(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022119074
(43)【公開日】2022-08-16
(54)【発明の名称】作業機械
(51)【国際特許分類】
E02F 9/20 20060101AFI20220808BHJP
【FI】
E02F9/20 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021016060
(22)【出願日】2021-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(71)【出願人】
【識別番号】504176911
【氏名又は名称】国立大学法人大阪大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大須賀 公一
(72)【発明者】
【氏名】大畠 陽二郎
【テーマコード(参考)】
2D003
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AB03
2D003AB04
2D003AC07
2D003AC09
2D003CA10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】作業機を駆動させる駆動力を発生する電動機を適切に配置できる作業機械を提供する。
【解決手段】電動式ショベルは、車体フレーム3と、作業機10と、電動機30と、動力伝達装置40とを備えている。作業機10は、車体フレーム3に支持されるブーム11と、ブーム11に対して相対移動可能なバケット13とを含んでいる。電動機30は、車体フレーム3に搭載されている。電動機30は、バケット13をブーム11に対して相対移動させる駆動力を発生する。動力伝達装置40は、電動機30の発生する駆動力を機械的にバケット13に伝達する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレームと、
前記車体フレームに支持されるブームと、前記ブームに対して相対移動可能なアタッチメントとを含む作業機と、
前記車体フレームに搭載され、前記アタッチメントを前記ブームに対して相対移動させる駆動力を発生する電動機と、
前記電動機の発生する駆動力を機械的に前記アタッチメントに伝達する動力伝達装置と、を備える、作業機械。
【請求項2】
前記動力伝達装置は、棒状のリンク部材を有し、
前記リンク部材に引張力を作用させることにより前記アタッチメントを前記車体フレームに近づける、請求項1に記載の作業機械。
【請求項3】
前記車体フレームに搭載され、前記作業機の側方に配置され、前記作業機械を操作するオペレータが搭乗する運転室をさらに備え、
前記動力伝達装置は、前記作業機に対して前記運転室の反対側に配置される、請求項1または2に記載の作業機械。
【請求項4】
前記電動機は、前記ブームの基端部に配置される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の作業機械。
【請求項5】
前記車体フレームに搭載され、前記ブームを前記車体フレームに対して相対移動させる駆動力を発生するブーム用電動機をさらに備え、
前記ブーム用電動機の定格出力が前記電動機の定格出力よりも大きい、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の作業機械。
【請求項6】
前記作業機は、前記ブームの先端に取り付けられるアームと、前記アームを前記ブームに対して相対回転可能に支持するアーム連結ピンとをさらに含み、
前記作業機械は、前記車体フレームに搭載され前記アームを前記ブームに対して相対移動させる駆動力を発生するアーム用電動機と、前記アーム用電動機の発生する駆動力を機械的に前記アームに伝達するアーム用動力伝達装置とをさらに備え、
前記アーム用動力伝達装置は、前記ブームの基端部に配置され前記アーム用電動機の駆動力を受けて回転可能なアーム用回転部材と、一端が前記アーム用回転部材に連結され他端が前記アームに連結された棒状のアームリンク部材とを有する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の作業機械。
【請求項7】
前記作業機は、前記アタッチメントを前記アームに対して相対回転可能に支持するアタッチメント連結ピンをさらに含み、
前記アームリンク部材は、前記アーム連結ピンと前記アタッチメント連結ピンとの間の位置で、前記アームに連結される、請求項6に記載の作業機械。
【請求項8】
前記動力伝達装置は、前記ブームの基端部に配置され前記電動機の駆動力を受けて回転可能なアタッチメント用回転部材と、前記ブームおよび前記アームに対して相対回転可能に前記アームにより支持された中間部材と、一端が前記アタッチメント用回転部材に連結され他端が前記中間部材に連結された棒状の第1アタッチメントリンク部材と、一端が前記中間部材に連結された棒状の第2アタッチメントリンク部材とを有する、請求項6または請求項7に記載の作業機械。
【請求項9】
