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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022121392
(43)【公開日】2022-08-19
(54)【発明の名称】ウエハボート
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20220812BHJP
【FI】
H01L21/68 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022015550
(22)【出願日】2022-02-03
(31)【優先権主張番号】63/146,870
(32)【優先日】2021-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】テオドルス・ジー・エム・オーステルレークン
(72)【発明者】
【氏名】チャッガイ・ガナニ
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131CA02
5F131GA03
5F131GA33
5F131GA52
5F131GA53
5F131GA69
5F131GA82
(57)【要約】
【課題】垂直バッチ炉のペデスタル上に定置されるように構成されたウエハボートに関する。
【解決手段】垂直バッチ炉のペデスタル上に定置されるように構成されたウエハボートであって、ペデスタルは実質的に平坦な支持面を有する。ウエハボートは、ウエハボートの実質的に平坦な底端部表面を画定する支持リングと、支持リングと実質的に同心の整列リングとを備える。ペデスタルの支持面、または整列リングの底部側のいずれかには、それぞれ支持面から上向きに、または整列リングから下向きに突出する複数の整列要素が提供され、一方で、もう一方には、その中に複数の整列要素を収容するように構成された複数の整列開口部が提供される。支持リングは、整列リングを超えて下向きに突出し、そのため、ウエハボートがペデスタル上に定置される時、支持リングは支持面上に支持され、一方で整列リングはペデスタルの支持面から離間する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のウエハを支持し、かつ垂直バッチ炉のペデスタル(12)上に定置されるように構成されたウエハボート(10)であって、前記ペデスタル(12)が実質的に平坦な支持面(14)を有し、前記ウエハボート(10)は、前記ウエハボート(10)が前記ペデスタル(12)上に定置される時、実質的に垂直に延在する中央ウエハボート軸(16)を画定し、前記ウエハボート(10)が、
- 前記ウエハボート(10)の実質的に平坦な底端部表面(20)を画定する支持リング(18)と、
- 前記支持リング(18)と実質的に同心の整列リング(22)と、を備え、
前記ペデスタル(12)の前記支持面(14)、または前記整列リング(22)の底部側のいずれかには、前記支持面(14)から上向きにまたは前記整列リング(22)から下向きにそれぞれ突出する複数の整列要素(24)が提供され、かつ前記支持面(14)および前記整列リング(22)のもう一方には、前記複数の整列要素(24)をその中に収容するように構成された複数の整列開口部(26)が提供され、
前記支持リング(18)が、前記中央ウエハボート軸(16)の方向で前記整列リング(22)を超えて下向きに突出し、そのため前記ウエハボート(10)が前記ペデスタル(12)上に定置される時、前記支持リング(18)は前記支持面(14)上に支持され、一方で前記整列リング(22)は前記ペデスタル(12)の前記支持面(14)から離間される、ウエハボート。
【請求項2】
前記支持リング(18)が環状であり、かつ内半径(28)および外半径(30)を有し、また前記内半径(28)と前記外半径(30)との間の差が10mm未満、好ましくは4~5mmである、請求項1に記載のウエハボート。
【請求項3】
前記支持リング(18)および前記整列リング(22)が一体的に形成される、請求項1または2に記載のウエハボート。
【請求項4】
前記整列要素(24)が、前記ペデスタル(12)の前記支持面(14)上に提供され、かつ前記複数の整列開口部(26)が、前記整列リング(22)内に提供され、また任意選択的に、前記支持リング(18)を通して延在する、請求項1~3のいずれか一項に記載のウエハボート。
【請求項5】
