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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130603
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】基板の処理法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/301 20060101AFI20220830BHJP
【FI】
H01L21/78 N
H01L21/78 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022104582
(22)【出願日】2022-06-29
(62)【分割の表示】P 2020112773の分割
【原出願日】2020-06-30
(31)【優先権主張番号】10 2019 211 540.3
(32)【優先日】2019-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】カール ハインツ プリーヴァッサー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】基板を処理する方法を提供する。
【解決手段】方法は、表の面(12)と、表の面(12)の反対側にある裏の面(14)とを有する保護フィルム(8)を準備するステップと、基板(2)を保持する為の保持フレーム(10)を提供するステップと、を有する。保持フレーム(10)は、中央開口部(16)を有する。方法はさらに、保護フィルム(8)によって保持フレーム(10)の中央開口部(16)を閉鎖するように保護フィルム(8)の裏の面(14)に保持フレーム(10)を付けるステップと、保護フィルム(8)の表の面(12)に基板(2)の第2面(4)を付けるステップと、保護フィルム(8)の表の面(12)に付けられた基板(2)の面の反対側にある基板(2)の面から基板(2)を処理するステップと、さらに/または、保護フィルム(8)の表の面(12)に付けられた基板(2)の面から基板(2)を処理するステップと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面(4)と、前記第1面(4)の反対側にある第2面(6)とを有する基板(2)を処理する方法において、
表の面(12)と、前記表の面(12)の反対側にある裏の面(14)とを有する保護フィルム(8)を準備するステップと、
前記基板(2)を保持する為の保持フレーム(10)を準備するステップであって、前記保持フレーム(10)は、中央開口部(16)を有する、前記ステップと、
前記保護フィルム(8)によって前記保持フレーム(10)の前記開口部(16)を閉鎖するように前記保護フィルム(8)の前記裏の面(14)に前記保持フレーム(10)を付けるステップと、
前記基板(2)の前記第1面(4)または前記基板(2)の前記第2面を前記保護フィルム(8)の前記表の面(12)に付けるステップと、
前記保護フィルム(8)の前記表の面(12)に付けられた前記基板(2)の面の反対側にある前記基板(2)の面から前記基板(2)を処理、および/または、前記保護フィルム(8)の前記表の面(12)に付けられた前記基板の面から前記基板(2)を処理するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記保護フィルム(8)の前記表の面(12)に前記基板(2)の前記第1面(4)または前記基板(2)の前記第2面(6)を付けるステップは、
前記保護フィルム(8)の前記表の面(12)の少なくとも中央領域が、前記基板(2)の前記第1面(4)または前記基板(2)の第2面(6)と直接接触するように、前記基板(2)の前記第1面(4)または前記基板(2)の前記第2面(6)に前記保護フィルム(8)を加える工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板(2)の前記第1面(4)または前記基板(2)の前記第2面(6)を前記保護フィルム(8)の前記表の面(12)に付けるステップは、
前記基板(2)の前記第1面(4)または前記基板(2)の前記第2面(6)が前記保護フィルム(8)の前記表の面(12)に付けられるように、前記基板(2)の前記第1面(4)または前記基板(2)の前記第2面(6)に前記保護フィルム(8)を加える間および/または加えた後、前記保護フィルム(8)に外部刺激を加える工程を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記保護フィルム(8)の前記裏の面(14)に前記保持フレーム(10)を付けるステップは、
前記保護フィルム(8)の前記裏の面(14)が前記保持フレーム(10)と直接接触するように、前記保護フィルム(8)を前記保持フレーム(10)に加える工程と、
前記保持フレーム(10)が前記保護フィルム(8)の前記裏の面(14)に付けられるように、前記保護フィルム(8)を前記保持フレーム(10)に加える間および/または加えた後、前記保護フィルム(8)に外部刺激を加える工程と、
を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記保護フィルム(8)に前記外部刺激を加える工程は、
前記保護フィルム(8)を加熱すること及び/又は前記保護フィルム(8)を冷却すること及び/又は前記保護フィルム(8)に真空を加えること及び/又は光で前記保護フィルム(8)を放射することを含む、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも一つの分割ラインが前記基板(2)の前記第1面(4)に形成され、前記基板(2)の前記第1面(4)が前記保護フィルム(8)の前記表の面(12)に付けられる、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
支持表面(20)を有する支持部材(18)を準備するステップと、
前記支持表面(20)と前記保護フィルム(8)の前記裏の面(14)が接触するように、前記支持部材(18)の前記支持表面(20)に、前記保護フィルム(8)の前記表の面(12)に付けられた前記基板(2)を配置するステップと、
を更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
検査装置(22)を準備するステップと、
前記検査装置(22)によって、前記保護フィルム(8)を通して、前記保護フィルム(8)の前記表の面(12)に付けられる前記基板(2)の面を検査するステップと、
を更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記保護フィルム(8)に接着層が設けられ、前記接着層が前記保護フィルム(8)の前記表の面(12)の周辺領域のみに設けられ、前記基板(2)の前記第1面(4)または前記基板(2)の前記第2面(6)が前記保護フィルム(8)の前記表の面(12)に付けられ、前記接着層が、前記基板(2)の前記第1面(4)または前記基板(2)の前記第2面(6)の周辺部分のみと接触するようになる、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記基板(2)が、前記保護フィルム(8)の前記表の面(12)に付けられた前記基板(2)の面の反対側にある前記基板(2)の面から処理され、前記保護フィルム(8)の前記表の面(12)に付けられた前記基板(2)の面の反対側にある前記基板(2)の面から前記基板(2)を処理するステップは、
前記保護フィルム(8)の前記表の面(12)に付けられた前記基板(2)の面の反対側にある前記基板(2)の面から前記基板を切断および/または研削および/または研磨する工程を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記基板(2)は、前記保護フィルム(8)の前記表の面(12)に付けられた前記基板(2)の面から前記基板(2)が処理され、前記保護フィルム(8)の前記表の面(12)に付けられた前記基板(2)の面から前記基板(2)を処理するステップは、
前記保護フィルム(8)の前記表の面(12)に付けられた前記基板(2)の面から放射線で前記基板(2)を照射する工程を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
第1面(4)と、前記第1面(4)の反対側にある第2面(6)とを有する基板(2)を処理する方法において、
表の面(12)と、前記表の面(12)の反対側にある裏の面(14)とを有する保護シーティング(8)を準備するステップと、
前記基板(2)を保持する為の保持フレーム(10)を準備するステップであって、前記保持フレーム(10)は、中央開口部(16)を有する、前記ステップと、
前記保護シーティング(8)によって前記保持フレーム(10)の前記開口部(16)を閉鎖するように、前記保護シーティング(8)の前記表の面(12)または前記裏の面(14)に前記保持フレーム(10)を付けるステップと、
前記保護シーティング(8)の前記表の面(12)に、前記基板(2)の前記第1面(4)または前記基板(2)の前記第2面(6)を付けるステップと、
前記保護シーティング(8)の前記表の面(12)に付けられた前記基板(2)の面の反対側にある前記基板(2)の面から前記基板(2)を処理、および/または、
前記保護シーティング(8)の前記表の面(12)に付けられた前記基板(2)の面から前記基板(2)を処理するステップと、
を含み、
前記保護シーティング(8)の前記表の面(12)または前記裏の面(14)に前記保持フレーム(10)を付けるステップは、
前記保持フレーム(10)と、前記保護シーティング(8)の前記表の面(12)または前記裏の面(14)とが直接接触するように、前記保持フレーム(10)に前記保護シーティング(8)を加える工程と、
前記保持フレーム(10)が前記保護シーティング(8)の前記表の面(12)または前記裏の面(14)に付けられるように、前記保持フレーム(10)に前記保護シーティング(8)を加える間および/または加えた後、前記保護シーティングに外部刺激を加える工程と、
を含む、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェハ(例えば、半導体ウェハ)のような基板の処理法に関する。
【0002】
【技術背景】
【0003】
ウェハのような基板の処理は、例えば、処理ステップの間および処理ステップ中に、基板の安全で信頼性のある取扱いおよび運搬を必要とする。例えば、半導体デバイスを生産する為のデバイス製造処理において、複数の分割ラインにそって共通に分割される複数のデバイスを備えたデバイス領域を有するウェハのような基板は、個々のチップまたはダイに分割される。この製造処理は、基板の厚さを調整する為の研削ステップと、個々のチップまたはダイを得る為に分割ラインに沿って基板を切断する切断ステップとを一般的に含む。研削ステップは、デバイス領域が形成された基板の表面の反対側にある基板の裏面から行われる。さらに、研磨および/またはエッチングのような他の処理ステップは、基板の裏面で実行されてもよい。基板は、その表面または裏面から分割ラインに沿って切断されてもよい。
【0004】
基板の処理中、例えば、破片、研削水または切断水による破壊、変形および/または汚染から、基板、特に、基板上に形成されたデバイスを保護するため、保護フィルムまたはシーティングが処理前に基板の表面に加えられてもよい。
【0005】
また、保護フィルムまたはシーティングは、たとえば、基板の切断ステップ中、例えば、破片による破壊、変形および/または汚染から、基板を保護するため、処理前に基板の裏面に加えられてもよい。
【0006】
基板の取扱いおよび運搬を容易にするため、たとえば、上記処理ステップの間および/または処理中、基板を保持する為の保持フレームを使用してもよい。慣例的に、そのような保持フレームは、基板と同じ面の保護フィルムに接着材によって付けられる。一般に、基板および保持フレームを保護フィルムに付ける為に同一接着層が使用される。
【0007】
基板と保持フレームとを保護フィルムの同一面に配置する上記の既知の方法は、基板処理中に問題を引き起こす場合がある。特に、保持フレームは、少なくとも部分的に、切断、研削、研磨手段のような処理機器による基板へのアクセスを妨害または遅らせる場合がある。また、保持フレームに不用意に接触し、この機器が破損する危険性がある。
【0008】
これらの問題を軽減するため、保持フレームは、処理される基板の面から離れるように締め付けられてもよい(クランプされてもよい)。しかしながら、この方法は、フレーム用締め付け機構を必要とするが、このフレーム用締め付け機構は、スペースを消費し、基板処理をかなり面倒かつ複雑にする。さらに、保護フィルムは、フレームを十分に締め付ける為に高度の拡張性を呈する必要があるので、使用可能な保護フィルムの範囲を著しく制限する。
【0009】
また、締め付け処理中に基板に対するフレームの必要な移動量を可能にするため、保護フィルムの十分に大きな部分が、フレームの内周と基板の外周との間に存在しなければならない。このため、大きな内径を有するフレームが使用されなければならず、それによって、上記のスペース消費の問題を悪化させ、使用可能なフレームの範囲を制限する。
【0010】
前述した問題は、大きな厚さを有するフレーム(例えば、プラスチック製フレーム)を保持する場合に顕著である。この場合、フレームは、基板の処理を妨げないようにするため、特に高度に締め付けられなければならない。
【0011】
さらに、接着層を用いて、前述した慣例的方法で保護フィルムに保持フレームを付けるステップは、更なる問題を引き起こす可能性がある。特に、保護フィルムからフレームを取り外すとき、接着層の接着力によってフレームが破損し、さらに/または、接着材残渣によってフレームが汚染されたりする場合がある。そのような接着材残渣は、フレームの再使用を可能にするためにフレームから除去されなければならないので、基板処理手順を更に複雑にする。
【0012】
したがって、基板を処理する、簡単かつ効率的な方法が依然として必要である。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、簡単かつ効率的な基板を処理する方法を提供することを目的とする。この目標は、請求項1の技術的特徴を用いた基板処理法によって、請求項12の技術的特徴を用いた基板処理法によって、達成される。本発明の好ましい実施形態は、従属請求項から続く。
【0014】
本発明は、第1面(例えば、表面)と、第1面の反対側にある第2面(例えば、裏面)とを有する基板を処理する方法を提供する。当該方法は、表の面と、表の面の反対側にある裏の面とを有する保護フィルム又はシートを準備するステップと、基板を保持する為の保持フレームを準備するステップとを含む。保持フレームは中央開口部を有する。当該方法は、保持フレームを保護フィルム又はシートの裏の面に付けるステップを更に含み、保護フィルム又はシートによって保持フレームの中央開口部を閉鎖し、基板の第1面または基板の第2面を保護フィルム又はシートの表の面に付ける。さらに、当該方法は、保護フィルム又はシートの表の面に付けられた基板の面の反対側にある基板の面から基板を処理するステップおよび/または保護フィルム又はシートの表の面に付けられた基板の面から基板を処理するステップを含む。