前記第2アタッチメントリンク部材は、前記アタッチメントに連結された他端を有する、請求項8に記載の作業機械。
【請求項10】
前記作業機は、前記アタッチメントを前記アームに対して相対回転可能に支持するアタッチメント連結ピンをさらに含み、
前記第2アタッチメントリンク部材は、前記第1アタッチメントリンク部材が前記中間部材に連結される位置よりも前記アタッチメント連結ピンから離れた位置で、前記中間部材に連結される、請求項8または請求項9に記載の作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2015-190587号公報(特許文献1)には、フロント作業装置を備える油圧ショベルが開示されている。フロント作業装置は、ブーム、アームおよびバケットを備えている。ブームは、ブームシリンダによって駆動される。アームは、アームシリンダによって駆動される。電動機により油圧ポンプが駆動され、油圧ポンプから吐出される作動油がアームシリンダに供給されて、アームシリンダが伸縮する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業機を備える作業機械において、作業機を駆動させる駆動力を電動機に発生させる構成の場合、電動機を適切に配置することが求められる。
【0005】
本開示では、作業機を駆動させる駆動力を発生する電動機を適切に配置できる、作業機械が提案される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従った作業機械は、車体フレームと、作業機と、電動機と、動力伝達装置とを備えている。作業機は、車体フレームに支持されるブームと、ブームに対して相対移動可能なアタッチメントとを含んでいる。電動機は、車体フレームに搭載されている。電動機は、アタッチメントをブームに対して相対移動させる駆動力を発生する。動力伝達装置は、電動機の発生する駆動力を機械的にアタッチメントに伝達する。
【発明の効果】
【0007】
本開示に従えば、作業機械の作業機を駆動させる駆動力を発生する電動機を、適切に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に基づく作業機械の構成を概略的に示す側面図である。
【
図3】作業機による掘削動作を示す第1の図である。
【
図4】作業機による掘削動作を示す第2の図である。
【
図5】作業機による掘削動作を示す第3の図である。
【
図6】第2実施形態に基づく作業機械の構成を概略的に示す側面図である。
【
図7】第3実施形態に基づく作業機械の構成を概略的に示す平面図である。
【
図8】第4実施形態に基づく作業機械の構成を概略的に示す側面図である。
【
図9】第5実施形態に基づく作業機械の構成を概略的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について図に基づいて説明する。以下の説明では、同一部品には、同一の符号を付している。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0010】
以下の説明において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」とは、運転室4内の運転席4Sに着座したオペレータを基準とした方向である。
【0011】
[第1実施形態]
<全体構成>
図1は、第1実施形態に基づく作業機械の一例としての電動式ショベル100の構成を概略的に示す側面図である。
図1には、右方から側面視した電動式ショベル100の概略構成が示されている。
図1に示されるように、実施形態の電動式ショベル100は、旋回体2と、走行体5と、作業機10とを主に有している。旋回体2と走行体5とにより、電動式ショベル100の車体1が構成されている。
【0012】
走行体5は、左右一対の履帯装置5Crを有している。左右一対の履帯装置5Crの各々は、履帯を有している。左右一対の履帯が回転駆動されることにより、電動式ショベル100が自走する。走行体5が履帯装置5Crの代わりに車輪(タイヤ)を有していてもよい。
【0013】
旋回体2は、走行体5に対して旋回自在に設置されている。旋回体2は、車体フレーム3と、運転室(キャブ)4と、カウンタウェイト6とを主に有している。運転室4とカウンタウェイト6とは、車体フレーム3に搭載されている。
【0014】
オペレータは、運転室4に搭乗して、電動式ショベル100を操作する。運転室4は、旋回体2のたとえば前方左側(車両前側)に配置されている。運転室4の内部空間には、オペレータが着座するための運転席4Sが配置されている。本開示では電動式ショベル100は運転室4内から操作されるが、電動式ショベル100から離れた場所から無線により電動式ショベル100が遠隔操作されてもよい。カウンタウェイト6は、運転室4に対して旋回体2の後方側(車両後側)に配置されている。カウンタウェイト6は、旋回体2の後部に配置されている。
【0015】
