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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022118429
(43)【公開日】2022-08-15
(54)【発明の名称】研削装置、及び研削装置の使用方法
(51)【国際特許分類】
   B24B 55/06 20060101AFI20220805BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20220805BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20220805BHJP
   H01L 21/68 20060101ALI20220805BHJP
   B24B 41/06 20120101ALI20220805BHJP
   B24B 1/04 20060101ALI20220805BHJP
   B24B 7/04 20060101ALI20220805BHJP
   B23Q 11/00 20060101ALI20220805BHJP
【FI】
B24B55/06
H01L21/304 622N
H01L21/304 622L
H01L21/304 631
H01L21/68 A
H01L21/68 F
H01L21/304 648A
H01L21/304 643C
H01L21/304 643D
B24B41/06 L
B24B1/04 B
B24B7/04 A
B23Q11/00 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021014945
(22)【出願日】2021-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(74)【代理人】
【識別番号】100202496
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿角 剛二
(74)【代理人】
【識別番号】100202692
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 吉文
(72)【発明者】
【氏名】中塚 敦
【テーマコード(参考)】
3C011
3C034
3C043
3C047
3C049
5F057
5F131
5F157
【Fターム(参考)】
3C011BB12
3C034AA08
3C034BB73
3C034DD10
3C034DD20
3C043BA04
3C043BA09
3C043BA17
3C043CC04
3C043CC12
3C043DD06
3C047FF04
3C047FF17
3C047FF19
3C049AA04
3C049AA18
3C049AB03
3C049AB04
3C049AC01
3C049AC05
3C049CA04
3C049CB05
5F057AA01
5F057AA21
5F057AA33
5F057BA15
5F057BB03
5F057CA14
5F057CA24
5F057CA25
5F057DA08
5F057DA11
5F057DA26
5F057DA38
5F057FA13
5F057FA30
5F057FA32
5F057FA33
5F057FA34
5F057FA37
5F057FA45
5F131AA02
5F131BA32
5F131BA37
5F131BB03
5F131CA12
5F131CA39
5F131DA22
5F131DA32
5F131DA33
5F131DA36
5F131DA42
5F131DB02
5F131DB22
5F131DB52
5F131DB62
5F131DB76
5F131FA11
5F131FA32
5F157AA98
5F157AB02
5F157AB16
5F157AB33
5F157AC01
5F157AC13
5F157BB02
5F157BB09
5F157BB23
5F157BB37
5F157BB43
5F157BB73
5F157DB02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】新たに配設するスペースを確保する必要がなく、ウエーハの載置面を洗浄することができる研削装置、及び該研削装置を使用する方法を提供する。
【解決手段】位置合わせ手段9が、ウエーハの直径に対応した直径を有し水W1の表面張力で位置合わせをする水溜テーブル92と、水溜テーブルに水を供給する水供給部93と、水溜テーブルに配設されウエーハの載置面を洗浄する洗浄部94と、を含み構成される研削装置が提供され、また、水溜テーブルに水を供給して水の層を形成する水供給工程と、水の層にウエーハを載置して水の表面張力で位置合わせを行う位置合わせ工程と、位置合わせされたウエーハを搬送手段の保持部で保持し、洗浄部を作動してウエーハの載置面を洗浄する洗浄工程と、搬送手段によってウエーハを位置合わせ手段からチャックテーブルまで搬送する搬送工程と、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエーハを保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持されたウエーハを研削する研削砥石を環状に備えた研削ホイールを回転可能に支持した研削手段と、該チャックテーブルの中心とウエーハの中心とを一致させる位置合わせ手段と、該位置合わせ手段から該チャックテーブルまでウエーハを保持部で保持し搬送する搬送手段と、を少なくとも備えた研削装置であって、
