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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022113724
(43)【公開日】2022-08-04
(54)【発明の名称】測定ウェハ装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20220728BHJP
   G01J 1/02 20060101ALI20220728BHJP
   G01J 1/58 20060101ALI20220728BHJP
   G01K 11/12 20210101ALI20220728BHJP
【FI】
H01L21/66 D
G01J1/02 G
G01J1/58
G01K11/12 Z
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088274
(22)【出願日】2022-05-31
(62)【分割の表示】P 2020122967の分割
【原出願日】2015-10-13
(31)【優先権主張番号】62/063,657
(32)【優先日】2014-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】14/880,899
(32)【優先日】2015-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サン メイ
(72)【発明者】
【氏名】ジェンセン アール
(72)【発明者】
【氏名】オブライエン ケヴィン
(57)【要約】
【課題】所定の半導体デバイス処理ラインの状態を監視するのに使用される試験ウェハにわたって放射線および温度の測定感度を高めるためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】放射線強度および温度を測定するための測定ウェハデバイス100が、1つ以上の空洞104を具備するウェハ組立体102を含む。測定ウェハデバイス100は、検出器組立体103をさらに含む。検出器組立体103は、ウェハ組立体102の1つ以上の空洞104内に配置される。検出器組立体103は、1つ以上の光センサ106を含む。検出器組立体103は、ウェハ組立体102の表面上に入射する紫外光101の強度の直接または間接的な測定を行うようにさらに構成される。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定ウェハ装置であって、
ウェハ組立体と、
検出器組立体であって、1つまたは複数の光センサを含み、前記1つまたは複数の光センサが、前記ウェハ組立体の少なくとも1つの表面上に入射する、半導体処理環境からの紫外光の強度の間接測定を行うことで前記ウェハ組立体の温度を検出するように構成された、検出器組立体と、
を備え、
前記検出器組立体が、前記紫外光の強度の間接測定を、前記紫外光が変換された可視光の強度を測定することで行うように構成され、
前記1つまたは複数の光センサは、前記ウェハ組立体の基板から断熱されたセンサモジュール内に収容され、
前記検出器組立体は、前記ウェハ組立体の1つ以上の空洞に配置された1つ以上の導光要素を含み、前記導光要素は、前記紫外光が変換された可視光を前記センサモジュール内の前記1つまたは複数の光センサに伝送するように配置される装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記ウェハ組立体が、
基板と、
前記基板の一部分に動作可能に結合されるカバーと、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、前記検出器組立体が、
紫外光を可視光に変換するように構成された1つまたは複数の光ルミネセンス要素、
を含み、
前記1つまたは複数の光センサが、前記1つまたは複数の光ルミネセンス要素上に入射する紫外光の強度の間接測定を、前記1つまたは複数の光ルミネセンス要素によって放射される可視光の強度を測定することにより行うように構成されることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置であって、さらに、前記1つまたは複数の光センサが、前記1つまたは複数の光センサ上に入射する紫外光の前記強度の直接測定を行うように構成されることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置であって、さらに、前記1つまたは複数の光センサが、
前記1つまたは複数の光センサの電気的特性または強度特性の少なくとも一方により、
前記紫外光の強度の測定を行うことを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置であって、前記電気的特性が、
既知電流で測定された前記1つまたは複数の光センサにわたる順電圧、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項5に記載の装置であって、前記強度特性が、
前記紫外光による1つまたは複数の光ルミネセンス要素の励起に応答して前記1つまたは複数の光センサ上に入射する可視光の強度特性、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置であって、前記検出器組立体が、
1つまたは複数の光ルミネセンス要素の上に入射する紫外光の前記強度を示す前記1つまたは複数の光センサからの1つまたは複数の信号を受信するように構成された、制御装置、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置であって、前記1つまたは複数の光センサが、
1つまたは複数のダイオード検出器、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置であって、前記1つまたは複数のダイオード検出器が、
炭化ケイ素検出器、窒化ガリウムダイオード検出器、窒化アルミニウムガリウム検出器、またはケイ素検出器のうちの少なくとも1つ、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項11】
測定ウェハ装置であって、
ウェハ組立体と、
検出器組立体であって、その少なくとも一部分が前記ウェハ組立体の表面に配置され、1つまたは複数の光センサを含み、該1つまたは複数の光センサが、前記ウェハ組立体の少なくとも1つの表面上に入射する、半導体処理環境からの紫外光の前記強度の間接測定を行うことで前記ウェハ組立体の温度を検出するように構成された、検出器組立体と、
を備え、
前記検出器組立体が、前記紫外光の強度の間接測定を、前記紫外光が変換された可視光の強度を測定することで行うように構成され、
前記1つまたは複数の光センサは、前記ウェハ組立体の基板から断熱されたセンサモジュール内に収容され、
前記検出器組立体は、前記ウェハ組立体の1つ以上の空洞に配置された1つ以上の導光要素を含み、前記導光要素は、前記紫外光が変換された可視光を前記センサモジュール内の前記1つまたは複数の光センサに伝送するように配置される装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置であって、前記ウェハ組立体が、
基板と、
