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特開2022-133198プラズマ援用加工方法及びプラズマ援用加工装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133198
(43)【公開日】2022-09-13
(54)【発明の名称】プラズマ援用加工方法及びプラズマ援用加工装置
(51)【国際特許分類】
   B24B 1/00 20060101AFI20220906BHJP
   B24B 53/00 20060101ALI20220906BHJP
   B24D 3/28 20060101ALI20220906BHJP
   B24D 3/14 20060101ALI20220906BHJP
   B24B 7/04 20060101ALI20220906BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
B24B1/00 Z
B24B53/00 D
B24D3/28
B24D3/14
B24B7/04 A
H01L21/304 621Z
H01L21/304 621C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021032166
(22)【出願日】2021-03-01
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成29年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、研究成果展開事業、「反応性プラズマを援用したセラミックス材料のダメージフリー形状創成・仕上げ加工技術の開発」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】504176911
【氏名又は名称】国立大学法人大阪大学
(71)【出願人】
【識別番号】392007429
【氏名又は名称】株式会社ミズホ
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100163577
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 正人
(72)【発明者】
【氏名】山村 和也
(72)【発明者】
【氏名】孫 栄硯
(72)【発明者】
【氏名】永橋 潤司
(72)【発明者】
【氏名】野副 厚訓
【テーマコード(参考)】
3C043
3C047
3C049
3C063
5F057
【Fターム(参考)】
3C043BA03
3C043BA07
3C043BA18
3C043CC04
3C043CC13
3C043DD06
3C043EE03
3C047AA11
3C047AA24
3C049AA04
3C049AA12
3C049AA16
3C049AA19
3C049AC01
3C049CA04
3C049CB01
3C049CB03
3C063AA02
3C063AB05
3C063BA02
3C063BB01
3C063BB02
3C063BB03
3C063BB04
3C063BC03
3C063BC05
3C063FF30
5F057AA12
5F057AA42
5F057AA48
5F057BA11
5F057BB06
5F057BB09
5F057CA11
5F057DA02
5F057DA13
5F057DA31
5F057FA18
5F057FA50
(57)【要約】
【課題】スラリーを用いないドライ研磨法でありながら、ドレッシングしなくても「目つぶれ」や「目詰まり」による研磨速度の低下を防止することができ、加工能率の向上及びコストの低減が可能となる研磨加工方法を提供せんとする。
【解決手段】フッ素ラジカル又は酸素ラジカルを加工材料表面に作用させてフッ化又は酸化し、表面改質層を形成する表面改質プロセスと、ビトリファイドボンド砥石又はレジンボンド砥石からなる研磨加工具を用い、表面改質層を除去する研磨プロセスとを有し、表面改質プロセスと研磨プロセスを交互に繰り返し、或いは同時に進行させる過程で、研磨加工具にもフッ素ラジカル又は酸素ラジカルを作用させ、該研磨加工具のボンド材をエッチングして砥粒を露出させつつ、加工材料の表面を加工する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不活性ガスとフッ素系ガス又は酸素系ガスとを含む雰囲気中に高周波電力を投入して発生させたプラズマによってフッ素ラジカル又は酸素ラジカルを生成し、この反応性の高いフッ素ラジカル又は酸素ラジカルを、加工材料表面に作用させてフッ化又は酸化し、加工材料の表面に該加工材料よりも軟質な表面改質層を形成する表面改質プロセスと、
