(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130613
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】検出装置、検出方法、情報処理装置、及び処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G01B 11/24 20060101AFI20220830BHJP
G01B 21/20 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
G01B11/24 A
G01B21/20 Z
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105069
(22)【出願日】2022-06-29
(62)【分割の表示】P 2020179856の分割
【原出願日】2016-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100107836
【弁理士】
【氏名又は名称】西 和哉
(72)【発明者】
【氏名】杉村 武昭
(72)【発明者】
【氏名】中川 源洋
(57)【要約】 (修正有)
【課題】対象物を検出した結果から対象物の三次元形状を高精度に構築可能にする検出装置を提供する。
【解決手段】検出装置は、対象物OBを検出する検出部と、対象物OBと検出部との間の領域を特定する情報を算出する算出部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を検出する検出部と、
前記対象物と前記検出部との間の領域を特定する情報を算出する算出部と、を備える検出装置。
【請求項2】
前記領域は、前記検出部と前記対象物上の点とを結ぶ線上に光を遮る物体の存在確率が低い領域である、請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記算出部は、前記対象物の表面と前記検出部との間に空隙が存在することを示す情報を算出する、請求項1又は請求項2に記載の検出装置。
【請求項4】
前記検出部は、一視点から対象物を検出し、
前記算出部は、前記検出部の検出結果を用いて一視点における前記対象物の信頼度を算出する請求項1から3のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項5】
前記算出部は、前記検出部から検出可能な第1領域と前記第1領域の陰になる第2領域とを区別する情報を算出する請求項1から4のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項6】
前記検出部は、前記対象物までの距離を検出し、
前記算出部は、前記検出部からの距離が、前記物体までの距離より短い領域を空隙であると設定する請求項2に記載の検出装置。
【請求項7】
前記算出部は、前記対象物の周囲の領域の前記検出部による検出の信頼度を決定し、前記検出部からの距離が前記物体より短い領域の検出結果の信頼度は、前記検出部からの距離が前記物体より長い領域の検出結果の信頼度よりも高い、請求項6に記載の検出装置。
【請求項8】
前期検出部は、前記対象物の画像を検出し、
前記算出部は、前記物体までの距離の信頼度を決定し、前記対象物の一部分の画像情報と、前記検出部から前記一部分までの距離と、前記検出部から前記一部分までの距離の信頼度と、を関連付ける請求項6または7に記載の検出装置。
【請求項9】
前記検出部は、前記対象物からの光をセンサで受光して前記対象物までの距離を検出し、
前記算出部は、前記対象物までの距離を検出した前記センサ上の位置に基づいて、前記対象物までの距離の信頼度を決定する請求項1から8のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項10】
前記検出部は、前記対象物からの光をセンサで受光して前記対象物までの距離を検出し、
前記算出部は、前記センサ上の位置の変化に対する、前記センサ上の位置で検出した前記対象物までの距離の変化に基づいて、前記対象物までの距離の信頼度を決定する請求項1から9のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項11】
前記センサ上の位置の変化に対する、前記センサ上の位置で検出した前記対象物までの距離の変化が第1値であるときの前記対象物までの距離の信頼度は、前記センサ上の位置の変化に対する、前記センサ上の位置で検出した前記対象物までの距離の変化が第1値より大きい第2値であるときの前記対象物までの距離の信頼度よりも高い請求項10に記載の検出装置。
【請求項12】
前記算出部は、前記検出部から前記対象物までの距離に基づいて、前記対象物の形状情報を算出し、前記検出部から前記対象物までの距離の信頼度に基づいて、前記形状情報の信頼度を関連付ける請求項1から11のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項13】
請求項10に記載の検出装置から、複数の位置から検出された前記対象物の形状情報と前記形状情報の信頼度とをそれぞれ受信する受信部と、
第1の位置から検出された前記対象物の第1の形状情報の信頼度と、第2の位置から検出した前記対象物の第2の形状情報の信頼度と、に基づいて、前記第1の形状情報と前記第2の形状情報とを統合した第3の形状情報を生成する統合部と、
を備える情報処理装置。
【請求項14】
対象物を検出部により検出した検出結果を処理する処理プログラムであって、
コンピュータに、
前記検出部の検出結果を用いて前記対象物と前記検出部との間の領域を特定する情報を算出することを実行させる、処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出装置、検出方法、情報処理装置、及び処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の撮像装置により対象物を検出し、得られた複数の画像をコンピュータに入力し、対象物の三次元形状を取得する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような技術においては、対象物を検出した結果から対象物の三次元形状を高精度に構築可能であることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の態様に従えば、対象物を検出する検出部と、対象物と検出部との間の領域を特定する情報を算出する算出部と、を備える検出装置が提供される。
本発明の態様に従えば、検出部は、対象物からの光をセンサで受光して対象物までの距離を検出し、算出部は、センサ上の位置の変化に対する、センサ上の位置で検出した対象物までの距離の変化に基づいて、対象物までの距離の信頼度を決定する検出装置から、複数の位置から検出された対象物の形状情報と形状情報の信頼度とをそれぞれ受信する受信部と、第1の位置から検出された対象物の第1の形状情報の信頼度と、第2の位置から検出した対象物の第2の形状情報の信頼度と、に基づいて、第1の形状情報と第2の形状情報とを統合した第3の形状情報を生成する統合部と、を備える情報処理装置が提供される。
本発明の態様に従えば、対象物を検出部により検出した検出結果を処理する処理プログラムであって、コンピュータに、検出部の検出結果を用いて対象物と検出部との間の領域を特定する情報を算出することを実行させる、処理プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態に係る検出装置の一例を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係る検出部の一例を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係る検出部の光学特性に基づく確度情報の説明図である。
【
図4】第1実施形態に係る検出装置の検出領域の一例を示す概念図である。
【
図5】第1実施形態に係る距離に基づいた確度情報の説明図である。
【
図6】第1実施形態に係る距離の分布に基づいた確度情報の説明図である。
【
図7】第1実施形態に係る検出方法の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図7の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図8の処理の他の例を示すフローチャートである。
【
図10】第2実施形態に係る検出システムを示す図である。
【
図11】第2実施形態に係る検出システムを示すブロック図である。
【
図12】第3実施形態に係る検出システムを示す図である。
【
図13】第3実施形態に係る検出システムを示すブロック図である。
【
図14】第3実施形態に係るモデル統合処理の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。
