(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130081
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】ゲームプレイ映像配信システムおよびゲームプレイ映像視聴システム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/86 20140101AFI20220830BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20220830BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20220830BHJP
A63F 13/49 20140101ALI20220830BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20220830BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20220830BHJP
H04N 21/258 20110101ALI20220830BHJP
H04N 21/262 20110101ALI20220830BHJP
H04N 21/472 20110101ALI20220830BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220830BHJP
【FI】
A63F13/86
A63F13/792
A63F13/69
A63F13/49
A63F13/35
G06F13/00 540A
H04N21/258
H04N21/262
H04N21/472
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021029048
(22)【出願日】2021-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】大森 大将
(72)【発明者】
【氏名】玉置 絢
(72)【発明者】
【氏名】山田 秀樹
【テーマコード(参考)】
5B084
5C164
5L049
【Fターム(参考)】
5B084AA01
5B084AA02
5B084AA12
5B084AB07
5B084BA03
5B084BB14
5B084DC02
5B084DC03
5C164FA22
5C164SB08S
5C164SC11P
5C164SC21P
5C164SD12S
5C164UA04S
5C164UB26S
5C164UB41S
5C164UD41P
5C164YA08
5C164YA11
5L049CC18
(57)【要約】
【課題】配信者の配信に対して視聴者が行う投げ銭等の視聴者アクションを利用して、新しい興趣をもたらす技術を提供すること。
【解決手段】サーバシステム1100において、対応処理実行制御部251は、所与の視聴者アクションに対応する視聴者アクション対応処理として、1)当該視聴者アクションのアクション内容に基づく演出制御をゲームプレイ映像の視聴者画面に施す制御、2)当該視聴者アクションのアクション内容に基づく配信者への応援処理、を実行する。また、判定部249は、視聴者アクションが受け付けられた受付タイミングにおける配信者のゲームプレイ状況と、受付タイミング後の判定タイミングにおける配信者のゲームプレイ状況との相違を判定する。変更制御部253は、判定タイミングが到来した場合に、視聴者アクションのアクション内容を判定部249の判定結果に基づいて変更する。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
視聴者それぞれの視聴者端末に配信者のゲームプレイ映像を配信するゲームプレイ映像配信システムであって、
前記視聴者端末を通じて前記視聴者から視聴者アクションを受け付ける受付制御手段と、
所与の視聴者アクションに対応する視聴者アクション対応処理として、1)当該視聴者アクションのアクション内容に基づく演出制御を前記ゲームプレイ映像の視聴者画面に施す制御、2)当該視聴者アクションのアクション内容に基づく前記配信者への応援処理、のうちの少なくとも一方を実行する対応処理実行制御手段と、
前記受付制御手段により前記視聴者アクションが受け付けられた受付タイミングと、当該視聴者アクションのアクション内容と、当該視聴者アクションに係る視聴者とを対応付けて記憶する制御を行う視聴者アクション記憶制御手段と、
前記受付タイミングにおける前記配信者のゲームプレイ状況と、前記受付タイミング後の判定タイミングにおける前記配信者のゲームプレイ状況との相違を判定する判定手段と、
を備え、
前記対応処理実行制御手段は、
前記判定タイミングが到来した場合に、前記視聴者アクション記憶制御手段によって記憶されている前記視聴者アクションのアクション内容を前記判定手段の判定結果に基づいて変更する変更制御手段、
を有し、変更後のアクション内容に基づいて前記視聴者アクション対応処理を実行する、
ゲームプレイ映像配信システム。
【請求項2】
前記変更制御手段は、前記判定手段により判定された相違が所定の大差条件を満たす相違の場合に、前記視聴者アクションのアクション内容を変更する程度を、当該大差条件を満たさない場合とは異ならせる、
請求項1に記載のゲームプレイ映像配信システム。
【請求項3】
前記アクション内容は、前記視聴者アクションの内容を示すパラメータ値であり、
前記変更制御手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて前記パラメータ値を変更する、
請求項1又は2に記載のゲームプレイ映像配信システム。
【請求項4】
前記パラメータ値は、金銭的価値を示す値であり、
前記受付制御手段は、前記受付タイミングで、所定の決済手段を通じて、当該視聴者アクションに係る視聴者に、当該アクション内容を示す金銭的価値の決済を行う決済制御手段を有する、
請求項3に記載のゲームプレイ映像配信システム。
【請求項5】
前記対応処理実行制御手段は、前記視聴者アクション対応処理として、前記変更制御手段による変更後の金銭的価値に基づき前記配信者に金銭的価値又は特典を付与する前記応援処理を実行する、
請求項4に記載のゲームプレイ映像配信システム。
【請求項6】
前記判定タイミングとして、前記配信者のゲームプレイ進行が、所与の進行条件を満たしたタイミングの到来を判定する判定タイミング判定手段、
を更に備える請求項1~5の何れか一項に記載のゲームプレイ映像配信システム。
【請求項7】
前記配信者の設定操作に基づいて前記判定タイミングを設定する判定タイミング設定手段、
を更に備える請求項1~5の何れか一項に記載のゲームプレイ映像配信システム。
【請求項8】
前記配信者の設定操作に基づいて前記受付制御手段による受付可能期間を設定する受付可能期間設定手段、
を更に備える請求項1~7の何れか一項に記載のゲームプレイ映像配信システム。
【請求項9】
前記視聴者アクションには、前記配信者がゲームプレイで使用可能なゲームオブジェクトの前記視聴者による選択指定が含まれ、
前記視聴者アクション記憶制御手段は、前記選択指定を更に対応付けて記憶するように制御し、
前記変更制御手段は、前記受付タイミングから前記判定タイミングまでの間に前記選択指定されたゲームオブジェクトを前記配信者が使用したか否か、に基づいて前記アクション内容を変更する、
請求項1~8の何れか一項に記載のゲームプレイ映像配信システム。
【請求項10】
前記変更制御手段は、1)前記配信者が使用したゲームオブジェクトの種類、2)前記配信者による当該ゲームオブジェクトの使用方法、および、3)使用されたゲームオブジェクトの使用結果、のうちの少なくとも1つに基づいて前記アクション内容を変更する、
請求項9に記載のゲームプレイ映像配信システム。
【請求項11】
前記変更制御手段は、前記選択指定されたゲームオブジェクトが所与の条件を満たした場合には、前記判定タイミングの到来有無に関わらず、前記アクション内容を変更する、
請求項9又は10に記載のゲームプレイ映像配信システム。
【請求項12】
前記変更制御手段は、前記選択指定されたゲームオブジェクトを前記配信者が過去に使用した使用履歴に基づいて、前記アクション内容を変更する、
請求項9~11の何れか一項に記載のゲームプレイ映像配信システム。
【請求項13】
前記ゲームオブジェクトは、前記配信者が操作するプレーヤキャラクタ、又は、ゲームアイテムである、
請求項9~12の何れか一項に記載のゲームプレイ映像配信システム。
【請求項14】
前記変更制御手段により変更された前記アクション内容の変更量が所定の最大条件を満たす視聴者を紹介する紹介情報を、前記視聴者画面に表示させる視聴者紹介制御手段、
を更に備える請求項1~13の何れか一項に記載のゲームプレイ映像配信システム。
【請求項15】
前記変更制御手段は、前記受付タイミングに基づいて、前記視聴者アクションのアクション内容の変更量を制御する、
請求項1~14の何れか一項に記載のゲームプレイ映像配信システム。
【請求項16】
前記変更制御手段は、前記受付タイミングが所定の同時期条件を満たす前記視聴者アクションの数に基づいて、当該視聴者アクションのアクション内容の変更量を制御する、
請求項15に記載のゲームプレイ映像配信システム。
【請求項17】
前記視聴者毎のユーザ情報を管理するユーザ情報管理手段、
を更に備え、
前記変更制御手段は、前記ユーザ情報に基づいて、視聴者毎の前記アクション内容の変更量を制御する、
請求項1~16の何れか一項に記載のゲームプレイ映像配信システム。
【請求項18】
前記変更制御手段は、前記配信者が所与の条件を満たすか否かに基づいて、前記視聴者アクションのアクション内容を決定する、
請求項1~17の何れか一項に記載のゲームプレイ映像配信システム。
【請求項19】
前記変更制御手段は、前記視聴者アクションのアクション内容の変更に対する対価を前記配信者が支払うか否かに基づいて、前記視聴者アクションのアクション内容を決定する、
請求項1~17の何れか一項に記載のゲームプレイ映像配信システム。
【請求項20】
前記視聴者アクション記憶制御手段によって対応付けて記憶されている視聴者に、所与の特典を付与する特典付与制御手段、
を更に備える請求項1~19の何れか一項に記載のゲームプレイ映像配信システム。
【請求項21】
前記対応処理実行制御手段は、少なくとも、前記アクション内容に基づく演出制御を前記ゲームプレイ映像の視聴者画面に施す制御を、前記視聴者アクション対応処理として実行し、
配信済みのゲームプレイ映像をアーカイブ映像として管理するアーカイブ映像管理手段と、
前記アーカイブ映像を前記視聴者端末に配信するアーカイブ映像配信手段であって、前記対応処理実行制御手段による前記演出制御の実行結果に基づいて当該アーカイブ映像を編集した上で前記視聴者端末に配信するアーカイブ映像配信手段と、
を備える請求項1~20の何れか一項に記載のゲームプレイ映像配信システム。
【請求項22】
請求項1~21の何れか一項に記載のゲームプレイ映像配信システムであるサーバシステムと、
前記視聴者端末と、
が通信可能に接続されたゲームプレイ映像視聴システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視聴者端末に配信者のゲームプレイ映像を配信するゲームプレイ映像配信システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
ライブ形式の動画配信の技術として、動画への称賛や、配信者(配信ユーザ)への応援といった意味合いで視聴者(視聴ユーザ)が当該動画にコメントしたり、配信者に金銭的報酬を提供するといった、視聴者側からのコミュニケーション情報の発信が可能な技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。特に、視聴者から配信者への報酬の提供は、ストリートパフォーマーへの観客からの寄附にあやかって「投げ銭」と呼ばれたり、「ギフト」等とも呼ばれている。以降では、包括して「投げ銭」と呼称する。
【0003】
この投げ銭の仕組みによれば、配信者には投げ銭として投入した金額に応じた収入が付与されるため、更なる配信を促す効果がある。また、視聴者にとっては、称賛や応援等、自分の意志や立場を他の視聴者に向けて公にする自己表現の喜びをもたらし、投げ銭が投げ銭を呼ぶ等して場を盛り上げる作用効果が期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、投げ銭等の視聴者アクションに関する仕組み自体は、特に変わったところのない、興趣性の低いものであった。
本発明が解決しようとする課題は、配信者の配信に対して視聴者が行う投げ銭等の視聴者アクションを利用して、新しい興趣をもたらす技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の発明は、視聴者それぞれの視聴者端末に配信者のゲームプレイ映像を配信するゲームプレイ映像配信システムであって、前記視聴者端末を通じて前記視聴者から視聴者アクションを受け付ける受付制御手段(例えば、