無機質ガラス系のボンド材で砥粒を結合したビトリファイドボンド砥石、又は熱硬化性樹脂のボンド材で砥粒を結合したレジンボンド砥石からなる研磨加工具を用いて、前記加工材料の表面改質層を除去する研磨プロセスとを有し、
前記表面改質プロセスと研磨プロセスを交互に繰り返し、或いは同時に進行させる過程で、前記研磨加工具にもフッ素ラジカル又は酸素ラジカルを作用させ、
該研磨加工具の前記ボンド材をエッチングして砥粒を露出させつつ、前記加工材料の表面を加工する、
プラズマ援用加工方法。
【請求項2】
加工材料と研磨加工具とを接触状態で相対的に移動させて、該加工材料の表面を研磨加工する駆動機構と、
加工材料の表面近傍でプラズマを発生させるための空間を設けるとともに、該空間に不活性ガスとフッ素系ガス又は酸素系ガスとを供給するガス供給手段と、
前記空間に高周波電力を投入する電力供給手段とを備え、
前記研磨加工具は、無機質ガラス系のボンド材で砥粒を結合したビトリファイドボンド砥石、又は熱硬化性樹脂のボンド材で砥粒を結合したレジンボンド砥石からなり、
前記空間に投入した高周波電力によって不活性ガスとフッ素系ガス又は酸素系ガスとからなるプラズマを発生させ、プラズマにより生成した反応性の高いフッ素ラジカル又は酸素ラジカルを加工材料表面に作用させてフッ化又は酸化し、該加工材料よりも軟質な表面改質層を形成する表面改質プロセスと、前記研磨加工具を用いて、前記加工材料の表面改質層を除去する研磨プロセスとを交互に繰り返し、或いは同時に進行させる過程で、前記研磨加工具にもフッ素ラジカル又は酸素ラジカルを作用させ、該研磨加工具の前記ボンド材を前記フッ素ラジカル又は酸素ラジカルの作用でエッチングして砥粒を露出させつつ、前記加工材料の表面を加工する、
プラズマ援用加工装置。
【請求項3】
前記駆動機構が、
加工材料を載せて固定する回転テーブルと、
該回転テーブルのテーブル面に対向する位置に設けられ、該回転テーブルの回転軸から所定距離オフセットした位置に回転軸を有し、前記研磨加工具が先端に固定される回転ヘッドと、
前記回転テーブルに対して回転ヘッドを軸方向に相対移動させ、前記研磨加工具の加工材料に対する研磨圧力を印加する圧力印加機構とからなる、請求項3記載のプラズマ援用加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SiC、GaN、AlNなどの難加工材料の精密加工仕上げに好適なプラズマ援用加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
SiC、GaN等のワイドギャップ半導体は、高温環境下においても信頼性の高い動作が可能であり、青色LEDや低損失パワーデバイスの作製に不可欠な材料である。また、AlNセラミックスは、高硬度、電気絶縁性、低熱膨張係数および高熱伝導率(アルミナの約5~7倍)などの特性を有することから、ヒートシンクやマイクロエレクトロニクスデバイス作製用の基板に適している。また、AlNはGaNと近い格子定数と熱膨張係数を有するため、GaNのエピタキシャル成長用基板として期待されている。これらは、いずれも高硬度かつ化学的に不活性のため、研磨により所望の平坦度、表面粗さを高能率に得ることが難しい難加工材料である。
【0003】
現在、これらの難加工材料に対する最終仕上げ方法として、スラリーと呼ばれるアルカリ等の薬液と砥粒を含む懸濁液を用いたCMP(Chemical Mechanical Polishing)プロセス(スラリー研磨法)が用いられている(例えば、非特許文献1参照。)。しかし、このようなスラリー研磨法は、材料の表面欠陥がアルカリ成分によって浸食されて形成される「エッチピット」による表面粗さの悪化や、砥粒の凝集・粗大化による「スクラッチ」の形成、スラリーを購入又は廃棄するコストの増大など、多くの問題点を有している。
【0004】
スラリーの代わりに固定砥粒(砥石)を用いたドライ研磨法では、上記スラリー研磨法の問題点を解決できるが、研磨中に砥粒が摩耗する「目つぶれ」や、砥粒の間に切りくずや砥石の破片などが詰まる「目詰まり」などが生じ、研磨速度が低下してしまう問題がある。ドレッシング(目直し)によって砥粒の突き出しを再び確保することで砥石の切れ味を取り戻すこともできるが、頻なドレッシングは加工能率の低下とコストの上昇に繋がる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-176243号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Y. Zhou, G. Pan, X. Shi, H. Gong, G. Luo, Z. Gu, Chemical mechanical planarization (CMP) of on-axis Si-face SiC wafer using catalyst nanoparticles in slurry, Surface & Coatings Technology. 251 (2014) 48-55
