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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022118407
(43)【公開日】2022-08-15
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/2406 20180101AFI20220805BHJP
【FI】
H01R4/2406
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021014902
(22)【出願日】2021-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】519135633
【氏名又は名称】公立大学法人大阪
(71)【出願人】
【識別番号】391048049
【氏名又は名称】滋賀県
(71)【出願人】
【識別番号】591030020
【氏名又は名称】株式会社フジックス
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100170542
【弁理士】
【氏名又は名称】桝田 剛
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 秀也
(72)【発明者】
【氏名】吉本 佳世
(72)【発明者】
【氏名】谷村 泰宏
(72)【発明者】
【氏名】三宅 肇
(72)【発明者】
【氏名】上田中 隆志
(72)【発明者】
【氏名】伴野 統哉
(72)【発明者】
【氏名】福元 綾真
【テーマコード(参考)】
5E012
【Fターム(参考)】
5E012AA26
(57)【要約】
【課題】従来の被覆導線だけでなく、繊維内部に設けられた導線(導電部)に対しても安定的かつ簡易に接続を形成可能なコネクタを提供する。
【解決手段】本発明の一側面に係るコネクタは、被覆された導線と接続するためのコネクタであって、基部と、基部の一面に設けられる導電部と、を備える。導電部は、導電性を有する複数の針により構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被覆された導線と接続するためのコネクタであって、
基部と、
前記基部の一面に設けられる導電部と、
を備え、
前記導電部は、導電性を有する複数の針により構成される、
コネクタ。
【請求項2】
前記複数の針のうち少なくとも一部は、一方向に並んで配置される、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記複数の針のうち少なくとも一部の間隔は、前記導線の径よりも短くなるように構成されている、
請求項1又は2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記複数の針それぞれの太さは、根本よりも先端側が短くなるように構成されている、
請求項1から3のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記基部の前記一面側に配置される筐体部であって、前記複数の針を受け入れる凹部を有する筐体部を更に備える、
請求項1から4のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記筐体部の前記凹部の幅は、開口側よりも底部側の方が狭くなるように構成される、
請求項5に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記筐体部の前記凹部は、前記開口側よりも前記底面側の方が辺の短い断面台形状に形成されていることで、前記開口側よりも前記底面側の方が前記凹部の前記幅が狭くなるように構成される、
請求項6に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記複数の針それぞれの長さは、前記筐体部の前記凹部から外側に突き抜けるように構成される、
請求項5から7のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項9】
被覆された導線と接続するためのコネクタであって、
第1電極と、
第2電極と、
導電部と、
を備え、
前記導線は、前記第1電極及び前記第2電極の間に配置され、端部の断面において被覆から露出するように構成されており、
前記導電部は、前記第1電極及び前記第2電極に電気的に接続され、かつ前記導線の前記断面に塗布される導電性ペーストにより構成される、
コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
衣料及び電子機器が融合したウェアラブルコンピュータは、スマートテキスタイル又はe-テキスタイルとも呼ばれ、医療、情報管理等の様々な目的に応じて色々な製品開発が進んでいる。このスマートテキスタイル分野において、電子機器及び電源の間、電子機器同士等の配線を行うために、多くのケースで被覆導線が用いられる。被覆導線は、被覆内部に導線(導電部)を有している。テキスタイルへの適合性を考慮した場合、一般的な被覆導線では、衣料の柔軟性、人体の動きへの追随性、屈曲に伴う疲労等の点で問題が生じる可能性がある。
【0003】
