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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022129962
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】面状光源
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20220830BHJP
   H01L 33/60 20100101ALI20220830BHJP
   H01L 33/58 20100101ALI20220830BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20220830BHJP
   F21Y 105/10 20160101ALN20220830BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220830BHJP
   F21Y 107/70 20160101ALN20220830BHJP
【FI】
F21S2/00 421
F21S2/00 419
F21S2/00 424
F21S2/00 411
H01L33/60
H01L33/58
G02F1/13357
F21Y105:10
F21Y115:10
F21Y107:70
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021028861
(22)【出願日】2021-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100180529
【弁理士】
【氏名又は名称】梶谷 美道
(74)【代理人】
【識別番号】100125922
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 章子
(74)【代理人】
【識別番号】100184985
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 悠
(74)【代理人】
【識別番号】100202197
【弁理士】
【氏名又は名称】村瀬 成康
(74)【代理人】
【識別番号】100218981
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 寛之
(72)【発明者】
【氏名】山下 良平
(72)【発明者】
【氏名】勝俣 敏伸
(72)【発明者】
【氏名】赤川 星太郎
(72)【発明者】
【氏名】森脇 敏昭
【テーマコード(参考)】
2H391
3K244
5F142
【Fターム(参考)】
2H391AA19
2H391AB04
2H391AB23
2H391AD08
2H391AD10
2H391AD13
3K244AA01
3K244AA02
3K244AA05
3K244BA08
3K244BA23
3K244BA26
3K244BA31
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3K244CA03
3K244DA01
3K244DA19
3K244DA27
3K244EA02
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3K244EA19
3K244EA34
3K244EB06
3K244FA12
3K244GA01
3K244GA02
3K244GA04
5F142AA13
5F142BA32
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5F142CG03
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5F142CG05
5F142CG25
5F142CG43
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5F142DA12
5F142DB14
5F142DB16
5F142DB18
5F142FA46
(57)【要約】
【課題】輝度ムラの低減された面状光源を提供する。
【解決手段】面状光源は、上面110aおよび下面110bを有し、貫通孔10Aが設けられた導光板110Aと、導光板の下面側に位置し、配線層141を含む配線基板140と、配線基板の配線層に電気的に接続された発光素子120を含み、貫通孔の内部に配置されている光源50と、光源の上方に位置する光反射性部材31とを備え、貫通孔は、導光板の上面に対して傾斜している第1側面11cを有する第1部分11Aと、導光板の上面と第1部分の第1側面との間に位置する第2側面12cを有する第2部分12Aとを含み、光反射性部材は、貫通孔の第1部分に位置している。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面および前記上面とは反対側に位置する下面を有し、前記上面から前記下面まで貫通する貫通孔が設けられた導光板と、
前記導光板の前記下面側に位置し、配線層を含む配線基板と、
前記配線基板の前記配線層に電気的に接続された発光素子を含み、前記貫通孔の内部に配置されている光源と、
前記光源の上方に位置する光反射性部材と
を備え、
前記貫通孔は、
前記導光板の前記上面に対して傾斜している第1側面を有する第1部分と、
前記導光板の前記上面と前記第1部分の前記第1側面との間に位置する第2側面を有する第2部分と
を含み、
前記光反射性部材は、前記貫通孔の前記第1部分に位置している、面状光源。
【請求項2】
前記第2部分の前記第2側面は、前記上面に対して傾斜しており、
前記上面に対する前記第1側面の傾斜は、前記上面に対する前記第2側面の傾斜よりも小さい、請求項1に記載の面状光源。
【請求項3】
前記導光板の前記上面に垂直な断面における前記第2側面の形状は、曲線状である、請求項2に記載の面状光源。
【請求項4】
前記貫通孔は、
前記導光板の前記下面に位置する第1開口と、
前記第1開口と前記第1部分の前記第1側面との間に位置する第3側面と
を有する第3部分をさらに含み、
前記光源は、前記第3部分に配置されている、請求項1から3のいずれかに記載の面状光源。
【請求項5】
前記貫通孔の内部において前記光源を覆う第1透光性部材をさらに備え、
前記第1透光性部材は、前記貫通孔のうち前記第3部分に位置する、請求項4に記載の面状光源。
【請求項6】
前記第3側面の少なくとも一部は、前記導光板の前記上面に対して傾斜している、請求項4または5に記載の面状光源。
【請求項7】
前記光反射性部材は、前記貫通孔を閉塞している、請求項1から6のいずれかに記載の面状光源。
【請求項8】
前記貫通孔の前記第1部分は、前記第2部分との境界に位置する上端部を有し、
平面視において、前記光反射性部材は、前記上端部の内側の領域の全体を覆っている、請求項7に記載の面状光源。
【請求項9】
前記貫通孔の前記第1部分は、前記上端部と前記第1側面との間に位置する内壁面をさらに有する、請求項8に記載の面状光源。
【請求項10】
前記導光板は、平面視において長方形状を有し、
平面視における前記上端部の形状は、前記導光板の前記長方形状の短辺に平行な第1軸および前記長方形状の長辺に平行かつ前記第1軸よりも短い第2軸を有する形状である、請求項8または9に記載の面状光源。
【請求項11】
平面視における前記上端部の形状は、前記導光板の前記長方形状の短辺に平行な第1長軸および前記長方形状の長辺に平行な第1短軸を有するオーバル形である、請求項10に記載の面状光源。
【請求項12】
前記貫通孔の前記第2部分は、前記導光板の前記上面に位置する第2開口を有し、
前記第2部分の前記第2側面は、前記第2開口と前記第1部分の前記上端部との間に位置し、
平面視における前記第2開口の形状は、前記導光板の前記長方形状の長辺に平行な第3軸および前記長方形状の短辺に平行な、前記第3軸よりも短い第4軸を有する形状である、請求項10または11に記載の面状光源。
【請求項13】
平面視における前記第2開口の形状は、前記第3軸および前記第4軸を有するオーバル形である、請求項12に記載の面状光源。
【請求項14】
前記貫通孔の前記第2部分の内部の屈折率は、前記光反射性部材の屈折率よりも低い、請求項1から13のいずれかに記載の面状光源。
【請求項15】
前記発光素子は、上面を有し、
前記光源は、少なくとも前記発光素子の前記上面を覆う第2透光性部材を含む、請求項1から14のいずれかに記載の面状光源。
【請求項16】
前記光源は、前記発光素子の前記上面とは反対側の下面の少なくとも一部を覆う被覆部材を含む、請求項15に記載の面状光源。
【請求項17】
