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  • 特開-脂質膜の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135004
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】脂質膜の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 19/00 20060101AFI20220908BHJP
   C12N 5/00 20060101ALN20220908BHJP
【FI】
B01J19/00 M
C12N5/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021034558
(22)【出願日】2021-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000001063
【氏名又は名称】栗田工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
(74)【代理人】
【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100144967
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 隆之
(72)【発明者】
【氏名】川勝 孝博
(72)【発明者】
【氏名】藤村 侑
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 大輔
(72)【発明者】
【氏名】栃谷 一樹
(72)【発明者】
【氏名】奥村 幸久
【テーマコード(参考)】
4B065
4G075
【Fターム(参考)】
4B065AA99X
4B065CA14
4B065CA44
4G075AA25
4G075BD15
4G075CA51
4G075DA18
4G075EB01
4G075EC12
4G075FB02
4G075FB04
4G075FB06
4G075FB12
(57)【要約】
【課題】均質で面積の大きい脂質膜を形成することができる脂質膜の製造方法を提供する。
【解決手段】脂質溶解液よりなる第1液と、該脂質溶解液と非混和性の第2液とを槽に収容し、第1液と第2液との界面に脂質膜を形成し、基材を第1液及び第2液の一方から他方に移動させることにより、該基材の表面に前記脂質膜を担持させる工程を有する脂質膜の製造方法であって、該脂質溶解液中の脂質の量が、前記槽内の第1液と第2液との界面の全体に脂質膜を形成するのに必要な最少必要量の4倍以上40倍未満である脂質膜の製造方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂質溶解液よりなる第1液と、該脂質溶解液と非混和性の第2液とを槽に収容し、第1液と第2液との界面に脂質膜を形成し、
基材を第1液及び第2液の一方から他方に移動させることにより、該基材の表面に前記脂質膜を担持させる
工程を有する脂質膜の製造方法であって、
該脂質溶解液中の脂質の量が、前記槽内の第1液と第2液との界面の全体に脂質膜を形成するのに必要な最少必要量の4倍以上40倍未満である脂質膜の製造方法。
【請求項2】
前記脂質溶解液の溶媒がヘキサン、クロロホルム又はパーフルオロヘキサンであり、前記第2液は水である請求項1の脂質膜の製造方法。
【請求項3】
前記第1液中の脂質の量が最少必要量の4~30倍である請求項1又は2の脂質膜の製造方法。
【請求項4】
前記脂質がリン脂質である請求項1~3のいずれかの脂質膜の製造方法。
【請求項5】
前記第1液と第2液との界面に形成する脂質膜にタンパク質を含有させる請求項1~4のいずれかの脂質膜の製造方法。
【請求項6】
前記基材を、前記一方の液から他方の液に移動させた後、該他方の液から該一方の液に移動させる請求項1~5のいずれかの脂質膜の製造方法。
【請求項7】
前記最少必要量は、前記第1液と第2液との界面の面積を脂質一分子あたり占有面積で除算することにより求めた値である請求項1~6のいずれかの脂質膜の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は脂質膜の製造方法に関する。詳しくは、本発明は、脂質溶解液と、該脂質溶解液に対して非混和性の液との界面に脂質膜を形成する方法を利用した脂質膜の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
脂質膜を製造する方法として、脂質溶解液と、これに対して非混和性の液とを槽に収容して両液の界面に脂質膜を形成し、この脂質膜をプローブ先端に付着させて脂質膜をプローブ表面に形成する方法が特許文献1に記載されている。
【0003】
