(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022126996
(43)【公開日】2022-08-31
(54)【発明の名称】処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/301 20060101AFI20220824BHJP
B24B 49/12 20060101ALI20220824BHJP
B24B 27/06 20060101ALI20220824BHJP
B23Q 17/24 20060101ALI20220824BHJP
【FI】
H01L21/78 C
H01L21/78 F
B24B49/12
B24B27/06 M
B23Q17/24 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021024899
(22)【出願日】2021-02-19
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(74)【代理人】
【識別番号】100202496
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿角 剛二
(74)【代理人】
【識別番号】100202692
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 吉文
(72)【発明者】
【氏名】山中 輔
【テーマコード(参考)】
3C029
3C034
3C158
5F063
【Fターム(参考)】
3C029EE20
3C034AA13
3C034AA19
3C034BB73
3C034BB93
3C034CA22
3C034CA30
3C034CB14
3C034DD10
3C034DD18
3C158AA03
3C158AB04
3C158AC02
3C158BA07
3C158BA09
3C158BB02
3C158BB06
3C158BB08
3C158BB09
3C158CB03
3C158DA17
5F063AA01
5F063AA48
5F063CA04
5F063DD01
5F063DE12
5F063DE33
5F063EE21
5F063FF21
(57)【要約】
【課題】タイミングよく対物レンズの汚れを検出することができる処理装置を提供する。
【解決手段】処理装置2は、被撮像物を保持する保持手段4と、保持手段4に保持された被撮像物を撮像する撮像手段6と、保持手段4と撮像手段6とをX軸方向およびY軸方向に相対的に移動する移動手段とを少なくとも備える。撮像手段6は、対物レンズ14と、対物レンズ14によって取り込んだ画像を処理すると共に対物レンズ14の汚れを検出する画像処理部16とを備える。画像処理部16は、移動手段によって保持手段4と撮像手段6とを相対的にX軸方向またはY軸方向に移動して保持手段4に保持された被撮像物の複数領域を撮像して複数画像を記憶し、複数画像を重ねて共通する模様を抽出して汚れと判断する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被撮像物を保持する保持手段と、該保持手段に保持された被撮像物を撮像する撮像手段と、該保持手段と該撮像手段とをX軸方向およびY軸方向に相対的に移動する移動手段とを少なくとも備えた処理装置であって、
該撮像手段は、対物レンズと、該対物レンズによって取り込んだ画像を処理すると共に該対物レンズの汚れを検出する画像処理部とを備え、
該画像処理部は、該移動手段によって該保持手段と該撮像手段とを相対的にX軸方向またはY軸方向に移動して該保持手段に保持された被撮像物の複数領域を撮像して複数画像を記憶し、該複数画像を重ねて共通する模様を抽出して汚れと判断する処理装置。
【請求項2】
被撮像物は分割予定ラインによって区画されて複数のデバイスが形成された表面を備え、
該画像処理部は、デバイスに形成された特徴パターンをキーパターンとして記憶するキーパターン記憶部と、分割予定ラインと該特徴パターンとの位置関係を記憶する位置関係記憶部とを備え、