図14の受付制御部243)と、所与の視聴者アクションに対応する視聴者アクション対応処理として、1)当該視聴者アクションのアクション内容に基づく演出制御を前記ゲームプレイ映像の視聴者画面に施す制御、2)当該視聴者アクションのアクション内容に基づく前記配信者への応援処理、のうちの少なくとも一方を実行する対応処理実行制御手段(例えば、
図14の対応処理実行制御部251)と、前記受付制御手段により前記視聴者アクションが受け付けられた受付タイミングと、当該視聴者アクションのアクション内容と、当該視聴者アクションに係る視聴者とを対応付けて記憶する制御を行う視聴者アクション記憶制御手段(例えば、
図14の発信状況記憶制御部245)と、前記受付タイミングにおける前記配信者のゲームプレイ状況と、前記受付タイミング後の判定タイミングにおける前記配信者のゲームプレイ状況との相違を判定する判定手段(例えば、
図14の判定部249)と、を備え、前記対応処理実行制御手段は、前記判定タイミングが到来した場合に、前記視聴者アクション記憶制御手段によって記憶されている前記視聴者アクションのアクション内容を前記判定手段の判定結果に基づいて変更する変更制御手段(例えば、
図14の変更制御部253)、を有し、変更後のアクション内容に基づいて前記視聴者アクション対応処理を実行する、ゲームプレイ映像配信システムである。
【0007】
第1の発明によれば、ゲームプレイ映像の配信中に視聴者による視聴者アクションを受け付ける。そして、受付タイミングにおける配信者のゲームプレイ状況と、受付タイミング以降の判定タイミングにおける配信者のゲームプレイ状況との相違を判定し、判定結果に基づいて当該視聴者アクションのアクション内容を変更した上で、当該アクション内容に基づく演出制御をそのゲームプレイ映像の視聴者画面に施す制御や、当該アクション内容に基づく配信者への応援処理を実行する。これによれば、視聴者アクションを受け付けてから判定タイミングまでに変化した配信者のゲームプレイ状況に応じて、視聴者が実際に行ったのとは異なるアクション内容で視聴者画面への演出制御を施し、或いは、配信者への応援処理を実行することが可能となる。したがって、視聴者には、視聴者アクションを行った後の配信者のゲームプレイ状況を見守る楽しみが生まれる。一方で、配信者に対しては、視聴者が行ったままのアクション内容に基づく応援処理ではなく、自身のその後のゲームプレイ状況の変化に応じて変更されたアクション内容に基づく応援処理がなされることとなる。よって、ゲームプレイ映像の配信に際し、視聴者の視聴者アクションを利用した新しい興趣を提供できる。
【0008】
また、第2の発明は、前記変更制御手段が、前記判定手段により判定された相違が所定の大差条件を満たす相違の場合に、前記視聴者アクションのアクション内容を変更する程度を、当該大差条件を満たさない場合とは異ならせる、第1の発明のゲームプレイ映像配信システムである。
【0009】
第2の発明によれば、例えば、大差条件を満たした場合に、満たさない場合と比べてアクション内容を大きく変更する等、程度を変えて変更することが可能となる。
【0010】
また、第3の発明は、前記アクション内容が、前記視聴者アクションの内容を示すパラメータ値であり、前記変更制御手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて前記パラメータ値を変更する、第1又は第2の発明のゲームプレイ映像配信システムである。
【0011】
第3の発明によれば、視聴者アクションには、その内容を示すパラメータ値がアクション内容として設定される。そして、受け付けた視聴者アクションのパラメータ値を配信者のゲームプレイ状況に係る判定結果に基づいて変更し、変更後のパラメータ値に基づく演出制御や、当該パラメータ値に基づく配信者への応援処理を実行することができる。
【0012】
また、第4の発明は、前記パラメータ値が、金銭的価値を示す値であり、前記受付制御手段は、前記受付タイミングで、所定の決済手段を通じて、当該視聴者アクションに係る視聴者に、当該アクション内容を示す金銭的価値の決済を行う決済制御手段(例えば、
図14の課金処理部220)を有する、第3の発明のゲームプレイ映像配信システムである。
【0013】
第4の発明によれば、視聴者アクションには、そのアクション内容であるパラメータ値として金銭的価値が設定され、視聴者アクションの受け付けにあたっては、視聴者に対してその金銭的価値の決済を行う。そして、受け付けた視聴者アクションの金銭的価値を配信者のゲームプレイ状況に係る判定結果に基づいて変更し、変更後の金銭的価値に基づく演出制御や、当該金銭的価値に基づく配信者への応援処理を実行することができる。
【0014】
また、第5の発明は、前記対応処理実行制御手段が、前記視聴者アクション対応処理として、前記変更制御手段による変更後の金銭的価値に基づき前記配信者に金銭的価値又は特典を付与する前記応援処理を実行する、第4の発明のゲームプレイ映像配信システムである。
【0015】
第5の発明によれば、変更後の金銭的価値に基づいて配信者に金銭的価値を付与する応援処理を実行できる。或いは、当該変更後の金銭的価値に基づいて配信者に特典を付与する応援処理を実行できる。
【0016】
また、第6の発明は、前記判定タイミングとして、前記配信者のゲームプレイ進行が、所与の進行条件を満たしたタイミングの到来を判定する判定タイミング判定手段(例えば、
図14の判定タイミング判定部247)、を更に備える第1~第5の何れかの発明のゲームプレイ映像配信システムである。
【0017】
第6の発明によれば、配信者のゲームの進行状況に基づいて、判定タイミングの到来を判定することができる。
【0018】
また、第7の発明は、前記配信者の設定操作に基づいて前記判定タイミングを設定する判定タイミング設定手段、を更に備える第1~第5の何れかの発明のゲームプレイ映像配信システムである。
【0019】
第7の発明によれば、配信者が判定タイミングを設定できる。
【0020】
また、第8の発明は、前記配信者の設定操作に基づいて前記受付制御手段による受付可能期間を設定する受付可能期間設定手段、を更に備える第1~第7の何れかの発明のゲームプレイ映像配信システムである。
【0021】
第8の発明によれば、配信者が視聴者からの視聴者アクションの受付可能期間を設定できる。
【0022】
また、第9の発明は、前記視聴者アクションには、前記配信者がゲームプレイで使用可能なゲームオブジェクトの前記視聴者による選択指定が含まれ、前記視聴者アクション記憶制御手段は、前記選択指定を更に対応付けて記憶するように制御し、前記変更制御手段は、前記受付タイミングから前記判定タイミングまでの間に前記選択指定されたゲームオブジェクトを前記配信者が使用したか否か、に基づいて前記アクション内容を変更する、第1~第8の何れかの発明のゲームプレイ映像配信システムである。
【0023】
第9の発明によれば、視聴者は、視聴者アクションに際して、配信者がゲームプレイで使用可能なゲームオブジェクトを選択指定することができる。そして、配信者がその視聴者アクションの受付タイミング以降のゲームプレイで当該ゲームオブジェクトを使用したのかを加味して、アクション内容を変更することが可能となる。
【0024】
また、第10の発明は、前記変更制御手段が、1)前記配信者が使用したゲームオブジェクトの種類、2)前記配信者による当該ゲームオブジェクトの使用方法、および、3)使用されたゲームオブジェクトの使用結果、のうちの少なくとも1つに基づいて前記アクション内容を変更する、第9の発明のゲームプレイ映像配信システムである。
【0025】
第10の発明によれば、視聴者によって選択指定されたゲームオブジェクトを配信者が使用した場合に、その種類や使用方法、使用結果をもとにアクション内容を変更することができる。
【0026】
また、第11の発明は、前記変更制御手段が、前記選択指定されたゲームオブジェクトが所与の条件を満たした場合には、前記判定タイミングの到来有無に関わらず、前記アクション内容を変更する、第9又は第10の何れかの発明のゲームプレイ映像配信システムである。
【0027】
第11の発明によれば、視聴者によって選択指定されたゲームオブジェクトが所与の条件を満たした場合は、判定タイミングの到来を待たずにアクション内容を変更することが可能となる。
【0028】
また、第12の発明は、前記変更制御手段が、前記選択指定されたゲームオブジェクトを前記配信者が過去に使用した使用履歴に基づいて、前記アクション内容を変更する、第9~第11の何れかの発明のゲームプレイ映像配信システムである。
【0029】
第12の発明によれば、視聴者がゲームオブジェクトを選択指定した場合に、配信者による当該ゲームオブジェクトの使用履歴に応じて、アクション内容を変更することができる。例えば、配信者が過去に当該ゲームオブジェクトを使用したことがある或いは高頻度で使用していた等の場合と、使用したことがない或いは使用回数が少ない等の場合とで、アクション内容の変更量を変えるといったことが可能となる。
【0030】
また、第13の発明は、前記ゲームオブジェクトが、前記配信者が操作するプレーヤキャラクタ、又は、ゲームアイテムである、第9~第12の何れかの発明のゲームプレイ映像配信システムである。
【0031】
第13の発明によれば、視聴者は、視聴者アクションに際して、配信者が操作するプレーヤキャラクタ、又はゲームアイテムを選択指定することができる。
【0032】
また、第14の発明は、前記変更制御手段により変更された前記アクション内容の変更量が所定の最大条件を満たす視聴者を紹介する紹介情報を、前記視聴者画面に表示させる視聴者紹介制御手段(例えば、
図14の視聴者紹介制御部257)、を更に備える第1~第13の何れかの発明のゲームプレイ映像配信システムである。
【0033】
第14の発明によれば、アクション内容が大きく変更された視聴者を紹介する紹介情報を、視聴者画面に表示することができる。
【0034】
また、第15の発明は、前記変更制御手段が、前記受付タイミングに基づいて、前記視聴者アクションのアクション内容の変更量を制御する、第1~第14の何れかの発明のゲームプレイ映像配信システムである。
【0035】
第15の発明によれば、例えば、配信者がゲームプレイを開始した初期に視聴者アクションを受け付けた場合と、その他の時期に受け付けた場合とでアクション内容の変更量を変えるといったことが可能となる。
【0036】
また、第16の発明は、前記変更制御手段が、前記受付タイミングが所定の同時期条件を満たす前記視聴者アクションの数に基づいて、当該視聴者アクションのアクション内容の変更量を制御する、第15の発明のゲームプレイ映像配信システムである。
【0037】
第16の発明によれば、例えば、同時期になされた視聴アクションの数が少ない場合に、多い場合と比べてアクション内容の変更量を大きくするといったことが可能となる。
【0038】
また、第17の発明は、前記視聴者毎のユーザ情報を管理するユーザ情報管理手段(例えば、
図14のユーザ管理部210)、を更に備え、前記変更制御手段は、前記ユーザ情報に基づいて、視聴者毎の前記アクション内容の変更量を制御する、第1~第16の何れかの発明のゲームプレイ映像配信システムである。
【0039】
第17の発明によれば、視聴者アクションを行った視聴者のユーザ情報に応じて、そのアクション内容の変更量を変えることができる。
【0040】
また、第18の発明は、前記変更制御手段が、前記配信者が所与の条件を満たすか否かに基づいて、前記視聴者アクションのアクション内容を決定する、第1~第17の何れかの発明のゲームプレイ映像配信システムである。
【0041】
第18の発明によれば、配信者が所与の条件を満たすか否かに応じてアクション内容を変更するといったことが可能となる。
【0042】
また、第19の発明は、前記変更制御手段が、前記視聴者アクションのアクション内容の変更に対する対価を前記配信者が支払うか否かに基づいて、前記視聴者アクションのアクション内容を決定する、第1~第17の何れかの発明のゲームプレイ映像配信システムである。
【0043】
第19の発明によれば、配信者が対価を支払うか否かに応じてアクション内容を変更するといったことが可能となる。
【0044】
また、第20の発明は、前記視聴者アクション記憶制御手段によって対応付けて記憶されている視聴者に、所与の特典を付与する特典付与制御手段(例えば、
図14の特典付与制御部255)、を更に備える第1~第19の何れかの発明のゲームプレイ映像配信システムである。
【0045】
第20の発明によれば、視聴者アクションを行った視聴者に対して、特典を付与することができる。
【0046】
また、第21の発明は、前記対応処理実行制御手段が、少なくとも、前記アクション内容に基づく演出制御を前記ゲームプレイ映像の視聴者画面に施す制御を、前記視聴者アクション対応処理として実行し、配信済みのゲームプレイ映像をアーカイブ映像として管理するアーカイブ映像管理手段(例えば、配信制御部241)と、前記アーカイブ映像を前記視聴者端末に配信するアーカイブ映像配信手段であって、前記対応処理実行制御手段による前記演出制御の実行結果に基づいて当該アーカイブ映像を編集した上で前記視聴者端末に配信するアーカイブ映像配信手段(例えば、
図14のアーカイブ配信制御部259)と、を備える第1~第20の何れかの発明のゲームプレイ映像配信システムである。
【0047】