そこで、テキスタイルに好適な導線として、繊維を用いた導線の開発が進んでいる。例えば、特許文献1~5では、繊維表面に金属メッキを施すことで、導電性を有する繊維糸を製造する方法が提案されている。ただし、これらの方法では、繊維表面に導電性の金属が配置される。そのため、配線として利用する際には、繊維糸を覆う絶縁性の被覆を更に用意することになる。この問題点を解決するため、繊維内部に導電部を有し、絶縁性を有する異種のポリマーでその導電部の周囲を被覆することで構成される繊維導線の開発が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-144762号公報
【特許文献2】特開2010-106316号公報
【特許文献3】特開2010-100934号公報
【特許文献4】特開2007-254764号公報
【特許文献5】特開2007-056287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
導線との接続方法として、例えば、はんだ付け、被覆の剥離等の方法が挙げられる。しかしながら、本件発明者らは、この従来の接続方法には、次のような問題があることを見出した。すなわち、繊維で被覆された導線に対してはんだ付けを行った場合、はんだ付けの処理の温度が繊維(樹脂)の融点よりも高くなってしまい、これによって、導電部内部の繊維が溶融し、安定的な接続を形成するのが困難である可能性がある。これを回避する方法として、導電部外側の繊維被覆のみを剥離し、剥離された部分で導電部との接続を形成する方法が考えられる。しかしながら、導電部外側の繊維被覆のみを剥離する工程を、スマートウェアを縫製する作業に加えると、当該作業が複雑になってしまい、製造コストの増大を招く可能性がある。
【0006】
本発明は、一側面では、このような事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、従来の被覆導線だけでなく、繊維内部に設けられた導線(導電部)に対しても安定的かつ簡易に接続を形成可能なコネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
【0008】
すなわち、本発明の一側面に係るコネクタは、被覆された導線と接続するためのコネクタであって、基部と、前記基部の一面に設けられる導電部と、を備える。そして、前記導電部は、導電性を有する複数の針により構成される。当該構成に係るコネクタは、導電部を構成する各針を被覆導線に向けて差し込み、被覆内の導線に各針を物理的に接触させることで、導線との接続を形成することができる。差し込みによる接続は、はんだ付けのような熱処理を伴わないため、安定的な接続を形成することができる。また、単純な差し込み作業は、導電部(導線)外側の被覆のみを剥離する作業に比べて容易である。したがって、当該構成によれば、従来の被覆導線だけでなく、繊維内部に設けられた導線に対しても安定的かつ簡易に接続を形成可能なコネクタを提供することができる。
【0009】
上記一側面に係るコネクタにおいて、前記複数の針のうち少なくとも一部は、一方向に並んで配置されてよい。上記一側面に係るコネクタにおいて、前記複数の針のうち少なくとも一部の間隔は、前記導線の径よりも短くなるように構成されてよい。各構成によれば、導電部を構成する各針と被覆内部の導線とを接触し易くし、これにより、接続を形成し易くすることができる。
【0010】
上記一側面に係るコネクタにおいて、前記複数の針それぞれの太さは、根本よりも先端側が短くなるように構成されてよい。当該構成によれば、被覆導線に対する各針の差し込み作業をし易くすることができる。
【0011】
上記一側面に係るコネクタは、前記基部の前記一面側に配置される筐体部であって、前記複数の針を受け入れる凹部を有する筐体部を更に備えてよい。当該構成では、筐体部の凹部に被覆導線を入れた後にコネクタの各針を凹部に差し入れることで、被覆導線に対する各針の差し込み作業を達成することができる。このとき、コネクタの各針を差し込む目安が筐体部により与えられる(すなわち、凹部内に被覆導線が捕らえられている)ため、当該各針の差し込み作業をし易くすることができる。また、被覆導線を筐体部の凹部にまとめることで、導電部を構成する各針と被覆内部の導線とを接触し易くし、これにより、接続を形成し易くすることができる。
【0012】
上記一側面に係るコネクタにおいて、前記筐体部の前記凹部の幅は、開口側よりも底部側の方が狭くなるように構成されてよい。上記一側面に係るコネクタにおいて、前記筐体部の前記凹部は、前記開口側よりも前記底面側の方が辺の短い断面台形状に形成されていることで、前記開口側よりも前記底面側の方が前記凹部の前記幅が狭くなるように構成されてよい。各構成によれば、複数の被覆導線を凹部に入れた際に、開口側よりも底部側で被覆導線が密集するようにし、コネクタの各針の差し込みから被覆導線が逃げ難いようにすることができる。その結果、導電部を構成する各針と被覆内部の導線とを接触し易くし、これにより、接続を形成し易くすることができる。
【0013】
上記一側面に係るコネクタにおいて、前記複数の針それぞれの長さは、前記筐体部の前記凹部から外側に突き抜けるように構成されてよい。当該構成によれば、使用時に各針が筐体部から突き抜けるようにすることができ、この突き抜けた部分により、例えば、他の導線、デバイス等との接続を形成することができる。
