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特開2022-125162電池測定装置、及び電池監視システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022125162
(43)【公開日】2022-08-26
(54)【発明の名称】電池測定装置、及び電池監視システム
(51)【国際特許分類】
   G01R 19/00 20060101AFI20220819BHJP
   G08C 17/00 20060101ALI20220819BHJP
【FI】
G01R19/00 B ZHV
G08C17/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107686
(22)【出願日】2022-07-04
(62)【分割の表示】P 2017209769の分割
【原出願日】2017-10-30
(71)【出願人】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079119
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 元彦
(72)【発明者】
【氏名】太矢 隆士
(57)【要約】
【目的】
消費電力の増加を招くことなく装置全体のサイズを小型化することが可能な電池測定装置、及び電池監視システムを提供することを目的とする。
【構成】
二次電池の電圧を受ける入力端子が受けた電圧の電圧値を測定し、その測定結果を表す測定情報信号を生成する測定回路と、測定情報信号を電池管理部に対して無線送信する送信動作を行う送信部と、電池管理部から無線送信された搬送波信号を受信し、制御対象を指定する識別番号を含む制御情報信号を得る受信部と、制御情報信号の識別番号が自身の測定通信装置を指定する場合に制御情報信号が測定命令を示すとき測定命令を測定回路に供給し、制御情報信号が送信要求を示すとき、測定回路によって生成された測定情報信号を送信部に供給する制御回路と、入力端子が受けた電圧に基づいて所定の電圧値を有する電源電圧を生成して測定回路、送信部、受信部及び制御回路に供給する電源回路と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池の電圧を受ける入力端子と、
前記入力端子が受けた前記電圧の電圧値を測定する測定動作を行い、その測定結果を表す測定情報信号を生成する測定回路と、
前記測定情報信号を電池管理部に対して無線送信する送信動作を行う送信部と、
前記電池管理部から無線送信された搬送波信号を受信して受信信号を生成し、前記受信信号を検波・復調して、制御対象を指定する識別番号を含む制御情報信号を得る受信部と、
前記受信部によって得られた前記制御情報信号の前記識別番号が自身の測定通信装置を指定する場合において、前記受信部によって得られた前記制御情報信号が測定命令を示すとき前記測定命令を前記測定回路に供給し、前記受信部によって得られた前記制御情報信号が送信要求を示すとき、前記測定回路によって生成された前記測定情報信号を前記送信部に供給する制御回路と、
前記入力端子が受けた前記電圧に基づいて所定の電圧値を有する電源電圧を生成して前記測定回路、前記送信部、前記受信部及び前記制御回路に供給する電源回路と、を有し、
前記測定回路は前記測定命令に応答して前記測定動作を行い、
前記送信部は前記測定情報信号の供給に応答して前記送信動作を行うことを特徴とする電池測定装置。
【請求項2】
前記送信部は、前記測定情報信号に対応した高周波磁界を放射するコイルアンテナを含むことを特徴とする請求項1に記載の電池測定装置。
【請求項3】
前記電源電圧に応答して発振する発振信号を生成し、前記発振信号に基づきクロック信号を生成する発振回路を含み、
前記送信部は、
前記クロック信号に同期した搬送波信号を生成し、当該生成した搬送波信号を前記測定情報信号で変調した変調信号を生成する変調回路と、
前記変調信号を増幅した信号を前記コイルアンテナに供給する駆動回路と、を含むことを特徴とする請求項2に記載の電池測定装置。
【請求項4】
前記変調回路の変調方式は、ASK(amplitude shift keying)、FSK(Frequency shift keying)、PSK(phase shift keying)、QAM(quadrature amplitude modulation)、又はOFDM(orthogonal frequency-division multiplexing)であることを特徴とする請求項3に記載の電池測定装置。
【請求項5】
前記コイルアンテナは平面状の渦巻きパターンを有し、前記二次電池の表面に形成されていることを特徴とする請求項2~4のいずれか1に記載の電池測定装置。
【請求項6】
前記二次電池における前記コイルアンテナが形成されている面に対向した位置に、前記コイルアンテナを覆うように磁性体シートが設置されていることを特徴とする請求項2~5のいずれか1に記載の電池測定装置。
【請求項7】
前記二次電池における前記コイルアンテナが形成されている面に対向した位置に、金属線をループ状に形成した少なくとも1つの中継コイルが設置されていることを特徴とする請求項2~6のいずれか1に記載の電池測定装置。
【請求項8】
前記中継コイルには、共振用のキャパシタが接続されていることを特徴とする請求項7に記載の電池測定装置。
【請求項9】
直列に接続されている第1~第n(nは2以上の整数)の二次電池の状態を監視する電池管理装置を含む電池監視システムであって、
前記第1~第nの二次電池各々の電圧値を測定して測定結果を個別に表す第1~第nの測定情報信号を生成し、前記第1~第nの測定情報信号に対応した第1~第nの変調信号を生成する第1~第nの測定通信回路と、
前記第1~第nの変調信号に各々対応した第1の高周波磁界を放射する第1~第nのコイルアンテナと、
前記第1~第nのコイルアンテナの各々からの前記第1の高周波磁界を受けて第1の受信信号を得る中継コイルアンテナと、
前記第1の受信信号から前記第1~第nの測定情報信号を取得して前記電池管理装置に供給する一方、前記電池管理装置から供給され、前記第1~第nの測定通信回路のうちのいずれか1回路を指定する識別番号を含む制御情報信号を受け、前記制御情報信号に対応した変調信号を生成し、当該生成した変調信号に対応した第2の高周波磁界を前記中継コイルアンテナから放射させる通信中継回路と、を有し、
前記第1~第nのコイルアンテナの各々は前記中継コイルアンテナからの前記第2の高周波磁界を受けて第2の受信信号を得て、前記第2の受信信号を前記第1~第nの測定通信回路に供給し、
前記第1~第nの測定通信回路の各々は、
前記第1~第nの二次電池のうちの1の二次電池の電圧を受ける入力端子と、
前記入力端子が受けた前記電圧の電圧値を測定する測定動作を行い、その測定結果を表す前記第1~第nの測定情報信号のうちの1の測定情報信号を生成する測定回路と、
搬送波信号を前記1の測定情報信号で変調することにより前記第1~第nの変調信号のうちの1の変調信号を生成する送信動作を行う送信部と、
前記第2の受信信号を検波・復調して前記制御情報信号を得る受信部と、
