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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022112743
(43)【公開日】2022-08-03
(54)【発明の名称】フロートガラス基板
(51)【国際特許分類】
   C03B 5/225 20060101AFI20220727BHJP
   C03C 3/091 20060101ALI20220727BHJP
【FI】
C03B5/225
C03C3/091
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021008661
(22)【出願日】2021-01-22
(71)【出願人】
【識別番号】000000044
【氏名又は名称】AGC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100168985
【弁理士】
【氏名又は名称】蜂谷 浩久
(72)【発明者】
【氏名】広瀬 元之
【テーマコード(参考)】
4G062
【Fターム(参考)】
4G062AA01
4G062BB01
4G062DA06
4G062DA07
4G062DB04
4G062DC02
4G062DC03
4G062DC04
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4G062FA01
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4G062HH05
4G062HH07
4G062HH09
4G062HH11
4G062HH14
4G062HH15
4G062HH17
4G062JJ01
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4G062JJ06
4G062JJ07
4G062KK01
4G062KK02
4G062KK03
4G062KK05
4G062KK07
4G062KK10
4G062MM12
4G062NN01
(57)【要約】
【課題】溶融ガラスに含まれる泡を容易に除去でき、かつ、金属系異物欠点が少ないフロートガラス基板の提供。
【解決手段】無アルカリガラスからなるフロートガラス基板であって、Cl含有量が0.10~0.50質量%であり、SnO2を実質的に含有せず、Pt含有量が質量で0.001~0.30ppmであることを特徴とするフロートガラス基板。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無アルカリガラスからなるフロートガラス基板であって、
Cl含有量が0.10~0.50質量%であり、SnO2を実質的に含有せず、
Pt含有量が質量で0.001~0.30ppmであることを特徴とするフロートガラス基板。
【請求項2】
Rh含有量が質量で0.001~0.50ppmである、請求項1に記載のフロートガラス基板。
【請求項3】
Pt含有量およびRh含有量の合量が質量で0.002~0.80ppmである、請求項1または2に記載のフロートガラス基板。
【請求項4】
基板サイズが2100mm×2400mm以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載のフロートガラス基板。
【請求項5】
基板サイズが2900mm×3200mm以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載のフロートガラス基板。
【請求項6】
板厚が0.45mm以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載のフロートガラス基板。
【請求項7】
Cl含有量が0.35質量%超0.50質量%以下であり、β-OHが0.05~0.20mm-1である、請求項1~6のいずれか1項に記載のフロートガラス基板。
【請求項8】
Cl含有量が0.10~0.35質量%であり、β-OHが0.20~0.50mm-1である、請求項1~6のいずれか1項に記載のフロートガラス基板。
【請求項9】
歪点が650℃以上である、請求項1~8のいずれか1項に記載のフロートガラス基板。
【請求項10】
歪点が680℃以上である、請求項1~9のいずれか1項に記載のフロートガラス基板。
【請求項11】
酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2を54~73%、Al23を10.5~24%、B23を0.1~12%、MgOを0~8%、CaOを0~14.5%、SrOを0~24%、BaOを0~13.5%、ZrO2を0~5%含有し、かつ、MgO、CaO、SrOおよびBaOの合量(MgO+CaO+SrO+BaO)が8~29.5%である、請求項1~10のいずれか1項に記載のフロートガラス基板。
