(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128598
(43)【公開日】2022-09-02
(54)【発明の名称】バッテリー管理システム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20220826BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20220826BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20220826BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20220826BHJP
【FI】
H02J7/00 Y
H02J7/02 H
H01M10/48 P
H01M10/44 P
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025695
(22)【出願日】2022-02-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0023915
(32)【優先日】2021-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】洪 ▲尚▼辰
(72)【発明者】
【氏名】沈 相奉
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA03
5G503BB01
5G503EA08
5G503GA15
5G503HA01
5H030AS08
5H030AS11
5H030BB01
5H030BB23
5H030FF22
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
5H030FF52
(57)【要約】
【課題】バッテリーセルのセンシングラインの断線を検出できるバッテリー管理システムを提供する。
【解決手段】直列連結された多数のバッテリーセルを含むバッテリーと;前記多数のバッテリーセルに並列連結された多数のダイオードと;前記多数のバッテリーセルに連結された多数のスイッチを含むスイッチ部と;前記多数のバッテリーセルの電圧を検出しセルバランシングを遂行する制御部と;前記多数のバッテリーセルと前記制御部を連結する多数のセンシングラインとを含み、前記制御部は前記スイッチがオフ(OFF)にされた状態で各バッテリーセルと隣接した上位バッテリーセルの間の第1上位電圧差を測定し、前記スイッチを一定時間オン(ON)にした後に各バッテリーセルと隣接した上位バッテリーセルの間の第2上位電圧差を測定して、前記第2上位電圧差が前記第1上位電圧差より大きいと該当バッテリーセルのセンシングラインが断線したものと判断することを特徴とする、バッテリー管理システムを開示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列連結された多数のバッテリーセルを含むバッテリーと、
前記多数のバッテリーセルに並列連結された多数のダイオードと、
前記多数のバッテリーセルに連結された多数のスイッチを含むスイッチ部と、
前記多数のバッテリーセルの電圧を検出しセルバランシングを遂行する制御部と、
前記多数のバッテリーセルと前記制御部を連結する多数のセンシングラインとを含み、
前記制御部は前記スイッチがオフ(OFF)にされた状態で各バッテリーセルと隣接した上位バッテリーセルの間の第1上位電圧差を測定し、前記スイッチを一定時間オン(ON)にした後に各バッテリーセルと隣接した上位バッテリーセルの間の第2上位電圧差を測定して、前記第2上位電圧差が前記第1上位電圧差より大きいと該当バッテリーセルのセンシングラインが断線したものと判断することを特徴とする、バッテリー管理システム。
【請求項2】
前記制御部は前記スイッチがオフ(OFF)にされた状態で各バッテリーセルと隣接した下位バッテリーセルの間の第1下位電圧差を測定し、前記スイッチを一定時間オン(ON)にした後に各バッテリーセルと隣接した下位バッテリーセルの間の第2下位電圧差を測定して、前記第2下位電圧差が前記第1下位電圧差より小さいと該当バッテリーセルのセンシングラインが断線したものと判断することを特徴とする、請求項1に記載のバッテリー管理システム。
【請求項3】
断線したセンシングラインは、該当バッテリーセルに連結されたダイオードと、上位バッテリーセルに連結されたダイオードの電圧分配によって該当バッテリーセルの電圧を測定することを特徴とする、請求項1に記載のバッテリー管理システム。
【請求項4】
断線したセンシングラインの隣接した上位バッテリーセルは、前記スイッチをオン(ON)にすると電圧が高くなることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリー管理システム。
【請求項5】
断線したセンシングラインのバッテリーセルは、前記スイッチをオン(ON)にすると電圧が低くなることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリー管理システム。
【請求項6】
前記スイッチがオンの状態で断線したセンシングラインのバッテリーセルの電圧は隣接した下位バッテリーセルの電圧であることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリー管理システム。
