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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022123526
(43)【公開日】2022-08-24
(54)【発明の名称】増幅装置
(51)【国際特許分類】
   H03F 3/34 20060101AFI20220817BHJP
   H03F 3/68 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
H03F3/34 210
H03F3/68
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021020891
(22)【出願日】2021-02-12
(71)【出願人】
【識別番号】000191238
【氏名又は名称】日清紡マイクロデバイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 大司
【テーマコード(参考)】
5J500
【Fターム(参考)】
5J500AA01
5J500AA11
5J500AA12
5J500AA26
5J500AA51
5J500AC13
5J500AC41
5J500AF15
5J500AF17
5J500AF18
5J500AH29
5J500AH39
5J500AK19
5J500AK42
5J500AK46
5J500AK56
5J500AM08
5J500AM13
5J500AS15
5J500AT01
5J500AT03
5J500AT06
(57)【要約】
【課題】入力オフセット電圧の低減を図った増幅装置を提供する。
【解決手段】オートゼロ増幅器1Aは、第1の校正モード、第2の校正モード、増幅モーに切り替え可能に設けられている。第1の校正モードにおいて、オートゼロ増幅器1Aは、相互コンダクタンス増幅器A1、A3のオフセット成分及び低周波雑音成分を低減させる第1の校正信号をサンプリング容量C11、C12にサンプリングする。第2の校正モードにおいて、オートゼロ増幅器1Aは、第1の校正信号により校正された相互コンダクタンス増幅器A1のオフセット成分及び低周波成分を低減させる第2の校正信号をサンプリング容量C21、C22にサンプリングする。増幅モードにおいて、オートゼロ増幅器1Aは、第1の校正信号及び第2の校正信号により相互コンダクタンス増幅器A1のオフセット成分及び低周波雑音成分を低減させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
増幅器と、
第1のサンプリング容量及び第1の校正用増幅器を含む第1の校正回路と、
第2のサンプリング容量及び第2の校正用増幅器を含む第2の校正回路と、を備え、
前記増幅器及び前記第2の校正用増幅器のオフセット成分及び低周波雑音成分を低減させる第1の校正信号を前記第1のサンプリング容量にサンプリングする第1の校正モードと、
前記第1の校正信号により校正された前記増幅器のオフセット成分及び低周波成分を低減させる第2の校正信号を前記第2のサンプリング容量にサンプリングする第2の校正モードと、
前記第1の校正信号及び前記第2の校正信号により前記増幅器のオフセット成分及び低周波雑音成分を低減させる増幅モードと、に切り替え可能なオートゼロ増幅器と、
前記オートゼロ増幅器を、前記第1の校正モード、前記第2の校正モード、前記増幅モードの順に切り替え、該切り替えを繰り返す制御回路と、を備えた、
増幅装置。
【請求項2】
請求項1に記載の増幅装置において、
前記第2の校正用増幅器の反転入力及び非反転入力には各々前記第2のサンプリング容量が接続され、
前記第2の校正回路は、前記第2の校正用増幅器の反転入力及び非反転入力を短絡する第1のスイッチと、前記第2の校正用増幅器の反転入力及び非反転入力の何れか一方と前記第2のサンプリング容量との間に接続された第2のスイッチとを有する、
増幅装置。
【請求項3】
請求項2に記載の増幅装置において、
前記第2の校正用増幅器の反転入力及び非反転入力の他方と前記第2のサンプリング容量との間に接続された第3のスイッチとを有する、
増幅装置。
【請求項4】
請求項2に記載の増幅装置において、
前記第2の校正用増幅器、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチはそれぞれ、2つ設けられ、
2つの前記第2のスイッチの一方は、前記第2の校正用増幅器の反転入力と前記第2のサンプリング容量との間に接続され、
2つの前記第2のスイッチの他方は、前記第2の校正用増幅器の非反転入力と前記第2のサンプリング容量との間に接続される、
増幅装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4何れか1項に記載の増幅装置において、
前記制御回路は、前記第2の校正モードとなる時間を前記第1の校正モードとなる時間よりも長くする、
増幅装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、増幅装置に関する。