前記導光板の前記上面上または上方に位置する拡散シートをさらに備える、請求項1から16のいずれかに記載の面状光源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、面状光源に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1-3は、導光板と、基板上に配置された複数の光源とを有する面発光装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-210674号公報
【特許文献2】特開2007-329114号公報
【特許文献3】特開2009-063684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
輝度ムラを低減可能な面状光源を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態による面状光源は、上面および前記上面とは反対側に位置する下面を有し、前記上面から前記下面まで貫通する貫通孔が設けられた導光板と、前記導光板の前記下面側に位置し、配線層を含む配線基板と、前記配線基板の前記配線層に電気的に接続された発光素子を含み、前記貫通孔の内部に配置されている光源と、前記光源の上方に位置する光反射性部材とを備え、前記貫通孔は、前記導光板の前記上面に対して傾斜している第1側面を有する第1部分と、前記導光板の前記上面と前記第1部分の前記第1側面との間に位置する第2側面を有する第2部分とを含み、前記光反射性部材は、前記貫通孔の前記第1部分に位置している。
【発明の効果】
【0006】
本開示の実施形態によれば、輝度ムラを低減可能な面状光源が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示のある実施形態による面状光源の例示的な構成を示す模式的な斜視図である。
図2図1に示す面状光源の発光領域の一例に関する模式的な断面と導光板の上面側から見た例示的な外観とを模式的に示す図である。
図3図2に示す断面のうち光源とその周辺とを拡大して示す模式的な断面図である。
図4】導光板に設けられる貫通孔の形状の他の例を示す模式的な拡大断面図である。
図5】導光板に設けられる貫通孔の形状のさらに他の例を示す模式的な拡大断面図である。
図6】貫通孔の第1部分に配置される光反射性部材の形状の他の例を示す模式的な上面図である。
図7図2に示す発光領域中の光源および配線基板を取り出して示す模式的な断面図である。
図8】面状光源の他の一例を示す模式的な上面図である。
図9】発光領域の他の一例に関する模式的な断面と導光板の上面側から見た例示的な外観とを模式的に示す図である。
図10】導光板に設けられる貫通孔の形状のさらに他の例を示す模式的な上面図である。
図11】本開示の他のある実施形態による面状光源の発光領域の例示的な構成を示す模式的な断面図である。
図12】本開示のさらに他のある実施形態による面状光源の発光領域の例示的な構成を示す模式的な断面図である。
図13】本開示の実施形態による面状光源の光源に適用され得る発光装置の他の例を示す模式的な断面図である。
図14】本開示の実施形態による面状光源の光源に適用され得る発光装置のさらに他の例を示す模式的な断面図である。
図15】本開示の実施形態による面状光源の光源に適用され得る発光装置のさらに他の例を示す模式的な断面図である。
図16】本開示の実施形態による面状光源の光源に適用され得る発光装置のさらに他の例を示す模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態は、例示であり、本開示による面状光源は、以下の実施形態に限られない。例えば、以下の実施形態で示される数値、形状、材料、ステップ、そのステップの順序などは、あくまでも一例であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の改変が可能である。以下に説明する各実施形態は、あくまでも例示であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の組み合わせが可能である。
【0009】
図面が示す構成要素の寸法、形状等は、分かりやすさのために誇張されている場合があり、実際の面状光源における寸法、形状および構成要素間の大小関係を反映していない場合がある。また、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略することがある。
【0010】
以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。以下の説明では、特定の方向または位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」およびそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向または位置を分かりやすさのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向または位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品、製造装置等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本開示において「平行」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面等が0°から±5°程度の範囲にある場合を含む。また、本開示において「垂直」または「直交」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面等が90°から±5°程度の範囲にある場合を含む。
【0011】
(実施形態1)
図1は、本開示のある実施形態による面状光源の例示的な構成を示す。図1に示す面状光源200は、上面210aを有する導光板210と、導光板210の下方に位置する配線基板240と、複数の光源50とを含む。後述するように、各光源50は、LED等の発光素子を含む。なお、図1には、説明の便宜のために、互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印があわせて図示されている。本開示の他の図面においてもこれらの方向を示す矢印を図示することがある。
【0012】
面状光源200は、全体として板状である。面状光源200の発光面を構成する、導光板210の上面210aは、典型的には、矩形状を有する。ここでは、上述のX方向およびY方向は、導光板210の矩形状の互いに直交する二辺の一方および他方にそれぞれ一致している。上面210aの矩形状の一辺の長さは、例えば20mm以上40mm以下の範囲である。
【0013】
図1に例示する構成において、面状光源200は、各々が少なくとも1つの光源50を含む複数の発光領域100を含む。図1に示す例では、面状光源200は、4行4列に二次元配列された合計16個の発光領域100を含んでいる。面状光源200に含まれる発光領域100の数および配置は、任意であり、図1に示す構成に限定されない。例えば、面状光源200は、2以上の発光領域100の一次元配列によって構成されていてもよい。面状光源200は、単一の発光領域100から構成されていてもよい。
【0014】
図1に示すように、各発光領域100は、導光板210の上面210aに位置する開口をその一部に含む貫通孔10を有する。各発光領域100の光源50は、貫通孔10の内部に位置する。各発光領域100は、貫通孔10内に光反射性部材31をさらに有する。後述するように、各発光領域100の光反射性部材31は、光源50の上方に位置し、平面視において光源50を覆う。
【0015】
図1に示す例では、発光領域100が4行4列に配置されていることに対応して、光源50がX方向およびY方向に沿って配線基板240上に4行4列に配列されている。光源50の配置ピッチは、例えば7.5mm以上10.0mm以下程度とすることができ、8.0mm以上9.5mm以下程度の範囲であってもよい。ここで、光源50の配置ピッチとは、光源50の光軸間の距離を意味する。光源50の光軸とは、光源50の上面に垂直かつ平面視において光源50の上面の中心を通る軸を指す。あるいは、光源50に含まれる発光素子の上面に垂直かつ平面視において発光素子の上面の中心を通る軸を指す。光源50は、配線基板240上に等間隔に配置されてもよいし、不等間隔で配置されてもよい。光源50を等間隔で配置する場合、配置ピッチは、互いに異なる二方向の間で同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0016】
図2は、図1に示す発光領域100の一例である発光領域100Aに関する模式的な断面と、導光板210の上面210a側から見たときの外観とを1つの図に示したものである。発光領域100Aは、導光板110Aと、光源50と、光反射性部材31と、配線基板140とを含む。図2は、光源50として発光素子120を適用した構成を例示している。