第21の発明によれば、配信済みのゲームプレイ映像をアーカイブ映像として管理し、視聴者端末にアーカイブ配信することができる。そしてその際に、当初の配信時において視聴者アクションを受け付けたことで行った演出制御の実行結果をもとに、アーカイブ映像を編集して配信することができる。
【0048】
また、第22の発明は、第1~第21の何れかの発明のゲームプレイ映像配信システムであるサーバシステム(例えば、
図1のサーバシステム1100)と、前記視聴者端末(例えば、
図1の視聴者端末1500)と、が通信可能に接続されたゲームプレイ映像視聴システム(例えば、
図1のゲームプレイ映像視聴システム1000)である。
【0049】
第22の発明によれば、第1~第21の何れかの発明と同様の効果を奏するゲームプレイ映像視聴システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】ゲームプレイ映像視聴システムの全体構成例を示す図。
【
図6】投げ銭の発信実行操作に係る画面遷移例を示す図。
【
図7】勝ち抜き戦の流れと投げ銭の発信金額の変更原理を示す模式図。
【
図12】演出制御内容テーブルのデータ構成例を示す図。
【
図14】サーバシステムの機能構成例を示すブロック図。
【
図15】投げ銭アイテム定義データのデータ構成例を示す図。
【
図16】ユーザ管理データのデータ構成例を示す図。
【
図18】視聴者端末の機能構成例を示すブロック図。
【
図19】サーバシステムにおける処理の流れを示すフローチャート。
【
図20】変形例におけるアクション内容の変更を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
【0052】
[全体構成]
図1は、本実施形態のゲームプレイ映像視聴システム1000の構成例を示す図である。
図1に示すように、ゲームプレイ映像視聴システム1000は、ゲームプレイ映像配信システムであるサーバシステム1100と、ユーザ2が所有する視聴者端末1500と、を含み、それらがネットワークNを介して相互にデータ通信可能に接続されて構成されている。
【0053】
ネットワークNは、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、ネットワークNとは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0054】
サーバシステム1100は、例えば、キーボード1106と、タッチパネル1108と、ストレージ1140とを有し、本体装置1101には制御基板1150を搭載する。
【0055】
制御基板1150には、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153が搭載されている。なお、制御基板1150の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
【0056】
サーバシステム1100は、制御基板1150が所定のプログラムおよびデータに基づいて演算処理することで、(1)ユーザ2の登録や、登録済みのユーザ2の情報を管理するユーザ管理機能と、(2)視聴者端末1500にてオンラインゲームをプレイ可能にするゲーム提供機能と、(3)当該オンラインゲームのゲームプレイ映像(以下「ゲームプレイ動画」という)を視聴者端末1500にライブ配信して提供するライブ配信機能と、(4)ライブ配信を終えた(配信済みの)ゲームプレイ動画を視聴者端末1500にアーカイブ配信して提供するアーカイブ配信機能と、を実現する。
【0057】
サーバシステム1100は、各配信機能を実現するために、ゲームプレイ動画の公開サイトを管理する。ただし、公開サイトの管理については、外部の動画公開管理サーバ1200を利用する構成であってもよい。動画公開管理サーバ1200は、既存の動画公開サイト(インターネット等を通じて不特定多数の配信者からの動画投稿を受け付け、投稿された動画を不特定多数の視聴者にストリーミング再生可能に提供するウェブサイト)を運用・管理するための外部サーバである。その場合、サーバシステム1100は、動画公開管理サーバ1200と通信してゲームプレイ動画を自動投稿することで、その公開を実現する。
【0058】
また、サーバシステム1100は、所定のプログラムおよびデータに基づく演算処理によって、(5)ライブ配信中のゲームプレイ動画の視聴者のユーザ(以下「視聴ユーザ」ともいう)2が所与の視聴者アクションとして「投げ銭」を発信するための視聴者アクション機能と、(6)投げ銭の発信に伴う発信金額を決済するための決済機能と、を実現する。
【0059】
視聴者アクション機能によれば、ユーザ2は、自身が所持する金銭的価値としての仮想通貨相当ポイント(以下単に「通貨ポイント」という)の消費と引き換えに、投げ銭を発信できる。本実施形態では、ユーザ2は、
図6等に例示する投げ銭アイテム4を使用して投げ銭の発信を行う。投げ銭アイテム4としては、発信金額の異なるものが各種用意されており、発信に使用するものを選んで発信実行操作をすることで、その発信金額の投げ銭を発信することができる。
【0060】
そして、視聴ユーザ2が視聴者アクションである投げ銭の発信を行うと、サーバシステム1100は、対応する視聴者アクション対応処理として、当該投げ銭のアクション内容に基づく演出制御をゲームプレイ動画の視聴者画面に施す制御(演出制御処理)と、当該投げ銭のアクション内容に基づく配信者(当該ゲームプレイ動画の投稿者ともいえる)のユーザ(以下「配信ユーザ」ともいう)2への応援処理と、を実行する。そして、そのために、各投げ銭アイテム4には、当該投げ銭アイテム4を使用した投げ銭の内容を示すパラメータ値(つまり、当該投げ銭のアクション内容)として、発信金額が予め設定される。また、発信金額および後述する応援金額として設定され得る金額を複数の価格帯に分けて、当該価格帯毎に演出制御処理で視聴者画面に施す演出制御の内容が予め設定される(
図12の演出制御内容テーブル509を参照)。
【0061】
決済機能は、ユーザ2が通貨ポイントを購入する機能であり、視聴者端末1500からの要求に応じて電子決済業者等が運営する外部の電子決済サーバ1300と連携し、通貨ポイントの購入手続き(課金処理)を行う。課金処理に際し、電子決済サーバ1300は、サーバシステム1100からの問合せに応答して通貨ポイントの購入額をユーザ2のクレジットカードやプリペイドカード等で清算する処理を行う。そして、サーバシステム1100は、電子決済サーバ1300により清算された購入額に相当する通貨ポイントを、ユーザ2に付与する。
【0062】
なお、
図1では、サーバシステム1100を1台のサーバ装置として描いているが、オンライン接続された複数のサーバ装置が、ユーザ管理機能、ゲーム提供機能、ライブ配信機能、アーカイブ配信機能、視聴者アクション機能、および決済機能のうちの1つ又は複数の機能を分担する構成であってもよい。また、サーバシステム1100は、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して、相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成としてもよい。離れた場所に設置された独立した複数のサーバ装置を、ネットワークNを介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1100として機能させる構成でもよい。
【0063】
また、
図1では、ユーザ2の視聴者端末1500を2台図示しているが、実際の運用に当たっては、複数の配信者のユーザ(配信ユーザ)2が存在して、それぞれが視聴者端末1500を操作してサーバシステム1100へアクセスする。同様に、実際の運用に当たっては、複数の視聴者のユーザ(視聴ユーザ)2が存在して、それぞれ視聴者端末1500を使用してサーバシステム1100へアクセスする。
【0064】
ここで、視聴者端末1500は、ユーザ2がオンラインゲームをプレイしたり、そのプレイ動画を視聴するために個別に使用するコンピュータシステムであって、ネットワークNを介してサーバシステム1100にアクセスできる電子装置(電子機器)である。本実施形態の視聴者端末1500は、いわゆるスマートフォンと呼ばれる装置であるが、携帯型ゲーム装置や、タブレット型コンピュータ、パーソナルコンピュータ等でもよい。
【0065】
図2は、本実施形態における視聴者端末1500の構成例を示す正面図である。
図2に示すように、視聴者端末1500は、方向入力キー1502と、ホームキー1504と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル1506と、内蔵バッテリー1509と、スピーカ1510と、マイク1512と、カメラ1520と、制御基板1550と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード1540に対してデータを読み書きできるメモリカード読取装置1542とを備える。また、その他にも、図示されていない電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。ゲームプレイ等の対価の支払いが可能なICカード型のクレジットカードやプリペイドカードに対して、非接触にデータの読み書きが行えるICカード読取装置等を設けるとしてもよい。
【0066】
制御基板1550には、CPU1551やGPU、DSP等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、ネットワークNに接続する携帯電話基地局や無線通信基地局等と無線通信するための無線通信モジュール1553、インターフェース回路1557等が搭載されている。インターフェース回路1557には、方向入力キー1502やホームキー1504からの信号を受信する回路、タッチパネル1506のドライバ回路、スピーカ1510へ音声信号を出力する出力アンプ回路、マイク1512で集音された音声の信号を生成する音声信号生成回路、カメラ1520で撮影された画像の画像データを入力する回路、メモリカード読取装置1542への信号入出力回路等が含まれる。これら制御基板1550に搭載されている各要素は、それぞれがバス回路等を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。なお、制御基板1550の一部又は全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。
【0067】
この制御基板1550においてICメモリ1552には、ゲームクライアントプログラムや、このゲームクライアントプログラムを実行するのに必要な各種設定データ等が格納される。ゲームクライアントプログラム等は、適宜のタイミングでサーバシステム1100からダウンロードされる。なお、別途入手したメモリカード1540等の記憶媒体から読み出す構成としてもよい。そして、CPU1551等がゲームクライアントプログラムを実行して演算処理を実行し、タッチパネル1506や方向入力キー1502、ホームキー1504に対する操作入力に応じて視聴者端末1500の各部を制御することで、ユーザ2のゲームプレイを可能にする。
【0068】
[プレイ動画の配信について]
図3および
図4は、ゲームプレイ動画の配信を説明する図である。本実施形態では、配信ユーザのゲームプレイ動画を視聴ユーザに配信する。上記したように、ユーザ2が視聴者端末1500でプレイするゲームは、サーバシステム1100をゲームサーバとするクライアント・サーバ型のシステムで実行されるオンラインゲームである。
【0069】
そのため、
図3に示すように、ゲーム進行に係る情報やゲーム画面W1の表示に係る情報はサーバシステム1100にて生成され、適宜視聴者端末1500へ提供される。視聴者端末1500は、操作入力兼ゲーム画面表示のための端末として機能する。すなわち、視聴者端末1500は、サーバシステム1100から提供された情報に基づいてゲーム画面W1を表示し、操作入力情報を逐一サーバシステム1100へ送信する。サーバシステム1100は、視聴者端末1500から送信された操作入力情報に基づいて、ゲームを進行させる。
【0070】
また、サーバシステム1100は、ゲームの進行制御とともに、プレイデータ520を生成・記憶する。プレイデータ520は、ゲームプレイ毎に生成され、プレイ中は常時更新されて、ゲームの最新状況を記述する。例えば、1つのプレイデータ520には、ゲーム中に視聴者端末1500から送信された操作入力情報の時系列データ(操作入力時系列データ)525と、その時々のゲームの進行状況を示す進行状況情報の時系列データ(進行状況時系列データ)526とが、ゲームプレイID521やプレイ日時522、当該ゲームをプレイするユーザのユーザアカウント523等とともに格納される。
【0071】
操作入力時系列データ525は、視聴者端末1500からの操作入力情報(例えば、操作入力の種類、位置、方向、操作量、操作力、入力時間等の入力を記述する各種情報)を、当該操作入力がなされた時間を示す時間情報(例えば、日時、ゲームプレイ開始からの経過時間、ゲーム画面の描画フレーム数等)と対応付けて蓄積する。進行状況時系列データ526は、ゲーム中のその時々のゲーム進行情報(例えば、プレイしているステージ番号、対戦ラウンド、ラウンド別の勝敗結果、プレーヤキャラクタの種類、プレーヤキャラクタの位置および姿勢、状態を示すパラメータ値等)を、時間情報と対応付けて蓄積する。