【請求項12】
酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2を58~66%、Al23を15~22%、B23を5~12%、MgOを0~8%、CaOを0~9%、SrOを0~12.5%、BaOを0~2%含有し、かつ、MgO、CaO、SrOおよびBaOの合量(MgO+CaO+SrO+BaO)が9~18%である、請求項11に記載のフロートガラス基板。
【請求項13】
酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2を54~73%、Al23を10.5~22.5%、B23を0.1~5.5%、MgOを0~8%、CaOを0~9%、SrOを0~16%、BaOを0~9%含有し、かつ、MgO、CaO、SrOおよびBaOの合量(MgO+CaO+SrO+BaO)が8~26%である、請求項11に記載のフロートガラス基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロートガラス基板に関する。
【背景技術】
【0002】
各種ディスプレイ用ガラス基板、特に表面に金属ないし酸化物薄膜等を形成するものには、アルカリ金属酸化物を含有していると、アルカリ金属イオンが薄膜中に拡散して膜特性を劣化させるため、実質的にアルカリ金属イオンを含まない無アルカリガラス基板の使用が好ましい。
【0003】
上記の目的で使用される無アルカリガラス基板は、所定の配合比で調合したガラス原料を溶解槽で加熱溶融してガラス化し、得られた溶融ガラスを清澄した後、フロートバスで所定の板厚のガラスリボンに成形し、このガラスリボンを所定の形状に切断して得られる。ここで、溶解槽とフロートバスとの間には、耐熱性および溶融ガラスに対する耐食性に優れた白金(Pt)製または白金(Pt)-ロジウム(Rh)合金等の白金合金製の溶融ガラス搬送管が設置される。
【0004】
従来、成形されたガラス製品の品質を向上させるために、溶解槽でガラス原料を溶解して得られた溶融ガラスを成形装置で成形する前に、溶融ガラス内に発生した気泡を除去する清澄工程が利用されている。この清澄工程では、清澄剤をガラス原料内に予め添加し、ガラス原料を溶解して得られた溶融ガラスを所定温度に一定時間貯留、維持することで、清澄剤によって溶融ガラス内の気泡を成長させ浮上させて除去する方法が知られている。
また、減圧雰囲気内に溶融ガラスを導入し、この減圧雰囲気下、連続的に流れる溶融ガラス流内の気泡を大きく成長させて溶融ガラスに含まれる気泡を浮上させ破泡させて除去し、その後減圧雰囲気から排出する減圧脱泡方法が知られている。
溶融ガラスから効率良く気泡を除去するためには、上記二つの方法を組み合わせて実施すること、すなわち、清澄剤が添加された溶融ガラスを用いて減圧脱泡方法を実施することが好ましい。
【0005】
ガラスの清澄剤としては、CaSO4、BaSO4等の硫酸塩系清澄剤、As23、Sb23、SnO2等の酸化物系清澄剤等が存在する。これらのうち、硫酸塩系清澄剤は、塩基性度が低い無アルカリガラスの場合、SO4 2-の溶解度が低いため、溶融ガラスから気泡を除去する効果が不十分である。また、As23およびSb23、特にAs23は、環境への負荷が大きいため、その使用の抑制が求められている。また、SnO2等のスズ化合物系清澄剤を用いると、フロートガラス基板が着色するという問題があった。そのため、フロートガラス基板の製造には、スズ化合物系清澄剤を使用するのは適切でない。
特許文献1では、BaCl2、SrCl2、CaCl2、MgCl2、AlCl3およびNH4Cl等の塩化物系清澄剤が、減圧脱泡と組み合わせた清澄剤として優れた効果を発揮することが開示されている。また、塩化物系清澄剤として、NaCl等のアルカリ金属の塩化物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2011/078258号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