【請求項7】
前記スイッチ部は、偶数グループのスイッチと奇数グループのスイッチを交互にオン(ON)にすることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリー管理システム。
【請求項8】
前記制御部は前記偶数グループのスイッチをオン(ON)にして偶数バッテリーセルの電圧を測定した後に前記偶数グループのスイッチをオフ(OFF)にさせ、前記奇数グループのスイッチをオン(ON)にして奇数バッテリーセルの電圧を測定した後に前記奇数グループのスイッチをオフ(OFF)にさせることを特徴とする、請求項7に記載のバッテリー管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバッテリー管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池(secondary battery)は充電が不可能な一次電池とは異なって充電および放電が可能な電池である。低容量の二次電池はスマートフォン、フィーチャーフォン、ノートパソコン、デジタルカメラおよびビデオカメラのように携帯が可能な小型の電子機器に使われ、大容量の二次電池はハイブリッド自動車、電気自動車などのモータ駆動用電源および電力貯蔵用電池などに広く使われている。
【0003】
特に、二次電池を利用する自動車は各セルの性能が自動車の性能に直接的な影響を及ぼすため、各セルの電圧および電流などを測定して各セルの充放電を効率的に管理するだけでなく、各セルをセンシングするセンシング部の状態をモニタリングして該当セルの安定したコントロールが可能なバッテリー管理システム(Battery Management System、BMS)が要求される。
【0004】
このような発明の背景となる技術に開示された前述した情報は本発明の背景に対する理解度を向上させるためのものに過ぎず、したがって従来技術を構成しない情報を含んでもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、バッテリーセルのセンシングラインの断線を検出できるバッテリー管理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるバッテリー管理システムは、直列連結された多数のバッテリーセルを含むバッテリーと;前記多数のバッテリーセルに並列連結された多数のダイオードと;前記多数のバッテリーセルに連結された多数のスイッチを含むスイッチ部と;前記多数のバッテリーセルの電圧を検出しセルバランシングを遂行する制御部と;前記多数のバッテリーセルと前記制御部を連結する多数のセンシングラインとを含み、前記制御部は前記スイッチがオフ(OFF)にされた状態で各バッテリーセルと隣接した上位バッテリーセルの間の第1上位電圧差を測定し、前記スイッチを一定時間オン(ON)にした後に各バッテリーセルと隣接した上位バッテリーセルの間の第2上位電圧差を測定して、前記第2上位電圧差が前記第1上位電圧差より大きいと該当バッテリーセルのセンシングラインが断線したものと判断することができる。
【0007】
前記制御部は前記スイッチがオフ(OFF)にされた状態で各バッテリーセルと隣接した下位バッテリーセルの間の第1下位電圧差を測定し、前記スイッチを一定時間オン(ON)にした後に各バッテリーセルと隣接した下位バッテリーセルの間の第2下位電圧差を測定して、前記第2下位電圧差が前記第1下位電圧差より小さいと該当バッテリーセルのセンシングラインが断線したものと判断することができる。
【0008】
断線したセンシングラインは該当バッテリーセルに連結されたダイオードと、上位バッテリーセルに連結されたダイオードの電圧分配によって該当バッテリーセルの電圧を測定することができる。
【0009】
断線したセンシングラインの隣接した上位バッテリーセルは前記スイッチをオン(ON)にすると電圧が高くなり得る。
【0010】
断線したセンシングラインのバッテリーセルは前記スイッチをオン(ON)にすると電圧が低くなり得る。
【0011】
前記スイッチがオンの状態で断線したセンシングラインのバッテリーセルの電圧は隣接した下位バッテリーセルの電圧であり得る。
【0012】
前記スイッチ部は偶数グループのスイッチと奇数グループのスイッチを交互にオン(ON)にすることができる。
【0013】
前記制御部は前記偶数グループのスイッチをオン(ON)にして偶数バッテリーセルの電圧を測定した後に前記偶数グループのスイッチをオフ(OFF)にさせ、前記奇数グループのスイッチをオン(ON)にして奇数バッテリーセルの電圧を測定した後に前記奇数グループのスイッチをオフ(OFF)にさせることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一実施例に係るバッテリー管理システムは、スイッチがオフにされた状態で各バッテリーセルと隣接したバッテリーセルの間の電圧差とスイッチをオンにさせた後、各バッテリーセルと隣接したバッテリーセルの間の電圧差を比較してセンシングラインの断線を検出することによって、安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施例に係るバッテリー管理システムを図示した概略図である。
【
図2a】バッテリー管理システムのセンシングラインの断線検出方法を説明するための概略図である。
