(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133674
(43)【公開日】2022-09-14
(54)【発明の名称】茹卵製造装置及び茹卵製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 15/00 20160101AFI20220907BHJP
A47J 29/00 20060101ALI20220907BHJP
【FI】
A23L15/00 E
A23L15/00 D
A47J29/00
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021032485
(22)【出願日】2021-03-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000001421
【氏名又は名称】キユーピー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】501149411
【氏名又は名称】キユーピータマゴ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】長谷 紘明
(72)【発明者】
【氏名】中本 大介
(72)【発明者】
【氏名】吉川 和浩
(72)【発明者】
【氏名】鶴 義行
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 祐城
(72)【発明者】
【氏名】牛島 達朗
(72)【発明者】
【氏名】森川 大納
(72)【発明者】
【氏名】結城 慶華
【テーマコード(参考)】
4B042
4B055
【Fターム(参考)】
4B042AC09
4B042AD29
4B042AE03
4B042AG07
4B042AH09
4B042AP03
4B042AT05
4B055AA28
4B055CA75
4B055CB09
4B055DB09
4B055EA03
4B055EA10
(57)【要約】
【課題】水流が安定した熱水を用いて高品質な茹卵をライン生産可能な茹卵製造装置及び茹卵製造方法を提供する。
【解決手段】複数の殻付卵Eを保持する卵保持部10と、熱水を供給する熱水供給部30と、を備え、殻付卵Eに熱水をかけ流して茹卵を製造する茹卵製造装置1及び茹卵製造方法であって、卵保持部10は、保持した殻付卵Eを略水平方向に搬送する搬送コンベア12を備え、熱水供給部30は、熱水を供給する熱水供給口31と、熱水供給口31から供給される熱水を貯留し、底部321に形成される複数の熱水流下孔321aから殻付卵Eに向けて熱水を流下させる熱水分配槽32と、熱水分配槽32内の熱水の水流及び熱水分配槽32の熱水流下孔321aから流下する熱水の水流のうち、少なくともいずれか一方の水流を安定させる熱水流安定手段と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の殻付卵を保持する卵保持部と、
熱水を供給する熱水供給部と、を備え、
殻付卵に熱水をかけ流して茹卵を製造する茹卵製造装置であって、
前記卵保持部は、保持した殻付卵を略水平方向に搬送する搬送手段を備え、
前記熱水供給部は、
熱水を供給する熱水供給口と、
前記熱水供給口から供給される熱水を貯留し、底部に形成される複数の孔から殻付卵に向けて熱水を流下させる熱水分配槽と、
前記熱水分配槽内の熱水の水流及び前記熱水分配槽の孔から流下する熱水の水流のうち、少なくともいずれか一方の水流を安定させる熱水流安定手段と、を備える、茹卵製造装置。
【請求項2】
請求項1に記載の茹卵製造装置であって、
前記熱水流安定手段は、前記熱水分配槽内で前記熱水分配槽の底部と所定の間隔を介して対向し、前記熱水供給口から供給される熱水を貯留し、且つ側壁部に形成される複数の孔を介して前記熱水分配槽内に熱水を排出する樋部材を備える、茹卵製造装置。
【請求項3】
請求項1に記載の茹卵製造装置であって、
前記熱水流安定手段は、前記熱水供給口と直接接続される多孔筒であり、
前記多孔筒は、複数の孔を有し、
前記多孔筒の底部は前記熱水分配槽内で前記熱水分配槽の底部と所定の間隔を介して対向し、
前記熱水分配槽の底部と対向する前記多孔筒の底部には前記孔が設けられていない、茹卵製造装置。
【請求項4】
請求項1に記載の茹卵製造装置であって、
前記熱水流安定手段は、前記熱水分配槽内で前記熱水分配槽の底部と所定の間隔を介して対向し、前記熱水供給口から供給される熱水を複数の孔を介して前記熱水分配槽の底部に供給する多孔板を備え、
前記熱水供給口は、前記多孔板の上面に向けて熱水を吐出し、
前記多孔板は、前記熱水供給口と対向する領域の孔が塞がれる、茹卵製造装置。
【請求項5】
請求項4に記載の茹卵製造装置であって、
前記多孔板の周縁部と前記熱水分配槽の側壁部との間の隙間が塞がれる、茹卵製造装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の茹卵製造装置であって、
前記熱水流安定手段は、前記熱水分配槽の孔から垂下するガイド棒又はガイド管を備える、茹卵製造装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の茹卵製造装置であって、
