IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 内山工業株式会社の特許一覧 ▶ 国立大学法人九州工業大学の特許一覧 ▶ 学校法人産業医科大学の特許一覧

<>
  • 特開-液体測定装置 図1
  • 特開-液体測定装置 図2
  • 特開-液体測定装置 図3
  • 特開-液体測定装置 図4
  • 特開-液体測定装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122369
(43)【公開日】2022-08-23
(54)【発明の名称】液体測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 11/04 20060101AFI20220816BHJP
   G01N 11/00 20060101ALI20220816BHJP
   G01N 37/00 20060101ALI20220816BHJP
【FI】
G01N11/04
G01N11/00 C
G01N37/00 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021019551
(22)【出願日】2021-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000225359
【氏名又は名称】内山工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504174135
【氏名又は名称】国立大学法人九州工業大学
(71)【出願人】
【識別番号】506087705
【氏名又は名称】学校法人産業医科大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 伸光
(72)【発明者】
【氏名】牧野 耕治
(72)【発明者】
【氏名】坂本 憲児
(72)【発明者】
【氏名】大野 宏毅
(57)【要約】      (修正有)
【課題】流動管を所望する位置に取り付けることができるとともに、流動管を支持する支持部材が脱着自在な液体測定装置を提供する。
【解決手段】液体の流動状態から前記液体の特性を測定する液体測定装置1であって、前記液体が流動する流動管20と、前記流動管を支持する支持部材10と、前記支持部材が収容される本体部40とを備え、前記支持部材は、前記本体部に形成された係止部44によって係止され、前記本体部に対して脱着自在に設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体の流動状態から前記液体の特性を測定する液体測定装置であって、
前記液体が流動する流動管と、
前記流動管を支持する支持部材と、
前記支持部材が収容される本体部とを備え、
前記支持部材は、前記本体部に形成された係止部によって係止され、前記本体部に対して脱着自在に設けられていることを特徴とする液体測定装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記流動管は、毛細管現象の作用によって前記液体が流動するガラス材からなる中空管であり、
前記支持部材には、前記流動管の長さ方向に沿って前記流動管の長さに応じて形成される空間部が設けられ、
前記流動管は前記空間部内に収容されることを特徴とする液体測定装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、
前記本体部は、前記支持部材の一方端部が嵌合される第1収容部と、前記支持部材の他方端部が嵌合される第2収容部とを有し、
前記支持部材は、前記第2収容部に形成された開放端から前記支持部材の前記一方端部を挿入し、前記流動管内を流動する前記液体の流れ方向に沿ってスライドさせ、前記第1収容部と前記2収容との間に前記流動管が架け渡されるように配備される構造としたことを特徴とする液体測定装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記支持部材の前記他方端部には、2股に分かれた一対の把持部が設けられており、
前記一対の把持部の端部は、互いに近づく方向に撓る構造とされ、
前記把持部の外側面に、前記係止部に係止される凸部が形成されていることを特徴とする液体測定装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか一項において、
前記流動管の流動方向下流側の端部には、前記液体が流動する弾性材製のチューブが脱着自在に接続されており、
前記チューブの一部が前記支持部材に設けられた固定部で固定されていることを特徴とする液体測定装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体の流動状態から液体の特性を測定する液体測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような液体測定装置としては、例えば下記特許文献1,2が挙げられる。
