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特開2022-134802電気柵設置支援システム及び電気柵維持管理支援システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022134802
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】電気柵設置支援システム及び電気柵維持管理支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20120101AFI20220908BHJP
   A01M 29/24 20110101ALI20220908BHJP
   A01K 3/00 20060101ALI20220908BHJP
   G06Q 30/04 20120101ALI20220908BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20220908BHJP
   G06Q 50/02 20120101ALI20220908BHJP
【FI】
G06Q10/06
A01M29/24
A01K3/00
G06Q30/04
G06Q30/06
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021034210
(22)【出願日】2021-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】501203344
【氏名又は名称】国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100189717
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 貴章
(72)【発明者】
【氏名】江波戸 宗大
【テーマコード(参考)】
2B101
2B121
5L049
【Fターム(参考)】
2B101HA06
2B121AA01
2B121BB30
2B121DA06
2B121DA67
2B121DA70
5L049AA06
5L049BB11
5L049BB21
5L049CC01
(57)【要約】
【課題】電気柵の設置を導入しやすくする電気柵設置支援システム、及び電気柵の設置後に対して、実効性の高い管理方法を提案できる電気柵維持管理支援システムを提供すること。
【解決手段】コンピュータが、電気柵の設置を希望するユーザに対して、電気柵を設置するエリア情報を特定させる設置エリア特定ステップと、ユーザに対して、対応したい対象動物3を特定させる対象動物3特定ステップと、エリア情報と、対象動物3とから、必要とする支柱1の本数と、架線2のトータル長さとを決定する電気柵部材決定ステップと、支柱1の本数と架線2のトータル長さとから料金を決定する料金決定ステップと、支柱1の本数と架線2のトータル長さ、及び料金決定ステップで決定した料金をユーザに提供する出力ステップとを有することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の支柱と、それぞれの前記支柱の間に設ける架線とからなり、対象動物の侵入又は逃走を阻止する電気柵の設置支援を行う電気柵設置支援システムであって、
コンピュータが、
前記電気柵の設置を希望するユーザに対して、前記電気柵を設置するエリア情報を特定させる設置エリア特定ステップと、
前記ユーザに対して、対応したい前記対象動物を特定させる対象動物特定ステップと、
前記設置エリア特定ステップで特定された前記エリア情報と、前記対象動物特定ステップで特定された前記対象動物とから、必要とする前記支柱の本数と、前記架線のトータル長さとを決定する電気柵部材決定ステップと
を有する
ことを特徴とする電気柵設置支援システム。
【請求項2】
前記コンピュータが、
前記電気柵部材決定ステップで決定した前記支柱の前記本数と前記架線の前記トータル長さとから、材料費、施工料金、レンタル・リース料金及び維持管理料金、の内少なくとも1つを含む料金を決定する料金決定ステップを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の電気柵設置支援システム。
【請求項3】
前記コンピュータが、
前記電気柵部材決定ステップで決定した前記支柱の前記本数と前記架線の前記トータル長さ、及び前記料金決定ステップで決定した前記料金を前記ユーザに提供する出力ステップを有する
ことを特徴とする請求項2に記載の電気柵設置支援システム。
【請求項4】
前記電気柵部材決定ステップでは、
前記エリア情報から、前記架線を張り巡らせるエリア外周長さを特定し、
前記対象動物から、前記支柱間の支柱間距離と前記架線の架線段数を特定し、
前記エリア外周長さ、前記支柱間距離、及び前記架線段数から、前記支柱の前記本数と、前記架線の前記トータル長さとを決定する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電気柵設置支援システム。
【請求項5】
前記料金決定ステップでは、