【背景技術】
【0002】
増幅装置は、センサ信号等の増幅に広く用いられているが、いくつかの応用例では、増幅装置の内部のオフセット成分及び低周波雑音が非常に小さいことが要求される。オフセット成分及び低周波雑音を低減する手法として、図22に示す2つのオートゼロ増幅器200を用いたPing-Pongオートゼロ増幅器が知られている(特許文献1、非特許文献1)。
【0003】
同図に示すように、Ping-Pongオートゼロ増幅器は、2つのオートゼロ増幅器200を備えている。オートゼロ増幅器200は、相互コンダクタンス増幅器A1と、校正回路201と、を備えている。校正回路201は、複数のスイッチS1、S2と、相互コンダクタンス増幅器A2と、サンプリング容量Cとを有している。オートゼロ増幅器200は、校正モードと、増幅モードとの2つのモードに交互に切り替わる。
【0004】
校正モードにおいては、スイッチS2をオン、スイッチS1をオフして、相互コンダクタンス増幅器A1のオフセット成分及び低周波雑音成分をサンプリング容量Cにサンプリングする。増幅モードにおいては、スイッチS1をオン、スイッチS2をオフして、相互コンダクタンス増幅器A1を出力端、入力端に接続し、サンプリング容量Cによりサンプリングされた校正信号(電圧)を相互コンダクタンス増幅器A1の出力に印加して、オフセット成分及び低周波雑音成分を低減させる。また、2つのオートゼロ増幅器200の一方が校正モードのときは、他方が増幅モードになり、一方が増幅モードのときは、他方が校正モードとなる。これにより、Ping-Pongオートゼロ増幅器は、常時、オフセット成分及び低周波雑音成分を低減した出力Voutを出力する。
【0005】
上述したオートゼロ増幅器200の入力オフセット電圧Vio,inは、以下の式(1)で表される。
【数1】
【0006】
式(1)の各変数は、相互コンダクタンス増幅器A1のオフセット電圧Vio1と相互コンダクタンス値Gm、相互コンダクタンス増幅器A2のオフセット電圧Vio2と相互コンダクタンス値Gm、各相互コンダクタンス増幅器A1、A2の出力抵抗Rを示す。式(1)から相互コンダクタンス増幅器A1のオフセット電圧Vio1は、相互コンダクタンス増幅器A2により低減され、相互コンダクタンス増幅器A2のオフセット電圧Vio2は、相互コンダクタンス増幅器A1により低減されることが分かる。
【0007】
例えば、Vio1=Vio2=10mV、GmをGmの4分の1とし、Gm・Rを4000倍とすると、入力オフセット電圧Vio,inは+12.5μV~-12.5μVとなる。つまり、従来のオートゼロ増幅器200の入力オフセット電圧Vio,inは+12.5μV~-12.5μVになる可能性があり、さらに、例えば、オートゼロ増幅器200の一方の入力オフセット電圧が+12.5μVであり、他方の入力オフセット電圧が-12.5μVμVであった場合、モードの切り替わり時に振幅±12.5μVのスイッチング雑音が発生するおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6476671号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Ion E. Opris and Gregory T.A. Kovacs, “A Rail-to-Rail Ping-Pong Op-Amp”, IEEE J. Solid-State Circuits, vol. 31, no 9, pp. 1320-1324, Sep. 1996.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、入力オフセット電圧の低減を図った増幅装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するために、本発明に係る増幅装置は、下記[1]~[5]を特徴としている。
[1]
増幅器と、
第1のサンプリング容量及び第1の校正用増幅器を含む第1の校正回路と、
第2のサンプリング容量及び第2の校正用増幅器を含む第2の校正回路と、を備え、
前記増幅器及び前記第2の校正用増幅器のオフセット成分及び低周波雑音成分を低減させる第1の校正信号を前記第1のサンプリング容量にサンプリングする第1の校正モードと、
前記第1の校正信号により校正された前記増幅器のオフセット成分及び低周波成分を低減させる第2の校正信号を前記第2のサンプリング容量にサンプリングする第2の校正モードと、
前記第1の校正信号及び前記第2の校正信号により前記増幅器のオフセット成分及び低周波雑音成分を低減させる増幅モードと、に切り替え可能なオートゼロ増幅器と、
前記オートゼロ増幅器を、前記第1の校正モード、前記第2の校正モード、前記増幅モードの順に切り替え、該切り替えを繰り返す制御回路と、を備えた、
増幅装置であること。
[2]
[1]に記載の増幅装置において、
前記第2の校正用増幅器の反転入力及び非反転入力には各々前記第2のサンプリング容量が接続され、
前記第2の校正回路は、前記第2の校正用増幅器の反転入力及び非反転入力を短絡する第1のスイッチと、前記第2の校正用増幅器の反転入力及び非反転入力の何れか一方と前記第2のサンプリング容量との間に接続された第2のスイッチとを有する、
