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特開2022-116233TNF活性のモジュレーターとしての縮合五環式イミダゾール誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022116233
(43)【公開日】2022-08-09
(54)【発明の名称】TNF活性のモジュレーターとしての縮合五環式イミダゾール誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/18 20060101AFI20220802BHJP
   A61K 31/55 20060101ALI20220802BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220802BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20220802BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20220802BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20220802BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20220802BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20220802BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20220802BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20220802BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20220802BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220802BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
C07D487/18 CSP
A61K31/55
A61P43/00 111
A61P29/00
A61P37/06
A61P25/00
A61P25/28
A61P25/04
A61P9/00
A61P3/00
A61P27/02
A61P35/00
A61P43/00 121
A61K45/00
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022088172
(22)【出願日】2022-05-31
(62)【分割の表示】P 2019556874の分割
【原出願日】2018-04-24
(31)【優先権主張番号】17168027.5
(32)【優先日】2017-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】514232085
【氏名又は名称】ユーシービー バイオファルマ エスアールエル
(71)【出願人】
【識別番号】504456798
【氏名又は名称】サノフイ
【氏名又は名称原語表記】SANOFI
【住所又は居所原語表記】54 rue La Bo▲e▼tie,F-75008 Paris,France
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブルッキングス、ダニエル、クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】デ ハロ ガルシア、テレサ
(72)【発明者】
【氏名】フォリシェール、ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ホースリー、ヘレン トレイシー
(72)【発明者】
【氏名】ハッチングス、マーティン クライブ
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン、ジェイムズ アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】マッコス、マルコム
(72)【発明者】
【氏名】シュアン、メンヤン
(72)【発明者】
【氏名】チュー、チャオニン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ヒトTNFα活性の強力なモジュレーターを提供する。
【解決手段】下記式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を提供する。

XはN又はC-Fを表し、Rは水素又はメチルを表し、Rは水素、メチル又はトリフルオロメチルを表し、Rは、水素、シアノ、ヒドロキシ又はヒドロキシメチルを表す。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩:
【化1】

式中、
XはN又はC-Fを表し;
は水素又はメチルを表し;
は水素、メチル又はトリフルオロメチルを表し;そして
は、水素、シアノ、ヒドロキシ又はヒドロキシメチルを表す。
【請求項2】
式(IIA)で表される請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩:
【化2】

式中、X、R、R及びRは請求項1で定義された通りである。
【請求項3】
式(IIB)で表される請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩:
【化3】

式中、X、R、R及びRは請求項1で定義された通りである。
【請求項4】
以下から選択される請求項1に記載の化合物:
cis-3-アミノ-3-{5-[(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-5-オキソ-5,6,7,14-テトラヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1、2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-11-イル]ピリミジン-2-イル}-1-メチルシクロブタンカルボニトリル;
cis-3-アミノ-3-{5-[(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-5-オキソ-5,6,7,14-テトラヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-11-イル]ピリミジン-2-イル}-1-メチルシクロブタンカルボニトリル;
cis-3-アミノ-3-{5-[(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-5-オキソ-5,6,7,14-テトラヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-11-イル]-3-フルオロピリジン-2-イル}-1-メチルシクロブタンカルボニトリル;
cis-3-アミノ-3-{5-[(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-5-オキソ-5,6,7,14-テトラヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-11-イル]-3-フルオロピリジン-2-イル}-1-メチルシクロブタンカルボニトリル;
(7R,14R)-11-{6-[(1S,2R)-1-アミノ-2-メチルシクロブチル]-5-フルオロピリジン-3-イル}-1-(ジフルオロメトキシ)-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン;
(7R,14R)-11-{6-[(1R,2S)-1-アミノ-2-メチルシクロブチル]-5-フルオロピリジン-3-イル}-1-(ジフルオロメトキシ)-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン;
(7R,14R)-11-[2-(1-アミノシクロブチル)ピリミジン-5-イル]-1-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン;
(7R,14R)-11-[6-(cis-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)-5-フルオロピリジン-3-イル]-1-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン;
(7R,14R)-11-[6-(cis-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)-5-フルオロピリジン-3-イル]-1-(ジフルオロメトキシ)-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン;
(7R,14R)-11-{2-[cis-1-アミノ-3-(ヒドロキシメチル)-3-メチルシクロブチル]ピリミジン-5-イル}-1-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン;
(7R,14R)-11-{6-[cis-1-アミノ-3-(ヒドロキシメチル)-3-メチルシクロブチル]-5-フルオロピリジン-3-イル}-1-(ジフルオロメトキシ)-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン;
(7R,14R)-11-{6-[cis-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(トリフルオロメチル)シクロブチル]-5-フルオロピリジン-3-イル}-1-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン;
(7R,14R)-11-{2-[cis-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(トリフルオロメチル)シクロブチル]ピリミジン-5-イル}-1-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン;
(7R,14R)-11-{6-[cis-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(トリフルオロメチル)シクロブチル]-5-フルオロピリジン-3-イル}-1-(ジフルオロメトキシ)-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン;
(7R,14R)-11-(2-{cis-1-アミノ-3-[ヒドロキシ(ジデュウテロ)メチル]-3-メチルシクロブチル}-ピリミジン-5-イル)-1-(ジフルオロメトキシ)-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン;
(7R,14R)-11-{2-[cis-1-アミノ-3-(ヒドロキシメチル)-3-メチルシクロブチル]ピリミジン-5-イル}-1-(ジフルオロメトキシ)-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン;及び
(7R,14R)-11-(6-{cis-1-アミノ-3-[ヒドロキシ(ジデュウテロ)メチル]-3-メチルシクロブチル}-5-フルオロピリジン-3-イル)-1-(ジフルオロメトキシ)-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン。
【請求項5】
治療に使用するための、請求項1で定義した式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
TNFα機能のモジュレーターの投与を必要とする障害の治療及び/又は予防に使用するための、請求項1で定義した式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
炎症性もしくは自己免疫障害、神経もしくは神経変性障害、疼痛性もしくは侵害受容性障害、心血管障害、代謝障害、眼障害、又は腫瘍性障害の治療及び/又は予防に使用するための、請求項1で定義した式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
請求項1で定義した式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される担体と共に含む医薬組成物。
【請求項9】
追加的な薬学的に活性な成分をさらに含む、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
TNFα機能のモジュレーターの投与を必要とする障害の治療及び/又は予防のための医薬の製造のための、請求項1で定義した式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項11】
炎症性もしくは自己免疫障害、神経もしくは神経変性障害、疼痛性もしくは侵害受容性障害、心血管障害、代謝障害、眼障害、又は腫瘍性障害の治療及び/又は予防のための医薬の製造のための、請求項1で定義した式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項12】
以下を含む、TNFα機能のモジュレーターの投与を必要とする障害の治療及び/又は予防のための方法:
そのような治療を必要とする患者に有効量の請求項1で定義した式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を投与すること。
【請求項13】
以下を含む、炎症性もしくは自己免疫障害、神経もしくは神経変性障害、疼痛性もしくは侵害受容性障害、心血管障害、代謝障害、眼障害、又は腫瘍性障害の治療及び/又は予防のための方法:
そのような治療を必要とする患者に有効量の請求項1で定義した式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を投与すること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、明確に区別されるクラスの縮合五環式イミダゾール誘導体、及び治療におけるそれらの使用に関する。より詳細には、本発明は、薬理学的に活性な置換縮合五環式ベンズイミダゾール誘導体に関する。これらの化合物は、TNFαのシグナル伝達のモジュレーターとして作用し、したがって、特に、有害な炎症性及び自己免疫障害、神経及び神経変性障害、疼痛性及び侵害受容性障害、心血管障害、代謝障害、眼障害、ならびに腫瘍性障害の処置における、医薬剤として有益である。
【背景技術】
【0002】
TNFαは、細胞の生存と細胞の死を制御する主要な機能を担うタンパク質の腫瘍壊死因子(TNF)の典型的なメンバーである。TNFスーパーファミリーの既知のすべてのメンバーに共通する1つの構造的特徴は、特異的TNFスーパーファミリー受容体に結合して活性化する三量体の複合体を形成することである。例として、TNFαは、可溶性の膜貫通型で存在し、異なる機能的エンドポイントを有するTNFR1及びTNFR2として知られる2つの受容体を介してシグナルを伝達する。
【0003】
TNFα活性を調節することができる様々な製品が、既に市販されている。すべてが、関節リウマチ及びクローン病などの炎症性及び自己免疫性障害の処置のために承認されたものである。現在、承認されている製品はすべて、巨大分子であり、ヒトTNFαがその受容体に結合するのを阻害することにより作用する。典型的な巨大分子のTNFα阻害剤には、抗TNFα抗体、及び可溶性TNFα受容体融合タンパク質が含まれる。市販の抗TNFα抗体の例には、アダリムバブ(Humira(登録商標))及びゴリムマブ(Simponi(登録商標))などの完全ヒト抗体、インフリキシマブ(Remicade(登録商標))などのキメラ抗体、及びセルトリズマブペゴル(Cimzia(登録商標))などのペグ化Fab’断片が含まれる。市販の可溶性TNFα受容体融合タンパク質の一例は、エタネルセプト(Enbrel(登録商標))である。
【0004】
TNFα自体を含むTNFスーパーファミリーメンバーは、医療的にかなり重要な症状の範囲において、ある役割を果たすと考えられている様々な生理学的及び病理学的機能に関係している(参照:例えば、M.G.Tansey&D.E.Szymkowski、Drug Discovery Today、2009年、14巻、1082~1088頁、及びF.S.Carneiroら、「J.Sexual Medicine」、2010年、7巻、3823~3834頁)。
【0005】
本発明による化合物は、ヒトTNFα活性の強力なモジュレーターであり、したがって、ヒトの様々な病気の処置及び/又は予防において有益である。これらには、自己免疫性及び炎症性障害、神経及び神経変性障害、疼痛性及び侵害受容性障害、心血管障害、代謝障害、眼障害、ならびに腫瘍性障害が含まれる。
【0006】
ヒトTNFαシグナル伝達の強力なモジュレーターとしての活性に加えて、本発明による化合物はまた、有害な心血管副作用を起こし難い点で顕著な利点も有する(本明細書に記載されている標準HERGアッセイにおける弱い活性により示される)。本発明の化合物はまた、代謝クリアランスが低く、及び薬物間相互作用を誘発する傾向が最小であることを示す(CYP3A4を含むシトクロムP450酵素の弱い阻害により実証される)。
【0007】
さらに、本発明による化合物は、新規な生物学的試験の開発及び新規な薬理学的薬剤に関する研究に使用するための薬理学的標準品として有益となり得る。したがって、一実施形態では、本発明の化合物は、薬理学的に活性な化合物を検出するアッセイにおける放射性リガンドとして有用となり得る。代替的な実施形態では、本発明のある種の化合物は、薬理学的に活性な化合物を検出するためのアッセイ(例えば、蛍光偏光アッセイ)において利用することができる蛍光コンジュゲートを提供するためのフルオロフォアにカップリングするのに有用となり得る。
【0008】
国際公開第2013/186229号は、TNFαのシグナル伝達のモジュレーターである置換ベンズイミダゾール誘導体に関する。
国際公開第2015/086525号は、TNFαのシグナル伝達のモジュレーターである縮合三環式イミダゾール誘導体に関する。
WO2016/050975は、TNFαのシグナル伝達のモジュレーターである縮合五環式イミダゾール誘導体に関する。
【0009】
本発明は、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を提供する:
【化1】

式中、
XはN又はC-Fを表し;
は水素又はメチルを表し;
は水素、メチル又はトリフルオロメチルを表し;そして
は、水素、シアノ、ヒドロキシ又はヒドロキシメチルを表す。
本発明による化合物は、国際特許出願WO2016/050975の一般的な範囲内に含まれる。しかしながら、その中には、上記で定義された式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の具体的な開示はない。
【0010】
本発明はまた、治療に使用するための、上記で定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
本発明はまた、TNFα機能のモジュレーターの投与を必要とする障害の治療及び/又は予防に使用するための、上記で定義された式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0011】
別の態様では、本発明は、炎症性もしくは自己免疫障害、神経もしくは神経変性障害、疼痛性もしくは侵害受容性障害、心血管障害、代謝障害、眼障害、又は腫瘍性障害の治療及び/又は予防に使用するための、上記で定義された式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0012】
本発明はまた、TNFα機能のモジュレーターの投与を必要とする障害の治療及び/又は予防のための医薬の製造のための、上記で定義された式(I)の化合物、又はその医薬的に許容される塩の使用を提供する。
【0013】
別の態様では、本発明は、炎症性もしくは自己免疫障害、神経もしくは神経変性障害、疼痛性もしくは侵害受容性障害、心血管障害、代謝障害、眼障害、又は腫瘍障害の治療及び/又は予防のための医薬の製造のための、上記で定義された式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0014】
本発明はまた、TNFα機能のモジュレーターの投与を必要とする障害の治療及び/又は予防のための方法を提供するが、この方法には、有効量の、上記で定義した式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩をそのような治療を必要とする患者に投与することが含まれる。
【0015】
別の態様では、本発明は、炎症性もしくは自己免疫障害、神経もしくは神経変性障害、疼痛性もしくは侵害受容性障害、心血管障害、代謝障害、眼障害又は腫瘍性障害の治療及び/又は予防のための方法を提供するが、この方法には、そのような治療を必要とする患者に、有効量の、上で定義された式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を投与することが含まれる。
【0016】
医学での使用のために、式(I)の化合物の塩は薬学的に許容される塩である。しかしながら、他の塩は、式(I)の化合物又はそれらの薬学的に許容される塩の調製において有用であり得る。薬学的に許容される塩の選択及び調製の基礎となる標準原理は、例えば、以下のものに記載されている:「Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties,Selection and Use」P.H.Stahl&C.G.Wermuth編、Wiley-VCH、2002年。
【0017】
式(I)の化合物が1つ以上の不斉中心を有する場合、それらはそれに応じてエナンチオマーとして存在し得る。本発明による化合物が2つ以上の不斉中心を有する場合、それらはさらにジアステレオマーとして存在し得る。本発明は、すべてのそのようなエナンチオマー及びジアステレオマーの使用、ならびにラセミ体を含む任意の割合のそれらの混合物にまで及ぶと理解されるべきである。式(I)及び以下に示される式は、特に明記又は示されない限り、すべての個々の立体異性体及びそれらのすべての可能な混合物を表すことを意図する。
【0018】
式(I)又は以下に示される式に存在する各個々の原子は、実際に、その天然に存在する同位体のいずれかの形態で存在することができ、また、最も豊富な同位体(単数又は複数)が好ましいことを理解すべきである。したがって、例として、式(I)又は以下に示される式に存在する各個々の水素原子は、H、H(重水素;D)又はH(トリチウム;T)原子、好ましくはHとして存在することができる。同様に、例として、式(I)又は以下に示される式に存在する各個々の炭素原子は、12C、13C又は14C原子、好ましくは12Cとして存在することができる。
【0019】
第一の実施形態では、XはNを表す。第二の実施形態では、XはC-Fを表す。
第一の実施形態では、Rは水素を表す。第二の実施形態では、Rはメチルを表す。
第一の実施形態では、Rは水素を表す。第二の実施形態では、Rはメチルを表す。第三の実施形態では、Rはトリフルオロメチルを表す。
適切には、Rは水素又はメチルを表す。
適切には、Rは水素又はトリフルオロメチルを表す。
【0020】
第一の実施形態では、Rは水素を表す。第二の実施形態では、Rはシアノを表す。 第三の実施形態では、Rはヒドロキシを表す。第四の実施形態では、Rはヒドロキシメチル(-CDOHを含む)を表す。
適切には、R及びRは両方とも水素を表す。
適切には、Rはメチルを表し、Rは水素を表す。
適切には、Rはメチルを表し、Rはシアノを表す。
適切には、Rはメチルを表し、Rはヒドロキシを表す。
適切には、Rはメチルを表し、Rはヒドロキシメチル(-CDOHを含む)。
適切には、Rはトリフルオロメチルを表し、Rはヒドロキシを表す。
【0021】
本発明による化合物の特定のサブクラスには、式(IIA)及び(IIB)の化合物、及びその薬学的に許容される塩が含まれる:
【化2】