【0072】
また、サーバシステム1100は、プレイデータ520に基づいて、プレイ再現用データ530を生成・記憶する。プレイ再現用データ530も、ゲームプレイ毎に生成される。このプレイ再現用データ530は、プレイデータ520を構成する各種データを時系列に格納するデータ群である。よって、プレイ再現用データ530が格納するデータを時系列に読み出すことで、元になったゲームプレイを再現することできる。ゲームプレイの再現は、プレイ再現用データ530が生成されることと並行したリアルタイムでの再現も可能であるし(この場合は「ライブ」での再現となる)、ゲームプレイが終わった後でも可能である。ゲームプレイが終わった後での再現という意味では、プレイ再現用データ530は「リプレイデータ」と呼ぶこともできる。サーバシステム1100は、プレイデータ520の生成・記憶を行うとともに、プレイ再現用データ530の生成・記憶も同時並行に実行する。
【0073】
そして、サーバシステム1100は、ユーザ2が配信者(配信ユーザ)としてプレイ動画をライブ配信する場合には、
図4に示すように、当該ユーザ2のゲームプレイに係るプレイ再現用データ530に基づいて、ゲームプレイを再現したゲームプレイ動画10を配信ゲームプレイ動画597(
図17を参照)として生成する。そして、生成したゲームプレイ動画10を視聴者のユーザ(視聴ユーザ)2の視聴者端末1500にライブ配信する。ライブ配信において、サーバシステム1100は、後述するアーカイブ映像620(
図17参照)を生成・記憶する。ライブ配信後に、ユーザ2からのリクエストに応じて配信する場合には、当該アーカイブ映像620を視聴ユーザの視聴者端末1500に配信するアーカイブ配信を行う。
【0074】
図5は、以上のようにして配信されるゲームプレイ動画を視聴するための視聴者画面の画面構成例を示す図である。視聴者画面は、視聴ユーザが視聴者端末1500にて公開サイトにアクセスし、視聴するゲームプレイ動画を選択すると表示される。
図5に示すように、視聴者画面は、選択したゲームプレイ動画が表示されるプレイ動画表示部31と、投げ銭を発信するための投げ銭アイコン33と、通貨ポイントを購入するための購入アイコン35と、投げ銭の発信に用いられた投げ銭アイテム4を表示する発信表示部37と、を備える。
【0075】
この視聴者画面において投げ銭アイコン33をタッチすると、
図6の上段に示す投げ銭アイテム選択画面W41がポップアップ表示される。投げ銭アイテム選択画面W41には、予め用意される複数の投げ銭アイテム4(4a,4b,4c,・・・)が一覧表示される。投げ銭アイテム4の各々は、その発信金額を記載した形態で表示される。より詳細には、投げ銭アイテム選択画面W41では、予め用意される投げ銭アイテム4のうち、視聴ユーザがその発信金額以上の通貨ポイントを所持しており使用可能である投げ銭アイテム4(
図6の例では投げ銭アイテム4a,4b)のみが、選択可能な状態で表示されるようになっている。残高が不足している投げ銭アイテム4(
図6の例では投げ銭アイテム4c)については、
図5の視聴者画面から購入アイコン35をタッチして通貨ポイントを購入すると、選択可能な状態となる。このように、投げ銭の発信にあたっては、それを発信する視聴ユーザに対して電子決済サーバ1300を通じた発信金額の決済が要求される。
【0076】
なお、投げ銭アイテム選択画面W41では全ての投げ銭アイテム4を選択可能な状態で表示する一方、後述する発信実行ボタンB45の選択操作がされた場合は残高を確認して、足りなければ通貨ポイントの購入を促す構成としてもよい。また、発信金額分の通貨ポイントを購入した上で投げ銭を発信する構成に限らず、事前に通貨ポイントの消費と引き換えに投げ銭アイテム4を入手(購入)できるようにして、手持ちの投げ銭アイテム4を発信に使用する構成でも構わない。その場合は、例えば、購入アイコン35がタッチされた際に、販売対象の投げ銭アイテム4を一覧表示した販売画面を表示して、それらを各々の発信金額で販売する。
【0077】
そして、視聴ユーザは、投げ銭を発信したいときには、投げ銭アイテム選択画面W41において発信に使用する投げ銭アイテム4を選択し、次へボタンB41をタッチして適宜キャラクタの選択指定を行う。すなわち、投げ銭アイテム選択画面W41で次へボタンB41をタッチすると、
図6の中段に示す選択指定画面W43が表示され、選択指定が可能なキャラクタ6(6a,6b,6c,・・・)が一覧表示される。詳細を後述するように、本実施形態では、配信ユーザは、配信するゲームプレイ動画に係るゲームプレイにあたって使用(操作)するキャラクタを選択する。選択指定画面W43では、そのときに配信ユーザによって選択され得る(つまり、配信ユーザがゲームで使用可能な)キャラクタを一覧表示して、選択指定を受け付ける。視聴ユーザは、例えば、配信ユーザにゲームプレイで使用して欲しいキャラクタがある等の選択指定を希望する場合は、選択指定画面W43にてそのキャラクタ6を選んでから次へボタンB43をタッチする。何れのキャラクタも選ばずに(選択指定しないで)次へボタンB43をタッチして進むこともできる。
【0078】
すなわち、選択指定画面W43で次へボタンB43をタッチすると、
図6の下段に示すように、発信確認画面W45が表示される。視聴ユーザは、この発信確認画面W45において発信実行ボタンB45をタッチすることで、発信実行操作を行う。そうすると、発信金額の分の通貨ポイントの消費と引き換えに、当該投げ銭アイテムを使用した投げ銭が当該視聴ユーザから発信される。選択指定画面W43でキャラクタを選んでいるときには、そのキャラクタの選択指定とともに発信される。したがって、視聴ユーザは、プレイ動画表示部31に表示されるゲームプレイ動画を視聴しながら、その視聴途中の所望のタイミングにおいて、キャラクタの選択指定を適宜含めて投げ銭を発信することができる。
【0079】
図5に戻り、発信表示部37には、同じゲームプレイ動画のライブ配信を視聴している各視聴ユーザが発信した投げ銭の履歴として、当該発信で使用された投げ銭アイテム4が発信順に並べて表示される。例えば、何れかの視聴ユーザによる発信実行操作があると発信表示部37の表示内容が左方にスクロールし、当該視聴ユーザがその発信に使用した投げ銭アイテム4が発信表示部37の右端に追加される。各投げ銭アイテム4には、発信者である視聴ユーザのユーザ名や、その発信に際し当該視聴ユーザが選択指定したキャラクタ等が付記される。
【0080】
[詳細]
本実施形態では、投げ銭の金銭的価値である発信金額を、その発信後の配信ユーザのゲームプレイ状況の変化に応じて変更する。そして、変更後の発信金額に基づいて、当該投げ銭の発信に対応する視聴者アクション対応処理を実行する。
【0081】
図7は、本実施形態において配信ユーザが行うゲームの流れと併せて、投げ銭の発信金額の変更原理を示す模式図である。先ず、本実施形態では、配信ユーザが対戦ゲームを複数ラウンド繰り返すことで行う勝ち抜き戦をプレイして、そのゲームプレイ動画をライブ配信する場合を例示する。対戦相手はコンピュータ制御のキャラクタとするが、他のプレーヤが操作するキャラクタとのプレーヤ対戦を行う構成でもよい。
【0082】
具体的には、
図7に示すように、勝ち抜き戦は、例えば10ラウンドで構成されており、10回の対戦の全てを勝ち抜くと、配信ユーザの優勝としてゲームが終了する。途中で負ければ配信ユーザは敗退となり、その時点でゲームが終了する。各対戦ラウンドは、
図5の上側に第2ラウンドについて代表して示しているように、キャラクタの選択ステップと、対戦ステップとで構成されている。したがって、配信ユーザは、対戦ラウンド毎に毎回使用(操作)するキャラクタを選択できる。当該選択は、予め選択可能なキャラクタが一覧で表示され、その中から1つ選ぶことで行う。
【0083】
ここで、配信ユーザが第10ラウンドまで勝ち進み、優勝したとする。そして、
図7に示すように、その第1ラウンド中に1000円の投げ銭を発信した視聴ユーザMと、第9ラウンド中に同額の投げ銭を発信した視聴ユーザJとがいたとする。先ず、視聴ユーザMの投げ銭に着目すると、それを受け付けたときには配信ユーザは未だ0勝であったのに対し、ゲーム終了時には10勝しており、ゲームプレイ状況は大きく変化している。これに対し、視聴ユーザJの投げ銭の場合は、受け付けたときからゲーム終了までに配信ユーザは1勝しかしておらず、前者と比べるとゲームプレイ状況の変化は小さい。
【0084】
本実施形態では、このような投げ銭の受付タイミングとゲーム終了時等の所与の進行条件を満たしたタイミング(判定タイミング;本例ではゲーム終了時)とにおける配信ユーザのゲームプレイ状況の相違に基づいて、個々の投げ銭の発信金額を変更する。
図7の例では、視聴ユーザMの投げ銭は大幅に増額されて変更される一方、視聴ユーザJの投げ銭については増額幅は小さくなっている。なお、図示した変更後の金額は例示であり、実際には、後述する変更制御処理で式(1)に従って応援金額として決定される。そして、詳細を後述するように、発信金額は減額され得る。また、選択指定画面W43でのキャラクタの選択指定の有無等によっても、発信金額が増減されるようになっている。
【0085】
そのために、サーバシステム1100は、視聴者アクションとして投げ銭を受け付ける受付制御処理と、投げ銭の発信状況を管理するための発信状況記憶制御処理と、投げ銭が受け付けられた受付タイミング以降の判定タイミングの到来を判定する判定タイミング判定処理と、受付タイミングにおける配信ユーザのゲームプレイ状況と、判定タイミングにおける配信ユーザのゲームプレイ状況との相違を判定する判定処理と、視聴者アクション対応処理として上記した演出制御処理や応援処理を実行する対応処理実行制御処理と、ライブ配信の終了時において視聴ユーザに特典を付与する特典付与制御処理と、発信金額の変更量(金額変更量)が大きかった視聴ユーザを紹介する視聴者紹介制御処理と、をライブ配信中のゲームプレイ動画毎に行う。そして、サーバシステム1100は、対応処理実行制御処理において、判定処理の判定結果に基づいて発信金額の変更制御を行う(変更制御処理)。以下、ライブ配信中の1つのゲームプレイ動画(以下「注目プレイ動画」という)に注目して各処理を説明する。
【0086】
1.受付制御処理
サーバシステム1100は、注目プレイ動画のライブ配信を開始するにあたり、当該注目プレイ動画に係る受付制御処理を開始して、当該ライブ動画を視聴している視聴ユーザによる投げ銭を受け付ける。具体的には、何れかの視聴ユーザの視聴者端末1500において投げ銭アイテム選択画面W41にて投げ銭の発信に使用する投げ銭アイテムが選択され、選択指定画面W43にてキャラクタが適宜選択指定されて、その後に発信実行ボタンB45がタッチされて発信実行操作がなされた場合に、発信金額の分の通貨ポイントを徴収した上で、当該視聴ユーザによる当該発信金額の投げ銭として受け付ける。
【0087】
2.発信状況記憶制御処理
発信状況記憶制御処理では、サーバシステム1100は、受付制御処理で受け付けられた投げ銭の受付タイミングと、アクション内容である発信金額と、当該投げ銭を発信した視聴ユーザと、当該投げ銭の発信に際して選択指定されたキャラクタと、を対応付けて記憶する制御を行う。ここでの制御は、何れかの視聴ユーザによって投げ銭が発信されるたびに、当該投げ銭に係る投げ銭データを生成・記憶することで行う。
【0088】
例えば、
図8に示すように、1つの投げ銭データ600は、投げ銭の受付時に設定されるデータとして、発信ID601と、当該発信に使用された投げ銭アイテムの投げ銭アイテムID(使用投げ銭アイテムID)603と、当該投げ銭を発信した視聴ユーザのユーザアカウント(発信ユーザアカウント)605と、当該投げ銭の受付タイミング607と、当該投げ銭の発信金額609と、選択指定されたキャラクタの種類(選択指定キャラクタ種類)611と、を含む。受付タイミング607は、例えば、ゲームプレイ開始からの経過時間(以下「プレイ経過時間」ともいう)によって規定される。また、発信金額609は、当該投げ銭で使用された投げ銭アイテム(使用投げ銭アイテムID603の投げ銭アイテム)の発信金額513(
図15を参照)を格納する。
【0089】
また、投げ銭データ600は、後述する判定タイミングの到来時に設定されるデータとして、変更制御処理にて発信金額を変更することで決定される応援金額613と、発信金額の増額量又は減額量を示す金額変更量615と、を含む。金額変更量615は、応援金額613から発信金額609を差し引いた差額として算出される。
【0090】
3.判定タイミング判定処理
判定タイミング判定処理では、サーバシステム1100は、判定タイミングとして、注目プレイ動画の配信ユーザのゲームプレイ進行が、所与の進行条件を満たしたタイミングの到来を判定する。本実施形態では、サーバシステム1100は、所与の進行条件を「ゲームが終了したこと」とし、配信ユーザのゲームプレイ進行を監視する。そして、当該進行条件を満たしたタイミングを判定タイミングとして、判定タイミングの到来を判定する。つまり、配信ユーザが10ラウンド全てで対戦に勝利して優勝が確定した時点、又は、配信ユーザが途中で負けて敗退が確定した時点で、判定タイミングが到来したと判定する。
【0091】
4.判定処理