図1(A)は、本実施形態に係る検出装置1の一例を示す概念図である。検出装置1は、例えば撮像装置であり、検出領域A1(例、視野)内の対象物OBを検出する。検出装置1は、例えば、定点カメラでもよいし、手動または自動で視野を変更可能なカメラでもよく、携帯可能な情報端末(例、スマートフォン、タブレット、カメラ付き携帯電話)でもよい。検出装置1は、対象物OBを検出した結果を使って、対象物OBに関する情報の演算処理を行う。検出装置1は、自端末の演算処理によって、対象物OBの少なくとも一部をモデル化し、モデル情報(モデルデータ)を算出する。例えば、検出装置1は、演算処理によって、対象物OBの少なくとも一部をコンピュータグラフィック処理(CG処理)し、モデル情報(例、CGモデルデータ)を算出する。モデル情報は、例えば、対象物OBの三次元形状を示す形状情報と、対象物OBの表面の模様を示すテクスチャ情報の少なくとも一方を含む。また、例えば、モデル情報は、3次元の点座標、その点座標の関連情報、該点座標及びその関連情報で規定された面のテクスチャ情報、画像全体の照明条件や光源情報などの画像の空間情報、及び形状情報としてのポリゴンデータの少なくとも一つを含む。テクスチャ情報は、例えば、対象物OBの表面の文字や図形、パターン、凹凸を規定する情報、特定の画像、及び色彩(例、有彩色、無彩色)の少なくとも1つの情報を含む。検出装置1は、例えば、視点Vp(例、所定の視点、一視点、単一の視点、1方向)から見た対象物OBを示すモデル情報を算出する。また、例えば、検出装置1は、対象物OBに対して所定の角度における一視点から見た対象物OBを示すモデル情報を算出する。
【0008】
図1(B)は、検出装置1の構成の一例を示すブロック図である。検出装置1は、例えば、検出部2と、確度算出部3と、情報算出部4と、記憶部5と、通信部6と、制御部7と、本体部8とを備える。本体部8は、例えば、カメラボディ、ケース、筐体などである。検出部2、確度算出部3、及び情報算出部4は、例えば、本体部8に設けられる。
【0009】
検出部2は、視点Vpから対象物OBを検出する。確度算出部3は、視点Vpにおける対象物OBの確度情報を算出する。確度算出部3は、例えば、視点Vpに応じた対象物OBの確度情報を算出する。確度情報は、例えば、対象物OBを含む領域(例、検出部2の検出領域A1、視野)の各位置に物体が存在する確率、確率分布、及び期待値の少なくとも一つを含む。この確率分布は、例えば、検出部2の検出領域の一部の領域の確度と、その周辺の領域との確度との関係を示す情報である。確度情報は、例えば、対象物OBを含む領域(例、検出部2の検出領域、視野)の各位置に対する、検出部2の検出結果の信頼度を含む。例えば、確度は、各位置のデータの正確さ(正確度、精度、信頼度)、または不確かさ(曖昧さ、不明瞭さ)を数値化したものであり、確度情報は、複数の位置における確度の分布を含む。例えば、確度が高いことは、正確さが高いこと、あるいは不確かさが低いことに相当する。例えば、確度が低いことは、正確さが低いこと、あるいは不確かさが高いことに相当する。また、例えば、検出部2は対象物OBを検出した検出結果(例、画像データなど)を情報算出部4へ送信し、確度算出部3は算出した対象物OBの確度情報を情報算出部4へ送信する。情報算出部4は、受信した検出部2の検出結果および確度情報を用いて、視点Vpにおける対象物OBの形状情報とテクスチャ情報との少なくとも一方を算出する。例えば、情報算出部4は、視点Vpから見た場合の対象物OBの形状情報とテクスチャ情報との少なくとも一方を算出する。例えば、確度算出部3は、対象物OBの領域ごとに確度情報を算出し、情報算出部4は、対象物OBの領域ごとに算出された確度情報を形状情報とテクスチャ情報との少なくとも一方に関連付けする。以下、検出装置1の各部について説明する。
【0010】
図2は、検出部2の一例を示す図である。検出部2は、例えば、視点Vpから対象物OBを光学的に検出する。例えば、一視点(視点Vp)から対象物OBを見た画像と、一視点(視点Vp)から対象物OB上の各点までの距離との少なくとも一方を取得する。検出部2は、例えば、所定の視角で対象物OBを検出してもよい。検出部2は、例えば、所定の視線(例、単一の視線)で対象物OBを検出してもよい。検出部2は、例えば、撮像部11および測距部12を含む。撮像部11は、視点Vpから対象物OBを撮像して、検出結果として対象物OBの画像データなどを出力する。検出部2の検出結果は、例えば、検出した対象物OBの画像データを含む。測距部12は、視点Vp(
図1(A)参照)から対象物OB上の各点までの距離を検出する。なお、検出部2は、撮像部11または測距部12を含まなくてもよい。
【0011】
撮像部11は、結像光学系13および撮像素子14を備える。結像光学系13は、対象物OBの像を形成する。結像光学系13は、例えば鏡筒内に保持され、鏡筒とともに本体部8(
図1参照)に取り付けられる。結像光学系13および鏡筒は、例えば交換レンズであり、本体部8から取り外し可能である。結像光学系13および鏡筒は、内蔵レンズでもよく、例えば鏡筒は、本体部8の一部でもよいし、本体部8から取り外し不能でもよい。
【0012】
撮像素子14は、例えば、複数の画素が二次元的に配列されたCMOSイメージセンサ、あるいはCCDイメージセンサである。撮像素子14は、例えば本体部8に収容される。撮像素子14は、結像光学系13が形成した像を撮像する。撮像素子14の撮像結果(検出結果)は、例えば、各画素の色ごとの階調値の情報(例、RGBデータ)を含む。撮像素子14は、例えば、撮像結果をフルカラー画像のデータ形式で出力する。
【0013】
測距部12は、対象物OBの表面上の各点からの距離を検出する。測距部12は、例えば、TOF(time of flight)法により距離を検出する。測距部12は、その他の手法で距離を検出するものでもよい。例えば、測距部12は、レーザスキャナを含み、レーザスキャンにより距離を検出するものでもよい。例えば、測距部12は、対象物OBに所定のパターンを投影し、このパターンの検出結果をもとに距離を測定するものでもよい。また、測距部12は、位相差センサを含み、位相差法により距離を検出するものでもよい。また、測距部12は、DFD(depth from defocus)法により距離を検出するものでもよい。DFD法を用いる場合、測距部12は、撮像部11の結像光学系13と撮像素子14との少なくとも一方を用いるものでもよい。
【0014】
測距部12は、例えば、照射部15、結像光学系16、撮像素子17、及びコントローラ18を備える。照射部15は、対象物OBに赤外光を照射可能である。照射部15は、コントローラ18に制御される。コントローラ18は、照射部15から照射される赤外光の強度を時間変化させる(例、振幅変調する)。結像光学系16は、対象物OBの像を形成する。結像光学系16は、結像光学系13と同様に、交換レンズの少なくとも一部でもよいし、内蔵レンズの少なくとも一部でもよい。撮像素子17は、例えば、CMOSイメージセンサ、あるいはCCDイメージセンサである。撮像素子17は、少なくとも照射部15が照射する光の波長帯に感度を有する。撮像素子17は、例えば、コントローラ18に制御され、対象物OBで反射散乱した赤外光を検出する。例えば、撮像素子17は、結像光学系16が形成した像を撮像する。
【0015】
コントローラ18は、撮像素子17による検出結果を使って、対象物OBの表面の各点から撮像素子17までの距離(デプス)を検出する。例えば、対象物OBの表面上の点から撮像素子17に入射する光の飛行時間は、この点のデプスに応じて変化する。撮像素子17の出力は飛行時間に応じて変化し、コントローラ18は、例えば、撮像素子17の出力をもとにデプスを算出する。コントローラ18は、例えば、撮像素子17が撮像した画像の一部の領域(例、1画素、複数の画素)ごとにデプスを算出し、この領域の位置とデプスとを関連付けて、デプス情報を算出(生成)する。デプス情報は、例えば、対象物OBの表面上の点の位置と、この点から検出装置1までの距離(デプス、深度)とを関連付けた情報を含む。デプス情報は、例えば、対象物OBにおけるデプスの分布(例、デプスマップ)を示す情報(例、デプス画像)を含む。
【0016】
次に、確度算出部3が算出する確度情報について説明する。確度算出部3(
図1(B)参照)は、例えば、検出部2に設けられる光学系(例、結像光学系13、結像光学系16)の光学特性に基づいて、確度情報を算出する。
図3は、検出部2の光学特性に基づく確度情報の説明図である。
【0017】
図3(A)は、撮像部11による撮像画像Im1の一例を示す概念図である。結像光学系13(
図2参照)は、例えば、光軸13aから離れるほど収差が大きくなる。例えば、結像光学系13の光軸13aは撮像部11の視野中心14aに対応し、撮像部11は、撮像素子14において視野中心14aから離れた領域(例、1画素、複数画素)であるほど、この領域を用いた検出結果の信頼度が低下する。