【0015】
本発明の方法において、保持フレームは保護フィルムの裏の面に付けられ、基板の第1面又は第2面は、保護フィルムの表の面に付けられる。このため、保持フレームおよび基板は、保護フィルムの両側に付けられる。したがって、保持フレームが基板処理を妨害しないことを確実に保証することができる。基板は、切断、研削、研磨手段のような処理機器によって自由にアクセスすることができる。さらに、保持フレームとの意図しない接触により、この機器が破損する危険性を確実に排除することができる。
【0016】
このため、基板処理中にフレームを締め付ける必要がないので、基板を特に簡単かつ効率的に処理することができる。したがって、締め付け機構が不要であるため、本発明の方法は、限られた処理スペース内での基板処理を可能にする。たとえば、スペースを消費するインライン機器ではなく、この目的の為に、スタンドアロンの処理装置を使用できる。
【0017】
さらに、拡張性の高い保護フィルムや内径の大きな保持フレームを使用する必要がない。したがって、広範囲の保護フィルムおよび保持フレームが、本発明の処理方法に適用可能である。
【0018】
そのため、本発明は、基板を処理する簡単かつ効率的な方法を提供する。
【0019】
保持フレームは、基板の第1面または基板の第2面を保護フィルムの表の面に付ける前または付けた後または同時に保護フィルムの裏の面に付けることができる。好ましくは、保持フレームは、基板の第1面または第2面を保護フィルムの表の面に付ける前に保護フィルムの裏の面に付けられる。このように、保護フィルムおよび基板の取扱い性を更に向上させることができる。
【0020】
保持フレームは、剛性材料で作られてもよい。たとえば、保持フレームは、金属またはプラスチックで作られてもよい。
【0021】
保持フレームは、どのような種類の形状を有してもよい。たとえば、保持フレームは、環状フレームでもよい。あるいは、保持フレームは、たとえば、中央開口部を有する正方形又は長方形の形状のような多角形の形状を有してもよい。
【0022】
保持フレームの中央開口部は、どのような種類の形状を有してもよい。たとえば、保持フレームの中央開港部は、円形形状または正方形又は長方形の形状のような多角形の形状を有してもよい。
【0023】
保持フレームは、半導体サイズの保持フレームでもよい。ここで、「半導体サイズの保持フレーム」とは、半導体ウェハを保持する為の保持フレームの寸法(規格寸法)、特に内径(規格内径)の保持フレームをいう。
【0024】
半導体ウェハを保持するための保持フレームの寸法、特に内径もSEM規格で定義されている。たとえば、300mmウェハのテープフレームの寸法はSEMI標準SEMI G74で定義され、300mmウェハのプラスチックテープフレームの寸法はSEMI標準SEMI G87で定義されている。保持フレームは、たとえば、3インチ、4インチ、5インチ、6インチ、8インチ、12インチ、18インチのサイズの半導体サイズのウェハを保持する為のフレームサイズを有することができる。
【0025】
保持フレームは、1mm~5mmの範囲内、1.2mm~4mmの範囲内、1.5mm~3mmの範囲内、1.8mm~2.5mmの範囲内の厚さを有することができる。
【0026】
基板は、たとえば、半導体、ガラス、サファイア(Al)、セラミック、例えばアルミナセラミック、石英、ジルコニア、PZT(ジルコニア酸チタン酸鉛)、ポリカーボネート、金属(例えば、銅、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム等)または金属化材料、フェライト、光学結晶材料、樹脂などで作られてもよい。)
【0027】
特に、基板は、たとえば、炭化珪素(SiC)、シリコン(Si)、砒化ガリウム(GaAs)、窒化ガリウム(GaN),燐化ガリウム(GaP)、砒化インジウム(InAs)、燐化インジウム(InP)、窒化珪素(SiN),タンタル酸リチウム(LT),ニオブ酸リチウム(LN)、窒化アルミニウム(AlN),酸化珪素(SiO)などでもよく、それらで作られてもよい。
【0028】
基板は、単結晶基板、ガラス基板、化合物半導体基板などの化合物基板、セラミック基板などの多結晶基板であってもよい。
【0029】
基板は、ウェハでもよい。たとえば、基板は半導体サイズのウェハでもよい。本書では、「半導体サイズのウェハ」という用語は、寸法(標準化された寸法)、特に、半導体ウェハの直径(標準化された直径)、即ち、外径を有するウェハを指す。半導体ウェハの寸法、特に直径、即ち外径は、SEMI規格で定義されている。たとえば、研磨された単結晶シリコン(Si)ウェハの寸法は、SEMI規格M1およびM76で定義されている。半導体サイズのウェハは、3インチ、4インチ、5インチ、6インチ、8インチ、12インチ、18インチのウェハであってもよい。
【0030】
基板は、半導体ウェハでもよい。たとえば、基板は、炭化珪素(SiC)ウェハ、シリコン(Si)ウェハ、砒化ガリウム(GaAs)ウェハ、窒化ガリウム(GaN)ウェハ、燐化ガリウム(GaP)ウェハ、砒化インジウム(InAs)ウェハ、燐化インジウム(InP)ウェハ、窒化珪素(SiN)ウェハ、タンタル酸リチウム(LT)ウェハ、ニオブ酸リチウム(LN)ウェハ、窒化アルミニウム(AlN)ウェハ、酸化珪素(SiO)ウェハなどでもよい。
【0031】
基板は、どのような種類の形状を有してもよい。上面視において、基板は、たとえば、円形、楕円形、長円形、長方形又は正方形のような多角形を有してもよい。
【0032】
基板は、複数のデバイスを備えたデバイス領域を有してもよい。デバイス領域は、基板の第1面に形成されてもよい。デバイス領域内のデバイスは、たとえば、半導体デバイス、パワーデバイス、光学デバイス、医療デバイス、電気部品、MEMSデバイス、それらの組合せでもよい。デバイスは、たとえば、MOSFETまたは絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)などのトランジスと、または、例えばショットキーバリアダイオードなどのダイオードでもよく、又は、それらを備えてもよい。
【0033】
基板は、たとえば、第1面に、デバイスを持たず、デバイス領域の周りに形成されている周辺限界領域を更に持つことができる。
【0034】
保護フィルムは、単一材料、特に単一の均質材料で作られてもよい。
【0035】
保護フィルムは、高分子のようなプラスチック材料で作られてもよい。特に、好ましくは、保護フィルムはポリオレフィンで作られている。たとえば、保護フィルムは、ポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP),ポリブチレン(PB)で作られてもよい。
【0036】
保護フィルムは、5~200μm、好ましくは5~200μm、より好ましくは8~100μm、更により好ましくは10~80μm、もっと更により好ましくは12~50μmの範囲内の厚さを有することができる。特に好ましくは、保護フィルムは、80~150μmの範囲内の厚さを有する。
【0037】
保護フィルムの形状は、どのような種類の形状でもよい。上面視において、保護フィルムは、たとえば、円形、楕円形、長円形、長方形又は正方形のような多角形でもよい。
【0038】
基板の第1面または基板の第2面を保護フィルムの表の面に付けるステップは、保護フィルムの表の面の少なくとも中央領域が基板の第1面または基板の第2面と直接接触するように、基板の第1面または基板の第2面に保護フィルムを加える工程を含んでもよい。この場合、保護フィルムの表の面の中央領域と基板の第1面または基板の第2面との間には、何も材料、特に接着材が存在しない。保護フィルムの表の面の中央領域は、基板のデバイス領域に対応してもよい。
【0039】
保護フィルムの表の面の少なくとも中央領域が基板の第1面または基板の第2面と直接接触するように基板の第1面または基板の第2面に保護フィルムを加える工程によって、例えば、基板上の接着層または接着材残渣の接着力による、基板の起こり得る汚染または基板への損傷の危険性が大幅に低減し、又は排除されもする。
【0040】
保護フィルムの表の面が基板の第1面または基板の第2面と接触する全区域で、保護フィルムの表の面が基板の第1面または基板の第2面と直接接触するように、保護フィルムが基板の第1面または基板の第2面に加えられてもよい。そのため、基板の第1面または基板の第2面と保護フィルムの表の面との間には、何も材料、特に接着材が存在しない。
【0041】
このように、例えば、接着層の接着力または基板上の接着材残渣による、起こり得る基板汚染または損傷の危険性を確実に排除することができる。
【0042】
保護フィルムの全体の表の面に接着材が無くてもよい。
【0043】
基板の第1面または基板の第2面を保護フィルムの表の面に付けるステップは、基板の第1面または基板の第2面を保護フィルムに加える間および/または加えた後に、外部刺激を加え、基板の第1面または基板の第2面が保護フィルムの表の面に付けられる工程を更に含んでもよい。
【0044】
このように外部刺激を加えることによって、保護フィルムおよび基板の間に付ける力が発生し、基板上の所定位置で保護フィルムを保持する。したがって、保護フィルムを基板の第1面または基板の第2面に付ける為に追加の接着材は不要である。
【0045】
特に、外部刺激を保護フィルムに加えることによって、保護フィルムおよび基板の間に、積極嵌合のような形態嵌合(form fit)及び/又は接着結合のような材料結合(material bond)を形成することができる。用語「材料結合」と「接着結合」は、保護フィルムと基板との間を、これら2つのコンポーネント間に作用する原子及び/又は分子力によって付けること又は接続することを定める。
【0046】
用語「接着結合」は、これらの原子及び/又は分子力の存在に関し、これらが、保護フィルムを基板に付ける又は接着するように作用し、保護フィルムと基板との間に追加の接着の存在を意味しない。むしろ、前述した実施形態において、保護フィルムの表の面の少なくとも中央領域は、基板の第1面または基板の第2面と直接接触している。
【0047】
外部刺激を保護フィルムに加える工程は、保護フィルムの加熱および/または保護フィルムの冷却および/または保護フィルムに真空を加える、および/または、例えばレーザビームを使用することにより保護フィルムに対して光のような放射線を照射することを含んでもよく、或いは、これらから成り得る。
【0048】
外部刺激は、化学的化合物および/または電子又はプラズマ照射および/または、圧力、摩擦、超音波を加えることのような機械的処置、および/または静電気を含み、あるいは、これらでもよい。
【0049】
特に好ましくは、保護フィルムに外部刺激を加えるステップは、保護フィルムを加熱する工程を含み、或いは、この工程から成る。たとえば、保護フィルムに外部刺激を加える工程は、保護フィルムの加熱および保護フィルムに真空を加えることを含んでもよく、あるいは、これらから成り得る。この場合、真空は、保護フィルムを加熱する間および/または加熱する前および/または加熱した後に、保護フィルムに加えられてもよい。
【0050】
保護フィルムに外部刺激を加える工程が保護フィルムの加熱を含み、或いは、これから成る場合、当該方法は、加熱処理の後に保護フィルムの冷却を可能にすることを更に含んでもよい。特に、保護フィルムは、その初期温度まで、即ち、加熱処理前の温度までの冷却が可能である。保護フィルムは、保護フィルムの表の面に付けられた基板の面の反対側になる基板の面から基板を処理する前に、さらに/または、保護フィルムの表の面に付けられた基板の面から基板を処理する前に、例えば、その初期温度まで、冷却することを可能にしてもよい。
【0051】
保護フィルムおよび基板の間の付ける力は、加熱処理によって生じる。基板自体の加熱処理で、さらに/または、保護フィルムを冷却させる後の処理で、保護フィルムを基板に付けてもよい。
【0052】
例えば、基板のトポグラフィを吸収し、例えば、保護フィルムが加えられる基板の面に適合するように、保護フィルムが加熱処理によって柔らかくされてもよい。例えば、その初期温度まで冷却する際、例えば、基板に対する形態嵌合および/または材料結合を作るように、保護フィルムが再び硬化されてもよい。
【0053】
保護フィルムは、180℃以上の温度まで、好ましくは220℃以上の温度まで、より好ましくは250℃以上の温度まで、もっと更に好ましくは300℃以上の温度まで耐熱性があってもよい。
【0054】
保護フィルムは、30℃~250℃、好ましくは50℃~200℃、より好ましくは60℃~150℃、更により好ましくは70℃~110℃の範囲内の温度まで加熱されてもよい。特に好ましくは、保護フィルムは、およそ80℃の温度まで加熱される。
【0055】
保護フィルムは、基板の第1面または基板の第2面に保護フィルムを加える間および/または加えた後、30秒~10分、好ましくは1分~8分、より好ましくは1分~6分、更により好ましくは1分~4分、もっと更により好ましくは1分~3分の時間にわたって加熱されてもよい。
【0056】
保護フィルムに外部刺激を加える工程が保護フィルムの加熱を含み、或いは、これから成る場合、保護フィルムは、直接および/または間接的に加熱されてもよい。
【0057】
保護フィルムは、例えば、加熱されたローラ、加熱されたスタンプなどのような熱を加える手段、或いは、熱放射手段を使用して、それに直接熱を加えることによって加熱されてもよい。保護フィルムおよび基板は、真空チャンバのようなレセプタクル又はチャンバ内に置かれてもよく、レセプタクル又は、保護フィルムを加熱する為にチャンバの内容積が加熱されてもよい。レセプタクル又はチャンバには、熱放射手段が備えられてもよい。
【0058】
保護フィルムは、例えば、基板の第1面または基板の第2面に保護フィルムを加える前および/または加える間および/または加えた後に基板を加熱することによって、間接的に加熱されてもよい。たとえば、チャックテーブルのような支持部材またはキャリア上に基板を置き、その支持部材またはキャリアを加熱することによって、基板が加熱されてもよい。
【0059】
たとえば、チャックのような支持体又はキャリアは、30℃~250℃、好ましくは50℃~200℃、より好ましくは60℃~150℃、更により好ましくは70℃~110℃の範囲内の温度まで加熱されてもよい。特に好ましくは、支持体又はキャリアは、およそ80℃の温度まで加熱されてもよい。
【0060】
例えば、加熱されたローラ等のような熱を加える手段と、あるいは、保護フィルムの直接加熱および基板を通した保護フィルムの間接加熱の為に熱放射手段とを使用することによって、これらの方法が組み合わされてもよい。
【0061】