作業機10は、旋回体2の前部であってたとえば運転室4の右側において、旋回体2に支持されている。作業機10は、ブーム11と、アーム12と、バケット13とを有している。
【0016】
ブーム11の基端部は、ブームフートピン15により旋回体2に回転可能に連結されている。ブームフートピン15は、左右方向に延びており、ブーム11の基端部を貫通している。アーム12の基端部は、アーム連結ピン16によりブーム11の先端部に回転可能に連結されている。アーム連結ピン16は、左右方向に延びており、ブーム11の先端部とアーム12の基端部とを貫通している。バケット13は、アタッチメント連結ピン17によりアーム12の先端部に回転可能に連結されている。アタッチメント連結ピン17は、左右方向に延びており、アーム12の先端部とバケット13の基端部とを貫通している。
【0017】
バケット13は、作業機10の先端部分を構成している。実施形態のバケット13は、アーム12を介してブーム11に連結されている。バケット13がアタッチメント連結ピン17を中心として回転する、および/または、アーム12がアーム連結ピン16を中心として回転することにより、バケット13はブーム11に対して相対移動する。バケット13は、ブーム11に対して相対移動可能に構成されている。
【0018】
バケット13は、複数の刃を有している。バケット13の先端部を、刃先13Aと称する。なお、バケット13は、刃を有していなくてもよい。バケット13の先端部は、ストレート形状の鋼板で形成されていてもよい。実施形態のバケット13は、その本体部分とアタッチメント連結ピン17との間に、本体部分よりも細く形成された首部13Bを有している。
【0019】
バケット13は、作業機10の先端に着脱可能に装着され、アーム12に対して回転可能なアタッチメントの一例である。作業の種類に応じて、アタッチメントが、ブレーカ、グラップル、またはリフティングマグネットなどに付け替えられる。
【0020】
図2は、車体フレーム3の平面図である。車体フレーム3は、左右一対の縦板7,8を有している。縦板7,8は、前後方向(
図2においては図中の上下方向)に延びている。縦板7,8は、旋回体2の幅方向(左右方向)に間隔を空けて配置されている。縦板7,8は、上下方向に立てられた板により構成されており、互いに左右方向に距離を隔てて配置されている。運転室4は、左の縦板7よりも左方に配置されている。作業機10は、左右方向において縦板7,8の間に配置されている。作業機10は、左の縦板7よりも右方に配置されており、右の縦板8よりも左方に配置されている。
【0021】
<電動機30>
実施形態の電動式ショベル100では、作業機10を駆動させる駆動力を、電動機30が発生する。電動機30は、作業機10を駆動可能である。ブーム11、アーム12およびバケット13の各々が電動機30によって駆動されることにより、作業機10の動作が可能である。
【0022】
電動機30は、車体フレーム3に搭載されている。電動機30は、ブーム用電動機31と、アーム用電動機32と、アタッチメント用電動機33とを有している。ブーム用電動機31、アーム用電動機32およびアタッチメント用電動機33は、いずれも車体フレーム3に搭載されている。ブーム用電動機31、アーム用電動機32およびアタッチメント用電動機33は、減速機と一体となったギヤードモータであってもよい。
【0023】
ブーム用電動機31は、ブーム11を駆動させ、ブーム11を車体フレーム3に対して相対移動させる駆動力を発生する。ブーム11は、ブーム用電動機31による駆動により、ブームフートピン15を中心として車体フレーム3に対して相対回転可能である。ブームフートピン15は、左右の縦板7,8の両方に亘って配置されている。ブームフートピン15の左端が左の縦板7に支持されており、ブームフートピン15の右端が右の縦板8に支持されている。これによりブーム11は、ブームフートピン15を中心として回転可能に、車体フレーム3によって支持されている。
【0024】
アーム用電動機32は、アーム12を駆動させ、アーム12をブーム11に対して相対移動させる駆動力を発生する。アーム12は、アーム用電動機32による駆動により、アーム連結ピン16を中心としてブーム11に対して相対回転可能である。
【0025】
アタッチメント用電動機33は、バケット13を駆動させ、バケット13をアーム12に対して相対移動させるとともにブーム11に対して相対移動させる駆動力を発生する。バケット13は、アタッチメント用電動機33による駆動により、アタッチメント連結ピン17を中心としてアーム12に対して相対回転可能である。
【0026】
ブーム11はアーム12よりも重量が大きく、アーム12はバケット13よりも重量が大きい。重量物であるブーム11を駆動するブーム用電動機31の定格出力は、アーム12を駆動するアーム用電動機32の定格出力よりも大きい。アーム用電動機32の定格出力は、重量の小さいバケット13を駆動するアタッチメント用電動機33の定格出力よりも大きい。ここで、電動機の定格出力とは、電動機が指定された条件下で安全に達成できる最大出力をいう。
【0027】