溶融ガラスに含まれる気泡を効率良く除去するためには、塩化物系清澄剤の使用量を増やすことが好ましい。しかし、塩化物系清澄剤の使用量を増やすと、検査工程において、金属系異物欠点に由来する不良品の割合が増大し、フロートガラス基板の生産性が低下することが明らかになった。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、溶融ガラスに含まれる泡を容易に除去でき、かつ、金属系異物欠点が少ないフロートガラス基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のフロートガラス基板は、無アルカリガラスからなるフロートガラス基板であって、Cl含有量が0.10~0.50質量%であり、SnO2を実質的に含有せず、Pt含有量が質量で0.001~0.30ppmであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のフロートガラス基板は、溶融ガラスに含まれる泡を容易に除去でき、かつ、金属系異物欠点が少ない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明のフロートガラス基板を製造するのに用いるガラス製造装置の一構成例を示した断面図である。
図2図2は、溶融ガラスを1400℃で1時間熱処理した例1~3におけるフロートガラス基板のCl含有量と、PtおよびRhの溶出速度との関係を示したグラフである。
図3図3は、溶融ガラスを1500℃で1時間熱処理した例4~6におけるフロートガラス基板のCl含有量と、PtおよびRhの溶出速度との関係を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[フロートガラス基板]
以下、本発明のフロートガラス基板について説明する。
本発明のフロートガラス基板は、無アルカリガラスからなる。無アルカリガラスとは、Na2O、K2O等のアルカリ金属酸化物を実質的に含有しないガラスをいう。ここで、アルカリ金属酸化物を実質的に含有しないとは、アルカリ金属酸化物の含有量の合量が0.1質量%以下を意味する。
【0013】
本発明のフロートガラス基板は、Cl含有量が0.10~0.50質量%である。ガラス中のClは、塩化物系清澄剤由来の成分である。Cl含有量が0.10質量%未満だと、塩化物系清澄剤による清澄作用が不十分となりやすい。そのため、溶融ガラスに含まれる泡の除去が不十分になるおそれがある。Cl含有量が0.50質量%超だと、溶融ガラス搬送管からPtが溶融ガラスに溶出しやすくなり、溶融ガラスのPtイオン含有量が増大する。
本願発明者らは、フロートガラス基板の金属系異物欠点を分析し、その成分が主にPtであることを見出した。溶融ガラス搬送管から溶融ガラスに溶出したPtは、溶融ガラス内でPtイオンとして存在する。溶融ガラスは、フロートバスでガラスリボンに成形される。そして、フロートバス内の還元雰囲気下において、ガラスリボンに存在するPtイオンが還元され、Ptがガラスリボンの表面に析出し、フロートガラス基板の金属系異物欠点となる。
Cl含有量が0.10~0.50質量%であれば、溶融ガラスに含まれる泡を十分に除去でき、かつ、溶融ガラス搬送管からPtが溶融ガラスに溶出するのを抑制できる。
【0014】
本発明のフロートガラス基板は、SnO2を実質的に含有しない。SnO2はスズ化合物系清澄剤である。本発明のフロートガラス基板の製造方法は、スズ化合物系清澄剤を使用しない。そのため、フロートガラス基板が着色することがない。ここで、SnO2を実質的に含有しないとは、SnO2の含有量が0.05質量%未満であることを意味する。
【0015】
本発明のフロートガラス基板は、Pt含有量が質量で0.001~0.30ppmである。上記したように、溶解槽とフロートバスとの間には、白金製または白金合金製の溶融ガラス搬送管が設置されている。そのため、溶融ガラス搬送管からPtが溶融ガラスに溶出するのは不可避であり、フロートガラス基板はPtを質量で0.001ppm以上含有する。
フロートガラス基板のPt含有量が多くなると金属系異物欠点が増加し、検査工程において、金属系異物欠点に由来する不良品の割合が増大する。Pt含有量が質量で0.30ppm以下であれば、検査工程において、金属系異物欠点に由来する不良品の割合が増大することがない。本発明のフロートガラス基板は、Pt含有量が質量で0.001~0.25ppmが好ましく、0.001~0.20ppmがより好ましく、0.001~0.15ppmがさらに好ましい。
【0016】
本発明のフロートガラス基板は、Rh含有量が質量で0.001~0.50ppmであることが好ましい。
溶解槽とフロートバスとの間に設置される溶融ガラス搬送管が白金合金製の場合、通常は、Pt-Rh合金が使用される。この場合、溶融ガラス搬送管からPtとともにRhが溶融ガラスに溶出し、フロートガラス基板はRhを質量で0.001ppm以上含有する。
フロートガラス基板のRh含有量も多くなると金属系異物欠点が増加し、検査工程において、金属系異物欠点に由来する不良品の割合が増大するおそれがある。Rh含有量が質量で0.50ppm以下であれば、検査工程において、金属系異物欠点に由来する不良品の割合が増大することがない。本発明のフロートガラス基板は、Rh含有量が質量で0.001~0.40ppmがより好ましく、0.001~0.30ppmがさらに好ましく、0.001~0.25ppmが特に好ましい。