保護フィルムに外部刺激を加える工程が保護フィルムの加熱を含み、或いは、これから成る場合、保護フィルムは、加熱された状態にあるとき、しなやかであり、弾性があり、柔軟性があり、伸ばすことができ、柔らかく、さらに/または、圧縮性があるのが好ましい。このように、保護フィルムが加えられる基板の面に保護フィルムが適合し、例えば、基板のトポグラフィを吸収することが特に信頼性良く確保できる。基板の厚さ方向に沿って突出する、表面ムラ、粗さ、バンプ、光学素子などのような突出が基板の面に存在する場合、これは特に有利である。
【0062】
好ましくは、保護フィルムは、冷却の際、少なくとも、ある程度まで硬くされ、或いは、堅くされ、冷却状態で、より剛性があり、さらに/または頑丈になる。このように、基板の切断のような基板の後処理中に、特に信頼性の良い基板の保護が確保できる。
【0063】
この方法は、基板の第1面または第2面に保護フィルムを加える間および/または加えた後に、保護フィルムの裏の面に圧力を加えるステップを更に含んでもよい。このように、保護フィルムの表の面は、基板野代1面または第2面に押しつけられる。そのため、保護フィルムが信頼性良く基板に付けられることが特に効率良く確保できる。
【0064】
保護フィルムに外部刺激を加える工程が保護フィルムの加熱を含む場合、保護フィルムの加熱前および/または加熱中および/または加熱後に、圧力が保護フィルムの裏の面に加えられてもよい。この圧力は、基板を処理する前に、保護フィルムの裏の面に加えられてもよい。
【0065】
この圧力は、ローラ、スタンプ、膜などのような圧力を加える手段によって、保護フィルムの裏の面に加えられてもよい。
【0066】
特に好ましくは、加熱されたローラ又は加熱されたスタンプのような組み合わされた熱及び圧力を加える手段が使用されてもよい。この場合、圧力は保護フィルムの裏の面に加えることができるが、同時に、保護フィルムを加熱する。
【0067】
圧力は、真空チャンバ内で保護フィルムの裏の面に加えられてもよい。
【0068】
保護フィルムは、減圧雰囲気、特に、真空下で、基板の第1面または第2面に加えられ、さらに/または、付けられてもよい。このように、保護フィルムと基板との間に何も空洞及び/又は気泡が存在しないことが確保できる。このため、基板を処理する間に、例えば、加熱処理に膨張する、そのような気泡による基板の応力又は歪が避けられる。
【0069】
外部刺激を保護フィルムに加える工程が保護フィルムの加熱から成る場合、ポリオレフィンで作られた保護フィルムを使用することが特に好ましい。たとえば、保護フィルムは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン(PB)で作られてもよい。
【0070】
特に、外部刺激を保護フィルムに加える工程が、保護フィルムの加熱を含み、或いは、これから成る場合、ポリオレフィンフィルムは、本発明の基板処理方法で使用する為に特に有利な材料特性を有する。ポリオレフィンは、60℃~150℃の範囲内の温度まで加熱された状態のとき、しなやかで、伸ばすことができ、柔らかい。そのため、保護フィルムが、保護フィルムが加えられる基板の面に適合すること(たとえば、基板のトポグラフィを吸収すること)を特に信頼性良く確保できる。この基板の面が、基板の平坦面から突出する突出部又は突起で形成される場合、これは特に有利である。
【0071】
さらに、ポリオレフィンフィルムは、冷却された状態で、より剛性があり、頑丈になるように、冷却の際に硬化して堅くなる。このため、基板の切断、研削および/または研磨のような基板の後処理中、特に信頼性の良い基板の保護を確保できる。
【0072】
保護フィルムの裏の面に保持フレームを付けるステップは、保護フィルムの裏の面が保持フレームと直接接触するように保持フレームに保護フィルムを加える工程を含んでもよい。この場合、保護フィルムの裏の面と保持フレームとの間には、何も材料、特に接着材が存在しない。
【0073】
このように、例えば、接着層の接着力または保持フレーム上の接着材残渣による保持フレームの、起こりうる汚染または保持フレームに対する破損の危険性を信頼性良く排除することができる。
【0074】
保護フィルムの裏の面全体に接着材が無くてもよい。
【0075】
保護フィルムの裏の面に保持フレームを付けるステップは、保持フレームが保護フィルムの裏の面に付けられるように、保持フレームに保護フィルムを加える間および/または加えた後に、外部刺激を保護フィルムに加える工程を更に含んでもよい。
【0076】
このように外部刺激を加えることによって、保護フィルムおよび保持フレームの間に付ける力が発生し、保護フィルムを保持フレーム上の所定位置に保持する。このため、保護フィルムを保持フレームに付ける為に追加の接着材が不要である。
【0077】
特に、保護フィルムに外部刺激を加えることによって、保護フィルムおよび保持フレームの間に、積極嵌合のような形態嵌合及び/又は接着結合のような材料結合を形成することができる。用語「材料結合」と「接着結合」は、保護フィルムと保持フレームとの間を、これら2つのコンポーネント間に作用する原子及び/又は分子力によって付けること又は接続することを定める。
【0078】
外部刺激は、前述したようなものであってもよい。外部刺激は、前述したものと少なくとも実質的に同一の方法で保護フィルムに加えられてもよい。
【0079】
あるいは、保持フレームは、接着材によって保護フィルムの裏の面に付けられてもよい。たとえば、接着材は、ヒートシールまたはヒートスタンプによって、保持フレームおよび/または保護フィルムの裏の面に加えられてもよい。接着材は、保持フレームを保護フィルムに付ける前に、保持フレームおよび/または保護フィルムの裏の面に付けられてもよい。好ましくは、接着材は、保護フィルムの裏の面の一部分、特に、保護フィルムの裏の面の周辺領域だけに加えられてもよい。
【0080】
保護フィルムの表の面の反対側の裏の面にクッション層が付けられてもよい。
【0081】
表面ムラまたは粗さ、バンプ、光学素子(例えば、光学レンズ)、他の構造体などのような突出部、突起、凹部、トレンチが、保護フィルムが加えられる基板の面から基板の厚さの方向に沿って突出、拡張、突き出る場合、このアプローチは特に有利である。この場合、突出部又は突起は、基板の面のトポグラフィ又は表面構造体を定め、この面を不均一にする。
【0082】
クッション層が保護フィルムの裏の面に付けられる場合、そのような突出部および/または凹部をクッション層によって埋めることができる。このため、切断、研削および/または研磨のような後の基板処理ステップにおいて、突出部の存在から起こる表面ムラの悪影響を排除できる。特に、クッション層は、切断、研削および/または研磨処理中、圧力の、特に一様かつ均質な分布を達成するのに著しく寄与し得る。
【0083】
クッション層に突出部を埋め込むことによって、たとえば、光学素子、他の構造体のような突出部は、基板処理中(たとえば、後の切断、研削及び/又は研磨ステップ中)、どのような損傷からも信頼性良く保護される。
【0084】
クッション層の材料は、特に限定されない。特に、クッション層は、基板の厚さ方向に沿って突出する突出部が中に埋め込まれることを可能にする、どのような種類の材料で形成されてもよい。たとえば、クッション層は、樹脂、接着材、ゲルなどで形成されてもよい。
【0085】
クッション層は、UV線、熱、電界および/または化学剤のような外部刺激によって硬化可能であってもよい。この場合、クッション層は、外部刺激を加える際になくとも一定の程度まで硬くなる。たとえば、クッション層は、硬化性樹脂、硬化性接着材、硬化性ゲルなどで形成されてもよい。
【0086】
クッション層は、硬化後、ある程度の圧縮性、弾性および/または柔軟性を呈するように、即ち、圧縮性、弾性および/または柔軟性を持つように構成されてもよい。たとえば、クッション層は、硬化によってゴムのような状態にもたらされるものでもよい。あるいは、クッション層は、硬化後、剛性があり、硬い状態に達するように構成されてもよい。
【0087】
本発明の方法においてクッション層として使用されるUV硬化性樹脂の好ましい実施例は、DISCO株式会社によるResiFlatとDENKAによるTEMPLOCである。
【0088】
本発明の方法は、基板の処理(例えば、切断、研削及び/又は研磨)前に、クッション層を硬化させるようにクッション層に外部刺激を加える工程を更に含んでもよい。このように、処理中の基板の保護および処理精度を更に改善することができる。
【0089】
クッション層は、180℃以上の温度まで、好ましくは220℃以上の温度まで、より好ましくは250℃以上の温度まで、更により好ましくは300℃の温度まで耐熱性があってもよい。
【0090】
クッション層は、10~300μm、好ましくは20~250μm、より好ましくは50~200μmの範囲内の厚さを有してもよい。
【0091】
クッション層は、基板の第1面または第2面に保護フィルムを加える前に保護フィルムの裏の面に付けられてもよい。
【0092】
この場合、保護フィルムおよびクッション層は、最初に積層され、クッション層と、クッション層に付けられた保護フィルムとを備える保護シーティングを形成してもよい。このように形成された保護シーティングは、例えば、基板の平坦面から突出する突出部又は突起が保護フィルムによって覆われ、保護フィルム及びクッション層に埋め込まれるように、基板の第1面または第2面に後で加えられてもよい。保護フィルムの表の面に加えられた牙の面の反対側にある基板の面に対してクッション層の裏の面が実質的に平行になるように、保護シーティングが加えられてもよい。そのため、基板を処理(例えば、切断、研削および/または研磨)するとき、例えば、この裏の面をチャックテーブル上に置くことによって、最適なカウンタ圧力をクッション層の裏の面に加えることができる。
【0093】
保護シーティングが基板の第1面または第2面に加えられるとき、基板の第1面または第2面に保護フィルムの表の面が加えられる。
【0094】
このように、基板処理法を特に簡単かつ効率的な方法で実行することができる。たとえば、保護シーティングは、事前に準備され、後で使用するために保管され、必要なときに基板処理に使用することができる。したがって、保護シーティングは大量に製造することができ、その製造を時間とコストの両方の点で特に効率的にすることができる。
【0095】
クッション層は、保護フィルムを基板の第1面または第2面に加えた後に保護フィルムの裏の面に付けられてもよい。
【0096】
この場合、最初に、保護フィルムが基板の第1面または第2面に加えられ、続いて、例えば、基板の平坦面から突出する突出部又は突起が保護フィルムおよびクッション層に埋め込まれるように、保護フィルムが加えられた基板の第1面または第2面がクッション層の表の面に付けられ、保護フィルムの表の面に加えられた基板の面の反対側にある基板の面に対して、クッション層の裏の面は実質的に平行になる。このアプローチは、基板の平坦面から突出する突出部又は突起に関して、保護フィルムが、特に高精度で、基板の第1面または第2面に付けられることを可能にする。
【0097】
クッション層は、基板の第1面または第2面に保護フィルムを付ける前および/または付ける間および/または付けた後に、保護フィルムの裏の面に付けられてもよい。
【0098】
この方法は、基板から保護フィルムおよびクッション層を取り外すステップを更に含んでもよい。保護フィルムおよびクッション層は、基板の処理後に、基板から取り外されてもよい。
【0099】
クッション層および保護フィルムは、個別に(即ち、次々と)取り外されてもよい。たとえば、クッション層が最初に取り外され、その後、保護フィルムが取り外されてもよい。あるいは、クッション層および保護フィルムが一緒に取り外されてもよい。
【0100】
好ましくは、クッション層が存在する場合、保持フレームは、保護フィルムの裏の面に直接付けられる。この場合、保持フレームが保護フィルmの裏の面に付けられる領域において、保持フレームと保護フィルムの裏の面との間にはクッション層が存在しない。たとえば、クッション層は、保護フィルムの側方拡張(例えば、直径)より小さい、保護フィルムの側方拡張(例えば、直径)を有してもよい。クッション層の側方拡張(例えば直径)は、基板の側方拡張(例えば、直径)と実質的に同一またはそれより大きくてもよい(例えば、僅かに大きくてもよい)。クッション層は、保護フィルムの周辺部分に存在しなくてもよい。クッション層は、保護フィルムの中央部分だけに存在してもよい。保護フィルムの周辺部分は、保護フィルムの中央部分の周囲に(即ち、中央部分を取り囲むように)配置されてもよい。保護フィルムの中央部分において、基板は保護フィルムの表の面に付けられてもよい。
【0101】
あるいは、クッション層が存在する場合、保持フレームは、保持フレームをクッション層の裏の面に付けることによって保護フィルムの裏の面に付けられてもよい。
【0102】
保護フィルムとクッション層は、共に保護シーティングを形成する。保護シーティングの表の面は、保護フィルムの表の面によって形成されてもよい。保護シーティングの裏の面は、クッション層の裏の面によって、あるいは、好ましくは、保護フィルムの裏の面およびクッション層の裏の面によって、形成されてもよい。保護シーティングの裏の面は、保護シーティングの中央部分において、クッション層の裏の面によって形成されてもよい。保護シーティングの裏の面は、保護シーティングの周辺部分において、保護フィルムの裏の面によって形成されてもよい。保護シーティングの周辺部分は、保護シーティングの中央部分の周囲に(即ち、中央部分を取り囲むように)配置されてもよい。保護シーティングの中央部分は、保護フィルムの中央部分に対応してもよい。保護シーティングの周辺部分は、保護フィルムの周辺部分に対応してもよい。保持フレームは、保護シーティングの裏の面に付けられてもよい。
【0103】
保持フレームを保護シーティングの裏の面に(即ち、好ましくは、保護フィルムの裏の面に直接)、あるいは、代替で、クッション層の裏の面に付けるステップは、保護シーティングの裏の面が保持フレームと直接接触するように、保護シーティングを保持フレームに加える工程を含んでもよい。この場合、保護シーティングの裏の面および保持フレームの間には、何も材料、特に接着材が存在しない。
【0104】
保護シーティングの裏の面全体には接着材が無くてもよい。
【0105】
保護シーティングの裏の面に保持フレームを付けるステップは、保持フレームが保護シーティングの裏の面に付けられるように、保持フレームに保護シーティングを加える間および/または加えた後に、外部刺激を保護シーティングに加える工程を更に含んでもよい。
【0106】
このように外部刺激を加えることによって、保護シーティングおよび保持フレームの間には付ける力が発生し、保護フィルムを保持フレーム上の所定位置に保持する。このため、保護シーティングを保持フレームに付ける為に追加の接着材が不要である。
【0107】
外部刺激は、前述したようなものでもよい。外部刺激は、前述したものと少なくとも実質的に同一の方法で保護フィルムに加えられてもよい。
【0108】
ベースシートは、保護フィルムに付けられた表の面に対して反対側にあるクッション層の裏の面に付けられてもよい。
【0109】