前記受信部によって得られた前記制御情報信号の前記識別番号が自身の測定通信回路を示す場合において、前記受信部によって得られた前記制御情報信号が測定命令を示すとき前記測定命令を前記測定回路に供給し、前記受信部によって得られた前記制御情報信号が送信要求を示すとき、前記測定回路によって生成された前記1の測定情報信号を前記送信部に供給する制御回路と、
前記入力端子が受けた前記電圧に基づいて所定の電圧値を有する第1の電源電圧を生成して前記測定回路、前記送信部、前記受信部及び前記制御回路に供給する第1の電源回路と、を有し、
前記測定回路は前記測定命令に応答して前記測定動作を行い、
前記送信部は前記1の測定情報信号の供給に応答して前記送信動作を行うことを特徴とする電池監視システム。
【請求項10】
前記通信中継回路は、
前記第1の受信信号を増幅して増幅受信信号を生成する増幅回路と、
前記増幅受信信号からノイズ及び妨害波を除去した信号を出力するアクティブフィルタと、
前記アクティブフィルタが出力した信号に復調処理を施すことにより前記第1~第nの測定情報信号を取得する復調回路と、
外部電圧を受けて前記外部電圧に基づいて所定の電圧値を有する第2の電源電圧を生成して前記増幅回路、前記アクティブフィルタ及び前記復調回路に供給する第2の電源回路と、を有することを特徴とする請求項9に記載の電池監視システム。
【請求項11】
前記第1~第nのコイルアンテナのうちの少なくとも1つのコイルアンテナと前記中継コイルアンテナとが磁界結合する位置に前記中継コイルアンテナが設置されており、
前記第1~第nのコイルアンテナのうちの前記少なくとも1つのコイルアンテナを含む複数のコイルアンテナ間の磁界結合により、前記複数のコイルアンテナに接続されている複数の前記測定通信回路の間で無線通信を行うことを特徴とする請求項9又は10に記載の電池監視システム。
【請求項12】
前記第1~第nの二次電池のうちの第1~第k(kはn未満の整数)の二次電池と、前記第1~第kの二次電池に接続されている第1~第kの前記測定通信回路と、当該第1~第kの測定通信回路に接続されている第1~第kの前記コイルアンテナと、当該第1~第kのコイルアンテナと同一の軸方向を有する第1のコイルと、が収容されている第1の電池ケースと、
前記第1~第nの二次電池のうちの第(k+1)~第nの二次電池と、前記第(k+1)~第nの二次電池に接続されている第(k+1)~第nの前記測定通信回路と、当該第(k+1)~第nの測定通信回路に接続されている第(k+1)~第nの前記コイルアンテナと、当該第(k+1)~第nのコイルアンテナと同一の軸方法を有する第2のコイルと、前記中継コイルアンテナと、前記通信中継回路と、が収容されている第2の電池ケースと、
前記第1の電池ケースに収容されている前記第1のコイルの両端と、前記第2の電池ケースに収容されている前記第2のコイルの両端とを接続する伝送ケーブルと、を有することを特徴とする請求項9~11のいずれか1に記載の電池監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池の状態を測定する電池測定装置、及び測定結果に基づき電池の監視を行う電池監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
直流の電源として、例えばリチウムイオン二次電池等の電気化学セル(以下、電池セルと称する)が収容されている電池モジュールを積層した蓄電池ユニットが提案されている
(例えば、特許文献1参照)。当該蓄電池ユニットでは、電池モジュールに収容されている電池セルを直列又は並列に接続することにより、所望の電圧値を有する電源電圧を生成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-96082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような蓄電池ユニットを、電気自動車の走行用モータを駆動する電源として用いる場合、当該蓄電池ユニットは、走行時には放電状態となり、ブレーキ時には回生制動によって充電状態となる。よって、充電及び放電動作が頻繁に繰り返されることから、蓄電池ユニットに含まれる各電池セルは、経時的に電圧、又は充電状態等が変化する。また、各電池セルの状態の変化にはバラツキが伴う。そこで、電池管理装置により、電池セル毎にその電池セルの電圧や温度、或いは充電状態を監視し、その監視結果に基づき蓄電池ユニットに対して個別に充放電の制御を施す必要が生じる。
【0005】
ところで、電気自動車の走行用モータを駆動する数100ボルトの高電圧を得る為に、蓄電池ユニットとしては、例えば3.7ボルトの電池セルを複数個直列に接続したものを用いる。この際、電池セルが直列に接続されていることから、電池セルの電位の範囲は、電池セル単体の電位~走行用モータに供給される高電位(数100ボルト)となる。
【0006】
よって、このような高電位を伝送する為のケーブルと共に、かかる高電位を電池管理装置で扱える信号レベルに変換する、例えば高耐圧の半導体素子、絶縁トランス、或いはフォトカプラ等が必要となる。
【0007】
従って、装置全体のサイズが大型化し、且つ消費電力が大きくなるという問題が生じる。
【0008】
そこで、本発明は、消費電力の増加を招くことなく装置全体のサイズを小型化することが可能な電池測定装置、及び電池監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る電池測定装置は、二次電池の電圧を受ける入力端子と、前記入力端子が受けた前記電圧の電圧値を測定する測定動作を行い、その測定結果を表す測定情報信号を生成する測定回路と、前記測定情報信号を電池管理部に対して無線送信する送信動作を行う送信部と、前記電池管理部から無線送信された搬送波信号を受信して受信信号を生成し、前記受信信号を検波・復調して、制御対象を指定する識別番号を含む制御情報信号を得る受信部と、前記受信部によって得られた前記制御情報信号の前記識別番号が自身の測定通信装置を指定する場合において、前記受信部によって得られた前記制御情報信号が測定命令を示すとき前記測定命令を前記測定回路に供給し、前記受信部によって得られた前記制御情報信号が送信要求を示すとき、前記測定回路によって生成された前記測定情報信号を前記送信部に供給する制御回路と、前記入力端子が受けた前記電圧に基づいて所定の電圧値を有する電源電圧を生成して前記測定回路、前記送信部、前記受信部及び前記制御回路に供給する電源回路と、を有し、前記測定回路は前記測定命令に応答して前記測定動作を行い、前記送信部は前記測定情報信号の供給に応答して前記送信動作を行うことを特徴としている。
【0010】