式中、X、R、R及びRは上記で定義された通りである。
【0022】
本発明による特定の新規化合物には、その調製が添付の実施例に記載されている各化合物、及びその薬学的に許容される塩が含まれる。
【0023】
本発明による化合物は、ヒトの様々な病気の治療及び/又は予防に有益である。これらには、自己免疫及び炎症性障害、神経及び神経変性障害、疼痛性及び侵害受容性障害、心血管障害、代謝障害、眼障害、ならびに腫瘍性障害が含まれる。
【0024】
炎症性及び自己免疫障害には、全身性自己免疫障害、自己免疫内分泌障害、及び臓器特異的自己免疫障害が含まれる。全身性自己免疫障害には、全身性エリテマトーデス(SLE)(systemic lupus erythematosus (SLE))、乾癬(psoriasis)、乾癬性関節症(psoriatic arthropathy)、血管炎(vasculitis)、炎症性筋障害(inflammatory myopathy)(多発性筋炎(polymyositis)、皮膚筋炎(dermatomyositis)、及び封入体筋炎(inclusion body myositis)を含む)、強皮症(scleroderma)、多発性硬化症(multiple sclerosis)、全身性硬皮症(systemic sclerosis)、強直性脊椎炎(ankylosing spondylitis)、関節リウマチ(rheumatoid arthritis)、非特異的炎症性関節炎(non-specific inflammatory arthritis)、若年性炎症性関節炎(juvenile inflammatory arthritis)、若年性特発性関節炎(juvenile idiopathic arthritis)(その少関節型(oligoarticular)及び多関節型(polyarticular forms)を含む)、慢性疾患の貧血(ACD)(anaemia of chronic disease)、スティル病(Still’s disease)(若年性及び/又は成人発症)、ベーチェット病(Behcet’s disease)及びシェーグレン症候群(Sjogren’s syndrome)が含まれる。自己免疫性内分泌障害には甲状腺炎(thyroiditis)が含まれる。臓器特異的自己免疫障害には、アジソン病(Addison’s disease)、溶血性貧血(haemolytic anaemia)又は悪性貧血(pernicious anaemia)、急性腎障害(acute kidney injury)(AKI;シスプラチン誘発性AKIを含む)、糖尿病性腎症(DN)、閉塞性尿路疾患(obstructive uropathy)(シスプラチン誘発性閉塞性尿路疾患を含む)、糸球体腎炎(glomerulonephritis)(グッドパスチャー症候群(Goodpasture’s syndrome)、免疫複合体媒介性糸球体腎炎(immune complex-mediated glomerulonephritis)及び抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連糸球体腎炎を含む)、ループス腎炎(lupus nephritis)(LN)、微小変化群(minimal change disease)、グレーブス病(Graves’ disease)、特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombocytopenic purpura)、炎症性腸疾患(クローン病(Crohn’s disease)、潰瘍性大腸炎(ulcerative coliti)、不定性大腸炎(indeterminate colitis)及び嚢炎(pouchitis)を含む)、天疱瘡(pemphigus)、アトピー性皮膚炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変(primary biliary cirrhosis)、自己免疫性肺炎(autoimmune pneumonitis)、自己免疫性心炎(autoimmune carditis)、重症筋無力症(myasthenia gravis)、自然不妊、骨粗鬆症、骨減少症(osteopenia)、びらん性骨疾患(erosive bone disease)、軟骨炎(chondriti chondritis)、軟骨変性(cartilage degeneration)及び/又は破壊(cartilage destruction)、線維化障害(様々な形態の肝臓及び肺線維症のを含む)、喘息、鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、呼吸窮迫症候群(respiratory distress syndrome)、敗血症、発熱、筋ジストロフィー(デュシェンヌ型筋ジストロフィーを含む)、臓器移植拒絶反応(腎臓同種移植片拒絶反応を含む)、強膜炎(scleritis)(巨細胞性動脈強膜炎(giant cell arteritis scleritis)を含む)、高安動脈炎、化膿性汗腺炎(hidradenitis suppurativa)、壊疽性膿皮症(pyoderma gangrenosum)、サルコイドーシス、リウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatic)及び体軸性脊椎関節炎(axial spondyloarthritis)が含まれる。
【0025】
神経障害及び神経変性障害には、アルツハイム病、パーキンソン病、ハンチントン病、虚血、脳卒中、筋萎縮性側索硬化症、脊髄損傷、頭部外傷、発作及びてんかんが含まれる。
【0026】
心血管障害には、血栓症、心臓肥大、高血圧、心臓の不規則な収縮性(心不全時など)、性的障害(起立性機能障害(erectile dysfunction)や女性の性的機能不全を含む)が含まれる。TNFα機能のモジュレーターはまた、心筋梗塞の治療及び/又は予防にも役立つ可能性がある(参照:J.J.Wuら、「JAMA」、2013年、309巻、2043~2044頁)。
【0027】
代謝障害には、糖尿病(インスリン依存性糖尿病及び若年性糖尿病を含む)、脂質異常症、メタボリックシンドロームが含まれる。
【0028】
眼疾患には、網膜症(糖尿病性網膜症、増殖性網膜症、未増殖網膜症及び未熟児網膜症を含む)、黄斑浮腫(糖尿病性黄斑浮腫を含む)、加齢黄斑変性(ARMD)、血管新生(角膜血管新生及び血管新生を含む)、網膜静脈閉塞症、ならびに様々な形態のブドウ膜炎(虹彩炎を含む)及び角膜炎が含まれる。
【0029】
急性又は慢性であり得る腫瘍学的障害には、増殖性障害、特に癌、及び癌関連合併症(骨格合併症、悪液質及び貧血を含む)が含まれる。がんの具体的なカテゴリーには、血液悪性腫瘍(白血病及びリンパ腫を含む)及び非血液悪性腫瘍(固形腫瘍がん、肉腫、髄膜腫、多形膠芽細胞腫(glioblastoma multiforme)、神経芽細胞腫、黒色腫、胃がん(gastric carcinoma)、腎細胞がんを含む)が含まれる。慢性白血病は骨髄性又はリンパ性であり得る。白血病の種類には、リンパ芽球性T細胞白血病、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ球性/リンパ性白血病(CLL)、毛様細胞白血病、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群、慢性好中球性白血病、急性リンパ芽球性T細胞白血病、形質細胞腫、免疫芽球性大細胞白血病、マントル細胞白血病、多発性骨髄腫、急性巨核芽球性白血病、急性巨核球性白血病、前骨髄球性白血病及び赤白血病が含まれる。リンパ腫の種類には、悪性リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫、MALT1リンパ腫、及び辺縁帯リンパ腫が含まれる。非血液悪性腫瘍の種類には、前立腺、肺、胸部、直腸、結腸、リンパ節、膀胱、腎臓、膵臓、肝臓、卵巣、子宮、子宮頸部、脳、皮膚、骨、胃及び筋肉の癌が含まれる。TNFα機能のモジュレーターはまた、TNFの強力な抗がん作用の安全性を高めるためにも使用することができる(参照:F.V.Hauwermeirenら、「J.Clin.Invest.」2013年、123巻、2590~2603頁)。
【0030】
本発明はまた、上記で定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を、1種又は複数種の薬学的に許容される担体と共に含む医薬組成物も提供する。
【0031】
本発明に従う医薬組成物は、経口、口腔内、非経口、経鼻、局所、眼若しくは直腸の投与に適切な形態、又は吸入若しくは吹送による投与に適切な形態を採ることができる。
【0032】
経口投与の場合、本医薬組成物は、例えば、結合剤(例えば、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース)、充填剤(例えば、ラクトース、微結晶性セルロース又はリン酸水素カルシウム)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク又はシリカ)、崩壊剤(例えば、バレイショデンプン又はナトリウムグリコラート)、又は湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの薬学的に許容される賦形剤を用いる従来の手段により調製される、錠剤、ロゼンジ剤又はカプセル剤の形態をとることができる。錠剤は、当分野において周知の方法によってコーティングすることができる。経口投与用の液体調製物は、例えば、溶液、シロップ又は懸濁液の形態をとることができ、又はそれらは、使用前に水又は他の適切なビヒクルと共に構成するための乾燥製品として提供することができる。このような液体調製物は、懸濁剤、乳化剤、非水ビヒクル又は保存剤などの薬学的に許容される添加剤を用いて、従来の手段により調製することができる。調製物はまた、適宜、緩衝用塩、香味剤、着色剤又は甘味剤を含有することができる。
【0033】
経口投与用の調製物は、活性化合物が制御放出されるように適切に製剤化され得る。
【0034】
口腔投与の場合、組成物は、従来の方法で製剤化された錠剤又はロセンジ剤の形態をとることができる。
【0035】
式(I)の化合物は、注射、例えばボーラス注射又は注入により非経口投与用に製剤化され得る。注射用の製剤は、単位剤形、例えば、ガラス製アンプル中又は多回用量容器、例えば、ガラス製バイアル中で提供することができる。注射用組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液又はエマルジョンなどの形態をとることができ、懸濁化剤、安定化剤、保存剤及び/又は分散剤などの製剤化(formulatory)剤を含有することができる。あるいは、活性成分は、使用前は、適切なビヒクル、例えば無菌の発熱物質を含まない水と共に構成するための粉末形態であってもよい。
【0036】
上記の製剤に加えて、式(I)の化合物はまた、デポ調製物としても製剤化することができる。このような長時間作用する製剤は、埋込みにより又は筋肉内注射により投与することができる。
【0037】
経鼻投与又は吸入による投与の場合、本発明による化合物は、適切な圧縮ガス(propellant)、例えばジクロロジフルオロメタン、フルオロトリクロロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、又は他の適切なガス若しくはガスの混合物を使用して、加圧パック又はネブライザー用のエアゾールスプレー調製物の形態で、都合よく送達され得る。
【0038】
本組成物は、所望の場合、活性成分を含有する1つ又は複数の単位剤形を含有し得る、パック又は分注装置で提供されてもよい。このパック又は分注装置には、投与用の指示書が添えられることがある。
【0039】
局所投与の場合、本発明で使用する化合物は、1種又は複数種の薬学的に許容される担体中に懸濁しているか又は溶解している活性成分を含有する適切な軟膏剤で都合よく製剤化され得る。具体的な担体には、例えば、鉱油、液体石油、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、乳化ワックス及び水が含まれる。あるいは、本発明で使用する化合物は、1種又は複数種の薬学的に許容される担体中に懸濁しているか又は溶解している活性成分を含有する適切なローション剤中で製剤化され得る。具体的な担体には、例えば、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、ベンジルアルコール、2-オクチルドデカノール及び水が含まれる。
【0040】
眼投与の場合、本発明で使用する化合物は、殺菌剤又は真菌剤、例えば、硝酸フェニル水銀、塩化ベンジルアルコニウム又は酢酸クロルヘキシジンなどの保存剤を含有するか又は非含有かのいずれかで、等張性の、pH調整した無菌生理食塩水中で微粉状の懸濁剤として都合よく製剤化することができる。あるいは、眼投与の場合、化合物はワセリンなどの軟膏剤で製剤化することができる。
【0041】
直腸投与の場合、本発明で使用する化合物は、座剤として都合よく製剤化することができる。これらは、活性成分を、室温では固体であるが、直腸温度では液体であり、そうして直腸で溶けて活性成分を放出することになる、適切な非刺激性添加剤と混合することにより調製することができる。こうした物質には、例えば、カカオ脂、蜜蝋及びポリエチレングリコールが含まれる。
【0042】
特定の症状を予防又は治療するために必要な、本発明で使用する化合物の量は、選択される化合物及び処置される患者の症状に応じて変化するであろう。しかしながら、一般には、毎日の投与量は、経口又は口腔内投与の場合、体重1kgあたり約10ng~1000mg、通常、100ng~100mg、例えば、約0.01mg~40mg、非経口投与の場合、体重1kgあたり約10ng~50mg、及び経鼻投与又は吸入若しくは吸送による投与の場合、約0.05mg~約1000mg、例えば、約0.5mg~約1000mgの範囲となり得る。
【0043】
所望の場合、本発明による化合物は、別の薬学的活性剤、例えば抗炎症性分子と共投与され得る。
【0044】
上記の式(I)の化合物は、式(III)の化合物を式(IV)の化合物と反応させることを含むプロセスにより調製することができる:
【化3】

式中、X、R、R及びRは上記定義の通りであり、Lは適切な脱離基を表し、Mはボロン酸部分-B(OH)又は有機ジオールで形成されたその環状エステル、例えばピナコール、1,3-プロパンジオール又はネオペンチルグリコールを表し、Rは遷移金属触媒の存在下でN-保護基を表し、後に、必要に応じて、N-保護基Rは除去される。
【0045】
脱離基Lは、典型的にはハロゲン原子、例えばブロモである。
N-保護基Rは、適切にはtert-ブトキシカルボニル(BOC)を表す。あるいは、N-保護基Rは、適切にはtert-ブチルスルフィニルを表し得る。
【0046】
化合物(III)と(IV)との間の反応に使用する遷移金属触媒は、適切には、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、又は[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、又はクロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(XPhos Pd G2)である。遷移金属触媒は、典型的には、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(XPhos)又はトリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロボラートと組み合わせて利用することができる。反応は、適切には、リン酸カリウム又は炭酸カリウムの存在下で実施される。この反応は、適切な溶媒、例えば、1,4-ジオキサンなどの環状エーテル中で、任意選択的に、水と混合して、上昇した温度にて都合よく実施される。
【0047】
N-保護基RがBOC又はtert-ブチルスルフィニルである場合、その後続する除去は、酸、例えば、塩酸などの鉱酸、又はトリフルオロ酢酸などの有機酸で処理することにより都合よく達成することができる。
【0048】
がピナコールで形成されたボロン酸部分-B(OH)の環状エステルを表す場合、上記式(IV)の中間体は、ビス-(ピナコラト)ジボロンを式(V)の化合物と反応させることにより調製することができる:
【化4】

式中、Lは遷移金属触媒の存在下で適切な脱離基を表す。
【0049】
脱離基Lは、典型的には、ハロゲン原子、例えば、クロロである。
ビス(ピナコラト)ジボロンと化合物(V)の反応に使用する遷移金属触媒は、適切には、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)であり、これは、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(XPhos)又はトリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロボラートと組み合わせて使用することができる。反応は、適切には、酢酸カリウムの存在下で実施される。この反応は、適切な溶媒、例えば、1,4-ジオキサンなどの環状エーテル中で上昇した温度にて都合よく実施される。
【0050】
がメチルである上記式(V)の中間体は、Rが水素である式(V)の対応する化合物から、ハロゲン化メチル、例えば、ヨードメタンとの反応により調製することができる。メチル化反応は、一般的には、塩基、例えば、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドなどのシリルアミド塩基の存在下で行なわれる。反応は、適切な溶媒、例えば、テトラヒドロフランなどの環状エーテル溶媒中で都合よく実施することができる。
【0051】
が水素であり、Lがクロロを表す場合の上記式(V)の中間体は、WO2016/050975に具体的に開示されており、また、Rが水素であり、Mが4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イルを表す場合の上記式(IV)の中間体でもある。
【0052】
これらが市販されていない場合、式(III)の出発物質は、添付する実施例に記載されているものに類似した方法によって、又は当技術分野で周知の標準的な方法によって調製することができる。
【0053】
生成物の混合物が、本発明による化合物の調製のための上記プロセスのいずれかから得られる場合、所望の生成物は、分取HPLC;又は、例えば、適切な溶媒系と組み合わせてシリカ及び/又はアルミナを利用するカラムクロマトグラフィーなどの従来の方法によって適切な段階でそこから分離することができる。
【0054】
上記プロセスから立体異性体の混合物が得られる場合、これらの異性体は、従来の技術によって分離することができる。特に、特定のエナンチオマーを得ることが望ましい場合、このエナンチオマーは、エナンチオマーを分割するための任意の適切な従来の手順を使用して、エナンチオマーの対応する混合物から生成することができる。従って、例えばジアステレオマー誘導体、例えば塩は、エナンチオマーの混合物、例えばラセミ化合物及び適切なキラル化合物、例えばキラル酸又は塩基の反応によって生成することができる。次に、ジアステレオマーは、任意の都合のよい手段、例えば結晶化によって分離することができ、所望のエナンチオマーは、例えばジアステレオアマーが塩である例では、酸で処理することによって回収される。別の分割プロセスでは、ラセミ化合物は、キラルHPLCを使用して分離することができる。更に、所望の場合、特定のエナンチオマーは、上記プロセスの1つにて適切なキラル中間体を使用することによって得ることができる。あるいは、特定のエナンチオマーは、エナンチオマーに特異的な酵素による生体内変化、例えばエステラーゼを使用したエステル加水分解を行ない、次に未反応のエステル対掌体からエナンチオマーの観点から純粋な、加水分解された酸のみを精製することによって得ることができる。特定の幾何異性体を得ることが望ましい場合、クロマトグラフィー、再結晶及び他の従来の分離手順もまた使用することができる。あるいは、望ましくないエナンチオマーは、当業者に知られている方法に従って、又は添付の実施例に記載の方法に従って、酸又は塩基の存在下で、所望のエナンチオマーにラセミ化することができる。
【0055】
上述した合成手順のいずれかの間、関連分子のいずれかの感受性基又は反応性基を保護することが必要になる、及び/又は望ましくなる場合がある。これは、例えば、以下のものなどの従来の保護基の手段によって達成することができる:「Protective Groups in Organic Chemistry」、J.F.W.McOmie編、Plenum Press、1973年;及びT.W.Greene&P.G.M.Wuts,「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley&Sons、第3版、1999年。保護基は、当業界で知られている方法を利用して、任意の都合のよい後続の段階で除去することができる。
【0056】
本発明による化合物は、HEK-Blue(商標)CD40Lとして知られている市販の、HEK-293に由来するリポーター細胞系において、TNFαの活性を強力に中和する。この細胞系は、5つのNFーκβ結合部位に融合しているIFNβ最小プロモーターの制御下でSEAP(分泌型アルカリホスファターゼ)を発現する安定なHEK-293トランスフェクト細胞系である。これらの細胞によるSEAPの分泌は、TNFαによって濃度依存的に刺激される。本発明の化合物は、本明細書においてリポーター遺伝子アッセイとも呼ばれるHEK-293バイオアッセイにおいて試験した場合、10μM又はそれより良好なIC50値を示す(当業者であれば、IC50値が低い程、活性が高い化合物であることを示すことを理解するであろう)。
【0057】
本発明による化合物は、本明細書に記載の標準的なhERGアッセイで試験した場合、弱い活性を示す(これは、有害な心血管副作用に対する起こし易さを示している)。実際、そのアッセイで試験した場合、本発明の化合物は少なくとも5μMのIC50値を示す(当業者は、HERGアッセイでは、IC50値が高い程、優れた化合物、すなわち、有害な心血管副作用を起こし難い化合物であることを示すことを理解するであろう)。
【0058】
リポーター遺伝子アッセイ
TNFα誘発性NF-κΒ活性化の阻害
TNFαによるHEK-293細胞の刺激により、NF-κΒ経路が活性化する。TNFα活性を決定するために使用したリポーター細胞系は、InvivoGenから購入した。HEK-Blue(商標)CD40Lは、5つのNF-κB結合部位に融合するIFNβ最小プロモーターの制御下で、SEAP(分泌型アルカリホスファターゼ)を発現する安定なHEK-293トランスフェクト細胞系である。これらの細胞によるSEAPの分泌は、TNFαにより用量依存的に刺激され、ヒトTNFαの場合、EC50は0.5ng/mLである。化合物は、10mMのDMSOストック溶液から希釈し(最終アッセイ濃度は0.3%DMSO)、10点の3倍段階希釈曲線(例えば、30,000nMから2nMの最終濃度)を作製した。希釈化合物は、TNFαと60分間プレインキュベートした後、384ウェルのマイクロタイタープレートに添加し、18時間、インキュベートした。アッセイプレート中の最終TNFα濃度は、0.5ng/mLであった。SEAP活性は、比色定量用基質、例えば、QUANTI-Blue(商標)又はHEK-Blue(商標)検出培地(InvivoGen)を使用して、上澄み液で決定した。化合物希釈液の阻害率は、DMSO対照と最大阻害(過剰な対照化合物による)との間で算出し、IC50値は、ActivityBaseにおいてXLfit(商標)(4つのパラメーターのロジスティックモデル)を使用して算出した。
リポーター遺伝子アッセイにおいて試験した場合、添付の実施例の化合物は、すべてが、10nM又はそれより良好なIC50値を示すことが分かった。
リポーター遺伝子アッセイにおいて試験した場合、添付の実施例の化合物は、一般的には、0.01nM~10nMの範囲にあることを示す。
【0059】
hERGアッセイ
心臓hERGチャネル(Kv11.1)での化合物の薬理学的活性は、自動化された平面パッチクランプ電気生理学ステーションを使用して機能的に評価された。ヒトhHERGチャネルを安定して発現するCHO細胞は、製造者(hERG-Duo細胞、B’SYS GmbH、スイス)の仕様に従って、適切な選択抗生物質の永続的な圧力下で成長させた。細胞を80%未満のコンフルエンスで回収し、無血清培地に懸濁し、QPatch HTXワークステーション(Sophion、BiolinScientific AB、デンマーク)での全細胞電圧クランプ記録用のマルチウェル記録プレートに自動的に分注した。細胞外記録バッファーの組成は(mM):NaCl、150;KCl、4;CaCl、2;MgCl、1;HEPES、10;及びグルコース、10であり、NaOHでpH7.4に調整した。細胞内バッファーは以下を含む(mM):KCl、120;CaCl、5;MgCl、2;EGTA、10;HEPES、10;及びMg-ATP、4であり、KOHでpH7.2に調整した。hERG電流を活性化するために使用される電圧プロトコルは、-80mVの保持電位から5秒間で+20mVまでの最初の脱分極ステップとその後の-50mVへの2番目の再分極ステップである。サイクルタイムは15秒で、室温で記録を行い、薬物効果は、2番目の再分極ステップによって誘発されたピークテール電流で評価した。薬理学的に、10mMの試験物質のストック溶液をDMSOで調製した。6点濃度範囲は、最初に、DMSO中で最初の10mMストック1:3を連続希釈し、次に0.06%PluronicF-68(Gibco/Thermofischer、フランス)を含む細胞外記録媒体で6つの中間ワーキング溶液1:333をそれぞれ希釈することにより、ポリプロピレンマイクロタイタープレートに調製した。試験物質の最終濃度(すなわち、0.12μM、0.37μM、1.1μM、3.3μM、10μM及び30μM)を細胞に昇順で累積的に適用した。陽性対照(テルフェナジン、10μM)を各記録シーケンスの最後に追加した。hERGテール電流振幅の経時変化は、オプションのリーク電流の減算と必要に応じた電流ランダウンの補償に続いてオフラインで分析した。半最大抑制濃度(IC50)は、各暴露期間の終わりに測定した電流振幅をフィッティングすることによって得られ、4つのパラメーターのS字型方程式でプレドラッグベースラインに対して正規化した。
【0060】
hERGアッセイで試験した場合、添付の実施例の化合物はすべて、少なくとも5μMのIC50値を示すことが見出された。具体的には、実施例6の化合物は約8μMのIC50値を示す。実施例9の化合物は約20μMのIC50値を示す。実施例1~5、7、8及び10~16の化合物はすべて、>30μMのIC50値を示す。
以下の実施例は、本発明による化合物の調製を例示する。
【実施例0061】
略語
DCM:ジクロロメタン
EtOAc:酢酸エチル
MeOH:メタノール
THF:テトラヒドロフラン
DMSO:ジメチルスルホキシド
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
TBAF:フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム
LDA:リチウムジイソプロピルアミド
デス・マーチンペルヨージナン:1,1,1-トリス(アセチルオキシ)-1,1-ジヒドロ-1,2-ベンゾヨードキソール-3-(1H)-オン
XPhos:2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル
XPhos Pd G2:クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)
r.t.:室温
h:時間
M:質量
RT:保持時間
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
LCMS:液体クロマトグラフィー質量分析
ES+:エレクトロスプレー陽イオン化
【0062】
分析条件
すべてのNMRスペクトルは、250MHz、300MHz、400MHz又は500MHzで取得した。
空気又は水分に敏感な試薬を含むすべての反応は、乾燥溶媒及びガラス器具を使用して窒素雰囲気下で行なった。
【0063】
LCMSデータ決定
方法1
カラム:X-Bridge C18 Waters 2.1x20mm、2.5μmカラム
移動相A:水中10mMギ酸アンモニウム+0.1%アンモニア溶液
移動相B:アセトニトリル+5%水+0.1%アンモニア溶液
勾配プログラム:流速 ポンプ1:1mL/分;流速 ポンプ2:0.5mL/分
【0064】
方法2
カラム:X-Bridge C18 Waters 2.1x20mm、2.5μmカラム
移動相A:水中10mMギ酸アンモニウム+0.1%ギ酸
移動相B:アセトニトリル+5%水+0.1%ギ酸
勾配プログラム:流速 ポンプ1:1mL/分;流速 ポンプ2:0.5mL/分
【0065】
方法3
カラム:X-Bridge C18 Waters 2.1x20mm、2.5μmカラム
移動相A:水中10mMギ酸アンモニウム+0.1%アンモニア溶液
移動相B:アセトニトリル+5%水+0.1%アンモニア溶液
勾配プログラム:流速 1mL/分
【0066】
方法4
カラム:X-Bridge C18 Waters 2.1x20mm、2.5μmカラム
移動相A:水中10mMギ酸アンモニウム+0.1%アンモニア溶液
移動相B:アセトニトリル+5%水+0.1%アンモニア溶液
勾配プログラム:流速 1mL/分
【0067】
方法5
カラム:X-Bridge C18 Waters 2.1x20mm、2.5μmカラム
移動相A:水中10mMギ酸アンモニウム+0.1%アンモニア溶液
移動相B:アセトニトリル+5%水+0.1%アンモニア溶液
勾配プログラム:流速 1mL/分
【0068】
方法6
Agilent Technologies 1260 Infinity