【非特許文献2】K. Yamamura, T. Takiguchi, M. Ueda, H. Deng, A. N. Hattori, N. Zettsu, Plasma assisted polishing of single crystal SiC for obtaining atomically flat strain-free surface, CIRP Annals. 60 (2011) 571-574
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、スラリーを用いないドライ研磨法でありながら、ドレッシングしなくても「目つぶれ」や「目詰まり」による研磨速度の低下を防止することができ、加工能率の向上及びコストの低減が可能となる研磨加工方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、かかる現況に鑑み、ドライ研磨法のうち、山村らが開発したドライなプラズマ援用研磨法(PAP: Plasma-assisted Polishing)に着目した。このプラズマ援用研磨法は、プラズマにより生成した反応ラジカルの照射によって高硬度な材料表面を改質して軟質化するとともに、軟質砥粒や極低研磨圧力条件を用いて軟質化した表面層のみを除去することで、スクラッチ痕や脱粒ピットが無い表面を得るものである(非特許文献1参照)。これまで単結晶SiC、GaN、ダイヤモンド等の加工に適用されてきたが、砥石の摩耗が研磨レート低下の要因となっていた。
【0009】
本発明者らは、このプラズマ援用研磨法について、さらに鋭意研究を重ねた結果、フッ素系又は酸素系のガスを含有するプラズマを用いるとともに、砥石にビトリファイド砥石またはレジンボンド砥石を用いることで、同じく材料表面を改質して軟質化するとともに、砥石のボンド材主成分であるシリカや熱硬化性樹脂がフッ素ラジカル又は酸素ラジカルによってエッチングされることで「目つぶれ」や「目詰まり」による研磨速度の低下が防止され、ドレスフリーで高い研磨レートを維持できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明は、以下の発明を包含する。
(1) 不活性ガスとフッ素系ガス又は酸素系ガスとを含む雰囲気中に高周波電力を投入して発生させたプラズマによってフッ素ラジカル又は酸素ラジカルを生成し、この反応性の高いフッ素ラジカル又は酸素ラジカルを、加工材料表面に作用させてフッ化又は酸化し、加工材料の表面に該加工材料よりも軟質な表面改質層を形成する表面改質プロセスと、無機質ガラス系のボンド材で砥粒を結合したビトリファイドボンド砥石、又は熱硬化性樹脂のボンド材で砥粒を結合したレジンボンド砥石からなる研磨加工具を用いて、前記加工材料の表面改質層を除去する研磨プロセスとを有し、前記表面改質プロセスと研磨プロセスを交互に繰り返し、或いは同時に進行させる過程で、前記研磨加工具にもフッ素ラジカル又は酸素ラジカルを作用させ、該研磨加工具の前記ボンド材をエッチングして砥粒を露出させつつ、前記加工材料の表面を加工する、プラズマ援用加工方法。
【0011】
(2) 大気圧よりも減圧された雰囲気中で前記表面改質プロセス及び前記研磨プロセスを含む加工を行う、(1)記載のプラズマ援用加工方法。
【0012】
(3) 加工材料と研磨加工具とを接触状態で相対的に移動させて、該加工材料の表面を研磨加工する駆動機構と、加工材料の表面近傍でプラズマを発生させるための空間を設けるとともに、該空間に不活性ガスとフッ素系ガス又は酸素系ガスとを供給するガス供給手段と、前記空間に高周波電力を投入する電力供給手段とを備え、
前記研磨加工具は、無機質ガラス系のボンド材で砥粒を結合したビトリファイドボンド砥石、又は熱硬化性樹脂のボンド材で砥粒を結合したレジンボンド砥石からなり、前記空間に投入した高周波電力によって不活性ガスとフッ素系ガス又は酸素系ガスとからなるプラズマを発生させ、プラズマにより生成した反応性の高いフッ素ラジカル又は酸素ラジカルを加工材料表面に作用させてフッ化又は酸化し、該加工材料よりも軟質な表面改質層を形成する表面改質プロセスと、前記研磨加工具を用いて、前記加工材料の表面改質層を除去する研磨プロセスとを交互に繰り返し、或いは同時に進行させる過程で、前記研磨加工具にもフッ素ラジカル又は酸素ラジカルを作用させ、該研磨加工具の前記ボンド材を前記フッ素ラジカル又は酸素ラジカルの作用でエッチングして砥粒を露出させつつ、前記加工材料の表面を加工する、プラズマ援用加工装置。