【0017】
本発明のフロートガラス基板は、Pt含有量およびRh含有量の合量が質量で0.002~0.80ppmであることが好ましく、0.002~0.65ppmであることがより好ましく、0.002~0.50ppmであることがさらに好ましく、0.002~0.25ppmであることが特に好ましい。
【0018】
β-OHは、ガラス中の水分量の指標として用いられる。本発明のフロートガラス基板は、Cl含有量が0.35質量%超0.50質量%以下の場合、β-OHが0.05~0.20mm-1であることが好ましい。β-OHが0.05mm-1以上だと、ガラス中の水分が減圧雰囲気下で溶融ガラスに含まれる泡の中に流入し、泡が成長しやすくなる。β-OHは、0.07mm-1以上がより好ましく、0.09mm-1以上がさらに好ましい。β-OHが0.20mm-1以下だと、泡の成長が大きくなりすぎるのを抑制できるため、減圧脱泡処理中に、泡層の肥大化による泡のすり抜けが生じることを抑制できる。β-OHは、0.18mm-1以下がより好ましく、0.16mm-1以下がさらに好ましい。
また、フロートガラス基板のβ-OHが0.05~0.20mm-1だと、ガラス中の水分量が少ないため、ガラス基板の歪点を高くでき、ひいてはフロートガラス基板の熱収縮率を低くできる。β-OHを低くするには、水分量が少ないガラス原料を選択する、電極による通電加熱でガラス原料を溶解する等の方法がある。
【0019】
本発明のフロートガラス基板は、Cl含有量が0.10~0.35質量%の場合、β-OHが0.20~0.50mm-1であることが好ましい。β-OHが0.20mm-1以上だと、ガラス中の水分が減圧雰囲気下で溶融ガラスに含まれる泡の中に流入し、泡が成長しやすくなる。β-OHは、0.25mm-1以上がより好ましい。β-OHが0.50mm-1以下だと、泡の成長が大きくなりすぎるのを抑制できるため、減圧脱泡処理中に、泡層の肥大化による泡のすり抜けが生じることを抑制できる。β-OHは、0.45mm-1以下がより好ましく、0.40mm-1以下がさらに好ましい。
【0020】
β-OHは、フロートガラス基板の透過率を、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)を用いて測定し、下記式を用いて求めることができる。
β-OH = (1/X)log10(T1/T2
X:フロートガラス基板の板厚(mm)
1:参照波数4000cm-1における透過率(%)
2:水酸基吸収波数3570cm-1付近における最小透過率(%)
【0021】
本発明のフロートガラス基板は、無アルカリガラスからなり、SnO2を実質的に含有せず、Cl含有量およびPt含有量が上記範囲を満たす限り、幅広い組成から適宜選択できる。本発明のフロートガラス基板の組成の具体例を以下に示す。
【0022】
本発明のフロートガラス基板の組成の1具体例は、酸化物基準の質量%表示で、SiO2:54~73%、Al23:10.5~24%、B23 :0.1~12%、MgO:0~8%、CaO:0~14.5%、SrO:0~24%、BaO:0~13.5%、ZrO2:0~5%、MgO+CaO+SrO+BaO:8~29.5%を含有する。
以下、本明細書において、酸化物基準の質量%を単に「%」と記載する。
【0023】
本発明のフロートガラス基板の別の1具体例において、高い歪点と高い溶解性とを両立する場合、好ましくは、酸化物基準の質量%表示で、SiO2:58~66%、Al23:15~22%、B23:5~12%、MgO:0~8%、CaO:0~9%、SrO:0~12.5%、BaO:0~2%を含有し、MgO+CaO+SrO+BaO:9~18%である。
【0024】
本発明のフロートガラス基板の別の1具体例において、特に高い歪点を得たい場合、好ましくは、酸化物基準の質量%表示で、SiO2:54~73%、Al23:10.5~22.5%、B23:0.1~5.5%、MgO:0~8%、CaO:0~9%、SrO:0~16%、BaO:0~9%、MgO+CaO+SrO+BaO:8~26%である。
【0025】
本発明のフロートガラス基板は、歪点が650℃以上だと、フロートガラス基板の熱収縮率を低くできる。これにより、本発明のフロートガラス基板を液晶ディスプレイ(LCD)用ガラス基板として使用して液晶パネルを製造する際の熱収縮を抑えられるため好ましい。670℃以上がより好ましく、680℃以上がさらに好ましい。
歪点の上限は特に限定されないが、700℃以下だと、フロートバス内およびフロートバス出口の温度をあまり高くする必要がないため、フロートバス内のガラスリボンを成形しやすい。また、フロートバス内の金属部材の寿命に影響を及ぼすことが少ないため好ましい。
【0026】