前記基板の一部分に動作可能に結合されるカバーと、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項11に記載の装置であって、前記検出器組立体が、
紫外光を可視光に変換するように構成された1つまたは複数の光ルミネセンス要素、
を含み、
前記1つまたは複数の光センサが、前記1つまたは複数の光ルミネセンス要素上に入射する紫外光の強度の間接測定を、前記1つまたは複数の光ルミネセンス要素によって放射される可視光の強度を測定することにより行うように構成されることを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項11に記載の装置であって、さらに、前記1つまたは複数の光センサが、前記1つまたは複数の光センサ上に入射する紫外光の前記強度の直接測定を行うように構成されることを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項11に記載の装置であって、さらに、前記1つまたは複数の光センサが、
前記1つまたは複数の光センサの電気的特性または強度特性の少なくとも一方により、
前記紫外光の強度の測定を行うことを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置であって、前記電気的特性が、
既知電流で測定された前記1つまたは複数の光センサにわたる順電圧、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項15に記載の装置であって、前記強度特性が、
前記紫外光による1つまたは複数の光ルミネセンス要素の励起に応答して前記1つまたは複数の光センサ上に入射する可視光の強度特性、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項11に記載の装置であって、前記検出器組立体が、
1つまたは複数の光ルミネセンス要素の上に入射する紫外光の強度を示す前記1つまたは複数の光センサからの1つまたは複数の信号を受信するように構成された、制御装置、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項19】
請求項11に記載の装置であって、前記1つまたは複数の光センサが、
1つまたは複数のダイオード検出器、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項20】
請求項19に記載の装置であって、前記1つまたは複数のダイオード検出器が、
炭化ケイ素検出器、窒化ガリウムダイオード検出器、窒化アルミニウムガリウム検出器、またはケイ素検出器のうちの少なくとも1つ、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項21】
測定ウェハ装置であって、
ウェハ組立体と、
検出器組立体であって、1つまたは複数の光センサと、紫外光を可視光に変換するように構成された1つまたは複数の光ルミネセンス要素と、を含む検出器組立体と、
を備え、
前記検出器組立体が、前記1つまたは複数の光ルミネセンス要素上に入射する半導体処理環境からの紫外光の前記強度の間接測定による前記ウェハ組立体の温度検出を、前記1つまたは複数の光ルミネセンス要素によって放射される可視光の強度を測定することにより行うように構成され、
前記1つまたは複数の光センサは、前記ウェハ組立体の基板から断熱されたセンサモジュール内に収容され、
前記検出器組立体は、前記ウェハ組立体の1つ以上の空洞に配置された1つ以上の導光要素を含み、前記導光要素は、前記光ルミネセンス要素によって放射される可視光を前記センサモジュール内の前記1つまたは複数の光センサに伝送するように配置されることを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、半導体プロセスラインに沿ったウェハの放射線および温度監視に関し、詳細には、紫外(UV)光暴露を伴うプロセス設定におけるウェハのUV光および温度暴露を監視することに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、以下に挙げる出願(「関連出願」)の最早有効出願日に関し、かつその利益を主張するものである(例えば、仮特許出願以外の最早優先日を主張するか、または、関連出願のあらゆる親出願、祖父出願、曽祖父出願、等の仮特許出願の利益を米国特許法第119条(e)の下に主張するものである)。
【0003】
関連出願
USPTO法定外要件のため、本出願は、発明者としてメイ サン(Mei Sun)、アール ジェンセン(Earl Jensen)、およびケヴィン オブライエン(Kevin O’Brien)が指名される、2014年10月14日に出願の出願第62/063,657号、WIRELESS UV AND TEMPERATURE SENSING DEVICE FOR HIGH TEMPERATURE PROCESSと題される米国仮特許出願の正規(非仮)特許出願を構成する。
【0004】
半導体デバイス処理環境内のプロセス条件に対する許容範囲が狭まり続けているので、システムを監視する改善されたプロセスに対する要求が高まり続けている。処理システム(例えば、低誘電率薄膜硬化システム(low K thin film curing system))内での紫外線(UV)放射線の一様性が、そのような条件の1つである。現在の方法は、現在の処理技法に必要とされる極端な条件(例えば、高い温度、および短い波長)の下では、UV放射線強度および温度の両方を同時に監視することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2013/0155390号
【特許文献2】米国特許出願公開第2010/0187441号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、所定の半導体デバイス処理ラインの状態を監視するのに使用される試験ウェハにわたって放射線および温度の測定感度を高めるためのシステムおよび方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の例示的な実施形態による、放射線強度および/または温度を測定するための測定ウェハ装置が開示される。1つの実施形態では、測定ウェハ装置は、1つ以上の空洞を具備するウェハ組立体を含む。別の実施形態では、測定ウェハ装置は、検出器組立体を含む。1つの実施形態では、検出器組立体の少なくとも一部分が、ウェハ組立体の1つ以上の空洞内に配置される。別の実施形態では、検出器組立体は、1つ以上の光センサを含む。別の実施形態では、検出器組立体は、ウェハ組立体の少なくとも1つの表面上に入射する紫外光の強度の直接測定、またはウェハ組立体の少なくとも1つの表面上に入射する紫外光の強度の間接測定の少なくとも一方を行うように構成される。別の実施形態では、検出器組立体は、ウェハ組立体の少なくとも1つの表面上に入射する紫外光の強度の測定の際の1つ以上の光センサの1つ以上の特性に基づいてウェハ組立体の1つ以上の部分の温度を判定するように、さらに構成される。
【0008】