判定処理では、サーバシステム1100は、受付制御処理で受け付けられた投げ銭の受付タイミングにおける配信ユーザのゲームプレイ状況と、判定タイミング判定処理でその到来が判定された判定タイミングにおける配信ユーザのゲームプレイ状況と、の相違を判定する。本実施形態では、判定タイミングまでに受け付けられた全ての投げ銭を順次対象投げ銭として、その受付タイミングから判定タイミングまでの間(以下「受付判定期間」ともいう)の配信ユーザの「勝ち抜き数」を、対象投げ銭に係る当該ゲームプレイ状況の相違として判定する。
【0092】
具体的には、先ず、対象投げ銭の投げ銭データ600から受付タイミング607を読み出す。続いて、進行状況時系列データ526を参照し、読み出した受付タイミング607における対戦ラウンドと、判定タイミングであるそのときの対戦ラウンドとを取得する。そして、各対戦ラウンドのラウンド番号を比較して、受付判定期間における配信ユーザの勝ち抜き数を求める。
図7のゲームの例では、勝ち抜き数は最大で「10」、最小で「0」となる。すなわち、その投げ銭が第1ラウンド中に発信され、且つ、配信ユーザの優勝が確定したことによって判定タイミングが到来したときには、勝ち抜き数は「10」となる。一方、受付タイミングと判定タイミングとで対戦ラウンドが同じ場合、勝ち抜き数は「0」となる。
【0093】
5.対応処理実行制御処理
対応処理実行制御処理では、サーバシステム1100は、受付制御処理で受け付けられた投げ銭に対応する視聴者アクション対応処理を行う。本実施形態では、判定タイミングが到来したときに、受付済みの全ての投げ銭について、上記した演出制御処理と、応援処理とを実行する。
【0094】
より詳細には、対応処理実行制御処理では先ず、当該受付済みの投げ銭を順次対象投げ銭として、発信金額を変更する変更制御処理を行う。そして、変更後の発信金額である応援金額に基づいて演出制御処理を実行し、当該応援金額に基づいて応援処理を実行する。以下、1つの対象投げ銭に着目して、各処理を説明する。
【0095】
5-1.変更制御処理
変更制御処理では、サーバシステム1100は、対象投げ銭の投げ銭データ600から発信金額609(
図8を参照)を読み出し、これを変更する。例えば、次式(1)に従って第1~第3の3つの係数K
1,K
2,K
3を乗じることで発信金額を変更し、変更後の発信金額を応援金額として決定する。
応援金額=発信金額×K
1×K
2×K
3 ・・・(1)
【0096】
第1の係数K
1は、判定処理で判定されたゲームプレイ状況の相違に基づく係数であり、当該相違として判定された勝ち抜き数が多いほど大きい値とされる。本実施形態では、
図9に例示するように、予め勝ち抜き数(
図7のゲームの例では「0」~「10」)毎に第1の係数K
1の算出式を用意しておく。そして、判定された勝ち抜き数に応じた算出式を用いて、対象投げ銭に係る第1の係数K
1を設定する。
【0097】
より詳細には、勝ち抜き数毎の第1の係数K1の算出式は、受付タイミングが所定の同時期条件を満たす投げ銭の数(以下「同時期発信数」ともいう)が少ないほど大きく、当該数が多いほど小さい値として第1の係数K1を出力する算出式であって、勝ち抜き数が増えるにつれて各々の上限値1,T13,T23,・・・,T93,T103および下限値T10,T11,T21,・・・,T91,T101がその順に大きくなるように定められた算出式である。サーバシステム1100は、例えば、同時期条件を「対象投げ銭の受付タイミングと同じ対戦ラウンド中に発信されたこと」として、受付済みの全ての投げ銭の受付タイミング607に基づいて該当する投げ銭の数を同時期発信数として計数する。そして、勝ち抜き数と、計数した同時期発信数とから対象投げ銭に係る第1の係数K1を設定する。
【0098】
したがって、第1の係数K1は、ゲームプレイ動画の配信ユーザが各ラウンドを勝ち進むほど、ゲームプレイ開始後の初期の段階で発信された投げ銭の価値が上がっていく(発信金額がより大きく増額されて応援金額が決定される)こととなる。つまり、配信ユーザに優劣がさほどついておらず、ゲームの勝敗の行方(配信ユーザが優勝するのかや、どこまで勝ち進めるのか等)の予想がし難いゲーム初期の段階で視聴ユーザが投げ銭を発信した場合と、ある程度ゲームが進行するまでその成り行きをうかがってから視聴ユーザが投げ銭を発信した場合とでは、前者の方が発信金額の増額幅が大きくなる。
【0099】
さらに、第1の係数K1は、同時期に(例えば同じ対戦ラウンド中に)発信された他の投げ銭の数(同時期発信数)が少ないほど大きい値として設定されるため、例えば、ゲーム初期等で視聴ユーザの数が少なく、投げ銭の発信も少なかったときに発信された投げ銭は増額され易くなる。
【0100】
一方で、
図9の例では、第1の係数K
1は正の小数値を取り得るため、勝ち抜き数が少ない場合や同時期に多くの投げ銭が発信されていた場合は、発信金額が減額され得る。その場合は、発信金額よりも減額されて応援金額が決定される。
【0101】
第2の係数K
2は、対象投げ銭を発信した視聴ユーザの視聴レベル553(
図16を参照)に基づく係数である。例えば、第2の係数K
2は、
図10に例示するように1より大きい値とされ、基本的に視聴レベル553が高くなるほど大きくなる(T2に近づく)ように設定される。
図10に示す第2の係数K
2の算出式を用意しておくことで設定できる。したがって、第2の係数K
2によれば、視聴レベル553の高い視聴ユーザが発信した投げ銭ほどその発信金額を大きく増額させることができる。
【0102】
なお、第2の係数K
2は、
図10とは逆に視聴レベル553が低いほど大きい値として設定することで、視聴レベル553の低い視聴ユーザが発信した投げ銭ほどその発信金額を大きく増額させる構成としてもよい。また、視聴レベル553に限らず、フレンドの設定やフォロワーの設定が別途される場合には、そのフレンドやフォロワーの数に応じた係数を第2の係数K
2として設定する構成としてもよい。例えば、フォロワー数等が多く人気の視聴ユーザが発信した投げ銭を増額され易くしたり、逆に、フォロワー数等が少ない視聴ユーザが発信した投げ銭を増額され易くするといったことが可能となる。
【0103】
第3の係数K
3は、選択指定の有無に基づく係数である。第3の係数K
3については、
図11に示す設定手順を予め規定しておくことで設定する。
【0104】
具体的には、サーバシステム1100は、
図11に示すように、対象投げ銭の発信に際してキャラクタが選択指定されていなければ、第3の係数K
3を固定値(
図11の例では1)として設定する。
【0105】
一方、選択指定がされている場合(選択指定キャラクタ種類611の設定があるとき)には、サーバシステム1100は、進行状況時系列データ526から受付判定期間内の各対戦ラウンドで配信ユーザが使用したキャラクタを読み出し、そのうちの選択指定のキャラクタの使用回数(期間内使用回数)と、当該選択指定のキャラクタを使用した対戦ラウンドの対戦成績と、を取得する。本実施形態のゲームは勝ち抜き戦であり、1敗すると敗退が決まるので、対戦成績は全勝か1敗の何れかとなる。
【0106】
その上で、サーバシステム1100は、
図11に示すように、先ず、取得した期間内使用回数と対戦成績とから基準値を決定する。基準値は、例えば、期間内使用回数が多く、対戦成績が良いほど大きい値とされる。続いて、配信ユーザのキャラクタ別使用履歴データ546(
図16を参照)を参照し、過去のゲームプレイでの当該選択指定のキャラクタの使用頻度を読み出して、その使用頻度の高低を閾値判定する。そして、判定した高低に応じて基準値を調整し、第3の係数K
3として設定する。これにより、選択指定のキャラクタの使用頻度が低い場合(つまり、配信ユーザが普段使用しないキャラクタである場合)は、使用頻度が高く配信ユーザがよく使用するキャラクタである場合と比べて基準値が大きく調整されて、第3の係数K
3が設定される。
【0107】
したがって、第3の係数K
3によれば、その発信に際して視聴ユーザによってキャラクタの選択指定がされている投げ銭については、配信ユーザがそのキャラクタを当該ライブ配信に係るゲームプレイで使用していると増額され易くなる。さらに、それが過去のゲームプレイでの使用頻度の低いキャラクタであれば、その分増額幅が大きくなる。また、
図11の例では基準値が正の小数値を取り得るため、選択指定されたキャラクタを配信ユーザが使用しなかった場合や、使用したとしても対戦成績が低いと、発信金額は減額され得る。
【0108】
そして、サーバシステム1100は、以上の要領で設定した第1~第3の各係数K1,K2,K3を用いて式(1)に従って発信金額を変更することで、受付済みの投げ銭毎に応援金額を決定する。またその際に、応援金額から発信金額を差し引いた差額を金額変更量として求め、応援金額613および金額変更量615として各々の投げ銭データ600に格納しておく。
【0109】
5-2.演出制御処理
サーバシステム1100は、変更制御処理で応援金額を決定したならば、受付済みの投げ銭(つまり、変更制御処理の対象となった投げ銭)毎に、視聴者アクション対応処理の1つである演出制御処理を実行する。本実施形態では、例えば、
図12に示すように、予め価格帯毎に演出制御内容を定めた演出制御内容テーブル509が用意される。そのため、サーバシステム1100は、この演出制御内容テーブル509から応援金額が属する価格帯の演出制御内容を読み出して演出制御を視聴者画面に施すことで、演出制御処理を実行する。
【0110】
演出制御の内容は特に限定されるものではないが、例えば、高額な価格帯ほど華やかな演出制御を施すとか、派手な演出制御を施すとして、その内容を設定しておくとよい。具体的には、視聴者画面内に花びらが舞うとか、花火が上がる、キャラクタが登場して踊るといった内容の演出制御がそれぞれに設定される。
【0111】
5-3.応援処理
サーバシステム1100は、変更制御処理で応援金額を決定したならば、演出制御処理と併せて他の視聴者アクション対応処理である応援処理を実行する。この応援処理は、変更後の発信金額である応援金額に基づいて、配信ユーザに金銭的価値を付与する処理である。例えば、受付済みの全ての投げ銭毎に、その応援金額の全額を配信ユーザに付与する処理を応援処理として実行する。
【0112】
なお、金銭的価値(応援金額)を付与する構成に限らず、応援金額相当の特典を付与する構成としてもよい。付与する特典の内容については特に限定されるものではなく、適宜設定してよい。例えば、ゲームで使用可能なキャラクタやゲームアイテム等のゲームオブジェクトを付与することができる。
【0113】
6.特典付与制御処理
特典付与制御処理では、サーバシステム1100は、配信ユーザのゲームが終了してライブ配信を終えるときに、受付済みの投げ銭(変更制御処理の対象となった投げ銭)を発信した視聴ユーザに対し、所与の特典を付与する制御を行う。該当する視聴ユーザに対して同じ特典を付与するのでもよいし、投げ銭の発信回数に応じた特典を付与する構成としてもよい。また、発信回数に加えて、その発信金額の金額変更量(発信金額の増額量又は減額量)を用いて付与する特典を可変に設定する構成も可能である。その場合は、サーバシステム1100は、投げ銭データ600を参照し、視聴ユーザ毎に金額変更量615の例えば最大値(最大変更量)を特定する。そして、投げ銭の発信回数が多く、且つ、最大変更量が大きい視聴ユーザほど特典を豪華にする等して、付与する特典を視聴ユーザ毎に可変に設定する。
【0114】
ここで付与する特典の内容についても特に限定されない。例えば、特典には、ゲームプレイ動画の視聴を繰り返すことで貯めることができる視聴ポイント、視聴したゲームプレイ動画の配信ユーザ別に貯めることができる応援ポイントやファンポイント等を含めることができる。投げ銭の発信回数や最大変更量に応じた特典を付与する場合であれば、発信回数が多く最大変更量が大きいほど付与する応援ポイント等を多くするとよい。
【0115】
7.視聴者紹介制御処理
視聴者紹介制御処理では、サーバシステム1100は、配信ユーザのゲームが終了してライブ配信を終えるときに、投げ銭データ600を参照して、金額変更量615が所定の最大条件を満たす視聴ユーザを紹介する紹介情報を生成する。最大条件は、例えば「金額変更量が最も大きい投げ銭を発信した視聴ユーザであること」等として設定しておくことができる。その後は、生成した紹介情報を、各視聴ユーザの視聴者端末1500において視聴者画面に表示させる制御を行う。例えば、
図13に示すように、最大条件を満たす視聴ユーザのユーザ名や金額変更量等を記載した紹介画面W5を、視聴者画面上にポップアップ表示させる。
【0116】
なお、最大条件は、「金額変更量の上位1位から5位までの各投げ銭を発信した視聴ユーザであること」等とすることもできる。そして、当該最大条件を満たす視聴ユーザを金額変更量のランキング形式で紹介する紹介情報を生成し、各視聴ユーザの視聴者端末1500において視聴者画面上に表示させる構成としてもよい。勿論、ランキング表示の対象とする順位は上位5番目までに限らず、適宜設定してよい。
【0117】
8.アーカイブ配信について
サーバシステム1100は、上記したゲームプレイ動画のライブ配信を終了した際、当該配信済みの配信ゲームプレイ動画597をアーカイブ映像620(