増幅装置であること。
[3]
[2]に記載の増幅装置において、
前記第2の校正用増幅器の反転入力及び非反転入力の他方と前記第2のサンプリング容量との間に接続された第3のスイッチとを有する、
増幅装置であること。
[4]
[2]に記載の増幅装置において、
前記第2の校正用増幅器、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチはそれぞれ、2つ設けられ、
2つの前記第2のスイッチの一方は、前記第2の校正用増幅器の反転入力と前記第2のサンプリング容量との間に接続され、
2つの前記第2のスイッチの他方は、前記第2の校正用増幅器の非反転入力と前記第2のサンプリング容量との間に接続される、
増幅装置であること。
[5]
[1]~[4]何れか1項に記載の増幅装置において、
前記制御回路は、前記第2の校正モードとなる時間を前記第1の校正モードとなる時間よりも長くする、
増幅装置であること。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、入力オフセット電圧の低減を図った増幅装置を提供することができる。
【0013】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、第1実施形態における第1の校正モード時のオートゼロ増幅器を示す回路図である。
図2図2は、第1実施形態における第2の校正モード時のオートゼロ増幅器を示す回路図である。
図3図3は、第1実施形態における増幅モード時のオートゼロ増幅器を示す回路図である。
図4図4は、第1実施形態のオートゼロ増幅器を構成するスイッチのオンオフを制御するクロックのタイムチャートである。
図5図5は、第2実施形態における第1の校正モード時のオートゼロ増幅器を示す回路図である。
図6図6は、第2実施形態における第2の校正モード時のオートゼロ増幅器を示す回路図である。
図7図7は、第2の実施形態における増幅モード時のオートゼロ増幅器を示す回路図である。
図8図8は、第2実施形態のオートゼロ増幅器を構成するスイッチのオンオフを制御するクロックのタイムチャートである。
図9図9は、第3実施形態のオートゼロ増幅器を示す回路図である。
図10図10は、第4実施形態の第1の校正モード時のオートゼロ増幅器を示す回路図である。
図11図11は、第4実施形態の第2の校正モード時のオートゼロ増幅器を示す回路図である。
図12図12は、第4実施形態の増幅モード時のオートゼロ増幅器を示す回路図である。
図13図13は、第5実施形態における本発明のオートゼロ増幅器を含むPing-Pongオートゼロ増幅器を示す回路図である。
図14図14は、第6実施形態における本発明のオートゼロ増幅器を含む位相反転オートゼロ増幅器を示す回路図である。
図15図15は、第7実施形態における図13に示すPing-Pongオートゼロ増幅器を含む増幅装置を示す回路図である。
図16図16は、第8実施形態における図13に示すPing-Pongオートゼロ増幅器を含むチョッパ安定化増幅器を示す回路図である。
図17図17は、第9実施形態における図13に示すPing-Pongオートゼロ増幅器又は図14に示す位相反転オートゼロ増幅器を含むチョッパ安定化増幅器を示す回路図である。
図18図18は、図17に示すチョッパ出力回路の一例を示す回路図である。
図19図19は、図17に示すチョッパ出力回路の一例を示す回路図である。
図20図20は、第9実施形態の増幅装置による信号成分、雑音成分及びオフセット成分の時間波形と周波数特定の一例を示す特性図である。
図21図21は、図17に示すチョッパ安定化増幅器を構成する増幅器の変形例を示す回路図である。
図22図22は、従来のオートゼロ増幅器を用いたPing-Pongオートゼロ増幅器を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0016】
(第1実施形態)
図1図3は、第1実施形態の増幅装置に用いられるオートゼロ増幅器の構成を示す図である。同図に示すように、オートゼロ増幅器1Aは、図1図3に示すように、相互コンダクタンス増幅器A1(増幅器)と、第1の校正回路2と、第2の校正回路3とを有して構成される。相互コンダクタンス増幅器A1は、入力端に供給される信号Vinを反転増幅して出力端から信号Voutとして出力する。
【0017】
第1の校正回路2は、信号Voutに含まれる相互コンダクタンス増幅器A1、第2の校正回路3の相互コンダクタンス増幅器A3のオフセット成分及び低周波雑音成分を低減させる回路である。第1の校正回路2は、スイッチS11、S12、スイッチS21、S22、スイッチS31、S32、スイッチS41、S42、サンプリング容量C11、C12(第1のサンプリング容量)と、相互コンダクタンス増幅器A2(第1の校正用増幅器)とを備えている。
【0018】