装置
Agilent 1260Bin.Pump:G1312B、脱気装置;オートサンプラー、ColCom.DAD:Agilent G1315D、220-320nm.MSD:Agilent LC/MSD G6130B ESI、pos/neg100-800、ELSD Alltech 3300.

ガス流速:1.5mL/分;ガス温度:40℃;カラム:Waters XSelectTM C18、30x2.1mm、3.5μm;温度:35℃;流速:1mL/分;勾配:t=5%A、t1.6分=98%A;t3.0分=98%A;ポストタイム:1.3分;溶離液A:アセトニトリル中0.1%ギ酸;溶離液B:水中0.1%ギ酸。
【0069】
方法7
Agilent Technologies 1260 Infinity

装置
Agilent 1260Bin.Pump:G1312B、脱気装置;オートサンプラー、ColCom.DAD:Agilent G1315D、220-320nm.MSD:Agilent LC/MSD G6130B ESI、pos/neg100-800、ELSD Alltech 3300.

ガス流速:1.5mL/分;ガス温度:40℃;カラム:Waters XSelectTM C18、50x2.1mm、3.5μm;温度:35℃;流速:0.8mL/分;勾配:t=5%A、t3.5分=98%A;t6.0分=98%A;ポストタイム:2.0分;溶離液A:アセトニトリル中0.1%ギ酸;溶離液B:水中0.1%ギ酸。
【0070】
方法8
カラム:Kinetex Core-Shell C18、50x2.1mm、5μmカラムはPhenomenexの「Security Guard」カラムで保護
移動相A:水中0.1%ギ酸
移動相B:アセトニトリル中0.1%ギ酸
勾配プログラム:流速 1.2mL/分
カラム温度:40℃
【0071】
方法9
カラム:Phenomenex Kinetex Core-Shell C8、50x2.1mm、5μmカラムはPhenomenex「Security Guard」カラムで保護
移動相A:水中0.1%ギ酸
移動相B:アセトニトリル中0.1%ギ酸
勾配プログラム:流速 1.2mL/分
カラム温度:40℃
【0072】
方法10
カラム:Phenomenex Gemini C18、2.0mmx50mm、3μmカラム
移動相A:2mM重炭酸アンモニウム、pH10
移動相B:アセトニトリル
勾配プログラム:流速 1.0mL/分
カラム温度:60℃
【0073】
方法11
カラム:Phenomenex Kinetex-XB C18、2.1mmx100mm、1.7μmカラム
移動相A:水中0.1%ギ酸
移動相B:アセトニトリル中0.1%ギ酸
勾配プログラム:流速 0.6mL/分
カラム温度:40℃
【0074】
GCMSデータ決定
方法12
Agilent Technologies

機器:GC:Agilent 6890N、FID:検出温度:300℃及びMS:5973MSD、EI陽性、検出温度:280℃;質量範囲:50-550;カラム:RXi-5MS 20m、ID 180μm、df0.18μm;平均速度:50cm/s;注入量:1μL;インジェクター温度:250℃;スプリット比:20/1;キャリアガス:He;初期温度:100℃;初期時間:1.5分;溶媒遅延:1.3分;速度:75℃/分;最終温度:250℃;最終時間:2.5分。
【0075】
中間体1
【化5】

(R)-N-(3-シアノ-3-メチルシクロブチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
THF(35mL)に溶解した1-メチル-3-オキソシクロブタンカルボニトリル(532mg、4.63mmol)に、(R)-(+)-2-メチル-2-プロパンスルフィンアミド(570mg、4.61mmol)を添加し、続いてチタン(IV)エトキシド(1.8mL、8.7mmol)を添加した。反応混合物を、75℃にて窒素下で撹拌しながら一晩加熱した後、室温まで冷却した。重炭酸ナトリウム飽和水溶液(50mL)を添加した。反応混合物をセライトを通して濾過し、EtOAcで洗浄した。有機層を分離し、水(50mL)、続いて食塩水(50mL)で連続して洗浄した。有機層を分離し、相分離器を通して濾過し、次に、有機層を真空で濃縮した。得られたオレンジ色の油を、シリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(100%イソヘキサンから100%EtOAcを用いる勾配溶出)により精製した。得られた麦わら色の油は放置すると固化して、標記化合物(863mg、88%)がオフホワイトの固体として得られた。δ(300mHz、DMSO-d)3.95-3.59(m、2H)、3.60-3.36(m、1H)、3.25(ddt、J17.6、9.8、3.3Hz、1H)、1.58(d、J1.4Hz、3H)、1.16(d、J1.2Hz、9H)。
【0076】
中間体2
【化6】

(R)-N-[1-(5-ブロモピリミジン-2-イル)-3-シアノ-3-メチルシクロブチル]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
2つの別個のバッチの5-ブロモ-2-ヨードピリミジン(1.6g、5.62mmol)をDCM(50mL)及びDCM(100mL)に溶解した。別個の反応混合物を-78℃にて窒素下で冷却し、次に、2.5Mのn-ブチルリチウム(2.26mL、5.65mmol)を各反応混合物に5分間かけて滴下して添加した。反応混合物を-78℃にて窒素下で2分間撹拌した後、DCM(5mL)に溶解した中間体1(1g、4.71mmol)をシリンジで各反応混合物にゆっくりと添加した。反応混合物を-78℃で2時間撹拌した。より多い方(100mL)のバッチは氷浴中で3時間、撹拌し、より少ない方(50mL)のバッチはドライアイス(cardice)/アセトン浴で3時間、撹拌した。反応混合物を合わせ、塩化アンモニウム飽和水溶液(50mL)でクエンチし、次に、有機層を分離し、相分離器を通して濾過し、真空で濃縮した。得られた黄色の粗油をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(100%イソヘキサンから100%EtOAcを用いる勾配溶出)で精製し、標記化合物(530mg、14%)(トランス:シス異性体の60:40混合物)を黄色のゴム状体として得た。LCMS(ES+)[M+H]371.0、RT1.66及び1.69分、純度68.1%(方法4)。
【0077】
中間体3
【化7】

(7R,14R)-11-クロロ-1-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン
窒素下で-78℃に冷却した乾燥THF(135mL)中の、(7R,14R)-11-クロロ-1-(ジフルオロメトキシ)-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オンの溶液(WO2016/050975、実施例11)(10g、26.6mmol)に、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中1M、30mL、30mmol)を15分間かけて滴下して添加した。得られた混合物を-78℃で1時間撹拌した後、ヨードメタン(2.5mL、40mmol)を5分間かけて滴下して添加した。反応混合物を-78℃で1時間撹拌した後、一晩かけて周囲温度までゆっくりと昇温させた。反応混合物を塩化アンモニウム飽和水溶液(600mL)に注ぎ、EtOAc(2x800mL)で抽出した。有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空で濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(5%MeOH/DCMを用いる溶出)による精製により、標記化合物(9.12g、88%)をベージュ色の固体として得た。δH(300MHz、DMSO-d)8.33-8.21(m、1H)、7.87-7.33(m、5H)、7.22(dd、J8.7、2.1Hz、1H)、6.23(d、J7.1Hz、1H)、5.22(d、J7.1Hz、1H)、3.55-3.41(m、1H)、3.33(s、3H)、2.81(d、J13.8Hz、1H)。LCMS(ES+)[M+H]390.0、RT1.10分(方法3)。
【0078】
中間体4
【化8】

(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-11-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン
1,4-ジオキサン(42mL)中の中間体3(4g、10.3mmol)をビス(ピナコラト)ジボロン(3.9g、15mmol)及び酢酸カリウム(3g、30.6mmol)で処理した。反応混合物を脱気し、窒素でフラッシュした。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(484mg、0.51mmol)及びトリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロボラート(390mg、1.03mmol)を添加し、次に、反応混合物を脱気し、窒素でフラッシュした後、140℃で一晩、加熱した。さらにビス(ピナコラト)ジボロン(2.6g、10.3mmol)を添加した。反応混合物を140℃で24時間、加熱した後、EtOAcと食塩水とに分配した。有機相を分離し、真空で濃縮した後、シリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(0-10%EtOAc/MeOHを用いる勾配溶出)により精製し、標記化合物(2.5g、50%)を白色固体として得た。LCMS(ES+)[M+H]482.2、RT2.40分(方法4)。
【0079】
中間体5
【化9】

(R)-N-(3-シアノ-1-{5-[(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-5-オキソ-5,6,7,14-テトラヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-11-イル]ピリミジン-2-イル}-3-メチルシクロブチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
リン酸カリウム三塩基性(171mg、0.80mmol)、トリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロボラート(18.8mg、0.050mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(16.7mg、0.018mmol)及び中間体4(126mg、0.263mmol)に、脱気した1,4-ジオキサン(1.5mL)に溶解した中間体2(83mg、0.225mmol)を添加した。脱気した水(0.04mL)を添加し、反応混合物を真空と窒素の3サイクルで脱気し、次に、密閉チューブに移し、110℃で3時間、予熱したブロックに入れた。反応混合物を周囲温度まで放冷させ、次に、EtOAc(20mL)及び水(20mL)で希釈した。有機層を分離し、水層を追加のEtOAc(20mL)で抽出した。有機層を合わせて食塩水(20mL)で洗浄した後、乾燥させ(NaSO)、ろ過した。溶媒を真空で除去した。得られた褐色の油をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(100%イソヘキサンから100%EtOAc、続いて100%DCMから25%MeOH/DCMを用いる勾配溶出)で精製し、標記化合物(178mg、92%)(トランス及びシス異性体の混合物)を褐色の油として得た。LCMS(ES+)[M+H]646.2、RT1.11分(方法3)。
【0080】
中間体6
【化10】

(R)-N-(3-シアノ-1-{5-[(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-5-オキソ-5,6,7,14-テトラヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-11-イル]ピリミジン-2-イル}-3-メチルシクロブチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
窒素下の、リン酸カリウム三塩基性(80mg、0.377mmol)、中間体2(50mg、0.121mmol)及び(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-11-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン(WO2016/050975、中間体171)(60mg、0.128mmol)の混合物に、トリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロボラート(5mg、0.013mmol)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(6mg、0.0064mmol)を添加した。試薬を1,4-ジオキサン(3mL)に溶解し、水(0.2mL)を添加した後、反応混合物を真空及び窒素下で脱気し、その後、一晩、加熱還流した。反応混合物をEtOAc(20mL)及び水(20mL)で希釈した。有機層を分離し、水層をさらなるEtOAc(20mL)で抽出した。有機層を分離し、相分離器を通して濾過し、次に、真空で濃縮した。得られた褐色の粗油をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(0-100%DCM/EtOAc、続いて1-10%MeOH/EtOAcを用いる勾配溶出)により精製し、標記化合物(51mg、57%)を黄色の固体として得た。LCMS(ES+)[M+H]632.0、RT1.85分(方法1)。LCMS(ES+)[M+H]632.1、RT1.81分(方法2)。
【0081】
中間体7
【化11】

(R)-N-[trans-1-(5-ブロモ-3-フルオロピリジン-2-イル)-3-シアノ-3-メチルシクロブチル]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
2,5-ジブロモ-3-フルオロピリジン(536mg、2.11mmol)をDCM(100mL)に溶解し、窒素下で-78℃に冷却した。n-ブチルリチウム(2.5M、0.9mL、2mmol)を滴下して添加し、反応混合物を-78℃にて窒素下で5分間撹拌した後、DCM(10mL)に溶解した中間体1(390mg、1.84mmol)をシリンジでゆっくりと添加した。反応混合物を-78℃で1時間、次に氷浴中で2時間撹拌した。反応混合物を塩化アンモニウム飽和水溶液(50mL)でクエンチした後、有機層を分離し、食塩水(50mL)で洗浄した。有機層を分離し、相分離器を通して濾過し、次に、溶媒を真空で除去した。得られた暗赤/褐色の粗油をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(100%イソヘキサンから100%EtOAcを用いる勾配溶出)により精製して、標記化合物(220mg、28%)を得た。LCMS(ES+)[M+H]388.0/390.0、RT0.961分(方法3)。
【0082】
中間体8
【化12】

(R)-N-(cis-3-シアノ-1-{5-[(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-5-オキソ-5,6,7,14-テトラヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-11-イル]-3-フルオロピリジン-2-イル}-3-メチルシクロブチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
中間体4(113mg、0.241mmol)とリン酸カリウム三塩基性(167mg、0.773mmol)との混合物に、1,4-ジオキサン(3mL)中の中間体7(75mg、0.193mmol)の溶液を添加した。反応混合物を脱気し、窒素でフラッシュした。1,4-ジオキサン中のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(9.1mg、0.0097mmol)及びトリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロボラート(8.8mg、0.023mmol)を数滴の水と共に添加した。反応混合物をマイクロ波照射下で4時間120℃にて加熱した後、EtOAc及び食塩水間で分離した。有機層を相分離器を通して濾過し、有機相を真空で濃縮した。粗残渣をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(100%イソヘキサンから100%EtOAc、続いて1-15%MeOH/DCMを用いる勾配溶出)により精製して、標記化合物(102mg、81%)をオフホワイトの固体として得た。LCMS(ES+)[M+H]663、RT1.32分(方法5)。
【0083】
中間体9
【化13】

