(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022124891
(43)【公開日】2022-08-26
(54)【発明の名称】コンテンツ提供システム及びコンテンツ視聴システム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/86 20140101AFI20220819BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20220819BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20220819BHJP
H04N 21/234 20110101ALI20220819BHJP
H04N 21/258 20110101ALI20220819BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20220819BHJP
【FI】
A63F13/86
A63F13/53
A63F13/79
H04N21/234
H04N21/258
G06F13/00 650A
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021022788
(22)【出願日】2021-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】大森 大将
(72)【発明者】
【氏名】玉置 絢
(72)【発明者】
【氏名】山田 秀樹
【テーマコード(参考)】
5B084
5C164
【Fターム(参考)】
5B084AA01
5B084AA12
5B084AA30
5B084AB07
5B084AB11
5B084AB13
5B084BA03
5B084BB14
5B084CB05
5B084CB06
5B084CB23
5B084CE02
5B084CE12
5B084CF12
5B084DC02
5B084DC03
5B084DC06
5B084DC13
5C164FA06
5C164FA22
5C164SB01P
5C164SC11P
5C164UB88S
5C164UD21S
5C164YA11
5C164YA21
(57)【要約】 (修正有)
【課題】従来に無い魅力的な視聴者アクションの取り扱いが可能なコンテンツ提供システムの技術を提供すること。
【解決手段】サーバシステム1100は、視聴者端末1500vを通じて複数の視聴者2vに所与のコンテンツを同時配信可能に提供する。その際、基本的には、視聴者端末を通じて視聴者から視聴者アクションを受け付けると、その反映表示を視聴者端末のコンテンツ提供画面に表示させる。加えて、コンテンツの進行状況が所与の発動条件を満たした場合には、発動条件を満たす迄に受け付けられた視聴者アクションに基づくイベント映像をコンテンツ提供画面に可変に制御して表示させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
視聴者端末を通じて複数の視聴者に所与のコンテンツを同時配信可能に提供するコンテンツ提供システムであって、
前記視聴者端末を通じて前記視聴者から視聴者アクションを受け付ける受付制御手段と、
前記受付制御手段が受け付けた前記視聴者アクションに応じた反映表示を前記視聴者端末のコンテンツ提供画面に表示させる反映制御を行う反映制御手段と、
前記コンテンツの進行状況に基づく所与の発動条件を満たしたことを検出する検出手段と、
を備え、
前記反映制御手段は、
前記検出手段の検出に応じて所与のイベント映像を前記コンテンツ提供画面に表示させるイベント発動手段であって、前記検出手段による検出がなされる迄に前記受付制御手段により受け付けられた前記視聴者アクションに基づいて、前記イベント映像を可変に制御して表示させるイベント発動手段、
を有する、
コンテンツ提供システム。
【請求項2】
前記反映制御手段は、
所与のタイミングで前記反映制御を抑制させる反映抑制制御を開始する反映抑制制御開始手段、
を有し、
前記イベント発動手段は、前記検出手段による検出がなされる迄に前記反映抑制制御によって抑制された前記反映制御に対応する前記視聴者アクションに基づいて、前記イベント映像の可変制御を行う、
請求項1に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項3】
前記反映抑制制御は、前記受付制御手段による前記視聴者アクションの受け付けに応じた即時の前記反映制御を抑制させる制御である、
請求項2に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項4】
前記イベント発動手段は、前記反映抑制制御によって抑制されていた前記反映制御を一斉に実行することで、前記イベント映像の表示制御を実行する、
請求項3に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項5】
前記イベント発動手段は、前記検出手段による検出がなされる迄に前記反映抑制制御によって抑制された前記反映制御に対応する前記視聴者アクションの数量及び/又は種類に基づいて、前記イベント映像の可変制御を行う、
請求項3又は4に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項6】
前記コンテンツ提供画面に、前記数量を示す表示を行う抑制数量表示制御手段、
を更に備える請求項5に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項7】
前記反映制御手段は、前記受付制御手段が受け付けた前記視聴者アクションに応じた通知表示を前記反映表示として、前記視聴者端末のコンテンツ提供画面に表示させることで前記反映制御を行い、
前記イベント発動手段は、前記通知表示を一斉に行うことで前記イベント映像の表示制御を実行する、
請求項4~6の何れか一項に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項8】
前記検出手段による検出がなされる迄に前記反映抑制制御によって抑制された前記反映制御に対応する前記視聴者アクションの数量を、視聴者毎に管理する抑制アクション管理手段、
を更に備え、
前記イベント発動手段は、前記一斉に行う通知表示のそれぞれの表示形態を、対応する視聴者の前記数量に基づいて制御する、
請求項7に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項9】
前記反映制御手段は、前記イベント映像の表示制御中に、前記受付制御手段により前記視聴者アクションが受け付けられた場合に、当該受け付けた視聴者アクションに応じた通知表示を、当該イベント映像に表示されている通知表示とは異なる表示形態で表示させる、
請求項7又は8に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項10】
前記視聴者端末を通じて前記視聴者から優遇設定を受け付ける優遇設定受付制御手段、
を更に備え、
前記イベント発動手段は、前記一斉に行う通知表示のうち、前記優遇設定を受け付けた視聴者に係る通知表示を、他の通知表示と異なる表示形態で表示させる、
請求項7~9の何れか一項に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項11】
前記検出手段による検出がなされた場合の前記イベント発動手段の制御内容を、前記反映抑制制御がなされている間に前記視聴者端末に通知する発動制御内容通知手段、
を更に備える請求項2~10の何れか一項に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項12】
前記反映抑制制御の開始条件を設定する開始条件設定手段、
を更に備え、
前記反映抑制制御開始手段は、前記開始条件を充足したタイミングで前記反映抑制制御を開始する、
請求項2~11の何れか一項に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項13】
前記コンテンツは、配信者が配信者端末で実行する所与のエンターテインメントアプリケーションの実行映像であり、
前記検出手段は、前記エンターテインメントアプリケーションの実行状況に基づき定められた前記発動条件を満たしたことを検出する、
請求項1~12の何れか一項に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項14】
前記コンテンツ提供画面に前記発動条件を示す条件表示体を表示させる制御を行う手段、
を更に備える請求項1~13の何れか一項に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項15】
前記発動条件は、前記コンテンツの進行が所定タイミングに達したことであり、
前記コンテンツ提供画面に、前記所定タイミングに達するまでの時間を示す時間表示体を表示させる制御を行う手段、
を更に備える請求項1~13の何れか一項に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項16】
請求項1~15の何れか一項に記載のコンテンツ提供システムであるサーバシステムと、
前記視聴者端末と、
が通信可能に接続されたコンテンツ視聴システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視聴者端末を通じて複数の視聴者に所与のコンテンツを同時配信可能に提供するコンテンツ提供システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
視聴者端末を通じて複数の視聴者に所与のコンテンツを同時配信可能に提供するコンテンツ提供システムが人気である。いわゆる動画配信サービスもこれに該当する。提供されるコンテンツは様々であり、予め作成された動画は勿論、演奏やゲームプレイなどのライブ配信もある。視聴者は、スマートフォンやパソコンなどの視聴者端末を使って、オンラインで動画やライブ配信を視聴する。
【0003】
コンテンツ提供システムのなかでも、視聴中の視聴者アクションを受け付ける仕組みが備わっている視聴者参加型は特に人気である。視聴者アクションの例としては、例えばテキストコメントの投稿や、コンテンツの評価の入力、投げ銭(お礼や応援の意味をもった視聴者から配信者(コンテンツ提供者)へのお金の送付機能)がある。
【0004】
視聴者アクションの取り扱いは、そのコンテンツ提供システムにおける大きな魅力の1つであり、特徴のある視聴者アクションの扱いが考案されている(例えば、特許文献1や特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-32180号公報
【特許文献2】特開2020-89716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、従来に無い魅力的な視聴者アクションの取り扱いが可能なコンテンツ提供システムの技術を提供すること、である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するための第1の発明は、視聴者端末を通じて複数の視聴者に所与のコンテンツを同時配信可能に提供するコンテンツ提供システムであって、
前記視聴者端末を通じて前記視聴者から視聴者アクションを受け付ける受付制御手段と、
前記受付制御手段が受け付けた前記視聴者アクションに応じた反映表示を前記視聴者端末のコンテンツ提供画面に表示させる反映制御を行う反映制御手段(例えば、
図7のサーバ処理部200s、コンテンツ提供制御部210、反映制御部220、
図18のステップS12)と、
前記コンテンツの進行状況に基づく所与の発動条件を満たしたことを検出する検出手段(例えば、
図7のサーバ処理部200s、コンテンツ提供制御部210、イベント発動条件充足検出部230、
図18のステップS30)と、を備え、
前記反映制御手段は、前記検出手段の検出に応じて所与のイベント映像を前記コンテンツ提供画面に表示させるイベント発動手段であって、前記検出手段による検出がなされる迄に前記受付制御手段により受け付けられた前記視聴者アクションに基づいて、前記イベント映像を可変に制御して表示させるイベント発動手段(例えば、
図7のイベント発動部224、
図18のステップS34~ステップS38)、を有する、コンテンツ提供システムである。
【0008】
ここで言う「コンピュータシステム」は、単数のコンピュータは勿論、複数のコンピュータによって連携して実現されるものでもよい。
【0009】
第1の発明によれば、コンテンツ提供システムは、視聴者端末から視聴者アクションを受け付け、それに応じた反映表示を、視聴者端末で表示されるコンテンツ表示画面に表示させることができる。それに加えて、コンテンツの進行状況が所定の発動条件を満たすと、コンテンツ提供画面に、発動条件が満たされる迄に受け付けられた視聴者アクションに基づくイベント映像が表示される。
こうした新しい視聴者アクションの取り扱いは、従来のコンテンツ提供システムには無く、配信者や視聴者への新たな訴求力となってコンテンツ提供システムの魅力を高める。
【0010】
第2の発明は、前記反映制御手段が、所与のタイミングで前記反映制御を抑制させる反映抑制制御を開始する反映抑制制御開始手段(例えば、
図7のサーバ処理部200s、コンテンツ提供制御部210、反映抑制制御開始部222、
図18のステップS14~ステップS16)、を有し、前記イベント発動手段は、前記検出手段による検出がなされる迄に前記反映抑制制御によって抑制された前記反映制御に対応する前記視聴者アクションに基づいて、前記イベント映像の可変制御を行う(例えば、
図18のステップS32~ステップS38)、第1の発明のコンテンツ提供システムである。
【0011】
また、第3の発明は、前記反映抑制制御が、前記受付制御手段による前記視聴者アクションの受け付けに応じた即時の前記反映制御を抑制させる制御である、第2の発明のコンテンツ提供システムである。
