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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127129
(43)【公開日】2022-08-31
(54)【発明の名称】ゲームシステム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/825 20140101AFI20220824BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20220824BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20220824BHJP
【FI】
A63F13/825
A63F13/69 510
A63F13/69 520
A63F13/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021025087
(22)【出願日】2021-02-19
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FLASH
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】池田 慶悟
(72)【発明者】
【氏名】橘 俊和
(72)【発明者】
【氏名】山口 湧太郎
(72)【発明者】
【氏名】田公 亮
(72)【発明者】
【氏名】恩田 明生
(72)【発明者】
【氏名】村井 伸太郎
(57)【要約】
【課題】今まで育成してきた育成済みのゲーム要素を、新たに獲得した新規のゲーム要素に入れ替える場合であっても、当該育成済みのゲーム要素に対するこれまでのプレーヤの労力や経験を無駄にすることなく、ゲーム要素の新規獲得にあたりプレーヤに対して喜悦感を与えること、及び、それによって、ゲームに対する興趣性を向上させることが可能なサーバシステムなどを提供すること。
【解決手段】本実施形態のサーバ装置10は、育成対象キャラクタ等を用いてゲームを実行している場合であって、新規に育成対象キャラクタ等を取得し、かつ、当該新規の育成対象キャラクタ等を、今まで育成管理してきた育成済みの育成対象キャラクタと、ゲームに使用するキャラクタとして、入れ替える育成対象キャラクタ入れ替え制御処理を実行する場合に、新規の育成対象キャラクタ等に管理済み育成対象キャラクタの育成制御パラメータを引き継ぐ構成を有している。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
育成対象のゲーム要素を用いてゲームを実行させるゲームシステムであって、
所与の獲得条件を具備した場合に前記ゲーム要素をプレーヤに獲得させるゲーム要素獲得処理を実行する獲得処理手段と、
記憶手段に記憶されている情報であって、前記ゲーム要素獲得処理によって獲得した前記育成対象のゲーム要素である育成対象ゲーム要素と、当該育成対象ゲーム要素の育成進度を規定するパラメータを示す育成進度パラメータと、当該育成対象ゲーム要素の育成に関する所与の育成関連処理に対する制御内容が規定された制御内容情報と、が対応付けられた情報を、管理済み育成対象ゲーム要素情報として、管理するゲーム要素管理手段と、

所与の実行条件を具備した場合に、前記育成進度パラメータの変動を制御することによって、当該育成進度パラメータに対応付けて管理されている前記育成対象ゲーム要素に対する育成制御処理を実行する育成制御手段と、
前記ゲーム要素獲得処理によって新規な育成対象ゲーム要素を示す新規育成対象ゲーム要素が獲得された場合に、既に管理されている少なくとも1の管理済みの特定の育成対象ゲーム要素における育成進度パラメータに基づいて、当該新規育成対象ゲーム要素の育成に関する前記育成関連処理を規定する制御内容を決定する決定処理を実行する決定手段と、
前記育成対象ゲーム要素を含むゲームに関する情報を前記プレーヤに提供する提供手段と、
を備え、
前記ゲーム要素管理手段が、
前記決定処理によって決定された制御内容を示す制御内容情報を含めて前記新規育成対象ゲーム要素の情報を、前記管理済み育成対象ゲーム要素情報として、記憶手段に登録し、
前記管理済み育成対象ゲーム要素に対する所与の育成関連処理を実行する際に、当該管理済み育成対象ゲーム要素に対応付けて記憶されている制御内容情報を、当該育成関連処理を実行する手段に提供することを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のゲームシステムにおいて、
前記制御内容には、前記ゲーム要素獲得処理を規定する内容であって、前記管理済み育成対象ゲーム要素の育成制御処理に用いる育成進度制御用ゲーム要素の獲得に関する内容が含まれており、
前記獲得処理手段が、
前記育成関連処理として前記ゲーム要素獲得処理を実行し、かつ、
前記制御内容情報に基づいて、前記育成進度制御用ゲーム要素を前記プレーヤに獲得させる、ゲームシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のゲームシステムにおいて、
前記制御内容には、前記育成制御処理を規定する内容であって、前記育成対象ゲーム要素における前記育成制御処理を実行する際の前記育成進度パラメータの変動を規定する制御内容が含まれており、
前記育成制御手段が、
前記育成関連処理として前記育成制御処理を実行し、かつ、
前記制御内容情報に基づいて、前記育成進度パラメータの変動を制御する、ゲームシステム。
【請求項4】
請求項3記載のゲームシステムにおいて、
前記決定手段が、
前記決定処理として、前記管理済みの特定の育成対象ゲーム要素における育成進度パラメータに基づいて、前記新規育成対象ゲーム要素における前記育成制御処理を実行する際の前記育成進度パラメータの変動に対する制御内容を、前記プレーヤの有利な方向に、決定する、ゲームシステム。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のゲームシステムにおいて、
前記獲得処理手段が、
育成対象ゲーム要素の育成進度に寄与する育成進度制御用ゲーム要素を前記プレーヤに獲得させ、
前記育成制御手段が、
前記制御内容情報に基づいて、前記育成進度制御用ゲーム要素を制御することによって、前記育成進度パラメータの変動を制御する、ゲームシステム。
【請求項6】
請求項3~5のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記決定手段が、
前記決定処理として、前記管理済みの特定の育成対象ゲーム要素における育成進度パラメータに対する前記育成関連処理としての前記育成制御処理が実行されたときの、前記プレーヤが享受した効果と同一の効果、又は、同一とみなされる効果を発揮する内容に、前記新規育成対象ゲーム要素における育成進度パラメータに対する前記制御内容を決定する、ゲームシステム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記決定手段が、
前記決定処理に用いた前記管理済みの特定の育成対象ゲーム要素を前記ゲームに使用不能に設定し、又は、前記管理済みの特定の育成対象ゲーム要素の育成進度パラメータを前記プレーヤに不利な方向に変動させる、ゲームシステム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記憶手段に記憶されている複数の管理済み育成対象ゲーム要素情報の中から、所与の設定条件を具備する前記育成対象ゲーム要素を、前記少なくとも1の管理済みの特定の育成対象ゲーム要素に設定する設定手段を更に備える、ゲームシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のゲームシステムにおいて、
前記設定条件には、所与の抽選処理によって当選したことを含む、ゲームシステム。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のゲームシステムにおいて、
前記設定条件には、前記プレーヤの操作指示に基づいて指定されたことを含む、ゲームシステム。
【請求項11】
請求項10に記載のゲームシステムにおいて、
前記プレーヤの操作指示に基づいて、前記少なくとも1の育成対象ゲーム要素を、前記管理済みの特定の育成対象ゲーム要素として設定する場合であって、前記管理済みの育成対象ゲーム要素の中から前記プレーヤによって指示された育成対象ゲーム要素と、前記新規育成対象ゲーム要素と、における前記決定処理が実行された場合の予測される制御内容を、プレビューとして表示手段に表示させる表示制御手段を備え、
前記設定手段が、
前記プレビュー表示後に前記プレーヤの確定指示を受け付けた場合に、当該確定指示の対象となった育成対象ゲーム要素を、管理済みの特定の育成対象ゲーム要素に設定する、ゲームシステム。
【請求項12】
請求項8~11のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記設定条件には、前記育成進度パラメータに関する条件が含まれる、ゲームシステム。
【請求項13】
請求項12に記載のゲームシステムにおいて、
前記育成進度パラメータに関する条件には、所与のタイミングにおいて前記育成進度パラメータが前記プレーヤにとって最良の値になっていることが、含まれる、ゲームシステム。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記決定手段が、
複数の前記管理済みの特定の育成対象ゲーム要素が設定された場合には、当該複数の特定の育成対象ゲーム要素における育成進度パラメータについて、所与の演算を実行し、
前記演算の結果に基づいて、前記制御内容を決定する、ゲームシステム。
【請求項15】
育成対象のゲーム要素を用いてゲームを実行させるプログラムであって、
所与の獲得条件を具備した場合に前記ゲーム要素をプレーヤに獲得させるゲーム要素獲得処理を実行する獲得処理手段、
記憶手段に記憶されている情報であって、前記ゲーム要素獲得処理によって獲得した前記育成対象のゲーム要素である育成対象ゲーム要素と、当該育成対象ゲーム要素の育成進度を規定するパラメータを示す育成進度パラメータと、当該育成対象ゲーム要素の育成に関する所与の育成関連処理に対する制御内容が規定された制御内容情報と、が対応付けられた情報を、管理済み育成対象ゲーム要素情報として、管理するゲーム要素管理手段、
所与の実行条件を具備した場合に、前記育成進度パラメータの変動を制御することによって、当該育成進度パラメータに対応付けて管理されている前記育成対象ゲーム要素に対する育成制御処理を実行する育成制御手段、
前記ゲーム要素獲得処理によって新規な育成対象ゲーム要素を示す新規育成対象ゲーム要素が獲得された場合に、既に管理されている少なくとも1の管理済みの特定の育成対象ゲーム要素における育成進度パラメータに基づいて、当該新規育成対象ゲーム要素の育成に関する前記育成関連処理を規定する制御内容を決定する決定処理を実行する決定手段、及び、
前記育成対象ゲーム要素を含むゲームに関する情報を前記プレーヤに提供する提供手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記ゲーム要素管理手段が、
前記決定処理によって決定された制御内容を示す制御内容情報を含めて前記新規育成対象ゲーム要素の情報を、前記管理済み育成対象ゲーム要素情報として、記憶手段に登録し、
前記管理済み育成対象ゲーム要素に対する所与の育成関連処理を実行する際に、当該管理済み育成対象ゲーム要素に対応付けて記憶されている制御内容情報を、当該育成関連処理を実行する手段に提供することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム及びプログラムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ゲーム中に、プレーヤからの獲得要求に基づいて、ランダムに選択されたキャラクタやアイテムを提供する抽選要素を含めた娯楽性を有するゲーム(すなわち、ゲーム要素を獲得させるイベントを有するゲーム)を実行させるゲームシステムが一般化している。
【0003】
特に、最近では、このようなゲームとして、プレーヤが既に有しているゲーム要素と同じ属性を有しているゲーム要素を付与し、プレーヤに対して有利な効果を提供するゲームが知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
一方、近年、ゲームの一形態としては、プレーヤが保有するキャラクタ(すなわち、プレーヤキャラクタ)やアイテム等のゲーム要素の中から使用するゲーム要素を選択してゲームを実行し、所望するゲーム要素の能力を選択的に向上させる「育成要素」、「強化要素」又は「進化要素」などを有するゲームも知られている。
【0005】
特に、最近では、このような新たな育成対象となるゲーム要素を付与するゲームにおいて、試用を前提にゲーム要素をプレーヤに付与すると、育成がしやすくなるゲームが知られている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許5329719号公報
【特許文献2】特許6671903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載のゲーム又はそれを提供するゲームシステムにあっては、既に育成が進んだゲーム要素を使用している場合に、新たに獲得したゲーム要素を一から育成し直すことにもなり、それまでの育成対象のゲーム要素に対するプレーヤの労力や経験が無駄になることも多い。
【0008】
一方、上記特許文献2に記載のゲーム又はそれを提供するゲームシステムにあっては、新たな育成対象のゲーム要素の育成をしやすくするが、当該新たな育成対象のゲーム要素にゲームに対するプレーヤの労力や経験が反映されておらず、以前から使用しているゲーム要素から切り替える場合に、躊躇するプレーヤも多い。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、プレーヤが未獲得の新規の育成対象のゲーム要素を獲得した場合に、たとえ、いままで使用してきたゲーム要素から新規なゲーム要素に育成対象を切り替えたとしても、これまでのプレーヤの労力や経験を無駄にすることなく、当該獲得にあたりプレーヤに対して喜悦感を与えること、及び、それによって、ゲームに対する興趣性を向上させることが可能なサーバシステムなどを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記課題を解決するため、本発明は、
育成対象のゲーム要素を用いてゲームを実行させるゲームシステムであって、
所与の獲得条件を具備した場合に前記ゲーム要素をプレーヤに獲得させるゲーム要素獲得処理を実行する獲得処理手段と、
記憶手段に記憶されている情報であって、前記ゲーム要素獲得処理によって獲得した前記育成対象のゲーム要素である育成対象ゲーム要素と、当該育成対象ゲーム要素の育成進度を規定するパラメータを示す育成進度パラメータと、当該育成対象ゲーム要素の育成に関する所与の育成関連処理に対する制御内容が規定された制御内容情報と、が対応付けられた情報を、管理済み育成対象ゲーム要素情報として、管理するゲーム要素管理手段と、

所与の実行条件を具備した場合に、前記育成進度パラメータの変動を制御することによって、当該育成進度パラメータに対応付けて管理されている前記育成対象ゲーム要素に対する育成制御処理を実行する育成制御手段と、
前記ゲーム要素獲得処理によって新規な育成対象ゲーム要素を示す新規育成対象ゲーム要素が獲得された場合に、既に管理されている少なくとも1の管理済みの特定の育成対象ゲーム要素における育成進度パラメータに基づいて、当該新規育成対象ゲーム要素の育成に関する前記育成関連処理に対する制御内容を決定する決定処理を実行する決定手段と、
前記育成対象ゲーム要素を含むゲームに関する情報を前記プレーヤに提供する提供手段と、
を備え、
前記ゲーム要素管理手段が、
前記決定処理によって決定された制御内容を示す制御内容情報を含めて前記新規育成対象ゲーム要素の情報を、前記管理済み育成対象ゲーム要素情報として、記憶手段に登録し、