(R)-N-(cis-3-シアノ-1-{5-[(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-5-オキソ-5,6,7,14-テトラヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-11-イル]-3-フルオロピリジン-2-イル}-3-メチルシクロブチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-11-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン(WO2016/050975、中間体171)(297mg、0.636mmol)をリン酸カリウム三塩基性(441mg、2.04mmol)で処理した後、中間体7(220mg、0.510mmol)を添加し、続いて1,4-ジオキサン(3mL)を添加した。反応混合物を脱気し、窒素でフラッシュした。数滴の水と共に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(24mg、0.025mmol)及びトリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロボラート(23mg、0.061mmol)を添加した。混合物をマイクロ波照射下で120℃にて4時間、加熱した。EtOAc及び食塩水を反応混合物に添加し、攪拌した後、相分離器を通して濾過した。有機相を真空で濃縮した。粗残渣をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(100%イソヘキサンから100%EtOAc、続いてDCM中1-15%MeOHを用いる勾配溶出)により精製して、標記化合物(189mg、54%)をオフホワイトの固体として得た。LCMS(ES+)[M+H]649.2、RT1.32分(方法5)。
【0084】
中間体10
【化14】

(S)-2-メチル-N-(2-メチルシクロブチリデン)プロパン-2-スルフィンアミド
2-メチルシクロブタン-1-オン(1.00g、11.3mmol)をTHF(30mL)に溶解し、(S)-2-メチル-2-プロパンスルフィンアミド(1.20g、9.60mmol)を添加し、続いてチタン(IV)エトキシド(4.0mL、19mmol)を添加した。反応混合物を室温で48時間、攪拌した。水(5mL)を添加し、混合物を撹拌し、その後、EtOAc(100mL)を添加し、続いてNaSO(10g)を添加した。15分後、混合物をろ過し、固体をEtOAc(3x15mL)で洗浄した。合わせた有機層を真空で濃縮した。粗残渣をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(イソヘキサン中0-40%EtOAcを用いる勾配溶出)により精製して、標記化合物(1.55g、86%)を無色の油として得た。LCMS(ES+)[M+H]188.2、RT1.37分及び1.41分(方法4)。
【0085】
中間体11
【化15】

N-[(1S,2R)-1-(5-ブロモ-3-フルオロピリジン-2-イル)-2-メチルシクロブチル]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド又はN-[(1R,2S)-1-(5-ブロモ-3-フルオロピリジン-2-イル)-2-メチルシクロブチル]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
2,5-ジブロモ-3-フルオロピリジン(2.34g、8.81mmol)をDCM(30mL)に溶解し、-78℃に窒素下で冷却した後、N-ブチルリチウム(2.5M、3.5mL、8.8mmol)を添加した。反応混合物を10分間撹拌した後、DCM(3mL)中の中間体10(1.50g、8.01mmol)の溶液を添加した。混合物を-78℃で2時間、撹拌した後、塩化アンモニウム飽和水溶液(30mL)でクエンチし、5分間、撹拌した。有機層を分離し、乾燥させ(NaSO)、次に、濾過し、真空で濃縮した。得られた粗残渣をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(イソヘキサン中0-45%EtOAcを用いる勾配溶出)により精製して、標記化合物(800mg、27%;シス異性体)に加えて、主にトランス-異性体と他のシス異性体の3:1混合物(650mg、22%)を得た。
標記化合物:δ(300MHz、CDCl)8.49-8.39(m、1H)、7.54(dd、J9.9、1.9Hz、1H)、3.87(s、1H)、2.92(dtt、J12.3、9.0、1.6Hz、1H)、2.71(h、J7.4Hz、1H)、2.45-2.32(m、1H)、2.11-1.97(m、1H)、1.86-1.69(m、1H)、1.28-1.23(m、12H)。LCMS(ES+)[M+H]363.0及び365.0、RT2.28分(方法4)。
【0086】
中間体12
【化16】

N-[(1S,2R)-1-{5-[(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-5-オキソ-5,6,7,14-テトラヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-11-イル]-3-フルオロピリジン-2-イル}-2-メチルシクロブチル]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド又はN-[(1R,2S)-1-{5-[(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-5-オキソ-5,6,7,14-テトラヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-11-イル]-3-フルオロピリジン-2-イル}-2-メチルシクロブチル]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
窒素下、1,4-ジオキサン(5mL)中の中間体11(187mg、0.51mmol)、(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-11-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン(WO2016/050975、中間体171)(200mg、0.43mmol)、トリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロボラート(16mg、0.042 mmol)、及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(20mg、0.021mmol)に、水(1mL)中のリン酸カリウム三塩基性(278mg、1.28mmol)を添加した。反応混合物を窒素下で脱気した後、圧力管に密閉し、105℃で3時間、加熱した。反応混合物を室温に冷却し、次に、DCMと水とに分配した。有機層を分離し、乾燥させ(NaSO)、次に、濾過し、真空で濃縮した。粗残渣をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中0-10%MeOHを用いる勾配溶出)で精製し、標記化合物(145mg、54%)を黄色の固体として得た。LCMS(ES+)[M+H]624.2、RT2.44分(方法4)。
【0087】
中間体13
【化17】

N-(シクロブチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
THF(722mL)中のシクロブタノン(100g、1.43mol)の溶液を15~20℃に冷却した。15~20℃に冷却した2-メチル-2-プロパンスルフィンアミド(144g、1.19mol)を添加し、続いてチタン(IV)イソプロポキシド(847g、2.98mol)を添加した。反応混合物を60℃で16時間、加熱し、次に、真空で濃縮した。粗残渣をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶出、0-20%EtOAc/石油エーテル)により精製し、黄色の油として標記化合物(19バッチからの合計収率:2.14kg、55%)を得た。δ(400MHz、DMSO-d)3.37-3.17(m、1H)、3.14-3.07(m、3H)、2.06-1.99(m、2H)、1.14(s、9H)。
【0088】
中間体14
【化18】

N-[1-(5-ブロモピリミジン-2-イル)シクロブチル]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
5-ブロモ-2-ヨードピリミジン(345g、1.21mol)を15~20℃に冷却し、無水DCM(6L)に溶解した。反応混合物を-60℃~-70℃に冷却し、2.5Mのn-ブチルリチウム(450mL、1.13mol)を滴下して添加した。反応混合物を-60℃~-70℃の温度で2時間、撹拌した後、無水DCM(150mL)中の中間体13(150g、866mmol)の溶液を添加した。攪拌しながら温度を-60℃~-70℃に2時間、維持した後、15~20℃に加温した。反応混合物をさらに12時間撹拌した後、水(100mL)でクエンチした。11バッチを合わせて、DCM(2x3330mL)で抽出した。有機層を食塩水(1650mL)で洗浄し、分離し、乾燥させ(NaSO)、次に、濾過し、真空で濃縮した。粗残渣をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(1:0:10~1:1:3のEtOAc/DCM/石油エーテルを用いる勾配溶出)により精製し、標記化合物(11バッチからの合計収率:1.38kg、44%)を黄色の固体として得た。δ(400MHz、DMSO-d)9.00(s、2H)、2.65-2.45(m、2H)、2.44-2.42(m、2H)、1.99-1.94(m、1H)、1.73-1.70(m、1H)、1.07(s、9H)。
【0089】
中間体15
【化19】

1-(5-ブロモピリミジン-2-イル)シクロブタンアミン塩酸塩
6つの別個のバッチで、中間体14(302g、909mmol)をMeOH(1.2 L)に15~20℃で溶解した。混合物にMeOH/塩化水素(hydrochloric acid)(600mL)を添加し、反応混合物を15~20℃で2時間、撹拌した。6つのバッチを合わせて濃縮した。粗残渣にイソプロピルエーテル(9L)及びMeOH(1L)を添加した。混合物を15~20℃で1時間撹拌した。固体を濾過し、DCM(3L)ですすぎ、乾燥させて、標記化合物(1.21kg、84%)を黄色の固体として得た。δ(400MHz、CDOD)9.02(s、2H)、2.84-2.82(m、2H)、2.81-2.78(m、2H)、2.60-2.27(m、2H)。
【0090】
中間体16
【化20】

N-[1-(5-ブロモピリミジン-2-イル)シクロブチル]カルバミン酸tert-ブチル
氷浴で冷却したTHF(400mL)中の中間体15(202g、764mmol)の懸濁液に、二炭酸ジ-tert-ブチル(183g、832mmol)及びトリエチルアミン(154g、212mL、1.51mol)を添加した。混合物を0~5℃で30分間、撹拌し、次に、氷浴を取り外し、反応混合物を周囲温度に到達させた。反応混合物をEtOAc(1000mL)と水(600mL)とに分配した。水相を分離した後、有機相を水(600mL)と食塩水(2x200mL)で連続して洗浄した。有機相を乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空で濃縮した。得られた粗固体を一晩、50℃にて真空で乾燥させて、標記化合物(254g、定量的)をオフホワイトの固体として得た。LCMS(ES+)[M+Na]350.0、RT2.20分(方法4)。
【0091】
中間体17
【化21】

(1-{5-[(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-5-オキソ-5,6,7,14-テトラヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-11-イル]ピリミジン-2-イル}シクロブチル)カルバミン酸tert-ブチル
還流冷却器を備えた窒素下の火炎乾燥したフラスコに、中間体3(13.3g、34.0mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(1.61g、1.71mmol)、XPhos(1.63g、3.43mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(9.85g、38.8mmol)及び酢酸カリウム(8.5g、87mmol)を入れ、次に、1,4-ジオキサン(136mL)を入れた。得られた混合物を100℃で22時間、撹拌した後、中間体16(12.3g、37.4mmol)及びリン酸カリウム三塩基性水溶液(1.27mol/L、40mL、50.8mmol)を添加した。反応混合物を3時間、還流下で加熱した後、追加のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(500mg、0.53mmol)、XPhos(510mg、1.07mmol)及びリン酸カリウム三塩基性水溶液(1.27mol/L、20mL、25.4mmol)入れた。混合物を1時間撹拌した後、室温に冷却し、DCM(600mL)で希釈し、食塩水(400mL)で洗浄した。水相をDCM(500mL)で抽出した後、合わせた有機抽出物を相分離器に通し、真空で濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(0-5%MeOH/DCMを用いる溶出)で精製して、標記化合物(18.0g、88%)をオフホワイトの固体として得た。δ(400MHz、CDCl)8.93(s、2H)、8.49(dd、J8.2、1.3Hz、1H)、7.84(dd、J8.5、0.7Hz、1H)、7.74-7.63(m、1H)、7.48-7.38(m、2H)、7.34-7.29(m、1H)、6.84(t、J72.8Hz、1H)、6.31(d、J7.2Hz、1H)、5.92(s、1H)、5.01(d、J7.1Hz、1H)、3.53(s、3H)、3.51-3.43(m、1H)、2.90(d、J13.6Hz、1H)、2.84-2.57(m、3H)、2.22-2.07(m、3H)、1.43(s、9H)。LCMS(ES+)[M+H]603.2、RT1.25分(方法3)。
【0092】
中間体18
【化22】

3-ベンジルオキシ-1-メチルシクロブタノール
ヨウ化メチルマグネシウムを、ヨードメタン(42.6mL、681mmol)をジエチルエーテル(500mL)中のマグネシウム(20.7g、851mmol)の混合物にゆっくりと添加することにより調製した。混合物を温水浴で30分間加熱した。ヨウ化メチルマグネシウム溶液をドライアイス/アセトン浴で内部温度-25℃まで冷却した後、ジエチルエーテル(100mL)中の3-ベンジルオキシシクロブタン-1-オン(94mL、567mmol)の溶液をゆっくりと添加し、内部温度を-10℃未満に維持した。添加が完了した後、混合物を-10℃で撹拌し、30分かけて15℃に加温した。反応混合物を0℃に冷却した後、ジエチルエーテルで希釈し、塩化アンモニウム飽和水溶液でクエンチした。有機層を分離し、水層をジエチルエーテル(2x300mL)で抽出した。合わせた有機層を濾過し、塩化アンモニウム飽和水溶液で洗浄した後、乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空で濃縮して、標記化合物(109g、100%)(立体異性体の約3:1混合物)を黄色の油として得た。GCMS:多い方の異性体RT3.664(74.6%)、[M-C101、[M-C91;少ない方の異性体RT3.630(25.4%)、[M-C101、[M-C91(方法12)。
【0093】
中間体19
【化23】

(3-ベンジルオキシ-1-メチルシクロブトキシ)-tert-ブチル(ジメチル)シラン
イミダゾール(190g、2.79mol)をDMF(1L)中の中間体18(107g、558mmol)の溶液に添加した。tert-ブチル(クロロ)ジメチルシラン(252g、1.67mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩、撹拌した後、氷水に注いだ。水相をジエチルエーテル(3x500mL)で抽出した。有機層を合わせて、水で洗浄した後、乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空で濃縮した。得られた黄色の粗油(291g)をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン、続いてヘプタン中2%EtOAc)で精製し、標記化合物(121g、46%)(立体異性体の約3:1混合物)を得た。多い方の異性体:δ(400MHz、CDCl)7.38-7.24(m、5H)、4.40(s、2H)、3.70-3.62(m、1H)、2.41-2.33(m、2H)、2.18-2.09(m、2H)、1.28(s、3H)、0.87(s、9H)、0.07(s、6H)。
【0094】
中間体20
【化24】

3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-3-メチルシクロブタノール
エタノール(500mL)中の中間体19(121g、257mmol)の混合物をNorit(又は活性炭)(13g)で処理し、1時間、撹拌した。混合物を珪藻土を通して濾過し、エタノール(500mL)ですすいだ。濾液を3つ口丸底フラスコ(4L)に移し、混合物について、排気して、アルゴンを3回入れ戻した。水中の活性炭上のパラジウム(10%、6.1g、5.73mmol)のスラリーを添加し、混合物について、排気して、アルゴンを入れ戻した。混合物について、排気して、水素を3回入れ戻した後、一晩、室温で撹拌した。混合物を窒素流下で珪藻土を通して濾過し、次に、エタノールですすいだ。濾液を真空で濃縮した。粗残渣(68g)を追加のバッチ(62g及び63g)と合わせた後、シリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中10-20%EtOAcを用いる勾配溶出)により精製し、標記化合物(164g、85%)(異性体の約8:2混合物)を無色の油として得た。δ(400MHz、CDCl)4.52-4.43(m、0.2H)、3.98-3.87(m、0.8H)、2.50-2.40(m、2H)、2.10-2.02(m、1.6H)、1.98-1.91(m、0.4H)、1.64-1.58(m、0.8H)、1.58-1.52(m、0.2H)、1.44(s、0.6H)、1.28(s、2.4H)、0.88(s、7H)、0.87(s、2H)、0.07(s、6H)。
【0095】
中間体21
【化25】

3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-3-メチルシクロブタノン
5℃のDCM(2L)中の中間体20(192g、887mmol)の溶液に、デス・マーチンペルヨージナン(452g、1.07mmol)を添加した。懸濁液を10℃で1時間、撹拌した後、室温まで1時間かけて昇温させた。反応混合物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(約1L)に注ぎ、ガスの発生が止まるまで攪拌した。チオ硫酸ナトリウム水溶液(10%)を添加し、混合物を1時間、攪拌した。層を分離し、水相をDCMで抽出した。有機層を合わせて、乾燥させ(NaSO)、次に、濾過し、真空で濃縮した。得られた黄色の粗油をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中0-20%EtOAcを用いる勾配溶出)により精製し、標記化合物(186g、98%)を無色の油として得た。δ(400MHz、CDCl)3.25-3.13(m、2H)、3.03-2.90(m、2H)、1.59(s、3H)、0.89(s、9H)、0.11(s、6H)。
【0096】
中間体22
【化26】

(S)-N-{3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-3-メチルシクロブチリデン}-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
THF(2L)中の中間体21(186g、0.87mol)の溶液に(S)-(-)-tert-ブチルスルフィンアミド(126g、1.04mol)を添加し、続いてチタン(IV)エトキシド(367mL、1.74mol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次に、真空で濃縮した。残渣をアセトニトリルで希釈した。水(47mL)を添加し、反応混合物を10分間攪拌し、次に、珪藻土でろ過し、アセトニトリルですすいだ。濾液を真空で濃縮した。得られた黄色の粗油(264g)をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中10%EtOAc)で精製し、標記化合物(223g、81%)(異性体の約1:1混合物)を無色の油として得た。δ(400MHz、CDCl)3.59-3.41(m、1H)、3.34-3.11(m、2H)、3.05-2.92(m、1H)、1.52-1.41(m、3H)、1.21(s、9H)、0.85(s、9H)、0.06(s、6H)。LCMS[M+H]318、RT2.34分(方法6)。
【0097】
中間体23
【化27】

(S)-N-{cis-1-(5-ブロモ-3-フルオロピリジン-2-イル)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-3-メチルシクロブチル}-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
三口丸底フラスコ(2L)に2,5-ジブロモ-3-フルオロピリジン(26.9g、106mmol)及びDCM(750mL)を入れた。得られた溶液をドライアイス/イソプロパノールで-70℃に冷却した後、n-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M;46mL、115mmol)を滴下して添加し、-50℃で暗色の溶液を得た。温度を-66℃に下げ、DCM(150mL)中の中間体22(30.5g、96mmol)の溶液を滴下して添加した。添加後、混合物を1.5時間、撹拌し、その時点までに温度は-30℃まで上昇した。反応混合物を塩化アンモニウム飽和水溶液でクエンチし、水を添加して、沈殿した塩を溶解させた。層を分離し、水層をDCMで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、次に、濾過し、真空で濃縮した。得られた暗褐色の粗油(49.7g)をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中10-60%EtOAcを用いる勾配溶出)により精製して、標記化合物(9.71g、21%)を得た。δ(400MHz、CDCl)8.47-8.41(m、1H)、7.56(dd、J9.9、1.9Hz、1H)、3.91(s、1H)、3.35(dd、J12.6、3.6Hz、1H)、2.97-2.87(m、1H)、2.73(d、J12.6Hz、1H)、2.54(d、J12.6Hz、1H)、1.15(s、9H)、1.11(s、3H)、0.90(s、9H)、0.10(s、6H)。LCMS[M+H]493/495(Br-パターン)、RT2.50分(方法6)。
【0098】
中間体24
【化28】