【0012】
第2又は第3の発明によれば、コンテンツ提供システムは、反映制御を一時的に抑制し、抑制されていた間の視聴者アクションに基づいてイベント映像を可変に制御することができる。抑制されていた間、視聴者アクションを行っても視聴中のコンテンツの映像には、その反映がなされないことになるので、あたかも抑制されている間の視聴アクションが貯まっていたかのように感じさせる。その一方で、いざ発動条件が満たされると、その貯まっていた視聴アクションに応じたイベント映像が表示される。つまり視聴アクションを用いた「ぐっと貯めて一気に開放する」演出が可能になり、視聴の雰囲気を効果的に盛り上げることができる。
【0013】
第4の発明は、前記イベント発動手段が、前記反映抑制制御によって抑制されていた前記反映制御を一斉に実行することで、前記イベント映像の表示制御を実行する、第3の発明のコンテンツ提供システムである。
【0014】
ここで言う「一斉」の表示制御とは、抑制されていた反映表示を文字通り画面全体に散りばめるように同時に行うことは勿論のこと、画面全幅又は全高を使って複数の反映表示を雪崩のように連続的に一気に流れ表示させることを含む意味である。
【0015】
第4の発明によれば、コンテンツ提供システムは、素晴らしいシーンに観客が一斉に拍手喝采するような雰囲気をイベント映像として表現し、視聴の雰囲気を効果に盛り上げることができる。
【0016】
第5の発明は、前記イベント発動手段が、前記検出手段による検出がなされる迄に前記反映抑制制御によって抑制された前記反映制御に対応する前記視聴者アクションの数量及び/又は種類に基づいて、前記イベント映像の可変制御を行う、第3又は第4の発明のコンテンツ提供システムである。
【0017】
第5の発明によれば、コンテンツ提供システムは、抑制されている間の視聴者アクションの数量や種類に応じてイベント映像を変化させることができる。視聴者アクションの数量や種類は、コンテンツの内容に視聴者の心が動かされた度合を表しているとも言える。よって、イベント映像をその数量や種類に応じて変えることで、視聴者の心が動かされた度合に即したイベント映像を表示させ、その度合に適当な雰囲気の盛り上げを演出できる。
【0018】
第6の発明は、前記コンテンツ提供画面に、前記数量を示す表示を行う抑制数量表示制御手段(例えば、
図7のサーバ処理部200s、コンテンツ提供制御部210、抑制数量表示制御部232、
図18のステップS20)、を更に備える第5の発明のコンテンツ提供システムである。
【0019】
第6の発明によれば、コンテンツ提供システムは、視聴者アクションの数量を、言い換えると視聴者の心が動かされた度合を、視聴者に直接的に通知することができる。これを見た視聴者は「あ!盛り上がってきているな。よし、自分も盛り上げよう」という具合に、或いは「ちょっと盛り上がりに欠けるな。よし!自分が先導して盛り上げてやろう」といった具合に、視聴者アクションをより積極的に行おうとするだろう。従って、当該コンテンツ提供システムを利用した配信を盛り上げることが可能となる。
【0020】
第7の発明は、前記反映制御手段が、前記受付制御手段が受け付けた前記視聴者アクションに応じた通知表示を前記反映表示として、前記視聴者端末のコンテンツ提供画面に表示させることで前記反映制御を行い、前記イベント発動手段は、前記通知表示を一斉に行うことで前記イベント映像の表示制御を実行する、第4~第6の何れかの発明のコンテンツ提供システムである。
【0021】
第7の発明によれば、コンテンツ提供システムは、イベント映像として、抑制を受けていた間の視聴者アクションに応じた通知表示を一斉に表示させることができる。
【0022】
第8の発明は、前記検出手段による検出がなされる迄に前記反映抑制制御によって抑制された前記反映制御に対応する前記視聴者アクションの数量を、視聴者毎に管理する抑制アクション管理手段(例えば、
図7のサーバ処理部200s、コンテンツ提供制御部210、
図16の抑制アクション管理データ720、
図18のステップS16)、を更に備え、
前記イベント発動手段は、前記一斉に行う通知表示のそれぞれの表示形態を、対応する視聴者の前記数量に基づいて制御する、第7の発明のコンテンツ提供システムである。
【0023】
第8の発明によれば、コンテンツ提供システムは、抑制されていた間に行われた視聴者毎の視聴者アクションの数量を記憶管理し、その数量に応じて通知表示の表示形態を変更できる。よって、通知表示を介して、抑制されていた間に、どの視聴者がどれだけ視聴者アクションを行ったが分かるようになる。よって、場を盛り上げたのが自分であるとアピールすること、配信者をいかに自分が応援しているかをアピールすること、等々を視聴アクションの目的とする視聴者に対して、望ましい通知表示とすることができる。
【0024】
第9の発明は、前記反映制御手段が、前記イベント映像の表示制御中に、前記受付制御手段により前記視聴者アクションが受け付けられた場合に、当該受け付けた視聴者アクションに応じた通知表示を、当該イベント映像に表示されている通知表示とは異なる表示形態で表示させる、第7又は第8の発明のコンテンツ提供システムである。
【0025】
第9の発明によれば、コンテンツ提供システムは、イベント映像の表示制御中に受け付けた視聴者アクションについても反映表示として通知表示を行うが、イベント映像が表示される前に受け付けた視聴アクションとは異なる表示形態とすることができる。
【0026】
第10の発明は、前記視聴者端末を通じて前記視聴者から優遇設定を受け付ける優遇設定受付制御手段(例えば、
図7のサーバ処理部200s、コンテンツ提供制御部210、優遇設定受付制御部216、
図16の優遇設定者データ715、
図18のステップS12)、を更に備え、前記イベント発動手段は、前記一斉に行う通知表示のうち、前記優遇設定を受け付けた視聴者に係る通知表示を、他の通知表示と異なる表示形態で表示させる、第7~第9の何れかの発明のコンテンツ提供システムである。
【0027】
第10の発明によれば、コンテンツ提供システムは、優遇設定をした視聴者の通知表示を、優遇設定をしなかった視聴者の通知表示とは異なる表示形態で表示することができる。
【0028】
第11の発明は、前記検出手段による検出がなされた場合の前記イベント発動手段の制御内容を、前記反映抑制制御がなされている間に前記視聴者端末に通知する発動制御内容通知手段(例えば、
図23の発動制御内容通知制御部240)、を更に備える第2~第10の何れかの発明のコンテンツ提供システムである。
【0029】
第11の発明によれば、コンテンツ提供システムは、イベント発動手段の制御内容を視聴者に予告することで、期待感を煽り、視聴者アクションを促すことができる。
【0030】
第12の発明は、前記反映抑制制御の開始条件を設定する開始条件設定手段(例えば、
図23の開始条件設定部242)を更に備え、前記反映抑制制御開始手段は、前記開始条件を充足したタイミングで前記反映抑制制御を開始する、第2~第11の何れかの発明のコンテンツ提供システムである。
【0031】
第12の発明によれば、反映抑制制御の開始条件を設定できるようになる。
【0032】
第13の発明は、前記コンテンツが、配信者が配信者端末で実行する所与のエンターテインメントアプリケーションの実行映像であり、前記検出手段は、前記エンターテインメントアプリケーションの実行状況に基づき定められた前記発動条件を満たしたことを検出する、第1~第12の何れかの発明のコンテンツ提供システムである。
【0033】
ここで言う「実行状況」とは、エンターテインメントの進行具合や、エンターテインメントで実現されている仮想世界がどのような状況にあるか、エンターテインメントのなかで行われた試みが成功したのか否か、エンターテインメントの成績に相当する評価がどの程度の状態か、などである。その詳細は、エンターテインメントの内容によって、適宜設定される。
【0034】
第13の発明によれば、コンテンツ提供システムは、エンターテインメントの実行状況を発動条件とすることができる。よって、視聴者の心が動かされるような実行状況を適切に発動条件に設定することで、コンテンツの盛り上がりポイントに合わせてイベント映像を表示させることができる。
【0035】
第14の発明は、前記コンテンツ提供画面に前記発動条件を示す条件表示体を表示させる制御を行う手段(例えば、
図7のサーバ処理部200s、コンテンツ提供制御部210、条件表示体表示制御部236、
図18のステップS18)、を更に備える第1~第13の何れかの発明のコンテンツ提供システムである。
【0036】
また、第15の発明は、前記発動条件が、前記コンテンツの進行が所定タイミングに達したことであり、前記コンテンツ提供画面に、前記所定タイミングに達するまでの時間を示す時間表示体を表示させる制御を行う手段(例えば、
図7のサーバ処理部200s、コンテンツ提供制御部210、条件表示体表示制御部236、
図18のステップS18)、を更に備える第1~第13の何れかの発明のコンテンツ提供システムである。
【0037】
第14又は第15の発明によれば、コンテンツ提供システムは、次にイベントが発動されるために満たすべき条件を視聴者に報せることができる。この報せは、視聴者に「早くイベントを発動させたい」と思わせるきっかけとなり、積極的な視聴アクションを促す効果も期待できる。
【0038】
第16の発明は、第1~第15の何れかの発明のコンテンツ提供システムであるサーバシステムと、前記視聴者端末と、が通信可能に接続されたコンテンツ視聴システムである。
【0039】
第16の発明によれば、第1~第15の何れかの発明と同様の効果を発揮できるコンテンツ視聴システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図3】コンテンツの配信と、視聴者アクションについて説明するための図。
【
図4】反映表示がなされたコンテンツ提供画面の例を示す図。
【
図5】反映表示の抑制制御が行われている状態におけるコンテンツ提供画面の例を示す図。
【
図6】イベント映像を伴ったコンテンツ提供画面の例を示す図。
【
図7】第1実施形態におけるサーバシステムの機能構成例を示す機能ブロック図。
【
図8】第1実施形態におけるサーバ記憶部が記憶するプログラムやデータの例を示す図。
【
図9】イベント発動条件定義データのデータ構成例を示す図。
【
図10】イベント用コメント通知表示に係る通知表示定義データのデータ構成例を示す図。
【
図11】イベント用投げ銭通知表示に係る通知表示定義データのデータ構成例を示す図。
【
図13】反映表示定義データのデータ構成例を示す図。
【
図14】ユーザ管理データのデータ構成例を示す図。
【
図15】コンテンツ登録データのデータ構成例を示す図。
【
図17】第1実施形態におけるユーザ端末の機能構成例を示す機能ブロック図。
【
図18】1つの配信に係りサーバシステムが実行する処理の流れを説明するためのフローチャート。
【
図19】第2実施形態におけるサーバシステムの機能構成例を示す機能ブロック図。
【
図20】第2実施形態におけるサーバ記憶部が記憶するプログラムやデータの例を示す図。
【
図21】第2実施形態におけるユーザ端末の機能構成例を示す機能ブロック図。
【
図22】ユーザ端末の機能構成の変形例を示す機能ブロック図。
【
図23】サーバシステムの機能構成の変形例を示す機能ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の実施形態の例を説明するが、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限られないことは勿論である。
【0042】
〔第1実施形態〕
図1は、コンテンツ視聴システムの構成例を示す図である。
コンテンツ視聴システム1000は、ネットワーク9を介してユーザ2に、コンテンツの配信機会とコンテンツの視聴機会とを提供するサービスを実現するシステムである。
【0043】
ここで言う「コンテンツ」は、ゲーム、演奏、演技、演舞、プライベートに撮影した動画、スポーツ等の技の披露、キャンプ場や観光地の体験記、などのエンターテインメントは勿論、ニュース、教育、啓蒙、知識のシェア、などを目的としたものも含まれる。
【0044】
以下では、コンテンツとして、エンターテインメントアプリケーションの実行映像として、オンラインゲームのゲームプレイをライブ配信する例を示す。
【0045】
コンテンツ視聴システム1000は、ネットワーク9を介して相互にデータ通信が可能に接続されたサーバシステム1100と、ユーザ端末1500(1500a,1500b,…)と、を含む。
図1では、ユーザ端末1500(1500a,1500b,…)を4台描いているが、実際のシステム運用においては、更に多くのユーザ端末1500がサーバシステム1100にアクセス可能である。
【0046】
ネットワーク9は、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、ネットワーク9とは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0047】
サーバシステム1100は、例えば本体装置1101と、キーボード1106と、タッチパネル1108と、ストレージ1140と、を有し、本体装置1101に制御基板1150を搭載するコンピュータシステムである。
【0048】
制御基板1150には、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153が搭載されている。なお、制御基板1150の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
【0049】