あらかじめ設定した外周基本長さと架線基本段数とで決定する基本料金と、
エリア外周長さから前記外周基本長さを減算して算出される外周追加長さと、前記架線段数から前記架線基本段数を減算して算出される架線追加段数とで決定する追加料金とから、前記料金を決定する
ことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の電気柵設置支援システム。
【請求項6】
前記設置エリア特定ステップでは、
前記エリア情報として、市街地、農耕地、耕作放棄地、及び山林のいずれか一つを少なくとも含む地目を特定させ、
前記コンピュータが、
特定された前記地目によって、前記電気柵の威力設定、前記電気柵を設置していることを表示する表示板数、及び盗難対策のいずれか一つを少なくとも含む地目別設定を行う地目別設定ステップ
を有する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電気柵設置支援システム。
【請求項7】
前記設置エリア特定ステップでは、
前記エリア情報として、田、露地栽培、ハウス栽培、果樹園、及び放牧地のいずれか一つを少なくとも含む土地利用を特定させ、
前記コンピュータが、
特定された前記土地利用によって、前記対象動物の出現頻度を推定する出現頻度推定ステップ
を有する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電気柵設置支援システム。
【請求項8】
前記設置エリア特定ステップでは、
前記エリア情報として、イネ、ムギ、ダイズ、イモ類、野菜類、果物、花き類、及び牧草のいずれか一つを少なくとも含む作物を特定させ、
前記コンピュータが、
特定された前記作物によって、前記対象動物の出現頻度を推定する出現頻度推定ステップ
を有する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電気柵設置支援システム。
【請求項9】
前記コンピュータが、
前記ユーザに対して、下草刈り、適正電圧チェック、及び断線チェックのいずれか一つを少なくとも含む維持管理を促す維持管理提供ステップを有し、
前記維持管理提供ステップで、前記ユーザが前記維持管理を選択した場合には、前記料金決定ステップでは、維持管理料金を加算する
ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の電気柵設置支援システム。
【請求項10】
前記コンピュータが、
前記ユーザに対して、放牧地、耕作地、及び太陽光発電のいずれか一つを少なくとも含む利用管理を促す利用管理提供ステップと、
前記利用管理提供ステップで、前記ユーザが前記利用管理を選択した場合には、前記利用管理による利用管理収入額を算出する利用管理収入額算出ステップと
を有し、
前記出力ステップでは、前記利用管理収入額算出ステップで算出される前記利用管理収入額を前記ユーザに提供する
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の電気柵設置支援システム。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の電気柵設置支援システムによって設置された前記電気柵の維持管理支援を行う電気柵維持管理支援システムであって、
前記電気柵の周辺に複数台の監視カメラを設置し、
前記コンピュータが、
前記監視カメラで撮像される前記対象動物の出現を判別する出現判別ステップと、
前記出現判別ステップで判別された前記出現の場所と時刻から前記対象動物の行動を推定する行動推定ステップと、
前記行動推定ステップで推定される前記対象動物の前記行動から管理方法を前記ユーザに提供する管理方法提供ステップと
を有する
ことを特徴とする電気柵維持管理支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物の侵入又は逃走を阻止する電気柵の設置支援を行う電気柵設置支援システム、及びこの電気柵設置支援システムによって設置された電気柵の維持管理支援を行う電気柵維持管理支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気柵は、一般的には支柱を5~6m間隔で設置し、架線を複数段張り巡らせるという作業を全て人手で行っている。
電気柵の設置作業は、同じ場所を何往復もしなければならず、多人数で行う作業であり、多大な労力を要している。
例えば、耕作放棄水田に500m程度の電気柵を設けるには5人で各2時間を要し、野草地に1500m程度の電気柵を設けるには5人で7日を要する。
このように、電気柵の設置作業には、人手と労力がかかる。
従って、農家においては、電気柵の設置はしたくはないが、野生動物による農作物の被害を抑えるために、電気柵を設置しなければならない。
電気柵は、農家単位で個別に設置しても、設置が不十分であると、手薄な箇所が狙われ、農作物の被害は発生してしまう。
また、適正に電気柵を設置し、更には適正な維持管理を行わなければ、野生動物による農作物の被害は発生する。
また、十分な知識を備えていなければ、電気柵の設置によって死亡事故が発生する危険性もある。
