(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127222
(43)【公開日】2022-08-31
(54)【発明の名称】殻付き卵自動供給装置
(51)【国際特許分類】
A01K 43/00 20060101AFI20220824BHJP
B65G 47/14 20060101ALI20220824BHJP
【FI】
A01K43/00
B65G47/14 A
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021025241
(22)【出願日】2021-02-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】000001421
【氏名又は名称】キユーピー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】516148494
【氏名又は名称】株式会社芝製作所
(71)【出願人】
【識別番号】501149411
【氏名又は名称】キユーピータマゴ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】丸岡 泰幸
(72)【発明者】
【氏名】宮園 克明
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 栄寿
(72)【発明者】
【氏名】岩渕 信吾
【テーマコード(参考)】
3F080
【Fターム(参考)】
3F080AA28
3F080BA04
3F080BF28
3F080CD05
3F080CE03
3F080CG02
3F080DA20
(57)【要約】
【課題】殻付き卵が受ける衝撃を低減できる殻付き卵自動供給装置を提供する。
【解決手段】殻付き卵Eを液体W内に自動的に供給する殻付き卵自動供給装置1であって、トレー搬送装置3、回転ドラム4、及び水槽5を備え、トレー搬送装置3は、実トレー2を搬送する実トレー搬送コンベア31と、空トレー2を搬送する空トレー搬送コンベア32と、実トレー搬送コンベア31上の実トレー2を回転ドラム4上に移載し、且つ、回転ドラム4上の空トレー2を空トレー搬送コンベア32上に移載するトレー移載手段33と、を備え、回転ドラム4は、外周部に設けられるトレー保持部42を備え、トレー保持部42は、トレー移載手段33によって実トレー搬送コンベア31上から移載された実トレー2を保持しつつ、回転ドラム4の回転に応じて、実トレー2上の殻付き卵Eを液体W内に落下させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
殻付き卵を液体内に自動的に供給する殻付き卵自動供給装置であって、
トレー搬送装置、回転ドラム、及び水槽を備え、
前記水槽は、前記液体を貯留し、
前記トレー搬送装置は、
複数の前記殻付き卵が載置された状態のトレーである実トレーを搬送する実トレー搬送コンベアと、
前記殻付き卵が載置されていない状態の前記トレーである空トレーを搬送する空トレー搬送コンベアと、
前記実トレー搬送コンベア上の前記実トレーを前記回転ドラム上に移載し、且つ、前記回転ドラム上の前記空トレーを前記空トレー搬送コンベア上に移載するトレー移載手段と、を備え、
前記回転ドラムは、
前記回転ドラムの回転中心となる中心軸と、
前記回転ドラムの外周部に設けられるトレー保持部と、を備え、
前記トレー保持部は、前記トレー移載手段によって前記実トレー搬送コンベア上から移載された前記実トレーを保持しつつ、前記回転ドラムの回転に応じて、前記実トレー上の前記殻付き卵を前記液体内に落下させた後、前記空トレーを前記トレー移載手段に渡す、殻付き卵自動供給装置。
【請求項2】
前記トレーは、
前記殻付き卵を保持する複数の凹部と、
前記凹部間に形成される複数の凸部と、
前記凸部の上面部に形成される上部孔と、を備え、
前記トレー保持部は、前記上部孔に挿入可能な縮径状態と、前記上部孔に内側から係合する拡径状態と、に切り換わる内爪チャックを備え、該内爪チャックを介して前記トレーを保持する、請求項1に記載の殻付き卵自動供給装置。
【請求項3】
前記内爪チャックは、付勢部材の付勢力で前記拡径状態に維持され、前記トレー保持部がトレー移載位置にあるとき、前記付勢部材の付勢力に抗して前記縮径状態に切り換えられる、請求項2に記載の殻付き卵自動供給装置。
【請求項4】
前記内爪チャックは、前記トレー保持部に対して、所定寸法の範囲内で前記周方向及び前記中心軸方向の移動が許容される、請求項2又は3に記載の殻付き卵自動供給装置。
【請求項5】
前記凸部の内面部は、下側ほど幅広となるテーパを有し、
前記内爪チャックは、前記テーパに当接して前記内爪チャックを前記上部孔にガイドするガイド部を備える、請求項4に記載の殻付き卵自動供給装置。
【請求項6】
前記回転ドラムは、前記回転ドラムの回転に応じて、前記液体中に水流を発生させるフィンを備える、請求項1~5のいずれか1項に記載の殻付き卵自動供給装置。
【請求項7】
前記トレーは、
前記殻付き卵を保持する複数の凹部と、
前記凹部の底面部に形成される底部孔と、を備え、
前記フィンは、前記回転ドラムの内側に設けられ、前記回転ドラムの回転に応じて発生させた前記水流を、前記底部孔を介して前記回転ドラムの外側に噴出させる、請求項6に記載の殻付き卵自動供給装置。
【請求項8】
前記トレー保持部は、前記トレーの底面部を支持するトレー支持板を備え、