そして、サーバシステム1100は、制御基板1150が所定のプログラム及びデータに基づいて演算処理することにより、(1)ユーザ登録等に係る情報を管理するユーザ管理機能と、(2)オンラインゲームを進行制御するゲーム管理機能と、を実現する。つまり、サーバシステム1100は、一種のクライアント・サーバ型のオンラインゲームを提供するゲームサーバとして機能する。また、サーバシステム1100は、(3)コンテンツ配信を実現するためのデータを記憶管理してコンテンツを動画配信するコンテンツ提供機能と、(4)コンテンツの視聴者が視聴中に使用するアイテム等をオンライン販売するオンラインショッピング機能と、を実現する。
【0050】
なお、サーバシステム1100を、1台のサーバ装置であるかのように描いているが、複数の装置で実現する構成であってもよい。例えば、サーバシステム1100は、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であっても良い。また、サーバシステム1100を構成するハードウェアの設置場所は問わない。離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、ネットワーク9を介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1100として機能させる構成であっても良い
【0051】
図2は、ユーザ端末1500の構成例を示す正面図である。
ユーザ端末1500(1500a,1500b,…)は、登録手続を経たユーザ2(2a,2b,…)が、本実施形態のコンテンツ視聴システム1000を利用するために使用するコンピュータシステムであって、ネットワーク9を介してサーバシステム1100にアクセスできる電子装置(電子機器)である。すなわち、ユーザ端末1500は、ユーザ2が配信者2hとなるときには、コンテンツ配信のためにゲームプレイをするために使用する配信者端末1500hとして機能する。ユーザ2が視聴者2vとなるときには、コンテンツ配信を視聴するための視聴者端末1500vとして機能する。
【0052】
なお、
図2で示すユーザ端末1500は、いわゆるスマートフォンと呼ばれる装置であるが、コンピュータであれば、スマートウォッチ、スマートグラスなどのウェアラブルコンピュータや、携帯型ゲーム装置、タブレット型コンピュータ、パソコン、などでもよい。スマートフォンと、当該スマートフォンに通信接続されたスマートウォッチとの組み合わせといった複数の電子機器が通信可能に接続することで1つの機能を果たす場合にはこれらの複数の電子機器を1つのユーザ端末1500とみなすことができる。
【0053】
ユーザ端末1500は、方向入力キー1502と、ボタンスイッチ1504と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル1506と、内蔵バッテリー1509と、スピーカ1510と、マイク1512と、カメラ1520と、制御基板1550と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード1540からデータを読み書きできるメモリカード読取装置1542と、を備える。その他、図示されていない電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。また、コンテンツ視聴システム1000の利用対価等の支払いが可能なICカード型のクレジットカードやプリペイドカードに対して非接触にデータの読み書きが行えるICカード読取装置などを設けるとしてもよい。
【0054】
制御基板1550は、(1)CPU1551や、GPU,DSPなどの各種マイクロプロセッサ、(2)VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、(3)ネットワーク9に接続する携帯電話基地局や無線LAN基地局などと無線通信するための無線通信モジュール1553、(4)インターフェース回路1557、などを搭載する。
【0055】
インターフェース回路1557には、(1)タッチパネル1506のドライバ回路、(2)方向入力キー1502及びボタンスイッチ1504からの信号を受信する回路、(3)スピーカ1510へ音声信号を出力する出力アンプ回路、(4)マイク1512で集音した音声の信号を生成する入力信号生成回路、(5)カメラ1520で撮影された画像の画像データを入力する回路、(6)メモリカード読取装置1542への信号入出力回路、などが含まれている。
【0056】
制御基板1550に搭載されているこれらの要素は、バス回路などを介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。制御基板1550の一部又は全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。そして、制御基板1550は、ユーザ端末としての機能を実現させるためのプログラムや各種データをICメモリ1552に記憶する。
【0057】
なお、本実施形態では、ユーザ端末1500はプログラムや各種の設定データをサーバシステム1100からダウンロードする構成としているが、別途入手したメモリカード1540などの記憶媒体から読み出す構成としても良い。
【0058】
図3は、コンテンツの配信と、視聴者アクションについて説明するための図である。
配信者2hは、自身がプレイするオンラインゲームのゲームプレイ映像をライブ配信したいユーザでありコンテンツ提供者である。
配信者2hのユーザ端末1500である配信者端末1500hは、サーバシステム1100から取得したゲームプレイ用のクライアントプログラムを実行して、サーバシステム1100と通信することで、オンラインゲームがプレイ可能になる。そのゲーム画面W2は、配信者端末1500hのタッチパネル1506にて表示される。ゲーム内容は適宜選択可能であるが、例えばプレーヤキャラクタ4(4a,4b)を操作してマップ内の敵キャラクタ6を倒してゆくアクションRPGでもよい。
【0059】
サーバシステム1100は、ゲームサーバとして機能している。そして、そのゲームプレイをコンテンツとするコンテンツデータ634を管理するコンテンツ管理サーバとしても機能する。コンテンツデータ634の内容は、コンテンツの内容によって適宜設定可能である。本実施形態のように、オンラインゲームであるならば、ゲームプレイを再現可能な再現用データ、或いはゲームプレイの動画、をコンテンツデータ634とすることができる。なお、再現用データは、サーバシステム1100で生成するとしても良いし、配信者端末1500hで生成してこれを受信するとしてもよい。
【0060】
そして、サーバシステム1100は、コンテンツデータ634を、視聴者端末1500v(1500a,1500b,1500c)へ配信する。つまり、コンテンツをライブ配信する動画配信サーバとして機能する。
【0061】
視聴者端末1500vは、視聴者2v(2a、2b、2c)となるユーザのユーザ端末1500であって、サーバシステム1100から取得した視聴用クライアントプログラムを実行して、サーバシステム1100にアクセスする。視聴者2vは視聴者端末1500vを操作して視聴を希望するコンテンツを選択することで、当該コンテンツのライブ配信を視聴可能になる。
【0062】
視聴者2vは、視聴中のコンテンツを対象にして、視聴者アクションを行うことができる。「視聴者アクション」は、コンテンツの内容に心が動かされたことを表現するための行為ということができる。具体的には、視聴者アクションとして、(1)その時思ったことをテキスト入力又は音声入力する「コメント」、(2)所定の評価段階(例えば、良い/悪い、5段階評価、など)のなかから視聴者2vが感じた視聴中のコンテンツへの評価を選択する「評価」、(3)配信者2hへの応援やねぎらい、感謝の気持ちとして送金する「投げ銭」、が可能である。勿論、視聴アクションは、これらのうちの1つ又は複数を省略してもよいし、これら以外の形態のアクションを含めても良い。
【0063】
視聴者端末1500vで入力された視聴アクションに係る情報は、逐一、サーバシステム1100へ送信される。サーバシステム1100は、コンテンツの配信機能の1つとして、受信した視聴アクションに係る情報に基づいて、視聴者端末1500vで表示されるコンテンツ提供画面へ、当該視聴アクションに応じた反映表示を行う。
【0064】
図4は、反映表示がなされたコンテンツ提供画面の例を示す図である。
コンテンツ提供画面W4は、視聴者端末1500vのタッチパネル1506にて表示される。コンテンツ提供画面W4は、オンラインゲームのプレイ映像を表示する主表示部10と、シークバー12と、視聴者アクションの種別の累計を示す累計表示14と、を有する。
【0065】
基本的には、ある視聴者端末1500vでなされた視聴者アクションは、即座に全ての視聴者端末1500vの主表示部10内にて、その視聴アクションの種類に応じた標準の通知表示20により反映表示される。視聴者アクションと標準の通知表示20は1対1の関係で表示される。
【0066】
視聴アクションの種類が「コメント」である場合、標準コメント通知表示21が表示される。標準コメント通知表示21は、例えば、コメントテキストを主表示部10の右端枠から出現し、左方に流れるように移動して左端枠で消えるように「流れ表示」される。
【0067】
視聴アクションの種類が「投げ銭」である場合、標準投げ銭通知表示23が主表示部10に表示される。標準投げ銭通知表示23は、フレーム24の中に、当該視聴アクションをした視聴者2vのユーザアカウント(
図4中のID)と、投げ銭種類25と、投げ銭金額26と、を表示する。標準投げ銭通知表示23は、主表示部10の所定範囲に一定時間表示されて消えるとしてもよいし、標準コメント通知表示21のように流れ表示させてもよい。
【0068】
一方、サーバシステム1100は、コンテンツの配信が開始されるとともに、実行状況を監視している。
「実行状況」とは、コンテンツとされるエンターテインメントの進行具合や、エンターテインメントで実現されている仮想世界がどのような状況にあるか、ゲームのように成績を伴うエンターテインメントであれはその成績がどの程度にあるか、などである。その詳細は、エンターテインメントの内容によって、適宜設定される。
【0069】
本実施形態では、コンテンツはオンラインゲームのライブ映像なので、実行状況の監視は、ゲームの進行状況を記述する各種パラメータ値を監視することで実現できる。例えば、ゲームポイント、ゲームポイントの変動幅、キャラクタに設定されているパラメータ値(例えば、いわゆるHPに相当する耐久値、ステータス異常、スキル発動、など)、キャラクタが使用した技の種類、コンボ数、使用されたアイテムの種類、使用されたアイテムによる成果、特定の心的印象を付加するSE(Sound Effect)やBGM(BackGround Music)の再生、ゲームステージや特定キャラクタの攻略、ゲーム空間内の位置、経過時間、などのパラメータ値を監視することで実現できる。
【0070】
そして、サーバシステム1100は、実行状況が、監視内容から判定可能な所定の「抑制開始条件」を満たした場合、上記した視聴アクションに応じた即時の反映表示を一時的に抑制する抑制制御を開始する。
【0071】
「抑制開始条件」は、視聴者2vが視聴アクションをしたくなるタイミングや状況が訪れる前、ライブ配信の盛り上がりとして適当と思われるタイミングや状況の前、を条件とすると好適である。
【0072】
例えば、経過時間を用いて「経過時間=0(ゲーム開始から)」「経過時間=T1となる20秒前(第1ゲームステージ終了の予定時刻T1)」「敵ボスキャラクタが登場する直前10秒前」などとすることができる。また、プレイ成績を用いるならば「あと1体の敵キャラクタを撃墜することでステージクリアになることに至った時点」などとすることができる。また、所定キャラクタの状態を用いるならば、「プレーヤキャラクタの耐久値(いわゆるHP)が残り“10”になった」、「敵ボスキャラクタの耐久値が1/4になった」などとすることもできる。なお、抑制開始条件を、設定無し、或いは実質的に設定無しとすることもできる。
【0073】
図5は、反映表示の抑制制御が行われている状態におけるコンテンツ提供画面の例を示す図である。この図のコンテンツ提供画面W6の例では、敵キャラクタ6の耐久値が、クリティカルヒットが1発当たるととどめを刺せる程度に低下した緊迫した状況にあり、抑制開始条件を満たした状況にある。
【0074】
抑制制御が実行されることで、視聴者2vが視聴者端末1500vで視聴アクションを入力しても、主表示部10の表示には反映表示されない。つまり、視聴アクションに対応する標準の通知表示20(
図4参照)は表示されない。その代わり、サーバシステム1100は、反映表示を抑制する間、抑制数量表示30と、条件表示体32と、を表示させる。
【0075】
抑制数量表示30は、現在実行されている抑制制御の間に、視聴者端末1500vから受信した視聴アクションの種類別の数量を示す。
【0076】
条件表示体32は、イベントが発動する条件である「イベント発動条件」の内容を示す。このイベント発動条件は、現在実行されている抑制制御が終了する条件でもある。
【0077】
「イベント発動条件」は、視聴者2vが視聴アクションをしたくなるタイミングや状況、ライブ配信の盛り上がりとして適当と思われるタイミングや状況、を判定するために設定された条件である。別の言い方をすると、イベント発動条件は、例えば、現実世界のライブイベントなどで観客が一斉に沸き立つような皆で盛り上がるシチュエーション、に相当するタイミングや状況の条件として記述される。
【0078】
例えば、「イベント発動条件」は、ゲーム開始からの経過時間を用いて「プレイ継続時間の記録更新」「ステージクリア所要時間の記録更新」「経過時間=Tn(所定の第nゲームステージ終了の予定時刻)」などとすることができる。
【0079】
「イベント発動条件」は、プレイ中のゲームステージの種類を用いて「未踏ステージのプレイ開始」「特定のシナリオ分岐に到達」などとすることもできる。
【0080】
「イベント発動条件」は、クリアしたゲームステージの数や種類を用いて「特定ステージのクリア」「ステージクリア数の記録更新」などとすることもできる。
【0081】