本開示の例示的な実施形態による、放射線強度および/または温度を測定するための測定ウェハ装置が開示される。1つの実施形態では、ウェハ装置は、1つ以上の空洞を具備するウェハ組立体を含む。別の実施形態では、ウェハ装置は、検出器組立体を含む。別の実施形態では、検出器組立体の少なくとも一部分が、ウェハ組立体の1つ以上の空洞内に配置される。別の実施形態では、検出器組立体は、1つ以上の光センサを含む。別の実施形態では、検出器組立体は、ウェハ組立体の少なくとも1つの表面上に入射する紫外光の強度の直接測定、またはウェハ組立体の少なくとも1つの表面上に入射する紫外光の強度の間接測定の少なくとも一方を行うように構成される。別の実施形態では、検出器組立体は、1つ以上の光センサの1つ以上の特性、または1つ以上の光センサに近接して配置された1つ以上の温度センサからの1つ以上の温度測定値の少なくとも一方に基づいてウェハ組立体の1つ以上の部分の温度を判定するように、さらに構成される。
【0009】
本開示の別の例示的な実施形態による、放射線強度および/または温度を測定するための測定ウェハ装置が開示される。1つの実施形態では、測定ウェハ装置は、基板、および基板の一部分に動作可能に結合されたカバーを含む。別の実施形態では、測定ウェハ装置は、基板とカバーとの間に形成された空洞を含む。別の実施形態では、測定ウェハ装置は、1つ以上の空洞内に配置された1つ以上の光センサを含む。別の実施形態では、カバーは、カバーの頂面から1つ以上の光センサまで光を通過させるための1つ以上の窓を含む。別の実施形態では、1つ以上の光センサは、1つ以上の窓を通過した光の強度を測定するように構成される。別の実施形態では、測定ウェハ装置は、1つ以上の光センサに通信可能に結合された1つ以上の局所制御装置を含む。別の実施形態では、1つ以上の局所制御装置は、1つ以上の光センサによって測定された光の強度を示す1つ以上の信号を受信するように構成される。別の実施形態では、測定ウェハ装置は、1つ以上の局所制御装置に通信可能に結合され、かつ1つ以上の光センサによって測定された光の強度の減衰特徴に基づいて1つ以上の光センサの温度を判定するように構成された、1つ以上の中央制御装置を含む。
【0010】
本開示の例示的な実施形態による、放射線強度および/または温度を測定するための測定ウェハ装置が開示される。1つの実施形態では、測定ウェハ装置は、基板、および基板の一部分に動作可能に結合されたカバーを含む。別の実施形態では、測定ウェハ装置は、基板とカバーとの間に形成された1つ以上の空洞内に配置された1つ以上の光センサを含む。別の実施形態では、測定ウェハ装置は、1つ以上の空洞内に配置された1つ以上の光ルミネセンス要素を含む。別の実施形態では、カバーは、カバーの頂面から1つ以上の光ルミネセンス要素まで光を通過させるための1つ以上の窓を含む。別の実施形態では、1つ以上の光ルミネセンス要素は、1つ以上の窓を通過した第1の波長範囲の光の少なくとも一部分を吸収して、第1の波長範囲とは異なる少なくとも1つの第2の波長範囲の光を放射するように構成される。別の実施形態では、1つ以上の光センサは、1つ以上の光ルミネセンス要素によって放射された少なくとも1つの第2の波長範囲の光の強度を測定するように構成される。別の実施形態では、測定ウェハ装置は、1つ以上の空洞内に配置された1つ以上の導光要素を含み、1つ以上の導光要素は、少なくとも1つの第2の波長の光を1つ以上の光ルミネセンス要素から1つ以上の光センサに伝送するように構成される。
【0011】
別の実施形態では、測定ウェハ装置は、1つ以上の光センサに通信可能に結合された1つ以上の局所制御装置を含み、1つ以上の局所制御装置は、1つ以上の光センサによって測定された少なくとも1つの第2の波長範囲の光の強度を示す1つ以上の信号を受信するように構成される。別の実施形態では、測定ウェハ装置は、1つ以上の局所制御装置に通信可能に結合された1つ以上の中央制御装置を含み、1つ以上の中央制御装置は、1つ以上の光センサによって測定された少なくとも1つの第2の波長範囲の光の強度の強度特徴(intensity feature)に基づいて1つ以上の光ルミネセンス要素の温度を判定するように構成される。
【0012】
上記の一般説明と以下の詳細説明は両方とも、単に例示的および説明的なものであって特許請求の範囲に記載の本発明を必ずしも限定するものではないことが、理解されるべきである。本明細書に援用されてその一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を示し、かつ一般説明と共に本発明の原理を説明する働きをするものである。
【0013】
添付の図面を参照することにより、当業者には本開示の多くの利点がより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】本開示の1つの実施形態による、光強度および温度を測定するための測定ウェハを示す概念図である。
図1B】本開示の1つの実施形態による、光強度の直接測定のための測定ウェハを示す簡易断面図である。
図1C】本開示の1つの実施形態による、光強度の直接測定のための測定ウェハを示す組立図である。
図1D】本開示の1つの実施形態による、センサおよび局所制御装置を含む測定ウェハ(明瞭にするために、カバーは示されていない)の基板を示す、簡易上面図である。
図1E】本開示の1つの実施形態による、光ルミネセンス要素を含む光強度の間接測定のための測定ウェハを示す、簡易断面図である。
図1F】本開示の1つの実施形態による、光ルミネセンス要素およびセンサスタックを示す、簡易断面図である。
図1G】本開示の1つの実施形態による、光ルミネセンス要素および導光要素を含む光強度の間接測定のための測定ウェハ、ならびに基板からのセンサモジュールの断熱を示す、簡易断面図である。
図1H】本開示の1つの実施形態による、光ルミネセンス要素および導光要素を含む光強度の間接測定のための測定ウェハ、ならびに基板からのセンサモジュールの断熱を示す、簡易断面図である。
図1I】本開示の1つの実施形態による、光ルミネセンス要素、導光体、およびセンサモジュールを含む光強度の間接測定のための測定ウェハ(明瞭にするために、カバーは示されていない)の基板を示す、簡易上面図である。
図2】本開示の1つの実施形態による、測定ウェハにわたる放射線強度および温度を測定するための測定ウェハ装置の操作を示す、流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、添付の図面に示されている開示される主題に対して、詳細な参照を行う。
【0016】
図1Aから2を全体的に参照すると、放射線強度および/または温度を測定するためのシステムおよび方法が、本開示に従って記載されている。
【0017】
図1Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、ウェハにわたる1つ以上の位置で放射線および/または温度を測定するための測定ウェハデバイス100の断面の概念図を示す。
【0018】
1つの実施形態では、ウェハ測定デバイス100は、ウェハ組立体102を含む。別の実施形態では、ウェハ組立体102は、1つ以上の空洞104を含む。1つ以上の空洞104は、半導体製作の技術で知られている任意のプロセス(例えば、研削、化学エッチング、レーザエッチング、等)によって形成され得る。別の実施形態では、ウェハ測定デバイス100は、ウェハ組立体102の空洞104内に配置された検出器組立体103を含む。本開示は1つ以上の空洞104を含むウェハ組立体102に限定されるものではないことが、本明細書において留意される。例えば、検出器組立体103(または、その部分)は、空洞104内に配置される必要は無く、ウェハ組立体102の任意の表面(例えば、頂面、底面、または縁部)上に配置されてもよい。
【0019】