前記トレー支持板は、支持する前記トレーの前記底部孔の位置に対応して設けられる複数の噴出孔を備え、
前記フィンは、前記回転ドラムの回転に応じて発生させた前記水流を前記噴出孔及び前記底部孔を介して前記回転ドラムの外側に噴出させる、請求項7に記載の殻付き卵自動供給装置。
【請求項9】
前記回転ドラムは、前記トレー保持部が上限のトレー移載位置に到達する毎に回転停止し、
前記実トレー搬送コンベア及び前記空トレー搬送コンベアは、平面視において、前記トレー移載位置の前記トレー保持部を挟んで並列に配置され、
前記トレー移載手段は、
前記実トレーの保持及び開放を行う昇降可能な実トレーチャック機構と、
前記空トレーの保持及び開放を行う昇降可能な空トレーチャック機構と、
前記実トレーチャック機構及び前記空トレーチャック機構を一体的に横移動させる横移動機構と、を備え、
前記横移動機構は、
前記実トレーチャック機構が前記実トレー搬送コンベア上に位置するとき、前記空トレーチャック機構を前記トレー移載位置の前記トレー保持部上に位置させ、前記実トレーチャック機構が前記トレー移載位置の前記トレー保持部上に位置するとき、前記空トレーチャック機構を前記空トレー搬送コンベア上に位置させる、請求項1~8のいずれか1項に記載の殻付き卵自動供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殻付き卵自動供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
<背景技術の説明>
従来、殻付き卵を洗浄する装置や(例えば、特許文献1~3参照)、殻付き卵を整列させる装置が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【0003】
<特許文献1~4の説明>
特許文献1~3に記載の装置は、水槽に貯留された洗浄液などの液体の中に手作業で殻付き卵を供給する必要があるのに対し、特許文献4に記載の装置は、水槽の液体内に殻付き卵を自動的に供給するので、生産性に優れる。
【0004】
<要望される技術-1>
しかしながら、特許文献4に記載の装置は、複数の殻付き卵が載置された複数のトレー(卵保護シート)をケースに積層状に収容した状態でコンベアにより搬送し、コンベアの終端部でケースを反転させることで、多数の殻付き卵及び複数のトレーを水槽に一気に投入するので、投入された殻付き卵が大きな衝撃を受ける可能性があるだけでなく、投入された殻付き卵とトレーを分別して回収する必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9-74936号公報
【特許文献2】特開平9-84482号公報
【特許文献3】特開平11-32616号公報
【特許文献4】特開2004-187555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
<背景技術の課題>
そこで、本発明の目的は、液体内に供給される際に殻付き卵が受ける衝撃を低減させることができる殻付き卵自動供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
<請求項1の内容>
このような目的を達成するため、本発明は、以下の構成によって把握される。
(1)本発明は、殻付き卵を液体内に自動的に供給する殻付き卵自動供給装置であって、トレー搬送装置、回転ドラム、及び水槽を備え、前記水槽は、前記液体を貯留し、前記トレー搬送装置は、複数の前記殻付き卵が載置された状態のトレーである実トレーを搬送する実トレー搬送コンベアと、前記殻付き卵が載置されていない状態の前記トレーである空トレーを搬送する空トレー搬送コンベアと、前記実トレー搬送コンベア上の前記実トレーを前記回転ドラム上に移載し、且つ、前記回転ドラム上の前記空トレーを前記空トレー搬送コンベア上に移載するトレー移載手段と、を備え、前記回転ドラムは、前記回転ドラムの回転中心となる中心軸と、前記回転ドラムの外周部に設けられるトレー保持部と、を備え、前記トレー保持部は、前記トレー移載手段によって前記実トレー搬送コンベア上から移載された前記実トレーを保持しつつ、前記回転ドラムの回転に応じて、前記実トレー上の前記殻付き卵を前記液体内に落下させた後、前記空トレーを前記トレー移載手段に渡す。
【0008】
<請求項2の内容>
(2)本発明は、上記(1)の構成において、前記トレーは、前記殻付き卵を保持する複数の凹部と、前記凹部間に形成される複数の凸部と、前記凸部の上面部に形成される上部孔と、を備え、前記トレー保持部は、前記上部孔に挿入可能な縮径状態と、前記上部孔に内側から係合する拡径状態と、に切り換わる内爪チャックを備え、該内爪チャックを介して前記トレーを保持する。
【0009】
<請求項3の内容>
(3)本発明は、上記(2)の構成において、前記内爪チャックは、付勢部材の付勢力で前記拡径状態に維持され、前記トレー保持部がトレー移載位置にあるとき、前記付勢部材の付勢力に抗して前記縮径状態に切り換えられる。
【0010】
<請求項4の内容>
(4)本発明は、上記(2)又は(3)の構成において、前記内爪チャックは、前記トレー保持部に対して、所定寸法の範囲内で前記周方向及び前記中心軸方向の移動が許容される。
【0011】
<請求項5の内容>
(5)本発明は、上記(4)の構成において、前記凸部の内面部は、下側ほど幅広となるテーパを有し、前記内爪チャックは、前記テーパに当接して前記内爪チャックを前記上部孔にガイドするガイド部を備える。