該位置合わせ手段は、ウエーハの直径に対応した直径を有し水の表面張力で位置合わせをする水溜テーブルと、該水溜テーブルに水を供給する水供給部と、該水溜テーブルに配設されウエーハの載置面を洗浄する洗浄部と、を含み構成される研削装置。
【請求項2】
該洗浄部は、水とエアーの混合2流体を噴射してウエーハの載置面を洗浄する洗浄ノズルを含み構成される請求項1に記載の研削装置。
【請求項3】
該洗浄ノズルは、該水溜テーブルの半径領域に配設され、該水溜テーブルは回転可能に構成されている請求項2に記載の研削装置。
【請求項4】
該洗浄部は、超音波振動子を含み構成される請求項1、又は2に記載の研削装置。
【請求項5】
請求項1乃至4に記載の研削装置の使用方法であって、
該位置合わせ手段の該水溜テーブルに水を供給して水の層を形成する水供給工程と、
該水溜テーブルに形成された水の層にウエーハを載置して水の表面張力で位置合わせを行う位置合わせ工程と、
位置合わせされたウエーハを該搬送手段の保持部で保持し、該洗浄部を作動してウエーハの載置面を洗浄する洗浄工程と、
該搬送手段によってウエーハを該位置合わせ手段から該チャックテーブルまで搬送する搬送工程と、
を含み構成される研削装置の使用方法。
【請求項6】
請求項3に記載の研削装置の使用方法であって、
該位置合わせ手段の該水溜テーブルに水を供給して水の層を形成する水供給工程と、
該水溜テーブルに形成された水の層にウエーハを載置して水の表面張力で位置合わせを行う位置合わせ工程と、
位置合わせされたウエーハを該搬送手段の保持部で保持し、該洗浄部を作動してウエーハの載置面を洗浄する洗浄工程と、
該搬送手段によってウエーハを該チャックテーブルまで搬送する搬送工程と、
を含み、
該洗浄工程において、該水溜テーブルを回転し、ウエーハの載置面に該洗浄ノズルから該混合2流体を噴射して、ウエーハの載置面を洗浄する研削装置の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研削装置、及び該研削装置の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IC、LSI等の複数のデバイスが、分割予定ラインによって区画された表面に形成されたウエーハは、研削装置によって裏面が研削されて所望の厚みに形成された後、ダイシング装置、レーザー加工装置によって個々のデバイスチップに分割されて、携帯電話、パソコン等の電気機器に利用される。
【0003】
研削装置は、ウエーハを保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持されたウエーハを研削する研削砥石を環状に備えた研削ホイールを回転可能に支持した研削手段と、該チャックテーブルの中心と、ウエーハの中心とを一致させる位置合わせ手段と、該位置合わせ手段から、該チャックテーブルまでウエーハを搬送する搬送手段と、を少なくとも備えており、該ウエーハを所望の厚みに形成することができる(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-317982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記した特許文献1に記載の技術では、位置合わせ手段を構成するテーブルから搬送されたウエーハを該チャックテーブルに保持する際に、チャックテーブルに載置されるウエーハの載置面(下面)側にゴミ等が付着している場合があり、そのままの状態でウエーハの上面の研削が行われると、ウエーハの研削面に、載置面側に付着したゴミ等に起因する凹み(ディンプル)が生じてしまい、ウエーハの品質、さらには該ウエーハを個々に分割して形成されるデバイスチップの品質を低下させるという問題がある。
【0006】
上記問題に対処すべく、位置合わせ手段のテーブルからチャックテーブルにウエーハを搬送する間のスペースに、ウエーハの載置面側を洗浄する洗浄手段を配設することが考えられる。しかし、位置合わせ手段とチャックテーブルとの間に、新たに洗浄手段を配設するスペースを確保する必要があり、該対策を講じるための設計変更等を実施することは煩に堪えないという問題もある。
【0007】
本発明は、上記事実に鑑みなされたものであり、その主たる技術課題は、位置合わせ手段からチャックテーブルにウエーハを搬送する間に、ウエーハの載置面側を洗浄する洗浄手段を新たに配設するスペースを確保することなく、ウエーハの載置面を洗浄することができる研削装置、及び該研削装置を使用する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、ウエーハを保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持されたウエーハを研削する研削砥石を環状に備えた研削ホイールを回転可能に支持した研削手段と、該チャックテーブルの中心とウエーハの中心とを一致させる位置合わせ手段と、該位置合わせ手段から該チャックテーブルまでウエーハを保持部で保持し搬送する搬送手段と、を少なくとも備えた研削装置であって、該位置合わせ手段は、ウエーハの直径に対応した直径を有し水の表面張力で位置合わせをする水溜テーブルと、該水溜テーブルに水を供給する水供給部と、該水溜テーブルに配設されウエーハの載置面を洗浄する洗浄部と、を含み構成される研削装置が提供される。