【0017】
導光板110Aは、上面110aと、上面110aとは反対側の下面110bとを有し、上面110aから下面110bまで貫通する貫通孔10Aを有する。貫通孔10Aは、導光板110の下面110bに位置する開口10b(第1開口)と、導光板110の上面110aに位置する開口10a(第2開口)とを含む。貫通孔10Aの形状は、開口10aおよび10bと、これらの間の導光板110Aの内壁面とで規定される。図2に示す例では、開口10aおよび開口10bのそれぞれは、平面視において正円形状であり、開口10aの直径は、開口10bの直径よりも大きい。
【0018】
本実施形態では、貫通孔10Aは、第1部分11Aと、開口10aを含む第2部分12Aとを有する。図2に示すように、第1部分11Aは、第2部分12Aよりも光源50(図2に示す例では発光素子120)の近くに位置する。
【0019】
導光板110Aの内壁面のうち貫通孔10Aの第1部分11Aを規定する部分は、導光板110Aの上面110aに対して傾斜している第1側面11cを含む。導光板110Aの内壁面のうち貫通孔10Aの第2部分12Aを規定する部分は、導光板110Aの上面110aに位置する開口10aと第1部分11Aの第1側面11cとの間に位置する第2側面12cを含む。本開示の典型的な実施形態では、第2側面12cも、第1部分11Aの第1側面11cと同様に導光板110Aの上面110aに対して傾斜している。
【0020】
図2に例示する構成において、導光板110Aの上面110aに対する傾斜角度は、第1側面11cと第2側面12cとの間で互いに異なっている。詳細には、第1側面11cと上面110aとがなす角度よりも、第2側面12cと上面110aとがなす角度の方が大きい。ただし、これに限らず、第1側面11cと上面110aとがなす角度よりも、第2側面12cと上面110aとがなす角度の方が小さくてもよい。
【0021】
図2に示す例では、貫通孔10Aは、第1部分11Aと導光板110Aの下面110bとの間に位置する第3部分13Aをさらに有している。第3部分13Aは、導光板110Aの下面110bに位置する開口10bと、下面110bに対して垂直な内壁面である第3側面13cとで規定される円柱形状の部分である。
【0022】
光源50としての発光素子120は、貫通孔10Aの第3部分13Aの内部に配置されている。貫通孔10Aの第3部分13A内部の空間のうち、発光素子120を除く部分に、第1透光性部材30が配置されている。換言すると、発光素子120は、第1透光性部材30によって覆われている。
【0023】
本開示の実施形態において、光反射性部材31は、貫通孔10Aのうち、第1部分11Aに選択的に配置される。光反射性部材31は、光源50からの光の少なくとも一部を反射する部材であり、貫通孔10A内において光源50の概ね直上に位置するように配置される。これにより、導光板110Aの上面110aにおいて光源50の直上の輝度が他の領域と比較して極端に高くなることを抑制できる。図2に示す例では、貫通孔10Aの第1部分11Aの内部に光反射性部材31を選択的に配置しているので、光源50の直上の輝度が必要以上に低下することも回避できる。このように、本開示の実施形態によれば、輝度ムラが低減された面状光源を提供できる。さらに、本実施形態では、第1部分11Aの第1側面11cが、導光板110Aの上面110aに対して傾斜していることにより、発光素子120から出射された光をより効率的に導光板110Aの面内に拡散させることができる。
【0024】
貫通孔10Aの第2部分12Aの第2側面12cは、反射面として機能する。図2に示す例では、第2側面12cは、傾斜面である。そのため、第2側面12cにおける反射を利用して、導光板110Aの内部において第2側面12cに向かって進行する光を導光板110Aの面内に戻すことができる。第2部分12Aの内部には、光反射性部材31の材料よりも低い屈折率の部材、あるいは、空気が配置される。
【0025】
図2に示す配線基板140は、図1に示す配線基板240の一部であり、導光板110Aの下面110b側に位置する。配線基板140は、配線層141と、樹脂等の絶縁部144とを含む。配線基板140は、上面140aと、上面140aとは反対側に位置する下面140bとを有する。配線基板140の上面140aと、導光板110Aの下面110bとは、接着シート150により互いに接合されている。後述するように、接着シート150と配線基板140との間には、光反射性の樹脂シート等の他の機能層が配置されることもある。光源50は、配線基板140の配線層141に電気的に接続される。接着シート150に光源50が接合されてもよい。
【0026】
本開示の実施形態によれば、発光素子120からの光を第1側面11cおよび/または第2側面12cによる反射を利用して導光板110Aの面内に効率的に拡散させることができ、輝度ムラを低減できる。さらに、導光板110A、ひいては、面状光源200全体の厚さを低減することが可能になる。配線基板140を含めた、面状光源の全体としての厚さは、例えば、0.8mm以上0.9mm以下の範囲とすることができる。面状光源の薄型化により、バックライトを含む機器をより小型化することが可能になる。
【0027】
以下、発光領域100Aを例にとり、面状光源を構成する各部材の詳細を説明する。
【0028】
[導光板110A]
導光板110Aは、発光素子120からの光をその内部で伝播させて上面110aから出射させる機能を有する。導光板110Aの上面110aは、典型的には、導光板210の上面210aと同様に矩形状を有する。本実施形態において、複数の導光板110Aの上面110aの集合は、面状光源200の発光面を構成する。
【0029】
導光板110Aは、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタラート、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、または、エポキシ、シリコーン等の熱硬化性樹脂から形成される概ね板状の部材であり、透光性を有する。これらの材料のうち、特に、ポリカーボネートは、安価かつ高透過率であるので好ましい。なお、本明細書における「透光性」の用語は、「透明」であることに限定されず、入射した光の50%以上を透過させることをも含む。導光板110Aは、例えば母材とは異なる屈折率を有する材料を含有することにより、光拡散機能を有していてもよい。
【0030】
導光板110Aの厚さ、すなわち、下面110bから上面110aまでの距離は、典型的には、200μm以上800μm以下程度である。本開示の実施形態によれば、導光板110Aの厚さを400μm以上600μm以下程度の範囲とすることも可能である。
【0031】
図3に例示する構成において、導光板110Aの上面110aに対する第1側面11cの傾斜は、第2側面12cの傾斜よりも小さい。このような貫通孔10Aの形状によれば、第1部分11Aおよび第2部分12Aをあわせた深さの増大を回避しながら第1側面11cの面積を増大させられる。したがって、導光板110Aの厚さの増大を回避しながら、第1側面11cに入射した光をより効果的に導光板110Aの面内に拡散できる。
【0032】
導光板110Aの上面110aに対する第2側面12cの傾斜を第1側面11cの傾斜よりも小さくしてもよい。このような構成によれば、導光板110Aの厚さの増大を回避しながら、第2部分12Aの容積を拡大できる。第2部分12Aの容積の拡大により、例えば、第2部分12Aの内部に位置する空気層をより広い領域に拡大できる。したがって、より多くの光が第2側面12cに入射するようになり、光をより効果的に導光板110Aの面内に拡散させることが可能になる。
【0033】
第1側面11cの傾斜の大きさは、断面視において、第1側面11cの下端と上端とを結ぶ線分と、導光板110Aの上面110aに平行な直線とのなす角として求められる。第2側面12cの傾斜についても同様に、断面視において、第2側面12cの下端と上端とを結ぶ線分と、導光板110Aの上面110aに平行な直線とのなす角として求めることができる。
【0034】
断面視における第1側面11cの形状および第2側面12cの形状が曲線の場合、第1部分11Aのうち導光板110Aの下面110bとの間の距離が最も小さい部分である下端部11aと、第1部分11Aの上端部12aとを結ぶ線分をC1とする(図3参照)。この線分C1と、導光板110Aの上面110aに平行な直線とのなす角θ1を第1側面11cの傾斜の大きさとする。同様に、第1部分11Aの上端部12aと第2部分12Aの開口10aとを結ぶ線分C2と、導光板110Aの上面110aに平行な直線とのなす角θ2を第2側面12cの傾斜の大きさとすることができる。
【0035】
