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特開2022-127475情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127475
(43)【公開日】2022-08-31
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220824BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20220824BHJP
【FI】
G06Q50/10
G01C21/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021025647
(22)【出願日】2021-02-19
(71)【出願人】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(71)【出願人】
【識別番号】319009934
【氏名又は名称】株式会社カーリン
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】本間 裕大
(72)【発明者】
【氏名】長江 崇将
(72)【発明者】
【氏名】龍味 陽太
【テーマコード(参考)】
2F129
5L049
【Fターム(参考)】
2F129CC07
2F129CC13
2F129CC28
2F129DD20
2F129DD38
2F129DD39
2F129EE77
2F129EE90
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF17
2F129FF18
2F129FF20
2F129FF61
2F129GG17
2F129HH02
2F129HH20
2F129HH21
5L049CC12
5L049CC17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザーに対して次に行く場所を提案する情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】ユーザーの操作するクライアント装置とサーバ装置がネットワークを介して通信可能に接続される情報処理システムにおいて、方法は、ユーザーによる、複数のスポットの候補のうち一のスポットの候補を選択する操作を受け付ける受付ステップと、選択されたスポットの候補からユーザーが次に向かうスポットの候補を複数含んだ画面がユーザーに対して表示されるよう制御する第1の表示制御ステップと、を含む。画面に含まれる複数のスポットの候補は、推薦度順に画面に配置される。ユーザーによって複数のスポットの候補のうち一のスポットの候補を選択する操作が行われる度に、第1の表示制御ステップを実行する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
以下の各ステップを実行するよう構成され、
受付ステップでは、ユーザーによる、複数のスポットの候補のうち一のスポットの候補を選択する操作を受け付け、
第1の表示制御ステップでは、選択されたスポットの候補から前記ユーザーが次に向かうスポットの候補を複数含んだ画面が前記ユーザーに対して表示されるよう制御し、
前記画面に含まれる複数のスポットの候補は、推薦度順に前記画面に配置され、
前記ユーザーによって複数のスポットの候補のうち一のスポットの候補を選択する操作が行われる度に、前記第1の表示制御ステップを実行する、
情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
決定ステップでは、スポットごとの魅力度を決定し、
推薦度は、選択されたスポットの候補の位置情報と、前記複数のスポットの位置情報と、前記決定ステップで決定されたスポットごとの魅力度と、に基づき決定される、
情報処理システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記画面には、地図情報が含まれる、
情報処理システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3までの何れか1項に記載の情報処理システムにおいて、
スポットは、ニュースに関連付けられており、
ユーザーによってスポットに関連するニュースを読む操作が行われた場合、第2の表示制御ステップでは、前記ニュースを含む画面が前記ユーザーに対して表示されるよう制御する、
情報処理システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4までの何れか1項に記載の情報処理システムにおいて、
設定ステップでは、ユーザーの行動の起点を設定し、
第3の表示制御ステップでは、前記起点から前記ユーザーが向かうスポットの候補を複数含んだ画面が前記ユーザーに対して表示されるよう制御し、
前記画面に含まれる複数のスポットの候補は、推薦度順に前記画面に配置され、
推薦度は、前記設定ステップで設定された前記起点の位置情報と、前記複数のスポットの位置情報と、前記決定ステップで決定されたスポットごとの魅力度と、に基づき決定され、
前記画面には、地図情報も含まれる、
情報処理システム。
【請求項6】