スイッチS11、S12は、相互コンダクタンス増幅器A1の入力と、入力端との間に接続されている。スイッチS21、S22は、コモンモード電圧Vcmと、相互コンダクタンス増幅器A1の入力及びスイッチS11、S12の接続点とに間に接続されている。スイッチS31、S32は、相互コンダクタンス増幅器A1の出力と、出力端との間に接続されている。スイッチS41、S42は、相互コンダクタンス増幅器A1の出力及びスイッチS31、S32の接続点と、サンプリング容量C11、C12との間に接続されている。
【0019】
サンプリング容量C11、C12は、一端がグランドに接続され、他端がスイッチS41、S42に接続されている。スイッチS41、S42の他端及びサンプリング容量C11、C12の接続点は、相互コンダクタンス増幅器A2の入力に接続されている。
【0020】
相互コンダクタンス増幅器A2は、入力を反転増幅して出力する。相互コンダクタンス増幅器A2は、正側の出力が相互コンダクタンス増幅器A1の正側の出力に接続され、負側の出力が相互コンダクタンス増幅器A1の負側の出力に接続されている。
【0021】
第2の校正回路3は、信号Voutに含まれる相互コンダクタンス増幅器A1、A2のオフセット成分及び低周波雑音成分を低減させる回路である。第2の校正回路3は、スイッチS51、S52、S6と、サンプリング容量C21、C22(第2のサンプリング容量)と、相互コンダクタンス増幅器A3(第2の校正用増幅器)とを備えている。
【0022】
スイッチS51、S52は、相互コンダクタンス増幅器A1の出力及びスイッチS31、S32の接続点と、サンプリング容量C21、C22との間に接続されている。サンプリング容量C21、C22は、一端がグランドに接続され、他端がスイッチS51、S52に接続されている。スイッチS6(第1のスイッチ)は、相互コンダクタンス増幅器A3の反転入力及び非反転入力の間に接続されている。
【0023】
相互コンダクタンス増幅器A3は、入力を反転増幅して出力する。相互コンダクタンス増幅器A3は、正側の出力が相互コンダクタンス増幅器A1の正側の出力に接続され、負側の出力が相互コンダクタンス増幅器A1の負側の出力に接続されている。
【0024】
オートゼロ増幅器1Aは、動作モードとして校正モード、増幅モードとを有し、校正モードと、増幅モードとに交互に切り替え可能に設けられている。また、オートゼロ増幅器1Aは、校正モードとして、第1の校正モードと、第2の校正モードとを有し、第1の校正モード、第2の校正モードの順に切り替え可能に設けられている。第1の校正モードでは、相互コンダクタンス増幅器A1、A3のオフセット成分及び低周波雑音成分を低減するための第1の校正信号(電圧)をサンプリング容量C11、C12にサンプリングするモードである。
【0025】
図1に示すように第1の校正モードでは、スイッチS11、S12、S31、S32がオフされ、スイッチS21、S22がオンされる。これにより、相互コンダクタンス増幅器A1の入力、出力が入力端、出力端から切り離される。また、相互コンダクタンス増幅器A1の反転入力、非反転入力が短絡され、相互コンダクタンス増幅器A1からはオフセット成分及び低周波雑音成分が出力される。
【0026】
また、第1の校正モードでは、スイッチS51、S52がオフされ、スイッチS6がオンされる。これにより、相互コンダクタンス増幅器A3の反転入力、非反転入力が短絡され、相互コンダクタンス増幅器A3からはオフセット成分及び低周波雑音成分が出力される。
【0027】
また、第1の校正モードでは、スイッチS41、S42がオンされ、相互コンダクタンス増幅器A1、A3の出力と、サンプリング容量C11、C12とが接続される。これにより、相互コンダクタンス増幅器A1、A3から出力されるオフセット成分及び低周波雑音成分を第1の校正信号としてサンプリング容量C11、C12にサンプリングすることができる。
【0028】
第2の校正モードでは、サンプリング容量C11、C12にサンプリングされた第1の校正信号により校正された相互コンダクタンス増幅器A1のオフセット成分及び低周波雑音成分を低減するための第2の校正信号(電圧)をサンプリング容量C21、C22にサンプリングするモードである。
【0029】
図2に示すように第2の校正モードでは、第1の校正モードと同様に、スイッチS11、S12、S31、S32がオフされ、スイッチS21、S22がオンされる。これにより、相互コンダクタンス増幅器A1の入力、出力が入力端、出力端から切り離される。また、相互コンダクタンス増幅器A1の反転入力、非反転入力が短絡され、相互コンダクタンス増幅器A1からはオフセット成分及び低周波雑音成分が出力される。
【0030】
また、第2の校正モードでは、スイッチS41、S42がオフされる。これにより、サンプリング容量C11、C12にサンプリングされた第1の校正信号が相互コンダクタンス増幅器A2を介して相互コンダクタンス増幅器A1の出力に印加され、相互コンダクタンス増幅器A1のオフセット成分及び低周波雑音成分が低減される。
【0031】
また、第2の校正モードでは、スイッチS51、S52がオンされ、相互コンダクタンス増幅器A1、A2の出力と、サンプリング容量C21、C22とが接続される。これにより、第1の校正信号により校正された相互コンダクタンス増幅器A1のオフセット成分及び低周波雑音成分を第2の校正信号としてサンプリング容量C21、C22にサンプリングすることができる。
