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特開2022-124474垂直炉反応器アセンブリ、環状フランジユニットの整列方法、および使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022124474
(43)【公開日】2022-08-25
(54)【発明の名称】垂直炉反応器アセンブリ、環状フランジユニットの整列方法、および使用
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20220818BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20220818BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20220818BHJP
【FI】
H01L21/205
H01L21/31 B
C23C16/44 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022018597
(22)【出願日】2022-02-09
(31)【優先権主張番号】63/149,465
(32)【優先日】2021-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】テオドルス・ジー・エム・オーステルレークン
(72)【発明者】
【氏名】ルシアン・シー・イディラ
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアヌス・ゲー・エム・デ・リッデル
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030GA02
4K030GA12
4K030KA04
4K030KA09
4K030KA45
5F045AA03
5F045DP19
5F045DQ05
5F045EB02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】環状フランジユニットの適切な相互整列を容易、迅速に達成する垂直炉反応器アセンブリを提供する。
【解決手段】垂直炉反応器アセンブリ2は、8を画定する反応器ハウジング6を備え、処理チャンバが主荷重軸Lに沿って基材4を処理チャンバに出し入れさせるための開口部10を有し、開口部がハウジングフランジ12、26、ガス分割リングユニット14、ライナーサスペンションリングユニット16、スカベンジャーリングユニット及びクランプリングユニットのうちの少なくとも2つを含む環状フランジユニットのスタックによって囲まれる。環状フランジユニットのうちの少なくとも2つには、相互に連動するセンタリング構造が提供される。センタリング構造は、複数のスロット及び対応する複数のピンを備える。スロット夫々は、主スロット軸に沿って延在する。スロット軸は、環状フランジユニットのスタックに対して中央で相互に交差する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材(4)を処理するための垂直炉反応器アセンブリ(2、または102)であって、中で基材(4)を処理するために構成された処理チャンバ(8)を画定する反応器ハウジング(6)を備え、前記処理チャンバ(8)が、主荷重軸(L)に沿って基材(4)を前記処理チャンバ(8)に出し入れさせるための開口部(10)を有し、前記開口部(10)が、ハウジングフランジ(12、26)、ガス分割リングユニット(14)、ライナーサスペンションリングユニット(16)、スカベンジャーリングユニット(18)およびクランプリングユニット(20)のうちの少なくとも2つを含む環状フランジユニット(12、14、16、26、または12、18、20、26)のスタックによって囲われており、
前記環状フランジユニット(12、14、16、18、20、26)のうちの少なくとも2つには、互いに対して前記それぞれの少なくとも2つのフランジユニット(12、14、16、18、20、26)の中心合わせをするために相互に連動するセンタリング構造(22、24)が提供されていて、
前記相互に連動するセンタリング構造(22、24)が、複数のスロット(22)および対応する複数のピン(24)を備え、前記スロット(22)それぞれが、それぞれの主スロット軸(S)に沿って延在し、前記スロット軸(S)が、前記環状フランジユニット(12、14、16、18、20、26)のスタックに対して中央で相互に交差するように方向付けられていて、
