(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022125598
(43)【公開日】2022-08-29
(54)【発明の名称】ゲームシステム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/497 20140101AFI20220822BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20220822BHJP
A63F 13/49 20140101ALI20220822BHJP
A63F 13/85 20140101ALI20220822BHJP
【FI】
A63F13/497
A63F13/45
A63F13/49
A63F13/85
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021023273
(22)【出願日】2021-02-17
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FLASH
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】三雲 壮哉
(72)【発明者】
【氏名】高野 瑞穂
(72)【発明者】
【氏名】恩田 明生
(72)【発明者】
【氏名】村井 伸太郎
(57)【要約】
【課題】早期にゲーム復帰を望むプレーヤの要望を参酌しつつ、ゲームを実行する上で参考になる画像を効率的にプレーヤに提供することが可能なゲームシステムなどを提供すること。
【解決手段】サーバ装置10は、ゲームが終了停止状態に設定されてから、当該ゲームの継続利用を準備するためのゲーム再開準備処理を実行し、当該ゲーム再開準備処理によってゲームの再開準備が整うまでの準備期間、又は、当該ゲーム再開準備処理を実行する際の各種の処理能力などのゲーム再開準備処理の処理状況に基づいて、リプレイ画像を生成する際の所与の生成条件を特定し、当該特定した生成条件に従って当該リプレイ画像を生成する構成を有している。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤの操作に基づいて所与のゲームを進行させるゲームシステムであって、
前記ゲームの進行を制御するゲーム制御処理を実行するゲーム制御手段と、
前記ゲーム制御処理が実行された際の前記ゲームに関するデータをリプレイ用のゲームデータとして記憶手段に記憶する記憶制御手段と、
前記ゲームの実行中に所与の終了条件及び所与の停止条件の少なくともいずれか一方を具備した場合に、当該ゲームを終了停止状態に設定する終了停止状態設定手段と、
前記終了停止状態に設定されたゲームの再開を可能とする再開可能状態に設定するための処理であって、当該ゲームを再開させるための準備をする準備処理を実行する再開準備処理手段と、
前記再開可能状態時に、所与の再開条件を具備した場合に、前記ゲームを再開するゲーム再開手段と、
前記終了停止状態に設定されたゲームのリプレイ用のゲームデータを用いて、当該終了停止状態に設定されてから前記再開可能状態に設定されるまでの期間に前記プレーヤに提供されるゲーム画像であって、当該終了停止状態のゲームのリプレイ用の画像を生成するリプレイ画像生成手段と、
前記準備処理の実行中に、前記生成されたリプレイ用の画像を前記プレーヤに提供するため、当該リプレイ用の画像に関する処理を実行する提供制御手段と、
を備え、
前記リプレイ画像生成手段が、
前記準備処理の処理状況に基づいて、前記リプレイ用の画像を生成する際の所与の生成条件を特定し、当該特定した生成条件に従って当該リプレイ用の画像を生成することを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のゲームシステムにおいて、
前記リプレイ画像生成手段が、
前記準備処理の処理状況としての、前記終了停止状態以降の所与のタイミングから前記再開可能状態になるまでの期間を示す準備期間の時間長に基づいて、前記生成条件を特定し、
当該特定した生成条件に基づいて、前記リプレイ用の画像を生成する、ゲームシステム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のゲームシステムにおいて、
前記プレーヤの端末装置と連動して前記ゲームが実行されるとともに、当該端末装置にリプレイ用の画像を含む前記ゲームに関する画像が提供される場合に、
前記リプレイ画像生成手段が、
前記端末装置の前記ゲームに関する処理能力、当該端末装置と通信を行う際の通信環境、及び、前記ゲーム制御処理の能力のうち、少なくとも1以上の前記準備処理の処理状況を規定する要素に基づいて、前記生成条件を特定し、
当該特定した生成条件に従って当該リプレイ用の画像を生成する、ゲームシステム。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のゲームシステムにおいて、
前記リプレイ用の画像を含むゲーム画像を表示手段に表示させる表示制御手段を更に備え、
前記リプレイ画像生成手段が、
前記準備処理の処理状況としての、前記ゲームに関する処理能力、及び、前記表示手段における表示能力に基づいて、前記生成条件を特定し、
当該特定した生成条件に従って当該リプレイ用の画像を生成する、ゲームシステム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記リプレイ画像生成手段が、
前記準備処理の処理状況としての、前記ゲームが再開される場合のゲーム状況に基づいて前記生成条件を特定し、
当該特定した生成条件に従って当該リプレイ用の画像を生成する、ゲームシステム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記リプレイ用の画像が生成される毎に、該当する準備処理の処理状況に関するデータと前記生成条件を示すデータとを対応付けて処理状況履歴データとして前記記憶手段に登録する登録手段を更に備え、
前記リプレイ画像生成手段が、
現在の前記準備処理の処理状況と、前記登録されている処理状況履歴データによって示される処理状況と、を比較する比較処理を実行し、
前記比較処理の結果によって、前記現在の前記準備処理の処理状況と、前記登録されている処理状況履歴データによって示される処理状況と、が同一の範囲であると判定した場合に、当該処理状況履歴データに対応付けられて登録されている生成条件を、現在の前記リプレイ用の画像を生成する際の生成条件として特定し、
当該特定した生成条件に従って当該リプレイ用の画像を生成する、ゲームシステム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記リプレイ画像生成手段が、
前記生成条件に基づいて、前記リプレイ用の画像として、前記終了停止状態以降の所与のタイミングから前記再開可能状態になるまでの特定期間以下の時間長を有する画像を生成する、ゲームシステム。
【請求項8】
請求項7に記載のゲームシステムにおいて、
前記リプレイ画像生成手段が、
前記特定期間以下の時間長を有する画像を生成するために、前記生成条件に基づいて、前記ゲームの実行時におけるゲームの進行速度よりも速い進行速度でゲームが進行する前記リプレイ用の画像を生成する、ゲームシステム。
【請求項9】
請求項7又は8に記載のゲームシステムにおいて、
前記リプレイ画像生成手段が、
前記特定期間以下の時間長を有する画像を生成するために、前記生成条件に基づいて、前記ゲームの実行時におけるゲームシーンの一部を間引くことによって前記リプレイ用の画像を生成する、ゲームシステム。
【請求項10】
請求項7~9のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記リプレイ用のゲームデータは、前記記憶手段に予め区切られたゲームシーン毎に記憶されているとともに、当該ゲームシーン毎に、リプレイ用の画像として優先的に利用される度合いを示す優先度の情報を有しており、
前記リプレイ画像生成手段が、
前記生成条件、かつ、前記優先度に基づいて、前記リプレイ用の画像を生成する、ゲームシステム。
【請求項11】
プレーヤの操作に基づいて所与のゲームを進行させるプログラムであって、
前記ゲームの進行を制御するゲーム制御処理を実行するゲーム制御手段、
前記ゲーム制御処理が実行された際の前記ゲームに関するデータをリプレイ用のゲームデータとして記憶手段に記憶する記憶制御手段、
前記ゲームの実行中に所与の終了条件及び所与の停止条件の少なくともいずれか一方を
具備した場合に、当該ゲームを終了停止状態に設定する終了停止状態設定手段、
前記終了停止状態に設定されたゲームの再開を可能とする再開可能状態に設定するための処理であって、当該ゲームを再開させるための準備をする準備処理を実行する再開準備処理手段、
前記再開可能状態時に、所与の再開条件を具備した場合に、前記ゲームを再開するゲーム再開手段、
前記終了停止状態に設定されたゲームのリプレイ用のゲームデータを用いて、当該終了停止状態に設定されてから前記再開可能状態に設定されるまでの期間に前記プレーヤに提供されるゲーム画像であって、当該終了停止状態のゲームのリプレイ用の画像を生成するリプレイ画像生成手段、及び、
前記準備処理の実行中に、前記生成されたリプレイ用の画像を前記プレーヤに提供するため、当該リプレイ用の画像に関する処理を実行する提供制御手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記リプレイ画像生成手段が、
前記準備処理の処理状況に基づいて、前記リプレイ用の画像を生成する際の所与の生成条件を特定し、当該特定した生成条件に従って当該リプレイ用の画像を生成することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム及びプログラムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、対戦ゲームにおいてライフエネルギがゼロになる、又は、シューティングゲームにおいて被弾するなどゲームの終了条件を満たすと、コンティニュー(継続して当該終了条件を満たした時点から再開させること)し、又は、最初からゲームを開始させるなど、再度、同一のゲームを実行可能にするものが知られている。
【0003】
また、プレーヤキャラクタ視点でゲーム中の世界・空間を任意で移動でき、武器もしくは素手などを用いて戦うFPS(ファースト・パーソン・シューティング)ゲーム(ファーストパーソンシューター)などアクションゲームやシューティングゲームにおいては、背後から攻撃された場合など、どのようにゲームが終了したか、プレーヤ本人が認識できていない場合も多い。
【0004】
そこで、最近では、このようなゲームにおいては、ゲームの終了条件を具備した状況をプレーヤに認識させて次のゲーム以降に役立ててもらうために、ゲームの終了条件を満たしてから(すなわち、ゲームオーバーになってから)、コンティニューにより、次のゲームが再開するまでの間に、プレーヤに対して、キルカメラとして、ゲーム終了条件を満たした状況(例えば、所定のタイミングから終了条件を満たすまでの一定の期間の状況)をリプレイさせたゲーム画像(以下、「リプレイ画像」ともいう。)を、提供するものが知られている(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】GAME IS BEST(ゲームに関する私的ブログサイト)[令和2年12月17日検索](URL:https://GAMEISBEST.JP/archives/9078)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記非特許文献1に記載のゲーム及びそれを提供するゲームシステムにあっては、ゲームの終了条件を具備した状況のリプレイ画像が単に提供されるだけであるため、可及的速やかにゲームを再開したいプレーヤにとっては煩わしく感じ、スキップ処理などによってゲーム終了時の振り返り画像を利用しないプレーヤも多い。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、早期にゲームを再開させて当該ゲームへの復帰を望むプレーヤの要望を参酌しつつ、ゲームを実行する上で参考になる画像を効率的にプレーヤに提供することが可能なゲームシステムなどを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記課題を解決するため、本発明は、
プレーヤの操作に基づいて所与のゲームを進行させるゲームシステムであって、
前記ゲームの進行を制御するゲーム制御処理を実行するゲーム制御手段と、
前記ゲーム制御処理が実行された際の前記ゲームに関するデータをリプレイ用のゲームデータとして記憶手段に記憶する記憶制御手段と、
前記ゲームの実行中に所与の終了条件及び所与の停止条件の少なくともいずれか一方を具備した場合に、当該ゲームを終了停止状態に設定する終了停止状態設定手段と、
