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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127189
(43)【公開日】2022-08-31
(54)【発明の名称】箱詰め装置及び箱詰め方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 5/08 20060101AFI20220824BHJP
   B65G 47/52 20060101ALI20220824BHJP
【FI】
B65B5/08
B65G47/52 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021025189
(22)【出願日】2021-02-19
(71)【出願人】
【識別番号】000001421
【氏名又は名称】キユーピー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】502310841
【氏名又は名称】株式会社ケイパック
(72)【発明者】
【氏名】阿野 豊
(72)【発明者】
【氏名】植竹 雅之
(72)【発明者】
【氏名】丸島 大輔
(72)【発明者】
【氏名】梅田 清隆
【テーマコード(参考)】
3E003
3F044
【Fターム(参考)】
3E003AA01
3E003AA07
3E003AB01
3E003AB03
3E003BB02
3E003BC01
3E003BD04
3E003CA02
3E003CB02
3E003DA01
3E003DA05
3E003DA07
3F044AA15
3F044CA01
3F044CA02
3F044CA07
3F044CA08
3F044CA09
3F044CD08
(57)【要約】
【課題】箱詰めする物品の変形や内容物の偏りを抑制できる箱詰め装置を提供する。
【解決手段】箱詰め装置100は、コンベア3上の物品1を保持して箱2に収容する箱詰めロボット4を備え、箱詰めロボット4は、物品1の保持及び解放が可能なハンド部42を備え、ハンド部42は、物品1の下面部に沿い、ロボットアーム41による上昇動作に応じて物品1を持ち上げ可能な櫛状のフォーク部422を備え、コンベア3は、物品1の搬送方向に所定のピッチで並列配置される複数のコンベアローラ31と、複数のコンベアローラ31を回転可能に支持するコンベアフレーム32と、を備え、コンベアフレーム32は、フォーク部422による物品1の持ち上げ位置において、フォーク部422の各フォーク422aがコンベアローラ31間を上下方向に通り抜けることを許容するための間隙321を有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を箱に収容する箱詰め装置であって、
物品を搬送するコンベアと、
前記コンベア上の物品を保持して箱に収容する箱詰めロボットと、
少なくとも前記箱詰めロボットを制御する制御装置と、を備え、
前記箱詰めロボットは、
ロボットアームと、
前記ロボットアームに取り付けられ、物品の保持及び解放が可能なハンド部と、を備え、
前記ハンド部は、
物品の下面部に沿い、前記ロボットアームによる前記ハンド部の上昇動作に応じて物品を持ち上げ可能な櫛状のフォーク部と、
前記フォーク部上の物品を押出し可能な押出部材と、を備え、
前記コンベアは、物品の搬送方向に所定のピッチで並列配置される複数のコンベアローラと、
複数の前記コンベアローラを回転可能に支持するコンベアフレームと、を備え、
前記コンベアフレームは、前記フォーク部による物品の持ち上げ位置において、前記フォーク部が前記コンベアローラ間を上下方向に通り抜けることを許容するための間隙を有する、箱詰め装置。
【請求項2】
前記フォーク部の両側部には、物品の側方への落下を規制する落下防止ガイドが設けられる、請求項1に記載の箱詰め装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記ハンド部の上昇動作に応じて前記フォーク部が物品を持ち上げた後、前記フォーク部の物品押出方向の先端側が高く、物品押出方向の基端側が低くなるように前記ハンド部の姿勢を制御する、請求項1又は2に記載の箱詰め装置。
【請求項4】
前記ハンド部は、
