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特開2022-133383レーザ装置、及びレーザ装置管理システム、並びにレーザ装置の管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133383
(43)【公開日】2022-09-13
(54)【発明の名称】レーザ装置、及びレーザ装置管理システム、並びにレーザ装置の管理方法
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/131 20060101AFI20220906BHJP
【FI】
H01S3/131
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108198
(22)【出願日】2022-07-05
(62)【分割の表示】P 2019524560の分割
【原出願日】2017-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】300073919
【氏名又は名称】ギガフォトン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105212
【弁理士】
【氏名又は名称】保坂 延寿
(72)【発明者】
【氏名】増田 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】若林 理
(57)【要約】      (修正有)
【課題】レーザ装置、及びレーザ装置管理システム、並びにレーザ装置の管理方法に関する。
【解決手段】本開示によるレーザ装置1は、レーザ発振を行うレーザ出力部と、レーザ出力部から外部装置へのレーザ出力を停止している間に、レーザ出力部において第1のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行った場合に得られる第1のレーザ性能データと、レーザ出力部において第2のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行った場合に得られる第2のレーザ性能データとを取得し、第1のレーザ性能データよりも第2のレーザ性能データが改善しているか否かを判定する制御部2とを備える。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ発振を行うレーザ出力部と、
制御部であって、
第1のレーザ制御パラメータを用いて前記レーザ出力部から外部装置へのレーザ出力を行わせ、その後、前記レーザ出力部から前記外部装置へのレーザ出力を停止している間に、前記レーザ出力部において前記第1のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行った場合に得られる第1のレーザ性能データと、前記レーザ出力部において第2のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行った場合に得られる第2のレーザ性能データとを取得し、
前記第1のレーザ性能データよりも前記第2のレーザ性能データが改善しているか否かを判定し、
前記第2のレーザ性能データが改善していると判定した場合には、前記第2のレーザ制御パラメータを用いて前記レーザ出力部に前記外部装置へのレーザ出力を行わせる
前記制御部と
を備える
レーザ装置。
【請求項2】
レーザ発振を行うレーザ出力部と、
制御部であって、
第1のレーザ制御パラメータを用いて前記レーザ出力部から外部装置へのレーザ出力を行わせ、その後、前記レーザ出力部から前記外部装置へのレーザ出力を停止している間に、前記レーザ出力部において前記第1のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行った場合に得られる第1のレーザ性能データと、前記レーザ出力部において第2のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行った場合に得られる第2のレーザ性能データとを取得し、
前記第1のレーザ性能データよりも前記第2のレーザ性能データが改善しているか否かを判定し、
前記第2のレーザ性能データが改善していないと判定した場合には、前記第1のレーザ制御パラメータを用いて前記レーザ出力部に前記外部装置へのレーザ出力を行わせる
前記制御部と
を備える
レーザ装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のレーザ装置であって、
前記レーザ出力部は、光共振器と、前記光共振器内に配置され、レーザガスが供給されるレーザチャンバとを含んで、パルスレーザ光を出力し、
前記第1のレーザ制御パラメータ及び前記第2のレーザ制御パラメータはそれぞれ、
前記パルスレーザ光のパルスエネルギの制御に関するエネルギ制御パラメータ、
前記パルスレーザ光のスペクトルの制御に関するスペクトル制御パラメータ、
及び、前記レーザガスの制御に関するガス制御パラメータのうち少なくとも1つを含む。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載のレーザ装置であって、
前記第1のレーザ制御パラメータ及び前記第2のレーザ制御パラメータは、前記レーザ装置のレーザ性能を前記外部装置が求める目標性能に近づけるための目標制御パラメータである。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載のレーザ装置であって、
前記第1のレーザ制御パラメータを記憶する第1の記憶部と、
前記第2のレーザ制御パラメータを記憶する第2の記憶部と
をさらに備える。
【請求項6】
請求項5に記載のレーザ装置であって、
前記制御部は、前記第2のレーザ制御パラメータを、前記レーザ出力部から前記外部装置へのレーザ出力を停止する前に、端末装置から受信し、前記第2の記憶部に記憶する。
【請求項7】
請求項5に記載のレーザ装置であって、
前記制御部は、前記第2のレーザ制御パラメータを、前記レーザ出力部から前記外部装置へのレーザ出力を停止する前に、端末装置に接続されたサーバから受信し、前記第2の記憶部に記憶する。
【請求項8】
請求項1又は請求項2に記載のレーザ装置であって、
前記第1のレーザ性能データと前記第2のレーザ性能データとを端末装置に接続されたサーバに送信する性能データ送信部、をさらに備える。
【請求項9】
レーザ装置と、
前記レーザ装置を管理する端末装置と
を含み、
前記レーザ装置は、
レーザ発振を行うレーザ出力部と、
制御部であって、
第1のレーザ制御パラメータを用いて前記レーザ出力部から外部装置へのレーザ出力を行わせ、その後、前記レーザ出力部から前記外部装置へのレーザ出力を停止している間に、前記レーザ出力部において前記第1のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行った場合に得られる第1のレーザ性能データと、前記レーザ出力部において第2のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行った場合に得られる第2のレーザ性能データとを取得し、
前記第1のレーザ性能データよりも前記第2のレーザ性能データが改善しているか否かを判定し、
前記第2のレーザ性能データが改善していると判定した場合には、前記第2のレーザ制御パラメータを用いて前記レーザ出力部に前記外部装置へのレーザ出力を行わせる
前記制御部と
を備える
レーザ装置管理システム。
【請求項10】
レーザ装置と、
前記レーザ装置を管理する端末装置と
を含み、
前記レーザ装置は、
レーザ発振を行うレーザ出力部と、
制御部であって、
第1のレーザ制御パラメータを用いて前記レーザ出力部から外部装置へのレーザ出力を行わせ、その後、前記レーザ出力部から前記外部装置へのレーザ出力を停止している間に、前記レーザ出力部において前記第1のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行った場合に得られる第1のレーザ性能データと、前記レーザ出力部において第2のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行った場合に得られる第2のレーザ性能データとを取得し、
前記第1のレーザ性能データよりも前記第2のレーザ性能データが改善しているか否かを判定し、
前記第2のレーザ性能データが改善していないと判定した場合には、前記第1のレーザ制御パラメータを用いて前記レーザ出力部に前記外部装置へのレーザ出力を行わせる
前記制御部と
を備える
レーザ装置管理システム。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載のレーザ装置管理システムであって、
前記第2のレーザ制御パラメータは、前記レーザ出力部から前記外部装置へのレーザ出力を停止する前に、前記端末装置から送信される。
【請求項12】
請求項9又は請求項10に記載のレーザ装置管理システムであって、
前記端末装置に接続されたサーバ、をさらに含み、
前記第2のレーザ制御パラメータは、前記レーザ出力部から前記外部装置へのレーザ出力を停止する前に、前記サーバから送信される。
【請求項13】
請求項12に記載のレーザ装置管理システムであって、
前記サーバは、前記端末装置から送信された前記第2のレーザ制御パラメータを記憶する制御パラメータ記憶部を備える。
【請求項14】
請求項12に記載のレーザ装置管理システムであって、
前記レーザ装置は、前記第1のレーザ性能データと前記第2のレーザ性能データとを前記サーバに送信する性能データ送信部、をさらに備え、
前記サーバは、前記性能データ送信部から送信された前記第1のレーザ性能データと前記第2のレーザ性能データとを記憶する性能データ記憶部、をさらに備える。
【請求項15】
レーザ装置において第1のレーザ制御パラメータを用いてレーザ出力部から外部装置へのレーザ出力を行い、その後、前記レーザ出力部から前記外部装置へのレーザ出力を停止している間に、前記レーザ出力部において前記第1のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行った場合に得られる第1のレーザ性能データと、前記レーザ出力部において第2のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行った場合に得られる第2のレーザ性能データとを、制御部によって取得することと、
前記制御部によって、前記第1のレーザ性能データよりも前記第2のレーザ性能データが改善しているか否かを判定することと、
前記第2のレーザ性能データが改善していると判定した場合には、前記第2のレーザ制御パラメータを用いて前記レーザ出力部に前記外部装置へのレーザ出力を行わせることと
を含む
レーザ装置の管理方法。
【請求項16】
レーザ装置において第1のレーザ制御パラメータを用いてレーザ出力部から外部装置へのレーザ出力を行い、その後、前記レーザ出力部から前記外部装置へのレーザ出力を停止している間に、前記レーザ出力部において前記第1のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行った場合に得られる第1のレーザ性能データと、前記レーザ出力部において第2のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行った場合に得られる第2のレーザ性能データとを、制御部によって取得することと、
前記制御部によって、前記第1のレーザ性能データよりも前記第2のレーザ性能データが改善しているか否かを判定することと、
前記第2のレーザ性能データが改善していないと判定した場合には、前記第1のレーザ制御パラメータを用いて前記レーザ出力部に前記外部装置へのレーザ出力を行わせることと
を含む
レーザ装置の管理方法。
【請求項17】
請求項15又は請求項16に記載のレーザ装置の管理方法であって、
前記制御部によって、前記第2のレーザ制御パラメータを、前記レーザ出力部から前記外部装置へのレーザ出力を停止する前に、端末装置から受信することと、
前記制御部によって、受信した前記第2のレーザ制御パラメータを記憶部に記憶することと、
をさらに含む。
【請求項18】
請求項15又は請求項16に記載のレーザ装置の管理方法であって、
前記制御部によって、前記第2のレーザ制御パラメータを、前記レーザ出力部から前記外部装置へのレーザ出力を停止する前に、端末装置に接続されたサーバから受信することと、
前記制御部によって、受信した前記第2のレーザ制御パラメータを記憶部に記憶することと、
をさらに含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レーザ装置、及びレーザ装置管理システム、並びにレーザ装置の管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体露光装置(以下、「露光装置」という)においては、半導体集積回路の微細化および高集積化につれて、解像力の向上が要請されている。このため、露光用光源から放出される光の短波長化が進められている。一般的に、露光用光源には、従来の水銀ランプに代わってガスレーザ装置が用いられる。例えば、露光用のガスレーザ装置としては、波長248nmの紫外線のレーザ光を出力するKrFエキシマレーザ装置、ならびに波長193nmの紫外線のレーザ光を出力するArFエキシマレーザ装置が用いられる。
【0003】
次世代の露光技術としては、露光装置側の露光用レンズとウエハとの間が液体で満たされる液浸露光が実用化されている。この液浸露光では、露光用レンズとウエハとの間の屈折率が変化するため、露光用光源の見かけの波長が短波長化する。ArFエキシマレーザ装置を露光用光源として液侵露光が行われた場合、ウエハには水中における波長134nmの紫外光が照射される。この技術をArF液浸露光(又はArF液浸リソグラフィー)という。
【0004】
KrFエキシマレーザ装置およびArFエキシマレーザ装置の自然発振幅は、約350~400pmと広い。そのため、KrF及びArFレーザ光のような紫外線を透過する材料で投影レンズを構成すると、色収差が発生してしまう場合がある。その結果、解像力が低下し得る。そこで、ガスレーザ装置から出力されるレーザ光のスペクトル線幅を、色収差が無視できる程度となるまで狭帯域化する必要がある。そのため、ガスレーザ装置のレーザ共振器内には、スペクトル線幅を狭帯域化するために、狭帯域化素子(エタロン、グレーティング等)を有する狭帯域化モジュール(Line Narrow Module:LNM)が設けられる場合がある。以下では、スペクトル線幅が狭帯域化されるレーザ装置を狭帯域化レーザ装置という。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-43219号公報
【特許文献2】特開2000-306813号公報
【特許文献3】特開平7-142801号公報
【特許文献4】特表2003-514403号公報
【特許文献5】特開2002-15986号公報
【概要】
【0006】
本開示のレーザ装置は、レーザ発振を行うレーザ出力部と、制御部であって、第1のレーザ制御パラメータを用いてレーザ出力部から外部装置へのレーザ出力を行わせ、その後、レーザ出力部から外部装置へのレーザ出力を停止している間に、レーザ出力部において第1のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行った場合に得られる第1のレーザ性能データと、レーザ出力部において第2のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行った場合に得られる第2のレーザ性能データとを取得し、第1のレーザ性能データよりも第2のレーザ性能データが改善しているか否かを判定し、第2のレーザ性能データが改善していると判定した場合には、第2のレーザ制御パラメータを用いてレーザ出力部に外部装置へのレーザ出力を行わせる制御部とを備える。