下記特許文献1,2には、流路に沿って複数の検出部が配置され、流路を流れる体液の粘性を測定する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-28451号公報
【特許文献2】特開2020-8342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような装置において、流路を流れる液体の粘性を測定するためには、流動する液体を複数の検出部で検出し測定する必要があるため、流路の位置決めが適正になされていないと、測定精度の低下につながる。また粘性を測定する液体が、例えば人の血液等の体液である場合は、健康状態を知るための検査に用いられるため、液体が流動する流路を検査の度に交換して測定できる構成が求められる。
【0005】
上記特許文献1に開示されている装置は、複数の導線が配されたベース部材と流路が形成された板材とが一体的に組み合わされてチップが構成されている。そのため、特許文献1に開示された装置は、流路が形成された板材のみを取り替えて使用することを想定したものではない。また上記特許文献2に開示されている装置は、流路とセンサが取り付けられた部材等の構造についてはなんら開示がない。
【0006】
本発明は、前記実情に鑑みなされたもので、流動管を所望する位置に取り付けることができるとともに、流動管を支持する支持部材が脱着自在な液体測定装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明に係る液体測定装置は、液体の流動状態から前記液体の特性を測定する液体測定装置であって、前記液体が流動する流動管と、前記流動管を支持する支持部材と、前記支持部材が収容される本体部とを備え、前記支持部材は、前記本体部に形成された係止部によって係止され、前記本体部に対して脱着自在に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る液体測定装置は、上述のような構成としたことで、流動管を所望する位置に取り付けることができるとともに、流動管を支持する支持部材が脱着自在となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る液体測定装置の一例を模式的に示した概略斜視図である。
図2】同液体測定装置の分解斜視図である。
図3】同液体測定装置が用いられる分析装置を説明するための図であり、当該分析装置のブロック図である。
図4】(a)、(b)は、それぞれ変形例に係る液体測定装置の係止部の要部を模式的に示した拡大平面図である。
図5】(a)、(b)、(c)は、それぞれ変形例に係る液体測定装置の固定部が設けられた把持部を模式的に示した拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
【0011】
本実施形態に係る液体測定装置1は、液体の流動状態から液体の特性を測定する装置である。液体測定装置1は、液体が流動する流動管20と、流動管20を支持する支持部材10と、支持部材10が収容される本体部40とを備える。支持部材10は、本体部40に形成された係止部44によって係止され、本体部40に対して脱着自在に設けられている。以下、詳述する。
【0012】
まず図1図3を参照しながら、本実施形態に係る液体測定装置1について説明する。
ここに示す液体測定装置1は、流動管20を流動する試験液を分析する分析装置100に用いられる。分析装置100は、センサ部2と、回路部3と、演算部4と、表示部5と、液体測定装置1とを備える。この分析装置100は、毛細管現象の作用によって流動管20内を流動する試験液の移動距離及び移動時間に基づいて回帰分析し、試験液の粘性を導くように構成されている。よって、ここに示す流動管20は、ガラス製であるとともに、毛細管現象を発生させるような小さな断面積の中空細長状に形成されている。図2に示すように、センサ部2は、流動管20の長手方向に沿って配された複数の光センサ2aで構成されている。光センサ2aは、発光素子及び受光素子を有し、基板30上に間隔を空けて取り付けられ、発光素子から流動管20に対して光を照射し、受光素子で受光する光の強度の変化によって試験液の到達を検出する。回路部3は、センサ部2を駆動させるとともにセンサ部2で検出された信号を演算部4に伝達するため、送受信回路、増幅回路、駆動回路等を備えている。回路部3では、センサ部2から出力されるアナログ信号を増幅し、デジタル信号に変換して演算部4にデジタル信号を送信する機能部としての役割を担っている。演算部4は、回路部3から送信される情報に基づき、試験の粘性を分析するソフトウェアがインストールされたコンピュータによって構成されている。演算部4は、試験液の粘性を算出するために例えば、CPU、ROM、RAM等のハードウェアを備えており、試験液の粘性を算出するためのプログラムが記憶され実行できるように構成されている。表示部5は、演算部4での算出結果やセンサ部2の駆動状態等を表示するため、液晶ディスプレイ等で構成されている。
【0013】