該画像処理部は、該移動手段によって該保持手段と該撮像手段とを相対的にX軸方向またはY軸方向に移動して該保持手段に保持された被撮像物の複数領域を撮像して該キーパターンと同一の特徴パターンをパターンマッチングで抽出して該位置関係記憶部に記憶された位置関係から分割予定ラインを検出するアライメントを実行している際、該アライメントにおいて撮像した被撮像物の複数領域の複数画像を記憶し、該複数画像を重ねて共通する模様を抽出して汚れと判断する請求項1記載の処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被撮像物を保持する保持手段と、保持手段に保持された被撮像物を撮像する撮像手段と、保持手段と撮像手段とをX軸方向およびY軸方向に相対的に移動する移動手段とを少なくとも備えた処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
IC、LSI等の複数のデバイスが分割予定ラインによって区画され表面に形成されたウエーハは、ダイシング装置によって個々のデバイスチップに分割され、分割された各デバイスチップは携帯電話、パソコン等の電気機器に利用される。
【0003】
ダイシング装置は、ウエーハを保持する保持手段と、保持手段に保持されたウエーハを切削する切削手段と、保持手段と切削手段とを相対的にX軸方向、Y軸方向に移動する移動手段と、保持手段に保持されたウエーハを撮像し切削加工を施すべき領域を検出する撮像手段とを備え、ウエーハを高精度に個々のデバイスチップに分割することができる(たとえば特許文献1参照)。なお、撮像手段は切削手段と共に移動手段によって保持手段に対して相対的に移動されるようになっている。
【0004】
撮像手段は、対物レンズと、対物レンズによって取り込んだ画像を処理する画像処理部とを備える。画像処理部は、デバイスに形成された特徴パターンをキーパターンとして記憶するキーパターン記憶部と、分割予定ラインと特徴パターンとの位置関係を記憶する位置関係記憶部とを含む。そして、画像処理部は、移動手段によって保持手段と撮像手段とを相対的にX軸方向またはY軸方向に移動して保持手段に保持されたウエーハの複数領域を撮像してキーパターンと同一の特徴パターンをパターンマッチングで抽出して位置関係記憶部に記憶された位置関係から分割予定ラインを検出するアライメントを実行するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、対物レンズにカバーが配設されている場合でも、切削加工を施している際に飛沫が対物レンズに付着するときがある。このようなときには、適正なパターンマッチングが遂行されず、切削加工を施すべき領域が検出不能となるため、ダイシング装置の稼働率が低下するという問題がある。
【0007】
このような問題点に対しては、白色プレートまたは鏡を保持手段に保持させ、白色プレートまたは鏡を撮像手段で撮像することにより、対物レンズの汚れを検出することも可能ではあるが、このような汚れ検出作業をタイミングよく行うことは困難であると共に煩に耐えない。
【0008】
また、前記の問題は、ダイシング装置に限らず、撮像手段を備えたレーザー加工装置、検査装置等の各種処理装置においても起こり得る。
【0009】
上記事実に鑑みてなされた本発明の課題は、タイミングよく対物レンズの汚れを検出することができる処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、上記課題を解決する以下の処理装置が提供される。すなわち、被撮像物を保持する保持手段と、該保持手段に保持された被撮像物を撮像する撮像手段と、該保持手段と該撮像手段とをX軸方向およびY軸方向に相対的に移動する移動手段とを少なくとも備えた処理装置であって、該撮像手段は、対物レンズと、該対物レンズによって取り込んだ画像を処理すると共に該対物レンズの汚れを検出する画像処理部とを備え、該画像処理部は、該移動手段によって該保持手段と該撮像手段とを相対的にX軸方向またはY軸方向に移動して該保持手段に保持された被撮像物の複数領域を撮像して複数画像を記憶し、該複数画像を重ねて共通する模様を抽出して汚れと判断する処理装置が提供される。
【0011】
好ましくは、被撮像物は分割予定ラインによって区画されて複数のデバイスが形成された表面を備え、該画像処理部は、デバイスに形成された特徴パターンをキーパターンとして記憶するキーパターン記憶部と、分割予定ラインと該特徴パターンとの位置関係を記憶する位置関係記憶部とを備え、該画像処理部は、該移動手段によって該保持手段と該撮像手段とを相対的にX軸方向またはY軸方向に移動して該保持手段に保持された被撮像物の複数領域を撮像して該キーパターンと同一の特徴パターンをパターンマッチングで抽出して該位置関係記憶部に記憶された位置関係から分割予定ラインを検出するアライメントを実行している際、該アライメントにおいて撮像した被撮像