(S)-N-(cis-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-{5-[(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-5-オキソ-5,6,7,14-テトラヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-11-イル]-3-フルオロピリジン-2-イル}-3-メチルシクロブチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
三つ口丸底フラスコ(2L)に、中間体3(25.6g、65.7mmol)、酢酸カリウム(16.1g、164mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(20.0g、79mmol)及び無水1,4-ジオキサン(400mL)を入れた。反応混合物について、排気して、アルゴンを3回入れ戻した。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(5mol%、3.01g、3.28mmol)及びXPhos(10mol%、3.13g、6.57mmol)を添加した。装置について、排気して、アルゴンで2回入れ戻した後、110℃に予熱した油浴に2.5時間、入れた。反応混合物を室温まで冷却し、1,4-ジオキサン(400mL)に溶解した中間体23(32.4g、65.7mmol)を添加した。リン酸三カリウム(20.9g、99mmol)及び水(200mL)を添加し、続いて[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(5mol%、2.40g、3.28mmol)を添加した。反応混合物について、排気して、アルゴンを2回入れ戻した後、115℃に予熱した油浴に1時間入れた。反応混合物を室温まで冷却した後、トリチオシアヌル酸(5.24g、29.6mmol)及び活性炭(12g)を添加した。混合物を一晩、撹拌し、次に、珪藻土のパッドを通して濾過した。フィルターパッドをEtOAc及びMeOHですすいだ。ろ液を水(600mL)で希釈し、層を分離した。水層をEtOAc(2x400mL)で抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、次に、濾過し、真空で濃縮した。得られた暗色の濃厚な粗半固体(約130g)をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc中0-20%MeOHを用いる勾配溶出)により精製し、続いてシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc中0-10%MeOH)で再精製し、標記化合物(44.6g、88%)を得た。δ(400MHz、CDCl)8.63(t、J1.5Hz、1H)、8.52-8.48(m、1H)、7.79(d、J8.5Hz、1H)、7.69(d、J1.3Hz、1H)、7.56(dd、J11.9、1.7Hz、1H)、7.46(dd、J8.5、1.7Hz、1H)、7.43(t、J8.2Hz、1H)、7.35(d、J8.1Hz、1H)、6.88(t、J72.7Hz、1H)、6.28(d、J7.2Hz、1H)、4.98(d、J7.1Hz、1H)、4.00(s、1H)、3.52(s、3H)、3.51-3.40(m、1H)、3.07-2.99(m、1H)、2.89(d、J13.6Hz、1H)、2.78(d、J12.5Hz、1H)、2.62(d、J12.6Hz、1H)、1.63(s、1H))、1.17(s、9H)、1.16(s、3H)、0.92(s、9H)、0.12(s、6H)。LCMS[M+H]768、RT2.44分(方法6)。
【0099】
中間体25
【化29】

(S)-N-(cis-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-{5-[(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-5-オキソ-5,6,7,14-テトラヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-11-イル]-3-フルオロピリジン-2-イル}-3-メチルシクロブチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-11-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン(WO2016/050975、中間体171)(1.3g、2.78mmol)、中間体23(900mg、1.82mmol)及びリン酸カリウム三塩基性(1.58g、7.29mmol)を1,4-ジオキサン(22mL)及び水(2mL)の混合物中に懸濁した。反応混合物を窒素で3回脱気した後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(90mg、0.095mmol)を添加した。反応混合物を窒素でさらに脱気し、120℃で2.5時間、加熱した。混合物を水で希釈し、EtOAcで2回抽出した。有機相を合わせて乾燥させ(硫酸ナトリウム)、次に、濾過し、真空で濃縮した。粗残渣をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(0-100%EtOAc/ヘキサン、続いて0-10%MeOH/DCMを用いる勾配溶出)により精製し、標記化合物(930mg、65%)を得た。LCMS(ES+)[M+H]754.2、RT3.26分(方法4)。
【0100】
中間体26
【化30】

3,3-ジメトキシシクロブタンカルボン酸メチル
3-オキソシクロブタンカルボン酸メチル(45g、394mmol)、オルトギ酸トリメチル(259mL、2.37mol)及びp-トルエンスルホン酸一水和物(7.50g、39.4mmol)をMeOH(500mL)中で混合した。溶液を還流で2時間、撹拌し、その後、室温に冷却し、真空で濃縮した。残渣をジエチルエーテル(500mL)中に溶解し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(500mL)で洗浄した。水相をジエチルエーテル(500mL)で抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、次に、濾過し、真空で濃縮して、標記化合物(74.4g)を得た。δ(400MHz、CDCl)3.70(s、3H)、3.17(s、3H)、3.15(s、3H)、2.94-2.83(m、1H)、2.48-2.34(m、4H)。
【0101】
中間体27
【化31】

3,3-ジメトキシ-1-メチルシクロブタンカルボン酸メチル
ヘキサン中のn-ブチルリチウム(2.5M、133mL、332mmol)を、-78℃に冷却したTHF(1L)中のジイソプロピルアミン(56mL、398mmol)の溶液に添加した。混合物を15分間撹拌した後、THF(50mL)中の中間体26(68g、332mmol)を滴下して添加した。反応混合物を30分間撹拌した後、ヨードメタン(41mL、664mmol)を滴下して添加すると、内部温度は-60℃に上がった。反応混合物を-78℃で30分間撹拌した後、周囲温度まで加温した。反応混合物を塩化アンモニウム飽和水溶液(1L)に注ぎ、ジエチルエーテル(2x500mL)で抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、次に、濾過し、真空で濃縮した。粗残渣(64.7g)をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中10-40%EtOAcを用いる勾配溶出)で精製して、標記化合物(52.5g)を得た。δ(400MHz、CDCl)3.71(s、3H)、3.16(s、3H)、3.13(s、3H)、2.67-2.58(m、2H)、2.10-2.01(m、2H)、1.44(s、3H)。
【0102】
中間体28
【化32】

(3,3-ジメトキシ-1-メチルシクロブチル)メタノール
氷浴で冷却したTHF(800mL)中の中間体27(42g、224mmol)の溶液に、THF中の2.4Mの水素化アルミニウムリチウム溶液(94mL、235mmol)を添加した。反応混合物を室温で60分間、撹拌した。水(8mL)を滴下して添加し、続いて10%水酸化ナトリウム水溶液(8mL)を滴下して添加した。懸濁液に水(24mL)を添加し、混合物を撹拌した。硫酸ナトリウムを添加し、粒状の懸濁液をろ過した。濾液をジエチルエーテルですすぎ、合わせた濾液を真空で濃縮して、標記化合物(38g、15%)を軽油として得た。δ(400MHz、CDCl)3.50(d、J5.6Hz、2H)、3.15(s、3H)、3.14(s、3H)、2.11(d、J13.2Hz、2H)、1.94-1.82(m、2H)、1.19(s、3H)。GCMS[M-CHO]129、RT2.325(90.2%)(方法12)。
【0103】
中間体29
【化33】

3-(ヒドロキシメチル)-3-メチルシクロブタノン
アセトン(600mL)及び水(200mL)中の中間体28(44.8g、280mmol)の撹拌溶液に、p-トルエンスルホン酸一水和物(53.2g、280mmol)を添加した。反応混合物を65℃で1時間、加熱した後、室温まで冷却した。アセトンを真空で濃縮により除去した。得られた混合物をDCMで希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。水層をDCMで3回逆抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(MgSO)、次に、濾過し、真空で濃縮して、標記化合物(30.8g、78%)を得た。δ(400MHz、CDCl)3.69(d、J5.1Hz、2H)、3.09-2.97(m、2H)、2.76-2.64(m、2H)、1.36(s、3H)。
【0104】
中間体30
【化34】

3-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-3-メチルシクロブタノン
イミダゾール(0.63g、9.29mmol)をDMF(150mL)中の中間体29(10.6g、55.0mmol)の溶液に添加した後、tert-ブチル(クロロ)ジメチルシラン(24.9g、165mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩、撹拌した。ジエチルエーテルを添加し、続いて食塩水を添加した。有機層を分離し、食塩水で3回洗浄した。有機層を乾燥させ、真空で濃縮した。粗残渣(62g)をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中0-10%EtOAcを用いる勾配溶出)により精製して、標記化合物(59.5g)を黄色の油として得た。δ(400MHz、CDCl)3.59(s、2H)、3.08-2.98(m、2H)、2.66-2.56(m、2H)、1.30(s、3H)、0.89(s、9H)、0.06(s、6H)。
【0105】
中間体31
【化35】

(S)-N-[3-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-3-メチルシクロブチリデン]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
THF(500mL)中の中間体30(54.5g、205mmol)の溶液に(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(29.8g、246mmol)及びチタン(IV)エトキシド(87mL、410mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩、撹拌し、次に、真空で濃縮した。残渣をアセトニトリルで希釈した後、水(47mL)を添加した。混合物を10分間、撹拌し、次に、珪藻土で濾過し、アセトニトリルですすいだ。濾液を真空で濃縮した。得られた黄色の粗油(71.5g)をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中0-20%EtOAcを用いる勾配溶出)により精製し、標記化合物(66.9g、98%)を黄色の油として得た(異性体の約1:1混合物)。δ(400MHz、CDCl)3.50(d、J1.6Hz、2H)、3.46-3.38(m、0.5H)、3.24-3.00(m、2H)、2.92-2.82(m、0.5H)、2.71-2.55(m、1H)、1.29-1.19(m、12H)、0.90-0.88(m、9H)、0.05(s、6H)。
【0106】
中間体32
【化36】

(S)-N-[cis-1-(5-ブロモピリミジン-2-イル)-3-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-3-メチルシクロブチル]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
DCM(500mL)中の5-ブロモ-2-ヨードピリミジン(58.6g、206mmol)の溶液を-78℃に冷却した。n-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、90mL、226mmol)を10分かけて滴下して添加し、濃厚な懸濁液を得た。混合物を40分間、-78℃で撹拌した。DCM(500mL)中の中間体31(56.8g、171mmol)の溶液を滴下して添加した。反応混合物を2.5時間、-78℃で撹拌した後、室温まで昇温させ、1時間攪拌した。混合物を塩化アンモニウム飽和水溶液に注ぎ、5分間撹拌した。水で希釈した後、層を分離した。水層をDCMで2回抽出した。有機層を合わせ、食塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、次に、濾過し、真空で濃縮した。粗残渣をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(1:1から0:1のヘプタン:EtOAcを用いる勾配溶出)により精製し、続いてシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中20-80%EtOAcを用いる勾配溶出)によりさらに精製して、標記化合物(16g、17%)を得た。δ(400MHz、CDCl)8.76(s、2H)、4.40(s、1H)、3.58(d、J9.6Hz、1H)、3.52(d、J9.5Hz、1H)、2.84(d、J12.7Hz、1H)、2.54-2.38(m、2H)、2.30(d、J12.3Hz、1H)、1.20(s、9H)、1.04(s、3H)、0.91(s、9H)、0.07(s、6H)。LCMS[M+H]490/492(Br-パターン)、RT2.49分(方法6)。
【0107】
中間体33
【化37】

(S)-N-[cis-3-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-1-{5-[(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-5-オキソ-5,6,7,14-テトラヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-11-イル]ピリミジン-2-イル}-3-メチルシクロブチル]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
丸底フラスコ(2L)に中間体3(11.1g、28.4mmol)、酢酸カリウム(6.97g、71.0mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(8.65g、34.1mmol)及び1,4-ジオキサン(170mL)を入れた。装置をアルゴンで3回フラッシュした後、トリス-(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(1.30g、1.42mmol)及びXPhos(1.35g、2.84mmol)を添加した。装置について、排気して、アルゴンを2回入れ戻した後、115℃で3時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却した。1,4-ジオキサン(170mL)に溶解した中間体32(16.2g、28.4mmol)を添加し、続いて水(70mL)及びリン酸カリウム三塩基性無水物(9.04g、42.6mmol)を添加した。装置を再びアルゴンで2回脱気した後、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(1.04g、1.42mmol)を添加した。反応混合物を115℃で5時間加熱した後、室温で一晩、撹拌した。トリチオシアヌル酸(2.27g、12.78mmol)及び活性炭(5.19g)を添加した。混合物を室温で一晩、撹拌した後、水及びEtOAcで希釈し、濾過し、EtOAcで固体を洗浄した。層を分離し、水層をEtOAcで2回抽出した。有機層を合わせて、食塩水で洗浄した後、乾燥させ(NaSO)、濾過し、一晩、撹拌した。有機層を真空で濃縮し、残渣をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc中0-10%MeOHを用いる勾配溶出)により精製して、標記化合物(17.5g、81%)を得た。LCMS[M+H]765、RT2.46分(方法6)。
【0108】
中間体34
【化38】

(S)-N-[cis-1-(5-ブロモ-3-フルオロピリジン-2-イル)-3-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-3-メチルシクロブチル]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
2,5-ジブロモ-3-フルオロピリジン(2.4g、9.23mmol)をDCM(120mL)に溶解し、反応混合物をアセトン-ドライアイス浴で-65℃に冷却した。n-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、3.8mL、9.5mmol)を滴下して添加し、混合物を-65℃で15分間、撹拌した。DCM(20mL)中の中間体31(2.4g、7.2mmol)を添加した。反応混合物を-65℃で1時間、撹拌した後、室温まで加温し、2時間、撹拌した。反応混合物を0℃の塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、DCMで2回、抽出した。有機相を合わせて、真空で濃縮した後、シリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(0-50%EtOAc/ヘキサンを用いる勾配溶出)で精製して、標記化合物(1.15g、31%)を得た。δ(300MHz、CDCl)8.47(dd、J1.9、1.2Hz、1H)、7.56(dd、J9.9、1.9Hz、1H)、3.85(s、1H)、3.60-3.46(m、2H)、2.87-2.73(m、1H)、2.54-2.47(m、2H)、2.47-2.38(m、1H)、1.16(s、9H)、0.96(s、3H)、0.94(s、9H)、0.09(s、6H)。
【0109】
中間体35
【化39】

(S)-N-[cis-3-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-1-{5-[(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-5-オキソ-5,6,7,14-テトラヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]-ベンゾジアゾシン-11-イル]-3-フルオロピリジン-2-イル}-3-メチルシクロブチル]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-11-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン(WO2016/050975、中間体171)(405mg、0.87mmol)、中間体34(400mg、0.79mmol)、リン酸カリウム三塩基性(734mg、3.39mmol)及びトリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロボラート(40mg、0.11mmol)を1,4-ジオキサン(10mL)及び水(1mL)の混合物に懸濁した。混合物を窒素で3回脱気した後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(40mg、0.042mmol)を添加した。混合物を窒素でさらに脱気し、110℃で2.5時間、加熱した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで2回抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空で濃縮した。粗残渣をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(0-100%EtOAc/ヘキサン、続いて0-10%MeOH/DCMを用いる勾配溶出)により精製し、標記化合物(280mg、46%)を得た。LCMS(ES+)[M+H]768.2、RT3.42分(方法4)。
【0110】
中間体36
【化40】

3-(ベンジルオキシ)-1-(トリフルオロメチル)シクロブタン-1-オール
THF中のTBAF(1M、2.84mL)を、THF(50mL)中の3-(ベンジルオキシ)シクロブタン-1-オン(5g、28.4mmol)及びトリメチル(トリフルオロメチル)シラン(5.03mL、34.1mmol)の撹拌溶液に、0℃(外部温度)で滴下して添加した。得られた混合物を0℃で2時間、次に、室温で一晩、撹拌した。さらにTHF中のTBAF(25.5mL)を添加し、混合物を室温で2時間、撹拌した。水(50mL)を添加し、混合物を食塩水(50mL)に注いだ。残渣をEtOAc(3x75mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(25mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)させた後、濾過し、真空で濃縮した。得られたオレンジ色の粗油をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中0-100%EtOAcを用いる勾配溶出)により精製して、標記化合物(6.5g、92%)を薄オレンジ色の油として得た。δ(250MHz、CDCl)7.42-7.27(m、5H)、4.44(s、2H)、3.88(p、J6.7Hz、1H)、2.91-2.74(m、2H)、2.56(s、1H)、2.32-2.15(m、2H)。
【0111】
中間体37
【化41】

[3-(ベンジルオキシ)-1-(トリフルオロメチル)シクロブトキシ](tert-ブチル)ジメチルシラン
トリフルオロメタンスルホン酸tert-ブチルジメチルシリル(6.16mL、30mmol)を、-78℃のDCM(60mL)中の中間体36(6g、24.4mmol)及び2,6-ジメチル-ピリジン(8.16mL、70mmol)の攪拌溶液に滴下した。混合物を-78℃で30分間、攪拌した後、一晩、室温までゆっくりと昇温させた。混合物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(60mL)で処理し、層を分離した。水相をDCM(60mL)でさらに抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空で濃縮した。残渣をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中0-100%EtOAcを用いる勾配溶出)により精製して、標記化合物(8.14g、93%)を淡黄色の油として得た。δ(250MHz、CDCl)7.45-7.27(m、5H)、4.43(s、2H)、3.82(p、J6.8Hz、1H)、2.92-2.74(m、2H)、2.35-2.17(m、2H)、0.90(s、9H)、0.14(s、6H)。
【0112】
中間体38
【化42】

3-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-3-(トリフルオロメチル)シクロブタン-1-オール
エタノール(163mL)中の中間体37(8.14g、22.6mmol)及び炭素上の10%パラジウム(水中50%、2.41g、11.3mmol)の攪拌混合物を水素ガス雰囲気下に置いた。反応混合物を室温で24時間、撹拌した後、セライトを通してろ過した。フィルターケーキをMeOH(3x50mL)で洗浄した。濾液を真空で濃縮した。得られた暗色の残渣をセライトで濾過し、フィルターケーキをMeOH(3x50mL)で洗浄した。濾液を真空で濃縮して、標記化合物(6.2g、98%)を不透明な淡黄色のワックスとして得た。δ(250MHz、CDCl)4.21-4.01(m、1H)、2.99-2.84(m、2H)、2.34-2.14(m、2H)、1.89(s、1H)、0.90(s、9H)、0.14(s、6H)。
【0113】
中間体39
【化43】