前記熱水供給部が供給する熱水の温度は、90~99℃である、茹卵製造装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の茹卵製造装置であって、
殻付卵にかけ流す熱水の量は、1つの殻付卵あたり0.2~5.0L/分である、茹卵製造装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の茹卵製造装置であって、
熱水を製造する熱水製造部をさらに備え、
前記熱水製造部は、
蒸気で水を加熱する蒸気加熱槽と、
前記蒸気加熱槽で加熱された熱水を圧送するポンプと、
前記ポンプで圧送される熱水を加熱する熱交換器と、を備える、茹卵製造装置。
【請求項10】
複数の殻付卵を保持する卵保持部と、
熱水を供給する熱水供給部と、を備え、
殻付卵に熱水をかけ流して茹卵を製造する茹卵製造方法であって、
前記卵保持部は、保持した殻付卵を略水平方向に搬送する搬送手段を備え、
前記熱水供給部は、
熱水を供給する熱水供給口と、
前記熱水供給口から供給される熱水を貯留し、底部に形成される複数の孔から殻付卵に向けて熱水を流下させる熱水分配槽と、
前記熱水分配槽内の熱水の水流及び前記熱水分配槽の孔から流下する熱水の水流のうち、少なくともいずれか一方の水流を安定させる熱水流安定手段と、を備える、茹卵製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、茹卵製造装置及び茹卵製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
<背景技術の説明>
従来、殻付卵に加熱処理を施して茹卵を製造する技術が提案されている(例えば、特許文献1、2)。
【0003】
<特許文献1の説明>
特許文献1(請求項1参照)には、立てられた卵に加熱された水を注ぎ、卵の表面を伝わらせて流下させ、これにより卵を加熱して凝固させることが記載されている。
【0004】
<特許文献2の説明>
特許文献2(請求項1参照)には、卵に施す加熱処理は、処理蒸気として過熱蒸気を用い、特に加圧を行わない閉鎖状態の処理室内で行うものであり、この処理室は、卵をほぼ水平に移送しながら加熱処理を施す処理エリアが、高さ方向に複数積槽されて成り、卵は、順次、下方の処理エリアから上方の処理エリアに送られて加熱処理が進行することが記載されている。
【0005】
<要望される技術-1>
しかしながら、特許文献1の茹卵製造装置では、茹卵をバッチ生産する必要があるので、ライン生産が可能な特許文献2の茹卵製造装置に比べて生産効率が劣るという問題がある。また、特許文献1の茹卵製造装置では、卵に熱水をかけ流して茹卵を製造するので、熱水の水流が安定しない場合、卵の凝固にむらが発生する虞がある。
【0006】
<要望される技術-2>
また、特許文献2の茹卵製造装置では、卵の加熱に過熱蒸気を用いるので、熱水を用いる特許文献1の茹卵製造装置に比べて温度管理が難しいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第2567293号公報
【特許文献2】特許第4526519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
<背景技術の課題>
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、水流が安定した熱水を用いて高品質な茹卵をライン生産可能な茹卵製造装置及び茹卵製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
<請求項1の内容>
このような目的を達成するため、本発明は、以下の構成によって把握される。
(1)本発明は、複数の殻付卵を保持する卵保持部と、熱水を供給する熱水供給部と、を備え、殻付卵に熱水をかけ流して茹卵を製造する茹卵製造装置であって、前記卵保持部は、保持した殻付卵を略水平方向に搬送する搬送手段を備え、前記熱水供給部は、熱水を供給する熱水供給口と、前記熱水供給口から供給される熱水を貯留し、底部に形成される複数の孔から殻付卵に向けて熱水を流下させる熱水分配槽と、前記熱水分配槽内の熱水の水流及び前記熱水分配槽の孔から流下する熱水の水流のうち、少なくともいずれか一方の水流を安定させる熱水流安定手段と、を備えるものである。
【0010】
<請求項2の内容>
(2)本発明は、上記(1)の構成において、前記熱水流安定手段は、前記熱水分配槽内で前記熱水分配槽の底部と所定の間隔を介して対向し、前記熱水供給口から供給される熱水を貯留し、且つ側壁部に形成される複数の孔を介して前記熱水分配槽内に熱水を排出する樋部材を備えるものである。
【0011】
<請求項3の内容>
(3)本発明は、(1)の構成において、前記熱水流安定手段は、前記熱水供給口と直接接続される多孔筒であり、前記多孔筒は、複数の孔を有し、前記多孔筒の底部は前記熱水分配槽内で前記熱水分配槽の底部と所定の間隔を介して対向し、前記熱水分配槽の底部と対向する前記多孔筒の底部には前記孔が設けられていないものである。
【0012】
<請求項4の内容>