【0012】
<請求項6の内容>
(6)本発明は、上記(1)~(5)のいずれかの構成において、前記回転ドラムは、前記回転ドラムの回転に応じて、前記液体中に水流を発生させるフィンを備える。
【0013】
<請求項7の内容>
(7)本発明は、上記(6)の構成において、前記トレーは、前記殻付き卵を保持する複数の凹部と、前記凹部の底面部に形成される底部孔と、を備え、前記フィンは、前記回転ドラムの内側に設けられ、前記回転ドラムの回転に応じて発生させた前記水流を、前記底部孔を介して前記回転ドラムの外側に噴出させる。
【0014】
<請求項8の内容>
(8)本発明は、上記(7)の構成において、前記トレー保持部は、前記トレーの底面部を支持するトレー支持板を備え、前記トレー支持板は、支持する前記トレーの前記底部孔の位置に対応して設けられる複数の噴出孔を備え、前記フィンは、前記回転ドラムの回転に応じて発生させた前記水流を前記噴出孔及び前記底部孔を介して前記回転ドラムの外側に噴出させる。
【0015】
<請求項9の内容>
(9)本発明は、上記(1)~(8)のいずれかの構成において、前記回転ドラムは、前記トレー保持部が上限のトレー移載位置に到達する毎に回転停止し、前記実トレー搬送コンベア及び前記空トレー搬送コンベアは、平面視において、前記トレー移載位置の前記トレー保持部を挟んで並列に配置され、前記トレー移載手段は、前記実トレーの保持及び開放を行う昇降可能な実トレーチャック機構と、前記空トレーの保持及び開放を行う昇降可能な空トレーチャック機構と、前記実トレーチャック機構及び前記空トレーチャック機構を一体的に横移動させる横移動機構と、を備え、前記横移動機構は、前記実トレーチャック機構が前記実トレー搬送コンベア上に位置するとき、前記空トレーチャック機構を前記トレー移載位置の前記トレー保持部上に位置させ、前記実トレーチャック機構が前記トレー移載位置の前記トレー保持部上に位置するとき、前記空トレーチャック機構を前記空トレー搬送コンベア上に位置させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、液体内に供給される際に殻付き卵が受ける衝撃を低減させることができる殻付き卵自動供給装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係る殻付き卵自動供給装置の概略正面断面図である。
【
図3】回転ドラム上に載置されたトレーを示す平面図である。
【
図4】内爪チャック及びトレーを示す側面断面図である。
【
図7】回転ドラムのエンドプレートを示す正面図である。
【
図8】回転ドラムのフレーム構造を示す側面図である。
【
図9】回転ドラムのトレー支持板を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態の説明-1>
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ符号を付している。
【0019】
<殻付き卵自動供給装置の構成-1>
図1は、本発明の一実施形態に係る殻付き卵自動供給装置の概略正面断面図である。
図1に示すように、殻付き卵自動供給装置1は、殻付き卵Eを液体W内に自動的に供給する装置であり、本実施形態の殻付き卵自動供給装置1は、液体Wを洗浄液とし、トレー2に載置された複数の殻付き卵Eを液体W内に自動的に供給して殻付き卵Eを洗浄する殻付き卵洗浄装置に適用される。なお、本発明の殻付き卵自動供給装置1は、殻付き卵洗浄装置に限定されるものではなく、トレーに載置された複数の殻付き卵を高温の液体内に自動的に供給して茹で卵を製造する茹で卵製造装置などにも適用することができる。
【0020】
<殻付き卵自動供給装置の構成-2>
図2は、
図1の要部正面断面図、
図3は、回転ドラム上に載置されたトレーを示す平面図、
図4は、内爪チャック及びトレーを示す側面断面図である。
図1~
図4に示すように、トレー2は、殻付き卵Eを保持する複数(例えば、5×6=30)の凹部21と、凹部21の底面部に形成される底部孔211と、凹部21間に形成される複数の凸部22と、凸部22の上面部に形成される上部孔221と、を備える。また、凸部22の内面部は、下側ほど幅広となるテーパ222を有している。
【0021】
<殻付き卵自動供給装置の構成-3>
トレー2は、殻付き卵E(生卵)の輸送に使用される規格品であり、複数のメーカが略同一寸法のトレー2を製造している。ただし、トレー2の寸法には、メーカによって僅かな違いがあり、例えば、上部孔221の位置は、平面視においてXY方向に±1mm程度の寸法差があることが確認されている。なお、以降、複数の殻付き卵Eが載置された状態のトレー2を実トレー2、殻付き卵Eが載置されていない状態のトレー2を空トレー2と称する場合がある。
【0022】
<殻付き卵自動供給装置の構成-4>
図1に示すように、殻付き卵自動供給装置1は、トレー搬送装置3、回転ドラム4、及び水槽5を備える。まず、各部の特徴的な構成及び動作について説明すると、水槽5は、液体Wを貯留する。トレー搬送装置3は、実トレー2を搬送する実トレー搬送コンベア31と、空トレー2を搬送する空トレー搬送コンベア32と、実トレー搬送コンベア31上の実トレー2を回転ドラム4上に移載し、且つ、回転ドラム4上の空トレー2を空トレー搬送コンベア32上に移載するトレー移載手段33と、を備える。回転ドラム4は、回転ドラム4の回転中心となる中心軸41と、回転ドラム4の外周部に設けられるトレー保持部42と、を備える。