ベースシートの材料は、特に限定されない。ベースシートは、たとえば、高分子材料のような、柔らかく、しなやかな材料(たとえば、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン酢酸ビニルコポリマ(EVA)又はポリオレフィン)で形成されてもよい。
【0110】
あるいは、ベースシートは、ポリエチレンテレフタレート(PET)および/またはシリコンおよび/またはガラスおよび/またはステンレス鋼(SUS)のような剛性又は硬い材料で形成されてもよい。
【0111】
たとえば、ベースシートがポリエチレンテレフタレート(PET)またはガラスで作られ、クッション層が外部刺激によって硬化可能である場合、クッション層は、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはガラスを通して透過可能な放射線、たとえば、UV線で硬化されてもよい。ベースシートがシリコンまたはステンレス鋼で作られる場合、費用対効果の良いベースシートが提供される。
【0112】
また、ベースシートが上記列挙された材料の組合せで形成されてもよい。
【0113】
ベースシートは、180℃以上の温度、好ましくは220℃以上の温度、より好ましくは250℃以上の温度、更により好ましくは300℃の温度での耐熱性があってもよい。
【0114】
ベースシートは、30~1500μm、好ましくは、40~1200μm、より好ましくは50~1000μmの範囲内の厚さを有してもよい。
【0115】
クッション層およびベースシートは、保護フィルムを基板の第1面又は第2面に加える前または加えた後に、保護フィルムの裏の面に付けられてもよい。特に、保護フィルム、クッション層、ベースシートは、最初に積層され、ベースシートと、クッション層と、クッション層に付けられた保護フィルムとを備える保護シーティングを形成してもよい。このように形成された保護シーティングは、続いて、基板に加えられてもよい。
【0116】
ベースシートの表の面は、クッション層の裏の面と接触し、ベースシートの表の面に対して反対側にあるベースシートの裏の面が、保護フィルムの表の面に加えられた基板の面に対して反対側になる基板の面と実質的に平行であってもよい。そのため、基板を処理(例えば、切断、研削および/または研磨)するとき、例えば、この裏の面をチャックテーブル上に置くことによって、最適なカウンタ圧力をバックシートの裏の面に加えることができる。
【0117】
当該方法は、基板から、保護フィルム、クッション層、ベースシートを取り外すステップを更に含んでもよい。保護フィルム、クッション層、ベースシートは、基板を処理した後に基板から取り外されてもよい。
【0118】
ベースシート、クッション層、保護フィルムが個別に取り外され、即ち、次々と)取り外されてもよい。たとえば、ベースシートが最初に取り外され、続いて、クッション層、その後、保護フィルムが取り外されてもよい。あるいは、ベースシート、クッション層、保護フィルムが一緒に取り外されてもよい。
【0119】
好ましくは、クッション層およびベースシートが存在する場合、保持フレームは、保護フィルムの裏の面に直接付けられる。この場合、クッション層およびベースシートは、保持フレームが保護フィルムの裏の面に付けられる領域において、保持フレームおよび保護フィルムの裏の面の間に存在しない。たとえば、クッション層およびベースシートは、保護フィルムの側方拡張(例えば、直径)より小さい側方拡張(例えば、直径)を有してもよい。クッション層の側方拡張(例えば、直径)は、基板の側方拡張(例えば、直径)と同一または基板の側方拡張(例えば、直径)おり大きくてもよい(例えば、僅かに大きくてもよい)。ベースシートの側方拡張(例えば、直径)は、基板の側方拡張(例えば、直径)と同一または基板の側方拡張(例えば、直径)おり大きくてもよい(例えば、僅かに大きくてもよい)。クッション層の側方拡張(例えば、直径)は、ベースシートの側方拡張(例えば、直径)と実質的に同一でもよい。クッション層およびベースシートは、保護フィルムの周辺部分に存在しなくてもよい。クッション層およびベースシートは、保護フィルムの中央部分に存在するだけでもよい。保護フィルムの周辺部分は、保護フィルムの中央部分の周囲に(中央部分を取り囲むように)配置されてもよい。基板は、保護フィルムの中央部分において、保護フィルムの表の面に付けられてもよい。
【0120】
あるいは、クッション層およびベースシートが存在する場合、保持フレームは、ベースシートの裏の面に保持フレームを付けることによって、保護フィルムの裏の面に付けられてもよい。
【0121】
保護フィルム、クッション層、ベースシートは、共に保護シーティングを形成する。保護シーティングの表の面は、保護フィルムの表の面によって形成されてもよい。保護シーティングの裏の面は、ベースシートの裏の面によって、あるいは、好ましくは、保護フィルムの裏の面およびベースシートの裏の面によって、形成されてもよい。保護シーティングの裏の面は、保護シーティングの中央部分において、ベースシートの裏の面によって形成されてもよい。保護シーティングの裏の面は、保護シーティングの周辺部分において、保護フィルムの裏の面によって形成されてもよい。保護シーティングの周辺部分は、保護シーティングの中央部分の周囲に(即ち、取り囲むように)配置されてもよい。保護シーティングの中央部分は、保護フィルムの中央部分に対応してもよい。保護シーティングの周辺部分は、保護フィルムの周辺部分に対応してもよい。保持フレームは、保護シーティングの裏の面に付けられてもよい。
【0122】
保持フレームを保護シーティングの裏の面に(即ち、保護フィルムの裏の面に直接)、あるいは、代替で、ベースシートの裏の面に付けるステップは、保護シーティングの裏の面が保持フレームと直接接触するように、保持フレームに保護シーティングを加える工程を含んでもよい。この場合、保護シーティングの裏の面および保持フレームの間には、何も材料、特に、接着材が存在しない。
【0123】
保護シーティングの裏の面全体に接着材が無くてもよい。
【0124】
保持フレームを保護シーティングの裏の面に付けるステップは、保持フレームが保護シーティングの裏の面に付けられるように、保持フレームに保護シーティングを加える間および/または加えた後に、保護シーティングに外部刺激を加える工程を更に含んでもよい。
【0125】
このように外部刺激を加えることによって、保護シーティングおよび保持フレームの間に付ける力が発生し、保護シーティングを保持フレーム上の所定位置に保持する。このため、保護シーティングを保持フレームに付ける為に追加の接着材が不要である。
【0126】
外部刺激は、前述したようなものでもよい。外部刺激は、前述したような同一の方法で、少なくとも実質的に保護シーティングに加えられてもよい。
【0127】
少なくとも一つの分割ラインが、基板の第1面上に形成されてもよい。複数の分割ラインが、基板の第1面上に形成されてもよい。複数の分割ラインは、基板の第1面上に格子配置で設けられてもよい(即ち、例えば、実質的に90°の角度で互いに交差または交わるように配置されてもよい)。一つ又は複数の分割ラインは、デバイス領域内に形成されたデバイスを区切ってもよい。
【0128】
少なくとも一つの分割ラインの幅は、20μm~200μm、好ましくは、30μm~150μm、より好ましくは30μm~100μmの範囲内にあってもよい。
【0129】
基板の第1面は、保護フィルムの表の面に付けられてもよい。あるいは、基板の第2面は、保護フィルムの表の面に付けられてもよい。
【0130】
本発明の方法は、支持表面を有する支持部材を準備するステップを更に含んでもよい。さらに、当該方法は、保護フィルムの裏の面が支持表面と接触するように、保護フィルムの表の面に付けられた基板を支持部材の支持表面上に置いてもよい。この場合、保護フィルムの表の面に付けられた基板の面に対して反対側になる基板の面が露出する(例えば、上向きになる)ので、特に簡単かつ効率的な方法で基板を処理することができる。
【0131】
あるいは、保護フィルムの表の面に付けられた基板は、保護フィルムの表の面に付けられた基板の面の反対側になる基板の面が支持表面と接触するように、支持部材の支持表面上に置かれてもよい。この場合、基板は、保護フィルムの表の面に付けられた基板の面から、特に簡単かつ効率的な方法で処理可能である。
【0132】
基板は、基板を処理する前に支持部材の支持表面に置かれてもよい。基板は、支持部材の支持表面に置かれたまま処理されてもよい。
【0133】
支持表面の面における支持部材の外径は、保持フレームの中央開口部の直径より小さくてもよい(即ち、保持フレームの内径より小さくてもよい)。ここで、「支持表面の面における支持部材の外径」という表現は、支持部材の径方向における支持部材の外径を意味する。
【0134】
支持部材は、例えば、支持表面の面において円形横断面を有する支持テーブル形式でもよい。たとえば、支持部材は、チャックテーブルでもよい。支持部材は、連続した支持表面を有してもよい。
【0135】
保護フィルムに付けられた基板が支持部材の支持表面上に置かれるとき、保護フィルムが基板および支持表面の間に配置されて、保護フィルムに付けられた基板の少なくとも一部分が支持表面上に載置されてよい。例えば、保護フィルムが基板および支持表面の間に配置されて、保護フィルムに付けられた全体の基板が支持表面に載置されてもよい。
【0136】
支持表面上で基板を支持する為に支持部材に保持手段が備えられてもよい。保持手段は、吸引の下で支持表面上に基板を保持する吸引手段でもよい。
【0137】
本発明の方法は、保持フレームを支持する為の支持手段を更に備えてもよい。支持手段は、例えば、支持部材の周囲に支持部材の周囲の周りに配置されてもよい。支持手段は、保持フレームを支持するように構成され、支持部材に関して保持フレームを所定位置に保持する。
【0138】
当該方法は、保持フレームの少なくとも一部分が支持手段上に載置されるように、支持手段上に保持フレームを置くステップを含んでもよい。保持フレーム全体が支持手段上に載置されてもよい。
【0139】
保持フレームは、基板を処理する前に支持手段上に置かれてもよい。基板は、保持フレームが支持手段上に置かれたまま、処理されてもよい。
【0140】
本発明の方法は、検査装置を準備するステップを更に含んでもよい。検査装置は、基板の面上に形成された整列マークを検査および/または検出するように構成されてもよい。特に、検査装置は、基板の面上に形成された一つ又は複数の分割ラインを検査および/または検出するように構成されている。たとえば、検査装置は、カメラ、検出器などでもよく、それらを備えてもよい。
【0141】
当該方法は、保護フィルムを通して検査装置により、保護フィルムの表の面に付けられた基板の面を検査するステップを含んでもよい。この検査処理は、基板の、この面に形成された整列マークを検査および/または検出する工程から成り、または、この工程を含んでもよい。特に、検査処理は、基板の、この面に形成された一つ又は複数の分割ラインを検査および/または検出する工程から成り、または、この工程を含んでもよい。
【0142】
保護フィルムの表の面に付けられた基板の面は、基板を処理する前に、保護フィルムを通して検査装置により検査されてもよい。
【0143】
前述した方法で基板面に形成された整列マーク(例えば、一つ又は複数の分割ライン)を検査および/または検出することによって、続く処理のために、基板の正確かつ効率的な整列を達成できる。
【0144】
たとえば、一つ又は複数の分割ラインは、基板の第1面上に形成されてもよい。基板の第1面は、保護フィルムの表の面に付けられてもよい。保護フィルムを通して検査装置によって一つ又は複数の分割ラインを検査および/または検出するステップは、基板が正確に整列できるように一つ又は複数の分割ラインの特に正確かつ効率的な検査および/または検出を可能にする。これは、特に、例えば赤外線(IR)カメラによる、基板の第1面上に基板の第2面から形成された整列マークの検査および/または検出が難しい又は不可能である基板(第2面に金属層がある基板、高度にドープされたウェハ、厚い基板、ボンディングされた基板、第2面に高度な表面粗さを持つ基板など)に適用される。
【0145】
当該方法が、保護フィルムを通して検査装置により保護フィルムの表の面に付けられた基板の面を検査する場合、保護フィルムの表の面の少なくとも中央領域が基板と直接接触するように保護フィルムの表の面に基板を付けることが特に好ましい。この場合、保護フィルムの表の面の中央領域および基板の間には、何も材料、特に接着材が存在しない。このため、そのような材料、特に接着材がないため、特に高精度で保護フィルムを通して、基板上に形成された整列マークを検査および/または検出することができる。
【0146】
当該方法は、支持部材を通して検査装置により、保護フィルムの表の面に付けられた基板の面を検査するステップを含んでもよい。支持部材は、検査装置によって使用される可視光などの放射線に対して少なくとも部分的に透過性であってもよい。たとえば、支持部材は、少なくとも部分的または全体的に透明な材料で作られてもよく、または、検査装置が基板を検査できる開口部または窓を備えていてもよい。検査装置は、支持部材上または支持部材において、または少なくとも部分的に、支持部材の内部または内側に配置されてもよい。
【0147】
保護フィルムには、接着層が備えられてもよい。接着層は、保護フィルムの表の面の周辺領域だけに備えられてもよい。保護フィルムの表の面の周辺領域は、保護フィルムの表の面の中央領域を取り囲むように配置されてもよい。
【0148】
基板の第1面または基板の第2面は、接着層が基板の第1面または基板の第2面の周辺領域のみと接触するように保護フィルムの表の面に付けられてもよい。基板の第1面または第2面は、基板お周辺限界領域であってもよく、それに対応してもよい。
【0149】
そのような接着層を使用することによって、保護フィルムを基板に付けることを更に改善することができる。さらに、接着層は保護フィルムの表の面の周辺領域だけに設けられるので、保護フィルムおよび基板が接着層によって互いに付けられる領域は、接着層が保護フィルムの表の面全体に設けられる場合と比較して著しく減少される。したがって、より簡単に保護フィルムを基板から取り外すことができ、基板、特に、その上に形成されたデバイスの損傷危険性が大幅に低減される。
【0150】
接着層の接着材は、UV線、電界および/または化学剤などの外部刺激によって硬化可能であってもよい。このように、処理後に基板から保護フィルムを特に簡単に取り外すことができる。接着材に外部刺激を加えて接着力を低下させることによって、保護フィルムを簡単に取り外すことができる。
【0151】
たとえば、接着層は、実質的に環状の形状、開いた長方形の形状、または開いた正方形の形状、すなわち、それぞれ接着層の中心に開口部を有する長方形または正方形の形状を有することができる。
【0152】
保護フィルムは拡張可能でもよい。保護フィルムは、基板の第1面または第2面に加えられるときに拡張されてもよい。基板の各面に突出部および/または凹部が存在する場合、これらの突出部の外形と密接に、あるいは、少なくとも部分的に追従するように、保護フィルムが基板の面に加えられるとき、保護フィルムが拡張されてもよい。
【0153】