即ち、特許文献1の方法は、「水溶液の液面に脂質が溶媒に溶解した脂質溶解液を積層して、前記水溶液と前記脂質溶解液との界面に沿って前記脂質が並列した第1脂質層を形成し、先端部分の表面を親水膜で覆うとともに、前記親水膜に膜輸送タンパク質を結合した前記金属プローブの先端部分を、前記脂質溶解液に浸漬させて、前記親水膜に沿って前記脂質が並列した第2脂質層を形成し、前記第1脂質層に前記第2脂質層を結合して脂質二重層を形成すると同時に、前記脂質二重層に前記膜輸送タンパク質を組み込んで人工生体膜を形成する人工生体膜の製造方法。」である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-29090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、均質で面積の大きい脂質膜を形成することができる脂質膜の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の脂質膜の製造方法は、脂質溶解液よりなる第1液と、該脂質溶解液と非混和性の第2液とを槽に収容し、第1液と第2液との界面に脂質膜を形成し、基材を第1液及び第2液の一方から他方に移動させることにより、該基材の表面に前記脂質膜を担持させる工程を有する脂質膜の製造方法であって、該脂質溶解液中の脂質の量が、前記槽内の第1液と第2液との界面の全体に脂質膜を形成するのに必要な最少必要量の4倍以上40倍未満である。
【0007】
本発明の一態様では、前記脂質溶解液の溶媒がヘキサン、クロロホルム又はパーフルオロヘキサンであり、前記第2液は水である。
【0008】
本発明の一態様では、前記第1液中の脂質の量が最少必要量の4~30倍である。
【0009】
本発明の一態様では、前記脂質がリン脂質である。
【0010】
本発明の一態様では、前記第1液と第2液との界面に形成する脂質膜にタンパク質を含有させる。
【0011】
本発明の一態様では、前記基材を、前記一方の液から他方の液に移動させた後、該他方の液から該一方の液に移動させる。
【0012】
本発明の一態様では、前記最少必要量は、前記第1液と第2液との界面の面積を脂質一分子あたり占有面積で除算することにより求めた値である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の脂質膜の製造方法では、第1液(脂質溶解液)中の脂質量を、第1液と第2液との界面の全体に脂質膜を形成するのに必要な最少必要量の4倍以上40倍未満としたことにより、均質で面積の大きな脂質膜を形成することができる。
【0014】
基材に担持させる脂質膜は、第1液と第2液の界面に形成され、疎水性の溶媒から脂質が供給されるため、欠陥の無い大型の脂質膜を作製することができる。
【0015】
本発明によると、生体機能を利用した反応場、分離場の構築に必要な脂質膜を製造することができ、センサー、反応器、選択性透過膜等の製造に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実験結果を示すグラフである。
図2】実験結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0018】
本発明の脂質膜の製造方法は、脂質溶解液よりなる第1液と、該脂質溶解液と非混和性の第2液とを槽に収容し、第1液と第2液との界面に脂質膜を形成し、基材を第1液及び第2液の一方から他方に移動させることにより、該基材の表面に前記脂質膜を担持させる工程を有する脂質膜の製造方法であって、該脂質溶解液中の脂質の量が、前記槽内の第1液と第2液との界面の全体に脂質膜を形成するのに必要な最少必要量の4倍以上40倍未満である。
【0019】
第1液中の脂質の最少必要量は、第1液と第2液との界面の面積を脂質一分子あたりの占有面積で除算する方法により求めることができる。例えば、第1液と第2液との界面の面積を脂質一分子あたりの占有面積で除算し、これをアボガドロ数で除算することにより、第1液中の脂質の最少必要量(モル量)を求めることができる。
【0020】
第1液に用いられる疎水性の溶媒としては、ヘキサン、クロロホルム、パーフルオロヘキサン等が挙げられる。第2液の溶媒としては親水性の溶媒が挙げられ、具体的には水が挙げられる。
【0021】
本発明の一態様では、第2液としての親水性の溶媒と、疎水性の溶媒に脂質を溶解させた第1液とを一つの槽に収容して、2相を形成させて、脂質膜を界面に形成させる。そして、脂質膜を担持させる基材を一方の相から他方の相に移動させることで脂質膜を基材表面に担持させる。
【0022】
本発明では、予め脂質膜が界面に形成されているため、欠陥が少なくなる。また、脂質は疎水性の溶媒から補充されるため、大型の脂質膜を作製することができる。
【0023】
本発明では、疎水性の溶媒に溶解させる脂質の量は、界面の全体に脂質膜を形成するのに必要な量(最少必要量)の40倍未満であり、それよりも多いと多層の脂質膜が形成されてしまう。