前記主スロット軸(S)に沿って前記スロット(22)内で前記受けたピン(24)が移動可能であり、前記主スロット軸(S)および前記主荷重軸(L)に垂直な方向に沿って前記スロット(22)内で実質的に不動であるように、前記スロット(22)がそれぞれ、その中に前記ピン(24)のそれぞれ1つを、前記主荷重軸(L)に実質的に平行な方向に受けるように構成されている、反応器アセンブリ。
【請求項2】
前記複数のスロット(22)が、少なくとも3つのスロット(22)を備え、前記対応する数のピン(24)が、それに対応して少なくとも3つのピン(24)を備える、請求項1に記載の反応器アセンブリ。
【請求項3】
前記対応する複数のスロット(22)およびピン(24)が、前記それぞれの環状フランジユニット(12、14、16、18、20、26)のそれぞれの周囲に沿って実質的に均等に分布している、請求項1または請求項2に記載の反応器アセンブリ。
【請求項4】
前記少なくとも3つのスロット(22)のうちのスロット(22)の各対のそれぞれの主スロット方向(S)が、前記主荷重軸(L)を横断する平面において約120度の角度を相互に含む、請求項2の従属請求項である請求項3に記載の反応器アセンブリ。
【請求項5】
前記ピン(24)それぞれが、前記主荷重軸(L)と実質的に平行である主ピン方向に沿って延在する、請求項1~4のいずれか一項に記載の反応器アセンブリ。
【請求項6】
前記相互に連動するセンタリング構造(22、24)が、前記それぞれの環状フランジユニット(12、14、16、または18、20、26)間の運動学的カップリングおよび非運動学的カップリングのうちの少なくとも1つを提供するように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の反応器アセンブリ。
【請求項7】
前記環状フランジユニット(12、14、16、26、または12、18、20、26)のスタックが、少なくとも3つの、好ましくは少なくとも4つの環状フランジユニット(12、14、16、26、または12、18、20、26)を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の反応器アセンブリ。
【請求項8】
前記環状フランジユニット(12、14、16、18、20、26)のそれぞれの相互のレベリングを調整するように構成されている、複数のレベリングピン(24a)をさらに備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の反応器アセンブリ。
【請求項9】
前記環状フランジユニット(12、14、16、または18、20、26)の連帯的な円周形状が、前記主荷重軸(L)にその中心を有する円形形状である、請求項1~8のいずれか一項に記載の反応器アセンブリ。
【請求項10】
垂直炉反応器アセンブリ(2、または102)の環状フランジユニット(12、14、16、18、20、26)をスタック内で互いに対して整列させる方法であって、
請求項1~9のいずれか一項に記載の垂直炉反応器アセンブリ(2)を提供することと、
前記複数のピン(24)のうちのピン(24)が、前記複数のスロット(22)のうちの対応するスロット(22)の中に挿入されるようにし、それによって、前記少なくとも2つの環状フランジユニット(12、14、16、18、20、26)を互いに対して中心合わせすることと、を含む、方法。
【請求項11】
中で基材(4)を処理するための、請求項1~9のいずれか一項に記載の垂直炉反応器アセンブリ(2、または102)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材を処理するための垂直炉反応器アセンブリと、こうした反応器アセンブリの環状フランジユニットを整列する方法と、こうした反応器アセンブリの使用とに関する。
【背景技術】
【0002】
基材を処理するための既知の垂直炉反応器アセンブリは、中で基材を処理するために構成された処理チャンバを画定する反応器ハウジングを備え、処理チャンバは、主荷重軸に沿って処理チャンバの内外に基材を移動するための開口部を有し、開口部は環状フランジユニットのスタックによって囲まれている。こうした環状フランジユニットは、ハウジングフランジ、ガス分割リングユニット、ライナーサスペンションリングユニット、スカベンジャーリングユニット、および/またはクランプリングユニットを含んでもよい。
【0003】
反応器の良好な運転性能を達成するために、環状フランジユニットは、互いに対して正確に整列して位置付けられる必要がある。既知の反応器アセンブリにおけるこうした整列を達成することは、煩雑で時間を要する場合があり、高度に熟練した取り扱いを必要とする。
【発明の概要】
【0004】
