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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135189
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】通信装置及び通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20220908BHJP
【FI】
H04L27/26 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021034828
(22)【出願日】2021-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】島▲崎▼ 智拓
(72)【発明者】
【氏名】松▲崎▼ 敬文
(72)【発明者】
【氏名】中川 孝之
(57)【要約】
【課題】 異なるフレーム長を有する2以上のOFDMフレームと対応する信号を適切に多重された多重伝送フレームを第1装置と第2装置との間で適切に伝送することを可能とする通信装置及び通信方法を提供する。
【解決手段】 通信装置は、第1放送信号及び第2放送信号が多重された多重伝送フレームを第1装置から第2装置に伝送する伝送システムにおいて、前記第1装置及び前記第2装置の少なくともいずれか1つを構成し、第1放送信号に関する第1OFDMフレームのフレーム長の整数倍となるように、前記多重伝送フレームのフレーム長を設定する制御部を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置であって、
第1放送信号及び第2放送信号が多重された多重伝送フレームを第1装置から第2装置に伝送する伝送システムにおいて、前記第1装置及び前記第2装置の少なくともいずれか1つを構成し、
第1放送信号に関する第1OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)フレームのフレーム長の整数倍となるように、前記多重伝送フレームのフレーム長を設定する制御部を備える、通信装置。
【請求項2】
前記第2放送信号に関する第2方式の伝送容量は、前記第1放送信号に関する第1方式の伝送容量よりも大きく、
前記多重伝送フレームは、前記第2方式について定義された伝送フレームであり、
前記制御部は、前記第1OFDMフレームのフレーム長の整数倍となるように、前記多重伝送フレームのフレーム長を設定する、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
通信方法であって、
第1放送信号及び第2放送信号が多重された多重伝送フレームを第1装置から第2装置に伝送するステップと、
前記第1装置及び前記第2装置の少なくともいずれか1つを構成する通信装置が、第1放送信号に関する第1OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)フレームのフレーム長の整数倍となるように、前記多重伝送フレームのフレーム長を設定するステップと、を備える、通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
第1装置(例えば、放送局の演奏所又は送信所)から第2装置(例えば、送信所)に対して、主信号及びSC(Service Channel)信号が多重された伝送フレームに関する伝送方式が規定されている。主信号は、地上デジタルテレビジョン放送及びV-Low地上マルチメディア放送に関する第1放送信号(例えば、TS(Transport Stream)信号、TMCC(Transmission and Multiplexing. Configuration Control)信号などを含む。このような伝送方式において、第1装置と第2装置との間のリンクは、STL(Studio To Transmitter Link)又はTTL(Transmitter To Transmitter Link)と称される(例えば、非特許文献1)。
【0003】
STL及びTTLで用いる伝送フレームは、第1放送信号に関するOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)フレームの整数倍(5倍)であるため、STL及びTTLで用いる伝送フレームと第1放送信号に関する第1OFDMフレームとの同期が取れた状況が実現されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「地上デジタル放送用デジタルSTL/TTL伝送方式」 標準規格 ARIB STD-B22 2.1版
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年では、STL/TTLの拡張によって、地上放送高度化方式に関する第2放送信号を伝送フレームに多重する技術(高度化STL/TTL)が検討されている。高度化STL/TTLで用いる伝送フレームには、第1放送信号及び第2放送信号が多重されることが想定される。
【0006】