本発明のフロートガラス基板は、基板サイズが短辺2100mm以上で、長辺2400mm以上が好ましく、短辺2800mm以上で、長辺3000mm以上がより好ましく、短辺2900mm以上で、長辺3200mm以上がさらに好ましい。
【0027】
本発明のフロートガラス基板は、フラットパネルディスプレイ(FPD)用ガラス基板、磁気ディスク用ガラス基板、半導体パッケージ用の支持基板等の用途として、板厚が0.75mm以下が好ましく、0.55mm以下がより好ましく、0.45mm以下がさらに好ましい。
【0028】
[フロートガラス基板の製造方法]
次に、図面を用いて本発明のフロートガラス基板の製造方法を説明する。図1は、本発明のフロートガラス基板を製造するのに用いるガラス製造装置の一構成例を示した断面図である。
【0029】
図1に示すガラス製造装置は、溶解槽100、減圧脱泡装置400および成形装置700を備える。
【0030】
溶解槽100と減圧脱泡装置400との間には、上流側水平管210、上流側鉛直管200および上流側水平管220が設けられており、溶解槽100と減圧脱泡装置400とを接続する。
【0031】
減圧脱泡装置400と成形装置700との間には、下流側水平管510、下流側鉛直管500および下流側水平管520が設けられており、減圧脱泡装置400と成形装置700とを接続する。
【0032】
減圧脱泡装置400は、減圧脱泡槽410、上昇管420、下降管430および減圧ハウジング440を備える。
【0033】
減圧脱泡槽410は、その長軸が水平方向に配向するように減圧ハウジング440内に収納配置されている。減圧脱泡槽410の一端の下面には垂直方向に配向する上昇管420が、他端の下面には下降管430が取り付けられている。上昇管420および下降管430は、その一部が減圧ハウジング440内に位置している。
【0034】
溶解槽100から搬送された溶融ガラスGが、上流側鉛直管200の上部側方から流入し、上流側鉛直管200を下向きに流れ、上流側鉛直管200の下部側方へと流出するように、上流側水平管210および上流側水平管220が設けられている。上流側鉛直管200は、内部に溶融ガラスGを撹拌するためのスターラー300が設けられている。上流側水平管220は、上昇管420と接続されており、減圧脱泡装置400へと溶融ガラスGを搬送する。
【0035】
減圧脱泡装置400から搬送された溶融ガラスGが、下流側鉛直管500の下部側方から流入し、下流側鉛直管500を上向きに流れ、下流側鉛直管500の上部側方へと流出するように、下流側水平管510および下流側水平管520が設けられている。下流側鉛直管500は、内部に溶融ガラスGを撹拌するためのスターラー600が設けられている。
【0036】
下流側水平管520は、成形装置700のリップ720と接続されており、溶融ガラスGを成形装置700へと搬送する。成形装置700は、フロートガラス基板を得るため、フロートバスが用いられる。フロートバスは、溶融金属Mを収容する浴槽710、リップ720、およびリップ720の上を流れる溶融ガラスGの流量を調節するツイール730を備える。リップ720とツイール730の隙間が大きいほど、溶融ガラスGの流量が増える。フロートバスは、浴槽710内の溶融金属Mの浴面に溶融ガラスGを連続的に供給して、帯板状のガラスリボンに成形する装置である。溶融金属Mとしては、溶融スズや溶融スズ合金等が用いられる。
【0037】
図1に示すガラス製造装置において、溶融ガラスGは、上流側水平管210、上流側鉛直管200、上流側水平管220、上昇管420、減圧脱泡槽410、下降管430、下流側水平管510、下流側鉛直管500および下流側水平管520の順に搬送される。これらは、上記溶融ガラス搬送管に相当し、円筒形状であり、白金(Pt)製、またはPt-Rh合金等の白金合金製である。
また、スターラー300およびスターラー600は、白金(Pt)製、またはPt-Rh合金等の白金合金製である。
なお、減圧脱泡槽410は、楕円筒形状であってもよい。また、上流側水平管210、上流側水平管220、下流側水平管510または下流側水平管520は、水平面に対して傾斜した斜め管であってもよい。
【0038】
フロートガラス基板の製造方法は、ガラス原料を溶解槽100にて溶解することで溶融ガラスGを作製し、溶融ガラスGを減圧脱泡装置400にて減圧脱泡処理し、成形装置700にて帯板状のガラスリボンに成形する。そして、徐冷装置(不図示)にてガラスリボンを徐冷し、ガラスリボンの泡欠点や異物欠点を検査した後、加工装置を用いてガラスリボンを切断し、フロートガラス基板を得る。
フロートガラス基板の用途がフラットパネルディスプレイ(FPD)用ガラス基板である場合、さらにフロートガラス基板に対して切り折り加工と、面取り加工と、研磨加工とをこの順番で施す。研磨加工後、フロートガラス基板の泡欠点や異物欠点を検査する。研磨加工では、フロートガラス基板の両主面の少なくとも一方を研磨し、フロートガラス基板の主面に存在する微小な凹凸やうねりを除去する。