1つの実施形態では、検出器組立体103は、1つ以上の光センサ106を含む。1つ以上の光センサ106は、当技術で知られている任意の光センサを含むことができる。例えば、1つ以上の光センサ106は、これに限定されるものではないが、UVおよび/または可視光を検知することが可能な光センサを含むことができる。
【0020】
1つの実施形態では、検出器組立体103は、ウェハ組立体の少なくとも1つの表面上に入射する紫外光の強度の直接測定を行うように構成される。測定デバイス100の上方のプロセス環境からUV光を直接検出する場合には、1つ以上の光センサ106は、これに限定されるものではないが、少なくともUV光に敏感に反応する1つ以上の光センサ(例えば、炭化ケイ素を基礎とするセンサ)を含むことができる。例えば、光センサは、これに限定されるものではないが、150~400nmの波長範囲内のUV光に敏感に反応する光センサを含むことができる。
【0021】
別の実施形態では、検出器組立体103は、ウェハ組立体の少なくとも1つの表面上に入射する紫外光の強度の間接測定を行うように構成される。測定デバイス100の上方のプロセス環境からUV光を間接的に検出する(例えば、光ルミネセンス要素からの中間光ルミネセンス放射を介して検出する)場合には、1つ以上の光センサ106は、これに限定されるものではないが、少なくとも可視光に敏感に反応する1つ以上の光センサ(例えば、ケイ素を基礎とするセンサ)を含むことができる。例えば、光センサは、これに限定されるものではないが、450~750nmの波長範囲内の可視光に敏感に反応する光センサを含むことができる。
【0022】
本開示の目的において、「間接測定」とは、UV光の可視光への光ルミネセンス変換(photoluminescence conversion)のような、しかしそれに限定されない、第1の波長/波長範囲から第2の波長/波長範囲への光信号の中間変換を伴う、光強度の測定として解釈される。さらに、「直接測定」という用語は、光信号の中間変換を伴わない光強度の測定として解釈される。直接的な強度測定に関連する実施形態(図1B~1D)、および間接的な強度測定に関連する実施形態(図1E~1I)が、本明細書においてさらに詳細に説明されることが、留意される。
【0023】
1つの実施形態では、1つ以上の光センサ106は、1つ以上のダイオード検出器を含む。例えば、1つ以上の光センサ106は、これらに限定されるものではないが、1つ以上の炭化ケイ素(SiC)ダイオード検出器、1つ以上の窒化ガリウム(GaN)ダイオード検出器、1つ以上の窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)検出器、または1つ以上のケイ素ダイオード検出器を含むことができる。
【0024】
別の実施形態では、ウェハ組立体102は、1つ以上の開口部108を含む。1つの実施形態では、1つ以上の開口部108は、ウェハ組立体102の頂面上に入射する紫外光101が1つ以上の光センサ106に到達するのを可能にするために、ウェハ組立体102の頂面に形成される。この点について、1つ以上の開口部108は、ウェハ組立体102の表面にわたる強度および/または温度の選択された測定を可能にするために、ウェハ組立体の頂面にわたって分散されてもよい。
【0025】
別の実施形態では、ウェハ測定デバイス100の検出器組立体103は、局所制御装置110を含む。1つの実施形態では、局所制御装置110は、1つ以上の光センサ106に通信可能に結合される。例えば、局所制御装置110は、1つ以上の光センサ106によって測定された光の強度または1つ以上の光センサ106の1つ以上の追加の特性を示す、1つ以上のセンサ106からの1つ以上の信号を受信することができる。例えば、局所制御装置110は、1つ以上の光センサ106によって測定された光(例えば、UVまたは可視光)の強度を示す、1つ以上の光センサ106からの1つ以上の信号を受信することができる。さらに、局所制御装置110は、1つ以上の光センサ106の1つ以上の電気的特性(例えば、電圧出力)を示す、1つ以上の光センサ106からの1つ以上の信号を受信することができる。別の実施形態では、デバイス100は、1つ以上のセンサ106の1つ以上の電気的特性(例えば、順電圧)を測定することにより、1つ以上の光センサ106におけるウェハ組立体102の温度を監視することができるが、必須ではない。別の実施形態では、検出器組立体103は、1つ以上の温度センサ(例えば、熱プローブ)を含む。熱プローブは、熱プローブの出力が1つ以上の局所制御装置110に結合されて、1つ以上の光センサ106の近くに配置されてもよい。この意味で、ウェハ組立体102にわたる温度は、光センサ106によって測定されたPL発光強度の減衰を介して(間接測定の場合)、光センサ106の1つ以上の電気的特性を介して(直接測定の場合)、または専用の温度プローブを介して(直接測定または間接測定の場合)測定され得る。
【0026】
別の実施形態では、ウェハ測定デバイス100の検出器組立体103は、中央制御装置111を含む。1つの実施形態では、中央制御装置111は、1つ以上の光センサ106の1つ以上の特性(例えば、入射するPL発光の強度の特性、または1つ以上のセンサ106の電気的特性)に基づいてウェハ組立体102の1つ以上の部分の温度を判定するように構成される。
【0027】
例えば、中央制御装置111は、1つ以上の光センサ106において測定された電気的特性(例えば、既知電流での所定のセンサ106にわたる順電圧)に基づいてウェハ組立体102の1つ以上の部分の温度を判定することができる。別の例として、中央制御装置111は、1つ以上のセンサ106からの測定された強度特性(例えば、様々な励起波長における光強度値、または強度減衰期間-中間PL要素の場合)に基づいて、ウェハ組立体102の1つ以上の部分の温度を判定することができる。それゆえ、1つ以上の光センサ106からの測定された電気特性もしくは強度特性、または専用の温度センサからの温度測定に基づいて、1つ以上の温度値が判定され得る。この点について、UV強度および/または計算された温度は、光センサ106の位置(または、間接的な変換の場合には、PL要素の位置)に基づいて、ウェハデバイス位置にマッピングされ得る。ウェハ組立体102にわたって分散された光センサ106のそれぞれに対してこの手順を適用すると、2Dの強度および/または温度マップが、検出器組立体103によって生成(例えば、中央制御装置111によって生成)され得る。
【0028】
デバイス100は、強度および温度の両方を含む測定状況に限定されないことが、本明細書において留意される。例えば、デバイス100は、光の強度だけ、温度暴露だけ、または強度および温度を測定するように構成されてもよい。
【0029】
1つの実施形態では、局所制御装置110および/または中央制御装置111は、1つ以上の処理装置(図示せず)を含む。別の実施形態では、1つ以上の処理装置は、1つ以上の処理装置に本開示を通して説明される種々のステップのうちの1つ以上を実行させるように構成された一連のプログラム命令を遂行するように構成される。別の実施形態では、制御装置110は、プログラム命令および1つ以上のセンサ106から受信した強度測定結果を記憶するための一時的でない媒体(例えば、記憶媒体)を含むことができる。本開示において、「処理装置」という用語は、記憶媒体からの命令を遂行する1つ以上の処理装置(例えば、CPU)または論理要素(例えば、ASIC)を有する任意のデバイスを含むように、広く定義され得る。この意味で、局所制御装置110および/または中央制御装置111の1つ以上の処理装置は、アルゴリズムおよび/または命令を遂行するように構成された任意のマイクロプロセッサ型デバイスまたは論理デバイスを含むことができる。本開示を通して説明されるステップは、単一の処理装置によって、あるいは複数の処理装置によって実行されてもよいことが、認識されるべきである。記憶媒体は、読出し専用記憶装置、ランダムアクセス記憶装置、磁気的または光学的なディスク、半導体ドライブ、フラッシュ、EPROM、EEPROM、磁気テープ、等を含み得る。