このような背景下において、発明者等は、鋭意検討の結果、高度化STL/TTLで用いる伝送フレームと第1OFDMフレームとの同期が取れず、第1装置と第2装置との間で適切な伝送を実現することができないことを見出した。
【0007】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、異なるフレーム長を有する2以上のOFDMフレームと対応する信号を適切に多重された多重伝送フレームを第1装置と第2装置との間で適切に伝送することを可能とする通信装置及び通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示に係る通信装置は、第1放送信号及び第2放送信号が多重された多重伝送フレームを第1装置から第2装置に伝送する伝送システムにおいて、前記第1装置及び前記第2装置の少なくともいずれか1つを構成し、第1放送信号に関する第1OFDMフレームのフレーム長の整数倍となるように、前記多重伝送フレームのフレーム長を設定する制御部を備える。
【0009】
開示に係る通信方法は、第1放送信号及び第2放送信号が多重された多重伝送フレームを第1装置から第2装置に伝送するステップと、前記第1装置及び前記第2装置の少なくともいずれか1つを構成する通信装置が、第1放送信号に関する第1OFDMフレームのフレーム長の整数倍となるように、前記多重伝送フレームのフレーム長を設定するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、異なるフレーム長を有する2以上のOFDMフレームと対応する信号を適切に多重された多重伝送フレームを第1装置と第2装置との間で適切に伝送することを可能とする通信装置及び通信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係るデジタル無線伝送システム10を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る第1装置100を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る第2装置200を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るSTL/TTLクロック周波数について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0013】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0014】
[開示の概要]
開示の概要に係る通信装置は、第1放送信号及び第2放送信号が多重された多重伝送フレームを第1装置から第2装置に伝送する伝送システムにおいて、前記第1装置及び前記第2装置の少なくともいずれか1つを構成し、第1放送信号に関する第1OFDMフレームのフレーム長の整数倍となるように、前記多重伝送フレームのフレーム長を設定する制御部を備える。
【0015】
開示に係る通信方法は、第1放送信号及び第2放送信号が多重された多重伝送フレームを第1装置から第2装置に伝送するステップと、前記第1装置及び前記第2装置の少なくともいずれか1つを構成する通信装置が、第1放送信号に関する第1OFDMフレームのフレーム長の整数倍となるように、前記多重伝送フレームのフレーム長を設定するステップと、を備える。
【0016】
開示の概要では、通信装置は、第1放送信号に関する第1OFDMフレームのフレーム長の整数倍となるように、前記多重伝送フレームのフレーム長を設定する。このような構成によれば、第1放送信号及び第2放送信号が多重された多重伝送フレームを第1装置から第2装置に伝送するケースを想定した場合であっても、異なるフレーム長を有する2以上のOFDMフレームと対応する信号を適切に多重された多重伝送フレームを第1装置と第2装置との間で適切に伝送することができる。
【0017】
[実施形態]
(デジタル無線伝送システム)
以下において、実施形態に係るデジタル無線伝送システムについて説明する。図1は、実施形態に係るデジタル無線伝送システム10を示す図である。図1に示すように、デジタル無線伝送システムは、第1装置100及び第2装置200を備える。
【0018】
実施形態において、デジタル無線伝送システムは、異なるフレーム長を有するOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)フレームが第2装置200から送信されるケースにおいて、第1装置100から第2装置200に対して、2以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを伝送するシステムに関する。第1装置100は、放送局の演奏所であってもよく、送信所であってもよい。第2装置200は、送信所であってもよい。第1装置100と第2装置200との間のリンクは、STL(Studio To Transmitter Link)と称されてもよく、TTL(Transmitter To Transmitter Link)と称されてもよい。以下において、第1装置100と第2装置200との間のリンクについてSTL/TTLと称してもよい。
【0019】