【0009】
該洗浄部は、水とエアーの混合2流体を噴射してウエーハの載置面を洗浄する洗浄ノズルを含み構成することができ、該洗浄ノズルは、該水溜テーブルの半径領域に配設され、該水溜テーブルは回転可能に構成されていることが好ましい。また、該洗浄部は、超音波振動子を含み構成するようにしてもよい。
【0010】
本発明によれば、上記研削装置の使用方法であって、該位置合わせ手段の該水溜テーブルに水を供給して水の層を形成する水供給工程と、該水溜テーブルに形成された水の層にウエーハを載置して水の表面張力で位置合わせを行う位置合わせ工程と、位置合わせされたウエーハを該搬送手段の保持部で保持し、該洗浄部を作動してウエーハの載置面を洗浄する洗浄工程と、該搬送手段によってウエーハを該位置合わせ手段から該チャックテーブルまで搬送する搬送工程と、を含み構成される研削装置の使用方法が提供される。
【0011】
また、本発明によれば、上記研削装置の使用方法であって、該位置合わせ手段の該水溜テーブルに水を供給して水の層を形成する水供給工程と、該水溜テーブルに形成された水の層にウエーハを載置して水の表面張力で位置合わせを行う位置合わせ工程と、位置合わせされたウエーハを該搬送手段の保持部で保持し、該洗浄部を作動してウエーハの載置面を洗浄する洗浄工程と、該搬送手段によってウエーハを該チャックテーブルまで搬送する搬送工程と、を含み、該洗浄工程において、該水溜テーブルを回転し、ウエーハの載置面に該洗浄ノズルから該混合2流体を噴射して、ウエーハの載置面を洗浄する研削装置の使用方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の研削装置は、ウエーハを保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持されたウエーハを研削する研削砥石を環状に備えた研削ホイールを回転可能に支持した研削手段と、該チャックテーブルの中心とウエーハの中心とを一致させる位置合わせ手段と、該位置合わせ手段から該チャックテーブルまでウエーハを保持部で保持し搬送する搬送手段と、を少なくとも備えた研削装置であって、該位置合わせ手段は、ウエーハの直径に対応した直径を有し水の表面張力で位置合わせをする水溜テーブルと、該水溜テーブルに水を供給する水供給部と、該水溜テーブルに配設されウエーハの載置面を洗浄する洗浄部と、を含み構成されるので、チャックテーブルの中心位置にウエーハの中心を一致させることができると共に、位置合わせ手段からチャックテーブルにウエーハを搬送する間に、ウエーハの載置面側を洗浄する洗浄手段を新たに配設することなく、ウエーハの載置面を洗浄することができる。
【0013】
また、本発明の研削装置の使用方法によれば、該位置合わせ手段の該水溜テーブルに水を供給して水の層を形成する水供給工程と、該水溜テーブルに形成された水の層にウエーハを載置して水の表面張力で位置合わせを行う位置合わせ工程と、位置合わせされたウエーハを該搬送手段の保持部で保持し、該洗浄部を作動してウエーハの載置面を洗浄する洗浄工程と、該搬送手段によってウエーハを該位置合わせ手段から該チャックテーブルまで搬送する搬送工程と、を含み構成されるので、チャックテーブルの中心位置にウエーハの中心を一致させることができると共に、位置合わせ手段からチャックテーブルにウエーハを搬送する間に、ウエーハの載置面側を洗浄する洗浄手段を新たに配設することなく、ウエーハの載置面を洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態の研削装置の全体斜視図である。
図2】(a)図1に配設される位置合わせ手段9の位置合わせ本体部の斜視図、(b)(a)の位置合わせ本体部に配設される洗浄部の斜視図、(c)(a)のA-A断面を示す断面図である。
図3】被加工物であるウエーハ、及びウエーハに貼着される保護テープの斜視図である。
図4】(a)位置決め工程の実施態様を示す斜視図、(b)(a)のB-B断面を示す断面図である。
図5】洗浄工程においてウエーハを固定する態様を示す一部拡大断面図である。
図6】洗浄工程によってウエーハを洗浄する態様を示す一部拡大断面図である。
図7】洗浄部及び洗浄工程の別の実施形態を示す斜視図である。
図8図7に示す洗浄部による洗浄工程の態様を示す一部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に基づいて構成される研削装置、及び該研削装置を使用する方法に係る実施形態ついて添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0016】