前記複数の整列開口部(26)が、前記整列リング(22)を通るスロット(26)として具体化され、かつ任意選択的に前記支持リング(18)を通して延在する、請求項1~4のいずれか一項に記載のウエハボート。
【請求項6】
各スロット(26)が、スロット軸(32)を有する実質的に直線のスロットであり、各スロット軸(32)が、前記整列リング(22)の中心点および任意選択的に前記支持リング(18)を通して延在し、かつ半径方向外向きに延在する、請求項5に記載のウエハボート。
【請求項7】
前記複数のスロット(26)が、前記整列リングの前記円周に沿って実質的に105°~135°の中間角度にわたって周方向に離間された3つのスロット(26)を備える、請求項6に記載のウエハボート。
【請求項8】
前記中間角度が、実質的に110°、実質的に120°、および実質的に130°である、請求項7に記載のウエハボート。
【請求項9】
前記整列要素(24)が、前記整列リング(22)上に提供され、かつ前記複数の整列開口部(26)が、前記支持面(14)内のスロットとして具体化される、請求項1~3のいずれか一項に記載のウエハボート。
【請求項10】
各スロット(26)の幅は、各整列要素がそれぞれのスロット26内にぴったりと嵌合するものであり、そのため前記関連付けられたスロット(26)内の半径方向での前記要素の動きが可能であり、かつ前記整列リング(22)の接線方向での前記要素の動きは阻止される、請求項5~9のいずれか一項に記載のウエハボート。
【請求項11】
前記中央ウエハボート軸(16)と平行な、前記整列リング(22)に接続され、かつそこから上向きに延在する少なくとも2つのポスト(34)、好ましくは3つのポスト(34)をさらに備え、各ポスト(34)が、複数のウエハを支持するための複数のスリット(34)を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のウエハボート。
【請求項12】
前記少なくとも2つのポスト(32)の上端部に接続された上部プレート(36)をさらに備える、請求項11に記載のウエハボート。
【請求項13】
前記整列リング(22)から内向きに延在し、かつ前記整列リング(22)と同心である底部プレート(38)を備える、請求項11または12に記載のウエハボート。
【請求項14】
前記支持リング(18)、前記整列リング(22)、および前記底部プレート(38)が一体的に形成される、請求項11~13のいずれか一項に記載のウエハボート。
【請求項15】
前記支持リング(18)が、前記整列リング(22)の半径方向外向きに構成される、請求項1~14のいずれかに記載のウエハボート。
【請求項16】
前記支持リング(18)および前記整列リング(22)が、石英で作製される、請求項1~15のいずれか一項に記載のウエハボート。
【請求項17】
ウエハボート(10)を整列および回転させるためのアセンブリ(10、12)であって、
- 請求項1~16のいずれか一項に記載のウエハボート(10)と、
- 実質的に平坦な支持面(14)と、前記整列リング(22)内の前記複数の整列開口部(26)内に収容されるように構成された前記支持面(14)から上向きに突出する複数の整列要素(24)、または前記整列リング(22)上の前記複数の整列要素(24)をその中に収容するように構成された複数の整列開口部(26)のいずれかと、を備える、ペデスタル(12)と、を備えるアセンブリ。
【請求項18】
前記整列要素(24)が、前記ペデスタル支持面(14)から上向きに延在するピンである、請求項17に記載のアセンブリ。
【請求項19】
ウエハを処理するための垂直バッチ炉アセンブリであって、
- 熱処理または化学処理をウエハのバッチに適用するように構成されたプロセスチャンバと、
- 請求項17または18に記載の前記アセンブリ(10、12)に提供されたウエハ取り扱い空間と、
- 前記アセンブリ(10、12)を前記ウエハ取り扱い空間と前記プロセスチャンバとの間で移送するように構成されたウエハボート取り扱い装置と、を備える、垂直バッチ炉アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、複数のウエハを支持し、かつ垂直バッチ炉のペデスタル上に定置されるように構成されたウエハボートに関する。
【背景技術】
【0002】
ほとんどの垂直バッチ炉には、ウエハボートを支持するため、および前記ウエハボートをプロセスチャンバへと移動するためのペデスタルが提供されている。典型的には、ウエハボートは、ペデスタル上の小さい円筒状の足部に定置される。ペデスタルは、ウエハボートをプロセスチャンバ内のプロセス位置へと垂直に移動させてもよい。