ところで、電気柵自体の設置性や運搬性、あるいは盗難防止を目的とした電気柵については、例えば、特許文献1から特許文献3で開示されている技術がある。
なお、レンタル可能な物品一般については、レンタル契約の申し込みからメンテナンス管理に至る一連の流れの業務処理を行うレンタルシステムや、レンタル品の保管料や移送料などのトータルコストを削減できるレンタルシステムが提案されている(特許文献4、特許文献5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-223963号公報
【特許文献2】特開2009-22246号公報
【特許文献3】特開2008-79521号公報
【特許文献4】特開2010-20737号公報
【特許文献5】特開2014-123266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1から特許文献3では、設置性、運搬性、又は機能性に優れた電気柵が開示されているが、電気柵を、施工を含めたレンタル・リースとするものではなく、電気柵のレンタル・リースについては、特許文献4又は特許文献5がレンタルの対象としている、畳、搬送用機器、自動車、自転車、建設用機器、重機、及びスーツケースと同様に扱うことはできない。
【0005】
そこで本発明は、電気柵の設置を導入しやすくする電気柵設置支援システム、及び電気柵の設置後に対して、実効性の高い管理方法を提案できる電気柵維持管理支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明の電気柵設置支援システムは、複数の支柱1と、それぞれの前記支柱1の間に設ける架線2とからなり、対象動物3の侵入又は逃走を阻止する電気柵の設置支援を行う電気柵設置支援システムであって、コンピュータが、前記電気柵の設置を希望するユーザに対して、前記電気柵を設置するエリア情報を特定させる設置エリア特定ステップと、前記ユーザに対して、対応したい前記対象動物3を特定させる対象動物3特定ステップと、前記設置エリア特定ステップで特定された前記エリア情報と、前記対象動物3特定ステップで特定された前記対象動物3とから、必要とする前記支柱1の本数と、前記架線2のトータル長さとを決定する電気柵部材決定ステップとを有することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の電気柵設置支援システムにおいて、前記コンピュータが、前記電気柵部材決定ステップで決定した前記支柱1の前記本数と前記架線2の前記トータル長さとから、材料費、施工料金、レンタル・リース料金及び維持管理料金、の内少なくとも1つを含む料金を決定する料金決定ステップを有することを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載の電気柵設置支援システムにおいて、前記コンピュータが、前記電気柵部材決定ステップで決定した前記支柱1の前記本数と前記架線2の前記トータル長さ、及び前記料金決定ステップで決定した前記料金を前記ユーザに提供する出力ステップとを有することを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電気柵設置支援システムにおいて、前記電気柵部材決定ステップでは、前記エリア情報から、前記架線2を張り巡らせるエリア外周長さを特定し、前記対象動物3から、前記支柱1間の支柱間距離と前記架線2の架線段数を特定し、前記エリア外周長さ、前記支柱間距離、及び前記架線段数から、前記支柱1の前記本数と、前記架線2の前記トータル長さとを決定することを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の電気柵設置支援システムにおいて、前記料金決定ステップでは、あらかじめ設定した外周基本長さと架線基本段数とで決定する基本料金と、エリア外周長さから前記外周基本長さを減算して算出される外周追加長さと、前記架線段数から前記架線基本段数を減算して算出される架線追加段数とで決定する追加料金とから、前記料金を決定することを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電気柵設置支援システムにおいて、前記設置エリア特定ステップでは、前記エリア情報として、市街地、農耕地、耕作放棄地、及び山林のいずれか一つを少なくとも含む地目を特定させ、前記コンピュータが、特定された前記地目によって、前記電気柵の威力設定、前記電気柵を設置していることを表示する表示板数、及び盗難対策のいずれか一つを少なくとも含む地目別設定を行う地目別設定ステップを有することを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電気柵設置支援システムにおいて、前記設置エリア特定ステップでは、前記エリア情報として、田、露地栽培、ハウス栽培、果樹園、及び放牧地のいずれか一つを少なくとも含む土地利用を特定させ、前記コンピュータが、特定された前記土地利用によって、前記対象動物3の出現頻度を推定する出現頻度推定ステップを有することを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電気柵設置支援システムにおいて、前記設置エリア特定ステップでは、前記エリア情報として、イネ、ムギ、ダイズ、イモ類、野菜類、果物、花き類、及び牧草のいずれか一つを少なくとも含む作物を特定させ、前記コンピュータが、特定された前記作物によって、前記対象動物3の出現頻度を推定する出現頻度推定ステップを有することを特徴とする。