前記終了停止状態に設定されたゲームの再開を可能とする再開可能状態に設定するための処理であって、当該ゲームを再開させるための準備をする準備処理を実行する再開準備処理手段と、
前記再開可能状態時に、所与の再開条件を具備した場合に、前記ゲームを再開するゲーム再開手段と、
前記終了停止状態に設定されたゲームのリプレイ用のゲームデータを用いて、当該終了停止状態に設定されてから前記再開可能状態に設定されるまでの期間に前記プレーヤに提供されるゲーム画像であって、当該終了停止状態のゲームのリプレイ用の画像を生成するリプレイ画像生成手段と、
前記準備処理の実行中に、前記生成されたリプレイ用の画像を前記プレーヤに提供するため、当該リプレイ用の画像に関する処理を実行する提供制御手段と、
を備え、
前記リプレイ画像生成手段が、
前記準備処理の処理状況に基づいて、前記リプレイ用の画像を生成する際の所与の生成条件を特定し、当該特定した生成条件に従って当該リプレイ用の画像を生成する、構成を有している。
【0009】
この構成により、本発明は、処理状況として、例えば、準備処理の期間(以下、「準備期間」ともいう。)に合わせて、当該準備処理を実行する上でのハードウェア及びソフトウエア的なスペックに合わせて、又は、通信能力に合わせてリプレイ用の画像を生成することができる。
【0010】
したがって、本発明は、ゲームの再開準備が整うまでの期間やその能力に応じて余計な部分を削ぎ落としててリプレイ用の画像をプレーヤに提供することができるので、早期にゲーム復帰を望むプレーヤの要望を参酌しつつ、ゲームを実行する上で参考になる画像を効率的にプレーヤに提供することができる。
【0011】
なお、「所与のゲーム」には、シューティングゲーム、対戦ゲーム(アクションゲームやスポーツゲーム)、音ゲーム、パズルゲーム、レースゲーム、シミュレーションゲーム、及び、RPGなどが含まれる。
【0012】
そして、「ゲーム制御処理」には、プレーヤの操作指示に基づいてプレーヤキャラクタを含めたゲームを進行させる制御処理だけでなく、対戦ゲームなどの他のプレーヤの操作指示によってプレーヤキャラクタも制御する制御処理、及び、NPCなどの自動演算に基づいてゲームに登場する各キャラクタを制御する制御処理などゲームに関する各種の制御処理が含まれる。
【0013】
また、ゲームデータには、例えば、
(A1)プレーヤの操作指示(対戦ゲームなどの複数のプレーヤによって実行される場合には各プレーヤの操作指示)のデータ、
(A2)プレーヤキャラクタ(複数のプレーヤがゲームに参戦する場合には複数のプレーヤキャラクタ)の位置(ゲーム空間内の座標。以下同じ。)・動き(プレーヤキャラクタの各パーツの位置。すなわち、ゲーム空間内の座標以下同じ。)・ステイタスを規定するための制御データ、及び、
(A3)ゲームに登場する各キャラクタ(例えば、敵プレーヤキャラクタを含む。)の位置・動き・ステイタスを規定するための制御データ、
(A4)ゲーム空間を構成する各オブジェクトの位置・動き・ステイタスを規定するための制御データ、
が含まれる。
【0014】
さらに、「所与の終了条件」には、例えば、
(B1)ライフエネルギのパラメータ値又はライフエネルギ数がゼロになること、
(B2)ゲーム中にプレーヤキャラクタが被弾すること、及び、
(B3)制限時間内に与えられたタスクをクリアすることができなかったこと、
などが含まれる。
【0015】
またさらに、「所与の終了条件」には、例えば、
(C1)プレーヤの操作指示に基づいて、ゲームの進行について一時停止を行ったこと、(C2)端末装置20自体のエラーや通信のエラーなどによって進行中のゲームについて強制的に中断されたこと、及び、
(C3)他のプレーヤによって進行中のゲームに参加してきたこと、
などが含まれる。
【0016】
そして、「終了停止状態」とは、ゲームが終了した状態であって、例えば、電源をオフ(スリープ状態や一時停止状態も含む。)する前、又は、コンティニュー(終了停止状態時点の状況に基づいてゲームを再開させること)をする前の状態であることを示す。
【0017】
上記に加えて、「再開条件」には、例えば、プレーヤが所定のボタンを押したなどの所定の操作が実行されたこと、及び、ゲーム終了停止状態から所定の時間が経過されたこと、が含まれる。
【0018】
また、「準備処理」とは、ゲームの再開時に利用するゲームマップのロード、ゲーム終了時のプレーヤ又は当該プレーヤのアイテムなどのゲーム状況の復元、又は、ゲーム再開にあたりリセットする情報の初期化、などのゲームが再開されてから(コンティニューされてから)進行させるための各種の処理を示す。
【0019】
そして、「処理状況」とは、例えば、
(D1)準備処理が終了するまでの準備期間、
(D2)準備処理を実行するための処理能力(メモリやCPUなどのハードウェア又はソフトウエア的なゲーム処理能力(いわゆるデバイス的なスペック)及びデータ伝送速度などの通信能力を含む。)、及び、
(D3)ゲームが終了停止状態となった時点のゲーム状況、
を含む。
【0020】
さらに、「所与の生成条件」には、例えば、リプレイ用の画像の時間長、解像度、及び、伝送速度などが含まれる。
【0021】
そして、「リプレイ用の画像に関する処理」とは、プレーヤの端末装置を用いてゲームを実行している場合には、当該端末装置で再生させるために再生可能なリプレイ用の画像データを提供する処理を実行すること、又は、スタンドアローンのゲームシステムによってゲームを実行している場合には、当該リプレイ用の画像を表示手段などに表示させる表示制御処理を実行することを示す。
【0022】
(2)また、本発明は、
前記リプレイ画像生成手段が、
前記準備処理の処理状況としての、前記終了停止状態以降の所与のタイミングから前記ゲーム再開状態になるまでの期間を示す準備期間の時間長に基づいて、前記生成条件を特定し、
当該特定した生成条件に基づいて、前記リプレイ用の画像を生成する、構成を有している。
【0023】
この構成により、本発明は、準備処理の期間(すなわち、準備期間)に、例えば、生成条件としてのリプレイ用の画像の時間長を合わせれば、ゲームの再開準備が整うまでの期間に応じて余計な部分を削ぎ落としてリプレイ用の画像をプレーヤに提供することができる。
【0024】
なお、「所与のタイミング」とは、原則、終了停止状態のタイミングを示すが、ゲームの再開にあたり準備を開始したタイミングが終了停止状態となったタイミングと異なる場合には、当該終了停止状態となったタイミング以降のタイミングであってもよいことを示す。
【0025】
(3)また、本発明は、
前記プレーヤの端末装置と連動して前記ゲームが実行されるとともに、当該端末装置にリプレイ用の画像を含む前記ゲームに関する画像が提供される場合に、
前記リプレイ画像生成手段が、
前記端末装置の前記ゲームに関する処理能力、当該端末装置と通信を行う際の通信環境、及び、前記ゲーム制御処理の能力のうち、少なくとも1以上の前記準備処理の処理状況を規定する要素に基づいて、前記生成条件を特定し、
当該特定した生成条件に従って当該リプレイ用の画像を生成する、構成を有している。
【0026】
この構成により、本発明は、例えば、端末装置などの能力や端末装置との通信能力に応じて、リプレイ用の画像を生成することができる。
【0027】
したがって、本発明は、端末装置やゲームシステム自体の能力、又は、端末装置との通信能力によって準備処理が長引きそうな場合又は当該準備処理が短時間で終了しそうな場合など、ゲームの再開準備が整うまでの状況に応じて適したリプレイ用の画像をプレーヤに提供することができる。
【0028】
なお、「端末装置の処理能力」、及び、「ゲーム制御処理の能力」とは、例えば、使用可能なメモリ容量、CPUのコア数、及び、当該CPUのクロック周波数などのハードウェア又はソフトウエア的な端末装置やゲームシステムのスペックを含む。
【0029】
また、「通信環境」とは、端末装置とゲームシステムとの間の通信回線に関する環境であって、例えば、通信周波数帯、データ伝送速度、空きチャンネル数、又は、有線で実行するか無線化で実行するかなどを示す。
【0030】
また、「特定した生成条件に従って当該リプレイ用の画像を生成する」とは、端末装置やゲームシステムのゲームに関する処理能力、又は、通信環境のみなどによって生成条件を特定してもよいし、例えば、準備期間の期間長を含めて当該生成条件を特定してもよいことを示す。
【0031】
(4)また、本発明は、
前記リプレイ用の画像を含むゲーム画像を表示手段に表示させる表示制御手段を更に備え、
前記リプレイ画像生成手段が、
前記準備処理の処理状況としての、前記ゲームに関する処理能力、及び、前記表示手段における表示能力に基づいて、前記生成条件を特定し、
当該特定した生成条件に従って当該リプレイ用の画像を生成する、構成を有している。
【0032】
この構成により、本発明は、例えば、CPUやメモリ、又は、表示手段(表示装置)などの処理能力に応じて、リプレイ用の画像を生成することができるので、当該処理能力によって準備処理が長引きそうな場合、又は、短時間で終了しそうな場合など、ゲームの再開準備が整うまでの状況に応じて適したリプレイ用の画像をプレーヤに提供することができる。
【0033】
なお、「処理能力」とは、上述と同様に、例えば、メモリ容量やCPUのコア数や周波数などのハードウェア又はソフトウエア的な端末装置のスペックを含む。
【0034】
また、「表示能力」とは、解像度や応答速度(表示パネルなど表示手段に画像信号を入力してから表示手段に画像が表示までの時間)などを示す。
【0035】
(5)また、本発明は、
前記リプレイ画像生成手段が、
前記準備処理の処理状況としての、前記ゲームが再開される場合のゲーム状況に基づいて前記生成条件を特定し、
当該特定した生成条件に従って当該リプレイ用の画像を生成する、構成を有している。
【0036】
この構成により、本発明は、例えば、ゲーム再開時のプレーヤの操作対象であるプレーヤキャラクタが配置されるゲームマップ上の位置やその周囲の環境などのゲーム状況を準備処理の処理状況として特定することができる。
【0037】
したがって、本発明は、ゲーム再開時のゲーム状況によって準備処理が長引きそうな場合、又は、短時間で終了しそうな場合など、ゲームの再開準備が整うまでの状況に応じて適したリプレイ用の画像をプレーヤに提供することができる。
【0038】
なお、「ゲームが再開される場合のゲーム状況」には、例えば、ゲーム再開時のプレーヤの操作対象であるプレーヤキャラクタが配置されるゲームマップ上の位置、当該配置された位置の周囲の状況(敵キャラクタの数や配置状況)、及び、当該敵キャラクタの姿形や各種のオブジェクトの形状を含む周囲の環境などの状況が含まれる。
【0039】
また、「特定した生成条件に従って当該リプレイ用の画像を生成する」とは、ゲームが再開される場合のゲーム状況のみによって生成条件を特定してもよいし、例えば、準備期間の期間長、端末装置の前記ゲームに関する処理能力、又は、通信環境などの他の要素を含めて当該生成条件を特定してもよいことを示す。
【0040】
(6)また、本発明は、
前記リプレイ画像が生成される毎に、該当する準備処理の処理状況に関するデータと前記生成条件を示すデータとを対応付けて処理状況履歴データとして前記記憶手段に登録する登録手段を更に備え、
前記リプレイ画像生成手段が、
現在の前記準備処理の処理状況と、前記登録されている処理状況履歴データによって示される処理状況と、を比較する比較処理を実行し、
前記比較処理の結果によって、前記現在の前記準備処理の処理状況と、前記登録されている処理状況履歴データによって示される処理状況と、が同一の範囲であると判定した場合に、当該処理状況履歴データに対応付けられて登録されている生成条件を、現在の前
記リプレイ用の画像を生成する際の生成条件として特定し、
当該特定した生成条件に従って当該リプレイ用の画像を生成する、構成を有している。
【0041】
この構成により、本発明は、過去のデータに基づいて準備処理の処理状況を特定し、かつ、当該特定した準備処理の処理状況に基づく生成条件を特定することができるので、容易にかつ確実にその場の状況に応じたリプレイ画像を提供することができる。
【0042】
なお、「準備処理の処理状況に関するデータ」とは、例えば、準備期間、端末装置と連動してゲームを実行する場合のゲームに関する処理能力・当該端末装置と通信を行う際の通信環境・ゲーム制御処理の能力、及び、ゲームが再開された場合のゲーム状況などのデータを含む。
【0043】
(7)また、本発明は、
前記リプレイ画像生成手段が、
前記生成条件に基づいて、前記リプレイ用の画像として、前記終了停止状態以降の所与のタイミングから前記再開可能状態になるまでの特定期間以下の時間長を有する画像を生成する、構成を有している。
【0044】
この構成により、本発明は、ゲーム再開にあたり必須な期間のみリプレイ用の画像をプレーヤに提供することができるので、早期にゲーム復帰を望むプレーヤの要望を参酌しつつ、ゲームを実行する上で参考になる画像を効率的にプレーヤに提供することができる。
【0045】
