(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128064
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】乾式吹付け工法、乾式吹付け装置、および、吹付け材
(51)【国際特許分類】
B28B 1/32 20060101AFI20220825BHJP
C04B 28/02 20060101ALI20220825BHJP
C04B 24/26 20060101ALI20220825BHJP
E21D 11/10 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
B28B1/32 C
C04B28/02
C04B24/26 F
E21D11/10 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021026377
(22)【出願日】2021-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000183266
【氏名又は名称】住友大阪セメント株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000223159
【氏名又は名称】東和耐火工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】明石 昌之
(72)【発明者】
【氏名】安藤 重裕
(72)【発明者】
【氏名】田中 勉
(72)【発明者】
【氏名】関野 一雄
【テーマコード(参考)】
2D155
4G112
【Fターム(参考)】
2D155AA02
2D155AA10
2D155BA06
2D155CA01
2D155DB02
2D155DB05
2D155LA10
4G112MD00
4G112PB31
(57)【要約】
【課題】吹付け対象物への吹付けを行った際に生じるはね返りを抑制できると共に、粉体材料を定量的に搬送できる乾式吹付け工法を提供することを課題とする。
【解決手段】吹付け対象物に向けて流れる気流にセメントを含む粉体材料を供給することで該粉体材料を搬送する搬送工程と、搬送工程で形成される粉体材料を含む気流に水を含む液体材料を供給して粉体材料と液体材料とを混合することで吹付け材を形成しつつ該吹付け材を気体と共に吹付け対象物に吹付ける吹付け工程とを備える乾式吹付け工法であって、粉体材料は、有機物含有量が10質量%以下であり、搬送工程では、70℃以上の気流に粉体材料を供給する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吹付け対象物に向けて流れる気流にセメントを含む粉体材料を供給することで該粉体材料を搬送する搬送工程と、
搬送工程で形成される粉体材料を含む気流に水を含む液体材料を供給して粉体材料と液体材料とを混合することで吹付け材を形成しつつ該吹付け材を気体と共に吹付け対象物に吹付ける吹付け工程とを備える乾式吹付け工法であって、
粉体材料は、有機物含有量が10質量%以下であり、
搬送工程では、70℃以上の気流に粉体材料を供給する、
乾式吹付け工法。
【請求項2】
請求項1に記載の乾式吹付け工法で用いる乾式吹付け装置であって、
吹付け対象物へ向けて流れる気流を形成するべく気体を供給する気体供給機と、
吹付け対象物へ向けて流れる気流に粉体材料を供給する粉体供給機と、
を備えており、
気体供給機から吹付け対象物へ向けて流れる気流のうち、気体供給機と粉体供給機との間の気流の温度が70℃以上となるように構成される、
乾式吹付け装置。
【請求項3】
請求項1に記載の乾式吹付け工法で対象物に吹付けられた吹付け材であって、
温度が10℃以上50℃以下である、
吹付け材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セメントを含む粉体材料と水を含む液体材料とが混合されてなる吹付け材を気体と共に対象物に吹付ける乾式吹付け工法、該乾式吹付け工法で用いる装置、および、該乾式吹付け工法で吹付けられた吹付け材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セメントを含む粉体材料と水を含む液体材料とを混合して形成した吹付け材を吹付け対象物に吹付けることで、吹付け対象物の表面に吹付け材を施工する方法が知られている。例えば、掘削したトンネルや地下空間などの建設工事では、掘削面に速硬性のセメント組成物(具体的には、コンクリート及びモルタル)を吹付け材として吹付けることで、掘削面の崩落が防止されている。
【0003】