前記押出部材を物品押出方向に動作させる押出部材用アクチュエータと、
前記フォーク部を物品押出方向と逆方向に動作させるフォーク部用アクチュエータと、をさらに備え、
前記制御装置は、前記押出部材用アクチュエータ及び前記フォーク部用アクチュエータを制御可能であり、前記フォーク部上の物品を押出すとき、前記押出部材を物品押出方向に動作させつつ、前記フォーク部を物品押出方向と逆方向に動作させる、請求項1~3のいずれか1項に記載の箱詰め装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記箱詰めロボットが物品を箱に収容した後、前記フォーク部が収容した物品の上面をならすように前記ロボットアームを動作させる、請求項1~4のいずれか1項に記載の箱詰め装置。
【請求項6】
前記コンベアの延長線上に、物品が収容された箱の搬送経路を直線状に配置するとともに、前記搬送経路の始端部側方に、前記搬送経路に空の箱を供給する箱供給ロボットを配置した、請求項1~5のいずれか1項に記載の箱詰め装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の箱詰め装置を用いた箱詰め方法であって、
前記フォーク部が前記コンベアローラ間を上方向に通り抜けることで、前記コンベア上の物品を持ち上げる工程と、
前記フォーク部を箱の物品収容位置上方まで移動させる工程と、
前記フォーク部上の物品を押出部材で押出して箱に収容する行程と、を含む、箱詰め方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を箱に収容する箱詰め装置及び箱詰め方法に関する。
【背景技術】
【0002】
<背景技術の説明>
従来、袋入り食品などの物品を段ボールなどの箱に収容する箱詰め装置が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
<特許文献1、2の説明>
特許文献1、2に記載の箱詰め装置は、コンベア上の物品をロボットアームで保持し、保持した物品を箱まで移動させた後、箱の物品収容位置で物品を解放することで、物品を箱詰めするように構成されている。
【0004】
<要望される技術-1>
しかしながら、特許文献1、2に記載の箱詰め装置では、いずれも真空吸着によって物品を吊り上げるように保持するので、物品によっては変形や内容物の偏りが発生する可能性があり、改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平1-23903号公報
【特許文献2】特開2019-214389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
<背景技術の課題>
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、箱詰めする物品の変形や内容物の偏りを抑制できる箱詰め装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
<請求項1の内容>
このような目的を達成するため、本発明は、以下の構成によって把握される。
(1)本発明は、物品を箱に収容する箱詰め装置であって、物品を搬送するコンベアと、前記コンベア上の物品を保持して箱に収容する箱詰めロボットと、少なくとも前記箱詰めロボットを制御する制御装置と、を備え、前記箱詰めロボットは、ロボットアームと、前記ロボットアームに取り付けられ、物品の保持及び解放が可能なハンド部と、を備え、前記ハンド部は、物品の下面部に沿い、前記ロボットアームによる前記ハンド部の上昇動作に応じて物品を持ち上げ可能な櫛状のフォーク部と、前記フォーク部上の物品を押出し可能な押出部材と、を備え、前記コンベアは、物品の搬送方向に所定のピッチで並列配置される複数のコンベアローラと、複数の前記コンベアローラを回転可能に支持するコンベアフレームと、を備え、前記コンベアフレームは、前記フォーク部による物品の持ち上げ位置において、前記フォーク部が前記コンベアローラ間を上下方向に通り抜けることを許容するための間隙を有する。
【0008】
<請求項2の内容>
(2)本発明は、上記(1)の構成において、前記フォーク部の両側部には、物品の側方への落下を規制する落下防止ガイドが設けられる。