図2に示されるブーム用電動機31、アーム用電動機32およびアタッチメント用電動機33はいずれも、車体フレーム3に搭載されており、作業機10の基端部(ブーム11の基端部)に配置されている。ブーム用電動機31、アーム用電動機32およびアタッチメント用電動機33は、ブームフートピン15と同心に配置されてもよい。ブーム用電動機31の出力軸34と、アーム用電動機32の出力軸35と、アタッチメント用電動機33の出力軸36とのいずれか1つまたは複数が、左右方向に延びてもよく、ブームフートピン15と一直線上に配置されてもよい。
【0028】
<動力伝達装置40>
実施形態の電動式ショベル100は、電動機30の発生する駆動力を機械的に作業機10に伝達する動力伝達装置40を備えている。
図1,2を参照して、動力伝達装置40について説明する。
【0029】
ブーム用電動機31の出力軸34は、ブーム11の基端部に連結されている。ブーム用電動機31の発生する駆動力が、出力軸34を介してブーム11に伝達される。これによりブーム11は、ブームフートピン15を中心に回転駆動される。
【0030】
動力伝達装置40は、アーム用回転部材51と、アームリンク部材53とを有している。アーム用電動機32の出力軸35は、アーム用回転部材51に連結されている。アーム用回転部材51は、ブーム11の基端部に配置されている。アーム用回転部材51は、アーム用電動機32の駆動力を受けて、出力軸35との連結点を中心として回転可能である。アーム用回転部材51は、出力軸35との連結点から前方下側へ延びている。アームリンク部材53は、棒状の形状を有している。アームリンク部材53は、その第1端において、連結ピン56を介してアーム用回転部材51と連結されている。アームリンク部材53は、その第2端において、連結ピン57を介してアーム12と連結されている。
【0031】
図1に示されるように、アームリンク部材53は、アーム連結ピン16とアタッチメント連結ピン17との間で、アーム12に連結されている。アームリンク部材53は、アーム12の長手方向における、アーム連結ピン16により近くアタッチメント連結ピン17からはより離れた位置で、アーム12に連結されている。連結ピン57とアーム連結ピン16との距離が、連結ピン57とアタッチメント連結ピン17との距離よりも、小さくなっている。
【0032】
アーム用回転部材51と、アームリンク部材53と、連結ピン56,57とは、アーム用電動機32の発生する駆動力を機械的にアーム12に伝達する、アーム用動力伝達装置を構成している。
【0033】
動力伝達装置40は、アタッチメント用回転部材61と、中間部材62と、第1アタッチメントリンク部材63と、第2アタッチメントリンク部材64とを有している。アタッチメント用電動機33の出力軸36は、アタッチメント用回転部材61に連結されている。アタッチメント用回転部材61は、ブーム11の基端部に配置されている。アタッチメント用回転部材61は、アタッチメント用電動機33の駆動力を受けて、出力軸36との連結点を中心として回転可能である。アタッチメント用回転部材61は、出力軸36との連結点から前方下側へ延びている。
【0034】
中間部材62は、支持ピン65を介して、ブーム11およびアーム12の両方に対して相対回転可能に、アーム12によって支持されている。
図1,2に示される支持ピン65は、左右方向に延び、アーム連結ピン16と同心に配置されている。支持ピン65は、アーム連結ピン16から外れた位置において、アーム12に連結されてもよい。
【0035】
第1アタッチメントリンク部材63は、棒状の形状を有している。第1アタッチメントリンク部材63は、その第1端において、連結ピン66を介してアタッチメント用回転部材61と連結されている。第1アタッチメントリンク部材63は、その第2端において、連結ピン67を介して中間部材62と連結されている。
【0036】
第2アタッチメントリンク部材64は、棒状の形状を有している。第2アタッチメントリンク部材64は、その第1端において、連結ピン68を介して中間部材62と連結されている。第2アタッチメントリンク部材64は、その第2端において、連結ピン69を介してバケット13と連結されている。連結ピン69は、バケット13の首部13Bに配置されていてもよい。
【0037】
第2アタッチメントリンク部材64は、第1アタッチメントリンク部材63が中間部材62に連結される位置よりもアタッチメント連結ピン17から離れた位置で、中間部材62に連結されている。そのため
図1に示される側方視において、第1アタッチメントリンク部材63と第2アタッチメントリンク部材64とは、互いに交差している。
【0038】
中間部材62は、略多角形の形状を有していてもよい。支持ピン65および連結ピン66,67は、その略多角形の異なる頂点の近傍において、中間部材62に連結されていてもよい。
【0039】
アタッチメント用回転部材61と、中間部材62と、第1アタッチメントリンク部材63と、第2アタッチメントリンク部材64と、支持ピン65と、連結ピン66,67,68,69とは、アタッチメント用電動機33の発生する駆動力を機械的にバケット13に伝達する、アタッチメント用動力伝達装置を構成している。