「イベント発動条件」は、プレイ成績の値や変化を用いて「プレイ成績が2分間で500ポイント以上変動(プラス変動なら、プレーヤが驚くほどの高成績を上げている、マイナス変動ならプレーヤは大ピンチ)」などとすることもできる。
【0082】
「イベント発動条件」は、ゲーム内イベントの発生を用いて「スペシャルアイテム獲得可能な抽選」「スペシャルアイテムの獲得」「新プレーヤキャラクタの登場」「死亡キャラクタの復活」「特定ゲーム内イベントの発動及び/又は終了」などとすることもできる。
【0083】
「イベント発動条件」は、場面転換を用いて「暗転発生(これから良くないことが起きる前兆演出、プレーヤキャラクタが大ダメージを負った演出、など)」「ホワイトアウト発生」などとすることもできる。
【0084】
「イベント発動条件」は、所定キャラクタの状態を用いて「クリティカルヒットの発生」「プレーヤキャラクタの耐久値100ポイント以上の減少発生」などとすることもできる。
【0085】
図5の例の条件表示体32aは、「敵キャラクタ6にダメージ200ポイントを与えることで撃破することができ、そうするとイベント発動条件が満たされる」ことを視聴者2vに報せる基準値数量表示体として表示されている。もし、イベント発動条件が、コンテンツの進行が所定タイミングに達したことである場合、枠内に示す条件表示体32bのように、当該所定タイミングに達するまでの時間を示す時間表示体として表示されることになる。
【0086】
そして、サーバシステム1100は、イベント発動条件が満たされると、抑制開始からイベント発動条件が満たされことを検出する迄になされた視聴アクションに基づくイベント映像を、コンテンツ提供画面に表示させる。
【0087】
図6は、イベント映像を伴ったコンテンツ提供画面の例を示す図である。
サーバシステム1100は、コンテンツ提供画面W8に、抑制開始からイベント発動条件が満たされことを検出する迄になされた視聴アクションに対応するイベント用の通知表示40(イベント用コメント通知表示41、イベント用評価通知表示42、イベント用投げ銭通知表示43)を表示させる。
【0088】
イベント用の通知表示40の表示形態は、抑制開始からイベント発動条件が満たされたことを検出する迄になされた視聴アクションの数量に基づいて変化する。
【0089】
例えば「コメント」であれば、総コメント数、文字数、視聴者2vの平均コメント数などが多い又は大きいほど、視認性が相対的に優れるように設定される。表示形態変化は、例えば、フォントの種類、大きさ、文字色、絵文字の付加、文字の動作付与、文字の明滅、移動速度(コンテンツ提供画像内に留まる時間長)、などで作られる。
【0090】
例えば「評価」であれば、総評価数、評価の変動量、などが多い又は大きい程、視認性に優れるように設定される。例えば、総評価数と同数の小さなイベント用評価通知表示42を表示しても良いし、総評価数が所定の基準値に達すると、それらの一部又は全部を合算して、大きいサイズのイベント用評価通知表示42で表示する、などとしてもよい。或いは、イベント用評価通知表示42に飾りを付与する、位置を周期的にバウンスさせる、表示サイズを周期的に拡縮する、明滅させる、などで表示形態の変化を作ってもよい。
【0091】
例えば「投げ銭」であれば、総投げ銭数、総投げ銭額、視聴者2vの平均投げ銭額などが多い又は大きい程、視認性に優れるように設定される。表示形態の変化は、例えば、イベント用投げ銭通知表示43のデザインを変える、他より大きく目立つ表示サイズとする、表示内のフォントを他とは変える、文字サイズを大きくする、文字色を所定の限定色にする、などにより作ることができる。なお、表示形態の変化は、視聴者2v別に変えるとしてもよい。例えば、視聴者2v別の投げ銭総額の上位者に限定して、こうした表示形態の変化を付け、非上位者は標準投げ銭通知表示23を用いるとしてもよい。
【0092】
つまり、イベント映像は、反映表示が抑制されていた視聴アクションに対応する通知表示40を一斉に表示させることで実現される映像である。
【0093】
ここで言う「一斉」の表示制御は、通知表示40を文字通り画面全体に散りばめるように同時に行うことは勿論のこと、画面全幅又は全高を使って複数の反映表示を雪崩のように連続的に一気に流れ表示させることを含む意味である。本実施形態は後者を実施する。
【0094】
イベント発動によってイベント映像が表示される謂わば「動」の前には、反映表示が抑制された「静」の期間がある。「静」から「動」へと変わる開放が、息をのむほどの素晴らしい/或いは緊迫した状況から、一気に感動の嵐へと繋がる流れを生む。これは、従来のように、視聴アクションがなされると即座にそれをコンテンツ提供画面に反映させるだけの従来技術とは一線を画すものであり、従来に無い魅力的な視聴者アクションの取り扱いが可能なコンテンツ提供システムを実現してくれる。
【0095】
また、サーバシステム1100は、イベント映像の表示にあたって、優遇を望む視聴者2vに係るイベント用の通知表示40については、他の視聴者のイベント用の通知表示40とは異なる表示形態を適用することができる(
図6の例では、イベント用投げ銭通知43yがこれに該当)。
【0096】
「優遇設定」は、優遇機能付きの投げ銭をすることで可能となる。
優遇設定された視聴者2vのイベント映像におけるイベント用の通知表示40(43y)は、他の視聴者のそれよりも目立つ表示形態が適用される。例えば、特別なデザインの適用、表示する時間を長くする、目に付きやすい表示位置に表示させる、表示サイズを大きくする、表示中に動きを付ける、他の表示と重なるときに手前に表示する、流れ表示の流れ速度を遅くする、といったことで目立つ表示形態が作られる。
【0097】
優遇設定時のイベント用の通知表示40(43y)は、一斉に表示されるイベント用の通知表示40の中で一際目を惹き、「賑やかし」要素として素晴らしい効果をもたらしてくれる。加えて、優遇設定の仕組みそのものは、「自分が場を盛り上げたい」「自分が誰よりも配信者(或いはコンテンツに登場する人物やキャラクタ)を応援している」ことをアピールしたい視聴者2vの要望にも応えることとなる。
【0098】
なお、イベントが発動されると抑制制御も解除される。解除は、一定時間でもよいし、次の抑制開始条件が満たされるまで継続的に行われてもよい。
サーバシステム1100は、イベント発動に伴って抑制解除されてなされた視聴アクションに対応する反映表示は即時実行する。その際に使用するイベント発動後用の通知表示50は、イベント発動から所定時間内については、標準の通知表示20とも、イベント用の通知表示40とも異なる表示形態を有する。これにより、抑制期間中になされた視聴アクションと、抑制解除後になされた視聴アクションとが識別可能になる。また、識別可能になることで、目立つことにもなる。結果、視聴者2vにイベント発動後の視聴アクションを促すこととなり、更にイベント発動による盛り上がり効果を更に高めてくれる。
【0099】
次に、機能構成について説明する。
図7は、サーバシステム1100の機能構成例を示す機能ブロック図である。サーバシステム1100は、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、音出力部390sと、画像表示部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える。
【0100】
操作入力部100sは、サーバの管理のための各種操作を入力するための手段である。
図1のキーボード1106がこれに該当する。
【0101】
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路となるプロセッサの他、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号、ユーザ端末1500などから受信したデータ、等に基づいて各種の演算処理を実行して、サーバシステム1100の動作を統合的に制御する。
【0102】
そして、サーバ処理部200sは、ユーザ管理部202と、オンラインショッピング管理部204と、ゲーム管理部206と、コンテンツ提供制御部210と、計時部280sと、音生成部290sと、画像生成部292sと、通信制御部294sとを含む。勿論、これら以外の機能部も適宜含めることができる。
【0103】
ユーザ管理部202は、ユーザ登録手続きに係る処理及びユーザアカウントに紐付けられる各種情報の記憶管理を行う。具体的には、ユーザ管理部202は、(1)登録ユーザへの固有のユーザアカウントの付与、(2)ユーザアカウント別の個人情報の記憶管理、(3)ゲームに係るセーブデータの記憶管理、(4)コンテンツの視聴履歴の管理、(5)視聴アクションの履歴の管理、(6)所有する投げ銭アイテムの管理、などを行う。
【0104】
オンラインショッピング管理部204は、オンラインショッピングに関する制御を担い、公知のオンラインショッピング技術を適宜利用して実現できる。本実施形態では、オンラインショッピングによって、様々な種類の投げ銭アイテムを購入することができる。視聴アクションとして投げ銭すると、購入し保有していた投げ銭アイテムが消費される。なお、オンラインショッピングにおける販売対象は、これら以外にも適宜設定可能である。
【0105】
ゲーム管理部206は、ゲームの進行制御に係る各種制御を行う。
【0106】
コンテンツ提供制御部210は、視聴者端末1500vを通じて複数の視聴者2vに所与のコンテンツを同時配信可能に提供するための各種機能を有する。
具体的には、コンテンツ提供制御部210は、コンテンツ登録部212と、視聴者アクション受付制御部214と、優遇設定受付制御部216と、反映制御部220と、イベント発動条件充足検出部230と、抑制数量表示制御部232と、抑制アクション管理部234と、条件表示体表示制御部236と、を含む。
【0107】
コンテンツ登録部212は、コンテンツの登録管理に係る制御を行う。例えば、コンテンツ登録部212は、配信者端末1500hでプレイ中のゲームプレイを再現するための再現用データを生成して、コンテンツデータ634として保存する制御を行う。勿論、公知の動画配信サービスと同様に、出来上がった動画データの投稿の受け付けも行うことができる。
【0108】
視聴者アクション受付制御部214は、視聴者端末1500vを通じて視聴者2vから視聴者アクションを受け付ける制御を行う。
【0109】
優遇設定受付制御部216は、視聴者端末1500vを通じて視聴者2vから優遇設定を受け付ける。具体的には、視聴者アクション受付制御部214で受け付けた視聴者アクションが、所定の設定条件を満たす場合(より具体的には、受け付けた視聴者アクションが優遇設定機能付きの投げ銭である場合)に、当該視聴者に優遇設定をする。
【0110】
反映制御部220は、視聴者アクション受付制御部214が受け付けた視聴者アクションに応じた反映表示を視聴者端末1500vのコンテンツ提供画面に表示させる反映制御を行う。そして、反映制御部220は、反映抑制制御開始部222と、イベント発動部224と、を有する。
【0111】
反映抑制制御開始部222は、所与のタイミングで反映制御(視聴者アクション受付制御部214による視聴者アクションの受け付けに応じた通知表示)を即時にコンテンツ提供画面に反映させる制御を抑制させる反映抑制制御を開始し実行する。
【0112】
具体的には、反映抑制制御開始部222は、配信中のコンテンツが所与の抑制開始条件を満たしたことを検出して反映抑制制御を開始し、未充足のイベント発動条件が満たされたことが検出されるまでこれを継続する。そして、当該未充足のイベント発動条件が満たされると反映表示の抑制制御を解除する。
【0113】
イベント発動部224は、配信中のコンテンツが、イベントの発動に係る所与の発動条件(イベント発動条件)を満たすことの検出に応じて、所与のイベント映像をコンテンツ提供画面に表示させる制御を行う。
【0114】
具体的には、イベント発動部224は、反映表示の抑制が開始されてから、イベント発動条件を満たしたことの検出がなされる迄に視聴者アクション受付制御部214により受け付けられたが、反映抑制制御によって抑制された反映制御に対応する視聴者アクションに基づいて、抑制されていた反映制御を一斉に実行することで、イベント映像を可変に制御して表示させる。より具体的に、イベント発動部224は、反映抑制制御によって抑制された反映制御に対応する視聴者別の視聴者アクションの数量に基づいて、イベント映像を可変に制御する。その際、一斉に行う通知表示のうち、優遇設定を受け付けた視聴者に係る通知表示を、他の通知表示と異なる表示形態で表示させる。各種イベント用の通知表示40の表示制御がこれに該当する(
図6参照)。
【0115】
そして、反映制御部220は、イベント映像の表示制御中に、視聴者アクション受付制御部214により視聴者アクションが受け付けられた場合に、当該受け付けた視聴者アクションに応じた通知表示を、当該イベント映像に表示されている通知表示とは異なる表示形態で表示させる。
図6の通知表示50の表示がこれに該当する。
【0116】
イベント発動条件充足検出部230は、配信されているコンテンツの進行状況に基づく所与の発動条件(イベント発動条件)を満たしたことを検出する。具体的には、プレイ中のオンラインゲームの進行制御を記述する各種パラメータ値や、配信中のコンテンツデータ634に含まれる再現用データに基づいて再現されている各種パラメータ値を監視することで発動条件を満たしたことを検出する。
【0117】
抑制数量表示制御部232は、コンテンツ提供画面に、反映抑制制御によって抑制された反映制御に対応する視聴者アクションの数量を示す表示制御を行う。抑制数量表示30の表示制御がこれに該当する(
図5参照)。
【0118】
抑制アクション管理部234は、イベント発動条件充足検出部230による検出がなされる迄に反映抑制制御によって抑制された反映制御に対応する視聴者アクションの数量を、視聴者毎に管理する。
【0119】
条件表示体表示制御部236は、コンテンツ提供画面に発動条件を示す条件表示体32を表示させる制御を行う(