【0009】
<請求項3の内容>
(3)本発明は、上記(1)又は(2)の構成において、前記制御装置は、前記ハンド部の上昇動作に応じて前記フォーク部が物品を持ち上げた後、前記フォーク部の物品押出方向の先端側が高く、物品押出方向の基端側が低くなるように前記ハンド部の姿勢を制御する。
【0010】
<請求項4の内容>
(4)本発明は、上記(1)~(3)のいずれかの構成において、前記ハンド部は、前記押出部材を物品押出方向に動作させる押出部材用アクチュエータと、前記フォーク部を物品押出方向と逆方向に動作させるフォーク部用アクチュエータと、をさらに備え、前記制御装置は、前記押出部材用アクチュエータ及び前記フォーク部用アクチュエータを制御可能であり、前記フォーク部上の物品を押出すとき、前記押出部材を物品押出方向に動作させつつ、前記フォーク部を物品押出方向と逆方向に動作させる。
【0011】
<請求項5の内容>
(5)本発明は、上記(1)~(4)のいずれかの構成において、前記制御装置は、前記箱詰めロボットが物品を箱に収容した後、前記フォーク部が収容した物品の上面をならすように前記ロボットアームを動作させる。
【0012】
<請求項6の内容>
(6)本発明は、上記(1)~(5)のいずれかの構成において、前記コンベアの延長線上に、物品が収容された箱の搬送経路を直線状に配置するとともに、前記搬送経路の始端部側方に、前記搬送経路に空の箱を供給する箱供給ロボットを配置した。
【0013】
<請求項7の内容>
(7)本発明は、(1)~(6)のいずれかの箱詰め装置を用いた箱詰め方法であって、記フォーク部が前記コンベアローラ間を上方向に通り抜けることで、前記コンベア上の物品を持ち上げる工程と、前記フォーク部を箱の物品収容位置上方まで移動させる工程と、前記フォーク部上の物品を押出部材で押出して箱に収容する行程と、を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、箱詰めする物品の変形や内容物の偏りを抑制できる箱詰め装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る箱詰め装置の概略構成を示すブロック図である。
図2】箱詰めロボットのハンド部を示す平面図である。
図3】箱詰めロボットのハンド部を示す側面図である。
図4】箱詰めロボットのハンド部を示す背面図である。
図5】ハンド部の動作を示す図であり、(a)は物品保持状態のハンド部を示す側面図、(b)は物品押出直後のハンド部を示す側面図である。
図6】箱詰め装置の動作説明図であり、箱詰めロボット待機状態を示す斜視図である。
図7】箱詰め装置の動作説明図であり、フォーク部をコンベア内に挿入した状態を示す斜視図である。
図8】箱詰め装置の動作説明図であり、コンベアの終端部まで物品が搬送された状態を示す斜視図である。
図9】箱詰め装置の動作説明図であり、フォーク部が物品を持ち上げた状態を示す斜視図である。
図10】箱詰め装置の動作説明図であり、ハンド部を傾斜させた状態を示す斜視図である。
図11】箱詰め装置の動作説明図であり、物品を箱の上まで搬送した状態を示す斜視図である。
図12】箱詰め装置の動作説明図であり、物品を押出している状態を示す斜視図である。
図13】箱詰め装置の動作説明図であり、箱詰めした物品の上面をならしている状態を示す斜視図である。
図14】箱詰め装置の動作説明図であり、箱詰めロボットと箱供給ロボットの協働によって箱を閉じている状態を示す斜視図である。
図15】箱詰め装置の動作説明図であり、箱供給ロボットが箱を閉じ終わった状態を示す斜視図である。
図16】箱詰め装置の動作説明図であり、箱搬送装置が箱を搬出する状態を示す斜視図である。
図17】箱詰め装置の動作説明図であり、箱供給ロボットが空の箱を箱搬送装置上にセットする状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<実施形態の説明-1>
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ符号を付している。
【0017】
<箱詰め装置の構成-1>