【0013】
(4) 前記駆動機構が、加工材料を載せて固定する回転テーブルと、該回転テーブルのテーブル面に対向する位置に設けられ、該回転テーブルの回転軸から所定距離オフセットした位置に回転軸を有し、前記研磨加工具が先端に固定される回転ヘッドと、前記回転テーブルに対して回転ヘッドを軸方向に相対移動させ、前記研磨加工具の加工材料に対する研磨圧力を印加する圧力印加機構とからなる、(3)記載のプラズマ援用加工装置。
【0014】
(5) 前記ガス供給手段が、少なくとも前記加工材料と研磨加工具を内側空間に配する減圧容器を設け、不活性ガスとフッ素系ガス又は酸素系ガスとを供給するとともに、該内側空間を大気圧未満に減圧した状態に維持する圧力調整部を備える、(3)又は(4)記載のプラズマ援用加工装置。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、表面改質プロセスと研磨プロセスを交互に繰り返し、或いは同時に進行させる過程で、研磨加工具のボンド材がエッチングされて砥粒を露出させる自動的なドレッシング作用が生じ、「目つぶれ」や「目詰まり」による研磨速度の低下が防止され、ドレスフリーで高い研磨レートを維持した精密加工が可能となる。
【0016】
とくに、大気圧よりも減圧された雰囲気中で前記表面改質プロセス及び前記研磨プロセスを含む加工を行うことで、安定した大面積プラズマを容易に生成でき、加工材料表面の改質と前記研磨加工具のエッチングによるドレッシング作用をより効率良く行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の代表的実施形態にかかるプラズマ援用加工装置を示す説明図。
図2】加工材料の表面の加工される領域を示す説明図。
図3】従来法1で観察した砥石の表面のSEM画像およびSWLI画像。
図4A】従来法1の加工開始前/終了後のAlN基板の表面のSWLI画像。
図4B】従来法1の研磨領域の断面プロファイル。
図4C】従来法1のMRRのグラフ。
図5】従来法2で観察した砥石の表面のSEM画像およびSWLI画像。
図6A】従来法2の加工開始前/終了後のAlN基板の表面のSWLI画像。
図6B】従来法2の研磨領域の断面プロファイル。
図6C】従来法2のMRRのグラフ。
図7】本発明法で観察した砥石の表面のSEM画像およびSWLI画像。
図8A】本発明法の加工開始前/終了後のAlN基板の表面のSWLI画像。
図8B】本発明法の研磨領域の断面プロファイル。
図8C】本発明法のMRRのグラフ。
図9】従来法1の加工開始前/加工後の砥石の表面及びAlN基板の表面のXPS測定を行った結果を示す図。
図10】本発明法の加工開始前/加工後の砥石の表面及びAlN基板の表面のXPS測定を行った結果を示す図。
図11】本発明法の加工開始前/加工後のAlN基板の表面のXPS測定を行った結果を示す図。
図12】従来法1の加工メカニズムを示す説明図。
図13】従来法2の加工メカニズムを示す説明図。
図14】本発明法の加工メカニズムを示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の代表的実施形態にかかるプラズマ援用加工装置1を示している。プラズマ援用加工装置1は、加工材料9と研磨加工具8とを接触状態で相対的に移動させて、該加工材料9の表面91を研磨加工する駆動機構2と、加工材料9の表面近傍でプラズマを発生させるための空間S1を設けるとともに、該空間S1に不活性ガスとフッ素系ガス又は酸素系ガスとを供給するガス供給手段3と、前記空間S1に高周波電力を投入する電力供給手段4とを備えている。
【0019】
駆動機構2は、加工材料を載せて固定する回転テーブル20と、該回転テーブル20のテーブル面20aに対向する位置に設けられ、該回転テーブル20の回転軸から所定距離オフセットした位置に回転軸を有し、研磨加工具8が先端に固定される回転ヘッド21と、回転テーブル20に対して回転ヘッド21を軸方向に相対移動させ、研磨加工具8の加工材料9に対する研磨圧力を印加する圧力印加機構22とから構成されている。
【0020】
より詳しくは、加工装置1は、上下の壁部を構成するアルミニウム合金などの金属製の上部電極板51及び下部電極板52と、それら間の空間S1を取り囲む側壁である石英ガラス等からなる筒状壁53とから容器5が構成されている。上記駆動機構2の回転テーブル20は、下部電極板52に上面側に回転可能に取り付けられ、また回転ヘッド21は上部電極板51の下面側に回転可能に取り付けられ、容器5の内側空間S1に加工材料9と研磨加工具8が配される。