【0032】
図3に示すように増幅モードでは、スイッチS11、S12、S31、S32がオンされ、スイッチS21、S22がオフされる。これにより、入力端、出力端に相互コンダクタンス増幅器A1の入力、出力が接続され、相互コンダクタンス増幅器A1により信号Vinを増幅した信号Voutが出力端から出力される。また、増幅モードでは、スイッチS41、S42、S51、S52、S6がオフされる。これにより、第1の校正信号及び第2の校正信号が相互コンダクタンス増幅器A2、A3を介して相互コンダクタンス増幅器A1の出力に印加され、信号Voutに含まれるオフセット成分及び低周波雑音成分が低減される。
【0033】
次に、上述した構成のオートゼロ増幅器1Aの動作について図4に示すタイムチャートを参照して説明する。オートゼロ増幅器1AのスイッチS11、S12、S31、S32には、クロックCLK1が供給され、スイッチS21、S22には、クロックCLK2が供給される。スイッチS41、S42、S6には、クロックCLK3が供給される。スイッチS51、S52は、クロックCLK4が供給される。このクロックCLK1~CLK4により、オートゼロ増幅器1Aは、第1の校正モード(図1)と、第2の校正モード(図2)と、増幅モード(図3)との順に動作モードが切り替わり、この切り替わりを繰り返す。このクロックCLK1~CLK4を供給する回路(図示せず)が、オートゼロ増幅器1Aの制御回路を構成する。そして、オートゼロ増幅器1Aと、オートゼロ増幅器1Aの制御回路(図示せず)とで本実施形態の増幅装置を構成する。
【0034】
図4に示すように、オートゼロ増幅器1Aの制御回路は、増幅モードとなる時間と、校正モードとなる時間とは同じになるようなクロックCLK1~4を供給する。また、オートゼロ増幅器1Aの制御回路は、第2の校正モードとなる時間を第1の校正モードとなる時間よりも長くするクロックCLK1~CLK4を供給する。これにより、第2の校正信号をサンプリングする時間を第1の校正信号をサンプリングする時間よりも長く確保することができる。
【0035】
上述したオートゼロ増幅器1Aの入力オフセット電圧Vio,inは下記の式(2)で表すことができる。
【数2】
【0036】
式(2)の各変数は、相互コンダクタンス増幅器A1のオフセット電圧Vio1と相互コンダクタンス値Gm、相互コンダクタンス増幅器A2のオフセット電圧Vio2と相互コンダクタンス値Gm、相互コンダクタンス増幅器A3のオフセット電圧Vio3と相互コンダクタンス値Gm、各相互コンダクタンス増幅器の出力抵抗Rを示す。式(2)から相互コンダクタンス増幅器A1のオフセット電圧Vio1は、相互コンダクタンス増幅器A2、A3により低減され、相互コンダクタンス増幅器A2のオフセット電圧Vio2は、相互コンダクタンス増幅器A1、A3により低減され、相互コンダクタンス増幅器A3のオフセット電圧Vio3は、相互コンダクタンス増幅器A1、A2により低減されることが分かる。
【0037】
例えば、Vio1=Vio2=Vio3=10mV、GmをGmの4分の1とし、GmをGmの4分の1とし、Gm・Rを4000倍とすると、入力オフセット電圧Vio,inは+0.0525μV~-0.0525μVとなり、従来のオートゼロ増幅器よりも大幅に入力オフセット電圧を低減できる。
【0038】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態のオートゼロ増幅器1Bについて説明する。図5図7は、第2実施形態のオートゼロ増幅器1Bの構成を示す図である。図5図7において、上述した第1実施形態において既に説明した図1図3に示すオートゼロ増幅器1Aと同等の部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0039】
第1実施形態と第2実施形態とで大きく異なる点は、オートゼロ増幅器1Bの第2の校正回路3が、第1の校正モードの時にサンプリング容量C21、C22に溜まった電荷の放電を防ぐスイッチS71(第2のスイッチ)を備えている点である。スイッチS71は、サンプリング容量C21と、相互コンダクタンス増幅器A3の反転入力との間に接続されている。
【0040】
スイッチS71は、図8に示すクロックCLK5が供給され、第1の校正モード時にオフされ(図5参照)、第2の校正モード時、増幅モード時にオンされる(図6図7参照)。スイッチS11、S12、S21、S22、S31、S32、S41、S42、S51、S52、S6のオンオフについては、上述した第1実施形態と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0041】
第1実施形態では、図1に示すように、第1の校正モードとなりスイッチS6がオンされると、閉回路が形成され、サンプリング容量C21、C22に溜まった電荷が放電されてしまう。これに対して、第2実施形態では、図5に示すように、第1の校正モードとなりスイッチS6がオンしても、スイッチS71がオフされるため、閉回路が形成されず、サンプリング容量C21、C22に溜まった電荷が放電されることがない。