前記管理済み育成対象ゲーム要素に対する所与の育成関連処理を実行する際に、当該管理済み育成対象ゲーム要素に対応付けて記憶されている制御内容情報を、当該育成関連処理を実行する手段に提供する、構成を有している。
【0011】
この構成により、本発明は、例えば、操作制御対象のプレーヤキャラクタやアイテム(以下、「キャラクタ等」という。)を、新規育成対象のゲーム要素に切り替える場合に、新規のゲーム要素を1から育成し直すことなく、今まで育成したゲーム要素に対する労力や経験を新たなゲーム要素に引き継がせることができる。
【0012】
例えば、本発明は、育成対象となるプレーヤキャラクタを新規に取得した場合において、新規のプレーヤキャラクタについて新たに使用を開始し、かつ、今まで育成してきたプレーヤキャラクの使用を中止する場合であっても、使用を中止したプレーヤキャラクタについて育成するための労力や経験を、新規のプレーヤキャラクタに引き継がせ、それらを無駄にせずに活かすことができる。
【0013】
すなわち、本発明は、新たな育成対象ゲーム要素の使用を開始した場合であっても、最初から育成すること無く、既に育成が進んでいる他の育成対象ゲーム要素との性能差を無くすことができるので、新たな育成対象ゲーム要素を躊躇することなく使用することができる。
【0014】
したがって、本発明は、プレーヤキャラクタやアイテムなどのゲーム要素を育成させるゲームにおいて、プレーヤが未獲得のゲーム要素を当該育成ゲームがある程度進んだ状態で獲得した場合であっても、プレーヤの労力や経験を無駄にすることなく、新規なキャラクタの獲得に対する喜悦感を与え、ゲームに対する興趣性を向上させることができる。
【0015】
なお、「ゲーム要素」には、
(A1)プレーヤの操作対象となるプレーヤキャラクタ、当該プレーヤキャラクタの味方となるキャラクタなどのキャラクタ(以下、「プレーヤキャラクタに準ずるキャラクタ」という。)、又は、これらのキャラクタが規定されたゲーム媒体、及び、
(A2)武器・道具・ゲーム内通貨・能力・経験値や能力値などのパラメータが規定されたキャラクタアイテム、又は、当該キャラクタアイテムが規定されたカードなどのゲーム媒体、
が含まれる。
【0016】
また、「所与の獲得条件」とは、例えば、クエストの達成した場合、特定のアイテム(数量やレベルなどの質も含めて)を取得した場合、敵キャラクタと対戦して勝利した場合、抽選処理によって当選した場合、又は、他のプレーヤからプレゼントされた場合などの処理が含まれる。
【0017】
そして、「育成進度パラメータ」とは、
(B1)プレーヤキャラクタ・それに準ずるキャラクタ・キャラクタアイテムを規定する固有のパラメータであって、プレーヤキャラクタなどの育成対象の育成状態(ステイタス)又は育成進度(育成量)を規定するパラメータ、又は、
(B2)プレーヤキャラクタなどに合成することで当該プレーヤキャラクタなどの育成を行うためのアイテム(すなわち、育成用素材アイテム)を育成制御処理に用いる場合には、当該育成用素材アイテムの数やその量、又は、レベルや能力値などの当該育成用素材アイテムの属性を規定するめのパラメータ、
を示す。
【0018】
また、「所与の実行条件」には、例えば、
(C1)クエストやステージのクリア、ゲームの進度、敵キャラクタや他のプレーヤ(具体的にはプレーヤキャラクタ)との対戦や撃破、又は、ミニゲームでの勝利などのゲームイベントに関する条件、
(C2)育成対象のプレーヤキャラクタやアイテムに対して、素材アイテムなどの他のアイテムを合成する合成処理において、合成が成功した場合などの合成処理(他のゲーム要素が消費(非所有化)される場合及び消費されない場合(保有継続)の双方を含む。)に関する条件、
(C3)予め定められた金額の課金や予め定められた量のポイント消費などのプレーヤの指示(意思)に基づく実行条件、
(C4)ゲーム内の進捗状況や時間経過などのゲーム進行やゲーム状況に関する条件、及び、
(C5)育成制御処理に、育成対象ゲーム要素の育成進度に寄与する育成進度制御用ゲーム要素を用いる場合には、その数、量又は質などの育成進度制御用ゲーム要素に関する条件、
などが含まれる。
【0019】
そして、「育成制御処理」とは、育成対象キャラクタ等のパラメータ(1種以上のパラメータ)、すなわち、育成進度パラメータを、当該プレーヤに取って有利な方向に変動させることであって、育成対象ゲーム要素が育成される処理(ゲーム内において育成対象のキャラクタやアイテムを強化するための処理)を示す。
【0020】
特に、「所与の実行条件を具備した場合に、・・・実行する育成制御処理」とは、上記の各条件が具備された場合に、プレーヤの育成を実行する旨の指示が入力されること、又は、自動的に実行されることを示している。
【0021】
上記に加えて、「少なくとも1の・・・管理済みの特定の育成対象ーム要素における育
成進度パラメータに基づいて、」とは、最低1つの育成対象ゲーム要素の育成進度パラメータに基づくことを示す。
【0022】
特に、この場合において、複数の特定の育成対象ゲーム要素における育成進度パラメータを用いる場合には、複数の特定の育成対象ゲーム要素パラメータの合計値や平均値などの演算値に基づくことなども含まれる。
【0023】
そして、決定処理に用いられる「管理済みの特定の育成対象ゲーム要素」とは、例えば、プレーヤによって指定された管理済みの育成対象ゲーム要素、抽選処理によって当選した管理済みの育成対象ゲーム要素、又は、ゲームの状況など所定の条件を具備している管理済みの育成対象ゲーム要素を示す。
【0024】
また、「育成関連処理」には、例えば、育成制御処理及びアイテム要素獲得処理が含まれる。
【0025】
そして、「育成関連処理の制御内容」及び「制御内容情報」には、例えば、
(D1)新規育成対象ゲーム要素が管理済み育成対象ゲーム要素として育成制御処理に用いる場合の制御内容(情報)、又は、
(D2)新規育成対象ゲーム要素が管理済み育成対象ゲーム要素として育成制御処理を実行するためゲーム要素獲得処理を実行する場合の制御内容(情報)、
などが含まれる。
【0026】
例えば、「育成関連処理」として「育成制御処理」を用いる場合には、「制御内容」には、
(D1-1)新規育成対象ゲーム要素の育成進度パラメータの初期値、
(D1-2)新規育成対象ゲーム要素の育成進度パラメータの変動量、
(D1-3)育成進度パラメータに基づく育成制御処理を実行する際のコスト、
(D1-4)育成用の素材アイテムなどの育成対象ゲーム要素以外の他のゲーム要素の値が育成進度パラメータを直接示す場合には、当該他のゲーム要素のレベルなどの属性、又は、使用する育成用のゲーム要素における数又は量などの数値(すなわち、育成進度パラメータとなる値)、
(D1-5)育成用の素材アイテムなどの育成対象ゲーム要素以外の他のゲーム要素を管理済み特定育成対象ゲーム要素に合成する場合など、育成制御処理時に消費される場合には、育成制御処理が実行される際に発揮される他のゲーム要素の能力値(例えば、合成時に能力値などの育成進度パラメータに加算又は乗算される値)、及び、
(D1-6)育成制御処理が抽選によって育成進度パラメータの変動を制御する場合(例えば、育成進度制御用アイテムに基づく抽選によって育成進度パラメータに加算される複数の変動量の中から当選する場合)には、その抽選確率(素材アイテムを用いた合成など育成制御処理に育成対象ゲーム要素以外を用いた場合も含む。)、
などが含まれる。
【0027】
そして、「育成関連処理」として「ゲーム要素獲得処理」を用いる場合には、「制御内容」には、
(D2-1)新規育成対象ゲーム要素の育成進度パラメータを制御するための素材アイテムなどのゲーム要素(以下、「育成進度制御用ゲーム要素」という。)を獲得処理によって獲得させる際の種別、レベル(質)などの属性又は数、
(D2-2)新規育成対象ゲーム要素及び育成進度制御用ゲーム要素における獲得処理の実行タイミング、
(D2-3)新規育成対象ゲーム要素及び育成進度制御用ゲーム要素における獲得処理のコスト、及び、
(D2-4)新規育成対象ゲーム要素及び育成進度制御用ゲーム要素を抽選によって獲得させる場合には、その当選確率、
などが含まれる。
【0028】
さらに、「管理済みの特定の育成対象ゲーム要素における育成進度パラメータに基づいて、当該新規育成対象ゲーム要素の育成に関する前記育成関連処理に対する制御内容を決定する」としては、
(E1)管理済みの特定の育成対象ゲーム要素のレベルなどのパラメータと新規育成対象ゲーム要素のパラメータとの差に応じて、(D1)及び(D2)の各値 やデータを調整すること、又は、
(E2)複数の管理済みの特定の育成対象ゲーム要素を用いる場合には、これらの統計値(平均値や偏差値)又は合計値などの所定の演算値に基づいて(E1)を制御すること、が含まれる。
【0029】
(2)また、本発明は、
前記制御内容には、前記ゲーム要素獲得処理を規定する内容であって、前記管理済み育成対象ゲーム要素の育成制御処理に用いる育成進度制御用ゲーム要素の獲得に関する内容が含まれており、
前記獲得処理手段が、
前記育成関連処理として前記ゲーム要素獲得処理を実行し、かつ、
前記制御内容情報に基づいて、前記育成進度制御用ゲーム要素を前記プレーヤに獲得させる、構成を有している。
【0030】
この構成により、本発明は、新規育成対象ゲーム要素が育成対象になった場合であって、ボーナスアイテム、又は、新規育成対象ゲーム要素を改良するためのアイテムなど、当該新規育成対象ゲーム要素の育成制御に影響を与える他のゲーム要素を獲得させることができる。
【0031】
したがって、本発明は、育成制御パラメータを制御するだけでなく、幅広いゲーム仕様を採用することができる。
【0032】
(3)また、本発明は、
前記制御内容には、前記育成制御処理を規定する内容であって、前記育成対象ゲーム要素における前記育成制御処理を実行する際の前記育成進度パラメータの変動を規定する制御内容が含まれており、
前記育成制御手段が、
前記育成関連処理として前記育成制御処理を実行し、かつ、
前記制御内容情報に基づいて、前記育成進度パラメータの変動を制御する、構成を有している。
【0033】
この構成により、本発明は、新規の育成対象のゲーム要素のパラメータを直接制御することができるので、既に育成が進んでいる他の育成対象ゲーム要素との性能差を無くすための処理を容易に行うことができる。
【0034】
(4)また、本発明は、
前記決定手段が、
前記決定処理として、前記管理済みの特定の育成対象ゲーム要素における育成進度パラメータに基づいて、前記新規育成対象ゲーム要素における前記育成制御処理を実行する際の前記育成進度パラメータの変動に対する制御内容を、前記プレーヤの有利な方向に、決定する、構成を有している。
【0035】
この構成により、本発明は、新規の育成対象のゲーム要素のパラメータを直接制御することができるので、既に育成が進んでいる他の育成対象ゲーム要素との性能差を無くすための処理を容易に行うことができる。
【0036】
(5)また、本発明は、
前記獲得処理手段が、
育成対象ゲーム要素の育成進度に寄与する育成進度制御用ゲーム要素を前記プレーヤに獲得させ、
前記育成制御手段が、
前記制御内容情報に基づいて、前記育成進度制御用ゲーム要素を制御することによって、前記育成進度パラメータの変動を制御する、構成を有している。
【0037】
この構成により、本発明は、素材アイテムなどの育成対象ゲーム要素とは異なる他のゲーム要素を用いて育成制御処理を実行する場合にも、適用することができる。
【0038】
なお、「育成進度に寄与する育成進度制御用ゲーム要素」とは、育成進度パラメータの変動を制御するものであって、例えば、素材アイテムや消費アイテムなどの合成することによって、又は、消費されることによって、育成進度パラメータを改変するためのゲーム要素である。
【0039】
また、「育成進度制御用ゲーム要素の数量」とは、数だけでなく、量も含み、「育成進度制御用ゲーム要素の属性」とは、例えば、種別、レベル、特性の有無やその数値などの能力(すなわち、質)が含まれる。
【0040】
(6)また、本発明は、
前記決定手段が、
前記決定処理として、前記管理済みの特定の育成対象ゲーム要素における育成進度パラメータに対する前記育成関連処理としての前記育成制御処理が実行されたときの、前記プレーヤが享受した効果と同一の効果、又は、同一とみなされる効果を発揮する内容に、前記新規育成対象ゲーム要素における育成進度パラメータに対する前記制御内容を決定する、構成を有している。
【0041】
この構成により、本発明は、新規に獲得した育成対象ゲーム要素を、今まで育成対象であって管理済み育成対象ゲーム要素に対するプレーヤの労力や経験を無駄にすることなく、新規なキャラクタの獲得に対する喜悦感を与え、ゲームに対する興趣性を向上させることができる。
【0042】
なお、「同一の効果」とは、例えば、
(F1)決定処理時点の管理済みの特定の育成対象ゲーム要素における育成進度パラメータが「5」であれば、新規育成対象ゲーム要素における育成進度パラメータの初期値が「5」になること、
(F2)決定処理時点の育成制御における管理済みの特定の育成対象ゲーム要素の育成進度パラメータの進度が「(ゲーム要素のレベルが1上がる毎に)+5(初期値は+1)」であれば、当該決定処理後の育成制御処理における新規育成対象ゲーム要素における育成進度パラメータの進度が「(ゲーム要素のレベルが1上がる毎に)+5」になること、又は、
(F3)決定処理時点の育成進度制御用ゲーム要素毎に管理済みの特定の育成対象ゲーム要素への寄与度が「5(初期値は1)」の場合には、当該決定処理後の育成制御処理の新規育成対象ゲーム要素への寄与度が「5」になること、
を示す。
【0043】
また、「同一とみなされる効果」とは、育成進度パラメータの値までは同一ではないが、当該パラメータの値が同一の場合の効果と同じ効果であることを示す。
【0044】
(7)また、本発明は、
前記決定手段が、
前記決定処理に用いた前記管理済みの特定の育成対象ゲーム要素を前記ゲームに使用不能に設定し、又は、前記管理済みの特定の育成対象ゲーム要素の育成進度パラメータを前記プレーヤに不利な方向に変動させる、構成を有している。
【0045】
この構成により、本発明は、今まで育成したゲーム要素に対する労力や経験を新たなゲーム要素に引き継がせることをプレーヤに意識させ、かつ、ゲームの公平性を担保することができる。
【0046】
なお、「特定の管理済みの育成対象ゲーム要素をゲームに使用不能に設定する」とは、例えば、ゲームにおいて消費(消滅)させて使用中止にすること、又は、操作不能にロックすることを示す。
【0047】
また、「特定の管理済みの育成対象ゲーム要素の育成進度パラメータをプレーヤに不利な方向に変動させる」とは、例えば、当該育成進度パラメータを初期化することを示す。
【0048】
ただし、本発明において、「新規育成対象ゲーム要素に対する育成制御処理の制御内容」が初期設定など通常の状態に戻された場合(リセットされた場合)には、「特定の管理済みの育成対象ゲーム要素」について、決定処理の前の状態に回復させることが好ましい。
【0049】
(8)また、本発明は、
前記憶手段に記憶されている複数の管理済み育成対象ゲーム要素情報の中から、所与の設定条件を具備する前記育成対象ゲーム要素を、前記少なくとも1の管理済みの特定の育成対象ゲーム要素に設定する設定手段を更に備える、構成を有している。
【0050】
この構成により、本発明は、育成対象ゲーム要素に、プレーヤの意思意志を反映させること、又は、ゲーム性を組み込むことによって、育成ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0051】
なお、「所与の設定条件」には、例えば、
(G1)プレーヤによって指示されたこと、
(G2)所定のレベルを有する育成対象ゲーム要素であるなどの育成対象ゲーム要素の状況が所定の条件(育成進度パラメータが最も高い又は最も低いなど)を具備したこと、
(G3)抽選によって当選したこと、又は、
(G4)(G1)~(G3)の2以上の組み合わせ、
などが含まれる。ただし、(G4)の場合には、当選、指定、条件具備の順によって、管理済みの特定の育成対象ゲーム要素が設定されてもよいし、条件具備指定、当選、の順によって、管理済みの特定の育成対象ゲーム要素が設定されてよいし、これら以外の順序でもよい。