図3(A)において、符号Imcは、撮像部11の視野中心に相当する撮像画像Im1上の位置である。撮像画像Im1は、例えば、位置Imcから離れるにつれて収差の影響が大きくなり、ボケ等により被写体の再現性(検出結果の信頼度)が低くなる。確度算出部3は、例えば、撮像画像Im1の領域(例、1画素、複数画素)ごとに、位置Imcからの距離に基づいて確度情報を算出する。
【0018】
図3(B)は、撮像画像Im1上の撮像部11の視野中心(位置Imc)からの距離に応じた確度の一例を示す概念図である。
図3において、縦軸は確度P1であり、横軸は撮像画像Im1上の位置である。
図3(B)において、確度P1は、位置Imcにおいて極大をとり、位置Imcから離れるにつれて減少する。確度P1と撮像部11の視野中心からの距離との関係は、例えば、結像光学系13による収差の撮像素子14上の分布に基づいて定められる。ここでは、確度P1は、位置Imcからの距離に対して非線形に変化するが、位置Imcからの距離に対して線形に変化してもよいし、不連続に(例、ステップ的に)変化してもよい。
【0019】
確度P1と、撮像画像Im1上の撮像部11の視野中心からの距離との関係を示す情報(以下、第1関係情報という)は、例えば、記憶部5(
図1参照)に予め記憶される。確度算出部3は、例えば、撮像画像Im1の領域(例、1画素、複数画素)ごとに位置Imcからの距離を算出する。確度算出部3は、算出した距離を上記の第1関係情報と照合して、この領域における確度P1を算出する。確度算出部3は、例えば、確度情報として、各領域の位置と確度P1とを関連付けた情報(以下、確度P1の情報という)を算出する。
【0020】
なお、確度算出部3は、結像光学系13の収差(例、収差の分布)に基づいて確度情報を算出してもよい。また、確度算出部3は、結像光学系13の収差および視野中心からの距離に基づいて確度情報を算出してもよい。また、確度算出部3は、測距部12の検出結果に対して、測距部12の視野中心からの距離と結像光学系16の収差との少なくとも一方に基づいて、確度情報を算出してもよい。
【0021】
また、撮像画像Im1は、例えば、対象物OBからの反射光により、その一部の領域において明るさが飽和することがある。また、対象物OB上には、例えば、他の物体の影がある場合など、視点Vpから見て暗い部分ができる場合がある。確度算出部3は、例えば、撮像画像Im1における明るさ(明暗)に基づいて確度情報を算出してもよい。
図3(C)は、撮像画像Im1における明るさに応じた確度P2の一例を示す概念図である。
図3(C)において、縦軸は確度P2であり、横軸は明るさ(例、画素の階調値)である。ここでは、明るさが所定の範囲BR内である場合に一定であり、明るさが範囲BRよりも低下する(暗くなる)につれて確度P2が低くなり、また明るさが範囲BRよりも増加する(明るくなる)につれて確度P2が低くなる。明るさと確度との関係は、例えば実験やシミュレーションなどに基づいて任意に設定される。例えば、確度P2は、明るさに対して非線形に変化してもよいし、線形に変化してもよく、不連続に(例、ステップ的に)変化してもよい。
【0022】
明るさと確度との関係を示す情報(以下、第2関係情報という)は、例えば、記憶部5(
図1参照)に予め記憶される。確度算出部3は、撮像画像の領域(例、1画素、複数画素)ごとの明るさ(例、階調値)を上記の第2関係情報と照合し、この領域における確度P2を算出する。確度算出部3は、例えば、確度情報として、各領域の位置と確度P2とを関連付けた情報(以下、確度P2の情報という)を算出する。
【0023】
上述の確度P1の情報と確度P2の情報との少なくとも一方は、撮像画像のデータと同じファイルに格納されてもよい。例えば、この情報のデータ構造(データ形式、データフォーマット)は、例えば、画素の階調値(R、G、Bの各階調値)と、確度(例、確度P1と確度P2との少なくとも一方)とを組にした構造でもよい。また、確度P1の情報と確度P2の情報との少なくとも一方は、撮像画像のデータと別のファイルに格納されてもよい。例えば、確度P1の情報のデータ構造は、撮像画像の画素配列に対応させて、各画素の確度の値を配列した構造でもよい。なお、確度算出部3は、検出部2に設けられる光学系(例、結像光学系13、結像光学系16)の光学特性に基づいた確度情報の算出を行わなくてもよい。例えば、確度算出部3は、上述の確度P1と確度P2との少なくとも一方を算出しなくてもよい。
【0024】
次に、対象物OBの周囲を含む領域の確度情報について説明する。
図4は、検出装置1(検出部2)の検出領域A1の一例を示す概念図である。
図4(A)には、対象物OBおよび検出装置1をX方向(例、側方)から見た概念図を示した。
図4(B)には、対象物OBおよび検出装置1をZ方向(例、上方)から見た概念図を示した。
【0025】
確度算出部3は、例えば、確度情報として、対象物OBを含む領域(例、検出部2の検出領域A1)のうち視点Vpから検出可能な第1領域(例、視点Vpから見て対象物OBを平面視できる領域)AR1と、視点Vpから見て第1領域AR1の陰になる第2領域(例、視点Vpから見て対象物OBを平面視できない領域)AR2とを区別する情報を算出する。検出領域A1は、例えば、検出装置1(例、検出部2)の視野である。第1領域AR1は、例えば、検出領域A1のうち、検出部2が検出した物体(例、対象物OB、背景、
図4(A)の床F、
図4(B)の壁W)の表面と検出部2との間の領域を含む。
図4において符号OBxは、検出部2が検出した物体(例、対象物)の表面上の任意の点である。点OBxの位置は、例えば、視点Vpを基準とする3次元座標で表され、情報算出部4が算出する形状情報(例、後述する点群データ、サーフェス情報)により得られる。確度算出部3は、視点Vpと点OBxとの間の領域ARaを第1領域AR1とする。領域ARaは、例えば、視点Vpと点OBxとを結ぶ線上に光を遮る物体の存在確率が低い領域である。第1領域AR1は、例えば、複数の点OBxのそれぞれに対する領域ARaの集合である。例えば、第1領域AR1は空隙(ガス空間)である。確度算出部3は、例えば、情報算出部4が算出する形状情報をもとに、第1領域AR1の範囲を示す座標を算出する。また、確度算出部3は、例えば、確度情報として、第1領域AR1を示す座標と、第1領域AR1に光を遮る物体が存在する確率が低い(第1領域AR1に光を遮る物体が存在しない確率が高い)ことを示す確度とを関連付けた情報を算出する。
【0026】
また、確度算出部3は、例えば、視点Vpと対象物OB上の点OBxとを結ぶ線上で、視点Vpから点OBxよりも遠い領域ARbを第2領域AR2と判定する。第2領域AR2は、例えば、複数の点OBxのそれぞれに対する領域ARbの集合である。第2領域AR2は、例えば、検出部2の検出結果の信頼度が第1領域AR1よりも低い領域である。例えば、点OBxの部分がガラスなどの場合、第2領域AR2から視点Vpに向かう光の点OBxでの屈折、反射、散乱等により、第2領域AR2に関する検出部2の検出結果の信頼度が低下する場合がある。また、点OBxの部分が光を透過しない材質であると、視点Vpから第2領域AR2を検出不能である場合もある。このような場合、確度算出部3は、確度情報として、第2領域AR2が視点Vpから検出不能な領域であることを示す情報を算出してもよい。
【0027】
このように、確度算出部3は、対象物OBの周囲の領域の情報(例、第1領域AR1に関する確度情報、第2領域AR2に関する確度情報)を算出してもよい。また、確度算出部3は、視点Vpに対して対象物OBの側方の空間(例、空隙)の情報を算出してもよい。
図4(B)の符号SPxは、対象物OBの側方の空間における点である。点SPxと視点Vpとの距離は、例えば、視点Vpと点OBxとの距離と同じである。確度算出部3は、例えば、点SPxが第1領域AR1(物体の表面よりも視点Vpに近い領域)に属するか否かを判定する。確度算出部3は、点SPxが第1領域AR1に属すると判定した場合、例えば、点SPxの位置に空隙があると判定する。このようにして、確度算出部3は、例えば、対象物OBの側方の空隙を検出してもよい。また、確度算出部3は、例えば、確度情報として、検出した空隙の位置と、この位置に空隙が存在する確率が高いこと(光を遮る物体が存在する確率が低いこと)を示す情報を算出してもよい。なお、確度算出部3は、
図4を参照して説明した確度情報の少なくとも一部を算出しなくてもよい。
【0028】
次に、検出部2(例、測距部12)が検出した距離(デプス)に基づいた確度情報について説明する。確度算出部3は、例えば、測距部12が検出した距離に基づいて、確度情報を算出する。
図5は、測距部12が検出した距離に基づいた確度情報の説明図である。
図5(A)は、デプス情報(デプス画像Im2)の一例を示す概念図である。
図5(A)において、対象物OBを点線で表し、検出部2の検出領域A1に含まれる領域(例、デプス画像Im2の1画素、複数画素)ごとの距離をグレースケールで表した。デプス画像Im2において、階調値が高い(白に近い)部分は視点Vpからの距離が近く、階調値が低い(黒に近い)部分は視点から遠い。
【0029】