実施形態では、2以上の放送信号が第1放送信号及び第2放送信号を含むケースについて説明する。第2放送信号に関する第2方式の伝送容量は、第1放送信号に関する第1方式の伝送容量よりも大きくてもよい。
【0020】
第1放送信号は、地上デジタルテレビジョン放送及びV-Low地上マルチメディア放送に関する放送信号(例えば、TS(Transport Stream)信号、TMCC(Transmission and Multiplexing. Configuration Control)信号などを含んでもよい。第1放送信号は、SC(Service Channel)信号を含んでもよい。第1方式は、ISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)方式と称されてもよい。
【0021】
第2放送信号は、地上放送高度化方式に関する第2放送信号を含んでもよい。第2放送信号は、XMI(eXtensible Modulator Interface)信号と称されてもよい。地上放送高度化方式は、第2方式の一例であってもよい。第2放送信号は、SC(Service Channel)信号を含んでもよい。
【0022】
第1放送信号に関する第1OFDMフレームのフレーム長は、第2放送信号に関する第2OFDMフレームのフレーム長と異なっていてもよい。フレーム長の詳細については後述する。
【0023】
(第1装置)
以下において、実施形態に係る第1装置について説明する。図2は、実施形態に係る第1装置100を示すブロック図である。
【0024】
図2に示すように、第1装置100は、多重部101と、変調部103と、送信部105と、クロック生成部107と、を有する。
【0025】
多重部101は、第1放送信号及び第2放送信号を多重する。ここで、多重部101は、クロック生成部107によって生成されるクロック(以下、STL/TTLクロック)を想定して、第1放送信号及び第2放送信号を多重する。言い換えると、多重部101は、多重伝送フレームのフレーム長が第1OFDMフレームのフレーム長の整数倍となる想定で、第1放送信号及び第2放送信号を多重する。多重方式は、時分割多重であってもよい。多重方式は、時分割多重以外の多重方式であってもよい。
【0026】
変調部103は、STL/TTLクロックに基づいて、第1放送信号及び第2放送信号が多重された信号(以下、多重信号)を変調することによって多重伝送フレームを生成する。多重信号は、ヘッダ情報を含む形式で表されてもよい。多重伝送フレームは、OFDMフレームである。変調方式としては、64QAM(Quadrature Amplitude Modulation)が用いられてもよい。変調方式としては、64QAMよりも高い変調方式(例えば、最大で4096QAM)が用いられてもよい。
【0027】
送信部105は、変調部103から出力される多重伝送フレームを第2装置200に送信する。送信部105は、IF(Intermediate Frequency)信号をRF(Radio Frequency)信号に変換する機能を有してもよい。
【0028】
クロック生成部107は、STL/TTLクロックを生成する。具体的には、クロック生成部107は、第1放送信号に関する第1OFDMフレームのFFT(Fast Fourier Transform)クロック周波数及び第2放送信号に関する第2OFDMフレームのFFTクロック周波数に基づいて、STL/TTLクロックを生成する。以下において、STL/TTLクロックの周波数は、STL/TTLクロック周波数と称する。STL/TTLクロック周波数の詳細については後述する。
【0029】
例えば、クロック生成部107は、第1OFDMフレームのFFTクロック周波数を生成するクロック(以下、第1クロック)を生成する第1クロック生成部と、第2OFDMフレームのFFTクロック周波数を生成するクロック(以下、第2クロック)を生成する第2クロック生成部と、を含んでもよい。クロック生成部107は、第1クロック及び第2クロックに基づいてSTL/TTLクロックを生成してもよい。例えば、第1OFDMフレームのFFTクロック周波数は、8.127MHz(=512/63)であってもよく、第2OFDMフレームのFFTクロック周波数は、6.321MHz(=512/81)であってもよい。
【0030】
ここで、クロック生成部107は、第1OFDMフレームのフレーム長の整数倍となるように、多重伝送フレームのフレーム長を設定する制御部の一例であってもよい。言い換えると、クロック生成部107は、多重伝送フレームのフレーム長を設定するためのSTL/TTLクロックを生成する。
【0031】
(第2装置)
以下において、実施形態に係る第2装置について説明する。図3及び図4は、実施形態に係る第2装置200を示すブロック図である。
【0032】
図3に示すように、第2装置200は、受信部201と、復調部203と、分離部204と、クロック生成部207と、送信装置209と、を有する。
【0033】
受信部201は、多重伝送フレームを第1装置100から受信する。受信部210は、RF信号をIF信号に変更する機能を有していてもよい。受信部201は、多重伝送フレームとしてOFDMフレームを受信してもよい。
【0034】