請求項9記載の本発明は、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の電気柵設置支援システムにおいて、前記コンピュータが、前記ユーザに対して、下草刈り、適正電圧チェック、及び断線チェックのいずれか一つを少なくとも含む維持管理を促す維持管理提供ステップを有し、前記維持管理提供ステップで、前記ユーザが前記維持管理を選択した場合には、前記料金決定ステップでは、維持管理料金を加算することを特徴とする。
請求項10記載の本発明は、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の電気柵設置支援システムにおいて、前記コンピュータが、前記ユーザに対して、放牧地、耕作地、及び太陽光発電のいずれか一つを少なくとも含む利用管理を促す利用管理提供ステップと、前記利用管理提供ステップで、前記ユーザが前記利用管理を選択した場合には、前記利用管理による利用管理収入額を算出する利用管理収入額算出ステップとを有し、前記出力ステップでは、前記利用管理収入額算出ステップで算出される前記利用管理収入額を前記ユーザに提供することを特徴とする。
請求項11記載の本発明は、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の電気柵設置支援システムによって設置された前記電気柵の維持管理支援を行う電気柵維持管理支援システムであって、前記電気柵の周辺に複数台の監視カメラ5を設置し、前記コンピュータが、前記監視カメラ5で撮像される前記対象動物3の出現を判別する出現判別ステップと、前記出現判別ステップで判別された前記出現の場所と時刻から前記対象動物3の行動を推定する行動推定ステップと、前記行動推定ステップで推定される前記対象動物3の前記行動から管理方法を前記ユーザに提供する管理方法提供ステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の電気柵維持管理支援システムによれば、ユーザが特定したエリア情報と対象動物を基に、必要とする支柱の本数と、架線のトータル長さとを把握できるので、ユーザは電気柵の設置を導入しやすい。
また、本発明の電気柵設置支援システムによれば、電気柵の設置後に対して、実効性の高い管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施例による電気柵設置支援システム及び電気柵維持管理支援システムを示すフローチャート
図2】本実施例による電気柵設置の概念図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態による電気柵設置支援システムは、コンピュータが、電気柵の設置を希望するユーザに対して、電気柵を設置するエリア情報を特定させる設置エリア特定ステップと、ユーザに対して、対応したい対象動物を特定させる対象動物特定ステップと、設置エリア特定ステップで特定されたエリア情報と、対象動物特定ステップで特定された対象動物とから、必要とする支柱の本数と、架線のトータル長さとを決定する電気柵部材決定ステップとを有するものである。
本実施の形態によれば、ユーザが特定したエリア情報と対象動物を基に、必要とする支柱の本数と、架線のトータル長さとを把握できるので、各種費用の算出及び、費用以外の施工内容や施工日数等の見積もりを検討することができる。
【0010】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による電気柵設置支援システムにおいて、コンピュータが、電気柵部材決定ステップで決定した支柱の本数と架線のトータル長さとから、材料費、施工料金、レンタル・リース料金及び維持管理料金、の内少なくとも1つを含む料金を決定する料金決定ステップを有するものである。
本実施の形態によれば、材料費、施工料金、レンタル・リース料金及び維持管理料金、の内少なくとも1つの料金が決定されることで、ユーザの予算に見合った電気柵の設置を提案することができる。
【0011】
本発明の第3の実施の形態は、第2の実施の形態による電気柵設置支援システムにおいて、コンピュータが、電気柵部材決定ステップで決定した支柱の本数と架線のトータル長さ、及び料金決定ステップで決定した料金をユーザに提供する出力ステップを有するものである。
本実施の形態によれば、ユーザは電気柵の設置を導入する判断を行いやすい。
【0012】
本発明の第4の実施の形態は、第1から第3のいずれかの実施の形態による電気柵設置支援システムにおいて、電気柵部材決定ステップでは、エリア情報から、架線を張り巡らせるエリア外周長さを特定し、対象動物から、支柱間の支柱間距離と架線の架線段数を特定し、エリア外周長さ、支柱間距離、及び架線段数から、支柱の本数と、架線のトータル長さとを決定するものである。