図5(B)は、距離と確度P3との関係の一例を示す図である。測距部12は、例えば、視点Vpから遠い位置であるほどその検出結果の信頼度(例、検出精度)が低下する場合がある。このような場合、確度算出部3は、例えば、確度情報として距離に対して負の相関をもつ値の確度P3を算出する。
図5(B)において、確度P3は、視点Vpからの距離が遠くなるにつれて減少する。確度P3と視点Vpからの距離との関係を示す情報(以下、第3関係情報)は、例えば、予め記憶部5(
図1参照)に記憶される。確度算出部3は、例えば、デプス画像Im2(
図5(A)参照)上の領域(例、1画素、複数画素)ごとに、領域における視点Vpまでの距離を第3関係情報に照合して、この領域の確度P3を算出する。確度算出部3は、例えば、確度情報として、各領域の位置と確度P3とを関連付けた情報(以下、確度P3の情報という)を算出する。
【0030】
図5(C)は、距離と確度P3との関係の他の例を示す図である。測距部12は、例えば所定の測距範囲(測距レンジ)を有し、測距範囲の中心から離れるほど検出結果の信頼度(例、検出精度)が低下する場合がある。このような場合、確度算出部3は、例えば、確度情報として、測距範囲の中心と、視点からの距離とのずれ量に基づいて、確度情報を算出してもよい。
図5(C)において、確度P3は、測距範囲の中心で極大となり、距離が測距範囲の中心からずれるほど低下する。
図5(B)および
図5(C)に示したように、距離と確度P3との関係は、例えば測距部12の特性に応じて適宜設定される。
【0031】
また、確度算出部3は、測距部12が検出した距離の分布に基づいて、確度情報を算出してもよい。
図6は、距離の分布に基づいた確度情報の説明図である。
図6(A)は、デプス情報(デプス画像Im2)の一例および対象物OBを示す概念図である。
図6において、符号X1~X5は、デプス画像Im2上の1方向の位置を示す。位置X1はデプス画像Im2の一端の位置であり、位置X2はデプス画像Im2の他端の位置である。位置X1から位置X3の区間は、対象物OBの背景(例、
図4の床F、壁W)の部分である。位置X3から位置X4の区間は、対象物OBの前面OB1の部分である。位置X4から位置X5の区間は、前面OB1と段差を有する面OB2の部分である。位置X5と位置X2の区間は、対象物OBの背景(例、
図4の床F、壁W)の部分である。位置X3は、前面OB1に対する側面OB3の部分であり、位置X4は、前面OB1と面OB2との間の側面OB4の部分である。位置X5は、面OB2に対する側面OB5の部分である。側面OB3、側面OB4、側面OB5は、例えば、視点Vpからの視線に対して、平行に近い面であり、検出結果の信頼度が低い場合がある。
【0032】
図6(B)は、
図6(A)の線Imd上における距離の分布を示す概念図である。
図6(B)において、視点Vpからの距離は、位置X3、位置X4、位置X5のそれぞれにおいて、ステップ的に変化する。測距部12の検出結果の信頼度は、例えば、距離の変化量が閾値よりも大きい位置(例、段差の近傍)で低下する。このような場合、確度算出部3は、例えば、確度情報として、距離の変化量に応じた確度を算出してもよい。例えば、確度算出部3は、確度情報として、距離の変化量に対して負の相関の値の確度を算出してもよい。例えば、確度算出部3は、距離の変化量が相対的に小さい領域について、測距部12の検出結果の信頼度が高いことを示す確度を算出してもよい。また、例えば、確度算出部3は、距離の変化量が相対的に大きい領域について、測距部12の検出結果の信頼度が低いことを示す確度を算出してもよい。
【0033】
図6(C)は、距離の変化量に基づいた確度P4の分布の一例を示す概念図である。ここでは、
図6(B)の距離の分布に応じた確度P4の分布を概念的に示した。距離の変化量は、例えば、検出部2の視点を通る視線と、対象物OB上の面との傾きに応じた量である。例えば、距離の変化量が大きい場合、視線に対して対象物OB上の面が平行に近く、距離の変化量が小さい場合、視線に対して対象物OB上の面が垂直に近い。
図6(C)において、距離の変化量が大きい位置(例、位置X3,X4、位置X5)において確度P4が相対的に低い。確度算出部3は、例えば、デプス画像Im2の領域ごとに距離の変化量(例、隣接する2つの領域におけるデプスとの差分)を算出し、算出した変化量と閾値とを比較する。確度算出部3は、例えば、距離の変化量が閾値以下である場合に、この領域の確度P4をハイレベルとする。確度算出部3は、距離の変化量が閾値よりも大きい場合に、この領域の確度P4をローレベルとする。
【0034】
図6(D)は、距離の変化量と確度P4との関係の一例を示す概念図である。
図6(D)において、確度P4は、距離の変化量が閾値Dth以下の範囲において一定であり、距離の変化量が閾値Dthを超える範囲において減少する。なお、確度P4は、距離の変化量に対して、非線形に変化してもよいし、線形に変化してもよく、不連続に(例、ステップ的に)変化してもよい。確度P4と、視点Vpからの距離の変化量との関係を示す情報(以下、第4関係情報)は、例えば、予め記憶部5(
図1参照)に記憶される。確度算出部3は、例えば、デプス画像Im2(
図6(A)参照)上の領域(例、1画素、複数画素)ごとに、視点Vpまでの距離の変化量を算出し、この変化量を第4関係情報に照合して各領域の確度P4を算出する。確度算出部3は、例えば、確度情報として、各領域の位置と確度P4とを関連付けた情報(以下、確度P4の情報という)を算出する。
【0035】
上述の確度P3の情報と確度P4の情報との少なくとも一方は、デプス情報と同じファイルに格納されてもよい。例えば、この情報のデータ構造(データ形式、データフォーマット)は、例えば、検出領域A1の一部の領域ごとに、確度(確度P3と確度P4との少なくとも一方)とデプスとを組にした構造でもよい。例えば、この情報は、デプス画像Im2の領域(例、1画素、複数画素)ごとに、デプスの値と確度とを組にした形式で表されてもよい。また、確度P3の情報と確度P4の情報との少なくとも一方は、デプス情報と別のファイルに格納されてもよい。例えば、確度P1の情報のデータ構造と確度P2の情報のデータ構造の少なくとも一方は、デプス情報における各領域の距離のデータ配列に対応させて、各領域の確度の値を配列した構造でもよい。
【0036】
なお、確度算出部3は、確度P3の情報と確度P4の情報との少なくとも一方を算出しなくてもよい。また確度算出部3は、検出部2(例、測距部12)が検出した距離に基づいた確度情報の算出を行わなくてもよい。なお、確度算出部3は、上記の確度P1~確度P4の2つ以上を組み合わせた確度を算出してもよい。例えば、確度算出部3は、上記の確度P1~確度P4の2つ以上を用いた重み付け(加重平均(weighted average)の算出)を行って、確度を算出してもよい。また、確度算出部3は、確度P1~確度P4のうち2つ以上の相加平均と相乗平均との少なくとも一方を、確度として算出してもよい。
【0037】
図1の説明に戻り、情報算出部4は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(digital signal processor; DSP)を含む。情報算出部4は、検出部2の検出結果(例、デプス情報)を使って、対象物OBの形状情報およびテクスチャ情報の少なくとも一方を算出する。なお、上述の説明では測距部12がデプス情報を生成するものとしたが、情報算出部4は、測距部12が検出したデプスをもとにデプス情報を生成してもよい。また、情報算出部4は、デプス情報をもとに確度算出部3が算出した確度情報と、デプス情報とを関連付けた情報を生成してもよい。
【0038】
情報算出部4は、例えば、形状情報として、検出部2の検出結果をもとに対象物OB上の複数の点の座標を含む点群データを算出する。情報算出部4は、測距部12の検出結果(例、デプス情報)を使って、点群データを算出する(点群データ処理)。例えば、情報算出部4は、デプス情報が示す距離画像(デプス画像)から平面画像への透視変換などにより、点群データを算出する。なお、情報算出部4は、撮像部11と測距部12とで視野が異なる場合、例えば、測距部12の検出結果を透視変換(射影変換)などによって、撮像部11の視野から対象物OBを検出した結果に変換してもよい。情報算出部4は、例えば、撮像部11の視野と測距部12の視野との位置関係(例、視点の位置、視線の向き)に依存するパラメータを使って、透視変換を実行してもよい。
【0039】
情報算出部4は、例えば、確度情報を用いて点群データを生成する。例えば、情報算出部4は、デプス画像において確度が相対的に高い領域を選択して、デプス画像から平面画像への透視変換を行ってもよい。例えば、情報算出部4は、デプス画像において確度が相対的に低い領域の少なくとも一部の透視変換を省略してもよい。情報算出部4は、例えば、デプス情報のうち確度が相対的に低い情報を用いないで点群データを生成してもよく、この場合、処理の負荷を減らすこと、生成される点群データのデータ量を減らすことができる。また、情報算出部4は、例えば、デプス画像において確度が相対的に高い領域を用いて、確度が相対的に低い領域を補間し、デプス画像から平面画像への透視変換を行ってもよい。