吹付け材を吹付け対象物に吹付ける方法としては、吹付け用ノズルから吹付け材を気体と共に噴射して吹付け対象物に吹付ける方法が知られている。具体的には、粉体材料を気流によって搬送して吹付け用ノズルに供給すると共に、液体材料を粉体材料とは別に吹付け用ノズルに供給する。そして、該吹付け用ノズル内で粉体材料と液体材料とを混合して吹付け材を形成しつつ、該吹付け材を気体と共に噴射して吹付け対象物に吹付ける方法(所謂、乾式吹付け工法)が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のように、吹付け材を吹付け用ノズルから噴射して吹付け対象物に吹付けた場合、吹付けに伴う衝撃によって、吹付け材の一部がはね返り、吹付け対象物の周囲に飛散するため、作業環境の悪化を招く要因となる。
【0006】
また、上記のような乾式吹付け工法では、粉体材料を搬送するための配管内に、粉体材料が付着する虞がある。このように、粉体材料が配管内に付着すると、気流の乱れや流量の変化が生じ、粉体材料を定量的に搬送することが困難になる。
【0007】
そこで、本発明は、吹付け対象物への吹付けを行った際に生じるはね返りを抑制できると共に、粉体材料を定量的に搬送できる乾式吹付け工法、該乾式吹付け工法で用いる乾式吹付け装置、該乾式吹付け工法で吹付けられた吹付け材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る乾式吹付け工法は、
吹付け対象物に向けて流れる気流にセメントを含む粉体材料を供給することで該粉体材料を搬送する搬送工程と、
搬送工程で形成される粉体材料を含む気流に水を含む液体材料を供給して粉体材料と液体材料とを混合することで吹付け材を形成しつつ該吹付け材を気体と共に吹付け対象物に吹付ける吹付け工程とを備える乾式吹付け工法であって、
粉体材料は、有機物含有量が10質量%以下であり、
搬送工程では、70℃以上の気流に粉体材料を供給する。
【0009】
斯かる構成によれば、上記の温度範囲のような比較的高温の気流は、粘性が比較的高いため、斯かる気流を粉体材料の搬送に用いることで、搬送工程における気流と粉体材料との分離抵抗性が向上する。これにより、吹付けによるはね返りを抑制できる。また、粉体材料中の有機物含有量が上記の範囲であることで、上記のような比較的高温の気流に粉体材料を供給しても、粉体材料の粘性が増加し難い。これにより、粉体材料を搬送するための配管内に、粉体材料が付着し難くなるため、粉体材料の搬送を定量的に行うことができる。
【0010】
本発明に係る乾式吹付け装置は、
上記の乾式吹付け工法で用いる乾式吹付け装置であって、
吹付け対象物へ向けて流れる気流を形成するべく気体を供給する気体供給機と、
吹付け対象物へ向けて流れる気流に粉体材料を供給する粉体供給機と、
を備えており、
気体供給機から吹付け対象物へ向けて流れる気流のうち、気体供給機と粉体供給機との間の気流の温度が70℃以上となるように構成される。
【0011】
本発明に係る吹付け材は、
上記の乾式吹付け工法で対象物に吹付けられた吹付け材であって、
温度が10℃以上50℃以下である。
【0012】
斯かる構成によれば、吹付け材の上記の温度範囲であることで、セメントの水和が促進されるため、吹付け時のはね返りを抑制できる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、吹付け対象物への吹付けを行った際に生じるはね返りを抑制できると共に、粉体材料を定量的に搬送できる乾式吹付け工法、該乾式吹付工法で用いる乾式吹付け装置、該乾式吹付工法で吹付けられた吹付け材を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0015】
本発明に係る乾式吹付け工法は、セメントを含む粉体材料と水を含む液体材料とを混合して吹付け材を形成しつつ該吹付け材を気体と共に対象物に吹付けるものである。
【0016】
粉体材料に含まれるセメントとしては、特に限定されるものではなく、市場で入手できる種々のセメントを用いることができる。具体的には、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメント、アルミナセメント、及び、カルシウムアルミネート系、カルシウムサルフォアルミネート系、カルシウムフルオロアルミネート系等の超速硬セメント等からなる群から選択される一つを用いてもよく、複数を混合して用いてもよい。
【0017】
粉体材料は、骨材を含むものであってもよい。骨材としては、粗骨材、及び、細骨材を用いてもよく、細骨材のみを用いてもよい。つまり、骨材として粗骨材、及び、細骨材を用いる場合には、吹付け材は、コンクリートを構成するものとなり、骨材として細骨材のみを用いる場合には、吹付け材は、モルタルを構成するものとなる。
【0018】
粗骨材は、5mmのふるい目を通過しないものが85質量%以上となるサイズのものを用いることができる。具体的には、粗骨材としては、砂岩砕石、玉砂利(川砂利)、天然軽量粗骨材(パーライト、ヒル石等)、副産軽量粗骨材、人工軽量粗骨材、再生骨材等が挙げられる。粉体材料中の粗骨材の含有量としては、特に限定されるものではなく、例えば、セメントに対して70質量%以上200質量%以下であってもよく、200質量%以上300質量%以下であってもよい。