本発明に係る電池監視システムは、直列に接続されている第1~第n(nは2以上の整数)の二次電池の状態を監視する電池管理装置を含む電池監視システムであって、前記第1~第nの二次電池各々の電圧値を測定して測定結果を個別に表す第1~第nの測定情報信号を生成し、前記第1~第nの測定情報信号に対応した第1~第nの変調信号を生成する第1~第nの測定通信回路と、前記第1~第nの変調信号に各々対応した第1の高周波磁界を放射する第1~第nのコイルアンテナと、前記第1~第nのコイルアンテナの各々からの前記第1の高周波磁界を受けて第1の受信信号を得る中継コイルアンテナと、前記第1の受信信号から前記第1~第nの測定情報信号を取得して前記電池管理装置に供給する一方、前記電池管理装置から供給され、前記第1~第nの測定通信回路のうちのいずれか1回路を指定する識別番号を含む制御情報信号を受け、前記制御情報信号に対応した変調信号を生成し、当該生成した変調信号に対応した第2の高周波磁界を前記中継コイルアンテナから放射させる通信中継回路と、を有し、前記第1~第nのコイルアンテナの各々は前記中継コイルアンテナからの前記第2の高周波磁界を受けて第2の受信信号を得て、前記第2の受信信号を前記第1~第nの測定通信回路に供給し、前記第1~第nの測定通信回路の各々は、前記第1~第nの二次電池のうちの1の二次電池の電圧を受ける入力端子と、前記入力端子が受けた前記電圧の電圧値を測定する測定動作を行い、その測定結果を表す前記第1~第nの測定情報信号のうちの1の測定情報信号を生成する測定回路と、搬送波信号を前記1の測定情報信号で変調することにより前記第1~第nの変調信号のうちの1の変調信号を生成する送信動作を行う送信部と、前記第2の受信信号を検波・復調して前記制御情報信号を得る受信部と、前記受信部によって得られた前記制御情報信号の前記識別番号が自身の測定通信回路を示す場合において、前記受信部によって得られた前記制御情報信号が測定命令を示すとき前記測定命令を前記測定回路に供給し、前記受信部によって得られた前記制御情報信号が送信要求を示すとき、前記測定回路によって生成された前記1の測定情報信号を前記送信部に供給する制御回路と、前記入力端子が受けた前記電圧に基づいて所定の電圧値を有する第1の電源電圧を生成して前記測定回路、前記送信部、前記受信部及び前記制御回路に供給する第1の電源回路と、を有し、前記測定回路は前記測定命令に応答して前記測定動作を行い、前記送信部は前記1の測定情報信号の供給に応答して前記送信動作を行うことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、二次電池の電圧を測定しその測定結果を示す測定情報信号を無線送信するので、二次電池で生成された直流の電圧自体が電池管理装置に印加されることはない。よって、高電圧を得る為に複数の二次電池を直列に接続した電池の電圧を測定する場合、高電圧を伝送する為のケーブルが不要となる。更に、このような電池の電圧を当該電圧の電圧値を表す信号に変換する部品として、高耐圧の半導体素子、絶縁トランス、フォトカプラ等の比較的高価であり、且つサイズが大きい部品が不要となる。
【0012】
また、測定情報信号を無線送信する無線通信方式として磁界結合方式を採用すると共に、上記したような測定及び通信を行う装置内に、通信に必要となる電源電圧を生成する電源回路及びクロック信号を生成する発振回路を設けている。これにより、磁界結合による電力伝送や、クロック信号を生成する為の同期信号の伝送が不要となる。
【0013】
よって、通信用の変調方式としてASK(amplitude shift keying)のみならず、周波数を変化させるPSK(phase shift keying)又はFSK(Frequency shift keying)等を採用できる。また、磁界結合によって測定情報信号の伝送と共に電力伝送及び同期信号の伝送を行う場合に比べて、放射する磁界の強度を弱くしても、所望の通信距離を確保することが可能となる。
【0014】
従って、本発明によれば、装置全体のサイズを小型化し且つ消費電力の増加を招くことなく、二次電池の電圧を測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る電池測定装置を含む電池監視システム150の構成を示すブロック図である。
図2】測定・通信回路MP1の内部構成を表すブロック図である。
図3】通信中継回路RXaの内部構成を表すブロック図である。
図4】電池ユニット100の内部構成の一部の外観を表す斜視図である。
図5】中継部30に含まれる2系統の通信部を共に動作させる際の通信動作を説明する為の構成の一例を示すブロック図である。
図6】電池セルBC1~BC6の表面に形成されるコイルアンテナAT1~AT6の形態の他の一例を表す斜視図である。
図7】電池セルBC1~BC6の表面に形成されるコイルアンテナAT1~AT6の形態の他の一例を表す斜視図である。
図8】電池セルBC1~BC6の表面に形成されているコイルアンテナAT1~AT6を磁性体シートMSで覆った場合における、電池セルBC1~BC6のコイルアンテナAT1~AT6の形成面の形態を表す正面図である。
図9】中継コイルRL、及びコイルアンテナAT1~AT6が形成されている電池セルBC1~BC6の形態の一例を表す斜視図である。
図10】複数の中継コイルRL、及びコイルアンテナAT1~AT6が形成されている電池セルBC1~BC6の形態の他の一例を表す斜視図である。
図11】電池監視システム150の他の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る電池測定装置を含む電池監視システム150の構成を示すブロッ
ク図である。
【0018】
図1に示すように、電池監視システム150は、例えば電気自動車、又はハイブリッド車に搭載されており、電池ユニット100と、この電池ユニット100の状態を管理する電池管理装置50と、を有する。
【0019】
電池ユニット100は、電池パック10、電池測定部20及び中継部30を含む。
【0020】
電池パック10は、例えば電気自動車、又はハイブリッド車の走行用モータを駆動する電圧を、電池電圧BVとして出力する。
【0021】
電池パック10には、複数の電池セルBC1~BCn(nは2以上の整数)が収容されている。電池セルBC1~BCnの各々は、例えば3.7ボルトの直流電圧を生成して正極端子+Q及び負極端子-Qを介して出力する二次電池である。電池セルBC1~BCnは、電池パック10内において互いに直列に接続されている。すなわち、電池セルBCr(rは2~n-1の整数)の正極端子+Qが、電池セルBC(r-1)の負極端子-Qに接続されており、電池セルBCrの負極端子-Qが、電池セルBC(r+1)の正極端子+Qに接続されている。
【0022】
電池パック10は、これら電池セルBC1~BCnの各々が生成した直流電圧を合成した電圧を、上記した電池電圧BVとして生成する。
【0023】
電池測定部20は、図1に示すように、電池セルBC1~BCnに夫々対応して設けられている測定・通信回路MP1~MPnと、コイルアンテナAT1~ATnと、を含む。
【0024】
測定・通信回路MP1は、コイルアンテナAT1が受けた高周波磁界に対応した受信信号に復調処理を施すことにより制御情報信号を取得する。測定・通信回路MP1は、取得した制御情報信号に従って、電池セルBC1の正極端子+Q及び負極端子-Qを介して、当該電池セルBC1の電圧、電流又は温度を測定し、その測定結果(電圧、電流、温度等)を表す測定情報信号を生成する。
【0025】
更に、測定・通信回路MP1は、この測定情報信号によって搬送波信号を変調した変調信号M1をコイルアンテナAT1に供給する。コイルアンテナAT1は、変調信号M1に対応した高周波磁界を放射する。
【0026】
同様に、測定・通信回路MPr(rは2~nの整数)は、コイルアンテナATrが受けた高周波磁界に対応した受信信号に復調処理を施すことにより制御情報信号を取得する。測定・通信回路MPrは、取得した制御情報信号に従って、電池セルBCrの正極端子+Q及び負極端子-Qを介して当該電池セルBCrの電圧、電流又は温度を測定する。更に、測定・通信回路MPrは、その測定結果(電圧、電流、温度等)を表す測定情報信号で搬送波信号を変調した変調信号MrをコイルアンテナATrに供給する。コイルアンテナATrは、当該変調信号Mr対応した高周波磁界を放射する。