【0024】
第1液中の脂質の量は、最少必要量の4~40倍、特に10~30倍であることが好ましい。
【0025】
脂質としては、リン脂質、糖脂質、グリセロール、セラミド、脂肪酸、ステロイド等が挙げられる。
【0026】
リン脂質としては、中性リン脂質、アニオン性リン脂質のいずれでもよい。
【0027】
中性リン脂質としては、1-パルミトイル-2-オレオイルホスファチジルコリン、1,2-ジオレオイルホスファチジルコリン、1,2-ジパルミトイルホスファチジルコリン、1-パルミトイル-2-オレオイルホスファチジルエタノールアミンなどが挙げられる。
【0028】
カチオン性リン脂質としては、1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウムプロパン、1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリンなどが例示される。
【0029】
アニオン性リン脂質としては、1-パルミトイル-2-オレオイルホスファチジルグリセロール、1-パルミトイル-2-オレオイルホスファチジン酸、1-パルミトイル-2-オレオイルホスファチジルセリンなどを挙げることができる。
【0030】
ステロイドとしては、コレステロール、エルゴステロール、3β-[N-(N’,N’-ジメチルアミノエタン)-カルバモイル]コレステロール塩酸塩などを挙げることができる。
【0031】
脂質膜を担持させる基材の形状は、板状、膜状、立方体、直方体、棒状、球状などのいずれもよい。基材の材料としては、ガラス、プラスチック、金属、セラミック等が挙げられ、選択性透過膜のような機能性の材料を用いても良い。なお、脂質が表面に展開し易いようにするために、表面にカチオン基やアニオン基等の親水基やオクチル基やオクタデシル基等の疎水基を導入しても良い。
【0032】
生体機能材料としては、チャネル物質、センシング物質、生体触媒物質等が挙げられる。チャネル物質としては、アクアポリン、グラミシジン、アムホテリシンB、あるいはそれらの誘導体などを用いることができる。
【0033】
本発明における脂質膜の作製方法においては、基材を第1液及び第2液の一方から他方に移動させて脂質膜を基材表面に担持させるが、その後、該他方から該一方に移動させてもよく、これを繰り返してもよい。
【0034】
基材の移動速度は0.1~5.0mm/min、特に0.5~2.0mm/min程度が好適であるが、これに限定されない。
【実施例0035】
[製膜材料]
第1液及び第2液収容用容器:50mLビーカー(直径4cm)
第2液(親水性溶媒):水
第1液の疎水性溶媒:ヘキサン(富士フィルム和光純薬)
脂質:1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(重量平均分子量=760.1:POPC,NOF)
1,2-ジオレオイロキシ-3-トリメチルアンモニウムプロパンクロリド(重量平均分子量=698.5:DOTAP,NOF)
基材:カバーガラス(C218181,松浪硝子工業株式会社 18mm×18mm×0.13~0.17mmを10mm×5mm×0.13~0.17mmにカットして使用)
【0036】
[最少必要量及び脂質濃度の算出方法]
50mLビーカーに脂質(POPC)溶解液15mLと水を収容した際に脂質分子が単分子膜状態で界面全体に存在するために必要な脂質量(最少必要量)は次の通り求められる。
【0037】
POPC一分子あたり占有面積(a):約7×10-1nm
脂質溶液の界面の面積(b):π(4/2)cm=約12×1014nm
界面に単分子膜を形成するのに必要な脂質のモル量は、(b)/((a)×6×1023)=約3×10-9molとなる。
【0038】
上記最少必要モル量(3×10-9mol)の脂質を15mLのヘキサンに溶解させた溶液の脂質濃度(以下、最小濃度ということがある。)は、3×10-9mol/15mL≒2×10-4mmol/Lとなる。
【0039】
<実験1:界面張力の測定及びそれに基づく単分子膜形成のための脂質量の算出>
ヘキサンに脂質を溶解させた脂質溶解液と水の界面に脂質分子が単分子膜状態で界面全体を被覆している場合、界面張力が低下すると考えられる。そこで、4×10-4、6×10-4、7×10-4、8×10-4、1×10-3、4×10-3mmol/Lの各脂質濃度のヘキサン溶液と水の間の界面張力を界面張力計(DY-300,Kyowa Interface Science Co., LTD,Saitama,Japan)を用いてWilhelmy法により測定した。結果を図1に示す。
【0040】
図1の通り、8×10-4mmol/L付近の濃度で界面張力が急激に低下しており、単分子膜が形成されるためには、8×10-4mmol/L以上、すなわち上記の計算から得られる最小濃度(2×10-4mmol/L)の4倍以上の濃度である必要があることが認められた。なお、DOTAPの重量平均分子量はPOPCとほぼ同等であるところから、DOTAPの場合も最小濃度はPOPCの場合と同様であると考えられる。