本実施の形態によれば、対象動物によって支柱間の支柱間距離と架線の架線段数を特定することで、支柱の本数と架線のトータル長さとを決定できる。
【0013】
本発明の第5の実施の形態は、第2から第4のいずれかの実施の形態による電気柵設置支援システムにおいて、料金決定ステップでは、あらかじめ設定した外周基本長さと架線基本段数とで決定する基本料金と、エリア外周長さから外周基本長さを減算して算出される外周追加長さと、架線段数から架線基本段数を減算して算出される架線追加段数とで決定する追加料金とから、料金を決定するものである。
本実施の形態によれば、外周基本長さと架線基本段数とから基本料金を設定することで、施工を含めたレンタル・リース事業を行いやすくすることができ、外周追加長さと架線追加段数とで追加料金を設定することで、ユーザにとっては料金によって電気柵を張る範囲を変更しやすい。
【0014】
本発明の第6の実施の形態は、第1から第5のいずれかの実施の形態による電気柵設置支援システムにおいて、設置エリア特定ステップでは、エリア情報として、市街地、農耕地、耕作放棄地、及び山林のいずれか一つを少なくとも含む地目を特定させ、コンピュータが、特定された地目によって、電気柵の威力設定、電気柵を設置していることを表示する表示板数、及び盗難対策のいずれか一つを少なくとも含む地目別設定を行う地目別設定ステップを有するものである。
本実施の形態によれば、地目によって必要となる地目設定をユーザが把握することができる。
【0015】
本発明の第7の実施の形態は、第1から第5のいずれかの実施の形態による電気柵設置支援システムにおいて、設置エリア特定ステップでは、エリア情報として、田、露地栽培、ハウス栽培、果樹園、及び放牧地のいずれか一つを少なくとも含む土地利用を特定させ、コンピュータが、特定された土地利用によって、対象動物の出現頻度を推定する出現頻度推定ステップを有するものである。
本実施の形態によれば、土地利用による対象動物の出現頻度をユーザが把握することができる。
【0016】
本発明の第8の実施の形態は、第1から第5のいずれかの実施の形態による電気柵設置支援システムにおいて、設置エリア特定ステップでは、エリア情報として、イネ、ムギ、ダイズ、イモ類、野菜類、果物、花き類、及び牧草のいずれか一つを少なくとも含む作物を特定させ、コンピュータが、特定された作物によって、対象動物の出現頻度を推定する出現頻度推定ステップを有するものである。
本実施の形態によれば、作物による対象動物の出現頻度をユーザが把握することができる。
【0017】
本発明の第9の実施の形態は、第1から第8のいずれかの実施の形態による電気柵設置支援システムにおいて、コンピュータが、ユーザに対して、下草刈り、適正電圧チェック、及び断線チェックのいずれか一つを少なくとも含む維持管理を促す維持管理提供ステップを有し、維持管理提供ステップで、ユーザが維持管理を選択した場合には、料金決定ステップでは、維持管理料金を加算する
ものである。
本実施の形態によれば、下草刈り、適正電圧チェック、又は断線チェックなどの維持管理に必要な作業をユーザが把握することができるとともに、オプションとしてこれらの作業を料金に含めることができる。
【0018】
本発明の第10の実施の形態は、第1から第9のいずれかの実施の形態による電気柵設置支援システムにおいて、コンピュータが、ユーザに対して、放牧地、耕作地、及び太陽光発電のいずれか一つを少なくとも含む利用管理を促す利用管理提供ステップと、利用管理提供ステップで、ユーザが利用管理を選択した場合には、利用管理による利用管理収入額を算出する利用管理収入額算出ステップとを有し、出力ステップでは、利用管理収入額算出ステップで算出される利用管理収入額をユーザに提供するものである。
本実施の形態によれば、ユーザに対して土地の有効利用を促すことができる。
【0019】
本発明の第11の実施の形態は、第1から第10のいずれか1項に記載の電気柵設置支援システムによって設置された電気柵の維持管理支援を行うによる電気柵維持管理支援システムであって、電気柵の周辺に複数台の監視カメラを設置し、コンピュータが、監視カメラで撮像される対象動物の出現を判別する出現判別ステップと、出現判別ステップで判別された出現の場所と時刻から対象動物の行動を推定する行動推定ステップと、行動推定ステップで推定される対象動物の行動から管理方法をユーザに提供する管理方法提供ステップとを有するものである。
本実施の形態によれば、電気柵の設置後に対して、実効性の高い管理方法を提供することができる。
【実施例0020】
以下本発明の一実施例による電気柵設置支援システム及び電気柵維持管理支援システムについて説明する。
【0021】
図1は本実施例による電気柵設置支援システム及び電気柵維持管理支援システムを示すフローチャート、図2は本実施例による電気柵設置の概念図である。
本実施例による電気柵設置支援システムは、コンピュータによって図1に示す以下のステップが行われる。
【0022】
本実施例による電気柵設置支援システムは、図2に示すように、複数の支柱1と、それぞれの支柱1の間に設ける架線2とからなり、対象動物3の侵入又は逃走を阻止する電気柵の設置支援を行う。