図1及び図2に示すように液体測定装置1は、流動管20が収容される支持部材10と、センサ部2である複数の光センサ2aが取り付けられた基板30と、支持部材10及び基板30が収容される本体部40とを備えている。本体部40は、略方形状に形成され、支持部材10の一方端部10aが嵌合される第1収容部41と、支持部材10の他方端部10bが嵌合される第2収容部42と、方形状の板体からなる基板30が収容される第3収容部43とを有している。第2収容部42には、第2収容部42の幅方向外側に方形状に凹んだ凹所である係止部44が一対、平面視して略方形状に形成されている。この係止部44に後述する把持部18の凸部19が係止される。流動管20の開口断面積は、液溜部11に貯留された試験液が、毛細管現象による力の作用によって内部に浸入する大きさに形成されている。これにより、試験液を円滑に流動管20に浸入させることができ、試験液の測定効率を向上させることができる。そして、流動管20をガラス管とすれば、毛細管現象を発生させるような小さな断面積の流路を製作し易い。また流動管20を透明な素材で形成すれば、試験液の流動を上方から視認し易い。また、流動管20を樹脂材から構成する場合に比べて流動管20に対して照射された光が透過し易く、光を減衰及び散乱させることなく試験液に照射させることができる。このような流動管20により、液体測定装置1は流動管20の毛細管現象を利用して液体の粘性を測定することができる。そして、流動管20の流動方向下流側である他方端部20bには、液体が流動する弾性材製のチューブTが脱着自在に接続されている。このチューブTによって、流動管20内の試験液が外部に漏れることを抑制する。
【0014】
支持部材10は、略長方形の平板体で樹脂材等からなり、本体部40に脱着自在に設けられている。支持部材10は、第2収容部42に形成された開放端42aから支持部材10の一方端部10aを挿入する構造となっている。そして、開放端42aから挿入された支持部材10は、流動管20内を流動する液体の流れ方向に沿ってスライドさせ、第1収容部41と第2収容部42との間に流動管20が架け渡されるように配備される構造となっている。これにより、支持部材10は、所定位置へスライドさせて容易に本体部40に嵌合させることができる。
【0015】
支持部材10の略中央部位には、流動管20の長さ方向に沿って流動管20の長さに応じて形成される空間部14が設けられ、流動管20は第1収容空所部12、空間部14及び第2収容空所部17内に収容されている。本体部40には、このように流動管20を支持する支持部材10と、センサ部2が取り付けられた基板30とが位置決めされた状態で配備されるので、流動管20とセンサ部との位置関係が製品毎にばらつくことを抑制でき、分析装置100による分析精度の向上に寄与できる。また、ガラス材製の流動管20が支持部材10の空間部14内に収容されるので、流動管20の破損を防ぐことができる。
【0016】
支持部材10は、液溜部11と、第1収容空所部12と、第2収容空所部17と、把持部18とを有している。液溜部11は支持部材10の一方端部10aに設けられるとともに、平面視において真円形状に形成されている。液溜部11は、支持部材10の一方端部10aにおいて、支持部材10の幅方向略中央に設けられている。液溜部11には、上方に開口した開口部11aと、有底凹状とされ平坦面に形成された底部11cと、底部11cの外周縁から起立する周壁部11bとを有している。液溜部11の開口部11aより分析対象となる試験液が投入され、液溜部11に試験液が貯留されるとともに液溜部11内には試験液の供給口となる流動管20の一方端部20aが臨んで配置される。図例では、流動管20の一方端部20aが液溜部11に突出して配置されている。液溜部11の深さ寸法は、毛細管現象が発生し且つ流動管20内へ試験液がスムーズに且つ空気を含むことなく供給できる寸法に形成されている。具体的には、液溜部11の深さ寸法は、流動管20の径寸法よりも大きい深さ寸法に設定される。よって液溜部11に貯留される試験液の液面は流動管20の外周面における上端部より上方位置になるように貯留される。
【0017】
第1収容空所部12は、液溜部11に隣接して設けられるとともに液溜部11及び空間部14に連通して形成されている。図1及び図2に示すとおり、第1収容空所部12は流動管20の一方端部20a側を固定した状態で保持し収容可能な形状及び寸法に形成されている。すなわち、第1収容空所部12は、流動管20の形状や寸法に応じた形状や寸法で形成されている。
【0018】
第2収容空所部17は、空間部14に連通して形成されている。図1及び図2に示すとおり、第2収容空所部17は流動管20の他方端部20b側を固定した状態で保持し収容可能な形状及び寸法に形成されている。すなわち、第2収容空所部17は、流動管20の形状や寸法に応じた形状や寸法で形成されている。流動管20は、一方端部20a側が第1収容空所部12に保持され、他方端部20b側が第2収容空所部17に保持されることで、安定した状態で支持部材10に保持される。
【0019】