【
図2b】バッテリー管理システムのセンシングラインの断線検出方法を説明するための概略図である。
【
図2c】バッテリー管理システムのセンシングラインの断線検出方法を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0017】
本発明の実施例は当該技術分野で通常の知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものであり、下記の実施例は多様な異なる形態で変形され得、本発明の範囲は下記の実施例に限定されるものではない。これらの実施例は本開示をさらに忠実かつ完全とし、当業者に本発明の思想を完全に伝達するために提供されるものである。
【0018】
また、以下の図面で各層の厚さや大きさは説明の便宜および明確性のために誇張されたものであり、図面上で同一符号は同一の要素を指称する。本明細書で使われた通り、用語「および/または」は該当列挙された項目のうちいずれか一つおよび一つ以上のすべての組み合わせを含む。また、本明細書で「連結される」という意味はA部材とB部材が直接連結される場合だけでなく、A部材とB部材の間にC部材が介在されてA部材とB部材が間接連結される場合も意味する。
【0019】
本明細書で使われた用語は特定の実施例を説明するために使われ、本発明を制限するためのものではない。本明細書で使われた通り、単数の形態は文脈上異なる場合を明確に指摘するものでなければ、複数の形態を含むことができる。また、本明細書で使われる場合、「含む(comprise、include、comprising、including)」は言及した形状、数字、段階、動作、部材、要素および/またはこれらグループの存在を特定するものであり、一つ以上の他の形状、数字、動作、部材、要素および/またはグループの存在または付加を排除するものではない。
【0020】
本明細書で第1、第2等の用語が多様な部材、部品、領域、層および/または部分を説明するために使われるが、これら部材、部品、領域、層および/または部分はこれら用語によって限定されてはならないことは自明である。これら用語は一つの部材、部品、領域、層または部分を他の領域、層または部分と区別するためにのみ使われる。したがって、以下で詳述する第1部材、部品、領域、層または部分は本発明の範囲を逸脱することなく第2部材、部品、領域、層または部分を指称することができる。
【0021】
また、本発明に係る制御部(コントローラ)および/または他の関連機器または部品は、任意の適切なハードウェア、ファームウェア(例えば、特定用途向け半導体)、ソフトウェア、またはソフトウェア、ファームウェアおよびハードウェアの適切な組み合わせを利用して具現され得る。例えば、本発明に係る制御部(コントローラ)および/または他の関連機器または部品の多様な構成要素は、一つの集積回路チップ上に、または別個の集積回路チップ上に形成され得る。また、制御部(コントローラ)の多様な構成要素はフレキシブルプリント回路フィルム上に具現され得、テープキャリアパッケージ、印刷回路基板、または制御部(コントローラ)と同一の基板上に形成され得る。
【0022】
図1は、本発明の一実施例に係るバッテリー管理システムを図示した概略図である。
【0023】
図1を参照すると、本発明の一実施例に係るバッテリー管理システム100は、バッテリー110、ダイオード部120、スイッチ部130、センシング部140および制御部150を含む。
【0024】
前記バッテリー110は多数のバッテリーセル111、112、113、114、115を含むことができ、一定の電圧で充電または放電され得る。一部の例において、バッテリー110は直列連結された多数のバッテリーセル111、112、113、114、115を含むことができる。また、
図1で前記バッテリー110は5個のバッテリーセル111、112、113、114、115が直列で連結されてなるものとして図示されたが、バッテリーセルの数はそれより多くても少なくてもよい。例えば、本発明でバッテリー110は、第1バッテリーセル111、第2バッテリーセル112、第3バッテリーセル113、第4バッテリーセル114および第5バッテリーセル115を含むものと仮定する。ここで、第1バッテリーセル111はバッテリー110のマイナス端子側に位置したセルであり、第5バッテリーセル115はバッテリー110のプラス端子側に位置したセルであり得る。換言すると、第1バッテリーセル111は最下位バッテリーセルを指称し、第5バッテリーセル115は最上位バッテリーセルを指称し得る。
【0025】
前記ダイオード部120は多数のバッテリーセル111、112、113、114、115それぞれに並列で連結された多数のダイオード121、122、123、124、125を含むことができる。前記ダイオード121、122、123、124、125の個数はバッテリーセル111、112、113、114、115の個数と対応し得る。一部の例において、多数のダイオード121、122、123、124、125はセンシング部140のうち少なくともいずれか一つのセンシングラインが断線した場合にもバッテリーセル111、112、113、114、115の電圧が測定されるようにすることができる。例えば、ダイオード部120は第1ダイオード121、第2ダイオード122、第3ダイオード123、第4ダイオード124および第5ダイオード125を含むことができる。
【0026】
