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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022134597
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】放射線管及び放射線源
(51)【国際特許分類】
   H05G 1/06 20060101AFI20220908BHJP
【FI】
H05G1/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021033834
(22)【出願日】2021-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松浦 正佳
【テーマコード(参考)】
4C092
【Fターム(参考)】
4C092AA01
4C092AB17
4C092AB27
4C092AC01
4C092AC20
4C092BB12
4C092BB17
4C092BB23
(57)【要約】
【課題】放射線管を備える放射線源を従来よりも小型化することができる、放射線管及び放射線源を提供する。
【解決手段】放射線管60は、放射線画像撮影用の放射線源に用いられる放射線管60であって、電子を放出するエミッタ電極92を有するカソード部90、及びゲート電極96を有する電子放出部72と、カソード部90と対向するアノード面75を有し電子が衝突することにより放射線Rを発生するアノード部74と、ゲート電極96に定電圧の駆動電圧を供給する定電圧供給部70と、定電圧供給部70子、電子放出部72、及びアノード部74を収容する真空管76と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線画像撮影用の放射線源に用いられる放射線管であって、
電子を放出するエミッタ電極を有するカソード部、及びゲート電極を有する電子放出部と、
前記カソード部と対向するアノード面を有し前記電子が衝突することにより放射線を発生するアノード部と、
前記ゲート電極に定電圧の駆動電圧を供給する定電圧供給部と、
前記電子放出部、前記アノード部、及び前記定電圧供給部を収容する真空管と、
を備えた放射線管。
【請求項2】
前記定電圧供給部は、前記ゲート電極と前記カソード部とに対して並列に接続されたツェナーダイオード、及び前記ツェナーダイオードに並列に接続された平滑コンデンサを含む
請求項1に記載の放射線管。
【請求項3】
前記定電圧供給部は、前記ツェナーダイオードに直列に接続された温度補償用ダイオードをさらに含む
請求項2に記載の放射線管。
【請求項4】
前記定電圧供給部のうち少なくとも前記ツェナーダイオードは、前記電子放出部と同一基板上に搭載されている、
請求項2または請求項3に記載の放射線管。
【請求項5】
前記定電圧供給部が形成された定電圧基板は、前記電子放出部が形成された電子放出部用基板と接触した状態で配置されている
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の放射線管。
【請求項6】
前記定電圧供給部が形成された定電圧基板は、前記電子放出部が形成された電子放出部用基板とは間隔を空けて配置されている
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の放射線管。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の放射線管と、
前記放射線管の真空管の外部に設けられ、昇圧したアノード電圧を前記アノード部に供給する陽極側昇圧回路部と、
前記真空管の外部に設けられ、昇圧したカソード電圧を前記カソード部に供給する陰極側昇圧回路部と、
を備えた放射線源。
【請求項8】
前記陰極側昇圧回路部が昇圧した駆動電圧は、前記陽極側昇圧回路部が昇圧した電源電圧よりも大きい
請求項7に記載の放射線源。
【請求項9】
前記陽極側昇圧回路部は、陽極トランスを有し、
前記陰極側昇圧回路部は、1次側のコイルの巻き線の巻き数に対する2次側のコイルの巻き線の巻き数の比が前記陽極トランスよりも大きい陰極トランスを有する
請求項8に記載の放射線源。
【請求項10】
前記陽極側昇圧回路部は、昇圧された電源電圧に応じた電荷を蓄積する陽極コンデンサを有し、
前記陰極側昇圧回路部は、昇圧された前記駆動電圧に応じた電荷を蓄積し、かつ前記陽極コンデンサよりも容量が大きい陰極コンデンサを有する
請求項8または請求項9に記載の放射線源。
【請求項11】
前記放射線管を収容するハウジングをさらに備えた
請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の放射線源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、放射線管及び放射線源に関する。