【0019】
細骨材は、10mmのふるい目をすべて通過し、5mmのふるい目を通過するものが85質量%以上となるサイズのものを用いることができる。具体的には、細骨材としては、山砂、川砂、陸砂、及び、海砂等の天然砂や、砂岩,石灰岩等を人工的に破砕して形成された砕砂(より詳しくは、石灰砕砂等)、膨張性頁岩等を粉砕・造粒・焼成したものや真珠岩等を破砕・加熱発泡させた軽量骨材等が挙げられる。粉体材料中の細骨材の含有量としては、特に限定されるものではなく、例えば、セメントに対して70質量%以上200質量%以下であってもよく、200質量%以上300質量%以下であってもよい。
【0020】
なお、上記の粗骨材及び細骨材のサイズは、JIS A 1102に従う骨材のふるい分け試験方法によって測定されるもので、JIS Z 8801-1の試験用ふるい目を表したものである。
【0021】
また、粉体材料は、さらに他の材料を含むものであってもよい。例えば、粉体材料は、繊維材(ガラス繊維、鋼繊維、ビニロン繊維、アラミド繊維、ポリプロピレン繊維、炭素繊維等)、混和材(高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム、膨張材等)、混和剤(減水剤、増粘剤、消泡剤、急結材等)等を含むものであってもよい。
【0022】
また、粉体材料の有機物含有量は、10質量%以下であり、好ましくは8質量%以下であり、より好ましくは7質量%以下である。粉体材料に含みえる有機物としては、例えば、ポリマーセメント用ポリマー等が挙げられる。該ポリマーセメント用ポリマーは、セメントと共に組成物中の結合相形成に寄与するポリマーであり、例えばJIS A 6203で規定するセメント混和用再乳化型粉末樹脂に該当するもの、および、デンプンのような高分子系増粘剤等が挙げられる。
【0023】
液体材料に含まれる水としては、特に限定されるものではなく、一般的な上水道水を用いることができる。また、液体材料は、水以外の材料を含むものであってもよい。例えば、液体材料は、モルタルやコンクリートを混練する際に使用する減水剤等の混和剤、ポリマーディスパージョン液、収縮低減剤、凝結調整剤、急結材等を含むものであってもよい。
【0024】
粉体材料に対する液体材料の質量割合(液/粉体比)としては、特に限定されず、好ましくは10質量%以上24質量%以下、より好ましくは12質量%以上16質量%以下である。
【0025】
吹付け材が硬化した際の圧縮強度としては、特に限定されず、好ましくは20N/mm2以上、より好ましくは40N/mm2以上である。なお、圧縮強度は、JSCE-F561(吹付けコンクリートの圧縮強度試験用供試体の作り方)に準じて40cm×40cm×25cmの型枠(補修面積:0.16m2)に吹付け材を吹付け、2日後にコア抜きして両端部を成形(Φ10×20cm)することでコア硬化体を得る。そして、得られたコア硬化体を材齢28日まで20℃の水中にて養生した後、JIS A 1108に準じて、測定することができる。
【0026】
本発明に係る乾式吹付け工法は、上記のように構成される粉体材料および液体材料を用いて行う。具体的には、本発明に係る乾式吹付け工法は、吹付け対象物に向けて流れる気流に粉体材料を供給することで該粉体材料を搬送する搬送工程と、吹付け材を気体と共に吹付け対象物に吹付ける吹付け工程とを備える。また、本発明に係る乾式吹付け工法は、後述する気体供給機と粉体供給機と噴射機とを備える乾式吹付け装置を用いて実施することができる。
【0027】
搬送工程では、70℃以上、好ましくは72℃以上、より好ましくは75℃以上の気流に粉体材料を供給する。搬送工程は、吹付け対象物へ向けて流れる気流を形成するべく気体を供給する気体供給機と、吹付け対象物へ向けて流れる気流に粉体材料を供給する粉体供給機とを用いて行うことができる。気体供給機としては、特に限定されず、例えば、リングブロア、ルーツブロア、ターボブロア等の低圧力式送風機等を用いることができる。粉体供給機としては、乾式キャンバー型や乾式ローター型等の粉体供給機を用いることができる。上記の気流の温度は、気体供給機から吹付け対象物へ向けて流れる気流のうち、気体供給機と粉体供給機との間の気流の温度である。また、斯かる気流の温度を変化させる方法としては、特に限定されず、例えば、気体供給機から粉体供給機へ向かう気流を冷却する冷却器や該気流を加熱する加熱器を用いる方法が挙げられる。
【0028】
吹付け工程は、搬送工程で形成される粉体材料を含む気流に液体材料を供給して粉体材料と液体材料とを混合することで吹付け材を形成しつつ該吹付け材を気体と共に吹付け対象物に吹付ける。吹付け工程は、吹付け材を気体と共に噴射する噴射機(例えば、乾式吹付け用ノズル等)を用いて行うことができる。具体的には、搬送工程によって気流と共に粉体材料を乾式吹付け用ノズルに供給する。また、粉体材料とは別ルートで液体材料を乾式吹付け用ノズルに供給する。そして、乾式吹付け用ノズル内で粉体材料と液体材料とを混合して吹付け材を形成しつつ該吹付け材を気体(例えば、粉体材料を搬送する気流)と共に乾式吹付け用ノズルから噴射して吹付け対象物に吹付ける。