本開示の他のレーザ装置は、レーザ発振を行うレーザ出力部と、制御部であって、第1のレーザ制御パラメータを用いてレーザ出力部から外部装置へのレーザ出力を行わせ、その後、レーザ出力部から外部装置へのレーザ出力を停止している間に、レーザ出力部において第1のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行った場合に得られる第1のレーザ性能データと、レーザ出力部において第2のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行った場合に得られる第2のレーザ性能データとを取得し、第1のレーザ性能データよりも第2のレーザ性能データが改善しているか否かを判定し、第2のレーザ性能データが改善していないと判定した場合には、第1のレーザ制御パラメータを用いてレーザ出力部に外部装置へのレーザ出力を行わせる制御部とを備える。
【0007】
本開示のレーザ装置管理システムは、レーザ装置と、レーザ装置を管理する端末装置とを含み、レーザ装置は、レーザ発振を行うレーザ出力部と、制御部であって、第1のレーザ制御パラメータを用いてレーザ出力部から外部装置へのレーザ出力を行わせ、その後、レーザ出力部から外部装置へのレーザ出力を停止している間に、レーザ出力部において第1のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行った場合に得られる第1のレーザ性能データと、レーザ出力部において第2のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行った場合に得られる第2のレーザ性能データとを取得し、第1のレーザ性能データよりも第2のレーザ性能データが改善しているか否かを判定し、第2のレーザ性能データが改善していると判定した場合には、第2のレーザ制御パラメータを用いてレーザ出力部に外部装置へのレーザ出力を行わせる制御部とを備える。
本開示の他のレーザ装置管理システムは、レーザ装置と、レーザ装置を管理する端末装置とを含み、レーザ装置は、レーザ発振を行うレーザ出力部と、制御部であって、第1のレーザ制御パラメータを用いてレーザ出力部から外部装置へのレーザ出力を行わせ、その後、レーザ出力部から外部装置へのレーザ出力を停止している間に、レーザ出力部において第1のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行った場合に得られる第1のレーザ性能データと、レーザ出力部において第2のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行った場合に得られる第2のレーザ性能データとを取得し、第1のレーザ性能データよりも第2のレーザ性能データが改善しているか否かを判定し、第2のレーザ性能データが改善していないと判定した場合には、第1のレーザ制御パラメータを用いてレーザ出力部に外部装置へのレーザ出力を行わせる制御部とを備える。
【0008】
本開示のレーザ装置の管理方法は、レーザ装置において第1のレーザ制御パラメータを用いてレーザ出力部から外部装置へのレーザ出力を行い、その後、レーザ出力部から外部装置へのレーザ出力を停止している間に、レーザ出力部において第1のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行った場合に得られる第1のレーザ性能データと、レーザ出力部において第2のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行った場合に得られる第2のレーザ性能データとを、制御部によって取得することと、制御部によって、第1のレーザ性能データよりも第2のレーザ性能データが改善しているか否かを判定することと、第2のレーザ性能データが改善していると判定した場合には、第2のレーザ制御パラメータを用いてレーザ出力部に外部装置へのレーザ出力を行わせることとを含む。
本開示の他のレーザ装置の管理方法は、レーザ装置において第1のレーザ制御パラメータを用いてレーザ出力部から外部装置へのレーザ出力を行い、その後、レーザ出力部から外部装置へのレーザ出力を停止している間に、レーザ出力部において第1のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行った場合に得られる第1のレーザ性能データと、レーザ出力部において第2のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行った場合に得られる第2のレーザ性能データとを、制御部によって取得することと、制御部によって、第1のレーザ性能データよりも第2のレーザ性能データが改善しているか否かを判定することと、第2のレーザ性能データが改善していないと判定した場合には、第1のレーザ制御パラメータを用いてレーザ出力部に外部装置へのレーザ出力を行わせることとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して以下に説明する。
図1図1は、比較例に係るレーザ装置、及びレーザ装置管理システムの一構成例を概略的に示す。
図2図2は、比較例に係るレーザ装置における制御パラメータの変更に関わる制御の流れの一例を示すフローチャートである。
図3図3は、比較例に係るレーザ装置における各種制御パラメータの一例を概略的に示す。
図4図4は、比較例に係るレーザ装置におけるエネルギ制御部のエネルギ制御に関わる制御の流れの一例を示すフローチャートである。
図5図5は、比較例に係るレーザ装置におけるスペクトル制御部の波長制御に関わる制御の流れの一例を示すフローチャートである。
図6図6は、比較例に係るレーザ装置におけるにおけるスペクトル制御部のスペクトル線幅制御に関わる制御の流れの一例を示すフローチャートである。
図7図7は、比較例に係るレーザ装置におけるガス制御部のガス圧制御に関わる制御の流れの一例を示すフローチャートである。
図8図8は、比較例に係るレーザ装置におけるガス制御部の部分ガス交換制御に関わる制御の流れの一例を示すフローチャートである。
図9図9は、図8に示したフローチャートにおけるステップS719の処理の詳細を示すサブのフローチャートである。
図10図10は、実施形態1に係るレーザ装置、及びレーザ装置管理システムの一構成例を概略的に示す。
図11図11は、実施形態1に係るレーザ装置におけるレーザ制御部による制御パラメータの変更に関わる制御の流れの一例を示すフローチャートである。
図12図12は、図11に示したフローチャートにおけるステップS1107の調整発振の処理の詳細を示すサブのフローチャートである。
図13図13は、図12に示したフローチャートにおけるステップS1202のエネルギ制御の調整発振の処理の詳細を示すサブのフローチャートである。
図14図14は、図12に示したフローチャートにおけるステップS1203の波長制御の調整発振の処理の詳細を示すサブのフローチャートである。
図15図15は、図12に示したフローチャートにおけるステップS1203のスペクトル線幅制御の調整発振の処理の詳細を示すサブのフローチャートである。
図16図16は、図12に示したフローチャートにおけるステップS1204のガス制御の調整発振の処理の第1の例を示すサブのフローチャートである。
図17図17は、図12に示したフローチャートにおけるステップS1204のガス制御の調整発振の処理の第2の例を示すサブのフローチャートである。
図18図18は、実施形態2に係るレーザ装置、及びレーザ装置管理システムの一構成例を概略的に示す。
図19図19は、実施形態2に係るレーザ装置管理システムにおいてサーバに記憶される制御パラメータ変更前後の各種制御パラメータのデータの一例を概略的に示す。
図20図20は、実施形態2に係るレーザ装置管理システムにおいてサーバに記憶される制御パラメータ変更前後のエネルギ制御関連のレーザ性能データの一例を概略的に示す。
図21図21は、実施形態2に係るレーザ装置管理システムにおいてサーバに記憶される制御パラメータ変更前後のスペクトル制御関連のレーザ性能データの一例を概略的に示す。
図22図22は、実施形態2に係るレーザ装置、及びレーザ装置管理システムにおける制御パラメータ変更前後のガス制御関連のレーザ性能データの一例を概略的に示す。
【実施形態】
【0010】
<内容>
<1.比較例>(図1図9
1.1 構成
1.2 動作
1.3 課題
<2.実施形態1>(制御パラメータの予約変更機能を備えたレーザ装置、及びレーザ装置管理システム)(図10図17
2.1 構成
2.2 動作
2.3 作用・効果
<3.実施形態2>(サーバを介した制御パラメータの予約変更機能を備えたレーザ装置、及びレーザ装置管理システム)(図18図22
3.1 構成
3.2 動作
3.3 作用・効果
<4.その他>
【0011】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。
以下に説明される実施形態は、本開示のいくつかの例を示すものであって、本開示の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本開示の構成及び動作として必須であるとは限らない。
なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
【0012】
<1.比較例>
[1.1 構成]
図1は、比較例に係るレーザ装置、及びレーザ装置管理システムの一構成例を概略的に示している。
【0013】
なお、本明細書において、レーザ光の光路軸方向はZ方向であってもよい。Z方向に略直交する2つの方向は、H方向とV方向とであってもよい。H方向は、図1の紙面に略直交する方向であってもよい。
【0014】
比較例に係るレーザ装置管理システムは、レーザ装置101と、端末装置111とを備えてもよい。端末装置111は、レーザ装置101のレーザメーカによって操作されるPC(パーソナルコンピュータ)等の端末であってもよい。
【0015】
レーザ装置101は、レーザ発振を行い、外部装置としての露光装置4に向けてパルスレーザ光Lpを出力するレーザ出力部を備えてもよい。レーザ出力部は、レーザガスが供給されるレーザチャンバ20と、狭帯域化モジュール(LNM)10と、OC(出力結合器:outcoupler)としての出力結合ミラー35とを含んでいてもよい。
【0016】
レーザ装置101は、レーザ出力部と露光装置4との間の光路上に配置された出射口シャッタ80を備えている。出射口シャッタ80は、レーザ出力部から露光装置4へのレーザ出力を行う場合に開けられる。また、出射口シャッタ80は、例えばレーザ発振を行うが、レーザ出力部から露光装置4へのレーザ出力を停止する場合には閉じられる。出射口シャッタ80は、例えば調整発振を行う場合に閉じられる。
【0017】
露光装置4は、ウエハ露光を行う装置であってもよい。ウエハ露光は、スキャン露光を行うことを含んでもよい。「スキャン露光」とは、パルスレーザ光Lpをスキャンさせながらウエハの露光領域を露光する方法のことである。
【0018】
レーザ装置101は、露光装置4におけるウエハ露光に合わせてバースト運転がなされてもよい。「バースト運転」とは、スキャン露光に合わせて狭帯域化したパルスレーザ光Lpを連続して発振するバースト期間と、発振休止する発振休止期間とを交互に繰り返す運転のことである。
【0019】
ここで、レーザ装置管理システムの構成を説明するのに先だって、バースト運転、及びウエハ露光の概要を説明する。レーザ装置101は、最初に調整発振を行い、所定期間の間隔を空けた後、1枚目のウエハ露光のためのバースト運転を行ってもよい。調整発振は、ウエハにはパルスレーザ光Lpを照射しないものの、調整用のパルスレーザ光Lpを出力する発振を行うことである。パルスレーザ光Lpは、例えば数百~数kHz程度の所定の周波数で出力されてもよい。ウエハ露光時には、バースト期間と発振休止期間とを繰り返すバースト運転を行うのが一般的であり得る。調整発振においても、バースト運転が行われてもよい。調整発振を行った後、比較的大きな間隔時間を空けて、露光装置4において1枚目のウエハ露光が行われてもよい。ウエハ露光は、ウエハを複数の所定の露光領域に分割して、各露光領域をスキャン露光することにより行われてもよい。すなわち、ウエハ露光では、ウエハの第1の所定の露光領域を1回目のスキャン露光で露光し、次いで、第2の所定の露光領域を2回目のスキャン露光で露光するというステップを繰り返してもよい。1回のスキャン露光中は、複数のパルスレーザ光Lpが連続的にレーザ装置101から出力され得る。第1の所定の露光領域のスキャン露光が終了したら、所定間隔を空けて第2の所定の露光領域のスキャン露光が行われてもよい。このスキャン露光を順次、繰り返し、1枚目のウエハの全露光領域をスキャン露光し終えたら、再度、調整発振を行った後、2枚目のウエハのウエハ露光が行われてもよい。
【0020】
図1に戻り、再び、レーザ装置管理システムの構成を説明する。
レーザ装置101は、レーザ制御部2と、エネルギ制御部6と、スペクトル制御部7と、ガス制御部9とを、さらに含んでいてもよい。レーザ装置101は、モニタモジュール(MM)30と、スペクトル可変部60と、充電器90と、レーザガス供給装置91と、レーザガス排気装置92とを、さらに含んでいてもよい。
【0021】
端末装置111とレーザ制御部2との間には、レーザ装置101における各種制御パラメータの変更データである制御パラメータ変更データPnと、端末装置111からレーザ制御部2への制御パラメータ変更データPnの送信を要求する制御パラメータ送信要求信号とを、端末装置111からレーザ制御部2に送信する信号ラインが設けられていてもよい。
【0022】
露光装置制御部5とレーザ制御部2との間には、各種目標データDtを露光装置制御部5からレーザ制御部2に送信する信号ラインが設けられていてもよい。各種目標データDtには、目標パルスエネルギEtと目標波長λtと目標スペクトル線幅Δλtとが含まれていてもよい。
【0023】
レーザチャンバ20は、ウインドウ21,22と、1対の放電電極23,24と、電気絶縁部材25と、クロスフローファン(CFF)26と、モータ27と、パルスパワーモジュール(PPM)28とを含んでいてもよい。
【0024】
電気絶縁部材25は、例えばアルミナセラミックスであってもよい。パルスパワーモジュール28は、スイッチ29を含み、電気絶縁部材25の図示しないフィードフルーを介して、放電電極23と接続されていてもよい。放電電極24は、接地されたレーザチャンバ20と接続されていてもよい。
【0025】
狭帯域化モジュール10と出力結合ミラー35は光共振器を構成してもよい。この共振器の光路上に1対の放電電極23,24の放電領域が配置されるように、レーザチャンバ20が配置されてもよい。出力結合ミラー35には、レーザチャンバ20内で発生したレーザ光の一部を反射し、一部を透過する多層膜がコートされていてもよい。
【0026】
狭帯域化モジュール10は、グレーティング11と、プリズム12と、プリズム12を回転させる回転ステージ14とを含んでいてもよい。
【0027】
プリズム12は、レーザチャンバ20から出力されたレーザ光のビームがプリズム12でビーム拡大されてグレーティング11に所定の角度で入射するように配置されてもよい。
【0028】
回転ステージ14は、プリズム12が回転した時に、グレーティング11へのビームの入射角度が変化するように配置されていてもよい。グレーティング11は、ビームの入射角度と回折角度とが同じ角度となるようにリトロー配置されてもよい。