【0040】
情報算出部4は、例えば、算出した点群データを記憶部5に記憶させる。情報算出部4は、例えば、点群データと確度情報とを関連付けた情報を生成する。例えば、情報算出部4は、点群データに含まれる3次元の点座標と、この点に対応するデプス画像上の点の確度とを関連付けた情報を算出する。この情報のデータ構造は、例えば、3次元の点座標と確度とを組にした構造でもよい。情報算出部4は、例えば、点群データと確度情報とを関連付けた情報を、記憶部5に記憶させる。
【0041】
なお、情報算出部4は、確度情報を用いないで点群データを生成してもよい。また、確度算出部3は、情報算出部4が生成した点群データを用いて、点群データに含まれる点の情報に関する確度情報(点群データの確度情報)を算出してもよい。例えば、確度算出部3は、点群データに含まれる所定の2点間の距離情報に基づいて、確度情報を算出してもよい。例えば、確度算出部3は、点群データから隣接する2点を選択し、これら2点間の距離を閾値と比較して、確度情報を算出してもよい。また、確度算出部3は、点群データに含まれる複数の点の空間周波数情報(例、点の空間分布の粗密)に基づいて、確度情報を算出してもよい。また、確度算出部3は、点群データに含まれる2点を結ぶベクトル情報に基づいて、確度情報を算出してもよい。例えば、確度算出部3は、点群データから隣接する2点を選択し、これら2点を結ぶベクトルと、検出装置1の位置情報とを用いて、確度情報を算出してもよい。検出装置1の位置情報は、例えば、視点Vpの向き(検出方向、視線、光学系の光軸の方向)を含む。確度算出部3は、例えば、点群データに含まれる2点を結ぶベクトルと視点Vpの向きとの角度に応じて、確度情報を算出してもよい。例えば、確度算出部3は、上記のベクトルと視点Vpの向きとの角度が0°あるいは180°に近い場合、上記のベクトルの始点と終点との少なくとも一方の確度を相対的に低くしてもよい。また、例えば、確度算出部3は、上記のベクトルと視点Vpの向きとの角度が90°あるいは270°に近い場合、確度を相対的に高くしてもよい。
【0042】
なお、確度算出部3が確度情報の算出に用いる情報は、上記の距離情報、空間周波数情報、ベクトル情報、及び検出装置1の位置情報のうち、1種類でもよいし、2種類以上でもよい。確度算出部3が確度情報の算出に用いる点群データは、情報算出部4が確度情報を用いて生成したものでもよいし、情報算出部4が確度情報を用いないで生成したものでもよい。また、確度算出部3は、点群データを用いて算出した確度情報を、記憶部5に記憶させてもよい。
【0043】
また、情報算出部4は、形状情報として、検出部2の検出結果をもとに対象物OB上の複数の点の座標と複数の点間の連結情報とを含むサーフェス情報を生成する。サーフェス情報は、例えばポリゴンデータ、ベクタデータ、ドローデータなどである。連結情報は、例えば、対象物OBの稜線(例、エッジ)に相当する線の両端の点を互いに関連付ける情報、及び対象物OBの面の輪郭に相当する複数の線を互いに関連付ける情報を含む。情報算出部4は、例えば、点群データに含まれる複数の点から選択される点とその近傍の点との間の面を推定し、点群データを点間の平面情報を持つポリゴンデータに変換する(サーフェス処理)。情報算出部4は、例えば、最小二乗法を用いたアルゴリズムにより、点群データをポリゴンデータへ変換する。このアルゴリズムは、例えば、点群処理ライブラリに公開されているアルゴリズムを適用したものでもよい。
【0044】
情報算出部4は、例えば、確度情報を用いてサーフェス情報を生成する。例えば、情報算出部4は、点群データに含まれる複数の点から選択される点とその近傍の点との間の面を推定する際に、確度を加味して近傍の点を選択する。例えば、情報算出部4は、近傍の点として、確度が相対的に高い点を選択する。情報算出部4は、例えば、点群データのうち確度が相対的に低い情報を用いないでサーフェス情報を生成してもよく、この場合、処理の負荷を減らすこと、生成されるサーフェス情報のデータ量を減らすことができる。また、情報算出部4は、上記の近傍の点の確度が閾値よりも低い場合、その周囲の点のうち相対的に確度が高い点を用いた補間を行ってもよい。
【0045】
情報算出部4は、例えば、サーフェス情報と確度情報とを関連付けた情報を生成する。例えば、情報算出部4は、サーフェス情報に含まれる線(または面)の情報と、この線(または面)に対応する点群データの点の確度の情報とを関連付けた情報を生成する。この情報は、例えば、サーフェス情報に含まれる要素(例、線、面)の属性情報として、格納されてもよい。情報算出部4は、例えば、サーフェス情報と確度情報とを関連付けた情報を、記憶部5に記憶させる。
【0046】
なお、情報算出部4は、サーフェス情報を生成する際に確度情報を用いなくてもよい。例えば、情報算出部4は、確度情報を用いて点群データを生成し、この点群データをもとにサーフェス情報を生成する際に、確度情報を用いなくてもよい。また、確度算出部3は、情報算出部4が生成したサーフェス情報を用いて、確度情報を算出してもよい。例えば、サーフェス情報は、2点を結ぶ線(グラフ)の情報を含み、確度算出部3は、線の情報に関する確度情報を算出してもよい。例えば、上述の点群データを用いた確度情報の算出と同様に、確度算出部3は、上記の距離情報、ベクトル情報、及び検出装置1の位置情報の少なくとも1つを用いて、線の情報に関する確度情報を算出してもよい。
【0047】
また、サーフェス情報は、例えば3以上の線に囲まれる対象物の面の情報を含み、情報算出部4は、線の情報に関する確度情報を用いて、面の情報を生成してもよい。例えば、面の外周線の複数の候補のうち相対的に確度が高い線を、面の外周線に採用してもよい。また、サーフェス情報は、例えば3以上の線に囲まれる面の情報を含み、確度算出部3は、面の情報に関する確度情報を算出してもよい。例えば、確度算出部3は、面の外周線に相当する線の情報に関する確度情報を用いた相加平均、相乗平均、あるいは加重平均によって、面の情報に関する確度情報を算出してもよい。また、確度算出部3は、面の法線方向と、検出装置1の位置情報(例、視点Vpの向き)とを用いて、確度情報を算出してもよい。例えば、確度算出部3は、例えば、面の法線ベクトルと視点Vpの向きとの角度に応じて、確度情報を算出してもよい。例えば、確度算出部3は、面の法線ベクトルと視点Vpの向きとの角度が0°あるいは180°に近い場合、面の確度を相対的に低くしてもよい。また、例えば、確度算出部3は、面の法線ベクトルと視点Vpの向きとの角度が90°あるいは270°に近い場合、面の確度を相対的に高くしてもよい。
【0048】
また、確度算出部3は、情報算出部4が生成したサーフェス情報を用いて、点群データに関する確度情報を算出してもよい。例えば、確度算出部3は、面の情報に用いられた点の情報について、面と点との距離に基づいて確度情報を算出してもよい。例えば、確度算出部3は、面に属する点のうち面からの距離が閾値以上の場合、この点の確度を距離が閾値未満の場合に比べて低くしてもよい。確度算出部3は、サーフェス情報を用いて点群データに関する確度情報を算出し、この確度情報を用いてサーフェス情報の少なくとも一部(例、線の情報、面の情報)を再計算してもよい。また、確度算出部3は、サーフェス情報を用いて算出した確度情報を、記憶部5に記憶させてもよい。
【0049】
情報算出部4は、例えばインバースレンダリングの手法により、テクスチャ情報を算出する。テクスチャ情報は、例えば、対象物OBの表面の模様を示すパターン情報、対象物OBを照らす光の光源情報、及び対象物OBの表面の光学特性(例、反射率、散乱率、透過率)を示す光学特性情報の少なくとも1項目の情報を含む。光源情報は、例えば、光源の位置、光源から対象物へ光が照射される方向、光源から照射される光の波長、光源の種類のうち少なくとも1項目の情報を含む。
【0050】
情報算出部4は、例えば、ランバート反射を仮定したモデル、アルベド(Albedo)推定を含むモデルなどを利用して、光源情報を算出する。例えば、情報算出部4は、撮像部11が撮像した画像の各画素の画素値のうち、対象物OBで拡散した光に由来する成分と対象物OBで正反射した成分とを推定する。また、情報算出部4は、例えば、対象物OBで正反射した成分の推定結果、及び形状情報を使って、光源から対象物OBへ光が入射してくる方向を算出する。情報算出部4は、例えば、算出した光源情報および形状情報を使って対象物OBの反射特性を推定し、反射特性の推定結果を含む光学特性情報を算出する。また、情報算出部4は、例えば、算出した光源情報および光学特性情報を使って、可視光画像のデータから照明光の影響を除去して、パターン情報を算出する。
【0051】