図5参照)。イベント発動条件が、コンテンツの進行が所定タイミングに達したことである場合、条件表示体表示制御部236は、コンテンツ提供画面に、当該所定タイミングに達するまでの時間を示す時間表示体を条件表示体32として表示させる。
【0120】
計時部280sは、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
【0121】
音生成部290sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1100のシステム管理や、ゲーム等に係る操作音や効果音、BGM、音声通話、などの音声データを生成或いはデコードする。そして、システム管理に関する音声信号は音出力部390sへ出力する。
【0122】
音出力部390sは、音声信号を放音する。
図1の例では本体装置やタッチパネル1108が備えるスピーカ(不図示)がこれに該当する。
【0123】
画像生成部292sは、画像表示部392sに表示させる画像を生成し、その画像信号の出力を行う。サーバシステム1100のシステム管理に関する画面やゲームに係る各種画面(又はそれらをユーザ端末1500で表示させるためのデータ)などを生成する機能の一部がこれに該当する。
【0124】
画像表示部392sは、フラットパネルディスプレイや、ヘッドマウントディスプレイ、プロジェクターなど、画像を表示させる装置で実現される。
図1の例では、タッチパネル1108がこれに該当する。
【0125】
通信制御部294sは、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394sを介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0126】
通信部394sは、ネットワーク9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。
図1の例では通信装置1153が該当する。
【0127】
サーバ記憶部500sは、サーバ処理部200sにサーバシステム1100を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラムや各種データ等を記憶する。また、サーバ処理部200sの作業領域として用いられ、サーバ処理部200sが各種プログラムに従って実行した演算結果などを一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVDなどの光学ディスク、オンラインストレージなどによって実現される。
図1の例では本体装置が搭載するICメモリ1152やハードディスクなどの記憶媒体、及びストレージ1140がこれに該当する。
【0128】
図8は、サーバ記憶部500sが記憶するプログラムやデータの例を示す図である。
本実施形態におけるサーバ記憶部500sは、サーバプログラム501と、配信用ゲームクライアントプログラム503と、配信用視聴クライアントプログラム505と、ゲーム初期設定データ510と、抑制開始条件定義データ512と、イベント発動条件定義データ520と、通知表示定義データ540と、優遇定義データ550と、反映表示定義データ570と、抑制数量表示30(
図5参照)のデザインを定義する抑制数表示定義データ580と、を記憶する。
【0129】
また、サーバ記憶部500sは、逐次生成・管理されるデータとして、ユーザ管理データ600と、コンテンツ登録データ630と、プレイデータ700と、配信管理データ710と、現在日時900と、を記憶する。サーバ記憶部500sは、その他のプログラムやデータ(例えばタイマーや、カウンタ、各種フラグなど)も適宜記憶する。
【0130】
サーバプログラム501は、サーバ処理部200sが読み出して実行することで、ユーザ管理部202、オンラインショッピング管理部204、ゲーム管理部206、コンテンツ提供制御部210、としての機能を実現させるためのプログラムである。
【0131】
配信用ゲームクライアントプログラム503は、ユーザ端末1500へ提供されるゲームプレイに係るクライアントプログラムと、コンテンツ提供に係るクライアントプログラムとを含むオリジナルのプログラムである。当該プログラムは、オンラインゲームというエンターテインメントを実現するエンターテインメントアプリケーションプログラムである。ゲームの種類を複数用意して、ユーザ2が選択可能にする構成では、当該クライアントプログラムをゲーム初期設定データ510ともどもゲームの種類別に用意すればよい。
【0132】
配信用視聴クライアントプログラム505は、ユーザ端末1500へ提供される視聴に係るクライアントプログラムのオリジナルである。
【0133】
ゲーム初期設定データ510は、ゲームの実行制御に必要な各種初期設定データを含む。当該データは、ゲーム製作者が用意する。
【0134】
抑制開始条件定義データ512は、視聴アクションに対応する反映表示を抑制する抑制制御を開始するための条件毎に作成され、当該条件に係る各種データを格納する。本実施形態では、オンラインゲームのライブ配信を行うので、当該定義データは、ゲーム内容を熟知しているゲーム製作者が用意する。勿論、ゲーム内容を熟知していればゲーム製作者以外が用意してもよい。
【0135】
1つの抑制開始条件定義データ512は、固有の条件IDと、当該定義データが適用されるゲームを指定する適用ゲームタイトルと、抑制開始条件と、を含む。抑制開始条件は、「経過時間=T1となる20秒前(第1ゲームステージ終了の予定時刻T1)」「敵ボスキャラクタが登場する直前10秒前に到達」などの条件判定のための制御パラメータ値の種類と、その閾値で記述される。
【0136】
図9は、イベント発動条件定義データ520のデータ構成例を示す図である。
イベント発動条件定義データ520は、イベント発動条件の内容別に用意され、当該条件に係る各種データを格納する。本実施形態では、オンラインゲームのライブ配信を行うので、当該定義データは、ゲーム内容を熟知しているゲーム製作者が用意する。勿論、ゲーム内容を熟知していればゲーム製作者以外が用意してもよい。
【0137】
1つのイベント発動条件定義データ520は、(1)固有の発動条件ID521と、(2)当該定義データが適用されるゲームを指定する適用ゲームタイトル523と、(3)当該イベント発動条件に係り表示される条件表示体32(
図5参照)を定義する条件表示体定義データ525と、(4)当該イベント発動条件と対応関係をなす抑制開始条件を示す対応抑制開始条件ID527と、(5)イベント発動条件530と、を含む。
【0138】
イベント発動条件530は、1つ又は複数のサブ条件のAND又はORの組み合わせで記述される。コンテンツがゲームである場合のサブ条件としては、例えば、プレイ成績条件531と、キャラクタ状態条件532と、技種類条件533と、アイテム条件534と、ゲーム音条件535と、進行区切り条件536と、を用いることができる。
【0139】
プレイ成績条件531は、プレイ成績がどのような状態にあるか、どのように変動したかについての条件であって、例えば、着目するべきプレイ成績種類(例えば、ゲームポイント、獲得アイテム数、一度に消去したパズルの数、など)と、当該条件が満たされたと判定するための閾値と、を対応づけて格納する。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0140】
キャラクタ状態条件532は、どのキャラクタがどのような条件であるかについての条件であって、適用キャラクタ種類と、参照パラメータ値種類と、判定閾値と、を対応付けて格納する。当該条件を適切に設定することで、例えば、「プレーヤキャラクタ4の耐久値が10以下」といった瀕死の状況など、視聴者2vの応援コメント等が寄せられ易い状況を記述できる。また、敵キャラクタ6の耐久値に着目してその変動幅を設定すれば、「敵キャラクタ6にクリティカルヒットが当たった」といった実行状況を記述できる。
【0141】
技種類条件533は、キャラクタが実行した技と、その作用効果の実績についての条件であって、例えば、適用キャラクタ種類と、技種類と、作用効果実績を判定するための参照パラメータ値種類と、判定閾値と、を対応付けて格納する。当該条件を適切に設定することで、例えば、「プレーヤキャラクタ4が、必殺攻撃技を上手く敵キャラクタ6にヒットさせて少なくとも100ポイントのダメージを与えた」といった実行状況を記述することができる。
【0142】
アイテム条件534は、どのアイテムを使って、どのような成果を上げたかについての条件である。例えば、適用アイテム種類と、成果を判定するために参照する参照パラメータ値種類(例えば、敵キャラクタ6に与えたダメージ数)と、判定閾値と、を対応づけて格納する。当該条件を適切に設定することで、例えば「レアアイテムを使用して、一度に敵キャラクタ6を5体以上撃破した」といった実行状況を記述することができる。
【0143】
ゲーム音条件535は、効果音やBGMなどの再生についての条件であって、例えば対象SE、対象BGMを指定する。効果音やBGMはそもそも、製作者がプレーヤの心情を盛り上げるための演出に使用するものであり、それらが使用されるような状況は、視聴者2vが心を動かされて視聴者アクションをしたくなるシチュエーションであるといってもよい。
【0144】
進行区切り条件536は、ゲーム進行の区切りについての条件である。ゲーム進行の区切りは、ゲーム内容によって様々設定できるが、例えば、ゲームステージやのゲームシーンの開始或いは終了、シナリオ分岐、ゲーム内イベントクリア、ゲームマップ内での特定位置への到達、特定キャラクタとの遭遇や攻略、特定基準タイミングからの経過時間、ゲーム終了、などを区切りとすることができる。よって、当該条件は、例えばクリア対象ステージ名や、クリア対象敵キャラクタ種類、目標到達位置、経過時間、などで記述することができる。コンテンツが、楽曲の演奏であり演奏曲が決まっているならば、経過時間を適切に設定することで、曲の間奏や、サビ、1曲目と2曲目の間、などのタイミングをイベント発動条件とすることができる。
【0145】
図8に戻って、通知表示定義データ540は、視聴者アクションに対応する通知表示の種類毎に用意され、当該通知表示に係る各種データを格納する。
【0146】
図10は、イベント用コメント通知表示41に係る通知表示定義データ540のデータ構成例を示す図である。
図10(1)と
図10(2)は、コメント実績別の設定例を示している。1つの通知表示定義データ540は、固有の通知表示種類541と、適用要件542と、通知表示データ543とを含み、必要に応じて、フォント設定544と、エフェクトデータ545と、を更に含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。例えば、表示位置や、表示時間、表示サイズなどの設定データも含めることができる。
【0147】
適用要件542は、当該定義データが適用されるために満たすべき条件、1つ又は複数のサブ条件のANDやORによる組み合わせで記述される。サブ条件の種類は適宜設定可能である。イベント用コメント通知表示41の定義データでは、例えば、視聴者アクション種類、視聴者アクションの数量(
図10の例では、合計コメント回数条件)、などを用いることができる。視聴者アクション種類と、視聴者アクションの数量の何れか一方又は両方を用いて記述してもよい。
【0148】
合計コメント回数条件の判定には、視聴者アクションを行った視聴者2vの過去の実績(反映抑制制御中や、当該配信中、過去の配信の少なくとも何れかにおける、コメントの実績)が参照される。
【0149】
勿論、サブ条件としては、これら以外の内容も適宜設定可能である。例えば、コメントの内容がネガティブかポジティブか、禁止用語を使用しているか否か、などのコメントの内容に関する条件も追加できる。コメントの内容は、例えば予め判定用の辞書データを別途用意してコメントテキストの単語認識処理により実現してもよい。
【0150】
通知表示データ543とフォント設定544は、通知表示のデザインを決定する。
エフェクトデータ545は、通知表示に付加される表示形態の演出効果の内容を定義する。
図10(2)の例では、通知表示データ543で設定されている星マークをランダムに明滅させる演出効果が設定されていることを示している。
【0151】
図10(1)と
図10(2)とを比較すると、視聴者アクションの数量が多いほど、イベント用コメント通知表示41がより目立つように設定されている。
【0152】
図11は、イベント用投げ銭通知表示43に係る通知表示定義データ540のデータ構成例を示す図である。
図11(1)と
図11(2)は、投げ銭の実績別の設定例を示している。イベント用投げ銭通知表示43に係る通知表示定義データ540では、適用要件542のサブ条件として、視聴者アクション種類条件は「投げ銭」に設定し、合計金額条件と、平均金額条件と、を用いることができる。
【0153】
合計金額条件と平均金額条件とを判定する際には、視聴者アクションを行った視聴者2vの過去の実績(反映抑制制御中や、当該配信中、過去の配信の少なくとも何れかにおける投げ銭の実績)が参照される。
【0154】
通知表示データ543は、イベント用投げ銭通知表示43を定義するデータを格納する。イベント用投げ銭通知表示43は、標準の投げ銭通知表示23と同様の構成を有するが、投げ銭金額26は、対応する単体の視聴アクションの投げ銭金額を表示するとしても良いし、同一視聴者の抑制された視聴アクションのうち、全投げ銭の金額合計を表示するとしてもよい。
【0155】
図11(1)と
図11(2)とを比較すると、視聴者アクションの数量が多いほど、イベント用投げ銭通知表示43がより目立つように設定されている。具体的には、
図11(2)で定義されるイベント用投げ銭通知表示43には、飾り画像27が追加されている。
【0156】
なお、イベント用評価通知表示42についても、
図10や