図1は、本発明の一実施形態に係る箱詰め装置の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る箱詰め装置100は、箱詰めの対象物である物品1を搬送するコンベア3と、コンベア3上の物品1を保持して箱2に収容する箱詰めロボット4と、箱2の載置部であり、箱詰め完了後に箱2を搬出する箱搬送装置5と、箱搬送装置5上に箱2を供給し、かつ箱詰め完了後に箱2を閉じる箱供給ロボット6と、コンベア3、箱詰めロボット4、箱搬送装置5及び箱供給ロボット6を制御する制御装置7と、を備える。
【0018】
<箱詰め装置の構成-2>
本実施形態の物品1は、少量(例えば、10g)の調味料(例えば、マヨネーズ)を収容した小袋を複数個(例えば、40個)袋詰めにしたものであり、真空吸着では、変形や内容物の偏りが発生しやすいものである。ただし、本発明の物品は、本実施形態の物品1に限定されない。また、本実施形態の箱2は、段ボールであって、複数(例えば、2列×5段=10個)の物品1を収容可能に構成されるが、本発明の箱は、本実施形態の箱2に限定されない。
【0019】
<箱詰めロボットの構成-1>
図1に示すように、箱詰めロボット4は、ロボットアーム41と、ロボットアーム41に取り付けられ、物品1の保持及び解放が可能なハンド部42と、を備える。なお、ロボットアーム41は、汎用のロボットアームであるため、詳細な説明は省略する。
【0020】
<ハンド部の構成-1>
図2は、箱詰めロボットのハンド部を示す平面図、図3は、箱詰めロボットのハンド部を示す側面図、図4は、箱詰めロボットのハンド部を示す背面図である。
図2図4に示すように、ハンド部42は、ロボットアーム41に連結されるベース部421と、物品1の下面部に沿い、ロボットアーム41によるハンド部42の上昇動作に応じて物品1を持ち上げ可能な櫛状のフォーク部422と、フォーク部422の両側部に設けられ、物品1の側方への落下を規制する落下防止ガイド423と、フォーク部422上の物品1を押出し可能な押出部材424と、押出部材424を物品押出方向に動作させる押出部材用アクチュエータ425と、フォーク部422を物品押出方向と逆方向に動作させる一対のフォーク部用アクチュエータ426と、を備える。
【0021】
<ハンド部の構成-2>
ベース部421は、ロボットアーム41に連結されるロボット連結部421aと、一対のフォーク部用アクチュエータ426が固定される第1アクチュエータ固定部421bと、押出部材用アクチュエータ425が固定される第2アクチュエータ固定部421cと、を備える。
【0022】
<ハンド部の構成-3>
本実施形態の押出部材用アクチュエータ425及びフォーク部用アクチュエータ426は空圧シリンダであり、ベース部421は、フォーク部用アクチュエータ426を介してフォーク部422を支持し、押出部材用アクチュエータ425を介して押出部材424を支持する。
【0023】
<ハンド部の構成-4>
フォーク部422は、物品押出方向に沿い、かつ物品押出方向と直交する幅方向に所定の間隔を介して並列される複数本(例えば、5本)のフォーク422aと、複数のフォーク422aの基端部から立ち上がり、フォーク部用アクチュエータ426に連結される立ち上がり部422bと、を備えた側面視L字形状を有する。落下防止ガイド423は、幅方向両端に位置するフォーク422aの外端部から立ち上がるように設けられており、フォーク部422上の物品1が外側方に落下することを規制する。
【0024】
<ハンド部の構成-5>
押出部材424は、立ち上がり部422bの物品押出方向側に沿うように配置された板状部材であり、上端側は、押出部材用アクチュエータ425に連結され、下端側は、フォーク422a間に入り込む複数の凸部424aを有する。
【0025】
<ハンド部の動作-1>
図5は、ハンド部の動作を示す図であり、(a)は物品保持状態のハンド部を示す側面図、(b)は物品押出直後のハンド部を示す側面図である。
図5の(a)に示すように、ハンド部42で物品1を保持する場合は、押出部材用アクチュエータ425及びフォーク部用アクチュエータ426を縮小状態とし、フォーク部422上に物品1の保持スペースを確保する。
【0026】
<ハンド部の動作-2>