図3に例示する構成において、第1側面11cおよび第2側面12cの断面視における形状は、いずれも、曲線状である。しかしながら、第1側面11cおよび第2側面12cの断面視における形状は、曲線状に限定されず、屈曲および/または段差を含む形状、あるいは、直線状等であってもよい。第1側面11cおよび第2側面12cの断面視における形状が互いに一致していてもよく、あるいは、異なっていてもよい。第1側面11cおよび/または第2側面12cの断面視における形状が図3に例示するような曲線状、特に、貫通孔10Aの内部に向かって膨らんだ凸の曲線状であると、導光板110Aの中心から離れた位置まで光を拡散させやすく、上面110a側において輝度ムラを効果的に低減することができる。
【0036】
図3に示す例において、第1部分11Aは、第1部分11Aと第3部分13Aとが接続する部分に位置する下端部11aを有する。第1部分11Aの下端部11aは、第3部分13Aの開口10bと同じ直径の円形を有する。また、第1部分11Aは、第1部分11Aと第2部分12Aとの境界に位置する上端部12aを有する。上端部12aは、第2部分12Aの下端部と一致し、ここでは、下端部11aよりも大きな直径の正円形状を有する。
【0037】
図4は、発光領域の導光板に設けられる貫通孔の形状の他の例を示す。図4に示す発光領域100Bは、貫通孔10Bが設けられた導光板110Bを含む。
【0038】
図3を参照して説明した貫通孔10Aと同様に、貫通孔10Bは、第1側面11cを有する第1部分11Bと、第2側面12cを有する第2部分12Aと、第3側面13cを有する第3部分13Aとを含む。これらのうち、第2部分12Aと第3部分13Aとの間に位置する第1部分11Bは、上端部12aと第1側面11cとの間に位置する内壁面11wをさらに有する。
【0039】
図4に例示する構成において、内壁面11wは、導光板110Bの上面110aに対して概ね垂直である。第1部分11Bの内壁面11wは、図のZ方向に沿って例えば50μm程度の高さを有する。
【0040】
上述したように、光反射性部材31は、導光板の貫通孔内の一部に配置される。図4に示す例では、光反射性部材31は、貫通孔10Bのうち第1部分11Bの下端部11aから上端部12aまでの空間に配置されており、概ね円柱形状の部分と、概ね逆円錐台状の部分とを結合した形状を有する。
【0041】
第1部分11Bの第1側面11cと上端部12aとの間に内壁面11wを設けることにより、光反射性部材31の形成時に、光反射性部材31の材料が上端部12aの位置を越えて第2部分12Aの第2側面12c上に拡がることを抑制できる。そのため、光反射性部材31の材料の一部が第2部分12Aの第2側面12c上に不規則に残ることに起因する輝度ムラの発生を回避できる。なお、内壁面11wは、第1部分11Bが導光板110Bの下面110b側から上面110aに向かって拡がるような形状を有するように、導光板110Bの上面110aの法線に対して5°程度までの範囲で傾斜していてもよい。
【0042】
導光板に設けられる貫通孔の第1部分および第2部分の形状は、多角錐台形状等であってもよい。貫通孔の第1部分の深さは、例えば、100μm以上200μm以下の範囲とすることができる。第1部分と第2部分との境界に位置する上端部12aの直径は、例えば2.0mm程度、第2部分12Aの開口10aの直径は、例えば3.0mm程度とすることができる。
【0043】
また、ここでは、貫通孔の第3部分は、円柱形状を有している。開口10bの大きさ(直径といってもよい)は、例えば1.0mm程度である。第3部分の開口10bおよび第1部分の下端部11aのそれぞれの幅(直径)は、貫通孔内に位置する光源50の形状に応じて適宜決定される。なお、第3部分の形状は、円柱形状に限定されず、例えば、角柱形状であってもよい。
【0044】
図4に例示する構成において、第3部分の第3側面13cの断面視における形状は、概ね直線状である。しかしながら、第3側面13cの断面視における形状は、直線状に限定されず、屈曲および/または段差を含む形状、あるいは、曲線状等であってもよい。
【0045】
図5は、発光領域の導光板に設けられる貫通孔の形状のさらに他の例を示す。図5に示す発光領域100Cは、貫通孔10Cが設けられた導光板110Cを含む。
【0046】
導光板110Cは、第1部分11B、第2部分12Aおよび第3部分13Cを含む貫通孔10Cを有する。図5に示す例では、第3部分13Cの第3側面13cの一部は、導光板110Cの上面110aに向かって拡がるように傾斜した形状を有している。このように、第3側面13cの少なくとも一部が、導光板の上面110aに対して傾斜する形状を有していてもよい。貫通孔の第3部分の形状は、円錐台形状もしくは逆円錐台形状、または、多角錐台形状もしくは逆多角錐台形状等であってもよい。
【0047】
導光板110A~110Cは、単層であってもよく、複数の透光性の層を含む積層構造を有していてもよい。複数の透光性の層を積層する場合には、任意の層間に空気層等の、他とは屈折率の異なる層を介在させてもよい。
【0048】
[光反射性部材31]
光反射性部材31の材料は、例えば、光反射性のフィラーを含有する樹脂材料等である。ここで、本明細書において、「光反射性」とは、発光素子120の発光ピーク波長における反射率が60%以上であることを指す。光反射性部材31の、発光素子120の発光ピーク波長における反射率が70%以上であるとより有益であり、80%以上であるとさらに有益である。
【0049】
光反射性部材31の母材としては、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド(PPA)等の樹脂材料を用いることができる。光反射性のフィラーとしては、金属の粒子、または、母材よりも高い屈折率を有する無機材料もしくは有機材料の粒子を用いることができる。光反射性のフィラーの例は、二酸化チタン、酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライト、酸化ニオブ、硫酸バリウムの粒子、または、酸化イットリウムおよび酸化ガドリニウム等の各種希土類酸化物の粒子等である。光反射性部材31が白色を有すると有益である。
【0050】
光反射性部材31に含有される光反射性のフィラーは、光反射性部材31の全体に分散されていてもよいし、光反射性部材31内において偏って配置されていたりまたは分布に勾配を有していたりしていてもよい。例えば、光反射性部材31の形成の工程において母材の硬化前にフィラーを沈降させることにより、光反射性部材31中の光反射性のフィラーの分布に偏りを生じさせることができる。平面視における単位面積あたりのフィラーの数で定義されるフィラーの数密度が、光反射性部材31の外縁付近と比較して中央付近において相対的に高いと、発光素子120の直上の領域の輝度を低減しやすい。光反射性部材31の反射率は、例えば、10%~95%程度とすることができる。
【0051】
図3図5に示す例では、光反射性部材31の上面31aは、概ね平坦面である。ただし、光反射性部材31の上面31aの形状は、この例に限定されず、発光素子120とは反対側に突出する凸状、あるいは、発光素子120側に窪んだ凹状等であってもよい。特に、光反射性部材31の上面31aが、発光素子120とは反対側に突出する凸状であると、第1部分11Aの上端部12aの位置を基準としたときの光反射性部材31の中央付近の厚さが相対的に大きくなる結果、発光素子120の直上の領域の輝度をより効果的に低減できる。
【0052】
本開示の典型的な実施形態において、光反射性部材31は、貫通孔を閉塞する形状を有する。例えば図3に示す例において、光反射性部材31は、第1部分11Aの下端部11aと上端部12aとの間に配置されている。光反射性部材31は、平面視において第1部分11Aの上端部12aの内側の領域の全体を覆うような形状を有し得る。他方、図6に示す例では、光反射性部材31は、平面視において第1部分11Aの上端部12aよりも大きく拡がるように貫通孔10A内に配置されている。つまり、光反射性部材31は、第1部分11Aの上端部12aよりも上側であって、第2部分12Aの内部に位置する部分を含んでいてもよい。なお、第2側面12cの傾斜が第1側面11cの傾斜よりも急であると、光反射性部材31の一部が第2部分12Aの内部に達していても、平面視において貫通孔10Aに占める光反射性部材31の面積を低減しやすい。すなわち、貫通孔10A付近の輝度が不必要に低くなり過ぎることを回避しやすくなる。
【0053】
光反射性部材31は、第1部分11Aの少なくとも一部を占めていればよい。光反射性部材31は、例えば、第1部分11Aの容積の50%以上を占めることができる。第1部分11A内において、光反射性部材31は、単層構造を有していてもよいし、積層構造を有していてもよい。
【0054】
[発光素子120]
図2では、光源50として発光素子120を例示している。図7に模式的に示すように、発光素子120は、半導体積層体125と、正負一対の電極124とを有する。図示する例において、電極124は、発光素子120の上面120aとは反対側に位置している。