【0030】
図1B~1Dは、本開示の1つ以上の実施形態による、直接的な光強度測定を介して放射線強度および温度を測定するための測定ウェハデバイス100の、簡易化した断面図、組立図、および上面図を示す。図1Aに示された構成要素および実施形態の説明は、別段の記載がある場合を除き図1B~1Dにまで及ぶと解釈されるべきであることが、本明細書において留意される。
【0031】
1つの実施形態では、測定ウェハデバイス100のウェハ組立体102は、1つ以上の構造物を含む。1つの実施形態では、1つ以上の光センサ106は、測定ウェハデバイス100の1つ以上の構造物内に配置される。例えば、測定ウェハデバイス100の構造物は、1つ以上の空洞104を形成するように配置されかつ/または形成され得る。別の実施形態では、ウェハ組立体102は、薄い形状要素のパッケージ内に嵌入し得る。センサウェハ102は、所定のプロセス環境における条件を受けるウェハのUV光および温度暴露の強度に関する洞察を提供するために、半導体産業でのプロセス環境(例えば、プラズマ処理デバイス)において通常使用されるウェハに似るように設計されることが、本明細書において留意される。
【0032】
1つの実施形態では、ウェハ組立体102は、基板107(例えば、基板ウェハ)を含む。基板は、半導体デバイスの処理ステップに適合する、当技術で知られている任意の材料から形成され得る。例えば、基板107は、これらに限定されるものではないが、半導体基板、ガラス基板、等を含むことができる。別の実施形態では、測定ウェハデバイス100は、カバー105(例えば、カバーウェハ)を含む。例えば、図1Bおよび1Cに示されるように、カバー105は、基板107の頂面に取付け可能とされ得る。
【0033】
別の実施形態では、ウェハ組立体102の1つ以上の空洞104は、基板107とカバー105との間に形成される。例えば、基板107は、図1Bおよび1Cに示されるように、窪んだ部分を含み得る。この点について、基板107の頂面にカバー105が取り付けられると、基板107の窪んだ部分、およびカバー105は、ウェハ組立体102内に1つ以上の空洞104を形成し得る。
【0034】
ウェハ組立体102の1つ以上の空洞104は、当技術で知られている任意の処理手順によって形成され得る。例えば、空洞104を形成するために使用される処理は、これらに限定されるものではないが、基板107に1つ以上の窪んだ部分を形成するために基板に対して行われる機械的な研削処理、エッチング処理、またはレーザ加工処理を含むことができる。
【0035】
1つの実施形態では、空洞104は、図1Bおよび1Cに示されるように、実質的に切頭円錐の形状を有し得る。図1Bおよび1Cに示された形状は、限定するものではなく、単に例示する目的のために提供されたものであることが、本明細書において留意される。図1Bおよび1Cに示された空洞104は、本開示を限定するものではなく、単に例示の目的のために提供されたものであることが、本明細書において留意される。空洞104は、当技術で知られている任意の形状を取ることができる。例えば、空洞104は、これらに限定されるものではないが、切頭円錐断面の形状、立方形の形状、円筒(例えば、浅い円筒)の形状、角柱(例えば、3角柱、6角柱、等)の形状、および類似の形状を有することができる。さらに、ウェハ組立体102は、ウェハ組立体102内に種々の構成要素(例えば、光センサ106、制御装置110、等)を収容するのに適した任意の空洞の配置または任意の数の空洞を含むことができる。
【0036】
別の実施形態では、1つ以上の開口部108が、カバー105に形成される。この点について、1つ以上の開口部108は、カバー105の頂面から頂部カバー105の下方に位置する1つ以上のセンサ106まで光(例えば、UV光)を伝送するように配置される。1つの実施形態では、1つ以上の開口部108は、ウェハ組立体102の表面にわたる強度、温度の選択された測定を可能にするために、ウェハ組立体の頂面にわたって分散され得る。同様に、直接的な強度測定の場合には、光センサ106は、光センサ106が開口部108のそれぞれに近接して位置決めされて、ウェハ組立体102にわたって分散された光センサ106のネットワークを作り出し、それによりウェハ組立体102にわたる強度、温度の一様性の分析を可能にするように、配置され得る。
【0037】
別の実施形態では、ウェハ組立体102は、1つ以上の窓116を含む。1つ以上の窓116は、1つ以上の開口部108の上方、下方、またはその中に位置決めされ得る。別の実施形態では、ウェハ組立体102は、1つ以上の入口フィルタ117を含む。1つの実施形態では、1つ以上の入口フィルタ117は、1つ以上の窓116に近接して配置され、かつ、ウェハ組立体102の表面上に入射する光101の一部分を遮るように構成される。例えば、関心のある光がUV光を含む場合には、1つ以上の入口フィルタ117は、1つ以上の光センサ106での誤検知(false positive)を回避するために、可視光またはIR光を遮るように選択され得る。
【0038】
開口部108において1つ以上の窓116を使用することは、ウェハ組立体102内の1つ以上のセンサ106(および、他の電子装置)をウェハ組立体102の上方のプロセス環境に関連する厳しい状況から保護する働きをすることが、留意される。さらに、1つ以上の窓116は、薄膜フィルタ(例えば、誘電体フィルタ)を支持するための支持構造物として機能し得る。
【0039】
本明細書において既に留意されたように、1つ以上の光センサ106は、1つ以上のダイオード検出器を含むことができる。UV光強度の直接測定の場合には、UVに敏感に反応するダイオード検出器が特に有用であることが、さらに留意される。この実施形態のダイオード検出器は、いかなる特定のタイプのダイオード検出器にも限定されるものではないが、SiC及びGaNのような、但しこれには限定されないダイオード検出器は、UV光の直接測定での使用に適したUV光表示、感度特徴を示す。
【0040】
1つの実施形態では、局所制御装置110は、1つ以上の光センサ106によって測定されたUV光の強度を示す、1つ以上の光センサ106からの1つ以上の信号を受信する。さらに、局所制御装置110は、1つ以上の光センサ106の1つ以上の電気的特性を示す、1つ以上の光センサ106からの1つ以上の信号を受信する。次に、中央制御装置111は、1つ以上の光センサ106によって測定された紫外光101の強度および/または1つ以上の光センサ106の1つ以上の電気的特性に基づいて、1つ以上のセンサ106の温度を判定し得る。順電圧(例えば、既知電流で測定された順電圧)のような、しかしそれに限定されない、ダイオード検出器の様々な電気的特性は、温度に応じて変化し得ることが、留意される。この点について、中央制御装置111は、測定された電気的特性を、ダイオードを基礎とする1つ以上の光センサ106の温度に関連付けることができる。