【0027】
かかる構成により、電池測定部20は、受信した制御情報信号に従って、電池セルBC1~BCn各々の状態(電圧、電流、温度)を個別に測定し、その測定結果を電池セル毎に表す測定情報信号を高周波磁界によって中継部30に無線送信する。
【0028】
中継部30は、通信中継回路RXa及び中継コイルアンテナATaを含む第1の通信部と、通信中継回路RXb及び中継コイルアンテナATbを含む第2の通信部と、を有する。中継部30は、例えば第1の通信部(RXa、ATa)及び第2の通信部(RXb、A
Tb)のうちの一方を運用系、他方を予備系として電池測定部20及び電池管理装置50間の通信中継を行う。
【0029】
すなわち、通常時は、例えば第1の通信部(RXa、ATa)が、電池管理装置50から配線Lを介して受けた制御情報信号CNに対応した高周波磁界を放射する。これにより、第1の通信部(RXa、ATa)は、制御情報信号CNを電池測定部20に無線送信する。また、通常時には、第1の通信部(RXa、ATa)は、電池測定部20が放射した高周波磁界を受け、当該高周波磁界によって表される測定情報信号FDを、配線Lを介して電池管理装置50に供給する。
【0030】
ここで、第1の通信部(RXa、ATa)に故障が生じた場合には、第1の通信部(RXa、ATa)に代えて第2の通信部(RXb、ATb)が、前述した第1の通信部(RXa、ATa)と同様な通信を行う。
【0031】
電池管理装置50は、配線Lを介して受けた測定情報信号FDに基づき、電池セルBC1~BCnの現在の状態を監視する。例えば、電池管理装置50は、測定情報信号FDに基づき、電池セルBC1~BCnの残容量及び充電状態の監視、或いは動作不良の状態にある電池セルの検出などを行い、その結果を表す電池状態情報信号を生成する。
【0032】
また、電池管理装置50は、電池測定部20の測定・通信回路MP1~MPnの各々を制御する制御情報信号CNを生成し、これを配線Lを介して中継部30に供給する。制御情報信号CNは、例えば測定の実行又は停止を促す測定命令と、測定情報信号の送信を促す送信要求と、測定・通信回路MP1~MPnのうちで制御対象とする測定・通信回路を指定する識別番号と、を含む。
【0033】
更に、電池管理装置50は、電池セルBC1~BCnを充放電させる充放電部(図示せず)に対して、充電又は放電の実行を指示する充放電制御を施す。
【0034】
次に、測定・通信回路MP1~MPnの内部構成について説明する。
【0035】
尚、測定・通信回路MP1~MPnは同一の内部構成を有する。よって、以下に測定・通信回路MP1~MPnのうちから測定・通信回路MP1を抜粋してその内部構成について説明する。
【0036】
図2は、測定・通信回路MP1の内部構成を表すブロック図である。
【0037】
図2において、測定・通信回路MP1は、入力端子Tp及びTm、電源回路200、測定回路201、発振回路202、制御回路203、送信部204及び受信部205を含む。
【0038】
入力端子Tp及びTmは、電池セルBC1の正極端子+Q及び負極端子-Qを介して当該電池セルBC1が発生した電圧を受ける。
【0039】
電源回路200は、入力端子Tp及びTmで受けた電池セルBC1の電圧に基づき、内部回路を動作させる電源電圧VDを生成する。電源回路200は、当該電源電圧VDを、測定回路201、発振回路202、制御回路203、送信部204及び受信部205に供給する。
【0040】
これら測定回路201、発振回路202、制御回路203、送信部204及び受信部205は、電源電圧VDを受けることにより以下の動作を行う。
【0041】
測定回路201は、制御回路203から供給された測定命令が測定実行を表す場合に、入力端子Tp及びTmで受けた電池セルBC1の電圧に基づき、その電圧値及び電流量を測定する。更に、測定回路201は、電池セルBC1が発する熱の温度を測定する。そして、測定回路201は、その測定結果(電圧、電流、温度)を表す測定情報信号を制御回路203に供給する。
【0042】
発振回路202は、電源電圧VDに応答して発振して発振信号を生成する例えば水晶振動子を備える。発振回路202は、当該発振信号に基づきクロック信号CKを生成し、これを制御回路203及び送信部204に供給する。
【0043】
制御回路203は、受信部205から供給された制御情報信号CNTに基づき測定回路201に測定命令を供給する。また、制御回路203は、当該制御情報信号CNTが送信要求を表す場合には、測定回路201から供給された測定情報信号をクロック信号CKに同期したタイミングで送信部204に供給する。
【0044】
送信部204は、以下の変調回路204A及び駆動回路204Bを含む。
【0045】
変調回路204Aは、例えばNFC(Near field radio communication)にて規定されている13.56MHzの周波数を有し、且つクロック信号CKに位相同期した搬送波信号を生成する。更に、変調回路204Aは、制御回路203から供給された測定情報信号で搬送波信号を振幅変調、いわゆるASK(amplitude shift keying)して得られた変調信号を、駆動回路204Bに供給する。
【0046】
駆動回路204Bは、変調回路204Aから供給された変調信号を増幅した変調信号M1をコイルアンテナAT1に供給する。
【0047】
コイルアンテナAT1は、コイルアンテナの両端に接続された共振用キャパシタを含む。コイルアンテナAT1は、変調信号M1に基づく高周波磁界を放射する。また、コイルアンテナAT1は、中継部30から放出された無線送信波としての高周波磁界を受けた場合、当該高周波磁界に対応した受信信号を受信部205に供給する。
【0048】
受信部205は、以下の増幅回路205A、フィルタ205B、及び検波・復調回路205Cを含む。
【0049】
増幅回路205Aは、受信信号の振幅を増幅した増幅受信信号をフィルタ205Bに供給する。
【0050】
フィルタ205Bは、例えばトランスバーサルフィルタ等のアクティブフィルタであり、増幅受信信号からノイズ及び妨害波を除去した受信信号RFを生成し、これを検波・復調回路205Cに供給する。
【0051】
検波・復調回路205Cは、受信信号RFに包絡線検波を施す、或いは受信信号RFに搬送波信号を乗算する復調処理を施す。これにより、検波・復調回路205Cは、電池管理装置50で生成された制御情報信号CNに対応した制御情報信号CNTを取得し、これを制御回路203に供給する。
【0052】
次に、図1に示す通信中継回路RXa及びRXbの内部構成について説明する。
【0053】
尚、通信中継回路RXa及びRXbは互いに同一の内部構成を有する。よって、以下に
通信中継回路RXaを抜粋してその内部構成について説明する。
【0054】
図3は、通信中継回路RXaの内部構成を表すブロック図である。
【0055】
図3において、電源回路300は、例えば車両に搭載されているナビゲーション装置や、オーディオ装置等で用いられているアクセサリ用の電圧を外部電圧VTとして受け、当該外部電圧VTに基づき、内部回路を動作させる所定電圧値を有する電源電圧VDDを生成する。電源回路300は、当該電源電圧VDDを、発振回路301、制御回路302、送信部303及び受信部304に供給する。