【0029】
吹付け工程で得られる吹付け材の温度(吹付けられた直後の温度)としては、特に限定されず、好ましくは10℃以上50℃以下、より好ましくは15℃以上40℃以下である。
【0030】
以上のように、本発明に係る乾式吹付け工法、乾式吹付け装置、および、吹付け材によれば、対象物への吹付けを行った際に生じるはね返りを抑制できると共に、粉体材料を定量的に搬送できる。
【0031】
即ち、上記の温度範囲のような比較的高温の気流は、粘性が比較的高いため、斯かる気流を粉体材料の搬送に用いることで、搬送工程における気流と粉体材料との分離抵抗性が向上する。これにより、吹付けによるはね返りを抑制できる。また、粉体材料中の有機物含有量が上記の範囲であることで、上記のような比較的高温の気流に粉体材料を供給しても、粉体材料の粘性が増加し難い。これにより、粉体材料を搬送するための配管内に、粉体材料が付着し難くなるため、粉体材料の搬送を定量的に行うことができる。また、上記の乾式吹付工法を用いて形成される吹付け材は、上記の温度範囲であることで、セメントの水和が促進されるため、吹付け時のはね返りを抑制できる。
【0032】
なお、本発明に係る乾式吹付け工法、乾式吹付け装置、および、吹付け材は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。また、上記した複数の実施形態の構成や方法等を任意に採用して組み合わせてもよく(1つの実施形態に係る構成や方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよく)、更に、他の各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【実施例0033】
以下、実施例、及び、比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0034】
<使用材料>
・粉体材料:セメント(住友大阪セメント社製 品名:普通ポルトランドセメント、密度3.15g/cm3)、及び、4号石英砂(高知県産、密度2.51g/cm3)を質量比4:6で混合し、さらに再乳化型粉末樹脂(粉末アクリル系樹脂)を混合したものを用いた。粉体材料中の有機物含有率については、下記表1に示す。なお、有機物の含有率は、TG-DTA測定の200~400℃の重量減少量によって求めることができる。
・液体材料:上水導水を用いた。
【0035】
<定量的な搬送の評価>
気体供給機としてルーツブロア(アンレット社製 品名:3葉アンレットルーツブロアBH80)を用いて気流を形成し、該気流を粉体供給機(東和耐火工業社製 品名:TOWA式ロータリーガン)に供給することで、上記の粉体材料を気流に供給した。そして、粉体材料を5kg/minの速度で3分間搬送した。この際、気体供給機から粉体供給機へ流れる気流の温度(粉体供給機の気流の入口の温度)を変化させるために、気体供給機の気流の出口に冷却器を設置した。そして、粉体供給機の気流の出口において、気流の温度毎に、粉体材料を含む気流の圧力を測定した。気流の温度、圧力の平均値については、下記表1に示す。また、圧力の最大値と最小値との差(圧力振幅)を求めた。そして、圧力振幅が0.005MPa以下のものを「〇」、0.005MPaを超えるものを「×」として評価した。評価結果は下記表1に示す。
【0036】
<リバウンド率の測定>
JSCE-F 563に基づいて、はね返り率の試験を行った。具体的には、吹付けの対象物として、100cm×100cmの底面を有する型枠を使用し、該型枠の質量(以下、当初型枠質量とも記す)を測定した。また、粉体材料を上記の搬送条件で搬送して乾式吹付け用ノズルに供給すると共に、液体材料を乾式吹付けノズルに供給し、吹付け材を対象物(型枠)に3分間吹付けた。乾式吹付けノズルに供給する粉体材料に対する液体材料の比(液/粉体比)は14.0とした。そして、吹付けによってはね返った吹付け材の質量(はね返り量)を測定した。さらに、得られた測定結果を用いて、下記(1)式により、はね返り率を算出した。そして、はね返り率が10%以下であるものを「〇」、10%を超えるものを「×」として評価した。評価結果については下記表1に示す。
・はね返り率
=はね返り量÷(粉体材料の搬送量+液体材料の供給量)×100・・・(1)
【0037】
【0038】
<まとめ>
表1を見ると、各実施例では、圧力振幅が比較的小さく、且つ、リバウンド率も比較的小さいことが認められる。つまり、本発明のように、有機物含有量が所定の範囲である粉体材料を比較的高温の気流に供給して搬送することで、粉体材料を定量的に搬送することができると共に、吹付け材のはね返りを抑制することができる。