3-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-3-(トリフルオロメチル)シクロブタン-1-オン
デス・マーチン・ペルヨージナン(11.3g、26.9mmol)を、室温のDCM(175mL)中の中間体38(6.2g、22.2mmol)の撹拌溶液に添加した。混合物を室温で一晩、撹拌した後、DCM(50mL)で希釈し、セライトのパッドでろ過した。フィルターケーキをさらなるDCM(25mL)で洗浄し、濾液を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(100mL)に注いだ。層を分離し、水相をDCM(50mL)でさらに抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空で濃縮した。得られたワックス状結晶性固体をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中0-100%EtOAcを用いる勾配溶出)により精製して、標記化合物(5.71g、86%)を淡黄色の油として得た。δ(250MHz、CDCl)3.61-3.40(m、2H)、3.31-3.15(m、2H)、0.91(s、9H)、0.20-0.13(m、6H)。
【0114】
中間体40
【化44】

(R)-N-(3-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-3-(トリフルオロメチル)シクロブチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
チタン(IV)エトキシド(24.4mL、38.1mmol)を、窒素下で室温のTHF(100mL)中の中間体39(5g、18.6mmol)の撹拌溶液に添加した。混合物を10分間、撹拌し、次に、(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(4.52g、37.3mmol)を添加した。混合物を65℃で1.5時間、加熱し、次に、室温まで冷却した。混合物を食塩水(70mL)、EtOAc(200mL)及び水(35mL)で希釈し、次に、15分間、激しく撹拌した。有機層をデカントし、残りのエマルジョンを濾紙で濾過した。濾液をEtOAc(100mL)でさらに抽出した。合わせた有機相を食塩水(50mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)させた後、濾過し、真空で濃縮した。得られた黄色の粗シロップをシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中0-50%EtOAcを用いる勾配溶出)により精製して、標記化合物(5.5g、80%)を淡黄色の油として得た。δ(250MHz、CDCl)4.18-3.11(m、4H)、1.29-1.20(m、9H)、0.90(s、9H)、0.15(s、6H)。LCMS(ESI)[M+H]372.15、RT1.52分(方法8)。
【0115】
中間体41
【化45】

(R)-N-[1-(5-ブロモ-3-フルオロピリジン-2-イル)-3-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-3-(トリフルオロメチル)シクロブチル]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
ヘキサン中のn-ブチルリチウム(2.5M、3.47mL、8.66mmol)を、-70℃(内部温度)のDCM(140mL)中の2,5-ジブロモ-3-フルオロピリジン(2.17g、8.51mmol)の撹拌溶液に滴下して添加した。15分間、撹拌した後、DCM(14mL)中の中間体40(2.75g、7.4mmol)の溶液を滴下して添加した。攪拌を-70℃で2時間、維持した。混合物を約1.5時間かけて室温までゆっくりと加温した後、0℃に再冷却した。塩化アンモニウム飽和水溶液(100mL)を添加し、混合物を10分間、激しく撹拌した。層を分離し、水相をDCM(2x100mL)でさらに抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空で濃縮した。粗残渣をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中0-50%EtOAcを用いる勾配溶出)により精製して、標記化合物(1.68g、42%)を薄オレンジ色のとゴム状体として得た。δ(250MHz、CDCl)8.46(d、J6.7Hz、1H)、7.65-7.50(m、1H)、3.86(s、1H)、3.50-3.33(m、1H)、3.13-2.89(m、2H)、2.88-2.59(m、1H)、1.19-1.11(m、9H)、0.95-0.69(m、9H)、0.24-0.07(m、6H)。LCMS(ESI)[M+H]547.2、RT1.91分(方法9)。
【0116】
中間体42
【化46】

(R)-N-[3-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-1-{5-[(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-5-オキソ-5,6,7,14-テトラヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-11-イル]-3-フルオロピリジン-2-イル}-3-(トリフルオロメチル)シクロブチル]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
中間体4(886mg、1.84mmol)を、密閉可能な圧力容器内の室温の1,4-ジオキサン(10mL)中の中間体41(840mg、1.53mmol)の撹拌溶液に添加した。混合物を2Mの炭酸カリウム水溶液(2.3mL)で処理し、窒素で15分間パージした。XPhos(73mg、0.15mmol)及びXPhos Pd G2(121mg、0.15mmol)を添加し、容器を密閉した。混合物を100℃で4時間撹拌した後、室温まで冷却した。暗色の混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、食塩水(50mL)に注いだ。層を分離し、水相をEtOAc(2x25mL)でさらに抽出した。合わせた有機相を食塩水(25mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、次に、濾過し、真空で濃縮した。得られた暗色の残渣を、シリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中0-10%MeOHを用いる勾配溶出)により精製した。得られた薄茶色の粗泡状物を、さらなるシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中0-100%EtOAcを用いる勾配溶出)により精製して、標記化合物(1.00g、76%)をオフホワイトの泡状物として得た。δ(250MHz、CDCl)8.64(dd、J3.4、1.7Hz、1H)、8.49(d、J8.1Hz、1H)、7.82-7.30(m、6H)、7.19-6.53(m、1H)、6.35-6.21(m、1H)、5.04-4.94(m、1H)、3.94(s、1H)、3.53(s、3H)、3.49-3.39(m、1H)、3.17-2.67(m、4H)、1.30-1.22(m、1H)、1.22-1.12(m、9H)、1.00-0.63(m、9H)、0.25-0.05(m、6H)。LCMS(ESI)[M+H]822.4、RT2.22/2.26分(方法10)。
【0117】
中間体43
【化47】

(R)-N-[1-{5-[(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-5-オキソ-5,6,7,14-テトラヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-11-イル]-3-フルオロピリジン-2-イル}-3-ヒドロキシ-3-(トリフルオロメチル)シクロブチル]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
THF中のTBAF(1M、2.33mL、2.32mmol)を、室温のTHF(15mL)中の中間体42(1g、1.16mmol)の撹拌溶液に添加した。混合物を加温し、35℃で2時間、撹拌した。室温に冷却した後、混合物を水(25mL)に注ぎ、EtOAc(3x25mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(30mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、次に、濾過し、真空で濃縮した。得られたオフホワイトの固体(0.9g)をDMSO-MeOH(1:1;6mL)中に懸濁させた。得られた濃厚なペーストを真空で濃縮して、粗製標記化合物(0.82g)をオフホワイトの固体として得、これをさらに精製することなく利用した。LCMS(ESI)[M+H]708.4、RT3.11分(方法11)。
【0118】
中間体44
【化48】

(R)-N-[1-(5-ブロモピリミジン-2-イル)-3-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-3-(トリフルオロメチル)シクロブチル]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
ヘキサン中のn-ブチルリチウム(2.5M、5.09mL、12.7mmol)を、-70℃(内部温度)のDCM(230mL)中の5-ブロモ-2-ヨードピリミジン(3.56g、12.51mmol)の撹拌溶液に滴下して添加した。15分間、撹拌した後、DCM(20mL)中の中間体40(4.04g、10.9mmol)の溶液を滴下して添加した。攪拌を-70℃で2時間、維持した。この温度で、混合物を塩化アンモニウム飽和水溶液(150mL)でクエンチし、得られたスラリーをゆっくりと室温まで加温した。層を分離し、水相をDCM(100mL)でさらに抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空で濃縮した。得られた暗褐色の油/固体をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中0-100%EtOAcを用いる勾配溶出)により精製した。得られた部分的に精製された黄色の油を、逆相シリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸を含有する水中10-100%アセトニトリルを用いる勾配溶出)によりさらに精製して、標記化合物(0.51g、9%)を薄オレンジ色の油として得た。δ(250MHz、CDCl)8.81-8.74(m、2H)、4.48(d、J33.1Hz、1H)、3.90-2.64(m、4H)、1.23-1.15(m、9H)、0.97-0.70(m、9H)、0.22-0.05(m、6H)。LCMS(ESI)[M+H]530/532、RT1.53分(方法8)。
【0119】
中間体45
【化49】

(R)-N-[3-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-1-{5-[(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-5-オキソ-5,6,7,14-テトラヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-11-イル]ピリミジン-2-イル}-3-(トリフルオロメチル)シクロブチル]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
中間体4(552mg、1.15mmol)を、密閉可能な圧力容器内で室温の1,4-ジオキサン(7mL)中の中間体44(507mg、0.96mmol)の撹拌溶液に添加した。混合物を2Mの炭酸カリウム水溶液(1.44mL)で処理し、混合物を窒素で15分間パージした。XPhos(46mg、0.1mmol)及びXPhos Pd G2(75mg、0.1mmol)を添加し、容器を密閉した。混合物を100℃で4時間、撹拌した後、室温に冷却した。暗色の混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、食塩水(50mL)に注いだ。層を分離し、水相をEtOAc(2x25mL)でさらに抽出した。合わせた有機相を食塩水(25mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)させた後、濾過し、真空で濃縮した。得られた暗色の残渣(1.18g)をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中0-100%EtOAcを用いる勾配溶出)により精製した。得られた薄オレンジ色の粗泡状物を、逆相シリカのカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸を含有する水中10-100%アセトニトリルを用いる勾配溶出)によりさらに精製し、標記化合物(0.61g、79%)をオフホワイトのガラス状体として得た。δ(250MHz、CDCl)9.04-8.87(m、2H)、8.50(d、J8.1Hz、1H)、7.92-7.79(m、1H)、7.71(s、1H)、7.56-7.31(m、3H)、6.89(t、J72.7Hz、1H)、6.31(d、J7.2Hz、1H)、5.04(d、J7.2Hz、1H)、4.66-4.40(m、1H)、3.64(d、J14.8Hz、1H)、3.52(s、3H)、3.20-2.70(m、5H)、1.36-1.14(m、9H)、1.02-0.66(m、9H)、0.26-0.11(m、6H)。LCMS(ESI)[M+H]805.4、RT1.54分(方法8)。
【0120】
中間体46
【化50】

(R)-N-[1-{5-[(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-5-オキソ-5,6,7,14-テトラヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-11-イル]ピリミジン-2-イル}-3-ヒドロキシ-3-(トリフルオロメチル)シクロブチル]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
THF中のTBAF(1M、1.52mL)を、室温のTHF(10mL)中の中間体45(0.61g、0.76mmol)の攪拌溶液に添加した。混合物を室温で一晩、撹拌し、次に、水(35mL)に注いだ。残渣をEtOAc(3x35mL)で抽出した。合わせた有機相を水(30mL)及び食塩水(30mL)で洗浄した後、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空で濃縮して、標記化合物(0.474g、90%)をオフホワイトの固体として得た。δ(250MHz、CDOD)9.14-9.04(m、2H)、8.47-8.35(m、1H)、7.96-7.89(m、1H)、7.82(d、J8.5Hz、1H)、7.65(dd、J8.6、1.7Hz、1H)、7.63-7.03(m、3H)、6.49(d、J7.1Hz、1H)、5.26(d、J7.1Hz、1H)、4.59(s、1H)、3.73-3.57(m、1H)、3.52(s、3H)、3.43-3.36(m、1H)、3.10-2.87(m、3H)、2.75(d、J14.4Hz、1H)、1.33-1.19(m、9H)。LCMS(ESI)[M+H]691.25、RT1.10及び1.13分(方法8)。
【0121】
中間体47
【化51】

(R)-N-[3-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-1-{5-[(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-5-オキソ-5,6,7,14-テトラヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-11-イル]-3-フルオロピリジン-2-イル}-3-(トリフルオロメチル)シクロブチル]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
1,4-ジオキサン(10mL)中の中間体41(400mg、0.73mmol)及び(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-11-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン(WO2016/050975、中間体171)(383mg、0.8mmol)の攪拌溶液に2Mの炭酸カリウム水溶液(1.1mL)を添加した。反応混合物を窒素で脱気した後、XPhos(35mg、0.07mmol)及びXPhos Pd G2(57mg、0.07mmol)を添加した。反応混合物を、封管内で100℃にて2.5時間、加熱した。反応混合物を放冷した後、EtOAc(50mL)で希釈し、食塩水(2x25mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空で濃縮した。粗残渣をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(0-100%EtOAc/ヘプタン、続いて0-20%MeOH/EtOAcを用いる勾配溶出)で精製し、次に逆相シリカのカラムクロマトグラフィー(10-100%アセトニトリル/水+0.1%ギ酸を用いる勾配溶出)で精製し、標記化合物(469mg、72%)(シス/トランス異性体の4:5混合物)を白色の固体として得た。δ(500MHz、CDCl)8.62(dd、J7.2、1.6Hz、1H)、8.42(dt、J7.9、1.8Hz、1H)、7.79(dd、J8.3、6.6Hz、1H)、7.66(dd、J5.3、1.4Hz、1H)、7.61-7.52(m、1H)、7.49-7.36(m、3H)、7.09(t、J5.9Hz、1H)、6.87(t、J72.6Hz、1H)、6.37(dd、J7.2、4.2Hz、1H)、4.99-4.87(m、1H)、3.94(s、1H)、3.91-3.83(m、0.56H、多い方)、3.55-3.48(m、2H)、3.14-3.05(m、1H)、3.03-2.99(m、0.44H、少ない方)、2.90-2.86(m、1H)、2.86-2.69(m、1H)、1.18(s、4H、少ない方)、1.17(s、5H、多い方)、0.94(s、4H、少ない方)、0.70(s、5H、多い方)、0.19(d、J11.3Hz、2.67H、少ない方)、-0.01(d、J11.3Hz、3.33H、多い方)。
【0122】
中間体48
【化52】

(R)-N-[1-{5-[(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-5-オキソ-5,6,7,14-テトラヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-11-イル]-3-フルオロピリジン-2-イル}-3-ヒドロキシ-3-(トリフルオロメチル)シクロブチル]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
THF(6mL)中の中間体47(469mg、0.56mmol)の溶液に、THF中のTBAF(1M、1.11mL)を添加した。反応混合物を35℃で2時間、撹拌した後、冷却し、食塩水(50mL)で希釈し、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(3x50mL)で洗浄し、乾燥させた(NaSO)後、濾過し、真空で濃縮して、粗製標記化合物(440mg、定量的)をオフホワイトの粉末として得、それをさらに精製することなく使用した。δ(500MHz、CDCl)8.49(d、J23.5Hz、1H)、8.41-8.28(m、1H)、7.67(dd、J31.2、8.5Hz、1H)、7.57(dd、J13.3、1.4Hz、1H)、7.47(ddd、J12.0、6.2、1.8Hz、1H)、7.39-7.26(m、3H)、7.10-7.00(m、1H)、6.78(td、J72.7、4.2Hz、1H)、6.28(d、J7.2Hz、1H)、4.86(t、J6.5Hz、1H)、4.43-4.04(m、1H)、3.52-3.33(m、3H)、3.06-2.55(m、4H)、1.11(d、J4.1Hz、9H)。LCMS(ESI)[M+H]694.3、RT1.35及び1.40分(方法9)。
【0123】
中間体49
【化53】

3,3-ジメトキシシクロブタンカルボン酸メチル
3-オキソシクロブタンカルボン酸エチル(53g、372.8mmol)、オルトギ酸トリメチル(200mL、1830mmol)及び4-メチルベンゼンスルホン酸水和物(1:1)(7.09g、37.3mmol)をメタノール(500mL)中で混合し、1時間、攪拌しながら還流下で加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。残渣をジエチルエーテル(500mL)に溶解し、NaHCO飽和水溶液(400mL)で洗浄した。水相をジエチルエーテル(500mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空で濃縮した。残渣をヘプタンと共沸させて、残りのオルトギ酸トリメチルを除去し、標記化合物(71.5g、99%)を薄ベージュ色の油として得た。δ(500MHz、CDCl)3.69(s、3H)、3.17(s、3H)、3.15(s、3H)、2.88(m、1H)、2.48-2.32(m、4H)。
【0124】
中間体50
【化54】

3,3-ジメトキシ-1-メチルシクロブタンカルボン酸メチル
窒素雰囲気下で、2MのLDA溶液(108.5mL、THF中217mmol)を-78℃のTHF(300mL)に添加した。THF(50mL)中の中間体49(90%、35g、180.8mmol)の溶液を、-78℃の内部温度を維持しながら、25分間かけて滴下して添加した。完全に添加した後、混合物を30分間、撹拌し、次に、ヨードメタン(15mL、241mmol)を滴下して添加した。混合物を-78℃で30分間、攪拌し、その後、室温まで1時間かけて昇温させた。混合物をNHCl飽和水溶液(300mL)に注ぎ、ジエチルエーテル(2×500mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、次に、濾過し、蒸発乾固させた。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中40%EtOAc)により精製して、標記化合物(23g、57%)を淡黄色の油として得た。δ(250MHz、CDCl)3.70(s、3H)、3.16(s、3H)、3.13(s、3H)、2.68-2.55(m、2H)、2.13-1.99(m、2H)、1.43(s、3H)。
【0125】
中間体51
【化55】

ジデュウテリオ(3,3-ジメトキシ-1-メチルシクロブチル)メタノール
窒素雰囲気下、0℃(氷浴)のTHF(400mL)中のLiAlD4(5g、119mmol)の懸濁液に、THF(100mL)中の中間体50(27.2g、118.5mmol)の溶液を滴下して添加した。添加が完了すると、反応混合物を室温で一晩、撹拌し、次に、氷浴で冷却した。水(5mL)を攪拌しながら滴下して添加した。形成された懸濁液をTHF(150mL)で希釈し、続いて、15%NaOH水溶液(5mL)と水(15mL)を添加した。得られた懸濁液にNaSO(40g)を添加し、混合物を30分間、撹拌した。粒状懸濁液を濾過し、ジエチルエーテルですすぎ、次に、合わせた濾液を減圧下で濃縮して、標記化合物(23.8g、99%)を淡黄色の油として得た。δ(250MHz、CDCl)3.22-3.07(m、6H)、2.17-2.03(m、2H)、1.93-1.78(m、2H)、1.18(s、3H)。
【0126】
中間体52
【化56】

3-[ジデュウテリオ(ヒドロキシ)メチル]-3-メチルシクロブタノン
アセトン(240mL)及び水(80mL)中の中間体51(23.8g、117.3mmol)の撹拌溶液に、4-メチルベンゼンスルホン酸水和物(1:1)(5g、26.3mmol)を添加した。反応混合物を65℃で2時間、加熱した後、室温で一晩、放置した。アセトンを減圧下で除去した。得られた混合物を固体NaHCOでpH8に塩基性化し、DCM(5x130mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、フリット漏斗を通して濾過し、次に、減圧下で濃縮して、標記化合物(16g、94%)を薄茶色の油として得た。δ(250MHz、CDCl)3.12-2.92(m、2H)、2.79-2.57(m、2H)、1.69(s、1H)、1.36(s、3H)。
【0127】
中間体53
【化57】