図1には、本実施形態に係る研削装置1の斜視図が示されている。研削装置1は、ウエーハ10(図中、第1のカセット7に収容されている)を保持するチャックテーブル6と、チャックテーブル6に保持されるウエーハ10を研削する研削手段(本実施形態では、粗研削ユニット3及び仕上げ研削ユニット4)と、チャックテーブル6の中心とウエーハ10の中心とを一致させる位置合わせ手段9と、位置合わせ手段9からチャックテーブル6までウエーハ10を保持部13aで保持し搬送する搬送手段13と、を少なくとも備えている。粗研削ユニット3は、粗研削用の研削砥石35を環状に備えた粗研削ホイール34を回転可能に支持したものであり、仕上げ研削ユニット4は、仕上げ研削用の研削砥石45を環状に備えた仕上げ研削ホイール44を回転可能に支持したものである。なお、上記したように、本実施形態の研削装置1は、粗研削ユニット3と、仕上げ研削ユニット4とを備えているが、本発明はこれに限定されず、研削ユニットを一つのみ、又は三つ以上備えるものであってもよい。本実施形態の研削装置1について、さらに詳細に説明する。
【0017】
研削装置1は、略直方体状の装置ハウジング2を備えている。図1において、装置ハウジング2の後端側(図中Y方向奥側)には、支持壁21が立設されている。この支持壁21の内側面には、上下方向に延びる2対の案内レール22、22及び23、23が配設されている。一方の案内レール22、22には、粗研削手段としての粗研削ユニット3が上下方向に移動可能に装着されており、他方の案内レール23、23には仕上げ研削手段としての仕上げ研削ユニット4が上下方向に移動可能に装着されている。
【0018】
粗研削ユニット3は、ユニットハウジング31と、ユニットハウジング31に回転自在に支持された回転軸32の下端に配設されたホイールマウント33と、ホイールマウント33に装着され下面に環状に複数の研削砥石35が配置された粗研削ホイール34と、ユニットハウジング31の上端に装着されホイールマウント33を矢印R1で示す方向に回転させる電動モータ36と、ユニットハウジング31を、支持部材37を介して支持する移動基台38とを備えている。
【0019】
仕上げ研削ユニット4も上記粗研削ユニット3と略同様に構成されており、ユニットハウジング41と、ユニットハウジング41に回転自在に支持された回転軸42の下端に配設されたホイールマウント43と、ホイールマウント43に装着され、下面に環状に複数の研削砥石45が配置された仕上げ研削ホイール44と、ユニットハウジング41の上端に装着されホイールマウント43を矢印R2で示す方向に回転させる電動モータ46と、ユニットハウジング41を、支持部材47を介して支持する移動基台48とを備えている。
【0020】
移動基台38には、上記した支持壁21に設けられた案内レール22、22に摺動可能に係合する被案内溝が設けられており、粗研削ユニット3が上下方向に移動可能に支持される。支持壁21には、粗研削ユニット3の移動基台38を案内レール22、22に沿って昇降させる研削送り機構39が配設されている。研削送り機構39は、案内レール22、22と平行に上下方向に配設され回転可能に支持された雄ねじロッド391と、該雄ねじロッド391を回転駆動するためのパルスモータ392と、移動基台38の背面側に装着され雄ねじロッド391と螺合する図示しない雌ねじブロックとを備えており、パルスモータ392によって雄ねじロッド391を正転及び逆転駆動することにより、粗研削ユニット3をZ方向(上下方向)に移動させる。
【0021】
移動基台48には、上記した支持壁21に設けられた案内レール23、23に摺動可能に係合する被案内溝が設けられており、仕上げ研削ユニット4が上下方向に移動可能に支持される。支持壁21には、仕上げ研削ユニット4の移動基台48を案内レール23、23に沿って昇降させる研削送り機構49が配設されている。研削送り機構49は、支持壁21に案内レール23、23と平行に上下方向に配設され回転可能に支持された雄ねじロッド491と、該雄ねじロッド491を回転駆動するためのパルスモータ492と、移動基台48の背面側に装着され雄ねじロッド491と螺合する図示しない雌ねじブロックとを備えており、パルスモータ492によって雄ねじロッド491を正転及び逆転駆動することにより、仕上げ研削ユニット4をZ方向(上下方向)に移動させる。
【0022】
粗研削ユニット3の電動モータ36及び仕上げ研削ユニット4の電動モータ46によって回転させられる回転軸32、回転軸42には、研削砥石35、45と後述するチャックテーブル6に保持されるウエーハ10とに研削水を供給する研削水供給手段(図示は省略する)が接続されている。該研削水供給手段から圧送される研削水は、回転軸32、及び回転軸42に供給され、粗研削ホイール34、及び仕上げ研削ホイール44の下端面の中央から研削砥石35、研削砥石45に向けて水平方向に噴射される。
【0023】
図示の実施形態における研削装置1は、上記支持壁21の前側において装置ハウジング2の上面と略面一となるように配設されたターンテーブル5を備えている。このターンテーブル5は、比較的大径の円盤状に形成されており、図示しない回転駆動機構によって矢印R3で示す方向に適宜回転させられる。ターンテーブル5には、図示の実施形態の場合それぞれ120度の角度をもって3個のチャックテーブル6が配設されており、各チャックテーブル6は、図示を省略する回転駆動手段を備え、粗研削ユニット3の直下、及び仕上げ研削ユニット4の直下に位置付けられた際に、矢印R4で示す方向に回転可能に構成されている。このチャックテーブル6は、通気性部材によって円盤状に形成されチャックテーブル6の保持面を形成する吸着チャック61と、吸着チャック61を囲繞する枠体62とを備えている。