【0056】
発振回路301は、電源電圧VDDに応答して発振して発振信号を生成する例えば水晶振動子を備える。発振回路301は、当該発振信号に基づきクロック信号CLKを生成し、これを制御回路302及び送信部303に供給する。
【0057】
制御回路302は、電池管理装置50から配線Lを介して供給された制御情報信号CNを受け、当該制御情報信号CNをクロック信号CLKに同期させた制御情報信号を送信部303に供給する。また、制御回路302は、受信部304から供給された測定情報信号FDQを受け、当該測定情報信号FDQをクロック信号CLKに同期させた測定情報信号FDを、配線Lを介して電池管理装置50に供給する。
【0058】
送信部303は、以下の変調回路303A及び駆動回路303Bを含む。
【0059】
変調回路303Aは、例えばNFCにて規定されている13.56MHzの周波数を有し、且つクロック信号CLKに位相同期した搬送波信号を生成する。更に、変調回路303Aは、制御回路302から供給された測定情報信号FDQで上記した搬送波信号を振幅変調、いわゆるASK(amplitude shift keying)して得られた変調信号を、駆動回路303Bに供給する。
【0060】
駆動回路303Bは、変調回路303Aから供給された変調信号を増幅した増幅変調信号を、中継コイルアンテナATaに供給する。
【0061】
中継コイルアンテナATaは、コイルアンテナの両端に接続された共振用キャパシタを含む。中継コイルアンテナATaは、増幅変調信号に基づく高周波磁界を放射する。また、中継コイルアンテナATaは、電池測定部20から放射された無線送信波としての高周波磁界を受けた場合、当該高周波磁界に対応した受信信号を受信部304に供給する。
【0062】
受信部304は、以下の増幅回路304A、フィルタ304B及び検波・復調回路304Cを含む。
【0063】
増幅回路304Aは、受信信号の振幅を増幅した増幅受信信号をフィルタ304Bに供給する。
【0064】
フィルタ304Bは、例えばトランスバーサルフィルタ等のアクティブフィルタであり、増幅受信信号からノイズ及び妨害波を除去した受信信号RFFを検波・復調回路304Cに供給する。
【0065】
検波・復調回路304Cは、受信信号RFFに包絡線検波を施す、或いは受信信号RFFに搬送波信号を乗算する復調処理を施すことにより、測定・通信回路MP1~MPn各々の測定回路201が生成した測定情報信号に対応した測定情報信号FDQを得る。検波・復調回路304Cは、かかる測定情報信号FDQを制御回路302に供給する。
【0066】
図4は、上記した電池ユニット100の内部構成の一部の外観を表す斜視図である。尚、図4では、電池ユニット100内から、電池セルBC1~BC6と、コイルアンテナAT1~AT6、中継コイルアンテナATa及びATbと、通信中継回路RXa及びRXbと、を抜粋して、その外観の一部を示す。
【0067】
電池セルBC1~BC6は、夫々が直方体の形状を有し、電池パック10内において図4に示すように重ねて設置されている。尚、以降、電池セルBCの6つの表面のうちで、電池セル同士が重なる面、或いはこの面に対向した面を上面又は下面と称し、その他の4つの面を側面と称する。
【0068】
図4において、電池セルBCt(tは1~6の整数)の上面(又は下面)の4辺のうちの2つの短辺の一方に対応した側面に、図4に示すような平面状の渦巻きパターンを有するコイルアンテナがコイルアンテナATtとして形成されている。
【0069】
尚、電池セルBCt内には測定・通信回路MPt(tは1~6の整数)が形成されており、当該電池セルBCtの側面に形成されているコイルアンテナATrが測定・通信回路MPtと接続されている。
【0070】
更に、電池ユニット100内には、平面状の渦巻きパターンを有する中継コイルアンテナATa及びATbと、通信中継回路RXaを含む半導体チップIC1と、通信中継回路RXbを含む半導体チップIC2と、が形成されている基板PLが設置されている。
【0071】
中継コイルアンテナATa及びATbは、例えば基板PLの表面にプリントした金属配線からなる。半導体チップIC1に含まれる通信中継回路RXaと、半導体チップIC2に含まれるRXbとが、配線Lを介して、電池ユニット100の外部に設けられている電池管理装置50と電気的に接続されている。
【0072】
基板PLは、電池ユニット100内において、コイルアンテナAT1~ATnが形成されている面に対して平行に且つ近接して設置されている。つまり、電池ユニット100内では、各コイルアンテナ及び中継コイルアンテナの軸方向が同一となるように、コイルアンテナAT1~ATn、及び中継コイルアンテナATa及びATbが設置されている。これにより、各アンテナ(AT1~AT6、ATa、ATb)は磁気的に結合するので、上記したような電池測定部20及び中継部30間の無線通信が可能となる。
【0073】
以上、詳述したように、図1図4に示す電池ユニット100内では、電池測定部20が、電池セルBC1~BCn各々の両端(+Q、-Q)の電圧、電流及び温度を個別に測定する。電池測定部20は、その測定結果を電池セル毎に表す測定情報信号を、当該電池ユニット100内に設置されている中継部30に無線送信する。中継部30は、無線受信した測定情報信号を有線の配線Lを介して電池管理装置50に送信する。
【0074】
よって、電池ユニット100では、直列接続された電池セルBC1~BCnで生成された高電圧自体が電池管理装置200に伝送されることはないので、このような高電圧を伝送する為のケーブルが不要となる。
【0075】
更に、電池ユニット100によれば、電池セルBC1~BCnによって生成された電圧を電圧値を表す信号に変換する部品として、高耐圧の半導体素子、絶縁トランス、或いはフォトカプラ等の比較的高価であり、且つサイズが大きい部品が不要となる。
【0076】
従って、図1図4に示す構成によれば、電池ユニット100のサイズを小型化するこ
とが可能となる。
【0077】
また、電池ユニット100では、電池測定部20及び中継部30間の無線通信方式として、NFCに基づく磁界結合方式を採用している。
【0078】
ここで、電池ユニット100内では、測定・通信回路MP1~MPnの各々内に、電源電圧VDを生成する専用の電源回路200と、クロック信号CKを生成する専用の発振回路202と、を設けている。更に、通信中継回路RXa及びRXbの各々内に電源電圧VDDを生成する専用の電源回路300と、クロック信号CLKを生成する専用の発振回路301と、を設けている。これにより、電池測定部20及び中継部30間で磁界結合による無線通信を行うにあたり、当該磁界結合方式を利用した電力伝送、及びクロック信号の同期基準となる同期信号の通信を不要としている。
【0079】
従って、磁界結合によって測定情報信号と共に電力及び同期信号を無線通信する場合に比べて放射する磁界の強度を弱くしても、測定・通信回路MP1~MPnと、通信中継回路RXa及びRXbとの間の無線通信を確立することが可能となる。
【0080】
