(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022120736
(43)【公開日】2022-08-18
(54)【発明の名称】テープ貼付装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/301 20060101AFI20220810BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20220810BHJP
【FI】
H01L21/78 M
H01L21/68 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021017860
(22)【出願日】2021-02-05
(71)【出願人】
【識別番号】000151494
【氏名又は名称】株式会社東京精密
(74)【代理人】
【識別番号】100169960
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 貴光
(72)【発明者】
【氏名】木▲崎▼ 清貴
【テーマコード(参考)】
5F063
5F131
【Fターム(参考)】
5F063AA31
5F063CB29
5F063DD67
5F063DG27
5F063DG29
5F063EE22
5F063EE43
5F131AA02
5F131BA53
5F131CA09
5F131EC33
5F131EC63
(57)【要約】
【課題】ダイシングテープを適切な張力でワーク及びダイシングフレームに貼り付けるテープ貼付装置を提供する。
【解決手段】テープ貼付装置1は、ダイシングテープDTをワークW及びダイシングフレームDFに貼付方向D1に沿って貼り付ける。テープ貼付装置1は、ダイシングテープDTをワークW及びダイシングフレームDFに押し付ける押圧ローラ34と、ダイシングテープDTを幅方向D2に向かってダイシングテープDTを伸展させるサポートピン4を備えている。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイシングテープをワーク及びダイシングフレームに所定の貼付方向に沿って貼り付けるテープ貼付装置であって、
前記ダイシングテープを前記ワーク及びダイシングフレームに押し付ける押圧ローラと、
前記ダイシングテープを平面から視て少なくとも前記貼付方向に対して垂直な幅方向に向かって前記ダイシングテープを伸展させる伸展手段を備えていることを特徴とするテープ貼付装置。
【請求項2】
前記ワークを保持する内周側テーブルと、
前記ダイシングフレームを載置する外周側テーブルと、
をさらに備え、
前記伸展手段は、前記内周側テーブル及び外周側テーブルの間に設けられ、少なくとも一部が前記ワーク及びダイシングフレームより上方に位置するサポートピンであり、
前記サポートピンは、前記押圧ローラの押圧力を受けて下方に揺動する際に、前記押圧ローラとの間に挟まれた前記ダイシングテープを伸展させることを特徴とする請求項1に記載のテープ貼付装置。
【請求項3】
前記伸展手段は、前記押圧ローラと対向して配置され、前記幅方向にスライド可能に設けられて、前記押圧ローラとの間を通過する前記ダイシングテープを伸展させるサポートローラであることを特徴とする請求項1に記載のテープ貼付装置。
【請求項4】
前記サポートローラの回転軸は、前記ダイシングテープが前記押圧ローラに送られる繰り出し方向に対して平行に設けられていることを特徴とする請求項3に記載のテープ貼付装置。
【請求項5】
前記サポートローラの回転軸は、前記ダイシングテープが前記押圧ローラに送られる繰り出し方向に対して傾斜して設けられていることを特徴とする請求項3に記載のテープ貼付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープ貼付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体製造分野では、シリコンウェハ等の半導体基板(以下、「ワーク」という)をチップに割断する工程があり、その工程では、ワークに貼着されたダイシングテープが個々のチップの位置を拘束することにより、チップの割断を効率よく行うことができる。
【0003】
特許文献1には、テーブル211に吸着固定されたウェーハWにエキスパンドテープEを貼着用ローラの加圧力により貼り付けることが記載されている。なお、符号は、特許文献1のものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ワーク及びダイシングフレームに貼り付けられたダイシングテープは、ワーク及びダイシングフレームの移動方向に伸展されており、移動方向に対して垂直な幅方向に作用する張力は低くなりがちであった。
【0006】