なお、「特定期間」とは、準備期間と同一の期間であってもよいし、終了停止状態以降のタイミングから開始されていれば、当該準備期間の開始タイミングよりも早いタイミングから開始されてもよいし、当該準備期間の開始タイミングよりも遅いタイミングから開始されてもよいことを示す。
【0046】
(8)また、本発明は、
前記リプレイ画像生成手段が、
前記特定期間以下の時間長を有する画像を生成するために、前記生成条件に基づいて、前記ゲームの実行時におけるゲームの進行速度よりも速い進行速度でゲームが進行する前記リプレイ用の画像を生成する、構成を有している。
【0047】
この構成により、本発明は、多くのゲームシーンをプレーヤに視聴させることができるとともに、指定された時間長に合わせてリプレイ用の画像を容易に生成させることができる。
【0048】
なお、「進行速度」とは、ゲーム画像が再生される際の再生速度を示し、例えば、ゲーム中の再生速度が「1」の場合には、それよりも早い再生速度を示す。
【0049】
(9)また、本発明は、
前記リプレイ画像生成手段が、
前記特定期間以下の時間長を有する画像を生成するために、前記生成条件に基づいて、前記ゲームの実行時におけるゲームシーンの一部を間引くことによって前記リプレイ用の画像を生成する、構成を有している。
【0050】
この構成により、本発明は、多くのゲームシーンをプレーヤに視聴させることができるとともに、指定された時間長にリプレイ用の画像を容易に生成させることができる。
【0051】
なお、「ゲームシーンの一部を間引く」とは、予め設定されたシーンそのものを間引いてもよいし、当該ゲームシーンのフレーム数を少なくしてもよい。
【0052】
(10)また、本発明は、
前記リプレイ用のゲームデータは、前記記憶手段に予め区切られたゲームシーン毎に記憶されているとともに、当該ゲームシーン毎に、リプレイ用の画像として優先的に利用される度合いを示す優先度の情報を有しており、
前記リプレイ画像生成手段が、
前記生成条件、かつ、前記優先度に基づいて、前記リプレイ用の画像を生成する、構成を有している。
【0053】
この構成により、本発明は、重要なゲームシーンをプレーヤに確実に視聴させることができるとともに、指定された時間長にリプレイ用の画像を容易に生成させることができる。
【0054】
なお、例えば、「優先度」とは、例えば、予めシーンの種別毎に分類されて付与されている値であって、プレーヤキャラクタやプレーヤのゲーム上のエネルギーなどがダメージを受けたシーン、及び、ゲームの終了停止状態に移行する「決め手」となったシーンが高い優先度となるように設定されていることが好ましい。
【0055】
例えば、終了停止状態に移行する「決め手」となったシーンとは、
(E1)最後の攻撃や大きなダメージを受けたシーン、
(E2)プレーヤキャラクタの視界とは異なる方向からの攻撃、
(E3)敵キャラクタからの必殺技を受けたシーン、
(E4)プレーヤの操作が入力されたシーン、及び、
(E5)ゲーム空間内を画像化するために用いた仮想カメラによって画像化されていない(すなわち、写っていない)、
などが含まれる。
【0056】
(11)また、上記課題を解決するため、本発明は、
プレーヤの操作に基づいて所与のゲームを進行させるプログラムであって、
前記ゲームの進行を制御するゲーム制御処理を実行するゲーム制御手段、
前記ゲーム制御処理が実行された際の前記ゲームに関するデータをリプレイ用のゲームデータとして記憶手段に記憶する記憶制御手段、
前記ゲームの実行中に所与の終了条件及び所与の停止条件の少なくともいずれか一方を具備した場合に、当該ゲームを終了停止状態に設定する終了停止状態設定手段、
前記終了停止状態に設定されたゲームの再開を可能とする再開可能状態に設定するための処理であって、当該ゲームを再開させるための準備をする準備処理を実行する再開準備処理手段、
前記再開可能状態時に、所与の再開条件を具備した場合に、前記ゲームを再開するゲーム再開手段、
前記終了停止状態に設定されたゲームのリプレイ用のゲームデータを用いて、当該終了停止状態に設定されてから前記再開可能状態に設定されるまでの期間に前記プレーヤに提供されるゲーム画像であって、当該終了停止状態のゲームのリプレイ用の画像を生成するリプレイ画像生成手段、及び、
前記準備処理の実行中に、前記生成されたリプレイ用の画像を前記プレーヤに提供するため、当該リプレイ用の画像に関する処理を実行する提供制御手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記リプレイ画像生成手段が、
前記準備処理の処理状況に基づいて、前記リプレイ用の画像を生成する際の所与の生
成条件を特定し、当該特定した生成条件に従って当該リプレイ用の画像を生成する、構成を有している。
【0057】
この構成により、本発明は、処理状況として、例えば、準備処理の期間に合わせて、当該準備処理を実行する上でのハードウェア及びソフトウエア的なスペックに合わせて、又は、通信能力に合わせてリプレイ用の画像を生成することができる。
【0058】
したがって、本発明は、ゲームの再開準備が整うまでの期間やその能力に応じて余計な部分を削ぎ落としててリプレイ用の画像をプレーヤに提供することができるので、早期にゲーム復帰を望むプレーヤの要望を参酌しつつ、ゲームを実行する上で参考になる画像を効率的にプレーヤに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【
図1】一実施形態のゲームシステムの構成を示すシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】一実施形態のサーバ装置の機能ブロックを示す図である。
【
図3】一実施形態の端末装置の機能ブロックを示す図である。
【
図4】一実施形態におけるゲーム終了時のリプレイ画像の生成を含むゲーム再開準備処理を説明するための図である。
【
図5】一実施形態のゲームデータの例を示す図である。
【
図6】一実施形態のリプレイデータの例を示す図である。
【
図7】一実施形態において、ゲームの終了停止状態から当該ゲームの再開状態になるまでの期間において、リプレイ画像生成処理を実行する際のゲーム再開制御処理とリプレイ画像提供制御処理の関係を示す図(その1)である。
【
図8】一実施形態において、ゲームの終了停止状態から当該ゲームの再開状態になるまでの期間において、リプレイ画像生成処理を実行する際のゲーム再開制御処理とリプレイ画像提供制御処理の関係を示す図(その2)である。
【
図9】一実施形態のサーバ装置によって実行されるゲーム終了時のリプレイ画像生成処理を含むゲーム再開準備処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0060】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0061】
[1]ゲームシステム
まず、
図1を用いて本実施形態のゲームシステム1の概要及び概要構成について説明する。なお、
図1は、本実施形態のゲームシステム1の構成を示すシステム構成の一例を示す図である。
【0062】
本実施形態のゲームシステム1は、
図1に示すように、ゲームサービスを提供するサーバ装置10と、端末装置20(例えば、端末装置20A、20B、20C)とが、インターネット(ネットワークの一例)に接続可能に構成されている。
【0063】
ユーザは、端末装置20からサーバ装置10にアクセスすることにより、インターネットを介してサーバ装置10から送信されてくるゲームをプレイすることができる。さらに、ユーザは端末装置20からサーバ装置10にアクセスすることにより、他のユーザとの間でコミュニケーションを図ることができるようになっている。
【0064】
サーバ装置10は、インターネットを介して通信接続された端末装置20を用いて、ユーザにゲームをプレイさせるサービスを提供することが可能な情報処理装置である。また
、サーバ装置10は、コミュニケーション型のサービスを提供するSNSサーバとして機能してもよい。ここで、SNSサーバとは、複数のユーザ間でコミュニケーションを提供することが可能なサービスを提供する情報処理装置であってもよい。
【0065】
また、サーバ装置10は、例えば、SNSサーバとして機能する場合には、提供するSNSの動作環境(API(アプリケーションプログラミングインタフェース)、プラットフォーム等)を利用して実行されるソーシャルゲーム(Social Game)をと呼ばれるゲームを提供することができるようになっている。
【0066】
特に、サーバ装置10は、端末装置20のWebブラウザ上で提供されるゲーム、例えばHTML、FLASH、CGI、PHP、shockwave、Java(登録商標)アプレット、JavaScript(登録商標)など様々な言語で作られたブラウザゲーム(Webブラウザで設置サイトを開くだけで起動するゲーム)を提供することができるようになっている。
【0067】
なお、ソーシャルゲームとは、既存のオンラインゲームとは違い、専用のクライアントソフトウェアを必要とせず、WebブラウザとSNSのアカウントのみで利用可能なゲームが含まれる。また、サーバ装置10は、ネットワークを介して他のユーザの端末(スマートフォン、パソコン、ゲーム機など)と接続し、オンラインで同時に同じゲーム進行を共有することができるオンラインゲームを提供することが可能な構成を有している。
【0068】
一方、サーバ装置10は、1つの(装置、プロセッサ)で構成されていてもよいし、複数の(装置、プロセッサ)で構成されていてもよい。
【0069】
そして、サーバ装置10の記憶領域(後述する記憶部140)に記憶される課金情報、ゲーム情報等の情報を、ネットワーク(イントラネット又はインターネット)を介して接続されたデータベース(広義には記憶装置、メモリ)に記憶するようにしてもよいし、SNSサーバとして機能する場合には、記憶領域に記憶されるプレーヤ情報記憶部146等の情報を、ネットワーク(イントラネット又はインターネット)を介して接続されたデータベース(広義には記憶装置、メモリ)に記憶するようにしてもよい。
【0070】
具体的には、本実施形態のサーバ装置10は、端末装置20のユーザ(すなわち、ゲームを実行するプレーヤ)の操作に基づく入力情報を受信し、受信した入力情報に基づいてゲーム処理を行うようになっている。そして、サーバ装置10は、ゲーム処理結果を端末装置20に送信し、端末装置20は、サーバ装置10から受信したゲーム処理結果を端末装置20にユーザに閲覧可能に提供する各種の処理を行うようになっている。
【0071】
端末装置20は、スマートフォン、携帯電話、コンピュータ、ゲーム装置、PDA、タブレット、携帯型ゲーム機等、画像生成装置などの情報処理装置であり、インターネット(WAN)、LANなどのネットワークを介してサーバ装置10に接続可能な装置である。なお、端末装置20とサーバ装置10との通信回線は、有線でもよいし無線でもよい。
【0072】
また、端末装置20は、Webページ(HTML形式のデータ)を閲覧可能なWebブラウザを備えている。すなわち、端末装置20は、サーバ装置10との通信を行うための通信制御機能、及びサーバ装置10から受信したデータ(Webデータ、HTML形式で作成されたデータなど)を用いて表示制御を行うとともに、ユーザ操作のデータをサーバ装置10に送信するWebブラウザ機能などを備え、ゲーム画面をユーザに提供する各種の処理を実行し、ユーザによってゲームを実行させるようになっている。ただし、端末装置20は、サーバ装置10から提供されたゲーム制御情報を取得して所定のゲーム処理を実行し、ゲーム処理に基づくゲームを実行してもよい。
【0073】
具体的には、端末装置20は、所定ゲームを行う旨の要求をサーバ装置10に対して行うと、サーバ装置10のゲームサイトに接続され、ゲームが開始される。特に、端末装置20は、必要に応じてAPIを用いることにより、SNSサーバとして機能するサーバ装置10に所定の処理を行わせ、又は、SNSサーバとして機能するサーバ装置10が管理するプレーヤ情報記憶部146を取得させてゲームを実行する構成を有している。
【0074】
[2]サーバ装置
次に、
図2を用いて本実施形態のサーバ装置10について説明する。なお、
図2は、本実施形態のサーバ装置10の機能ブロックを示す図である。また、本実施形態のサーバ装置10は
図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0075】
サーバ装置10は、管理者やその他の入力に用いるための入力部120、所定の表示を行う表示部130、所定の情報が記憶された情報記憶媒体180、端末装置20やその他と通信を行う通信部196、主に提供するゲームに関する処理を実行する処理部100、及び、主にゲームに用いる各種のデータを記憶する記憶部140を含む。
【0076】
入力部120は、システム管理者等がゲームに関する設定やその他の必要な設定、データの入力に用いるものである。例えば、本実施形態の入力部120は、マウスやキーボード等によって構成される。
【0077】