請求項1から請求項4までの何れか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記ユーザーが過去に選択したスポットに関する選択履歴情報が保存されており、
前記推薦度は、選択されたスポットの候補の位置情報と、前記複数のスポットの位置情報と、前記決定ステップで決定されたスポットごとの魅力度と、前記選択履歴情報と、に基づき決定される、
情報処理システム。
【請求項7】
請求項5に記載の情報処理システムにおいて、
前記推薦度は、選択されたスポットの候補の位置情報と、前記複数のスポットの位置情報と、前記決定ステップで決定されたスポットごとの魅力度と、前記起点の位置情報に関連する交通移動体の停車場情報と、に基づき決定される、
情報処理システム。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理システムにおいて、
前記交通移動体の停車場情報は、前記起点の近傍に位置する電車の駅の位置情報である、
情報処理システム。
【請求項9】
請求項5又は請求項7又は請求項8に記載の情報処理システムにおいて、
第4の表示制御ステップでは、前記起点から前記ユーザーによって選択されたスポットの候補を順に繋いだルートを含む画面が前記ユーザーに対して表示されるよう制御する、
情報処理システム。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理システムにおいて、
前記推薦度は、前記ルートの最後のスポットが前記起点に近い電車の駅になるよう決定される、
情報処理システム。
【請求項11】
請求項10に記載の情報処理システムにおいて、
前記推薦度は、選択された時間に前記ルートの最後のスポットが前記起点に近い電車の駅になるよう決定される、
情報処理システム。
【請求項12】
請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記決定ステップでは、天気に基づいてスポットごとの魅力度を変更する、
情報処理システム。
【請求項13】
請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記決定ステップでは、新しいスポットか否かに基づいてスポットごとの魅力度を変更する、
情報処理システム。
【請求項14】
請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記決定ステップでは、イベントが開催されているか否かに基づいてスポットごとの魅力度を変更する、
情報処理システム。
【請求項15】
請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記決定ステップでは、ニュースに関連付けられているか否かに基づいてスポットごとの魅力度を変更する、
情報処理システム。
【請求項16】
情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
以下の各ステップを実行し、
受付ステップでは、ユーザーによる、複数のスポットの候補のうち一のスポットの候補を選択する操作を受け付け、
第1の表示制御ステップでは、選択されたスポットの候補から前記ユーザーが次に向かうスポットの候補を複数含んだ画面が前記ユーザーに対して表示されるよう制御し、
前記画面に含まれる複数のスポットの候補は、推薦度順に前記画面に配置され、
前記ユーザーによって複数のスポットの候補のうち一のスポットの候補を選択する操作が行われる度に、前記第1の表示制御ステップを実行する、
情報処理方法。
【請求項17】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1から請求項15までの何れか1項に記載の情報処理システムの各ステップを実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザーの要望に沿った優先順位で、場所を推薦するためのコンテンツ情報を提供する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-22532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ある場所に行くに際して、その場所だけに行くこともあるが、ある場所に行った次にそこから次の場所に行くことが多い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、以下の各ステップを実行するよう構成される。受付ステップでは、ユーザーによる、複数のスポットの候補のうち一のスポットの候補を選択する操作を受け付ける。第1の表示制御ステップでは、選択されたスポットの候補からユーザーが次に向かうスポットの候補を複数含んだ画面がユーザーに対して表示されるよう制御する。画面に含まれる複数のスポットの候補は、推薦度順に画面に配置される。ユーザーによって複数のスポットの候補のうち一のスポットの候補を選択する操作が行われる度に、第1の表示制御ステップを実行する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2図2は、サーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、クライアント装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4図4は、クライアント装置の機能構成の一例を示す図である。