【発明の概要】
【0003】
この発明の概要は、概念の選択を単純化した形態で紹介するために提供される。これらの概念は、以下の本開示の例示的な実施形態の「発明を実施するための形態」において、さらに詳細に記述される。この「発明の概要」は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、また特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図するものでもない。
【0004】
ウエハボート内のウエハの均一な処理、例えば、ウエハボート内のウエハの表面上への材料の均一な堆積を得るために、プロセスチャンバに対して、ウエハボートを一直線かつ同心に位置付けることが必要とされる場合があることが理解される。したがって、ウエハボートが垂直バッチ炉のペデスタルの上へと定置される時、底部または接触面は高いレベルの平坦度を有する必要がある場合がある。高いレベルの平坦度は、ウエハボートの傾きを防止し、またウエハボートとプロセスチャンバとの間で一直線の整列を可能にする。十分なレベルの平坦度を有しないと、プロセスチャンバに対してウエハボートの傾きをもたらす場合があり、これは、例えば、前記プロセスにおいて不均一な堆積をもたらす場合がある。
【0005】
さらに、ウエハボートとペデスタルとの間の接触面は小さいことが望ましい場合がある。接触面が小さいと、ウエハボートからペデスタルへの熱伝導を最小化し、それ故に熱損失を最小化する場合がある。
【0006】
したがって、十分なレベルの平坦度を達成しうる、前記ペデスタルの上に定置されたウエハボートとともにペデスタルの回転を可能にしうる、かつ熱損失を最小化しうる、ペデスタルに対する整列システムを備えうるウエハボートを提供することが、目的であってもよい。
【0007】
その目的で、請求項1に記載のウエハボートが提供されてもよい。より具体的には、複数のウエハを支持し、かつ垂直バッチ炉のペデスタル上に定置されるように構成されたウエハボートが提供されてもよい。ペデスタルは、実質的に平坦な支持面を有してもよい。ウエハボートは、中央ウエハボート軸を画定してもよく、これは、ウエハボートがペデスタル上に定置された時、実質的に垂直に延在してもよい。ウエハボートは、支持リングおよび整列リングを備えてもよい。支持リングは、実質的に平坦なウエハボートの底端部表面を画定してもよい。整列リングは、支持リングと実質的に同心であってもよい。ペデスタルの支持面または整列リングの底部側のいずれかには、それぞれ支持面から上向きに、または整列リングから下向きに突出する複数の整列要素が提供されてもよい。支持面および整列リングのうちのもう一方には、複数の整列要素をその中に収容するように構成された複数の整列開口部が提供されてもよい。支持リングは、中央ウエハボート軸の方向に整列リングを超えて下向きに突出してもよく、そのため、ウエハボートがペデスタル上に定置された時、支持リングは支持面上に支持されてもよく、一方で整列リングはペデスタルの支持面から離間してもよい。
【0008】
また、請求項17に記載のウエハボートを整列および回転させるためのアセンブリが提供されてもよい。アセンブリは、本明細書によるウエハボート、およびペデスタルを備えてもよい。ペデスタルは、実質的に平坦な支持面と、整列リング内の複数の整列開口部内に収容されるように構成された、前記支持面から上向きに突出する複数の整列要素、またはその中に整列リング上の複数の整列要素を収容するように構成された複数の整列開口部のいずれかとを備えてもよい。
【0009】
請求項19に記載のウエハを処理するための垂直バッチ炉アセンブリがさらに提供されてもよい。垂直バッチ炉アセンブリは、プロセスチャンバ、ウエハ取り扱い空間、およびウエハボート取り扱い装置をさらに備えてもよい。プロセスチャンバは、熱処理または化学処理をウエハのバッチに適用するように構成されてもよい。ウエハ取り扱い空間には、本明細書によるアセンブリが提供されてもよい。ウエハボート取り扱い装置は、ウエハ取り扱い空間とプロセスチャンバとの間でアセンブリを移送するように構成されてもよい。
【0010】
先行技術を超えて達成される本発明および利点を要約するために、本発明のある特定の目的および利点が、本明細書で上述されてきた。当然のことながら、必ずしもこうした目的または利点の全てが本発明の任意の特定の実施形態によって達成され得るとは限らないことが理解されるべきである。それ故に、例えば、本明細書において教示または示唆されうる通りの他の目的または利点を必ずしも達成することなく、本明細書において教示または示唆される通りの1つの利点または一群の利点を達成または最適化する様態で、本発明が具体化または実行されてもよいことを当業者は認識するであろう。