【0040】
動力伝達装置40は、
図2に示されるように、作業機10に対して運転室4の反対側に配置されている。車体フレーム3上の前方左側に運転室4が配置され、作業機10に対して左側に運転室4が配置されている実施形態の構成の場合、動力伝達装置40は、作業機10に対して右側に配置されている。
【0041】
<作業機10による掘削動作>
以上の構成を備えている電動式ショベル100の作業機10による掘削動作についての説明を加える。
図3~5は、作業機10による掘削動作を示す図である。
【0042】
図3に示される作業機10の姿勢において、バケット13の刃先13Aが地面に接触している。この状態から、ブーム11を上昇させ、アーム12を掘削方向(アーム12をブーム11に近づける方向)に移動させ、バケット13を掘削方向(バケット13の刃先13Aをアーム12に近づける方向)に移動させることで、
図4に示される姿勢となる。さらにブーム11を上昇させ、アーム12を掘削方向に移動させ、バケット13を掘削方向に移動させることで、
図5に示される姿勢となる。このように作業機10を動かすことで、土砂などの掘削対象物がバケット13内に掬い込まれる、掘削動作が行われる。
【0043】
図3~5に示される掘削動作によって、バケット13が車体フレーム3に近づくように移動する。掘削動作の間、アームリンク部材53、第1アタッチメントリンク部材63および第2アタッチメントリンク部材64には、引張力が作用している。
【0044】
アーム用回転部材51が
図3~5中の時計回り方向に回転することにより、アームリンク部材53に対し、アーム用回転部材51に連結されている基端へ向かって引っ張る方向の力が作用する。このように、アームリンク部材53に引張力が作用することで、アーム12が掘削方向に移動し、アーム12がブーム11に近づく。
【0045】
アタッチメント用回転部材61が
図3~5中の時計回り方向に回転することにより、第1アタッチメントリンク部材63に対し、アタッチメント用回転部材61に連結されている基端へ向かって引っ張る方向の力が作用する。第1アタッチメントリンク部材63の移動を受けて、中間部材62は、支持ピン65を中心として
図3~5中の時計回り方向に回転する。中間部材62が回転することにより、第2アタッチメントリンク部材64に対し、中間部材62に連結されている基端へ向かって引っ張る方向の力が作用する。このように、第1アタッチメントリンク部材63と第2アタッチメントリンク部材64とに引張力が作用することで、バケット13が掘削方向に移動し、バケット13が車体フレーム3に近づく。
【0046】
<作用および効果>
上述した説明と一部重複する記載もあるが、本実施形態の特徴的な構成および作用効果についてまとめて記載すると、以下の通りである。
【0047】
図2に示されるように、電動式ショベル100は、作業機10を駆動させる駆動力を発生する電動機30を備えている。作業機10を油圧シリンダで駆動せずに電動式とすることで、動力を削減でき、油圧の変動の影響を低減でき、作動油の温度変化による動粘特性の変化の影響を低減でき、作業中に発生する騒音を低減できる。
【0048】
図2に示されるように、電動機30は、車体フレーム3に搭載されている。ブーム11の先端のアーム12を駆動させるアーム用電動機32が、ブーム11に搭載されておらず、車体フレーム3に搭載されている。アーム12の先端のバケット13を駆動させるアタッチメント用電動機33が、アーム12に搭載されておらず、車体フレーム3に搭載されている。重量物を作業機10に搭載しないことにより、作業機10を軽量化することができる。重量物を車体フレーム3に搭載することにより、電動式ショベル100の安定性を増大させることができる。
【0049】
作業中に負荷がかかるバケット13から離れた位置に電動機30を配置することにより、電動機30に伝達される衝撃を低減できるので、電動機30の信頼性を向上することができる。河川、港湾などの底面を浚う作業の場合にはバケット13およびアーム12が水中へ移動することになるが、車体フレーム3に搭載されている電動機30に関しては水没を考慮しなくてもよくなるため、電動機30を簡易な構成にすることができる。
【0050】
図1,2に示されるように、電動式ショベル100は、動力伝達装置40を備えている。動力伝達装置40は、電動機30の発生する駆動力を、機械的に作業機10に伝達する。電動機30の駆動力を油圧に変換することなく機械的に作業機10に伝達することにより、電動機30の消費電力量を低減できる。車体フレーム3へのバッテリ搭載容量の削減が可能になるため、車体フレーム3上のスペース効率を向上することができる。また、バッテリを削減する分の電動式ショベル100の製造コストおよびメンテナンスコストを低減することができる。
【0051】
図1,2に示されるように、動力伝達装置40は、棒状のアームリンク部材53と、棒状の第1アタッチメントリンク部材63と、棒状の第2アタッチメントリンク部材64とを有している。