しかしながら、ダイシングテープに作用する移動方向及び幅方向の張力がそれぞれ適切でない場合、エキスパンド時にチップ間の適正な間隔が確保できず、チップの位置検知が困難になるという問題があった。
【0007】
そこで、ダイシングテープを適切な張力でワーク及びダイシングフレームに貼り付けるために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係るダイシングテープのテープ貼付装置は、ダイシングテープをワーク及びダイシングフレームに所定の貼付方向に沿って貼り付けるテープ貼付装置であって、前記ダイシングテープを前記ワーク及びダイシングフレームに押し付ける押圧ローラと、前記ダイシングテープを平面から視て少なくとも前記貼付方向に対して垂直な幅方向に向かって前記ダイシングテープを伸展させる伸展手段を備えている。
【0009】
この構成によれば、伸展手段が、ダイシングテープを幅方向に向かって伸展させることにより、ダイシングテープに幅方向の張力を付与することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、ダイシングテープに幅方向の張力を付与した状態でダイシングテープをワーク及びダイシングフレームに貼り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るテープ貼付装置を示す斜視図。
【
図2】内周側テーブル、外周側テーブル及びサポートピンを示す斜視図。
【
図6】ダイシングテープが貼り付けられる手順を示す斜視図であり、(a)は貼り付け開始時の様子を示し、(b)は貼り進めている状態を示し、(c)は貼り付け終了後の様子を示す。
【
図7】サポートピンがダイシングテープに張力を付与する様子を示す模式図であり、(a)は押圧ローラがサポートピン上を通過する前の状態を示し、(b)は押圧ローラがサポートピン上を通過して押圧ローラの下方に揺動する状態を示し、(c)は押圧ローラがサポートピン上を通過した後の状態を示す。
【
図8】内周側テーブルの略全周を囲繞するように配置されたサポートピンの配置位置を示す模式図。
【
図9】本発明の第2の実施形態に係るテープ貼付装置の要部を貼付方向の前方側から視た要部斜視図。
【
図10】テープ貼付装置の要部を貼付方向の後方側から視た一部切欠斜視図。
【
図12】サポートローラが幅方向にスライドする様子を示す模式図であり、(a)は貼付開始時のサポートローラの位置を示し、(b)は貼り進めているときのサポートローラの位置を示し、(c)は貼付終了時のサポートローラの位置を示す。
【
図13】本発明の変形例に係るテープ貼付装置の要部を貼付方向の前方側から視た斜視図。
【
図14】テープ貼付装置の要部を貼付方向の後方側から視た一部切欠斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の第1の実施形態について図面に基づいて説明する。なお、以下では、構成要素の数、数値、量、範囲等に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも構わない。
【0013】
また、構成要素等の形状、位置関係に言及するときは、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似又は類似するもの等を含む。
【0014】
また、図面は、特徴を分かり易くするために一部の構成要素を省略したり、特徴的な部分を拡大する等して誇張する場合があり、構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。また、断面図では、構成要素の断面構造を分かり易くするために、一部の構成要素のハッチングを省略することがある。なお、本実施形態において、上下や左右等の方向を示す表現は、絶対的なものではなく、各構成要素が図面に描かれている姿勢である場合に適切であるが、その姿勢が変化した場合には姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
【0015】
図1は、テープ貼付装置1を示す斜視図である。テープ貼付装置1は、ダイシングテープDTを貼付方向D1に沿ってワークW及びダイシングフレームDFに貼着するものである。ワークWは、例えば、シリコンウェハ等の半導体基板であるが、これに限定されるものではない。ダイシングテープDTは、紫外線硬化テープ等である。
【0016】
テープ貼付装置1は、搬送部2と、貼付部3と、を備えている。
【0017】
図2に示すように、搬送部2は、ワークWを保持する内周側テーブル21と、ダイシングフレームDFを載置する外周側テーブル22と、を備えている。
【0018】
内周側テーブル21の表面には、無数の気孔を有する多孔質材料からなる吸着体23が埋設されている。吸着体23の気孔の粗さは、例えば、#400又は#800等である。