また、磁界結合による電力伝送や同期信号伝送は実施していないので、変調回路(204A、303A)のASKとして、例えば論理レベル1を表す区間は搬送波信号が存在し、論理レベル0を表す区間は搬送波信号が存在しない、いわゆるオンオフ変調を採用できる。これにより、通信可能領域を広くすることが可能となる。
【0081】
また、電池測定部20及び中継部30間では、クロック信号の位相の基準となる同期信号の通信も実施しないので、変調方式としてASKのみならず、PSK(phase shift keying)又はFSK(Frequency shift keying)等を採用できる。
【0082】
更に、電池ユニット100では、測定・通信回路MP1~MPn、及び通信中継回路RXa及びRXbの各々内に、上記したように専用の電源回路が設けられている。よって、受信信号の振幅を増幅する増幅回路(205A、304A)や、受信信号からノイズ及び妨害波を除去するアクティブフィルタ(205B、304B)を搭載することが可能となり、通信精度の向上が図られる。
【0083】
以上のように、電池ユニット100によれば、装置全体のサイズを小型化し且つ消費電力の増加を招くことなく、電池の状態(電圧、電流、温度等)を測定することが可能となる。
【0084】
尚、上記実施例では、測定・通信回路MP1~MPnの各々は、二次電池としての電池セルBCの電圧、電流及び温度を測定しているが、少なくとも電圧のみを測定するものであれば良い。
【0085】
要するに、電池測定装置(20)としては、以下の入力端子、測定回路、送信部、及び電源回路を有するものであれば良い。すなわち、測定回路(MP)は、二次電池(BC)の電圧を受ける入力端子(Tp、Tm)が受けた電圧の電圧値を測定して測定結果を表す測定情報信号を生成する。送信部(204、AT)は、測定情報信号を無線送信する。電源回路(200)は、入力端子が受けた電圧に基づいて所定の電圧値を有する電源電圧(VD)を生成して、上記測定回路及び送信部に供給する。
【0086】
また、上記実施例では、中継部30に含まれる第1の通信部(RXa、ATa)及び第2の通信部(RXb、ATb)のうちの一方を運用系、他方を予備系とし、通常は運用系の通信部のみを動作させているが、常に両者を動作状態にしても良い。
【0087】
以下に、第1の通信部(RXa、ATa)及び第2の通信部(RXb、ATb)を共に動作させる場合の通信動作の一例について、図5に示すように、電池パック10に収容されている電池セルの数が6個である場合を例にとって説明する。
【0088】
尚、図5に示される構成では、電池パック10には6個の電池セルBC1~BC6が収容されている。これにより、電池ユニット100には、電池パック10と共に電池セルBC1~BC6に対応した測定・通信回路MP1~MP6及びコイルアンテナAT1~AT6と、通信中継回路RXa及びRXbと、中継コイルアンテナATa及びATbと、が含まれている。
【0089】
ここで、図5に示す構成では、コイルアンテナAT1~AT6と、中継コイルアンテナATa及びATbとが、以下のように磁界結合する。
【0090】
つまり、図5に示すように、コイルアンテナAT1及びAT2と、中継コイルアンテナATaとが互いに磁界結合(JDaにて示す)する。また、コイルアンテナAT5及びAT6と、中継コイルアンテナATbとが互いに磁界結合(JDbにて示す)する。更に、コイルアンテナAT2~AT5が互いに磁界結合(JDcにて示す)する。すなわち、図5のJDa~JDcにて示す態様で磁界結合が生じるような位置に、中継コイルアンテナATa及びATbが設置されている。
【0091】
かかる構成により、測定・通信回路MP1又はMP2で測定された測定情報信号は、コイルアンテナAT1又はAT2と、中継コイルアンテナATaとの磁界結合(JDa)により、通信中継回路RXaに無線送信される。また、測定・通信回路MP5又はMP6で測定された測定情報信号は、コイルアンテナAT5又はAT6と、中継コイルアンテナATbとの磁界結合(JDb)により、通信中継回路RXbに無線送信される。
【0092】
尚、測定・通信回路MP3(MP4)で測定された測定情報信号は、コイルアンテナAT3(AT4)と、AT2(AT5)との磁界結合(JDc)による無線通信により、一旦、測定・通信回路MP2(MP5)に送信される。かかる測定情報信号を受信した測定・通信回路MP2(MP5)は、引き続きコイルアンテナAT2(AT5)と、中継コイルアンテナATa(ATb)との磁界結合による無線通信により、この測定情報信号を通信中継回路RXa(RXb)に送信する。
【0093】
また、例えば通信中継回路RXbが、電池セルBC2に対して測定の実行を促す測定命令を含む制御情報信号に対応した高周波磁界を中継コイルアンテナATbから放射させると、これを磁界結合(JDb)による無線通信によって測定・通信回路MP5が受信する。かかる測定情報信号を受信した測定・通信回路MP5は、引き続きコイルアンテナAT5と、コイルアンテナAT2との磁界結合(JDc)による無線通信により、この測定情報信号を測定・通信回路MP2に送信する。つまり、図5に示す磁界結合(JDc)により、互いに電池セル1つ分以上離間して配置されている測定・通信回路MP間での無線中継が行われる。
【0094】
これにより、互いに隣接する測定・通信回路MP間での無線中継のみで所望の測定・通信回路MPまで情報信号の中継を行う場合に比べて、通信に費やされる時間及び消費電力を抑えることが可能となる。また、中継を行う為の通信系を複数確保することができるので、例えば、ある測定・通信回路MPの通信機能に故障が生じていても、故障中の測定・通信回路MPに接続されているコイルアンテナATを通過して無線通信が可能となる。これにより、信頼性の高い通信系を構成できる。
【0095】
尚、図5に示す一例では、測定・通信回路MP1~MPnに接続されているコイルアンテナAT1~ATnのうちで、中継コイルアンテナATa(ATb)と磁気結合するコイルアンテナをAT1及びAT2(AT5及びAT6)としている。しかしながら、中継コイルアンテナATa(ATb)と磁気結合する測定・通信回路側のコイルアンテナの数は、2つに限定されず、1つ或いは3つ以上の複数であっても良い。
【0096】
要するに、測定・通信回路(MP1~MPn)側の第1~第nのコイルアンテナ(AT1~ATn)のうちの少なくとも1つと、中継コイルアンテナ(ATa又はATb)とが磁界結合(JDa又はJDb)する位置にこの中継コイルアンテナを設置する。更に、上記した少なくとも1つのコイルアンテナを含む複数のコイルアンテナ間の磁界結合(JDc)により、これら複数のコイルアンテナに接続されている複数の測定通信回路間で無線通信を行うように構成したものであれば良いのである。
【0097】
また、上記実施例では、図4に示すように、電池セルBCt(tは1~6の整数)の上面(又は下面)の4辺のうちの2つの短辺の一方に対応した側面に、平面状の渦巻きパターンを有するコイルアンテナATtを形成しているが、他の面に形成しても良い。
【0098】
例えば、図6に示すように、電池セルBCt(tは1~6の整数)の上面(又は下面)の4辺のうちの2つの長辺の一方に対応した、電池セルBCtの側面に、コイルアンテナATtを形成するようにしても良い。
【0099】
また、図7に示すように、電池セルBCt(tは1~6の整数)の上面(又は下面)に、コイルアンテナATtを形成するようにしても良い。
【0100】