【背景技術】
【0002】
被写体の放射線画像を撮影する場合に被写体に向けて放射線を出射する放射線源が知られている。放射線源は、放射線を発生する放射線管を有する。放射線管としては、電極としてのフィラメントを加熱して熱電子を放出する放射線管の他に、電極を加熱せずに電子を放出する冷陰極を備えた放射線管が知られている。こうした放射線管は、カソード部とカソード部に電圧を印加するためのゲート電極とを有し、冷陰極を構成する電子放出部と、カソード部と対向するアノード面を有するアノード部と、ゲート電極に定電圧の駆動電圧を供給する定電圧供給部と、を備えている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の放射線管は、真空管内に電子放出部とアノード部とが収容されており、真空管の外部に定電圧供給部を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-33411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
放射線源は、放射線管を収容するハウジングを備えている。放射線管の真空管の外部でかつハウジング内に定電圧供給部を設けた場合、ハウジングの外壁はグランド電位となっているため、定電圧供給部とハウジングとの外壁に十分な距離が必要とされる。例えば、定電圧供給部が形成された定電圧基板と、ハウジングの外壁との間を十分に離間して設ける必要がある。そのため、従来の技術では、ハウジングのサイズを大型化する必要があるため、放射線源の全体のサイズが比較的、大型化してしまうという問題があった。
【0005】
放射線画像撮影装置は小型化の要望があり、特に、放射線源を移動させる移動機構を有する場合は、放射線源の小型化の要望が強い。
【0006】
本開示は、以上の事情を鑑みて成されたものであり、放射線管を備える放射線源を従来よりも小型化することができる、放射線管及び放射線源を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本開示の第1の態様の放射線管は、放射線画像撮影用の放射線源に用いられる放射線管であって、電子を放出するエミッタ電極を有するカソード部、及びゲート電極を有する電子放出部と、カソード部と対向するアノード面を有し電子が衝突することにより放射線を発生するアノード部と、ゲート電極に定電圧の駆動電圧を供給する定電圧供給部と、電子放出部、アノード部、及び定電圧供給部を収容する真空管と、を備える。
【0008】
本開示の第2の態様の放射線管は、第1の態様の放射線管において、定電圧供給部は、ゲート電極とカソード部とに対して並列に接続されたツェナーダイオード、及びツェナーダイオードに並列に接続された平滑コンデンサを含む。
【0009】
本開示の第3の態様の放射線管は、第2の態様の放射線管において、定電圧供給部は、ツェナーダイオードに直列に接続された温度補償用ダイオードをさらに含む。
【0010】
本開示の第4の態様の放射線管は、第2の態様または第3の態様の放射線管において、定電圧供給部のうち少なくともツェナーダイオードは、電子放出部と同一基板上に搭載されている。
【0011】
本開示の第5の態様の放射線管は、第1の態様から第3の態様のいずれか1態様の放射線管において、定電圧供給部が形成された定電圧基板は、電子放出部が形成された電子放出部用基板と接触した状態で配置されている。
【0012】
本開示の第6の態様の放射線管は、第1の態様から第3の態様のいずれか1態様の放射線管において、定電圧供給部が形成された定電圧基板は、電子放出部が形成された電子放出部用基板とは間隔を空けて配置されている。
【0013】
本開示の第7の態様の放射線源は、本開示の放射線管と、放射線管の真空管の外部に設けられ、昇圧したアノード電圧をアノード部に供給する陽極側昇圧回路部と、真空管の外部に設けられ、昇圧したカソード電圧をカソード部に供給する陰極側昇圧回路部と、を備える。
【0014】
本開示の第8の態様の放射線源は、第7の態様の放射線源において、陰極側昇圧回路部が昇圧した駆動電圧は、陽極側昇圧回路部が昇圧した電源電圧よりも大きい。
【0015】
本開示の第9の態様の放射線源は、第8の態様の放射線源において、陽極側昇圧回路部は、陽極トランスを有し、陰極側昇圧回路部は、1次側のコイルの巻き線の巻き数に対する2次側のコイルの巻き線の巻き数の比が陽極トランスよりも大きい陰極トランスを有する。
【0016】
本開示の第10の態様の放射線源は、第8の態様または第9の態様の放射線源において、陽極側昇圧回路部は、昇圧された電源電圧に応じた電荷を蓄積する陽極コンデンサを有し、陰極側昇圧回路部は、昇圧された駆動電圧に応じた電荷を蓄積し、かつ陽極コンデンサよりも容量が大きい陰極コンデンサを有する。
【0017】