【0024】
ターンテーブル5に配設された3個のチャックテーブル6は、ターンテーブル5が矢印R3で示す方向に回転させられることにより、被加工物搬入・搬出域A→粗研削加工域B→仕上げ研削加工域C→被加工物搬入・搬出域Aに順次移動させられる。
【0025】
図示の研削装置1は、被加工物搬入・搬出域Aに対して一方側(図中X方向手前側)に配設され研削加工前のウエーハ10を収容する第1のカセット7と、被加工物搬入・搬出域Aに対して他方側(図中X方向奥側)に配設され研削加工後のウエーハ10を収容する第2のカセット8と、第1のカセット7と被加工物搬入・搬出域Aとの間に配設され、被加工物搬入・搬出域Aに位置付けられたチャックテーブル6の中心とウエーハ10の中心とを一致させる位置合わせ手段9と、被加工物搬入・搬出域Aと第2のカセット8との間に配設された洗浄手段11と、第1のカセット7内に収納されたウエーハ10を搬出し、位置合わせ手段9に搬送するとともに、洗浄手段11からウエーハ10を搬出し、第2のカセット8に搬送して収容する搬送手段12と、位置合わせ手段9において位置合わせされたウエーハ10を、位置合わせ手段9から被加工物搬入・搬出域Aに位置付けられたチャックテーブル6に搬送する搬送手段13と、被加工物搬入・搬出域Aに位置付けられたチャックテーブル6上に載置されている研削加工後のウエーハ10を洗浄手段11に搬送する搬送手段14と、を備えている。
【0026】
上記した搬送手段12が配置された装置ハウジング2のY方向手前側には、研削作業を指示したり、加工条件を指定したりするための操作パネル15が配設されている。なお、研削装置1には、上記構成の他、研削加工時の状況を表示し、タッチパネル機能を備えることにより適宜作業指示を実施可能に構成された表示モニター、及び各作動機構を制御する制御手段等が配設されており、説明の都合上、記載を省略したカバーにより、研削装置1の全体が覆われる。
【0027】
図1に示すように、位置合わせ手段9は、位置合わせ本体部90と、位置合わせ本体部90を囲繞し、位置合わせ本体部90から流出する洗浄用の水を回収し排出する回収プール91とを備える。回収プール91は、上方が開放された円筒状の周壁部91aと、底壁部91bと、底壁部91bに形成された排出孔91cとを備える。位置合わせ本体部90から流出する水は、回収プール91内に集められて、底壁部91bの排出孔91cから研削装置1の外部、又は研削装置1内に配設される図示を省略する廃液タンクに排出される。図2を参照しながら、位置合わせ手段9の位置合わせ本体部90について、さらに具体的に説明する。
【0028】
図2(a)に示すように、位置合わせ本体部90は、追って詳述するウエーハ10(図3を参照)の直径に対応した直径を有し、水の表面張力で位置合わせをする水溜テーブル92と、水溜テーブル92に水を供給する水供給部93と、水溜テーブル92に配設されウエーハ10の載置面を洗浄する洗浄部94とを少なくとも備える。水溜テーブル92は、円形状の底部92aと、該底部92aを囲繞する周壁92bとを備える。本実施形態の水供給部93及び洗浄部94は、水溜テーブル92の底部92aに配設されている。洗浄部94は、例えば、半径領域(底部92aの中心から周壁92bとの間の領域)に直列に4つ配設された洗浄ノズル941~944を含み構成される。図2(b)に、洗浄部94を構成する洗浄ノズル941~944及び該洗浄ノズル941~944を連結する連結ブロック940の斜視図を示し、図2(c)に、図2(a)のA-A断面を示す断面図を示す。図2(c)から理解されるように、連結ブロック940の内部には、上記のエアー供給源120から供給されるエアーPが導入され連結ブロック940の長手方向に延びるエアー供給路98と、高圧水供給源130から供給される水W2が導入されエアー供給路98と平行して連結ブロック940の長手方向に延びる高圧水供給路99とが配設され、エアー供給路98と高圧水供給路99とは、連結ブロック940内で合流して洗浄ノズル944に接続される。洗浄ノズル941~943も上記したのと同様に、エアー供給路98と、高圧水供給路99とに接続されていることから、エアー供給源120及び高圧水供給源130を作動させることで、連結ブロック940内でエアーPと水W2とを混合した混合2流体が生成され、洗浄ノズル941~944の噴射口941a~944aから上方に同時に噴射される。
【0029】
図に示すように、水溜テーブル92の下面側には、回転軸95の上端部が連結固定されている。該回転軸95は、電動モータ96によって矢印R5で示す方向に回転駆動される。回転軸95の下端部にはロータリージョイント97が配設されている。該回転軸95の内部には、図示を省略する3つの経路が形成されており、該3つの経路及びロータリージョイント97を介して、水供給部93と低圧水供給源110が接続されると共に、洗浄部94とエアー供給源120及び高圧水供給源130とが接続される。
【0030】