【0021】
ガス供給手段3は、容器5の内側空間S1に不活性ガスとフッ素系ガス又は酸素系ガスとを含む混合ガス(たとえばArとCF又はOとの混合ガス)を供給するとともに、該内側空間S1を大気圧未満に減圧した状態に維持する圧力調整部30を備える。本例ではロータリポンプで必要な圧力に減圧して当該減圧状態を維持する。混合ガスはマスフローコントローラー(MFC)を使用して制御することができる。また、電力供給手段4は、上部電極板51と下部電極板52の間に高周波(RF)電力を印加する。
【0022】
そして、空間S1に投入する高周波電力によって不活性ガスとフッ素系ガス又は酸素系ガスとからなるプラズマを発生させ、プラズマにより生成した反応性の高いフッ素ラジカル又は酸素ラジカルが加工材料表面に作用してフッ化又は酸化し、該加工材料よりも軟質な表面改質層を形成する表面改質プロセスと、研磨加工具8を用いて加工材料9に成形された表面改質層を除去する研磨プロセスとが、交互に繰り返し或いは同時に進行する。さらに、これらプロセスの過程で、研磨加工具8にも上記プラズマのフッ素ラジカル又は酸素ラジカルが作用することで、研磨加工具8のボンド材がエッチングされ、砥粒を露出させる。
【0023】
これにより、ドレスフリーで高い研磨レートを維持できる精密加工が行われるのである。加工材料9表面の加工される領域は、図2に示すように、研磨加工具8と接触するリング状の領域R1になる。本発明の加工方法において、プラズマにより生成した反応性の高いラジカルが加工材料表面に作用して加工材料よりも軟質な表面改質層を形成するプロセスと、研磨加工具を用いて加工材料に成形された表面改質層を除去するプロセスを有し、これらプロセスが交互に繰り返し或いは同時に進行する点については、従来からのプラズマ援用研磨法(Plasma-assisted Polishing 以下、「PAP法」と称す)と同じであり、本発明はこのPAP法を応用したものである。
【0024】
回転テーブル20の代わりにXYテーブルその他のテーブルとすることもできる。また、研磨圧力の付加は、回転ヘッド21側から下方に押圧させているが、回転テーブル20側から回転ヘッド21に対して押圧させるようにしてもよい。研磨加工具8の形状に応じて、軸平行以外の接触形態も適宜選択できる。研磨圧力、相対回転速度などは、従来からのPAP法の知見を適用できる。たとえば加工材料がAlNの場合、研磨圧力が高いとAlN粒子が研磨プロセス中に表面から脱落するおそれがある。研磨圧力を抑えることで、この脱落は回避できる。
【0025】
プラズマを発生させるための空間S1についても、本例では加工装置の研磨加工具8以外の領域全面にプラズマを発生させているが、研磨加工具8の近傍に局所的に発生させるように電極配置してもよい。研磨加工具8にプラズマのフッ素ラジカル又は酸素ラジカルが作用するのは、加工材料9の表面にフッ素ラジカル又は酸素ラジカルが存在し、これが接触する研磨加工具8との間に進入して作用する。研磨加工具8の中心部などプラズマが発生する領域を設けてもよい。こちらも従来からのPAP法の知見を適用することができる。
【0026】
加工材料9は、上記したプラズマによるラジカルの作用で軟質な表面改質層を形成してこれを研磨できるものであれば特に限定されるものではなく、フッ化物又は酸化物の蒸気圧が低いものほど安定して研磨されやすい。とくに難加工材料であるGaN等の半導体材料やAlN等のファインセラミックスを加工材料として選択すれば、当該難加工材料を高効率でスクラッチ痕や脱粒ビットの無い表面を得られる点でメリットが大きい。Alやサファイヤ(Al単結晶)なども加工材料として好ましい例である。
【0027】
また、たとえばSiCなどは、フッ素がダイレクトに反応して蒸気圧の高いSiFが生成され、研磨される前に蒸発してしまいやすいが、たとえばフッ素系ガスに加え、酸化性ガス(酸素や水蒸気など)、窒化系ガス(NHガスなど)を適量混合することで、SiOやSiの表面改質層を形成するとともにSiFの蒸発レートを下げてこれらの表面改質層も研磨できるようにすることで、同じく加工を行うことができ、且つ同様にフッ素ラジカルの作用で研磨加工具8のボンド材をエッチングすることができる。
【0028】
このように、不活性ガスとフッ素系ガスや酸素系ガス以外に、加工材料の種類に応じて、酸化性ガスや窒化性ガスなどを加えることも好ましい例である。不活性ガスとしては、ArやHeなどを使用でき、フッ素系ガスとしては、CFやSFなどを使用できる。本実施形態の加工装置では、プラズマを生成する空間S1を減圧しているが、大気圧とすることもできる。