図17を参照)として管理する。そして、アーカイブ映像620のアーカイブ配信に際しては、当該アーカイブ映像620をそのライブ配信の際に発信された投げ銭に係る投げ銭データ600に基づき編集した上で、視聴者端末1500に配信する制御を行う(アーカイブ配信制御処理)。具体的には、アーカイブ映像の配信にあたり、受付タイミング607として記録されているプレイ経過時間において応援金額613に基づく演出制御を視聴者画面に施す編集を行う。これにより、アーカイブ映像の視聴者画面には、ライブ配信のときに視聴ユーザによって投げ銭が発信されたタイミング(受付タイミング)で、応援金額に基づく演出制御が施されることとなる。
【0118】
[機能構成]
1.サーバシステム
図14は、サーバシステム1100の機能構成例を示すブロック図である。
図14に示すように、本実施形態のサーバシステム1100は、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、画像表示部390sと、音出力部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える。
【0119】
操作入力部100sは、システム管理や保守等のための各種操作を入力するためのものであり、例えばキーボードやマウス、タッチパネル等で実現できる。
図1では、キーボード1106やタッチパネル1108がこれに該当する。
【0120】
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号、視聴者端末1500から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、サーバシステム1100の動作を統括制御する。
図1では、制御基板1150やそのCPU1151がこれに該当する。
【0121】
このサーバ処理部200sは、ユーザ管理部210と、課金処理部220と、ゲーム管理部230と、配信制御部241と、受付制御部243と、発信状況記憶制御部245と、判定タイミング判定部247と、判定部249と、対応処理実行制御部251と、特典付与制御部255と、視聴者紹介制御部257と、アーカイブ配信制御部259と、計時部280sと、画像生成部290sと、音生成部292sと、通信制御部294sとを備える。
【0122】
ユーザ管理部210は、ユーザ登録に係る処理およびユーザアカウントに紐付けられる各登録ユーザのデータの管理を行う。例えば、登録ユーザへの固有のユーザアカウントの付与処理、ユーザアカウント別に個人情報を登録管理する登録情報管理処理、ログインおよびログアウトの履歴等を管理する利用履歴管理処理等を実行することができる。勿論、これら以外のユーザアカウントに紐付けられる他のデータの管理処理も適宜含めることができる。
【0123】
課金処理部220は、ユーザによる通貨ポイントの購入操作に応じて課金処理を行い、購入額相当の通貨ポイントを当該ユーザに付与する。
【0124】
ゲーム管理部230は、視聴者端末1500にてオンラインゲームを実行するための各種制御を行う。本実施形態のマルチプレイゲームはクライアント・サーバ型のオンラインゲームなので、ゲーム管理部230は、視聴者端末1500と通信を行いながらゲームプレイに必要なデータを提供する制御を行う。また、ゲーム管理部230は、プレイデータ520の生成と記憶管理をするとともに、プレイデータ520に基づいてプレイ再現用データ530の生成と記憶管理をする。
【0125】
配信制御部241は、ゲームプレイ動画のライブ配信を実現するための各種処理を行う。本実施形態では、ゲーム管理部230によって随時生成・記憶されるプレイ再現用データ530からゲームプレイ動画を生成して配信ゲームプレイ動画597とし、視聴ユーザの視聴者端末1500にライブ配信して提供する制御を行う。その他、配信制御部241は、配信スケジュールや視聴ユーザ、アーカイブ映像(配信済みのゲームプレイ動画)の管理等も行う。
【0126】
受付制御部243は、受付制御処理を行う機能部であり、視聴者端末1500での投げ銭アイテムを使用した投げ銭の発信実行操作を検出して、その視聴ユーザによる投げ銭を受け付ける制御を行う。本実施形態では、投げ銭の発信に際してキャラクタの選択指定を受け付ける。またその際に、受付制御部243は、課金処理部220を介して適宜電子決済サーバ1300を通じた決済を要求する。これにより、発信金額の分の通貨ポイントが当該視聴ユーザから徴収される。
【0127】
発信状況記憶制御部245は、発信状況記憶制御処理を行う機能部であり、受付制御部243によって受け付けられた投げ銭に係る投げ銭データ600を随時生成・記憶する制御を行う。
【0128】
判定タイミング判定部247は、判定タイミング判定処理を行う機能部であり、判定タイミングとして、配信ユーザのゲームプレイ進行が所与の進行条件を満たしたタイミングの到来を判定する。
【0129】
判定部249は、判定処理を行う機能部であり、受付制御処理で受け付けられた投げ銭毎に、その受付タイミングにおける配信ユーザのゲームプレイ状況と、判定タイミングにおける配信ユーザのゲームプレイ状況との相違を判定する。
【0130】
対応処理実行制御部251は、対応処理実行制御処理を行う機能部であり、受付制御処理で受け付けられた投げ銭に対応する視聴者アクション対応処理として、演出制御処理と、応援処理とを実行する。対応処理実行制御部251は、変更制御部253を備える。
【0131】
変更制御部253は、変更制御処理を行う機能部であり、上記式(1)に従って発信金額を変更することで、投げ銭毎に応援金額を決定する。
【0132】
特典付与制御部255は、特典付与制御処理を行う機能部であり、受付制御処理で受け付けられた投げ銭を発信した視聴ユーザに対し、特典を付与する制御を行う。
【0133】
視聴者紹介制御部257は、視聴者紹介制御処理を行う機能部であり、受付制御処理で受け付けられた投げ銭を発信した視聴ユーザのうち、金額変更量が最大条件を満たす投げ銭に係る視聴ユーザを紹介する紹介情報を視聴者画面に表示させる制御を行う。
【0134】
アーカイブ配信制御部259は、アーカイブ配信制御処理を行う機能部であり、アーカイブ配信をするアーカイブ映像に対し、そのライブ配信時の投げ銭の受付タイミングで応援金額に基づく演出制御を施す編集を行った上で、視聴者端末1500にアーカイブ配信する。
【0135】
計時部280sは、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
【0136】
画像生成部290sは、サーバシステム1100のシステム管理等に関する画像を生成し、画像表示部390sへ出力する。
【0137】
音生成部292sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1100のシステム管理や動画配信に係る操作音、BGM等の音声データを生成し、或いはデコードする。システム管理に関する音声信号は、音出力部392sへ出力される。
【0138】
通信制御部294sは、通信部394sを介して外部装置(例えば視聴者端末1500)とのデータ通信のための通信接続およびデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0139】
画像表示部390sは、画像生成部290sから入力される画像信号に基づいてシステム管理等のための各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
図1では、タッチパネル1108がこれに該当する。
【0140】
音出力部392sは、音生成部292sから入力される音声信号を放音する。
図1では、本体装置1101やタッチパネル1108が備えるスピーカ(不図示)がこれに該当する。
【0141】
通信部394sは、ネットワークNと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。
図1では、通信装置1153がこれに該当する。
【0142】
サーバ記憶部500sには、サーバシステム1100を動作させ、サーバシステム1100が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。
図1では、ICメモリ1152やストレージ1140がこれに該当する。
【0143】
また、サーバ記憶部500sには、サーバプログラム501と、配信用ゲームクライアントプログラム503と、ゲーム設定データ507と、
図12を参照して説明した演出制御内容テーブル509と、投げ銭アイテム定義データ510と、ゲームプレイ毎のプレイデータ520と、ゲームプレイ毎のプレイ再現用データ530と、ユーザ管理データ540と、配信管理データ580と、が格納される。また、その他にも、タイマーやカウンタ、各種テーブルや閾値、フラグ等の必要なデータが適宜格納される。
【0144】
サーバプログラム501は、サーバ処理部200sをユーザ管理部210、課金処理部220、ゲーム管理部230、配信制御部241、受付制御部243、発信状況記憶制御部245、判定タイミング判定部247、判定部249、対応処理実行制御部251、特典付与制御部255、視聴者紹介制御部257、およびアーカイブ配信制御部259として機能させるためのプログラムである。なお、画像生成部290sや音生成部292s、通信制御部294sとして機能させるプログラムも適宜これに含めることができる。
【0145】
配信用ゲームクライアントプログラム503は、視聴者端末1500にダウンロードされるゲームクライアントプログラム502(
図18を参照)の原本である。
【0146】
ゲーム設定データ507は、本実施形態のオンラインゲームを実行するために必要な各種設定データを格納する。例えば、ゲームに登場する各キャラクタの種類や各種能力パラメータ値、モデルデータ、動作制御に用いるモーションデータ等を定義するキャラクタ設定データ、ゲームの過程でプレーヤが入手し得るゲームアイテム等の各種ゲームオブジェクトに係るオブジェクト定義データ、ゲームステージの設定に係るステージ設定データ等を格納する。
【0147】
投げ銭アイテム定義データ510は、投げ銭アイテムの種類毎に用意され、当該投げ銭アイテムについての各種設定データを格納する。例えば、1つの投げ銭アイテム定義データ510は、
図15に示すように、該当する投げ銭アイテムの投げ銭アイテムID511と、発信金額513と、表示体データ515と、を含む。
【0148】
ユーザ管理データ540は、ユーザ登録を済ませたユーザ毎に用意され、当該ユーザに関する管理用の各種データを格納する。具体的には、1つのユーザ管理データ540は、
図16に示すように、該当するユーザのユーザアカウント(プレーヤID)541と、決済媒体帳簿データ543と、プレイ履歴データ545と、配信データ547と、視聴データ550と、を含む。また、その他にも、オンラインゲームのプレイ状況に係るセーブデータ、年齢や性別、誕生日等の個人情報等を含む。
【0149】
決済媒体帳簿データ543は、当該ユーザに紐付けられる電子決済媒体(本実施形態では通貨ポイント)の収支の情報、例えば、通貨ポイントの購入日時や購入数(課金額)の履歴、通貨ポイントの消費日時や消費数の履歴等を格納する。
【0150】
プレイ履歴データ545は、当該ユーザのオンラインゲームのプレイ日時やプレイ時間、プレイレベル等を格納する。また、プレイ履歴データ545は、キャラクタ別使用履歴データ546を含む。このキャラクタ別使用履歴データ546は、オンラインゲームでプレーヤキャラクタとして使用(操作)が可能なキャラクタの種類毎に、当該ユーザがゲームで使用した使用日時や使用回数、使用頻度等を格納する。使用頻度は、ユーザ登録以後の全ての使用履歴に基づく頻度として設定しておくのでもよいし、直近の1ヶ月間や半年間といった算出期間における使用頻度として設定しておくのでもよい。
【0151】
配信データ547は、当該ユーザが配信したゲームプレイ動画の配信IDや配信日時といった配信履歴や、配信レベル等を格納する。配信レベルは、当該ユーザの配信者としての経験値を示し、配信ユーザとなったライブ配信の回数等に応じて随時更新される。
【0152】
視聴データ550は、視聴履歴データ551と、視聴レベル553とを格納する。
【0153】
視聴履歴データ551は、当該ユーザが視聴ユーザとしてゲームプレイ動画を視聴するたびに生成される。具体的には、1つの視聴履歴データ551は、該当するゲームプレイ動画の配信ID,それがライブ配信なのかアーカイブ配信なのかを示す配信種類、視聴日時、視聴時間、当該ゲームプレイ動画のライブ配信中に発信した投げ銭の発信回数(配信内発信回数)、当該投げ銭毎の発信金額の総額(配信内投げ銭総額)等を格納する。
【0154】
視聴レベル553は、当該ユーザの視聴者としての経験値を示し、視聴ユーザとしてゲームプレイ動画を視聴した回数、総視聴時間、総発信回数、投げ銭総額等に応じて随時更新される。
【0155】
配信管理データ580は、ライブ配信毎に生成され、当該配信の最新状態を記述する各種データを格納する。例えば、1つの配信管理データ580は、
図17に示すように、配信ID581と、配信スケジュール585と、ライブ配信中か否かを示す配信中フラグ587(ON:ライブ配信中/OFF:提供済み)と、配信ユーザアカウント589と、視聴ユーザアカウントリスト591と、視聴者数593と、当該ライブ配信に係るオンラインゲームのプレイID(配信プレイID)595と、配信ゲームプレイ動画597と、