【0055】
半導体積層体125は、例えば、サファイアまたは窒化ガリウム等の素子基板と、素子基板上の1以上の半導体層とを含む。半導体層は、n型半導体層およびp型半導体層と、これらに挟まれた発光層とを含む。半導体層は、紫外~可視域の発光が可能な窒化物半導体(InxAlyGa1-x-yN、0≦x、0≦y、x+y≦1)を含んでいてもよい。
【0056】
面状光源200中の各発光領域100(例えば発光領域100A)の光源50は、1以上の発光素子120を含む。発光素子120は、青色光を出射する素子であってもよいし、青色以外の波長域の光を出射する素子であってもよい。半導体積層体125中の発光層は、ダブルヘテロ接合または単一量子井戸(SQW)等の構造を有していてよいし、多重量子井戸(MQW)の構造を有していてもよい。
【0057】
半導体積層体125は、複数の発光層を含むこともできる。例えば、半導体積層体は、n型半導体層とp型半導体層との間に複数の発光層を含む構造を有していてもよいし、n型半導体層と発光層とp型半導体層とを順に含む構造が複数回繰り返された構造を有していてもよい。発光層から出射される光の色(発光色)は、これら複数の発光層の間で異なっていてもよいし、これら発光層の間で同じとされていてもよい。ここで、「発光色が同じ」には、ピーク波長に数nm程度のばらつきがあるような場合も含まれる。複数の発光層の発光色の組み合わせは、適宜選択することができる。例えば、半導体積層体が2つの発光層を含む場合、これら発光層からの発光色の組み合わせとして、青色と青色、緑色と緑色、赤色と赤色、青色と緑色、青色と赤色、または、緑色と赤色の組み合わせ等が挙げられる。半導体積層体125は、紫外光を出射する発光層を含んでいてもよい。紫外光の場合、上述の「発光色」を「ピーク波長」と読み替えることができる。
【0058】
以下では、発光素子120として、青色光を出射する発光素子を例示する。図7に示すように、各発光領域100A中の発光素子120は、導電部材40によって配線層141に電気的に接続される。
【0059】
発光素子120の平面視における形状は、典型的には、矩形状である。発光素子120の矩形状の一辺の長さは、例えば1000μm以下である。発光素子120の矩形状の縦および横の寸法は、500μm以下であってもよい。縦および横の寸法が500μm以下の発光素子は、安価に調達しやすい。あるいは、発光素子120の矩形状の縦および横の寸法は、200μm以下であってもよい。発光素子120の矩形状の一辺の長さが小さいと、液晶表示装置のバックライトユニットへの適用において、高精細な映像の表現、ローカルディミング動作等に有利である。特に、縦および横の両方の寸法が250μm以下であるような発光素子は、上面の面積が小さくなるので発光素子の側面からの光の出射量が相対的に大きくなる。したがって、バットウィング型の配光特性を得やすい。ここで、バットウィング型の配光特性とは、広義には、発光素子の上面に垂直な光軸を0°として、0°よりも配光角の絶対値が大きい角度において発光強度が高い発光強度分布で定義されるような配光特性を指す。
【0060】
[配線基板140(配線基板240)]
配線基板240の例は、フレキシブルプリント基板(FPC)である。配線基板240は、両面プリント基板であってもよいし、片面プリント基板であってもよい。
【0061】
図7に示す例では、配線層141は、配線基板140の上面140a側に位置する第1配線層141aおよび配線基板140の下面140b側に位置する第2配線層141bを含んでいる。第1配線層141aおよび第2配線層141bの材料の典型例は、銅等の金属であり、第1配線層141aおよび第2配線層141bは、配線層141内部においてビア等の導電部材(図7において不図示)により互いに電気的に接続される。
【0062】
図7に示す例では、第2配線層141bの一部は、配線基板240の端部に位置する端子部248において絶縁部144から露出されている。端子部248は、面状光源200をドライバ等に接続するための接続端子として機能する。端子部248は、図7に示すように、ポリイミド等から形成された板状の補強部材246を有していてもよい。
【0063】
第1配線層141aおよび第2配線層141bは、種々の配線パターンとすることができる。例えば、面状光源200中の複数の光源50を直列または並列に接続し、複数の光源50を一斉に点灯および消灯させるような配線パターンとすることができる。あるいは、複数の光源50を複数のグループに分け、光源50の点灯および消灯をグループ単位で個別に制御可能な配線パターンとすることができる。導電部材40のうち配線基板140の下面140b側に表れた部分は、図7に示すように樹脂等の絶縁性の保護部材145によって覆うことができる。
【0064】
絶縁部144は、第1配線層141aおよび第2配線層141bを支持するシート状の絶縁基材144sと、配線基板140の上面140a側において第1配線層141aを覆う第1被覆層144tと、配線基板140の下面140b側において第2配線層141bを覆う第2被覆層144uと、上述の保護部材145とを含む。第1被覆層144tと絶縁基材144sとの間、および/または、絶縁基材144sと第2被覆層144uとの間に、エポキシ、アクリル、オレフィン等の樹脂材料の接着層が配置されることもある。
【0065】
絶縁部144の絶縁基材144sは、例えば、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタラート(PEN)、ポリエチレンテレフタラート(PET)等の樹脂から形成される。絶縁基材144sの材料として、National Electrical Manufacturers Association(NEMA)に規定されている例えばFR4を適用してもよい。第1配線層141aおよび第2配線層141bからの電気的絶縁が確保されていれば、金属基板を絶縁基材144sに適用することも可能である。第1被覆層144tおよび第2被覆層144uの材料は、例えば、PI、PEN、PET、エポキシ等の樹脂である。
【0066】
図8は、面状光源の他の一例を示す。図8に示す面状光源300の発光領域100は、25行40列に配置されている。面状光源300における発光領域100の数および配置は、この例に限定されず、任意である。図8に例示するような、それぞれが複数の光源50を有する面状光源300を二次元または一次元に配置することにより、より大面積の発光面を有する面状光源装置を得ることができる。
【0067】
[第1透光性部材30]
第1透光性部材30は、導光板の貫通孔(例えば導光板110Aの貫通孔10A)内に位置し、光源50(例えば発光素子120)を覆う。第1透光性部材30の材料には、透明な樹脂を母材として含む樹脂材料を適用できる。第1透光性部材30の母材として、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリノルボルネン樹脂、ポリエチレンテレフタラートもしくはポリエステル、または、これらの2種以上を含む材料が挙げられる。
【0068】
第1透光性部材30は、単一の層から構成されていてもよいし、複数の層を含んでいてもよい。複数の層の一部または全部に、例えば母材とは異なる屈折率を有する材料および/または蛍光体を含有させてもよい。
【0069】
第1透光性部材30は、発光素子120の発光ピーク波長を有する光に対して、例えば60%以上の透過率を有する。光を有効に利用する観点から、発光素子120の発光ピーク波長における第1透光性部材30の透過率が70%以上であると有益であり、80%以上であるとより有益である。発光素子120からの光を導光板の内部に効率的に導入する観点からは、第1透光性部材30が導光板の材料と同等かあるいは導光板の材料よりも高い屈折率を有していると有利である。
【0070】
第1透光性部材30の上面30aは、平坦な面とすることがきる。あるいは、第1透光性部材30の上面30aは、第1部分11Aの下端部11aの位置を基準として上側に盛り上がった形状、または、下側に窪んだ形状とすることができる。
【0071】
[接着シート150]
接着シート150としては、接着層を有する公知の樹脂シートを用いることができる。例えば、シート状の光学用透明粘着剤(OCA)を接着シート150に適用できる。
【0072】
接着シート150は、光反射性を有していてもよい。接着シート150が光反射性を有することにより、光源50から導光板に導入されて導光板の下面110bに向かう光を接着シート150により導光板の上面110aに向けて反射させることができ、光の利用効率が向上する。接着シート150の、発光素子120の発光ピーク波長における反射率が70%以上であると有益であり、80%以上であるとより有益である。
【0073】
[光反射性シート160]