【0052】
(9)また、本発明は、
前記設定条件には、所与の抽選処理によって当選したことを含む、構成を有している。
【0053】
この構成により、本発明は、育成進度パラメータの高い(若しくは、低い)育成対象ゲーム要素が当選し、又は、プレーヤの好きな(若しくは嫌いな)育成対象ゲーム要素が当選する可能性もあり、管理済みの特定の育成対象ゲーム要素の選択に対してもゲーム性を組み込むことができるので、育成ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0054】
なお、「所与の抽選処理」には、例えば、
(H1)記憶されている全ての管理済み育成対象ゲーム要素から抽選する処理、
(H2)記憶されている全ての管理済み育成対象ゲーム要素の中からプレーヤが指定し、当該指定した管理済み育成対象ゲーム要素の中から抽選する処理、
(H3)記憶されている全ての管理済み育成対象ゲーム要素のうち所定の抽選候補条件を具備した管理済み育成対象ゲーム要素の中から抽選する処理(抽選対象の絞り込みを実行してからの抽選処理)、
が含まれる。
【0055】
特に、(H3)の抽選候補条件としては、例えば、育成度合いが一番進んでいる(すなわち、育成進度パラメータの値が一番大きい)ゲーム要素(又は、育成度合いが一番遅いゲーム要素)など予め定められたゲーム要素に関する条件を具備したものであることが含まれる。
【0056】
また、「所与の抽選処理」においては、抽選により管理済みの特定の育成対象ゲーム要素が設定されればよく、複数の管理済みの特定の育成対象ゲーム要素が抽選された場合に、抽選された全て又は2以上の特定の育成対象ゲーム要素が設定されてもよい。
【0057】
さらに、抽選対象となる管理済みの育成対象ゲーム要素の当選確率は、一律に同一の確率であってもよいし、育成進度パラメータの値、ゲーム要素のレベル、属性、特性、又は、能力値などによって、それぞれ設定された当選確率であってもよい。
【0058】
(10)また、本発明は、
前記設定条件には、前記プレーヤの操作指示に基づいて指定されたことを含む、構成を有している。
【0059】
この構成により、本発明は、例えば、育成対象のゲーム要素を入れ替えたい場合、又は、獲得した育成対象ゲーム要素が不要な場合などに、プレーヤの意思を反映させた育成対象ゲーム要素を、管理済みの特定の育成対象ゲーム要素として設定することができる。
【0060】
また、本発明は、抽選処理と複合的に用いることによって、プレーヤの意思を反映させつつ、ゲーム性を成立させて管理済みの特定の育成対象ゲーム要素を設定することができる。
【0061】
なお、「プレーヤの操作指示に基づいて指定されたこと」には、例えば、
(J1)記憶されている全ての管理済み育成対象ゲーム要素から指定されたこと、及び、(J2)記憶されている全ての管理済み育成対象ゲーム要素のうち所定の指定候補条件を具備した管理済み育成対象ゲーム要素の中から指定されたこと、
が含まれる。
【0062】
具体的には、「所定の指定候補条件」には、所定のレベルや経験値などの所定のパラメータ値を有すること、所定のアイテム・属性・能力を有すること、又は、所定の種別であること、など予め定められたゲーム要素に関する条件を具備したものであることなどが含まれる。
【0063】
また、「所定の指定候補条件」を具備した管理済み育成対象ゲーム要素、すなわち、プレーヤ指定可能な管理済み育成対象ゲーム要素は、プレーヤによって選択される必要性あるので、原則的にプレーヤに提示されることが好ましい。
【0064】
そして、「プレーヤの操作指示に基づいて指定された」には、例えば、1又は2以上の育成対象ゲーム要素がしていされてもよい。
【0065】
(11)また、本発明は、
前記プレーヤの操作指示に基づいて、前記少なくとも1の育成対象ゲーム要素を、前記管理済みの特定の育成対象ゲーム要素として設定する場合であって、前記管理済みの育成対象ゲーム要素の中から前記プレーヤによって指示された育成対象ゲーム要素と、前記新規育成対象ゲーム要素と、における前記決定処理が実行された場合の予測される制御内容を、プレビューとして表示手段に表示させる表示制御手段を備え、
前記設定手段が、
前記プレビュー表示後に前記プレーヤの確定指示を受け付けた場合に、当該確定指示の対象となった育成対象ゲーム要素を、管理済みの特定の育成対象ゲーム要素に設定する、構成を有している。
【0066】
この構成により、本発明は、育成対象ゲーム要素を管理済みの特定の育成対象ゲーム要素として指定する場合に、育成進度や将来的な育成状況を、既に育成した育成対象と入れ替えるかどうか検討させることができる。
【0067】
したがって、本発明は、プレーヤにフレンドリーなゲームを提供することができるとともに、新規育成対象ゲーム要素への切り替えによりプレーヤが不利益を被らないように、それを踏まえて管理済みの特定の育成対象ゲーム要素をプレーヤの意思の基に設定することができる。
【0068】
なお、「プレビュー」には、抽選処理及びプレーヤの指定によって、前記管理済みの特定の育成対象ゲーム要素として指定する場合には、抽選処理の前のプレーヤの指定の場合のプレビューであっても、当該抽選処理の後のプレーヤの指定であっても、含まれる。
【0069】
また、「確定指示」とは、プレーヤが管理済みの特定の育成対象ゲーム要素に設定することに対する承諾の意思表示をする指示を示す。
【0070】
(12)また、本発明は、
前記設定条件には、前記育成進度パラメータに関する条件が含まれる、構成を有している。
【0071】
この構成により、本発明は、例えば、育成進度が最上位(若しくは上位の所定数)、又は、最下位(若しくは下位の所定数)を示す育成進度パラメータを管理済みの特定の育成対象ゲーム要素として自動的に設定することができるので、多くのプレーヤが育成対象の入れ替えとして想定するゲーム要素を、管理済みの特定の育成対象ゲーム要素として、設定することができる。
【0072】
なお、「育成進度パラメータに関する条件」には、例えば、
(K1)育成進度が最上位、又は、最下位の育成進度パラメータを有していること、及び、
(K2)新規育成対象ゲーム要素の育成進度パラメータの初期値が最大値又は所定の値以上になる育成進度パラメータを有していること、
などが含まれる。
【0073】
特に、この場合において、2以上の管理済みの特定の育成対象ゲーム要素が設定される場合には、「育成進度パラメータに関する条件」としては、例えば、育成進度が最上位(最下位)から所定数番目までのゲーム要素が当該条件となる。
【0074】
(13)また、本発明は、
前記育成進度パラメータに関する条件には、所与のタイミングにおいて前記育成進度パラメータが前記プレーヤにとって最良の値になっていることが、含まれる、構成を有している。
【0075】
この構成により、本発明は、多くのプレーヤが育成対象の入れ替えとして想定するゲーム要素を、管理済みの特定の育成対象ゲーム要素として、設定することができる。
【0076】
なお、所定のタイミングとは、決定処理を行うタイミング、新規育成対象ゲーム要素として獲得したタイミング、当該獲得するために所与の条件が具備したタイミング、又は、プレーヤが指定したタイミングなどが含まれる。
【0077】
(14)また、本発明は、
前記決定手段が、
複数の前記管理済みの特定の育成対象ゲーム要素が設定された場合には、当該複数の特定の育成対象ゲーム要素における育成進度パラメータについて、所与の演算を実行し、
前記演算の結果に基づいて、前記制御内容を決定する、構成を有している。
【0078】
この構成により、本発明は、複数の管理済みの特定の育成対象ゲーム要素を集約して新たなゲーム要素を育成対象とすることができるので、不用意にも多くなった管理済み育成対象ゲーム要素をゲームに役立てることができる。
【0079】
なお、「所与の演算」とは、例えば、平均値又は合計値などに基づいた統計的な値を演算することを示す。
【0080】
(15)また、上記課題を解決するため、本発明は、
育成対象のゲーム要素を用いてゲームを実行させるプログラムであって、
所与の獲得条件を具備した場合に前記ゲーム要素をプレーヤに獲得させるゲーム要素獲得処理を実行する獲得処理手段、
記憶手段に記憶されている情報であって、前記ゲーム要素獲得処理によって獲得した前記育成対象のゲーム要素である育成対象ゲーム要素と、当該育成対象ゲーム要素の育成進度を規定するパラメータを示す育成進度パラメータと、当該育成対象ゲーム要素の育成に関する所与の育成関連処理に対する制御内容が規定された制御内容情報と、が対応付けられた情報を、管理済み育成対象ゲーム要素情報として、管理するゲーム要素管理手段、
所与の実行条件を具備した場合に、前記育成進度パラメータの変動を制御することによって、当該育成進度パラメータに対応付けて管理されている前記育成対象ゲーム要素に対する育成制御処理を実行する育成制御手段、
前記ゲーム要素獲得処理によって新規な育成対象ゲーム要素を示す新規育成対象ゲーム要素が獲得された場合に、既に管理されている少なくとも1の管理済みの特定の育成対象ゲーム要素における育成進度パラメータに基づいて、当該新規育成対象ゲーム要素の育成に関する前記育成関連処理を規定する制御内容を決定する決定処理を実行する決定手段、及び、
前記育成対象ゲーム要素を含むゲームに関する情報を前記プレーヤに提供する提供手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記ゲーム要素管理手段が、
前記決定処理によって決定された制御内容を示す制御内容情報を含めて前記新規育成対象ゲーム要素の情報を、前記管理済み育成対象ゲーム要素情報として、記憶手段に登録し、
前記管理済み育成対象ゲーム要素に対する所与の育成関連処理を実行する際に、当該管理済み育成対象ゲーム要素に対応付けて記憶されている制御内容情報を、当該育成関連処理を実行する手段に提供する、構成を有している。
【0081】
この構成により、本発明は、例えば、新たな育成対象ゲーム要素を取得した直後に使用する場合であっても、既に育成が進んでいる他の育成対象ゲーム要素との性能差を無くすことができるので、新たな育成対象ゲーム要素を躊躇することなく使用することができる。
【0082】
したがって、本発明は、プレーヤキャラクタやアイテムなどのゲーム要素を育成させるゲームにおいて、プレーヤが未獲得のゲーム要素を当該育成ゲームがある程度進んだ状態で獲得した場合であっても、プレーヤの労力や経験を無駄にすることなく、プレーヤにおける新規なキャラクタの獲得に対する喜悦感を与え、ゲームに対する興趣性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
図1】一実施形態のゲームシステムの構成を示すシステム構成の一例を示す図である。
図2】一実施形態のサーバ装置の機能ブロックを示す図である。
図3】一実施形態の端末装置の機能ブロックを示す図である。
図4】一実施形態における育成対象キャラクタ入れ替え制御処理を説明するための図である。
図5】一実施形態のキャラクタ情報記憶部に記憶されるキャラクタ等情報の一例を示す図である。
図6】一実施形態の決定処理に含まれる入れ替え候補設定処理を説明するための図である。
図7】一実施形態の決定処理に含まれる制御内容決定処理を説明するための図(その1)である。
図8】一実施形態の決定処理に含まれる制御内容決定処理を説明するための図(その3)である。
図9】一実施形態の決定処理に含まれる制御内容決定処理を説明するための図(その4)である。
図10】一実施形態の決定処理に含まれる制御内容決定処理を説明するための図(その5)である。
図11】一実施形態のサーバ装置によって実行される育成対象キャラクタ入れ替え制御処理の動作を示すフローチャートである。
図12】一実施形態のサーバ装置によって実行される育成制御処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0084】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0085】
[1]ゲームシステム
まず、図1を用いて本実施形態のゲームシステム1の概要及び概要構成について説明する。なお、図1は、本実施形態のゲームシステム1の構成を示すシステム構成の一例を示
す図である。
【0086】
本実施形態のゲームシステム1は、図1に示すように、ゲームサービスを提供するサーバ装置10と、端末装置20(例えば、端末装置20A、20B、20C)とが、インターネット(ネットワークの一例)に接続可能に構成されている。
【0087】
プレーヤは、端末装置20からサーバ装置10にアクセスすることにより、インターネットを介してサーバ装置10からゲームを取得し、当該ゲームのプレーをすることができるようになっている。また、プレーヤは、端末装置20からサーバ装置10にアクセスすることにより、他のプレーヤとの間でコミュニケーションを図りつつ、ゲームを実行することができるようになっている。
【0088】
特に、サーバ装置10は、インターネットを介して通信接続された端末装置20を用いて、プレーヤにゲームをプレーさせるサービスを提供することが可能な情報処理装置である。そして、サーバ装置10は、例えば、複数のプレーヤ間でコミュニケーションを提供することが可能なサービスを提供するSNSサーバ(すなわち、コミュニケーション型のサービスを提供する情報処理装置)として機能することも可能である。
【0089】
また、サーバ装置10は、例えば、SNSサーバとして機能する場合には、提供するSNSの動作環境(API(アプリケーションプログラミングインタフェース)、プラットフォーム等)を利用して実行されるソーシャルゲーム(Social Game)をと呼ばれるゲームを提供することができるようになっている。
【0090】
具体的には、サーバ装置10は、端末装置20のWebブラウザ上で提供されるゲーム、例えばHTML、FLASH、CGI、PHP、shockwave、Java(登録商標)アプレーット、JavaScript(登録商標)など様々な言語で作られたブラウザゲーム(Webブラウザで設置サイトを開くだけで起動するゲーム)を提供することができるようになっている。
【0091】
なお、ソーシャルゲームとは、既存のオンラインゲームとは違い、専用のクライアントソフトウェアを必要とせず、WebブラウザとSNSのアカウントのみで利用可能なゲームが含まれる。また、サーバ装置10は、ネットワークを介して他のプレーヤの端末(スマートフォン、パソコン、ゲーム機など)と接続し、オンラインで同時に同じゲーム進行を共有することができるオンラインゲームを提供することが可能な構成を有している。
【0092】
一方、サーバ装置10は、1つの(装置、プロセッサ)で構成されていてもよいし、複数の(装置、プロセッサ)で構成されていてもよい。
【0093】
そして、サーバ装置10の記憶領域(後述する記憶部140)に記憶される課金情報、ゲーム情報等の情報を、ネットワーク(イントラネット又はインターネット)を介して接続されたデータベース(広義には記憶装置、メモリ)に記憶するようにしてもよいし、SNSサーバとして機能する場合には、記憶領域に記憶されるプレーヤ情報記憶部146等の情報を、ネットワーク(イントラネット又はインターネット)を介して接続されたデータベース(広義には記憶装置、メモリ)に記憶するようにしてもよい。
【0094】
具体的には、本実施形態のサーバ装置10は、端末装置20のプレーヤ(すなわち、ゲームを実行するプレーヤ)の操作に基づく入力情報を受信し、受信した入力情報に基づいてゲーム処理を行うようになっている。
【0095】
そして、サーバ装置10は、ゲーム処理結果を端末装置20に送信する。なお、端末装
置20は、サーバ装置10から受信したゲーム処理結果を端末装置20にプレーヤに閲覧可能に提供する各種の処理を行う構成を有している。
【0096】
端末装置20は、スマートフォン、携帯電話、PHS、コンピュータ、ゲーム装置、PDA、携帯型ゲーム機等、画像生成装置などの情報処理装置であり、インターネット(WAN)、LANなどのネットワークを介してサーバ装置10に接続可能な装置である。なお、端末装置20とサーバ装置10との通信回線は、有線でもよいし無線でもよい。