【0041】
別の実施形態では、検出器組立体103は、1つ以上の専用の温度センサを含む。1つ以上の温度センサは、明瞭にするために図1B~1Cには示されていないが、1つ以上の光センサ106上またはその近くに位置決めされ得る。例えば、図1Bでは、1つ以上の温度センサは、1つ以上の光センサ106の頂面に隣接して、1つ以上の光センサ106の頂面の下に、または1つ以上の光センサ106の頂面上に、位置決めされ得る。さらに、1つ以上の温度センサの出力は、1つ以上の局所制御装置110に結合され得る。1つ以上の専用の温度センサは、本開示の直接的な測定手法または間接的な測定手法のどちらの状況でも使用され得ることが、本明細書において留意される。1つ以上の温度センサは、当技術で知られている任意の温度センサを含むことができる。例えば、1つ以上の温度センサは、これらに限定されるものではないが、RTD、熱電対デバイス、等を含むことができる。
【0042】
1つの実施形態では、図1Bおよび1Cに示されるように、所定の局所制御装置110が、その所定の局所制御装置110に結合された1つ以上の光センサ106に近接して位置決めされる。そのような構成は、低温度の用途(例えば、150℃未満の用途)での使用に適し得る。別の実施形態では、図1Dに示されるように、所定の局所制御装置110が、その所定の局所制御装置110に結合された1つ以上の光センサ106から離れて位置決めされる。この実施形態では、所定の局所制御装置110は、基板から断熱され得る。そのような構成は、高温度の(例えば、150℃よりも高い)用途での使用に適し、かつ、局所制御装置110内の敏感な電子装置を高温から保護する働きをすることができる。1つ以上の局所制御装置110は、データ処理および通信の技術で知られている任意の必要な電子構成要素を含み得ることが、さらに留意される。さらに、1つ以上の電池(図示せず)が、それらを高温から保護するために、1つ以上の局所制御装置110内に収容されてもよい。
【0043】
別の実施形態では、図1Cおよび1Dに示されるように、複数の光センサ106が、単一の局所制御装置110に結合される。別の実施形態では、図1Dに示されるように、測定ウェハデバイス100は、複数の検出器組立体103を含む。この点について、測定ウェハデバイス100は、各局所制御装置110を複数の光センサ106に結合させた状態で、複数の局所制御装置110を含むことができる。この構成は、ウェハ組立体102にわたる光強度および温度の空間的かつ時間的な依存度を監視することが可能な、光センサ106の分散ネットワークを形成する。
【0044】
別の実施形態では、1つ以上の局所制御装置110は、中央制御装置111に無線通信可能に結合される。1つ以上の局所制御装置110は、任意の適切な方法で中央制御装置111に無線通信可能に結合され得る。例えば、図1Dに示されるように、測定ウェハデバイス100は、通信コイル120を含む。この点について、1つ以上の局所制御装置110は、通信コイルに通信可能に(例えば、電気的相互接続118を介して)結合される。次に、通信コイル120は、1つ以上の局所制御装置110と中央制御装置111との間に無線通信リンクを確立する。例えば、通信コイル120は、中央制御装置111の通信回路122との無線通信リンクを確立することができる。この点について、通信コイル120は、1つ以上の光センサ106からの強度測定値および/もしくは電気的特性の測定値(ならびに/または専用の温度センサからの温度測定値)を示す1つ以上の信号(例えば、RF信号)を伝送するために使用され得る。次に、上記のように、中央制御装置111は、1つ以上の光センサ106の1つ以上の電気的特性の1つ以上の特性もしくは特徴(および/または専用の温度センサからの温度測定値)に基づいて、1つ以上の光センサ106の温度(ウェハ組立体102の表面上の対応する位置に関連付けられ得る)を判定することができる。
【0045】
図1E~1Iは、本開示の1つ以上の実施形態による、間接的な光強度測定を介してUV光強度および温度を測定するための測定ウェハデバイス100の、様々な図を示す。図1A~1Dに示された構成要素および実施形態の説明は、別段の記載がある場合を除き図1E~1Iにまで及ぶと解釈されるべきであることが、本明細書において留意される。
【0046】
1つの実施形態では、検出器組立体103は、1つ以上の光ルミネセンス(PL)要素112を含む。1つ以上のPL要素112は、少なくともUV光を吸収し、UV吸収に応答して、少なくとも可視光を放射するのに適していることが、留意される。そのような構成は、UV光に対する感度が所望の感度に満たない光センサを使用することを可能にする。この点について、検出器組立体103の1つ以上のPL要素112は、PL要素112上に入射するUV光のうちの少なくとも一部を、場合によっては特定のセンサの型(例えば、ケイ素ダイオード検出器)によってより容易に検出される可視光に変換するために使用され得る。例えば、ケイ素ダイオード検出器は一般に、350nmより短い波長を有する光に対する感度が弱い。
【0047】
別の実施形態では、検出器組立体103は、1つ以上の光センサ106によって測定されたPL光の強度の強度特徴に基づいて、1つ以上のPL要素112の温度を判定する。例えば、強度特徴は、これに限定されるものではないが、1つ以上の光センサ106によって測定されるPL光の強度の減衰特徴(例えば、減衰期間)を含み得る。例えば、1つ以上の局所制御装置110からPL発光強度のデータを受信すると、中央制御装置111は、所定のPL要素112からの測定されたPL光の強度の減衰期間に基づいて、その所定のPL要素112に対応する温度を計算することができる。そのような減衰に基づいた測定は、発光減衰の適切な特性評価を可能にするために、断続的な励起光(例えば、UV光)を必要とし得ることが、留意される。蛍光体からの発光強度の指数関数的減衰は、しばしば強い温度依存性を示すことが、本明細書において留意される。この効果は、「蛍光体温度測定(phosphor thermometry)」として知られている。この点について、PL要素112の所定のPL発光事象の減衰挙動の1つ以上の特徴/特性が、その所定のPL要素112の温度を計算するために使用され得る。例えば、PL要素112の所定のPL発光事象の発光強度の減衰期間は、その所定のPL要素112の温度を計算するために使用され得る。
【0048】
別の例として、強度特徴は、これに限定されるものではないが、1つ以上のセンサによって測定されたときのPL光の強度の、既知の温度で測定されたPLの強度に対する比率を含み得る。例えば、PL要素112の温度に対する計算は、
【数1】
という形をとることができ、式中、Tは、測定強度Iの取得を介して測定される温度を表し、Iは、既知の温度において取得された測定されたPL強度を表し、Tは、既知の温度を表す。
【0049】
例えば、1つ以上の局所制御装置110からPL発光強度のデータを受信すると、中央制御装置111は、所定のPL要素112からの測定されたPL光の強度の減衰期間に基づいて、または、測定されたPL光強度の、所定のPL要素112に対して既知の温度で測定されたPL光強度に対する計算された比率に基づいて、その所定のPL要素112に対応する温度を計算することができる。
【0050】