【0029】
充電器90とパルスパワーモジュール28は、図示しないパルスパワーモジュール28の容量C0の充電コンデンサを充電するように互いに電気的に接続されていてもよい。充電器90は、充電電圧Vを示す充電電圧データDvをエネルギ制御部6から受信してもよい。
【0030】
レーザ制御部2には、露光装置4の露光装置制御部5から発光トリガ信号Strが入力されてもよい。エネルギ制御部6には、レーザ制御部2を介して発光トリガ信号Strが入力されてもよい。エネルギ制御部6とパルスパワーモジュール28は、発光トリガ信号Strに同期して、スイッチ29がオン/オフされるように電気的に接続されていてもよい。
【0031】
モニタモジュール30は、ビームスプリッタ31,32と、パルスエネルギ計測器33と、スペクトル計測器34とを含んでいてもよい。
【0032】
ビームスプリッタ31は、出力結合ミラー35から出力されたパルスレーザ光Lpの光路上に配置されていてもよい。ビームスプリッタ32は、ビームスプリッタ31で反射されたパルスレーザ光Lpの光路上に配置されていてもよい。ビームスプリッタ32は、反射光がパルスエネルギ計測器33に入射し、透過光がスペクトル計測器34に入射するように配置されていてもよい。
【0033】
パルスエネルギ計測器33は、図示しない集光レンズと光センサとを含んでいてもよい。光センサは紫外光に耐性がある高速のフォトダイオードであってもよい。
【0034】
スペクトル計測器34は、図示しないエタロンを含む分光器であってもよい。スペクトル計測器34は、例えば、図示しないモニタエタロンと、集光レンズと、モニタエタロンを透過し、集光レンズによって焦点面上に生成された干渉縞を計測するイメージセンサとを含むモニタエタロン分光器であってもよい。
【0035】
スペクトル制御部7と狭帯域化モジュール10の回転ステージ14との間には、回転ステージ14の回転ステージ角度θを制御するためのステージ角度制御信号を、スペクトル制御部7から回転ステージ14に送信する信号ラインが設けられていてもよい。回転ステージ14の回転ステージ角度θは、スペクトル計測器34で検出された波長λに基づいて制御されてもよい。
【0036】
また、スペクトル制御部7とレーザ制御部2との間には、スペクトル計測器34による計測結果に基づくスペクトル制御関連データDλcをスペクトル制御部7からレーザ制御部2に送信する信号ラインが設けられていてもよい。
【0037】
スペクトル可変部60は、レーザチャンバ20と出力結合ミラー35との間の光路上に配置されていてもよい。スペクトル可変部60は、シリンドリカル凹レンズ61と、シリンドリカル凸レンズ62と、リニアステージ63とを含んでもよい。スペクトル可変部60は、レーザチャンバ20から最も遠い位置にあるシリンドリカル凸レンズ62の一方の面が平面であって、この平面に部分反射膜がコートされていてもよい。
【0038】
シリンドリカル凹レンズ61とシリンドリカル凸レンズ62は、レーザチャンバ20と出力結合ミラー35との間の光路上に配置されていてもよい。シリンドリカル凹レンズ61とシリンドリカル凸レンズ62とのレンズ間隔は、リニアステージ63によって変更可能であってもよい。シリンドリカル凸レンズ62は、
【0039】
スペクトル制御部7とリニアステージ63との間には、リニアステージ63のステージ位置Xを制御するためのステージ位置制御信号をスペクトル制御部7からリニアステージ63に送信する信号ラインが設けられていてもよい。
【0040】
レーザ制御部2とスペクトル制御部7との間には、スペクトル制御を行うための目標波長λtと目標スペクトル線幅Δλtとのデータをレーザ制御部2からスペクトル制御部7に送信する信号ラインが設けられていてもよい。また、レーザ制御部2とスペクトル制御部7との間には、スペクトル制御を行うためのスペクトル制御パラメータPλcをレーザ制御部2からスペクトル制御部7に送信する信号ラインが設けられていてもよい。
【0041】
エネルギ制御部6と充電器90との間には、充電電圧Vを示す充電電圧データDvをエネルギ制御部6から充電器90に送信する信号ラインが設けられていてもよい。充電電圧Vは、パルスエネルギ計測器33によって計測されたパルスエネルギEに基づいて制御されてもよい。充電電圧Vは、パルスパワーモジュール28の図示しない充電コンデンサを充電する電圧であってもよい。
【0042】
エネルギ制御部6とレーザ制御部2との間には、パルスエネルギ計測器33による計測結果に基づくエネルギ制御関連データDegをエネルギ制御部6からレーザ制御部2に送信する信号ラインが設けられていてもよい。
【0043】
ガス制御部9とレーザ制御部2との間には、ガス制御関連データDgsをガス制御部9からレーザ制御部2に送信する信号ラインが設けられていてもよい。
【0044】
レーザガス供給装置91は、ガス制御部9からの制御信号に基づいて、レーザガスとして、バッファガスと、フッ素を含むガスとをそれぞれ、レーザチャンバ20内に供給できるように構成されていてもよい。バッファガスは、Ar+Ne混合ガスであってもよい。フッ素を含むガスは、Ar+Ne+F2混合ガスであってもよい。レーザガス供給装置91は、バッファガスとしてのAr+Ne混合ガスを供給するガスボンベ93と、フッ素を含むガスとしてのAr+Ne+F2混合ガスを供給するガスボンベ94とに接続されていてもよい。レーザガス供給装置91は、ガスボンベ93からのAr+Ne混合ガスの供給を制御するバルブと、ガスボンベ94からのAr+Ne+F2混合ガスの供給を制御するバルブとを含んでいてもよい。
【0045】
レーザガス排気装置92は、ガス制御部9からの制御信号によってレーザチャンバ20内のレーザガスを排気できるように構成されていてもよい。レーザガス排気装置92は、排気を制御するバルブと、排気ポンプと、排気ガス中のF2ガスをトラップするハロゲンフィルタとを含んでいてもよい。
【0046】
レーザ制御部2とガス制御部9との間には、ガス制御を行うためのガス制御パラメータPgsをレーザ制御部2からガス制御部9に送信する信号ラインが設けられていてもよい。
【0047】
レーザ制御部2とエネルギ制御部6との間には、エネルギ制御を行うための目標パルスエネルギEtのデータをレーザ制御部2からエネルギ制御部6に送信する信号ラインが設けられていてもよい。また、レーザ制御部2とエネルギ制御部6との間には、発光トリガ信号Strをレーザ制御部2からエネルギ制御部6に送信する信号ラインが設けられていてもよい。また、レーザ制御部2とエネルギ制御部6との間には、エネルギ制御を行うためのエネルギ制御パラメータPegをレーザ制御部2からエネルギ制御部6に送信する信号ラインが設けられていてもよい。
【0048】
レーザ制御部2とスペクトル制御部7との間には、スペクトル制御を行うための目標波長λtのデータをレーザ制御部2からスペクトル制御部7に送信する信号ラインが設けられていてもよい。
【0049】
レーザ制御部2とレーザチャンバ20のモータ27との間には、クロスフローファン26の回転数ωを制御するための回転数データDωをレーザ制御部2からモータ27に送信する信号ラインが設けられていてもよい。
【0050】
レーザ制御部2は、各種制御パラメータを記憶する図示しない記憶部を含んでいてもよい。
【0051】
[1.2 動作]
(レーザ発振の準備)
レーザ制御部2は、図示しない記憶部から後述する図3に示すような各種制御パラメータを読み込む。次に、レーザ制御部2は、レーザ発振の準備を行う。レーザ制御部2はレーザ発振の準備として、エネルギ制御部6とスペクトル制御部7とガス制御部9との各制御部に制御パラメータを送信する。また、レーザ制御部2はレーザ発振の準備として、各制御部に各種計測器やステージ等を駆動させる信号を送信する。次に、レーザ制御部2は、各制御部からレーザ発振準備OK信号を受信する。次に、レーザ制御部2は、露光装置制御部5から、各種目標データDtと発光トリガ信号Strとを受信する。
【0052】
(制御パラメータの変更制御)
図2は、比較例に係るレーザ装置101における制御パラメータの変更に関わる制御の流れの一例を示すフローチャートである。
【0053】
レーザ制御部2は、レーザOFF信号を受信したか否かを判断する(ステップS101)。例えば、レーザ制御部2は、露光装置4を停止してもよい時に、サービスマンがレーザOFF信号を入力したか否かを判断する。
【0054】
レーザ制御部2は、レーザOFF信号を受信していないと判断した場合(ステップS101;N)には、ステップS101の処理を繰り返す。次に、レーザ制御部2は、端末装置111からの制御パラメータ送信要求信号を受信したか否かを判断する(ステップS102)。
【0055】
次に、レーザ制御部2は、端末装置111から制御パラメータ変更データPnを受信し、変更対象となる新しい制御パラメータを読み込む(ステップS103)。次に、レーザ制御部2は、各制御部に新しい制御パラメータを送信する(ステップS104)。
【0056】
次に、レーザ制御部2は、出射口シャッタ80を閉じ(ステップS105)、調整発振を行う(ステップS106)。調整発振では、外部トリガである露光装置制御部5からの発光トリガ信号Strではなく、レーザ装置101の内部トリガによって所定の繰り返し周波数でレーザ発振を行う。
【0057】
エネルギ制御部6、スペクトル制御部7、及びガス制御部9の各制御部は、新しい制御パラメータで、例えば後述の図4図9に示すような制御を実行する(ステップS107)。
【0058】
次に、レーザ制御部2は、レーザ性能がOKであるか否かを判断する(ステップS108)。レーザ性能がOKであるか否かの判断は、レーザ性能が予め決められた許容範囲であるか否かを判断することにより行う。
【0059】
レーザ性能がOKではないと判断した場合(ステップS108;N)には、レーザ制御部2は、露光装置4に性能NG信号を出力する(ステップS109)。次に、レーザ制御部2は調整発振を停止し(ステップS110)、処理を終了する。
【0060】
一方、レーザ性能がOKであると判断した場合(ステップS108;Y)には、レーザ制御部2は、調整発振を停止し(ステップS111)、出射口シャッタ80を開く(ステップS112)。次に、レーザ制御部2は、露光装置4に性能OK信号を出力する(ステップS113)。次に、レーザ制御部2は、露光装置4からの外部トリガでレーザ発振できるように設定し(ステップS114)、処理を終了する。
【0061】
(制御パラメータの具体例)
図3は、比較例に係るレーザ装置101における各種制御パラメータの一例を概略的に示している。制御パラメータは、レーザ装置101のレーザ性能を露光装置4が求める目標性能に近づけるための目標制御パラメータである。
【0062】
(ガス制御パラメータ)
ガス制御パラメータPgsは、ガス圧制御パラメータと部分ガス交換制御パラメータとを含んでいてもよい。ガス制御パラメータPgsは、間接的に、パルスレーザ光LpのパルスエネルギEを目標パルスエネルギEtに近づけるための目標制御パラメータである。
【0063】
ガス圧制御パラメータは、最小充電電圧Vmin、最大充電電圧Vmax、最大制御ガス圧Pmax、及びガス圧可変量ΔPを含んでいてもよい。最小充電電圧Vminは、充電電圧Vの最小値であってもよい。最大充電電圧Vmaxは、充電電圧Vの最大値であってもよい。最大制御ガス圧Pmaxは、レーザを運転する時のレーザチャンバ20内の最大ガス圧力であってもよい。ガス圧可変量ΔPは、ガス圧Pを増加又は減少させる圧力変化量であってもよい。
【0064】
部分ガス交換制御パラメータは、部分ガス交換周期Tpg、バッファガスの注入係数Kpg、及びフッ素を含むガスの注入係数Khgを含んでいてもよい。部分ガス交換周期Tpgは、部分ガス交換を実施する周期であってもよい。バッファガスの注入係数Kpgは、単位パルス当たりのAr+Ne混合ガスの注入量であってもよい。フッ素を含むガスの注入係数Khgは、単位パルス当たりのAr+Ne+F2混合ガスの注入量であってもよい。
【0065】
(スペクトル制御パラメータ)
スペクトル制御パラメータPλcは、波長制御パラメータとスペクトル線幅制御パラメータとを含んでいてもよい。波長制御パラメータは、パルスレーザ光Lpの波長を目標波長λtに近づけるための目標制御パラメータである。スペクトル線幅制御パラメータは、パルスレーザ光Lpのスペクトル線幅を目標スペクトル線幅Δλtに近づけるための目標制御パラメータである。
【0066】
波長制御パラメータは、波長制御ゲインλk、及び狭帯域化モジュール10における回転ステージ14の初期角度θ0を含んでいてもよい。回転ステージ14の初期角度θ0は、狭帯域化モジュール10におけるプリズム12の初期回転角度に対応してもよい。スペクトル線幅制御パラメータは、スペクトル線幅制御ゲインΔλkと、スペクトル可変部60におけるリニアステージ63の初期位置X0を含んでいてもよい。リニアステージ63の初期位置X0は、スペクトル可変部60におけるシリンドリカル凹レンズ61の初期位置に対応してもよい。
【0067】
(エネルギ制御パラメータ)
エネルギ制御パラメータPegは、パルスレーザ光LpのパルスエネルギEを目標パルスエネルギEtに近づけるための目標制御パラメータである。
【0068】
エネルギ制御パラメータPegは、エネルギ制御ゲインVkと充電電圧Vの初期値V0とを含んでいてもよい。
【0069】
(エネルギ制御)
レーザ制御部2は、エネルギ制御部6に、目標パルスエネルギEtのデータと、発光トリガ信号Strとを送信してもよい。エネルギ制御部6は、充電電圧データDvを、充電器90に送信してもよい。また、エネルギ制御部6は、発光トリガ信号Strに同期して、パルスパワーモジュール28のスイッチ29にオン信号を送信してもよい。これにより、レーザチャンバ20において、1対の放電電極23,24間に高電圧が印加され、1対の放電電極23,24間の放電領域においてレーザガスが絶縁破壊して、放電が生成され得る。その結果、レーザチャンバ20内においてレーザガスが励起され、光共振器を構成する狭帯域化モジュール10と出力結合ミラー35との間でレーザ発振が起こり得る。出力結合ミラー35からは、レーザ発振によるパルスレーザ光Lpが出力され得る。
【0070】
出力結合ミラー35から出力されたパルスレーザ光Lpは、ビームスプリッタ31とビームスプリッタ32とによって一部がパルスエネルギEを検出するためのサンプル光として、パルスエネルギ計測器33に入射し得る。
【0071】
パルスエネルギ計測器33では、出力結合ミラー35から出力されたパルスレーザ光LpのパルスエネルギEを検出し得る。パルスエネルギ計測器33は、検出したパルスエネルギEのデータを、エネルギ制御部6に送信してもよい。
【0072】
エネルギ制御部6は、パルスエネルギEと目標パルスエネルギEtとの差ΔEに基づいて、次のパルスの充電電圧Vを計算して、充電器90に充電電圧Vを示す充電電圧データDvを送信してもよい。その結果、出力結合ミラー35から出力されるパルスレーザ光LpのパルスエネルギEは目標パルスエネルギEtに近づき得る。
【0073】
図4は、レーザ装置101におけるエネルギ制御部6のエネルギ制御に関わる制御の流れの一例を示すフローチャートである。
【0074】
エネルギ制御部6は、エネルギ制御パラメータPegの設定と読み込みとを行ってもよい(ステップS501)。ここで、エネルギ制御部6は、充電電圧Vの初期値をV=V0に設定してもよい。また、エネルギ制御部6は、レーザ制御部2を介してパルスエネルギ制御ゲインVkの読み込みを行ってもよい。
【0075】
次に、エネルギ制御部6は、レーザ制御部2を介して、露光装置制御部5からの目標パルスエネルギEtの読み込みを行ってもよい(ステップS502)。
【0076】