表示部130は、システム管理者用の操作画面を表示するものである。例えば、本実施形態の表示部130は、液晶ディスプレイ等によって構成される。
【0078】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などによって構成される。
【0079】
通信部196は、外部(例えば、端末、他のサーバや他のネットワークシステム)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどによって構成される。
【0080】
記憶部140は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能は、RAM(VRAM)などによって構成される。なお、記憶部140に記憶される情報は、データベースで管理してもよい。また、記憶部140は、本発明の記憶手段を構成する。
【0081】
また、本実施形態の記憶部140は、主記憶部142の他に、ゲームに関する情報を示すゲーム情報が記憶されるゲームデータ記憶部144、並びに、各プレーヤに関する情報を示すプレーヤ情報及びプレーヤのゲームに関する情報(以下、「プレーヤ関連情報」という。)記憶されるプレーヤ情報記憶部146、並びに、ゲームオーバー(すなわち、ゲーム終了停止状態)となったゲームを再開するために必要なデータが記憶されるゲーム再開用データ記憶部148を有している。
【0082】
特に、ゲームデータ記憶部144には、ゲームマップ、ゲームに用いられる各オブジェクトの情報、各種のテーブル情報、各プレーヤのプレーヤキャラクタに関する情報、及び、各種の判定に用いる条件情報などゲームを実行する上で必要な各種の情報が記憶される。
【0083】
また、プレーヤ情報記憶部146には、プレーヤ毎に、プレーヤのニックネームやプレーヤIDなどの識別情報及びチームに属している場合には、所属チーム名やそのID(以下、「所属情報」という。)に対応付けて、プレーヤに関する情報、及び、プレーヤキャラクタに関する情報など、プレーヤ関連情報が記憶される。
【0084】
特に、本実施形態においては、プレーヤ情報記憶部146には、プレーヤ毎に、過去に実施したゲームの内容をプレーヤにリプレイとして視聴させるためのデータ(以下、「リプレイ用データ」という。)が記憶される。
【0085】
例えば、リプレイ用データには、
(A1)プレーヤによってゲームが実行された際の当該プレーヤの操作入力データ、及び、
(A2)プレーヤの操作入力に応じて、プレーヤキャラクタなどを制御してゲームの進行を制御する処理(以下、「ゲーム制御処理」という。)をするためのデータ(以下、「ゲーム実行データ」という。)、
の少なくともいずれかかが含まれる。
【0086】
さらに、ゲーム再開用データ記憶部148には、ゲームオーバー時のゲーム状況を示すデータ(以下、「ゲーム状況データ」という。)が記憶される。
【0087】
例えば、ゲームオーバー時のゲーム状況データには、プレーヤキャラクタが配置されるゲームマップ上の位置、当該配置された位置の周囲の状況(敵キャラクタの数や配置状況)、及び、当該敵キャラクタの姿形や各種のオブジェクトの形状を含む周囲の環境などを特定するためのデータが含まれる。
【0088】
処理部100は、記憶部140内の主記憶部142をワーク領域として各種処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0089】
処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。
【0090】
例えば、処理部100(プロセッサ)は、情報記憶媒体に記憶されているプログラムに基づいて、サーバ装置10全体の制御を行うとともに、各部間におけるデータ等の受け渡しの制御などの各種の処理を行う。さらに、端末装置20からの要求に応じた各種サービスを提供する処理を行う。
【0091】
具体的には、本実施形態の処理部100は、通信制御部101、Web処理部102、ゲーム管理部103、リプレイデータ管理部105、ゲーム再開制御部106、リプレイ画像生成部107、タイマ管理部109、及び、情報提供部110を少なくとも有している。
【0092】
なお、例えば、本実施形態のゲーム管理部103は、本発明のゲーム制御手段、終了停止状態設定手段及びゲーム再開手段を構成し、リプレイデータ管理部105は、本発明の記憶制御手段を構成する。また、例えば、本実施形態のゲーム再開制御部106は、本発明の再開準備処理手段を構成し、リプレイ画像生成部107は、本発明のリプレイ画像生成手段を構成する。さらに、例えば、情報提供部110は、本発明の提供制御手段を構成する。
【0093】
通信制御部101は、端末装置20とネットワークを介してデータを送受信する処理を行う。すなわち、サーバ装置10は、通信制御部101によって端末装置20等から受信した情報に基づいて各種処理を行う。特に、本実施形態の通信制御部101は、プレーヤの端末装置20からの要求に基づいて、ゲーム画面を、当該プレーヤの端末装置20に送信する処理を行う。
【0094】
特に、通信制御部101は、端末装置20に送信するパケットを生成する処理、パケット送信先の端末装置のIPアドレスやポート番号を指定する処理、受信したパケットに含まれるデータをプレーヤ情報記憶部146に保存する処理、受信したパケットを解析する処理、その他のパケットの送受信に関する制御処理等を行う。
【0095】
Web処理部102は、Webサーバとして機能する。例えば、Web処理部102は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)等の通信プロトコルを通じて、端末装置20にインストールされているWebブラウザ211の要求に応じてデータを送信する処理、及び、端末装置20のWebブラウザ211によって送信されるデータを受信する処理を行う。
【0096】
なお、本実施形態では、サーバ装置10がSNSサーバとしての機能も備えていている場合を例に説明するが、サーバ装置10を、ゲーム用のサーバと、SNS用のサーバと別々に形成してもよい。また、本実施形態のゲームの処理は、サーバ装置10が一部又は全部を行ってもよいし、端末装置20が一部を行ってもよい。
【0097】
ゲーム管理部103は、端末装置20と連動し、仮想空間としてのゲーム空間を構築し、当該端末装置20を介して入力されたプレーヤの操作に基づいて、各プレーヤにおいてシューティングゲーム、対戦ゲーム(アクションゲームやスポーツゲーム)、音ゲーム、パズルゲーム、レースゲーム、シミュレーションゲーム、及び、RPGに関する各種のゲーム処理を実行する。
【0098】
特に、ゲーム管理部103は、プレーヤ毎に、該当するプレーヤの操作に基づいて、当該プレーヤが実行するゲームの進行に係る処理を実行する。
【0099】
例えば、ゲーム管理部103は、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理(以下、「ゲーム開始処理」ともいう。)、プレーヤの操作入力に応じて、プレーヤキャラクタを制御して各種のゲームの進行を制御するゲーム制御処理、ゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理(以下、「ゲーム終了処理」ともいう。)、最終ステージをクリアした場合にはエンディングを進行させる処理、ゲーム終了処理の実行時に終了したゲーム(ゲームオーバーとなったゲーム)に対して所与の条件が具備された場合に当該終了したゲームを再開(コンティニュー)させるための処理などがある。
【0100】
リプレイデータ管理部105は、プレーヤ毎に、プレーヤの操作入力に応じて、ゲームの進行を制御するゲーム制御処理が実行された際のプレーヤの操作入力指示のデータ(すなわち、操作入力データ)、ゲーム制御処理によって実行された各種のデータ(以下、「ゲーム制御データ」という。)、又は、これら双方データを、ゲーム毎にリプレイ用のゲームデータ(以下、「リプレイデータ」ともいう。)として、プレーヤ情報記憶部146に記憶する。
【0101】
また、リプレイデータ管理部105は、プレーヤ情報記憶部146に記憶されたリプレイデータに基づいてゲームを再開するための準備を行う処理(以下、「ゲーム再開準備処理」という。)が実行される際(例えば、ゲームが終了した際)、当該記憶されているリ
プレイデータを取得してリプレイ画像生成部107に提供する。
【0102】
ゲーム再開制御部106は、前記終了停止状態に設定されたゲームの再開を準備し、かつ、当該ゲームの再開が可能となる再開可能状態に設定するためのゲーム再開準備処理を実行する。
【0103】
リプレイ画像生成部107は、ゲーム再開準備処理中に、リプレイデータ管理部115を介してプレーヤ情報記憶部146に記憶されているリプレイデータを読み出し、ゲームが終了したタイミング以降であってゲームが再開される準備が整うまでの期間(以下、「準備期間」という。)に、当該読み出したリプレイデータに従って、終了したゲームのプレイ内容をリプレイ画像として画像化する。
【0104】
タイマ管理部109は、タイマ機能を有し、ゲームの進行状況を管理するために用いる。特に、タイマ管理部109は、ゲーム管理部103と連動し、現在時刻や予め設定された時刻を各部に出力する。また、タイマ管理部109は、各端末装置と同期を取るために用いられる。
【0105】
情報提供部110は、端末装置20によってゲームを処理させるため各種のゲーム情報を生成して該当する端末装置20に提供する。
【0106】
具体的には、情報提供部110は、各プレーヤの対象プレーヤキャラクタを該当する端末装置20によって制御するための情報(すなわち、ゲーム情報)を生成し、生成したゲーム情報を該当する端末装置20を介してプレーヤに提供する。
【0107】
特に、情報提供部110は、リプレイ画像生成部107によって生成されたリプレイ用の画像(すなわち、リプレイ画像)のデータ(以下、「リプレイ画像データ」という。)を該当するプレーヤの端末装置20に送信する。
【0108】
そして、情報提供部110は、リプレイ画像データを受信した当該端末装置20に対して当該受信したリプレイ画像データの再生制御を実行し、リプレイ画像をプレーヤに提供する。
【0109】
[3]端末装置
次に、
図3を用いて本実施形態の端末装置20について説明する。なお、
図3は、本実施形態の端末装置20の機能ブロックを示す図である。また、本実施形態の端末装置20は
図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0110】
入力部260は、プレーヤからの入力情報を入力するための機器であり、プレーヤの入力情報を処理部200に出力する。本実施形態の入力部260は、プレーヤの入力情報(入力信号)を検出する検出部262を備える。入力部260は、例えば、レバー、ボタン、ステアリング、マイク、タッチパネル型ディスプレイ、キーボード、マウスなどがある。
【0111】
記憶部270は、処理部200や通信部296などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(VRAM)などにより実現できる。そして、本実施形態の記憶部270は、ワーク領域として使用される主記憶部271と、最終的な表示画像等が記憶される画像バッファ272とを含む。なお、これらの一部を省略する構成としてもよい。
【0112】
情報記憶媒体280(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディス
ク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。
【0113】
処理部200は、情報記憶媒体280に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。情報記憶媒体280には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶することができる。
【0114】
なお、本実施形態では、サーバ装置10が有する情報記憶媒体180や記憶部140に記憶されている本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムやゲームデータを、ネットワークを介して受信し、受信したプログラムやデータを情報記憶媒体280に記憶する。サーバ装置10から受信したプログラムやデータを記憶部270に記憶してもよい。このようにプログラムやデータを受信してネットワークシステムを機能させる場合も本発明の範囲内に含む。
【0115】
表示部290は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイ、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などにより実現できる。音出力部292は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0116】