【0011】
様々な実施形態が従属請求項において特許請求され、これは図に示される例を参照してさらに明らかにされる。実施形態は組み合わされてもよく、または互いに分離して適用されてもよい。
【0012】
これらの実施形態の全てが、本明細書に開示した本発明の範囲内であることが意図されている。これらの実施形態および他の実施形態は、以下の添付の図面を参照するある特定の実施形態の以下の「発明を実施するための形態」から当業者に容易に明らかとなることになり、本発明は開示されるいかなる特定の実施形態にも限定されない。
【0013】
本明細書は、本発明の実施形態と見なされるものを具体的に指摘し、かつ明確に特許請求する特許請求の範囲で結論付ける一方で、本開示の実施形態の利点は、添付の図面と併せて読むと、本開示の実施形態のある特定の実施例の記述から、より容易に確定されうる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本記述によるウエハボートの実施例の断面斜視図を示す。
図2図2は、図1の底部詳細を示す。
図3図3は、図2に示すようなウエハボートの実施例の底部詳細を斜視断面図で示し、同じく断面図で示されるペデスタル上に定置されている間のものである。
図4図4は、本記述によるウエハボートの実施例の底面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
この出願では、類似のまたは対応する特徴部は、類似のまたは対応する参照記号によって示される。様々な実施形態の記述は、図に示される実施例に限定されず、また発明を実施するための形態および特許請求の範囲で使用される参照番号は、実施形態の記述を限定することを意図しておらず、実施形態を明瞭にするために含まれる。
【0016】
ある特定の実施形態および実施例を以下に開示するが、本発明の具体的に開示された実施形態および/または使用、ならびにその明白な修正および均等物を超えて本発明が延在することは、当業者によって理解されるであろう。それ故に、開示された本発明の範囲は、以下に記述される特定の開示された実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。本明細書に提示された例示は、任意の特定の材料、構造、または装置の実際の姿であることを意味せず、本開示の実施形態を記述するために使用される、単に理想化された表現にすぎない。
【0017】
本明細書で使用される場合、「ウエハ」という用語は、使用されてもよい、または装置、回路、もしくはフィルムがその上に形成されてもよい任意の下にある材料(複数可)を指す場合がある。
【0018】
最も一般的な表現では、本開示は、ウエハボート10を提供してもよい。ウエハボートは、複数のウエハを支持するように構成されてもよく、またウエハボートは、垂直バッチ炉のペデスタル12上に定置されるように構成されてもよい。ペデスタル12は、実質的に平坦な支持面14を有してもよい。ウエハボート10は、中央ウエハボート軸16を画定してもよく、中央ウエハボート軸16は、ウエハボート10がペデスタル12上に定置される時、実質的に垂直に延在してもよい。ウエハボート10は、支持リング18および整列リング22を備えてもよい。支持リング18は、実質的に平坦なウエハボート10の底端部表面20を画定してもよい。整列リング22は、支持リング18と実質的に同心であってもよい。ペデスタル12の支持面14または整列リング22の底部側のいずれかには、それぞれ支持面14から上向きに、または整列リング22から下向きに突出する複数の整列要素24が提供されてもよい。支持面14および整列リング22のうちのもう一方には、複数の整列要素24をその中に収容するように構成された複数の整列開口部26が提供されてもよい。支持リング18は、中央ウエハボート軸16の方向で整列リング22を超えて下向きに突出してもよく、そのため、ウエハボート10がペデスタル12上に定置された時、支持リング18は支持面14上に支持されてもよく、一方で整列リング22はペデスタル12の支持面14から離間してもよい。
【0019】