次に、エネルギ制御部6は、レーザ発振したか否かを判断してもよい(ステップS503)。エネルギ制御部6は、例えば、露光制御装置5からの発光トリガ信号Strに基づいて、レーザ発振したか否かを判断してもよい。又は、エネルギ制御部6は、例えば、パルスエネルギ計測器33で検出されたパルスエネルギEに基づいて、レーザ発振したか否かを判断してもよい。
【0077】
エネルギ制御部6は、レーザ発振していないと判断した場合(ステップS503;N)には、ステップS503の処理を繰り返してもよい。
【0078】
一方、レーザ発振したと判断した場合(ステップS503;Y)には、エネルギ制御部6は、次に、パルスエネルギ計測器33によってパルスエネルギEの計測を行ってもよい(ステップS504)。
【0079】
次に、エネルギ制御部6は、レーザ制御部2に、計測されたパルスエネルギEと充電電圧Vとのデータを送信してもよい(ステップS505)。
【0080】
次に、エネルギ制御部6は、計測されたパルスエネルギEと目標パルスエネルギEtとの差ΔE(=E-Et)の計算をしてもよい(ステップS506)。
【0081】
次に、エネルギ制御部6は、ΔEに基づいて、以下の式のように、次の充電電圧Vを計算してもよい(ステップS507)。すなわち、パルスエネルギEを計測した時の充電電圧VからVk・ΔEを減算して、次に充電する充電電圧Vを計算してもよい。パルスエネルギ制御ゲインVkは、ΔEを充電電圧Vの変化量に変換する比例係数であってもよい。
V=V-Vk・ΔE
ここで、Vk=ΔV/ΔE
【0082】
次に、エネルギ制御部6は、計算した充電電圧Vを示す充電電圧データDvを充電器90に送信することにより、充電器90に充電電圧Vを設定してもよい(ステップS508)。
【0083】
次に、エネルギ制御部6は、目標パルスエネルギEtを変更するか否かを判断してもよい(ステップS509)。エネルギ制御部6は、目標パルスエネルギEtを変更すると判断した場合(ステップS509;Y)には、ステップS502の処理に戻ってもよい。
【0084】
一方、目標パルスエネルギEtを変更しないと判断した場合(ステップS509;N)には、エネルギ制御部6は、次に、エネルギ制御を終了するか否かを判断してもよい(ステップS510)。
【0085】
エネルギ制御部6は、エネルギ制御を終了しないと判断した場合(ステップS510;N)には、ステップS503の処理に戻ってもよい。一方、エネルギ制御を終了すると判断した場合(ステップS510;Y)には、エネルギ制御部6は、エネルギ制御の処理を終了してもよい。
【0086】
(スペクトル制御)
レーザ制御部2は、スペクトル制御部7に、目標波長λtのデータと、発光トリガ信号Strとを送信してもよい。スペクトル制御部7は、モニタモジュール30のスペクトル計測器34によって、出力結合ミラー35から出力されたパルスレーザ光Lpの波長λとスペクトル線幅Δλとを計測してもよい。
【0087】
スペクトル制御部7は、計測された波長λと目標波長λtとの差δλに基づいて、δλが0に近づくように、狭帯域化モジュール10の回転ステージ14にステージ角度制御信号を送信してもよい。ステージ角度制御信号によって、回転ステージ14の回転ステージ角度θが制御され得る。その結果、出力結合ミラー35から出力されるパルスレーザ光Lpの波長λは目標波長λtに近づき得る。
【0088】
ここで、スペクトル制御部7は、レーザ制御部2にスペクトル制御関連データDλcを送信してもよい。スペクトル制御関連データDλcは、例えば、目標波長λtと、計測された波長λと、スペクトル線幅Δλとを含むデータであってもよい。
【0089】
図5は、レーザ装置101におけるスペクトル制御部7の波長制御に関わる制御の流れの一例を示すフローチャートである。
【0090】
スペクトル制御部7は、スペクトル制御パラメータPλcのうち波長制御パラメータの設定と読み込みとを行ってもよい(ステップS601)。ここで、スペクトル制御部7は、狭帯域化モジュール10の回転ステージ14の回転ステージ角度θの初期値をθ=θ0に設定してもよい。また、スペクトル制御部7は、レーザ制御部2を介して波長制御ゲインλkの読み込みを行ってもよい。
【0091】
次に、スペクトル制御部7は、レーザ制御部2を介して、露光装置制御部5からの目標波長λtの読み込みを行ってもよい(ステップS602)。
【0092】
次に、スペクトル制御部7は、レーザ発振したか否かを判断してもよい(ステップS603)。スペクトル制御部7は、レーザ発振していないと判断した場合(ステップS603;N)には、ステップS603の処理を繰り返してもよい。
【0093】
一方、レーザ発振したと判断した場合(ステップS603;Y)には、スペクトル制御部7は、次に、スペクトル計測器34によって波長λの計測を行ってもよい(ステップS604)。
【0094】
次に、スペクトル制御部7は、レーザ制御部2に、計測された波長λのデータを送信してもよい(ステップS605)。
【0095】
次に、スペクトル制御部7は、計測された波長λと目標波長λtとの差δλ(=λ-λt)の計算をしてもよい(ステップS606)。
【0096】
次に、スペクトル制御部7は、δλに基づいて、以下の式のように、次の回転ステージ角度θを計算してもよい(ステップS607)。すなわち、波長λを計測した時の回転ステージ14の回転ステージ角度θからλk・δλを減算して、次のステージ角度を計算してもよい。波長制御ゲインλkは、δλを回転ステージ角度θの変化量に変換する比例係数であってもよい。
θ=θ-λk・δλ
ここで、λk=Δθ/δλ
【0097】
次に、スペクトル制御部7は、回転ステージ角度がθとなるように、ステージ角度制御信号を、狭帯域化モジュール10の回転ステージ14に送信してもよい(ステップS608)。
【0098】
次に、スペクトル制御部7は、目標波長λtを変更するか否かを判断してもよい(ステップS609)。スペクトル制御部7は、目標波長λtを変更すると判断した場合(ステップS609;Y)には、ステップS602の処理に戻ってもよい。
【0099】
一方、目標波長λtを変更しないと判断した場合(ステップS609;N)には、スペクトル制御部7は、次に、波長制御を終了するか否かを判断してもよい(ステップS610)。
【0100】
スペクトル制御部7は、波長制御を終了しないと判断した場合(ステップS610;N)には、ステップS603の処理に戻ってもよい。一方、波長制御を終了すると判断した場合(ステップS610;Y)には、スペクトル制御部7は、波長制御の処理を終了してもよい。
【0101】
(スペクトル線幅制御)
レーザ制御部2は、スペクトル制御部7に、目標スペクトル線幅Δλtのデータと、発光トリガ信号Strとを送信してもよい。スペクトル制御部7は、モニタモジュール30のスペクトル計測器34によって、出力結合ミラー35から出力されたパルスレーザ光Lpのスペクトル線幅Δλを計測してもよい。
【0102】
スペクトル制御部7は、計測されたスペクトル線幅Δλと目標スペクトル線幅Δλtとの差ΔΔλに基づいて、ΔΔλが0に近づくように、スペクトル可変部60のリニアステージ63にステージ位置制御信号を送信してもよい。ステージ位置制御信号によって、リニアステージ63のステージ位置Xが制御され得る。その結果、出力結合ミラー35から出力されるパルスレーザ光Lpのスペクトル線幅Δλは目標スペクトル線幅Δλtに近づき得る。
【0103】
ここで、スペクトル制御部7は、レーザ制御部2に、目標スペクトル線幅Δλtと、計測されたスペクトル線幅Δλとを含むスペクトル制御関連データDλcを送信してもよい。
【0104】
図6は、レーザ装置101におけるにおけるスペクトル制御部7のスペクトル線幅制御に関わる制御の流れの一例を示すフローチャートである。
【0105】
スペクトル制御部7は、スペクトル制御パラメータPλcのうちスペクトル線幅制御パラメータの設定と読み込みとを行ってもよい(ステップS611)。ここで、スペクトル制御部7は、スペクトル可変部60のリニアステージ63の位置Xの初期値をX=X0に設定してもよい。また、スペクトル制御部7は、レーザ制御部2を介してスペクトル線幅制御ゲインΔλkの読み込みを行ってもよい。
【0106】
次に、スペクトル制御部7は、レーザ制御部2を介して、露光装置制御部5からの目標スペクトル線幅Δλtの読み込みを行ってもよい(ステップS612)。
【0107】
次に、スペクトル制御部7は、レーザ発振したか否かを判断してもよい(ステップS613)。スペクトル制御部7は、レーザ発振していないと判断した場合(ステップS613;N)には、ステップS613の処理を繰り返してもよい。
【0108】
一方、レーザ発振したと判断した場合(ステップS613;Y)には、スペクトル制御部7は、次に、スペクトル計測器34によってスペクトル線幅Δλの計測を行ってもよい(ステップS614)。
【0109】
次に、スペクトル制御部7は、レーザ制御部2に、計測されたスペクトル線幅Δλのデータを送信してもよい(ステップS615)。
【0110】
次に、スペクトル制御部7は、計測されたスペクトル線幅Δλと目標スペクトル線幅Δλtとの差ΔΔλ(=Δλ-Δλt)の計算をしてもよい(ステップS616)。
【0111】
次に、スペクトル制御部7は、Δλに基づいて、以下の式のように、次のリニアステージ63の位置Xを計算してもよい(ステップS617)。すなわち、スペクトル線幅を計測した時のリニアステージ63の位置XからΔλk・ΔΔλを減算して、次のリニアステージ63の位置Xを計算してもよい。スペクトル線幅制御ゲインΔλkは、ΔΔλを位置Xの変化量に変換する比例係数であってもよい。
X=X-Δλk・Δλ
ここで、Δλk=ΔX/ΔΔλ
【0112】
次に、スペクトル制御部7は、リニアステージ63の位置がXとなるように、ステージ位置制御信号を、スペクトル可変部60のリニアステージ63に送信してもよい(ステップS618)。
【0113】
次に、スペクトル制御部7は、目標スペクトル線幅Δλtを変更するか否かを判断してもよい(ステップS619)。スペクトル制御部7は、目標スペクトル線幅Δλtを変更すると判断した場合(ステップS619;Y)には、ステップS612の処理に戻ってもよい。
【0114】
一方、目標スペクトル線幅Δλtを変更しないと判断した場合(ステップS619;N)には、スペクトル制御部7は、次に、スペクトル線幅制御を終了するか否かを判断してもよい(ステップS620)。
【0115】
スペクトル制御部7は、スペクトル線幅制御を終了しないと判断した場合(ステップS620;N)には、ステップS613の処理に戻ってもよい。一方、スペクトル線幅制御を終了すると判断した場合(ステップS620;Y)には、スペクトル制御部7は、スペクトル線幅制御の処理を終了してもよい。
【0116】
(ガス制御)
ガス制御部9は、ガス制御として、ガス圧制御と部分ガス交換制御とを行ってもよい。レーザ制御部2は、ガス制御部9にガス制御パラメータPgsを送信してもよい。ガス制御パラメータPgsは、ガス圧制御パラメータと部分ガス交換制御パラメータとを含んでいてもよい。
【0117】
(ガス圧制御)
ガス制御部9によるガス圧制御は、以下の性質を利用するガス制御方式であってもよい。レーザガス圧が高くなると、絶縁破壊電圧が上昇して、出力結合ミラー35から出力されるパルスレーザ光LpのパルスエネルギEが増加し得る。逆にレーザガス圧が低くなると、絶縁破壊電圧が降下して、出力結合ミラー35から出力されるパルスレーザ光LpのパルスエネルギEが低下し得る。
【0118】
ガス制御部9は、レーザチャンバ20内のガス圧Pを圧力センサによって計測してもよい。ガス制御部9は、ガス圧Pのデータをレーザ制御部2に送信してもよい。
【0119】
ガス制御部9は、充電電圧Vが最大充電電圧Vmax以上となった場合は、レーザガス供給装置91を制御して、ガス圧Pがガス圧可変量ΔPだけ増加するように、レーザチャンバ20内にAr+Ne混合ガスを注入してもよい。逆に、ガス制御部9は、充電電圧Vが最小充電電圧Vmin以下となった場合は、レーザガス排気装置92を制御して、ガス圧Pがガス圧可変量ΔPだけ減少するように、レーザチャンバ20内のガスを排気してもよい。
【0120】
図7は、レーザ装置101におけるガス制御部9のガス圧制御に関わる制御の流れの一例を示すフローチャートである。
【0121】
ガス制御部9は、ガス制御パラメータPgsのうちガス圧制御パラメータの読み込みを行ってもよい(ステップS701)。ここで、ガス制御部9は、ガス圧制御パラメータとして、レーザ制御部2を介して、最小充電電圧Vmin、最大充電電圧Vmax、最大制御ガス圧Pmax、及びガス圧可変量ΔPの読み込みを行ってもよい。
【0122】
次に、ガス制御部9は、圧力センサによって計測されたレーザチャンバ20内のガス圧Pの読み込みを行ってもよい(ステップS702)。
【0123】
次に、ガス制御部9は、レーザ制御部2に、計測されたガス圧Pのデータを送信してもよい(ステップS703)。
【0124】
次に、ガス制御部9は、レーザ制御部2を介して充電電圧Vのデータを受信してもよい(ステップS704)。
【0125】
次に、ガス制御部9は、充電電圧Vの値を、最小充電電圧Vmin及び最大充電電圧Vmaxと比較してもよい(ステップS705)。Vmax≧V≧Vminの場合には、ガス制御部9は、ガス圧制御を終了するか否かを判断してもよい(ステップS708)。ガス圧制御を終了するか否かの判断は、例えば、計測されたガス圧Pが最大制御ガス圧Pmaxを超えているか否かを判断することにより行うようにしてもよい。
【0126】
また、V>Vmaxの場合には、ガス制御部9は、レーザガス供給装置91を制御して、レーザチャンバ20内のガス圧Pがガス圧可変量ΔPだけ増加するように、レーザチャンバ20内にAr+Ne混合ガスを注入してもよい(ステップS706)。その後、ガス制御部9は、ガス圧制御を終了するか否かを判断してもよい(ステップS708)。
【0127】
また、V<Vminの場合には、ガス制御部9は、レーザガス排気装置92を制御して、レーザチャンバ20内のガス圧Pがガス圧可変量ΔPだけ減少するように、レーザチャンバ20内のガスを排気してもよい(ステップS707)。その後、ガス制御部9は、ガス圧制御を終了するか否かを判断してもよい(ステップS708)。
【0128】
ガス制御部9は、ガス圧制御を終了しないと判断した場合(ステップS708;N)には、ステップS702の処理に戻ってもよい。一方、ガス圧制御を終了すると判断した場合(ステップS708;Y)には、ガス制御部9は、ガス圧制御の処理を終了してもよい。
【0129】
(部分ガス交換制御)
ガス制御部9による部分ガス交換制御は、例えば一定周期で、レーザチャンバ20内にAr+Ne混合ガスとAr+Ne+F2混合ガスとを所定量注入した後、それらの注入したガスの量だけレーザチャンバ20内のガスを排気する制御であってもよい。部分ガス交換制御を行うことによって、放電によるF2ガスの低下分がレーザチャンバ20内に補充され得る。部分ガス交換制御を行うことによって、レーザチャンバ20内に発生した不純物ガスの濃度とF2ガスの濃度とをそれぞれ所定の濃度に維持することができる。
【0130】
図8は、レーザ装置101におけるガス制御部9の部分ガス交換制御に関わる制御の流れの一例を示すフローチャートである。
【0131】
ガス制御部9は、ガス制御パラメータPgsのうち部分ガス交換制御パラメータの読み込みを行ってもよい(ステップS711)。ここで、ガス制御部9は、部分ガス交換制御パラメータとして、部分ガス交換周期Tpgと、Ar+Ne混合ガスの注入係数Kpgと、Ar+Ne+F2混合ガスの注入係数Khgとの読み込みを行ってもよい。Kpgは、単位発振パルス当たりのAr+Neガスの注入量であってもよい。Khgは、単位発振パルス当たりのAr+Ne+F2混合ガスの注入量であってもよい。
【0132】
次に、ガス制御部9は、パルス数のカウンタ値Nの初期値をN=0に設定してもよい(ステップS712)。次に、ガス制御部9は、タイマTをリセットスタートさせてもよい(ステップS713)。