前記スイッチ部130は、多数のバッテリーセル111、112、113、114、115それぞれに連結された多数のスイッチ131、132、133、134、135を含むことができる。それぞれのスイッチ131、132、133、134、135は該当バッテリーセル111、112、113、114、115の放電経路を開閉することができる。また、スイッチ部130は各スイッチ131、132、133、134、135の両端に連結された放電抵抗を含んで、バッテリーセル111、112、113、114、115のセルバランシングを遂行できる。例えば、スイッチ部130は第1スイッチ131、第2スイッチ132、第3スイッチ133、第4スイッチ134および第5スイッチ135を含むことができる。
【0027】
前記センシング部140は、多数のバッテリーセル111、112、113、114、115それぞれの電圧をセンシングする多数のセンシングライン141、142、143、144、145を含むことができる。多数のセンシングライン141、142、143、144、145は各バッテリーセル111、112、113、114、115のプラス側に連結され得る。例えば、センシング部140は第1センシングライン141、第2センシングライン142、第3センシングライン143、第4センシングライン144および第5センシングライン145を含むことができる。
【0028】
前記制御部150はバッテリー110を構成する各バッテリーセル111、112、113、114、115の電圧、電流、温度などを検出し、バッテリー110に対するセルバランシングを制御することができる。一部の例において、制御部150はマイクロプロセッサ(microprocessor)、中央処理装置(central processing unit:CPU)、アナログフロントエンド(AFE)のようなASIC(application-specific integrated circuit)を含むことができる。制御部150はスイッチ部130を偶数グループと奇数グループに区分し、偶数グループのスイッチ132、134と奇数グループのスイッチ131、133、135を交互にオンにしてバッテリー110のセルバランシングを遂行できる。これに伴い、制御部150は多数のバッテリーセル111、112、113、114、115を順次セルバランシングする場合に比べて、セルバランシングによる時間を短縮することができる。また、制御部150は各バッテリーセル111、112、113、114、115のセルバランシング前とセルバランシング後の電圧を測定してセンシングライン141、142、143、144、145の断線を検出することができる。
【0029】
以下では、制御部150がセンシングライン141、142、143、144、145の断線を検出する方法についてより詳しく説明する。一例として、第2バッテリーセル112に連結された第2センシングライン142が断線している場合について説明する。
【0030】
図2a~
図2cは、バッテリー管理システムのセンシングラインの断線検出方法を説明するための概略図である。
【0031】
まず、
図2aを参照すると、制御部150はスイッチ部130がオフにされた状態でそれぞれのバッテリーセル111、112、113、114、115の電圧を測定することができる。制御部150はセンシング部140を通じて各バッテリーセル111、112、113、114、115の電圧を測定することができる。一部の例において、制御部150はセンシングライン141、142、143、144、145を通じて各バッテリーセル111、112、113、114、115のセンシング電圧V1、V2、V3、V4、V5を測定することができる。そして、制御部150は各バッテリーセル111、112、113、114、115のセンシング電圧V1、V2、V3、V4、V5と隣接した下位バッテリーセルのセンシング電圧との差を求めてそれぞれのバッテリーセル111、112、113、114、115の電圧を測定することができる。また、センシング部140のうちいずれか一つのセンシングラインが断線(またはオープン)されたとしても、ダイオード部120によって断線したセンシングラインでセンシング電圧が測定され得る。例えば、
図2aを参照すると、第3センシングライン143で測定されたセンシング電圧V3が9Vであり第1センシングライン141で測定されたセンシング電圧V1が3Vであれば、断線した第2センシングライン142では第3ダイオード123と第2ダイオード122の電圧分配によって両方間の中間電圧である6Vのセンシング電圧V2が測定され得る。
【0032】
制御部150は各センシングライン141、142、143、144、145で測定されたセンシング電圧と隣接した下位センシングラインで測定されたセンシング電圧との差を求めて、各バッテリーセル111、112、113、114、115の電圧を測定することができる。例えば、制御部150は第3センシングライン143で測定されたセンシング電圧V3の9Vと第2センシングライン142で測定されたセンシング電圧V2の6Vの差(V3-V2)を求めて、第3バッテリーセル113の電圧が3Vであるものと判断することができる。同様に、制御部150は第2センシングライン142で測定されたセンシング電圧V2の6Vと第1センシングライン141で測定されたセンシング電圧V1の3Vの差(V2-V1)を求めて、第2バッテリーセル112の電圧が3Vであるものと判断することができる。前記と同一の方法によって、制御部150はそれぞれのバッテリーセル111、112、113、114、115の電圧を求めることができる。また、制御部150はスイッチ部130のオフ時のそれぞれのバッテリーセル111、112、113、114、115と隣接した上位バッテリーセルの間の電圧差を第1上位電圧差と定義し、それぞれのバッテリーセル111、112、113、114、115と隣接した下位バッテリーセルの間の電圧差を第1下位電圧差と定義して保存部(図示されず)に保存することができる。ここで、第1下位電圧差は各バッテリーセル111、112、113、114、115の電圧を意味する。