確度算出部3は、例えば、テクスチャ情報の元になる画像データを用いて、テクスチャ情報に関する確度情報を算出してもよい。例えば、確度算出部3は、画像データに含まれる各画素のR、G、Bの輝度(階調値)と、画像データから算出されるテクスチャの空間周波数情報との少なくとも一方を用いて、確度情報を算出してもよい。また、確度算出部3は、上記の画像データの取得に用いられる光学系の特性(例、照野、収差)、対象物の光学特性(例、反射率、透過率、吸収率)、及び対象物を照らす光の光源の情報の少なくとも一部を用いて、確度情報を算出してもよい。情報算出部4は、例えば、確度情報を用いてテクスチャ情報を算出する。例えば、情報算出部4は、検出部2(例、撮像部11)の検出結果(撮像画像)のうち、確度が相対的に高い領域を選択的に用いて、テクスチャ情報を算出してもよい。例えば、情報算出部4は、撮像部11による撮像画像のうち、確度が相対的に低い領域をテクスチャ情報の算出に用いなくてもよく、この場合、処理の負荷を減らすこと、生成されるテクスチャ情報のデータ量を減らすことができる。また、情報算出部4は、確度が相対的に低い領域の情報を、確度が相対的に高い領域の情報を用いて補間し、テクスチャ情報を算出してもよい。
【0052】
確度算出部3は、例えば、対象物OBの領域(例、点群データの各点、サーフェス情報の要素)ごとに、確度情報を算出する。確度情報は、例えば、形状情報またはテクスチャ情報を算出するために検出部2の検出結果に対して重み付けした情報を含んでもよい。確度情報は、例えば、形状情報またはテクスチャ情報の算出に用いられる情報として、検出部2の検出結果または検出結果から生成される情報に対して重み付けした情報を含んでもよい。この重み付けに用いられる係数は、重み付けの処理よりも前に取得された確度情報に含まれる確度に応じた値でもよい。
【0053】
情報算出部4は、例えば、対象物OBの領域ごとに算出された確度情報を形状情報とテクスチャ情報の少なくとも一方に関連付ける。例えば、情報算出部4は、点群データの各点の座標(例、(Xi,Yi,Zi))と、この点の確度情報(例、確度P=Pi)とを組にしたデータ(例、(Xi,Yi,Zi,Pi))を生成する。なお、情報算出部4は、例えば、点群データの各点の識別子(例、ID、番号)と、この点の確度情報とを関連付けることで、点群データの各点と確度情報とを関連付けてもよい。例えば、情報算出部4は、点群データの各点の確度情報にこの点の識別子を付加したデータを生成してもよい。また、情報算出部4は、点群データの各点の座標に、この点の確度情報の識別子(ID、番号)を付加したデータを生成してもよい。
【0054】
また、例えば、情報算出部4は、サーフェス情報の要素(例、線、面、メッシュの各領域、ボクセル)と、この要素の確度情報とを組にしたデータを生成する。例えば、情報算出部4は、サーフェス情報に規定される要素(例、点の連結情報)と、この要素の確度情報とを組にしたデータを生成する。また、例えば、情報算出部4は、対象物OBの領域(例、撮像画像の1画素、複数画素)ごとに算出されたテクスチャ情報を、この領域の確度情報と組にしたデータを生成する。
【0055】
なお、情報算出部4は、例えば、サーフェス情報の各要素の識別子(例、ID、番号)と、この要素の確度情報とを関連付けることで、サーフェス情報の各要素と確度情報とを関連付けてもよい。例えば、情報算出部4は、サーフェス情報の要素の確度情報にこの要素の識別子を付加したデータを生成してもよい。また、情報算出部4は、サーフェス情報の要素の情報(例、点の連結情報)に、この点の確度情報の識別子(ID、番号)を付加したデータを生成してもよい。情報算出部4は、例えば、形状情報およびテクスチャ情報の少なくとも一方を含む情報にヘッダ情報(例、番号やコードなどの識別情報)を付けたモデル情報を生成する。このヘッダ情報は、識別情報、検出装置1の位置(位置情報)、撮像部11による撮像タイミング、撮像部11による撮像時間、対象物OBの光学特性情報、および撮像環境情報(例、光源情報、対象物OBなどに対する照明条件)のうち少なくとも一つを含む。このように、情報算出部4は、ヘッダ情報を有するモデル情報を所定のデータフォーマットに基づいて生成する。
【0056】
記憶部5は、例えばUSBメモリ、メモリカードなどの不揮発性メモリであり、各種情報を記憶する。記憶部5は、検出装置1に内蔵される記憶デバイスを含んでいてもよいし、検出装置1からリリース可能な記憶デバイスを接続可能なポートを含んでいてもよい。
【0057】
制御部7は、例えば、ユーザまたは外部装置からの指令(制御信号)により、検出装置1の各部を制御する。例えば、制御部7は、検出部2に上記の検出処理を実行させる。この検出処理は、例えば、撮像部11による撮像処理、及び測距部12による距離検出処理を含む。制御部7は、例えば、検出部2の検出結果の少なくとも一部を記憶部5に記憶させる。制御部7は、例えば、確度算出部3に確度情報を算出させる。例えば、確度算出部3が算出した確度情報の少なくとも一部を記憶部5に記憶させる。制御部7は、例えば、情報算出部4にモデル情報を算出させる。制御部7は、例えば、情報算出部4が算出したモデル情報の少なくとも一部を記憶部5に記憶させる。
【0058】
通信部6は、例えば、USBポートなどのI/Oポート、電波または赤外線の無線通信を行う通信器のうち少なくとも一つを含む。通信部6は、制御部7に制御され、記憶部5に記憶されている情報を読み出し、読み出した情報を外部装置に送信する。例えば、通信部6は、確度算出部3の算出結果(例、確度情報)と情報算出部4の算出結果(例、モデル情報)の少なくとも一部を、外部装置(例、後に
図9等に示す情報処理装置51)に送信する。また、通信部6は、例えば、外部装置からの指令を含む情報を受信する。通信部6は、受信した情報を記憶部5に記憶させること、受信した情報を制御部7に供給することができる。
【0059】
また、例えば、検出装置1は、モデル情報の少なくとも一部を、バーコードや2次元コードのようなデジタル情報を入出力できるデジタル装置に出力可能である。このようなデジタル装置は、モデル情報の少なくとも一部を含むデジタル情報をディスプレイや紙などに表示する又は印字することができる。表示された又は印字されたデジタル情報を読み取れるリーダー部(例、光学式リーダー)を備えるリーダー装置は、該リーダー部を介して該デジタル情報を自装置の記憶領域などに入力することができる。また、リーダー装置は、後述のレンダリング処理部を更に備えていてもよい。なお、上記の検出システム50は、上記のデジタル装置やリーダー部を備えるリーダー装置を備える構成であってもよい。また、検出装置1は、上記のデジタル装置やリーダー装置を備える構成であってもよい。検出装置1が上記のデジタル装置を備える場合に、通信部6はモデル情報の少なくとも一部を上記のデジタル装置に送信してもよい。また、上記のデジタル装置は、受信したモデル情報をもとにデジタル情報を生成し、このデジタル情報を紙などの媒体に出力してもよい。
【0060】
次に、上述の構成の検出装置1の動作に基づき、本実施形態に係る検出方法について説明する。
図7は、本実施形態に係る検出方法の一例を示すフローチャートである。ステップS1において、検出部2は、所定の一視点(単一視点)から対象物OBを検出する。例えば、検出部2の撮像部11は、視点Vpから対象物OBを撮像する。また、例えば、検出部2の測距部12は、視点Vpと対象物OBの表面の各点までの距離を検出する。また、ステップS2において、確度算出部3は、所定の一視点における対象物OBの確度情報を算出する。例えば、確度算出部3は、撮像部11の検出結果(例、撮像画像)と、測距部12の検出結果(例、デプス情報)との少なくとも一部を用いて、確度情報を算出する。例えば、確度算出部3は、
図3~
図6を参照して説明した確度情報の少なくとも一部を算出する。また、ステップS3において、情報算出部4は、検出部2の検出結果および確度情報を用いて、視点Vpにおける対象物の形状情報とテクスチャ情報との少なくとも一方を含むモデル情報を算出する。
【0061】
図8は、
図7のステップS2およびステップS3の処理の一例を示すフローチャートである。本実施形態においては、確度情報の算出に先立ち、例えば測距部12によりデプスを検出しておく。ステップS11において、確度算出部3は、例えば
図4~
図6に示したように、測距部12が検出した距離(デプス)に基づいて確度情報を算出する。また、ステップS13において、情報算出部4は、ステップS11で算出された確度情報と、ステップS12で生成されたデプス情報とを関連付けた情報を算出する。ステップS14において、情報算出部4は、ステップS13で算出した情報を用いて、点群データを算出する。ステップS15において、情報算出部4は、点群データと確度情報とを関連付けた情報を生成する。ステップS16において、情報算出部4は、ステップS15で算出した情報を用いて、サーフェス情報を算出する。ステップS17において、情報算出部4は、サーフェス情報と確度情報とを関連付けた情報を算出する。
【0062】
図9は、
図7のステップS2およびステップS3の処理の他の例を示すフローチャートである。
図9において
図8と同様の処理については、同じ符号を付してその説明を適宜、省略あるいは簡略化する。ステップS11において、検出装置1(例、コントローラ18)は、デプス情報を生成する。ステップS14において、情報算出部4は、点群データを算出する。ステップS21において、確度算出部3は、情報算出部4がステップS14で算出した点群データの確度情報を生成する。