本開示の第11の態様の放射線源は、第7の態様から第10の態様のいずれか1態様の放射線源において、放射線管を収容するハウジングをさらに備える。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、放射線管を備える放射線源を従来よりも小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態のマンモグラフィ装置の外観の一例を表した側面図である。
図2】実施形態の放射線源の構成の一例を表したブロック図である。
図3】実施形態の放射線管及び昇圧回路部の回路構成の一例を表す構成図である。
図4】構成例1のカソード部及び定電圧供給部構成の一例の概略を表す図である。
図5】構成例2のカソード部及び定電圧供給部構成の一例の概略を表す図である。
図6A】構成例3の定電圧供給部の定電圧基板及び電子放出部の支持基板の一例を表す斜視図である。
図6B】構成例3の定電圧供給部及び電子放出部の一例を表す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本実施形態は本発明を限定するものではない。
【0021】
まず、本実施形態のマンモグラフィ装置の構成の一例について説明する。図1には、本実施形態のマンモグラフィ装置10の外観の一例を表す側面図が示されている。なお、図1は、被検者の左側からマンモグラフィ装置10を見た場合の外観の一例を示している。
【0022】
本実施形態のマンモグラフィ装置10は、図示を省略したコンソールの制御に応じて動作し、被検者の乳房を被写体として、乳房に放射線R(例えば、X線)を照射して乳房の放射線画像を撮影する装置である。なお、マンモグラフィ装置10は、被検者が起立している状態(立位状態)のみならず、被検者が椅子(車椅子を含む)等に座った状態(座位状態)において、被検者の乳房を撮影する装置であってもよい。
【0023】
図1に示すように、本実施形態のマンモグラフィ装置10は、撮影台24内部に制御部40、記憶部42、及びI/F(Interface)部44を備える。制御部40は、コンソールの制御に応じて、マンモグラフィ装置10の全体の動作を制御する。制御部40は、いずれも図示を省略した、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)を備える。ROMには、CPUで実行される、放射線画像の撮影に関する制御を行うための撮影処理プログラムを含む各種のプログラム等が予め記憶されている。RAMは、各種データを一時的に記憶する。
【0024】
記憶部42には、放射線検出器20により撮影された放射線画像の画像データや、その他の各種情報等が記憶される。記憶部42の具体例としては、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が挙げられる。I/F部44は、無線通信または有線通信により、コンソール12との間で各種情報の通信を行う。マンモグラフィ装置10で放射線検出器20により撮影された放射線画像の画像データは、I/F部44を介してコンソール等の外部の装置に無線通信または有線通信によって送信される。
【0025】
また、操作部46は、例えば、マンモグラフィ装置10の撮影台24等に設けられた複数のスイッチである。なお、操作部46は、タッチパネル式のスイッチとして設けられていてもよいし、医師及び技師等のユーザが足で操作するフットスイッチとして設けられていてもよい。
【0026】
図1に示すように、放射線検出器20は、撮影台24の内部に配置されている。本実施形態のマンモグラフィ装置10では、撮影を行う場合、撮影台24の撮影面24A上には、被検者の乳房がユーザによってポジショニングされる。
【0027】
放射線検出器20は、被写体である乳房を通過した放射線Rを検出する。詳細には、放射線検出器20は、被検者の乳房及び撮影台24内に進入して放射線検出器20の検出面20Aに到達した放射線Rを検出し、検出した放射線Rに基づいて放射線画像を生成し、生成した放射線画像を表す画像データを出力する。本実施形態の放射線検出器20の種類は、特に限定されず、例えば、放射線Rを光に変換し、変換した光を電荷に変換する間接変換方式の放射線検出器であってもよいし、放射線Rを直接電荷に変換する直接変換方式の放射線検出器であってもよい。
【0028】
撮影を行う際に乳房を圧迫するために用いられる圧迫板38は、撮影台24に設けられた圧迫ユニット36に取り付けられる。詳細には、圧迫ユニット36には、圧迫板38を撮影台24に近づく方向または離れる方向(以下、「上下方向」という)に移動する圧迫板駆動部(図示省略)が設けられている。圧迫板38の支持部39は、圧迫板駆動部に着脱可能に取り付けられ、圧迫板駆動部により上下方向に移動し、撮影台24との間で被検者の乳房を圧迫する。
【0029】