図11と同様の通知表示定義データ540が用意されている。そして、視聴者アクションの数量が多いほど、イベント用評価通知表示42がより目立つように設定されている。
【0157】
図12は、優遇定義データ550のデータ構成例を示す図である。
優遇定義データ550は、優遇設定の内容別に用意され、当該優遇設定に係る各種データを格納する。1つの優遇定義データ550は、固有の優遇種類551と、当該定義データが適用されるために満たすべき条件を示す適用要件552と、優遇内容データ560と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0158】
適用要件552は、サブ条件の組み合わせで記述される。
図12の例は、投げ銭についての優遇設定の例なので、サブ条件として、視聴者アクション種類は「投げ銭」に設定され、投げ銭種類は例えば「優遇付き¥500」に設定されている。サブ条件には、これら以外の要素も適宜追加可能である。例えば、合計投げ銭金額や、平均投げ銭金額、などを含めても良い。
【0159】
優遇内容データ560は、どのような優遇が与えられるかを記述するデータである。例えば、表示サイズ優遇設定561、表示フォント優遇設定562、表示時間優遇設定563、表示位置優遇設定564、通知タイミング優遇設定565、などを含む。
【0160】
表示サイズ優遇設定561と表示フォント優遇設定562は、イベント用コメント通知表示41で表示されるコメントテキストや、イベント用の投げ銭通知表示43で表示される投げ銭した視聴者2vのアカウント表示、金額表示のテキスト表示、に適用される。非優遇よりも目立つように、そして投げ銭金額が大きいほど、表示サイズは大きく表示フォントも修飾がつくなどしてより目立つように設定されている。
【0161】
表示時間優遇設定563は、非優遇よりもより表示されている時間が長くなるように設定されている。
【0162】
表示位置優遇設定564は、非優遇よりも画面中央に近い、プレーヤキャラクタ4の付近など、いわば目立つ位置に表示されるように設定されている。通知表示40が重なり表示する場合には、非優遇よりも重なりの上の方に表示されるように設定されているとしてもよい。
【0163】
通知タイミング優遇設定565は、通知表示40の一斉表示に際して、一斉といっても生じる時間差のなかで、非優遇よりも優先して(先行して)表示される、或いはわざと遅らせて表示されるように設定されている。何れにせよ、非優遇よりも目立ち易い様に設定されている。
【0164】
優遇内容は、これら以外にも適宜設定可能である。例えば、表示中の明滅、表示色のリアルタイムな変化、表示中に特別な動作をつける、などでもよい。
【0165】
図13は、イベント発動後用の通知表示50の通知表示定義データ540のデータ構成例を示す図であって、
図13(1)は投げ銭用の例を示し、
図13(2)はコメント用の例を示している。
【0166】
イベント発動後用の通知表示50の通知表示定義データ540の適用要件542を記述するサブ条件としては、例えば、視聴者アクション種類条件と、どのような状況で表示されるかを示す表示状況条件と、を用いる。表示状況条件は、反映表示されるタイミングが、イベント発動後から経時される所定時間内に該当するか否かを示している。
【0167】
通知表示データ543とフォント設定544とで、通知表示のデザインが決まる。
これらのデータは、表示状況がイベント発動開始から経時される所定時間内に該当しない場合の標準の通知表示20(
図4参照)や、イベント用の通知表示40(
図6参照)とは異なる表示形態に設定されている。
【0168】
図14は、ユーザ管理データ600のデータ構成例を示す図である。
ユーザ管理データ600は、登録済みのユーザ毎に用意され、当該ユーザに紐付けられる各種情報が格納される。ユーザ管理データ600は、ユーザIDを含む固有のユーザアカウント601と、提供コンテンツIDリスト605と、所有投げ銭リスト607と、視聴履歴データ610と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。例えば、ゲームセーブデータ、視聴者2v同士でチームを結成している場合は所属チーム名を含めても良い。
【0169】
提供コンテンツIDリスト605は、当該ユーザが配信者2hとして提供したコンテンツの識別情報(サーバシステム1100で登録管理されているコンテンツの識別情報)を格納する。
【0170】
視聴履歴データ610は、当該ユーザが視聴者2vとしてコンテンツを視聴する毎に作成される。視聴履歴データ610は、例えば、視聴したコンテンツを示す視聴コンテンツID611と、視聴開始から視聴終了までの視聴日時612と、視聴者アクションの種類別の視聴者アクション履歴データ613(613a、613b、…)と、を含む。
【0171】
視聴者アクション履歴データ613は、反映抑制制御毎に作成され、視聴者アクション種類と、反映抑制制御別に設定される固有の抑制制御IDと、当該反映抑制制御の間になされたアクションの実行数と、を含む。投げ銭の視聴者アクション履歴データ613では、投げ銭種類リストを含めるとよい。
【0172】
図15は、コンテンツ登録データ630のデータ構成例を示す図である。
コンテンツ登録データ630は、配信可能なコンテンツ毎に作成され、当該コンテンツに係る各種データを格納する。コンテンツ登録データ630は、固有のコンテンツID631と、提供者アカウント632と、タグデータ633と、コンテンツデータ634と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0173】
提供者アカウント632は、本実施形態ではゲームプレイしている配信者2hのユーザアカウントということになる。
【0174】
タグデータ633は、当該コンテンツの分類に利用するためのメタデータである。提供時に配信者2hが設定してもよいし、登録後にシステム運用者が設定しても良いし、登録時に自動設定してもよい。
【0175】
コンテンツデータ634は、コンテンツの実体データである。本実施形態ではオンラインゲームのライブ配信がコンテンツの中身なので、コンテンツデータ634はゲームプレイを再現可能にする再現用データ635(例えば、時系列の操作入力履歴データや、ランダム判定に係る判定結果、NPCの制御データ、抽選結果、など)や、ゲームプレイ中の配信者2hの発した音声を含むプレーヤ音声636と、を含む。後者は、省略可能である。コンテンツの内容によっては、動画、音声、静止画、などのデータを適宜格納する。
【0176】
図8に戻って、プレイデータ700は、配信者端末1500hで実行されるゲームプレイ毎に作成され、当該ゲームの進行制御に必要な各種データを格納する。
【0177】
配信管理データ710は、配信毎に作成され、当該配信の制御に必要な各種データを格納する。配信管理データ710は、例えば
図16に示すように、配信対象とされるコンテンツID711と、配信開始日時712と、視聴者アカウントリスト713と、配信者端末アクセス情報リスト714と、優遇設定者データ715と、コンテンツ実行状況データ716と、抑制アクション管理データ720と、一斉表示設定データ730と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0178】
優遇設定者データ715は、優遇設定された視聴者2v毎に作成され、例えば、設定者アカウントと、優遇種類と、優遇が適用される残り時間を示す制限時間と、を格納する。
【0179】
コンテンツ実行状況データ716は、配信されるコンテンツの実行状況を表す各種パラメータ値を格納する。例えば、配信開始からの経過時間や再現中の画像フレーム番号等のタイムコード、プレーヤキャラクタ4の位置や最新状態を示すパラメータ値、敵キャラクタ6の最新状態を示すパラメータ値、プレイ中のゲームステージの識別情報、シナリオ分岐、など、抑制開始条件やイベント発動条件を記述するパラメータ値の最新値、或いは時系列値を格納する。
【0180】
本実施形態では、コンテンツはオンラインゲームのライブ配信なので、コンテンツ実行状況データ716は、当該ゲームのプレイデータ700そのもの、又はプレイデータ700で管理されるパラメータ値の写し、などとなる。
【0181】
抑制アクション管理データ720は、反映抑制制御中になされた視聴者アクション毎に作成され、何時、誰が、どのような視聴アクションをしたか示す情報を格納する。具体的には、抑制アクション管理データ720は、反映抑制制御の開始毎に自動付与される固有の抑制制御ID721と、固有の抑制アクションID722と、受付タイミング723と、視聴者アカウント724と、視聴者アクション種類725と、アクション内容データ726と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0182】
受付タイミング723は、配信のどのタイミングで対応する視聴者アクションが受け付けられたかを示す。例えば、配信開始からの経過時間、或いは配信動画のフレーム数などの所謂タイムコードで記述される。
【0183】
アクション内容データ726は、コメントのテキストデータや、評価数、使用された投げ銭アイテム種類、などの情報を格納する。
【0184】
一斉表示設定データ730は、イベント映像の内容を定義する各種データを格納するイベント映像設定データである。一斉表示設定データ730は、イベント用通知表示設定データ731と、通知制御設定データ733と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0185】
イベント用通知表示設定データ731は、イベント用の通知表示40(
図6参照)毎に作成され、どのような通知表示40とするかを示す各種データを格納する。具体的には、イベント用通知表示設定データ731は、固有の通知表示IDと、抑制制御されていたどの視聴アクションに対応する通知表示であるかを示す対応抑制アクションIDリストと、適用される通知表示データと、通知内容データと、を対応付けて格納する。
【0186】
イベント用通知表示設定データ731は、抑制アクション管理データ720の視聴アクションと1対1の関係に作成されるとは限らない。
例えば、投げ銭用の通知表示定義データ540(
図11参照)において、イベント用投げ銭通知表示43の投げ銭金額26に合計金額を表示する定義データが適用される場合、合計金額の算定に係った抑制アクション管理データ720の複数の抑制アクションIDが、対応抑制アクションIDリストに登録されることになる。この場合、イベント用通知表示設定データ731と、抑制アクション管理データ720の視聴アクションとが1対N(Nは2以上の整数)の関係になる。
【0187】
通知制御設定データ733は、イベント用通知表示設定データ731と対応付けて作成され、そのイベント用の通知表示40を、どのように表示させるかを定義する各種データを格納する。通知制御設定データ733は、適用通知表示IDと、表示順と、表示位置と、表示時間長(流れ表示の速度)と、表示サイズと、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。優遇設定された視聴者2vの通知表示40は、通知制御設定データ733の設定を非優遇の視聴者2vのそれよりも目立つように設定される。
【0188】
図17は、ユーザ端末1500の機能構成例を示す機能ブロック図である。ユーザ端末1500は、操作入力部100と、音声入力部102と、端末処理部200と、音出力部390と、画像表示部392と、通信部394と、端末記憶部500と、を備える。
【0189】
操作入力部100は、プレーヤによってなされた各種の操作入力に応じた操作入力信号を端末処理部200に出力する。例えば、プッシュスイッチや、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、ジャイロ、CCDモジュール、などによって実現できる。
図2の方向入力キー1502や、ボタンスイッチ1504、タッチパネル1506、などがこれに該当する。
【0190】
音声入力部102は、プレーヤである配信者2hのプレイ中の声を集音して音声信号を端末処理部200へ出力する。
図2の例ではマイク1512がこれに該当する。
【0191】
端末処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や端末記憶部500を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて各種の演算処理を実行して、ユーザ端末1500の動作を制御する。
図2の制御基板1550がこれに該当する。
【0192】
そして、本実施形態における端末処理部200は、ゲームクライアント演算部260と、視聴クライアント演算部264と、計時部280と、音生成部290と、画像生成部292と、通信制御部294と、を有する。
【0193】
ゲームクライアント演算部260は、ユーザ端末1500をサーバシステム1100と通信するゲームクライアント装置として機能させる制御を行う。具体的には、ゲームクライアント演算部260は、操作信号送信制御部261と、画像表示制御部262と、を含む。
【0194】
操作信号送信制御部261は、操作入力部100へなされた操作に応じて、各種データやリクエストをサーバシステム1100へ送信するための処理を実行する。
画像表示制御部262は、サーバシステム1100から受信した各種データ等に基づいてゲーム画面や各種の操作画面等を表示するための制御を行う。
【0195】
また、本実施形態では、コンテンツとしてオンラインゲームのライブ配信を行うので、ゲームクライアント演算部260は、配信者端末1500hとしての機能を実現する各種演算をこなす配信クライアント演算部ともなる。よって、ユーザ端末1500にてゲームプレイを再現するための再現用データを生成する場合は、ゲームクライアント演算部260がこれを実行する。また、ライブ配信にプレーヤの音声を合成して配信する場合は、ゲームクライアント演算部260が、音声入力部102で集音したプレーヤの声のデータ(プレーヤ音声データ)を生成して、サーバシステム1100へ送信する制御を行うとしてもよい。