【0014】
また、本発明の一側面に係るコネクタは、被覆された導線と接続するためのコネクタであって、第1電極と、第2電極と、導電部と、を備える。前記導線は、前記第1電極及び前記第2電極の間に配置され、端部の断面において被覆から露出するように構成される。そして、前記導電部は、前記第1電極及び前記第2電極に電気的に接続され、かつ前記導線の前記断面に塗布される導電性ペーストにより構成される。当該構成に係るコネクタは、導電部を構成する導電性ペーストが、被覆導線の断面において被覆から露出した導線と物理的に接触することで、導線との接続を形成することができる。導電性ペーストの塗布は、はんだ付けのような高温の処理を伴わないため、安定的な接続を形成することができる。また、被覆導線の単純な切断作業により導線の露出する断面を形成することができる。つまり、断面を形成する作業及びペーストを塗布する作業は、導電部(導線)外側の被覆のみを剥離する作業に比べて容易である。したがって、当該構成によれば、従来の被覆導線だけでなく、繊維内部に設けられた導線に対しても安定的かつ簡易に接続を形成可能なコネクタを提供することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、従来の被覆導線だけでなく、繊維内部に設けられた導線に対しても安定的かつ簡易に接続を形成可能なコネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、第1実施形態に係るコネクタの構成の一例を模式的に例示する断面図である。
図2A図2Aは、第1実施形態に係るコネクタの使用時の状態の一例を模式的に例示する断面図である。
図2B図2Bは、第1実施形態に係るコネクタの使用時の状態の一例を模式的に例示する側面図である。
図3図3は、被覆導線の一例を模式的に例示する断面図である。
図4図4は、第1実施形態に係るコネクタの構成の他の一例を模式的に例示する断面図である。
図5図5は、図4に示されるコネクタの使用時の状態の一例を模式的に例示する断面図である。
図6図6は、被覆導線の他の一例を模式的に例示する断面図である。
図7図7は、第2実施形態に係るコネクタの構成の一例を模式的に例示する側面図である。
図8図8は、第1実施形態及び第2実施形態の両コネクタを使用した接続方法の一例を模式的に例示する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一側面に係る実施形態を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する各実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。各実施形態に関して、種々の改良及び変形が行われてよい。本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0018】
[第1実施形態]
(構成例)
図1は、第1実施形態に係るコネクタ1の構成の一例を模式的に例示する断面図である。図2A及び図2Bは、第1実施形態に係るコネクタ1の使用時の状態の一例を模式的に例示する断面図及び側面図である。
【0019】
第1実施形態に係るコネクタ1は、被覆された導線と接続するために使用されるものである。図2A及び図2Bの例では、導電性繊維2内に設けられた導電部21と接続を形成するためにコネクタ1を使用する場面が模式的に示されている。導電性繊維2は、被覆導線の一例であり、導電部21は、導線の一例である。図1図2A及び図2Bに示されるとおり、コネクタ1は、基部10、及び導電部11を備えている。導電部11は、基部10の一面に設けられる。
【0020】
第1実施形態では、導電部11は、導電性を有する複数の針110により構成される。針110の数は、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。また、針110の配置も、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。一例では、複数の針110のうちの少なくとも一部は、一方向に並んで配置されてよい。各図に示される一例では、複数の針110は、左右方向及び前後方向に平面的に並んで配置されている。その他の一例では、図1を上方から見た場合に、各針110は、円の円周部から当該円の中心に至るまで円形状に配置されてよい。
【0021】
各針110の間隔は、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。一例では、複数の針110のうち少なくとも一部の間隔は、導線(図2A及び図2Bの例では、導電性繊維2)の径よりも短くなるように構成されてよい。全ての針110の間隔は、一定であってもよい。或いは、少なくとも一部の針110の間隔は、異なっていてもよい(すなわち、少なくとも部分的に一定の間隔でなくてもよい)。
【0022】
図1図2A及び図2Bの例では、基部10には、電極12が設けられている。電極12は、導電部11(各針110)と電気的に連結し、導通するように構成される。電極12は、基部10のいずれの方向からアクセス可能に構成されてよい。図1図2A及び図2Bの例では、電極12は、基部10の一面に対向する基部10の他の面(すなわち、導電部11を設ける面と反対側の面)から突出するように形成されている。これにより、電極12は、基部10の当該他の面側からアクセス可能に構成されている。電極12には、例えば、他の導線、デバイス等が接続されてよい。