復調部203は、クロック生成部207によって発生するSTL/TTLクロックに基づいて、受信部201によって受信された信号を復調する。復調方式としては、64QAMが用いられてもよい。復調方式としては、64QAMよりも高い復調方式が用いられてもよい。
【0035】
分離部205は、復調部203によって復調された信号(多重信号)から、第1放送信号及び第2放送信号を別々に分離する。多重信号は、ヘッダ情報を含む形式で表されてもよい。ここで、分離部205は、第1放送信号及び第2放送信号の多重方法(比率及び順序など)を特定し、第1放送信号及び第2放送信号を多重信号から分離してもよい。多重方法は、第2装置にとって既知であってもよく、多重信号に含まれるヘッダ情報に格納されてもよい。分離部205は、復調部203によって復調された信号から、SC信号を分離してもよい。
【0036】
クロック生成部207は、STL/TTLクロックを生成する。例えば、クロック生成部207は、第1クロックを生成する第1クロック生成部と、第2クロックを生成する第2クロック生成部と、を含んでもよい。クロック生成部207は、第1クロック及び第2クロックに基づいてSTL/TTLクロックを生成してもよい。STL/TTLクロック周波数の詳細については後述する。
【0037】
ここで、クロック生成部207は、第1OFDMフレームのフレーム長の整数倍となるように、多重伝送フレームのフレーム長を設定する制御部の一例であってもよい。言い換えると、クロック生成部207は、多重伝送フレームのフレーム長を設定するためのSTL/TTLクロックを生成する。
【0038】
送信装置209は、第1放送信号に関する第1OFDMフレームを送信する。送信装置209は、第2放送信号に関する第2OFDMフレームを送信する。送信装置209は、時間インタリーブ処理、周波数インタリーブ処理、誤り訂正符号化処理などを実行する機能を有してもよい。
【0039】
(STL/TTLクロック周波数)
以下において、実施形態に係るSTL/TTLクロック周波数の詳細について説明する。以下においては、第1放送信号がISDB-T方式に対応する放送信号であり、第2放送信号が地上放送高度化方式に対応する放送信号であるケースについて例示する。
【0040】
さらに、第2放送信号に関する第2方式の伝送容量は、第1放送信号に関する第1方式の伝送容量よりも大きく、多重伝送フレームは、第2方式(すなわち、地上放送高度化方式)について定義された多重伝送フレームであるケースについて例示する。
【0041】
実施形態では、STL/TTLに関する多重伝送フレームは、第2方式(すなわち、地上放送高度化方式)について定義されたものであるため、多重伝送フレームと第2OFDMフレームとの同期については特に意識しなくてもよいものとする。以下においては、第1放送信号に関する第1OFDMフレームのフレーム長と多重伝送フレームのフレーム長との関係について主として説明する。
【0042】
ここで、第1放送信号に関する第1OFDMフレームのフレーム長は、以下の式によって表すことが可能である。
【0043】
【数1】
【0044】
例えば、FFFT_Cは、512/63=8.127MHzの固定値であってもよい。PFFT_Cは、2048、4096、8192の中から選択された値であってもよい。RGI_Cは、1/4、1/8、1/16、1/32の中から選択された値であってもよい。NSF_Cは、204の固定値であってもよい。
【0045】
従って、第1放送信号に関する第1OFDMフレームのフレーム長は、以下の式によって表されてもよい。
【0046】
【数2】
【0047】
また、多重伝送フレームのフレーム長は、以下の式によって表すことが可能である。
【0048】
【数3】
【0049】
例えば、FFFT_STLは、…、8192/384、8192/400、8192/408、8192/416、8192/432、…の中から選択された値であってもよい。
【0050】
このような背景下において、実施形態では、LFRAME_C×A=LFRAME_STL×Bを満たすA、Bについて検討する。A、Bは正の整数である。例えば、FFFT_STLは、8192/272、8192/336、8192/352、8192/384、8192/400、8192/408、8192/416、8192/432、8192/448、8192/544の10種類であるケースについて例示すると、以下に示す関係式が成り立つ。
【0051】
【数4】
【0052】
さらに、FFFT_STLがクロックNo.1(8192/272)を例に挙げて、PFFT_STLが暫定的に8192であり、RGI_STLが暫定的に1/32であると仮定したケースについて説明する。このようなケースにおいて、LFRAME_C×A=LFRAME_STL×Bは以下に示すように展開することができる。
【0053】
【数5】
【0054】
このようなケースにおいて、A=11、B=D×Cの関係が満たされる場合には、3×3×7=63=NSF_STLという関係が導き出される。
【0055】
さらに、クロックNo.2~No.10についても同様の演算を行うと、図4に示す結果が得られる。
【0056】