特に、保護フィルムは、その当初のサイズの2倍以上、好ましくは当初のサイズの3倍以上、より好ましくは当初のサイズの4倍以上に拡張可能である。このように、特に当初のサイズの3倍または4倍以上に拡張する場合、保護フィルムが突出部の外形に追従することを確実に保証することができる。
【0154】
保護フィルムが拡張可能である場合、それは、後述するように、基板上に形成されたデバイスを互いに分離するために使用できる。特に、当該方法は、基板を処理した後、デバイスを互いに分離するように保護フィルムを径方向に拡張するステップを更に含んでもよい。
【0155】
たとえば、基板は、例えば、機械的切断処理、レーザ切断処理および/またはプラズマ切断処理によって、あるいは、研削処理前のダイシングによって、完全に分割されてもよい。その後、完全に分割されたデバイスは、チップ又はダイの形でもよいが、これらは、保護フィルムを径方向に拡張させることによって、お互いから遠ざかるように移動されてもよく、これによって、隣接したデバイス間の距離が増加する。
【0156】
基板は、保護フィルムの表の面に付けられた基板の面の反対側にある基板の面から処理されてもよい。
【0157】
保護フィルムの表の面に付けられた基板の面の反対側にある基板の面から基板を処理するステップは、保護フィルムの表の面に付けられた基板の面の反対側にある基板の面から基板を切断および/または研削および/または研磨する工程を含んでもよい。
【0158】
特に、基板は、保護フィルムの表の面に付けられた基板の面の反対側にある面から、一つ又は複数の分割ラインに沿って(例えば、保護フィルムの表の面に付けられた基板の面に形成された一つ又は複数の分割ラインに沿って)、切断されてもよい。
【0159】
切断処理において、基板材料は、基板の厚さ全体を通して、少なくとも一つの分割ラインに沿って除去されてもよい。この場合、基板は、基板材料除去処理によって、少なくとも一つの分割ラインに沿って、複数のチップ又はダイへと分割される。
【0160】
あるいは、基板材料は、基板の厚さの一部だけに沿って、少なくとも一つの分割ラインに沿って、除去されてもよい。たとえば、基板材料は、基板の厚さの20%以上に沿って、30%以上に沿って、40%以上に沿って、50%以上に沿って、60%以上に沿って、70%以上に沿って、80%以上に沿って、90%以上に沿って、除去されてもよい。
【0161】
この場合、基板を分割、即ち、完全に分割する処理は、たとえば、破壊処理を採用するステップと、例えば、拡張テープを使用して、基板に外力を加えるステップと、或いは、機械的切断又はダイシング処理、レーザ切断又はダイシング処理、プラズマ切断又はダイシング処理のような切断又はダイシング処理を採用するステップとによって実行されてもよい。たとえば、外力は、保護フィルムを径方向に拡張させることによって、即ち、拡張テープとして保護フィルムを使用することによって、基板に加えられてもよい。さらに、2つ以上の、これらの処理の組合せが使われてもよい。
【0162】
基板材料は、少なくとも一つの分割ラインに沿って、機械的に除去されてもよい。特に、基板材料は、例えばブレードダイシング又は鋸によって、少なくとも一つの分割ラインに沿って基板を機械的に切断することによって、少なくとも一つの分割ラインに沿って除去されてもよい。
【0163】
代替または追加で、基板材料が、レーザ切断および/またはプレズマ切断によって、少なくとも一つの分割ラインに沿って除去されてもよい。
【0164】
基板は、単一の機械的切断ステップ、単一のレーザ切断ステップまたは単一のプラズマ切断ステップで切断されてもよい。あるいは、基板は、連続した機械的切断ステップおよび/またはレーザ切断ステップおよび/またはプラズマ切断ステップによって切断されてもよい。
【0165】
レーザ切断は、たとえば、アブレーションレーザ切断によって、および/またはステルスレーザ切断によって、即ち、後述されるように、レーザビームを加えることによって基板内部に改質区域を形成することによって、および/またはレーザビームを加えることによって基板内に複数のホール区域を形成することによって、行われてもよい。これらのホール区域の各々は、ウェハの表面に開いた改質区域内の空間と改質区域とから構成されてもよい。
【0166】
保護フィルムを基板に付けることによって、切断ステップ中に加えられる圧力が切断中に基板全体にわたってより均一かつ均質に分布するため、基板への損傷の危険性、例えば、結果として生じるチップ又はダイの側壁に亀裂が生じることを減少または最小限に抑えることが保証される。
【0167】
ステルスレーザ切断処理では、基板を通るレーザビームの透過を可能にする波長を有するレーザビームが基板に加えられる。したがって、基板は、レーザビームに対して透過性の材料で作られている。レーザビームは、基板内(例えば、基板の大部分の内側または内部)に複数の改質区域を形成するように、少なくとも一つの分割ラインに沿って、少なくとも複数の位置で基板に加えられる。
【0168】
レーザビームは、パルスレーザビームであってもよい。パルスレーザビームは、たとえば、1fs~1000nsの範囲内のパルス幅を有してもよい。
【0169】
改質区域は、レーザビームを加えることによって改質された基板の区域である。改質区域は、基板材料の構造が改質された基板の区域でもよい。改質区域は、基板が損傷された基板の区域でもよい。
【0170】
これらの改質区域を形成することによって、改質区域が形成された、これらの領域における基板の強度が減少される。このため、複数の改質区域が形成された少なくとも一つの分割ラインに沿った基板の分割が非常に容易になる。このような基板分割処理において、基板のデバイス領域に設けられた個々のデバイスがチップ又はダイとして得られる。
【0171】
改質区域は、アモルファス区域、または割れが形成された区域を含んでもよく、或いは、アモルファス区域、または割れが形成された区域であってもよい。特に好ましい実施形態において、改質区域は、アモルファス区域を含み、或いは、アモルファス区域である。
【0172】
各々の改質区域は、空間(例えば空洞)を基板材料の内側に含んでもよく、空間は、アモルファス区域または割れが形成された区域によって囲まれる。
【0173】
各々の改質区域は、基板材料の内側の空間(例えば空洞)から構成され、アモルファス区域、または割れが形成された区域は、その空間を囲んで形成される。
【0174】
改質区域は、割れが形成される区域、即ち、割れが形成されていた区域を含み、或いは、これらの区域である場合、これらの割れは、微細割れでもよい。割れの寸法(例えば長さおよび/または幅)は、μm範囲内であろう。たとえば、割れは、5μm~100μmの範囲内の幅および/または100μm~1000μmの範囲内の長さを有するであろう。
【0175】
当該方法は、基板内に複数の改質区域を形成した後、少なくとも一つの分割ラインに沿って基板を分割するステップを更に含んでもよい。基板を分割する処理は、例えば、破壊処理を採用することによって、たとえば、拡張テープを使用して基板に外力を加えることによって、あるいは、機械的切断又はダイシング処理、レーザ切断又はダイシング処理、プラズマ切断又はダイシング処理のような切断又はダイシング処理の採用を採用することによって、様々な方法で実行されてもよい。たとえば、保護フィルムを径方向に拡張させること、即ち、拡張テープとして保護フィルムを使用することによって、外力が基板に加えられてもよい。さらに、2つ以上の、これらの処理が使われてもよい。
【0176】
保護フィルムの表の面に付けられた基板の面の反対側にある基板の面から基板を処理するステップは、基板の厚さを調整するように、保護フィルムの表の面に付けられた基板の面の反対側にある基板の面から基板を研削する工程を更に含んでもよい。そのような研削処理は、基板を切断する前および/または切断した後に行われてもよい。
【0177】
たとえば、本発明の方法は、研削処理の前にダイシング工程を含んでもよい。特に、保護フィルムの表の面に基板の第1面または基板の第2面を付ける前に、保護フィルムに付けられる基板面から、基板を部分的に切断(即ち、その厚さの一部だけに沿って切断)してもよい。続いて、この基板面を保護フィルムに付け、部分切断処理において基板材料が何も除去されなかった基板の厚さの残部に沿って、例えば、少なくとも一つの分割ラインに沿って基板を分割するように反対側の基板面を研削してもよい。
【0178】
保護フィルムの表の面に付けられた基板の面の反対側にある基板の面から基板を処理するステップは、保護フィルムの表の面に付けられた基板の面の反対側にある基板の面から基板を研磨する工程を更に含んでもよい。基板が研削処理をも受ける場合、基板は、研削後に研磨されるのが好ましい。
【0179】
保護フィルムの表の面に付けられた基板の面の反対側にある基板の面から基板を研磨する処理は、化学機械的研磨(CMP),乾式研磨(DP)および/または他の形式の研磨処理から成り、あるいは、これらの研磨処理を含んでもよい。
【0180】
保護フィルムの表の面に付けられた基板の面の反対側にある基板の面から基板を処理するステップは、保護フィルムの表の面に付けられた基板の面の反対側にある基板の面から基板をエッチング工程(例えば、プラズマエッチング工程)を更に含んでもよい。
【0181】
基板は、保護フィルムの表の面に付けられた基板の面から処理されてもよい。
【0182】
保護フィルムの表の面に付けられた基板の面から基板を処理するステップは、保護フィルムの表の面に付けられた基端の面から、例えばレーザビームを使用して、光のような放射線を基板に照射する工程を含んでもよい。例えば、レーザビームを使用することによって、保護フィルムを通して、光を基板に照射してもよい。
【0183】
特に、基板は、保護フィルムを通したステルスレーザ切断処理を受けてもよい。そのような処理において、前述したように、基板内に複数の改質区域を形成するように、保護フィルム及び基板を透過することができる波長を有するレーザビームが基板に加えられる。
【0184】
本発明は、第1面と、第1面の反対側の第2面とを有する基板を処理する更なる方法も提供する。この方法は、表の面と、表の面の半谷側の裏の面とを有する保護シーティングを準備するステップと、基板を保持する為の保持フレームを準備するステップとを含む。保持フレームは、中央開口部を有する。この方法は、保持フレームの中央開口部を保護シーティングによって閉鎖するように保護シーティングの表の面または裏の面に保持フレームを付けるステップと、保護シーティングの表の面に基板の第1面または基板の第2面を付けるステップとを更に含む。さらに、当該方法は、保護シーティングの表の面に付けられた基板の面の反対側にある基板の面から基板を処理するステップと、さらに/または、保護シーティングの表の面に付けられた基板の面から基板を処理するステップとを含む。保護シーティングの表の面または裏の面に保持フレームを付けるステップは、保護シーティングの表の面または裏の面が保持フレームと直接接触するように保持フレームに保護シーティングを加える工程と、保持フレームが保護シーティングの表の面または裏の面に保持フレームが付けられるように保持フレームに保護シーティングを加える間および/または加えた後に保護シーティングに外部刺激を加える工程とを含む。
【0185】
本発明の第1方法について提供された特徴および説明の全ては、本発明の第2方法にも適用される。
【0186】
基板および保持フレームは、前述した特性、機能、特徴を有してもよい。
【0187】
保護シーティングは、前述した保護フィルムを含んでもよい。保護シーティングの表の面は保護フィルムの表の面によって形成されてもよい。
【0188】
保護シーティングは、前述した保護フィルムから成ってもよい。この場合、保護シーティングの表の面は、保護フィルムの表の面であり、保護シーティングのウランお面は保護フィルムの裏の面である。
【0189】
保護シーティングは、前述した保護フィルムおよびクッション層を備えてもよい。
【0190】
保護シーティングは、前述した保護フィルムおよびクッション層から成ってもよい。
【0191】
保護シーティングの表の面は、保護フィルムの表の面によって形成されてもよい。保護シーティングの裏の面は、クッション層の裏の面によって、好ましくは、保護フィルムの裏の面およびクッション層の裏の面によって形成されてもよい。保護シーティングの裏の面は、保護シーティングの中央部分において、クッション層の裏の面によって形成されてもよい。保護シーティングの裏の面は、保護シーティングの周辺部分において、保護フィルムの裏の面によって形成されてもよい。保護シーティングの周辺部分は、保護シーティングの中央部分の周囲に(即ち、中央部分を取り囲むように)配置されてもよい。保持フレームは、保護シーティングの周辺部分において、保護シーティングに付けられてもよい。
【0192】
たとえば、クッション層は、保護フィルムの側方拡張(例えば、直径)より小さい側方拡張(例えば、直径)を有してもよい。クッション層の側方拡張(例えば、直径)は、基板の側方拡張(例えば、直径)と同一または基板の側方拡張(例えば、直径)より大きくてもよい(例えば、僅かに大きくてもよい)。クッション層は、保護フィルムの周辺部分に存在しなくてもよい。クッション層は、保護フィルムの中央部分に存在するだけでもよい。保護フィルムの周辺部分は、保護フィルムの中央部分の周囲に(即ち、中央部分を取り囲むように)配置されてもよい。基板は、保護フィルムの中央部分において、保護シーティングの表の面に付けられてもよい。
【0193】
保護シーティングは、前述した保護フィルム、クッション層、ベースシートを備えてもよい。
【0194】
保護シーティングは、前述した保護フィルム、クッション層、ベースシートから成ってもよい。
【0195】
保護シーティングの表の面は、保護フィルムの表の面によって形成されてもよい。保護シーティングの裏の面は、ベースシートの裏の面によって、あるいは、好ましくは、保護フィルムの裏の面およびベースシートの裏の面によって、形成されてもよい。保護シーティングの裏の面は、保護シーティングの中央部分において、ベースシートの裏の面によって形成されてもよい。保護シーティングの裏の面は、保護シーティングの周辺部分において、保護フィルムの裏の面によって形成されてもよい。保護シーティングの周辺部分は、保護シーティングの中央部分の周囲に(即ち、中央部分を取り囲むように)配置されてもよい。保持フレームは、保護シーティングの周辺部分において、保護シーティングに付けられてもよい。
【0196】
たとえば、クッション層およびベースシートは、保護フィルムの側方拡張(例えば、直径)より小さい側方拡張(例えば、直径)を有してもよい。クッション層の側方拡張(例えば、直径)は、基板の側方拡張(例えば、直径)と実質的に同一または基板の側方拡張(例えば、直径)より大きくてもよい(例えば、僅かに大きくてもよい)。ベースシートの側方拡張(例えば、直径)は、基板の側方拡張(例えば、直径)と実質的に同一または基板の側方拡張(例えば、直径)より大きくてもよい(例えば、僅かに大きくてもよい)。クッション層の側方拡張(例えば、直径)は、ベースシートの側方拡張(例えば、直径)と実質的に同一でもよい。クッション層およびベースシートは、保護フィルムの周辺部分に存在しなくてもよい。クッション層およびベースシートは、保護フィルムの中央部分にのみ存在してもよい。保護フィルムの周辺部分は、保護フィルムの中央部分の周囲に(即ち、中央部分を取り囲むように)配置されてもよい。基板は、保護フィルムの中央部分において、保護シーティングの表の面に付けられてもよい。