尚、図7に示す構成を採用する場合、図4に示す基板PLを、半導体チップIC1及び中継コイルアンテナATaが表面に形成されている第1の基板PL1と、半導体チップIC2及び中継コイルアンテナATbが表面に形成されている第2の基板PL2とに分割する。そして、図7に示すように、第1の基板PL1を、電池セルBC1の上面と対向する位置において当該電池セルBC1の上面と平行に設置すると共に、第2の基板PL2を、電池セルBC6の下面と対向する位置において当該電池セルBCの下面と平行に設置する。更に、図7に示す構成を採用する場合には、互いに隣接する電池セルBC同士の間に絶縁材料を挟む。
【0101】
要するに、直方体である電池セルBCの表面に平面状のコイルアンテナを形成する場合、コイルアンテナの軸方向は、x軸、y軸、z軸の3方向となる。そこで、全てのコイルアンテナAT1~AT6、ATa及びATbの軸方向を、これら3つの軸方向のうちのいずれか1つに合わせるように、各アンテナを設置するのである。
【0102】
例えば、コイルアンテナAT1~AT6、ATa及びATbの軸方向は、図4に示す一例では全てx軸となっており、図6に示す一例では全てz軸となっており、図7に示す一例では全てy軸となっている。
【0103】
このように、全てのコイルアンテナの軸方向を同一とすることにより、磁界結合として、無線通信が可能となる程度の結合係数を確保することができる。尚、電池セルBC1~BCnの形状、電池パック10のサイズ及び形状等に合わせて、図4図6及び図7のうちで最適な構成を採用する。
【0104】
図4図6及び図7に示すように、平面状のコイルアンテナAT1~ATnを電池セルBC1~BCnの側面、上面又は下面に形成することにより、電池セルBCの表面から突起物を排除することができる。これにより、電池セルBC1~BCnの運搬作業、電池パ
ック10への収容作業、或いは取り替え作業が容易となる。更に、電池セルBCの表面に突起物が無いことから、当該電池セルBCを収容する電池パック10のサイズを小型化することが可能となる。
【0105】
尚、電池セルBCの形態は直方体に限定されず、例えば台形であっても良く、その側面、上面又は下面が曲面形状であっても良い。コイルアンテナAT1~ATnは、電池セルBCの表面の形状に対応させて適宜、変形してその面上に形成すれば良い。
【0106】
また、例えば図8に示すように、電池セルBC1~BC6各々の表面に形成されている平面状のコイルアンテナAT1~AT6の表面を、例えば透磁率50以上、厚さ0.2ミリメートル程度の磁性体シートMSで覆うようにしても良い。
【0107】
これにより、コイルアンテナAT1~AT6各々から発せられた磁力線は、集中的に磁性体シートMS内を通過することになり、コイルアンテナ間の結合係数が高くなる。よって、通信距離を大きくする、或いは通信に必要な電力の低減を図ることが可能となる。また、磁性体シートMSを設けることにより、外部からの干渉や妨害を防止することが可能となる。
【0108】
尚、磁性体シートMSとしては、帯状のもの、或いは着脱可能な磁性体粘着テープを採用しても良い。
【0109】
また、磁性体シートMSに代えて、図9に示すようなリング状の中継コイルRLを、コイルアンテナAT1~AT6が形成されている電池セルBC1~BC6の面に対向した位置に設置しても良い。尚、中継コイルRLには、共振周波数を、電池測定部20及び中継部30間の無線通信で使用する搬送波信号の周波数である13.56MHz又はその近傍の周波数に設定する為のキャパシタCQが接続されている。キャパシタCQとしては、例えばチップキャパシタ、或いは互いに対向する2つの電極同士の間の静電容量を利用したものであっても良い。
【0110】
図9に示す構成において、電池測定部20及び中継部30間で磁界結合による無線通信が行われると、コイルアンテナAT1~ATnによって放射された高周波磁界が中継コイルRLに高周波電流を励起させる。つまり、中継コイルRL及びキャパシタCQからなる共振回路により中継コイルRL自体にも高周波電流が流れて、高周波磁界が放射される。よって、中継コイルRLから放射された高周波磁界が、中継部30側の中継コイルアンテナATa及びATbに伝搬する。
【0111】
従って、図9に示すような中継コイルRLを設けることにより、無線通信距離を大きくすることが可能となる。尚、中継コイルRLには電力を必要とする能動素子が接続されていない。更に、中継コイルRLとしては金属線をループ状に形成したもの、或いは帯状の金属材料等で構成することができるので、電力消費及び装置規模の増大を招くことなく、無線通信距離を拡大することが可能となる。
【0112】
また、図9に示す一例では、コイルアンテナAT1~AT6の形成面に対向した位置に、これらAT1~AT6の全領域を覆うようなサイズ及び形状を有する中継コイルRLを1つだけ設置しているが、図10に示すように複数の中継コイルRLを並置させても良い。
【0113】
また、図9及び図10に示される共振回路用のキャパシタCQについては、これを省いても良く、中継コイルRLと、図8に示す磁性体シートMSとを併用して設置しても良い。
【0114】
ところで、電気自動車、或いはハイブリッド車の走行用モータを駆動するには、数100ボルトの電圧が必要となる為、電池パック10のサイズは、車両の室内空間に影響を与えるほど大きくなる。
【0115】
そこで、電池パック10を複数に分割することにより1つあたりの電池パックのサイズを小型化して、車両の夫々異なる位置に設置することが考えられる。
【0116】
図11は、かかる点に鑑みて為された電池監視システム150の変形例を示すブロック図である。
【0117】
図11に示す電池監視システム150は、第1の電池ケースU1、第2の電池ケースU2、伝送ケーブルCA及び電池管理装置50を有する。
【0118】
図11に示される電池監視システム150では、図1に示す電池セルBC1~BCnのうちのBC1~BCk(kはn未満の整数)が電池ケースU1に収容されており、残りのBC(k+1)~BCnが電池ケースU1に収容されている。
【0119】
尚、電池ケースU1は、例えば車両の後部座席の下に設置され、電池ケースU2は、例えば車両のトランクの床下に設置される。
【0120】
電池ケースU1には、電池セルBC1~BCkと共に、これら電池セルBC1~BCkに対応した測定・通信回路MP1~MPk及びコイルアンテナAT1~ATkが収容されている。更に、電池ケースU1内には、コイルアンテナAT1~ATkにおけるコイルの軸方向と自身の軸方向とが同一となるように設置されたコイルCL1が設置されている。
【0121】
電池ケースU2には、電池セルBC(k+1)~BCnと共に、これら電池セルBC(k+1)~BCnに対応した測定・通信回路MP(k+1)~MPn及びコイルアンテナAT(k+1)~ATnが収容されている。更に、電池ケースU2には、コイルアンテナAT(k+1)~ATnにおけるコイルの軸方向と自身の軸方向とが同一となるように設置されたコイルCL2と、図1に示される中継部30と、が収容されている。
【0122】
尚、中継部30及び電池管理装置50の動作は、図1に示されるものと同一であるので、その説明は省略する。
【0123】
電池ケースU1と電池ケースU2とが伝送ケーブルCAによって接続されている。伝送ケーブルCAは、配線L1と、キャパシタCZが直列に接続された配線L2と、を含む。