【0023】
一例では、コネクタ1は、筐体部15を更に備える。筐体部15は、基部10の一面側、すなわち、導電部11が設けられる側に配置される。筐体部15は、被覆導線及び複数の針110を受け入れるように構成される凹部150を有している。図1図2A及び図2Bの例では、凹部150は、基部10の一面と対向する面(各図の筐体部15の上側の面)側が開口することで、基部10から延びる各針110を受け入れるように構成されている。
【0024】
図2A及び図2Bに示されるように、筐体部15の凹部150が複数の針110を受け入れる際、各針110は、凹部150の開口側から底部側に向けて差し込まれるように配置される。一方、被覆導線(導電性繊維2)は、各針110の差し込み方向とは交差する方向に沿うように配置される。つまり、凹部150において、各針110及び被覆導線は、各針110の差し込み方向(各針110の延びる方向)と被覆導線の延びる方向とが交差するように配置される。
【0025】
なお、図2A及び図2Bの例では、各針110の差し込み方向は、上下方向である。一方、被覆導線の延びる方向は、図2Aでは紙面に垂直な方向であり、図2Bでは左右方向である。被覆導線は、各針110に対して垂直な方向に交差するように配置されている。ただし、交差する方向は、このような例に限定されなくてよい。各針110及び被覆導線は、垂直ではない角度で交差するように配置されてよい。
【0026】
被覆導線の延びる方向における凹部150の端部は、閉じていてもよいし、或いは解放されていてもよい。被覆導線の延びる方向における凹部150の端部が閉じている場合、少なくとも一方の端部には、凹部150内に被覆導線を受け入れるための開口が設けられてもよい。
【0027】
コネクタ1の上記各構成要素の形状及び寸法は、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。図1図2A及び図2Bに示される一例では、基部10は扁平状に形成されており、電極12は凸状に形成されている。導電部11の各針110の太さ(径)は、根本よりも先端側が短くなるように構成されている。なお、各図の例では、各針110のテーパ部は直線状である。各針110のテーパ部の勾配は一定である。しかしながら、先端側が根本よりも短くなる形状は、このような例に限定されなくてよい。各針110のテーパ部の勾配は一定でなくてもよい。また、各針110のテーパ部は湾曲していてもよい。
【0028】
更に、図1図2A及び図2Bに示される一例では、筐体部15は、直方体状に形成されている。凹部150は、開口側よりも底面側の方が辺の短い断面台形状に形成されていることで、開口側よりも底面側の方が凹部150の幅が狭くなるように構成されている。凹部150の幅は、各針110を受け入れる方向(図2Aの上下方向)及び被覆導線を沿わせる方向(図2Aの紙面に垂直な方向)に対して垂直な方向、すなわち、図2Aの左右方向の長さである。なお、図1及び図2Aの例では、凹部150の断面台形状は、等脚台形状である。しかしながら、凹部150の断面台形状は、このような例に限定されなくてよく、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。
【0029】
凹部150の平面寸法は、導電部11の各針110の分布範囲よりもやや広くなるように構成されてよい。これにより、全ての針110を凹部150で受け入れることができる。凹部150の深さ(図1及び図2Aの上下方向の長さ)及び各針110の長さは、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。一例では、各針110の長さは、各針110の先端が凹部150の底部に到達しないように構成されてよい。その他の一例では、各針110の長さは、各針110の先端が凹部150の底部に到達するが、底部から外部に突き抜けないように構成されてよい。これにより、各針110は、凹部150内に収容されるようにすることができる。なお、凹部150内に各針110を収容する際、凹部150の開口は、基部10により閉じられてよい。また、上記他の一例のとおり、複数の針110が円形状に配置される場合、凹部150は、針110の配置に応じて円錐台形の形状に形成されてよい。この場合、凹部150は、底部の面積が上部よりも小さい形状となるように構成されてよい。
【0030】
(材料)
コネクタ1の各構成要素の材料は、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。基本的に、導電部11(各針110)及び電極12には、導電性を有する材料が用いられ、基部10及び筐体部15には、絶縁性を有する材料が用いられる。各針110には、例えば、タングステン、白金、金、ステンレス、イリジウム等が用いられてよい。或いは、各針110には、これら金属類、ダイカスト等の構成物に銀、金等をめっき又はコーティングすることで生成された物等が用いられてよい。電極12には、例えば、タングステン、白金、金、ステンレス、イリジウム等が用いられてよい。或いは、電極12には、これら金属類、ダイカスト等の構成物に銀、金等をめっき又はコーティングすることで生成された物等が用いられてよい。