図3~5に示されるように、アームリンク部材53、第1アタッチメントリンク部材63および第2アタッチメントリンク部材64に引張力を作用させることにより、バケット13を車体フレーム3に近づけている。作業機10に比較的大きな負荷のかかる掘削作業時に、各リンク部材に圧縮力が作用しない構成とすることで、棒状のリンク部材の座屈を抑制することができる。座屈防止のためにリンク部材の剛性を大きくしなくてもよく、より径の小さいリンク部材を使用できるので、作業機10を軽量化することができる。
【0052】
図2に示されるように、動力伝達装置40は、作業機10に対して運転室4の反対側に配置されている。これにより、動力伝達装置40を、運転室4に干渉させることなく自在に配置できる。動力伝達装置40の動きが運転室4に妨げられることもなく、動力伝達装置40は電動機30の駆動力を作業機10に確実に伝達できる。運転室4と動力伝達装置40との間に動力伝達装置40を介在させない配置にすることで、運転室4に搭乗するオペレータが動力伝達装置40に妨げられることなく作業機10を目視できる。作業機10の視界性を向上することで、作業機10を用いた作業をより容易に行うことが可能になる。
【0053】
図2に示されるように、電動機30は、作業機10の基端部に配置されている。このように配置することで、電動機30から作業機10へ駆動力を伝達する動力伝達装置40の構造を簡素化することができる。電動機30から作業機10への動力伝達の経路を短くできるので、動力の伝達効率を向上することができる。
【0054】
ブーム11は、バケット13よりも重量が大きい。ブーム11を駆動させるブーム用電動機31の定格出力を、バケット13を駆動させるアタッチメント用電動機33の定格出力よりも大きくすることで、重量の大きいブーム11を確実に駆動させることを可能とし、かつ、アタッチメント用電動機33の小型化およびコスト低減が可能になる。
【0055】
図1,2に示されるように、動力伝達装置40は、ブーム11の基端部に配置されアーム用電動機32の駆動力を受けて回転可能なアーム用回転部材51と、一端がアーム用回転部材51に連結され他端がアーム12に連結された棒状のアームリンク部材とを有している。アーム用電動機32の発生する駆動力を、アーム用回転部材51とアームリンク部材53とを介して、確実にアーム12に伝達することができる。
【0056】
図1,2に示されるように、アームリンク部材53は、アーム連結ピン16とアタッチメント連結ピン17との間で、アーム12に連結されている。これにより、掘削作業時に、棒状のアームリンク部材53に確実に引張力を作用させることができる。
【0057】
図1,2に示されるように、動力伝達装置40は、ブーム11の基端部に配置されアタッチメント用電動機33の駆動力を受けて回転可能なアタッチメント用回転部材61と、ブーム11およびアーム12に対して相対回転可能にアーム12により支持された中間部材62と、一端がアタッチメント用回転部材61に連結され他端が中間部材62に連結された棒状の第1アタッチメントリンク部材63と、一端が中間部材62に連結された棒状の第2アタッチメントリンク部材64とを有している。アタッチメント用電動機33の発生する駆動力を、アタッチメント用回転部材61と第1アタッチメントリンク部材63と中間部材62と第2アタッチメントリンク部材64とを介して、確実にバケット13に伝達することができる。
【0058】
図1,2に示されるように、第2アタッチメントリンク部材64の他端は、バケット13に連結されている。第2アタッチメントリンク部材64を直接にバケット13に連結することで、動力伝達装置40の構成を簡略化することができる。
【0059】
図1,2に示されるように、第2アタッチメントリンク部材64は、第1アタッチメントリンク部材63が中間部材62に連結される位置よりもアタッチメント連結ピン17から離れた位置で、中間部材62に連結されている。これにより、掘削作業時に、棒状の第1アタッチメントリンク部材63と第2アタッチメントリンク部材64とに確実に引張力を作用させることができる。
【0060】
[第2実施形態]
図6は、第2実施形態に基づく作業機械の構成を概略的に示す側面図である。第2実施形態の電動式ショベル100においては、作業機10は、バケットリンク21を有している。バケットリンク21は、第1リンク部材22と、第2リンク部材23とを有している。第1リンク部材22と第2リンク部材23とは、相対回転可能に連結されている。第1リンク部材22と第2リンク部材23とは、リンクピン24によりピン連結されている。第1リンク部材22は、リンクピン25によりアーム12に回転可能に連結されている。第2リンク部材23は、バケット13の根元部分のブラケットに、リンクピン26により回転可能に連結されている。
【0061】
第1リンク部材22は、棒状の形状を有している。第1リンク部材22は、一端において第2リンク部材23と連結されており、中央部分においてアーム12と連結されており、他端において、連結ピン69により第2アタッチメントリンク部材64と連結されている。
【0062】
掘削動作の間、中間部材62は、支持ピン65を中心として