【0039】
溶解槽100は、供給されたガラス原料を溶解するためのバーナを備える。バーナは、天然ガスや重油等の燃料をガスと混合して燃焼することで火炎を形成する。ガスとして主に空気を用いるバーナを空気燃焼バーナ、ガスとして主に酸素を用いるバーナを酸素燃焼バーナという。バーナは、火炎をガラス原料に向けて放射することによって、ガラス原料を上方から加熱する。溶解槽100は、ガラス原料を加熱するための電極を備えてもよい。
【0040】
ガラス原料は、例えば珪砂、ホウ酸、石灰石、酸化アルミニウム、炭酸ストロンチウム、酸化マグネシウム等を使用し、目的とするフロートガラス基板の無アルカリガラス組成となるように調合することができる。
【0041】
ガラス原料には、塩化物系清澄剤が添加される。塩化物系清澄剤は、潮解するおそれがないという観点から、BaCl2・2H2O、SrCl2・6H2O、CaCl2、MgCl2・6H2OまたはNH4Clが好ましい。
【0042】
塩化物系清澄剤は、製造されるフロートガラス基板におけるCl含有量が0.10~0.50質量%となるように添加される。
【0043】
フロートガラス基板の製造方法は、溶解槽100から供給される溶融ガラスGを所定の圧力に減圧された減圧脱泡槽410にて減圧脱泡を行う。溶融ガラスGは、減圧脱泡槽410に連続的に供給・排出されることが好ましい。
【0044】
減圧脱泡槽410は、塩化物系清澄剤による清澄作用が十分となるように、内部が1200~1600℃、特に1350~1550℃の温度範囲になるように加熱されていることが好ましい。
【0045】
減圧脱泡を実施する際、減圧ハウジング440内の雰囲気は、減圧ハウジング440の所定箇所に設けられた吸引開口部を通して、外部から真空ポンプ等の真空減圧手段によって排気される。これにより、減圧ハウジング440内に収容された減圧脱泡槽410内の雰囲気が間接的に排気され、減圧脱泡槽410内部は所定の圧力まで減圧される。
減圧脱泡槽410内部の圧力は、13.33~53.33kPaであることが好ましい。
なお、フロートガラス基板の製造方法における清澄工程は、減圧脱泡に限定されず、溶融ガラスを高温(例えば1600℃超)に加熱して清澄作用を促進する高温清澄が採用されてもよい。
【0046】
フロートガラス基板の製造方法では、下記(1)~(4)により、溶融ガラス搬送管からPtやRhが溶融ガラスに溶出するのを減らすことができる。
(1)後述する例1~6に示すように、溶融ガラスの温度(以下「ガラス温度」ともいう。)が高いほど、PtやRhの溶出量が増加する。そのため、溶融ガラス搬送管を通過する溶融ガラスの温度を下げることでPtやRhの溶出量を減らすことができる。
(2)後述する例1~6に示すように、フロートガラス基板のCl含有量が多いほど、PtやRhの溶出量が増加する。そのため、フロートガラス基板のCl含有量を少なくすることでPtやRhの溶出量を減らすことができる。
(3)溶融ガラス搬送管を通過する溶融ガラスの流量を増やすと、溶融ガラスと溶融ガラス搬送管との接触時間を減らすことができる。これにより、PtやRhの溶出量を減らすことができる。
(4)溶融ガラス搬送管の容積に対する表面積の比を低くすると、溶融ガラスと溶融ガラス搬送管との接触面積を減らすことができる。これにより、PtやRhの溶出量を減らすことができる。
【0047】
一方で、上記(1)~(3)によるPtやRhの溶出量を減らす方法は、いずれも溶融ガラスに含まれる泡を除去するという観点からは不利である。上記(3)については、溶融ガラスの流量を増やすと、減圧脱泡槽を通過する溶融ガラスの滞在時間が短くなるからである。また、上記(3)および(4)によるPtやRhの溶出量を減らす方法は、フロートガラス基板の少量生産を行う場合には不利である。上記(4)については、溶融ガラス搬送管の容積に対する表面積の比を低くすると、溶融ガラス搬送管の径が大きくなるからである。
したがって、上記(1)~(4)によるPtやRhの溶出量を減らす方法は、溶融ガラスに含まれる泡を除去するという観点と、フロートガラス基板の生産量とを踏まえて実施する必要がある。
上記(3)の溶融ガラスの流量(以下「ガラス流量」ともいう。)は、0.03~1.5m3/hであることが好ましい。
上記(4)の溶融ガラス搬送管の容積に対する表面積の比(以下「表面積/容積」とも表記する。)は、0.03~0.3cm-1であることが好ましく、0.03~0.2cm-1であることがより好ましい。
【実施例0048】
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0049】
[実験例1]
(例1~6)
