(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022133924
(43)【公開日】2022-09-14
(54)【発明の名称】中空被覆撚り線の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01H 11/00 20060101AFI20220907BHJP
【FI】
H01H11/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021032883
(22)【出願日】2021-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】日立金属株式会社
(72)【発明者】
【氏名】和田 純
【テーマコード(参考)】
5G023
【Fターム(参考)】
5G023BA02
5G023CA50
(57)【要約】 (修正有)
【課題】中空被覆撚り線の中空部を形成するサイドダミー線の引抜きを容易にした、中空被覆撚り線の製造方法を提供する。
【解決手段】サイドダミー線1と導線2とを、センターダミー線の周りに巻きつけて撚り線を形成し、前記撚り線の周りに外皮6を被覆して被覆線4を形成し、前記被覆線の端部から前記センターダミー線と前記サイドダミー線とを引抜いた中空被覆撚り線において、前記被覆線の端部側の一部の外皮を、前記端部方向に移動させて引抜いて、前記撚り線を露出させるストリップ工程と、前記ストリップ工程を経た前記撚り線から前記センターダミー線を引抜くセンターダミー線引抜き工程と、露出した前記撚り線の前記サイドダミー線と前記導線を、前記被覆線の半径方向に押し広げて分離する撚り線分離工程と、分離した前記サイドダミー線の夫々をクランプし、前記被覆線から引抜くサイドダミー線引抜き工程を有している。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイドダミー線と導線とを、センターダミー線の周りに巻きつけて撚り線を形成し、
該撚り線周りに外皮を被覆して被覆線を形成し、該被覆線の端部から前記センターダミー線と前記サイドダミー線とを引抜いて中空被覆撚り線を形成する、中空被覆撚り線の製造方法であって、
前記被覆線の端部側の一部の外皮を、前記端部方向に移動させて引抜いて、前記撚り線を露出させるストリップ工程と、
前記ストリップ工程を経た前記撚り線から前記センターダミー線を引抜くセンターダミー線引抜き工程と、
露出した前記撚り線の前記サイドダミー線と前記導線を、前記被覆線の半径方向に押し広げて分離する撚り線分離工程と、
分離した前記サイドダミー線の夫々を個々にクランプし、前記被覆線から引抜くサイドダミー線引抜き工程と、
を有する中空被覆撚り線の製造方法。
【請求項2】
前記ストリップ工程が、
前記被覆線の端部から第1の位置までの前記外皮、前記サイドダミー線及び前記導線を、前記端部方向に移動させて引き抜いて、前記センターダミー線を露出させる第1ストリップ加工と、
前記第1ストリップ加工に続いて、前記第1の位置よりも前記被覆線の端部から遠い第2の位置までの前記外皮を、前記端部方向に移動させて引き抜いて、前記センターダミー線と前記撚り線を露出させる第2ストリップ加工と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の中空被覆撚り線の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、感圧センサーケーブル等に用いられる、中空被覆撚り線の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の電動スライドドアや電動バックドアに、手足等の挟み込みを検出する手段として、感圧センサを用いることがある。この感圧センサには、主に中空被覆撚り線が用いられることが多い。
【0003】
上述の中空被覆撚り線は、中空の被覆中に、複数導線をらせん状にかつ間隔を空けて配し、過度の圧力により中空被覆が潰れると、間隔を空けた導線同士が接触するようにしている。
この接触を電気的に検出することにより、手足等の挟み込みを検出できるようにしている。
【0004】
上述の中空被覆撚り線を製造する方法としては、サイドダミー線と導線とを、センターダミー線の周りに螺旋状に巻き付けて撚り線とし、その撚線を内包するように被覆することから成る被覆線を準備して、その被覆線の一端部から、センターダミー線とサイドダミー線の夫々をグリッパで掴んで引き抜き、空間を生み出すことによって製造する(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
ここで、中空被覆撚り線を製造する際、その被覆線の一端部から、センターダミー線とサイドダミー線の夫々を引き抜く一つの方法として、被覆線の一端部をストリップし、センターダミー線とサイドダミー線とを、被覆線の一端部に露出してから引抜く方法が考えられる。
【0006】