【0031】
基部10及び筐体部15には、例えば、絶縁体となる合成樹脂(シリコーン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリ乳酸、ポリテトラフルオロエチレン、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル等)やエンジニアリングプラスチック(ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート等)並びにゴム類が用いられてよい。ただし、各構成要素の材料は、この例に限定されなくてよい。導電部11及び電極12の一部には絶縁性を有する材料が用いられてよく、基部10及び筐体部15の一部には導電性を有する材料が用いられてよい。
【0032】
(製造方法)
第1実施形態に係るコネクタ1を製造する方法の一例として、基部10及び筐体部15は、絶縁体となる構成樹脂又はエンジニアリングプラスチック及びゴム類等を材料するシート状の形態に、各針110の頭部を挿入する穴を開けることで得られてよい。また、各針110を適宜用意し、基部10の一面に、各針110を挿入することで、導電部11が形成されてよい。更に、基部10の内部において、各針110と接触するシート状の金属導電部を配置する。当該金属導電部は、上記樹脂により挟み込まれた形態を採っていてよく、基部10に電極12を形成する際に、この金属導電部との接続を確保する形態に電極12が固定されてよい。また、針110をダイカスト等で形成する場合、各針110の先端部をスパッタ法、蒸着法、金属めっき等の方法によって、被覆してよい。以上により、コネクタ1を製造することができる。
【0033】
(被覆導線)
図3は、コネクタ1を使用する対象となる導電性繊維2の構成の一例を模式的に例示する断面図である。具体的には、図3は、導電性繊維2の延びる方向に垂直な方向における導電性繊維2の断面を例示する。
【0034】
導電性繊維2は、芯部20、導電部21、及び被覆部22を備える。芯部20は、導電性繊維2の中心に設けられる。導電部21は、芯部20の周囲を覆うように設けられる。被覆部22は、導電部21の周囲を覆うように設けられる。すなわち、導電部21は、芯部20及び被覆部22の界面に形成される。
【0035】
なお、図3の例では、芯部20が中心に設けられているため、導電部21は、被覆部22内の中央に配置されている。しかしながら、各構成要素の配置は、このような例に限定されなくてよい。芯部20の位置は中心からずれていてもよく、これにより、導電部21は、被覆部22内の中央からずれた位置に配置されてもよい。また、芯部20は、断面円形状に形成され、導電部21及び被覆部22は、断面円環状に形成されている。しかしながら、各構成要素の形状は、このような例に限定されなくてよく、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。
【0036】
芯部20及び被覆部22は、異種のポリマーにより形成されてよい。異種のポリマーには、例えば、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリフェニレンサルファイド、超高分子量ポリエチレン、液晶ポリエステル、アラミド、ポリパラフェニレン・ベンゾビス・オキサゾール等が用いられてよい。
【0037】
一例では、原糸の芯部20となる繊維内には、カーボン材及び還元された際に触媒として機能する金属となる物質の少なくとも一方が内填されていてよい。カーボン材には、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ナノカーボン材等が用いられてよい。また、還元により金属触媒となる物質には、例えば、パラジウム、銅、コバルト、プラチナ、チタン、ニッケル、鉄等の金属の有機金属錯体(例えば、有機パラジウム錯体、酸化スズ、酸化パラジウム、塩化パラジウム等)、これら金属の酸化物、塩化物等が用いられてよい。なお、芯部20の材料は、このような例に限定されなくてよい。他の一例では、芯部20となる繊維内には、カーボン材及び還元により金属触媒となる物質が内填されていなくてよい。
【0038】
この導電性繊維2は、次のようにして製造することができる。まず、芯部20及び被覆部22を構成する原糸を用意し、用意した原糸を使用して撚糸作業を行うことで、芯部20及び被覆部22の二層構造を有する撚り糸を形成する。還元により金属触媒となる物質を芯部20の原糸に内填した場合には、撚り糸を形成した後に、水素還元処理等の還元処理を行うことで、芯部20内に金属触媒を形成する。
【0039】
次に、超臨界流体又は亜臨界流体下で、形成された撚り糸内に有機金属錯体(例えば、有機パラジウム錯体等)を注入する。一例では、超臨界流体又は亜臨界流体には、二酸化炭素が用いられてよい。他の一例では、超臨界流体又は亜臨界流体には、水、窒素、アンモニア、酸素、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、エチレン、プロピレン、アセチレン、エチルエーテル、エチルメチルケトン、ベンゼン、トルエン、ピリジン、又はこれらのうちの2種以上の組み合わせが用いられてよい。
【0040】