物の複数領域の複数画像を記憶し、該複数画像を重ねて共通する模様を抽出して汚れと判断する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の処理装置は、被撮像物を保持する保持手段と、該保持手段に保持された被撮像物を撮像する撮像手段と、該保持手段と該撮像手段とをX軸方向およびY軸方向に相対的に移動する移動手段とを少なくとも備えた処理装置であって、該撮像手段は、対物レンズと、該対物レンズによって取り込んだ画像を処理すると共に該対物レンズの汚れを検出する画像処理部とを備え、該画像処理部は、該移動手段によって該保持手段と該撮像手段とを相対的にX軸方向またはY軸方向に移動して該保持手段に保持された被撮像物の複数領域を撮像して複数画像を記憶し、該複数画像を重ねて共通する模様を抽出して汚れと判断するので、タイミングよく対物レンズの汚れを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に従って構成された処理装置の斜視図。
【
図2】
図1に示す撮像手段と、撮像手段によって撮像される被撮像物との模式図。
【
図3】(a)
図1に示す撮像手段によって撮像された
図2に示す被撮像物の第一の画像の模式図、(b)
図1に示す撮像手段によって撮像された
図2に示す被撮像物の第二の画像の模式図、(c)
図1に示す撮像手段によって撮像された
図2に示す被撮像物の第三の画像の模式図、(d)
図1に示す撮像手段によって撮像された
図2に示す被撮像物の第四の画像の模式図、(e)
図1に示す撮像手段によって撮像された
図2に示す被撮像物の第五の画像の模式図、(f)(a)ないし(e)に示す複数の画像から検出された汚れのみが表示された画像の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に従って構成された処理装置の好適実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0015】
図1を参照して説明すると、全体を符号2で示す処理装置は、被撮像物を保持する保持手段4と、保持手段4に保持された被撮像物を撮像する撮像手段6と、保持手段4と撮像手段6とをX軸方向およびY軸方向に相対的に移動する移動手段(図示していない。)とを少なくとも備える。なお、X軸方向は
図1に矢印Xで示す方向であり、Y軸方向は
図1に矢印Yで示す方向であってX軸方向に直交する方向である。また、X軸方向およびY軸方向が規定するXY平面は実質上水平である。
【0016】
保持手段4は、X軸方向に移動自在かつ上下方向を軸心として回転自在に構成されたチャックテーブル8を含む。チャックテーブル8の上端部分には、吸引手段(図示していない。)に接続された多孔質の円形状吸着チャック10が配置されている。チャックテーブル8は、吸引手段で吸着チャック10に吸引力を生成することにより、上面に載せられた被撮像物を吸引保持する。また、チャックテーブル8の周縁には、周方向に間隔をおいて複数のクランプ12が配置されている。
【0017】
図2に示すとおり、撮像手段6は、対物レンズ14と、対物レンズ14によって取り込んだ画像を処理すると共に対物レンズ14の汚れを検出する画像処理部16とを備える。対物レンズ14はハウジング18に収容されており、ハウジング18は、チャックテーブル8の軌道の上方においてY軸方向に移動自在に支持されている。また、コンピュータから構成される画像処理部16は、図示していないが、制御プログラムに従って演算処理する中央処理装置(CPU)と、制御プログラム等を格納するリードオンリメモリ(ROM)と、演算結果等を格納する読み書き可能なランダムアクセスメモリ(RAM)とを含む。そして、対物レンズ14に入射した光は、撮像素子(図示していない。)によって電気信号に変換されて画像処理部16に送られる。また、撮像手段6によって撮像された画像はモニタ20に表示されるようになっている。
【0018】
ここで、被撮像物の一例について
図2を参照して説明すると、被撮像物としては、たとえば、シリコン等の適宜の半導体材料から形成され得るウエーハ22が挙げられる。ウエーハ22の表面22aは、格子状の分割予定ライン24によって複数の矩形領域に区画されており、複数の矩形領域のそれぞれにはIC、LSI等のデバイス26が形成されている。デバイス26は特徴的なパターンを有しており、図示の実施形態のデバイス26は、