蛍光体温度測定の概要が、「Thermographic Phosphors for High Temperature Measurements: Principles, Current State of the Art and Recent Applications」Sensors vol.8、pp.5673-5744(2008)で提供されており、その全体を本願に引用して援用する。さらに、温度を判定するための強度減衰の分析は、2015年11月28日に発行されたジェンセン(Jensen)への米国特許第5,470,155号、および2015年5月9日に発行されたサン(Sun)への米国特許第5,414,266号で説明されており、それらの全体を本願に引用して援用する。
【0051】
1つ以上のPL要素は、当技術で知られている任意のPL要素を含む。例えば、1つ以上のPL要素は、これらに限定されるものではないが、蛍光体材料、または蛍光体材料の混合物から形成され得る。別の実施形態では、1つ以上のPL要素は、蛍光体および/または蛍光体混合物の層を基板の表面上に形成することによって形成される。別の実施形態では、1つ以上のPL要素は、蛍光体および/または蛍光体混合物の層をウェハ組立体102の基板107の一部分の表面上に形成することによって形成される。
【0052】
本明細書において説明される間接的な光強度/温度測定は、低温および高温の両方の体制において実施され得ることが、本明細書において留意される。図1Eを参照すると、1つの実施形態では、低温(例えば、150℃未満)の用途の場合には、1つ以上の光センサ106、および他の追加の電子構成要素(例えば、局所制御装置)は、ウェハ組立体102の空洞104内に配置される。この点について、1つ以上の光センサ106、および追加の電子構成要素は、基板107上(または、少なくとも基板107の近く)に配置されてもよい。
【0053】
1つの実施形態では、1つ以上のPL要素112は、1つ以上の光センサ106に近接して固定または位置決めされる。1つ以上のPL要素は、1つ以上の光センサ106の頂面に配置されてもよい。ここで図1Fを参照すると、センサスタック119が示されている。例えば、センサスタック119は、光センサ106の頂面上に配置されたPL要素112を含む。さらに、センサスタック119は、電気的相互接続118を介して1つ以上の局所制御装置(図1Fには図示せず)に結合される。この構成では、1つ以上のセンサスタック119は、図1A~1Dに関して説明されたセンサの配置に類似した態様で配置され得るが、この実施形態では、1つ以上のセンサは、PL要素112から放射された光を検出することになる。次いで、1つ以上の局所制御装置110(または、中央制御装置111)は、PL要素112からのPL光の強度を、PL要素112に衝突するUV光の強度に関連付けることができる。次いで、中央制御装置111は、1つ以上の光センサ106によって測定されたPL光の強度特徴に基づいて、1つ以上のPL要素112の温度を計算することができる。
【0054】
1つの実施形態では、1つ以上のPL要素112の発光は、自由空間結合(図示せず)を介して、1つ以上の光センサ106に結合され得る。この点について、1つ以上のPL要素によって放射された光は、1つ以上のセンサ106まで、自由空間(または、選択された雰囲気)内を移動する。
【0055】
次に図1Gを参照すると、1つの実施形態では、高温の(例えば、150℃よりも高い)用途では、1つ以上の光センサ106、局所制御装置110、および/または他の追加の電子構成要素(例えば、電池)は、センサモジュール114内に収容される。1つの実施形態では、センサモジュール114は、ウェハ組立体102の基板107から断熱される。
【0056】
1つの実施形態では、検出器組立体103は、1つ以上の空洞104内に配置された1つ以上の導光要素113を含む。1つ以上の導光要素113は、1つ以上のPL要素112によって放射された光を1つ以上の光センサ106に伝送するように配置される。この点について、1つ以上のPL要素112の発光は、1つ以上の導光要素113を介して、1つ以上のセンサ106に結合される。例えば、高温の用途の場合には、1つ以上のPL要素112によって放射された可視光が、1つ以上の導光要素113に沿って、センサモジュール114内に収容された1つ以上のセンサ106に伝送され得る。1つ以上のPL要素112によって放射された可視光が測定されると、1つ以上の局所制御装置110(または、中央制御装置111)は、可視PL光の強度を、PL要素112に(開口部108を通り抜けて)衝突するUV光の強度に関連付けることができる。次いで、中央制御装置111は、1つ以上の光センサ106によって測定された可視PL光の強度の強度特徴に基づいて、1つ以上のPL要素112の温度を計算することができる。
【0057】
1つ以上の導光要素113は、当技術で知られている任意の導光要素を含み得る。1つの実施形態では、1つ以上の導光要素113は、光学的な導光体を含む。例えば、1つ以上の導光要素113は、これらに限定されるものではないが、ガラス、水晶、サファイア、アクリル、等から形成された、光学的な導光体を含み得る。別の例として、1つ以上の導光要素113は、これらに限定されるものではないが、光ファイバまたは光ファイバ束を含み得る。
【0058】
別の実施形態では、ウェハ組立体102は、1つ以上の空洞104が、1つ以上の導光要素113に適合する1つ以上のチャネルから成るように、構成される。別の実施形態では、図1Gに示されるように、1つ以上の導光要素113は、ウェハ組立体102の頂面の上方にセンサモジュール114を固定するのに役立つように、センサモジュール114に機械的な支持を提供し得る。剛体の導光体(例えば、ガラス、アクリル、水晶、サファイアの棒)の場合には、導光要素113は、導光体の硬さ、および低い熱伝導性により、センサモジュール114に機械的な支持を与えるのに特に有用であることが、留意される。
【0059】
別の実施形態では、検出器組立体103は、1つ以上のセンサフィルタ(図示せず)を含む。例えば、1つ以上の光センサ106の入口に、センサフィルタが位置決めされ得る。例えば、所定の導光要素113の出力と対応する光センサ106の入口との間に、センサフィルタが位置決めされ得る。1つ以上のセンサフィルタは、1つ以上の光センサ106による検出から望ましくない光を除去するように選択され得る。例えば、1つ以上のセンサフィルタは、これに限定されるものではないが、励起光(例えば、UV光)が開口部108を介してウェハ組立体の空洞104に入るのを阻止することが可能なフィルタを含むことができる。この点について、1つ以上のセンサフィルタは、1つ以上のPL要素112からのPL発光(または、PL発光の一部)を1つ以上の光センサ106まで選択的に通過させる1つ以上のフィルタを含むことができる。
【0060】
次に図1Hおよび1Iを参照すると、検出器組立体103は、複数の導光要素113を含む。例えば、複数の導光要素113は、複数のPL要素112からのPL発光を単一のセンサモジュール114内に収容された複数の光センサ106に結合する働きをすることができる。
【0061】
図1Hは、1つ以上のPL要素112を複数のセンサ106に結合する複数の導光要素113を含む、測定ウェハデバイス100の断面図を示す。この実施形態では、各PL要素112は、単一の光センサ106に結合される。別の実施形態では、複数のPL要素112が、単一の光センサ106に結合される。
【0062】
さらに、複数の導光要素113は、センサモジュール114をウェハ組立体102から持ち上げる働きをする。
【0063】