(4)本発明は、(1)の構成において、前記熱水流安定手段は、前記熱水分配槽内で前記熱水分配槽の底部と所定の間隔を介して対向し、前記熱水供給口から供給される熱水を複数の孔を介して前記熱水分配槽の底部に供給する多孔板を備え、前記熱水供給口は、前記多孔板の上面に向けて熱水を吐出し、前記多孔板は、前記熱水供給口と対向する領域の孔が塞がれるものである。
【0013】
<請求項5の内容>
(5)本発明は、(4)の構成において、前記多孔板の周縁部と前記熱水分配槽の側壁部との間の隙間が塞がれるものである。
【0014】
<請求項6の内容>
(6)本発明は、(1)~(5)のいずれかの構成において、前記熱水流安定手段は、前記熱水分配槽の孔から垂下するガイド棒又はガイド管を備えるものである。
【0015】
<請求項7の内容>
(7)本発明は、(1)~(6)のいずれかの構成において、前記熱水供給部が供給する熱水の温度は、90~99℃であるものである。
【0016】
<請求項8の内容>
(8)本発明は、(1)~(7)のいずれかの構成において、殻付卵にかけ流す熱水の量は、1つの殻付卵あたり0.2~5L/分、より好ましくは、0.3~2.0L/分、さらに好ましくは、0.5~1.5L/分であるものである。
【0017】
<請求項9の内容>
(9)本発明は、(1)~(8)のいずれかの構成において、熱水を製造する熱水製造部をさらに備え、前記熱水製造部は、蒸気で水を加熱する蒸気加熱槽と、前記蒸気加熱槽で加熱された熱水を圧送するポンプと、前記ポンプで圧送される熱水を加熱する熱交換器と、を備えるものである。
【0018】
<請求項10の内容>
(10)本発明は、複数の殻付卵を保持する卵保持部と、熱水を供給する熱水供給部と、を備え、殻付卵に熱水をかけ流して茹卵を製造する茹卵製造方法であって、前記卵保持部は、保持した殻付卵を略水平方向に搬送する搬送手段を備え、前記熱水供給部は、熱水を供給する熱水供給口と、前記熱水供給口から供給される熱水を貯留し、底部に形成される複数の孔から殻付卵に向けて熱水を流下させる熱水分配槽と、前記熱水分配槽内の熱水の水流及び前記熱水分配槽の孔から流下する熱水の水流のうち、少なくともいずれか一方の水流を安定させる熱水流安定手段と、を備える。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、水流が安定した熱水を用いて高品質な茹卵をライン生産可能な茹卵製造装置及び茹卵製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態に係る茹卵製造装置を示す概略側面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る茹卵製造装置を示す概略正面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る茹卵製造装置のトレーを示す図であり、(a)はトレーの平面図、(b)はトレーの正面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る茹卵製造装置の熱水供給部を示す図であり、(a)は熱水供給部の概略平面図、(b)は熱水供給口と樋部材を備える
図4(a)のA-A概略断面図、(b)-2は多孔筒を備える(a)のA-A概略断面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る茹卵製造装置の熱水分配槽を示す図であり、(a)は熱水分配槽の平面図、(b)は
図5(a)のB-B断面図、(c)は
図5(a)のC-C断面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る茹卵製造装置の多孔板を示す図であり、(a)は多孔板の平面図、(b)は
図6(a)のD-D断面図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る茹卵製造装置の樋部材を示す図であり、(a)は樋部材の平面図、(b)は樋部材の正面図、(c)は
図7(a)のE-E断面図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る茹卵製造装置の熱水製造部を示す模式図である。
【
図9】本発明の第2実施形態に係る茹卵製造装置の熱水供給部を示す図であり、(a)は熱水供給部の平面図、(b)は
図9(a)のF-F断面図である。
【
図10】本発明の第3実施形態に係る茹卵製造装置の熱水分配槽及びガイド棒を示す図であり、(a)は熱水分配槽及びガイド棒の平面図、(b)は
図10(a)のG-G断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施形態の説明-1>
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と称する)について詳細に説明する。実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ符号を付している。
【0022】
<実施形態の説明-2>
まず、本発明の実施形態に係る茹卵製造装置1を用いた茹卵製造ライン100について、