【0023】
<殻付き卵自動供給装置の構成-5>
トレー保持部42は、トレー移載手段33によって実トレー搬送コンベア31上から移載された実トレー2を保持しつつ、回転ドラム4の回転に応じて、実トレー2上の殻付き卵Eを液体W内に落下させた後、空トレー2をトレー移載手段33に渡す。このような殻付き卵自動供給装置1によれば、殻付き卵Eをトレー2上から液体Wの中に落下させるので、殻付き卵Eをトレー2と一緒に液体Wの中に投入するものに比べ、液体W内に供給される際に殻付き卵Eが受ける衝撃を低減できるだけでなく、空トレー2の回収が容易になる。以下、殻付き卵自動供給装置1の各部の構成について順次説明する。
【0024】
<トレー搬送装置の構成-1>
実トレー搬送コンベア31及び空トレー搬送コンベア32は、平面視において、上限のトレー移載位置にあるトレー保持部42を挟んで並列に配置される。
図1及び
図2に示すように、トレー移載手段33は、実トレー2の保持及び開放を行う昇降可能な実トレーチャック機構331と、空トレー2の保持及び開放を行う昇降可能な空トレーチャック機構332と、実トレーチャック機構331及び空トレーチャック機構332を一体的に横移動させる横移動機構333と、を備える。
【0025】
<トレー搬送装置の構成-2>
実トレーチャック機構331及び空トレーチャック機構332は、横移動機構333に昇降可能に支持される昇降フレーム331a、332aと、昇降フレーム331a、332aの下端部に設けられるチャックフレーム331b、332bと、チャックフレーム331b、332bに開閉可能に設けられる左右一対のチャック部材331c、332cと、左右一対のチャック部材331c、332cを開閉動作させるチャックシリンダ331d、332dと、を備える。
【0026】
<トレー搬送装置の構成-3>
左右一対のチャック部材331c、332cは、開いた状態でトレー2の側方位置まで下降された後、閉じ状態に動作されることにより、トレー2を左右両側からチャックし、その後の上昇によってトレー2を持ち上げることができる。また、持ち上げるのとは逆順の動作によって、実トレー搬送コンベア31でチャックしたトレー2を回転ドラム4のトレー保持部42上に載置することができ、またさらに、回転ドラム4のトレー保持部42でチャックしたトレー2を空トレー搬送コンベア32上に載置することができる。
【0027】
<トレー搬送装置の構成-4>
横移動機構333は、実トレーチャック機構331及び空トレーチャック機構332を支持する横移動フレーム333aと、横移動フレーム333aを横移動可能に案内するガイドレール333bと、横移動フレーム333aとクランク機構333cを介して連結され、横移動フレーム333aを横移動させる横移動用モータ333dと、を備える。
【0028】
<トレー搬送装置の構成-5>
横移動機構333は、実トレーチャック機構331が実トレー搬送コンベア31上に位置するとき、空トレーチャック機構332をトレー移載位置のトレー保持部42上に位置させ、実トレーチャック機構331がトレー移載位置のトレー保持部42上に位置するとき、空トレーチャック機構332を空トレー搬送コンベア32上に位置させる。
【0029】
<トレー搬送装置の構成-6>
つまり、実トレーチャック機構331が実トレー搬送コンベア31上の実トレー2をチャックして持ち上げるとき、空トレーチャック機構332がトレー保持部42上の空トレー2をチャックして持ち上げる。また、その後に横移動し、実トレーチャック機構331がトレー保持部42上に実トレー2を載置するとき、空トレーチャック機構332が空トレー搬送コンベア32上に空トレー2を載置する。この繰り返しによって、1つの横移動機構333であっても実トレー2の搬入及び空トレー2の搬出を効率よく行うことが可能になる。
【0030】
<回転ドラムの構成-1>
図5は、回転ドラムの正面断面図、
図6は、回転ドラムの側面断面図、
図7は、回転ドラムのエンドプレートを示す正面図、
図8は、回転ドラムのフレーム構造を示す側面図、
図9は、回転ドラムのトレー支持板を示す平面図である。
図5~
図9に示すように、回転ドラム4は、不図示のドラム回転用モータで回転駆動される中心軸41と、中心軸41の両端部に固定される一対のエンドプレート43と、一対のエンドプレート43間に複数架設される梯子状のトレー保持部フレーム44と、トレー保持部フレーム44に設けられ、トレー移載手段33によって回転ドラム4上に移載されたトレー2の底面部を支持するトレー支持板45と、トレー保持部フレーム44に設けられ、トレー支持板45上のトレー2をチャックするトレーチャック装置46と、を備えており、上述のトレー保持部42は、トレー保持部フレーム44、トレー支持板45及びトレーチャック装置46によって構成されている。
【0031】
<回転ドラムの構成-2>
トレーチャック装置46は、複数の内爪チャック461と、複数の内爪チャック461に連結される連結部材462と、連結部材462の両端部に設けられる一対の切換操作部463と、を備える。
【0032】
<回転ドラムの構成-3>