【0196】
視聴クライアント演算部264は、視聴者端末1500vとして機能するための各種機能を実現する。例えば、視聴クライアント演算部264は、サーバシステム1100から配信されるデータに基づいて、コンテンツ提供画面を表示させる制御、操作入力部100から所定の視聴アクション操作を入力するための制御、入力された視聴アクションの情報をサーバシステム1100へ送信する制御、を実行する。
【0197】
計時部280は、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
【0198】
音生成部290は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成ICなどのプロセッサ、音声ファイルを再生可能なオーディオコーデック等によって実現され、楽曲や効果音、各種操作音の音信号を生成し、音出力部390に出力する。
【0199】
音出力部390は、音生成部290から入力される音信号に基づいて音出力(放音)する装置によって実現される。
図2のスピーカ1510がこれに該当する。
【0200】
画像生成部292は、画像表示制御部262の処理結果に基づいて、画像の生成・画像の合成、画像表示部392にそれらを表示させる画像信号の出力、などを行う。
図2の例では、制御基板1550に搭載されるGPU(Graphics Processing Unit)、グラフィックコントローラがこれに該当する。
【0201】
画像表示部392は、フラットパネルディスプレイや、ヘッドマウントディスプレイ、プロジェクターなど、画像を表示させる装置で実現される。
図2の例では、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0202】
通信制御部294は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0203】
通信部394は、ネットワーク9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。
図2の例では無線通信モジュール1553がこれに該当する。
【0204】
なお、本実施形態では、ゲーム画面や各種の画面の画像をサーバシステム1100にて生成する構成とするが、ユーザ端末1500で生成する構成も可能である。その場合、画像表示制御部262は、例えば3DCGを生成するための仮想3次元空間に配置されたオブジェクトの制御などを行い、画像生成部292が3DCGをレンダリングし、ゲーム画面を生成するための各種制御を実行することになる。
【0205】
端末記憶部500は、端末処理部200に所与の機能を実現させるためのプログラムや、各種データ等を記憶する。また、端末処理部200の作業領域として用いられ、端末処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。こうした機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。
図2の例では、制御基板1550が搭載するICメモリ1552やメモリカード1540がこれに該当する。オンラインストレージを利用する構成も可能である。
【0206】
具体的には、端末記憶部500は、端末処理部200をゲームクライアント演算部260として機能させるためのゲームクライアントプログラム502(エンターテインメントアプリケーション)と、視聴クライアント演算部264として機能させるための視聴クライアントプログラム504と、現在日時900と、を記録する。勿論、これら以外のデータも適宜記憶できる。例えば、操作入力データや、再現用データ、プレーヤ音声データ、なども記憶するとしてもよい。
【0207】
次に、コンテンツ視聴システム1000の動作について説明する。
図18は、1つの配信に係りサーバシステム1100が実行する処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【0208】
なお、ライブ配信の配信者2h、ゲームタイトル、配信日時は既に決まっていることとする。配信者2hは配信者端末1500hにて、ゲームクライアントプログラム502を実行させて配信者端末1500hとして機能させており、いつでも配信用にゲームプレイ可能な状態にある。また、視聴者2vのユーザ端末1500にて、視聴クライアントプログラム504を実行させて視聴者端末1500vとして機能させている。そして、視聴者端末1500vで、サーバシステム1100にアクセスして配信を受け、視聴可能な状態にある。
【0209】
配信開始日時になると、サーバシステム1100は、コンテンツの配信制御を開始する(ステップS10)。すなわち、配信者端末1500hではオンラインゲームを実行させ、その操作入力情報に基づきコンテンツデータ634を保存しつつ、ゲーム画面の映像を視聴者端末1500vへ向けて配信する。
【0210】
また、サーバシステム1100は、配信開始とともに視聴アクションの受付制御と反映表示制御を開始する(ステップS12;
図4参照)。受け付けた視聴者アクションに係る情報は、視聴者2v毎に視聴履歴データ610(
図14参照)として記憶される。
【0211】
なお、本実施形態では、優遇機能付きの投げ銭が用意されているので、当該ステップは、当該種類の投げ銭を使う視聴者アクションをした視聴者2vに優遇設定を行う制御の開始も兼ねることとなる。優遇設定を投げ銭に関連付けない構成、例えば、視聴者2vが所定の優遇設定操作入力を行って設定する構成や、サーバシステム1100が視聴者2vのなかから所定数を抽選する構成、などでは適宜優遇設定のためのステップを設けるとよい。
【0212】
配信を開始すると、サーバシステム1100は、抑制開始条件定義データ512を参照して、抑制開始条件が満たされたかを常時監視する(ステップS14)。
【0213】
もし、抑制開始条件が満たされたならば(ステップS14のYES)、サーバシステム1100は、反映表示の抑制制御を開始する(ステップS16)。これ以降、イベントが発動して抑制制御が解除される迄に視聴者端末1500vから受け付けた視聴者アクションは、抑制アクション管理データ720(
図16参照)として登録・管理され、視聴者端末1500vで表示されているコンテンツ提供画面への即時反映は一時的に行われなくなる。もし、抑制開始条件として「配信開始から」「配信開始からの経過時間=0」「非イベント発動時常時」の何れかが設定されていれば、配信開始当初から抑制制御を開始することとなる。
【0214】
次に、サーバシステム1100は、当該抑制開始条件と対応関係にあるイベント発動条件定義データ520(
図9参照)を参照して、その条件表示体定義データ525に基づく条件表示体32をコンテンツ提供画面に表示させるとともに(ステップS18)、抑制数量表示30(
図5参照)をコンテンツ提供画面に表示させる(ステップS20;
図5参照)。
【0215】
なお、条件表示体32は1つに限らず複数表示することもできる。例えば、抑制開始条件と対応関係にない汎用的内容のイベント発動条件に対応する条件表示体32も表示させることができる。例えば、複数の条件表示体32を全て同時に表示させてもよいし、表示するのは1つだけとして、周期的に入れ替わるように表示させてもよい。
【0216】
抑制制御を開始したならば、サーバシステム1100は、対応関係にあるイベント発動条件が満たされるかの監視を始める。
【0217】
そして、当該イベント発動条件が満たされたことを検出し(ステップS30のYES)、且つ、抑制アクション管理データ720が有るならば(ステップS32のYES)、サーバシステム1100は、抑制アクション管理データ720を参照して、対応するイベント用の通知表示40を決定する(ステップS34)。具体的には、通知表示定義データ540(
図10、
図11参照)の中から適用要件542を満たす定義データを検索し、その通知表示データ543やエフェクトデータ545等に基づいて、イベント用通知表示設定データ731を生成する。
【0218】
次に、サーバシステム1100は、イベント用の通知表示40毎に、表示順番・表示位置・表示サイズを決定して、通知制御設定データ733を生成する(ステップS36)。表示順番・表示位置は、基本的にはそれぞれに予め設定されている一斉と見なせる程度の範囲内に離散的かつランダムに設定する。表示サイズは、基本的にはイベント用通知表示設定データ731の設定のままとする。但し、優遇設定された視聴者2vに対応するイベント用の通知表示40には、適用要件552(
図12参照)を満たす優遇定義データ550を検索し、その優遇内容データ560を適用する。
【0219】
次に、サーバシステム1100は、条件表示体32と抑制数量表示30をコンテンツ提供画面から消去して、また抑制制御を解除して、イベント用の通知表示40の一斉表示を開始する(ステップS38)。つまり、コンテンツ提供画面にてイベント映像を表示することとなる。
【0220】
そして、サーバシステム1100は、全てのイベント用の通知表示40を表示完了したならば(ステップS40のYES)、抑制アクション管理データ720と一斉表示設定データ730を消去する(ステップS42)。
【0221】
そして、サーバシステム1100は、コンテンツの配信が終了していなければ(ステップS44のNO)、ステップS14に戻る。もし、イベント発動後の所定時間内に、視聴アクションがなされると、
図13で例示した反映表示定義データ570に従って通知表示がなされるので、イベント発動前に即時反映表示による通知表示とは、異なる表示形態の通知表示が行われることになる。
【0222】
もし、コンテンツの配信が終了ならば(ステップS44のYES)、サーバシステム1100は一連の処理を終了する。
【0223】
以上、本実施形態のコンテンツ提供システム(サーバシステム1100)は、視聴者端末から視聴者アクションを受け付け、それに応じた反映表示を、視聴者端末で表示されるコンテンツ表示画面に表示させることができる。それに加えて、コンテンツの進行状況が所定のイベント発動条件を満たすと、コンテンツ提供画面に、イベント発動条件が満たされる迄に受け付けられた視聴者アクションに基づくイベント映像を表示することができる。
こうした従来のコンテンツ提供システムには無い新しい視聴者アクションの取り扱いが配信者や視聴者への新たな訴求力となり、コンテンツ提供システムの魅力を高める。
【0224】
加えて、コンテンツ提供システムは、反映制御を一時的に抑制し、抑制されていた間の視聴者アクションに基づいてイベント映像を可変に制御することができる。抑制されていた間、視聴者アクションを行っても視聴中のコンテンツの映像には、その反映がなされないことになるので、あたかも抑制されている間の視聴アクションが貯まっていて反映されていないように見える。その一方で、いざイベント発動条件が満たされると、その貯まっていた視聴アクションに応じたイベント映像が、コンテンツの映像に表示される。つまり「ぐっと貯めて一気に開放する」かのような扱いが可能になる。それはあたかも、素晴らしいシーンに観客が一斉に拍手喝采するような雰囲気をイベント映像として表現し、視聴の雰囲気を効果に盛り上げることができる。
【0225】
また、コンテンツ提供システムは、抑制されている間の視聴者アクションの数量や種類に応じてイベント映像を変化させることができる。視聴者アクションの数量や種類は、コンテンツの内容に視聴者の心が動かされた度合を表しているとも言える。よって、イベント映像をその数量や種類に応じて変えることで、視聴者の心が動かされた度合に即したイベント映像を表示させ、その度合に適当な雰囲気の盛り上げ効果を付与することができる。
【0226】
加えて、数量に応じて変わるイベント映像を見ることで、視聴者は「あ!盛り上がってきているな。よし、自分も盛り上げよう」という具合に、或いは「ちょっと盛り上がりに欠けるな。よし!自分が先導して盛り上げてやろう」といった具合に、視聴者アクションをより積極的に行おうとするだろう。従って、当該コンテンツ提供システムを利用した配信を盛り上げることが可能となる。
【0227】
また、コンテンツ提供システムは、視聴者毎に抑制されていた間に行った視聴者アクションの数量を記憶管理し、その数量に応じて通知表示の表示形態を変更できる。よって、通知表示を介して、抑制されていた間に、どの視聴者がどれだけ視聴者アクションを行ったが分かるようにできる。よって、場を盛り上げたのが自分であるとアピールすること、また配信者をいかに自分が応援しているかをアピールすること、を視聴アクションを行う目的に含む視聴者にとって望ましい通知表示が可能となる。
【0228】
また、コンテンツ提供システムは、優遇設定をした視聴者の通知表示を、優遇設定をしなかった視聴者の通知表示とは異なる表示形態で表示することができる。つまり、コンテンツ提供システムは、他者より目立ちたいと思う一部の視聴者への要望も叶えることができる。
【0229】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について説明する。
第2実施形態は、基本的には第1実施形態と同様に実現されるが、第2実施形態と第1実施形態とを比較すると、第1実施形態ではサーバシステム1100が、ゲームの進行制御も、コンテンツ提供制御も担っているが、第2実施形態ではサーバシステム1100はコンテンツの配信に特化され、ゲームの進行制御は配信者端末1500hにて実現され、再現用データをサーバシステム1100へ提供・投稿する点が異なる。
【0230】
なお、以降では、主に第1実施形態との差異について述べることとし、第1実施形態と同様の構成要素については、第1実施形態と同じ符号を付与して重複する説明は省略する。
【0231】
図19は、本実施形態のサーバシステム1100Bの機能構成例を示す機能ブロック図である。サーバシステム1100Bは、第1実施形態と同様にサーバ処理部200sにユーザ管理部202と、オンラインショッピング管理部204と、コンテンツ提供制御部210を含むが、ゲーム管理部206が省略されている。