また、図1に示すように本実施形態のマンモグラフィ装置10は、撮影台24と、アーム部33と、基台34と、軸部35と、を備えている。アーム部33は、基台34によって、上下方向(Z軸方向)に移動可能に保持される。また、軸部35によりアーム部33が基台34に対して回転をすることが可能である。軸部35は、基台34に対して固定されており、軸部35とアーム部33とが一体となって回転する。
【0030】
軸部35及び撮影台24の圧迫ユニット36にそれぞれギアが設けられ、このギア同士の噛合状態と非噛合状態とを切替えることにより、撮影台24の圧迫ユニット36と軸部35とが連結されて一体に回転する状態と、軸部35が撮影台24と分離されて空転する状態とに切り替えることができる。なお、軸部35の動力の伝達・非伝達の切り替えは、上記ギアに限らず、種々の機械要素を用いることができる。
【0031】
アーム部33と撮影台24は、軸部35を回転軸として、別々に、基台34に対して相対的に回転可能となっている。本実施形態では、基台34、アーム部33、及び撮影台24の圧迫ユニット36にそれぞれ係合部(図示省略)が設けられ、この係合部の状態を切替えることにより、アーム部33、及び撮影台24の圧迫ユニット36の各々が基台34に連結される。軸部35に連結されたアーム部33、及び撮影台24の一方または両方が、軸部35を中心に一体に回転する。マンモグラフィ装置10は、放射線源29を放射線検出器20に対して正対させた姿勢で被写体を撮影する単純撮影が可能であることに加えて、放射線検出器20に対して放射線源29を相対的に移動させることにより被写体に対する放射線Rの照射角度を変化させながら複数回の撮影を行ういわゆるトモシンセシス撮影が可能である。マンモグラフィ装置10において、トモシンセシス撮影を行う場合、放射線源29は、アーム部33の回転により、照射角度が異なる複数の照射位置の各々に移動される。
【0032】
放射線源29は、制御部40の制御により放射線Rを発生させ、発生させた放射線Rを被写体に向けて照射する。図2には、本実施形態の放射線源29の構成の一例を表すブロック図が示されている。図2に示すように、放射線源29は、放射線管60と、昇圧回路部62と、放射線管60及び昇圧回路部62と、ハウジング64と、を備える。ハウジング64は、グランド電位GNDに接続されており、放射線管60及び昇圧回路部62を収容する。
【0033】
図1及び図2に示すように昇圧回路部62には、基台34内に設けられた電源装置25から電圧ケーブル25Aを介して所定の電圧が供給される。昇圧回路部62は、電源装置25から電圧ケーブル25Aを介して供給された所定の電圧を昇圧して放射線管60に供給する機能を有する。
【0034】
昇圧回路部62は、陽極側昇圧回路部63A及び陰極側昇圧回路部63Bを有する。陽極側昇圧回路部63Aは、放射線管60の真空管76の外部に設けられており、昇圧したアノード電圧を放射線管60のアノード部74に供給する。具体的には、陽極側昇圧回路部63Aは、電源装置25から電圧ケーブル25Aを介して供給された電圧を昇圧し、昇圧した電圧をアノード電圧として放射線管60のアノード部74に供給する。一方、陰極側昇圧回路部63Bは、放射線管60の真空管76の外部に設けられており、昇圧したカソード電圧を放射線管60の電子放出部72に供給する。具体的には、陰極側昇圧回路部63Bは、電源装置25から電圧ケーブル25Aを介して供給された電圧を昇圧し、昇圧した電圧をカソード電圧として放射線管60の電子放出部72に供給する。
【0035】
放射線管60は、放射線画像撮影用の放射線源29に用いられる放射線管であって、昇圧回路部62から供給されたアノード電圧及びカソード電圧に応じて放射線Rを発生する。放射線管60は、定電圧供給部70と、電子放出部72と、アノード部74と、真空管76と、を備える。電子放出部72は、陰極側昇圧回路部63Bから供給されるカソード電圧に応じて、電子を放出する機能を有する。定電圧供給部70は、電子放出部72のゲート電極96(図3参照、詳細後述)に定電圧の駆動電圧を供給する機能を有する。アノード部74は、電子放出部72が放出した電子により放射線Rを発生する機能を有する。
【0036】
真空管76は、定電圧供給部70、電子放出部72、及びアノード部74を収容する機能を有する。真空管76は、例えば円筒形状をしており、ガラス又はセラミック等で構成される。真空管76の内部は密閉されており、真空状態に保たれている。
【0037】
図3を参照してさらに、本実施形態の放射線源29について説明する。図3には、本実施形態の放射線管60及び昇圧回路部62の回路構成の一例を表す構成図が示されている。
【0038】
図3に示すように本実施形態の電子放出部72は、カソード部90及びゲート電極96を有する。カソード部90は、シリコン等の支持基板91上に形成された電子放出素子94を有するエミッタ電極92を含む。具体的には、本実施形態のエミッタ電極92は、外部から電界が加えられることにより電子を放出する複数の電子放出素子94をマトリクス状に配列した電界放出アレイ(Field Emitter Array)で構成される。電子放出素子94は、例えば先端が尖った円錐形状をしており、一例として、支持基板91上にモリブデンを蒸着することにより形成されるスピント型のエミッタ電極92の電子放出素子が用いられる。