本実施例による電気柵設置支援システムでは、コンピュータは、電気柵の設置を希望するユーザに対して、電気柵を設置するエリア情報を特定させる設置エリア特定ステップ(S1)と、対応したい対象動物3を特定させる対象動物特定ステップ(S2)とを有する。
S1による設置エリア特定ステップでは、コンピュータは、少なくとも電気柵を張り巡らせるエリア外周を特定できるエリア情報の入力を促す。
エリア情報の設定では、例えば図2に示すように、対象動物3に対する守護エリア4を設定することで行う。なお、エリアをマップ上で範囲指定することでエリア情報を設定してもよい。
【0023】
図2に示す守護対象は、農作物、人、及び民家であり、図2(a)に示す放牧地にあっては、「対象動物3が放牧地の外に逃げ出すことで畑にある農作物を荒さない」という概念から守護エリア4は放牧地の外となる。図2(b)では、畑を守護エリア4としていることを示しており、図2(c)では、畑や民家を守護エリア4としていることを示している。
S1における設置エリア特定ステップでは、マップデータを表示させ、表示されたマップデータに対して守護エリア4を入力することで設定する。ユーザは、キーボード、マウスを用いて、又は音声によりエリア情報を入力する。
また、S1による設置エリア特定ステップでは、エリア情報として、市街地、農耕地、耕作放棄地、及び山林のいずれか一つを少なくとも含む地目をユーザに特定させる。
また、S1による設置エリア特定ステップでは、エリア情報として、田、露地栽培、ハウス栽培、果樹園、及び放牧地のいずれか一つを少なくとも含む土地利用をユーザに特定させる。
【0024】
S2による対象動物特定ステップでは、コンピュータは、対象動物3が、例えば「ウシ」、「ヒツジ」、「ウマ」、「シカ」、「イノシシ」、「クマ」、「ハクビシン/アライグマ」、「キツネ/タヌキ」、及び「サル」のいずれかであるかをユーザに特定させる。
【0025】
S1による設置エリア特定ステップでエリア情報が特定され、S2による対象動物特定ステップで対象動物3が特定されると、コンピュータによって電気柵部材決定ステップ(S3)が行われる。
S3による電気柵部材決定ステップでは、エリア情報から、架線2を張り巡らせるエリア外周長さを特定する。
S1による設置エリア特定ステップで守護エリア4が設定されることで、守護エリア4によって生じる境界ラインを判別し、この境界ラインをエリア外周長さとして特定することができる。
【0026】
また、S3による電気柵部材決定ステップでは、対象動物3から、支柱1間の支柱間距離と架線2の架線段数を特定する。例えば「ウシ」であれば架線間距離が30cmで架線段数が3段で支柱間距離が7m以下、「ヒツジ」であれば最下段から3段目までの架線間距離が15cm、3段目と4段目との架線間距離が20cm、4段目と5段目との架線間距離が25cmで架線段数が5段、で支柱間距離が5m以下「ウマ」であれば最下段から3段目までの架線間距離が30cmで架線段数が3段で支柱間距離が7m以下、「シカ」であれば最下段から3段目までの架線間距離が30cm、3段目と4段目との架線間距離が45cmで架線段数が4段で支柱間距離が5mから10m、「イノシシ」であれば架線間距離が20cmで架線段数が3段で支柱間距離が4m以下、「クマ」であれば架線間距離が15cmで架線段数が4段で支柱間距離が4m以下、「ハクビシン/アライグマ」であれば架線間距離が10cmで架線段数が4段で支柱間距離が4m以下、「キツネ/タヌキ」であれば架線間距離が15cmで架線段数が3段で支柱間距離が4m以下、及び「サル」であれば最下段から4段目までの架線間距離が15cm、5段目から8段目との架線間距離が20cmで架線段数が8段で支柱間距離が2mから3mのように特定できる。
支柱1の本数は、エリア外周長さと支柱間距離とによって算出することができる。
従って、対象動物3によって支柱1間の支柱間距離と架線2の架線段数を特定することで、支柱1の本数と架線2のトータル長さとを決定できる。
【0027】
なお、対象動物3から、地表面から最下段に設ける架線2までの地表最低高さを特定することもできる。地表面から最下段に設ける架線2までの地表最低高さは、例えば「ウシ」であれば30cm、「ヒツジ」であれば15cm、「ウマ」であれば60cm、「シカ」であれば45cm、「イノシシ」であれば20cm、「クマ」であれば15cm、「ハクビシン/アライグマ」であれば10cm、「キツネ/タヌキ」であれば15cm、及び「サル」であれば15cmのように決定する。
【0028】
このように、S3による電気柵部材決定ステップでは、コンピュータは、エリア外周長さ、支柱間距離、及び架線段数から、支柱1の本数と、架線2のトータル長さとを決定することができるので、支柱1の本数と架線2のトータル長さが分かることで各種費用の算出、及び費用以外の施工内容や施工日数等の見積もりを検討することができる。
【0029】
S3による電気柵部材決定ステップで、必要とする支柱1の本数と、架線2のトータル長さとが決定されると、決定した支柱1の本数と架線2のトータル長さとから、材料費、施工料金、レンタル・リース料金及び維持管理料金、の内少なくとも1つを含む料金を決定する(S4)。