【0133】
次に、ガス制御部9は、レーザ発振したか否かを判断してもよい(ステップS714)。ガス制御部9は、レーザ発振していないと判断した場合(ステップS714;N)には、ステップS716の処理に進んでもよい。
【0134】
一方、レーザ発振したと判断した場合(ステップS714;Y)には、ガス制御部9は、次に、パルス数のカウンタ値NをN+1に設定してもよい(ステップS715)。
【0135】
次に、ガス制御部9は、タイマTの値が部分ガス交換周期Tpgに達したか否かを判断してもよい(ステップS716)。これにより、ガス制御部9は、部分ガス交換周期Tpgにおけるレーザ発振のパルス数を計測してもよい。ガス制御部9は、タイマTの値が部分ガス交換周期Tpgに達していないと判断した場合(ステップS716;N)には、ステップS714の処理に戻ってもよい。
【0136】
一方、タイマTの値が部分ガス交換周期Tpgに達したと判断した場合(ステップS716;Y)には、ガス制御部9は、次に、圧力センサによって計測されたレーザチャンバ20内のガス圧Pの読み込みを行ってもよい(ステップS717)。
【0137】
次に、ガス制御部9は、レーザ制御部2に、計測されたガス圧Pのデータを送信してもよい(ステップS718)。
【0138】
次に、ガス制御部9は、後述の図9に示す部分ガス交換の処理を行ってもよい(ステップS719)。
【0139】
ガス制御部9は、次に、部分ガス交換制御を終了するか否かを判断してもよい(ステップS720)。ガス制御部9は、部分ガス交換制御を終了しないと判断した場合(ステップS720;N)には、ステップS712の処理に戻ってもよい。一方、部分ガス交換制御を終了すると判断した場合(ステップS720;Y)には、ガス制御部9は、部分ガス交換制御の処理を終了してもよい。
【0140】
図9は、図8に示したフローチャートにおけるステップS719の処理の詳細を示すサブのフローチャートである。
【0141】
ガス制御部9は、Ar+Ne混合ガスの注入係数Kpgと、部分ガス交換周期Tpgにおけるレーザ発振のパルス数Nとから、ΔPpg(=Kpg・N)の計算をしてもよい(ステップS721)。
【0142】
次に、ガス制御部9は、レーザチャンバ20内のガス圧PがΔPpgだけ増加するように、レーザチャンバ20内にAr+Ne混合ガスを注入してもよい(ステップS722)。
【0143】
次に、ガス制御部9は、Ar+Ne+F2混合ガスの注入係数Khgと、部分ガス交換周期Tpgにおけるレーザ発振のパルス数Nとから、ΔPhg(=Khg・N)の計算をしてもよい(ステップS723)。
【0144】
次に、ガス制御部9は、レーザチャンバ20内のガス圧PがΔPhgだけ増加するように、レーザチャンバ20内にAr+Ne+F2混合ガスを注入してもよい(ステップS724)。
【0145】
次に、ガス制御部9は、レーザチャンバ20内のガス圧Pが(ΔPpg+ΔPhg)だけ減少するように、レーザチャンバ20内のガスを排気してもよい(ステップS725)。その後、ガス制御部9は、図8のステップS720の処理を行ってもよい。
【0146】
なお、Ar+Ne混合ガスの注入と、Ar+Ne+F2混合ガスの注入とは、同時にまとめて行ってもよい。
【0147】
なお、以上の各種制御の説明では、各種制御ゲインが比例係数である場合を例にしたが、各種制御ゲインとしてPID(Proportional-Integral-Differential)制御による微分制御係数や積分制御係数を用いる場合であってもよい。
【0148】
[1.3 課題]
比較例に係るレーザ装置101、及びレーザ装置管理システムにおいて、制御パラメータを変更する場合には、レーザ装置101のユーザ先に依頼をしてレーザ出力動作を止めてもらい、レーザメーカのサービスマンがレーザ装置101を直接操作して制御パラメータを変更し、レーザ性能の結果を判断する。このため、長時間のダウンタイムが発生し得る。さらに、比較例に係るレーザ装置101、及びレーザ装置管理システムでは、制御パラメータ変更前後のレーザ性能の差が明確にされず、制御パラメータの変更がOKであるか否かの判断をすることが困難であった。
【0149】
<2.実施形態1>(制御パラメータの予約変更機能を備えたレーザ装置、及びレーザ装置管理システム)
次に、本開示の実施形態1に係るレーザ装置、及びレーザ装置管理システムについて説明する。なお、以下では上記比較例に係るレーザ装置1、及びレーザ装置管理システムの構成要素と略同じ部分については、同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0150】
[2.1 構成]
図10は、実施形態1に係るレーザ装置1、及びレーザ装置管理システムの一構成例を概略的に示している。
【0151】
実施形態1に係るレーザ装置管理システムは、上記比較例に係るレーザ装置101に代えてレーザ装置1を備えた構成であってもよい。
【0152】
レーザ装置1において、レーザ制御部2は、第1の記憶部51と第2の記憶部52とを備えている。
【0153】
第1の記憶部51は、第1のレーザ制御パラメータを記憶してもよい。第1のレーザ制御パラメータは、後述の図11図17に示す制御パラメータ変更を行うための調整発振を行う場合における制御パラメータ変更前の各種制御パラメータであってもよい。第1のレーザ制御パラメータは、制御パラメータ変更を行うための調整発振を行う前、換言すれば、レーザ出力部から露光装置4へのレーザ出力を停止する前に用いられていたレーザ制御パラメータであってもよい。制御パラメータ変更前の各種制御パラメータは、図3に示したような、エネルギ制御パラメータPeg、スペクトル制御パラメータPλc、及びガス制御パラメータPgsのうち少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0154】
第2の記憶部52は、第2のレーザ制御パラメータを記憶してもよい。第2のレーザ制御パラメータは、後述の図11図17に示す制御パラメータ変更を行うための調整発振を行う場合における制御パラメータ変更後の各種制御パラメータであってもよい。制御パラメータ変更後の各種制御パラメータは、図3に示したような、エネルギ制御パラメータPeg、スペクトル制御パラメータPλc、及びガス制御パラメータPgsのうち少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0155】
端末装置111とレーザ制御部2との間には、レーザ装置1における各種制御パラメータの変更データを含む予約制御パラメータPrを、端末装置111からレーザ制御部2に送信する信号ラインが設けられていてもよい。
【0156】
また、端末装置111とレーザ制御部2との間には、レーザ性能データDabと制御パラメータ変更結果信号Sabとを、レーザ制御部2から端末装置111に送信する信号ラインが設けられていてもよい。制御パラメータ変更結果信号Sabは、後述の図11図17に示す制御パラメータ変更を行うための調整発振を行う場合における、制御パラメータ変更OK信号、又は制御パラメータ変更NG信号を含んでいてもよい。
【0157】
また、レーザ制御部2と露光装置4の露光装置制御部5との間には、制御パラメータ変更結果信号Sabを、レーザ制御部2から露光装置制御部5に送信する信号ラインが設けられていてもよい。
【0158】
レーザ性能データDabは、制御パラメータ変更前後のレーザ性能データであってもよい。レーザ性能データDabは、第1のレーザ性能データ、及び第2のレーザ性能データを含んでいてもよい。
【0159】
第1のレーザ性能データは、レーザ出力部から露光装置4へのレーザ出力を停止している間に、レーザ出力部において第1のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行った場合に得られるレーザ性能データであってもよい。
【0160】
第2のレーザ性能データは、レーザ出力部から露光装置4へのレーザ出力を停止している間に、レーザ出力部において第2のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行った場合に得られるレーザ性能データであってもよい。
【0161】
レーザ制御部2は、レーザ出力部から露光装置4へのレーザ出力を停止している間に、第1のレーザ性能データよりも第2のレーザ性能データが改善しているか否かを判定する制御部であってもよい。
【0162】
なお、以上の説明において、レーザ出力部から露光装置4へのレーザ出力を停止している間とは、図11図17に示す制御パラメータ変更を行うための調整発振を行う期間であってもよい。
【0163】
レーザ制御部2は、第1のレーザ性能データよりも第2のレーザ性能データが改善しているか否かの判定の結果に基づいて、第1のレーザ制御パラメータ及び第2のレーザ制御パラメータのうち、いずれか一方のレーザ制御パラメータを用いてレーザ出力部に露光装置4へのレーザ出力を行わせる制御部であってもよい。
【0164】
レーザ制御部2は、第2のレーザ性能データが改善していると判定した場合には、第2のレーザ制御パラメータを用いてレーザ出力部に露光装置4へのレーザ出力を行わせるようにしてもよい。レーザ制御部2は、第2のレーザ性能データが改善していないと判定した場合には、第1のレーザ制御パラメータを用いてレーザ出力部に露光装置4へのレーザ出力を行わせるようにしてもよい。
【0165】
予約制御パラメータPrには、第2のレーザ制御パラメータが含まれていてもよい。レーザ制御部2は、第2のレーザ制御パラメータを、レーザ出力部から露光装置4へのレーザ出力を停止する前に、端末装置111から受信し、第2の記憶部52に記憶してもよい。
【0166】
その他の構成は、上記比較例に係るレーザ装置101、及びレーザ装置管理システムと略同様であってもよい。
【0167】
[2.2 動作]
(制御パラメータの変更制御)
図11は、レーザ装置1におけるレーザ制御部2による制御パラメータの変更に関わる制御の流れの一例を示すフローチャートである。
【0168】
レーザ制御部2は、予約制御パラメータPrのデータを端末装置111から受信したか否かを判断する(ステップS1101)。レーザ制御部2は、予約制御パラメータPrのデータを端末装置111から受信していないと判断した場合(ステップS1101;N)には、ステップS1101の処理を繰り返してもよい。
【0169】
一方、予約制御パラメータPrのデータを端末装置111から受信したと判断した場合(ステップS1101;Y)には、次に、レーザ制御部2は、制御パラメータ変更前の制御パラメータのデータを第1の記憶部51に書き込む(ステップS1102)。
【0170】
次に、レーザ制御部2は、予約制御パラメータPrのデータを第2の記憶部52に書き込む(ステップS1103)。
【0171】
次に、レーザ制御部2は、露光装置4に制御パラメータ変更のための調整発振要求信号を送信する(ステップS1104)。
【0172】
レーザ制御部2は、露光装置4から調整発振OK信号を受信したか否かを判断する(ステップS1105)。レーザ制御部2は、調整発振OK信号を受信していないと判断した場合(ステップS1105;N)には、ステップS1105の処理を繰り返してもよい。
【0173】
一方、調整発振OK信号を受信したと判断した場合(ステップS1105;Y)には、次に、レーザ制御部2は、出射口シャッタ80を閉じ(ステップS1106)、調整発振を行う(ステップS1107)。ここで、後述の図13図17の調整発振が行われることにより、レーザ性能が改善したか否かを示すフラグFの値が得られる。レーザ性能が改善している場合にはフラグF=1、レーザ性能が改善していない場合にはフラグF=0の値が得られる。
【0174】
レーザ制御部2は、レーザ性能が改善したか否かを判断する(ステップS1108)。ここで、レーザ性能が改善したか否かの判断は、フラグFの値が1であるか否かを判断することにより行うことができる。
【0175】
レーザ性能が改善していると判断した場合(ステップS1108;Y)には、レーザ制御部2は、次に、第2の記憶部52の制御パラメータ変更後の制御パラメータのデータをレーザ装置1の制御パラメータとして設定する(ステップS1109)。次に、レーザ制御部2は、出射口シャッタ80を開き(ステップS1110)、露光装置4に制御パラメータ変更OK信号を出力した後(ステップS1111)、ステップS1101の処理に戻ってもよい。なお、ステップS1111の処理において、レーザ制御部2は、さらに、端末装置111に、制御パラメータ変更OK信号を出力してもよい。
【0176】
一方、レーザ性能が改善していないと判断した場合(ステップS1108;N)には、レーザ制御部2は、次に、露光装置4に制御パラメータ変更NG信号を出力した後(ステップS1112)、第1の記憶部51の制御パラメータ変更前の制御パラメータのデータをレーザ装置1の制御パラメータとして設定し(ステップS1113)、処理を終了してもよい。なお、ステップS1112の処理において、レーザ制御部2は、さらに、端末装置111に、制御パラメータ変更NG信号を出力してもよい。
【0177】
図12は、図11に示したフローチャートにおけるステップS1107の調整発振の処理の詳細を示すサブのフローチャートである。
【0178】
まず、レーザ制御部2は、どの制御パラメータの変更か判定する(ステップS1201)。
【0179】
エネルギ制御パラメータPegの変更である場合、レーザ制御部2は、エネルギ制御の調整発振を行い(ステップS1202)、図11のステップS1108の処理に進む。
【0180】
スペクトル制御パラメータPλcの変更である場合、レーザ制御部2は、スペクトル制御の調整発振を行い(ステップS1203)、図11のステップS1108の処理に進む。なお、スペクトル制御パラメータPλcの変更が波長制御パラメータの変更である場合、レーザ制御部2は、波長制御の調整発振を行う。また、スペクトル制御パラメータPλcの変更がスペクトル線幅制御パラメータの変更である場合、レーザ制御部2は、スペクトル線幅制御の調整発振を行う。
【0181】
ガス制御パラメータPgsの変更である場合、レーザ制御部2は、ガス制御の調整発振を行い(ステップS1204)、図11のステップS1108の処理に進む。
【0182】
なお、図12では、エネルギ制御パラメータPeg、スペクトル制御パラメータPλc、及びガス制御パラメータPgsの変更を別々に行う場合を例にしているが、各制御パラメータの変更により、各制御同士の干渉がない場合は、各制御パラメータを同時に変更してもよい。特に、エネルギ制御パラメータPegの変更とスペクトル制御パラメータPλcの変更は互いに制御が干渉することが少ないので同時に制御パラメータを変更してもよい。
【0183】
(エネルギ制御の調整発振)
図13は、図12に示したフローチャートにおけるステップS1202のエネルギ制御の調整発振の処理の詳細を示すサブのフローチャートである。レーザ制御部2は、主としてエネルギ制御部6を制御してエネルギ制御の調整発振を行う。
【0184】
レーザ制御部2は、調整発振を開始する(ステップS1301)。調整発振では、外部トリガである露光装置制御部5からの発光トリガ信号Strではなく、レーザ装置1の内部トリガによって所定の繰り返し周波数でレーザ発振を行う。調整発振では、実露光に近いバースト運転で発振させるのが好ましい。例えば、6kHzで0.5s(秒)の発振期間と0.2sの休止時間とを含むバースト運転等を行ってもよい。
【0185】
次に、レーザ制御部2は、第1の記憶部51に記憶された変更前のエネルギ制御パラメータPegのデータをエネルギ制御パラメータPegとして設定し(ステップS1302)、エネルギ制御を実行する(ステップS1303)。
【0186】