【0039】
ゲート電極96は、カソード部90に対して電界を加えるための電極である。ゲート電極96は、エミッタ電極92上に、絶縁層95を介して設けられている。ゲート電極96は、各電子放出素子94を囲う状態に形成されており、各電子放出素子94に対応してマトリクス状に配置された複数の開口部を有する。この開口部から電子が放出される。
【0040】
ゲート電極96及びカソード部90の形成方法は一例として次のとおりである。まず、支持基板91上にゲート電極96を構成する材料となる酸化膜を形成し、酸化膜上にゲート電極96のパターンに応じてレジストを形成する。レジストが形成された後、酸化膜をエッチングすることにより、酸化膜に開口部が形成される。酸化膜においてレジストが形成されていない部分が開口部となる。開口部が形成された後、電子放出素子94の材料となるモリブデンの膜が蒸着により形成される。これにより、開口部内に円錐形状の電子放出素子94を有するエミッタ電極92が形成される。図3において、カソード部90とゲート電極96とは分離されているように描かれているが、実際には、1つの支持基板91上に形成されている。電子放出素子94の材料としては、カーボンナノチューブ等を用いてもよい。換言すると本実施形態では、カソード部90及びゲート電極96は、ワンチップで形成される。
【0041】
また、図3に示すように本実施形態の定電圧供給部70は、ツェナーダイオード80、温度補償用ダイオード82、及び平滑コンデンサ84を含む。
【0042】
ツェナーダイオード80は、ゲート電極96とカソード部90とに対して並列に接続されている。より具体的には、ツェナーダイオード80は、カソードがゲート電極96に接続されており、アノードが温度補償用ダイオード82を介してカソード部90にカソード電圧を印加する配線に接続されている。ツェナーダイオード80は、ゲート電極96から流れる電流が変化しても、ゲート電極96に供給される電圧を定電圧とする機能を有する。
【0043】
温度補償用ダイオード82は、ツェナーダイオード80に直列に接続されている。ゲート電極96から電流が流れることにより、ツェナーダイオード80が発熱する。そのため、温度補償用ダイオード82は、ツェナーダイオード80の温度係数を打ち消すために、順方向に設けられたダイオードである。なお、図3では、1つの温度補償用ダイオード82をツェナーダイオード80に直列に接続させた形態を示したが、温度補償用ダイオード82を設ける数等は本形態に限定されず、ツェナーダイオード80の温度係数に応じ、温度係数を打ち消すことを可能とする数等とすればよい。
【0044】
また、平滑コンデンサ84は、ツェナーダイオード80に並列に接続されている。平滑コンデンサ84は、ゲート電極96-カソード部90間の電圧のリップルを抑える機能を有する。具体的には、電圧が高い場合は、平滑コンデンサ84に電荷を蓄積し、電圧が低い場合には蓄積した電荷を放電することで、ゲート電極96-カソード部90間の電圧の変動を抑制する。
【0045】
また、図3に示すように、アノード部74は、カソード部90に対抗するアノード面75を有している。アノード部74は、電子放出部72から放出された電子がアノード面75に衝突することにより放射線Rを発生する。アノード部74は、例えば、銅によって構成される。
【0046】
一方、図3に示すように、昇圧回路部62の陽極側昇圧回路部63Aは、昇圧トランスである陽極トランス50A、ダイオード54A、55A、及びコンデンサ52A、53Aを有する。コンデンサ52A及びコンデンサ53Aは、アノード部74と陰極側昇圧回路部63Bとの間に直列に接続されている。具体的には、コンデンサ52Aの一端がアノード部74に接続されており、コンデンサ52Aの他端とコンデンサ53Aの一端が接続されており、かつコンデンサ53Aの他端が陰極側昇圧回路部63Bに接続されている。本実施形態のコンデンサ52A及びコンデンサ53Aが本開示の陽極トランジスタの一例である。
【0047】
また、ダイオード54A及びダイオード55Aは直列に接続されており、コンデンサ52A及びコンデンサ53Aに並列に接続されている。具体的には、ダイオード54Aのカソードがコンデンサ52Aの一端に接続されており、ダイオード54Aのアノードとダイオード55Aのカソードとが接続されており、ダイオード55Aのアノードがコンデンサ53Aの他端に接続されている。
【0048】