図1を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る茹卵製造装置を示す概略側面図である。
【0023】
<茹卵製造ラインの構成-1>
茹卵製造ライン100は、卵加熱部140を備える。卵加熱部140は、搬送コンベア102で搬送される殻付卵に熱水を供給することにより、殻付卵を加熱する第1及び第2の加熱装置141,142を備える。卵加熱部140の熱水供給領域における殻付卵の滞在時間は、例えば熱水が約90℃であれば10分~30分、熱水が95℃以上であれば3~20分である。
【0024】
<茹卵製造ラインの構成-2>
なお、
図1に示す卵加熱部140は、搬送コンベア102で搬送される殻付卵に熱水を供給する第1及び第2の加熱装置141,142を備えるが、加熱装置141,142の台数は、1台、又は3台以上であってもよい。また、第1及び第2の加熱装置141,142の一部は、冷水を供給して茹卵を冷却する冷却装置や、殻付卵の温度に応じて供給する熱水の温度を適切な温度帯に調整する温度調整装置に置き換えてもよい。
【0025】
<茹卵製造ラインの構成-3>
以下に説明する本実施形態の茹卵製造装置1は、茹卵製造ライン100において、卵加熱部140の加熱装置141,142として使用されるが、前述した冷却装置や温度調整装置として使用してもよい。
【0026】
<茹卵製造装置の構成-1>
つぎに、本発明の実施形態に係る茹卵製造装置1について、
図1~
図8を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る茹卵製造装置を示す概略側面図である。
図2は、本発明の実施形態に係る茹卵製造装置を示す概略正面図である。
図3は、本発明の実施形態に係る茹卵製造装置のトレーを示す図であり、(a)はトレーの平面図、(b)はトレーの正面図である。
図4は、本発明の実施形態に係る茹卵製造装置の熱水供給部を示す図であり、(a)は熱水供給部の概略平面図、(b)は熱水供給口と樋部材を備える
図4(a)のA-A概略断面図であり、(b)-2は多孔筒を備える(a)のA-A概略断面図である。
図5は、本発明の実施形態に係る茹卵製造装置の熱水分配槽を示す図であり、(a)は熱水分配槽の平面図、(b)は
図5(a)のB-B断面図、(c)は
図5(a)のC-Cの断面図である。
図6は、本発明の実施形態に係る茹卵製造装置の多孔板を示す図であり、(a)は多孔板の平面図、(b)は
図6(a)のD-D断面図である。
図7は、本発明の実施形態に係る茹卵製造装置の樋部材を示す図であり、(a)は樋部材の平面図、(b)は樋部材の正面図、(c)は
図7(a)のE-E断面図である。
図8は、本発明の実施形態に係る茹卵製造装置の熱水製造部を示す模式図である。
【0027】
<茹卵製造装置の構成-2>
図1及び
図2に示す茹卵製造装置1は、茹卵製造ライン100の第1加熱装置141、又は第2加熱装置142を1ユニットとして構成されている。以下、いずれかの加熱装置141,142を茹卵製造装置1として説明する。
【0028】
<茹卵製造装置の構成-3>
図1及び
図2に示すように、茹卵製造装置1は、複数の殻付卵Eを保持する卵保持部10と、熱水を製造する熱水製造部20と、卵保持部10に熱水を供給し、殻付卵Eに熱水をかけ流す熱水供給部30と、を備える。
【0029】
<卵保持部の構成-1>
図1及び
図2に示すように、卵保持部10は、複数の殻付卵Eを保持するトレー11と、複数の殻付卵Eを保持したトレー11を略水平方向に搬送する搬送コンベア12と、を備える。
【0030】
<卵保持部の構成-2>
図3に示すように、トレー11は、所定の配列で複数の殻付卵Eを保持する。例えば、本実施形態のトレー11は、搬送方向に6個、搬送方向と直交する方向に5個、合計30個の殻付卵Eを並べて保持することができる。また、トレー11は、殻付卵Eに供給された熱水を下方に逃がす多数の孔(空隙11a)を有する。
【0031】
<卵保持部の構成-3>
図1及び
図2に示すように、搬送コンベア12は、搬送始端側及び搬送終端側に配置される一対の回転体121、122と、一対の回転体121、122に巻回される搬送体123と、を備える。本実施形態の搬送体123は、搬送方向と直交する方向に複数枚(例えば、6枚)のトレー11を並べて載置可能であり、回転体121又は回転体122の駆動回転に応じて、載置されたトレー11を順次搬送する。また、搬送体123は、殻付卵Eに供給された熱水を下方に逃がす空隙(図示せず)を有する。なお、本実施形態の卵保持部10は、搬送コンベア12上の着脱可能なトレー部材に殻付卵Eを積載した後、搬送コンベア12上にトレー部材を載置することになるが、搬送コンベア12上に搬送方向と直交する方向に延在し、かつ搬送方向に並列するように搬送コンベア12に設けられる卵保持部材を設けて殻付卵Eを直接載置するようにしてもよい。
【0032】
<熱水供給部の構成-1>
図4に示すように、熱水供給部30は、熱水を供給する複数の熱水供給口31と、複数の熱水供給口31から供給される熱水を貯留し、底部321に形成される複数の熱水流下孔321aから殻付卵Eに向けて熱水を流下させる熱水分配槽32と、熱水分配槽32内の熱水の水流及び熱水分配槽32の熱水流下孔321aから流下する熱水の水流のうち、少なくともいずれか一方の水流を安定させる熱水流安定手段と、を備える。本実施形態の熱水供給部30は、熱水流安定手段として多孔板33、樋部材34、及び多孔筒36を備えるが、いずれか一つでもよい。