ロータリージョイント97と低圧水供給源110とは、連通路112によって接続され、連通路112には、開閉バルブ114が配設されている。ロータリージョイント97とエアー供給源120とは、連通路122によって接続され、連通路122には、開閉バルブ124が配設されている。ロータリージョイント97と高圧水供給源130とは、連通路132によって接続され、連通路132には、開閉バルブ134が配設されている。図示の実施形態では、連通路112に排水路116が接続され、排水路116には、排水制御バルブ118が配設されている。開閉バルブ114、124、134、及び排水バルブ118は、図示を省略する制御手段に接続され、該制御手段により開閉状態が制御される。低圧水供給源110から供給される水W1の水圧は、いわゆる水道水の配水時の基準圧力に準じる圧力であり、高圧水供給源130によって供給される水W2の水圧は、たとえば、該水W1よりも高い0.3Mpa程度に設定される。また、エアー供給源120によって供給されるエアーPの圧力は、0.3Mpaに設定される。なお、開閉バルブ114、124、134、及び排水バルブ118は、該制御手段によって開閉されることに限定されず、手動で開閉されるようにしてもよい。また、高圧水供給源130から異なる圧力(又は異なる流量)の水を供給できる場合は、高圧水供給源130に低圧水供給源110の機能を持たせることにより、低圧水供給源110を省略することも可能である。
【0031】
上記した位置合わせ手段9を使用し追って説明する位置合わせ工程を実施して、位置合わせ手段9の水溜テーブル92の中心位置と、ウエーハ10の中心位置とを一致した状態にする結果、搬送手段13を使用して水溜テーブル92から搬送されるウエーハ10の中心位置が、上記したチャックテーブル6の中心位置に一致させられる。
【0032】
本実施形態の研削装置1は、概ね上記したとおりの構成を備えており、以下に上記した研削装置1の使用方法、及びその作用効果について説明する。
【0033】
本実施形態において研削加工が施される被加工物は、図3に示すように、複数のデバイスDが分割予定ラインLによって区画された表面10aに形成されたシリコン(Si)のウエーハ10であり、ウエーハ10の表面10aには、保護テープTが貼着され一体とされる。図1に示す研削装置1の第1のカセット7には、このように保護テープTが貼着され一体とされたウエーハ10が複数収容されている。
【0034】
上記したウエーハ10が複数収容された第1のカセット7を図1に示す研削装置1にセットしたならば、ターンテーブル5を作動して、ウエーハ10が保持されていないチャックテーブル6を、被加工物搬入・搬出域Aに位置付ける。次いで、搬送手段12を作動して、第1のカセット7から未加工のウエーハ10を搬出し、位置合わせ手段9に搬送する。ここで、図2に基づき説明した位置合わせ本体部90の連通路112の開閉バルブ114を開とすると共に、低圧水供給源110から水W1を供給する。これにより、図4(a)に示すように、水溜テーブル92の底部92aに配設された水供給部93から水W1が供給され、水溜テーブル92には、底部92aと周壁92bとにより形成される容積を満たすのに十分な水W1が供給されて、開閉バルブ114が閉とされる。これにより、表面張力の作用により、水溜テーブル92から上方に膨出する水W1の層が形成される(水供給工程)。該水供給工程が実施されたならば、図4(b)に示すように、位置合わせ手段9に搬送されたウエーハ10を、載置面となる保護テープT側を下方に、裏面10bを上方に向けた状態で、水溜テーブル92に形成された水W1の層に載置する。このように、水溜テーブル92に形成された水W1の層にウエーハ10を載置することで、ウエーハ10の水平方向の位置が、水W1の表面張力の作用により調整され、ウエーハ10の中心位置と、水溜テーブル92の中心位置とが一致させられる(位置合わせ工程)。
【0035】
上記したように、水溜テーブル92に形成された水W1の層上で、ウエーハ10の位置合わせ工程が実施されたならば、図5に示すように、上記した搬送手段13を旋回して、搬送手段13の保持部13aを、水溜テーブル92の中心(=ウエーハ10の中心)上に位置付けて、矢印R6で示す方向に下降させ、ウエーハ10の裏面10bに接する位置に位置付ける。次いで、図示を省略する吸引手段を作動させて、搬送手段13を介して保持部13aの下面側に吸引負圧Vを生成して、ウエーハ10を吸着させて固定する。該保持部13aによりウエーハ10の位置を固定したならば、開閉バルブ18を開として、排水路116を介して水溜テーブル92に貯留された水W1を排出する。
【0036】
次いで、上記した電動モータ96を作動して、図6に示すように、回転軸95と共に水溜テーブル92を矢印R5で示す方向に回転させる(例えば60rpm)。次いで、上記連通路122上の開閉バルブ124と、連通路132上の開閉バルブ134とを開とすると共に、エアー供給源120、及び高圧水供給源130を作動する。これにより、洗浄部94を構成する洗浄ノズル941~944にエアーPと、水W2が供給され、洗浄ノズル941~944からエアーPと水W2とにより形成される混合2流体(P+W2)が噴射される。ここで、水溜テーブル92がR5で示す方向に回転していることで、該混合2流体(P+W2)は、水溜テーブル92上で固定されたウエーハ10の保護テープT側、すなわち、チャックテーブル6に載置される載置面側全体に噴射されて、該載置面側の洗浄が良好に行われる(洗浄工程)。前記洗浄工程が完了したならば、エアー供給源120、及び高圧水供給源130の作動を停止すると共に、連通路122上の開閉バルブ124と、連通路132上の開閉バルブ134とを閉とする。この際、高圧水供給源130の停止と、開閉バルブ134の閉動作を、エアー供給源120の動作の停止と、開閉バルブ124の閉動作に先行して実施することで、ウエーハ10の載置面にエアーPのみが噴射されて、載置面側に付着した水W2を除去することができる。なお、上記した位置合わせ工程、及び洗浄工程において、水溜テーブル92から外部に漏出する水W1、W2は、上記した回収プール91によって回収され、回収プール91の底壁部91bに配設された排出孔91cから排出される。