図5図5は、クライアント装置の情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
図6図6は、クライアント装置の入力表示部に表示される画面の一例を示す図(その1)である。
図7図7は、クライアント装置の入力表示部に表示される画面の一例を示す図(その2)である。
図8図8は、クライアント装置の入力表示部に表示される画面の一例を示す図(その3)である。
図9図9は、クライアント装置の入力表示部に表示される画面の一例を示す図(その4)である。
図10図10は、選択履歴情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0008】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0009】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0010】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0011】
<実施形態1>
1.システム構成
図1は、情報処理システム1000のシステム構成の一例を示す図である。情報処理システム1000は、システム構成として、サーバ装置100と、クライアント装置110と、を含む。サーバ装置100、クライアント装置110は、ネットワーク150を介して通信可能に接続されている。
クライアント装置110は、ユーザーが使用する装置である。クライアント装置110は、後述する図6図9に示す画面を表示する装置である。クライアント装置110は、スマートフォンであってもよいし、タブレット型コンピュータであってもよい。図1の例では、簡略化のため、情報処理システム1000に含まれるクライアント装置110として1台のクライアント装置110を示しているが、複数のクライアント装置110が含まれてもよい。
【0012】
2.ハードウェア構成
(1)サーバ装置100のハードウェア構成
図2は、サーバ装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ装置100は、ハードウェア構成として、制御部201と、記憶部202と、通信部203と、を含む。制御部201は、例えばCPU(Central Processing Unit)等であって、サーバ装置100の全体を制御する。記憶部202は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid Sate Drive)又はこれらの組み合わせであって、プログラム及び制御部201がプログラムに基づき処理を実行する際に用いるデータ等を記憶する。制御部201が、記憶部202に記憶されたプログラムに基づき処理を実行することによってサーバ装置100の機能等が実現される。通信部203は、サーバ装置100をネットワーク150に接続し、外部装置との通信を司る。
【0013】
(2)クライアント装置110のハードウェア構成
図3は、クライアント装置110のハードウェア構成の一例を示す図である。クライアント装置110は、ハードウェア構成として、制御部301と、記憶部302と、撮像部303と、入力表示部304と、通信部305と、音声入力部306と、音声出力部307と、を含む。制御部301は、例えばCPU等であって、クライアント装置110の全体を制御する。記憶部302は、例えばROM、RAM、HDD、SSD又はこれらの組み合わせであって、プログラム及び制御部301がプログラムに基づき処理を実行する際に用いるデータ等を記憶する。制御部301が、記憶部302に記憶されたプログラムに基づき処理を実行することによって後述する図4に示すクライアント装置110の機能構成及び図5に示すアクティビティ図の処理が実現される。撮像部303は、被写体を撮像する。被写体は、例えば、クライアント装置110の操作者である。入力表示部304は、例えば、タッチパネル等であって、入力操作等に基づき入力情報を制御部301に送信したり、制御部301による情報処理の結果等を表示したりする。すなわち、制御部301は、入力表示部304を介してユーザーによる選択操作等を受け付ける。通信部305は、クライアント装置110をネットワーク150に接続し、外部装置との通信を司る。音声入力部306は、例えばマイク等であってユーザーの音声を入力する。音声出力部307は、例えばスピーカー等であって音声を出力する。記憶部302は、記憶媒体の一例である。
【0014】
3.機能構成
図4は、クライアント装置110の機能構成の一例を示す図である。クライアント装置110は、機能構成として、設定部401と、決定部402と、表示制御部403と、を含む。
設定部401は、ユーザーの行動の起点を設定する。例えば、設定部401は、入力表示部304を介したユーザー操作に基づき、ユーザーの行動の起点を設定する。
決定部402は、スポットごとの魅力度を決定する。ここで、スポットとは、特定の場所、地点、施設等である。本実施形態のスポットは、サーバ装置100、又はサーバ装置100と通信可能な他のサーバ装置等が提供するニュースに関連付けられている。
表示制御部403は、後述する図6図9に示す画面を入力表示部304に表示する。
【0015】