内爪チャック461は、トレー2の上部孔221に挿入可能な縮径状態と、上部孔221に内側から係合する拡径状態と、に変形可能な内爪部材461aと、内爪部材461a内に摺動可能に挿通され、先端部のテーパ部461baが内爪部材461aから突出する第1姿勢では、内爪部材461aを縮径状態とし、且つテーパ部461baが内爪部材461a内に入り込む第2姿勢では、内爪部材461aを拡径状態とするテーパロッド461bと、内爪部材461aを支持する第1ケース461cと、テーパロッド461bを摺動自在に支持する第2ケース461dと、テーパロッド461bの基端部に設けられるバネ受け461eと、第2ケース461dとバネ受け461eとの間に設けられ、テーパロッド461bを第2姿勢側に付勢する付勢部材であるバネ461fと、トレー保持部フレーム44を挟む状態で第1ケース461cと第2ケース461dとを連結する複数のネジ461gと、を備える。なお、テーパロッド461bを第2姿勢側に付勢する付勢部材は、バネ461fに限定されず、弾性変形可能なゴムであってもよいし、空気圧で付勢するダンパであってもよい。
【0033】
<回転ドラムの構成-4>
連結部材462は、1つのトレー保持部42に設けられる複数の内爪チャック461のテーパロッド461bに連結されている。一対の切換操作部463は、連結部材462の両端部に外方に向けて突設されており、エンドプレート43に形成される径方向に長い長孔431を介して回転ドラム4の外部に露出している。
【0034】
<回転ドラムの構成-5>
トレー保持部42がトレー移載位置(上限位置)にあるときは、一対の切換操作部463が非回転部に設けられる一対の押上部材464によって押上げられる。これに応じて、切換操作部463と一体の連結部材462が上昇すると、連結部材462に連結される複数のテーパロッド461bがバネ461fの付勢力に抗して第1姿勢となり、内爪部材461aを縮径状態とする。これにより、トレー移載手段33によるトレー保持部42への実トレー2の載置や、トレー保持部42上の空トレー2の取り出しが許容される。なお、本実施形態の押上部材464は、V溝部464aに嵌合させた状態で切換操作部463を押上げることにより、回転ドラム4をトレー載置位置に位置決め固定する位置決め機構を兼ねている。
【0035】
<回転ドラムの構成-6>
トレー移載手段33がトレー保持部42に実トレー2を載置すると、実トレー2の上部孔221に縮径状態の内爪部材461aが挿入される。その後、一対の押上部材464による一対の切換操作部463の押上げを解除すると、バネ461fの付勢力でテーパロッド461bが第2姿勢となり、内爪部材461aを拡径状態に切り換える。これにより、トレー保持部42は、内爪チャック461を介して実トレー2を保持する状態となり、回転ドラム4の回転中もバネ461fの付勢力でトレー2(実トレー2及び空トレー2)の保持状態を維持する。
【0036】
<回転ドラムの構成-7>
各内爪チャック461は、トレー保持部42に対して、所定寸法の範囲内(例えば、±1mm)で回転ドラム4の周方向及び中心軸方向の移動が許容される。具体的に説明すると、トレー保持部フレーム44に形成され、ネジ461gが挿通される挿通孔441の径は、ネジ461gの軸部外径よりも大きくなっており、ネジ461gの挿通孔441内での移動によって内爪チャック461のトレー支持板45に対する微小移動が許容される。また、テーパロッド461bと連結部材462との連結部にも、同等の相対移動を許容するガタが確保されており、内爪チャック461の微小移動が連結部材462によって制限されることも回避される。このような構成によれば、トレー2のメーカによって上部孔221の位置に寸法差があったとしても、所定寸法の範囲内で内爪チャック461が微小移動することで、内爪チャック461を上部孔221に確実に挿入させ、トレー2をチャックすることが可能になる。
【0037】
<回転ドラムの構成-8>
内爪チャック461の第1ケース461cは、トレー2のテーパ222に当接して内爪チャック461(内爪部材461a及びテーパロッド461b)をトレー2の上部孔221にガイドするガイド部461caを備える。例えば、トレー2のテーパ222と同様に下側ほど幅広になるテーパをガイド部461caに形成する。このような構成によれば、内爪チャック461の微小移動と相俟って、内爪チャック461を上部孔221により確実に挿入させ、トレー2をチャックすることが可能になる。
【0038】
<回転ドラムの構成-9>
回転ドラム4は、中心軸41が液体Wの液面WLと略同じ高さ、又は液体W内に位置する状態で使用される。また、回転ドラム4は、トレー保持部42が上限のトレー移載位置に到達する毎に回転停止し、トレー移載手段33による空トレー2の取り出し、及び実トレー2の供給が完了した後、所定の回転方向Aに回転する。
【0039】
<回転ドラムの構成-10>
このように構成される回転ドラム4において、トレー保持部42は、回転ドラム4の外周部に周方向に並んで複数設けることが好ましく、より好ましくは、周方向に並ぶトレー保持部42の数が6以上である。その理由は、周方向に並ぶ複数のトレー保持部42に実トレー2を順次保持して殻付き卵Eを液体Wの中に効率よく供給できるだけでなく、殻付き卵Eを液体Wの中に優しく(低衝撃)投入できるからである。
【0040】
<回転ドラムの構成-11>
例えば、周方向に並ぶトレー保持部42の数を4とした場合は、回転ドラム4の回転に応じて、実トレー2の角度が、0°→90°→180°→270°→0°と変化し、また、周方向に並ぶトレー保持部42の数を5とした場合は、回転ドラム4の回転に応じて、実トレー2の角度が、0°→72°→144°→216°→288°→0°と変化するため、90°の時点や72°の時点で実トレー2から殻付き卵Eの落下が始まり、液面WLの上方から液体Wの中に投入される殻付き卵Eが多く発生する。このような殻付き卵Eは、液面WLとの、あるいは液面WL直下に投入されたばかりの他の殻付き卵Eとの衝突で受ける大きな衝撃で割れる可能性がある。