一方、図5の(b)に示すように、フォーク部422上の物品1を押出す場合は、押出部材用アクチュエータ425及びフォーク部用アクチュエータ426を伸長させ、押出部材424を物品押出方向に動作させつつ、フォーク部422を物品押出方向と逆方向に動作させる。これにより、押出部材424の押出動作に伴って物品1に作用する物品押出方向の慣性力をフォーク部422の引込動作によって軽減できるため、押出される物品1の姿勢の乱れを抑制できる。また、押出部材424の押出動作ストロークをフォーク部422の引込動作ストローク分だけ短くできるので、ハンド部42の小型化が可能になるだけでなく、物品1の押出しに必要な時間を短縮できる。
【0027】
<コンベアの構成-1>
図6図17は、箱詰め装置の動作説明図である。
図6図17に示すように、コンベア3は、物品1の搬送方向に所定のピッチで並列配置される複数のコンベアローラ31と、複数のコンベアローラ31を回転可能に支持するコンベアフレーム32と、複数のコンベアローラ31を回転駆動させるコンベア駆動モータ33(図1参照)と、を備える。
【0028】
<コンベアの構成-2>
コンベア3及び箱搬送装置5は、搬送方向が一直線状になるように配置されており、搬送方向の一側方に箱詰めロボット4が配置され、搬送方向の他側方に箱供給ロボット6が配置されている。
【0029】
<コンベアの構成-3>
コンベアフレーム32は、フォーク部422による物品1の持ち上げ位置(コンベア3の搬送終端部)において、フォーク部422の各フォーク422aがコンベアローラ31間を上下方向に通り抜けることを許容する複数の間隙321を有する。具体的に説明すると、コンベアフレーム32は、コンベアローラ31の両端部を回転可能に支持する一対のサイドフレーム部322、323を備え、箱供給ロボット6が配置される他側方のサイドフレーム部323は、物品搬送方向に連続的に延びる部材で構成される一方、箱詰めロボット4が配置される一側方のサイドフレーム部322は、間隙321を介してコンベアローラ31を支持する櫛状に形成されている。
【0030】
<コンベアの構成-4>
このようなコンベア3によれば、フォーク部422の各フォーク422aは、図6及び図7に示すように、ロボットアーム41によるフォーク部422の水平動作によって、コンベア3の一側方から間隙321を介してコンベア3内に挿入できるだけでなく、図8及び図9に示すように、ロボットアーム41によるフォーク部422の垂直動作によって、コンベアローラ31間を上下方向に通り抜けることができるので、物品1の下面を支えながらコンベア3上の物品1を持ち上げることが可能になる。これにより、真空吸着で物品1を吊り上げる場合に比べ、物品1の変形や内容物の偏りを抑制することが可能になる。
【0031】
<箱搬送装置の構成-1>
箱搬送装置5は、コンベア3の搬送方向延長線上に直線状に配置されており、箱供給ロボット6によって供給される箱2を載置可能な載置面51と、供給された箱2を両側方から挟み込むように保持する箱保持機構52と、箱詰めが完了した箱2を搬送方向下流側に押出す箱搬出機構53と、を備える。
【0032】
<箱供給ロボットの構成-1>
箱供給ロボット6は、ロボットアーム61と、ロボットアーム61に取り付けられる箱操作ハンド部62と、を備える。箱操作ハンド部62は、製函された空の箱2を保持する動作と、保持した箱2を解放する動作と、ロボットアーム61との協働により箱2の蓋21を閉じる動作と、が可能となるように構成されている。
【0033】
<制御装置の構成-1>
制御装置7は、各種のセンサ類から箱詰め作業に関する情報を取得し、取得した情報に応じて、コンベア3、箱詰めロボット4、箱搬送装置5及び箱供給ロボット6を制御することで、図6図17に示す箱詰め装置100の箱詰め動作を実現させる。以下、箱詰め装置100の動作について、図6図17を参照しながら説明する。
【0034】
<箱詰め装置の動作-1>
図6に示すように、制御装置7は、箱詰めロボット4が物品1を保持する前の状態では、ハンド部42が水平姿勢でコンベア3の一側方に待機するようにロボットアーム41を制御する。
【0035】
<箱詰め装置の動作-2>
つぎに、制御装置7は、図7に示すように、ハンド部42がコンベア3側に所定の距離だけ前進するようにロボットアーム41を制御する。これにより、ハンド部42に設けられるフォーク部422の各フォーク422aは、コンベア3の一側方から間隙321を介してコンベア3内に挿入される。なお、図7では、コンベア3の終端部まで物品1が搬送される前の段階でフォーク部422の各フォーク422aをコンベア3内に挿入させているが、このフォーク挿入動作は、コンベア3の終端部まで物品1が搬送された後に行ってもよい。