図7に例示するように、面状光源は、光反射性シート160をさらに有することができる。光反射性シート160は、例えば、接着シート150と、配線基板140上に位置する接着シート170との間に配置される。
【0074】
光反射性シート160は、導光板内部において配線基板140側に向かって進行する光を導光板の上面110aに向けて反射させることにより、光の利用効率を向上させる。光反射性シート160の材料としては、上述の光反射性部材31の材料と同様に、樹脂中に光反射性のフィラーが含有された樹脂材料を適用できる。光反射性シート160は、例えば、ポリエチレンテレフタラートを母材として含む樹脂シートである。光反射性シート160中に含有される光拡散材としては、例えば酸化チタンの粒子を用いることができる。母材中に光拡散材を含有させることに代えて、多数の気泡を含む白色のポリエチレンテレフタラートのシートを光反射性シート160として用いてもよい。
【0075】
光反射性シート160が、光源50の直下に位置する部分を有していると有益である。換言すれば、光反射シートの一部が導光板の貫通孔内に位置することが好ましい。接着シート150の一部が導光板の貫通孔内に位置することにより、接着シート150によって光源50を光反射性シート160に接合することが可能になる。光源50の電極が貫通可能な孔を光反射性シート160および接着シート170のうち導光板の貫通孔内に位置する部分に設けることにより、導電部材40を介して光源50の電極を配線基板140の配線層141に電気的に接続することが可能になる。
【0076】
光反射性シート160の厚さは、例えば、35μm以上350μm以下が好ましく、50μm以上100μm以下がより好ましい。光反射性シート160に、ルミラー(登録商標)の名称で市販されている東レ株式会社製の樹脂シート(#38-E20、#50-E20、#75-E20、#100-E20、#188-E6SR等)、あるいは、3M社製の光反射性シート(ESRシリーズ)等を用いてもよい。光反射性シート160の表面は、鏡面反射面であってもよいし、拡散反射面であってもよい。
【0077】
[接着シート170]
接着シート170は、配線基板140と光反射性シート160との間に配置され、光反射性シート160を配線基板140の上面140aに固定する。接着シート170は、例えば、アクリル等の樹脂材料から形成される接着層である。ボンディングシート等の、接着層を有する公知の樹脂シートを接着シート170として用いてもよい。上述の接着シート150と同様に、接着シート170は、光反射性を有していてもよい。
【0078】
図9は、発光領域100のさらに他の一例である発光領域100Dを示す。図9に示す発光領域100Dは、貫通孔10Dが設けられた導光板110Dを含む。図9に示すように、貫通孔10Dは、導光板110Dの上面110aから下面110bに向かって、第2部分12A、第1部分11Dおよび第3部分13Aを有している。
【0079】
図2に示す貫通孔10Aの第1部分11Aの上端部12aは、平面視において正円形状である。これに対し、図9に示す貫通孔10Dの第1部分11Dの上端部12aは、オーバル形である。ここでは、第1部分11Dの上端部12aのオーバル形は、X方向と比較してY方向に長い。
【0080】
本明細書において、「オーバル形」とは、互いに直交する2つの対称軸を持つ閉曲線を指し、楕円、長円および角丸長方形、ならびに、これらを組み合わせた形状等を広く含む。互いに直交する2つの対称軸とは、例えば楕円の場合、その楕円に関する長軸および短軸である。以下の説明では、オーバル形として楕円を例示する。
【0081】
図9に例示する構成において、第1部分11Dの上端部12aの形状は、第1軸としての第1長軸LAと、第1長軸に直交する、第2軸としての第1短軸SAとによって規定される楕円形である。ここでは、上端部12aの楕円形の第1長軸は、図のY方向に平行であり、第1短軸は、第1長軸よりも短くかつ図のX方向に平行である。第1長軸と第1短軸とは、平面視において導光板110Dの概ね中央で交差し、発光素子120は、その光軸がこれらの軸の交点を通るように貫通孔10Dの第3部分13A内部に配置される。
【0082】
面状光源200が液晶表示装置等のバックライトとして用いられる場合、面状光源200の発光面を構成する導光板210の上面210aは、典型的には、長方形である。このとき、面状光源200を構成する1以上の導光板110Dのそれぞれの上面110aの形状を、面状光源200の長方形と相似の長方形とすることができる。その場合、上端部12aの楕円形を規定する第1長軸は、導光板110Dの長方形の短辺に平行であり、第1短軸は、導光板110Dの長方形の長辺に平行である。これにより、導光板の上面における輝度ムラを低減する効果を得られることがある。
【0083】
導光板の上面が長方形状を有する場合、第1部分11Dの上端部12aの平面視形状を、導光板の長方形状の短辺に平行な第1軸と、長方形状の長辺に平行かつ第1軸よりも短い第2軸とを有する形状とすることができる。例えば、第1部分11Dの上端部12aの平面視形状を、図9に示すように、導光板110Dの長方形状の短辺の延びる方向に引き延ばされたオーバル形とすることができる。
【0084】
本開示の実施形態では、貫通孔10Dのうち第1部分11Dに光反射性部材31が配置されており、導光板110D内部における光の反射のうち、第1部分11Dの第1側面11cの位置での反射は、拡散反射が支配的である。そのため、第1部分11Dの上端部12aの平面視形状を導光板110Dの長方形状の短辺の延びる方向に引き延ばされたオーバル形とすることにより、導光板110Dの長方形状の長辺側の側面に到達する光を低減し得る。これにより、上面110a側から見たときの、導光板110Dの長方形状の長辺の特に中央付近の輝度を低減し得る。すなわち、輝度ムラを低減することが可能になる。
【0085】
第1部分11Dの上端部12aのオーバル形に関し、2つの対称軸に沿った方向の長さの比は、導光板の長方形状の長辺の長さと短辺の長さとの間の比(アスペクト比)に基づいて決定できる。例えば面状光源200の導光板210の長方形状のアスペクト比が16:10であり、面状光源200が16個の発光領域100Dの4行4列の配列を含む場合、各発光領域100Dの導光板110Dの上面110aも、導光板210と同じアスペクト比の長方形状とすることができる。このとき、第1部分11Dの上端部12aの第1の対称軸(例えば第1長軸)に沿った長さと第2の対称軸(例えば第1短軸)に沿った長さとの間の比は、導光板110Dの長方形状のアスペクト比に応じて16:10とすることができる。上端部12aの第2の対称軸に沿った長さに対する、第1の対称軸に沿った長さの比率は、例えば、(6.0/5.5)~(2/1)の範囲である。導光板110Dの長方形状の長辺または短辺に沿った、第1部分11Dの上端部12aの大きさは、例えば2mm~2.5mm程度の範囲である。
【0086】
図10は、発光領域100のさらに他の一例である発光領域100Eを示す。図9に示す発光領域100Eは、貫通孔10Eが設けられた導光板110Eを含む。貫通孔10Eは、下端部11aおよび上端部12aを含む第1部分11Dと、開口10aを含む第2部分12Eとを有する。
【0087】
図10に示す例では、貫通孔10Eの第1部分11Dの上端部12aおよび第2部分12Eの開口10aの両方が楕円形である。上端部12aの楕円形の長軸と、開口10aの楕円形の長軸とは、互いに直交する。第2部分12Eの開口10aの互いに直交する第3軸と、第3軸よりも短い第4軸とは、それぞれ、導光板110Dの長方形状の長辺および短辺に平行である。
【0088】
この例では、第2部分12Eの開口10aが、導光板110Eの長方形状の長辺の延びる方向に引き延ばされたオーバル形とされている。導光板110Eの、Y方向に延びる側面と、第2部分12Eの第2側面12cとの間の距離が縮小することにより、導光板110E内部においてX方向に光が伝播しやすくなる。他方、Y方向に注目すると、導光板110Eの、X方向に延びる側面と、第2部分12Eの第2側面12cとの間の距離が拡大している。これにより、X方向とY方向との間で、第2部分12Eの第2側面12cによる反射のバランスが取れることになり、輝度ムラを効果的に低減することが可能となる。
【0089】
第2部分12Eの開口10aの第1の対称軸に沿った長さと、第2の対称軸に沿った長さとの間の比は、導光板110Dの長方形状のアスペクト比に応じて決定できる。例えば、開口10aの第3軸のと第4軸の長さとの間の比は、16:10であってもよい。導光板110Dの長方形状の長辺または短辺に沿った、第2部分12Aの開口10aの大きさは、例えば3mm~4mm程度の範囲とすることができる。
【0090】
(実施形態2)
図11は、本開示の他のある実施形態による面状光源を構成する発光領域のうちの1つを取り出してその断面を模式的に示している。図11に示す発光領域100Fは、光源50として、発光素子120に代えて発光装置50Fを第3部分13Cの内部に有している。