酸化物基準の質量%表示で、SiO2:59.8%、Al23:17.2%、B23:7.8%、MgO:3.1%、CaO:4.1%、SrO:7.7%、BaO:0.1%、Cl:0.20%の組成となる無アルカリガラスを基準に、Cl含有量のみ0.00~0.30%の範囲となるよう調合したガラス原料を準備した。これらをアルミナ坩堝を用いて電気炉にて溶解しガラス試料を準備した。得られたガラスをRh含有量が10at%の白金合金製のるつぼにて1400℃または1500℃で1時間熱処理を行った。熱処理後のガラス中に含まれるPtおよびRhの含有量をICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析)法により定量評価し、溶融ガラスとるつぼとの接触面積および熱処理時間から単位面積・単位時間当たりのPtとRhの溶出速度を算出した。
結果を下記表1と図2、3に示した。図2は、溶融ガラスを1400℃で1時間熱処理した例1~3におけるフロートガラス基板のCl含有量と、PtおよびRhの溶出速度との関係を示したグラフである。図3は、溶融ガラスを1500℃で1時間熱処理した例4~6におけるフロートガラス基板のCl含有量と、PtおよびRhの溶出速度との関係を示したグラフである。図2および3の破線は、回帰直線である。
【0050】
【表1】
これらの結果から、Cl含有量が増加すると、PtおよびRhの溶出速度が高くなることがわかる。また、溶融ガラスの温度が高いほど、PtおよびRhの溶出速度が高くなることがわかる。特に、溶融ガラスの温度が1500℃の場合、Cl含有量が増加すると、Ptの溶出速度が高くなる傾向が著しい。
【0051】
[実験例2]
(例7~19)
実験例1の結果を踏まえ、図1に示すガラス製造装置で製造されるフロートガラス基板の金属異物品質および泡品質をシミュレーションにより評価した。例7、8、13が比較例、例9~12、14~19が実施例である。
【0052】
図1に示すガラス製造装置において、上流側水平管210、上流側鉛直管200、上流側水平管220、上昇管420、減圧脱泡槽410、下降管430、下流側水平管510、下流側鉛直管500および下流側水平管520、ならびにスターラー300およびスターラー600を、Rh含有量が10at%の白金合金製とした。ガラス製造装置を通過する溶融ガラスのガラス組成(Cl含有量を除く。)は、例1~6と同一とした。
【0053】
下記表2および3に示すPt含有量は、図2または3の回帰式、ならびに下記表2および3に示すCl含有量、溶融ガラス搬送管表面積およびガラス流量を用いて算出した値である。下記表2および3に示すRh含有量も同様の方法で算出した。
下記表2および3に示す泡成長指数Iは、減圧雰囲気下、溶融ガラスに含まれる泡の成長しやすさの指標である。泡成長指数Iが高いほど、溶融ガラスに含まれる泡が成長しやすい。泡成長指数Iは、下記式(1)を用いて算出した。
I=590.5×[β-OH]+874.1×[Cl]-5.7×[B23]-33.3 (1)
式(1)中、[β-OH]はフロートガラス基板のβ-OH(mm-1)を示し、[Cl]はフロートガラス基板のCl含有量(質量%)を示し、[B23]はフロートガラス基板のB23含有量(質量%)を示す。
【0054】
下記表2および3に示す金属異物品質および泡品質は、以下に示す基準で「〇」または「×」を判定した。金属異物品質および泡品質が「〇」と判定されれば、検査工程において、金属系異物欠点および泡欠点に由来する不良品の割合が減少し、フロートガラス基板の生産性が向上するものと想定される。
Pt含有量が0.30ppm以下であれば金属異物品質を「〇」とし、Pt含有量が0.30ppm超であれば金属異物品質を「×」とした。
ガラス温度が1500℃である例7~9、12~18の場合、泡成長指数Iが320超であれば泡品質を「〇」とし、泡成長指数Iが320以下であれば泡品質を「×」とした。また、ガラス温度が1400℃である例10、11、19の場合、ガラス温度が1500℃の場合と比べて溶融ガラスに含まれる泡を除去するのが容易でないため、泡成長指数Iが400超であれば泡品質を「〇」とした。
【0055】
【表2】
表2および3中のCl含有量、Pt含有量およびRh含有量は、フロートガラス基板における含有量である。また、表2および3中の表面積/容積は、溶融ガラス搬送管の表面積を溶融ガラス搬送管の容積で割った値である。
【表3】
【0056】
例7、8は、ガラス流量がいずれも0.02m3/hであり、ガラス流量が少ないので、溶融ガラスと溶融ガラス搬送管との接触時間が増える。そのため、PtやRhの溶出量が増えやすい。
Cl含有量が0.00質量%、Pt含有量が0.30ppm以下の例7は、Clを含有しない。そのため、PtおよびRhの溶出量が減り、金属異物品質が「〇」であったが、泡品質が「×」であった。