【0019】
内周側テーブル21は、図示しない真空源及び圧縮空気源に切換自在に接続されている。真空源が起動すると、内周側テーブル21に載置されたワークWと吸着体23の上面(吸着面21a)との間に負圧が供給されて、ワークWが吸着面21aに吸着保持される。また、圧縮空気源が起動すると、ワークWと吸着面21aとの間に圧縮空気(リリースエアー)が供給されて、ワークWと吸着面21aとの吸着が解除される。
【0020】
内周側テーブル21及び外周側テーブル22は、図示しないスライダに載置されており、搬送方向(貼付方向D1の逆向き)に向かってスライド可能に構成されている。
【0021】
図1に示すように、貼付部3は、ダイシングテープDTを繰り出し可能に支持する送りローラ31と、ダイシングテープDTに繰出力を付与して巻き取る巻取ローラ32と、ダイシングテープDTに張力を作用させるとともにダイシングテープDTの軌道を規制する第1~第6のガイドローラ33a~33fと、上下に昇降可能でダイシングテープDTをワークWに貼付する押圧ローラ34と、ダイシングテープDTから剥離されたセパレータSの軌道を規制するナイフプレート35と、を備えている。
【0022】
図2、3に示すように、テープ貼付装置1は、伸展手段としての複数のサポートピン4を備えている。サポートピン4は、内周側テーブル21と外周側テーブル22との間に設けられている。
【0023】
サポートピン4は、
図4に示すように、内周側テーブル21の搬送方向の前方側略半分を囲繞するように配置されている。また、サポートピン4は、幅方向D2に左右対称に配置されている。なお、
図4では、サポートピン4の一部を省略している。
【0024】
また、サポートピン4は、平面から視て幅方向D2の内側から外側に向かって貼付方向D1の前方側に傾斜するように配置されている。このようなサポートピン4の傾きは、貼付方向D1の前方側に配置されたサポートピン4ほど、貼付方向D1に対して平行に近づくように設定されている。
【0025】
図5に示すように、サポートピン4は、側面から視て略扇状に形成されたピン本体41と、ピン本体41の基端側から側方に突設された軸部42と、を備えている。
【0026】
なお、ピン本体41の形状は、略扇状に限定されず、如何なる形状であっても構わない。また、ピン本体41の表面は、ダイシングテープDTが過度に粘着しないよう、例えば、フッ素樹脂でコーティングされたり、ローレット加工を施すのが好ましい。
【0027】
ピン本体41は、軸部42回りに揺動自在にリングテーブル43上に設けられている。ピン本体41は、押圧ローラ34による押圧力が作用しない無負荷状態で、少なくとも一部がダイシングフレームDFの上面及びワークWの上面より垂直方向D3の上方に位置する。また、ピン本体41は、後述するように先端側に押圧ローラ34が押圧力を作用させた際に弾性変形するように、適度な可撓性を有している。
【0028】
テープ貼付装置1の動作は、図示しないコントローラを介して制御される。コントローラは、テープ貼付装置1を構成する構成要素をそれぞれ制御するものである。コントローラは、例えばコンピュータであり、CPU、メモリ等により構成される。なお、コントローラの機能は、ソフトウェアを用いて制御することにより実現されても良く、ハードウェアを用いて動作するものにより実現されても良い。
【0029】
次に、テープ貼付装置1の動作について図面に基づいて説明する。
【0030】
<ワーク搬送>
まず、ダイシングフレームDFが、図示しない搬送ハンド等により外周側テーブル22上に移載される。
【0031】
次に、ワークWが、図示しない搬送ハンド等により内周側テーブル21上に移載される。その後、圧縮空気源からワークWと吸着面21aとの間に負圧が供給されると、ワークWが内周側テーブル21に吸着される。ワークWの上面とダイシングフレームDFの上面とは、略面一に設定される。
【0032】
<テープ貼付>
次に、スライダを駆動して、押圧ローラ34の下方にダイシングフレームDFの一方端(貼り付け開始位置)が配置されるように、内周側テーブル21及び外周側テーブル22を移動させる。
【0033】
次に、
図6(a)に示すように、巻取ローラ32が回転してダイシングテープDTを繰り出すとともに、押圧ローラ34がダイシングテープDTをダイシングフレームDFに押し当てて所定の押圧力で貼着する。なお、
図6では、スペースの都合上、サポートピン4を省略している。
【0034】
その後、
図6(b)に示すように、内周側テーブル21及び外周側テーブル22が搬送方向に沿って移動すると、ダイシングテープDTがダイシングフレームDF及びワークWに徐々に貼り進められる。
【0035】
ダイシングテープDTが貼り付けられる際には、サポートピン4が、幅方向D2の内側から外側に向かって揺動することによりダイシングテープDTに張力を付与する。