支持リング18および整列リング22を利用することにより、ペデスタル12は、ペデスタル12上への定置の間と、ペデスタル12上に定置された後とでは、ウエハボート10上に異なる力を及ぼす場合がある。ペデスタル12は、ウエハボート10を支持し持ち上げるための垂直力を及ぼす場合がある。ペデスタル12はまた、横断方向の水平力を及ぼしてウエハボート10を回転させる場合もある。ペデスタル12はさらに、水平平面に力を及ぼして、前記水平平面内でウエハボート10を平行移動させてもよい。ペデスタル12はまた、前記ウエハボート10をペデスタル12上の正しい位置へと整列させるために、ペデスタル12に対してウエハボート10を移動させる水平力を及ぼしてもよい。
【0020】
突出する整列要素24および整列開口部26は、ペデスタル12に対して、また結果としてプロセスチャンバに対しても、ウエハボート10を正しい位置および回転角度で定置することを可能にする場合がある整列システムを形成してもよい。整列要素24の定置および合致する整列開口部26を注意深く選択することによって、正確な定置が達成されうる。ウエハボート10がペデスタル12の上に定置された時、整列要素24は、整列開口部26の中へと摺動して入り、ウエハボート10をペデスタル12と整列させうる。
【0021】
ペデスタル12の上に定置された時、支持リング18は、垂直の支持力を受容するように構成される。同時に、整列リング22内、または整列リング22上の整列開口部26または整列要素24は、ペデスタル12からの水平力を受容することができる。合致する整列要素24および整列開口部26は、ウエハボート10への回転移動の伝達を可能にする場合がある。整列要素24は、例えば、突出部またはロッドとして、また開口部は、合致する穴として実装されてもよい。当然のことながら、整列要素24と整列開口部26との間の係合は、ウエハボート10への平行移動、または平行移動と回転との組み合わせを誘導するためにも使用されてもよい。
【0022】
ウエハボート10は、その支持リング18の底端部表面20をペデスタル12の支持面14上に置いてもよい。ウエハボート10とペデスタル12との間に1つの単一の接触面があってもよい。対照的に、公知のウエハボートの小さい足部は各々、別の小さい足部の接触面とは独立した接触面を有してもよい。これらの独立した接触面を用いて、十分なレベルの平坦度に達するのは困難である場合がある。1つの単一の接触面であってもよいので、対応する複数の足部の複数の接触面を用いるよりも、前記表面を製造し、かつウエハボート10の整列のために必要な十分なレベルの平坦度を達成することがより簡単な場合がある。
【0023】
伝導熱損失は、支持リング18へと底端部表面20を通ってのみ移動しうる。支持リング18を使用することによって、この伝導熱損失が最小化されるように、リング18の半径方向幅を選ぶことが可能になる。
【0024】
実施形態では、支持リング18は環状であってもよく、また内半径28および外半径30を有してもよい。内半径28と外半径30との間の差は、10mm未満であってもよく、好ましくは4~5mmであってもよい。
【0025】
小さい半径方向幅のおかげで、比較的細い支持リング18は、比較的小さい底端部表面20を有してもよい。半径方向幅は、ウエハボートに支持を提供するために十分である必要がある場合があり、一方で小さい底端部表面は、ウエハボート10からペデスタル12への熱伝導損失を最小化する場合がある。
【0026】
実施形態では、支持リング18および整列リング22は、一体的に形成されてもよい。
【0027】
こうした一体的に形成された実装を用いて、支持リング18および整列リング22は、相互に対して固定されてもよく、これは、ウエハボート10を構築する時の相対的な整列がもはや必要でなくなることを意味する。さらに、使用中の部品間の摩擦および摩耗が回避される。これは、ウエハボート内のウエハを汚染する場合があるごく小さい粒子または破片が生じないことを意味する。
【0028】
実施形態では、整列要素24は、支持面14上に提供されてもよい。複数の整列開口部26は、整列リング22内に提供されてもよく、また支持リング18を通して延在してもよい。別の方法として、整列要素24は、整列リング22の底部側上に提供されてもよく、また複数の整列開口部26は、ペデスタル12の支持面14内に提供されてもよい。また、複数の整列要素24のうちの1つ以上が支持面14上に提供され、一方で複数の整列要素24の別の部分が整列リング22の底部側の上に提供されることも可能である場合がある。
【0029】