支持部材10の他方端部10bには、2股に分かれた一対の把持部18,18が設けられている。図1図2に示すように、把持部18は、略角柱状の棒体である。そして、互いに支持部材10の幅方向に対向した位置に設けられた一対の把持部18,18は、互いに近づく方向(支持部材10の幅方向内側)に撓む構造となっている。把持部18は、自然状態では、その幅方向の寸法が、第2収容部42の幅方向の寸法よりも大きくなるように形成されている。そして、把持部18の外側面18aには、本体部40の係止部44に係止される凸部19(被係止部)が幅方向外側に突出して形成されている。この凸部19は、平面視して三角形状に突出した突起として形成されている。より詳しく説明すると、凸部19は、液溜部11側とは反対側(流動管20の流動方向下流側)に向うにつれて幅方向外側に傾斜するように形成された傾斜面19aと、外側面18aから略垂直に幅方向外側に延びて形成された係止面19bとを備えている。係止面19bは、支持部材10が本体部40に嵌合される際には、係止部44の開放端42a側の壁面44aと略平行となる。
【0020】
上述した構成となっているため、支持部材10を本体部40に装着しようとして、支持部材10の一方端部10aを第2収容部42に形成された開放端42aから挿入すると、凸部19の傾斜面19aが第2収容部42の壁面42bに接触する。すると、支持部材10の把持部18が幅方向内方に撓み、凸部19が係止部44に収容されるとともに係止される。その結果、本体部40には、支持部材10がスムーズにスライドされて装着される。そして、支持部材10が所定の位置、すなわち凸部19が係止部44内に収容される位置までスライドされると、把持部18の撓みが解除され、凸部19が係止部44に係止される。支持部材10は、本体部40に嵌合させる方向とは逆方向(開放端42a側)への力が加わっても、凸部19の係止面19bが係止部44の開放端42a側の壁面44aに引っ掛かるので、不意に支持部材10の本体部40への嵌合が解除されることが抑制される。支持部材10の本体部40への嵌合を解除する際には、一対の把持部18,18を幅方向内方に撓ませてから開放端42a側に支持部材10をスライドさせればよい。
【0021】
支持部材10の他方端部10bには、上述したような2股に分かれた一対の把持部18,18及び把持部18の外側面18aに、係止部44に係止される凸部19が形成されている。一対の把持部18,18の端部が互いに近づく方向に撓らせれば、容易に支持部材10に形成された凸部19を係止させることができ、係止部44と凸部19とが係止状態になった際に発生する感触や「カチッ」といった嵌合音等により装着感を得ることができる。このとき、流動管20は空間部14内に収容されているので、一対の把持部18,18を撓らせても、流動管20に応力がかかることがなく、破損の恐れがない。また係止部44に凸部19が正しく係止されていない場合は、一対の把持部18,18のいずれか撓った状態になるので、本体部40へ支持部材10を適切に取り付けできていないことを視認することができ、誤組付けを防止できる。
【0022】
上述したような構成となっている液体測定装置1は、支持部材10が本体部40に形成された係止部44によって係止されるので、支持部材10に支持された流動管20を本体部40に対して所望の位置に位置決めした状態で配備させることができる。よって、測定中に支持部材10が位置ずれすることなく、流動管20の配置位置が適正な状態で試験液の特性を測定することができるので、測定精度の向上を図ることができる。また支持部材10は本体部40に対して脱着自在に設けられているので、使い捨て部材にすることができるとともに、本体部40及び基板30も含めて使い捨て部材にする場合に比べてコストの上昇を抑えることができる。
【0023】
<凸部の変形例>
次に図4(a)を参照しながら、凸部19の変形例である凸部19Aについて説明する。なお、図1図3と共通する部分の構成及び効果の説明は省略する。
図4(a)に示す凸部19Aは、把持部18の外側面18aから支持部材10の幅方向外側に突出した、平面視して略二等辺三角形状に形成されている。この凸部19Aは、流動管20の流動方向下流側に向けて幅方向外側に傾斜して形成された傾斜面19aと、傾斜面19aの幅方向外側端部19aaから流動管20の流動方向下流側に向けて幅方向内側に傾斜した傾斜面19a’とを備えている。本体部40に嵌合された支持部材10を本体部40から取り外す際には、支持部材10を開放端42a側にスライドさせる力を加えることで、傾斜面19a’が係止部44の壁面44aもしくはその近傍の部位に接触して一対の把持部18,18が幅方向内方側に撓む。一対の把持部18,18が幅方向内方側に撓むことで、係止部44に対する凸部19Aの係止が解除されてスムーズに支持部材10を開放端42a側にスライドさせて取り外すことができる。
【0024】
<係止部の変形例>
次に図4(b)を参照しながら、係止部44の変形例である係止部44Aについて説明する。なお、図1図3と共通する部分の構成及び効果の説明は省略する。また、図4(b)に示す凸部19は、図1図2に示す凸部19と略同形状とされる。
図4(b)に示す係止部44Aの開放端42a側の壁面44aには、流動管20の流動方向上流側に向けて付勢されたバネ部45が設けられている。このバネ部45の自由端45aは、支持部材10の凸部19の係止面19bに当接する。支持部材10が本体部40に嵌合された後も、バネ部45により流動管20の流動方向上流側に押し付ける力が支持部材10に働くので、支持部材10のがたつきが抑制されて確実に位置決めができ、センサ部2による測定精度の低下が抑制される。