また、陽極トランス50Aは、昇圧トランスであり、電源装置25に接続された1次側コイル51Aと、アノード部74に電圧を供給するための2次側コイル51Aとを含む。陽極トランス50Aは、電源装置25から供給される電圧を、1次側コイル51Aの巻き線の巻き数に対する2次側コイル51Aの巻き線の巻き数の比に応じたアノード電圧に昇圧する。2次側コイル51Aの一端はダイオード54A及びダイオード55Aの中点に接続されている。また、2次側コイル51Aの他端は、コンデンサ52A及びコンデンサ53Aの中点に接続されている。
【0049】
陽極側昇圧回路部63Aは、電源装置25から供給された電圧を陽極トランス50Aにより昇圧し、ダイオード54A、55A、及びコンデンサ52A、コンデンサ53Aにより整流して蓄積することで、アノード部74にアノード電圧を供給する。
【0050】
また、図3に示すように、昇圧回路部62の陰極側昇圧回路部63Bは、陽極側昇圧回路部63Aと同様の構成を有する。具体的には、昇圧トランスである陰極トランス50B、ダイオード54B、55B、及びコンデンサ52B、53Bを有する。コンデンサ52B及びコンデンサ53Bは、陽極側昇圧回路部63Aとカソード部90との間に直列に接続されている。具体的には、コンデンサ52Bの一端が陽極側昇圧回路部63Aに接続されており、コンデンサ52Bの他端とコンデンサ53Bの一端が接続されており、かつコンデンサ53Bの他端がカソード部90に接続されている。本実施形態のコンデンサ52B及びコンデンサ53Bが本開示の陰極トランジスタの一例である。
【0051】
また、ダイオード54B及びダイオード55Bは直列に接続されており、コンデンサ52B及びコンデンサ53Bに並列に接続されている。具体的には、ダイオード54Bのカソードがコンデンサ52Bの一端に接続されており、ダイオード54Bのアノードとダイオード55Bのカソードとが接続されており、ダイオード55Bのアノードがコンデンサ53Bの他端に接続されている。
【0052】
また、陰極トランス50Bは、昇圧トランスであり、電源装置25に接続された1次側コイル51Bと、カソード部90に電圧を供給するための2次側コイル51Bとを含む。陰極トランス50Bは、電源装置25から供給される電圧を、1次側コイル51Bの巻き線の巻き数に対する2次側コイル51Bの巻き線の巻き数の比に応じたカソード電圧に昇圧する。2次側コイル51Bの一端はダイオード54B及びダイオード55Bの中点に接続されている。また、2次側コイル51Bの他端は、コンデンサ52B及びコンデンサ53Bの中点に接続されている。
【0053】
陰極側昇圧回路部63Bは、電源装置25から供給された電圧を陰極トランス50Bにより昇圧し、ダイオード54B、55B、及びコンデンサ52B、コンデンサ53Bにより整流して蓄積することで、カソード部90にカソード電圧を供給する。
【0054】
なお、本実施形態では、陰極トランス50Bの1次側コイル51Bの巻き線の巻き数に対する2次側コイル51Bの巻き線の巻き数の比は、陽極トランス50Aの1次側コイル51Aの巻き線の巻き数に対する2次側コイル51Aの巻き線の巻き数の比よりも大きい。換言すると、陰極トランス50Bの巻き数比は、陽極トランス50Aの巻き数比よりも大きい。すなわち、陽極トランス50Aよりも陰極トランス50Bの方が昇圧する程度が大きい。さらに、本実施形態では、陰極側昇圧回路部63Bのコンデンサ52B、53Bの容量は、陽極側昇圧回路部63Aのコンデンサ52A、53Aの容量よりも大きい。従って、陰極側昇圧回路部63Bのコンデンサ52B、53Bは、陽極側昇圧回路部63Aのコンデンサ52A、53Aよりも多くの電荷を蓄積することができる。
【0055】
上述したようにカソード部90は電子を放出するため、カソード部90に供給するカソード電圧をアノード電圧より大きくすることが好ましい。上記のように、陽極トランス50Aよりも陰極トランス50Bの方が巻き数の比を大きくすることにより、アノード電圧よりも大きなカソード電圧を発生することができる。陰極側昇圧回路部63Bのコンデンサ52B、53Bの容量を陽極側昇圧回路部63Aのコンデンサ52A、53Aよりも大きくすることで、カソード部90に、アノード電圧をよりも大きなカソード電圧を安定して供給することができる。
【0056】
このように、本実施形態の放射線管60では、カソード部90にカソード電圧が供給され、かつアノード部74にアノード電圧が印加されると、ツェナーダイオード80のツェナー電圧に応じた管電流が発生し、管電流に応じた放射線Rが発生する。なお、カソード電圧は負の電位を有し、アノード電圧は正の電位を有する。
【0057】
また、本実施形態の放射線管60では、定電圧供給部70により、ゲート電極96を駆動するための駆動電圧を定電圧とするため、ゲート電極96に供給さえるゲート電圧を安定化することができる。放射線管60が発生する放射線Rの線量を安定させることができる。
【0058】
以下、本実施形態の定電圧供給部70及び電子放出部72の構成例についてさらに説明する。
【0059】
(構成例1)