【0097】
また、端末装置20は、Webページ(HTML形式のデータ)を閲覧可能なWebブラウザを備えている。すなわち、端末装置20は、サーバ装置10との通信を行うための通信制御機能、及びサーバ装置10から受信したデータ(Webデータ、HTML形式で作成されたデータなど)を用いて表示制御を行うとともに、プレーヤ操作のデータをサーバ装置10に送信するWebブラウザ機能などを備えている。
【0098】
例えば、端末装置20は、他のプレーヤの対戦時の他のプレーヤに関するゲーム情報など必要な情報をサーバ装置10から取得しつつ、記憶領域(後述する記憶部270)に記憶されたゲームアプリケーションに基づいてゲーム処理を実行し、また、ゲーム画面をプレーヤに提供する各種の処理を実行し、プレーヤによってゲームを実行させてもよい。
【0099】
また、例えば、端末装置20は、プレーヤ操作のデータをサーバ装置10に送信しつつ、サーバ装置10から提供されたゲーム制御情報を取得して所定のゲーム処理を実行し、ゲーム処理に基づくゲームを実行してもよい。
【0100】
特に、端末装置20は、サーバ装置10から提供されたゲーム制御情報に基づいてゲーム処理を実行する場合に、所定ゲームを行う旨の要求をサーバ装置10に対して行うと、サーバ装置10のゲームサイトに接続され、ゲームが開始される。
【0101】
そして、端末装置20は、必要に応じてAPIを用いることにより、SNSサーバとして機能するサーバ装置10に所定の処理を行わせ、又は、SNSサーバとして機能するサーバ装置10が管理するプレーヤ情報記憶部146を取得させてゲームを実行する構成を有している。
【0102】
[2]サーバ装置
次に、図2を用いて本実施形態のサーバ装置10について説明する。なお、図2は、本実施形態のサーバ装置10の機能ブロックを示す図である。また、本実施形態のサーバ装置10は図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0103】
サーバ装置10は、管理者やその他の入力に用いるための入力部120、所定の表示を行う表示部130、所定の情報が記憶された情報記憶媒体180、端末装置20やその他と通信を行う通信部196、主に提供するゲームに関する処理を実行する処理部100、及び、主にゲームに用いる各種のデータを記憶する記憶部140を含む。
【0104】
入力部120は、システム管理者等がゲームに関する設定やその他の必要な設定、データの入力に用いるものである。例えば、本実施形態の入力部120は、マウスやキーボード等によって構成される。
【0105】
表示部130は、システム管理者用の操作画面を表示するものである。例えば、本実施形態の表示部130は、液晶ディスプレー等によって構成される。
【0106】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデー
タなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などによって構成される。
【0107】
通信部196は、外部(例えば、端末、他のサーバや他のネットワークシステム)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどによって構成される。
【0108】
記憶部140は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能は、RAM(VRAM)などによって構成される。なお、記憶部140に記憶される情報は、データベースで管理してもよい。
【0109】
また、本実施形態の記憶部140は、主記憶部142の他に、
(A1)ゲーム処理を実行する際に用いる各種のテーブルデータなどゲームに関する情報(以下、「ゲーム情報」という。)が記憶されるゲームデータ記憶部144、
(A2)プレーヤ毎にプレーヤに関する情報(以下、「プレーヤ情報」という。)が記憶されるプレーヤ情報記憶部146、及び、
(A3)各プレーヤが所有し、育成対象となるプレーヤキャラクタ、又は、各プレーヤキャラクタに装備されるアイテムなどのゲーム要素(以下、「キャラクタ等」)が、キャラクタ等情報として、各プレーヤに対応付けて記憶されるアイテム・キャラクタ情報記憶部148、
を有している。
【0110】
処理部100は、記憶部140内の主記憶部142をワーク領域として各種処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0111】
処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。
【0112】
例えば、処理部100(プロセッサー)は、情報記憶媒体180に記憶されているプログラムに基づいて、サーバ装置10全体の制御を行うとともに、各部間におけるデータ等の受け渡しの制御などの各種の処理を行う。さらに、端末からの要求に応じた各種サービスを提供する処理を行う。
【0113】
具体的には、本実施形態の処理部100は、通信制御部101、Web処理部102、ゲーム管理部103、受付処理部104、アイテム・キャラクタ獲得処理部105、アイテム・キャラクタ管理部106、育成制御部107、育成内容決定処理部108、表示制御部109、タイマ管理部110、及び、情報提供部111を少なくとも有している。
【0114】
なお、例えば、本実施形態のアイテム・キャラクタ獲得処理部105、本発明の獲得処理手段を構成し、アイテム・キャラクタ管理部106は、本発明のゲーム要素管理手段を構成する。また、例えば、本実施形態の育成制御部107は、本発明の育成制御手段及び設定手段を構成し、育成内容決定処理部108は、本発明の決定手段を構成する。さらに、例えば、本実施形態の表示制御部109は、本発明の表示制御手段を構成し、情報提供部111は、本発明の提供手段を構成する。
【0115】
通信制御部101は、端末装置20とネットワークを介してデータを送受信する処理を
行う。すなわち、サーバ装置10は、通信制御部101によって端末装置20等から受信した情報に基づいて各種処理を行う。
【0116】
特に、本実施形態の通信制御部101は、情報提供部111と連動し、プレーヤの端末装置20からの要求に基づいて、ゲーム画面やゲームに関する情報を、当該プレーヤの端末装置20に送信する処理を行う。
【0117】
Web処理部102は、Webサーバとして機能する。例えば、Web処理部102は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)等の通信プロトコルを通じて、端末装置20にインストールされているWebブラウザ211の要求に応じてデータを送信する処理、及び、端末装置20のWebブラウザ211によって送信されるデータを受信する処理を行う。
【0118】
なお、本実施形態では、サーバ装置10がSNSサーバとしての機能も備えていている場合を例に説明するが、サーバ装置10を、ゲーム用のサーバと、SNS用のサーバと別々に形成してもよい。また、本実施形態のゲームの処理は、サーバ装置10が一部又は全部を行ってもよいし、端末装置20が一部を行ってもよい。
【0119】
ゲーム管理部103は、端末装置20と連動し、当該端末装置20を介して入力されたプレーヤの操作に基づいて、各プレーヤにおいてロールプレーングゲーム(RPG)や対戦ゲームに関するゲーム処理を実行する。
【0120】
特に、ゲーム管理部103は、プレーヤの指示に基づいて、又は、ゲーム進行上のタイミング(ゲーム開始前又はゲーム中)に、プレーヤ毎に、各種のゲームを実行させる。
【0121】
具体的には、ゲーム管理部103は、受け付けられたプレーヤ指示に基づきつつ、プレーヤが所有するゲーム媒体(例えば、アイテムなど)を用いてゲームの実行を制御するゲーム制御処理を実行する。
【0122】
受付処理部104は、各端末装置20から送信されたゲームに関する情報(操作入力に関する情報を含む。)をゲーム情報として受け付ける。
【0123】
アイテム・キャラクタ獲得処理部105、所与のタイミングに、ゲーム空間内の所定の場所を来訪したことによって、ステージクリアなどのタスクをクリアしたことによって、抽選処理によって当選したことによって(複数の中から特定のアイテム(プレーヤキャラクタを含む。)を選択する選択処理によって選択されたことによって)、又は、ゲーム内通貨などによって購入したことによって、アイテムをプレーヤに獲得させる獲得制御処理を実行する。
【0124】
アイテム・キャラクタ管理部106は、アイテム・キャラクタ情報記憶部148にプレーヤ毎に記憶されているアイテムに関する情報を、アイテム情報として、新規登録及び更新などの管理を行う。
【0125】
育成制御部107は、各プレーヤが所有するキャラクタ等であって、育成対象となるキャラクタ等に対する育成制御処理を実行する
【0126】
育成内容決定処理部108は、プレーヤ毎の各キャラクタ等における育成制御処理の内容を決定する育成内容決定処理を実行する。
【0127】
表示制御部109は、育成制御処理を実行する際のプレーヤキャラクタ等に関する情報
を、該当する端末装置20において表示させるための表示データを生成し、情報提供部111に出力する。
【0128】
タイマ管理部110は、タイマ機能を有し、育成制御部107及び表示制御部109、又は、端末装置20などと連動し、ゲーム中の各期間を管理するために用いる。
【0129】
情報提供部111は、端末装置20によって、ゲームを処理させるため各種のゲーム制御情報(育成制御に関する情報も含む。)を生成し、該当する端末装置20に提供する。
【0130】
[3]端末装置
次に、図3を用いて本実施形態の端末装置20について説明する。なお、図3は、本実施形態の端末装置20の機能ブロックを示す図である。また、本実施形態の端末装置20は図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0131】
入力部260は、プレーヤからの入力情報を入力するための機器であり、プレーヤの入力情報を処理部200に出力する。本実施形態の入力部260は、プレーヤの入力情報(入力信号)を検出する検出部262を備える。入力部260は、例えば、レバー、ボタン、ステアリング、マイク、タッチパネル型ディスプレー、キーボード、マウスなどがある。
【0132】
記憶部270は、処理部200や通信部296などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(VRAM)などにより実現できる。そして、本実施形態の記憶部270は、ワーク領域として使用される主記憶部271と、最終的な表示画像等が記憶される画像バッファ272とを含む。なお、これらの一部を省略する構成としてもよい。
【0133】
情報記憶媒体280(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。
【0134】
処理部200は、情報記憶媒体280に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。情報記憶媒体280には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶することができる。
【0135】
なお、本実施形態では、サーバ装置10が有する情報記憶媒体180や記憶部140に記憶されている本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムやゲームデータを、ネットワークを介して受信し、受信したプログラムやデータを情報記憶媒体280に記憶する。サーバ装置10から受信したプログラムやデータを記憶部270に記憶してもよい。このようにプログラムやデータを受信してネットワークシステムを機能させる場合も本発明の範囲内に含む。
【0136】
表示部290は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレー、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレー)などにより実現できる。
【0137】
音出力部292は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0138】
通信部296は、外部(例えば他の端末、サーバ)との間で通信を行うための各種制御
を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0139】
処理部200(プロセッサ)は、通信部296を介してサーバ装置10から取得したゲームに関する情報、取得し入力部260からの入力情報、又は、やプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、表示制御、画像生成処理、或いは音生成処理などの処理を行う。
【0140】
この処理部200は、記憶部270内の主記憶部271をワーク領域として各種処理を行う。処理部200の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0141】
処理部200は、通信制御部210、Webブラウザ211、ゲーム処理部212、表示制御部213、描画部220、音処理部230を含む。なおこれらの一部を省略する構成としてもよい。
【0142】
通信制御部210は、サーバ装置10、それぞれとデータを送受信する処理を行う。また、通信制御部210は、サーバ装置10から受信したデータを記憶部270に格納する処理、受信したデータを解析する処理、その他のデータの送受信に関する制御処理等を行う。
【0143】
なお、通信制御部210は、サーバの宛先情報(IPアドレス、ポート番号)を情報記憶媒体280に記憶し、管理する処理を行うようにしてもよい。そして、通信制御部210は、プレーヤからの通信開始の入力情報を受け付けた場合に、サーバ装置10との通信を行うようにしてもよい。
【0144】
特に、通信制御部210は、サーバ装置10にプレーヤの識別情報や操作情報を送信して、ゲームに関する情報(プレーヤ情報、ゲーム媒体情報、プレーヤのWebページ、及び、ゲーム画面等)をサーバ装置10から受信する処理を行う。
【0145】
なお、通信制御部210は、所定周期でサーバ装置10とデータ送受信を行ってもよいし、入力部260からの入力情報を受け付けた場合に、サーバ装置10とデータ送受信を行ってもよい。特に、本実施形態の通信制御部210は、ゲーム画面を、サーバ装置10から受信する処理を行う。
【0146】
Webブラウザ211は、Webページ(ゲーム画面)を閲覧するためのアプリケーションプログラムであって、Webサーバ(サーバ装置10)から、HTMLファイルや画像ファイル等をダウンロードし、レイアウトを解析して表示制御する。また、Webブラウザ211は、入力フォーム(リンクやボタンやテキストボックス等)を用いてデータをWebサーバ(サーバ装置10)に送信する。
【0147】
本実施形態のWebブラウザ211は、ブラウザゲームを実現することができる。例えば、Webブラウザ211は、Webサーバ(サーバ装置10)から受信したJavaScript(登録商標)、FLASH、Java(登録商標)等で記述されたプログラムを実行するものであってもよい。
【0148】
端末装置20は、Webブラウザ211によって、インターネットを介してURLによって指定されたWebサーバからの情報を表示させることができる。例えば、端末装置20は、サーバ装置10から受信したゲーム画面(HTML等のデータ)をWebブラウザ211によって表示させることができる。
【0149】
ゲーム処理部212は、種々のゲーム演算処理を行う。例えば、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、ゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などがある。
【0150】
そして、ゲーム処理部212は、プレーヤキャラクタ、建物、球場、車、樹木、柱、壁、マップ(地形)などの表示物を表す各種オブジェクト(ポリゴン、自由曲面又はサブディビジョンサーフェスなどのプリミティブで構成されるオブジェクト)をオブジェクト空間に配置設定する処理を行うようにしてもよい。