【0091】
[発光装置50F]
発光装置50Fは、発光素子120と、第2透光性部材52と、被覆部材54とを含む。発光装置50Fの平面視における形状は、典型的には、矩形状である。発光装置50Fの上面の一辺の長さは、例えば、500μm~1000μm程度である。貫通孔10Bの内部において、発光装置50Fは、その上面の矩形状の一辺が導光板110Cの矩形状の一辺と概ね平行となるように、または、導光板110Cの矩形状の一辺に対して傾斜するように配置することができる。
【0092】
発光領域の中心、導光板の貫通孔の中心および光源の光軸は、概ね一致することが好ましい。ただし、発光領域100Fの、面状光源200中の位置に応じて、これらの位置関係を調整してもよい。すなわち、注目した発光領域100Fが面状光源200の中央付近に位置するか、あるいは、外周に近い位置にあるか等に応じて、発光領域の中心、導光板の貫通孔の中心および光源の光軸のいずれか1つを基準としたときの他の2つの配置を調整してもよい。これは、光源50に発光素子120を適用した実施形態1においても同様である。
【0093】
[第2透光性部材52]
第2透光性部材52は、第1透光性部材30と同様に透光性を有し、発光素子120の上面120aおよび/または側面を覆う。第2透光性部材52の材料としては、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、トリメチルペンテン樹脂、ポリノルボルネン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂もしくはフッ素樹脂、または、これらの樹脂の2種以上を含む樹脂を用いることができる。第1透光性部材30に効率的に光を導入する観点からは、第2透光性部材52の材料が第1透光性部材30の材料よりも低い屈折率を有すると有益である。第2透光性部材52の材料に母材とは屈折率の異なる材料を含有させることにより、第2透光性部材52に光拡散の機能を付与することができる。例えば、第2透光性部材52の母材に、二酸化チタン、酸化ケイ素等の粒子を含有させてもよい。
【0094】
第2透光性部材52は、蛍光体の粒子等を含んでいてもよい。第2透光性部材52中の蛍光体は、発光素子120から出射された光の少なくとも一部を吸収し、発光素子120からの光の波長とは異なる波長の光を発する。この場合、第2透光性部材52は、発光素子120からの青色光の一部を波長変換して例えば黄色光を発することができる。このような構成によれば、第2透光性部材52を通過した青色光と、第2透光性部材52に含まれる蛍光体から発せられた黄色光との混合によって、白色光が得られる。
【0095】
図11に例示する構成において、発光素子120から出射された光は、基本的に第2透光性部材52を介して導光板110Cの内部に導入される。したがって、混色後の光が導光板110Cの内部で拡散されることになり、輝度ムラの低減された例えば白色光を導光板110Cの上面110aから取り出すことが可能である。
【0096】
第2透光性部材52中に含有させられる蛍光体には、公知の材料を適用することができる。蛍光体の例は、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Y(Al,Ga)12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu(Al,Ga)12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb(Al,Ga)12:Ce)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)(O,N):Eu)、α系サイアロン蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)、窒化物系蛍光体、または、フッ化物系蛍光体である。窒化物系蛍光体としては、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN:Eu)またはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN:Eu)等を用いることができる。フッ化物系蛍光体としては、KSF系蛍光体(例えば、KSiF:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K(Si,Al)F:Mn)またはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn)等を用いることができる。
【0097】
イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(YAG系蛍光体)は、青色光を黄色光に変換する波長変換物質の例である。βサイアロン蛍光体は、青色光を緑色光に変換する波長変換物質の例である。CASN系蛍光体およびSCASN系蛍光体は、青色光を赤色光に変換する波長変換物質の例であり、KSF系蛍光体、KSAF系蛍光体、MGF系蛍光体も、青色光を赤色光に変換する波長変換物質の例である。蛍光体は、ペロブスカイト構造を有する蛍光体(例えば、CsPb(F,Cl,Br,I))、または、量子ドット蛍光体(例えば、CdSe、InP、AgInSまたはAgInSe)等であってもよい。
【0098】
[被覆部材54]
被覆部材54は、発光素子120の上面120aとは反対側の下面120bの少なくとも一部を覆う部材である。例えば図11に示す例では、被覆部材54は、第2透光性部材52のうち上面52aとは反対側に位置する面も覆っている。なお、発光素子120の電極124の下面は、被覆部材54から露出され、導電部材40によって配線基板140の配線層141に接続される。
【0099】
被覆部材54は、典型的には、光反射性を有する。被覆部材54の材料としては、上述の光反射性部材31と同様に、例えば、光反射性のフィラーを含有する白色の樹脂材料を適用することができる。被覆部材54の材料は、光反射性部材31の材料と共通であってもよいし、異なっていてもよい。
【0100】
電極124の下面を除いて発光素子120の下面120bを被覆部材54で覆うことにより、発光素子120の半導体積層体125から出射された光のうち発光素子120の下面120bに向かう光を被覆部材54によって例えば導光板110Cの上面110aに向けて反射させることができる。すなわち、発光装置50Fに被覆部材54を設けることにより、光の利用効率を向上させることができる。
【0101】
図12は、本開示のさらに他のある実施形態による面状光源の例示的な構成を示す。図12に示す発光領域100Gは、導光板110Cの上面110aの上方に配置された拡散シート220をさらに有している。ここでは、拡散シート220の上面220aの上方にさらに第1プリズムシート221および第2プリズムシート222が配置されている。また、発光領域100Gは、発光装置50Fに代えて発光装置50Gを有する。発光装置50Gは、第2透光性部材52の上面52aの全体を覆う第2の光反射性部材56をその一部に含んでいる。
【0102】
[光反射性部材56]
図12に示すように、第2透光性部材52の上面52a上に第2の光反射性部材56を配置してもよい。光反射性部材56の材料の例は、光反射性部材31または被覆部材54と同様の材料、例えば、二酸化チタンの粒子を含有する樹脂材料である。発光素子120の上方に例えば層状の光反射性部材56を配置することにより、発光領域100Gの発光面における輝度ムラを効果的に低減できる。光反射性部材56の、発光素子120から出射された光に対する反射率は、光反射性部材31と同様に、10%~95%程度とできる。
【0103】
本実施形態では、発光装置50Gを覆う第1透光性部材30上にさらに光反射性部材31が位置している。これにより、発光領域100Gの発光面のうち発光素子120の直上の領域と、発光素子120から離れた位置との間の輝度差をより効果的に低減できる。発光領域100Gの発光面のうち発光素子120の直上の領域と、発光素子120から離れた位置との間の輝度差を低減する観点からは、光反射性部材31が、平面視において少なくとも貫通孔の第1部分の全体を覆うような形状を有していることが有益である。
【0104】
[拡散シート220]
図12に示す例では、導光板110Cの上面110aの上方に拡散シート220が配置されている。導光板110Cの上面110aに対向する、拡散シート220の下面220bは、導光板110Cの上面110aの少なくとも一部に接していてもよいし、導光板110Cの上面110aから離れていてもよい。
【0105】