通信部296は、外部(例えば他の端末、サーバ)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0117】
処理部200(プロセッサ)は、通信部296を介してサーバ装置10から取得したゲーム情報やゲーム制御情報、取得し入力部260からの入力情報、又は、やプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、表示制御、画像生成処理、或いは音生成処理などの処理を行う。
【0118】
この処理部200は、記憶部270内の主記憶部271をワーク領域として各種処理を行う。処理部200の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0119】
処理部200は、通信制御部210、Webブラウザ211、ゲーム処理部212、表示制御部213、描画部220、音処理部230を含む。なおこれらの一部を省略する構成としてもよい。
【0120】
通信制御部210は、サーバ装置10、それぞれとデータを送受信する処理を行う。また、通信制御部210は、サーバ装置10から受信したデータを記憶部270に格納する処理、受信したデータを解析する処理、その他のデータの送受信に関する制御処理等を行う。
【0121】
なお、通信制御部210は、サーバの宛先情報(IPアドレス、ポート番号)を情報記憶媒体280に記憶し、管理する処理を行うようにしてもよい。そして、通信制御部210は、プレーヤからの通信開始の入力情報を受け付けた場合に、サーバ装置10との通信を行うようにしてもよい。
【0122】
特に、通信制御部210は、サーバ装置10にプレーヤの識別情報や操作情報を送信して、プレーヤ情報記憶部146に関するデータ(プレーヤのWebページ、ゲーム画面等)をサーバ装置10から受信する処理を行う。
【0123】
なお、通信制御部210は、所定周期でサーバ装置10とデータ送受信を行ってもよいし、入力部260からの入力情報を受け付けた場合に、サーバ装置10とデータ送受信を行ってもよい。特に、本実施形態の通信制御部210は、ゲーム画面を、サーバ装置10から受信する処理を行う。
【0124】
Webブラウザ211は、Webページ(ゲーム画面)を閲覧するためのアプリケーションプログラムであって、Webサーバ(サーバ装置10)から、HTMLファイルや画像ファイル等をダウンロードし、レイアウトを解析して表示制御する。また、Webブラウザ211は、入力フォーム(リンクやボタンやテキストボックス等)を用いてデータをWebサーバ(サーバ装置10)に送信する。
【0125】
本実施形態のWebブラウザ211は、ブラウザゲームを実現することができる。例えば、Webブラウザ211は、Webサーバ(サーバ装置10)から受信したJavaScript(登録商標)、FLASH、Java(登録商標)等で記述されたプログラムを実行するものであってもよい。
【0126】
端末装置20は、Webブラウザ211によって、インターネットを介してURLによって指定されたWebサーバからの情報を表示させることができる。例えば、端末装置20は、サーバ装置10から受信したゲーム画面(HTML等のデータ)をWebブラウザ211によって表示させることができる。
【0127】
ゲーム処理部212は、サーバ装置10と連動して、種々のゲーム演算処理を行う。例えば、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、ゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などがある。
【0128】
そして、ゲーム処理部212は、プレーヤキャラクタ、建物、球場、車、樹木、柱、壁、マップ(地形)などの表示物を表す各種オブジェクト(ポリゴン、自由曲面又はサブディビジョンサーフェスなどのプリミティブで構成されるオブジェクト)をオブジェクト空間に配置設定する処理を行うようにしてもよい。
【0129】
ここでオブジェクト空間とは、仮想空間であり、2次元空間、3次元空間の両方を含む。2次元空間とは、例えば2次元座標(X,Y)においてオブジェクトが配置される空間であり、3次元空間とは、例えば3次元座標(X,Y,Z)においてオブジェクトが配置される空間である。ただし、ブラウザゲームの場合には、この限りではない。
【0130】
また、ゲーム処理部212は、ログイン時の各種の情報の送受信制御、及び、サーバ装置10と連動してリアルタイムでゲームを実行する場合にはプレーヤの操作に基づくゲーム処理の実行を含むゲーム処理を実行する。
【0131】
表示制御部213は、各プレーヤのゲーム情報を表示するための表示領域を制御しつつ、当該各プレーヤのゲーム情報を表示部290に表示する処理を行う。なお、例えば、表示制御部213は、Webブラウザ211を用いて表示してもよい。
【0132】
描画部220は、処理部200で行われる種々の処理(例えば、ゲーム処理)に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示制御部213によって表示部290に出力する。描画部220が生成する画像は、いわゆる2次元画像であってもよいし、いわゆる3次元画像であってもよい。
【0133】
音処理部230は、処理部200で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い
、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部292に出力する。
【0134】
[4]本実施形態の手法
[4.1]概要
次に、
図4を用いて本実施形態のゲーム終了時のリプレイ画像の生成を含むゲーム再開準備処理の手法及び概要について説明する。
【0135】
なお、
図4は、本実施形態におけるゲーム終了時のリプレイ画像の生成を含むゲーム再開準備処理を説明するための図である。
【0136】
本実施形態のサーバ装置10は、各プレーヤが操作する端末装置20と連動し、シューティングゲームやアクションゲームなどのゲームであって、ゲームオーバーなど当該ゲームが終了停止状態になった際に、当該終了停止状態となったときのゲームの内容を継続させつつ、プレーヤキャラクタなどがフレッシュな状態で再開可能なゲーム(いわゆる、コンティニューが可能なゲーム)を提供するサーバ装置である。
【0137】
特に、本実施形態のサーバ装置10は、ゲームが終了停止状態に設定されてから、当該ゲームの継続利用を準備するためのゲーム再開準備処理を実行し、当該ゲーム再開準備処理によってゲームの再開準備が整うまでの準備期間に応じて、又は、当該ゲーム再開準備処理を実行する際の各種の処理能力に応じて、当該ゲームのリプレイ画像を生成してプレーヤに提供する、構成を有している。
【0138】
具体的には、サーバ装置10は、プレーヤ毎に、ゲームの進行を制御するゲーム制御処理を実行し、当該ゲーム制御処理が実行された際のゲームに関するデータをリプレイ用のゲームデータを記憶部140に記憶する構成を有している。
【0139】
そして、サーバ装置10は、例えば、
図4に示すように、
(A1)ゲームの実行中に所与の終了条件及び所与の停止条件の少なくともいずれか一方を具備した場合に、当該ゲームを終了停止状態に設定し、
(A2)終了停止状態に設定されたゲームの再開を可能とする再開可能状態に設定するための処理であって、当該ゲームを再開させるための準備をするゲーム再開準備処理、
(A3)再開可能状態時に、所与の再開条件を具備した場合に、ゲームを再開して当該ゲームを進行させるゲーム制御処理、
(A4)終了停止状態に設定されたゲームのリプレイ用のゲームデータを用いて、当該終了停止状態に設定されてから再開可能状態に設定されるまでの期間(いわゆる、準備期間)にプレーヤに提供されるゲーム画像であって、当該終了停止状態のゲームのリプレイ用の画像(以下、「リプレイ画像」という。)を生成する処理(以下、「リプレイ画像生成処理」という。)、及び、
(A5)ゲーム再開準備処理の実行中に、生成されたリプレイ画像をプレーヤに提供するため当該リプレイ画像に関する処理(以下、「リプレイ画像提供制御処理」という。)、の各処理を実行する構成を有している。
【0140】
特に、サーバ装置10は、リプレイ画像提供制御処理としては、該当するプレーヤの端末装置20でリプレイ画像のデータ(すなわち、リプレイ画像データ)を提供する処理、及び当該リプレイ画像を再生させる再生制御処理、及び、当該再生制御処理に用いるリプレイ画像のデータを提供する処理を実行する構成を有している。
【0141】
そして、サーバ装置10は、ゲーム再開準備処理の処理状況に基づいて、リプレイ画像を生成する際の所与の生成条件を特定し、当該特定した生成条件に従って当該リプレイ画像を生成する構成を有している。
【0142】
なお、
図4は、
(B1)所与のゲームが開始され、かつ、当該ゲームのゲーム制御処理の実行中に所与の終了条件が具備することによってゲーム終了停止状態に移行したこと、
(B2)当該ゲーム終了停止状態に移行したタイミングからゲーム再開準備処理が実行され、再開可能状態に移行するタイミングまでの期間(すなわち、準備期間)中に、リプレイ画像の再生制御処理(すなわち、リプレイ画像提供制御処理)が実行されること、及び、
(B3)当該再生可能状態中(すなわち、待機中)に再開条件が具備した場合にゲームが再開されてゲーム制御処理が再開されること、
を示す図である。
【0143】
この構成により、サーバ装置10は、処理状況として、例えば、準備期間に合わせて、当該準備処理を実行する上でのハードウェア及びソフトウエア的なスペックに合わせて、又は、通信能力に合わせてリプレイ用の画像を生成することができるようになっている。
【0144】
そして、サーバ装置10は、ゲームの再開準備が整うまでの期間やその能力に応じて余計な部分を削ぎ落としててリプレイ用の画像をプレーヤに提供することができるので、早期にゲーム復帰を望むプレーヤの要望を参酌しつつ、ゲームを実行する上で参考になる画像を効率的にプレーヤに提供することができるようになっている。
【0145】
なお、本実施形態においては、終了停止状態に設定されてから再開可能状態に設定されるまでの期間を、準備期間とし、当該準備期間にゲーム再開準備処理が実行されるものとして説明するが、終了停止状態に設定されてから再開可能状態に設定されるまでの期間と、準備期間がずれていてもよい。すなわち、終了停止状態となったタイミング以降にゲーム再開準備処理が実行されてもよいし、再開可能状態となる前に準備期間が終了してもよい。
【0146】
また、本実施形態においては、準備期間中に、リプレイ画像提供制御処理が実行されるものとして(具体的には、リプレイ画像がプレーヤに提供されるものとして)説明するが、準備期間の開始するタイミングより遅いタイミングからリプレイ画像がプレーヤに提供されてもよいし、当該準備期間が終了する前(具体的には、ゲーム再開準備処理が完了する前)に、プレーヤへのリプレイ画像の提供を終了させてもよい。
【0147】
[4.2]ゲームデータ(リプレイデータ)
次に、
図5及び
図6を用いて本実施形態のゲームデータ(リプレイデータ)について説明する。なお、
図5及び
図6は、本実施形態のゲームデータ(リプレイデータ)の例を示す図である。
【0148】
本実施形態のゲームデータは、プレーヤの操作入力に応じて、プレーヤキャラクタを制御してゲームの進行を制御するゲーム制御処理が実行された際のゲームに関するデータである。
【0149】
特に、本実施形態のゲーム制御処理には、プレーヤキャラクタの操作制御に基づいてゲームを進行させる制御処理だけでなく、対戦ゲームなどの他のプレーヤの操作指示によって他のプレーヤキャラクタも制御する制御処理、及び、NPCなどの自動演算に基づいて他のプレーヤキャラクタを制御する制御処理などが含まれる。
【0150】
このため、本実施形態のゲームデータには、プレーヤキャラクタを制御するためのデータのみならず、NPCなどの他のプレーヤキャラクタを制御するためのデータも含まれる
。
【0151】
例えば、ゲームデータは、
図5(A)及び(B)に示すように、
(A1)端末装置20が受け付けたプレーヤの操作指示(対戦ゲームなどの複数のプレーヤによって実行される場合には各プレーヤの操作指示)のデータ(以下、「操作指示データ」という。)、
(A2)NPCを含む、プレーヤキャラクタ(複数のプレーヤがゲームに参戦する場合には複数のプレーヤキャラクタ)の位置(ゲーム空間内の座標。以下同じ。)・動き(すなわち、モーション。具体的には、プレーヤキャラクタの各パーツの位置であってゲーム空間内の座標。以下同じ。若しくは回転やジャンプなどの動きを規定するためのデータ)・ステイタス(体力値やライフエネルギの現在の状況や残っている量、技を繰り出す際に用いるパラメータの現在の値や残っている量、無敵状態などのパワーアップ状態の有無、又は、攻撃が封じされているなどどの一部の行動の制約の有無)を規定するための制御データ、