【0151】
ここでオブジェクト空間とは、仮想空間であり、2次元空間、3次元空間の両方を含む。2次元空間とは、例えば2次元座標(X,Y)においてオブジェクトが配置される空間であり、3次元空間とは、例えば3次元座標(X,Y,Z)においてオブジェクトが配置される空間である。
【0152】
また、ゲーム処理部212は、ゲーム媒体のデッキデータとしての設定、ログイン時の各種の情報の送受信制御、サーバ装置10と連動してリアルタイムでゲームを実行する場合にはプレーヤの操作に基づくゲーム処理の実行、及び、自動演算によってゲームを実行する場合には受信した自動演算データの再生を含むゲーム処理を実行する。
【0153】
また、表示制御部213は、表示部290に表示する処理を行う。例えば、表示制御部213は、Webブラウザ211を用いて表示してもよい。
【0154】
描画部220は、処理部200で行われる種々の処理(例えば、ゲーム処理)に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示制御部213によって表示部290に出力する。描画部220が生成する画像は、いわゆる2次元画像であってもよいし、いわゆる3次元画像であってもよい。
【0155】
音処理部230は、処理部200で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部292に出力する。
【0156】
[4]本実施形態の処理の手法
[4.1]概要
次に、図4を用いて、新規にプレーヤキャラクタ等を取得した場合に既に管理済みのプレーヤキャラクタ等と入れ替えて新たな育成対象として設定する処理(以下、「育成対象キャラクタ入れ替え制御処理」という。)に対する本実施形態の手法について説明する。
【0157】
なお、図4は、本実施形態における育成対象キャラクタ入れ替え制御処理を説明するための図である。
【0158】
本実施形態のサーバ装置10は、ネットワークを介して接続され、かつ、プレーヤによって操作される端末装置20と連動し、プレーヤ毎に、プレーヤキャラクタやその他のキャラクタ、ゲーム空間やその一部、ゲームパラメータ、BGM、及び、ゲームシナリオなどを提供しつつ、各プレーヤの操作に基づいて、戦闘ゲームや格闘ゲームなどの対戦ゲーム、RPG、又は、シミュレーションゲームなどのゲームを実行させるための構成を有している。
【0159】
また、本実施形態のサーバ装置10は、上記のゲーム中に、プレーヤの指示の下に、当該ゲームに用いるキャラクタ等(すなわち、プレーヤキャラクタやアイテムなど)に対してそのレベルや能力を育成する育成ゲームを実行するための構成を有している。
【0160】
特に、本実施形態のサーバ装置10は、育成対象のキャラクタ等(以下、「育成対象キャラクタ等」という。)を用いてゲームを実行している場合であって、新たに獲得した育成対象キャラクタ等(以下、「新規育成対象キャラクタ等」という。)を取得した場合には、当該新規育成対象キャラクタ等に、今まで管理して使用してきた育成対象キャラクタ等(以下、「管理済み育成対象キャラクタ」という。)に対する労力や経験を引き継がせつつ、入れ替える、入れ替え制御処理(すなわち、育成対象キャラクタ入れ替え制御処理)を実行する構成を有している。
【0161】
すなわち、本実施形態のサーバ装置10は、例えば、育成対象となるプレーヤキャラクタを新規に取得した場合において、新規のプレーヤキャラクタを使用する場合に、今まで育成してきたプレーヤキャラクに対する育成するための労力や経験を、新規のプレーヤキャラクタに引き継がせることが可能な構成を有している。
【0162】
具体的には、本実施形態のサーバ装置10は、プレーヤの指示を受け付ける受付処理を実行するサーバ装置であって、
(A1)所与の処理によってキャラクタ等をプレーヤに獲得させるキャラクタ等獲得処理を実行し、
(A2)記憶されている情報であって、キャラクタ等獲得処理によって獲得した育成対象キャラクタ等と、当該育成対象キャラクタ等の育成進度を規定するパラメータ(以下、「育成進度パラメータ」という。)と、当該育成対象ゲームキャラクタ等の育成に関する所与の育成関連処理に対する制御内容が規定された制御内容情報と、が対応付けられた情報を、管理済み育成対象キャラクタ等情報として、管理し、
(A3)所与の実行条件を具備した場合に、育成進度パラメータの変動を制御することによって、当該育成進度パラメータに対応付けて管理されている育成対象キャラクタ等(以下、「管理済み育成対象キャラクタ等」という。)に対する育成制御処理を実行し、
(A4)キャラクタ等獲得処理によって新規育成対象キャラクタ等が獲得された場合に、既に管理されている特定の管理済み育成対象キャラクタ等(以下、「管理済み特定育成対象キャラクタ等」という。)における育成進度パラメータに基づいて、当該新規育成対象キャラクタ等の育成に関する育成関連処理を規定する制御内容を決定する決定処理を実行し、
(A5)育成対象ゲーム要素を含むゲームに関する情報を端末装置20に提供する、
構成を有している。
【0163】
そして、本実施形態のサーバ装置10は、
(B1)決定処理によって決定された制御内容情報を含めて新規育成対象キャラクタ等の情報を、管理済み育成対象キャラクタ等情報として、登録し、
(B2)管理済み育成対象キャラクタ等に対する育成関連処理(例えば、キャラクタ等獲得処理又は育成制御処理)を実行する際に、当該管理済み育成対象ゲーム要素に対応付けて記憶されている制御内容情報を、育成関連処理を実行する各部に提供する、
構成を有している。
【0164】
例えば、サーバ装置10は、図4に示すように、育成対象のプレーヤキャラクタPC1及びPC2を有する状態で育成ゲームが組み込まれた所定のゲームを開始し、当該ゲームを進行させて育成制御処理を適宜実行している状況下において、所定のタイミング(獲得タイミングT1)に新たなプレーヤキャラクタPC3を育成対象として獲得し、かつ、さらに新規に育成対象のプレーヤキャラクタPC4を獲得した場合には、プレーヤキャラクタPC2及びPC3について、育成対象キャラクタ入れ替え制御処理を実行する。
【0165】
特に、サーバ装置10は、図4に示すように、プレーヤキャラクタPC3について育成対象キャラクタ入れ替え制御処理を行う場合には、所定の条件の下、入れ替え候補に特定
されたプレーヤキャラクタPC3の育成進度パラメータに基づいて、新規のプレーヤキャラクタPC4の育成関連処理(例えば、育成制御処理)を規定するための制御内容を決定する決定処理を実行し、その内容を示す制御内容情報(例えば、後述のパラメータ制御情報)を登録する。
【0166】
そして、サーバ装置10は、図4に示すように、上記の決定処理が実行されて完了したタイミング(使用中止タイミングT3)でプレーヤキャラクタPC3のゲームにおける使用を中止するとともに、当該プレーヤキャラクタPC3のそれ以降の育成制御処理についても無効にする。
【0167】
一方、サーバ装置10は、図4に示すように、使用中止タイミングT3以降については、制御内容情報に基づいて、プレーヤキャラクタPC1及びPC2に対する育成進度パラメータを変動させる育成関連処理としての育成制御処理を継続的に実行する。
【0168】
そして、サーバ装置10は、図4に示すように、プレーヤキャラクタPC4については、育成制御処理実行タイミング(例えば、タイミングT4)に、上記の決定処理によって登録された制御内容情報に基づいて、育成関連処理としての育成制御処理を実行するとともに、その後は、プレーヤキャラクタPC1及びPC2と同様に、継続的に当該育成制御処理を実行する。
【0169】
この構成により、本実施形態においては、例えば、操作制御対象のプレーヤキャラクタやアイテムなどのキャラクタ等を、新規育成対象のキャラクタ等に切り替える場合に、新規キャラクタ等を1から育成し直すことなく、今まで育成したキャラクタ等に対する労力や経験を新たなキャラクタ等に引き継がせることができる。
【0170】
また、本実施形態においては、キャラクタ等を育成させるゲームにおいて、プレーヤが未獲得のキャラクタ等を当該育成ゲームがある程度進んだ状態で獲得した場合であっても、プレーヤの労力や経験を無駄にすることなく、新規なキャラクタの獲得に対する喜悦感を与え、ゲームに対する興趣性を向上させることができるようになっている。
【0171】
なお、図4には、育成関連処理としての育成制御処理を用いた場合の育成対象キャラクタ入れ替え制御処理の例が示されているが、育成関連処理には、キャラクタ等獲得処理などの他の処理も含まれる。ただし、以下の実施形態においては、特に言及する場合を除き、育成関連処理として育成制御処理を用いて説明する。
【0172】
また、以下の実施形態においては、ゲーム要素として、ゲームに用いられるキャラクタやアイテムを用いて説明するが、ゲームカードなどのゲームで利用する仮想的なゲーム媒体であってもよい。ただし、ゲームカードとは、プレーヤキャラクタなどのキャラクタ、各キャラクタが有する武器・ゲーム内通貨・道具・ライフエネルギーなどのアイテムそのもの、又は、当該キャラクタやアイテムを規定するためのゲーム用の媒体である。
【0173】
[4.2]キャラクタ等情報
次に、図5を用いて本実施形態のキャラクタ等情報について説明する。図5は、本実施形態のキャラクタ情報記憶部148に記憶されるキャラクタ等情報の一例を示す図である。
【0174】
本実施形態のキャラクタ等は、例えば、
(A1)プレーヤの操作対象となるプレーヤキャラクタ、当該プレーヤキャラクタの味方となるキャラクタなどのキャラクタ(以下、「プレーヤキャラクタに準ずるキャラクタ」
という。)、又は、当該キャラクタが規定されたカードなどのゲーム媒体(ゲームカード)、又は、
(A2)武器・道具・ゲーム内通貨・能力・経験値や能力値などのパラメータが規定されたキャラクタアイテム、又は、当該キャラクタアイテムが規定されたカードなどのゲーム媒体、
である。
【0175】
そして、本実施形態のキャラクタ等情報は、各プレーヤによって所有され、かつ、育成対象となるプレーヤキャラクタ、又は、各プレーヤキャラクタ(育成対象であっても育成対象でなくてもよい)に装備されるアイテム、のそれぞれに関する情報であって、各プレレーヤに対応付けて、キャラクタ情報記憶部148に記憶され、アイテム・キャラクタ管理部106によって管理される。
【0176】
例えば、キャラクタ等情報は、図5に示すように、プレーヤキャラクタやアイテムのID(すなわち、キャラクタ等のID)に対応付けて、
(B1)所有(使用)されるプレーヤの識別情報(すなわち、プレーヤID)、
(B2)プレーヤキャラクタやアイテムの種別及び属性(変動しない固定された情報)、(B3)レベル・各能力値・経験値などの育成制御処理によって変動するパラメータ(すなわち、育成進度パラメータ)、
(B4)育成関連処理(育成制御処理やキャラクタ等獲得処理)が実行される際の制御内容情報(例えば、育成関連処理が育成制御処理の場合には、育成進度パラメータにおける制御内容の情報(以下、「パラメータ制御情報」という。))、及び、
(B5)その他のキャラクタ等に関する情報(以下、「キャラクタ等関連情報」という。)、
から構成されている。
【0177】
特に、育成進度パラメータは、プレーヤキャラクタ・それに準ずるキャラクタ・キャラクタアイテムを規定する固有のパラメータであって、プレーヤキャラクタなどの育成対象の育成状態(ステイタス)又は育成進度(育成量)を規定するパラメータである。
【0178】
具体的には、育成進度パラメータとしては、育成制御処理の実行によって変動するパラメータであって、育成度合いを示すものであってもよいし、例えば、育成対象キャラクタ等のレベル、能力値、得点、順位、などの育成制御処理の実行によって変動するパラメータであればよい。
【0179】
そして、キャラクタ等に規定される全てのパラメータが育成進度パラメータであってもよいし、一部のパラメータのみ育成進度パラメータであってもよい。
【0180】
また、育成関連処理が育成制御処理の場合には、パラメータ制御情報(制御内容情報)には、育成関連処理としての育成制御処理を規定する内容であって、育成対象キャラクタ等における育成制御処理を実行する際の育成進度パラメータの変動を規定する制御内容が含まれている。
【0181】
例えば、この場合には、パラメータ制御情報には、
(C1)育成進度パラメータの初期値、
(C2)育成進度パラメータの変動量、
(C3)育成制御処理を実行する際のコスト、及び、
(C4)育成制御処理が抽選によって育成進度パラメータの変動を制御する場合には、その抽選確率、
などが含まれる。
【0182】
そして、アイテム・キャラクタ管理部106は、各キャラクタ等情報の読み出し、又は、育成進度パラメータやパラメータ制御情報などの各情報の更新を行っており、適宜、育成進度パラメータを含めて各キャラクタ等情報の管理をしている。
【0183】
一方、本実施形態においては、育成進度制御用のアイテム(以下、「育成進度制御用アイテム」という。)として、育成制御処理を実行する際に育成用素材アイテムや消費アイテムなどの育成対象キャラクタ等以外の他のキャラクタ等を用いてもよい。
【0184】
例えば、この場合には、後述するように、育成制御部107は、プレーヤキャラクタやアイテムに素材アイテムを合成することによって、又は、単に消費アイテムを消費する指示を行うことによって、育成対象のプレーヤキャラクタやアイテムの育成を行う。
【0185】
そして、この場合には、制御内容情報としてのパラメータ制御情報には、例えば、
(D1)育成進度制御用アイテムに関する値が育成進度パラメータを直接示す場合には、当該他のキャラクタ等のレベルなどの属性、又は、使用する育成進度制御用アイテムにおける数量などの数値(例えば、育成進度制御用アイテム数そのもの)、
(D2)育成進度制御用アイテムを管理済み特定育成対象キャラクタ等に合成することによって育成進度パラメータを変動させる場合には、育成制御処理が実行される際に発揮される育成進度制御用アイテムの能力値(例えば、合成時に能力値などの育成進度パラメータに加算又は乗算される値)、及び、
(D3)育成進度制御用アイテムに基づく育成制御処理が抽選によって育成進度パラメータの変動を制御する場合(例えば、育成進度制御用アイテムに基づく抽選によって育成進度パラメータに加算される複数の変動量の中から当選する場合)には、その抽選確率、
などが含まれる。
【0186】
なお、アイテム・キャラクタ管理部106は、例えば、D1の場合には、育成進度パラメータとして、育成対象キャラクタ等に対して育成制御処理が実行された場合の育成進度制御用アイテムの数量及び属性などの各情報を管理する。
【0187】
また、育成進度制御用アイテムの数量(すなわち、育成進度制御用アイテムの数量)とは、数だけでなく、量も含み、育成進度制御用アイテムの属性(すなわち、育成進度制御用ゲーム要素の属性)とは、例えば、種別、レベル、所定の特性の有無やその数値などの能力(すなわち、質)が含まれる。
【0188】
[4.3]キャラクタ等獲得処理
次に、本実施形態のキャラクタ等獲得処理について説明する。
【0189】
アイテム・キャラクタ獲得処理部105は、所与の獲得条件を具備した場合に、プレーヤキャラクタやアイテムなどの育成対象のキャラクタ等をプレーヤに獲得させるキャラクタ等獲得処理を実行する。
【0190】
特に、アイテム・キャラクタ獲得処理部105は、所与の獲得条件としては、
(A1)ゲーム中のクエストが達成したこと、
(A2)数量やレベルなどの質も含めて特定のアイテムを取得したこと、
(A3)抽選処理などによって当選したこと、
(A4)他のプレーヤからプレゼントされたこと、又は、
(A5)予め定められた時間が経過したこと、若しくは、予め定められたタイミングが到来したこと、
などを用いる。
【0191】
なお、アイテム・キャラクタ獲得処理部105は、育成制御処理を実行する際に育成用の素材アイテムなどの育成対象キャラクタ等以外の他のアイテム(すなわち、ゲーム要素)を用いる場合には、素材アイテや消費アイテムなどの当該他のアイテムを獲得させる。
【0192】
また、この場合であっても、アイテム・キャラクタ獲得処理部105は、例えば、上記の(A1)~(A5)の獲得条件を具備した場合に、他のアイテムを獲得させる。