この「発明の概要」は、選択された複数の概念を簡略化した形態で紹介するために提供されている。これらの概念は、以下の本開示の例示的な実施形態の「発明を実施するための形態」において、さらに詳細に説明される。この「発明の概要」は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図していなく、また特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図していない。
【0005】
本発明の目的は、環状フランジユニットの適切な相互整列がより容易に、および/または迅速に達成されることができる、基材を処理するための垂直炉反応器アセンブリを提供することであってもよい。目的は、環状フランジユニット間の誤整列がより発生しにくくなりうる反応器アセンブリを提供することであってもよい。
【0006】
その目的のために、本発明の態様は、基材を処理するための垂直炉反応器アセンブリを提供してもよい。反応器アセンブリは、中で基材を処理するために構成されうる処理チャンバを画定する反応器ハウジングを備えてもよい。処理チャンバは、主荷重軸に沿って、基材を処理チャンバに出し入れするための開口部を有してもよい。開口部は、ハウジングフランジ、ガス分割リングユニット、ライナーサスペンションリングユニット、スカベンジャーリングユニット、およびクランプリングユニットのうちの少なくとも2つを含む、環状フランジユニットのスタックによって囲まれてもよい。
【0007】
環状フランジユニットの少なくとも2つには、互いに対してそれぞれの少なくとも2つのフランジユニットを中心合わせするための相互に連動するセンタリング構造が提供されてもよい。相互に連動するセンタリング構造は、複数のスロットおよび対応する複数のピンを備えてもよい。スロットはそれぞれ、それぞれの主スロット軸に沿って延在してもよい。スロット軸は、環状フランジユニットのスタックに対して中央で相互に交差するように方向付けられてもよい。
【0008】
受けたピンがそれぞれの主スロット軸に沿ってスロット内で移動可能であり、主スロット軸および主荷重軸に垂直な方向に沿ってスロット内で実質的に不動でありうるように、スロットはそれぞれ、その中にピンのそれぞれ1つを、主荷重軸に実質的に平行な方向に受けるように構成されてもよい。
【0009】
好ましくは、主スロット軸および主荷重軸に垂直な前記方向は、環状フランジユニットの、および/または開口部の円周方向に少なくとも実質的に対応してもよい。
【0010】
こうした相互に連動するセンタリング構造は、それぞれの環状フランジユニット間の比較的に容易な、かつ迅速な相互整列を可能にしてもよく、ここで意図的ではない誤整列のリスクが低減されうる。
【0011】
フランジユニットが互いに対して位置付けられている時、ピンは、特に主荷重軸に実質的に沿って、スロットに挿入されてもよい。受けスロットは、ピンが例えば、都合よく一つずつ挿入されうるような方法でピンの動きを制限し、その一方で自動中心合わせ動作は、前記位置付け中に達成されてもよい。
【0012】
さらなる一態様は、垂直炉反応器アセンブリの環状フランジユニットをスタック内で互いに対して整列させる方法を提供してもよい。方法は、
【0013】
本明細書に記載の通りの垂直炉反応器アセンブリを提供することと、
【0014】
複数のピンのうちのピンが、複数のスロットのうちの対応するスロットの中に挿入されるようにし、それによって、少なくとも2つの環状フランジユニットを互いに対して中心合わせすることと、を含む。
【0015】
こうした方法は、上述の利点を提供してもよい。
【0016】
さらなる一態様は、中で基材を処理するための、本明細書に記載の通りの垂直炉反応器の使用を提供してもよい。
【0017】
こうした使用は、上述の利点を提供してもよい。
【0018】
本発明と、先行技術を超えて達成される利点とを要約する目的で、本発明のある特定の目的および利点が本明細書において上述されている。当然のことながら、必ずしもこうした目的または利点のすべてが本発明の任意の特定の実施形態によって達成されうるとは限らないことが理解されうる。それ故に例えば、本明細書において教示または示唆されうる通りの他の目的または利点を必ずしも達成することなく、本明細書において教示または示唆される通りの1つの利点または一群の利点を達成または最適化する様態で、本発明が具体化または実行されてもよいことを当業者は認識するであろう。
【0019】
様々な実施形態が従属請求項において特許請求されていて、これは図に示される実施例を参照してさらに明らかにされる。実施形態は組み合わされてもよく、または互いに別々に適用されてもよい。
【0020】
これらの実施形態のすべてが、本明細書に開示した本発明の範囲内であることが意図されている。これらのおよび他の実施形態は、以下の添付の図面を参照するある特定の実施形態の以下の「発明を実施するための形態」から当業者に容易に明らかとなることになり、本発明は開示されたいかなる特定の実施形態にも限定されない。