(A3)ゲームに登場する各キャラクタ(例えば、敵プレーヤキャラクタを含む。)の位置・動き・ステイタスを規定するための制御データ、
(A4)対戦などのゲームが実施されるステージ、レースが実施されるコース又はRPG用のオブジェクト空間などのゲーム空間を構成する各オブジェクトの位置・動き・ステイタスを規定するための制御データ、又は、
(A5)(A1)~(A4)の2以上の組み合わせ、
である。
【0152】
特に、ゲームデータは、ゲーム開始からゲーム終了までの時系列の一連のデータ群であることが好ましいが、ゲーム中の任意の一区間の時系列のデータ群であってもよい。
【0153】
なお、
図5(A)には、対戦ゲームにおいて、ゲームデータとして、ゲーム開始(0秒)からの、プレーヤA及びプレーヤBの操作指示データ(十字キーの方向及び右手ボタン、左手ボタン、右足ボタン及び左足ボタンの組み合わせ)の例を示している。
【0154】
また、
図5(B)には、対戦ゲームとして、ゲームデータとして、ゲーム開始(0秒)からの、プレーヤA及びプレーヤBのプレーヤキャラクタの位置座標、動き(すなわち、モーション)及びステイタスの制御データの例が示されている。
【0155】
一方、リプレイデータは、ゲームデータがリプレイ用にプレーヤ情報記憶部146に記憶されたデータであって、例えば、
図6(A)及び(B)に示すように、ゲームに関する識別情報(ゲームID)、プレーヤの識別情報(プレーヤID)、及び、ゲームが実行された際の日時に関する情報などの各種の情報が追加されたゲームデータである。
【0156】
なお、
図6(A)には、ゲームID「001」の2020年9月10日に実施されたゲームデータとして、ゲーム開始(0秒)からの、プレーヤID「101」のプレーヤA及びCPUのプレーヤBの操作指示データ(十字キーの方向及び右手ボタン、左手ボタン、右足ボタン及び左足ボタンの組み合わせ)の例を示している。
【0157】
また、
図6(B)には、ゲームID「001」の2020年9月14日に実施されたゲームデータとして、ゲーム開始(0秒)からの、プレーヤID「121」のプレーヤA及びCPUのプレーヤBのプレーヤキャラクタの位置座標、動き(すなわち、モーション)及びステイタスの制御データの例が示されている。
【0158】
[4.3]ゲームの終了とゲームの再開を含むゲーム制御処理
次に、本実施形態のゲームの終了及びゲームの再開について説明する。
【0159】
(ゲーム制御処理)
ゲーム管理部103は、ゲーム毎に、ゲームが開始されると、又は、ゲームが再開されると、プレーヤの操作指示に基づいてプレーヤキャラクタを含めたゲームを進行させるゲーム制御処理を実行する。
【0160】
特に、ゲーム管理部103は、対戦ゲームなどの場合には、他のプレーヤの操作指示によってプレーヤキャラクタも制御する制御処理、及び、NPCなどの自動演算に基づいてゲームに登場する各キャラクタを制御する制御処理など、ゲームに関する各種の制御処理を実行する。
【0161】
(ゲームの終了)
ゲーム管理部103は、上記のようなゲーム制御処理の実行中であって、所与の終了条件を具備した場合に、当該ゲームを終了停止状態に設定する。
【0162】
具体的には、ゲーム管理部103は、ゲーム制御処理の実行中に、所定の期間(5ms)毎に、ゲーム状況が終了条件を具備したか否かを判定する判定処理(以下、「終了条件判定処理」という。)を実行し、当該終了条件判定処理によって終了条件を具備したと判定した場合には、ゲームの進行をその時点で中断してゲームを終了停止状態に変更する。
【0163】
例えば、ゲーム管理部103は、終了条件として、
(A1)ライフエネルギのパラメータ値又はライフエネルギ数がゼロになったか、
(A2)ゲーム中にプレーヤキャラクタが被弾したか、又は、
(A3)制限時間内に与えられたタスクをクリアすることができなかったか、
を判定する。
【0164】
そして、ゲーム管理部103は、これらの条件が具備したと判定した場合に、実行中のゲームの状態を終了させる終了停止状態に設定して実行中のゲームを終了させる。
【0165】
特に、終了停止状態とは、進行中のゲームのゲーム制御処理が終了した状態であって、例えば、電源をオフ(スリープ状態や一時停止状態も含む。)する前、又は、コンティニュー(終了停止状態時点の状況に基づいてゲームを再開させること)をする前の状態である。
【0166】
また、ゲーム管理部103は、終了停止状態に移行すると、基本的にはプレーヤの操作指示などを受け付けること無く、そのまま、ゲームを再開するための準備を開始するため、ゲーム再開が指示されるまで待機する。
【0167】
なお、本実施形態におけるゲーム再開準備処理の詳細については、後述する。
【0168】
(ゲームの再開)
ゲーム管理部103は、上記のようにゲームが終了停止状態になったことによってゲーム再開準備処理が実行され、かつ、当該再開準備処理が完了してゲームの再開を可能とする再開可能状態に移行した場合において、所与の再開条件を具備した場合に、終了停止状態となったゲームを再開させる。
【0169】
特に、ゲーム管理部103は、ゲーム再開用データ記憶部148から必要なデータを読み出しつつ、終了停止状態となったときのゲームの内容(終了時点のマップの位置、実行していたステージの種別、敵キャラクタを倒した数や取得したアイテムの数、獲得していた経験値や特典など)を継続させつつ、プレーヤキャラクタなどがフレッシュな状態(例
えば、エネルギーやライフ数がゲーム開始時と同じなど)で、当該ゲームを再開させる。
【0170】
また、例えば、ゲーム管理部103は、再開条件としては、
(B1)プレーヤが所定のボタンを押したなどの所定の操作が実行されたか否か、
(B2)ゲーム終了停止状態から所定の時間が経過されたか否か、又は、
(B3)(B1)及び(B2)の条件が双方とも具備した否か、
を判定する。
【0171】
[4.4]ゲーム再開準備処理
次に、本実施形態のゲーム再開準備処理について説明する。
【0172】
ゲーム再開制御部106は、上述のように、ゲームの実行中に終了条件が具備されたことによって終了停止状態に設定されたゲームの再開を可能とする再開可能状態に設定するための処理であって、当該ゲームを再開させるための準備をするゲーム再開準備処理を実行する。
【0173】
具体的には、ゲーム再開制御部106は、ゲームの再開時に利用するゲームマップのロード、ゲーム終了時のプレーヤ又は当該プレーヤのアイテムなどのゲーム状況の復元、及び、ゲーム再開にあたりリセットする情報の初期化などのゲームが再開されてから(コンティニューされてから)進行させるための各種の処理を実行する。
【0174】
特に、ゲーム再開制御部106は、ゲーム状況として、例えば、
(A1)プレーヤキャラクタを含むゲーム上の各キャラクタの位置(ゲーム空間内における座標)・動作内容(具体的には、キャラクタの各部位の現時点座標と動作後の最終地点の座標)・体力値(現時点の値及び最大値)・経験値・能力値(将来的にロック解除されるものも含む。以下同じ。)などの各キャラクタに設定されたパラメータ(色に関する情報、移動中のオブジェクトの場合には到達する目標の座標、及び、変化中のオブジェクトの場合には最終形態)、
(A2)各キャラクタやプレーヤが取得しているアイテムの種別・アイテム数・アイテムに規定されている能力値などのアイテムに関するパラメータ(色に関する情報、移動中のオブジェクトの場合には到達する目標の座標、及び、変化中のオブジェクトの場合には最終形態)、
(A3)取得したゲーム内通貨・得点・ポイント・成績などのパラメータ、及び、
(A4)ゲーム空間を構成する各オブジェクトの種別・位置・特性などのオブジェクトに関するパラメータ、
などのゲーム要素を再開するゲームでも継続利用可能に復元する処理を実行する。
【0175】
なお、ゲーム再開制御部106は、ゲーム再開準備処理としては、体力値や制限時間など所定の設定内容を除いた設定内容若しくは一部の設定内容、又は、プレーヤのレベルやアイテム数など所定の設定内容が追加された設定内容など特定したゲーム状況が忠実に再現されなくてもよい。
【0176】
また、ゲーム再開制御部106は、復元された内容や復元されなかった内容については、表示などによってプレーヤに提供されてもよい。
【0177】
[4.5]リプレイ画像生成処理
次に、
図7及び
図8を用いて本実施形態のリプレイ画像生成処理について説明する。なお、
図7及び
図8は、ゲームの終了停止状態から当該ゲームの再開状態になるまでの期間において、リプレイ画像生成処理を実行する際のゲーム再開制御処理とリプレイ画像提供制御処理の関係を示す図である。
【0178】
(リプレイ画像生成処理の基本的な処理)
リプレイ画像生成部107は、終了停止状態に設定されたゲームのリプレイ用のゲームデータを用いて、当該終了停止状態に設定されてから再開可能状態に設定されるまでの期間(すなわち、準備期間)にプレーヤに提供されるゲーム画像であって、当該終了停止状態のゲームのリプレイ用の画像を生成する
【0179】
すなわち、リプレイ画像生成部107は、単に、過去のゲーム内容をゲームデータに基づいてアニメーション(動画)のように再生するための画像を生成する処理であり、リアルタイムにおけるプレーヤの操作入力は無く、プレーヤが過去のゲーム内容を視聴するための画像を生成する。
【0180】
具体的には、リプレイ画像生成部107は、プレーヤ情報記憶部146に記憶されている上記のような各種のゲームデータを読み出し、当該読み出したゲームデータに従って、ゲームが開始されたタイミング(以下、「ゲーム開始タイミング」という。)などの所与のタイミングから当該ゲームが終了停止状態になるまでの間に、実際に実行されたプレイ内容(具体的にはその一部)をリプレイ画像として画像化する。
【0181】
特に、リプレイ画像生成部107は、ゲームデータとしてプレーヤの操作指示データを用いる場合には、ゲーム管理部103を制御し、当該ゲームデータに基づいてゲーム制御処理を実行し、リプレイ画像を生成する。
【0182】
また、リプレイ画像生成部107は、ゲームデータとして制御データを用いる場合には、これらの制御データに沿ってプレーヤキャラクタなどの各オブジェクトを制御し、プレーヤキャラクタなどの制御した結果を画像化してリプレイ画像を生成する。
【0183】
例えば、リプレイ画像生成部107は、ゲームデータとしてプレーヤの操作指示データ及び制御データの双方を用いる場合には、戦闘シーンなどの重要な部分については、操作指示データに基づいてプレーヤキャラクタを制御するゲーム制御処理を実行する。
【0184】
また、例えば、リプレイ画像生成部107は、攻撃が決まったプレーヤキャラクタの動作シーン、又は、他のキャラクタやオブジェクトなどについては、制御データに沿って制御する。
【0185】
そして、リプレイ画像生成部107は、ゲーム制御処理や制御データに沿って制御した内容に従って、プレーヤキャラクタを含むオブジェクトの動きや変化を統合してリプレイ画像を生成する。
【0186】
(生成条件に基づくリプレイ画像生成処理の基本原理)
本実施形態のリプレイ画像生成処理は、ゲーム再開準備処理の処理状況に基づいて、所与の生成条件を特定し、当該特定した生成条件に基づいてリプレイ画像を生成する点に特徴がある。
【0187】
すなわち、リプレイ画像生成部107は、例えば、ゲーム再開準備処理の準備期間に合わせて、当該ゲーム再開準備処理を実行する上でのハードウェア及びソフトウエア的なスペックに合わせて、又は、端末装置20との通信能力に基づいて、生成条件を特定する。
【0188】
具体的には、リプレイ画像生成部107は、ゲーム再開準備処理の処理状況として、
(A1)ゲーム再開準備処理が終了するまでの準備期間、
(A2)ゲーム再開準備処理を実行するための処理能力(メモリやCPUなどのハードウ
ェア又はソフトウエア的なゲーム処理能力(いわゆるデバイス的なスペック)及びデータ伝送速度などの通信能力を含む。)、及び、
(A3)ゲームが終了停止状態となった時点のゲーム状況、
を特定する。
【0189】
また、リプレイ画像生成部107は、これらの特定した処理状況に基づいて、リプレイ画像の時間長、当該リプレイ画像の解像度、及び、当該リプレイ画像を伝送する際の伝送速度などの生成条件を特定し、特定した生成条件に従ってリプレイ画像を生成する。
【0190】
(準備期間の期間長に基づく生成条件の特定及びそれに伴うリプレイ画像生成処理1)
リプレイ画像生成部107は、ゲーム再開準備処理の処理状況としての、終了停止状態以降の所与のタイミング(例えば、終了停止状態に移行したタイミング)からゲーム再開状態になるまでの期間を示す準備期間の期間長に基づいて生成条件を特定する。
【0191】
すなわち、リプレイ画像生成部107は、ゲームの再開準備が整うまでの期間(具体的には、ゲーム再開準備処理の準備期間)に応じて余計な部分を削ぎ落としたリプレイ画像を生成するために、ゲーム再開準備処理の処理状況として準備期間の期間長を用いる。
【0192】
そして、リプレイ画像生成部107は、特定した準備期間の期間長に基づいて、例えば、生成条件としての当該準備期間の期間長と同じ時間長を有するリプレイ画像を生成する。
【0193】