注入する有機金属錯体は、配位する中心の金属が触媒活性を示すものであれば、特に限定されなくてよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。一例として、金、白金、パラジウム、ニッケル、銀、銅、鉄、チタン、亜鉛、アルミニウム、スズ、ロジウム、ルテニウム、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、カドミウム、コバルト、インジウム、イットリウム、バリウム、ガリウム、スカンジウム、ジルコニウム、タンタル、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、オスミウム、イリジウム、タリウム、ルビジウム、セシウム、バナジウム、鉛、ニオブ、クロム、リチウム、カリウム及びランタノイド族57番~71番の元素からなる群より選ばれる1種以上の金属を含有する有機金属錯体が用いられてよい。
【0041】
そして、水素還元処理等の還元処理を行うことで、注入した有機金属錯体を金属に還元する。これにより、芯部20の界面に導電部21を形成することができる。カーボン材及び還元により金属触媒となる物質の少なくとも一方を芯部20に内填させた場合には、形成される導電部21は、芯部20内に存在するカーボン材及び金属触媒と共に連続した導電経路を構成することができる。
【0042】
以上の工程により、導電性繊維2を製造することができる。なお、処理温度によっては、注入した有機金属錯体が十分に還元されない場合がある。この場合には、反応剤による還元処理を追加で行ってもよい。反応剤には、例えば、水素、テトラヒドロホウ酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、過酸化水素、ヒドロキノン等が用いられてよい。また、場合によって、被覆部22の染色処理を行ってもよい。
【0043】
(使用方法)
まず、コネクタ1及び導電性繊維2を用意する。コネクタ1は、基部10及び筐体部15を離した状態(すなわち、各針110が凹部150に収容されていない状態)にする。次に、筐体部15の凹部150内に、導電性繊維2を配置する。凹部150内に入れる導電性繊維2の本数は、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。図2A及び図2Bに示されるとおり、複数の導電性繊維2を凹部150内に配置してもよい。
【0044】
そして、導電部11を構成する各針110を凹部150内に差し入れる。このとき、複数の針110のうちの少なくとも一部が導電性繊維2の被覆部22内に差し込まれ、内部の導電部21と物理的に接触するようにする。これにより、針110及び電極12を介して、導電部21との接続を形成することができる。
【0045】
なお、コネクタ1を使用する対象となる被覆導線は、導電性繊維2に限られなくてよい。他の一例では、コネクタ1は、金属線で構成された導線をビニル等の絶縁体で被覆することで構成された一般的な被覆導線に上記導電性繊維2と同様の方法で使用されてよい。これにより、コネクタ1は、一般的な被覆導線であっても、当該導線との接続を形成することができる。
【0046】
(特徴)
以上のとおり、第1実施形態に係るコネクタ1は、導電部11を構成する各針110を被覆導線に向けて差し込み、被覆内の導線に各針110を物理的に接触させることで、導線との接続を形成することができる。差し込みによる接続は、はんだ付けのような熱処理を伴わないため、安定的な接続を形成することができる。また、単純な差し込み作業は、導線外側の被覆(図2A及び図2Bの例では、導電部21外側の被覆部22)のみを剥離する作業に比べて容易である。したがって、第1実施形態に係るコネクタ1によれば、従来の被覆導線だけでなく、繊維内部に設けられた導線に対しても安定的かつ簡易に接続を形成可能である。
【0047】
また、第1実施形態の一例では、複数の針110のうちの少なくとも一部は、一方向に並んで配置されてよい。複数の針110のうち少なくとも一部の間隔は、被覆導線(図2A及び図2Bの例では、導電性繊維2)の径よりも短くなるように構成されてよい。これらによれば、導電部11を構成する各針110から被覆導線を逃げ難く(例えば、針110の間に被覆導線が挟まれ難く)し、これにより、各針110と被覆内部の導線(導電部21)とを接触し易くすることができる。その結果、導線との接続を形成し易くすることができる。
【0048】
また、第1実施形態の一例では、各針110の太さは、根本よりも先端側が短くなるように構成されてよい。これにより、各針110の先端を鋭利にすることができ、その結果、被覆導線に対する各針110の差し込み作業をし易くすることができる。
【0049】
また、第1実施形態の一例では、コネクタ1は、凹部150を有する筐体部15を備える。これにより、上記使用方法のとおり、筐体部15の凹部150に被覆導線を入れた後に各針110を凹部150に差し入れることで、被覆導線に対する各針110の差し込み作業を達成することができる。このとき、凹部150内に被覆導線が捉えられているため、各針110を差し込む目安が筐体部15により与えられ、各針110の差し込み作業をし易くすることができる。また、被覆導線を凹部150にまとめることで、各針110と被覆内部の導線(導電部21)とを接触し易くし、これにより、導線との接続を形成し易くすることができる。
【0050】