Cl含有量が0.26質量%、Pt含有量が0.30ppm超の例8は、Cl含有量が0.10~0.50質量%である。そのため、溶融ガラスに含まれる泡を十分に除去でき、泡品質が「〇」であったが、ガラス流量が少ないことによるPtやRhの溶出量が増えることの影響を排除できず、金属異物品質が「×」であった。
【0057】
例9~13は、ガラス流量がいずれも0.04m3/hであり、例7、8よりもガラス流量が多いので、溶融ガラスと溶融ガラス搬送管との接触時間が減る。そのため、PtやRhの溶出量が減りやすい。
Cl含有量が0.10~0.50質量%、Pt含有量が0.001~0.30ppmの例9~12は、金属異物品質および泡品質のいずれも「〇」であった。
例9は、例10に対し、Cl含有量が少なく、減圧脱泡槽で泡が成長しにくい条件であるが、ガラス温度を高くすることで、減圧脱泡槽での泡の成長を促進している。
例10は、例9に対し、Cl含有量が多く、溶融ガラス搬送管からPtやRhが溶融ガラスに溶出しやすい条件であるが、ガラス温度を低くすることでPtやRhの溶出を抑制している。
例11は、例10に対し、溶融ガラス搬送管の容積に対する表面積の比(表面積/容積)を低くすることでPtやRhの溶出量を減らしている。そのため、例10に比べてPt含有量およびRh含有量が少ない。
例12は、例9に対し、Cl含有量が多く、溶融ガラス搬送管からPtやRhが溶融ガラスに溶出しやすい条件であるが、溶融ガラス搬送管の容積に対する表面積の比(表面積/容積)を低くすることでPtやRhの溶出量を減らしている。そのため、例9に比べてPt含有量およびRh含有量が少ない。
Cl含有量が0.30質量%、Pt含有量が0.30ppm超の例13は、Cl含有量が0.10~0.50質量%である。そのため、溶融ガラスに含まれる泡を十分に除去でき、泡品質が「〇」であったが、ガラス流量が少ないことによるPtやRhの溶出量が増えることの影響を排除できず、金属異物品質が「×」であった。
【0058】
例14~19は、ガラス流量がいずれも0.65m3/hであり、例7~13よりもガラス流量が15倍以上も多いので、溶融ガラスと溶融ガラス搬送管との接触時間が減る。また、例14~19は、例7~13よりも溶融ガラス搬送管の容積に対する表面積の比が低いので、溶融ガラスと溶融ガラス搬送管との接触面積が減る。そのため、PtやRhの溶出量が減る。
一方で、例14~19は、溶融ガラスが減圧脱泡槽を通過する時間が短くなるので、溶融ガラスに含まれる泡が成長し浮上して破泡する前に減圧脱泡槽を通過しやすくなる。そのため、検査工程において、泡欠点に由来する不良品の割合が増大するおそれがある。
Cl含有量が0.10~0.50質量%、Pt含有量が0.001~0.30ppmの例14~19は、金属異物品質および泡品質のいずれも「〇」であった。
Cl含有量が0.28質量%、Pt含有量が0.30ppm以下の例14は、Cl含有量が0.1~0.5質量%である。そのため、PtおよびRhの溶出量が増えるのを抑制でき、金属異物品質が「〇」であり、溶融ガラスに含まれる泡を十分に除去でき、泡品質が「〇」であった。
Cl含有量が0.50質量%、Pt含有量が0.30ppm以下の例15は、Cl含有量が0.1~0.5質量%である。そのため、PtおよびRhの溶出量が増えるのを抑制でき、金属異物品質が「〇」であり、溶融ガラスに含まれる泡を十分に除去でき、泡品質が「〇」であった。
Cl含有量が0.50質量%、Pt含有量が0.30ppm以下の例16は、例14よりもCl含有量が多く、また、例15よりもβ-OHが高い。そのため、例16は、例14、15に対し、溶融ガラスに含まれる泡を十分に除去でき、泡品質が「〇」であった。
Cl含有量が0.35質量%、Pt含有量が0.30ppm以下の例17、およびCl含有量が0.30質量%、Pt含有量が0.30ppm以下の18は、例16に対し、Cl含有量が少ない。そのため、PtやRhの溶出量が少なく、例16に比べてPt含有量およびRh含有量が少ない。例17および18は、例16に比べて減圧脱泡槽で泡が成長しにくい条件であるが、β-OHを高くすることで、減圧脱泡槽での泡の成長を促進している。
Cl含有量が0.30質量%、Pt含有量が0.30ppm以下の例19は、例18に対し、ガラス温度を低くすることでPtやRhの溶出を抑制している。そのため、例18に比べてPt含有量およびRh含有量が少ない。
【符号の説明】
【0059】
100:溶解槽
200:上流側鉛直管
210:上流側水平管
220:上流側水平管
300:スターラー
400:減圧脱泡装置
410:減圧脱泡槽
420:上昇管
430:下降管
440:減圧ハウジング
500:下流側鉛直管
510:下流側水平管
520:下流側水平管
600:スターラー
700:成形装置
710:浴槽
720:リップ
730:ツイール
G:溶融ガラス
図1
図2
図3