具体的には、リプレイ画像生成部107は、例えば、
図4に示すように、ゲームの実行中において、終了停止状態に移行する「決め手」となったゲームシーンをピックアップし、準備期間の期間長と同じ時間長を有するリプレイ画像を生成する。
【0194】
例えば、リプレイ画像生成部107は、
(B1)最後の攻撃や大きなダメージを受けたシーン、
(B2)プレーヤキャラクタの視界とは異なる方向から攻撃されたシーン、
(B3)敵キャラクタからの必殺技を受けたシーン、
(B4)プレーヤの操作が入力されたシーン、及び、
(B5)ゲーム空間内を画像化するために用いた仮想カメラによって画像化されていない(すなわち、写っていない)、
などのゲームシーンを有するリプレイデータに基づいて、リプレイ画像を生成する。
【0195】
また、リプレイ画像生成部107は、プレーヤ視点によって構成されたリプレイ画像、敵キャラクタ視点によって構成されたリプレイ画像、リプレイ専用の仮想カメラ(いわゆる、神視点)によって構成されたリプレイ画像、又は、これらの組み合わせによって構成されたリプレイ画像を生成する。
【0196】
特に、
図7に示すように、ゲーム再開準備処理の開始タイミングは、ゲームの終了停止状態となったタイミング後のタイミングであってもよく、この場合には、リプレイ画像生成部107は、当該ゲーム再開準備処理の開始タイミングに合わせてプレーヤに提供される(再生される)リプレイ画像を生成してもよいし、当該ゲーム再開準備処理の開始タイミング前のタイミングからプレーヤに提供される(再生される)リプレイ画像を生成してもよい。
【0197】
なお、
図7は、ゲームの終了停止状態となったタイミングから所定の期間のタイムラグがあって、ゲーム再開準備処理が開始された場合であって、当該ゲーム再開準備処理の開始タイミングにリプレイ画像提供制御処理(例1)が実行された場合、当該ゲーム再開準
備処理の開始タイミング前にリプレイ画像提供制御処理(例2)が実行された場合、及び、当該ゲーム再開準備処理の開始タイミング以降のタイミングにリプレイ画像提供制御処理(例3)が実行された場合の例を示す図である。
【0198】
一方、本実施形態のリプレイ画像生成部107は、リプレイ画像として、ゲームの終了停止状態以降の所与のタイミングから再開可能状態になるまでの期間(例えば、準備期間)以下の時間長を有する画像を生成してもよい。
【0199】
通常、準備期間長より長いリプレイ画像は、早期にゲーム復帰を望むプレーヤにとっては煩わしいものになるものの、リプレイ画像が無いと、プレーヤは役立つ画像を視聴することはできない。
【0200】
そこで、本実施形態のリプレイ画像生成部107は、早期にゲーム復帰を望むプレーヤと役に立つ画像の提供の双方の効果を実現するために、例えば、準備期間の期間長より短い時間長のリプレイ画像を生成するリプレイ画像生成処理を実行しもよい。
【0201】
例えば、
図8に示すように、リプレイ画像生成部107は、準備期間の終了前に提供(すなわち、再生)が終了するリプレイ画像を生成してもよい。
【0202】
すなわち、リプレイ画像生成部107は、
図8に示すように、ゲーム再開準備処理の終了タイミングである再開可能状態が到来するタイミングの前のタイミングにリプレイ画像提供制御処理が終了するように、リプレイ画像を生成してもよい。
【0203】
(準備期間の期間長に基づく生成条件に伴うリプレイ画像生成処理2)
本実施形態のリプレイ画像生成部107は、生成条件として、ゲーム再開準備処理の準備期間と同じ時間長、又は、当該準備期間よりも短い時間長を有するリプレイ画像を生成するために、ゲームの実行時におけるゲームの進行速度(すなわち、ゲーム画像が再生される再生速度)よりも速い速度で進行させることによって当該リプレイ画像を生成してもよい。
【0204】
例えば、ゲーム中の進行速度(再生速度)が「1(倍速)」の場合には、それよりも早い再生速度(例えば、2(倍速))とすれば、通常のリプレイ画像より2倍のゲームシーンをリプレイ画像に組み込む事ができるようになっている。
【0205】
すなわち、このような構成とすれば、より多くのゲームシーンをリプレイ画像として提供することができるので、制約された時間長を有するリプレイ画像を容易に生成することができるようになっている。
【0206】
(準備期間の期間長に基づく生成条件に伴うリプレイ画像生成処理3)
本実施形態のリプレイ画像生成部107は、同様に、生成条件として、ゲーム再開準備処理の準備期間と同じ時間長、又は、当該準備期間よりも短い時間長を有する生成条件に基づいてリプレイ画像を生成するために、ゲームの実行時におけるゲームシーンの一部を間引くことによって当該リプレイ画像を生成してもよい。
【0207】
具体的には、リプレイ画像生成部107は、終了停止状態に移行する「決め手」となったゲームシーンが2のシーンから形成されている場合には、いずれか一方のゲームシーンを間引いたリプレイ画像を生成してもよいし、各ゲームシーンのフレーム数を少なくした(例えば、半分にした)リプレイ画像を生成してもよい。
【0208】
このような構成とすれば、上記と同様に、本実施形態においては、より多くのゲームシ
ーンをリプレイ画像として提供することができるとともに、通常のリプレイ画像と同じゲームシーンを提供する場合であっても当該通常のリプレイ画像よりも短時間で提供されるリプレイ画像を提供することができるので、制約された時間長を有するリプレイ画像を容易に生成することができるようになっている。
【0209】
(処理能力等に基づく生成条件の特定及びそれに伴うリプレイ画像生成処理)
リプレイ画像生成部107は、端末装置20のゲームに関する処理能力(データの伝送能力及びリプレイ画像を表示する際の表示能力を含む。)、当該端末装置20と通信を行う際の通信環境、及び、ゲーム制御処理の能力(具体的には、処理部100の能力)のうち、少なくとも1以上のゲーム再開準備処理の処理状況を規定する要素に基づいて、生成条件を特定してもよい。
【0210】
すなわち、本実施形態においては、端末装置20やサーバ装置10(具体的には処理部100)の能力、又は、端末装置20との通信能力によって、ゲーム再開準備処理が長引きそうな場合又は当該ゲーム再開準備処理が短時間で終了しそうな場合など、ゲームの再開準備が整うまでの状況に応じて適したリプレイ画像を生成するために、リプレイ画像生成部107は、ゲーム再開準備処理の処理状況として端末装置20のゲームに関する処理能力等を用いる。
【0211】
具体的には、リプレイ画像生成部107は、端末装置20の処理能力、及び、サーバ装置10のゲーム制御処理の能力として、例えば、使用可能なメモリ容量、CPUのコア数、当該CPUのクロック周波数などのハードウェア又はソフトウエア的な端末装置20やサーバ装置10のスペックに応じて、生成条件としてのゲーム再開処理における準備期間長を特定する。
【0212】
また、リプレイ画像生成部107は、通信環境として、端末装置20とサーバ装置10との間の通信回線に関する環境であって、例えば、通信周波数帯、データ伝送速度、空きチャンネル数、又は、有線で実行するか無線化で実行するかなどに応じて、生成条件としてのゲーム再開処理における準備期間長を特定する。
【0213】
なお、リプレイ画像生成部107は、生成条件として、リプレイ画像の時間長に代えて、当該リプレイ画像の解像度、及び、当該リプレイ画像を伝送する際の伝送速度などを生成条件として特定してもよい。
【0214】
また、リプレイ画像生成部107は、端末装置20やサーバ装置10のゲームに関する処理能力、又は、通信環境のみによって生成条件を特定してもよいし、例えば、準備期間の期間長などの他の要素を含めて当該生成条件を特定してもよい。
【0215】
さらに、生成条件に従って生成するリプレイ画像の詳細については、準備期間の期間長よりも短い時間長を有するリプレイ画像の生成を含めて、上述と同様なため、個々での説明を省略する。
【0216】
(ゲーム再開時のゲーム状況に基づく生成条件の特定及びそれに伴うリプレイ画像生成処理)
リプレイ画像生成部107は、ゲーム再開準備処理の処理状況としてのゲームが再開される場合のゲーム状況に基づいて、生成条件を特定してもよい。
【0217】
すなわち、本実施形態においては、ゲーム再開時のプレーヤの操作対象であるプレーヤキャラクタが配置されるゲームマップ上の位置などの状況を準備処理の処理状況として特定することによって、ゲーム再開準備処理が長引きそうな場合又は当該ゲーム再開準備処
理が短時間で終了しそうな場合など、ゲームの再開準備が整うまでの状況に応じて適したリプレイ画像を生成するために、リプレイ画像生成部107は、ゲーム再開準備処理の処理状況として、ゲームが再開される場合のゲーム状況を用いる。
【0218】
具体的には、リプレイ画像生成部107は、ゲーム再開時のプレーヤの操作対象であるプレーヤキャラクタが配置されるゲームマップ上の位置、当該配置された位置の周囲の状況(敵キャラクタの数や配置状況)、及び、当該敵キャラクタの姿形や各種のオブジェクトの形状を含む周囲の環境などのゲーム再開時のゲーム状況に応じて、生成条件としてのゲーム再開処理における準備期間長を特定する。
【0219】
なお、リプレイ画像生成部107は、リプレイ画像の時間長に代えて、当該リプレイ画像の解像度、及び、当該リプレイ画像を伝送する際の伝送速度などを生成条件として特定してもよい。
【0220】
また、リプレイ画像生成部107は、ゲームが再開される場合のゲーム状況のみによって生成条件を特定してもよいし、例えば、準備期間の期間長、端末装置20やサーバ装置10のゲームに関する処理能力、又は、通信環境などの他の要素を含めて当該生成条件を特定してもよい。
【0221】
さらに、生成条件に従って生成するリプレイ画像の詳細については、準備期間の期間長よりも短い時間長を有するリプレイ画像の生成を含めて、上述と同様なため、個々での説明を省略する。
【0222】
[4.6]リプレイ画像提供制御処理
次に、本実施形態のリプレイ画像提供制御処理について説明する。
【0223】
情報提供部110は、ゲーム再開制御部106によって生成されたリプレイ画像のデータ(すなわち、リプレイ画像データ)を該当するプレーヤの端末装置20に送信する。
【0224】
そして、情報提供部110は、ゲーム再開準備処理の実行中に、生成されたリプレイ画像をプレーヤに提供するため、当該リプレイ用の画像に関する処理を実行する。
【0225】
特に、情報提供部110は、リプレイ用の画像に関する処理として、ゲーム再開準備処理の実行中に、端末装置20でリプレイ画像を再生させるために再生可能なリプレイ画像データを提供し、その再生制御(具体的には、再生タイミング)を制御する。
【0226】
なお、情報提供部110は、上述のように、ゲーム再開準備処理が開始するタイミング前からリプレイ画像データの再生制御を開始し、また、再開可能状態又は再開可能状態となるタイミングが到来する前のタイミングに終了するように、当該リプレイ画像生の再生制御を終了させてもよい。
【0227】
[4.7]変形例
次に、本実施形態の変形例について説明する。
【0228】
(変形例1:スタンドアローンの場合)
上記実施形態においては、サーバ装置10と端末装置20を有するゲームシステム1によってゲーム再開準備処理について説明したが、ゲーム装置単独のスタンドアローンによっても上記のゲーム再開準備処理が実行されてもよい。
【0229】
この場合には、ゲーム装置(例えば、端末装置20)は、
(A1)プレーヤの操作に基づいて所与のゲームを進行させるゲーム装置であって、
(A2)ゲームの進行を制御するゲーム制御処理を実行し、
(A3)ゲーム制御処理が実行された際のゲームに関するデータをリプレイデータとして記憶部に記憶し、
(A4)ゲームの実行中に所与の終了条件を具備した場合に、当該ゲームを終了停止状態に設定し、
(A5)終了停止状態に設定されたゲームの再開を可能とする再開可能状態に設定するための処理であって、当該ゲームを再開させるための準備をするゲーム再開準備処理を実行し、
(A6)再開可能状態時に、所与の再開条件を具備した場合に、ゲームを再開し、
(A7)終了停止状態に設定されたゲームのリプレイデータを用いて、当該終了停止状態に設定されてから再開可能状態に設定されるまでの期間にプレーヤに提供されるゲーム画像であって、当該終了停止状態のゲームのリプレイ画像を生成し、
(A8)ゲーム再開準備処理の実行中に、生成されたリプレイ画像を表示部に表示させる、当該リプレイ画像に関する処理(すなわち、表示制御処理)を実行する、
構成を有している。
【0230】
また、本変形例のゲーム装置は、準備処理の処理状況に基づいて、リプレイ用の画像を生成する際の所与の生成条件を特定し、当該特定した生成条件に従って当該リプレイ用の画像を生成する構成を有している。
【0231】
具体的には、この場合には、ゲーム装置は、リプレイ画像を含むゲーム画像を表示部に表示させる表示制御部を備える。
【0232】
そして、ゲーム装置は、ゲーム再開準備処理の処理状況としての、ゲームに関する処理能力、及び、表示部における表示能力に基づいて、生成条件を特定し、当該特定した生成条件に従って当該リプレイ画像を生成する。