【0063】
確度算出部3は、例えば、生成した点群データの確度情報を記憶部5に記憶させる。ステップS22において、情報算出部4は、点群データ、及び確度算出部3がステップS21で生成した点群データの確度情報を用いて、サーフェス情報のうち線の情報を算出する。ステップS23において、確度算出部3は、情報算出部4がステップS22で算出した線の情報の確度情報を生成する。確度算出部3は、例えば、生成した線の情報の確度情報を記憶部5に記憶させる。ステップS24において、情報算出部4は、線の情報、及び確度算出部3がステップS23で生成した線の情報の確度情報を用いて、サーフェス情報のうち面の情報を算出する。ステップS25において、確度算出部3は、情報算出部4がステップS24で算出した面の情報の確度情報を生成する。確度算出部3は、例えば、生成した面の情報の確度情報を記憶部5に記憶させる。
【0064】
ステップS26にいて、確度算出部3は、情報算出部4がステップS24で算出した面の情報を用いて、点群データの確度情報を算出する。確度算出部3は、ステップS21で生成した点群データの確度情報を、ステップS26で生成した点群データの確度情報へ更新してもよい。また、確度算出部3は、ステップS21で生成した点群データの確度情報と、ステップS26で生成した点群データの確度情報とを、相加平均、相乗平均、あるいは加重平均などによって統合してもよい。また、確度算出部3は、ステップS26で生成した点群データの確度情報を、ステップS21で生成した点群データの確度情報と別に記憶部5に記憶させてもよい。ステップS27において、検出装置1(例、情報算出部4)は、サーフェス情報を再計算するか否かを判定する。例えば、情報算出部4は、再計算するか否かを予め定めた設定情報に従って、ステップS27の判定処理を行う。情報算出部4は、サーフェス情報を再計算すると判定した場合(ステップS27;Yes)、ステップS22に戻り、前回のステップS22からステップS26の処理で生成された確度情報の少なくとも一部を用いて、ステップS22以降の処理を繰り返す。情報算出部4は、サーフェス情報を再計算しない判定した場合(ステップS27;No)、一連の処理を終了する。
【0065】
なお、確度算出部3は、ステップS21における点群データの確度情報の生成処理、ステップS23における線の情報の確度情報の生成処理、ステップS25における面の情報の確度情報の生成、及びステップS26における点群データの確度情報の生成処理の少なくとも1つの生成処理を行わなくてもよい。この場合、情報算出部4は、上記の生成処理が行われなかった項目の確度情報を用いないで、サーフェス情報の少なくとも一部(例、線の情報、面の情報)を生成してもよい。また、情報算出部4は、上記の生成処理が行われた項目の確度情報を用いないでサーフェス情報(例、線の情報、面の情報)を生成してもよい。この場合、上記の生成処理が行われた確度情報は、サーフェス情報の算出処理以外の処理、例えば、サーフェス情報を用いた処理(例、レンダリング処理)に利用されてもよい。また、情報算出部4は、ステップS27の処理を行わなくてもよく、確度情報の少なくとも一部を用いたサーフェス情報の再計算を行わなくてもよい。
【0066】
上述の実施形態において、検出装置1は、例えばコンピュータ(例、マイクロコンピュータ)を含む。このコンピュータは、記憶部5に記憶されている処理プログラムを読み出し、この処理プログラムに従って各種の処理を実行する。この処理プログラムは、例えば、所定の一視点(例、視点Vp)から対象物OBを検出部2により光学的に検出した検出結果を処理する。この処理プログラムは、例えば、コンピュータに、所定の一視点(例、視点)Vpにおける対象物OBの確度情報を算出することと、検出部2の検出結果および確度情報を用いて、所定の一視点(例、視点Vp)における対象物OBの形状情報とテクスチャ情報との少なくとも一方を生成することと、を実行させる。この処理プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録されて提供されてもよい。
【0067】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。
図10は、本実施形態に係る検出システム50の一例を示す図である。検出システム50は、検出装置1と、検出装置1から出力される情報を処理する情報処理装置51と、を備える。情報処理装置51には、例えば、入力装置52および表示装置53が設けられる。
【0068】
情報処理装置51は、検出装置1との間の通信により、検出装置1から情報を取得する。情報処理装置51は、例えば、検出装置1から取得した情報(例、モデル情報、確度情報)を使って、レンダリング処理を実行する。例えば、情報処理装置51は、ユーザにより入力装置52に入力された視点の設定情報を元に、この視点から対象物OBを見た推定画像のデータを算出する。情報処理装置51は、例えば、推定画像のデータを表示装置53に供給し、表示装置53に推定画像を表示させる。
【0069】
入力装置52は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、加速度センサなどのセンサ、音声入力機、タッチ型ペンなどの少なくとも一つを含む。入力装置52は、情報処理装置51と接続される。入力装置52は、例えばユーザから情報の入力を受け付け、入力された情報を情報処理装置51に供給する。表示装置53は、例えば、液晶ディスプレイ又はタッチパネル型ディスプレイを含み、情報処理装置51と接続されている。表示装置53は、例えば、情報処理装置51から供給される画像データにより、画像(例、レンダリング処理による推定画像)を表示する。
【0070】
図11は、本実施形態に係る検出システム50の一例を示すブロック図である。情報処理装置51は、通信部55、記憶部56、レンダリング処理部57、及び制御部58を備える。通信部55は、例えば、USBポート、ネットワークカード、電波または赤外線の無線通信を行う通信器のうち少なくとも一つを含む。通信部55は、検出装置1の通信部6と通信可能である。
【0071】
記憶部56は、例えば、USBメモリなどの取り外し可能な記憶媒体、外付け型あるいは内蔵型のハードディスクなどの大容量記憶装置を含む。記憶部56は、例えば、通信部55を介して受信した情報の少なくとも一部のデータ、検出装置1を制御する撮像制御プログラム、情報処理装置51の各処理を実行させる処理プログラム、などを記憶する。
【0072】
レンダリング処理部57は、例えば、グラフィックス プロセッシング ユニット(Graphics Processing Unit; GPU)を含む。なお、レンダリング処理部57は、CPUおよびメモリが画像処理プログラムに従って各処理を実行する態様でもよい。レンダリング処理部57は、例えば、描画処理、テクスチャマッピング処理、シェーディング処理の少なくとも一つの処理を行う。
【0073】
レンダリング処理部57は、描画処理において、例えば、モデル情報の形状情報に定められた形状を任意の視点から見た推定画像(例、再構築画像)を算出できる。以下の説明において、形状情報が示す形状をモデル形状という。レンダリング処理部57は、例えば、描画処理によって、モデル情報(例、形状情報)からモデル形状(例、推定画像)を再構成できる。レンダリング処理部57は、例えば、算出した推定画像のデータを記憶部56に記憶させる。また、レンダリング処理部57は、テクスチャマッピング処理において、例えば、推定画像上の物体の表面に、モデル情報のテクスチャ情報が示す画像を貼り付けた推定画像を算出できる。レンダリング処理部57は、推定画像上の物体の表面に、対象物OBと別のテクスチャを貼り付けた推定画像を算出することもできる。レンダリング処理部57は、シェーディング処理において、例えば、モデル情報の光源情報が示す光源により形成される陰影を推定画像上の物体に付加した推定画像を算出できる。また、レンダリング処理部57は、シェーディング処理において、例えば、任意の光源により形成される陰影を推定画像上の物体に付加した推定画像を算出できる。
【0074】
レンダリング処理部57は、例えば、検出装置1が生成した確度情報を用いて、レンダリング処理を行う。例えば、レンダリング処理部57は、モデル形状のうち確度が相対的に高い領域の解像度を、確度が相対的に低い領域の解像度よりも高くしてもよい。例えば、レンダリング処理部57は、モデル形状のうち確度が相対的に低い領域の解像度を落として(例、ぼかして)、推定画像を生成してもよい。例えば、レンダリング処理部57は、モデル形状のうち確度が相対的に低い領域のレンダリング処理を、省略あるいは簡略化してもよい。例えば、レンダリング処理部57は、モデル形状のうち確度が相対的に低い領域を、確度が相対的に高い領域を用いて補間して、レンダリング処理を行ってもよい。
【0075】