実施例が図に示される一実施形態では、整列要素24は支持面14上に提供されてもよい。複数の整列開口部26は、整列リング22および任意選択的に支持リング18を通してスロット26として具体化されてもよい。各スロット26は、スロット軸32を有する実質的に直線のスロット26であってもよい。各スロット軸32は、整列リング22および任意選択的に支持リング18の中心点を通して延在してもよく、また半径方向外向きに延在してもよい。複数のスロット26は、整列リングの円周に沿って実質的に105°~135°の中間角度にわたって周方向に離間されうる3つのスロット26を備えてもよい。中間角度は、例えば、実質的に110°、実質的に120°、および実質的に130°であってもよい。
【0030】
スロット26および整列要素24は、ペデスタル12の上へのウエハボート10の定置が一意でありうるように配置されてもよい。スロット26は細長い形状を有してもよいため、突出する整列要素24は、スロット26の長さ方向には移動可能であるが、幅方向には移動可能ではない場合がある。スロット26の定置を注意深く選択することによって、ペデスタル12に対するウエハボート10の位置は正確に決定される場合があり、一方で、固定は過度に制約されない場合がある。図4の実施例に示すように、中心点を通して延在するスロット軸32を有することによって、ウエハボート10は、その中心点に対して整列されてもよい。3つのスロット26は、ウエハボート10をペデスタル12に対して正確に整列させ、かつ相互に対する相対的な動きを防止するのに十分である場合がある。3つの角度をほぼ均等に、しかし完全に均等でなく分散させることによって、ペデスタル12に対するウエハボート10の唯一の回転位置が可能になる。
【0031】
代替的な実施形態では、整列要素24は、整列リング22上に提供されてもよく、また複数の整列開口部26は、支持面14内のスロットとして具体化されてもよい。
【0032】
整列要素24および整列開口部26のこの構成は、整列要素24がペデスタル12上に提供され、スロット26が整列リング22内に提供される実施形態と同一の効果および利点を有する場合がある。
【0033】
実施形態では、各スロット26の幅は、各整列要素24が、それぞれのスロット26内にぴったりと嵌合するようになる場合があり、そのため関連付けられたスロット26内の半径方向での要素の動きは可能であり、また整列リング22の接線方向での要素の動きは阻止される。
【0034】
複数のスロット26、特に3つのスロット26を互いに対してある角度で有することによって、ペデスタル12に対するウエハボート10の位置は、過度に制約されることなく画定される。これらの効果は、突出する整列要素24が支持面14上に提供され、かつ整列開口部26が整列リング22内に提供される実施形態だけでなく、突出する整列要素24が整列リング22上に提供され、かつ整列開口部26が支持面14内に提供される実施形態でも、両方とも同様に適用される。
【0035】
実施例が図1に示される一実施形態では、ウエハボート10は、中央ウエハボート軸16に平行な、整列リング22に接続され、かつ整列リング22から上向きに延在する、少なくとも2つのポスト34、好ましくは3つのポスト34をさらに含んでもよい。各ポスト34は、複数のウエハを支持するための複数のスリット34を備えてもよい ウエハボートは、少なくとも2つのポスト32の上端部に接続された上部プレート36をさらに備えてもよい。ウエハボート10はまた、整列リング22から内向きに延在し、かつ整列リング22と同心であってもよい底部プレート38も含んでもよい。支持リング18、整列リング22、および底部プレート38は、一体的に形成されてもよい。
【0036】
一体的に形成された支持リング18および整列リング22と同様に、一体的に形成された支持リング18、整列リング22、および底部プレート38は、相互に対して固定されてもよく、これは、ウエハボート10を構築する時の相対的な整列がもはや不要になることを意味する。
【0037】
さらに、使用中の部品間の摩擦および摩耗が回避される。これは、ウエハボート内のウエハを汚染する場合がある粒子または破片が生じないことを意味する。
【0038】
ポスト34は、垂直に延在してもよい。上部プレート36は、上向きに延在するポスト34を安定化する場合がある。複数のスリット34は、支持されるウエハが相互に等しい距離にあるように、均等に離間されていてもよい。これは、均一な堆積プロセスをさらに促進する場合がある。
【0039】
実施例が図に示される実施形態では、支持リング18は、整列リング22の半径方向外向きに構成されてもよい。
【0040】
この実施形態では、概してウエハボートの基部として作用しうる支持リング18は、整列リング22より大きい直径を有してもよい。より大きい直径を有することは、支持リング18が、ウエハボート10により高い安定性を提供しうることを意味する。