【0193】
さらに、アイテム・キャラクタ獲得処理部105は、キャラクタ等獲得処理として、ロックされた状態(使用禁止にされた状態)で既に付与されたアイテムをアンロックする処理(ロック解除処理)を実行してもよい。
【0194】
この場合には、アイテム・キャラクタ獲得処理部105は、所定のアイテムが所定数獲得された場合、又は、プレーヤのレベルが一定のレベル以上になった場合などの条件を具備したと判定された場合に、育成対象のキャラクタ等をロック解除してプレーヤに使用可能状態にする処理をしてもよい。
【0195】
なお、このようにロック解除されるアイテム(素材アイテムなどの他のアイテムも含む。)は、当該ロックされた状態で提供されてロック解除によって使用可能になるアイテムとして、専用のものであってもよい。
【0196】
[4.4]決定処理
[4.4.1]基本原理
次に、図6及び図7を用いて本実施形態の決定処理について説明する。なお、図6は、本実施形態の決定処理に含まれる入れ替え候補設定処理を説明するための図であり、図7は、本実施形態の決定処理に含まれる制御内容決定処理を説明するための図である。
【0197】
育成内容決定処理部108は、キャラクタ等獲得処理によって新規育成対象キャラクタ等が獲得された場合に、既に管理されている管理済み特定育成対象キャラクタ等における育成進度パラメータに基づいて、当該新規育成対象キャラクタ等の育成に関する育成関連処理を規定する制御内容(以下、「新規育成対象のパラメータ制御の内容」ともいう。)を決定する。
【0198】
特に、育成内容決定処理部108は、決定処理として、管理済み特定育成対象キャラクタ等における育成進度パラメータに基づいて、新規育成対象キャラクタ等における育成制御処理を実行する際の育成進度パラメータの変動に対する制御内容を、プレーヤの有利な方向に、決定する。
【0199】
具体的には、育成内容決定処理部108は、キャラクタ情報記憶部148に記憶されている管理済み育成対象キャラクタ等の中から、少なくとも1の育成対象キャラクタ等を、管理済み特定育成対象キャラクタ等として(すなわち、新規育成対象キャラクタ等と入れ替える対象として)設定する入れ替え候補設定処理を実行する。
【0200】
すなわち、育成内容決定処理部108は、キャラクタ情報記憶部148に記憶されている複数の管理済み育成キャラクタ等情報の中から、所与の設定条件を具備する少なくとも1の育成対象キャラクタ等を、管理済み特定育成対象キャラクタ等に設定する。
【0201】
そして、育成内容決定処理部108は、入れ替え候補設定処理によって設定された1以上の管理済み特定育成対象キャラクタ等の育成進度パラメータを読み出し、当該読み出したの育成進度パラメータに基づいて、新規育成対象のパラメータ制御の内容を、パラメー
タ制御情報として、決定する制御内容決定処理を実行する。
【0202】
より具体的には、育成内容決定処理部108は、入れ替え候補設定処理としては、キャラクタ情報記憶部148に記憶されている全ての又は一部のキャラクタ等情報(すなわち、管理済みキャラクタ等情報)の中から、
(A1)プレーヤによって指定された管理済みキャラクタ等、
(A2)抽選処理によって当選した管理済みキャラクタ等、又は、
(A3)ゲームの状況など所与の設定条件を具備している管理済みキャラクタ等、
を管理済み特定育成対象キャラクタ等に設定する(全ての記憶されている管理済み育成対象キャラクタ等が設定される場合も含む。)。
【0203】
例えば、育成内容決定処理部108は、所与の設定条件として、例えば、図6に示すように、
(B1)プレーヤによって指示されたこと、
(B2)所定のレベルを有する育成対象キャラクタ等であるなどの育成対象キャラクタ等の状況が所定の条件(育成進度パラメータが最も高い又は最も低いなど)を具備したこと、
(B3)抽選によって当選したこと、又は、
(B4)(B1)~(B3)の2以上の組み合わせ、
を用いる。
【0204】
なお、図6には、入れ替え候補設定処理において、キャラクタ情報記憶部148に記憶されているプレーヤキャラクタA~Jのうち、所与の設定条件に基づいて、プレーヤキャラクタBが管理済み特定育成対象キャラクタ等に設定された場合の例が示されている。
【0205】
また、本実施形態においては、例えば、図6に示すプレーヤキャラクタCのように、キャラクタ情報記憶部148にキャラクタ等情報として記憶されている全てのキャラクタ等は、入れ替え候補であってもよいし、一部のキャラクタ等は、入れ替え候補でなくてもよい。
【0206】
また、このように、入れ替え候補でないキャラクタ等は、育成制御対象のキャラクタ等として機能しなくてもよい。
【0207】
一方、育成内容決定処理部108は、例えば、図7に示すように、制御内容として、管理済み特定育成対象キャラクタ等の育成進度パラメータと新規育成対象キャラクタ等のパラメータとの差に応じて(すなわち、比較して)、育成進度パラメータに関する値を調整する制御内容決定処理を実行する。
【0208】
特に、本実施形態のアイテム・キャラクタ管理部106は、例えば、図7に示すように、決定処理によって制御内容が決定されると、当該決定されてた制御内容をパラメータ制御情報として、新規育成対象キャラクタ等の他の情報とともにキャラクタ情報記憶部148に登録する。
【0209】
そして、このとき、アイテム・キャラクタ管理部106は、新規育成対象キャラクタ等の情報については、管理済み育成対象キャラクタ等情報として登録する。
【0210】
なお、図7には、育成制御パラメータとして、キャラクタレベルを用いた場合であって、制御内容決定処理として、新規育成対象キャラクタ等(プレーヤキャラクタB)の育成制御パラメータ(レベル)に、管理済み特定育成対象キャラクタ等(プレーヤキャラクタX)の育成制御パラメータを引き継がせるための調整を行う場合の例が示されている。
【0211】
他方、育成内容決定処理部108は、上記の決定処理においては、原則、新規育成対象キャラクタが獲得され、かつ、プレーヤからの当該新規育成対象キャラクタ等に対しての育成を開始するための指示を受け付けた場合に、上記の決定処理(具体的には、入れ替え候補設定処理及び制御内容決定処理)を実行してもよい。
【0212】
なお、本実施形態においては、育成内容決定処理部108は、プレーヤの指示を受け付けることなく、自動的に開始されてもよいし、当該決定処理が実行してもよい。
【0213】
この場合には、育成内容決定処理部108は、入れ替え候補設定処理として、抽選処理によって当選した管理済みキャラクタ等情報、又は、ゲームの状況など所定の条件を具備している管理済みキャラクタ等情報を、管理済み特定育成対象キャラクタ等として、設定することが好ましい。
【0214】
さらに、この場合には、アイテム・キャラクタ管理部106は、新規育成対象キャラクタ等を採用する旨の指示を受信したことを前提に、ゲームに使用する育成対象キャラクタとしてキャラクタ情報記憶部148に登録する。
【0215】
[4.4.2]入れ替え候補設定処理
次に、本実施形態の決定処理における入れ替え候補設定処理ついて説明する。
【0216】
(プレーヤの指定に基づく入れ替え候補設定処理)
育成内容決定処理部108は、プレーヤの指定に基づく入れ替え候補設定処理として、管理済み育成対象キャラクタ等の中から、プレーヤによって指定された管理済み育成対象キャラクタ等を、管理済み特定育成対象キャラクタ等として、設定する処理を実行してもよい。
【0217】
具体的には、育成内容決定処理部108は、プレーヤの希望を反映させるために、プレーヤの指示に基づいて、キャラクタ情報記憶部148に記憶されている全ての又は一部の管理済み育成対象キャラクタ等から設定してもよいし、当該記憶されている全ての又は一部の管理済み育成対象キャラクタ等のうち所定の指定候補条件を具備した管理済み育成対象キャラクタ等の中から設定してもよい。
【0218】
特に、所定の指定候補条件は、予め定められたキャラクタ等に関する条件であって、育成内容決定処理部108は、所定のレベルや経験値などの所定のパラメータ値を有すること、所定のアイテム・属性・能力を有すること、又は、所定の種別であることなど、所定の指定候補条件を有する管理済み育成対象キャラクタ等を管理済み特定育成対象キャラクタ等として設定する。
【0219】
なお、本実施形態においては、育成内容決定処理部108は、プレーヤの指示に基づいて、2以上の育成対象キャラクタ等を設定してもよい。
【0220】
(抽選処理に基づく入れ替え候補設定処理)
育成内容決定処理部108は、抽選処理に基づく入れ替え候補設定処理として、管理済み育成対象キャラクタ等の中から、抽選処理によって当選した管理済み育成対象キャラクタ等を、管理済み特定育成対象キャラクタ等として、設定する処理を実行してもよい。
【0221】
具体的には、育成内容決定処理部108は、管理済み特定育成対象キャラクタ等の設定にゲーム性を組み込んで当該ゲームに対する興趣性を向上させるために、キャラクタ情報記憶部148に記憶されている全ての又は一部の管理済み育成対象キャラクタ等を、抽選
対象候補として、所与の抽選処理を実行する。
【0222】
特に、育成内容決定処理部108は、抽選処理として、抽選対象候補について、一律に同一の確率を用いて抽選処理を実行してもよいし、各抽選対象候補の育成進度パラメータの値、レベル、属性、特性、又は、能力値などによって、それぞれ設定された当選確率を用いて抽選処理を実行してもよい。
【0223】
なお、本実施形態においては、抽選処理としては、抽選により管理済みの特定の育成対象ゲーム要素が設定されればよく、複数の管理済みの特定の育成対象ゲーム要素が抽選された場合に、抽選された全て又は2以上の特定の育成対象ゲーム要素が設定されてもよい。
【0224】
(所定の条件を有する管理済み育成対象キャラクタ等に基づく入れ替え候補設定処理)
育成内容決定処理部108は、所定の条件(育成進度パラメータに対する条件)を有する管理済み育成対象キャラクタ等に基づく入れ替え候補設定処理として、管理済み育成対象キャラクタ等の中から、所定の育成進度パラメータに関する条件を有する管理済み育成対象キャラクタ等を、管理済み特定育成対象キャラクタ等として、設定する処理を実行してもよい。
【0225】
具体的には、育成内容決定処理部108は、プレーヤに操作を要求することなく、自動的に多くのプレーヤが育成対象の入れ替えとして想定する育成対象キャラクタを設定するために、キャラクタ情報記憶部148に記憶されている全ての又は一部の管理済み育成対象キャラクタ等から、所定の育成進度パラメータに関する条件を有する管理済み育成対象キャラクタ等を、管理済み特定育成対象キャラクタ等に設定する。
【0226】
特に、この場合には、育成内容決定処理部108は、キャラクタ情報記憶部148に記憶されている全ての又は一部の管理済み育成対象キャラクタ等から、所与のタイミングにおいて前記育成進度パラメータが前記プレーヤにとって最良の値になっている管理済み育成対象キャラクタ等を、管理済み特定育成対象キャラクタ等に設定してもよい。
【0227】
例えば、育成内容決定処理部108は、育成進度パラメータに関する条件としては、育成進度(すなわち、育成進度パラメータの値)が(他の記憶されているものと比べて)最上位(最下位)の管理済み特定育成対象キャラクタ等であることを示す条件を用いる。
【0228】
なお、所与のタイミングとは、決定処理を行うタイミング、新規育成対象ゲーム要素として獲得したタイミング、当該獲得するために所与の条件が具備したタイミング、又は、プレーヤが指定したタイミングなどが含まれる。
【0229】
また、本実施形態においては、育成内容決定処理部108は、育成進度パラメータに関する条件に基づいて、2以上の育成対象キャラクタ等を設定してもよい。
【0230】
この場合には、育成内容決定処理部108は、育成進度パラメータに関する条件としては、例えば、育成進度が最上位(最下位)から所定数番目までの管理済み特定育成対象キャラクタ等であることを示す条件などを用いる。
【0231】
(2つ以上の設定条件に基づく入れ替え候補設定処理)
育成内容決定処理部108は、上記の所与の設定条件(プレーヤに指定されること、抽選処理に当選すること、及び、育成進度パラメータに対する条件)の1を用いているが、これらの条件のうち、2以上の条件を用いてもよい。
【0232】
具体的には、育成内容決定処理部108は、
(A1)キャラクタ情報記憶部148に記憶されている管理済み育成対象キャラクタ等の中から、プレーヤの指定された、又は、育成進度パラメータに対する条件を有する管理済み育成対象キャラクタ等を複数設定し、
(A2)(A1)の処理で設定した複数の管理済み育成対象キャラクタ等から、例えば、上記のような所定の抽選処理を実行して当選した管理済み育成対象キャラクタ等を、管理済み特定育成対象キャラクタ等に設定してもよい。
【0233】
なお、上記の(A1)においては、育成内容決定処理部108は、キャラクタ情報記憶部148に記憶されている管理済み育成対象キャラクタ等の中から、プレーヤの指定された、かつ、育成進度パラメータに対する条件を有する管理済み育成対象キャラクタ等を複数設定してもうよい。
【0234】
また、育成内容決定処理部108は、入れ替え候補設定処理においては、上述のように、抽選処理の適用順をプレーヤの指定操作後、所定の育成進度パラメータにおける条件を適用した後、又は、双方の条件を適用した後に、抽選処理を実行しているが、2つ以上の設定条件の順番については、これに限られない。
【0235】
すなわち、育成内容決定処理部108は、プレーヤの指定によって特定した入れ替え対象公報の中から、抽選処理によって当選したものを、管理済み特定育成対象キャラクタに設定してもよいし、抽選処理を実行した後に、プレーヤによって指定したものを、管理済み特定育成対象キャラクタに設定するなど、抽選候補を絞り込んだ上で抽選を行ってもよいし、抽選後にプレーヤの指定又は条件による特定を行ってもよい。
【0236】
また、育成内容決定処理部108は、3つの異なる設定条件に基づく入れ替え候補設定処理であっても、上述と同じように、自由に組み合わせて管理済み特定育成対象キャラクタ等を設定してもよい。
【0237】
[4.4.3]制御内容決定処理
次に、上記の図7とともに、図8図10を用いて本実施形態の決定処理における制御内容決定処理ついて説明する。なお、図8図10は、本実施形態の決定処理に含まれる制御内容決定処理を説明するための図である。
【0238】
育成内容決定処理部108は、育成対象処理の制御内容として、管理済み特定育成対象キャラクタ等の育成進度パラメータと新規育成対象ゲーム要素のパラメータとの差(以下、単に、「制御対象パラメータの差」ともいう。)に応じて(すなわち、比較することによって)、制御内容決定処理を実行する。
【0239】
この場合には、育成内容決定処理部108は、制御対象パラメータの差に基づいて、
(A1)新規育成対象ゲーム要素の育成進度パラメータの初期値、
(A2)新規育成対象ゲーム要素の育成進度パラメータの変動量、
(A3)育成進度パラメータに基づく育成制御処理を実行する際のコスト(ポイント消費、ゲーム内通貨やアイテムの支払い、又は、課金)、又は、
(A4)育成制御処理が抽選によって育成進度パラメータの変動を制御する場合には、その抽選確率、
を調整する。
【0240】
特に、育成内容決定処理部108は、管理済み特定育成対象キャラクタ等の育成進度パラメータに基づいて、当該管理済み特定育成対象キャラクタ等における育成進度パラメータによって育成制御処理が実行されたときにプレーヤが享受した効果と同一の効果、又は
、同一とみなされる効果を発揮する内容に、新規育成対象キャラクタ等における育成進度パラメータに対する制御内容を決定することが好ましい。
【0241】
例えば、育成内容決定処理部108は、上記の図7に示すように、制御内容として、新規育成対象キャラクタ等の育成進度パラメータの初期値に、管理済み特定育成対象キャラクタ等の現在の育成進度パラメータの値を用いることを決定する。
【0242】
また、例えば、育成内容決定処理部108は、図8に示すように、制御内容として、育成制御処理を実行する所定の期間において用いる新規育成対象キャラクタ等の育成進度パラメータの変動量(例えば、+1/初期値)に、管理済み特定育成対象キャラクタ等の現在の育成進度パラメータの変動量(例えば、+5)を用いることを決定する。