図4において、STL/TTLクロック周波数は、多重伝送フレームを生成するためのクロック周波数である。第1OFDMフレームに対する倍率は、多重伝送フレームに含まれる第1OFDMフレームの数(上述したAの値)である。NSF_STLは、多重伝送フレームあたりのシンボル数である。512/81に対する分周比は、第2OFDMフレームに関するFFTクロック周波数(512/81)に対するSTL/TTLクロック周波数の分周比である。512/63に対する分周比は、第1OFDMフレームに関するFFTクロック周波数(512/63)に対するSTL/TTLクロック周波数の分周比である。10MHzに対する分周比は、10MHzのクロック周波数に対するSTL/TTLクロック周波数の分周比である。総キャリア数は、多重伝送フレームの伝送に用いる帯域(ここでは、8.4MHz又は8.5MHz)で利用されるキャリアの総数である。
【0057】
(作用及び効果)
実施形態では、第1装置100及び第2装置200の少なくともいずれか1つを構成する通信装置は、第1OFDMフレームのフレーム長の整数倍となるように、多重伝送フレームのフレーム長を設定する。このような構成によれば、第1放送信号及び第2放送信号が多重された多重伝送フレームを第1装置から第2装置に伝送するケースを想定した場合であっても、異なるフレーム長を有する2以上のOFDMフレームと対応する信号を適切に多重された伝送フレームを第1装置と第2装置との間で適切に伝送することができる。
【0058】
[変更例1]
以下において、実施形態の変更例1について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0059】
変更例1では、多重伝送フレームに誤り訂正符号(例えば、LDPC(Low Density Parity Check)符号)が適用されるケースを考慮して、多重伝送フレームのフレーム長を設定するケースについて説明する。具体的には、変更例1では、多重伝送フレームの伝送で利用される総キャリア数に含まれるデータキャリア数及びシンボル数(NSF_TSL)について着目する。
【0060】
具体的には、第1装置及び第2装置は、データキャリア数とシンボル数(NSF_TSL)との乗算結果が誤り訂正ブロックの整数倍となるように、多重伝送フレームのフレーム長を設定する。データキャリア数は、総キャリア数の9割前後であってもよい。シンボル数(NSF_TSL)は、MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)を想定して偶数であってもよい。
【0061】
[その他の実施形態]
本発明は上述した開示によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0062】
上述した開示では、第1OFDMフレームのフレーム長の整数倍となるように多重伝送フレームのフレーム長を設定する制御部がクロック生成部107及びクロック生成部207であるケースについて例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。制御部は、STL/TTLクロックに従って第1放送信号及び第2放送信号を多重する多重部101であると考えてもよく、STL/TTLクロックに従って第1放送信号及び第2放送信号を別々に分離する分離部205であると考えてもよい。制御部は、送信部105であると考えてもよく、受信部201であると考えてもよい。
【0063】
上述した開示では特に触れていないが、多重伝送フレームのフレーム長の設定について、「設定」という用語は、「送信」、「受信」、「生成」、「想定」などの用語と読み替えられてもよい。例えば、第1装置100は、第1OFDMフレームのフレーム長の整数倍となるフレーム長を有する多重伝送フレームを生成又は送信してもよい。第2装置200は、第1OFDMフレームのフレーム長の整数倍となるフレーム長を有する多重伝送フレームを受信又は想定してもよい。
【0064】
上述した開示では特に触れていないが、第1装置100と第2装置200との間の伝送方式は、IF方式であってもよく、TS伝送方式であってもよい。
【0065】
上述した開示では特に触れていないが、多重伝送フレームのフレーム長は、第2放送信号に関する第2OFDMフレームのフレーム長の整数倍であってもよい。但し、多重伝送フレームに多重される第2放送信号がパケット形式(例えば、XMIパケット)である場合において、XMIパケットのフレーム周期が一定でない場合には、上述した関係が満たされなくてもよい。
【0066】
上述した開示では特に触れていないが、第1装置100及び第2装置200が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0067】
或いは、第1装置100及び第2装置200が行う各処理を実行するためのプログラムを記憶するメモリ及びメモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップが提供されてもよい。
【符号の説明】
【0068】
10…デジタル無線伝送システム、100…第1装置、101…多重部、103…変調部、105…送信部、107…クロック生成部、200…第2装置、201…受信部、203…復調部、205…分離部、207…クロック生成部、209…送信装置
図1
図2
図3
図4