【0021】
本明細書は、本発明の実施形態と見なされるものを具体的に指摘し、明確に特許請求する特許請求の範囲で結論付ける一方で、本開示の実施形態の利点は、添付の図面と併せて読むと、本開示の実施形態のある特定の実施例の説明から、より容易に解明されうる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、第一の実施形態による例示的な垂直炉反応器アセンブリの側面断面図である。
図2図2は、第二の実施形態による例示的な垂直炉反応器アセンブリの側面断面図である。
図3図3は、例示的な相互に連動するセンタリング構造の上面図を示す。
図4図4は、環状フランジユニットの例示的なスタックの等角図を示す。
図5図5は、例示的なスカベンジャーリングの等角図を示す。
図6図6は、さらなる例示的なスカベンジャーリングの等角図を示す。
図7図7は、例示的なクランプリングの等角図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本出願において、類似のまたは対応する特徴は、類似のまたは対応する参照記号によって示される。様々な実施形態の説明は、図に示される実施例に限定されず、また「発明を実施するための形態」および「特許請求の範囲」で使用される参照番号は、実施形態の説明を制限することを意図せず、しかし実施形態を解明するために含まれる。
【0024】
ある特定の実施形態および実施例を以下に開示するが、本発明の具体的に開示された実施形態および/または使用、ならびにその明白な修正および均等物を超えて本発明が延長することは、当業者によって理解されるであろう。それ故に、開示された本発明の範囲は、以下に記載の特定の開示された実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。本明細書に提示された図は、任意の特定の材料、構造、または装置の実際の姿であることを意味せず、本開示の実施形態を説明するために使用されている、単に理想化された表現にすぎない。
【0025】
本明細書で使用される「ウエハ」という用語は、使用されてもよい、または装置、回路、もしくはフィルムが形成されてもよい任意の下にある材料(複数可)を指してもよい。
【0026】
図1および図2は、中で基材4の処理するために使用できる垂直炉反応器アセンブリ2、または102の実施例を示す。
【0027】
反応器アセンブリ2、または102は、中で基材4を処理するために構成されうる処理チャンバ8を画定する反応器ハウジング6を備えてもよい。処理チャンバ8は、主荷重軸Lに沿って、基材4を処理チャンバ8に出し入れするために、(ここではチャンバ8の底面に)開口部10を有してもよい。開口部10は、環状フランジユニットのスタックによって取り囲まれてもよい。環状フランジユニットは、ハウジングフランジ12、26、ガス分割リングユニット14、ライナーサスペンションリングユニット16、スカベンジャーリングユニット18、およびクランプリングユニット20のうちの少なくとも2つを含んでもよい。
【0028】
図1の実施例において、そこに示したスタックは、反応器ハウジング6のハウジングフランジ12、ガス分割リングユニット14、ライナーサスペンションリングユニット16、およびさらなるハウジングフランジ26を含む。ハウジング6は処理チャンバ8を画定するため、ハウジングフランジ12は処理チャンバフランジ12と呼ばれてもよい。図2の実施例において、そこに示したスタックは、反応器ハウジング6のハウジングフランジ12、ライナーサスペンションリングユニット16、スカベンジャーリングユニット18、クランプリングユニット20、およびさらなるハウジングフランジ26を含む。1つ以上の(さらなる)クランプリングユニット(図面には示されていない)は、示された実施例の任意の1つ以上において、特にライナーサスペンションリングユニット16とハウジングフランジ12との間に、および/またはスカベンジャーリングユニット18とライナーサスペンションリングユニット16との間に提供されてもよい。
【0029】
さらなるハウジングフランジ26は、基材4のバッチを中で処理するためにチャンバ8に出し入れするように構成されうるウェーハボートハンドリング装置28と関連付けられてもよい。ライナーサスペンションリングユニット16は、反応器アセンブリ2のライナー30と関連付けられてもよい。
【0030】