【0243】
なお、本実施形態においては、育成内容決定処理部108は、管理済み特定育成対象キャラクタ等の育成進度パラメータに基づいて、当該管理済み特定育成対象キャラクタ等における育成進度パラメータによって育成制御処理が実行されたときにプレーヤが享受した効果と同一の効果、又は、同一とみなされる効果を発揮する内容に、新規育成対象キャラクタ等における育成進度パラメータに対する制御内容を決定しなくてもよい。
【0244】
この場合には、育成内容決定処理部108は、新規育成対象キャラクタ等の育成進度パラメータに対して、単に最初から使用する場合と比べて優位性がある値に設定すればよい。
【0245】
また、育成内容決定処理部108は、制御対象パラメータの差が大きければ大きいほど、新規育成対象キャラクタ等の育成進度パラメータを大きく変更させてもよい。
【0246】
さらに、育成内容決定処理部108は、複数の管理済み特定育成対象キャラクタ等を用いる場合には、複数の管理済み特定育成対象キャラクタ等の育成進度パラメータにおける統計値(平均値や偏差値)又は合計値などの所定の演算値を用いて上記の(A1)~(A4)の処理を実行する。
【0247】
他方、管理済み特定育成対象キャラクタ等の育成制御処理に、素材アイテムや消費アイテムなどの育成進度制御用アイテムを用いる場合であっても、育成内容決定処理部108は、制御対象パラメータの差に基づいて、制御内容決定処理を実行する。
【0248】
具体的には、育成内容決定処理部108は、制御対象パラメータの差に基づいて、
(B1)育成進度制御用アイテムの値が育成進度パラメータを示す場合には、育成進度制御用アイテムの属性、又は、使用する育成用のゲーム要素における数又は量などの数値(すなわち、育成進度パラメータとなる値)、又は、
(B2)育成進度制御用アイテムを管理済み育成対象キャラクタ等に合成する場合など、育成制御処理時に消費される場合には、育成制御処理が実行される際に発揮される育成進度制御用アイテムの能力値(すなわち、もう一つの育成制御パラメータ)を、
調整する。
【0249】
例えば、育成内容決定処理部108は、図9に示すように、制御内容として、新規育成対象キャラクタ等が有する育成進度制御用アイテムの初期値(例えば、初期値0)を、現在の管理済み特定育成対象キャラクタ等が有している育成進度制御用アイテムの数(例えば、150)に決定する。
【0250】
また、例えば、育成内容決定処理部108は、図10に示すように、制御内容として、新規育成対象キャラクタ等の育成進度パラメータを変動する際の単位当たりの育成進度制
御用アイテムの改変量を、現在の管理済み特定育成対象キャラクタ等の育成進度パラメータを変動する際の単位当たりの育成進度制御用アイテムの改変量に設定する。
【0251】
なお、育成内容決定処理部108は、複数の育成進度制御用アイテムを用いる場合には、複数の管理済み特定育成対象キャラクタ等の育成進度パラメータ(すなわち、複数の育成進度制御用アイテム数など)における統計値(平均値や偏差値)又は合計値などの所定の演算値を用いて上記の(B1)又は(B2)の処理を実行する。
【0252】
[4.4.4]プレビュー表示
次に、本実施形態の決定処理におけるプレビュー表示ついて説明する。
【0253】
表示制御部109は、上述のように、育成対象キャラクタ入れ替え制御処理において、プレーヤの操作指示に基づいて管理済み育成対象キャラクタ等を管理済み特定育成対象キャラクタとして設定する場合であって、管理済み育成対象キャラクタ等の中からプレーヤによって指示された育成対象キャラクタ等と、新規育成対象キャラクタ等と、における決定処理が実行された場合の予測される制御内容を、プレビューとして該当する端末装置20に表示させてもよい。
【0254】
なお、この場合には、育成内容決定処理部108は、プレビュー表示後にプレーヤの確定指示を受け付けた場合に、当該確定指示の対象となった育成対象キャラクタ等を、管理済み特定育成対象キャラクタ等に設定する。
【0255】
なお、本実施形態のプレビューに関する処理には、抽選処理及びプレーヤの指定によって、前記管理済みの特定の育成対象ゲーム要素として指定する場合には、抽選処理の前のプレーヤの指定の場合であっても、当該抽選処理の後のプレーヤの指定の場合であっても、適用可能である。
【0256】
また、上記の確定指示とは、プレーヤが管理済みの特定の育成対象ゲーム要素に設定することに対する承諾の意思表示をする指示を示す。
【0257】
さらに、上記の所与の設定可能条件を具備する設定可能な育成対象ゲーム要素には、所定の能力値以上(能力値以下)のゲーム要素、ゲーム要素に設定されたレベルが高い(低い)ゲーム要素、又は、育成が進んでいる(遅れている)ゲーム要素など、予め定められた条件を具備する複数の育成対象ゲーム要素が含まれる。
【0258】
[4.4.5]管理済み特定育成対象キャラクタ等の取り扱い
育成内容決定処理部108は、決定処理に用いられた管理済み特定育成対象キャラクタ等については、例えば、ゲームにおいて消費(消滅)すること、又は、操作不能にロックするなど使用不能に設定してもよいし、当該管理済み特定育成対象キャラクタ等の育成進度パラメータを、初期値にするなど、プレーヤに対して不利な方向に変動させてもよい。
【0259】
一方、育成内容決定処理部108は、新規育成対象キャラクタ等に対する育成制御処理の制御内容について、初期設定など通常の状態に戻された場合(リセットされた場合)には、決定処理に用いられた管理済み特定育成対象キャラクタ等を、当該決定処理の前の状態に回復させてもよい。
【0260】
また、上記においては、育成制御内容とは無関係に、育成内容決定処理部108は、育成制御処理に寄与した、すなわち、決定処理に用いられた管理済み特定育成対象キャラクタ等については、消費されるようになっているが、当該決定処理に用いられた管理済み特定育成対象キャラクタ等が消費された場合と、当該決定処理に用いられた管理済み特定育
成対象キャラクタ等が消費されなかった場合と、で育成制御内容を変更してもよい。
【0261】
例えば、この場合には、育成内容決定処理部108は、当該決定処理に用いられた管理済み特定育成対象キャラクタ等が消費された場合には、該決定処理に用いられた管理済み特定育成対象キャラクタ等が消費されなかった場合に比べて、育成進度パラメータをよりプレーヤにとって有利な方向に変動させる。
【0262】
なお、育成内容決定処理部108は、決定処理に用いられた管理済み特定育成対象キャラクタ等については、上記のように、使用不能にすることなく、また、育成進度パラメータを不利な方向に変動させなくてもよい。
【0263】
また、育成内容決定処理部108は、使用不能にすること、又は、育成進度パラメータを不利な方向に変動する場合に、期間限定で実行してもよく、この場合には、当該期間をプレーヤによって指定された期間に決めてもよいし、プログラムによって自動的に決めてもよいし、予め定められた期間に決めてもよい。
【0264】
特に、この場合には、育成内容決定処理部108は、当該使用不能となる期間又は育成進度パラメータを不利な方向に変動する期間に応じて、育成進度パラメータの制御内容を決定してもよい。
【0265】
例えば、育成内容決定処理部108は、当該使用不能となる期間又は育成進度パラメータを不利な方向に変動する期間を長くした場合には、育成進度パラメータをよりプレーヤにとって有利な方向に変動させ、当該使用不能となる期間又は育成進度パラメータを不利な方向に変動する期間を短くした場合には、当該育成進度パラメータをプレーヤにとって有利な方向に変動させる際の変動量を小さくさせる。
【0266】
[4.5]育成制御処理
(育成制御処理の基本原理)
育成制御部107は、育成対象キャラクタをゲーム内において強化するための処理であって、所与の実行条件を具備した場合に、育成進度パラメータの変動を制御することによって、当該育成進度パラメータに対応付けて管理されている育成対象キャラクタ等に対する育成制御処理を実行する。
【0267】
特に、育成制御部107は、所与の実行条件としては、例えば、
(A1)クエストやステージのクリア、ゲームの進度、敵キャラクタや他のプレーヤ(具体的にはプレーヤキャラクタ)との対戦や撃破、又は、ミニゲームでの勝利などのゲームイベントに関する条件、
(A2)育成対象のプレーヤキャラクタやアイテムに対して、素材アイテムなどの他のアイテムを合成する合成処理において、合成が成功した場合などの合成処理(他のゲーム要素が消費(非所有化)される場合及び消費されない場合(保有継続)の双方を含む。)に関する条件、
(A3)予め定められた金額の課金や予め定められた量のポイント消費などのプレーヤの指示(意思)に基づく実行条件、及び、
(A4)ゲーム内の進捗状況や時間経過などのゲーム進行やゲーム状況に関する条件、
を用いる。
【0268】
そして、育成制御部107は、ゲーム管理部103によって各種のゲーム制御処理が実行されている際に、上記の実行条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行し、当該判定処理によって当該実行条件を具備した場合に育成制御処理を実行する。
【0269】
なお、育成制御部107は、プレーヤの指示を前提に実行してもよいし、当該プレーヤの指示が伴わずに、上記の各実行条件を具備した場合に、自動的に育成制御処理を実行してもよい。
【0270】
一方、育成制御部107は、上述のような実行条件を具備したと判定した場合に、アイテム・キャラクタ管理部106に記憶されている該当するキャラクタ等情報を読み出し、当該実行条件を具備した際の育成対象キャラクタ等の状態、ゲームの進行状態、又は、プレーヤの指示内容などに基づきつつ、パラメータ制御情報に基づいて、該当するキャラクタ等情報に含まれる育成進度パラメータをプレーヤに取って有利な方向に変動させる。
【0271】
具体的には、育成制御部107は、育成制御処理としては、キャラクタ等のレベル、能力値(能力の有無も含む)、経験値、ポイント、又は、装備されるアイテムなどの育成対象キャラクタ等のパラメータ(1種以上のパラメータ)を、育成進度パラメータとして、限界値(例えば、上限値や下限値など)に向けて変動させることによって、当該プレーヤに取って有利な方向に変動させる処理を実行する。
【0272】
特に、育成制御部107は、勿論、育成進度パラメータを、プレーヤにとって有利な方向だけでなく、対戦ゲームに敗退したり、制限時間内にタスクをクリアできなかったりした場合などの状況に応じて、当該プレーヤにとって不利な方向にも変化させてもよい。
【0273】
なお、育成制御部107は、上記の各実行条件が具備された場合に、又は、当該実行条件が具備される毎に、プレーヤの育成を実行する旨の指示を受け付けると、又は、自動的に育成制御処理を実行する。
【0274】
(パラメータ制御情報に基づく育成制御処理)
育成制御部107は、上記の実行条件が具備された場合に、又は、当該実行条件が具備される毎に、パラメータ制御情報(上記の決定処理によって調整された値を含む。)に基づいて、キャラクタ情報記憶部148から読み出した当該キャラクタ等情報に、育成制御処理を実行する。
【0275】
すなわち、育成制御部107は、各管理済み育成対象キャラクタ等について育成制御処理を実行する場合には、該当する管理済み育成対象キャラクタ等情報に含まれるパラメータ制御情報を参照する。
【0276】
そして、育成制御部107は、参照したパラメータ制御情報に基づいて、
(B1)実行条件を具備した場合に、又は、当該実行条件を具備する毎に、該当する育成進度パラメータを変動させる単位数量(育成進度パラメータを改変する単位改変量)、
(B2)所定のコスト、又は、
(B3)育成制御処理が抽選によって育成進度パラメータの変動を制御する場合には、その抽選確率(変動によってアップするパラメータの数値が複数決められている場合には全て同一の当選確率)、
を制御しつつ、管理済み育成対象キャラクタの育成を制御する育成制御処理を実行する。
【0277】
特に、育成制御部107は、上述のように、決定処理によって獲得済みキャラクタ等が新規育成対象キャラクタ等として登録される際に設定されたパラメータ制御情報に基づいて、育成進度パラメータを制御する。
【0278】
そして、育成制御部107は、このように育成進度パラータの変動を制御すると、キャラクタ情報記憶部148に記憶されている該当するキャラク等情報に含まれる育成進度パラメータを、当該変動制御に合わせて更新する。
【0279】
なお、育成制御部170は、上記の決定処理によって初期値が調整されている場合には、当該初期値に基づいて、育成進度パラメータを制御する育成制御処理を実行する。
【0280】
一方、育成制御部107は、ゲームを進行させることによって、育成制御処理を実行する際に、育成進度パラメータとともにパラメータ制御情報を制御してもよい。
【0281】
具体的には、育成制御部107は、
(C1)実行条件を具備した場合に、若しくは、実行条件を具備する毎に、該当する育成進度パラメータを変動させる単位数量、
(C2)所定のコスト、又は、
(C3)育成制御処理が抽選によって育成進度パラメータの変動を制御する場合には、その抽選確率(変動によってアップするパラメータの数値が複数決められている場合には全て同一の当選確率)、
を制御してもよい。
【0282】
この場合には、育成制御部107は、更新したパラメータ制御情報を該当するキャラクタ等情報に更新登録する。
【0283】
(育成進度制御用アイテムを用いた育成制御処理)
育成制御部107は、素材アイテムなどの育成対象ゲーム要素とは異なる他のゲーム要素(すなわち、育成進度制御用アイテムであって、例えば、素材アイテムや消費アイテム)を用いる場合には、育成進度パラメータとして、育成対象キャラクタ等のパラメータに加えて、又は、当該育成対象キャラクタ等のパラメータに代えて、育成進度制御用アイテムのレベルなどの属性、又は、当該育成制御処理に使用(消費)される育成進度制御用アイテムの数又は量を用いてもよい。
【0284】
すなわち、育成制御部107は、育成対象キャラクタ等の育成進度に寄与する育成進度制御用アイテム(例えば、素材アイテム)の数、量、質(属性)、又は、それらの組み合わせを、育成進度制御処理を実行した際の育成進度パラメータとして用いてもよい。
【0285】
また、この場合においては、育成制御部107は、上記の実行条件が具備された場合に、又は、当該実行条件が具備される毎に、キャラクタ情報記憶部148から読み出した当該キャラクタ等情報に含まれる育成進度制御用アイテム(例えば、素材アイテム)に関するパラメータを変動させる育成制御処理を実行する。
【0286】
具体的には、育成制御部107は、育成進度制御用アイテムのパラメータとして、当該育成進度制御用アイテムの、量、質(特性やレベルなどの属性)、又は、それらの組み合わせについて、改変量や質を改変するには当該改変する属性の種別を用いる。
【0287】
例えば、育成制御部107は、参照したパラメータ制御情報に基づいて、育成進度制御用アイテム(例えば、素材アイテム)の数、量、質、又は、それらの組み合わせの値について、
(D1)実行条件を具備する毎に、該当する育成進度パラメータを所定の単位でプレーヤに有利な方向に変動させ、
(D2)所定のコストによって実施可能とし、
(D3)育成制御処理が抽選によって育成進度パラメータの変動を制御する場合には、その抽選確率(変動によってアップするパラメータの数値が複数決められている場合には全て同一の当選確率)、
を制御しつつ、管理済み育成対象キャラクタの育成を制御する育成制御処理を実行する。
【0288】
なお、育成制御部107は、上記と同様に、この場合であっても、ゲームを進行させることによって、育成制御処理を実行する際に、育成進度パラメータとともにパラメータ制御情報を制御してもよい。
【0289】
また、育成制御部107は、素材アイテムなどの育成進度制御用アイテムを用いて管理済み育成対象キャラクタの育成制御処理を行う場合には、当該使用した育成進度制御用アイテムを消費(非所有化)してもよいし、消費(そのまま保持)しなくてもよい。
【0290】