次に、レーザ制御部2は、エネルギ制御パラメータPeg変更前のパルスエネルギを計測し、その評価データを記憶する(ステップS1304)。ここで、パルスエネルギの評価データとは、例えば、パルスエネルギのエネルギ安定性Eσ(%)であってもよい。パルスエネルギのエネルギ安定性Eσは、パルスエネルギの標準偏差σであってもよい。レーザ制御部2は、評価データを端末装置111に送信してもよい。
【0187】
次に、レーザ制御部2は、第2の記憶部52に記憶された変更後のエネルギ制御パラメータPegのデータをエネルギ制御パラメータPegとして設定し(ステップS1305)。エネルギ制御を実行する(ステップS1306)。ここで、変更するエネルギ制御パラメータPegは、例えばパルスエネルギ制御ゲインVkであってもよい。
【0188】
次に、レーザ制御部2は、エネルギ制御パラメータPeg変更後のパルスエネルギを計測し、その評価データを記憶する(ステップS1307)。ここで、パルスエネルギの評価データとは、例えば、パルスエネルギのエネルギ安定性Eσ(%)であってもよい。パルスエネルギのエネルギ安定性Eσは、パルスエネルギの標準偏差σであってもよい。レーザ制御部2は、評価データを端末装置111に送信してもよい。
【0189】
次に、レーザ制御部2は、調整発振を停止し(ステップS1309)、エネルギ安定性が改善したか否かを判断する(ステップS1309)。ここで、エネルギ安定性が改善したか否かの判断は、エネルギ安定性Eσの値が制御パラメータ変更前後で、小さくなったか否かを判定することによって行ってもよい。
【0190】
エネルギ安定性が改善したと判断した場合(ステップS1309;Y)には、レーザ制御部2は、フラグFの値を1(ステップS1311)として、図11のステップS1108の処理に進んでもよい。一方、エネルギ安定性が改善していないと判断した場合(ステップS1309;N)には、レーザ制御部2は、フラグFの値を0(ステップS1310)として、図11のステップS1108の処理に進んでもよい。
【0191】
(波長制御の調整発振)
図14は、図12に示したフローチャートにおけるステップS1203の波長制御の調整発振の処理の詳細を示すサブのフローチャートである。レーザ制御部2は、主としてスペクトル制御部7を制御して波長制御の調整発振を行う。
【0192】
レーザ制御部2は、調整発振を開始する(ステップS1401)。調整発振では、外部トリガである露光装置制御部5からの発光トリガ信号Strではなく、レーザ装置1の内部トリガによって所定の繰り返し周波数でレーザ発振を行う。調整発振では、実露光に近いバースト運転で発振させるのが好ましい。例えば、6kHzで0.5s(秒)の発振期間と0.2sの休止時間とを含むバースト運転等を行ってもよい。
【0193】
次に、レーザ制御部2は、第1の記憶部51に記憶された変更前の波長制御パラメータのデータを波長制御パラメータとして設定し(ステップS1402)、波長制御を実行する(ステップS1403)。
【0194】
次に、レーザ制御部2は、波長制御パラメータ変更前の波長を計測し、その評価データを記憶する(ステップS1404)。ここで、波長の評価データとは、例えば、波長安定性λσであってもよい。波長安定性λσは、例えば、計測された波長λと目標波長λtとの差δλ(=λ-λt)の標準偏差値δλσであってもよい。レーザ制御部2は、評価データを端末装置111に送信してもよい。
【0195】
次に、レーザ制御部2は、第2の記憶部52に記憶された変更後の波長制御パラメータのデータを波長制御パラメータとして設定し(ステップS1405)。波長制御を実行する(ステップS1406)。ここで、変更する波長制御パラメータは、例えば波長制御ゲインλkであってもよい。
【0196】
次に、レーザ制御部2は、波長制御パラメータ変更後の波長を計測し、その評価データを記憶する(ステップS1407)。ここで、波長の評価データとは、例えば、波長安定性λσであってもよい。波長安定性λσは、例えば、計測された波長λと目標波長λtとの差δλ(=λ-λt)の標準偏差値δλσであってもよい。レーザ制御部2は、評価データを端末装置111に送信してもよい。
【0197】
次に、レーザ制御部2は、調整発振を停止し(ステップS1409)、波長安定性が改善したか否かを判断する(ステップS1409)。ここで、波長安定性が改善したか否かの判断は、波長安定性λσの値が制御パラメータ変更前後で、小さくなったか否かを判定することによって行ってもよい。
【0198】
波長安定性が改善したと判断した場合(ステップS1409;Y)には、レーザ制御部2は、フラグFの値を1(ステップS1411)として、図11のステップS1108の処理に進んでもよい。一方、波長安定性が改善していないと判断した場合(ステップS1409;N)には、レーザ制御部2は、フラグFの値を0(ステップS1410)として、図11のステップS1108の処理に進んでもよい。
【0199】
(スペクトル線幅制御の調整発振)
図15は、図12に示したフローチャートにおけるステップS1203のスペクトル線幅制御の調整発振の処理の詳細を示すサブのフローチャートである。レーザ制御部2は、主としてスペクトル制御部7を制御してスペクトル線幅制御の調整発振を行う。
【0200】
レーザ制御部2は、調整発振を開始する(ステップS1501)。調整発振では、外部トリガである露光装置制御部5からの発光トリガ信号Strではなく、レーザ装置1の内部トリガによって所定の繰り返し周波数でレーザ発振を行う。調整発振では、実露光に近いバースト運転で発振させるのが好ましい。例えば、6kHzで0.5s(秒)の発振期間と0.2sの休止時間とを含むバースト運転等を行ってもよい。
【0201】
次に、レーザ制御部2は、第1の記憶部51に記憶された変更前のスペクトル線幅制御パラメータのデータをスペクトル線幅制御パラメータとして設定し(ステップS1502)、スペクトル線幅制御を実行する(ステップS1503)。
【0202】
次に、レーザ制御部2は、スペクトル線幅制御パラメータ変更前のスペクトル線幅を計測し、その評価データを記憶する(ステップS1504)。ここで、スペクトル線幅の評価データとは、例えば、スペクトル線幅安定性Δλσであってもよい。スペクトル線幅安定性Δλσは、計測されたスペクトル線幅Δλと目標スペクトル線幅Δλtとの差ΔΔλ(=Δλ-Δλt)の標準偏差値ΔΔλσであってもよい。レーザ制御部2は、評価データを端末装置111に送信してもよい。
【0203】
次に、レーザ制御部2は、第2の記憶部52に記憶された変更後のスペクトル線幅制御パラメータのデータをスペクトル線幅制御パラメータとして設定し(ステップS1505)。スペクトル線幅制御を実行する(ステップS1506)。ここで、変更するスペクトル線幅制御パラメータは、例えばスペクトル線幅制御ゲインΔλkであってもよい。
【0204】
次に、レーザ制御部2は、スペクトル線幅制御パラメータ変更後のスペクトル線幅を計測し、その評価データを記憶する(ステップS1507)。ここで、スペクトル線幅の評価データとは、例えば、スペクトル線幅安定性Δλσであってもよい。スペクトル線幅安定性Δλσは、計測されたスペクトル線幅Δλと目標スペクトル線幅Δλtとの差ΔΔλ(=Δλ-Δλt)の標準偏差値ΔΔλσであってもよい。レーザ制御部2は、評価データを端末装置111に送信してもよい。
【0205】
次に、レーザ制御部2は、調整発振を停止し(ステップS1509)、スペクトル線幅安定性が改善したか否かを判断する(ステップS1509)。ここで、スペクトル線幅安定性が改善したか否かの判断は、スペクトル線幅安定性Δλσの値が制御パラメータ変更前後で、小さくなったか否かを判定することによって行ってもよい。
【0206】
スペクトル線幅安定性が改善したと判断した場合(ステップS1509;Y)には、レーザ制御部2は、フラグFの値を1(ステップS1511)として、図11のステップS1108の処理に進んでもよい。一方、スペクトル線幅安定性が改善していないと判断した場合(ステップS1509;N)には、レーザ制御部2は、フラグFの値を0(ステップS1510)として、図11のステップS1108の処理に進んでもよい。
【0207】
(ガス制御の調整発振の第1の例)
図16は、図12に示したフローチャートにおけるステップS1204のガス制御の調整発振の処理の第1の例を示すサブのフローチャートである。レーザ制御部2は、主としてガス制御部9を制御してガス制御の調整発振を行う。図16では、ガス制御の調整発振の処理の第1の例として、所定時間内にレーザ性能がOKとなるか否かを判定する例を説明する。
【0208】
レーザ制御部2は、調整発振を開始する(ステップS1601)。調整発振では、外部トリガである露光装置制御部5からの発光トリガ信号Strではなく、レーザ装置1の内部トリガによって所定の繰り返し周波数でレーザ発振を行う。調整発振では、実露光に近いバースト運転で発振させるのが好ましい。例えば、6kHzで0.5s(秒)の発振期間と0.2sの休止時間とを含むバースト運転等を行ってもよい。
【0209】
次に、レーザ制御部2は、第2の記憶部52に記憶された変更後のガス制御パラメータPgsの情報を読み込み(ステップS1602)、変更後のガス制御パラメータPgsでガス制御を実施する(ステップS1603)。ここでは、ガス制御パラメータPgsの変更として、例えば最大制御ガス圧Pmaxが増加する方向になった場合を想定してもよい。
【0210】
次に、レーザ制御部2は、タイマTをリセットスタートさせる(ステップS1604)。次に、レーザ制御部2は、変更後のガス制御パラメータPgsでガス制御を実施する(ステップS1605)。
【0211】
次に、レーザ制御部2は、タイマTの値が所定時間Kに達したか否かを判断する(ステップS1606)。レーザ制御部2は、タイマTの値が所定時間Kに達していないと判断した場合(ステップS1606;N)には、ステップS1605の処理に戻ってもよい。
【0212】
一方、タイマTの値が所定時間Kに達したと判断した場合(ステップS1606;Y)には、レーザ制御部2は、次に、レーザ性能を計測する(ステップS1607)。ここで、レーザ性能の計測は、例えば、エネルギ安定性Eσや充電電圧V等の値を計測してもよい。レーザ制御部2は、計測結果を端末装置111に送信してもよい。
【0213】
次に、レーザ制御部2は、調整発振を停止し(ステップS1608)、レーザ性能がOKであるか否かを判断する(ステップS1609)。ここで、レーザ性能がOKであるか否かの判断は、例えば、エネルギ安定性Eσや充電電圧V等の値が許容範囲か否かを判定することによって行ってもよい。
【0214】
レーザ性能がOKであると判断した場合(ステップS1609;Y)には、レーザ制御部2は、フラグFの値を1(ステップS1611)として、図11のステップS1108の処理に進んでもよい。一方、レーザ性能がOKではないと判断した場合(ステップS1609;N)には、レーザ制御部2は、フラグFの値を0(ステップS1610)として、図11のステップS1108の処理に進んでもよい。
【0215】
(ガス制御の調整発振の第2の例)
図17は、図12に示したフローチャートにおけるステップS1204のガス制御の調整発振の処理の第2の例を示すサブのフローチャートである。レーザ制御部2は、主としてガス制御部9を制御してガス制御の調整発振を行う。図17では、ガス制御の調整発振の処理の第2の例として、ガス制御パラメータPgs変更前後のレーザ性能を計測して判定する場合を例に説明する。
【0216】
レーザ制御部2は、調整発振を開始する(ステップS1701)。調整発振では、外部トリガである露光装置制御部5からの発光トリガ信号Strではなく、レーザ装置1の内部トリガによって所定の繰り返し周波数でレーザ発振を行う。調整発振では、実露光に近いバースト運転で発振させるのが好ましい。例えば、6kHzで0.5s(秒)の発振期間と0.2sの休止時間とを含むバースト運転等を行ってもよい。
【0217】
次に、レーザ制御部2は、第1の記憶部51に記憶された変更前のガス制御パラメータPgsのデータをガス制御パラメータPgsとして設定し(ステップS1702)、タイマTをリセットスタートさせる(ステップS1703)。次に、レーザ制御部2は、ガス制御を実行する(ステップS1704)。
【0218】
次に、レーザ制御部2は、タイマTの値が所定時間K1に達したか否かを判断する(ステップS1705)。レーザ制御部2は、タイマTの値が所定時間K1に達していないと判断した場合(ステップS1705;N)には、ステップS1704の処理に戻ってもよい。
【0219】
一方、タイマTの値が所定時間K1に達したと判断した場合(ステップS1705;Y)には、次に、レーザ制御部2は、ガス制御パラメータPgs変更前のレーザ性能を計測し、その評価データを記憶する(ステップS1706)。ここで、レーザ性能の計測は、例えば、エネルギ安定性Eσや充電電圧V等の値を計測してもよい。レーザ制御部2は、評価データを端末装置111に送信してもよい。
【0220】
次に、レーザ制御部2は、第2の記憶部52に記憶された変更後のガス制御パラメータPgsのデータをガス制御パラメータPgsとして設定し(ステップS1707)、タイマTをリセットスタートさせる(ステップS1708)。ここで、変更するガス制御パラメータPgsは、例えば最大制御ガス圧Pmaxであってもよい。次に、レーザ制御部2は、ガス制御を実行する(ステップS1709)。
【0221】
次に、レーザ制御部2は、タイマTの値が所定時間K2に達したか否かを判断する(ステップS1710)。ここで、所定時間K1と所定時間K2の値は、K2≧K1となる値であってもよい。レーザ制御部2は、タイマTの値が所定時間K2に達していないと判断した場合(ステップS1710;N)には、ステップS1709の処理に戻ってもよい。
【0222】
一方、タイマTの値が所定時間K2に達したと判断した場合(ステップS1710;Y)には、次に、レーザ制御部2は、ガス制御パラメータPgs変更後のレーザ性能を計測し、その評価データを記憶する(ステップS1711)。ここで、レーザ性能の計測は、例えば、エネルギ安定性Eσや充電電圧V等の値を計測してもよい。レーザ制御部2は、評価データを端末装置111に送信してもよい。
【0223】
次に、レーザ制御部2は、調整発振を停止し(ステップS1712)、レーザ性能が改善したか否かを判断する(ステップS1713)。ここで、レーザ性能が改善したか否かの判断は、エネルギ安定性Eσ等のレーザ性能の値が制御パラメータ変更前後で、小さくなったか否かを判定することによって行ってもよい。
【0224】
レーザ性能が改善したと判断した場合(ステップS1713;Y)には、レーザ制御部2は、フラグFの値を1(ステップS1715)として、図11のステップS1108の処理に進んでもよい。一方、レーザ性能が改善していないと判断した場合(ステップS1713;N)には、レーザ制御部2は、フラグFの値を0(ステップS1714)として、図11のステップS1108の処理に進んでもよい。
【0225】
その他の動作は、上記比較例に係るレーザ装置101、及びレーザ装置管理システムと略同様であってもよい。
【0226】
[2.3 作用・効果]
実施形態1のレーザ装置1、及びレーザ装置管理システムによれば、制御パラメータ変更前後のレーザ性能のデータに基づいて、制御パラメータの変更が有効であるか否かを判定できる。そして、有効な場合には、制御パラメータの変更によってレーザ性能が改善される。
【0227】
また、図11のように、変更した制御パラメータで制御し、その後、レーザ性能がOKであるか否かを判定することによって、制御パラメータの変更が有効であるか否かを判定できる。そして、有効な場合は、制御パラメータの変更によってレーザ性能が改善される。
【0228】
(その他)