【0041】
<回転ドラムの構成-12>
一方、周方向に並ぶトレー保持部42の数を6とした場合は、回転ドラム4の回転に応じて、実トレー2の角度が、0°→60°→120°→180°→240°→300°→0°と変化するため、60°の時点で実トレー2から落下する殻付き卵Eを抑制し、60°から120°に回転する際に、液体Wの中で実トレー2から殻付き卵Eを落下させ、落下時に殻付き卵Eが受ける衝撃を大幅に低減できる。
【0042】
<回転ドラムの構成-13>
また、周方向に並ぶトレー保持部42の数を7以上とした場合は、回転ドラム4を液体Wに深く沈めることにより、周方向に並ぶトレー保持部42の数を6とした場合と同様に、殻付き卵Eを液体Wの中で優しく落下させることが可能となるが、回転ドラム4が大型になるだけでなく、回転ドラム4に合わせて大型の水槽5を導入する必要があるため、コストが大幅に上昇してしまう。本実施形態の回転ドラム4は、上記の理由に基づいて、周方向に並ぶトレー保持部42の数を6としている。
【0043】
<回転ドラムの構成-14>
また、実トレー2に載置された殻付き卵Eの中には、運搬時などにヒビが入ったものが含まれる場合があり、このような殻付き卵Eは、流れ出した白身がトレー2との間で固まって糊状になり、トレー2から落下しない可能性があるだけでなく、トレー2から無理に剥がすと、殻が割れて白身及び黄身が液体Wに流出し、液体Wを汚す可能性がある。このような落下しにくい殻付き卵Eに対し、本実施形態の回転ドラム4は、少なくとも、120°~240°の回転範囲で所定時間(例えば、15秒)殻付き卵Eを液体Wの中に浸漬させることができるので、糊状に固まった白身をふやかし、トレー2から無理なく落下させることができる。
【0044】
<回転ドラムの構成-15>
また、トレー保持部42は、中心軸方向に並ぶ複数のトレー2を保持することができる。例えば、本実施形態のトレー保持部42は、中心軸方向に並ぶ4つのトレー2を保持する(
図3参照)。このような回転ドラム4によれば、同時に処理できる殻付き卵Eの数を増やし、生産性が高められる。なお、トレー移載手段33は、中心軸方向に並ぶ4つのトレー2を同時に移載するように構成されている。
【0045】
<回転ドラムの構成-16>
図1及び
図5に示すように、本実施形態の回転ドラム4は、回転ドラム4の回転に応じて、液体W中に水流を発生させる複数のフィン47を備える。エンドプレート43の内側面や、中心軸41の中間部に一体的に設けられる円盤48などに設けることができる。複数のフィン47は、回転ドラム4の内側に設けられ、回転ドラム4の回転に応じて発生させた水流をトレー2の底部孔211を介して回転ドラム4の外側に噴出させる。具体的に説明すると、トレー2の底面部を支持するトレー支持板45は、支持するトレー2の底部孔211の位置に対応して設けられる複数の噴出孔451を備えており、フィン47が発生させた水流は、トレー支持板45の噴出孔451及びトレー2の底部孔211を介して回転ドラム4の外側に噴出する。このような回転ドラム4によれば、実トレー2上の殻付き卵Eは、回転ドラム4の回転に応じて液体Wの中に入ったタイミングで、トレー2の底部孔211から噴出する水流を受けて実トレー2上から液体W内に順次放出されるので、殻付き卵E同士の衝突を抑制できる。また、トレー支持板45の噴出孔451を介して水流を噴出させるので、水流がトレー2の底面に当たることを抑制し、水流によってトレー2が回転ドラム4から外れることを防止できる。
【0046】
<水槽の構成-1>
図1に示すように、水槽5は、底面51と、回転ドラム4から落下した殻付き卵Eを底面51に導く傾斜面52と、底面51から液体Wの外まで延在する排出コンベア53と、を備える。底面51付近の殻付き卵Eは、回転ドラム4のフィン47が発生させる水流に乗って排出コンベア53の始端部上に載せられ、排出コンベア53によって液体Wの外まで搬送される。
【0047】
<実施形態の効果-1>
以上、説明した実施形態の効果について述べる。
殻付き卵Eを液体W内に自動的に供給する殻付き卵自動供給装置1であって、トレー搬送装置3、回転ドラム4、及び水槽5を備え、水槽5は、液体Wを貯留し、トレー搬送装置3は、実トレー2を搬送する実トレー搬送コンベア31と、空トレー2を搬送する空トレー搬送コンベア32と、実トレー搬送コンベア31上の実トレー2を回転ドラム4上に移載し、且つ、回転ドラム4上の空トレー2を空トレー搬送コンベア32上に移載するトレー移載手段33と、を備え、回転ドラム4は、回転ドラム4の回転中心となる中心軸41と、回転ドラム4の外周部に設けられるトレー保持部42と、を備え、トレー保持部42は、トレー移載手段33によって実トレー搬送コンベア31上から移載された実トレー2を保持しつつ、回転ドラム4の回転に応じて、実トレー2上の殻付き卵Eを液体W内に落下させた後、空トレー2をトレー移載手段33に渡すので、殻付き卵Eをトレー2と一緒に液体Wの中に投入するものに比べ、液体W内に供給される際に殻付き卵Eが受ける衝撃を低減できるだけでなく、空トレー2の回収が容易になる。
【0048】
<実施形態の効果-2>
また、トレー保持部42は、回転ドラム4の外周部に周方向に並んで複数設けられるので、周方向に並ぶ複数のトレー保持部42に実トレー2を順次保持して殻付き卵Eを液体Wの中に効率よく供給できる。