【0233】
なお、本変形例の表示能力には、例えば、解像度や応答速度(表示パネルなど表示手段に画像信号を入力してから表示手段に画像が表示までの時間)などが含まれる。
【0234】
(変形例2:優先度に基づくリプレイ画像生成処理)
上記実施形態においては、リプレイデータが予めリプレイ画像として優先的に利用される度合いを示す優先度に基づいて、リプレイ画像が生成されてもよい。
【0235】
すなわち、プレーヤに有用な情報として参考にさせるためのリプレイ画像を生成するために、参考になりそうなゲームシーンを中心に構成されるようにリプレイ画像を生成してもよい。
【0236】
具体的には、リプレイデータは、予め区切られたゲームシーン毎にプレーヤ情報記憶部146に記憶されているとともに、当該ゲームシーン毎に、リプレイ用の画像として優先的に利用される度合いを示す優先度の情報を有している。
【0237】
そして、リプレイ画像生成部107は、生成条件、かつ、優先度に基づいて、リプレイ用の画像を生成する。
【0238】
例えば、この場合には、リプレイ画像生成部107は、生成定条件としての時間長に基づいて、優先度の高いゲームシーン(例えば、上述のように、終了停止状態に移行する決め手となったシーン)から時系列につなぎ合わせて、当該時間長又は当該時間長以下のリプレイ画像を生成する。
【0239】
(変形例3:履歴に基づく生成条件の特定)
上記の実施形態において、過去の資産を用いて容易にかつ確実にその場の状況に応じたリプレイ画像を生成するために、リプレイ画像を生成するために用いる生成条件を、過去の履歴によって特定してもよい。
【0240】
具体的には、リプレイデータ管理部105は、リプレイ画像が生成される毎に、該当する準備処理の処理状況に関するデータと使用した生成条件を示すデータとを対応付けて処理状況履歴データとしてプレーヤ情報記憶部146に登録する。
【0241】
そして、リプレイ画像生成部107は、リプレイ画像生成処理を実行する際に、現在のゲーム再開準備処理の処理状況と、既にプレーヤ情報記憶部146に登録されている処理状況履歴データによって示される処理状況と、を比較する比較処理を実行する。
【0242】
次いで、リプレイ画像生成部107は、比較処理の結果によって、現在のゲーム再開準備処理の処理状況と、登録されている処理状況履歴データによって示される処理状況と、が同一の範囲であると判定した場合に、当該処理状況履歴データに対応付けられて登録されている生成条件を、現在のリプレイ画像を生成する際の生成条件として特定し、特定した生成条件に従ってリプレイ画像を生成する。
【0243】
なお、ゲーム再開準備処理の処理状況に関するデータとは、例えば、準備期間、端末装置20と連動してゲームを実行する場合のゲームに関する処理能力・当該端末装置20と通信を行う際の通信環境・サーバ装置10のゲーム制御処理の能力、及び、ゲームが再開された場合のゲーム状況などのデータである。
【0244】
また、同一の範囲としては、処理状況が完全一致する場合だけでなく、準備期間の期間長が±5sec以内、又は、メモリ容量が±10%未満などの同一とみなされる範囲である。
【0245】
(変形例4:ゲーム再開時のゲーム制御処理)
上記の実施形態におけるゲーム管理部103は、ゲーム再開用データ記憶部148から必要なデータを読み出して終了停止状態となったときのゲームの内容に基づいてゲームを再開させているが、これに限られず、以下のような少なくとも1の処理をゲーム再開時のゲーム制御処理として実行し、ゲーム終了停止状態になったときのゲーム内容を一部又は全部を継続せずに、当該ゲームを再開してもよい。
【0246】
例えば、ゲーム再開時のゲーム制御処理には、
(B1)ゲームオーバーになったゲームにおいて、倒した敵キャラクタの数、獲得したアイテム数や種別、及び、経験値など終了停止状態となったゲームの内容の一部又は全部を初期状態にすること、
(B2)プレーヤキャラクタのライフエネルギ、経験値、得点などのパラメータを初期状態、又は、他の値(初期値よりも小さい値、又は、初期値より大きな値)に設定すること、
(B3)ゲームマップ上のプレーヤキャラクタの位置をゲーム開始時の初期の位置、ゲーム再開時用の所定の位置(例えば、ゲーム空間内に設定された特定の復活スポット)、又は、ランダムに決定された位置に設定すること、及び、
(B4)敵キャラクタ及び背景物などの各種のオブジェクトの配置及び種類を初期状態、又は、ゲーム終了停止状態となったときの状態とは異なる設定にすること、
などが含まれる。
【0247】
また、ゲーム管理部103は、ゲームオーバーになった場合も、ゲーム進行自体を中止せずに、当該ゲームオーバー後の時間経過に従って、敵キャラクタのゲーム空間内の移動を含む行動、及び、他のプレーヤキャラクタの移動を含む行動などの所与のゲーム処理を継続して実行させてもよい。
【0248】
この場合には、ゲーム管理部103は、ゲーム再開時には、ゲーム終了停止状態からゲーム再開(再開条件の具備)までに進行したゲーム内容に従ってゲームを再開させる。
【0249】
(変形例5:ゲームの停止)
上記の実施形態におけるゲーム管理部103は、所与の終了条件を具備した場合に、当該ゲームを終了停止状態に設定するが、所与の停止条件を具備した場合に、当該ゲームを終了停止状態に設定してもよい。
【0250】
具体的には、この場合には、ゲーム管理部103は、ゲーム制御処理の実行中に、所定の期間(5ms)毎に、ゲーム状況が停止条件を具備したか否かを判定する判定処理(以下、「停止条件判定処理」という。)を実行し、当該停止条件判定処理によって停止条件を具備したと判定した場合には、ゲームの進行をその時点で中断してゲームを終了停止状態に変更する。
【0251】
例えば、ゲーム管理部103は、停止条件として、
(C1)プレーヤの操作指示に基づいて、ゲームの進行について一時停止を行ったか、
(C2)端末装置20自体のエラーや通信のエラーなどによって進行中のゲームについて強制的に中断されたか、又は、
(C3)他のプレーヤによって進行中のゲームに参加してきたか、
などを判定する。
【0252】
特に、ゲーム管理部103は、(C1)の停止条件判定処理としては、プレーヤの操作入力を検出した場合に、(C2)の停止条件判定処理としては、一定期間、該当する端末装置20からのデータ通信が途絶えたことを検出した場合に、(C3)の停止条件判定処理としては、他のプレーヤのゲーム開始又は同一のゲーム空間への参加を検出した場合に、停止条件を具備したと判定する。
【0253】
なお、終了停止状態に変更後の処理は、上記の実施形態と同様であるため、その説明を書略する。
【0254】
一方、本変形例において、ゲーム管理部103は、ゲームの実行中に所与の終了条件及び所与の停止条件の双方を具備した場合に、当該ゲームを終了停止状態に設定してもよい。
【0255】
例えば、この場合には、ゲーム管理部103は、通信の異常が発生した場合、又は、プレーヤの操作に基づくゲームを一時停止させ、かつ、当該一時停止中にゲームの進行を止めないでゲームが終了になった場合など、停止条件判定処理としては、停止状態と判定された場合であって、かつ、停止状態中にゲーム終了状態となった場合に、ゲーム終了停止状態に変更する。
【0256】
[5]本実施形態における動作
次に、
図9を用いて本実施形態のサーバ装置10によって実行されるゲーム終了時のリプレイ画像の生成を含むゲーム再開準備処理の動作について説明する。
【0257】
なお、
図9は、本実施形態のサーバ装置10によって実行されるゲーム終了時のリプレ
イ画像生成処理を含むゲーム再開準備処理の動作を示すフローチャートである。
【0258】
本動作においては、既にゲームが実行されており、かつ、実行されたゲームに関するリプレイデータが順次プレーヤ情報記憶部146に記憶されているものとする。
【0259】
また、本動作は、ゲーム再開準備処理の処理状況として準備期間を用いるとともに、生成条件としてリプレイ画像の時間長を用いて説明する。
【0260】
まず、ゲーム管理部103は、終了条件を具備したことを検出すると(ステップS101)、実行中のゲームを終了停止状態に移行する(ステップS102)。
【0261】
次いで、ゲーム再開制御部106は、ゲームが終了停止状態に移行すると、ゲームをコンティニューして再開させるためのゲーム再開準備処理を開始する(ステップS103)。
【0262】
次いで、リプレイ画像生成部107は、ゲーム再開準備処理の処理状況(具体的には、準備期間及び準備期間の期間長)を特定し(ステップS104)、当該特定したゲーム再開準備処理の処理状況に基づいてリプレイ画像を生成する際の生成条件(具体的には、リプレイ画像の時間長)を特定する(ステップS105)。
【0263】
次いで、リプレイ画像生成部107は、特定した生成条件に従ってリプレイ画像をリプレイ画像データとして生成するリプレイ画像生成処理を実行する(ステップS106)。
【0264】
次いで、情報提供部110は、生成されたリプレイ画像データを、該当する端末装置20に提供開始し、かつ、当該端末装置20に対してリプレイ画像の再生制御(リプレイ画像提供制御処理の実行)を開始する(ステップS107)。
【0265】
なお、情報提供部110は、生成したリプレイ画像の生成終了タイミングを検出するまで、リプレイ画像生成部107によって生成されたリプレイ画像データを、順次、端末装置20に提供する。
【0266】
次いで、情報提供部110は、生成したリプレイ画像の再生終了時間(準備期間の終了タイミングであることが好ましい)の到来など、当該リプレイ画像の提供終了タイミングを検出すると(ステップS108)、端末装置20に対する再生制御を終了させる(ステップS109)。
【0267】
最後に、ゲーム再開制御部106は、プレーヤの特定の操作指示の入力を検出するなど、再開条件を具備したことを検出すると(ステップS110)、終了停止状態のゲームを再開させて(ステップS111)本動作を終了させる。
【0268】
なお、ステップS111の処理においては、ゲーム再開制御部106は、ゲームマップの位置、及び、既に獲得したアイテムや得点などの終了停止状態のゲーム状況を再現しつつ、プレーヤキャラクタなどのエネルギーやライフ数などの一部のパラメータを初期化し、ゲーム制御処理の実行を開始する。
【0269】
[6]その他
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【0270】
本実施形態では、対戦ゲームを用いて説明しているが、RPG又はシミュレーションゲームなどの他のゲームにおいても用いることがきる。
【0271】
また、本実施形態は、一のサーバ装置10によって各ゲームを端末装置20に提供してもよいし、複数のサーバ装置10を連動させてサーバシステムを構築し、各ゲームを端末装置に提供してもよい。
【0272】
さらに、本実施形態においては、サーバ装置10によって提供されたゲームを端末装置20によって実行されているが、操作入力を除き、上記の端末装置20の処理部200の各機能及びゲームプログラムの実行をサーバ装置10で実行し、当該端末装置20は、操作入力とストリーミングによる画像表示を実行することによって、上記のゲームを実現してもよい。
【0273】
また、本実施形態においては、ゲーム端末装置を有線又は無線によって複数連結させ、1のゲーム装置がサーバ装置10として機能して、複数のゲーム装置によって実現することも可能である。
【0274】
また、本実施形態においては、ネットワークを通じて端末装置20と連動して実行するサーバ装置10に本発明のゲームシステムを適用しているが、タブレット型情報端末装置やパーソナルコンピュータ、又は、アミューズメントパークに設置されるゲーム装置としても適用することができる。
【0275】
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0276】
上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0277】
1 :ゲームシステム
10 :サーバ装置
20 :端末装置
100 :処理部
101 :通信制御部
102 :Web処理部
103 :ゲーム管理部
105 :リプレイデータ管理部
106 :ゲーム再開制御部
107 :リプレイ画像生成部
109 :タイマ管理部
110 :情報提供部
115 :リプレイデータ管理部
120 :入力部
130 :表示部
140 :記憶部
142 :主記憶部
144 :ゲームデータ記憶部
146 :プレーヤ情報記憶部
148 :ゲーム再開用データ記憶部
180 :情報記憶媒体
196 :通信部
200 :処理部
210 :通信制御部
211 :Webブラウザ
212 :ゲーム処理部
213 :表示制御部
220 :描画部
230 :音処理部
260 :入力部
262 :検出部
270 :記憶部
271 :主記憶部
272 :画像バッファ
280 :情報記憶媒体
290 :表示部
292 :音出力部
296 :通信部