制御部58は、例えば、情報処理装置51の各部、検出装置1、入力装置52、及び表示装置53を制御する。制御部58は、例えば、通信部55を制御し、検出装置1に指令(制御信号)や設定情報を送信させる。制御部58は、例えば、通信部55が検出装置1から受信した情報を、記憶部56に記憶させる。制御部58は、例えば、レンダリング処理部57を制御し、レンダリング処理を実行させる。
【0076】
なお、検出システム50は、入力装置52を備えなくてもよい。例えば、検出システム50は、各種の指令、情報が通信部6を介して入力される形態でもよい。また、検出システム50は、表示装置53を備えなくてもよい。例えば、検出システム50は、レンダリング処理により生成された推定画像のデータを外部の表示装置へ出力し、この表示装置が推定画像を表示してもよい。
【0077】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。
図12は、本実施形態に係る検出システム50を示す図である。検出システム50は、複数の検出装置(第1検出装置1a、第2検出装置1b)と、複数の撮像装置から出力される情報を処理する情報処理装置51とを備える。
【0078】
情報処理装置51は、第1検出装置1aとの間の通信により、対象物OBに対して第1視点の位置に配置された第1検出装置1aから情報(例、モデル情報、確度情報)を取得する。情報処理装置51は、対象物OBに対して第2視点の位置に配置された第2検出装置1bとの間の通信により、第2検出装置1bから情報(例、モデル情報、確度情報)を取得する。情報処理装置51は、第1視点から対象物OBを検出する第1検出装置1aから取得した情報、及び第2視点から対象物OBを検出する第2検出装置1bから取得した情報を使って、情報処理を行う。例えば、第1検出装置1aおよび第2検出装置1bは、それぞれ、自装置の視点(1視点、単一視点、1方向)から見た対象物OBを表すモデル情報を、情報処理装置51に供給する。情報処理装置51は、第1検出装置1aの視点(第1視点)から見た対象物OBを表す第1モデル情報と、第2検出装置1bの視点(第1視点とは異なる第2視点)から見た対象物を表す第2モデル情報とを統合するモデル統合処理を行う。
【0079】
図13は、本実施形態に係る検出システム50を示すブロック図である。第1検出装置1aおよび第2検出装置1bは、それぞれ、例えば
図1に示した検出装置1と同様の構成である。情報処理装置51は、受信部(通信部55)を備える。通信部55は、対象物OBの第1モデル情報と、対象物OBの第2モデル情報とを受信する。第1モデル情報は、一視点(例、後に
図14に示す視点Vp1)における対象物の形状情報とテクスチャ情報との少なくとも一方を含む。第1モデル情報は、例えば、第1検出装置1aによる第1検出結果と第1確度情報とを用いて第1検出装置1aによって算出され、通信部55は、第1検出装置1aから第1モデル情報を受信する。第2モデル情報は、上記の一視点と異なる視点(例、後に
図14に示す視点Vp2)における対象物の形状情報とテクスチャ情報との少なくとも一方を含む。第2モデル情報は、例えば、第2検出装置1bによる第2検出結果と第2確度情報とを用いて第2検出装置1bによって算出され、通信部55は、第2検出装置1bから第2モデル情報を受信する。
【0080】
情報処理装置51は、モデル統合処理を行うモデル統合部59を備える。モデル統合部59は、上記の第1モデル情報と第2モデル情報とを統合する。モデル統合部59は、例えば、第1検出装置1aからの第1モデル情報が示す形状から特徴点を抽出する。また、モデル統合部59は、第2検出装置1bからの第2モデル情報が示す形状から特徴点を抽出する。特徴点は、各モデル情報が示す形状のうち他の部分と識別可能な部分である。例えば、サーフェス情報において面に定義されている部分は、その外周の形状などにより、他の面と識別可能である。例えば、モデル統合部59は、各モデル情報に含まれる形状情報とテクスチャ情報とのうち少なくとも一方を使って特徴点を抽出する。また、モデル統合部59は、例えば、第1モデル情報と第2モデル情報とで特徴点をマッチングし、第1モデル情報と第2モデル情報とで共通する特徴点を検出する。また、モデル統合部59は、第1モデル情報と第2モデル情報とで共通する特徴点を用いて、第1モデル情報が示す形状と第2モデル情報が示す形状との相対位置、相対姿勢を算出し、第1モデル情報と第2モデル情報とを統合する。
【0081】
モデル統合部59は、例えば、第1検出装置1aから供給される確度情報(第1確度情報)と、第2検出装置1bから供給される確度情報(第2確度情報)の少なくとも一部を用いて、モデル統合処理を行う。モデル統合部59は、例えば、確度情報に基づいて、モデル情報から統合に用いる情報を選択する。例えば、モデル統合部59は、モデル情報が示す形状から特徴点を抽出する際に、この形状のうち相対的に確度が高い領域から特徴点を抽出する。また、モデル統合部59は、例えば、第1モデル情報が示す形状と第2モデル情報が示す形状とで重複部分がある場合、第1確度情報と第2確度情報とを用いて重複部分における第1モデル情報の確度と第2モデル情報の確度とを比較し、相対的に確度が高い方のモデル情報を用いて重複部分の形状を表す。また、モデル統合部59は、例えば、上記の重複部分について、第1モデル情報と第2モデル情報とに重み付け(加重平均の算出)を行って、形状情報を統合してもよい。加重平均は、例えば、相加平均、相乗平均、または指数平均(指数加重移動平均)を含む。この重み付けの係数は、例えば、重複部分における第1モデル情報の確度、及び重複部分における第2モデル情報の確度に基づいて、決定される。
【0082】
図14は、モデル統合処理の一例を示す概念図である。符号MF1は、第1検出装置1aの視点(第1視点)Vp1からの検出結果をもとに生成されるモデル形状である。符号MF2は、第2検出装置1bの視点(第2視点)Vp2からの検出結果をもとに生成されるモデル形状である。符号MF3は、統合したモデル形状(統合モデル形状)である。
【0083】
視点Vp1から見たモデル形状MF1において、例えば、面Aa、面Ba、及び面Caは、視点Vp1からの検出結果の信頼度(確度)が高い。モデル形状MF1において、例えば、面Daおよび面Eaは、視点Vp1からの検出結果の信頼度(確度)が低い。また、対象物OBに対して視点Vp1と異なる方向の視点Vp2から見たモデル形状MF2において、例えば、面Cb、面Db、及び面Ebは、視点Vp2からの検出結果の信頼度(確度)が高い。また、モデル形状MF2において、例えば、面Abおよび面Bbは、視点Vp2からの検出結果の信頼度(確度)が低い。このような場合、モデル統合部59は、例えば、モデル形状MF1の面Aaおよび面Abをモデル形状MF3の生成に用い、モデル形状MF2の面Dbおよび面Ebをモデル形状MF3の生成に用いる。また、モデル統合部59は、例えば、モデル形状MF1の面Caとモデル形状MF2の面Cbに重み付けを行い、モデル形状MF3のCに用いる。
【0084】
なお、モデル統合部59が第1モデル情報と第2モデル情報とを統合する手法は、上述の例に限定されない。例えば、モデル統合部59は、第1検出装置1aと第2検出装置1bとの相対的な位置および相対的な姿勢を用いて、モデル統合処理を行ってもよい。また、モデル統合部59は、第1検出装置1aの視点と第2検出装置1bの視点との相対的な位置、及び第1検出装置1aの視点の向き(視線)と第2検出装置1bの視点の向き(視線)との関係を用いて、モデル統合処理を行ってもよい。また、情報処理装置51は、モデル統合部59を備え、レンダリング処理部57を備えなくてもよい。例えば、情報処理装置51は、モデル統合処理の結果を外部装置へ出力し、この外部装置に設けられるレンダリング処理部がレンダリング処理を実行してもよい。
【0085】
なお、モデル統合部59は、複数の検出装置(例、第1検出装置1a、第2検出装置1b)のうち少なくとも1つの検出装置に設けられてもよい。例えば、第1検出装置1aは、モデル統合部59を備えてもよい。この場合、第1検出装置1aは、例えば、第1検出装置1aと別の検出装置(第2検出装置1b)から第2モデル情報を通信部6によって受信し、モデル統合部59は、第1検出装置1aの情報算出部4が算出した第1モデル情報と、第2モデル情報とを統合してもよい。
【0086】
なお、本発明の技術範囲は、上述の実施形態などで説明した態様に限定されるものではない。上述の実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述の実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、上述の実施形態などで引用した全ての文献の開示を援用して本文の記載の一部とする。
【符号の説明】
【0087】
1、1a、1b・・・検出装置、2・・・検出部、3・・・確度算出部、4・・・情報算出部、11・・・撮像部、12・・・測距部、50・・・検出システム、51・・・情報処理装置、57・・・レンダリング処理部、59・・・モデル統合部、Vp・・・視点、AR1・・・第1領域、AR2・・・第2領域