【0049】
<実施形態の効果-3>
また、周方向に並ぶトレー保持部42の数は、6以上なので、殻付き卵Eを液体Wの中に優しく投入することができる(その理由は、段落[0045]、[0046]参照)。
【0050】
<実施形態の効果-4>
また、トレー保持部42は、中心軸方向に並ぶ複数のトレー2を保持するので、回転ドラム4が同時に保持するトレー2の数をさらに増やし、生産性が高められる。
【0051】
<実施形態の効果-5>
また、トレー2は、殻付き卵Eを保持する複数の凹部21と、凹部21間に形成される複数の凸部22と、凸部22の上面部に形成される上部孔221と、を備え、トレー保持部42は、上部孔221に挿入可能な縮径状態と、上部孔221に内側から係合する拡径状態と、に切り換わる内爪チャック461を備え、該内爪チャック461を介してトレー2を保持するので、トレー2が備える上部孔221を利用してトレー2を保持することができる。
【0052】
<実施形態の効果-6>
また、内爪チャック461は、バネ461fの付勢力で拡径状態に維持され、トレー保持部42がトレー移載位置にあるとき、バネ461fの付勢力に抗して縮径状態に切り換えられるので、トレー移載位置におけるトレー2の移載を許容しつつ、回転ドラム4の回転中はトレー2を確実に保持することができる。
【0053】
<実施形態の効果-7>
また、内爪チャック461は、トレー保持部42に対して、所定寸法の範囲内で周方向及び中心軸方向の移動が許容されるので、トレー2のメーカによって上部孔221の位置に寸法差があったとしても、所定寸法の範囲内で内爪チャック461が微小移動することで、内爪チャック461を上部孔221に確実に挿入させ、トレー2をチャックすることができる。
【0054】
<実施形態の効果-8>
また、トレー2の凸部22の内面部は、下側ほど幅広となるテーパ222を有し、内爪チャック461は、テーパ222に当接して内爪チャック461を上部孔221にガイドするガイド部461caを備えるので、内爪チャック461の微小移動と相俟って、内爪チャック461を上部孔221により確実に挿入させ、トレー2をチャックすることできる。
【0055】
<実施形態の効果-9>
また、中心軸41は、液体Wの液面WLと略同じ高さ、又は液体W内に位置するので、実トレー2上の殻付き卵Eを液体Wの中に優しく供給し、供給時の衝撃で殻付き卵Eが割れることを防止できる。
【0056】
<実施形態の効果-10>
また、回転ドラム4は、回転ドラム4の回転に応じて、液体W中に水流を発生させるフィン47を備えるので、液体W内における殻付き卵Eの流れをコントロールすることができる。
【0057】
<実施形態の効果-11>
また、トレー2は、凹部21の底面部に形成される底部孔211を備え、フィン47は、回転ドラム4の内側に設けられ、回転ドラム4の回転に応じて発生させた水流を底部孔211を介して回転ドラム4の外側に噴出させるので、殻付き卵Eがトレー2から落下するタイミングを整え、殻付き卵E同士の衝突を抑制できる。
【0058】
<実施形態の効果-12>
また、トレー保持部42は、トレー2の底面部を支持するトレー支持板45を備え、トレー支持板45は、支持するトレー2の底部孔211の位置に対応して設けられる複数の噴出孔451を備え、フィン47は、回転ドラム4の回転に応じて発生させた水流をトレー支持板45の噴出孔451及びトレー2の底部孔211を介して回転ドラム4の外側に噴出させるので、フィン47が発生させる水流がトレー2の底面に当たり、液体Wの中でトレー2が回転ドラム4から外れることを防止できる。
【0059】
<実施形態の効果-13>
また、水槽5は、底面51と、回転ドラム4から落下した殻付き卵Eを底面51に導く傾斜面52と、底面51から液体Wの外まで延在し、液体W内の殻付き卵Eを液体Wの外まで搬送する排出コンベア53と、を備え、底面51付近の殻付き卵Eは、フィン47が発生させる水流によって排出コンベア53上に載せられるので、別途水流を発生させるノズルやポンプが不要になり、部品点数及びコストの削減が図れる。
【0060】
<実施形態の効果-14>
また、回転ドラム4は、トレー保持部42が上限のトレー移載位置に到達する毎に回転停止し、実トレー搬送コンベア31及び空トレー搬送コンベア32は、平面視において、トレー移載位置のトレー保持部42を挟んで並列に配置され、トレー移載手段33は、実トレー2の保持及び開放を行う昇降可能な実トレーチャック機構331と、空トレー2の保持及び開放を行う昇降可能な空トレーチャック機構332と、実トレーチャック機構331及び空トレーチャック機構332を一体的に横移動させる横移動機構333と、を備え、横移動機構333は、実トレーチャック機構331が実トレー搬送コンベア31上に位置するとき、空トレーチャック機構332をトレー移載位置のトレー保持部42上に位置させ、実トレーチャック機構331がトレー移載位置のトレー保持部42上に位置するとき、空トレーチャック機構332を空トレー搬送コンベア32上に位置させるので、1つの横移動機構333による実トレー2の供給及び空トレー2の取り出しが可能となり、部品点数及びコストの削減が図れる。
【0061】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0062】
1 殻付き卵自動供給装置
2 トレー
21 凹部
211 底部孔
22 凸部
221 上部孔
222 テーパ