図2の拡大図において点線で囲んだ「+(プラス)」形状の特徴パターン28を有している。また、ウエーハ22の裏面22bは、周縁が環状フレーム30に固定されたダイシングテープ32に貼り付けられており、ウエーハ22は、ダイシングテープ32を介して環状フレーム30に支持されている。
【0019】
図示の実施形態の画像処理部16は、
図2に示すとおり、デバイス26に形成された特徴パターン28をキーパターンとして記憶するキーパターン記憶部34と、分割予定ライン24と特徴パターン28との位置関係を記憶する位置関係記憶部36とを備える。図示の実施形態のキーパターン記憶部34は、キーパターンとして「+」形状の上記特徴パターン28を記憶しているが、キーパターンとして任意のパターンを記憶することができる。位置関係記憶部36が記憶する位置関係としては、たとえば、
図2の拡大図において特徴パターン28の左側に位置する第一の分割予定ライン24aと特徴パターン28とのX軸方向の距離Lxと、
図2の拡大図において特徴パターン28の上側に位置する第二の分割予定ライン24bと特徴パターン28とのY軸方向の距離Lyとが挙げられる。
【0020】
上記移動手段は、図示してないが、保持手段4のチャックテーブル8をX軸方向に移動させるX軸移動手段と、撮像手段6の対物レンズ14を収容しているハウジング18をY軸方向に移動させるY軸移動手段とを含む。X軸移動手段は、チャックテーブル8に連結されX軸方向に延びるボールねじと、このボールねじを回転させるモータとを有する構成でよい。また、Y軸移動手段は、ハウジング18に連結されY軸方向に延びるボールねじと、このボールねじを回転させるモータとを有する構成でよい。
【0021】
図示の実施形態の処理装置2は、被撮像物を撮像すると共に、被撮像物に対して切削加工を施すダイシング装置として構成されており、被撮像物としてのウエーハ22は処理装置2によって切削加工が施される被加工物でもある。
図1に示すとおり、処理装置2は、保持手段4に保持されたウエーハ22を切削する切削ブレード38を回転可能に備えた切削手段40と、ウエーハ22を複数枚収容したカセット42が設置される昇降自在なカセット設置台44と、カセット42から加工前のウエーハ22を引き出し、仮置きテーブル46まで搬出すると共に仮置きテーブル46に位置づけられた加工済みのウエーハ22をカセット42に搬入する搬出入手段48と、カセット42から仮置きテーブル46に搬出された加工前のウエーハ22を保持手段4に搬送する第一の搬送手段50と、加工済みのウエーハ22を洗浄する洗浄手段52と、加工済みのウエーハ22をチャックテーブル8から洗浄手段52に搬送する第二の搬送手段54とを備える。なお、切削手段40は、撮像手段6のハウジング18と共に、Y軸移動手段によってY軸方向に移動されるようになっている。
【0022】
処理装置2を用いて、被撮像物および被加工物としてのウエーハ22を撮像すると共に、ウエーハ22に対して所要の切削加工を施す際は、まず、搬出入手段48によってカセット42から仮置きテーブル46に加工前のウエーハ22を引き出した後、第一の搬送手段50によって仮置きテーブル46からチャックテーブル8にウエーハ22を搬送し、表面22aを上に向けてチャックテーブル8の上面でウエーハ22を吸引保持する。また、複数のクランプ12で環状フレーム30を固定する。
【0023】
次いで、移動手段によって保持手段4と撮像手段6の対物レンズ14とを相対的にX軸方向またはY軸方向に移動して、保持手段4に保持されたウエーハ22の複数領域を撮像してキーパターンと同一の特徴パターン28をパターンマッチングで抽出して位置関係記憶部36に記憶された位置関係から分割予定ライン24を検出するアライメントを実行する。
【0024】
アライメントを実行する際は、ウエーハ22を保持したチャックテーブル8をX軸移動手段によってX軸方向に移動してもよく、あるいは、撮像手段6の対物レンズ14をY軸移動手段によってY軸方向に移動してもよい。そして、保持手段4と対物レンズ14とを相対的にX軸方向またはY軸方向に移動しながら、ウエーハ22の複数領域を撮像手段6によって撮像する。
図3(a)ないし
図3(e)には、保持手段4と対物レンズ14とを相対的に移動しながら撮像したウエーハ22の複数領域の画像が示されている。
【0025】
ウエーハ22の複数領域を撮像した後、撮像手段6の画像処理部16によって、キーパターン記憶部34が記憶しているキーパターン(「+」形状のパターン)と同一の特徴パターン28をパターンマッチングで抽出する。画像処理部16は、パターンマッチングを実行する際に、撮像した複数画像のそれぞれについてキーパターンとのマッチング度を算出する。たとえば、