【0036】
具体的には、
図7(a)、(b)に示すように、無負荷状態では、ピン本体41の一部が、ダイシングフレームDF及びワークWより上方に位置している。
【0037】
次に、
図7(c)、(d)に示すように、押圧ローラ34がピン本体41上に位置すると、ピン本体41は、押圧ローラ34による押圧力で軸部42回りに下方に揺動する。押圧ローラ34とピン本体41とに挟まれたダイシングテープDTは、ピン本体41の揺動に伴って、ダイシングテープDTが幅方向D2の内側から外側に向かって伸展される。
【0038】
そして、
図7(e)、(f)に示すように、ダイシングテープDTが進展された状態で、押圧ローラ34が、ダイシングテープDTをダイシングフレームDFに貼り付ける。これにより、ダイシングテープDT内のダイシングフレームDFとワークWとの間において幅方向D2の張力が付与される。
【0039】
そして、
図6(c)に示すように、ダイシングテープDTが、ダイシングフレームDFの他方端(貼り終わり位置)まで達すると、ワークWとダイシングフレームDFとが、ダイシングテープDTを介して一体に貼着される。
【0040】
なお、サポートピン4の個数や設置位置は、上述したものに限定されず、ダイシングテープDTを局所的に伸展させて幅方向D2の張力を付与させたい場所や張力の大きさ等に応じて適宜変更可能である。
【0041】
例えば、
図8に示すように、サポートピン4は、内周側テーブル21の略全周を囲繞するように配置されても構わない。
図8に示すサポートピン4は、平面から視て幅方向D2の内側から外側に向かって貼付方向D1の前方側に傾斜するように配置されている。サポートピン4の傾きは、貼付方向D1の前方側に配置されたサポートピン4ほど、貼付方向D1に対して平行に近づくように設定されている。サポートピン4が、内周側テーブル21の略全周を囲繞するように設けられていることにより、ダイシングテープDTを広範囲に亘って幅方向D2の内側から外側に向かう張力を付与することができる。
【0042】
このようにして、本実施形態に係るテープ貼付装置1は、ダイシングテープDTをワークW及びダイシングフレームDFに貼付方向D1に沿って貼り付けるテープ貼付装置1であって、ダイシングテープDTをワークW及びダイシングフレームDFに押し付ける押圧ローラ34と、ダイシングテープDTを平面から視て幅方向D2にダイシングテープDTを伸展させるサポートピン4を備えている構成とした。
【0043】
この構成によれば、サポートピン4が、ダイシングテープDTを幅方向D2に伸展させることにより、ダイシングテープDTに幅方向D2の張力を付与することができる。
【0044】
また、テープ貼付装置1は、ワークWを保持する内周側テーブル21と、ダイシングフレームDFを載置する外周側テーブル22と、をさらに備え、サポートピン4は、内周側テーブル21及び外周側テーブル22の間に設けられ、少なくとも一部がワークW及びダイシングフレームDFより上方に位置し、押圧ローラ34の押圧力を受けて下方に揺動する際に、押圧ローラ34との間に挟まれたダイシングテープDTを伸展させる構成とした。
【0045】
この構成によれば、ダイシングテープDTがサポートピン4に貼り付けられた後に、押圧ローラ34がサポートピン4を押し込んで、サポートピン4の揺動に伴ってダイシングテープDTが幅方向D2に伸展されるため、ダイシングテープDTに幅方向D2の張力を付与することができる。なお、本実施形態では、ダイシングテープDTに付与する張力について幅方向D2の成分に限って説明したが、ダイシングテープDTに付与する張力は幅方向D2の成分を含むものであれば、如何なるものであっても構わない。
【0046】
次に、本発明の第2の実施形態に係るテープ貼付装置1について、図面に基づいて説明する。なお、後述するように、本実施形態に係るテープ貼付装置1は、上述した第1の実施形態に係るテープ貼付装置1と比較して、伸展手段の構成のみが異なるため、その他の共通する構成は同一の符号を付し、重複する説明を省略する。なお、
図9、
図10では、スペースの都合上、ダイシングテープDTを省略している。
【0047】
図9、
図10に示すように、テープ貼付装置1は、伸展手段としての左右一対のサポートローラ5が設けられている。サポートローラ5の表面は、ダイシングテープDTが過度に粘着しないよう、例えば、フッ素樹脂でコーティングしたり、ローレット加工を施すのが好ましい。
【0048】