また、第1実施形態の一例では、凹部150の幅は、開口側よりも底部側の方が狭くなるように構成される。当該構成によれば、複数の被覆導線を凹部150に入れた際に、開口側よりも底部側で被覆導線が密集するようにし、コネクタ1の各針110の差し込みから被覆導線が逃げ難いようにすることができる。その結果、各針110と被覆内部の導線とを接触し易くし、これにより、導線との接続を形成し易くすることができる。
【0051】
<変形例>
以上、本発明の第1実施形態について説明したが、前述までの第1実施形態の説明は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。上記第1実施形態には、種々の改良及び変形が行われてよい。上記第1実施形態の各構成要素に関して、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が行われてもよい。また、上記第1実施形態の各構成要素の形状及び寸法は、実施の形態に応じて適宜変更されてよい。例えば、以下のような変更が可能である。なお、以下では、上記第1実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、上記第1実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。以下の変形例は適宜組み合わせ可能である。
【0052】
上記第1実施形態では、電極12は、基部10の他の面から突出するように凸状に形成されている。しかしながら、電極12の形状は、このような例に限定されなくてよい。他の一例では、電極12は、凹状又は平坦状に形成されてよい。また、上記第1実施形態において、コネクタ1は、基部10の他の面以外の面(例えば、側面)から導電部11にアクセス可能に構成されてもよい。
【0053】
上記第1実施形態では、各針110の太さは、根本よりも先端側が短くなるように構成されている。しかしながら、各針110の形状は、このような例に限定されなくてよい。他の一例では、各針110の太さは一様であってよい。その他の一例では、各針110は、先端部が尖っており、その他の部分の太さが一様であるように形成されてもよい。
【0054】
上記第1実施形態では、各針110の長さ及び凹部150の深さは、凹部150内に各針110が収容されるように構成されている。しかしながら、各針110の長さ及び凹部150の深さの関係は、このような例に限定されなくてよい。
【0055】
図4は、変形例に係るコネクタ1Aの構成の一例を模式的に例示する断面図である。図5は、変形例に係るコネクタ1Aの使用時の状態の一例を模式的に例示する断面図である。図4及び図5に示されるように、導電部11Aを構成する各針110Aの長さは、差込方向(凹部150の深さ方向)の筐体部15の長さよりも長くなっている。これにより、各針110Aの長さは、筐体部15の凹部150から外側に突き抜けるように構成されている。この点を除き、コネクタ1Aは、上記コネクタ1と同様に構成されてよい。
【0056】
本変形例によれば、使用時に各針110Aが筐体部15から外側に突き抜けるようにすることができ、この突き抜けた部分(各針110Aの先端部分)により、例えば、他の導線、デバイス等との接続を形成することができる。一例として、図5Aに示されるとおり、電子デバイスの電極25に各針110Aの先端を突き刺すことで、電子デバイスと導電部21との間の接続を形成することができる。なお、この変形例の場合、電極12は、コネクタ1Aの構成から省略されてよい。
【0057】
上記第1実施形態において、開口側よりも底部側で幅が狭くなる凹部150の形状は、断面台形状に限られなくてよい。他の一例では、凹部150は、例えば、断面すり鉢状等の湾曲した辺を含む形状に形成されることで、開口側よりも底部側で幅が狭くなるように構成されてよい。また、上記第1実施形態において、凹部150の形状は、開口側よりも底部側で幅が狭くなる形状に限られなくてよい。凹部150は、例えば、直方体状等の形状に形成されてよい。また、上記第1実施形態において、筐体部15は省略されてよい。
【0058】
上記第1実施形態では、導電性繊維2内に設けられた芯部20及び導電部21の組み合わせは1組である。つまり、被覆内の導線の本数は1本である。しかしながら、被覆内の導線の本数は、このような例に限定されなくてよい。
【0059】
図6は、本変形例に係る導電性繊維2Aの一例を模式的に例示する断面図である。導電性繊維2A内には、芯部20及び導電部21の組み合わせが5組設けられている。このように、被覆内には、複数本の導線が設けられてよい。なお、導線の本数は、5本に限られなくてよく、2~4本であってもよいし、或いは6本以上であってもよい。
【0060】
[第2実施形態]
図7は、第2実施形態に係るコネクタ3の構成の一例を模式的に例示する側面図である。第2実施形態に係るコネクタ3は、上記第1実施形態と同様に、被覆された導線と接続するために使用されるものである。図7の例では、被覆導線の一例として導電性繊維2にコネクタ3を使用した場面が模式的に示されている。
【0061】