【0029】
減圧の理由は、電極距離が一定である放電システムでは圧力増加により平均自由行程が小さくなるため、比較的低いガス圧の方がプラズマを生成しやすいこと、とくに両プロセス(表面改質プロセスと研磨プロセス)および研磨加工具のボンド材のエッチングを効率よく行わせるためには、より大きなプラズマ領域を生成することが有利であり、そのためには減圧が有利であるためである。比較的低いガス圧(ガス粒子の密度が低い)は、衝突頻度を減らすことができるため、火花またはアーク放電の形成を回避し、安定した大面積プラズマを容易に生成できる。
【0030】
研磨加工具8は、フッ素ラジカル又は酸素ラジカルでボンド材がエッチングされる、無機質ガラス系のボンド材で砥粒を結合した公知のビトリファイドボンド砥石、又は熱硬化性樹脂のボンド材で砥粒を結合した公知のレジンボンド砥石を広く用いることができる。これらの選択は、加工材料に対する必要なプラズマの種類、温度などに応じて選択すればよい。上記ビトリファイドボンド砥石の無機質ガラス系ボンド材としては、例えば、SiO(35~55wt%:主成分)・Al(5~30wt%)・B(10~40wt%)・ZnO(10~35wt%)・RO(0~35wt%)・他からなるものを用いることができ、レジンボンド砥石のボンド材としては、フェノール系やエポキシ、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂を用いることができる。
【0031】
研磨加工具8の砥粒には、CeO2、ダイヤモンド、SiO、Al(WA微粉)、CBN、SiC(GC微粉)、BaSO4、TiO2、ZnOなど、加工材料に応じて種々の公知の砥粒を適宜選択することができる。また、粒径は#46(平均粒径355μm)~#120,000(平均粒径0.05μm)が好ましく、これらから加工材料に応じて適宜選択できる。その他、研磨加工具8の硬度、組織(砥粒率)なども加工材料に応じて適宜選択すればよい。とくに研磨加工具8の硬度は、表面改質前の加工材料表面よりも柔らかく、かつ表面改質層よりも硬いものとされ、これにより表面改質層のみ研磨除去するように設定される。
【0032】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。本例では、加工材料を平面の基板とし、その表面を平らに研磨する加工例を示しているが、本発明の加工方法はこのような研磨法に限定されず、たとえば立体を研磨しながら形を作る又は整える用途に用いることもできる。
【実施例0033】
以下、図1に示した加工装置で、研磨加工具として#20000(平均粒径0.25μm)ダイヤモンドビトリファイドボンド砥石(株式会社ミズホ製)、加工材料としてφ50nm×1nm厚の窒化アルミニウム(AlN)基板(CoorsTek Inc製)を用い、ドレッシング無し・プラズマ無しのドライ研磨(ドレッシング作業なしの機械的ドライ研磨:従来法1)、ドレッシング有り・プラズマ無しのドライ研磨(頻繁なドレッシング作業を伴う機械的ドライ研磨:従来法2)、ドレッシング無し・プラズマ援用研磨(本発明に係る加工法(本発明法))の3つの方法で加工を行った結果について説明する。
【0034】
加工条件は、次のとおりの共通の条件とした。
・ダイヤモンドビトリファイドボンド砥石:φ11mm、厚さ6mm
・回転テーブルと回転ヘッドの軸間距離:15mm
・上部電極板とAlN基板表面の間のギャップ距離:14mm
・研磨圧力:800Pa
・砥石の回転数:121rpm
・基板の回転数:100rpm
・研磨時間:30分×6回(計3時間)
【0035】
また、とくにプラズマ援用研磨を行う本発明法では、次の条件とした。
・チャンバー圧力:800Pa
・キャリアガス:Ar(100sccm)
・プロセスガス:CF(5sccm)
・印加RF:100W、f=13.56MHz
【0036】
いずれの加工も、加工開始前に、砥石表面をダイヤモンドドレスプレート(平均粒度10μm)でドレッシングし、AlN基板表面を洗浄した。従来法1及び本発明法では、加工中は砥石のドレッシング、及びAlN基板表面の洗浄を行わず、加工終了後にAlN基板表面の洗浄のみ行った。従来法2では、加工中も30分おきに砥石のドレッシング、及びAlN基板表面のアルコール(IPA)超音波洗浄を行った。
【0037】
AlN基板、砥石の表面は、走査型白色光干渉法(SWLI、NewView 8300、ZYGO)、走査型電子顕微鏡(SEM、S-4800、HITACHI)、およびスタイラスプロファイラー(Surfcom 1400D、東京精密)で観察した。
【0038】
(従来法1の加工の結果)