実施形態1では、レーザ制御部2と端末装置111とを直接接続する場合を例にしたが、レーザ制御部2と端末装置111とがネットワークを介して接続されてもよい。レーザ制御部2と端末装置111との間の予約制御パラメータPr、レーザ性能データDab、及び制御パラメータ変更結果信号Sab等のデータの送受信は、ネットワークを介して行われてもよい。
【0229】
<3.実施形態2>(サーバを介した制御パラメータの予約変更機能を備えたレーザ装置、及びレーザ装置管理システム)
次に、本開示の実施形態2に係るレーザ装置、及びレーザ装置管理システムについて説明する。なお、以下では上記比較例、又は実施形態1に係るレーザ装置、及びレーザ装置管理システムの構成要素と略同じ部分については、同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0230】
[3.1 構成]
図18は、実施形態2に係るレーザ装置、及びレーザ装置管理システムの一構成例を概略的に示している。
【0231】
実施形態2に係るレーザ装置管理システムは、実施形態1に係るレーザ装置管理システムに対して、サーバ110と、端末装置112とを、さらに備えた構成であってもよい。
【0232】
端末装置111は、レーザ装置1のレーザメーカによって操作されるPC(パーソナルコンピュータ)等の端末であってもよい。端末装置112は、レーザ装置1のユーザによって操作されるPC等の端末であってもよい。
【0233】
端末装置111、端末装置112、及びレーザ制御部2はそれぞれ、サーバ110との間で各種データの送受信を行うことが可能な信号ラインで接続されていてもよい。
【0234】
実施形態2に係るレーザ装置管理システムでは、レーザ装置1が複数、含まれていてもよい。複数のレーザ装置1のそれぞれのレーザ制御部2が、サーバ110との間で各種データの送受信を行うことが可能な信号ラインで接続されていてもよい。
【0235】
実施形態2に係るレーザ装置管理システムでは、レーザ制御部2と端末装置111との間で、第2のレーザ制御パラメータとしての予約制御パラメータPr、レーザ性能データDab、及び制御パラメータ変更結果信号Sab等のデータの送受信をサーバ110を介して行うように構成されている。
【0236】
実施形態2に係るレーザ装置管理システムでは、予約制御パラメータPrは、レーザ出力部から露光装置4へのレーザ出力を制御パラメータの変更のために停止する前に、サーバ110から送信される。
【0237】
実施形態2に係るレーザ装置管理システムでは、レーザ制御部2は、予約制御パラメータPrのデータを、レーザ出力部から露光装置4へのレーザ出力を制御パラメータの変更のために停止する前に、端末装置111に接続されたサーバ110から受信し、第2の記憶部52に記憶する。
【0238】
レーザ制御部2は、制御パラメータ変更前の第1のレーザ性能データと制御パラメータ変更後の第2のレーザ性能データとを含むレーザ性能データDabを、サーバ110に送信する性能データ送信部を備えていてもよい。
【0239】
サーバ110は、データ記憶部120を備えている。データ記憶部120は、端末装置111から送信された予約制御パラメータPrのデータを記憶する制御パラメータ記憶部を含む。また、データ記憶部120は、レーザ制御部2の性能データ送信部から送信された第1のレーザ性能データと第2のレーザ性能データとを含むレーザ性能データDabを記憶する性能データ記憶部を含む。また、データ記憶部120は、制御パラメータ変更前後の制御パラメータのデータを記憶する記憶部を含む。また、データ記憶部120は、制御パラメータ変更OK信号、又は制御パラメータ変更NG信号を含む制御パラメータ変更結果信号Sabを記憶してもよい。
【0240】
なお、実施形態2に係るレーザ装置管理システムにおいても、レーザ制御部2に、第1の記憶部51と第2の記憶部52とが設けられていることが好ましい。ただし、レーザ制御部2に第1の記憶部51と第2の記憶部52とを設けずに、サーバ110側のデータ記憶部120に、制御パラメータ変更前後の各種制御パラメータのデータを保存しておいて、レーザ制御部2は、そのデータ記憶部120に記憶された各種制御パラメータを用いて、制御パラメータの変更制御を行うようにしてもよい。
【0241】
その他の構成は、上記比較例、又は実施形態1に係るレーザ装置、及びレーザ装置管理システムと略同様であってもよい。
【0242】
[3.2 動作]
端末装置111から予約制御パラメータPrのデータがサーバ110に送信されると、サーバ110は、予約制御パラメータPrのデータをデータ記憶部120に記憶すると共に、レーザ装置1のレーザ制御部2に予約制御パラメータPrを送信する。
【0243】
レーザ制御部2は、サーバ110から予約制御パラメータPrを受信すると、実施形態1と略同様の制御パラメータの変更制御を行ってもよい。
【0244】
レーザ制御部2は、制御パラメータ変更前に、内部トリガによって第1の発振パターンでレーザ装置1を運転し、その時に計測された、エネルギ制御関連データDegと、スペクトル制御関連データDλcと、ガス制御関連データDgsとを、制御パラメータ変更前の調整発振時のレーザ性能データとしてサーバ110に送信する。サーバ110は、データ記憶部120に、そのレーザ性能データを記憶する。
【0245】
レーザ制御部2は、制御パラメータ変更後に、内部トリガによって第2の発振パターンのレーザ装置1を運転し、その時に計測された、エネルギ制御関連データDegと、スペクトル制御関連データDλcと、ガス制御関連データDgsとを、制御パラメータ変更後の調整発振時のレーザ性能のデータとしてサーバ110に送信する。サーバ110は、データ記憶部120に、そのレーザ性能データを記憶する。
【0246】
また、レーザ制御部2は、制御パラメータ変更前後の制御パラメータのデータと、制御パラメータ変更OK信号、又は制御パラメータ変更NG信号を含む制御パラメータ変更結果信号Sabとを、サーバ110に送信する。サーバ110は、データ記憶部120に、それらのデータを記憶する。
【0247】
サーバ110は、データ記憶部120に記憶されたデータに対して内容に応じて参照権限を設定してもよい。サーバ110は、例えば、制御パラメータ変更前後の制御パラメータのデータに対しては、端末装置111から参照可能な参照権限を設定してもよい。ただし、制御パラメータ変更前後の制御パラメータのデータに対して、端末装置112からも参照可能な参照権限を設定してもよい。サーバ110は、例えば、制御パラメータ変更OK信号、又は制御パラメータ変更NG信号を含む制御パラメータ変更結果信号Sabのデータに対しては、端末装置111と端末装置112とから参照可能な参照権限を設定してもよい。サーバ110は、例えば、制御パラメータ変更前後のレーザ性能データDabに対しては、端末装置111と端末装置112とから参照可能な参照権限を設定してもよい。
【0248】
端末装置111は、サーバ110のデータ記憶部120に記憶されたデータのうち、少なくとも、制御パラメータ変更前後の制御パラメータのデータと、制御パラメータ変更前後のレーザ性能データDabと、制御パラメータ変更結果信号Sabのデータとを閲覧することが可能であってもよい。
【0249】
端末装置112は、サーバ110のデータ記憶部120に記憶されたデータのうち、少なくとも、制御パラメータ変更前後の制御パラメータのデータと、制御パラメータ変更前後のレーザ性能データDabと、制御パラメータ変更結果信号Sabのデータとを閲覧することが可能であってもよい。ただし、制御パラメータ変更前後の制御パラメータのデータは、端末装置112からは閲覧不可に設定されていてもよい。
【0250】
(変更前後の各種制御パラメータ)
図19は、実施形態2に係るレーザ装置管理システムにおいてサーバ110に記憶される制御パラメータ変更前後の各種制御パラメータのデータの一例を概略的に示している。
【0251】
サーバ110は、ガス制御パラメータPgsに関する変更前後の制御パラメータのデータをデータ記憶部120に記憶してもよい。ガス制御パラメータPgsに関する変更前後の制御パラメータは、最小充電電圧Vmina,Vminb、最大充電電圧Vmaxa,Vmaxb、最大制御ガス圧Pmaxa,Pmaxb、ガス圧可変量ΔPa,ΔPb、部分ガス交換周期Tpga,Tpgb、バッファガスの注入係数Kpga,Kpgb、及びフッ素を含むガスの注入係数Khga,Khgbを含んでいてもよい。
【0252】
また、サーバ110は、スペクトル制御パラメータPλcに関する変更前後の制御パラメータのデータをデータ記憶部120に記憶してもよい。スペクトル制御パラメータPλcに関する変更前後の制御パラメータは、波長制御ゲインλka,λkb、回転ステージ14の初期角度θ0a,θ0b、スペクトル線幅制御ゲインΔλka,Δλkb、及びリニアステージ63の初期位置X0a,X0bを含んでいてもよい。
【0253】
また、サーバ110は、エネルギ制御パラメータPegに関する変更前後の制御パラメータのデータをデータ記憶部120に記憶してもよい。エネルギ制御パラメータPegに関する変更前後の制御パラメータは、エネルギ制御ゲインVka,Vkb、及び充電電圧Vの初期値V0a,V0bを含んでいてもよい。
【0254】
サーバ110は、上記したデータ記憶部120に記憶された各種制御パラメータのデータを、例えばレーザメーカのサービスマンが使用する端末装置111から参照可能となるように権限設定してもよい。また、サーバ110は、上記したデータ記憶部120に記憶された各種制御パラメータのデータをレーザ装置1のユーザへ開示しない場合は、ユーザが使用する端末装置112から参照不可となるように権限設定してもよい。
【0255】
なお、上記した各種制御パラメータは、一例であって、上記した各種制御パラメータに限定されるものではない。また、サーバ110は、制御パラメータを変更した時刻や制御パラメータを変更した担当者のID等の履歴データを、上記した各種制御パラメータに関連付けてデータ記憶部120に記憶してもよい。
【0256】
(変更前後のエネルギ制御関連のレーザ性能データ)
図20は、実施形態2に係るレーザ装置管理システムにおいてサーバ110に記憶される制御パラメータ変更前後のエネルギ制御関連のレーザ性能データの一例を概略的に示している。
【0257】
サーバ110は、制御パラメータ変更前後のエネルギ制御関連のレーザ性能データをデータ記憶部120に記憶してもよい。制御パラメータ変更前後のエネルギ制御関連のレーザ性能データは、目標パルスエネルギEt、パルスエネルギEa,Eb、エネルギ安定性Eσa,Eσb、及び充電電圧Va,Vbのデータを含んでいてもよい。
【0258】
サーバ110は、上記した制御パラメータ変更前後のエネルギ制御関連のレーザ性能データを、制御パラメータ変更前後の各調整発振開始からのショット(shot)番号、制御パラメータ変更前後の各調整発振開始時刻からの経過時間Ta,Tbとに関連付けてデータ記憶部120に記憶してもよい。
【0259】
サーバ110は、上記したデータ記憶部120に記憶された制御パラメータ変更前後のエネルギ制御関連のレーザ性能データを、例えばレーザメーカのサービスマンが使用する端末装置111から参照可能となるように権限設定してもよい。また、サーバ110は、上記したデータ記憶部120に記憶された制御パラメータ変更前後のエネルギ制御関連のレーザ性能データを、レーザ装置1のユーザが使用する端末装置112から参照可能となるように権限設定してもよい。
【0260】
端末装置111では、サーバ110のデータ記憶部120から読み込んだ上記レーザ性能データから、例えば、制御パラメータ変更前後の各shot番号、又は制御パラメータ変更前後の各調整発振開始時刻からの経過時間Ta,Tbを横軸、エネルギ制御関連のレーザ性能データの各々を縦軸にプロットして、レーザ性能を評価することができる。これにより、サービスマンは、制御パラメータ変更前後における、より詳細なレーザ性能の改善又は悪化の状態を比較解析することができる。
【0261】
(変更前後のスペクトル制御関連のレーザ性能データ)
図21は、実施形態2に係るレーザ装置管理システムにおいてサーバ110に記憶される制御パラメータ変更前後のスペクトル制御関連のレーザ性能データの一例を概略的に示している。
【0262】
サーバ110は、制御パラメータ変更前後のスペクトル制御関連のレーザ性能データをデータ記憶部120に記憶してもよい。制御パラメータ変更前後のスペクトル制御関連のレーザ性能データは、目標波長λt、目標波長との差δλa,δλb、波長安定性λσa,λσb、目標スペクトル線幅Δλt、スペクトル線幅Δλa,Δλb、及びスペクトル線幅安定性Δλσa,Δλσbのデータを含んでいてもよい。
【0263】
サーバ110は、上記した制御パラメータ変更前後のスペクトル制御関連のレーザ性能データを、制御パラメータ変更前後の各調整発振開始からのショット(shot)番号、制御パラメータ変更前後の各調整発振開始時刻からの経過時間Ta,Tbとに関連付けてデータ記憶部120に記憶してもよい。
【0264】
サーバ110は、上記したデータ記憶部120に記憶された制御パラメータ変更前後のスペクトル制御関連のレーザ性能データを、例えばレーザメーカのサービスマンが使用する端末装置111から参照可能となるように権限設定してもよい。また、サーバ110は、上記したデータ記憶部120に記憶された制御パラメータ変更前後のスペクトル制御関連のレーザ性能データを、レーザ装置1のユーザが使用する端末装置112から参照可能となるように権限設定してもよい。
【0265】
端末装置111では、サーバ110のデータ記憶部120から読み込んだ上記レーザ性能データから、例えば、制御パラメータ変更前後の各shot番号、又は制御パラメータ変更前後の各調整発振開始時刻からの経過時間Ta,Tbを横軸、スペクトル制御関連のレーザ性能データの各々を縦軸にプロットして、レーザ性能を評価することができる。これにより、サービスマンは、制御パラメータ変更前後における、より詳細なレーザ性能の改善又は悪化の状態を比較解析することができる。
【0266】
(変更前後のガス制御関連のレーザ性能データ)
図22は、実施形態2に係るレーザ装置1、及びレーザ装置管理システムにおける制御パラメータ変更前後のガス制御関連のレーザ性能データの一例を概略的に示している。
【0267】
サーバ110は、制御パラメータ変更前後のガス制御関連のレーザ性能データをデータ記憶部120に記憶してもよい。制御パラメータ変更前後のガス制御関連のレーザ性能データは、ガス圧Pa,Pb、及び充電電圧Va,Vbのデータを含んでいてもよい。
【0268】
サーバ110は、上記した制御パラメータ変更前後のガス制御関連のレーザ性能データを、制御パラメータ変更前後の各調整発振開始からのショット(shot)番号、制御パラメータ変更前後の各調整発振開始時刻からの経過時間Ta,Tbとに関連付けてデータ記憶部120に記憶してもよい。
【0269】
サーバ110は、上記したデータ記憶部120に記憶された制御パラメータ変更前後のガス制御関連のレーザ性能データを、例えばレーザメーカのサービスマンが使用する端末装置111から参照可能となるように権限設定してもよい。また、サーバ110は、上記したデータ記憶部120に記憶された制御パラメータ変更前後のガス制御関連のレーザ性能データを、レーザ装置1のユーザが使用する端末装置112から参照可能となるように権限設定してもよい。
【0270】
端末装置111では、サーバ110のデータ記憶部120から読み込んだ上記レーザ性能データから、例えば、制御パラメータ変更前後の各shot番号、又は制御パラメータ変更前後の各調整発振開始時刻からの経過時間Ta,Tbを横軸、ガス制御関連のレーザ性能データの各々を縦軸にプロットして、レーザ性能を評価することができる。これにより、サービスマンは、制御パラメータ変更前後における、より詳細なレーザ性能の改善又は悪化の状態を比較解析することができる。