図8を参照して説明した投げ銭データ600と、アーカイブ映像620と、を含む。
【0156】
2.視聴者端末
図18は、視聴者端末1500の機能構成例を示すブロック図である。
図18に示すように、視聴者端末1500は、操作入力部100と、端末処理部200と、画像表示部390と、音出力部392と、通信部394と、端末記憶部500とを備える。
【0157】
操作入力部100は、ユーザが各種操作を入力するためのものであり、例えば、ボタンスイッチ、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、角速度センサ、CCDモジュール等によって実現できる。
図2では、方向入力キー1502やホームキー1504、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0158】
端末処理部200は、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100や端末記憶部500を含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、サーバシステム1100から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、視聴者端末1500の動作を統括制御する。
図2では、制御基板1550やそのCPU1551がこれに該当する。そして、本実施形態における端末処理部200は、視聴者端末演算部270と、動画閲覧制御部275と、計時部280と、画像生成部290と、音生成部292と、通信制御部294とを備える。
【0159】
視聴者端末演算部270は、視聴者端末1500をユーザのゲームプレイのための端末として機能させるための各種演算処理を実行する。例えば、視聴者端末演算部270は、操作信号送信制御部271と、画像表示制御部273とを含む。
【0160】
操作信号送信制御部271は、操作入力部100に対する操作入力に応じて、各種データやリクエスト情報をサーバシステム1100へ送信するための処理を行う。
【0161】
画像表示制御部273は、サーバシステム1100から受信した各種データ等に基づいてゲーム画面や視聴者画面等を表示するための制御を行う。なお、本実施形態では、ゲーム画面や視聴者画面等の各種画面の画像をサーバシステム1100にて生成する構成とするが、視聴者端末1500で生成する構成とすることも可能である。その場合、画像表示制御部273は、例えば3DCGを生成するための仮想3次元空間に配置されたオブジェクトの制御などを行い、画像生成部290が3DCGをレンダリングし、ゲーム画面を生成するための各種制御を実行することとなる。ゲームのプレイ内容を示すコンテンツ表示部20の表示に関しては、操作入力時系列データ525やプレイ再現用データ530をサーバシステム1100から受信し、これらのデータに基づいてゲームプログラム(ゲームクライアントプログラム502)を実行することでゲームプレイ動画を生成することができる。
【0162】
動画閲覧制御部275は、公開サイトにアクセスして、ゲームプレイ動画を視聴・閲覧するための制御、いわゆるウェブブラウザとしての機能を実現するための制御を行う。
【0163】
画像生成部290は、画像表示制御部273と連係して、各種画像データの生成や、画像表示部390にそれらの画像を表示させるための画像信号の生成出力等の制御を行う。
図2では、制御基板1550に搭載されるGPUがこれに該当する。
【0164】
音生成部292は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成IC等のプロセッサ、音声ファイルを再生するためのオーディオコーデック等によって実現され、効果音や操作音、BGM等の音声信号を生成して音出力部392に出力する。
【0165】
通信制御部294は、通信部394を介して外部装置(例えばサーバシステム1100)とのデータ通信のための通信接続およびデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0166】
画像表示部390は、画像生成部290から入力される画像信号に基づいて、ゲーム画面や視聴者画面等の各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
図2では、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0167】
音出力部392は、音生成部292から入力される音声信号に基づいて音出力(放音)する装置によって実現される。
図2では、スピーカ1510がこれに該当する。
【0168】
通信部394は、ネットワークNと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。
図2では、無線通信モジュール1553がこれに該当する。
【0169】
端末記憶部500には、視聴者端末1500を動作させ、視聴者端末1500が備える機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。
図2では、ICメモリ1552や、メモリカード1540がこれに該当する。オンラインストレージを利用する構成も可能である。
【0170】
また、端末記憶部500には、端末処理部200を視聴者端末演算部270として機能させるためのゲームクライアントプログラム502と、動画閲覧制御部275として機能させるためのウェブブラウザプログラム504と、操作入力データ506と、が格納される。ゲームクライアントプログラム502は、オンラインゲームを実現する技術手法に応じた専用のクライアントプログラムであってもよいし、ウェブブラウザプログラムおよびインタラクティブな画像表示を実現するプラグイン等により構成するとしてもよい。本実施形態では、サーバシステム1100から提供される配信用ゲームクライアントプログラム503(
図14を参照)のコピーとする。
【0171】
[処理の流れ]
図19は、サーバシステム1100が行うゲームプレイ動画のライブ配信に関する処理の流れを示すフローチャートであり、1つのライブ配信に着目した処理フローを示している。ここで説明する処理は、サーバ処理部200sがサーバプログラム501を読み出して実行することによって実現される。ここでの処理に先立ち、配信スケジュール585が設定される。そして、設定された配信スケジュール585に従ってゲーム管理部230が配信ユーザのゲームプレイに係るゲーム進行制御を開始し、必要なデータをプレイデータ520に保存して書き換えしつつ、プレイ再現用データ530としての蓄積を開始することとなる。
【0172】
そして、
図19に示すように、配信制御部241が、プレイ再現用データ530に基づいて配信ゲームプレイ動画597の生成を開始して、ライブ配信を開始する(ステップS1)。
【0173】
ライブ配信中は、受付制御部243が受付制御処理を行い、視聴者端末1500での発信実行操作を監視する。そして、発信実行操作を検出したならば(ステップS3:YES)、投げ銭を受け付ける制御を行う(ステップS5)。そして、発信状況記憶制御部245が発信状況記憶制御処理を行い、ステップS5で受け付けられた投げ銭に係る投げ銭データ600を生成・記憶する(ステップS7)。
【0174】
その後は、判定タイミング判定部247が判定タイミング判定処理を行い、配信ユーザのゲームプレイ進行が進行条件を満たしたタイミングの到来を判定する。本実施形態では、ゲームが終了した場合に進行条件を満たしたとして(ステップS9:YES)、判定タイミングが到来したと判定する(ステップS11)。
【0175】
そして、判定タイミングが到来したならば、当該判定タイミングまでの間にステップS5で受け付けられた全ての投げ銭を順次対象投げ銭として、ループAの処理を実行する(ステップS13~ステップS23)。すなわち、ループAではまず、判定部249が、対象投げ銭について判定処理を行う。本実施形態では、対象投げ銭の受付タイミングから判定タイミングまでの受付判定期間における配信ユーザの勝ち抜き数を、各タイミングでの配信ユーザのゲームプレイ状況の相違として判定する(ステップS15)。
【0176】
続いて、変更制御部253が変更制御処理を行い、上記式(1)に従って対象投げ銭の発信金額を変更することで、変更後の発信金額を応援金額として決定する(ステップS17)。
【0177】
続いて、対応処理実行制御部251がステップS17で決定した応援金額に基づく演出制御処理を実行し(ステップS19)、対応処理実行制御部251がステップS17で決定した応援金額に基づく応援処理を実行する(ステップS21)。
【0178】
受付済みの全ての投げ銭についてループAの処理を実行したならば、続いて、特典付与制御部255が特典付与制御処理を行い、投げ銭を発信した視聴ユーザに特典を付与する制御を行う(ステップS25)。また、視聴者紹介制御部257が視聴者紹介制御処理を行い、金額変更量が最大条件を満たす投げ銭を発信した視聴ユーザの紹介情報を生成し、視聴者画面に表示させる制御を行う(ステップS27)。
【0179】
その後ライブ配信を終えたら、配信制御部241が、配信ゲームプレイ動画597をアーカイブ映像620として保存して(ステップS29)、本処理を終了する。
【0180】
以上説明したように、本実施形態によれば、投げ銭を受け付けてから判定タイミングまでに変化した配信ユーザのゲームプレイ状況に応じて発信金額が増額又は減額されて変更され、変更後の発信金額(応援金額)に基づく演出制御処理や応援処理が行われることとなる。これによれば、視聴ユーザにライブ配信の初期から投げ銭を発信する動機が生じ、当該ライブ配信の場を盛り上げることができる。一方、配信ユーザは、投げ銭の発信金額をそのまま受け取るのではなく、自身のその後のゲームプレイ状況の変化に応じて変更された応援金額を受け取ることとなる。これによれば、ゲームプレイ動画の配信に際し、視聴ユーザによる投げ銭を利用した新しい興趣を提供することが可能となる。
【0181】
なお、本発明を適用可能な形態は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0182】
[変形例1]
例えば、上記実施形態では、判定タイミングの到来を判定するための進行条件を「ゲームが終了したこと」として例示したが、配信ユーザのゲームプレイ進行に関する条件であれば、その内容は特に限定されない。例えば、上記実施形態のゲームの例で言えば、10ラウンドの中間である「第5ラウンドに勝利したこと」としてもよい。また、発信金額を変更しない場合が生じる条件とすることもできる。例えば、「配信ユーザの優勝でゲームが終了したこと」等として設定しておくとしてもよい。その場合は、配信ユーザが優勝した場合に限って投げ銭の発信金額を変更する。配信ユーザの敗退によってゲームが終了した場合は発信金額の変更はせず、当初の発信金額のままとなる。
【0183】
[変形例2]
また、上記実施形態では、配信ユーザがプレイするゲームとして対戦ゲームを繰り返す勝ち抜き戦のゲームを例示したが、適用するゲームのジャンルは特に限定されない。例えば、複数のステージを順にクリアしていくことで進行するステージクリア型のゲームに適用するとしてもよい。その場合は、「ゲームが終了したこと」や「ボスステージをクリアしたこと」等を進行条件として判定タイミングの到来を判定する。そして、受付判定期間の間にクリアしたステージの数、クリアしたボスステージの数、当該受付判定期間の間に収集した所定のゲームアイテムの数や倒した敵の数等をゲームプレイ状況の相違として判定するとしてもよい。
【0184】
また、複数のプレーヤが最後の1人になるまで戦うバトルロワイアルゲーム等と呼ばれるゲームに適用するとしてもよい。その場合は、受付判定期間の間にゲームオーバーとなったプレーヤの人数(受付タイミングでの生き残り人数と判定タイミングでの生き残り人数との差)をゲームプレイ状況の相違として判定する。或いは、受付判定期間の間に配信ユーザが倒した敵キャラクタの数をゲームプレイ状況の相違として判定するとしてもよい。
【0185】
その他、例えば、12ラウンド制のボクシングゲームや、トーナメント制のスポーツゲーム等に適用することもできるし、レースゲームやアクションゲーム、リズムゲーム等のタイムやスコアを争う競争ゲームを繰り返し行う勝ち抜き戦のようなゲーム等にも適用することができる。
【0186】
[変形例3]
また、上記実施形態では、投げ銭の発信に際して行うことができる選択指定として、配信ユーザがゲームで使用可能なキャラクタの選択指定を受け付ける例を示した。これに対し、ゲームアイテム等のその他のゲームオブジェクトの選択指定を受け付ける構成としてもよい。例えば、プレーヤキャラクタが武器を装備するゲームに適用する場合には、武器アイテムの選択指定を受け付けることもできる。その場合は、受付判定期間の間に選択指定のあったゲームオブジェクトを配信ユーザが使用したのかを加味して、発信金額を変更する。
【0187】
また、キャラクタやゲームアイテム等のゲームオブジェクトの選択指定を含む投げ銭を受け付けた場合には、配信ユーザに対し、選択指定されたゲームオブジェクトの種類とともにそれが選択指定された旨を通知するようにしてもよい。これによれば、配信ユーザは、当該通知を参考にしながらゲームプレイでのキャラクタ選択や武器選択が行える。