コネクタ3は、第1電極30、第2電極31、及び導電部32を備える。各電極(30、31)の形状及び寸法は、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。各電極(30、31)には、例えば、タングステン、白金、金、ステンレス、イリジウム、構成物(例えば、これら金属類、ダイカスト等)に銀、金等をめっき又はコーティングすることで生成された物等の導電性を有する材料が用いられる。ただし、各電極(30、31)の材料は、このような例に限定されなくてよい。一例では、導電部32等の導電経路と接触する部分以外の各電極(30、31)の一部には、絶縁性を有する材料が用いられてよい。
【0062】
導線は、第1電極30及び第2電極31の間に配置され、端部の断面において被覆から露出するように構成される。図7の例では、導電性繊維2が、端部の断面において被覆部22から導電部21が露出した状態で第1電極30及び第2電極31の間に配置されている。導電部32は、第1電極30及び第2電極31に電気的に接続され、かつ導線の断面に塗布される導電性ペーストにより構成される。導電性ペーストには、例えば、金又は銀の粒子、カーボン材(カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ナノカーボン材等)等を樹脂中にフィラーとして分散したもの、コロイド状のグラファイトを水に分散したもの等が用いられてよい。
【0063】
(製造方法)
まず、端部において被覆から導線(導電部21)が露出した状態の被覆導線を用意する。一例では、導電性繊維2を単純に切断することで、導電部21の露出した端部を形成することができる。次に、第1電極30及び第2電極31の間に導線の露出した端部を挟むようにして被覆導線を配置する。そして、第1電極30、第2電極31及び端部で露出した導線それぞれに接触するように導電性ペーストを塗布し、導電部32を形成する。導電性ペーストを塗布する方法には、例えば、導電性繊維を束ねた状態で切断することで露出させた繊維断面に導電性ペーストを塗布する等の方法が採用されてよい。以上により、コネクタ3を製造することができる。また、導電部32を構成する導電性ペーストが第1電極30、第2電極31及び導線(導電部21)に接触していることで、導線(導電部21)との接続を形成することができる。
【0064】
なお、コネクタ3を使用する対象となる被覆導線は、導電性繊維2に限られなくてよい。他の一例では、コネクタ3は、金属線で構成された導線をビニル等の絶縁体で被覆することで構成された一般的な被覆導線に上記導電性繊維2と同様の方法で使用されてよい。これにより、コネクタ3は、一般的な被覆導線であっても、当該導線との接続を形成することができる。
【0065】
(特徴)
以上のとおり、第2実施形態に係るコネクタ3は、導電部32を構成する導電性ペーストが、被覆導線の断面において被覆から露出した導線と物理的に接触することで、導線との接続を形成することができる。導電性ペーストの塗布は、はんだ付けのような高温の処理を伴わないため、上記導電性繊維2を用いる場合であっても、同繊維を溶融させることなく、安定的な接続を形成することができる。また、被覆導線の単純な切断作業により導線の露出する断面を形成することができる。つまり、断面を形成する作業及びペーストを塗布する作業は、導線(導電部21)外側の被覆(被覆部22)のみを剥離する作業に比べて容易である。したがって、第2実施形態に係るコネクタ3よれば、従来の被覆導線だけでなく、繊維内部に設けられた導線に対しても安定的かつ簡易に接続を形成可能である。
【0066】
なお、前述までの第2実施形態の説明は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。上記第2実施形態には、種々の改良及び変形が行われてよい。上記第2実施形態の各構成要素に関して、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が行われてもよい。また、上記第2実施形態の各構成要素の形状及び寸法は、実施の形態に応じて適宜変更されてよい。
【0067】
(第1実施形態及び第2実施形態の使用例)
図8は、第1実施形態及び第2実施形態の両コネクタ(1、3)を使用した接続方法の一例を模式的に例示する。図8に示されるとおり、各コネクタ(1、3)により導線との接続を形成した後、コネクタ1の電極12とコネクタ3の第1電極30及び第2電極31の一方とを電気的に連結することで、被覆導線(図8の例では、導電性繊維2)同士の間に導電経路を形成することができる。
【0068】
なお、図8の例では、コネクタ1の電極12は、コネクタ3の第2電極31に連結されているが、第1電極30に連結してもよい。連結方法は、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。また、コネクタ1に代えて、上記変形例に係るコネクタ1Aを利用してもよい。この場合、各針110Aの筐体部15から突き出した先端部分を、コネクタ3の第1電極30及び第2電極31の一方に突き刺すことで、被覆導線同士の間に導電経路を形成してもよい。
【符号の説明】
【0069】
1…コネクタ、
10…基部、11…導電部、110…針、12…電極、
15…筐体部、150…凹部、
2…導電性繊維(被覆導線)、
20…芯部、21…導電部(導線)、22…被覆部、
3…コネクタ、
30…第1電極、31…第2電極、32…導電部
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8