【0197】
保持フレームは、保持フレームを保護フィルムまたはシーティングの裏の面に付ける為に前述された同一の方法で、保護シーティングの表の面に付けられてもよい。
【0198】
基板の第1面または基板の第2面は、保護フィルムの表の面に基板の第1面または第2面を付ける為に前述した同一の方法で、保護シーティングの表の面に付けられてもよい。
【0199】
特に、保護シーティングの表の面に基板の第1面または基板の第2面を付けるステップは、保護シーティングの表の面の少なくとも中央領域が、基板の第1面または基板の第2面と直接接触するように、基板の第1面または基板の第2面に保護シーティングを加える工程を含んでもよい。この場合、保護シーティングの表の面の少なくとも中央領域と基板の第1面または基板の第2面との間には、何も材料(特に、接着材)が存在しない。保護シーティングの表の面の中央領域は、基板のデバイス領域に対応してもよい。
【0200】
保護シーティングは、基板の第1面または基板の第2面に加えられてもよく、保護シーティングの表の面が基板の第1面または基板の第2面と接触する全区域において、保護シーティングの表の面は、基板の第1面または基板の第2面と直接接触する。そのため、保護シーティングの表の面と基板の第1面または基板の第2面との間には、何も材料(特に、接着材)が存在しない。
【0201】
保護シーティングの表の面に基板の第1面または基板の第2面を付けるステップは、基板の第1面または基板の第2面を保護フィルムの表の面に付ける為に前述した同一の方法で、基板の第1面または基板の第2面を保護シーティングの表の面に付けるように、保護シーティングを基板の第1面または基板の第2面に加える間および/または加えた後、外部刺激を保護シーティングに加える工程を更に含んでもよい。
【0202】
保護シーティングには、接着層が備えられてもよい。接着層は、保護シーティングの表の面の周辺領域だけに設けられてもよい。保護シーティングの表の面の周辺領域は、保護シーティングの表の面の中央領域を取り囲むように配置されてもよい。
【0203】
基板の第1面または基板の第2面は、接着層が基板の第1面または基板の第2面の周辺部分と接触するようになるように、保護シーティングの表の面に付けられてもよい。基板の第1面または第2面の周辺部分は、基板の周辺限界領域であってもよく、又は、それに対応してもよい。
【0204】
接着層は、前述した特性、機能、特徴を有してもよい。
【0205】
基板は、保護シーティングの表の面に付けられた基板の面の反対側にある基板の面から処理、および/または、前述した同一の方法で、保護シーティングの表の面に付けられた基板の面から処理されてもよい。
【0206】
外部刺激および外部刺激を保護シーティングに加える処理は、前述した特性、機能、特徴を有してもよい。
【0207】
本発明の方法において、保持フレームを保護シーティングの表の面に付けるステップは、保護シーティングの裏の面が保持フレームと直接接触するように、保持フレームに保護シーティングを加える工程を含む。そのため、保護シーティングの表の面または裏の面と保持フレームとの間には、何も材料(特に、接着材)が存在しない。
【0208】
このように、例えば、保持フレーム上の接着層または接着材残渣による、保持フレームの可能な汚染または保持フレームに対する可能な破損の危険性を信頼性良く排除することができる。
【0209】
保護シーティングの表の面および/または裏の面全体に接着材が無くてもよい。
【0210】
保持フレームを保護シーティングの表の面または裏の面に付けるステップは、保持フレームが保護シーティングの表の面または裏の面に付けられるように、保護シーティングを保持フレームに加える間および/または加えた後、外部刺激を保護シーティングに加える工程を更に含んでもよい。
【0211】
このように外部刺激を加えることによって、保護シーティングおよび保持フレームの間に付ける力が発生し、保護シーティングは保持フレーム上の所定位置に保持される。このため、保護シーティングを保持フレームに付ける為に追加の接着材は不要である。
【0212】
特に、外部刺激を保護シーティングに加えることによって、保護シーティングおよび保持フレームの間に、積極嵌合のような形態嵌合及び/又は接着結合のような材料結合を形成することができる。用語「材料結合」と「接着結合」は、保護シーティングと保持フレームとの間を、これら2つのコンポーネント間に作用する原子及び/又は分子力によって付けること又は接続することを定める。
【0213】
そのため、本発明は、基板を処理する、更に簡単かつ効率的な方法を提供する。
【0214】
特に、保護シーティングから保持フレームを取り外すとき、接着層による接着力によるフレームに対する損傷または接着材残渣によるフレームの汚染を効率良く避けることができる。このため、保持フレームの再使用を可能にするため、保持フレームから接着材残渣を除去する必要がなく、基板処理の効率を更に高めることができる。
【0215】
保持フレームおよび基板は、保護シーティングの同一面に(即ち、保護シーティングの表の面に)付けられてもよい。
【0216】
あるいは、保持フレームおよび基板は、保護シーティングの両面に付けられてもよい。特に、保持フレームは、保護シーティングの裏の面に付けられてもよい。
【0217】
当該方法は、前述したように、支持部材の提供ステップおよび使用ステップを更に含んでもよい。
【0218】
当該方法は、前述したように、支持手段の提供ステップおよび使用ステップを更に含んでもよい。
【0219】
当該方法は、前述したように、検査装置の提供ステップおよび使用ステップを更に含んでもよい。
【0220】
保護シーティングは、拡張可能でもよい。保護シーティングは、基板の第1面または第2面に加えられるとき、拡張されてもよい。基板の各面に突出部が存在する場合、これらの突出部の外形を閉鎖するように、あるいは、これらの外形に少なくとも部分的に追従するように、保護シーティングは、基板の面に加えられるときに拡張されてもよい。
【0221】
特に、保護シーティングは、その当初のサイズの2倍以上、好ましくは当初のサイズの3倍以上、より好ましくは当初のサイズの4倍以上に拡張可能である。このように、特に当初のサイズの3倍または4倍以上に拡張する場合、保護フィルムが突出部の外形に追従することを確実に保証することができる。
【0222】
保護シーティングが拡張可能である場合、基板上に形成されたデバイスを互いに分離する為に使用されてもよい。特に、当該方法は、基板を処理した後、デバイスを互いに分離するように保護シーティングを径方向に拡張するステップを更に含んでもよい。
【0223】
たとえば、基板は、例えば、機械的切断処理、レーザ切断処理および/またはプラズマ切断処理によって、あるいは、研削処理前のダイシングによって、完全に分割されてもよい。その後、完全に分割されたデバイスは、チップ又はダイの形でもよいが、これらは、保護シーティングを径方向に拡張させることによって、お互いから遠ざかるように移動されてもよく、これによって、隣接したデバイス間の距離が増加する。
【図面の簡単な説明】
【0224】
以下、図面を参照して、本発明の非限定的実施例を説明する。
図1図1は、本発明の第1実施形態による方法において、保護フィルムを介して保持フレームにより保持された基板を支持部材上に配置するステップを図示する横断面図である。
図2図2は、本発明の第1実施形態による方法において、保護フィルムに付けられた基板の面を検査装置によって検査するステップを図示する横断面図である。
図3図3は、本発明の第2実施形態による方法において、保護フィルムを介して保持フレームにより保持された基板を示す横断面図である。
図4図4は、本発明の第3実施形態による方法において、保護フィルムを介して保持フレームにより保持された基板を支持部材上に配置するステップを図示する横断面図である。
図5図5は、図4に図示されたステップの結果を示す横断面図である。
図6図6は、本発明の第3実施形態による方法の変形実施例の為の図4に図示されたステップの結果を示す横断面図である。
図7図7は、本発明の第4実施形態による方法において、基板を分割するステップの結果を示す横断面図である。
図8図8は、本発明の第5実施形態による方法において、基板を処理するステップを図示する横断面図である。
図9図9は、本発明の第6実施形態による方法において、保護シーティングを介して保持フレームにより保持される基板を示す横断面図である。
図10図10は、本発明の第7実施形態による方法において、保護シーティングを介して保持フレームにより保持された基板を示す横断面図である。
図11図11は、本発明の第8実施形態による方法において、保護シーティングを介して保持フレームにより保持された基板を示す横断面図である。
図12図12は、本発明の第9実施形態による方法において、保護シーティングを介して保持フレームにより保持された基板を示す横断面図である。
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0225】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。好ましい実施形態は、基板処理法に関する。
【0226】
以下、図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。
【0227】
第1実施形態において、本発明の方法は基板2上で実施される(図1および図2を参照)。基板2は、半導体ウェハのようなウェハでもよい。しかしながら、前述したように、異なる形式の基板、特に、異なる基板材料が使用されてもよい。
【0228】
図1に示されるように、基板2は、第1の面または第1面4,即ち、表の面または表面と、第2の面または第2面6,即ち、第1面4の反対側にある裏の面または裏面とを有する。第1面4と第2面6とは、互いに実質的に平行になっている。
【0229】
基板2の第1面4には、複数のデバイスを持つデバイス領域(図示せず)が形成されている。デバイスは、第1面4に同様に形成されている複数の分割ライン(図示せず)によって区切られている。分割ラインは、格子パターンで少なくとも実質的に配置されてもよい。本実施形態において、基板2は、実質的に円形状を呈する。しかしながら、基板2の形状は、特に限定されない。他の実施形態において、基板2は、たとえば、楕円形状、長円形状、矩形又は正方形のような多角形状を有してもよい。
【0230】
保護フィルム8および保持フレーム10が設けられている(図1図2を参照)。保護フィルム8は、表の面12と、表の面12の反対側にある裏の面14とを有する。保持フレーム10は、保護フィルム8を介して基板2を保持するように構成されている。保持フレーム10は、中央開口部16を有する。
【0231】
保持フレーム10は、金属またはプラスチックのような硬質材料で作られている。本実施形態において、保持フレーム10は、実質的に円形開口部16を備えた環状フレームである。保持フレーム10は、半導体サイズの保持フレームでもよい。しかしながら、どのような種類の形状が、保持フレーム10および中央開口部16に使用されてもよい。たとえば、他の実施形態において、保持フレーム10は、正方形または長方形の形状のような多角形の形状を有してもよい。中央開口部16は、正方形または長方形の形状のような多角形の形状を有してもよい。保持フレーム10は、1mm~5mmの範囲の厚さを有してもよい。
【0232】
本実施形態において、保護フィルム8は、高分子、好ましくは、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP)またはポリブチレン(PB))のような単一材料から作られる。保護フィルム8は、180℃以上の温度までの耐熱性を有してもよい。保護フィルム8は拡張可能である。保護フィルム8は、5~200μmの範囲、好ましくは、80~150μmの範囲の厚さを有してもよい。保護フィルム8は、上面視において、実質的に円形形状を有する。しかしながら、保護フィルム8の形状は特に限定されない。他の実施形態において、保護フィルム8は、上面視において、たとえば、楕円形状、長円形状、長方形または正方形のような多角形の形状を有してもよい。
【0233】
保護フィルム8は、基板2の外径より大きく、保持フレーム10の内径(即ち、中央開口部16の直径)より大きい外径を有する(図1を参照)。保護フィルム8の外周部分は、後述するように、保持フレーム10に付けられる。
【0234】
本実施形態において、保護フィルム8の表の面12と裏の面14には接着材が無い。
【0235】
保護フィルム8は、保護フィルム8の裏の面14が保持フレーム10と直接接触するように保持フレーム10に加えられる(is applied to)ので、裏の面14と保持フレーム10との間には何も材料、特に、接着材が存在しない。保護フィルム8を保持フレーム10に加える間および/または加えた後、保護フィルム8に外部刺激が加えられるので、保持フレーム10は保護フィルム8の裏の面14に付けられる(is attached to)。外部刺激を加えることによって、保護フィルム8と保持フレーム10との間に、保持フレーム10の所定位置に保護フィルム8を保持する付ける力が発生する。保持フレーム10は、図1に示されるように、保護フィルム8によって保持フレーム10の中央開口部16を閉鎖するように保護フィルム8に付けられる。
【0236】
外部刺激は、前述した通りでもよい。外部刺激は、前述したように保護フィルム8に加えられてもよい。
【0237】
たとえば、外部刺激を保護フィルム8に加えるステップは、保護フィルム8を加熱する工程を含んでもよい。保護フィルム8は、直接および/または間接的に加熱されてもよい。
【0238】
例えば、加熱ローラ、加熱スタンプなどのような加熱手段(図示せず)、あるいは、熱放射手段(図示せず)を使用して、直接熱を加えることによって、保護フィルム8を加熱してもよい。保護フィルム8および保持フレーム10は、レセプタクル又は真空室のようなチャンバ(図示せず)内に置かれ、保護フィルム8を加熱するようにレセプタクル又はチャンバの内容積を加熱してもよい。レセプタクル又はチャンバには、熱放射手段が備えられてもよい。
【0239】
例えば、保持フレーム10に保護フィルム8を加える前および/または加える間および/または加えた後に、保持フレーム10を加熱することによって、間接的に保護フィルム8を加熱してもよい。たとえば、支持体又はキャリア(図示せず)に保持フレーム10を配置し、支持体又はキャリアを加熱することによって、保持フレーム10を加熱してもよい。
【0240】
他の実施形態において、接着材によって、保護フィルム8の裏の面14に保持フレーム10を付けてもよい。保持フレーム10を保護フィルム8に付ける前に、保持フレーム10および/または保護フィルム8の裏の面14に接着材を加えてもよい。好ましくは、接着材は、保護フィルムの裏の面14の一部分、特に、裏の面14の周辺領域のみに加えられてもよい。