【0033】
<熱水供給部の構成-2>
熱水供給部30が供給する熱水の温度は、90℃以上、好ましくは97~99℃である。また、殻付卵Eにかけ流す好ましい熱水の量は、1つの殻付卵Eあたり0.2~5.0L/分、より好ましくは、0.3~2.0L/分、さらに好ましくは、0.5~1.5L/分である。このようにすると、熱水をかけ流して殻付卵Eを加熱するにあたり、殻付卵Eを効率良く加熱することができる。
【0034】
<熱水分配槽の構成-1>
図4及び
図5に示すように、熱水分配槽32は、複数の熱水流下孔321aを有する底部321と、底部321の周縁部から立ち上がる側壁部322と、を備える。底部321に形成される複数の熱水流下孔321aの配列は、卵保持部材11に保持される複数の殻付卵Eの配列と一致することが望ましい。また、底部321の周縁部又は側壁部322の下端部には、多孔板33を所定の高さで支持する複数の多孔板支持部材323が設けられている。
【0035】
<多孔板の構成-1>
図4及び
図6に示すように、多孔板33は、熱水分配槽32内で熱水分配槽32の底部321と所定の間隔を介して対向するように配置され、熱水供給口31から供給される熱水を複数の孔331を介して熱水分配槽32の底部321に供給する。このような多孔板33によれば、熱水供給口31から供給される熱水の勢いを緩和しつつ、複数の孔331を介して熱水分配槽32の底部321に熱水を供給するので、熱水流下孔321aから流下する前に熱水の水流を安定させることができる。
【0036】
<多孔板の構成-2>
多孔板33に形成される孔331の数は、熱水分配槽32の底部321に形成される熱水流下孔321aの数よりも多いことが望ましい。このようにすると、1つの熱水流下孔321aに対して複数の孔331を介して熱水を供給できるので、熱水の水流をさらに安定させることができる。
【0037】
<多孔板の構成-2>
多孔板33に形成される孔331の合計孔面積は、熱水分配槽32の底部321に形成される熱水流下孔321aの合計孔面積よりも大きいことが望ましい。このようにすると、熱水分配槽32の底部321から流下する熱水の量が、多孔板33から流下する熱水の量を上回ることを防止し、熱水流下孔321aから流下する熱水の量を安定させることができる。
【0038】
<多孔板の構成-3>
多孔板33の周縁部と熱水分配槽32の側壁部322との間は、略隙間なく塞がれていることが望ましい。例えば、略隙間なく密着するように多孔板33及び熱水分配槽32の寸法を設定したり、隙間を塞ぐシール部材を設けたりする。このようにすると、多孔板33の周縁部と熱水分配槽32の側壁部322との間の隙間から流下する熱水によって水流が乱れることを防止できる。
【0039】
<樋部材の構成-1>
図4及び
図7に示すように、樋部材34は、熱水分配槽32内で多孔板33の上面と所定の間隔を介して対向する底部341と、底部341の周縁部から立ち上がる側壁部342と、を備える。なお、多孔板33を省く場合は、底部341が所定の間隔を介して熱水分配槽32の底部321と対向するように樋部材34を配置する。
【0040】
<樋部材の構成-2>
図4(a)に示すように、樋部材34は、平面視において、搬送方向の寸法、及び搬送方向と直交する方向の寸法が、熱水分配槽32の底部321及び多孔板33よりも小さい。樋部材34は、底部341に孔を有しておらず、側壁部342に複数の孔342aを有する。例えば、本実施形態の樋部材34は、搬送方向と直交する方向に沿う一対の側壁部342の下部に、搬送方向と直交する方向に並ぶ複数の孔342aが形成されている。このような樋部材34によれば、熱水供給口31から底部341に向かって吐出される熱水を貯留し、且つ側壁部342に形成される複数の孔342aを介して熱水分配槽32内に熱水を排出するので、熱水供給口31から供給される熱水の勢いを緩和しつつ、複数の孔342aを介して熱水分配槽32内に熱水を供給し、熱水分配槽32内の熱水の水流を安定させることができる。
【0041】
<多孔筒の構成>
図4(b)-2に示すように本発明の熱水流安定手段として熱水供給口31と直接接続される多孔筒36は、熱水分配槽32の長手方向と並行に位置していればよく、多孔筒36の底部361は、熱水分配槽32内で熱水分配槽32の底部321と、(又は、
図4(b)-2に例示するように多孔板33を有する場合は多孔板33と、)所定の間隔を介して対向している。多孔筒36は、複数の孔362を有するが、熱水供給口31の直下に位置する熱水分配槽32の底部321と対向する多孔筒36の底部361に孔を設けると、熱水分配槽32内の熱水の水流が乱れる虞があることから、熱水分配槽32の底部321(又は、多孔板33)と対向する多孔筒36の底部361には孔が設けられていない。多孔筒36の形状は、特に限定されず、立方体でも円筒でもよい。
【0042】
<熱水製造部の構成-1>