【0041】
<実施例1>
[脂質溶液の調製]
脂質としてDOTAPを用い、6×10-3mmol/L(界面に脂質単分子膜が形成される最小濃度の30倍)の脂質溶液を調製した。
【0042】
[基材表面への脂質膜形成]
上記カバーガラスよりなる基材を、小型プラズマ装置(PR200;ヤマト科学株式会社,Tokyo,Japan)を用いて150Wで10分間プラズマ処理を行い、製膜直前まで純水中に浸漬した。次に、50mLビーカーへ純水(第2液)を30mL入れて水相とし、基材を水平状態にて浸漬させた。その後、上記の脂質溶液30mLを静かに水相の上側に注ぎ、5分間静置し、界面に脂質膜を形成した。
【0043】
その後、基材を鉛直上方に1mm/minの速度で移動させて脂質溶液中に移行させ、脂質溶液中に5分間静置した。その後、基材を1mm/minの速度で下方移動させて水中に移行させた。その後、パスツールピペットを用いて脂質溶液を吸い出すことにより、脂質溶液を除去し、水相から基材を回収した。なお、基材の移動にはディップコーター(ND-0407,SDI,Kyoto,Japan)を用いた。
【0044】
[構造評価]
FRAPにより脂質膜の構造を評価した。FRAPとは、平面基板上に存在する脂質分子の流動性を見る手法で、基板上の脂質分子が平面二分子膜を形成しているか、リポソームとして吸着しているかどうかを判別する事ができる。まず、蛍光物質(3,3-dioctadecyloxacarbo-cyanine perchlorate;DiO,M.W.=882.0,Biotium,Fremont,USA)で標識した脂質分子を用いて平面基板上に脂質を吸着させる。その後、レーザーで局所的に脂質分子の蛍光を消光させ、消光した領域の蛍光強度の経時変化を測定する。平面基板上に脂質が平面的な二分子膜を形成した場合は、非消光領域から蛍光分子が供給されるため蛍光強度が回復するが、リポソームとして吸着した場合は脂質分子の移動が起こらず蛍光強度は回復しない。
【0045】
共焦点レーザー走査型顕微鏡(FV1000-D,Olympus Co.,Ltd,Tokyo,Japan)を用いて、直径約20μmの円形スポットにレーザーを照射し、試料の蛍光を部分的に消光させた後、その部分の蛍光の回復を観察した。励起波長484nm、蛍光波長501nmにおける蛍光強度をそれぞれIb、Irとし、消光t分後における相対蛍光強度RI(t)=Ib/Irを求め、以下の式によって蛍光回復率FR(t)を算出した。
【0046】
FR(t)=(RI(t)-RI(0))/(1-RI(0))
その結果、回復率は91.1%であった。
【0047】
[実施例2]
脂質溶解の濃度を4×10-3mmol/L(界面に脂質単分子膜が形成される最小濃度の20倍)としたこと以外は、実施例1と同様にして、脂質膜を作製した。上記記載のFRAPにより脂質膜の流動性を評価したところ、回復率は53.4%であった。
【0048】
[実施例3]
脂質溶解の濃度を2×10-3mmol/L(界面に脂質単分子膜が形成される最小濃度の10倍)としたこと以外は、実施例1と同様にして、脂質膜を作製した。上記記載のFRAPにより脂質膜の流動性を評価したところ、回復率は46.3%であった。
【0049】
[実施例4]
脂質としてDOTAPとPOPCとをモル比で95:5としたものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、脂質膜を作製した。FRAPによる回復率は97.4%であった。
【0050】
[実施例5]
プラズマ処理したカバーガラスからなる基材のかわりにカチオン交換膜(CMB、アストム株式会社)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、脂質膜を作製した。FRAPによる回復率は66.3%であった。
【0051】
[比較例1]
脂質溶解の濃度を8×10-3mmol/L(界面に脂質単分子膜が形成される最小濃度の40倍)としたこと以外は、実施例1と同様にして、脂質膜を作製した。FRAPによる回復率は0.6%であった。
【0052】
[比較例2]
脂質溶解の濃度を1×10-2mmol/L(界面に脂質単分子膜が形成される最小濃度の50倍)としたこと以外は、実施例1と同様にして、脂質膜を作製した。FRAPによる回復率は2.7%であった。
【0053】
[比較例3]
脂質溶解の濃度を4×10-4mmol/L(界面に脂質単分子膜が形成される最小濃度の2倍)とした以外は、実施例1と同様にして、脂質膜を作製した。FRAPによる回復率は14.6%であった。
【0054】
<考察>
実施例1、2、3、4、5では、FRAPの回復率が比較例1、2、3よりも高く、脂質膜が欠陥無く多層化せずに展開していることが認められた。
図1
図2