【0041】
実施形態では、支持リング18および整列リング22は、石英で作製されてもよい。
【0042】
ウエハボート10および整列システムは、ウエハボート材料内の高い応力につながる場合がある大きな温度差に耐えることができる必要がある場合がある。石英は、その要求を満たすために好適な場合がある。整列リング22および支持リング18に加えて、ウエハボート10の他の部品も、石英で作製されてもよい。可能性としては、ポスト32、上部プレート36および/または底部プレート38などである。
【0043】
本開示はまた、ウエハボート10を整列および回転させるためのアセンブリ10、12も提供する場合がある。アセンブリ10、12は、本記述によるウエハボート10、およびペデスタル12を備えてもよい。ペデスタル12は、実質的に平坦な支持面14を備えてもよく、また整列リング22の複数の整列開口部26内に収容されるように構成された、当該支持面14から上向きに突出する複数の整列要素24、またはその中に整列リング22上の複数の整列要素24を収容するように構成された複数の整列開口部26のいずれかを備えてもよい。
【0044】
アセンブリ10、12の効果および利点は、ウエハボート10に関連して上述した利点と同様であり、これらの効果および利点は参照によりここに挿入される。
【0045】
実施形態では、整列要素24は、ペデスタル支持面14から上向きに延在しうるピンであってもよい。
【0046】
それ故に、アセンブリは、ウエハボート10およびペデスタル12が整列される場合があるピンおよび開口部の組み合わせ、またはピンおよびスロットの組み合わせを提供してもよい。
【0047】
本開示は、ウエハを処理するための垂直バッチ炉アセンブリを提供してもよい。垂直バッチ炉アセンブリは、プロセスチャンバ、ウエハ取り扱い空間、およびウエハボート取り扱い装置をさらに備えてもよい。プロセスチャンバは、熱処理または化学処理をウエハのバッチに適用するように構成されてもよい。ウエハ取り扱い空間には、本明細書によるアセンブリ10、12が提供されてもよい。ウエハボート取り扱い装置は、ウエハ取り扱い空間とプロセスチャンバとの間でアセンブリ10、12を移送するように構成されてもよい。
【0048】
垂直バッチ炉アセンブリの効果および利点は、アセンブリ10、12およびウエハボート10に関連して上述した利点と同様であり、これらの効果および利点は参照により挿入される。
【0049】
本発明の例示的な実施形態を、添付図面を部分的に参照しながら上述されてきたが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことが理解されるべきである。本開示の実施形態に対する変形形態は、特許請求される発明を実施する当業者によって、図面、開示、および添付の特許請求の範囲の検討から、理解および達成することができる。
【0050】
本明細書全体を通して、「1つの実施形態(one embodiment)」または「一実施形態(an embodiment)」への参照は、実施形態に関連して記述された特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。それ故に、この記述全体を通して様々な個所における「1つの実施形態において(in one embodiment)」または「一実施形態において(in an embodiment)」という句の出現は、必ずしも全てが同一の実施形態を指すわけではない。
【0051】
さらに、上述の様々な実施形態のうちの1つ以上の特定の特徴、構造、または特性は、相互から独立して使用、実施されてもよく、また明示的に記述されていない新しい実施形態を形成するために任意の好適な様態で組み合わせられてもよいことが留意される。発明を実施するための形態および特許請求の範囲で使用されている参照番号は、実施形態の記述を限定せず、請求項も限定しない。参照番号は明確のためにのみ使用される。
【符号の説明】
【0052】
10-ウエハボート
12-ペデスタル
14-支持面
16-中央ウエハボート軸
18-支持リング
20-底端部表面
22-整列リング
24-ピン
26-スロット
28-内半径(支持リングの)
30-外半径(支持リングの)
32-スロット軸
32-ポスト
34-スリット
36-上部プレート
38-底部プレート
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】