4.情報処理
図5は、クライアント装置110の情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
A601において、設定部401は、ユーザーの行動の起点が選択されたか否かを判定する。例えば、ユーザーは、クライアント装置110の入力表示部304に表示されている画面に含まれる地図上において、位置が選択された場合、ユーザーの行動の起点が選択されたと判定する。設定部401は、ユーザーの行動の起点が選択されたと判定すると、処理をA602に進める。設定部401は、ユーザーの行動の起点が選択されたと判定すると、A601の処理を繰り返す。
【0016】
A602において、設定部401は、ユーザーの行動の起点を設定する。
A603において、決定部402は、スポットごとの魅力度を決定する。
A604において、表示制御部403は、A602で設定された起点からユーザーが向かうスポットの候補を複数含んだ画面をクライアント装置110の入力表示部304に表示されるよう制御する。ここで、サーバ装置100が画面を生成し、クライアント装置110に送信する。そして、クライアント装置110は、サーバ装置100より受信した画面を表示するようにしてもよい。また、サーバ装置100は画面を生成するためのデータをクライアント装置110に送信する。そして、クライアント装置110は、サーバ装置100より受信したデータに基づき画面を生成し、表示するようにしてもよい。画面の表示に関しては以下においても同様である。
【0017】
図6は、クライアント装置110の入力表示部304に表示される画面の一例を示す図(その1)である。図6に示される画面において、起点610は、ユーザーが設定した起点を示すマークである。スポット候補620-スポット候補650は、起点610から次にユーザーが向かう、お勧めのスポットの候補である。スポット候補には、ニュースが関連付けられている。画面に含まれる複数のスポットの候補は、推薦度順に画面に配置される。図6の例では、左上の推薦度が一番高く、右上、左下、右下の順で推薦度が下がる。以下の画面においても同様である。ここで、推薦度は、表示制御部403によって、設定部401で設定された起点の位置情報と、複数のスポットの位置情報と、決定部402で決定されたスポットごとの魅力度と、に基づき決定される。また、図6に示されるように、画面には、地図情報も含まれる。
【0018】
A605において、表示制御部403は、図6に示されるような画面においてスポットが選択されたか否かを判定する。例えば、ユーザーが画面においてスポット候補620-スポット候補650のうちの一つのスポット候補を選択し、長押しすると、表示制御部403は、スポットが選択されたと判定する。ユーザーが画面においてスポット候補620-スポット候補650のうちの一つのスポット候補を選択し、長押しする操作は、ユーザーによって複数のスポットの候補のうち一のスポットの候補を選択する操作の一例である。表示制御部403は、スポットが選択されたと判定すると、処理をA606に進める。表示制御部403は、スポットが選択されていないと判定すると、処理をA607に進める。
A606において、表示制御部403は、選択されたスポットの候補からユーザーが次に向かうスポットの候補を複数含んだ画面をクライアント装置110の入力表示部304に表示されるよう制御する。
【0019】
図7は、クライアント装置110の入力表示部304に表示される画面の一例を示す図(その2)である。図7に示される画面において、選択スポット710は、図6においてユーザーが選択したスポット候補である。スポット候補720-スポット候補750は、選択スポット710から次にユーザーが向かう、お勧めのスポットの候補である。スポット候補には、ニュースが関連付けられている。画面に含まれる複数のスポットの候補は、推薦度順に画面に配置される。推薦度は、表示制御部403によって、選択されたスポットの候補の位置情報と、複数のスポットの位置情報と、決定部402で決定されたスポットごとの魅力度と、に基づき決定される。図7を用いてより具体的に説明すると、表示制御部403は、選択されたスポットの候補である選択スポット710の位置情報と、複数のスポットの位置情報と、決定部402で決定されたスポットごとの魅力度と、起点の位置情報に関連する交通移動体の停車場情報と、に基づき推薦度を決定する。ここで、交通移動体の停車場情報とは、起点の近傍に位置する電車の駅の位置情報である。なお、交通移動体の停車場情報としては、電車以外に、バス停の位置情報であってもよい。また、交通移動体の停車場情報としては、起点の近傍に位置する電車の駅の位置情報以外に、起点の近傍に位置する電車の駅と同じ路線の近くの駅の位置情報であってもよい。
また、図7に示される画面にも、地図情報も含まれる。
【0020】
A607において、表示制御部403は、図7に示すような画面の表示を終了するか否かを判定する。表示制御部403は、図7に示すような画面の表示を終了すると判定すると、図5に示す情報処理を終了する。表示制御部403は、図7に示すような画面の表示を終了しないと判定すると、処理をA605に戻す。ユーザーによって複数のスポットの候補のうち一のスポットの候補を選択する操作が行われる度に、表示制御部403は、A606に示す処理を実行する。例えば、図7に示す画面において、ユーザーがスポット候補720-スポット候補750のうちの一つのスポット候補を選択し、長押しすると、表示制御部403は、選択されたスポットの候補からユーザーが次に向かうスポットの候補を複数含んだ画面をクライアント装置110の入力表示部304に表示されるよう制御する。