3-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ(ジデュウテリオ)メチル}-3-メチルシクロブタノン
DMF(100mL)中の中間体52(16g、110mmol)の溶液に、1H-イミダゾール(15g、220mmol)及びtert-ブチル(クロロ)ジメチルシラン(22g、146mmol)を添加した。混合物を室温で一晩、撹拌し、次に、ジエチルエーテル(250mL)及び水(200mL)で希釈した。層を分離した後、水層をジエチルエーテル(250mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(3x80mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、次に、濾過し、真空で濃縮して、標記化合物(30g、97%)を薄茶色の油として得た。δ(250MHz、CDCl)3.13-2.94(m、2H)、2.70-2.51(m、2H)、1.29(s、3H)、0.89(s、9H)、0.06(s、6H)。
【0128】
中間体54
【化58】

N-(3-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ(ジデュウテリオ)メチル}-3-メチルシクロブチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
窒素雰囲気下、無水THF(250mL)中の中間体53(30g、107mmol)の溶液に、(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(15.53g、128.1mmol)、続いてチタン(IV)エトキシド(50mL、202.7mmol)を添加した。混合物を室温で24時間、撹拌した。さらなる部分の(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(2.8g、23.1mmol)及びチタン(IV)エトキシド(5mL、20.27mmol)を反応混合物に添加し、その後、65℃で4時間、攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水(13mL)を添加し、続いて、EtOAc(200mL)を添加した。反応混合物をセライトでろ過し、固体をEtOAcで十分に洗浄した。濾液をNaSOで乾燥させ、次に、濾過し、真空で蒸発させた。粗残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中5-20%EtOAc)で精製して、標記化合物(31.5g、84%)を黄色の油として得た。δ(500MHz、CDCl)3.47-3.16(m、1H)、3.13-2.83(m、2H)、2.71-2.55(m、1H)、1.25-1.21(m、12H)、0.91-0.87(m、9H)、0.05(s、6H)(E/Z異性体の1:1混合物)。
【0129】
中間体55
【化59】

N-[1-(5-ブロモピリミジン-2-イル)-3-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ(ジデュウテリオ)メチル}-3-メチルシクロブチル]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
窒素雰囲気下、無水DCM(1.25L)中の5-ブロモ-2-ヨードピリミジン(71.2g、250mmol)の溶液を-78℃に冷却した。この溶液に、カニューレを介して2.5Mのブチルリチウム溶液(ヘキサン中、100mL、250mmol)を、-68℃未満の内部温度に維持しながら、添加した。濃厚な懸濁液を20分間-78℃で撹拌した。無水DCM(100mL)中の中間体54(24g、68.3mmol)の溶液を、-68℃未満の内部温度に維持しながら添加した。添加後、混合物を10分間撹拌し、次に、NHCl飽和水溶液(400mL)及び水(100mL)を添加した。混合物を室温まで昇温させた後、有機相を分離し、水相をDCM(2x300mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、次に、濾過し、真空で蒸発させた。粗残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中20-100%EtOAc)で精製し、ヘプタンから再結晶させた。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中20-35%EtOAc)によりさらに精製して、標記化合物(0.93g)を白色の固体として得た。δ(500MHz、CDCl)8.70(s、2H)、4.34(s、1H)、2.80-2.74(m、1H)、2.44-2.35(m、2H)、2.26-2.20(m、1H)、1.13(s、9H)、0.97(s、3H)、0.86-0.83(m、9H)、0.00(s、6H)。
【0130】
中間体56
【化60】

N-(cis-3-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ(ジデュウテロ)メチル}-1-{5-[(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-5-オキソ-5,6,7,14-テトラヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-11-イル]ピリミジン-2-イル}-3-メチルシクロブチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
1,4ジオキサン(5mL)及び水(1.5mL)中の中間体55(1.36g、2.51mmol)、(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-11-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン(WO2016/050975、中間体171)(1.32g、2.51mmol)及びリン酸カリウム三塩基性(2.13g、10mmol)を窒素で脱気した後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.12g、0.13mmol)及びトリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロボラート(0.11g、0.3mmol)を添加した。反応混合物を100℃で16時間、加熱した後、水(5mL)で希釈し、EtOAc(3×15mL)で抽出した。有機相を合わせ、飽和食塩水(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、次に、濾過し、真空で蒸発させた。得られた褐色の油を、55g KP-NHカラムを使用したカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中50-100%EtOAc、続いてEtOAc中0-15%MeOH)により精製し、標記化合物(1.68g、94%)を黄色い粉末として得た。δ(500MHz、DMSO-d)9.15(d、J6.8Hz、1H)、9.08(s、2H)、8.23(dd、J7.7、1.6Hz、1H)、7.84-7.67(m、3H)、7.64(dd、J8.6、1.7Hz、1H)、7.55-7.47(m、2H)、6.37(d、J7.1Hz、1H)、5.64(s、1H)、4.90(t、J6.8Hz、1H)、3.54-3.45(m、1H)、2.75(d、J13.3Hz、1H)、2.70(d、J12.3Hz、1H)、2.46-2.40(m、3H)、1.07(s、9H)、0.94(s、3H)、0.89(s、9H)、0.07(d、J0.8Hz、6H)。LCMS(ESI+)[M+H]753.4、RT1.87分(方法1)。
【0131】
中間体57
【化61】

N-[cis-3-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-1-{5-[(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-5-オキソ-5,6,7,14-テトラヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-11-イル]ピリミジン-2-イル}-3-メチルシクロブチル]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
中間体56について説明した実験手順に従って、中間体32及び(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-11-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]-ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン(WO2016/050975、中間体171)から調製した。LCMS(ESI+)[M+H]751.2、RT3.20分(方法1)。
【0132】
中間体58
【化62】

N-[1-(5-ブロモ-3-フルオロピリジン-2-イル)-3-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ(ジデュウテリオ)メチル}-3-メチルシクロブチル]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
中間体55について説明した実験手順に従って、中間体54及び2,5-ジブロモ-3-フルオロピリジンから調製した。δ(500MHz、CDCl)8.41-8.35(m、1H)、7.47(dd、J9.9、1.9Hz、1H)、3.76(s、1H)、2.70(d、J12.9Hz、1H)、2.48-2.38(m、2H)、2.37-2.30(m、1H)、1.07(s、9H)、0.87(s、3H)、0.85(s、9H)、0.00(s、6H)。LCMS(ESI+)[M+H]509.05、RT1.67分(方法1)。
【0133】
中間体59
【化63】

N-(cis-3-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ(ジデュウテロ)メチル}-1-{5-[(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-5-オキソ-5,6,7,14-テトラヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-11-イル]-3-フルオロピリジン-2-イル}-3-メチルシクロブチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
中間体56について説明した実験手順に従って、中間体58及び(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-11-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン(WO2016/050975、中間体171)から調製した。δ(500MHz、DMSO-d)9.14(d、J6.8Hz、1H)、8.73-8.62(m、1H)、8.23(dd、J7.8、1.5Hz、1H)、7.89(dd、J12.2、1.8Hz、1H)、7.86-7.54(m、4H)、7.54-7.47(m、2H)、6.36(d、J7.1Hz、1H)、5.46(s、1H)、4.89(t、J6.8Hz、1H)、3.49(dt、J13.4、6.9Hz、1H)、2.74(d、J13.3Hz、1H)、2.68-2.57(m、2H)、2.48-2.41(m、2H)、1.04(s、9H)、0.90(s、9H)、0.87(s、3H)、0.07(d、J1.2Hz、6H)。LCMS(ESI+)[M+H]770.3、RT1.60分(方法1)。
【0134】
例1
【化64】

cis-3-アミノ-3-{5-[(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-5-オキソ-5,6,7,14-テトラヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-11-イル]ピリミジン-2-イル}-1-メチルシクロブタンカルボニトリル
MeOH(5mL)に溶解した中間体5(178mg、0.24mmol)に、1,4-ジオキサン中の4Mの塩化水素(hydrochloric acid)(0.31mL)を添加した。反応混合物を室温で90分間、撹拌した後、溶媒を真空で除去した。得られた褐色のガラス状体を、シリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(100%DCMから25%MeOH/DCMを用いる勾配溶出)により精製した。得られたシス及びトランス異性体の混合物を分取HPLCにより精製して、標記化合物(9mg、7%)を白色の固体として得た。δ(300mHz、DMSO-d)9.07(s、2H)、8.32-8.20(m、1H)、7.96-7.40(m、6H)、6.31(d、J7.1Hz、1H)、5.26(d、J7.1Hz、1H)、3.52(dt、J14.1、7.4Hz、1H)、3.36(s、3H)、2.88-2.75(m、3H)、2.64-2.57(m、2H)、1.46(s、3H)。LCMS(ES+)[M+H]542.0、RT1.766分(方法1)。LCMS(ES+)[M+H]542.2、RT1.43分(方法2)。
【0135】
例2
【化65】

cis-3-アミノ-3-{5-[(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-5-オキソ-5,6,7,14-テトラヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-11-イル]ピリミジン-2-イル}-1-メチルシクロブタンカルボニトリル
1,4-ジオキサン(5mL)に溶解した中間体6(50mg、0.079mmol)に、1,4-ジオキサン(5mL)中の4Mの塩化水素(hydrochloric acid)を添加した。反応混合物を室温で1時間、撹拌した後、EtOAc(10mL)と0.5Mの塩酸(10mL)との間に分離した。水層をDCM(2x10mL)で洗浄した後、炭酸ナトリウム水溶液で塩基性化し、DCMに抽出した。有機層を真空で濃縮した。得られた白色の粗固体(シス及びトランス異性体の混合物)を分取HPLCにより精製して、標記化合物(12mg、29%)を得た。δ(300MHz、DMSO-d)9.15(d、J6.8Hz、1H)、9.07(s、2H)、8.23(dd、J5.7、3.7Hz、1H)、7.97-7.43(m、6H)、6.36(d、J6.9Hz、1H)、4.90(t、J6.8Hz、1H)、3.59-3.39(m、1H)、2.85-2.68(m、3H)、2.65-2.57(m、2H)、1.46(s、3H)。LCMS(ES+)[M+H]528.0、RT1.69分(方法1)。
【0136】
例3
【化66】

cis-3-アミノ-3-{5-[(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-5-オキソ-5,6,7,14-テトラヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-11-イル]-3-フルオロピリジン-2-イル}-1-メチルシクロブタンカルボニトリル
中間体8(120mg、0.181mmol)を1,4-ジオキサン中の4Mの塩化水素(hydrochloric acid)(5mL)に溶解した。反応混合物を1時間撹拌した。ジエチルエーテルを添加し、沈殿物を濾過して、標記化合物(82mg、81%)(7%のトランス異性体を含む)を白色の固体として得た。δ(300mHz、DMSO-d)8.99(s、3H)、8.84(t、J1.8Hz、1H)、8.28(p、J4.3Hz、1H)、8.20(dd、J12.3、1.8Hz、1H)、7.95-7.43(m、6H)、6.31(d、J7.1Hz、1H)、5.28(d、J7.0Hz、1H)、3.61-3.49(m、1H)、3.36(s、3H)、3.33-3.13(m、4H)、2.86(d、J13.8Hz、1H)、1.29(s、3H)。LCMS(ES+)[M+H]559.0、RT1.93分(方法1)。LCMS(ES+)[M+H]559.0、1.71分(方法2)。
【0137】
例4
【化67】

cis-3-アミノ-3-{5-[(7R,14R)-1-(ジフルオロメトキシ)-5-オキソ-5,6,7,14-テトラヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-11-イル]-3-フルオロピリジン-2-イル}-1-メチルシクロブタンカルボニトリル
中間体9(102mg、0.157mmol)を1,4-ジオキサン(5mL)に溶解し、1,4-ジオキサン中の4Mの塩化水素(hydrochloric acid)(5mL)で処理した。反応混合物を1時間、撹拌した。ジエチルエーテルを添加し、形成された沈殿物をろ過した。粗残渣(シス異性体とトランス異性体の混合物、81mg)を分取HPLCにより精製して、標記化合物(11mg、13%)を得た。δ(300MHz、DMSO-d)9.15(d、J6.9Hz、1H)、8.62(t、J1.8Hz、1H)、8.23(dd、J6.4、3.0Hz、1H)、7.99-7.44(m、7H)、6.35(d、J7.1Hz、1H)、4.89(t、J6.7Hz、1H)、3.49(dt、J13.4、7.2Hz、1H)、2.85-2.71(m、3H)、2.68-2.59(m、2H)、2.38(s、2H)、1.35(s、3H)。LCMS(ES+)[M+H]545.0、RT1.79分(方法1)。LCMS(ES+)[M+H]545.2、RT1.38分(方法2)。
【0138】
例5
【化68】

(7R,14R)-11-{6-[(1S,2R)-1-アミノ-2-メチルシクロブチル]-5-フルオロピリジン-3-イル}-1-(ジフルオロメトキシ)-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン又は(7R,14R)-11-{6-[(1R,2S)-1-アミノ-2-メチルシクロブチル]-5-フルオロピリジン-3-イル}-1-(ジフルオロメトキシ)-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン
アセトニトリル(10mL)に溶解した中間体12(135mg、0.22mmol)に2Mの塩酸(10mL)を添加した。反応混合物を真空で濃縮し、2Mの水酸化ナトリウム水溶液(30mL)で処理した。混合物をDCM(3x20mL)で抽出した。有機層を合わせて、真空で濃縮した。粗残渣をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中0-20%MeOHを用いる勾配溶出)により精製し、標記化合物(112mg、100%)を白色固体として得た。δ(300MHz、DMSO-d)9.15(d、J6.8Hz、1H)、8.60(t、J1.9Hz、1H)、8.23(dd、J6.5、3.0Hz、1H)、7.95-7.42(m、7H)、6.36(d、J7.1Hz、1H)、4.89(t、J6.8Hz、1H)、3.48(dq、J13.9、7.0Hz、1H)、2.83-2.67(m、2H)、2.61-2.52(m、1H)、2.01-1.82(m、4H)、1.80-1.63(m、1H)、1.14(d、J6.8Hz、3H)。LCMS(ES+)[M+H]520.0、RT1.68分(方法1)。LCMS(ES+)[M+H]520.2、RT1.45分(方法2)。
【0139】
例6
【化69】

(7R,14R)-11-[2-(1-アミノシクロブチル)ピリミジン-5-イル]-1-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン
1,4-ジオキサン(25mL)中の中間体17(18.0g、29.9mmol)の溶液に、1,4-ジオキサン中の4Mの塩化水素(hydrochloric acid)(40mL)を添加した。得られた混合物を室温で1時間撹拌し、次に、真空で濃縮した。残渣を水(500mL)に溶解し、EtOAc(2x300mL)で洗浄した。水層を2Nの水酸化ナトリウム水溶液でpH9に塩基性化して、固体の沈殿物を得た。EtOAc(500mL)を添加し、すべての固体が溶解するまで混合物を撹拌した。残渣を分配し、次に、水層をEtOAc(500mL)でさらに抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、次に、真空で濃縮し、高真空下で一晩、乾燥させた。泡状の残渣をジエチルエーテルとヘキサンの混合物(150mL)に懸濁させ、次に、撹拌し、激しく振とうした後、真空で濃縮して、標記化合物(12.4g、83%)を白色のアモルファスの固体として得た。δ(400MHz、DMSO-d)9.05(s、2H)、8.32-8.22(m、1H)、7.91-7.66(m、3H)、7.62(dd、J8.5、1.8Hz、1H)、7.53-7.46(m、2H)、6.31(d、J7.1Hz、1H)、5.26(d、J7.2Hz、1H)、3.52(dt、J14.2、7.3Hz、1H)、3.36(s、3H)、2.84(d、J13.8Hz、1H)、2.63(dtd、J11.5、5.6、2.5Hz、2H)、2.38(s、2H)、2.16-2.05(m、2H)、2.04-1.91(m、1H)、1.87-1.73(m、1H)。LCMS(ES+APCI)[M-NH486.0、RT1.66分(方法2)。LCMS(ES+)[M+H]503.0、RT1.71分(方法1)。
【0140】
例7
【化70】

(7R,14R)-11-[6-(cis-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)-5-フルオロピリジン-3-イル]-1-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン
1,4-ジオキサン中の塩化水素(hydrochloric acid)(4.0m、100mL、400mmol)を、MeOH(290mL)中の中間体24(44.6g、58.1mmol)の攪拌溶液に添加した。反応混合物を室温で3時間、撹拌した後、DCM(400mL)で希釈した。水(400mL)を添加した後、層を分離した。有機層を2Nの塩酸(2x200mL)で抽出した。合わせた水性抽出物をDCMで2回洗浄した。水層を固体の炭酸カリウムでアルカリ性にし、余分の水を添加した。水性懸濁液をDCM/MeOH混合物(約1:1)で3回抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空で濃縮した。粗残渣をジエチルエーテルで粉砕し、混合物を60時間、撹拌した。ベージュ色の固体を濾過により収集し、次に、ジエチルエーテルで洗浄し、空気流で乾燥させて、標記化合物(26.5g、83%)を得た。δ(400MHz、DMSO-d)8.62(s、1H)、8.31-8.23(m、1H)、7.92-7.86(m、1H)、7.77-7.72(m、2H)、7.70(t、J71.9Hz、1H)、7.60(d、J9.3Hz、1H)、7.52-7.48(m、2H)、6.30(d、J7.1Hz、1H)、5.25(d、J7.1Hz、1H)、5.01(s、1H)、3.56-3.47(m、1H)、3.36(s、3H)、2.86(t、J13.3Hz、3H)、2.26-2.18(m、4H)、1.00(s、3H)。LCMS[M+H]550、RT2.37分(方法7)。
【0141】
例8
【化71】