図8に示すように、熱水製造部20は、熱水供給部30が殻付卵Eにかけ流した水を回収する回収槽21と、回収槽21内の水を圧送する第1ポンプ22と、第1ポンプ22で圧送される水を貯留し、貯留した水を蒸気で加熱する蒸気加熱槽23と、蒸気加熱槽23で加熱された熱水を熱水供給部30に向けて圧送する第2ポンプ24と、を備える。このような熱水製造部20によれば、熱水供給部30が殻付卵Eにかけ流した水を回収する回収槽21と、回収した水を蒸気で加熱する蒸気加熱槽23と、を別々に備えるので、高温の熱水を蒸気加熱槽23に大量に貯留し、熱水供給部30に安定的に供給することができる。
【0043】
<熱水製造部の構成-2>
熱水を圧送する第2ポンプ24では、熱水の温度が所定の温度(例えば、97~98℃)を超えると、キャビテーションが生じてポンプ送液量が低下する。キャビテーションを回避するために蒸気加熱槽23の加熱温度を下げると、前述した最適な熱水温度(97~99℃)の達成が困難になる。そこで、本実施形態の熱水製造部20は、第2ポンプ24で圧送される熱水をさらに加熱する熱交換器25を備える。このような熱水製造部20によれば、蒸気加熱槽23の加熱温度(例えば、90℃)を抑制してキャビテーションを回避しつつ、第2ポンプ24で圧送される熱水を熱交換器25でさらに加熱することにより、最適な熱水温度を達成することができる。
【0044】
<実施形態の効果-1>
以上、説明した実施形態の効果について述べる。
実施形態の茹卵製造装置1は、複数の殻付卵Eを保持する卵保持部10と、熱水を供給する熱水供給部30と、を備え、殻付卵Eに熱水をかけ流して茹卵を製造する茹卵製造装置1であって、卵保持部10は、保持した殻付卵Eを略水平方向に搬送する搬送コンベア12(搬送手段)を備え、熱水供給部30は、熱水を供給する熱水供給口31と、熱水供給口31から供給される熱水を貯留し、底部321に形成される複数の熱水流下孔321a(孔)から殻付卵Eに向けて熱水を流下させる熱水分配槽32と、熱水分配槽32内の熱水の水流及び熱水分配槽32の熱水流下孔321aから流下する熱水の水流のうち、少なくともいずれか一方の水流を安定させる熱水流安定手段(多孔板33、樋部材34、多孔筒36)と、を備えるので、水流が安定した熱水を用いて高品質な茹卵をライン生産することができる。
【0045】
<実施形態の効果-2>
熱水流安定手段は、熱水供給口31と直接接続された複数の孔362を有した多孔筒36を備え、多孔筒36の底部361は熱水分配槽32内で熱水分配槽32の底部321(又は、多孔板33)と所定の間隔を介して対向し、熱水分配槽32の底部321と対向する多孔筒の底部361には孔が設けられていないので、熱水供給口31から供給される熱水を多孔筒36内の底部361で受け、熱水の勢いを緩和しつつ、複数の孔362を介して熱水分配槽32の底部321に熱水を供給することで、熱水流下孔321aから流下する前に熱水の水流を安定させることができる。
【0046】
<実施形態の効果-3>
熱水流安定手段は、熱水分配槽32内で熱水分配槽32の底部321と所定の間隔を介して対向し、熱水供給口31から供給される熱水を複数の孔331を介して熱水分配槽32の底部321に供給する多孔板33を備えるので、熱水供給口31から供給される熱水の勢いを緩和しつつ、複数の孔331を介して熱水分配槽32の底部321に熱水を供給することで、熱水流下孔321aから流下する前に熱水の水流を安定させることができる。
【0047】
<実施形態の効果-4>
多孔板33の周縁部と熱水分配槽32の側壁部322との間の隙間が塞がれるので、多孔板33の周縁部と熱水分配槽32の側壁部322との間の隙間から流下する熱水によって水流が乱れることを防止できる。
【0048】
<実施形態の効果-5>
熱水流安定手段は、熱水分配槽32内で熱水分配槽32の底部321(又は、多孔板33)と所定の間隔を介して対向し、熱水供給口31から供給される熱水を貯留し、且つ側壁部342に形成される複数の孔342aを介して熱水分配槽32内に熱水を排出する樋部材34を備えるので、熱水供給口31から供給される熱水の勢いを緩和しつつ、複数の孔342aを介して熱水分配槽32内に熱水を供給することで、熱水分配槽32内の熱水の水流を安定させることができる。
【0049】
<実施形態の効果-6>
熱水供給部30が供給する熱水の温度は、90℃以上、好ましくは97~99℃であるため、熱水をかけ流して殻付卵Eを加熱するにあたり、殻付卵Eを効率良く加熱することができる。
【0050】
<実施形態の効果-7>
殻付卵Eにかけ流す熱水の量は、1つの殻付卵Eあたり0.2~5.0L/分であるため、熱水をかけ流して殻付卵Eを加熱するにあたり、熱水流安定手段で熱水の水流を安定させながら、可及的に少量の熱水で殻付卵Eを効率良く加熱することができる。
【0051】
<実施形態の効果-8>
茹卵製造装置1は、熱水を製造する熱水製造部20をさらに備え、熱水製造部20は、蒸気で水を加熱する蒸気加熱槽23と、蒸気加熱槽23で加熱された熱水を圧送する第2ポンプ24(ポンプ)と、第2ポンプ24で圧送される熱水を加熱する熱交換器25と、を備えるので、蒸気加熱槽23の加熱温度を抑えてキャビテーションを回避しつつ、熱交換器25による加熱で最適な熱水温度を達成できる。
【0052】
<第2実施形態の説明-1>
つぎに、本発明の第2実施形態に係る茹卵製造装置1Bについて、