図3は、従来法1による加工開始前、加工中、加工終了後の各タイミングで観察した砥石の表面のSWLI画像(上段)およびSEM画像(下段)を示している(左から順に加工開始前の砥石ドレッシング・基板洗浄後のタイミング/1時間加工後のタイミング/2時間加工後のタイミング/3時間加工後(加工終了後)のタイミング/Nガスブローで砥石表面クリーニング後のタイミング)。
【0039】
加工開始前の砥石の表面には多くの穴が見られた。1時間加工後のSEM画像から分かるように、赤点線で示す右側の領域は、砥粒が落下するとともに、ボンド材や研磨されたAlN粒子が凹凸を埋め、砥石の表面は滑らかになった。研磨時間の増加に伴い、砥石の表面の平滑化面積も増加し、SWLI画像から分かるように砥石の表面のSdr(界面の展開面積比)は0.59から0.02に大幅に低下した。
【0040】
また、3時間の加工の終了後も、SEM画像から分かるように、砥石の表面にダイヤモンド砥粒の存在が観察された。しかし、クリーニング後のSEM画像から分かるように、これら砥粒はボンド材で固定されておらずNガスブローによる簡単なクリーニングで除去され、表面に刃先が露出した砥粒はほとんどなく、砥石は研磨能力を失い、AlN表面を滑るだけであることがわかる。
【0041】
図4Aは、加工開始前/終了後のAlN基板の表面のSWLI画像を示し、図4Bは研磨領域の断面プロファイルを示し、図4CはMRR(Material Removal Rate 研磨レート)のグラフを示している。図4A図4Cから分かるように、除去深さはわずか500nmであった。表面粗さSaは、432nmから321nmにのみ減少しました。MRRは非常に低かった(167nm/h)。
【0042】
図9は、砥石の成分について、加工開始前/加工後の砥石の表面及びAlN基板の表面のXPS測定を行った結果である。測定には、X線光電子分光法(XPS、Quantum 2000、 ULVAC-PHI)を用いた(以下のXPS測定も同じ。)。Si2pスペクトルからボンド材に起因するSi-Oのピークが観察され、C1sスペクトルからダイヤモンド砥粒に起因するC-Cのピークが観察され、Na1sスペクトルからボンド材に起因するNaのピークが観察された。
【0043】
XPSスペクトルに示すように、砥石の表面の化学的状態は変化しなかった。AlN基板の表面は、加工開始前はC1sスペクトルから有機汚染に起因すると考えられる弱いC-Cピークのみが観察されたが、フッ素に起因するピークは見られなかった。加工後は上記の砥石成分がそれぞれ観察された。砥石から落下した砥粒やボンド材がAlN表面に堆積したと考えられる。落下したボンド材は砥粒を固定する能力もあるので、落下した砥粒が表面上に凝集し、研磨プロセスでの引っかき傷の形成の原因になる。IPA超音波洗浄後は、落下した分の砥粒(タイヤモンド)は除去されたが、ボンド材料のSiOを除去できなかった。ボンド材を除去するためには追加の洗浄が必要であることがわかる。
【0044】
(従来法2の加工の結果)
図5は、従来法2による加工開始前、加工中の各タイミングで観察した砥石の表面のSWLI画像(上段)およびSEM画像(下段)を示している(左から順に加工開始前の砥石ドレッシング・基板洗浄後のタイミング/1時間加工し、砥石ドレッシング・基板洗浄後のタイミング/2時間加工し、砥石ドレッシング・基板洗浄後のタイミング)。
【0045】
砥石表面は、SWLI画像から分かるようにSdr値はすべて0.6前後であり、ドレッシング作業を行うことにより、刃先のある十分な砥粒が露出している良好な状態が維持されることが確認された。
【0046】
図6Aは、加工開始前/終了後のAlN基板の表面のSWLI画像を示し、図6Bは研磨領域の断面プロファイルを示し、図6CはMRRのグラフを示している。図6A図6Cから分かるように、表面粗さSaは422nmから122nmに減少し、除去深さは750nmであり、砥石ドレッシングを実施しない従来法1の場合に比べて大きくなった。砥石の表面は、摩耗される前に適時にドレッシングされたため、常に効果的な研磨工程が行われたと考えられ、MRRは250nm/hに向上した。
【0047】
(本発明法の加工の結果)
図7は、本発明法による加工開始前、加工中、加工終了後の各タイミングで観察した砥石の表面のSWLI画像(上段)およびSEM画像(下段)を示している(左から順に加工開始前の砥石ドレッシング・基板洗浄後のタイミング/1時間加工後のタイミング/2時間加工後のタイミング/3時間加工後(加工終了後)のタイミング/Nガスブローで砥石表面クリーニング後のタイミング)。
【0048】