【0188】
[変形例4]
また、上記実施形態では、発信金額を変更する変更制御処理を行って応援金額を決定し、応援金額の総額を配信ユーザに付与することとした。これに対し、投げ銭として発信された発信金額のうちの一部を分配金として配信ユーザに分配する構成の場合には、その分配比率を投げ銭毎に変更するようにしてもよい。具体的には、例えば、勝ち抜き数等に基づいて基準の分配比率を変更し、投げ銭毎に適用する分配比率を決定する。そして、決定した分配比率をその発信金額に乗じることで投げ銭毎に分配金を求めて、配信ユーザに付与する構成としてもよい。
【0189】
或いは、発信金額を評価ポイントに換算し、評価ポイントに基づく分配金を配信ユーザに付与する構成であれば、評価ポイントの換算比率を投げ銭毎に変更するようにしてもよい。具体的には、例えば、勝ち抜き数等に基づいて基準の換算比率を変更し、投げ銭毎に適用する換算比率を決定する。その上で、決定した換算比率を用いて投げ銭毎に発信金額を評価ポイントに換算するようにしてもよい。
【0190】
また、変更制御処理の結果生じた発信金額の増額分については、配信事業者やスポンサー企業等が負担する構成とすることができる。また、変更の前後で発信金額が減額となった場合の当該減額分で補填する構成としてもよい。
【0191】
[変形例5]
また、上記実施形態では、視聴者アクション対応処理として演出制御処理と応援処理の両方を実行することとしたが、何れか一方を実行するとしてもよい。例えば、投げ銭アイテムの種類として、それを発信に使用したときに演出制御処理のみを実行する投げ銭アイテムや、応援処理のみを実行する投げ銭アイテムを用意しておくことで実現できる。
【0192】
また、演出制御処理については、判定タイミングが到来した場合に実行するだけでなく、投げ銭を受け付けた受付タイミングでも実行するようにしてもよい。その場合は、例えば、受付タイミングでは、演出制御内容テーブル509から発信金額が属する価格帯の演出制御内容を読み出し、当該演出制御内容に従って視聴者画面に演出制御を施す。一方、判定タイミングが到来したときには、上記実施形態と同様に、演出制御内容テーブル509から変更後の発信金額である応援金額が属する価格帯の演出制御内容を読み出し、当該演出制御内容に従って視聴者画面に演出制御を施す。
【0193】
[変形例6]
また、変更制御処理による発信金額の変更は、その発信者である視聴ユーザがライブ配信を最後まで(ゲームが終了するまで)視聴したことを条件に行い、途中で視聴を止めた視聴ユーザが発信した投げ銭については発信金額の変更を行わない構成とすることもできる。特典付与制御処理での特典の付与についても同様に、当該条件を満たす視聴ユーザに対してのみ特典を付与する構成としてもよい。
【0194】
[変形例7]
また、上記実施形態では、予め発信金額が設定された投げ銭アイテムを使用して行う投げ銭の発信について例示したが、視聴者が発信金額を入力し、入力した額分の投げ銭を発信する構成でもよい。
【0195】
[変形例8]
また、判定処理にて判定するゲームプレイ状況の相違(例えば勝ち抜き数)が所定の大差条件を満たす相違であるか否かによって、アクション内容(例えば発信金額)を変更する程度を異ならせる構成としてもよい。上記実施形態のように10ラウンドで構成される勝ち抜き戦をプレイする場合であれば、例えば、勝ち抜き数が「8」未満でプレイが終わってしまった場合と「8」以上の場合とに分けて、それぞれについて発信金額の金額変更量を設定しておく。例えば、勝ち抜き数が8未満の場合の金額変更量を5%増額とし、8以上の場合の金額変更量を25%増額として設定しておくといった具合である。
【0196】
そして、本変形例の変更制御処理では、サーバシステム1100は、「勝ち抜き数が8以上であること」を大差条件とし、配信ユーザの勝ち抜き数が大差条件を満たすか否かを判定する。そして、配信ユーザの勝ち抜き数が8以上であれば、大差条件を満たすとして発信金額を30%増額して発信金額を変更する。8未満の場合は、発信金額を5%増額して発信金額を変更する。これは一例であり、リーグ戦形式の対戦ゲームを行った勝率や勝利数、順位であったり、タイムトライアルゲームを行ったタイム順位であったりに応じて発信金額の金額変更量を変える構成とすることもできる。
【0197】
[変形例9]
また、上記実施形態では、ライブ配信の開始にあたって受付制御処理を開始して、ゲームが終了するまでの間視聴ユーザからの投げ銭を受け付けることとした。これに対し、配信ユーザが投げ銭の受付可能期間を設定できるようにしてもよい。その場合は、サーバシステム1100は、例えば、ライブ配信前に、受付可能期間設定手段として先ず、当該配信ユーザによる投げ銭の受付開始タイミングの設定操作を受け付ける。そして、当該設定操作に係る受付開始タイミングから判定タイミングまでの期間を受付可能期間として設定し、当該受付可能期間内に限って視聴ユーザからの投げ銭を受け付けるようにする。例えば、配信ユーザが第3ラウンドの開始時を受け付け開始タイミングとして設定したとすると、視聴ユーザは、配信ユーザが第3ラウンドまで勝ち進めば、投げ銭を発信できるようになる。
【0198】
また、配信ユーザが判定タイミングを設定できるようにしてもよい。判定タイミングのみ設定可能な構成でもよいし、上記した受付可能期間と併せて両方を設定できるようにしてもよい。その場合は、サーバシステム1100は、例えば、ライブ配信前に、判定タイミング設定手段として先ず、当該配信ユーザによる判定タイミングの設定操作を受け付ける。そして、判定タイミング判定処理において、当該判定タイミングの到来を判定する。例えば、配信ユーザが第5ラウンドの終了時を判定タイミングとして設定したのであれば、第5ラウンドが終了した時点で判定タイミングが到来したと判定する。
【0199】
[変形例10]
また、上記実施形態では、投げ銭の発信に際してキャラクタの選択指定がされた場合は、配信ユーザによる当該キャラクタの使用回数や対戦成績を加味して発信金額を変更する(応援金額を決定する)こととしたが、さらに、当該キャラクタの使用方法(使用内容)や操作方法(操作内容)を加味して発信金額を変更するようにしてもよい。例えば、進行状況時系列データ526を参照し、当該キャラクタを使用したラウンドで成功したコンボの回数(最大回数)を取得する。一方、第2の係数K2等と同様の要領で、コンボの最大回数が多いほど値が大きくなるように第4の係数K4の算出式を用意しておく。そして、取得した最大回数から第4の係数K4を決定し、発信金額にさらに乗じて応援金額を決定する。
【0200】
また、成功したコンボの回数以外にも、予め変更制御の対象となる特定の技の種類やその使用回数を定めておき、当該種類の技を使用した場合に発信金額を増額するとか、コンボの最大係数と同様の要領で当該技の使用回数が多いほど発信金額を増額して、応援金額を決定する等としてもよい。
【0201】
[変形例11]
また、上記実施形態では、判定タイミングが到来した場合に、判定タイミングにおける配信ユーザのプレイ状況を用いて発信金額を変更することとした。これに対し、キャラクタ等のゲームオブジェクトの選択指定を含む投げ銭については、当該ゲームオブジェクトが所与の条件を満たした場合に、判定タイミングの到来有無に関わらず発信金額を変更するようにしてもよい。条件の内容と、それを満たした場合の発信金額の金額変更量と、を予め設定しておくことで実現できる。条件の内容としては、例えば、選択指定されたゲームオブジェクトが消滅したこと、当該選択指定されたゲームオブジェクトの状態が変化したこと、当該ゲームオブジェクトが他のゲームオブジェクトに変化したこと、等を含めることができる。
【0202】
例えば、配信ユーザがロールプレイングゲーム(RPG)をプレイする場合であれば、「プレーヤキャラクタが所定レベルに達したこと」を条件とする。そして、ゲームプレイの途中で当該条件を満たしたときには、その時点で該当する投げ銭の発信金額を変更して、当該投げ銭の応援金額を決定するようにしてもよい。
【0203】
[変形例12]
また、上記実施形態では、勝ち抜き数に基づく第1の係数K1を用いて発信金額を変更することとした(上記式(1)を参照)。これに対し、予め勝ち抜き数毎に発信金額の金額変更量を定めておき、配信ユーザの勝ち抜き数に応じた金額変更量に従って発信金額を変更する構成としてもよい。
【0204】
また、その場合は、
図20に示すように、勝ち抜き数毎に、複数の変更内容を選択肢として用意しておく構成も可能である。そして、勝ち抜き数毎の各選択肢について、当該選択肢の選択条件を設定しておくとしてもよい。選択条件は、例えば、配信ユーザのレベルや、配信ユーザが支払う対価の額、それらの組み合わせ等として設定される。その他、対戦相手とのレベル差(例えば対戦相手がプレーヤの場合であれば当該プレーヤとのレベル差)を選択条件に含めて設定しておいてもよい。ただし、勝ち抜き数毎に、選択条件が設定されていない(無条件で選択可能な)選択肢を少なくとも1つずつ含めておく。また、金額変更量については、対応する選択条件に係るゲームレベルが高く、支払う対価の額が高額になるほど多くなるように設定される。
【0205】
そして、本変形例の変更制御処理では、先ず、前段の判定処理で判定された配信ユーザの勝ち抜き数に対応する選択肢を、当該配信ユーザの視聴者端末1500に表示して提示する。配信ユーザがその選択条件を満たさない選択肢については、選択不可の状態で表示する。選択条件を満たしており、選択可能なもののみを表示する構成でもよい。また、提示にあたっては、選択可能な選択肢のうちの対価の支払いが必要なものについては支払いボタンを配置し、支払いが不要な選択肢については決定ボタンを配置して表示する。そして、配信ユーザが何れかの選択肢の支払いボタン又は決定ボタンをタッチし、支払いボタンをタッチした場合であればその対価の額を支払うと、当該選択肢の変更内容に従って発信金額を変更し、応援金額を決定する。
【0206】
例えば、
図20の例において、配信ユーザの勝ち抜き数が8であった場合は、配信ユーザのゲームレベルが100以上であれば全ての選択肢が選択可能に表示される。一方、配信ユーザのゲームレベルが例えば30であったとすると、2つの選択肢R91,R92が選択可能となる。そして、例えば、当該配信ユーザが選択肢R92を選んで対価として要求されている分の通貨ポイント(500pt)を支払ったのであれば、発信金額が15%増額されて変更され、変更後の金額が応援金額とされる。なお、
図20中にゲームレベルや対価の額、金額変更量として示す数値は一例であって、適宜設定してよい。
【0207】
なお、
図20では、金額変更量について例示したが、演出制御内容についても同様に、勝ち抜き数毎に複数の変更内容を選択肢として用意しておいて、配信ユーザが選択できるようにしてもよい。その場合は、対応する選択条件に係るゲームレベルが高く、支払う対価の額が高額になるほど、その演出制御内容を華やかなものや派手なものとして設定しておくとよい。
【0208】
[変形例13]
また、判定対象とするゲームプレイ状況についても、適用するゲームに応じて適宜設定してよい。例えば、ゲーム中に獲得したポイントを競うゲームであれば、ポイントの獲得数をゲームプレイ状況としてその相違を判定するとしてもよいし、出題された課題を達成することで進行していくゲームであれば、課題の達成数をゲームプレイ状況としてその相違を判定するとしてもよい。
【符号の説明】
【0209】
1000…ゲームシステム
1100…サーバシステム
100s…操作入力部
200s…サーバ処理部
210…ユーザ管理部
220…課金処理部
230…ゲーム管理部
241…配信制御部
243…受付制御部
245…発信状況記憶制御部
247…判定タイミング判定部
249…判定部
251…対応処理実行制御部
253…変更制御部
255…特典付与制御部
257…視聴者紹介制御部
259…アーカイブ配信制御部
290s…画像生成部
292s…音生成部
294s…通信制御部
390s…画像表示部
392s…音出力部
394s…通信部
500s…サーバ記憶部
501…サーバプログラム
503…配信用ゲームクライアントプログラム
507…ゲーム設定データ
509…演出制御内容テーブル
510…投げ銭アイテム定義データ
513…発信金額
520…プレイデータ
530…プレイ再現用データ
540…ユーザ管理データ
543…決済媒体帳簿データ
545…プレイ履歴データ
546…キャラクタ別使用履歴データ
547…配信データ
550…視聴データ
551…視聴履歴データ
553…視聴レベル
580…配信管理データ
597…配信ゲームプレイ動画
600…投げ銭データ
605…発信ユーザアカウント
607…受付タイミング
609…発信金額
611…選択指定キャラクタ種類
613…応援金額
615…金額変更量
620…アーカイブ映像
1500…視聴者端末
100…操作入力部
200…端末処理部
270…視聴者端末演算部
271…操作信号送信制御部
273…画像表示制御部
275…動画閲覧制御部
290…画像生成部
292…音生成部
294…通信制御部
390…画像表示部
392…音出力部
394…通信部
500…端末記憶部
502…ゲームクライアントプログラム
504…ウェブブラウザプログラム
506…操作入力データ
N…ネットワーク
1200…動画公開管理サーバ
1300…電子決済サーバ
2…ユーザ