図11に示すように、サポートローラ5は、押圧ローラ34との間にダイシングテープDTが位置するように、押圧ローラ34と対向するようにそれぞれ設けられている。各サポートローラ5の回転軸51は、フレーム52にそれぞれ軸支されており、サポートローラ5は、押圧ローラ34の回転に伴って回転軸51回りに回転する。回転軸51は、幅方向D2と平行に配置されている。各フレーム52は、図示しない駆動モータにより回転可能なボールねじ53にそれぞれ接続されている。ボールねじ53の回転方向に応じて、フレーム52が幅方向D2に移動するように構成されている。
【0049】
次に、サポートローラ5を用いて、ダイシングテープDTを幅方向D2に沿った張力を付与させる手順について、
図12に基づいて説明する。
【0050】
まず、
図12(a)に示すように、押圧ローラ34の下方にダイシングフレームDFの一方端(貼り付け開始位置)が配置されるように、内周側テーブル21及び外周側テーブル22を移動させる。そして、巻取ローラ32が回転してダイシングテープDTを繰り出すとともに、押圧ローラ34がダイシングテープDTをダイシングフレームDFの一方端に押し当てて所定の押圧力で貼着する。このとき、サポートローラ5は、幅方向D2の略中央に位置している。
【0051】
その後、
図12(b)に示すように、内周側テーブル21及び外周側テーブル22が搬送方向に沿って移動して、ダイシングテープDTが、ダイシングフレームDFの略中央付近までダイシングフレームDF及びワークWに貼り進められる。このとき、サポートローラ5は、平面から視て、幅方向D2の内側から外側に向かうように、ボールねじ53がフレーム52を移動させる。そして、サポートローラ5は、ダイシングテープDTとの摩擦で回転軸51回りに連れ回って回転しつつ幅方向D2の外側に向かって移動する際に、ダイシングテープDTを幅方向D2の外側に引っ張るように伸展させる。
【0052】
さらに、内周側テーブル21及び外周側テーブル22が搬送方向に沿って移動して、ダイシングテープDTが、ダイシングフレームDFの略中央から他方端に亘ってダイシングフレームDF及びワークWに貼り進められる。このとき、サポートローラ5は、平面から視て、幅方向D2の外側から内側に向かうように、ボールねじ53がフレーム52を移動させる。そして、サポートローラ5は、ダイシングテープDTとの摩擦で回転軸51回りに連れ回って回転しつつ幅方向D2の内側に向かって移動する際に、ダイシングテープDTを幅方向D2の内側に引っ張るように伸展させる。
【0053】
そして、
図12(c)に示すように、ダイシングテープDTが、ダイシングフレームDFの他方端(貼り終わり位置)まで達すると、ワークWとダイシングフレームDFとが、ダイシングテープDTを介して一体に貼着される。
【0054】
なお、サポートローラ5は、回転軸51が幅方向D2と平行に設けられたものに限定されない。例えば、
図13、
図14、
図15に示すように、回転軸51がダイシングテープDTの繰り出し方向に対して傾斜するように、具体的には、一対のサポートローラ5が、貼付方向D1から視て、ダイシングテープDTの繰り出し方向に対して略ハの字状に傾斜するように設けられても構わない。
【0055】
これにより、ダイシングテープDTがダイシングフレームDFの一方端から略中央付近までダイシングフレームDF及びワークWに貼り進められるときに、サポートローラ5が、幅方向D2の内側から外側に向かってスライドする際に、ダイシングテープDTを幅方向D2の外側にこねるように伸展させるため、ダイシングテープDTに張力を付し易くなる。
【0056】
このようにして、本実施形態に係るテープ貼付装置1は、ダイシングテープDTをワークW及びダイシングフレームDFに貼付方向D1に沿って貼り付けるテープ貼付装置1であって、ダイシングテープDTをワークW及びダイシングフレームDFに押し付ける押圧ローラ34と、ダイシングテープDTを平面から視て幅方向D2に向かってダイシングテープDTを伸展させるサポートローラ5を備えている構成とした。
【0057】
この構成によれば、サポートローラ5が、ダイシングテープDTを幅方向D2に向かって伸展させることにより、ダイシングテープDTに幅方向D2の張力を付与することができる。
【0058】
また、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り、上記以外にも種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【符号の説明】
【0059】
1 :テープ貼付装置
2 :搬送部
21 :内周側テーブル
21a:吸着面
22 :外周側テーブル
23 :吸着体
3 :貼付部
31 :送りローラ
32 :巻取ローラ
33a~33f:第6のガイドローラ
34 :押圧ローラ
35 :ナイフプレート
4 :サポートピン(伸展手段)
41 :ピン本体
42 :軸部
43 :リングテーブル
5 :サポートローラ(伸展手段)
51 :回転軸
52 :フレーム
53 :ボールねじ
DF :ダイシングフレーム
DT :ダイシングテープ
W :ワーク