図3(a)に示す画像は30%、
図3(b)に示す画像は25%、
図3(c)に示す画像は40%、
図3(d)に示す画像は70%、
図3(e)に示す画像は95%のように、画像処理部16は各画像のマッチング度を算出する。そして、所定のしきい値よりも高いマッチング度の画像(本実施形態では
図3(e)に示す画像)が抽出されたら、抽出された画像における特徴パターン28と、位置関係記憶部36に記憶された位置関係とから、切削加工を施すべき領域である分割予定ライン24を検出する。
【0026】
アライメントを実行した後、チャックテーブル8を
図3(e)に示す画像に対して下方に移動させ、分割予定ライン24をX軸方向に整合させると共に、X軸方向に整合させた分割予定ライン24の上方に切削ブレード38を位置づける。次いで、切削手段40を下降させ、X軸方向に整合させた分割予定ライン24に、高速回転させた切削ブレード38の刃先をウエーハ22に切り込ませると共に、切削ブレード38の刃先を切り込ませた部分に切削水を供給しながら、切削手段40に対してチャックテーブル8をX軸方向に加工送りして分割予定ライン24に沿って切削溝を形成する切削加工を施す。次いで、分割予定ライン24のY軸方向間隔の分だけ、チャックテーブル8に対して切削手段40をY軸方向に割り出し送りしながら切削加工を繰り返し、X軸方向に整合させた分割予定ライン24のすべてに切削溝を形成する。
【0027】
次いで、チャックテーブル8を90度回転させ、先に切削溝を形成した分割予定ライン24と直交する分割予定ライン24をX軸方向に整合させる。そして、切削加工と割り出し送りとを繰り返し、すべての分割予定ライン24に沿って格子状に切削溝を形成する。次いで、切削加工を施した後、第二の搬送手段54によってチャックテーブル8から洗浄手段52にウエーハ22を搬送して、洗浄手段52によってウエーハ22を洗浄する。そして、第一の搬送手段50によって洗浄手段52から仮置きテーブル46にウエーハ22を搬送し、搬出入手段48によって仮置きテーブル46からカセット42にウエーハ22を搬出する。
【0028】
図示の実施形態の画像処理部16は、上述のアライメントを実行している際、アライメントにおいて撮像したウエーハ22の複数領域の複数画像を記憶し、複数画像を重ねて共通する模様を抽出して汚れと判断する。たとえば、
図3(a)ないし
図3(e)に示す複数の画像においては、符号56で示す模様である。
【0029】
アライメントの際に撮像した複数の画像は、保持手段4と撮像手段6の対物レンズ14とを相対的に移動しながら撮像した画像であるので、複数の画像を重ね合わせたときに、複数の画像において同じ位置に存在する同じ形状の模様56は、撮像手段6の対物レンズ14に付着した汚れである可能性が高い。したがって、画像処理部16は、複数の画像を重ねて共通する模様があった場合には、この模様を抽出して、対物レンズ14の汚れと判断する。なお、画像処理部16は複数の画像を重ねることによって汚れを検出するので、対物レンズ14の汚れを検出するための画像は、少なくとも2枚は必要であり、誤検出を防止する観点からは、たとえば5枚以上であるのが好適である。
【0030】
そして、複数の画像において共通する模様56が抽出された場合には、
図3(f)のように模様56のみの画像がモニタ20に表示されると共に、対物レンズ14の汚れの除去をオペレータに促すメッセージが発せられる。このように図示の実施形態の処理装置2においては、タイミングよく対物レンズ14の汚れを検出することができ、対物レンズ14の汚れを除去することが可能になる。また、図示の実施形態の処理装置2においては、アライメントを実行している際に、対物レンズ14の汚れを検出するので、ダウンタイムを低減して効率よく対物レンズ14の汚れを検出することができる。
【0031】
なお、図示の実施形態では、処理装置2がダイシング装置として構成されている例について説明したが、本発明の処理装置は、撮像手段を備えたレーザー加工装置、検査装置等の各種処理装置として構成され得る。
【符号の説明】
【0032】
2:処理装置
4:保持手段
6:撮像手段
14:対物レンズ
16:画像処理部
22:ウエーハ(被撮像物)
22a:ウエーハの表面
22b:ウエーハの裏面
24:分割予定ライン
24a:第一の分割予定ライン
24b:第二の分割予定ライン
26:デバイス
28:特徴パターン
34:キーパターン記憶部
36:位置関係記憶部
56:共通する模様(汚れ)