また、別の方法としては、被覆線の一端部をセミストリップし、撚り線の一部を露出させ、セミストリップされた被覆線外皮部分を把持し、撚り方向と逆方向に回転させて撚り線の撚りをほぐしたのちに、前記セミストリップ方向と逆方向に移動させ、サイドダミー線の一部を半径方向に突出させることで、サイドダミー線の引抜きを容易にする方法が考えられている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2017-152248号公報
【特許文献2】特開2019-61922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、被覆線の一端部の外皮をストリップし、露出したセンターダミー線とサイドダミー線とを単に引抜く方法では、サイドダミー線の露出形状がバラバラになることがあり、この状態のダミー線を機械的に引抜くためには、ダミー線の露出方向と露出位置を、高度な認識技術によって3次元的に検出しなければならないという問題があった。また、特許文献2の方法では、外皮部分の回転にサイドダミー線の回転が追従しないことや、サイドダミー線を突出させた際、サイドダミー線の湾曲方向が定まらないといった課題があった。
【0009】
そこで本発明は、中空被覆撚り線の中空部を形成するサイドダミー線の引抜きを容易にした、中空被覆撚り線の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の中空被覆撚り線の製造方法は、サイドダミー線と導線とを、センターダミー線の周りに巻きつけて撚り線を形成し、該撚り線周りに外皮を被覆して被覆線を形成し、該被覆線の端部から前記センターダミー線と前記サイドダミー線とを引抜いて中空被覆撚り線を形成する、中空被覆撚り線の製造方法であって、前記被覆線の端部側の一部の外皮を、前記端部方向に移動させて引抜いて、前記撚り線を露出させるストリップ工程と、
前記ストリップ工程を経た前記撚り線から前記センターダミー線を引抜くセンターダミー線引抜き工程と、露出した前記撚り線の前記サイドダミー線と前記導線を、前記被覆線の半径方向に押し広げて分離する撚り線分離工程と、分離した前記サイドダミー線の夫々を個々にクランプし、前記被覆線から引抜くサイドダミー線引抜き工程を有している。
【0011】
また、本発明の中空被覆撚り線の製造方法では、前記ストリップ工程が、前記被覆線の端部から第1の位置までの前記外皮、前記サイドダミー線及び前記導線を、前記端部方向に移動させて引き抜いて、前記センターダミー線を露出させる第1ストリップ加工と、前記第1ストリップ加工に続いて、前記第1の位置よりも前記被覆線の端部から遠い第2の位置までの前記外皮を、前記端部方向に移動させて引き抜いて、前記センターダミー線と前記撚り線を露出させる第2ストリップ加工とを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、中空被覆撚り線の中空部を形成するサイドダミー線の引抜きを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に用いられる被覆線の一例を示す模式図である。
【
図2】本発明の実施形態により製造される中空被覆撚り線の一例を示す模式図である。
【
図3】本発明の実施形態における、全体工程を示すフローである。
【
図4】本実施形態における、ストリップ工程を説明する概念図である。
【
図5】本実施形態における、センターダミー線引抜き工程を説明する概念図である。
【
図6】本実施形態における、撚り線分離工程を説明する概念図である。
【
図7】本実施形態における、サイドダミー線引抜き説明する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一つの実施形態を示した中空被覆撚り線の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0015】
なお、本実施形態では、
図1に示すように、サイドダミー線1と導線2とを、センターダミー線3の周りに螺旋状に巻き付けて撚り線とし、その撚り線を内包するように被覆して成る被覆線4を準備して、その被覆線4からサイドダミー線1と、センターダミー線3を引抜くことによって、
図2に示すような中空被覆撚り線5を製造する。ここで、導線2は、金属線周りに導電性の被覆が施されていて、導線2同士が接触したときに、両導線2間において電気的導通が得られるようになっている。
【0016】
本実施形態は、
図3のフロー図に示すように、被覆線4の一端部近傍の被覆(外皮6)を除去し、撚り線の一部を露出させるストリップ工程、露出させた撚り線の一部から、センターダミー線3を引抜くセンターダミー線引抜き工程、センターダミー線3が引き抜かれた状態の被覆線4に、分離ピン7を押し当てることにより、サイドダミー線1と導線2とを、被覆線4の半径方向に突出させる撚り線分離工程と、突出させたサイドダミー線1の夫々の一部を個々に引き出し、被覆線4から引抜くサイドダミー線引抜き工程を有する。これら工程を順に行うことにより中空被覆撚り線5を製造する。以下、各工程について詳細に説明する。