【0036】
<箱詰め装置の動作-3>
つぎに、制御装置7は、図8に示すように、コンベア3の終端部まで物品1が搬送されたか否かを判断する。この判断は、例えば、コンベア3の終端部に設けられる光学センサ(図示せず)の検出信号に基づいて行われる。
【0037】
<箱詰め装置の動作-4>
制御装置7は、コンベア3の終端部まで物品1が搬送されたと判断したら、図9に示すように、ハンド部42が上方に所定の距離だけ上昇するようにロボットアーム41を制御する。このとき、ハンド部42に設けられるフォーク部422の各フォーク422aは、コンベアローラ31間を上下方向に通り抜けることができるので、物品1の下面を支えながらコンベア3上の物品1を持ち上げることができる。これにより、物品1の変形や内容物の偏りを抑制しつつ、コンベア3上の物品1を持ち上げることが可能になる。
【0038】
<箱詰め装置の動作-5>
制御装置7は、ハンド部42の上昇動作に応じてフォーク部422が物品1を持ち上げた後、図10に示すように、フォーク部422の物品押出方向の先端側が高く、物品押出方向の基端側が低くなるようにロボットアーム41の動作に基づいてハンド部42を所定角度θだけ傾斜させる。これにより、フォーク部422上の物品1が物品押出方向の先端側から落下することを防止できる。
【0039】
<箱詰め装置の動作-6>
つぎに、制御装置7は、図11に示すように、ハンド部42が箱2の物品収容位置上方まで移動するようにロボットアーム41を制御する。また、制御装置7は、ハンド部42が箱2の物品収容位置上方まで移動すると、ハンド部42の傾斜姿勢を水平姿勢に戻す。
【0040】
<箱詰め装置の動作-7>
つぎに、制御装置7は、図12に示すように、フォーク部422上の物品1を押出して箱2に収容する。このとき、制御装置7は、押出部材用アクチュエータ425及びフォーク部用アクチュエータ426を伸長させ、押出部材424を物品押出方向に動作させつつ、フォーク部422を物品押出方向と逆方向に動作させる。これにより、押出部材424の押出動作に伴って物品1に作用する物品押出方向の慣性力をフォーク部422の引込動作によって軽減し、押出される物品1の姿勢の乱れが抑制される。
【0041】
<箱詰め装置の動作-8>
つぎに、制御装置7は、図13に示すように、フォーク部422が箱詰めした物品1の上面をならす(下方に押し付ける)ようにロボットアーム41を制御する。これにより、物品1の内容物の偏りをさらに抑制することが可能になる。なお、このならし動作は、1つの箱2に対し、最上段の物品1を箱2に収容した後に1回だけ実行してもよいし、物品1を箱2に収容する毎に複数回実行してもよい。
【0042】
<箱詰め装置の動作-9>
制御装置7は、所定数の物品1を箱2に収容したら、図14に示すように、箱詰めロボット4と箱供給ロボット6の協働制御によって箱2の蓋21を閉じる。具体的に説明すると、箱2から上方に延在する4つの蓋21a~21dを内側に折り込むにあたり、すべての折り込み動作を箱供給ロボット6が行うのではなく、コンベア3側の蓋21aの折り込み動作を箱詰めロボット4のフォーク部422が行うことにより、迅速で確実な蓋21の閉じ動作が可能になる。
【0043】
<箱詰め装置の動作-10>
制御装置7は、図15に示すように、箱2の蓋21を閉じ終わると、図16に示すように、箱搬送装置5の箱保持機構52を解放動作させるとともに、箱搬出機構53を動作させて箱詰めが完了した箱2を搬送方向下流側に押出す。
【0044】
<箱詰め装置の動作-11>
制御装置7は、箱詰めが完了した箱2の搬出が終了すると、箱供給ロボット6が空の箱2を箱搬送装置5上にセットするように箱供給ロボット6を制御する。箱搬送装置5上に箱2がセットされると、箱搬送装置5の箱保持機構52で箱2を保持させ、次回の箱詰め作業が開始される。
【0045】
<実施形態の効果-1>
以上、説明した実施形態の効果について述べる。