図4には、本構成例の定電圧供給部70及び電子放出部72を表す断面図が示されている。本構成例の定電圧供給部70及び電子放出部72は、同一基板上に搭載されており、いわゆるワンチップとして形成されている。図4に示した例では、カソード部90の支持基板91上に、定電圧供給部70のツェナーダイオード80及び温度補償用ダイオード82が搭載されている。ツェナーダイオード80及び温度補償用ダイオード82は、カソード部90と同様に表面実装部品として、支持基板91上に形成することができる。そのため、図4に示した形態のように、電子放出部72と、ツェナーダイオード80及び温度補償用ダイオード82とをワンチップ化してもよい。なお、図4においては、図示を省略しているが定電圧供給部70の平滑コンデンサ84は、電子放出部72とワンチップ化することが困難な場合がある。そのため、平滑コンデンサ84と、電子放出部72とをワンチップにせずともよい。すなわち、支持基板91上に平滑コンデンサ84を搭載せずともよい。この場合、平滑コンデンサ84は、任意の場所に配置することができる。例えば、構成例2及び3に後述するように、支持基板91とは別の基板上に平滑コンデンサ84を形成してもよい。
【0060】
このように本構成例の放射線管60は、定電圧供給部70及び電子放出部72を同一基板上に搭載している。換言すると本構成例の放射線管60は、定電圧供給部70及び電子放出部72をワンチップ化している。そのため、本構成例の放射線管60によれば、放射線管60をより小型化することができる。また、定電圧供給部70及び電子放出部72を同時に製造することができるため、製造歩留まりを向上させることができる。
【0061】
(構成例2)
図5には、本構成例の定電圧供給部70及び電子放出部72を表す断面図が示されている。本構成例の定電圧供給部70及び電子放出部72は各々別個の基板に形成されており、かつ、放射線管60内において、定電圧供給部70が形成された基板と、電子放出部72が形成された基板とが離間して設けられている。図5に示した例では、電子放出部72のカソード部90が形成された支持基板91と、定電圧供給部70が形成された定電圧基板85とが、離間して設けられている。具体的には、カソード部90の支持基板91における電子放出素子94が形成されている面と反対側の面と対向する状態に定電圧基板85が設けられている。定電圧基板85は、カソード部90にカソード電圧を供給するためのステムピン98が貫通している。定電圧基板85におけるステムピン98の貫通部には、絶縁材86が設けられている。また、電子放出素子94と、定電圧基板85とは、ゲート配線97により接続されており、定電圧供給部70からゲート配線97を介してゲート配線97に駆動電圧が供給される。
【0062】
このように本構成例の放射線管60は、定電圧供給部70及び電子放出部72が各々別個の基板に形成されており、かつ、定電圧供給部70が形成された基板と、電子放出部72が形成された基板とが離間して設けられている。構成例1のように、定電圧供給部70及び電子放出部72をワンチップ化した場合、定電圧供給部70及び電子放出部72のいずれか一方に不具合が生じた場合、チップ全体が不良となる。これに対して、本構成例の放射線管60によれば、定電圧供給部70及び電子放出部72を各々別個の基板に形成しているため、定電圧供給部70及び電子放出部72のいずれか一方に不具合が生じた場合、不具合が生じた方のみを交換等すればよい。また、本構成例の放射線管60によれば、既存の、定電圧供給部70及び電子放出部72を利用することができる。従って、本構成例の放射線管60によれば、製造歩留まりを向上させることができ、また、製造コストを抑制することができる。
【0063】
(構成例3)
図6Aには、本構成例の定電圧供給部70の定電圧基板85及び電子放出部72の支持基板91の斜視図が示されている。なお、図6Aでは、定電圧供給部70の各素子、及び電子放出部72の各素子の記載を省略している。また、図6Bには、本構成例の定電圧供給部70及び電子放出部72を表す平面図が示されている。上述した構成例2と同様に、本構成例の定電圧供給部70及び電子放出部72は各々別個の基板に形成されている。また、上述した構成例2と異なり、放射線管60内において、定電圧供給部70が形成された定電圧基板85と、電子放出部72が形成された支持基板91とが接触した状態に設けられている。図6Aに示した例では、定電圧供給部70の定電圧基板85上に、電子放出部72の支持基板91が定電圧基板85に接触した状態で載せられている。
【0064】
図6Bには、電子放出部72の支持基板91における、ゲート電圧印加用のゲートパターン96Aが示されている。ゲートパターン96Aの近傍には、電子放出素子94が設けられたエミッタ電極92が設けられており、ここから電子が放出される。また、図6Bには、定電圧供給部70の定電圧基板85における、ツェナーダイオード80、温度補償用ダイオード82、平滑コンデンサ84が示されている。また、定電圧基板85には、ステムピン98が接続されるカソード電圧印加部89が設けられており、カソード電圧印加部89は、定電圧供給部70のツェナーダイオード80及び平滑コンデンサ84に接続されていると共に、電子放出部72のカソード部90に接続されている。