図6中の時計回り方向に回転する。中間部材62が回転することにより、第2アタッチメントリンク部材64に対し、中間部材62に連結されている基端へ向かって引っ張る方向の力が作用する。第2アタッチメントリンク部材64の移動を受けて、第1リンク部材22は、リンクピン25を中心として
図6中の時計回り方向に回転する。第1リンク部材22が回転することにより、第2リンク部材23に対し、第1リンク部材22に連結されている一端からバケット13に連結されている他端へ向かって押す方向の力が作用する。これにより、バケット13が掘削方向に移動する。
【0063】
第1実施形態で説明した第2アタッチメントリンク部材64を直接にバケット13に連結する構成に替えて、第2アタッチメントリンク部材64をバケットリンク21に連結する構成とすることができる。この場合も、バケットリンク21を介して、アタッチメント用電動機33の発生する駆動力をバケット13に確実に伝達することができる。アーム12に対するバケット13の相対回転の角度を大きくできるので、作業機10を用いた作業をより容易に行うことが可能になる。バケット13を、首部13Bを有しない形状とすることで、バケット13の強度を向上することができる。
【0064】
[第3実施形態]
図7は、第3実施形態に基づく作業機械の構成を概略的に示す平面図である。第3実施形態の電動式ショベル100においては、動力伝達装置40は、アーム用電動機32からアーム12への動力伝達経路に動力伝達機構45を有し、アタッチメント用電動機33からバケット13への動力伝達経路に動力伝達機構46を有し、ブーム用電動機31からブーム11への動力伝達経路に動力伝達機構47を有している。
【0065】
より具体的には、ブーム11の側面に、ブーム用回転部材71が固定されている。ブーム用電動機31の発生する駆動力は、出力軸34から動力伝達機構47に伝達され、動力伝達機構47からブーム用回転部材71に伝達される。ブーム用電動機31の駆動力を受けて、ブーム用回転部材71が回転する。これによりブーム11が、ブームフートピン15を中心として回転する。
【0066】
アーム用電動機32の発生する駆動力は、出力軸35から動力伝達機構45に伝達され、動力伝達機構45からアーム用回転部材51に伝達される。アーム用電動機32の駆動力を受けて、アーム用回転部材51が回転する。アタッチメント用電動機33の発生する駆動力は、出力軸36から動力伝達機構46に伝達され、動力伝達機構46からアタッチメント用回転部材61に伝達される。アタッチメント用電動機33の駆動力を受けて,アタッチメント用回転部材61が回転する。
【0067】
動力伝達機構45~47は、電動機30の発生する回転駆動力を作業機10へ伝達できるのであれば、どのような機構であってもよい。動力伝達機構45~47は、プロペラシャフトを有してもよく、フレキシブルシャフトを有してもよい。動力伝達機構45~47は、ベルトおよびプーリを有してもよい。動力伝達機構45~47は、複数のギヤの噛み合いによって動力伝達および減速を達成するものであってもよい。
【0068】
電動機30の駆動力を動力伝達機構45~47を介して作業機10に伝達する構成とすることで、車体フレーム3上の電動機30の配置の自由度を向上できる。作業機10を支持する車体フレーム3の前部とは反対側の、車体フレーム3上のより後側に電動機30を配置するようにすれば、電動機30の重量が作用する分、カウンタウェイト6(
図1)を低減することができる。
【0069】
[第4実施形態]
図8は、第4実施形態に基づく作業機械の構成を概略的に示す側面図である。第4実施形態の電動式ショベル100においては、第1アタッチメントリンク部材63は、中間部材62に連結されている。第2アタッチメントリンク部材64は、中間部材62に連結されている。第2アタッチメントリンク部材64は、第1アタッチメントリンク部材63が中間部材62に連結される位置よりもアタッチメント連結ピン17に近い位置で、中間部材62に連結されている。
【0070】
このような構成としても、アタッチメント用電動機33の発生する駆動力を、アタッチメント用回転部材61と第1アタッチメントリンク部材63と中間部材62と第2アタッチメントリンク部材64とを介して、確実にバケット13に伝達することができる。
【0071】
第4実施形態の場合、アタッチメント用回転部材61が
図8中の反時計回り方向に回転することにより、第1アタッチメントリンク部材63に対し、アタッチメント用回転部材61に連結されている基端から中間部材62に連結されている先端へ向かって押す方向の力が作用する。これにより、中間部材62が、支持ピン65を中心として
図8中の時計回り方向に回転する。したがって第4実施形態の場合、掘削作業時に、棒状の第1アタッチメントリンク部材63には、圧縮力が作用することになる。
【0072】
[第5実施形態]