【0241】
このように保護フィルム8の裏の面14に保持フレーム10を付けることによって、保護フィルム8及び保持フレーム10を備えた保持ユニットが形成される。
【0242】
保持フレーム10を保護フィルム8の裏の面14に付けた後、保護フィルム8は、基板2の第1面4に加えられるので、保護フィルム8の表の面12が基板2の第1面と接触する全体の区域において、保護フィルム8の表の面12は、第1面4と直接接触する。そのため、保護フィルム8の表の面12と基板2の第1面4との間には、何も材料、特に接着材が存在しない。保護フィルム8は、デバイス領域に形成されたデバイスを覆うように基板2の第1面4に加えられる。このため、これらのデバイスは、後の基板処理、取扱い、運搬ステップ中、損傷および汚染から信頼性良く保護される。
【0243】
保護フィルム8を基板2の第1面4に加える間および/または加えた後、基板2の第1面4が保護フィルム8の表の面12に付けられるように、保護フィルム8に外部刺激が加えられる。外部刺激を加えることによって、基板2の所定位置で保護フィルム8を保持する、保護フィルム8および基板2の間に付ける力が発生する。
【0244】
外部刺激は、前述した通りでもよい。前述した方法で、外部刺激を保護フィルム8に加えてもよい。
【0245】
たとえば、外部刺激を保護フィルム8に加えるステップは、保護フィルム8を加熱する工程から成り、あるいは、加熱する工程を含んでもよい。保護フィルム8は、直接および/または間接的に加熱されてもよい。
【0246】
例えば、加熱ローラ、加熱スタンプ等のようなカネテウ手段(図示せず)、熱放射手段(図示せず)を使用して直接熱を保護フィルム8に加えることによって、保護フィルム8を加熱してもよい。保護フィルム8および基板2は、レセプタクル又は真空室のようなチャンバ(図示せず)内に置かれ、保護フィルム8を加熱するように、レセプタクル又はチャンバの内容積が加熱されてもよい。レセプタクル又はチャンバには、熱放射手段が備えられてもよい。
【0247】
例えば、保護フィルム8を基板2に加える前および/または加える間および/または加えた後に、基板2を加熱することによって、保護フィルム8を間接的に加熱してもよい。たとえば、チャックテーブルのような支持部材又はキャリア上に基板を配置し、支持部材又はキャリアを加熱することによって、基板2を加熱してもよい。
【0248】
他の実施形態において、接着材によって保護フィルム8の表の面12に基板2を付けてもよい。この場合、保護フィルム8には接着層が設けられ、この接着層は、前述したように、保護フィルム8の表の面12の周辺領域のみに配置される。この周辺領域は、接着材が無い保護フィルム8の表の面12の中央領域を囲むように配置される。基板2の第1面4は、保護フィルム8の表の面12に付けられるので、接着層は、第1面4の周辺部分のみに接触するようになる。
【0249】
保護フィルム8の表の面12の中央領域は、基板2の第1面と直接接触する。
【0250】
基板2の第1面4を保護フィルム8の表の面12に付けることによって、保護フィルム8,保持フレーム10、基板2を備えた基板ユニットが形成され(図1を参照)、大幅に、基板の後の処理、取扱い、運搬が容易になる。
【0251】
連続した支持表面20を有する支持部材18が設けられる(図1を参照)。本実施形態において、支持部材18は、支持表面20の面に実質的に円形横断面を有するチャックテーブルである。支持表面20の面における支持部材18の外径は、保持フレーム10の内径より小さい。
【0252】
さらに、基板2の第1面4を検査する為の検査装置22が設けられる。検査装置22は、図2に示されるように、支持部材18の内部に配置される。本実施形態において、検査装置22は、可視光を使用するカメラである。支持部材18は、可視光に対して透過性があるので、検査装置22は、支持部材18を通して、基板2の第1面4を検査することが可能である。検査装置22は、図2の点線の矢印によって表示されるように、支持表面20に対して平行な方向で支持部材18に対して移動できる。
【0253】
基板2を処理する前に、基板ユニットが支持部材18の支持表面20上に置かれるので、保護フィルム8の裏の面14は支持表面20と接触する(図2を参照)。そのため、基板2は、基板2の第2面6が露出、即ち、上向きになるように支持部材18上に配置される。このため、特に簡単かつ効率的な方法で、第2面6から基板2を処理することができる。全体の基板2は、支持表面20上に載置され、保護フィルム8は、基板2と支持表面20との間に配置される。基板2は、支持表面20上に置かれている間に処理される。
【0254】
前述したように、保持フレーム10及び基板2は、それぞれ、保護フィルム8の両側の面(即ち、裏の面14および表の面12)に付けられる。そのため、図2に示されるように、保持フレーム10は、支持表面20上に置かれる基板2の第1面4の下に配置される。このため、確実に保証されることは、基板2を第2面から処理することを保持フレーム10が妨害しないことである。基板2は、切断、研削、エッチング、研磨手段のような処理機器によって自由にアクセス可能である。さらに、保持フレーム10との不用意な接触によって、この機器が破損する危険性を確実に排除することができる。
【0255】
したがって、基板処理中に保持フレーム10を締め付ける必要がないので、基板2を特に簡単かつ効率的に処理することができる。このように締め付ける機構が必要ないので、本発明の方法は、限られた処理空間内部の基板処理が可能になる。たとえば、スペースを消費するインライン機器ではなく、この目的の為に、スタンドアロン処理装置が使用できる。
【0256】
一部の実施形態において、保持フレームを支持する為の支持手段(図示せず)が設けられてもよい。支持手段は、たとえば、支持部材18の周囲付近に配置されてもよい。支持手段は、下方から保持フレーム10を支持するように構成され、保持フレーム10を支持部材18に対して所定位置に保持してもよい。たとえば、支持手段は、保持フレーム10が載る実質的に環状支持テーブルであってもよい。
【0257】
支持部材18の支持表面20に基板ユニットを配置した後、支持部材18および保護フィルム8を通して、基板2の第1面4が検査装置22によって検査される。特に、第1面4に形成された分割ラインは、検査装置22によって検出される。このため、検査装置22は、支持表面20に対して平行な方向で、支持部材18に対して移動することができる(図2の点線の矢印を参照)。この検出処理に基づき、基板2は、後の処理の為に整列される。
【0258】
本実施形態の方法において、保護フィルム8の表の面12は、基板2の第1面4と直接接触する。そのため、前述したように、保護フィルム8と第1面4との間には、何も材料、特に接着材が存在しない。そのような材料、特に接着材が存在しないため、第1面4に形成された分割ラインは、特に高精度で保護フィルム8を通して検出可能である。
【0259】
このように基板2を整列させた後、基板2は、以下で更に詳述するように、処理される。
【0260】
まず、基板2の第2面6は、基板の厚さを調整するように研削される。
【0261】
保持フレーム10は保護フィルム8の裏の面14に付けられているので、保持フレーム10との不用意な接触により研削機器(図示せず)が破損する危険性を有することなく、研削処理を簡単かつ効率的な方法で行うことができる。
【0262】
研削処理の後に、任意で、基板2の第2面6を研磨および/またはエッチングすることができる。第2面6を研磨する処理は、化学機械的研磨(CMP),乾式研磨(DP)および/または他の形式の研磨処理から成り、あるいは、これらの研磨処理を含んでもよい。エッチング処理は、プラズマエッチング処理から成り、あるいは、この処理を含んでもよい。また、研磨および/またはエッチング処理は、保持フレーム10との不用意な接触により使用される処理機器(図示せず)が破損する危険性を有することなく、簡単かつ効率的な方法で実行することができる。
【0263】
研削後、任意で、研磨および/またはエッチングの後に、基板2の第2面6が第2面6から切断される。本実施形態において、基板2は、基板2の第1面4に形成された分割ラインに沿って切断される。分割ラインは、前述したように、検査装置22によって検出されるので、この切断処理を高精度に行うことができる。
【0264】
基板2は、前述したように、その第2面6から機械的切断(例えば、ブレードダイシング又は鋸引き)、および/またはレーザ切断および/またはプラズマ切断によって切断されてもよい。基板2は、単一の機械的切断ステップ、単一のレーザ切断ステップまたは単一のプラズマ切断ステップで切断されてもよい。あるいは、基板2は、連続した機械的切断および/またはレーザ切断および/またはプラズマ切断ステップによって切断されてもよい。レーザ切断は、たとえば、アブレーションレーザ切断によって、および/またはステルスレーザ切断によって、即ち、レーザビーム(図示せず)を加えることによって基板2の内部に改質区域を形成することによって、および/またはレーザビームを加えることによって基板2内に複数のホール区域を形成することによって、行われてもよい。
【0265】
基板2は、分割ラインに沿って、完全に切断、即ち、その全体の厚さに沿って切断されてもよい。この場合、基板2は、デバイス領域のデバイスを備えた複数のチップ又はダイへと、分割ラインに沿って分割される。その後、完全に分割されたチップ又はダイは、保護フィルム8を径方向に拡張させることによって、したがって、隣接したチップ又はダイの間の距離を増加することによって、互いに離れるように移動されてもよい。
【0266】
あるいは、基板2は、その厚さの一部のみに沿って切断されてもよい。この場合、基板2を分割する処理、即ち完全に分割する処理は、たとえば、破壊処理を採用することによって、基板2に外力を加えること(例えば拡張テープ(図示せず)の使用)によって、機械的切断又はダイシング処理、レーザ切断又はダイシング処理またはプラズマ切断又はダイシング処理のような切断またはダイシング処理を採用することによって、実行されてもよい。たとえば、径方向に保護フィルム8を拡張させることによって、即ち、保護フィルム8を拡張テープとして使用することによって、基板2に外力が加えられてもよい。さらに、2つ以上の、これらの処理の組合せが使用されてもよい。
【0267】
保持フレーム10を保護フィルム8の裏の面14に配置するため、保持フレーム10と不用意に接触する為に切断機器(図示せず)を破損する危険性を有することなく、切断処理を簡単かつ効率的な方法で行うことができる。
【0268】
追加または代替で、一部の実施形態において、本発明の方法の第1実施形態について更に詳述するように、保護フィルム8の表の面12に付けられた基板2の第1面4から処理(例えば、切断)されてもよい。
【0269】
切断処理で基板2を分割した後、結果として生じるチップ又はダイを、例えば、ピックアップ装置(図示せず)を使用することによって、保護フィルム8からピックアップすることができる。前述してきたように、保護フィルム8とチップ又はダイとの間には接着材が存在しないので、チップ又はダイを特に簡単かつ効率的な方法でピックアップすることができる。ピックアップ処理を更に簡単にするため、隣接するチップ又はダイ間の距離を増加させるように保護フィルム8を径方向に拡張することができる。
【0270】
以上の説明から分かるように、基板2を保持フレーム10に保護フィルム8を介して保持している間に、基板2を処理する全てのステップを行うことができる。そのため、基板2をフレームに装着するステップだけが必要である。保護フィルム8,保持フレーム8,保持フレーム10、基板2を備えた基板ユニットは、基板2の信頼性良く安全な処理、取扱い、運搬を可能にする。このため、基板の運搬及び取扱いを確実にするために必要なスペースを消費するインライン機器は不要であり、この目的の為に、スタンドアロン処理装置が使用できる。そのため、基板処理方法を、特に簡単かつ効率的な方法で実行することができる。
【0271】
たとえば、都合の良いことに、運搬パッドは、研削後または研磨および/またはエッチング後に基板2を運搬する為に使用される。運搬パッドは、部分的または完全に研削された又は研磨された基板表面と接触するので、汚染問題を引き起こさない。そのような問題は、基処理の最初から最後まで保持フレーム10を介して基板2が取扱われ、運搬される本発明の方法によって、信頼性良く避けることができる。
【0272】
第1実施形態において、保護フィルム8は、保護フィルム8だけから成る保護シーティングを構成する。しかしながら、他の実施形態において、前述されてきたように、保護フィルム8およびクッション層(図示せず)から成る又はそれらを備えた保護シーティング、あるいは、保護フィルム8,クッション層、ベースシート(図示せず)から成る又はそれらを備えた保護シーティングが使用されてもよい。そのような保護シーティングは、第1実施形態の方法で保護フィルム8について前述されたような方法で使用されてもよい。以下、図9図12を参照して、保護フィルム8およびクッション層から成る、あるいは、保護フィルム8,クッション層、ベースシートから成る保護シーティングが使用される本発明の実施形態を更に詳細に説明する。
【0273】
第1実施形態において、基板2の第1面4が、保護フィルム8の表の面12に付けられる。しかしながら、他の実施形態において、基板2の第2面6が、保護フィルム8の表の面12に付けられてもよい。
【0274】
以下、図3を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。
【0275】
第2実施形態の方法は、保持フレーム10が保護フィルム8の表の面12に付けられる、即ち、保護フィルム8の、基板2と同一の面に付けられる点のみ、第1実施形態の方法とは異なる。
【0276】
保持フレーム10を保護フィルム8の裏の面14に付けるために1実施形態において前述した同一の方法で、保持フレーム10は、保護フィルム8の表の面12に付けられる。
【0277】
特に、保護フィルム8は保持フレーム10に加えられ、保護フィルム8の表の面12は保持フレーム10と直接接触する、即ち、表の縁12と保持フレーム10との間には何も材料、特に接着材が存在しない。保護フィルム8を保持フレーム10に加える間および/または加えた後、外部刺激が保護フィルム8に加えられるので、保持フレーム10は、保護フィルム8の表の面12に付けられる。外部刺激を加えることによって、保護フィルム8および保持フレーム10の間の付ける力が、保持フレーム10上の所定位置で発生する。保持フレーム10は、保護フィルム8の表の面12に付けられるので、図3に示されるように、保持フレーム10の中央開口部16は保護フィルム8によって閉鎖される。
【0278】
外部刺激は、前述した通りであってもよい。外部刺激は、前述した方法で保護フィルム8に加えられてもよい。たとえば、外部刺激を保護フィルム8に加えるステップは、保護フィルム8を加熱する工程から成り、又は、加熱する工程を含んでもよい。保護フィルム8は、第1実施例について前述されてきたように、直接または間接的に加熱されてもよい。
【0279】