図1Iは、本開示の1つの実施形態による、1つ以上のPL要素112の出力を複数のセンサ106に結合する複数の導光要素113を含む、測定ウェハデバイス100のウェハ組立体102の基板107の上面図を示す。明瞭にするためにカバー105は図1Iには示されていないことが留意される。1つの実施形態では、複数のPL要素112(例えば、蛍光体ドット)が、ウェハ組立体102の基板107にわたって分散される。さらに、デバイス100は、複数のセンサモジュール114を含む。複数のセンサモジュール114のそれぞれは、1つ以上の光センサ106(図1Iには図示せず)、および1つ以上の局所制御装置110(および/または他の電子構成要素(例えば、処理装置、記憶装置、電池、等))を含む。この点について、一連の導光要素113が、光(例えば、可視光)をPL要素112の群のそれぞれから関連するセンサモジュール114まで伝送する働きをする。
【0064】
明瞭にするためにカバー105は図1Iには示されていないが、基板107にわたって分散されたPL要素112は、基板の上方に位置するカバー105上/内に配置された窓116によって覆われ得ることが、さらに留意される。この点について、カバー105は、基板107にわたって分散されたPL要素112のパターンに対応する窓パターンを有することができる。
【0065】
上記のように、測定ウェハデバイスはまた、センサモジュール114と中央制御装置111(例えば、中央制御装置111の通信回路122)との間に通信リンクを確立するのに適した1つ以上の通信コイル120を含む。
【0066】
本開示は中央制御装置111によって実行される温度判定に着目してきたが、このことは本開示への制限ではないことが、本明細書において留意される。本開示の温度計算は、1つ以上の局所制御装置110(または、任意の追加の制御装置もしくは処理要素)上で実行され得ることが、本明細書において認識される。一般に、本開示の種々のデータ処理ステップ(または、種々のデータ処理ステップの一部)は、1つ以上の局所制御装置110、または中央制御装置111のどちらでも実行され得ることが、留意される。
【0067】
図2は、本開示の1つの実施形態による、測定ウェハ100にわたる放射線強度および温度を測定する方法200を示す流れ図である。流れ図200の諸ステップは、限定するものとして解釈されるべきではなく、単に例示する目的のために提供されたものであることが、本明細書において留意される。
【0068】
1つの実施形態では、プロセスは、ステップ202から始まる。ステップ204では、プロセスは、1つ以上のセンサ106のうちのi番目のセンサにおいてUV光の強度を測定することを含む。例えば、UV光強度は、直接的に測定され得る(例えば、開口部108を通過したUV光が、センサ106によって測定される)か、または、間接的に測定され得る(例えば、UV光吸収に応答して放射された可視PL光が、センサ106によって測定される)。次いで、ステップ206では、i番目のセンサに対して光強度が測定された後で、その結果が記憶装置(例えば、局所制御装置110の記憶装置)に記憶される。ステップ208では、i番目のセンサが1つ以上のセンサ106のうちの最後のセンサではなかった場合、いいえの分岐が選ばれて、ステップ204、206が繰り返される。i番目のセンサが1つ以上の光センサ106のうちの最後のセンサである場合には、はいの分岐が選ばれて、プロセスはステップ210に進む。
【0069】
ステップ210では、N個のセンサから取得されかつ記憶された(例えば、1つ以上の局所制御装置110に記憶された)測定データは、中央制御装置111に伝送される。
【0070】
ステップ212では、1つ以上のセンサ106のうちのi番目のセンサに対して温度計算される。例えば、i番目のセンサに関連する温度は、測定された強度の強度特徴(例えば、間接測定の場合には可視強度の減衰期間)に基づいて計算され得る。別の例として、i番目のセンサに関連する温度は、1つ以上のセンサ106の1つ以上の測定された電気的特性(例えば、1つ以上のセンサの順電圧)に基づいて計算されてもよい。別の例として、i番目に関連する温度は、専用のi番目の温度センサを使用して測定されてもよい。
【0071】
ステップ214では、i番目のセンサが1つ以上のセンサ106のうちの最後のセンサではなかった場合、いいえの分岐が選ばれて、ステップ212が繰り返される。i番目のセンサが1つ以上の光センサ106のうちの最後のセンサである場合には、はいの分岐が選ばれて、プロセスはステップ216に進む。
【0072】
ステップ216では、N個のセンサのそれぞれに対する強度および/または温度の結果が、ウェハ組立体102の表面にマッピングされる。例えば、中央制御装置111(または、別の制御装置)は、1つ以上のセンサ106の各センサに対して測定された強度および/または温度を関連付けることができる。次いで、光センサ106のそれぞれの既知の位置(または、間接的な測定手法の場合にはPL要素112の位置)に基づき、中央制御装置111は、ウェハ組立体102の頂面の平面における位置(例えば、X-Y位置)に応じたウェハ組立体102の頂面における強度および/もしくは温度のデータベースならびに/またはマップを形成することができる。別の実施形態では、強度および/もしくは温度のデータベースならびに/またはマップは、ユーザインタフェースの表示装置(図示せず)上に提示される。
【0073】
本明細書において説明される主題は、他の構成要素内に含まれるかまたはそれらに接続される、異なる構成要素を示す場合がある。そのように示される構成は、単に例示的なものであって、実際には、同様の機能性を実現する他の多くの構成が実装され得ることが、理解されるべきである。概念的な意味では、同様の機能性を実現するための構成要素の任意の配置は、所望の機能性が実現されるように、効果的に「関連付け」られる。したがって、特定の機能性を実現するために組み合わされる本明細書における任意の2つの構成要素は、構成または中間構成要素に関係なく、所望の機能性が実現され得るように互いに「関連付けられた」ものと見なされ得る。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素は、所望の機能性を実現するために互いに「接続」または「結合」されているものと見なされてもよく、また、そのように関連付けられることが可能な任意の2つの構成要素は、所望の機能性を実現するために互いに「結合可能」であると見なされてもよい。結合可能なものの特定の例は、これらに限定されるものではないが、物理的に相互作用可能でありおよび/もしくは物理的に相互作用する構成要素、ならびに/または無線で相互作用可能でありおよび/もしくは無線で相互作用する構成要素、ならびに/または論理的に相互作用可能でありおよび/もしくは論理的に相互作用する構成要素を含む。
【0074】
本開示およびそれに付随する利点の多くは、上記の説明によって理解されるであろうと考えられ、また、開示された主題から逸脱することなく、または、その材料の利点の全てを犠牲にすることなく、構成要素の形態、構成、および配置において様々な変更がなされ得ることが、明らかになるであろう。記載された形態は、単に説明的なものであり、以下の特許請求の範囲の意図は、そのような変更を包含しかつ含むことである。さらに、本発明は添付の特許請求の範囲によって定義されることが理解されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図2