図4の実施例において、そこに示したスタックは、クランプリングユニット20、ライナーサスペンションユニット16、およびガス分割リングユニット14を含む。図4の実施例において、示されていないハウジングフランジは、ガス分割リングユニット14の下に位置付けられてもよい。前記ハウジングフランジのピン24はそれにもかかわらず、さらに説明される通り、示されている。
【0031】
当然のことながら、示されたスタックの組成物は、実施例を表すだけにすぎず、またこのようなスタックは、例えば環状フランジユニットの異なるセット、異なる順序、および/または1つ以上の追加の環状フランジユニットで、異なるように組成されてもよい。
【0032】
例えば図2に示す通り、フランジユニットは、1つのフランジユニットが別のフランジユニットを部分的にまたは完全に取り囲むように積み重ねられてもよい。
【0033】
環状フランジユニット12、14、16、18、20、26のうちの少なくとも2つには、互いに対して、それぞれの少なくとも2つのフランジユニット12、14、16、18、20、26をセンタリングするために、相互に連動するセンタリング構造22、24(例えば図3を参照。図1および図2には明示せず)が提供されてもよい。
【0034】
相互に連動するセンタリング構造22、24は、複数のスロット22および対応する複数のピン24を備えてもよい。スロット22はそれぞれ、それぞれの主スロット軸Sに沿って延在してもよく、スロット軸Sは、環状フランジユニット12、14、16、18、20、26のスタックに対して中央で相互に交差するように方向付けられてもよい。スロット軸Sは、主荷重軸Lと、すなわちスタックおよび/または反応器アセンブリ2、または102の中心線で交差してもよい。代替的に、スロット軸Sの一部またはすべては、スロット軸Sの少なくとも他の1つと、主荷重軸Lから短い距離で、特に前記交点とそれぞれのスロット22の間の距離と比較して短い距離で交差してもよい。
【0035】
受けたピン24がそれぞれの主スロット軸Sに沿ってスロット22内で移動可能であり、主スロット軸Sおよび主荷重軸Lに垂直な方向に沿ってスロット22内で実質的に不動でありうるように、スロット22はそれぞれ、その中にピン24のそれぞれ1つを、主荷重軸Lに実質的に平行な方向に受けるように構成されてもよい。
【0036】
図3の実施例において、スロット22は、それらの軸端の両方で閉じている。代替的に、例えばスロット22のうちの1つ以上は、例えば軸方向端のうちの1つまたは2つにて開放端であってもよい。その実施例を図4で見ることができる。
【0037】
図4は、相互に連動するセンタリング構造、特に環状フランジユニット20、16、14のスタック内のスロット22およびピン24の幾つかのセットを示す。ガス分割リングユニット14の下にあるハウジングフランジ(それ自体は図示せず)のピン24は、ガス分割リングユニット14のスロット22の中に受けられた状態で示されている。ガス分割リングユニット14のピン24は、ライナーサスペンションリングユニット16のスロット22の中に受けられた状態で示されている。
【0038】
図5は、例示的なスカベンジャーリングユニット18の中に受けられているハウジングフランジ(それ自体は図示せず)のピン24を示す。
【0039】
図6は、図7に示す例示的なクランプリングユニット20のスロット22の中に受けられうるピン24を有する例示的なスカベンジャーリングユニット18を示す。
【0040】
一実施形態において、複数のスロット22は、少なくとも3つのスロット22を備えてもよく、対応する数のピン24は、それに対応して少なくとも3つのピン24を備えてもよい。当然のことながら、スロット22およびピン24の数はここで、センタリング構造ごとに、すなわち例えば環状フランジユニットごとに画定されている。
【0041】
それ故に、例えば2つの環状フランジユニットに、相互に連動するセンタリング構造が提供されている場合、前記フランジユニットの一方には、少なくとも3つのスロット22が提供されてもよく、その一方で前記フランジユニットの他方には、少なくとも3つのピン24が提供されてもよい。あまり好ましくはないが可能な代替案において、前記フランジユニットの一方には、例えば2つのスロット22および1つのピン24が提供されてもよく、その一方で前記フランジユニットの他方には、1つのスロット22および2つのピン24が提供されてもよい。当然のことながら、多くのさらなる異形および組み合わせがそれ故に可能であってもよい。
【0042】
少なくとも3つのスロット22および少なくとも3つのピン24を提供することによって、良好な中心合わせの挙動が得られてもよく、その一方でスロット22内でのピン24の位置付けは比較的に容易であってもよい。
【0043】
一実施形態において、対応する複数のスロット22およびピン24は、それぞれの環状フランジユニット12、14、16、18、20、26のそれぞれの周囲に沿って実質的に均等に分布されてもよい。