(7R,14R)-11-[6-(cis-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)-5-フルオロピリジン-3-イル]-1-(ジフルオロメトキシ)-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン
中間体25(930mg、1.23mmol)をエタノール(20mL)に溶解し、1,4-ジオキサン中の4Mの塩化水素(hydrochloric acid)(5mL)を0℃で添加した。反応混合物を室温まで昇温させ、一晩撹拌し、次に、真空で濃縮した。残渣を1Mの塩酸に再溶解し、DCMで2回洗浄した。水層を2Mの水酸化ナトリウム水溶液でpH10に塩基性化し、DCMで3回(portions)抽出した。有機相を合わせて、真空で濃縮した。粗残渣をシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(0-100%EtOAc/ヘキサン、続いて0-20%MeOH/[MeOH/DCM中10%7Nアンモニア]を用いる勾配溶出)で精製し、標記化合物(580mg、88%)を得た。δ(300MHz、DMSO-d)9.15(d、J6.8Hz、1H)、8.62(d、J2.3Hz、1H)、8.23(dd、J6.7、2.8Hz、1H)、7.98-7.80(m、1H)、7.79-7.65(m、3H)、7.64-7.38(m、3H)、6.36(d、J7.0Hz、1H)、5.00(s、1H)、4.89(t、J6.7Hz、1H)、3.49(dt、J13.4、7.1Hz、1H)、2.87(d、J11.7Hz、2H)、2.75(d、J13.3Hz、1H)、2.22(t、J6.0Hz、4H)、1.00(s、3H)。LCMS(ES+)[M+H]536.0、RT1.52分(方法1)。LCMS(ES+)[M+H]536.2、RT1.26分(方法2)。
【0142】
例9
【化72】

(7R,14R)-11-{2-[cis-1-アミノ-3-(ヒドロキシメチル)-3-メチルシクロブチル]ピリミジン-5-イル}-1-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン
1,4-ジオキサン中の塩化水素(hydrochloric acid)(4.0M、34.3mL、137mmol)を、MeOH(114mL)中の中間体33(17.5g、22.9mmol)の攪拌溶液に添加した。反応混合物を室温で2時間、攪拌した後、DCM(200mL)及び水(200mL)を添加した。層を分離し、有機層を2Nの塩酸(2x100mL)で抽出した。合わせた水相をDCM(2x100mL)で洗浄した後、固体の炭酸カリウムでアルカリ性にした。水性懸濁液をDCM/MeOH混合物(約1:1;4x150mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空で濃縮した。粗残渣をジエチルエーテルで粉砕し、一晩、撹拌した。懸濁液を濾過し、風乾して、標記化合物(11.3g、90%)を薄ベージュ色の固体として得た。δ(400MHz、DMSO-d)9.06(s、2H)、8.30-8.25(m、1H)、7.78(d、J8.5Hz、1H)、7.75(s、1H)、7.69(t、J73.3Hz、1H)、7.63(d、J8.5Hz、1H)、7.50(d、J5.7Hz、2H)、6.31(d、J7.1Hz、1H)、5.26(d、J7.1Hz、1H)、3.57-3.48(m、1H)、3.45(s、2H)、3.36(s、3H)、2.84(d、J13.8Hz、1H)、2.46(d、J12.6Hz、2H)、2.09(d、J12.8Hz、2H)、1.07(s、3H)。LCMS[M+H]547、RT2.45分(方法7)。
【0143】
例10
【化73】

(7R,14R)-11-{6-[cis-1-アミノ-3-(ヒドロキシメチル)-3-メチルシクロブチル]-5-フルオロピリジン-3-イル}-1-(ジフルオロメトキシ)-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン
中間体35(347mg、0.45mmol)をエタノール(10mL)に溶解し、1,4-ジオキサン中の4Mの塩化水素(hydrochloric acid)(2.5mL)を0℃で添加した。反応混合物を室温まで加温し、一晩、攪拌した。反応混合物を真空で濃縮し、1Mの塩酸に再溶解し、DCMで2回洗浄した。水層を2Mの水酸化ナトリウム水溶液でpH10に塩基性化し、DCMで3回(portions)抽出した。有機相を合わせて、真空で濃縮した。粗残渣をシリカで精製し(0-100%EtOAc/ヘキサン、次に、0-50%DCM/[MeOH中10%7Nアンモニア]を用いる勾配溶出)、標記化合物(194mg、78%)を得た。δ(300MHz、DMSO-d)9.15(d、J6.8Hz、1H)、8.62(t、J1.8Hz、1H)、8.23(dd、J6.5、2.8Hz、1H)、7.96-7.39(m、7H)、6.36(d、J7.1Hz、1H)、4.89(t、J6.8Hz、1H)、3.57-3.45(m、1H)、3.43(s、2H)、2.75(d、J13.2Hz、1H)、2.49-2.43(m、2H)、2.14(d、J12.6Hz、2H)、0.94(s、3H)。LCMS(ES+)[M+H]550.0、RT1.68分(方法1)。LCMS(ES+)[M+H]550.2、RT1.46分(方法2)。
【0144】
例11
【化74】

(7R,14R)-11-{6-[cis-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(トリフルオロメチル)シクロブチル]-5-フルオロピリジン-3-イル}-1-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン
1,4-ジオキサン中の塩化水素(4M、8.72mL)を、1,4-ジオキサン(15mL)中の中間体43(823mg、1.16mmol)の撹拌溶液に室温で添加した。混合物を0.5時間、撹拌し、次に、真空で濃縮した。得られたオフホワイトの固体をMeOH(10mL)に溶解し、イオン交換カートリッジ(SCX-2)に入れ、これをMeOH(2×15mL)で洗浄した。物質をMeOH中の2.0Mのアンモニア(3x15mL)で溶出した。濾液を真空で濃縮した。粗残渣(トランス及びシス異性体の混合物、642mg)を逆相シリカのフラッシュカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸を含有する水中10-23%アセトニトリルを用いる勾配溶出)にかけて、最初の溶出画分(トランス異性体、295mg)を不透明なゴム状体として得、これを1:1のアセトニトリル-水(4mL)に懸濁し、1Mの塩酸(538μL)で処理した。得られた溶液を凍結乾燥させて、トランス異性体(298mg、42%)を無色の固体として得た。2番目の溶出画分(シス異性体)を真空で濃縮し、分取HPLC(0.1%ギ酸を含有する水中0-100%アセトニトリルを用いる溶出)で再精製した。得られたオフホワイトの固体(一ギ酸塩)をMeOH(15mL)に溶解し、イオン交換カラム(SCX-2)に入れた。物質をMeOH(2x15mL)で洗浄し、MeOH中の2.0Mのアンモニア(3x15mL)で溶出した。濾液を真空で濃縮した。得られた不透明なガラス状体(遊離塩基、147mg)を1:1のアセトニトリル-水(4mL)中に懸濁し、1Mの塩酸(268μL)で処理した。得られた溶液を凍結乾燥させて、標記化合物(シス異性体、144mg、21%)を無色の固体として得た。δ(500MHz、CDOD)8.84(d、J1.5Hz、1H)、8.46-8.39(m、1H)、8.07(dd、J12.1、1.8Hz、1H)、8.04(d、J1.3Hz、1H)、7.90(d、J8.6Hz、1H)、7.83(dd、J8.6、1.6Hz、1H)、7.57-7.52(m、2H)、7.51-7.21(m、1H)、6.64(d、J7.2Hz、1H)、5.48(d、J7.2Hz、1H)、3.75-3.65(m、1H)、3.58(d、J15.1Hz、2H)、3.51(s、3H)、3.05(d、J13.9Hz、1H)、2.76(d、J15.3Hz、2H)。LCMS(ESI)[M+H]604.2、RT2.04分(方法11)。
【0145】
例12
【化75】

(7R,14R)-11-{2-[cis-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(トリフルオロメチル)シクロブチル]ピリミジン-5-イル}-1-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン
1,4-ジオキサン中の塩化水素(4M、5.15mL)を、1,4-ジオキサン(10mL)中の中間体46(474mg、0.69mmol)の撹拌溶液に周囲温度で添加した。混合物を2時間撹拌した後、真空で濃縮した。得られた粗オフホワイトの固体をMeOH(10mL)に溶解し、イオン交換カラム(SCX-2)に入れ、MeOH(2x25mL)で洗浄した。物質をMeOH中の2.0Mのアンモニア(3x15mL)で溶出した。濾液を真空で濃縮した。分取HPLC(アセトニトリル中0-100%ギ酸の溶液を用いる溶出)による粗残渣(トランス及びシス異性体の混合物、396mg)の精製により、最初に溶出する画分(トランス異性体)を得、これを真空で濃縮した後、MeOH(5mL)に溶解し、イオン交換カラム(SCX-2)に入れた。カラムをMeOH(2x15mL)で洗浄し、物質をMeOH中の2.0Mのアンモニア(3x15mL)で溶出した。濾液を真空で濃縮した。得られた不透明なガラス状体(遊離塩基、215mg)を1:1のアセトニトリル-水(4mL)に懸濁し、1Mの塩酸(400μL)で処理した。得られた溶液を凍結乾燥して、トランス異性体(203mg、47%)を無色の固体として得た。2番目に溶出する画分(シス異性体)を真空で濃縮し、次に、MeOH(5mL)に溶解し、イオン交換カラム(SCX-2)に入れた。カラムをMeOH(2x15mL)で洗浄し、物質をMeOH中の2.0Mのアンモニアで溶出した(3x15mL)。濾液を真空で濃縮した。得られた不透明なガラス状体(遊離塩基、118mg)を1:1のアセトニトリル-水(2mL)中に懸濁し、1Mの塩酸(222μL)で処理した。得られた溶液を凍結乾燥させて、標記化合物(シス異性体、118mg、24%)を無色の固体として得た。δ(500MHz、CDOD)9.19(s、2H)、8.44-8.36(m、1H)、8.00(d、J1.2Hz、1H)、7.89(d、J8.6Hz、1H)、7.81-7.72(m、1H)、7.54-7.49(m、2H)、7.49-7.21(m、1H)、6.59(d、J7.1Hz、1H)、5.42(d、J7.2Hz、1H)、3.72-3.64(m、1H)、3.58-3.53(m、2H)、3.51(s、3H)、3.01(d、J13.9Hz、1H)、2.67-2.59(m、2H)。LCMS(ESI)[M+H]587.2、RT1.95分(方法11)。
【0146】
例13
【化76】

(7R,14R)-11-{6-[cis-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(トリフルオロメチル)シクロブチル]-5-フルオロピリジン-3-イル}-1-(ジフルオロメトキシ)-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン
1,4-ジオキサン(8mL)中の中間体48(440mg、0.55mmol)の溶液に、1,4-ジオキサン中の4Mの塩化水素(4.14mL)を添加した。反応混合物を室温で1時間、撹拌した後、真空で濃縮した。粗残渣を、DCM/MeOHのイオン交換カラム(SCX-2)に入れた。カラムをMeOH(50mL)で洗浄し、生成物をMeOH中の2Mのアンモニア(50mL)で溶出した。粗物質(トランス異性体とシス異性体の混合物、350mg)を分取HPLCにより精製した。シス異性体を含む画分を1:1のアセトニトリル-水(4mL)中に懸濁し、1,4-ジオキサン中の4Mの塩化水素(300μL)で処理した。溶液を凍結乾燥して、標記化合物(塩酸塩、132mg、38%)をオフホワイトの粉末として得た。δ(500MHz、CDOD)8.82(t、J1.6Hz、1H)、8.36(dd、J7.2、2.2Hz、1H)、8.04(dd、J12.2、1.8Hz、1H)、7.95(d、J1.3Hz、1H)、7.82(d、J8.5Hz、1H)、7.70(dd、J8.6、1.7Hz、1H)、7.58-7.17(m、3H)、6.60(d、J7.1Hz、1H)、5.15-5.05(m、1H)、3.66-3.53(m、3H)、2.93(d、J13.5Hz、1H)、2.79-2.71(m、2H)。LCMS(ESI)[M+H]590.1、RT1.65分(方法11)。
【0147】
例14
【化77】

(7R,14R)-11-(2-{cis-1-アミノ-3-[ヒドロキシ(ジデュウテロ)メチル]-3-メチルシクロブチル}ピリミジン-5-イル)-1-(ジフルオロメトキシ)-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン
1,4-ジオキサン(5mL)中の中間体56(500mg、0.66mmol)の攪拌溶液に、1,4-ジオキサン中の4Mの塩化水素(0.66mL)を添加した。反応混合物を室温で18時間、撹拌した後、減圧下で濃縮した。得られたオフホワイトの固体を、20g SCX-2カートリッジ(メタノール中2Mのアンモニアを用いる溶出)を使用して精製した。得られたオフホワイトの固体を、逆相カラムクロマトグラフィー(水(+0.1%ギ酸)中10~60%アセトニトリル)でさらに精製した。関連する画分を合わせ、溶媒を減圧下で除去した。得られた無色のゴム状体を1:1のアセトニトリル:水に懸濁し、1MのHCl(1.3当量)を添加した。得られた溶液を凍結乾燥させて、標記化合物である塩酸塩(199mg)を白色の粉末として得た。δ(500MHz、DMSO-d)9.22(s、2H)、9.19(d、J6.9Hz、1H)、8.77(s、3H)、8.26-8.20(m、1H)、7.87-7.54(m、4H)、7.55-7.49(m、2H)、6.40(d、J7.1Hz、1H)、4.96(t、J6.9Hz、1H)、3.54-3.48(m、1H)、2.78(d、J13.3Hz、1H)、2.62(d、J14.0Hz、2H)、2.53-2.51(m、2H)、1.21(s、3H)。LCMS(ESI+)[M+H]535.3、RT2.25分(方法1)。
【0148】
例15
【化78】

(7R,14R)-11-{2-[cis-1-アミノ-3-(ヒドロキシメチル)-3-メチルシクロブチル]ピリミジン-5-イル}-1-(ジフルオロメトキシ)-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン
0℃のエタノール(12mL)中の中間体57(180mg、0.24mmol)の溶液に、1,4-ジオキサン中の4Mの塩化水素(hydrochloric acid)(2.5mL、10mmol)を添加した。反応混合物を室温まで加温し、一晩、撹拌し、次に、真空で濃縮した。残渣を1MのHCl水溶液に再溶解し、DCM(2x2.5mL)で洗浄した。水層を2MのNaOH水溶液でpH10に塩基性化し、DCM(2x2.5mL)で抽出した。有機相を合わせて、真空で濃縮した。粗残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0-100%EtOAc、続いてDCM中0-20%MeOH及び10%7Nアンモニア)により精製し、標記化合物(62mg、49%)を白色の固体として得た。δ(300MHz、DMSO-d)9.15(d、J6.8Hz、1H)、9.05(s、2H)、8.23(dd、J5.9、3.6Hz、1H)、7.81-7.66(m、2H)、7.77(t、J48Hz、1H)、7.61(dd、J8.5、1.8Hz、1H)、7.55-7.41(m、2H)、6.37(d、J7.1Hz、1H)、5.50(brs、1H)、4.90(t、J6.7Hz、1H)、3.50(dd、J13.6、6.9Hz、1H)、3.45(s、2H)、2.75(d、J13.5Hz、1H)、2.44(d、J12.9Hz、2H)、2.09(d、J12.9Hz、2H)、1.07(s、3H)。LCMS(ESI+)[M+H]533、RT1.51分(方法1)。
【0149】
例16
【化79】

(7R,14R)-11-(6-{cis-1-アミノ-3-[ヒドロキシ(ジデュウテロ)メチル]-3-メチルシクロブチル}-5-フルオロピリジン-3-イル)-1-(ジフルオロメトキシ)-6,7-ジヒドロ-7,14-メタノベンズイミダゾ[1,2-b][2,5]ベンゾジアゾシン-5(14H)-オン
中間体59(130mg、0.17mmol)を1,4-ジオキサン(3mL)に溶解し、1,4-ジオキサン中の4Mの塩化水素(hydrochloric acid)(0.9mL)を添加した。混合物を10分間、撹拌した後、メタノール(3mL)で希釈し、2時間撹拌した。混合物を真空で濃縮し、残渣を10g SCXカートリッジ(メタノール中2Mのアンモニアを用いる溶出)で精製した。残渣を1:1のアセトニトリル:水(約5mL)に溶解し、次に、HCl水溶液(1.2当量)で処理し、凍結乾燥して、標記化合物である塩酸塩(80mg、79%)をオフホワイトの固体として得た。δ(500MHz、DMSO-d)9.16(d、J6.9Hz、1H)、8.85-8.77(m、1H)、8.67(s、3H)、8.24(dd、J6.3、3.1Hz、1H)、8.15(dd、J12.7、1.8Hz、1H)、7.87-7.54(m、4H)、7.54-7.48(m、2H)、6.37(d、J7.1Hz、1H)、4.93(t、J6.8Hz、1H)、3.53-3.48(m、1H)、2.77(d、J13.3Hz、1H)、2.75-2.69(m、2H)、2.57(d、J13.5Hz、2H)、1.08(s、3H)。LCMS(ESI+)[M+H]552.5、RT1.99分(方法1)。
【手続補正書】
【提出日】2022-06-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記を含む、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を調製する方法
【化1】

式中、
XはN又はC-Fを表し;
は水素又はメチルを表し;
は水素、メチル又はトリフルオロメチルを表し;そして
は、水素、シアノ、ヒドロキシ又はヒドロキシメチルを表す;
下記式(III)の化合物を下記式(IV)の化合物と反応させること:
【化2】

式中、
は脱離基を表し、
はボロン酸部分-B(OH)又は有機ジオールで形成されたその環状エステルを表し、
はN-保護基を表す;
前記反応は遷移金属触媒の存在下で行われ、
その後必要に応じて、N-保護基Rは除去される。
【請求項2】
脱離基Lがハロゲン原子である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
脱離基Lが臭素である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
N-保護基Rがtert-ブトキシカルボニル又はtert-ブチルスルフィニルである、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
N-保護基Rが酸処理により除去される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
遷移金属触媒がトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、もしくは[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、又はクロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)である、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
遷移金属触媒が2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル又はトリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロボラートと組み合わせて用いられる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
式(III)の化合物と式(IV)の化合物との反応が、リン酸カリウム又は炭酸カリウムの存在下で行われる、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
がピナコールにより形成されたボロン酸部分-B(OH)の環状エステルであり、式(IV)の化合物がビス-(ピナコラト)ジボロンを式(V)の化合物と反応させることにより調製される、請求項1~8のいずれかに記載の方法:
【化3】

式中、Lは脱離基を表し;
前記反応は遷移金属触媒の存在下で行われる。
【請求項10】
以下から選択される化合物。
【化4】

【化5】

【化6】
【外国語明細書】