図7から分かるように、砥石の表面には刃先のあるダイヤモンド砥粒が露出しており、Sdr値は約0.6に保たれた。砥石のボンド材の主成分はSiOであるため、プラズマ中にCFの分解により生成されたフッ素ラジカルと反応して揮発性の反応生成物を生成し、砥石表面から蒸発したと考えられる。このようにボンド材がエッチングされることで、摩耗した砥粒が脱落し、新しい砥粒が絶えず露出すると考えられる。このエッチングプロセスは、加工全体を通じて常に生じるプロセスである。
【0049】
図8は、加工開始前/終了後のAlN基板の表面のSWLI画像を示し、図8Bは研磨領域の断面プロファイルを示し、図8CはMRRのグラフを示している。図8Aから分かるように、従来法1、2に比べ、はるかに深い除去深さ(1000nm)が実現された。表面粗さSaは、419nmから41nmに減少した。MRRは従来法2に比べても更に向上した(333nm/h)。
【0050】
このように本発明法では、加工中、プラズマによって生成されたフッ素ラジカルにより砥石のボンド材主成分であるシリカが連続的にエッチングがされ、新しい砥粒が常に露出し、高いMRRが維持され、ドレスフリーの高完全性研磨プロセスが実現された。さらに、プラズマのフッ素ラジカルはこのようにリアルタイムで砥石をドレッシング(エッチング)できるだけでなく、AlNを簡単に除去できるAlFに変えるためMRRが従来法1の約2倍に増加した。
【0051】
図10は、砥石の成分について、加工開始前/加工後の砥石の表面及びAlN基板の表面のXPS測定を行った結果である。XPSスペクトルに示すように、加工後、砥石の表面にC-Fに対応する強いピークが観察された。これは、砥粒の最表面がCFに変化したことを示している。また、Si2pスペクトルから分かるように、加工後に存在したシリコン化合物に起因するピークが加工後に無くなった。これは、ボンド材の主成分(SiO)がCFプラズマによってエッチングされ、揮発性生成物になったことを示している。
【0052】
また、AlN基板の表面については、加工前、有機汚染に起因すると考えられる弱いC-Cピークのみが観察されたが、フッ素に起因するピークは見られなかった。加工後は、上記のとおり砥石のボンド材の主成分(SiO)はエッチングされてAlN基板の表面にも観察されず、砥石から落下した上記CFが観察されたが、IPA超音波洗浄後はこれも除去された。これはボンド材の主成分(SiO)の落下がないために、落下したCFが表面に固定されず、洗浄で容易に除去されたと考えられる。
【0053】
図11は、加工開始前/加工後のAlN基板の表面のXPS測定を行った結果である。加工開始前の表面は、少しAlOの存在が確認されたが、加工終了後はAlNが減少するとともにAlOも無くなり、AlFの存在が確認された。これが、本発明法のMRRが従来法2の30分ごとの砥石ドレッシングによる機械的ドライ研磨よりも大きかった理由と考えられる。
【0054】
(結果のまとめ)
従来法1では、図12に示すように、ドレッシングを行わなかったので新しい砥粒を露出させることができず、砥粒が落下した後、ボンド材や研磨されたAlN粒子が凹凸を埋め、砥石の表面は滑らかになる。また、同じく落下するボンド材は、落下した砥粒をAlN表面上で固定・凝集させる。この状態では、砥石はAlN表面を滑るだけとなり、MRRは非常に低かった。さらに、落下・蓄積されたボンド材は、IPA超音波洗浄では除去できず、追加の洗浄プロセスが必要である。
【0055】
従来法2では、図13に示すように、30分おきのドレッシング作業は砥石表面に新しい砥粒を露出させて、優れたMRRを維持した。ただし、頻繁なドレッシング作業は、処理効率と工具費の両方に影響を与える。また、AlN基板上に落下するボンド材料のSiOが同じく洗浄で除去できずに残存する。
【0056】
本発明法では、図14に示すように、プラズマで生成されたフッ素ラジカルがAlN基板表面に除去が容易なAlF層を形成するとともに、砥石のボンド材の主成分であるSiOと反応し、エッチングする。このエッチングは、処理効率に影響を与えることなく砥石表面を連続的にドレッシングすることに相当し、新しい砥粒が常に露出して優れたMRRが維持される。また、除去が容易なAlF層を研磨するので、従来法2よりもMRRが大きくなった。さらに、AlN表面に堆積する砥粒やボンド材もフッ素プラズマで揮発し、除去されるという効果もある。
【符号の説明】
【0057】
1 プラズマ援用加工装置
2 駆動機構
20a テーブル面
22 圧力印加機構
3 ガス供給手段
30 圧力調整部
4 電力供給手段
5 容器
51 上部電極板
52 下部電極板
53 筒状壁
8 研磨加工具
9 加工材料
91 表面
S1 空間
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12
図13
図14