【0037】
上記の位置決め工程及び洗浄工程が実施されたウエーハ10を、搬送手段13を使用して搬送し、図1に示す被加工物搬入・搬出域Aに位置付けられた所定のチャックテーブル6の吸着チャック61上に載置する。上記した位置決め工程が実施されて、水溜テーブル92の中心位置とウエーハ10の中心位置とが一致させられていることにより、チャックテーブル6に搬送されたウエーハ10の中心位置及びチャックテーブル6の中心位置も一致している。そして、図示を省略する吸引手段を作動して、チャックテーブル6の吸着チャック61にウエーハ10を吸引保持する。
【0038】
次いで、ターンテーブル5を、図1中の矢印R3で示す方向に回転して、上記した未加工のウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル6を、被加工物搬入・搬出域Aから、粗研削加工域Bに向けて移動させる。
【0039】
未加工のウエーハ10を保持したチャックテーブル6が粗研削加工域Bに位置付けられたならば、以下に説明する粗研削工程を実施する。より具体的には、チャックテーブル6に保持されたウエーハ10を、粗研削ホイール34の直下に位置付け、チャックテーブル6を矢印R4で示す方向に例えば300rpmで回転させ、これと同時に粗研削ユニット3を作動して、粗研削ホイール34を、図において矢印R1で示す方向に、例えば6000rpmで回転させる。そして、上記した研削送り機構39を作動して、粗研削ユニット3を下降させて、ウエーハ10の裏面10bに研削砥石35を上方から接近、当接させて、例えば1.0μm/秒の研削送り速度で研削送りする。この際、図示を省略する研削水供給手段を作動して、粗研削ホイール34の下面から、研削砥石35とウエーハ10の裏面10bとに向けて研削水を供給する。
【0040】
上記した粗研削工程を実施する際に、隣接する仕上げ研削加工域Cに、粗研削工程が施された後のウエーハ10が位置付けられている場合は、上記粗研削工程を実施するのと同時に、仕上げ研削ユニット4を、上記粗研削ユニット3と同様に作動して、仕上げ研削ホイール44をウエーハ10に当接させて、ウエーハ10の裏面10bに対して仕上げ研削工程を実施する。なお、仕上げ研削ユニット4の研削送り機構49の研削送り速度は、粗研削ユニット3の研削送り速度よりも遅く(例えば、0.1μm/秒)設定される。
【0041】
上記した粗研削工程、仕上げ研削工程が実施されたならば、ターンテーブル5をR3で示す方向に回転させることにより被加工物搬入・搬出域Aに位置付けられたチャックテーブル6から、搬送手段14を作動して、研削加工が施されたウエーハ10を洗浄手段11に搬送して、ウエーハ10の研削面(裏面10b)を洗浄、乾燥する。次いで、搬送手段12を作動して、洗浄、乾燥されたウエーハ10を、洗浄手段11から、第2のカセット8の所定の位置に搬送する。
【0042】
上記したように、本実施形態では、位置合わせ手段9を使用して位置決め工程を実施することで、ウエーハ10の中心位置が、水溜テーブル92の中心位置に位置付けられる。これにより、搬送手段13の保持部13aによって、被加工物搬入・搬出域Aに位置付けられたチャックテーブル6の中心位置にウエーハ10の中心を一致させることができると共に、位置合わせ手段9に配設された水溜テーブル92の洗浄部94によって、ウエーハ10の載置面が洗浄されることから、位置合わせ手段9からチャックテーブル6にウエーハ10を搬送する間に、ウエーハ10の載置面側を洗浄する洗浄手段を新たに配設することなく、ウエーハ10の載置面を洗浄することができ、その結果、上記した研削加工を実施する際に、ウエーハ10の裏面10bにゴミ等に起因する凹みが形成されることも回避される。
【0043】
なお、上記した実施形態では、洗浄部94は、高圧の水W2とエアーPを混合した混合2流体(P+W2)を噴射してウエーハ10の載置面を洗浄する洗浄ノズル941~944を含み構成した例を示したが、本発明はこれに限定されない。図7、8を参照しながら、位置合わせ手段9に配設される上記の洗浄部94とは異なる構成の洗浄部140を備えた位置合わせ本体部90’について説明する。
【0044】
図7には、洗浄部140を備えた位置合わせ本体部90’の一部が示されている。位置合わせ本体部90’は、被加工物であるウエーハ10(図3を参照)の直径に対応した直径を有し、水の表面張力で位置合わせをする水溜テーブル92’と、水溜テーブル92’に水を供給する水供給部93’と、水溜テーブル92’に配設されウエーハ10の載置面を洗浄する洗浄部140とを少なくとも備える。水溜テーブル92’は、円形状の底部92a’と、該底部92a’を囲繞する周壁92b’とを備える。本実施形態の水供給部93’及び洗浄部140は、水溜テーブル92’の底部92a’に配設されている。