図9を参照して説明する。ただし、前記実施形態と共通の構成については、前記実施形態と同じ符号を用い、詳細な説明を省略する。
図9は、本発明の第2実施形態に係る茹卵製造装置の熱水供給部を示す図であり、(a)は熱水供給部の平面図、(b)は
図9(a)のF-F断面図である。
【0053】
<第2実施形態の説明-2>
図9に示すように、第2実施形態に係る茹卵製造装置1Bの熱水供給部30Bでは、樋部材34が省かれており、熱水供給口31は、多孔板33Bの上面に向けて熱水を吐出する。このような構成では、熱水供給口31の直下に位置する多孔板33Bの孔331から下方に勢い良く熱水が噴き出し、多孔板33Bの下方において熱水の水流が大きく乱れる虞がある。
【0054】
<第2実施形態の説明-3>
そこで、第2実施形態の多孔板33Bでは、熱水供給口31と対向する領域の孔331が塞がれる。具体的には、熱水供給口31と対向する領域の孔331を塞ぐ板部材332が多孔板33Bに設けられる。このような第2実施形態の熱水供給部30Bによれば、樋部材34を省いてコストを低減しつつ、熱水分配槽32内の熱水の水流を安定させることができる。
【0055】
<第3実施形態の説明-1>
つぎに、本発明の第3実施形態に係る茹卵製造装置1Cについて、
図10を参照して説明する。ただし、前記実施形態と共通の構成については、前記実施形態と同じ符号を用い、詳細な説明を省略する。
図10は、本発明の第3実施形態に係る茹卵製造装置の熱水分配槽及びガイド棒を示す図であり、(a)は熱水分配槽及びガイド棒の平面図、(b)は
図10(a)のG-G断面図である。
【0056】
<第3実施形態の説明-2>
図10に示すように、第3実施形態に係る茹卵製造装置1Cの熱水供給部30Cは、熱水流安定手段としてガイド棒351を備える。ガイド棒351は、熱水分配槽32の熱水流下孔321aから垂下し、熱水流下孔321aから流下する熱水をガイドすることで、その水流を安定させる。このようなガイド棒351によれば、熱水分配槽32の熱水流下孔321aから流下する熱水を精度良く殻付卵Eにかけ流すことができる。
【0057】
<第3実施形態の説明-3>
具体的に説明すると、本実施形態のガイド棒351は、ガイド部材35に形成されている。ガイド部材35は、一対のガイド棒351と、一対のガイド棒351の上端部同士を連結する連結部352と、を一体に有するコ字形状の線状部材であり、一対のガイド棒351を隣接する熱水流下孔321aに上方から挿通することにより、熱水分配槽32の底部321に取り付けられる。なお、図示は省略するが、ガイド棒351の代わりにガイド管を熱水流下孔321aから垂下させ、熱水流下孔321aから流下する熱水をガイド管の内周又は外周でガイドしてもよい。
【0058】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0059】
1、1B、1C 茹卵製造装置
10 卵保持部
11 卵保持部材
11a 空隙
12 搬送コンベア
121 回転体
122 回転体
123 搬送体
20 熱水製造部
21 回収槽
22 第1ポンプ
23 蒸気加熱槽
24 第2ポンプ
25 熱交換器
30、30B、30C 熱水供給部
31 熱水供給口
32 熱水分配槽
321 底部
321a 熱水流下孔
322 側壁部
323 多孔板支持部材
33、33B 多孔板
331 孔
332 板部材
34 樋部材
341 底部
342 側壁部
342a 孔
35 ガイド部材
351 ガイド棒
352 連結部
36 多孔筒
361 底部
362 孔
100 茹卵製造ライン
102 搬送コンベア
140 卵加熱部
141、142 加熱装置
【手続補正書】
【提出日】2021-09-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の殻付卵を保持する卵保持部と、
熱水を供給する熱水供給部と、を備え、
殻付卵に熱水をかけ流して茹卵を製造する茹卵製造装置であって、
前記卵保持部は、保持した殻付卵を略水平方向に搬送する搬送手段を備え、
前記熱水供給部は、
熱水を供給する熱水供給口と、
前記熱水供給口から供給される熱水を貯留し、底部に形成される複数の孔から殻付卵に向けて熱水を流下させる熱水分配槽と、
前記熱水分配槽内の熱水の水流及び前記熱水分配槽の孔から流下する熱水の水流のうち、少なくともいずれか一方の水流を安定させる熱水流安定手段と、を備え、
前記熱水流安定手段は、前記熱水分配槽内で前記熱水分配槽の底部と所定の間隔を介して対向し、前記熱水供給口から供給される熱水を貯留し、且つ側壁部に形成される複数の孔を介して前記熱水分配槽内に熱水を排出する樋部材を備える、茹卵製造装置。
【請求項2】
複数の殻付卵を保持する卵保持部と、
熱水を供給する熱水供給部と、を備え、
殻付卵に熱水をかけ流して茹卵を製造する茹卵製造装置であって、
前記卵保持部は、保持した殻付卵を略水平方向に搬送する搬送手段を備え、
前記熱水供給部は、
熱水を供給する熱水供給口と、
前記熱水供給口から供給される熱水を貯留し、底部に形成される複数の孔から殻付卵に向けて熱水を流下させる熱水分配槽と、
前記熱水分配槽内の熱水の水流及び前記熱水分配槽の孔から流下する熱水の水流のうち、少なくともいずれか一方の水流を安定させる熱水流安定手段と、を備え、