【0021】
図8は、クライアント装置110の入力表示部304に表示される画面の一例を示す図(その3)である。図8に示される画面において、選択スポット810は、図7においてユーザーが選択したスポット候補である。スポット候補820-スポット候補850は、選択スポット810から次にユーザーが向かう、お勧めのスポットの候補である。
【0022】
ここで、ルートが選択されると、表示制御部403は、起点610からユーザーによって選ばれた選択スポットを順に繋いだルートをクライアント装置110の入力表示部304に表示されるよう制御する。図9は、クライアント装置110の入力表示部304に表示される画面の一例を示す図(その4)である。図9に示される910は、起点610からユーザーによって選ばれた選択スポットを順に繋いだルートの一例である。図9に示されるように、表示制御部403は、推薦度を、ルートの最後のスポットが起点に近い電車の駅になるよう決定する。より具体的に説明すると、表示制御部403は、選択された時間にルートの最後のスポットが起点に近い電車の駅になるよう決定される。
【0023】
ここで、例えば、ユーザーが画面においてスポット候補-スポット候補のうちの一つのスポット候補をタップし、選択した場合、表示制御部403は、選択されたスポット候補に関連するニュースを含む画面をクライアント装置110の入力表示部304に表示されるよう制御する。複数のスポット候補のうちの一つのスポットをタップして選択する操作は、ユーザーによってスポットに関連するニュースを読む操作の一例である。
【0024】
以上、上述したように、本実施形態の処理によれば、ユーザーがある場所からある場所に行くのに対して適切な複数の候補を順次提示することができる。
【0025】
(変形例1)
実施形態1の変形例を説明する。
変形例1の情報処理システム1000は、ユーザーが過去に選択したスポットに関する選択履歴情報が保存する。
また、変形例1の表示制御部403は、選択されたスポットの候補の位置情報と、複数のスポットの位置情報と、決定部402で決定されたスポットごとの魅力度と、選択履歴情報と、に基づき、推薦度を決定する。
変形例1によれば、ユーザーの過去の選択したスポットの属性等に基づき推薦度を決定することができる。
【0026】
(変形例2)
実施形態1の変形例を説明する。
変形例2の決定部402は、天気に基づいてスポットごとの魅力度を変更する。例えば、決定部402は、屋外のスポットに関しては、天気がよい場合は屋内のスポットより魅力度を高く変更し、天気が悪い場合は屋内のスポットより魅力度を低く変更する。
さらに、決定部402は、新しいスポットか否かに基づいてスポットごとの魅力度を変更するようにしてもよい。例えば、決定部402は、新しいスポットほど他のスポットより魅力度が高くなるように変更してもよい。
さらに、決定部402は、イベントが開催されているか否かに基づいてスポットごとの魅力度を変更するようにしてもよい。例えば、決定部402は、イベントが開催されているスポットの魅力度をイベントが開催されていないスポットの魅力度より高く変更するようにしてもよい。
さらに、決定部402は、ニュースに関連付けられているか否かに基づいてスポットごとの魅力度を変更するようにしてもよい。例えば、決定部402は、ニュースに関連付けられているスポットの魅力度をニュースに関連付けられていないスポットの魅力度より高く変更するようにしてもよい。また、決定部402は、関連付けられているニュースが多いほどスポットの魅力度を高く変更するようにしてもよい。
変形例2によれば、天気や新しいスポットか否か、イベントが開催されているか否か、ニュースに関連付けられているか否か等に応じてスポットの魅力度を変更することができる。
【0027】
(変形例3)
実施形態1の変形例を説明する。
図10は、選択履歴情報の一例を示す図である。選択履歴情報は、ユーザーごとに、情報処理システム1000において記憶されている。図10に示されるように、選択履歴情報には、ある状態と、その次の状態とのログである、選択行動のログが含まれている。
図10に示されるログの各行の総和でそれぞれ除することによって、カテゴリー推移確率行列としたものをquμとする。
【0028】
まず数学表記について示す。
i,j,k:スポットに対応する添え字
t:エリア中心駅を示す添え字(スポットの一種とみなす)
u,μ:カテゴリーに対応する添え字、図10の“未選択”も一つのカテゴリーとみなす
(スポットiはカテゴリーuに、スポットjはカテゴリーμに属するものとする)
S:スポットの集合
Su:カテゴリーuに属するスポットの集合 すなわちSの部分集合
C:カテゴリーの集合
h:ホップ数の添え字 0が初期状態、以降h+=1
ij(h):ホップ数hでスポットiに居るとき、jへと推移させるべき確率(=リコメンド指標)
ij:散策させる戦力において、スポットiに居るときjへと推移させるべき確率
ij:駅に戻させる戦略において、スポットiに居るときjへと推移させるべき確率
uμ図10の集計から得られる、カテゴリー推移確率
ij:スポットiからスポットjへの移動コスト(コストとしては距離及び時間の何れか又は双方)