【0232】
図20は、サーバシステム1100Bのサーバ記憶部500sが記憶するプログラムやデータの例を示す図である。
サーバシステム1100Bは、サーバプログラム501Bと、配信用ゲームクライアントプログラム503に代わる配信用ゲームプログラム503Bと、配信用ゲーム初期設定データ510Bと、を記憶する。
【0233】
サーバプログラム501Bは、サーバ処理部200sにユーザ管理部202と、オンラインショッピング管理部204と、コンテンツ提供制御部210としての機能を実現させるためのプログラムである
【0234】
配信用ゲームプログラム503Bは、本実施形態のユーザ端末1500Bが実行するエンターテインメントアプリケーションのオリジナルである。
【0235】
サーバシステム1100Bは、第1実施形態と同様にゲーム初期設定データ510~コンテンツ登録データ630及び配信管理データ710を記憶するが、本実施形態ではプレイデータ700は記憶されない。
【0236】
図21は、本実施形態のユーザ端末1500Bの機能構成例を示す機能ブロック図である。ユーザ端末1500Bは、ゲーム管理部206Bと、コンテンツ投稿制御部263と、視聴クライアント演算部264と、を有する。
【0237】
ゲーム管理部206Bは、第1実施形態におけるゲーム管理部206と同様の機能とともに、プレイ再現用データ740を生成する機能と、音声入力部102で収集したゲームプレイ中の音声を含むプレーヤ音声データ742を生成・保存する機能と、を有する。
【0238】
コンテンツ投稿制御部263は、プレイ再現用データ740と、プレーヤ音声データ742とを、コンテンツとしてサーバシステム1100Bへ送信・投稿する制御を行う。
【0239】
本実施形態の端末記憶部500は、ゲームプログラム502Bと、プレイデータ700と、プレイ再現用データ740と、プレーヤ音声データ742と、を記憶する。
【0240】
ゲームプログラム502Bは、サーバシステム1100Bの配信用ゲームプログラム503Bをダウンロードして記憶したものであり、端末処理部200にゲーム管理部206Bとしての機能を実現させるプログラムである。
【0241】
コンテンツ視聴システム1000の動作は、ゲームの進行制御の主体が配信者2hの配信者端末1500h(ユーザ端末1500B)で有る点が異なるが、基本的には第1実施形態と同様である。よって、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0242】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は上記形態に限定されるものではなく適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0243】
(変形例その1)
例えば、第1実施形態ではサーバシステム1100がゲーム管理部206の機能を有する例を示し、第2実施形態ではユーザ端末1500Bがゲーム管理部206の機能を有する例を示したが、その中間的構成も可能である。すなわち、第1実施形態をベースとして、ゲーム管理部206の一部の機能をユーザ端末1500で実行する構成とすることができる。逆に、第2実施形態をベースとするならば、ゲーム管理部206Bの一部の機能をサーバシステム1100Bで実行する構成とすることもできる。
【0244】
(変形例その2)
また、上記実施形態では、コンテンツとしてオンラインゲームを挙げたが、ゲームの種類はこれに限らない。ユーザ端末1500単体でプレイできるスタンドアローン型のゲームでもよい。また、ゲームジャンルは、上記実施形態のようなアクションRPGに限らず、パズルゲーム、レースゲーム、スポーツゲーム、シューティングゲーム、RPG、各種シミュレーションゲーム、音楽ゲーム、などジャンルは問わない。そして、採用するジャンルに応じて、抑制開始条件や、イベント開始条件の内容を適宜設定するとよい。
【0245】
(変形例その3)
また、上記実施形態では、コンテンツをライブ配信する例を示したが、配信形態は、これに限らず、擬似ライブ配信でも、オンデマンド配信でもよい。
【0246】
擬似ライブ配信では、コンテンツ登録データ630は配信開始前に全て用意されている。つまり、配信される動画は録画済みである。ステップS10(
図18参照)では、当該データに基づいて配信制御を行い、視聴者アクションの受け付けと、その反映表示制御等についてはリアルタイムで行えばよい。
【0247】
オンデマンド配信の場合は、抑制アクション管理データ720を生成するとともに、コンテンツ登録データ630(
図15参照)に写しを格納することとする。そして、新たなオンデマンド配信を行う際には、コンテンツ登録データ630の抑制アクション管理データ720に基づいて、本来は過去に行われた視聴者アクションであるが、あたかもその配信中の受付タイミング723でリアルに視聴者アクションがなされているものと見なす。勿論、オンデマンド配信の視聴者2vの視聴者アクションは、当該オンデマンド配信中に新たになされたものとみなす。そして、反映表示の抑制制御が行われている場合には、上記実施形態で説明したのと同じくそれらの反映表示を抑制し、イベント映像の表示に用いればよい。
【0248】
また、オンデマンド配信の場合は、視聴者アクションに係る表示制御を、サーバシステム1100ではなく、視聴者端末1500vにて実行する構成とすることもできる。
具体的には、第2実施形態をベースとすると、
図22に示すように、視聴者端末1500vは視聴クライアントプログラム504Cを実行することにより実装される視聴クライアント演算部264Cを有する。そして、視聴クライアント演算部264Cは、視聴者アクション受付制御部214と、優遇設定受付制御部216と、反映制御部220と、イベント発動条件充足検出部230と、抑制数量表示制御部232と、条件表示体表示制御部236と、は視聴者端末1500vが有する。
【0249】
オンデマンド配信を視聴する際、視聴者端末1500vは、視聴対象となるコンテンツのコンテンツ登録データ630(抑制アクション管理データ720を含む。)を、サーバシステム1100から取得して、コンテンツ提供画面W4(
図4参照)の表示制御を行う。コンテンツ登録データ630の取得形態は、ストリーミング形式でも、一括ダウンロード形式でもよい。
【0250】
そして、視聴者端末1500vは、取得した抑制アクション管理データ720に基づいて、本来は別のオンデマンド配信の際に行われた過去の視聴者アクションであるが、あたかも今の配信の受付タイミング723でリアルに視聴者アクションがなされているかのように見なす。今の配信の視聴者2vによる視聴者アクションは、当該オンデマンド配信中に新たになされたものと見なして、抑制アクション管理データ720と同様のデータを保存する。そして、反映表示の抑制制御が行われている場合には、上記実施形態で説明したのと同じくそれらの反映表示を抑制し、イベント映像の表示に用いればよい。なお、視聴履歴データ610(
図14参照)など参照する必要があるデータが有るときには、適宜、視聴者端末1500vからサーバシステム1100へ参照リクエストを行うものとする。
【0251】
オンデマンド配信終了時には、視聴者端末1500vは、今配信の視聴者2vに係り保存した抑制アクション管理データ720と同様のデータを、サーバシステム1100へ送信する。サーバシステム1100は、これを配信対象であったコンテンツのコンテンツ登録データ630に、新たな抑制アクション管理データ720として保存し、視聴履歴データ610を追加する。
【0252】
(変形例その4)
また、上記実施形態では、抑制開始条件が満たされると反映表示の抑制制御を開始し、イベント発動条件の発動とともに抑制制御を解除したが、これに限らない。
【0253】
例えば、抑制開始条件そのものを省略して、コンテンツ配信開始から反映抑制制御を開始することとし、未充足のイベント発動条件が満たされたことが検出されるまで、これを継続する。そして、未充足のイベント発動条件が満たされると、反映抑制制御を一定時間解除し、一定時間経過後、また別のイベント発動条件が満たされるまで反映抑制制御開始する、としてもよい。
【0254】
また例えば、適宜、イベント発動条件の1つに「抑制開始条件からの経過時間が、所定の基準値に達した」を設定すれば、万が一にもイベント発動条件が何時までも満たされることなく、いつまでも抑制制御が続いてしまうことを回避できる。
【0255】
(変形例その5)
また、視聴者2vをチーム分けして、チーム単位でイベント発動を管理する構成も可能である。例えば、イベント発動条件に、チームとして満たすべきコメント数や、評価数、投げ銭数、投げ銭数、を設定する。そして、複数のチームのうち、イベント発動条件を充足した早い方から所定数のチームについてのみイベントを個別に発動させる。所定数に該当しないチームはイベント発動から除外される、としてもよい。当該構成では、条件表示体32(
図5参照)をチーム別に用意すると好適である。チーム別の条件表示体32を「くす玉」風にデザインして、イベント発動条件が満たされるとくす玉が割れるように表示させてから主表示部10から消去すると好適である。
【0256】
(変形例その6)
また、上記実施形態に、イベント発動条件が満たされた場合に何が起きるかを、視聴者に向けて通知する要素や、配信者2h自身が提供するコンテンツに係る抑制開始条件を設定できる要素、を追加することができる。具体的には、第1実施形態をベースとした場合、
図23に示すサーバシステム1100Cのように、発動制御内容通知制御部240や、開始条件設定部242を追加する。
【0257】
発動制御内容通知制御部240は、イベント発動条件充足検出部230による検出がなされた場合のイベント発動部224の制御内容を、反映抑制制御がなされている間に視聴者端末1500vに通知する制御を行う。具体的には、ステップS30で否定判定された場合に、視聴者2v別に、当該視聴者に係る抑制アクション管理データ720を抽出し、適用要件542が適合する通知表示定義データ540を検索する。そして、検索された定義データの通知表示データ543に飾り画像27が含まれている場合、検索された定義データにエフェクトデータ545がある場合に、イベント用投げ銭通知表示43に飾りが付く旨、エフェクトが追加される旨、の通知(例えば、テキスト表示)を、抑制中のコンテンツ提供画面W6に表示させる。当該通知により積極的な視聴者アクションを促すことができる。
【0258】
開始条件設定部242は、配信者2hの操作に応じて、当該配信者が提供するコンテンツに係る反映抑制制御の開始条件を設定する。
具体的には、サーバシステム1100Cは、コンテンツの開始前(例えば、ライブ配信ならば配信開始前、コンテンツを投稿するタイミング)に、配信者端末1500hにて抑制開始条件の設定画面を表示させる。当該設定画面では、コンテンツ開始からの経過時間又はタイムコードの入力欄を表示させ、配信者2hに入力を促す。サーバシステム1100Cは、当該設定画面での入力結果の情報を配信者端末1500hから受診して、当該コンテンツ専用の抑制開始条件定義データ512を生成・記憶する。
【0259】
特定のコンテンツに専用の抑制開始条件定義データ512では、当該定義データが適用されるゲームを指定する適用ゲームタイトルに代えて、適用コンテンツIDを含む。そして、抑制開始条件として、入力された経過時間或いはタイムコードを含める。
【0260】
配信者2hが、自身のコンテンツ専用の抑制開始条件を設定できるようになることで、配信者2hが狙ったタイミングで反映表示の抑制の開始が可能になる。
【0261】
(変形例その7)
また、上記実施形態では、イベント用投げ銭通知表示43(
図6参照)のデザインに、それが「投げ銭」の通知であることを理解しやすいように、投げ銭種類25(
図11参照:コインの画像や、紙幣の画像など)を含めているが、これに限らない。例えば、投げ銭種類25に代えて他の画像(例えば、星型、雷マーク、火炎マーク、など)としてもよい。更に言えば、イベント用投げ銭通知表示43それ自体を、そうした他の画像に置き換えて表示してもよい。その設定は、通知表示定義データ540の通知表示データ543を適宜設定することで実現できる。適用要件542にて、様々な抑制制御中の入力状況を記述し、当該入力状況に応じて他の画像の種類を違えてもよい。
【符号の説明】
【0262】
2…ユーザ
2h…配信者
2v…視聴者
20…標準の通知表示
21…標準コメント通知表示
23…標準投げ銭通知表示
30…抑制数量表示
32…条件表示体
40…イベント用の通知表示
41…イベント用コメント通知表示
43…イベント用投げ銭通知表示
50…通知表示
200s…サーバ処理部
206…ゲーム管理部
210…コンテンツ提供制御部
212…コンテンツ登録部
214…視聴者アクション受付制御部
216…優遇設定受付制御部
220…反映制御部
222…反映抑制制御開始部
224…イベント発動部
230…イベント発動条件充足検出部
232…抑制数量表示制御部
234…抑制アクション管理部
236…条件表示体表示制御部
500s…サーバ記憶部
501…サーバプログラム
510…ゲーム初期設定データ
512…抑制開始条件定義データ
520…イベント発動条件定義データ
525…条件表示体定義データ
530…イベント発動条件
540…通知表示定義データ
550…優遇定義データ
570…反映表示定義データ
580…抑制数表示定義データ
600…ユーザ管理データ
610…視聴履歴データ
613…視聴者アクション履歴データ
630…コンテンツ登録データ
634…コンテンツデータ
635…再現用データ
636…コンテンツ実行状況データ
710…配信管理データ
715…優遇設定者データ
716…コンテンツ実行状況データ
720…抑制アクション管理データ
730…一斉表示設定データ
733…通知制御設定データ
1000…コンテンツ視聴システム
1100…サーバシステム
1500…ユーザ端末
1500h…配信者端末
1500v…視聴者端末