前記熱水流安定手段は、前記熱水供給口と直接接続される多孔筒であり、
前記多孔筒は、複数の孔を有し、
前記多孔筒の底部は前記熱水分配槽内で前記熱水分配槽の底部と所定の間隔を介して対向し、
前記熱水分配槽の底部と対向する前記多孔筒の底部には前記孔が設けられていない、茹卵製造装置。
【請求項3】
複数の殻付卵を保持する卵保持部と、
熱水を供給する熱水供給部と、を備え、
殻付卵に熱水をかけ流して茹卵を製造する茹卵製造装置であって、
前記卵保持部は、保持した殻付卵を略水平方向に搬送する搬送手段を備え、
前記熱水供給部は、
熱水を供給する熱水供給口と、
前記熱水供給口から供給される熱水を貯留し、底部に形成される複数の孔から殻付卵に向けて熱水を流下させる熱水分配槽と、
前記熱水分配槽内の熱水の水流及び前記熱水分配槽の孔から流下する熱水の水流のうち、少なくともいずれか一方の水流を安定させる熱水流安定手段と、を備え、
熱水を製造する熱水製造部をさらに備え、
前記熱水製造部は、
蒸気で水を加熱する蒸気加熱槽と、
前記蒸気加熱槽で加熱された熱水を圧送するポンプと、
前記ポンプで圧送される熱水を加熱する熱交換器と、を備える、茹卵製造装置。
【請求項4】
請求項1に記載の茹卵製造装置であって、
前記熱水流安定手段は、前記熱水分配槽内で前記熱水分配槽の底部と所定の間隔を介して対向し、前記熱水供給口から供給される熱水を複数の孔を介して前記熱水分配槽の底部に供給する多孔板を備え、
前記熱水供給口は、前記多孔板の上面に向けて熱水を吐出し、
前記多孔板は、前記熱水供給口と対向する領域の孔が塞がれる、茹卵製造装置。
【請求項5】
請求項4に記載の茹卵製造装置であって、
前記多孔板の周縁部と前記熱水分配槽の側壁部との間の隙間が塞がれる、茹卵製造装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の茹卵製造装置であって、
前記熱水流安定手段は、前記熱水分配槽の孔から垂下するガイド棒又はガイド管を備える、茹卵製造装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の茹卵製造装置であって、
前記熱水供給部が供給する熱水の温度は、90~99℃である、茹卵製造装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の茹卵製造装置であって、
殻付卵にかけ流す熱水の量は、1つの殻付卵あたり0.2~5.0L/分である、茹卵製造装置。
【請求項9】
複数の殻付卵を保持する卵保持部と、
熱水を供給する熱水供給部と、を備え、
殻付卵に熱水をかけ流して茹卵を製造する茹卵製造方法であって、
前記卵保持部は、保持した殻付卵を略水平方向に搬送する搬送手段を備え、
前記熱水供給部は、
熱水を供給する熱水供給口と、
前記熱水供給口から供給される熱水を貯留し、底部に形成される複数の孔から殻付卵に向けて熱水を流下させる熱水分配槽と、
前記熱水分配槽内の熱水の水流及び前記熱水分配槽の孔から流下する熱水の水流のうち、少なくともいずれか一方の水流を安定させる熱水流安定手段と、を備え、
前記熱水流安定手段は、前記熱水分配槽内で前記熱水分配槽の底部と所定の間隔を介して対向し、前記熱水供給口から供給される熱水を貯留し、且つ側壁部に形成される複数の孔を介して前記熱水分配槽内に熱水を排出する樋部材を備える、茹卵製造方法。
【請求項10】
複数の殻付卵を保持する卵保持部と、
熱水を供給する熱水供給部と、を備え、
殻付卵に熱水をかけ流して茹卵を製造する茹卵製造方法であって、
前記卵保持部は、保持した殻付卵を略水平方向に搬送する搬送手段を備え、
前記熱水供給部は、
熱水を供給する熱水供給口と、
前記熱水供給口から供給される熱水を貯留し、底部に形成される複数の孔から殻付卵に向けて熱水を流下させる熱水分配槽と、
前記熱水分配槽内の熱水の水流及び前記熱水分配槽の孔から流下する熱水の水流のうち、少なくともいずれか一方の水流を安定させる熱水流安定手段と、を備え
前記熱水流安定手段は、前記熱水供給口と直接接続される多孔筒であり、
前記多孔筒は、複数の孔を有し、
前記多孔筒の底部は前記熱水分配槽内で前記熱水分配槽の底部と所定の間隔を介して対向し、
前記熱水分配槽の底部と対向する前記多孔筒の底部には前記孔が設けられていない、茹卵製造方法。
【請求項11】
複数の殻付卵を保持する卵保持部と、
熱水を供給する熱水供給部と、を備え、
殻付卵に熱水をかけ流して茹卵を製造する茹卵製造方法であって、
前記卵保持部は、保持した殻付卵を略水平方向に搬送する搬送手段を備え、
前記熱水供給部は、
熱水を供給する熱水供給口と、
前記熱水供給口から供給される熱水を貯留し、底部に形成される複数の孔から殻付卵に向けて熱水を流下させる熱水分配槽と、
前記熱水分配槽内の熱水の水流及び前記熱水分配槽の孔から流下する熱水の水流のうち、少なくともいずれか一方の水流を安定させる熱水流安定手段と、を備え、
熱水を製造する熱水製造部をさらに備え、
前記熱水製造部は、
蒸気で水を加熱する蒸気加熱槽と、
前記蒸気加熱槽で加熱された熱水を圧送するポンプと、
前記ポンプで圧送される熱水を加熱する熱交換器と、を備える、茹卵製造方法。