【0017】
(ストリップ工程)
本工程では、被覆線4の一端部近傍に対してストリップ加工を行う。ここで、ストリップ加工とは、被覆線4の一端から所定の位置(以下、ストリップ箇所と示す)までの被覆線4の構成要素(サイドダミー線1、導線2、外皮6のうち少なくとも一種)を、被覆線4から除去することをいう。そして、その方法は、例えば、被覆線4の一端部近傍の外皮6を除去する場合、ストリップ箇所における被覆線4の外皮6に、刃(以下、ストリップ刃と示す)を当てて外皮6の深さだけ切込む、その後、ストリップ刃若しくは被覆線4を回転させることによって外皮6に切込みを入れてから、外皮6のみを取り除く加工である。
【0018】
特に、本実施形態では、センターダミー線3の引抜きを容易にするため、段付きストリップ加工を行う例を説明する。ここで、段付きストリップ加工とは、ストリップ箇所が複数あり、ストリップ箇所ごとに、ストリップ刃で切込みを入れる深さ(以下、ストリップ深さと示す)を変えてストリップ加工する方法である。段付きストリップ加工によって、除去する被覆線の構成要素を変えることができる。
【0019】
本実施形態における段付きストリップ加工は、被覆線4の一端部先端から第1のストリップ箇所(第1の位置)までの、サイドダミー線1と導線2と外皮6とを除去して、センターダミー線3を露出させる第1ストリップ加工と、第1ストリップ加工に続いて、被覆線4のサイドダミー線1と導線2と外皮6の一端部から第2のストリップ箇所(第2の位置)までに存在する外皮6のみを取り除く第2ストリップ加工からなる。
【0020】
第1ストリップ加工は、
図4に示すように、被覆線4の表面からセンターダミー線3表面までストリップ刃で切り込み、切断した被覆線4のサイドダミー線1、導線2及び外皮6を、被覆線4から離す方向(端部方向)に相対的に移動させることによって、センターダミー線3を露出することができる。
【0021】
また、第2ストリップ加工は、
図4に示すように、被覆線4の表面からサイドダミー線1と導線2からなる撚り線の外周までストリップ刃で切り込み、切断した外皮6を、被覆線4から離す方向(端部方向)に相対的に移動させることによって、サイドダミー線1と導線2からなる撚り線を露出することができる。
【0022】
なお、第2ストリップ加工を先に行うと、露出した撚り線をストリップ刃で切断する際に、撚り線がばらけてしまうこと、つまり、サイドダミー線1と導線2がセンターダミー線3の周りに螺旋状に巻き付けられている撚り線の形状が崩れてしまうことがあるため、第1ストリップ加工を先に行うことが望ましい。
【0023】
第1ストリップ加工によって除去される、外皮6とサイドダミー線1と導線2からなる撚り線の長さは、センターダミー線3を引抜く際に、十分な掴みしろとなる長さであればよい。本実施形態の例においては、掴みしろは1.5mm以上あればグリッパが滑ることなく引抜くことができた。
【0024】
第2ストリップ加工によって除去する外皮6の長さは、ストリップ後の撚り線がばらけないように、可能な限り短い方が好ましい。かつ、サイドダミー線1を引抜く際に、十分な掴みしろとなる長さであればよい。本実施形態の例においては、サイドダミー線1を引抜く際、掴みしろが1.5mm以上あればグリッパが滑ることなく引抜くことができた。
【0025】
(センターダミー線引抜き工程)
次に、ストリップ工程に引き続き、センターダミー線3を引抜くセンターダミー線引抜き工程を行う。
【0026】
まず、センターダミー線3の引抜きは、
図5に示すように、先端クランプ8により被覆線4の一方端を、後端クランプ9により被覆線4の他方端を把持した後、ストリップ工程において被覆線4の端部に突出したセンターダミー線3を、引抜きグリッパ10により把持し、引抜きグリッパ10を、被覆線4から離す方向に移動して、センターダミー線3を引抜く。
【0027】
ここで、センターダミー線3の引抜きでは、後端クランプ9を前進させ、被覆線4を弛ませることが好ましい。また、後端クランプ9側から、被覆線4内にガスを流し込むことが好ましい。このようにすることで、被覆線4を膨らませた状態にし、被覆線4内に空間を形成できるようにして、センターダミー線3を引抜く際の引抜き抵抗を小さくすることができる。
【0028】
なお、センターダミー線3は、被覆線4の先端部から被覆線4の軸心の延長線上に突出する。したがって、センターダミー線3の突出位置は容易に特定できるが、外部センサ等を用いて、センターダミー線3の位置検出をしても良い。
【0029】
(撚り線分離工程)
次にサイドダミー線1と導線2とを、被覆線4の先端部において、半径方向に突出させる撚り線分離工程を行う。
【0030】
本実施形態では、まず、
図6(a)に示すように、センターダミー線引抜き工程においてセンターダミー線3が引き抜かれたことにより、撚り線中心に形成された中空空間に、分離ピン7Aを挿入する。分離ピン7Aは、