【0042】
なお、第2実施形態では、サンプリング容量C21と、相互コンダクタンス増幅器A3の反転入力との間にスイッチS71を接続していたが、これに限ったものではない。サンプリング容量C22と、相互コンダクタンス増幅器A3の非反転入力との間にスイッチS71を接続してもよい。
【0043】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態のオートゼロ増幅器1Cについて説明する。図9は、第3実施形態のオートゼロ増幅器1Cの構成を示す図である。図9において、上述した第2実施形態において既に説明した図5図7に示すオートゼロ増幅器1Bと同等の部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0044】
第2実施形態と第3実施形態とで大きく異なる点は、オートゼロ増幅器1Cが、スイッチS72(第3のスイッチ)を備えている点である。スイッチS72は、サンプリング容量C22と、相互コンダクタンス増幅器A3の非反転入力との間に接続されている。
【0045】
スイッチS72は、図8に示すクロックCLK5が供給され、第1の校正モード時にオフされ、第2の校正モード時、増幅モード時にオンされる。スイッチS11、S12、S21、S22、S31、S32、S41、S42、S51、S52、S6のオンオフについては、上述した第1実施形態と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0046】
第2実施形態では、相互コンダクタンス増幅器A3の2つの入力のうち反転入力のみにスイッチS71が接続される。このため、相互コンダクタンス増幅器A3に差動的なインピーダンスの偏りが発生してしまう。第3実施形態では、相互コンダクタンス増幅器A3の2つの入力にそれぞれスイッチS71、S72が接続されるため、相互コンダクタンス増幅器A3の差動的なインピーダンスの偏りを改善することができる。
【0047】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態のオートゼロ増幅器1Dについて説明する。図10図12は、第4実施形態のオートゼロ増幅器1Dの構成を示す図である。図10図12において、上述した第2実施形態において既に説明した図5図7に示すオートゼロ増幅器1Bと同等の部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0048】
第2実施形態と第4実施形態とで大きく異なる点は、第2の校正回路3が、並列接続された2つの相互コンダクタンス増幅器A3を備えている。また、第2の校正回路3には、この2つの相互コンダクタンス増幅器A3それぞれに、スイッチS51、S52、S6と、サンプリング容量C21、C22が設けられている。
【0049】
また、第2の校正回路3には、2つの相互コンダクタンス増幅器A3に対応して、2つのスイッチS71が設けられている。2つのスイッチS71の一方は、相互コンダクタンス増幅器A3の反転入力とサンプリング容量C21との間に接続されている。2つのスイッチS71の他方は、相互コンダクタンス増幅器A3の非反転入力とサンプリング容量C22との間に接続されている。スイッチS71には、第1の校正モードの時のみオフするクロックCLK5が供給されている。
【0050】
上述した実施形態によれば、2つの相互コンダクタンス増幅器A3の一方には、反転入力のみにスイッチS71が接続される。このため、2つの相互コンダクタンス増幅器A3の一方には差動的なインピーダンスの偏りが発生する。一方、2つの相互コンダクタンス増幅器A3の他方には、非反転入力にのみスイッチS71が接続されている。このため、2つの相互コンダクタンス増幅器A3の他方には一方とは逆の差動的なインピーダンスの偏りが発生する。このため、2つの相互コンダクタンス増幅器A3のインピーダンスの偏りが相殺され、インピーダンスの偏りを改善することができる。
【0051】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。図13に示すように、第5実施形態では、第1~第4実施形態で説明したオートゼロ増幅器1A~1Dを用いてPing-Pongオートゼロ増幅器100を構成している。Ping-Pongオートゼロ増幅器100は、並列に接続された2つのオートゼロ増幅器1A~1Dを備える。2つのオートゼロ増幅器1A~1Dは、並列に接続され、入力を反転増幅する。2つのオートゼロ増幅器1A~1Dの一方が第1の校正モード又は第2の校正モードに切り替えられると、他方が増幅モードに切り替えられる。2つのオートゼロ増幅器1A~1Dの一方が増幅モードに切り替えられると、他方が第1の校正モード又は第2の校正モードに切り替えられる。これにより、Ping-Pongオートゼロ増幅器100は、オフセット成分及び低周波成分が低減された信号Voutを常時出力することができる。