【0044】
センタリングの挙動は、それによってさらに改善されてもよい。
【0045】
一実施形態において、少なくとも3つのスロット22のうちのスロット22の各対のそれぞれの主スロット方向Sは、主荷重軸Lと横断しうる平面において相互に約120度の角度を含んでもよい。代替的に、スロットの1つ以上の対は、異なる角度、例えば120度よりも実質的に大きいまたは小さい角度を含んでもよい。
【0046】
一実施形態において、ピン24はそれぞれ、主荷重軸Lに対して実質的に平行でありうる主ピン方向に沿って延在してもよい。
【0047】
ピン24はそれ故に、主荷重軸Lの方向にスロット22の中に挿入されてもよく、その一方で、受けられたピン24の前記主荷重軸Lに対して横方向の1つ以上の方向の移動は、スロット22によって制限されてもよい。
【0048】
一実施形態において、相互に連動するセンタリング構造22、24は、それぞれの環状フランジユニット12、14、16間、または18、20、26間の運動学的カップリングおよび非運動学的カップリングのうちの少なくとも1つを提供するように構成されてもよい。
【0049】
一実施形態において、環状フランジユニット12、14、16、26、または12、18、20、26のスタックは、少なくとも3つの、好ましくは少なくとも4つの環状フランジユニット12、14、16、26、または12、18、20、26を備えてもよい。
【0050】
一実施形態において、反応器アセンブリ2、または102は、特にガス分割リングユニット14を含む、環状フランジユニット12、14、16、18、20、26のそれぞれの相互均等化を調整するように構成されうる、複数(例えば、3つ)の均等化ピン24a(図4を参照)を備えてもよい。
【0051】
一実施形態において、環状フランジユニット12、14、16、または18、20、26の連帯的な円周形状は、その中心が主荷重軸Lにある円形形状であってもよい。
【0052】
それ故に、比較的に強力なフランジユニットには、特にその円周と比較して比較的に大きい開口部をその中に提供することができる。こうした円形のフランジ形状は、開口部10および/または反応器ハウジング6の円形形状と一致してもよい。
【0053】
例示である図面を参照すると、垂直炉反応器アセンブリ2、または102の環状フランジユニット12、14、16、18、20、26を、スタック内で相互に対して整列する方法は、
本明細書に記載の通りの垂直炉反応器アセンブリ2を提供することと、
複数のピン24のうちのピン24が、複数のスロット22のうちの対応するスロット22の中に挿入されるようにし、それによって、少なくとも2つの環状フランジユニット12、14、16、18、20、26を互いに対して中心合わせすることと、を含む。
【0054】
本発明の例示的な実施形態を、添付図面を部分的に参照しながら上述してきたが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことが理解されるべきである。本開示の実施形態に対する変形形態は、特許請求される発明を実施する当業者によって、図面、開示、および添付の特許請求の範囲の検討から、理解および達成することができる。
【0055】
例えば、環状フランジユニットのスタックは、別のフランジユニットに対して中心合わせするためのピンおよび/またはスロットを備えない1つ以上の環状フランジユニットを備えてもよい。さらなる実施例が、明細書全体を通して提供されている。
【0056】
本明細書全体を通して、「1つの実施形態(one embodiment)」または「一実施形態(an embodiment)」の参照は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。それ故に、この記述全体の様々な個所での「1つの実施形態において(in one embodiment)」または「一実施形態において(in an embodiment)」という句の使用は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すわけではない。
【0057】
さらに、上述の様々な実施形態のうちの1つ以上の特定の特徴、構造、または特性は、互いに独立して使用、実施されてもよく、また新しい、明示的に記述されていない実施形態を形成するために任意の適切な様態で組み合わせられてもよいことに留意されたい。「発明を実施するための形態」および「特許請求の範囲」で使用されている参照番号は、実施形態の説明を限定せず、特許請求の範囲も制限しない。参照番号は明確化のためにのみ使用されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】