このように、ユーザが特定したエリア情報と対象動物を基に、必要とする支柱1の本数と、架線2のトータル長さとを決定し、決定した支柱1の本数と架線2のトータル長さとから電気柵部材を決定し、材料費、施工料金、レンタル・リース料金及び維持管理料金、の内少なくとも1つを決定することができるので、各種費用を個別に算出し、ユーザの予算に見合った電気柵の設置を提案することができる。
S4による料金決定ステップでは、コンピュータは、基本料金と追加料金とから、料金を決定する。
基本料金は、あらかじめ設定した外周基本長さと架線基本段数とで決定する。追加料金は、エリア外周長さから外周基本長さを減算して算出される外周追加長さと、架線段数から架線基本段数を減算して算出される架線追加段数とで決定する。
例えば、電気柵の設置個所が1か所である場合、エリア外周長さが400mまでは基本料金とし、400mを越える場合には、20m単位で追加料金を加算することができる。また、電気柵の設置個所が複数になれば、割引率を高くすることも有効である。更に、1台の電源を共用できる範囲(例えば最大2km以内)であれば、異なるユーザであっても、近隣割引や集落割引を適用することも有効である。
【0030】
S5による地目別設定ステップでは、コンピュータは、S1による設置エリア特定ステップでユーザに特定させた、市街地、農耕地、耕作放棄地、及び山林のいずれか一つを少なくとも含む地目によって、電気柵の威力設定、電気柵を設置していることを表示する表示板数、及び盗難対策のいずれか一つを少なくとも含む地目別設定を行う。
コンピュータは、S5による地目別設定をユーザに提供し、ユーザに対して地目別設定を選択させる(S6)。
S6による地目別設定選択ステップでは、ユーザは提供された地目別設定を希望する場合には選択を行い、コンピュータは、選択された地目別設定について、あらかじめ設定しているオプション料金を、料金に加算する。
【0031】
このように、ユーザは、地目によって必要となる地目設定を把握することができるとともに、必要とする地目別設定をオプションとして追加することができるとともに、オプションとしてこれらの地目別設定を料金に含めることができる。
【0032】
S7による出現頻度推定ステップでは、コンピュータは、S1による設置エリア特定ステップでユーザに特定させた、田、露地栽培、ハウス栽培、果樹園、及び放牧地のいずれか一つを少なくとも含む土地利用によって、対象動物3の出現頻度を推定する。
また、S7による出現頻度推定ステップでは、コンピュータは、S1による設置エリア特定ステップでユーザに特定させた、イネ、ムギ、ダイズ、イモ類、野菜類、果物、花き類、及び牧草のいずれか一つを少なくとも含む作物によって、対象動物3の出現頻度を推定する。
S8による監視カメラ選択ステップでは、ユーザは提供された対象動物3の出現頻度を参考に監視カメラ5を希望する場合には選択を行い、コンピュータは、選択された監視カメラ5の台数に応じて、あらかじめ設定しているオプション料金を、料金に加算する。
コンピュータは、S7による出現頻度推定ステップに代えて、又はS7による出現頻度推定ステップとともに、監視カメラ5の推奨台数を提供することもできる。
監視カメラ5の推奨台数は、エリア外周長さや対象動物3によって算出する。また、監視カメラ5の推奨台数は、対象動物3と電気柵の立地条件から、家畜の逃走しやすいエリアや野生動物3が侵入ルートを推定して決定することができる。
なお、監視カメラ5の設置により、人による農作物、設備、資材などの盗難も監視でき、電気柵の立地条件から、人による盗難防止を考慮した推奨台数を付加することも有効である。
【0033】
このように、ユーザは、土地利用及び作物の少なくとも一方によって推定される対象動物3の出現頻度を把握することができるとともに、対策としての監視カメラ5をオプションとして追加することができるとともに、オプションとして監視カメラ5の設置を料金に含めることができる。
なお、監視カメラ5をオプションとして追加する場合には、監視カメラ5の映像データをユーザが通信機器端末を用いて適宜取得できるサービスを付加することが好ましい。
【0034】
S9による維持管理提供ステップでは、コンピュータは、ユーザに対して、下草刈り、適正電圧チェック、及び断線チェックのいずれか一つを少なくとも含む維持管理を促す。この維持管理の提供にあたっては、S1による設置エリア特定ステップでユーザに特定させたエリア情報を用いる。すなわち、エリア外周長さ、地目、土地利用、及び作物によって、管理頻度や管理作業量を算出して適正な維持管理の情報を提供する。
S10による維持管理選択ステップでは、ユーザは提供された維持管理の情報を参考に希望する維持管理の項目の選択を行い、コンピュータは、選択された維持管理の項目に応じて、あらかじめ設定しているオプション料金を、料金に加算する。
下草刈りは年に数回必要であり、例えば幅30cm長さ100mの下草刈りを年4回実施する場合には2時間を要する。また、家屋から離れた場所に電気柵を設置するには電源が必要となり、ソーラーパネルの設置によってバッテリー使用期間は延びるが、天候不順であれば充電が必要となるため、適正電圧チェックが必要となる。また、電圧チェッカーによって行う漏電確認は、1週間に1回か2回行う必要があり、漏電によって適性電圧でなければ効果が無く、また漏電と共に断線についても同様の頻度での管理が必要である。