【0025】
<固定部が設けられた変形例>
次に、図5を参照しながら把持部18に固定部50が設けられた変形例について説明する。なお、図1図3と共通する部分の構成及び効果の説明は省略する。
図5(a)に示すように、流動管20の流動方向下流側である他方端部20bに着脱自在に接続されているチューブTの一部は、把持部18に設けられた固定部50で固定されている。固定部50は、流動管20の流動方向に沿ってチューブTを固定できるように、流動管20の流動方向に沿って貫通した収容空間を有している。図5(a)に示すように、固定部50は、把持部18の上面18bから突出した逆J字状のフック体である。固定部50は、支持部材10の幅方向内側に開口した開口部50aからチューブTを変形させながら固定部50の収容空間内にチューブTの一部を収容させて固定することができる。また、固定部50は、流動管20の流動方向に沿ってチューブTを固定部50の収容空間に通すことで、チューブTの一部を固定することもできる。
【0026】
上述したように、チューブTの一部が把持部18に固定部50で固定されているので、例えばチューブTが引っ張られても、固定部50が介在することにより、流動管20に直接応力がかかることが抑制され、流動管20の破損を防止できる。
【0027】
<固定部の変形例>
次に、図5(b)を参照しながら、固定部50の変形例である固定部50Aについて説明する。なお、図5(a)と共通する部分の構成及び効果の説明は省略する。
図5(b)に示す固定部50Aは、一方の面に接着面が形成された接着テープである。チューブTの一部が把持部18の長手方向に沿わされた状態で、接着テープである固定部50Aが上方からチューブTの一部に貼り付けられると、把持部18の上面18bにチューブTの一部が固定される。このように、把持部18とは別体の固定部50Aであっても、チューブTの一部が把持部18に固定部50で固定される。
【0028】
<固定部のさらなる変形例>
次に、図5(c)を参照しながら、固定部50のさらなる変形例である固定部50Bについて説明する。なお、図5(a)と共通する部分の構成及び効果の説明は省略する。
図5(c)に示す固定部50Bは、把持部18の外側面18aに幅方向外側に突出して設けられている。固定部50Bは、流動管20の流動方向に沿って貫通した収容空間を有したトンネル状に形成されている。固定部50Bは、流動管20の流動方向に沿ってチューブTを固定部50の収容空間に通すことで、チューブTの一部を固定することもできる。
なお、固定部を設ける箇所は、図5(a)~(c)に示すように支持部材10の把持部18に限らない。例えば、把持部18を備えていない支持部材10の場合には、支持部材10の所望の箇所に固定部を設けて、チューブTの一部を固定してもよい。
【0029】
上記実施形態では、試験液の粘性を分析する分析装置100に用いられる液体測定装置について説明したが、この構成に限定されず、粘性の他、種々特性を分析する装置に適用可能である。試験液は毛細管現象が生じる液体であれば血液や唾液等の体液の他、有機溶剤、薬品等の水溶液、水道水や河川の水、海水、飲料等であってもよい。また流動管20はガラス管に限定されず、例えば樹脂管や金属管でもよい。さらに流動管20は支持部材10に流路を形成する構成であってもよい。また流動管20の一方端部20aの液溜部11への突出程度は図例に限定されるものではない。また分析装置100の構成は一例であって、センサ部2の構成は光センサ2aに限定されない。例えば、超音波センサを用いて、試験液が流動管20内のどの箇所を流動しているか検出してもよい。また、流動管20内を流れる試験液の流動状態を撮影する撮影素子を用いてもよい。表示部5の構成は、プラズマディスプレイ、CRTディスプレイ等でもよい。また分析装置100は表示部5で分析結果を表示するものではなく、外部印刷する構成であってもよい。液溜部11は図例の円形状に限定されず、楕円形状、方形状、多角形状でもよく、周壁部11bの構成も図例に限定されない。また液溜部11の底部11cの形状は平坦面に限定されず、湾曲形状であってよい。本体部40の形状も図例に限定されず、金属や樹脂等製で形成されたものを適用することができる。また、係止部44は、平面視して略方形状の凹所に限定されることはない。例えば、凸部19が平面視して三角形状であれば、それと合致する形状の凹所の係止部44であってもよい。また、凸部19は、平面視して三角形状に限定されることはない。例えば、平面視して略半円状の凸部19であってもよく、また係止部44はそのような凸部19が合致するような形状の凹所であってもよい。
【符号の説明】
【0030】
1 液体測定装置
10 支持部材
10a 一方端部
10b 他方端部
11 液溜部
14 空間部
18 把持部
18a 外側面
19,19A 凸部
20 流動管
40 本体部
41 第1収容部
42 第2収容部
42a 開放端
44,44A 係止部
50,50A,50B 固定部
T チューブ
図1
図2
図3
図4
図5