【0271】
その他の動作は、上記比較例、又は実施形態1に係るレーザ装置1、及びレーザ装置管理システムと略同様であってもよい。
【0272】
[3.3 作用・効果]
実施形態2のレーザ装置1、及びレーザ装置管理システムによれば、制御パラメータ変更前後の制御パラメータのデータ及びレーザ性能データと、制御パラメータ変更OK信号、又は制御パラメータ変更NG信号のデータとがサーバ110に記憶され、それらの詳細なデータを端末装置111から閲覧可能となる。その結果、端末装置111では、制御パラメータ変更によるレーザ性能の総合的な評価を行うことができる。さらに、端末装置111では、それらの詳細なデータの総合的な評価から、レーザ性能を改善するために制御パラメータのさらなる変更をする場合の有力な情報源として利用することができる。
【0273】
また、レーザ装置1のユーザが使用する端末装置112からも、制御パラメータ変更前後のレーザ性能データ等が閲覧可能となる。これにより、レーザ装置1のユーザは、露光プロセスに制御パラメータ変更の結果を反映させることができる。
【0274】
(その他)
実施形態2では、サーバ110に対して、レーザ制御部2、端末装置111、及び端末装置112を直接接続する場合を例にしたが、レーザ制御部2、端末装置111、及び端末装置112がサーバ110に対してネットワークを介して接続されてもよい。
【0275】
例えば、レーザ装置1とサーバ110とが半導体工場内に設置されていてもよい。この場合、半導体工場内のネットワークにサーバ110と、レーザ制御部2、端末装置111、及び端末装置112とが接続されてもよい。そして、端末装置111から、半導体工場内のネットワークに接続して、サーバ110を介して予約制御パラメータPrのデータをレーザ制御部2に送信してもよい。
【0276】
また、端末装置111は、半導体工場とは異なる場所にあるレーザメーカの工場内に設置されていてもよい。端末装置111は、インターネットを介して、レーザメーカの工場から、半導体工場内のサーバ110に接続して、予約制御パラメータPrのデータをサーバ110に送信してもよい。この場合は、半導体工場にレーザメーカのサービスマンを派遣しなくても、予約制御パラメータPrを遠隔地から送信してレーザ装置1の制御パラメータ変更を行い、レーザ装置1のレーザ性能を改善することができる。
【0277】
また、サーバ110に複数のレーザ装置1を接続する場合、それぞれのレーザ装置1にIDを付けてもよい。そして、制御パラメータ変更を行うレーザ装置1のIDを予約制御パラメータPrに関連付けて、ID付きの予約制御パラメータPrのデータを端末装置111からサーバ110に送信してもよい。
【0278】
その他の作用・効果は、上記比較例、又は実施形態1に係るレーザ装置、及びレーザ装置管理システムと略同様であってもよい。
【0279】
<4.その他>
上記の説明は、制限ではなく単なる例示を意図している。従って、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本開示の実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
【0280】
本明細書及び添付の特許請求の範囲全体で使用される用語は、「限定的でない」用語と解釈されるべきである。例えば、「含む」又は「含まれる」という用語は、「含まれるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。また、本明細書、及び添付の特許請求の範囲に記載される不定冠詞「1つの」は、「少なくとも1つ」又は「1又はそれ以上」を意味すると解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【手続補正書】
【提出日】2022-08-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ発振を行うレーザ出力部と、
制御部であって、
外部装置が求めたレーザ出力の目標性能に近づけるための第1のレーザ制御パラメータを用いて前記レーザ出力部から外部装置へのレーザ出力を行わせ、その後、前記レーザ出力部から前記外部装置へのレーザ出力を停止している間に、前記レーザ出力部において前記第1のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行っ得られる第1のレーザ性能データと、前記レーザ出力部において前記目標性能と同じ目標性能に近づけるための第2のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行っ得られる第2のレーザ性能データとを取得し、
前記第1のレーザ性能データよりも前記第2のレーザ性能データが改善しているか否かを判定することで、レーザ制御パラメータを変更した方が良いか、変更しない方が良いかを判定し、
前記第2のレーザ性能データが改善していると判定した場合には、前記第2のレーザ制御パラメータを用いて前記レーザ出力部に前記外部装置へのレーザ出力を行わせ
前記第2のレーザ性能データが改善していないと判定した場合には、前記第1のレーザ制御パラメータを用いて前記レーザ出力部に前記外部装置へのレーザ出力を行わせ
前記制御部と
を備える
レーザ装置。
【請求項2】
請求項に記載のレーザ装置であって、
前記レーザ出力部は、光共振器と、前記光共振器内に配置され、レーザガスが供給されるレーザチャンバとを含んで、パルスレーザ光を出力し、
前記第1のレーザ制御パラメータ及び前記第2のレーザ制御パラメータはそれぞれ、
前記パルスレーザ光のパルスエネルギの制御に関するエネルギ制御パラメータ、
前記パルスレーザ光のスペクトルの制御に関するスペクトル制御パラメータ、
及び、前記レーザガスの制御に関するガス制御パラメータのうち少なくとも1つを含む。
【請求項3】
請求項に記載のレーザ装置であって、
前記第1のレーザ制御パラメータ及び前記第2のレーザ制御パラメータは、前記レーザ装置のレーザ性能を前記外部装置が求める目標性能に近づけるための目標制御パラメータである。
【請求項4】
請求項に記載のレーザ装置であって、
前記第1のレーザ制御パラメータを記憶する第1の記憶部と、
前記第2のレーザ制御パラメータを記憶する第2の記憶部と
をさらに備える。
【請求項5】
請求項に記載のレーザ装置であって、
前記制御部は、前記第2のレーザ制御パラメータを、前記レーザ出力部から前記外部装置へのレーザ出力を停止する前に、端末装置から受信し、前記第2の記憶部に記憶する。
【請求項6】
請求項に記載のレーザ装置であって、
前記制御部は、前記第2のレーザ制御パラメータを、前記レーザ出力部から前記外部装置へのレーザ出力を停止する前に、端末装置に接続されたサーバから受信し、前記第2の記憶部に記憶する。
【請求項7】
請求項に記載のレーザ装置であって、
前記第1のレーザ性能データと前記第2のレーザ性能データとを端末装置に接続されたサーバに送信する性能データ送信部、をさらに備える。
【請求項8】
レーザ装置と、
前記レーザ装置を管理する端末装置と
を含み、
前記レーザ装置は、
レーザ発振を行うレーザ出力部と、
制御部であって、
外部装置が求めたレーザ出力の目標性能に近づけるための第1のレーザ制御パラメータを用いて前記レーザ出力部から外部装置へのレーザ出力を行わせ、その後、前記レーザ出力部から前記外部装置へのレーザ出力を停止している間に、前記レーザ出力部において前記第1のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行っ得られる第1のレーザ性能データと、前記レーザ出力部において前記目標性能と同じ目標性能に近づけるための第2のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行っ得られる第2のレーザ性能データとを取得し、
前記第1のレーザ性能データよりも前記第2のレーザ性能データが改善しているか否かを判定することで、レーザ制御パラメータを変更した方が良いか、変更しない方が良いかを判定し、
前記第2のレーザ性能データが改善していると判定した場合には、前記第2のレーザ制御パラメータを用いて前記レーザ出力部に前記外部装置へのレーザ出力を行わせ
前記第2のレーザ性能データが改善していないと判定した場合には、前記第1のレーザ制御パラメータを用いて前記レーザ出力部に前記外部装置へのレーザ出力を行わせ
前記制御部と
を備える
レーザ装置管理システム。
【請求項9】
請求項に記載のレーザ装置管理システムであって、
前記第2のレーザ制御パラメータは、前記レーザ出力部から前記外部装置へのレーザ出力を停止する前に、前記端末装置から送信される。
【請求項10】
請求項に記載のレーザ装置管理システムであって、
前記端末装置に接続されたサーバ、をさらに含み、
前記第2のレーザ制御パラメータは、前記レーザ出力部から前記外部装置へのレーザ出力を停止する前に、前記サーバから送信される。
【請求項11】
請求項10に記載のレーザ装置管理システムであって、
前記サーバは、前記端末装置から送信された前記第2のレーザ制御パラメータを記憶する制御パラメータ記憶部を備える。
【請求項12】
請求項10に記載のレーザ装置管理システムであって、
前記レーザ装置は、前記第1のレーザ性能データと前記第2のレーザ性能データとを前記サーバに送信する性能データ送信部、をさらに備え、
前記サーバは、前記性能データ送信部から送信された前記第1のレーザ性能データと前記第2のレーザ性能データとを記憶する性能データ記憶部、をさらに備える。
【請求項13】
レーザ装置において外部装置が求めたレーザ出力の目標性能に近づけるための第1のレーザ制御パラメータを用いてレーザ出力部から外部装置へのレーザ出力を行い、その後、前記レーザ出力部から前記外部装置へのレーザ出力を停止している間に、前記レーザ出力部において前記第1のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行っ得られる第1のレーザ性能データと、前記レーザ出力部において前記目標性能と同じ目標性能に近づけるための第2のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行っ得られる第2のレーザ性能データとを、制御部によって取得することと、
前記制御部によって、前記第1のレーザ性能データよりも前記第2のレーザ性能データが改善しているか否かを判定することで、レーザ制御パラメータを変更した方が良いか、変更しない方が良いかを判定することと、
前記第2のレーザ性能データが改善していると判定した場合には、前記第2のレーザ制御パラメータを用いて前記レーザ出力部に前記外部装置へのレーザ出力を行わせ
前記第2のレーザ性能データが改善していないと判定した場合には、前記第1のレーザ制御パラメータを用いて前記レーザ出力部に前記外部装置へのレーザ出力を行わせることと
を含む
レーザ装置の管理方法。
【請求項14】
請求項13に記載のレーザ装置の管理方法であって、
前記制御部によって、前記第2のレーザ制御パラメータを、前記レーザ出力部から前記外部装置へのレーザ出力を停止する前に、端末装置から受信することと、
前記制御部によって、受信した前記第2のレーザ制御パラメータを記憶部に記憶することと、
をさらに含む。
【請求項15】
請求項13に記載のレーザ装置の管理方法であって、
前記制御部によって、前記第2のレーザ制御パラメータを、前記レーザ出力部から前記外部装置へのレーザ出力を停止する前に、端末装置に接続されたサーバから受信することと、
前記制御部によって、受信した前記第2のレーザ制御パラメータを記憶部に記憶することと、
をさらに含む。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本開示のレーザ装置は、レーザ発振を行うレーザ出力部と、制御部であって、外部装置が求めたレーザ出力の目標性能に近づけるための第1のレーザ制御パラメータを用いてレーザ出力部から外部装置へのレーザ出力を行わせ、その後、レーザ出力部から外部装置へのレーザ出力を停止している間に、レーザ出力部において目標性能と同じ目標性能に近づけるための第1のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行っ得られる第1のレーザ性能データと、レーザ出力部において第2のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行っ得られる第2のレーザ性能データとを取得し、第1のレーザ性能データよりも第2のレーザ性能データが改善しているか否かを判定することで、レーザ制御パラメータを変更した方が良いか、変更しない方が良いかを判定し、第2のレーザ性能データが改善していると判定した場合には、第2のレーザ制御パラメータを用いてレーザ出力部に外部装置へのレーザ出力を行わせ、第2のレーザ性能データが改善していないと判定した場合には、第1のレーザ制御パラメータを用いてレーザ出力部に外部装置へのレーザ出力を行わせる制御部とを備える
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本開示のレーザ装置管理システムは、レーザ装置と、レーザ装置を管理する端末装置とを含み、レーザ装置は、レーザ発振を行うレーザ出力部と、制御部であって、外部装置が求めたレーザ出力の目標性能に近づけるための第1のレーザ制御パラメータを用いてレーザ出力部から外部装置へのレーザ出力を行わせ、その後、レーザ出力部から外部装置へのレーザ出力を停止している間に、レーザ出力部において目標性能と同じ目標性能に近づけるための第1のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行っ得られる第1のレーザ性能データと、レーザ出力部において第2のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行っ得られる第2のレーザ性能データとを取得し、第1のレーザ性能データよりも第2のレーザ性能データが改善しているか否かを判定することで、レーザ制御パラメータを変更した方が良いか、変更しない方が良いかを判定し、第2のレーザ性能データが改善していると判定した場合には、第2のレーザ制御パラメータを用いてレーザ出力部に外部装置へのレーザ出力を行わせ、第2のレーザ性能データが改善していないと判定した場合には、第1のレーザ制御パラメータを用いてレーザ出力部に外部装置へのレーザ出力を行わせる制御部とを備える
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本開示のレーザ装置の管理方法は、レーザ装置において外部装置が求めたレーザ出力の目標性能に近づけるための第1のレーザ制御パラメータを用いてレーザ出力部から外部装置へのレーザ出力を行い、その後、レーザ出力部から外部装置へのレーザ出力を停止している間に、目標性能と同じ目標性能に近づけるためのレーザ出力部において第1のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行っ得られる第1のレーザ性能データと、レーザ出力部において第2のレーザ制御パラメータに基づくレーザ発振を行っ得られる第2のレーザ性能データとを、制御部によって取得することと、制御部によって、第1のレーザ性能データよりも第2のレーザ性能データが改善しているか否かを判定することで、レーザ制御パラメータを変更した方が良いか、変更しない方が良いかを判定することと、第2のレーザ性能データが改善していると判定した場合には、第2のレーザ制御パラメータを用いてレーザ出力部に外部装置へのレーザ出力を行わせ、第2のレーザ性能データが改善していないと判定した場合には、第1のレーザ制御パラメータを用いてレーザ出力部に外部装置へのレーザ出力を行わせることとを含む