3 トレー搬送装置
31 実トレー搬送コンベア
32 空トレー搬送コンベア
33 トレー移載手段
331 実トレーチャック機構
331a 昇降フレーム
331b チャックフレーム
331c チャック部材
331d チャックシリンダ
332 空トレーチャック機構
332a 昇降フレーム
332b チャックフレーム
332c チャック部材
332d チャックシリンダ
333 横移動機構
333a 横移動フレーム
333b ガイドレール
333c クランク機構
333d 横移動用モータ
4 回転ドラム
41 中心軸
42 トレー保持部
43 エンドプレート
431 長孔
44 トレー保持部フレーム
441 挿通孔
45 トレー支持板
451 噴出孔
46 トレーチャック装置
461 内爪チャック
461a 内爪部材
461b テーパロッド
461ba テーパ部
461c 第1ケース
461ca ガイド部
461d 第2ケース
461f バネ
461g ネジ
462 連結部材
463 切換操作部
464 押上部材
464a V溝部
47 フィン
48 円盤
5 水槽
51 底面
52 傾斜面
53 排出コンベア
E 殻付き卵
W 液体
WL 液面
A 回転方向
【手続補正書】
【提出日】2022-05-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
殻付き卵を液体内に自動的に供給する殻付き卵自動供給装置であって、
トレー搬送装置、回転ドラム、及び水槽を備え、
前記水槽は、前記液体を貯留し、
前記トレー搬送装置は、
複数の前記殻付き卵が載置された状態のトレーである実トレーを一段ずつ搬送する実トレー搬送コンベアと、
前記殻付き卵が載置されていない状態の前記トレーである空トレーを一段ずつ搬送する空トレー搬送コンベアと、
前記実トレー搬送コンベア上の前記実トレーを前記回転ドラム上に移載し、且つ、前記回転ドラム上の前記空トレーを前記空トレー搬送コンベア上に移載するトレー移載手段と、を備え、
前記回転ドラムは、
前記回転ドラムの回転中心となる中心軸と、
前記回転ドラムの外周部に設けられるトレー保持部と、を備え、
前記トレー保持部は、前記トレー移載手段によって前記実トレー搬送コンベア上から移載された前記実トレーを保持しつつ、前記回転ドラムの回転に応じて、前記実トレー上の前記殻付き卵を前記液体内に落下させた後、前記空トレーを前記トレー移載手段に渡す、殻付き卵自動供給装置。
【請求項2】
前記トレーは、
前記殻付き卵を保持する複数の凹部と、
前記凹部間に形成される複数の凸部と、
前記凸部の上面部に形成される上部孔と、を備え、
前記トレー保持部は、前記上部孔に挿入可能な縮径状態と、前記上部孔に内側から係合する拡径状態と、に切り換わる内爪チャックを備え、該内爪チャックを介して前記トレーを保持する、請求項1に記載の殻付き卵自動供給装置。
【請求項3】
前記内爪チャックは、付勢部材の付勢力で前記拡径状態に維持され、前記トレー保持部がトレー移載位置にあるとき、前記付勢部材の付勢力に抗して前記縮径状態に切り換えられる、請求項2に記載の殻付き卵自動供給装置。
【請求項4】
前記内爪チャックは、前記トレー保持部に対して、所定寸法の範囲内で前記周方向及び前記中心軸方向の移動が許容される、請求項2又は3に記載の殻付き卵自動供給装置。
【請求項5】
前記凸部の内面部は、下側ほど幅広となるテーパを有し、
前記内爪チャックは、前記テーパに当接して前記内爪チャックを前記上部孔にガイドするガイド部を備える、請求項4に記載の殻付き卵自動供給装置。
【請求項6】
前記回転ドラムは、前記回転ドラムの回転に応じて、前記液体中に水流を発生させるフィンを備える、請求項1~5のいずれか1項に記載の殻付き卵自動供給装置。
【請求項7】
前記トレーは、
前記殻付き卵を保持する複数の凹部と、
前記凹部の底面部に形成される底部孔と、を備え、
前記フィンは、前記回転ドラムの内側に設けられ、前記回転ドラムの回転に応じて発生させた前記水流を、前記底部孔を介して前記回転ドラムの外側に噴出させる、請求項6に記載の殻付き卵自動供給装置。
【請求項8】
前記トレー保持部は、前記トレーの底面部を支持するトレー支持板を備え、
前記トレー支持板は、支持する前記トレーの前記底部孔の位置に対応して設けられる複数の噴出孔を備え、
前記フィンは、前記回転ドラムの回転に応じて発生させた前記水流を前記噴出孔及び前記底部孔を介して前記回転ドラムの外側に噴出させる、請求項7に記載の殻付き卵自動供給装置。
【請求項9】
前記回転ドラムは、前記トレー保持部が上限のトレー移載位置に到達する毎に回転停止し、
前記実トレー搬送コンベア及び前記空トレー搬送コンベアは、平面視において、前記トレー移載位置の前記トレー保持部を挟んで並列に配置され、
前記トレー移載手段は、
前記実トレーの保持及び開放を行う昇降可能な実トレーチャック機構と、
前記空トレーの保持及び開放を行う昇降可能な空トレーチャック機構と、
前記実トレーチャック機構及び前記空トレーチャック機構を一体的に横移動させる横移動機構と、を備え、
前記横移動機構は、
前記実トレーチャック機構が前記実トレー搬送コンベア上に位置するとき、前記空トレーチャック機構を前記トレー移載位置の前記トレー保持部上に位置させ、
前記実トレーチャック機構が前記トレー移載位置の前記トレー保持部上に位置するとき、
前記空トレーチャック機構を前記空トレー搬送コンベア上に位置させる、
請求項1~8のいずれか1項に記載の殻付き卵自動供給装置。