【0052】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について説明する。図14に示すように、第6実施形態では、第1~第4実施形態で説明したオートゼロ増幅器1A~1Dを用いて位相反転オートゼロ増幅器101を構成している。位相反転オートゼロ増幅器101は、並列に接続された2つのオートゼロ増幅器1A~1Dを備える。第5実施形態と第6実施形態とで異なる点は、2つのオートゼロ増幅器1A~1Dの入力端が反転接続されている点である。即ち、2つのオートゼロ増幅器1A~1dの一方の正側の入力端が他方の負側の入力端に接続され、一方の負側の入力端が他方の正側の入力端に接続されている。
【0053】
位相反転オートゼロ増幅器101は、Ping-Pongオートゼロ増幅器100と同様に、2つのオートゼロ増幅器1A~1Dの一方が第1の校正モード又は第2の校正モードに切り替えられると、他方が増幅モードに切り替えられる。2つのオートゼロ増幅器1A~1Dの一方が増幅モードに切り替えられると、他方が第1の校正モード又は第2の校正モードに切り替えられる。これにより、位相反転オートゼロ増幅器101は、オフセット成分及び低周波成分が低減された信号Voutを常時出力し、かつ、増幅モードから校正モードに切り替える毎に信号Voutが反転する。
【0054】
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について説明する。図15に示すように、第7実施形態では、第5実施形態で説明したPing-Pongオートゼロ増幅器100を用いて、2段以上の増幅器を有する増幅装置103を構成する。増幅装置103は、入力段となるPing-Pongオートゼロ増幅器100と、Ping-Pongオートゼロ増幅器100の出力を増幅する増幅器104と、を備えている。Ping-Pongオートゼロ増幅器100に入力された信号Vinは、Ping-Pongオートゼロ増幅器100、増幅器104により増幅され信号Voutとして出力される。この構成によって増幅装置103の高精度化を図ることができる。
【0055】
(第8実施形態)
次に、第8実施形態について説明する。図16に示すように、第8実施形態では、第5実施形態で説明したPing-Pongオートゼロ増幅器100を用いて、チョッパ安定化増幅器105を構成する。チョッパ安定化増幅器105は、チョッパ変調器106と、Ping-Pongオートゼロ増幅器100と、チョッパ変調器107と、増幅器108と、を備えている。
【0056】
チョッパ変調器106は、信号Vinを高周波帯域に変調する。Ping-Pongオートゼロ増幅器100は、チョッパ変調器106により変調された信号を増幅して出力する。チョッパ変調器107は、Ping-Pongオートゼロ増幅器100の出力の信号成分を低周波帯域に復調し、オフセット成分及び低周波雑音成分を高周波帯域に変調して出力する。増幅器108は、チョッパ変調器107の出力を増幅して信号Voutとして出力する。このように、第5実施形態で説明したPing-Pongオートゼロ増幅器100を用いることにより、チョッパ安定化増幅器105の高精度化を図ることができる。
【0057】
(第9実施形態)
次に、第9実施形態について説明する。図17に示すように、第9実施形態では、第5実施形態で説明したPing-Pongオートゼロ増幅器100、第6実施形態で説明した位相反転オートゼロ増幅器101を用いて、3段以上のチョッパ安定化増幅器109を構成する。チョッパ安定化増幅器109は、チョッパ変調器110と、相互コンダクタンス増幅器111と、チョッパ出力回路112と、増幅器113と、相互コンダクタンス増幅器114とを備えている。
【0058】
チョッパ変調器110は、信号Vinを高周波帯域変調する。相互コンダクタンス増幅器111は、チョッパ変調器110により変調された信号を増幅して出力する。チョッパ出力回路112は、例えば、図18に示すように構成されている。同図に示すように、チョッパ出力回路112は、チョッパ変調器115と、ノイズリダクションループ回路116と、を有している。チョッパ変調器115は、相互コンダクタンス増幅器111の出力の信号成分を低周波帯域に復調し、オフセット成分及び低周波雑音成分を高周波帯域に変調して出力する。
【0059】
ノイズリダクションループ回路116は、相互コンダクタンス増幅器111のオフセット成分を抽出し、抽出したオフセット成分を相互コンダクタンス増幅器111の出力に負帰還する。このノイズリダクションループ回路116により、相互コンダクタンス増幅器111において発生するオフセット成分及び低周波雑音成分を低減して、チョッパ出力回路112の出力に含まれるリップルノイズを低減できる(図20(B)、図20(C)参照)。
【0060】
図18に示す例では、ノイズリダクションループ回路116は、ノイズリダクションループ回路116の入力を増幅する第5実施形態で説明したPing-Pongオートゼロ増幅器100と、Ping-Pongオートゼロ増幅器100の出力の高周波信号成分を低減するフィルタ回路117と、フィルタ回路117の出力を増幅する相互コンダクタンス増幅器118とを有する構成である。Ping-Pongオートゼロ増幅器100には、相互コンダクタンス増幅器111の出力が入力される。フィルタ回路117は、Ping-Pongオートゼロ増幅器100の出力の低周波信号成分を増幅し、高周波信号成分を低減する機能を有する。フィルタ回路117によって、高周波信号成分を低減して増幅器のオフセット成分をフィードバックできる。
