脱気されていない通常の水を超音波伝達液体14として用いることができる。
【0075】
・上記実施形態の超音波霧化装置10は、水W1を霧化する加湿器であったが、これに限定されるものではない。例えば、超音波霧化装置10を超音波式ネブライザーとして用いてもよい。また、超音波霧化装置10をインテリアとして用いてもよい。この場合、水柱W3が棒状部材81の誘導部82の表面83に沿って上下動する様子を楽しむことができる。
【0076】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0077】
(1)請求項1において、前記振動面上液体保持手段は、前記超音波振動面の上側位置に配置され、前記液体から生成される液柱を表面張力の作用によって付着させることにより前記液柱の飛散を防止する飛散防止部材であることを特徴とする超音波霧化装置。
【0078】
(2)請求項1において、前記振動面上液体保持手段は、前記超音波振動面の上側位置に配置され、前記液体から生成される液柱を表面張力の作用によって引き寄せることにより前記液柱の位置及び形状を安定化させる液柱安定化部材であることを特徴とする超音波霧化装置。
【符号の説明】
【0079】
10…超音波霧化装置
11…容器
13…内部空間
14…超音波伝達液体
35…超音波振動子
61…ホーン
63,113,122…超音波振動面
64…開口部
65…支持板
66…貫通孔
68,112,121…振動膜
81,93,94,111…振動面上液体保持手段、液柱誘導部材及び液体供給手段としての棒状部材
83,96…液柱誘導部材の表面
95…振動面上液体保持手段、液柱誘導部材及び液体供給手段としての管状部材
98,99…振動面上液体保持手段、液柱誘導部材及び液体供給手段としての板材
101…振動面上液体保持手段、液柱誘導部材及び液体供給手段としての線材
103…振動面上液体保持手段、液柱誘導部材及び液体供給手段としての撚り線
S1…超音波
W1…液体としての水
W3…液柱としての水柱
W4…液柱の側面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11