実施形態の箱詰め装置100は、物品1を搬送するコンベア3と、コンベア3上の物品1を保持して箱2に収容する箱詰めロボット4と、少なくとも箱詰めロボット4を制御する制御装置7と、を備え、箱詰めロボット4は、ロボットアーム41と、ロボットアーム41に取り付けられ、物品1の保持及び解放が可能なハンド部42と、を備え、ハンド部42は、物品1の下面部に沿い、ロボットアーム41によるハンド部42の上昇動作に応じて物品1を持ち上げ可能な櫛状のフォーク部422と、フォーク部422上の物品1を押出し可能な押出部材424と、を備え、コンベア3は、物品1の搬送方向に所定のピッチで並列配置される複数のコンベアローラ31と、複数のコンベアローラ31を回転可能に支持するコンベアフレーム32と、を備え、コンベアフレーム32は、フォーク部422による物品1の持ち上げ位置において、フォーク部422の各フォーク422aがコンベアローラ31間を上下方向に通り抜けることを許容するための間隙321を有するので、フォーク部422の各フォーク422aは、ロボットアーム41によるフォーク部422の垂直動作によって、コンベアローラ31間を上方に通り抜けることにより、物品1の下面を支えながらコンベア3上の物品1を持ち上げることが可能になる。これにより、真空吸着で物品1を吊り上げる場合に比べ、物品1の変形や内容物の偏りを抑制することができる。
【0046】
<実施形態の効果-2>
また、フォーク部422の両側部には、落下防止ガイド423が設けられるので、フォーク部422上の物品1が側方に落下することを防止できる。
【0047】
<実施形態の効果-3>
また、制御装置7は、ハンド部42の上昇動作に応じてフォーク部422が物品を持ち上げた後、フォーク部422の物品押出方向の先端側が高く、物品押出方向の基端側が低くなるようにハンド部42の姿勢を制御するので、フォーク部422上の物品1が物品押出方向の先端側から落下することを防止できる。
【0048】
<実施形態の効果-4>
また、ハンド部42は、押出部材424を物品押出方向に動作させる押出部材用アクチュエータ425と、フォーク部422を物品押出方向と逆方向に動作させるフォーク部用アクチュエータ426と、をさらに備え、制御装置7は、押出部材用アクチュエータ425及びフォーク部用アクチュエータ426を制御可能であり、フォーク部422上の物品1を押出すとき、押出部材424を物品押出方向に動作させつつ、フォーク部422を物品押出方向と逆方向に動作させるので、押出部材424の押出動作に伴って物品1に作用する物品押出方向の慣性力をフォーク部422の引込動作によって軽減し、押出される物品1の姿勢の乱れを抑制できる。また、押出部材424の押出動作ストロークをフォーク部422の引込動作ストローク分だけ短くできるので、ハンド部42の小型化が可能になるだけでなく、物品1の押出しに必要な時間を短縮できる。
【0049】
<実施形態の効果-5>
また、制御装置7は、箱詰めロボット4が物品1を箱2に収容した後、フォーク部422が収容した物品1の上面をならすようにロボットアーム41を動作させるので、物品1の内容物の偏りをさらに抑制することができる。
【0050】
<実施形態の効果-6>
また、コンベア3の延長線上に、物品1が収容された箱2の搬送経路を直線状に配置するとともに、搬送経路の始端部側方に、搬送経路に空の箱2を供給する箱供給ロボット6を配置したので、物品1及び箱2の流れを統一し、ラインの効率的な配置が可能になる。
【0051】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0052】

1 物品
2 箱
21、21a~21d 蓋
100 箱詰め装置
3 コンベア
31 コンベアローラ
32 コンベアフレーム
321 間隙
322、323 サイドフレーム部
33 コンベア駆動モータ
4 箱詰めロボット
41 ロボットアーム
42 ハンド部
421 ベース部
421a ロボット連結部
421b 第1アクチュエータ固定部
421c 第2アクチュエータ固定部
422 フォーク部
422a フォーク
422b 立ち上がり部
423 落下防止ガイド
424 押出部材
424a 凸部
425 押出部材用アクチュエータ
426 フォーク部用アクチュエータ
5 箱搬送装置
51 載置面
52 箱保持機構
53 箱搬出機構
6 箱供給ロボット
61 ロボットアーム
62 箱操作ハンド部
7 制御装置
図1
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