:スポットjの魅力度 最大値1 天気ダミー、性別ダミーはここで考慮される 減点方式
γ:距離抵抗係数
ij:各スポットI,j間で定義されるマジックウェイト(行列はW)
ij:マジックウェイトを計算するための行列要素(行列はF)
【0029】
変形例3では、Wijで示すマジックウェイトを用いる。
各要素は、fij=exp[-γcij]Aで与えられる、以下の|S|?|S|の行列Fを用意する。
【数1】
【0030】
このとき、マジックウェイトWijを各要素とする行列Wは、以下の行列計算で求められる。
【数2】

但し、Iは単位行列、-1乗は逆行列計算を意味する。求めたマジックウェイトWijを用いて、pijを適切に計算することが可能となる。
なお、距離抵抗γは相応に大きく設定する必要があるが、その判定にはI-Fの「固有値の絶対値の最大値」を用いる。γを増加させると、I-Fの「固有値の絶対値の最大値」が減少することが知られており、「固有値の絶対値の最大値」が1未満になるようγを設定しておく必要がある。
【0031】
「駅に戻らせる戦略」において、駅とは、エリアの中心駅のことである。スポットと統一的に扱うため、
・駅もスポット見なし、そのスポット添え字をtとする
・駅からの再出発t→iをさせないためにあらゆるcti=無限大とする
【0032】
魅力度Aは、どちらかというとフラグ変数的に用いることが望ましい。天気ダミー、性別ダミーを用いて0,1的に用いるのがメインとなる。
サイト上でのいいね数でAを重み付けすることも可能だが、その場合も「Aの最大値を1」にしておく。Aをむやみに大きくすると「固有値の絶対値の最大値」が1未満という条件が満たされなくなり、適切にWが計算されない。逆に「Aの最大値を1」とし、0 1の範囲内でグラデーションをつける。したがって、ニュースに関連付けられたスポットの場合は1、施設情報のみの場合は0.1等とする重み付けの強弱を付けることができる。
【0033】
散策させる戦略用のp ijと駅に戻らせる用のp ijの両方を計算するが、最初はp ijを示す。マジックウェイトを用いたp ijの計算式は以下の通りとなる。
【数3】
【0034】
マジックウェイトには
【数4】

なる関係式がある。
【0035】
簡潔に(3)を説明すると、分母は、
it スポットiから様々な経路を経て駅tへと到着する自由度
である。そして分子が
exp[-γcij]A スポットiからスポットjへと移動し、
jt その後、スポットjから様々な経路を経て駅tへと到達する自由度
を示しているため、自由度が高いほど推移確率が高くなる。
【0036】
この推移確率p ijに沿って、スポットをホッピングさせていくと、「いい感じのルート」を通って、最終的に駅に到達することになる。逆に捉えると、あるスポットiにいるとき(最終的に駅へと戻らせたければ)、次のスポットのレコメンドはp ijの降順で行えばよい。以上が、カテゴリー推移行列を考えず、駅へ戻らせる場合の推移確率=リコメンド計算方法である。
【0037】
次に散策させる戦略における推移確率の計算方法を述べる。結論を述べると(3)で駅に設定していた部分を散らせばよいので、
【数5】

計算できる。
【0038】
次にホップ数に応じて、戦略を変化させることを考える。すなわち、最初の1,2ホップは自由に散策させて、その後、徐々に駅へと誘導する戦略へと変化させれば、よいようにも思われる。
上述のp ijとp ijの両者が計算できていれば、その実現は容易であり、ホップ数hに応じて適切にブレンドすればよい。例えば以下の通り
【数6】

ここでαは駅戦略のウェイトである(0 1)。制御部301は、h=1,2のときは0とし、その後h=3で0.5、h=4以上で1とする設定を行う。
【0039】
駅に戻らせる戦略の推移確率をまとめる。まず、あるカテゴリーμを選択したという条件付きで、そのカテゴリーμのあるスポットjへの推移確率は、
【数7】

で計算できる。
【0040】
図10の集計から得られるカテゴリー推移行列と整合するようにリコメンドするためには、
【数8】

とすればよい。但し、quμのuはスポットiが属するカテゴリーである。
【0041】
散策させる戦略おける推移確率の計算は次の通りである。
【数9】
【0042】
最後にホップ数に応じて、戦略の変化は、同じく
【数10】

で計算できる。
【0043】
(その他の変形例)
上述した実施形態では、クライアント装置110が設定部401、決定部402、表示制御部403を有するものとして説明した。しかし、サーバ装置100が、クライアント装置110が有する機能の一部を有していてもよい。また、変形例3を用いて説明すると、サーバ装置100の制御部201が式(1)及び式(2)を実行し、クライアント装置110の制御部301が式(3)-式(10)を実行するようにしてもよい。
<付記>