【0065】
このように本構成例の放射線管60は、定電圧供給部70及び電子放出部72が各々別個の基板に形成されており、かつ、定電圧供給部70が形成された基板と、電子放出部72が形成された基板とが接触した状態で設けられている。本構成例の放射線管60は、構成例2の放射線管60と同様に、定電圧供給部70及び電子放出部72が各々別個の基板に形成されているため、定電圧供給部70及び電子放出部72をワンチップ化した場合に比べて、製造歩留まりを向上させることができ、また、製造コストを抑制することができる。また、本構成例の放射線管60によれば、定電圧供給部70及び電子放出部72を接触した状態で設けているため、定電圧供給部70と電子放出部72とを電気的に接続する配線を短くすることができ、電気的な接続不良を抑制することができる。また、本構成例の放射線管60によれば、放射線管60をより小型化することができる。
【0066】
以上説明したように、上記各形態のマンモグラフィ装置10の放射線管60は、放射線画像撮影用の放射線源に用いられる放射線管60であって、電子を放出するエミッタ電極92を有するカソード部90、及びゲート電極96を有する電子放出部72と、カソード部90と対向するアノード面75を有し電子が衝突することにより放射線Rを発生するアノード部74と、ゲート電極96に定電圧の駆動電圧を供給する定電圧供給部70と、定電圧供給部70子、電子放出部72、及びアノード部74を収容する真空管76と、を備える。
【0067】
放射線管60が収容されたハウジング64は、図2に示したように、グランド電位となっている。そのため、上記各形態と異なり、電子放出部72のゲート電極96に定電圧の駆動電圧を供給するための定電圧回路を真空管の外部に設けた従来の形態では、ハウジング64と、定電圧回路との間を十分に離間して設ける必要がある。そのため、真空管の外部に定電圧回路を設けた場合、ハウジング64のサイズを大型化する必要がある。これに対して、上記各形態の放射線管60では、上記各形態の放射線管60では、定電圧供給部70及び電子放出部72が、真空管76内に収容されている。そのため、真空管76をハウジング64とハウジング64と真空管76との間を、上記従来の形態よりも狭くしても、ハウジング64と定電圧供給部70との間を十分に離間して設けることができる。
【0068】
従って上記各形態のマンモグラフィ装置10の放射線管60によれば、放射線管60を備える放射線源29を従来よりも小型化することができる。
【0069】
なお、上記各形態では、定電圧供給部70がツェナーダイオード80を用いた形態について説明したが、定電圧供給部70の具体的な構成は、本形態に限定されず、ゲート電極96に定電圧の駆動電圧を供給可能な構成であれば限定されるものではない。
【0070】
なお、上記各形態では、真空管76内に定電圧供給部70の定電圧基板85が収まりきる形態について説明したが、本形態に限定されず、定電圧基板85が真空管76外に突出する形態としてもよい。
【0071】
また、上記形態では、本開示の技術をマンモグラフィ装置10の放射線管60及び放射線源29に適用する形態について説明したが、マンモグラフィ装置10以外の放射線画像撮影装置の放射線管及び放射線源に適用する形態としてもよい。例えば、被写体を胸部や腹部等とした放射線画像撮影装置の放射線管及び放射線源に適用する形態であってもよい。
【符号の説明】
【0072】
10 マンモグラフィ装置
20 放射線検出器、20A 検出面
24 撮影台、24A 撮影面
25 電源装置、25A 電圧ケーブル
29 放射線源
33 アーム部
34 基台
35 軸部
36 圧迫ユニット
38 圧迫板
39 支持部
40 制御部
42 記憶部
44 I/F部
46 操作部
50A 陽極トランス、50B 陰極トランス
51A、51B 1次側コイル、51A、51B 2次側コイル
52A、52B、53A、53B コンデンサ
54A、54B、55B、55B ダイオード
60 放射線管
62 昇圧回路部
63A 陰極側昇圧回路部、63B 陰極側昇圧回路部
64 ハウジング
70 定電圧供給部
72 電子放出部
74 アノード部
75 アノード面
76 真空管
80 ツェナーダイオード
82 温度補償用ダイオード
84 平滑コンデンサ
85 定電圧基板
86 絶縁材
89 カソード電圧印加部
90 カソード部
91 支持基板
92 エミッタ電極
94 電子放出素子
95 絶縁層
96 ゲート電極、96A ゲートパターン
97 ゲート配線
98 ステムピン
GND グランド電位
R 放射線
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B