図6(b)に示すように、ピン先端がテーパー状に加工されており、中空空間に挿入する際に撚り線を軸方向に押しつぶしてしまうことなく挿入できる。例えば、本実施形態において、分離ピン7Aのテーパー角度は30°である。
【0031】
分離ピン7Aが挿入されると、
図6(b)に示すように、撚り線は、分離ピン7Aのテーパー面に沿って半径方向に押し広げられる。その後、分離ピン7Aを引抜くことにより、撚り線は押し広げられた形状に変形した状態を維持することができる。
【0032】
次に、
図6(c)に示すように、分離ピン7Aが挿入され、撚り線が押し広げられたことによって、撚り線の中心に形成された空間に、分離ピン7Bを挿入する。分離ピン7Bは、先端がR状(球面状)に加工されており、テーパー面よりも撚り線との接触角度が大きいため、撚り線が半径方向に広がりやすく、かつ、中空空間に挿入する際に撚り線を軸方向に押しつぶしてしまうことなく挿入できる。例えば、本実施形態において、分離ピン7BのR値は2mmである。ここで、R値とは分離ピン7B先端の加工面の曲率半径のことである。
【0033】
分離ピン7Bが挿入されると、
図6(d)に示すように、撚り線は分離ピン7BのR面(球面)に沿って半径方向に押し広げられる。その後、分離ピン7Bを引抜くことにより、
図6(e)に示すように、撚り線は押し広げられ、被覆線の端部において、サイドダミー線と導線は分離された状態にすることができる。
【0034】
本実施形態では、上述のように分離ピン7Aと7Bを用いた工程を示したが、一つの分離ピン7を用いてサイドダミー線と導線を押し広げて分離しても良い。
【0035】
ここで、
図6(f)に示すように、分離ピン7、7A、7Bは、エアシリンダなどのアクチュエータ11の先端に取り付けて、先端クランプ8との軸心を合わせたうえで、被覆線4の中心軸に沿って挿入することが好ましい。
【0036】
なお、分離ピン7、7A、7Bの先端形状は、撚り線中心に形成された空間に挿入することができ、かつ、撚り線を半径方向に押し広げることができる形状であれば、上記の形状に限定されることはない。
【0037】
また、分離ピン7、7A、7Bの中心軸上に、センターダミー線3を挿入することができる穴加工を施すことにより、センターダミー線引抜き工程を行う前に、撚り線分離工程を行うことができる。これにより、センターダミー線3を引抜く際に、センターダミー線3と撚り線とが接触し、撚線形状が崩れてしまうことを防止できる。さらに、分離ピン7、7A、7Bを分割し、分離ピン7、7A、7Bの中心軸上でセンターダミー線3を挟み込む構造としてもよい。
【0038】
(サイドダミー線引抜き工程)
最後に、撚り線分離工程に引き続き、突出させた撚り線のうち、サイドダミー線1の夫々の一部を個々に引き出し、被覆線4から引抜くサイドダミー線引抜き工程を行う。
【0039】
サイドダミー線1の引抜きは、
図7に示すように、センターダミー線引抜き工程と同様に、先端クランプ8により被覆線4の一方端を、後端クランプ9により被覆線4の他方端を把持した後、第3工程において被覆線4の端部の半径方向に押し広げられたサイドダミー線1を、引抜きグリッパ10により把持し、引抜きグリッパ10を、被覆線4から離す方向に移動して、サイドダミー線1を引抜く。
【0040】
なお、サイドダミー線1を画像センサなどにより検出し、検出結果に基づいて、サイドダミー線1の位置を特定する。サイドダミー線1は、被覆線4の軸心から放射状に突出する。したがって、被覆線4に沿った突出位置は特定できるので、被覆線4の軸心からの突出角度を特定すれば、サイドダミー線1の突出位置を3次元的に特定することができる。
【0041】
以上のサイドダミー線1の引抜き作業を、全てのサイドダミー線1を引き抜くまで繰り返し、中空被覆撚り線5を形成する。
【0042】
以上のように、本発明によれば、ダミー線分離工程において、サイドダミー線1を被覆線4の半径方向に、放射状に分離させている。このようにすることで、サイドダミー線1は、所定の間隔に分離した状態にて撚り線、すなわち、被覆線4から突出し、サイドダミー線引抜き工程において、高度な検出技術を必要とすることなく、突出したサイドダミー線1の位置を容易に検出することができ、サイドダミー線1の引抜きを容易にすることができる。
【0043】
また、本発明によれば、ストリップ工程において、サイドダミー線1とセンターダミー線3を、引抜きグリッパ10が滑ることなく引抜くことができる最小のストリップ長さで、中空被覆撚り線5の製造が可能となるので、製品歩留まりが向上し、製造コストを抑えることができる。
【0044】
以上、本発明である中空被覆撚り線の製造方法について、実施形態を用いて説明してきたが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
特許請求の範囲に記載された技術範囲において、その内容を変更することができるものである。
【符号の説明】
【0045】
1:サイドダミー線
2:導線
3:センターダミー線
4:被覆線
5:中空被覆撚り線
6:外皮
7、7A、7B:分離ピン
8:先端クランプ
9:後端クランプ
10:引抜きグリッパ
11:アクチュエータ