図9は、第5実施形態に基づく作業機械の構成を概略的に示す側面図である。第5実施形態の電動式ショベル100においては、アタッチメント用回転部材61は、出力軸36との連結点から後方上側へ延びている。第1アタッチメントリンク部材63は、支持ピン65よりも上方で、中間部材62に連結されている。第2アタッチメントリンク部材64は、支持ピン65よりも上方で、中間部材62に連結されている。バケット13は首部13Bを有しており、首部13Bは、アーム12の両側に亘って延びている。首部13Bの中間部分において、バケット13はアタッチメント連結ピン17によりアーム12に連結されている。首部13Bの先端部分において、第2アタッチメントリンク部材64は連結ピン69によりバケット13に連結されている。
【0073】
このような構成としても、アタッチメント用電動機33の発生する駆動力を、アタッチメント用回転部材61と第1アタッチメントリンク部材63と中間部材62と第2アタッチメントリンク部材64とを介して、確実にバケット13に伝達することができる。
【0074】
第5実施形態の場合、アタッチメント用回転部材61が
図9中の時計回り方向に回転することにより、第1アタッチメントリンク部材63に対し、アタッチメント用回転部材61に連結されている基端から中間部材62に連結されている先端へ向かって押す方向の力が作用する。これにより、中間部材62が、支持ピン65を中心として
図8中の時計回り方向に回転する。中間部材62が回転することにより、第2アタッチメントリンク部材64に対し、中間部材62に連結されている基端からバケット13に連結されている先端へ向かって押す方向の力が作用する。これにより、バケット13がアタッチメント連結ピン17を中心として
図9中の時計回り方向に回転して、バケット13が掘削方向に移動し、バケット13の刃先13Aが車体フレーム3に近づく。
【0075】
したがって第5実施形態の場合、掘削作業時に、棒状の第1アタッチメントリンク部材63および第2アタッチメントリンク部材64には、圧縮力が作用することになる。
【0076】
上記の実施形態では、動力伝達装置40が棒状のリンク部材を有する例について説明した。動力伝達装置40は、電動機30の駆動力を機械的に作業機10に伝達できるのであれば、リンク部材以外の機構を有してもよい。たとえば動力伝達装置40は、鋼索、チェーン、プーリ、ラックアンドピニオンなどのいずれかまたは組み合わせを有してもよい。
【0077】
実施形態では、車体フレーム3の前方左側に運転室4を配置し、運転室4の右方に作業機10を配置し、作業機10の右方に動力伝達装置40を配置する例について説明した。この配置に限られず、たとえば、作業機10の後方に運転室4を配置することで、作業機10の左右両側に動力伝達装置40を配置することが可能になるので、動力伝達装置40の配置の自由度を向上できる。
【0078】
実施形態では、電動機30がブーム用電動機31とアーム用電動機32とアタッチメント用電動機33とを個別に有する例について説明した。ブーム11、アーム12およびバケット13の駆動力を発生する電動機30を、必ずしも別々に設けなくてもよい。1つの電動機30の出力軸から動力を分配して、ブーム11、アーム12およびバケット13に駆動力をそれぞれ伝達する構成としてもよい。この場合、ブーム11、アーム12およびバケット13への駆動力の伝達の切り替えを、運転室4に搭乗するオペレータの操作で行うようにしてもよい。
【0079】
実施形態では、作業機10を駆動させる駆動力を発生する電動機30を備える電動式ショベル100について説明した。電動式ショベル100は、走行体5の走行、および走行体5に対する旋回体2の旋回のための駆動力も電動機が発生する、電動車両であってもよい。電動式ショベル100は、内燃機関を備えなくてもよい。電動式ショベル100は、油圧回路を備えなくてもよい。
【0080】
実施形態では、作業機械の一例として電動式ショベル100を挙げているが、電動式ショベル100に限らず、ホイールローダなどの多関節型の作業機を備える他の種類の作業機械にも適用可能である。
【0081】
以上のように実施形態について説明を行ったが、各実施形態において互いに組み合わせ可能な構成を適宜組み合わせてもよい。また、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0082】
1 車体、2 旋回体、3 車体フレーム、4 運転室、4S 運転席、5 走行体、5Cr 履帯装置、10 作業機、11 ブーム、12 アーム、13 バケット、13A 刃先、13B 首部、15 ブームフートピン、16 アーム連結ピン、17 アタッチメント連結ピン、21 バケットリンク、22 第1リンク部材、23 第2リンク部材、24,25,26 リンクピン、30 電動機、31 ブーム用電動機、32 アーム用電動機、33 アタッチメント用電動機、34,35,36 出力軸、40 動力伝達装置、45,46,47 動力伝達機構、51 アーム用回転部材、53 アームリンク部材、56,57,66,67,68,69 連結ピン、61 アタッチメント用回転部材、62 中間部材、63 第1アタッチメントリンク部材、64 第2アタッチメントリンク部材、65 支持ピン、71 ブーム用回転部材、100 電動式ショベル。