【0033】
次に、
図2bを参照すると、制御部150はスイッチ部130の偶数グループのスイッチ132、134をオンにして一定時間セルバランシングした後、偶数バッテリーセル112、114のセンシング電圧を測定し偶数グループのスイッチ132、134をオフにすることができる。次に、
図2cを参照すると、制御部150はスイッチ部130の奇数グループのスイッチ131、133、135をオにして一定時間セルバランシングした後、奇数バッテリーセル111、113、115のセンシング電圧を測定し奇数グループのスイッチ131、133、135をオフにすることができる。ここで、セルバランシング時間は数秒以内に設定され得る。セルバランシング時にセンシングラインが断線した場合、該当バッテリーセルのセンシング電圧は下位バッテリーセルに連結されたセンシングラインで測定されたセンシング電圧と類似して測定される。したがって、セルバランシング後の各バッテリーセルのセンシング電圧と隣接した下位バッテリーセルのセンシング電圧との電圧差は、セルバランシング前の電圧差に比べて相対的に低くなる。換言すると、断線したセンシングラインに連結されたバッテリーセルはセルバランシング後の電圧がセルバランシング前の電圧より低くなる。併せて、断線したセンシングラインに連結されたバッテリーセルの電圧が低くなるため、相対的に隣接した上位バッテリーセルの電圧が高くなる。また、制御部150はスイッチ部130のターンオン時、それぞれのバッテリーセル111、112、113、114、115と隣接した上位バッテリーセルの間の電圧差を第2上位電圧差と定義し、それぞれのバッテリーセル111、112、113、114、115と隣接した下位バッテリーセルの間の電圧差を第2下位電圧差と定義して保存部に保存することができる。ここで、第2下位電圧差はセルバランシング後の各バッテリーセル111、112、113、114、115の電圧を意味する。
【0034】
このように、制御部150は各バッテリーセル111、112、113、114、115と隣接した下位バッテリーセルの間の第2下位電圧差が第1下位電圧差より小さいと、該当バッテリーセルのセンシングラインが断線したものと判断することができる。また、制御部150は各バッテリーセル111、112、113、114、115と隣接した上位バッテリーセルの間の第2上位電圧差が第1上位電圧差より大きいと、該当バッテリーセルのセンシングラインが断線したものと判断することができる。
【0035】
例えば、
図2bを参照すると、第2スイッチ132がオンにされると、第2センシングライン142には第2バッテリーセル112が連結されないため、第2センシングライン142での電圧V2は第1センシングライン141での電圧V1と類似するように約3Vと測定することになる。これに伴い、制御部150は第2センシングライン142での電圧V2の3Vと第1センシングライン141での電圧V1の3Vの差(V2-V1)を求めて、第2バッテリーセル112の電圧が0Vであるものと判断することができる。また、制御部150は第3センシングライン143での電圧V3の9Vと第2センシングライン142での電圧V2の3Vの差(V3-V2)を求めて、第3バッテリーセル113の電圧が6Vであるものと判断することができる。
【0036】
すなわち、制御部150はセルバランシング前の各バッテリーセル111、112、113、114、115と上位バッテリーセルの間の第1上位電圧差と、セルバランシング後の各バッテリーセル111、112、113、114、115と上位バッテリーセルの間の第2上位電圧差を比較して、第2上位電圧差が第1上位電圧差より大きいと該当バッテリーセルのセンシングラインが断線したものと判断することができる。また、制御部150はセルバランシング前の各バッテリーセル111、112、113、114、115と下位バッテリーセルの間の第1下位電圧差と、セルバランシング後の各バッテリーセル111、112、113、114、115と下位バッテリーセルの間の第2下位電圧差を比較して、第2下位電圧差が第1下位電圧差より小さいと該当バッテリーセルのセンシングラインが断線したものと判断することができる。
【0037】
以上で説明したものは本発明によるバッテリー管理システムを実施するための一つの実施例に過ぎないものであり、本発明は前記した実施例に限定されず、以下の特許請求の範囲で請求するように、本発明の要旨を逸脱することなく当該発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば誰でも多様な変更実施が可能な範囲まで本発明の技術的精神があると言える。
【符号の説明】
【0038】
100:バッテリー管理システム
110:バッテリー
120:ダイオード部
130:スイッチ部
140:センシング部
150:制御部