【0045】
洗浄部140は、水溜テーブル92’の底部92a’に配設される超音波振動子142、144を含み構成される。超音波振動子142、144は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を使用した電歪型の振動素子を使用して振動させられるものであり、例えば20kHz~100kHzの周波数で振動させられる。超音波振動子142は、環状に形成され、水溜テーブル92’の底部92a’に配設される。超音波振動子144は、水溜テーブル92’の底部92a’の中心に配設される。水供給部93’は、超音波振動子142と、超音波振動子144との間の領域に配設される。
【0046】
図に示すように、水溜テーブル92’の下面側には、回転軸95の上端部が連結されている。該回転軸95から下方側の構成は、図2に基づいて説明した位置合わせ本体部90と同様であり、回転軸95を回転駆動する電動モータ96と、電動モータ96の回転軸と低圧水供給源110から延びる連通路112とを連結するロータリージョイント97とを備えている。なお、図7図8に示す位置合わせ本体部90’は、図2に示す洗浄ノズル941~944を備えていないことから、上記したエアー供給源120、高圧水供給源130、及び連通路122、132は不要である。
【0047】
図7に示すように、水W1を水供給部93’から水溜テーブル92’に供給して満たして水W1の層を形成し、ウエーハ10の保護テープT(載置面)側を載置する。これにより、図4(b)に基づいて説明したのと同様に、水溜テーブル92’の中心位置と、ウエーハ10の中心位置とが水溜テーブル92’に貯留された水W1の表面張力の作用により一致させられて、位置決め工程が実施される。そして、図5に基づいて説明したのと同様に、搬送手段13を作動して、図8に示すように、搬送手段13の保持部13aをウエーハ10の裏面10bの中心位置に位置付けて、ウエーハ10を水溜テーブル92’上で固定する。水溜テーブル92’上でウエーハ10を固定したならば、回転軸95の内部に配設された配線146を介して超音波振動子142、144に高周波(20~100kHz)の電圧を印加して振動させ、水溜テーブル92’に貯留された水W1の層を介して、ウエーハ10の保護テープT側の面、すなわち載置面を洗浄する(洗浄工程)。このようにして洗浄工程が実施されたならば、搬送手段13の保持部13aを図中矢印R7で示す方向に上昇させて、チャックテーブル6に搬送し、上記したのと同様の粗研削工程、及び仕上げ研削工程を実施する。なお、この超音波振動子142、144によってウエーハ10の載置面を洗浄する際には、水溜テーブル92’とウエーハ10の保護テープTとの間に水W1の層が存在している必要があるため、開閉バルブ114を開にして、水供給部93’から水W1を供給し続けることが好ましい。なお、このとき、電動モータ96によって回転軸95を回転駆動する必要はない。
【0048】
上記した位置合わせ本体部90’によっても、先に説明した位置合わせ本体部90’と同様の作用効果を奏することができる。また、上記した実施形態では、洗浄ノズル941~944を備えた洗浄部94に替えて、超音波振動子142、144を備えた洗浄部140を備えることとしたが、本発明は、該洗浄ノズル及び超音波振動子の両方を備えることを除外するものではない。
【符号の説明】
【0049】
1:研削装置
2:装置ハウジング
21:支持壁
22、23:案内レール
3:粗研削ユニット
31:ユニットハウジング
32:回転軸
33:ホイールマウント
34:粗研削ホイール
35:研削砥石
36:電動モータ
37:支持部材
39:研削送り機構
4:仕上げ研削ユニット
41:ユニットハウジング
42:回転軸
43:ホイールマウント
44:仕上げ研削ホイール
45:研削砥石
46:電動モータ
47:支持部材
49:研削送り機構
5:ターンテーブル
6:チャックテーブル
61:吸着チャック
7:第1のカセット
8:第2のカセット
9:位置合わせ手段
90、90’:位置合わせ本体部
91:回収プール
91a:周壁部
91b:底壁部
91c:排出孔
92、92’:水溜テーブル
92a、92a’:底部
92b、92b’:周壁
93、93’:水供給部
94:洗浄部
940:連結ブロック
941~944:洗浄ノズル
95:回転軸
96:電動モータ
97:ロータリージョイント
10:ウエーハ
11:洗浄手段
12:搬送手段
13:搬送手段
13a:保持部
14:搬送手段
15:操作パネル
110:低圧水供給源
112:連通路
114:開閉バルブ
116:排水路
118:排水バルブ
120:エアー供給源
122:連通路
124:開閉バルブ
130:高圧水供給源
132:連通路
134:開閉バルブ
140:洗浄部
142、144:超音波振動子
D:デバイス
L:分割予定ライン
T:保護テープ
P:エアー
W1、W2:水
P+W2:混合2流体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8