また、育成制御部170は、上記の決定処理によって育成進度制御用アイテムのパラメータ(すなわち、育成進度パラメータ)の初期値が調整されている場合には、当該初期値に基づいて、育成進度パラメータを制御する育成制御処理を実行する。
【0291】
[4.6]変形例
次に、本実施形態の変形例について説明する。
【0292】
(当選確率に基づく育成制御処理)
上記実施形態の育成制御処理において、当選確率を用いて実行する場合には、育成内容決定処理部108は、決定処理において、管理済み特定育成対象キャラクタ等の育成進度パラメータと新規育成対象ゲーム要素のパラメータとの差に応じて、プレーヤが有利な方向に、育成制御処理時の当選確率を変更してもよい。
【0293】
具体的には、育成内容決定処理部108は、制御内容として、新規育成対象キャラクタ等の育成進度パラメータの複数の変動量を定めるそれぞれの当選確率に、管理済み特定育成対象キャラクタ等の現在の育成進度パラメータの複数の変動量を定めるそれぞれの当選確率を用いることを決定する。
【0294】
例えば、育成内容決定処理部108は、制御内容として、新規育成対象キャラクタ等の育成進度パラメータの複数の変動量として、+1の当選確率80%、+2の当選確率15%、+3の当選確率4%、及び、+5の当選確率1%の当選確率を用いる場合には、管理済み特定育成対象キャラクタ等の現在の育成進度パラメータの変動量を定める当選確率(例えば、+1の当選確率30%、+2の当選確率50%、+3の当選確率10%、+5の当選確率7%及び+10の当選確率3%)を、新規育成対象キャラクタ等の育成進度パラメータの複数の変動量のそれぞれに決定する。
【0295】
(育成関連処理としてキャラクタ獲得処理が実行される場合)
上記の実施形態においては、育成関連処理として育成制御処理が実行され、当該育成制御処理において、パラメータ制御情報に基づいて育成進度パラメータが制御されているが、当該育成関連処理としてキャラクタ等獲得処理が実行され、育成進度パラメータの制御に寄与する育成進度制御用アイテムの獲得を制御することによって、育成対象キャラクタ等の育成進度パラメータが制御されてもよい。
【0296】
この場合には、パラメータ制御情報として、キャラクタ等獲得処理を規定する内容が含まれる。
【0297】
例えば、この場合には、パラメータ制御情報には、
(A1)育成進度制御用アイテムを獲得処理によって獲得させる際の種別、レベル(質)などの属性又は数、
(A2)育成進度制御用アイテムにおける獲得処理の実行タイミング、
(A3)育成進度制御用アイテムにおける獲得処理のコスト、及び、
(A4)育成進度制御用アイテムを抽選によって獲得させる場合には、その当選確率、
などが含まれる。
【0298】
そして、育成内容決定処理部108は、キャラクタ等獲得処理によって新規育成対象キャラクタ等が獲得された場合に、既に管理されている管理済み特定育成対象キャラクタ等における育成進度パラメータに基づいて、当該新規育成対象キャラクタ等の育成に関する育成関連処理を規定する新規育成対象のパラメータ制御の内容(キャラクタ等獲得処理における制御内容)を決定する。
【0299】
特に、育成内容決定処理部108は、決定処理として、管理済み特定育成対象キャラクタ等における育成進度パラメータに基づいて、育成制御処理に寄与する育成進度制御用アイテムのキャラクタ等獲得処理における制御内容を(例えば、ゲーム開始時に設定される場合に用いる内容(例えば初期値)よりプレーヤに取って有利となる内容に)決定する。
【0300】
具体的には、育成内容決定処理部108は、上記実施形態と同様に、入れ替え候補設定処理を実行し、管理済み特定育成対象キャラクタ等が設定されると、当該設定された1以上の管理済み特定育成対象キャラクタ等の育成進度パラメータを読み出し、当該読み出したの育成進度パラメータに基づいて、育成進度制御用アイテムを獲得する際の内容を、パラメータ制御情報として、決定する制御内容決定処理を実行する。
【0301】
より具体的には、この場合には、育成内容決定処理部108は、制御内容として、管理済み特定育成対象キャラクタ等の育成進度パラメータと新規育成対象キャラクタ等のパラメータとの差に応じて(すなわち、比較して)、育成進度パラメータの変動に(例えば、+1するために)寄与する育成進度制御用アイテムの数・量・質・これらの組み合わせ、獲得処理の実行タイミング(実行間隔)、キャラクタ等獲得処理を実行する際のコスト、及び、育成進度制御用アイテムを抽選によって獲得させる場合には、その当選確率を、プレーヤにとって有利なる内容に制御する。
【0302】
そして、この場合には、アイテム・キャラクタ管理部106は、決定処理によって決定された制御内容を示すパラメータ制御情報を含む新規育成対象キャラクタ等の情報を管理済み育成対象キャラクタ等情報として登録する。
【0303】
なお、この場合には、アイテム・キャラクタ獲得処理部105は、管理済み育成対象キャラクタ等について獲得処理を実行する際には、該当する管理済み育成対象キャラクタ等情報に含まれるパラメータ制御情報に基づいて、育成進度制御用アイテムの獲得に関する制御を実行する。
【0304】
[5]本実施形態の動作(育成対象キャラクタ入れ替え制御処理)
[5.1]育成対象キャラクタ入れ替え制御処理
次に、図11を用いて本実施形態のサーバ装置10によって実行される育成対象キャラクタ入れ替え制御処理の動作について説明する。
【0305】
なお、図11は、本実施形態のサーバ装置10によって実行される育成対象キャラクタ入れ替え制御処理の動作を示すフローチャートである。
【0306】
本動作は、育成対象のプレーヤキャラクタを、既に管理済みのプレーヤキャラクタから新規に獲得したプレーヤキャラクタに入れ替えた場合の動作である。
【0307】
また、本動作は、育成対象キャラク等としてプレーヤキャラクタである場合を想定し、入れ替えられた管理済みのプレーヤキャラクタの使用が禁止される場合を用いて説明する
【0308】
さらに、本動作は、既にゲームにログインされてゲームが開始されており、当該ゲーム中に実行される処理の動作である。
【0309】
なお、本動作においては、キャラクタ情報記憶部148には既に複数の管理済み育成対象キャラクタ等が記憶されているものとし、特定のプレーヤ及びその端末装置20対して実行するものとする。
【0310】
まず、アイテム・キャラクタ獲得処理部105が、抽選処理などによって新規のプレーヤキャラクタを獲得したこと(すなわち、新規キャラクタの獲得)を検出すると(ステップS101)、ゲーム管理部103及び情報提供部111と連動して、既に管理済みであって育成対象のプレーヤキャラクタと入れ替えて、新規に獲得したプレーヤキャラクタ(以下、「新規獲得済みプレーヤキャラクタ」という。)を育成対象のプレーヤキャラクタとして登録するか否か(入れ替えを実行するか否か)を問い合わせるためのゲーム情報を生成し、該当する端末装置20に対して送信する(ステップS102)。
【0311】
このとき、アイテム・キャラクタ獲得処理部105は、新規に獲得したプレーヤキャラクタを育成対象のプレーヤキャラクタとして登録するか否か、プレーヤの指示の受信を待機する。
【0312】
次いで、アイテム・キャラクタ獲得処理部105は、通信制御部101と連動して該当する端末装置20から送信されたプレーヤ指示を受信すると(ステップS103)、当該受信したプレーヤの指示がプレーヤキャラクタの入れ替えの実行を示す指示であるか、当該入れ替えの実行をしない指示であるかを判定する(ステップS104)。
【0313】
このとき、アイテム・キャラクタ獲得処理部105は、受信したプレーヤの指示がプレーヤキャラクタの入れ替えの実行をしない指示であると判定した場合には、新規に獲得したプレーヤキャラクタを破棄して(ステップS110)本動作を終了させる。
【0314】
一方、アイテム・キャラクタ獲得処理部105は、受信したプレーヤの指示がプレーヤキャラクタの入れ替えの実行を示す指示であると判定した場合には、既に管理済みで育成対象のプレーヤキャラクタの中から入れ替え候補を設定する入れ替え候補設定処理を実行する(ステップS105)。
【0315】
このとき、育成内容決定処理部108は、例えば、プレーヤの指示に基づいて、抽選処理に基づいて、又は、所与の設定条件に基づいて、少なくとも1の管理済みで育成対象のプレーヤキャラクタ(以下、「入れ替え候補育成対象プレーヤキャラクタ」という。)を特定する。
【0316】
次いで、育成内容決定処理部108は、キャラクタ情報記憶部148に記憶された入れ替え候補育成対象プレーヤキャラクタのキャラクタ等情報を参照し、当該入れ替え候補育成対象プレーヤキャラクタにおける育成進度パラメータを読み出す(ステップS106)。
【0317】
次いで、育成内容決定処理部108は、読み出した入れ替え候補育成対象プレーヤキャラクタにおける育成進度パラメータと、新規獲得済みプレーヤキャラクタの育成進度パラメータと、に基づいて、新規獲得済みプレーヤキャラクタの育成制御処理時における制御内容(すなわち、新規獲得済みプレーヤキャラクタの育成制御処理における育成進度パラメータにおける制御内容)を決定する制御内容決定処理を実行する(ステップS107)
【0318】
次いで、アイテム・キャラクタ管理部106は、決定された制御内容を示すパラメータ制御情報を含む新規獲得済みプレーヤキャラクタのキャラクタ等情報を、管理済みの育成対象のプレーヤキャラクタの情報としてキャラクタ情報記憶部148に登録する(ステップS108)。
【0319】
最後に、アイテム・キャラクタ管理部106は、入れ替え候補育成対象プレーヤキャラクタのゲームにおける禁止するとともに、キャラクタ情報記憶部148に記憶されているそのキャラクタ等情報をロックし(ステップS109)本動作を終了させる。
【0320】
[5.2]育成制御処理
次に、図12を用いて本実施形態のサーバ装置10によって実行される育成制御処理の動作について説明する。
【0321】
なお、図12は、本実施形態のサーバ装置10によって実行される育成制御処理の動作を示すフローチャートである。
【0322】
本動作は、既にゲームにログインされてゲームが開始されており、当該ゲーム中に実行される処理の動作であって、新規に獲得したプレーヤキャラクタを含め既にアイテム・キャラクタ情報記憶部148に登録されている育成対象のプレーヤキャラクタに対する動作である。
【0323】
なお、本動作においては、キャラクタ情報記憶部148には既に複数の管理済み育成対象キャラクタ等が記憶されているものとし、特定のプレーヤ及びその端末装置20対して実行するものとする。
【0324】
まず、育成制御部107は、クエストのクリアなどの育成制御処理の実行を検出すると(ステップS201)、育成対象のプレーヤキャラクタにおけるキャラクタ等情報をキャラクタ情報記憶部148から読み出す(ステップS202)。
【0325】
次いで、育成制御部107は、読み出したキャラクタ等情報に含まれているパラメータ制御情報に基づいて、対象のプレーヤキャラクタの育成進度パラメータを制御する(ステップS203)。
【0326】
最後に、育成制御部107は、制御された育成進度パラメータを、該当するキャラクタ等情報に更新登録して(ステップS204)本動作を終了させる。
【0327】
[6]その他
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【0328】
本実施形態では、第1のゲームとして格闘(バトル)ゲームを行う対戦型ゲームを用いるとともに、第2のゲームとして街を作るシミュレーションゲームを用いて説明したが、本実施形態はそれに限定されるものではなく、各種のゲーム、例えば、野球ゲーム、サッカーゲーム、バスケットボールゲーム等のスポーツゲームなどの対戦ゲーム、ロールプレーングゲーム、
その他のシミュレーションゲームに応用してもよい。
【0329】
また、本実施形態は、一のサーバ装置10によって各ゲームを端末装置20に提供してもよいし、複数のサーバ装置10を連動させてサーバシステムを構築し、各ゲームを端末装置20に提供してもよい。
【0330】
さらに、本実施形態においては、サーバ装置10によって提供されたゲーム制御情報に基づいて端末装置20によってゲーム処理が実行されているが、上記の端末装置20の処理部200の各機能及びゲームプログラムの実行をサーバ装置10で実行し、当該端末装置20は、操作入力とストリーミングによる画像表示を実行することによって、上記のゲームを実現してもよい。
【0331】
この場合には、サーバ装置10は、ゲーム制御情報としてゲーム画像の表示に関する情報を該当する端末装置20に提供することになる。
【0332】
また、本実施形態においては、サーバ装置10の機能を備えた単一のゲーム装置、すなわち、サーバ装置などの他の機器に依存せず単独で動作する装置(スタンドアローン)によって実現してもよい。
【0333】
この場合には、ゲーム装置は、
(A1)プレーヤの指示を受け付ける受付処理を実行し、
(A2)所与の獲得条件を具備した場合に前記ゲーム要素を前記プレーヤに獲得させるゲーム要素獲得処理を実行し、
(A3)データベースなどに記憶されている情報であって、ゲーム要素獲得処理によって獲得した記育成対象のゲーム要素である育成対象ゲーム要素と、当該育成対象ゲーム要素の育成進度を規定するパラメータを示す育成進度パラメータと、が対応付けられた情報を、管理済み育成対象ゲーム要素情報として、管理し、
(A4)所与の実行条件を具備した場合に、育成進度パラメータの変動を制御することによって、当該育成進度パラメータに対応付けて管理されている育成対象ゲーム要素に対する育成制御処理を実行し、
(A5)ゲーム要素獲得処理によって新規な育成対象ゲーム要素を示す新規育成対象ゲーム要素が獲得された場合に、既に管理されている少なくとも1の管理済みの特定の育成対象ゲーム要素における育成進度パラメータに基づいて、当該新規育成対象ゲーム要素における前記育成制御処理を実行する際の前記育成進度パラメータの変動に対する制御内容を、プレーヤの有利な方向に、決定する決定処理を実行し、
(A6)育成対象ゲーム要素を含むゲームに関する情報を表示部に表示させ、
(A7)決定処理によって決定された制御内容を示すパラメータ制御情報を含めて新規育成対象ゲーム要素の情報を、前記管理済み育成対象ゲーム要素情報として、記憶手段に登録し、
(A8)パラメータ制御情報を有する管理済み育成対象ゲーム要素に対して育成制御処理を実行する場合には、当該パラメータ制御情報に基づいて、当該管理済み育成対象ゲーム要素における育成進度パラメータの変動を制御する、
構成を有している。
【0334】
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0335】
上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効
果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例は全て本発明の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0336】
1 :ゲームシステム
10 :サーバ装置
20 :端末装置
100 :処理部
101 :通信制御部
102 :Web処理部
103 :ゲーム管理部
104 :受付処理部
105 :キャラクタ獲得処理部
106 :キャラクタ管理部
107 :育成制御部
108 :育成内容決定処理部
109 :表示制御部
110 :タイマ管理部
111 :情報提供部
120 :入力部
130 :表示部
140 :記憶部
142 :主記憶部
144 :ゲームデータ記憶部
146 :プレーヤ情報記憶部
148 :キャラクタ情報記憶部
170 :育成制御部
180 :情報記憶媒体
196 :通信部
200 :処理部
210 :通信制御部
211 :Webブラウザ
212 :ゲーム処理部
213 :表示制御部
220 :描画部
230 :音処理部
260 :入力部
262 :検出部
270 :記憶部
271 :主記憶部
272 :画像バッファ
280 :情報記憶媒体
290 :表示部
292 :音出力部
296 :通信部
図1
図2
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図12