保護フィルム8および保持フレーム10の間の付ける力は、外部刺激を加えることによって発生するので、保護フィルム8を保持フレーム10に付ける為に追加の接着材料は必要ない。さらに、保護フィルム8から保持フレームを取り外すとき、接着層の接着力による保持フレーム10に対する破損、あるいは、接着材残渣による保持フレーム10の汚染が信頼性良く避けられる。このため、保持フレーム10の再使用を可能にするため、保持フレーム10から接着材残渣を除去する必要がない。
【0280】
したがって、第2実施形態も同様に、基板2を処理する、簡単かつ効率的な方法を提供する。
【0281】
第2実施形態の方法は、第1実施形態について前述した同一の方法で変形してもよい。
【0282】
以下、図4図6を参照して、本発明の第3実施形態を説明する。
【0283】
第3実施形態の方法は、異なる形式の支持部材18が使用される点のみ、第1実施形態の方法とは異なる。特に、第3実施形態の支持部材18には、基板2を支持表面20に保持する為の保持手段(図示せず)が備えられている。支持手段18は、空気の通過を可能にする通気性部分24(図4を参照)を有する。たとえば、通気性部分24は、多孔質セラミックから作られてもよい。保持手段は、通気性部分24を通して、基板2を支持表面20上に吸引保持する吸引手段である。
【0284】
既知の方法では、基板2の直径とほぼ同一であり、通気性部分24の直径より小さい直径を有する保護フィルムがよく使用される。そのため、研削又は切断水、研削又は切断ダストのような汚染物質は、保護フィルムの外周と通気性部分24との間の隙間を通って、通気性部分24に入ることができる。そのような汚染物質は、通気性部分24,即ち、内部に設けられた孔を詰まらせることができるので、基板2の吸引保持に相当の影響を与える。さらに、結果として通気性部分24を頻繁に洗浄する必要があるため、基板処理の効率が大幅に低下する。
【0285】
前述した問題を回避する為に通気性部分24の小さい直径が選択される場合、通気性部分24を通って達成される吸引力は、基板処理中、特に基板2の外縁における基板処理中、支持表面20上の所定位置で基板2をしっかりと信頼性良く保持するには十分ではないかもしれない。
【0286】
慣例的に、保護フィルムをフレームに付け、基板2の処理、特に研削中に、フレームを締め付けることにより、上記問題を克服することが試みられてきた。しかしながら、この既知のアプローチは、上記で詳細に検討した問題が伴う。特に、締め付ける機構の使用が必要であり、これはスペースを消費し、基板処理を相当に煩雑かつ複雑にする。さらに、保護フィルムは、フレームを十分に締め付ける為に高度の拡張性を呈する必要があるので、使用可能な保護フィルムの範囲を著しく制限する。
【0287】
また、締め付け処理中に基板2に対するフレームの必要な移動量を可能にするため、保護フィルムの十分に大きな部分が、フレームの内周と基板の外周との間に存在しなければならない。このため、大きな内径を有するフレームが使用されなければならず、それによって、上記のスペース消費の問題を悪化させ、使用可能なフレームの範囲を制限する。
【0288】
前述した問題は、本発明によって解決されてきた。
【0289】
特に、図5に示されるように、保護フィルム8は、通気性部分24の全体を覆うのに十分に大きい直径を有するように選択可能であるので、汚染物質が内部に入ることを信頼性良く回避する。したがって、通気性部分24の直径に関する制限は適用されない。本発明によると、保持フレーム10および基板2が保護フィルム8の両面に付けられることから(図4及び図5を参照)、大きな直径の保護フィルム8と保持フレーム10を使用するにも拘わらず、保持フレーム10を締め付ける必要がない。このため、締め付ける機構を必要としないので、本発明の方法は、限られた処理スペース内部で基板処理が可能になる。
【0290】
さらに、本発明の方法において、必要な処理スペースは、図6に示された第3実施形態の変形例によって図示されるように、もっと更に減少可能である。保持フレーム10の締め付けが必要ないことから、保持フレーム10は、支持表面20に対して下方に移動させる必要がない。したがって、保護フィルム8の小部分だけが保持フレーム10の内周および基板2の外周の間に存在する場合、それで十分である。このため、図4及び図5に図示された第3実施形態の方法と比較すると、図6に示されるように、たとえ小さな内径および外径を持つ保持フレーム10でも使用することができる。このように、支持部材18の周囲の区域におけるより多くのスペースを節約することができる。
【0291】
さらに、支持部材18自体の直径も最小にすることができる。
【0292】
第3実施形態の方法は、第1実施形態について前述した同一の方法で変形されてもよい。
【0293】
以下、図7を参照して、本発明の第4実施形態を説明する。第4実施形態の方法は、基板2が研削処理前にダイシングによって完全に分割される点のみ、第1実施形態の方法と異なる。具体的には、基板2の第1面4を保護フィルム8の表の面12に付ける前に、基板2を分割ラインに沿って第1面4から、部分的に切断、即ち、その厚さの一部のみに沿って切断する。続いて、第1面4を保護フィルム8の表の面12に付け、第2面6を、部分的切断処理において基板材料が何も除去されなかった基板2の厚さの残部に沿って、研削する。このようにして、基板2は、分割ラインに沿って複数のチップ又はダイ26に分割される(図7を参照)。
【0294】
任意で、分割された基板2の第2面6を研削後に研磨してもよい。第2面6の研磨は、化学機械的研磨(CMP),乾式研磨(DP)および/または他の形式の研磨処理から成り、あるいは、これらの研磨処理を含んでもよい。
【0295】
基板2を分割した後、得られたチップ又はダイ26は、例えば、ピックアップ装置を使用することにより、保護フィルム8からピックアップすることができる。保護フィルム8の表の面12とチップ又はダイ26との間に接着材が存在しないので、特に簡単かつ効率的な方法でチップ又はダイ26をピックアップすることができる。ピックアップ処理を更に簡単化するために、隣接するチップ又はダイ26の間の距離を増加させるように、保護フィルム8を径方向に拡張させることができる。
【0296】
第4実施形態の方法は、第1実施形態について前述した同じ方向で変形することができる。
【0297】
以下、図8を参照して、本発明の第5実施形態を説明する。
【0298】
第5実施形態の方法は、基板2が第1面4から処理される点のみ、第1実施形態の方法とは異なる。基板2は、基板2の第2面が支持表面20と接触するように支持部材18の支持表面20上に置かれる(図8を参照)。したがって、基板2は、基板2の第1面4が上を向くように支持部材18上に配置される。
【0299】
図8に図示されるように、基板2は、保護フィルム8を通してステルスレーザ切断処理を受ける。この処理では、前述してきたように、保護フィルム8及び基板2を透過する波長のレーザ光LBを基板2に加え、複数の改質区域(図示せず)を基板2に形成する。
【0300】
分割ラインに沿って改質区域が形成されるため、分割ラインに沿って基板2の強度が低下する。
【0301】
レーザビームLBは、パルスレーザビームでもよい。パルスレーザビームは、例えば、1fs~1000nsの範囲のパルス幅を有してもよい。
【0302】
この方法は、基板2に複数の改質区域を形成した後、基板2を分割ラインに沿って分割する工程を更に含んでもよい。基板2を分割する工程は、様々な方法(例えば、破壊処理を採用、たとえば、拡張テープを使用して基板2に外力を加えること、機械的切断又はダイシング処理、レーザ切断又はダイシング処理、プラズマ切断又はダイシング処理のような切断又はダイシング処理の採用)で実行することができる。たとえば、外力は、保護フィルム8を径方向に拡張させること(例えば、拡張テープとして保護フィルム8を使用すること)によって基板2に加えられてもよい。さらに、これらの処理の2つ以上の組合せを用いてもよい。
【0303】
第5実施形態の方法は、第1実施形態について前述した同一の方法で変形することができる。
【0304】
以下、図9を参照して、本発明の第6実施形態を説明する。
【0305】
第6実施形態の方法は、異なる形式の保護シーティングが使用される点のみ、第1実施形態の方法と実質的に異なる。具体的には、第6実施形態の方法で使用される保護シーティングは、保護フィルム8、クッション層28から成る(図9を参照)。クッション層28は、保護フィルム8の裏の面14に付けられる。
【0306】
基板2の第1面に存在する突出部および/または凹部(図示せず)は、クッション層28に埋め込まれる。このため、突出部および/または凹部の存在に起因する、切断、研削および/または研磨などの後続の基板処理ステップにおける表面ムラの悪影響を排除することができる。特に、クッション層28は、例えば、切断、研削、および/または研磨処理中に、特に均一で均質な圧力分布を達成することに著しく貢献することができる。
【0307】
クッション層28は、前述したような特徴、特性、機能を有してもよい。
【0308】
クッション層28の材料は、特に限定されない。特に、クッション層28は、基板2の第1面4上に存在する突出部および/または凹部が中に埋め込まれることを可能にする任意の種類の材料で形成されてもよい。クッション層28は、UV線、熱、電界および/または化学剤のような外部刺激によって硬化可能であってもよい。
【0309】
図9に示されるように、クッション層28は、保護フィルム8の直径よりも小さな直径を有する。クッション層28は、保護フィルム8の中央部分にのみ存在し、保護フィルム8の周辺部分には存在しない。保護フィルム8の周辺部分は、保護フィルム8の中央部分の周囲に(即ち、中央部分を取り囲むように)配置されている。
【0310】
保持フレーム10は、保護フィルム8の周辺部分において、保護フィルム8の裏の面14に付けられている(図9を参照)。このため、保持フレーム10が保護フィルム8の裏の面14に付けられた領域において、保持フレーム10と保護フィルム8の裏の面14との間にクッション層28が存在しない。
【0311】
基板2は、保護フィルム8の中央部分において、保護フィルム8の表の面12に付けられている。クッション層28の直径は、基板2の直径より僅かに大きい(図9を参照)。したがって、基板2の第1面4上に存在する突出部および/または凹部がクッション層28に埋め込まれることが特に確実に保証される。
【0312】
第6実施形態の方法は、第1実施形態の方法と実質的に同一の方法で行われる。
【0313】
基板を処理する前に、保護シーティングが付けられた基板2は、支持部材18(図1及び図2を参照)のような支持部材の支持表面上に置かれるので、クッション層28の裏の面30が支持表面と接触している(図9を参照)。したがって、基板2は、基板2の第2面6が露出するように(即ち、上向きになるように)、支持部材上に配置される。このため、特に簡単かつ効率的な方法で、基板2を第2面6から処理することができる。基板2は、支持表面に置かれた状態で処理される。
【0314】
第6実施形態の方法は、第1実施形態について前述した同一の方法で変形することができる。
【0315】
以下、図10を参照して、本発明の第7実施形態を説明する。
【0316】
第7実施形態の方法は、クッション層28の直径のみが第6実施形態の方法と実質的に異なる。具体的には、第7実施形態の方法において、クッション層28の直径は保護フィルム8の直径と実質的に同一である。したがって、保護シーティングの裏の面は、クッション層28の裏の面30によって形成される。保持フレーム10は、図10に示されるように、保護シーティングの裏の面(即ち、クッション層30の裏の面30)に付けられる。
【0317】
第7実施形態の方法は、第1実施形態について前述した同一の方法で変形することができる。
【0318】
以下、図11を参照して、本発明の第8実施形態を説明する。
【0319】
第8実施形態の方法は、ベースシート32がクッション層28の裏の面39(図9を参照)に付けられる点のみ、第6実施形態の方法と実質的に異なる。したがって、第8実施形態の方法で使用される保護シーティングは、保護フィルム8、クッション層28、ベースシート32から成る(図11を参照)。
【0320】
ベースシート32は、前述した特徴、特性、機能を有してもよい。
【0321】
ベースシート32の材料は、特に限定されない。ベースシート32は、たとえば、高分子材料のような、柔らかく、しなやかな材料(たとえば、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン酢酸ビニルコポリマ(EVA)又はポリオレフィン)で形成されてもよい。あるいは、ベースシートは、ポリエチレンテレフタレート(PET)および/またはシリコンおよび/またはガラスおよび/またはステンレス鋼(SUS)のような剛性又は硬い材料で形成されてもよい。
【0322】
図11に示されるように、ベースシート32は、クッション層28の直径と実質的に同一の直径を有する。そのため、クッション層28およびベースシート32は、保護フィルム8の緒覆う部分のみに存在し、保護フィルム8の周辺部分には存在しない。
【0323】
保持フレーム19は、保護フィルム8の周辺部分において保護フィルム8の裏の面14に付けられている(図11を参照)。このため、保持フレーム10が保護フィルム8の裏の面14に付けられている領域において、保持フレーム10と保護フィルム8の裏の面14との間にはクッション層28およびベースシート32が存在しない。基板2は、保護フィルム8の中央部分において、保護フィルム8の表の面12に付けられている。
【0324】
第8実施形態の方法は、第1実施形態の方法と実質的に同一の方法で行われる。
【0325】
基板2を処理する前に、保護シーティングが付けられた基板2は、支持部材18(図1及び図2を参照)のような支持部材の支持表面上に置かれるので、ベースシート32(図11を参照)の裏の面34は、支持表面と接触する。したがって、基板2は、基板2の第2面6が露出するように支持部材上に配置される。このため、特に簡単かつ効率的な方法で、基板2を第2面6から処理することができる。基板2は、支持表面上に置かれた状態で処理される。
【0326】
第8実施形態の方法は、第1実施形態について前述した同一の方法で変形することができる。
【0327】
以下、図12を参照して、本発明の第9実施形態を説明する。
【0328】
第9実施形態の方法は、クッション層28およびベースシート32の直径だけが第8実施形態の方法と実質的に異なる。具体的には、第9実施形態の方法において、クッション層28の直径およびベースシート32の直径は、保護フィルム8の直径と実質的に同一である。したがって、保護シーティングの裏の面は、ベースシート32の裏の面34によって形成される。図12に示すように、保持フレーム10は、保護シーティングの裏の面(即ち、ベースシート32の裏の面34)に付けられる。
【0329】
第9実施形態の方法は、第1実施形態について前述した同一の方法で変形することができる。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【外国語明細書】