【0035】
このように、ユーザは、下草刈り、適正電圧チェック、又は断線チェックなどの維持管理に必要な作業を把握することができるとともに、オプションとしてこれらの作業を料金に含めることができる。
【0036】
S11による利用管理提供ステップでは、コンピュータは、ユーザに対して、放牧地、耕作地、及び太陽光発電のいずれか一つを少なくとも含む利用管理を促す。この利用管理の提供にあたっては、S1による設置エリア特定ステップでユーザに特定させたエリア情報を用いる。すなわち、エリア面積、地目、及び土地利用によって、放牧可能な牛の頭数や太陽光発電のパネル面積などを算出して利用管理の情報を提供する。
S12による利用管理選択ステップでは、ユーザは、提供された利用管理の情報を参考に、希望する利用管理の項目の選択を行う。
S12による利用管理選択ステップで、ユーザが利用管理の項目を選択した場合には、コンピュータは、利用管理による利用管理収入額を算出する(S13)。
例えば、放牧地や耕作地では、単位面積当たりで利用管理収入額を算出し、又は家畜の放牧を利用目的とする場合には、頭数や期間によって利用管理収入額を算出することができる。
また太陽光発電の場合には、想定発電量から利用管理収入額を算出し、又は太陽光発電の電力利用形態から利用管理収入額を算出することができる。太陽光発電の電力利用形態は、電気柵への利用形態、農業機械や農業用施設への利用形態、レジャー施設への利用形態、又は被災時用緊急電源利用形態などがある。これらの電力利用形態によってそれぞれの単価を決定して利用管理収入額を算出することができる。また、余剰電力はバッテリなどに充電・備蓄することにより上記農業機械や農業用施設への利用形態、上記レジャー施設への利用形態、又は上記被災時用緊急電源利用形態として新たな収入源として活用することができる。
【0037】
S14による出力ステップでは、コンピュータは、S3による電気柵部材決定ステップで決定した支柱1の本数と架線2のトータル長さ、及びS4による料金決定ステップで決定した料金をユーザに提供する。なお、S6による地目別設定選択ステップで地目別設定が選択され、S8による監視カメラ選択ステップで監視カメラ5が選択され、S10による維持管理選択ステップで維持管理が選択された場合には、それぞれのオプション料金を、料金に加算した料金を提示する。
また、S14による出力ステップでは、コンピュータは、S13による利用管理収入額算出ステップで算出される利用管理収入額をユーザに提供することで、ユーザに対して土地の有効利用を促すことができる。
【0038】
このように、ユーザが特定したエリア情報と対象動物3を基に、必要とする支柱1の本数と、架線2のトータル長さととから電気柵部材を決定し、材料費、施工料金、レンタル・リース料金及び維持管理料金、の内少なくとも1つを含む料金を決定し、レンタル・リース料金総額を決定することができるので、ユーザは瞬時に必要な経費を確認して電気柵の設置を導入する判断を行いやすい。
また、外周基本長さと架線基本段数とから基本料金を設定することで、施工を含めたレンタル・リース事業を行いやすくすることができ、外周追加長さと架線追加段数とで追加料金を設定することで、ユーザにとっては料金によって電気柵を張る範囲を変更しやすい。
【0039】
本実施例による電気柵維持管理支援システムは、本実施例による電気柵設置支援システムによって設置された電気柵の維持管理支援を行うもので、図2に示すように、電気柵の周辺に複数台の監視カメラ5を設置し、コンピュータによって図1に示す以下のステップが行われる。
本実施例による電気柵維持管理支援システムでは、コンピュータは、監視カメラ5の映像を撮像時刻とともに取得し(S20)、監視カメラ5で撮像される対象動物3の出現を判別する(S21)。
S22による行動推定ステップでは、コンピュータは、S21による出現判別ステップで判別された出現の場所と時刻から対象動物3の行動を推定する。
S23による管理方法提供ステップでは、コンピュータは、S22による行動推定ステップで推定される対象動物3の行動から管理方法をユーザに提供する。
S24による管理方法選択ステップでは、ユーザは、提供された管理方法を希望する場合には選択を行い、コンピュータは、管理方法が選択された場合には、あらかじめ設定しているオプション料金を、料金に加算して、新たな料金の再決定を行う(S25)。
S26による出力ステップでは、コンピュータは、S25による料金再決定ステップで決定した新たな料金を、新たな管理方法とともにユーザに提示する。
【0040】
このように、本実施の電気柵維持管理支援システムによれば、電気柵の設置後に対して、実効性の高い管理方法を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明による電気柵設置支援システム及び電気柵維持管理支援システムによれば、電気柵を、施工を含めたレンタル・リースとすることができ、電気柵の設置を推進することができ、黒毛和牛の飼育頭数を増やし、土地の有効利用や新たな担い手の増加、地域経済の活性化を図ることができる。
【符号の説明】
【0042】
1 支柱
2 架線
3 対象動物
4 守護エリア
5 監視カメラ
図1
図2