拡散シート220は、例えば、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル、ポリエチレン等の、可視光に対して光吸収の少ない材料から形成される。光を拡散させる構造は、拡散シート220の表面に凹凸を設けたり、母材とは異なる屈折率を有する材料を拡散シート220中に含有させたりすることによって拡散シート220に設けられる。拡散シート220として、光拡散シート、ディフューザーフィルム等の名称で市販されている光学シートを利用できる。拡散シート220の厚さは、例えば0.443mm程度である。
【0106】
[第1プリズムシート221、第2プリズムシート222]
第1プリズムシート221は、それぞれが所定の方向に延びる複数のプリズムが形成された表面を有する。同様に、第2プリズムシート222は、それぞれが所定の方向に延びる複数のプリズムが形成された表面を有する。例えば、第1プリズムシート221は、図12において、それぞれが図のX方向に延びる複数のプリズムを有し、第2プリズムシート222は、それぞれがY方向に延びる複数のプリズムを有する。
【0107】
第1プリズムシート221および第2プリズムシート222としては、市販されているバックライト用の光学部材を広く適用できる。第1プリズムシート221および第2プリズムシート222の厚さは、それぞれ、例えば0.07mm、0.09mm程度である。拡散シート220、第1プリズムシート221および第2プリズムシート222は、互いに接していてもよいし、配線基板240上に配置される枠等に固定されることにより、互いに間隔をあけて導光板110Cの上方に配置されてもよい。拡散シート220、第1プリズムシート221および第2プリズムシート222等の光学シートに代えて、また、これらの1以上とともに、蛍光体の粒子等を含有する蛍光体シートを導光板110Cの上方に配置してもよい。
【0108】
(光源の変形例)
以下、本開示の実施形態による面状光源の光源50に適用可能な発光装置を図13図16に例示する。図13に示す発光装置50Aは、発光素子120と、第2透光性部材52Aと、被覆部材54Aと、光反射性部材56Aとを含む。
【0109】
発光装置50Aにおいて、第2透光性部材52Aは、板状であり、発光素子120の上面120aと、被覆部材54Aの上面54aとを覆っている。第2透光性部材52Aは、ケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸ガラスもしくは石英ガラス、または、サファイアなどの無機材料から形成されてもよい。光反射性部材56Aは、典型的には、光反射性を有する樹脂層であり、第2透光性部材52Aの上面52a上に配置される。
【0110】
この例では、被覆部材54Aは、発光素子120の側面120cの全体と、下面120bのうち電極124の配置された領域以外の領域とを覆っている。電極124の下面124bは、被覆部材54Aから露出される。
【0111】
被覆部材54Aは、典型的には、白色であり、光反射性を有する。被覆部材54Aが発光素子120の側面120cの全体を覆うことにより、発光素子120からの光は、主に発光素子120の上面120aから取り出される。また、光反射性部材56Aが第2透光性部材52Aの上面52a上に位置することにより、発光素子120から出射された光の大部分は、第2透光性部材52Aの側面52cから発光装置50Aの外部に出射する。このような発光装置の構成は、導光板の面内に光を拡散させやすく輝度ムラを有利に低減できる。
【0112】
図13に例示するような構造において、発光素子120は、透光性の接着剤によって第2透光性部材52Aに接合される。この場合、透光性の接着剤の一部は、発光素子120の側面120c上に位置することがある。被覆部材54Aは、透光性の接着剤のうち発光素子120の側面120c上に位置する部分をも覆う。
【0113】
図14に示す発光装置50Bは、図13に示す発光装置50Aの第2透光性部材52Aおよび被覆部材54Aに代えて、第2透光性部材52Bおよび被覆部材54Bを有する。被覆部材54Bは、発光素子120の側面120cだけでなく第2透光性部材52Bの側面52cをも覆っている。発光装置50Bは、第2透光性部材52Bの上面52aを覆う光反射性の構造を有しておらず、また、第2透光性部材52Bの上面52aは、被覆部材54Bから露出されている。このような構成によれば、発光素子120の上方に向けて光を取り出しやすい。
【0114】
図15に示す発光装置50Cは、図13に示す発光装置50Aから光反射性部材56Aを省略した例である。図11に示す発光装置50Fからさらに被覆部材54を省略した構成も、導光板の貫通孔内部に配置される光源に適用可能である。すなわち、発光素子120の電極124の側面上に被覆部材54が位置しないような構成も本開示の実施形態の面状光源200、300中の光源50に適用可能である。
【0115】
図16に示すように、単一の発光装置が複数の発光素子を有していてもよい。図16に示す発光装置50Dは、第1発光素子121、第2発光素子122および第3発光素子123を含む。発光装置50Dは、さらに、第2透光性部材52Dと、接合部材58と、第1被覆部材54Dと、第2被覆部材55Dとを含んでいる。
【0116】
図16に示す例では、第1発光素子121、第2発光素子122および第3発光素子123が直線状に一列に配置されている。しかしながら、発光装置50D中の発光素子の配置は、この例に限定されない。発光装置50Dに含まれる発光素子の数および発光ピーク波長の組み合わせも、面状光源の用途に応じて適宜に変更可能である。第1発光素子121、第2発光素子122および第3発光素子123は、互いに発光ピーク波長の異なる発光素子の組であってもよいし、発光ピーク波長が同じ発光素子の組であってもよい。
【0117】
図16に例示する構成において、第2透光性部材52Dは、第1発光素子121、第2発光素子122および第3発光素子123の上方に位置し、これらの発光素子の上面120aを一括して覆っている。この例では、接合部材58により、第2透光性部材52Dの下面52bに第1発光素子121、第2発光素子122および第3発光素子123が固定されている。接合部材58は、例えば透光性の接着剤である。
【0118】
発光装置50Dでは、ピーク波長が互いに異なる複数の発光素子を含む場合、ピーク波長の異なる光が第2透光性部材52Dの内部で混合される。第2透光性部材52D中に光拡散材(例えば、二酸化チタン、酸化ケイ素等の粒子)を含有させることにより、第2透光性部材52Dに光拡散の機能を付与すると有益である。第2透光性部材52Dは、蛍光体の粒子を含有していなくてもよいし、含有していてもよい。
【0119】
第1被覆部材54Dは、各発光素子の電極124の下面124bを除いてこれら発光素子と接合部材58とを覆う光反射性の部材である。第2被覆部材55Dは、第1被覆部材54Dの上面54a上に位置し、第2透光性部材52Dを取り囲むようにして第2透光性部材52Dの側面52cを覆っている。第2被覆部材55Dは、第1被覆部材54Dと同様に光反射性を有し、第1発光素子121、第2発光素子122および第3発光素子123からの光は、第2透光性部材52Dの上面52aから発光装置50Dの外部に取り出される。なお、この例では、第2被覆部材55Dの側面55cは、第1被覆部材54Dの側面54cに整合している。
【0120】
これら発光装置50A~50D、50Fは、発光領域100Fまたは100Gのみでなく、図2図10を参照しながら説明した発光領域100A~100Eのいずれと組み合わされてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本開示の実施形態は、各種照明用光源、車載用光源、ディスプレイ用光源等に有用である。特に、液晶表示装置に向けられたバックライトユニットに有利に適用できる。本開示の実施形態による面状光源は、厚さ低減の要求が厳しいモバイル機器の表示装置用のバックライト、ローカルディミング制御が可能な面発光装置等に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0122】
10、10A~10E 導光板の貫通孔
11A、11B、11D、11E 貫通孔の第1部分
11c 貫通孔の第1部分の第1側面
11w 内壁面
12A、12E 貫通孔の第2部分
12c 貫通孔の第2部分の第2側面
13A、13C 貫通孔の第3部分
13c 貫通孔の第3部分の第3側面
30 第1透光性部材
31 光反射性部材
50 光源
50A~50D、50F、50G 発光装置
52、52A、52B、52D 第2透光性部材
54、54A、54B、54D、55D 被覆部材
56、56A 第2の光反射性部材
100、100A~100G 発光領域
110、110A~110E 導光板
120~123 発光素子
140 発光領域の配線基板
141 配線基板の配線層
150、170 接着シート
160 光反射性シート
200、300 面状光源
210 導光板
220 拡散シート
240 配線基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16