【0124】
すなわち、電池ケースU1に含まれているコイルCL1の一端と、電池ケースU2に含まれているコイルCL2の一端とが伝送ケーブルCAの配線L1により、電気的に接続されている。更に、このコイルCL1の他端と、コイルCL2の他端とが、キャパシタCZを介して配線L2にて接続されている。
【0125】
これら伝送ケーブルCA、コイルCL1及びCL2を含む伝送路によれば、先ず、電池ケースU1内において、コイルアンテナAT1~ATkが放射した、測定情報信号に対応した高周波磁界が、コイルCL1によって高周波電流に変換される。この際、当該高周波電流が伝送ケーブルCAを介して電池ケースU2に含まれるコイルCL2に供給される。よって、コイルCL2は、当該高周波電流に対応した高周波磁界を電池ケースU2内に放射する。これにより、電池ケースU2に含まれる中継部30は、コイルCL2との磁界結合により、電池ケースU1で測定された測定結果を表す測定情報信号を取得する。
【0126】
また、上記実施例では、電池測定部20及び中継部30間の無線通信の変調方式として、ASK、FSK、又はPSKを採用しているが、これらを組み合わせたQAM(quadrature amplitude modulation)、又はOFDM(orthogonal frequency-division multiplexing)を採用しても良い。また、マンチェスタ符号や拡散符号を併用しても良い。
【0127】
また、上記実施例では、図2及び図3に示すように、測定・通信回路MP1~MPn、通信中継回路RXa及びRXbの各々には、増幅回路(205A、304A)及びフィルタ(205B、304B)が含まれている。これら増幅回路及びフィルタによれば、不要なノイズや妨害波を除去したり、スーパーヘテロダイン方式の受信系としたりすることで受信感度、受信性能を向上させることができる。
【0128】
しかしながら、不要なノイズや妨害波の除去を行わなくても所望の受信感度が得られるのであれば、これら増幅回路(205A、304A)及びフィルタ(205B、304B)を削除しても良い。すなわち、コイルアンテナ(AT1~ATn、ATa、ATb)で受信した信号を直接、検波・復調回路(205C、304C)に供給するのである。
【0129】
また、検波・復調回路(205C、304C)として、コンパレータやADコンバータを用いても良い。
【0130】
また、電池測定部20及び中継部30間の無線通信の変調方式としてASKを採用した場合には、図2及び図3に示される変調回路(204A、303A)として電力増幅回路を採用し、利得を増減してその出力の振幅を増減させることによってASKを実現しても良い。また、当該変調回路としてDAコンバータを採用し、その変調信号の波形を生成しても良い。また、かかる変調回路としてアップコンバータを採用しても良い。
【0131】
また、変調方式としてFSK又はPSKを採用した場合には、変調回路(204A、303A)としてPLL(phase locked loop)回路を採用しても良い。
【0132】
また、上記実施例における測定・通信回路MP1~MPnは、夫々に接続されている電池セルBCから個別に電力供給を受け、更に、水晶振動子等を発振させる発振回路を個別に設けることによりクロック信号を生成している。
【0133】
しかしながら、測定・通信回路MP1~MPnとしては、高周波磁界を利用して、電力及びクロック信号の基準となる同期信号、或いはこれら電力及び同期信号のうちの一方を受けるパッシブ動作モードを設けても良い。尚、パッシブ動作モード時に通信の返信を行う負荷変調回路を、測定・通信回路MP1~MPnの各々に設けるようにしても良い。
【0134】
また、測定・通信回路MP1~MPnの各々に、低速のクロック信号生成用の発振回路を新たに設け、この発振回路で生成されたクロック信号によるタイマー制御によって、測定の実行及び通信の間欠動作を行うようにしても良い。更に、測定・通信回路MP1~MPnと、通信中継回路RXa及びRXbとを同期させて無線通信を行うことにより、消費電力の削減を行っても良い。
【0135】
また、上記実施例では、中継部30として2系統の通信中継回路RXa及びRXbを設けているが、いずれか一方だけ、或いは3系統以上の通信回路を設けても良い。
【0136】
また、1つの電池セルBCに1つの測定・通信回路MPを設けているが、複数の電池セルBCに対する測定動作、及び中継部30との通信動作を1つの測定・通信回路MPで行うようにしても良い。或いは、1つの電池セルBCに複数の測定・通信回路MPを接続す
ることにより、故障に備えた冗長システムを構成してもよい。
【0137】
また、図5に示される磁界結合(JDa~JDc)の態様は、メッシュ状、スター状などでもよく、或いは磁界結合の領域を2重化した冗長構成を採用することにより、装置の信頼度を上げてもよい。
【0138】
また、図8に示される磁性体シートMSとしては、帯状、板状、棒状のものでもよく、アンテナコイルを挟むようにしても良い。
【0139】
尚、コイルアンテナAT1~ATn、ATa及びATbとしては、ボビンやコアに金属線を巻いたもののほか、プリント基板やフレキシブル基板などの樹脂絶縁帯に形成された平面パターン形状のものを採用してもよい。平面パターン形状の場合には、金属線を渦巻き状、円形状、楕円形状、或いは細長い長方形状に形成したものでも良いでもよい。また、コイルアンテナAT1~ATn、ATa及びATbとして、平面パターン形状を採用した場合には、磁性体シートで裏打ちするようにしても良い。
【0140】
また、図2及び図3に示す一例では、アンテナコイル(AT1~ATn、ATa、ATb)に対して並列に共振用のキャパシタを接続した並列共振回路を採用している、これとは別にアンテナコイルに直列に共振用のキャパシタを接続した直列共振回路を設けても良い。この際、当該並列共振回路と直列共振回路とを切り替え可能な構成を採用する。
【0141】
尚、共振用のキャパシタとして静電容量が可変なものを採用し、アンテナコイルの非使用時には静電容量を変更することにより共振周波数をずらし、アンテナコイルの使用直前に元の静電容量に戻すようにしても良い。
【0142】
また、測定・通信回路MP1~MPn及び通信中継回路RXa及びRXbの各々に、通信時のマッチングインピーダンスの切り替え機能を設けるようにしても良い。
【0143】
また、測定・通信回路MP1~MPn及び通信中継回路RXa及びRXb各々の増幅回路(205A、304A)の後段にローパスフィルタを設けても良い。この際、このローパスフィルタを介した受信信号を次段のフィルタ(205B、304B)に供給するのか、或いはローパスフィルタを介さずに受信信号をフィルタ(205B、304B)に供給するのかを切り替え可能な構成を採用しても良い。
【符号の説明】
【0144】
10 電池パック
20 電池測定部
30 中継部
50 電池管理装置
150 電池監視システム
200、300 電源回路
202、301 発振回路
AT1~ATn コイルアンテナ
ATa、ATb 中継コイルアンテナ
BC1~BCn 電池セル
MP1~MPn 測定・通信回路
RXa、RXb 通信中継回路
U1、U2 電池ケース
図1
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