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理システムにおいて、決定ステップでは、スポットごとの魅力度を決定し、推薦度は、選択されたスポットの候補の位置情報と、前記複数のスポットの位置情報と、前記決定ステップで決定されたスポットごとの魅力度と、に基づき決定される、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記画面には、地図情報が含まれる、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、スポットは、ニュースに関連付けられており、ユーザーによってスポットに関連するニュースを読む操作が行われた場合、第2の表示制御ステップでは、前記ニュースを含む画面が前記ユーザーに対して表示されるよう制御する、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、設定ステップでは、ユーザーの行動の起点を設定し、第3の表示制御ステップでは、前記起点から前記ユーザーが向かうスポットの候補を複数含んだ画面が前記ユーザーに対して表示されるよう制御し、前記画面に含まれる複数のスポットの候補は、推薦度順に前記画面に配置され、推薦度は、前記設定ステップで設定された前記起点の位置情報と、前記複数のスポットの位置情報と、前記決定ステップで決定されたスポットごとの魅力度と、に基づき決定され、前記画面には、地図情報も含まれる、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記ユーザーが過去に選択したスポットに関する選択履歴情報が保存されており、前記推薦度は、選択されたスポットの候補の位置情報と、前記複数のスポットの位置情報と、前記決定ステップで決定されたスポットごとの魅力度と、前記選択履歴情報と、に基づき決定される、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記推薦度は、選択されたスポットの候補の位置情報と、前記複数のスポットの位置情報と、前記決定ステップで決定されたスポットごとの魅力度と、前記起点の位置情報に関連する交通移動体の停車場情報と、に基づき決定される、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記交通移動体の停車場情報は、前記起点の近傍に位置する電車の駅の位置情報である、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、第4の表示制御ステップでは、前記起点から前記ユーザーによって選択されたスポットの候補を順に繋いだルートを含む画面が前記ユーザーに対して表示されるよう制御する、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記推薦度は、前記ルートの最後のスポットが前記起点に近い電車の駅になるよう決定される、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記推薦度は、選択された時間に前記ルートの最後のスポットが前記起点に近い電車の駅になるよう決定される、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記決定ステップでは、天気に基づいてスポットごとの魅力度を変更する、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記決定ステップでは、新しいスポットか否かに基づいてスポットごとの魅力度を変更する、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記決定ステップでは、イベントが開催されているか否かに基づいてスポットごとの魅力度を変更する、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記決定ステップでは、ニュースに関連付けられているか否かに基づいてスポットごとの魅力度を変更する、情報処理システム。
情報処理システムが実行する情報処理方法であって、以下の各ステップを実行し、受付ステップでは、ユーザーによる、複数のスポットの候補のうち一のスポットの候補を選択する操作を受け付け、第1の表示制御ステップでは、選択されたスポットの候補から前記ユーザーが次に向かうスポットの候補を複数含んだ画面が前記ユーザーに対して表示されるよう制御し、前記画面に含まれる複数のスポットの候補は、推薦度順に前記画面に配置され、前記ユーザーによって複数のスポットの候補のうち一のスポットの候補を選択する操作が行われる度に、前記第1の表示制御ステップを実行する、情報処理方法。
プログラムであって、コンピュータに、前記情報処理システムの各ステップを実行させるためのプログラム。
もちろん、この限りではない。
また、上述した実施形態及び変形例を任意に組み合わせて実施するようにしてもよい。
【0044】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0045】
100 :サーバ装置
110 :クライアント装置
150 :ネットワーク
201 :制御部
202 :記憶部
203 :通信部
301 :制御部
302 :記憶部
303 :撮像部
304 :入力表示部
305 :通信部
306 :音声入力部
307 :音声出力部
401 :設定部
402 :決定部
403 :表示制御部
610 :起点
620 :スポット候補
650 :スポット候補
710 :選択スポット
720 :スポット候補
750 :スポット候補
810 :選択スポット
820 :スポット候補
850 :スポット候補
1000 :情報処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図10