【0061】
また、チョッパ出力回路112は、例えば、図19に示すように構成してもよい。同図に示すように、チョッパ出力回路112は、チョッパ変調器115と、リップル校正回路119とを有している。チョッパ変調器115は、図18に示すチョッパ変調器115と同様である。
【0062】
リップル校正回路119は、チョッパ変調器115の出力に入力が接続され、チョッパ変調器115の入力に出力が接続されている。リップル校正回路119は、チョッパ変調器115の出力のうち高周波雑音成分(リップルノイズ)を抽出して、抽出したリップルノイズを変調してオフセット成分に変調し、変調したオフセット成分をチョッパ変調器115の入力に負帰還する回路である。リップル校正回路119により、チョッパ変調器115の入力に含まれるオフセット成分を低減して、チョッパ変調器115の出力に含まれるリップルノイズを低減できる(図20(B)、(C)参照)。
【0063】
本実施形態では、リップル校正回路119は、リップル校正回路119に入力される低周波雑音成分を低減し、リップルノイズを検出するハイパスフィルタ120と、ハイパスフィルタ120の出力のリップルノイズを低周波成分に復調してオフセット成分に変調する位相反転オートゼロ増幅器101と、位相反転オートゼロ増幅器101の出力の高周波成分を低減するフィルタ回路121と、フィルタ回路121の出力を増幅する相互コンダクタンス増幅器122とを有する構成である。
【0064】
図17に示すように、増幅器113は、チョッパ出力回路112から出力される信号成分を増幅する。本実施形態では、増幅器113の出力がチョッパ安定化増幅器109の出力端となり、信号Voutが出力される。増幅器113は、相互コンダクタンス増幅器123と、増幅器124と、増幅器123、124の位相補償を行う位相補償回路125とを有している。相互コンダクタンス増幅器123の出力には増幅器124の入力が接続され、増幅器124の出力が増幅器113の出力、すなわちチョッパ安定化増幅器109の出力端となる。
【0065】
位相補償回路125は、容量Cc1~Cc3から構成されている。容量Cc1は、増幅器124の入力と出力との間に接続される。容量Cc2は、相互コンダクタンス増幅器123の反転入力と、増幅器124の出力との間に接続される。容量Cc3は、相互コンダクタンス増幅器123の非反転入力とグランドとの間に接続される。
【0066】
相互コンダクタンス増幅器114は、入力端と増幅器124の入力との間に接続され、フィードフォワードアンプとして機能する。このように、第5実施形態で説明したPing-Pongオートゼロ増幅器100を用いることにより、3段以上のチョッパ安定化増幅器109の高精度化を図ることができる。
【0067】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0068】
例えば、上述した第9実施形態で示した出力段の増幅器113は、相互コンダクタンス増幅器123と、増幅器124とから構成されていたが、これに限ったものではない。例えば、図21に示すように、相互コンダクタンス増幅器123に代えて、2つの相互コンダクタンス増幅器126、127を設けてもよい。図21に示す例では、位相補償回路125は、2つの容量Cc4、Cc5から構成されている。容量Cc4は、相互コンダクタンス増幅器126の反転入力と正極側の出力との間に接続されている。容量Cc5は、相互コンダクタンス増幅器126の非反転入力と負極側の出力との間に接続されている。
【0069】
また、上述した第1~第3実施形態によれば、相互コンダクタンス増幅器A1の入力と入力端とを切り離すスイッチS11、S12を2つ設け、相互コンダクタンス増幅器A1の入力を短絡するスイッチS21、S22も2つ設けていたが、これに限ったものではない。図22に示す従来のように、相互コンダクタンス増幅器A1の入力と入力端とを切り離すスイッチS1を1つ設け、相互コンダクタンス増幅器A1の入力を短絡するスイッチS2も1つ設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1A~1D オートゼロ増幅器
2 第1の校正回路
3 第2の校正回路
A1 相互コンダクタンス増幅器(増幅器)
A2 相互コンダクタンス増幅器(第1の校正用増幅器)
A3 相互コンダクタンス増幅器(第2の校正用増幅器)
C11、C12 サンプリング容量(第1のサンプリング容量)
C21、C22 サンプリング容量(第2のサンプリング容量)
S6 スイッチ(第1のスイッチ)
S71 スイッチ(第2のスイッチ)
S72 スイッチ(第3のスイッチ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図18
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図22