(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022136121
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】単一リソグラフィ露光パスで複数の空間像を形成すること
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20220908BHJP
H01S 3/10 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
G03F7/20 505
G03F7/20 521
H01S3/10 D
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022110886
(22)【出願日】2022-07-11
(62)【分割の表示】P 2020521348の分割
【原出願日】2018-09-26
(31)【優先権主張番号】62/574,628
(32)【優先日】2017-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513192029
【氏名又は名称】サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】コンリー,ウィラード,アール
(72)【発明者】
【氏名】ソーンズ,ジョシュア,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】レヒトシュタイナー,グレゴリー,アレン
(57)【要約】
【課題】単一リソグラフィ露光パスで複数の空間像を形成する。
【解決手段】光ビームの光パルスの一セットが単一露光パスの間にマスクを通過してウェーハに向けられ、マスクを通過するパルスセット内の光パルスに基づいたウェーハ上の少なくとも第1の空間像及び第2の空間像が単一露光パスの間に生成され、第1の空間像は、ウェーハ上の第1の平面にあり、第2の空間像は、ウェーハ上の第2の平面にあり、第1の平面及び第2の平面は、互いに空間個別的であり、伝搬方向に沿って分離距離だけ互いに離れており、3次元半導体コンポーネントが形成される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトリソグラフィシステムを使用して3次元半導体コンポーネントを形成する方法であって、
複数の光パルスを含むパルス光ビームを伝搬方向に沿ってマスクに向けることと、
単一露光パスの間に前記光ビームの前記光パルスの一セットを、前記マスクを通過させてウェーハに向けることと、
前記単一露光パスの間に、前記マスクを通過する前記パルスセット内の光パルスに基づいて、前記ウェーハ上に少なくとも第1の空間像及び第2の空間像を生成することであって、前記第1の空間像が前記ウェーハ上の第1の平面にあり、前記第2の空間像が前記ウェーハ上の第2の平面にあり、前記第1の平面及び前記第2の平面が前記伝搬方向に沿って分離距離だけ互いに離れていることと、
前記第1の空間像の光と前記ウェーハの第1の部分の材料との相互作用及び前記第2の空間像の光と前記ウェーハの第2の部分の材料との相互作用に基づいて、フォトレジストに前記3次元半導体コンポーネントをパターニングすることと、を含み、
前記パルスセット内のパルスの少なくとも1つが第1の一次波長を有し、前記パルスセット内の他のパルスの少なくとも1つが前記第1の一次波長と異なる第2の一次波長を有することにより、前記第1及び第2のパルスセットのスペクトルがスペクトル的に異なり、
前記分離距離が、前記第1の一次波長と前記第2の一次波長の差に基づく、方法。
【請求項2】
前記単一露光パスの間に前記マスクを通過する前記パルスセット内のパルスの少なくとも1つが、2つ以上の光の一次波長を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各一次波長が、最も近い別の一次波長から200フェムトメートル(fm)から500ピコメートル(pm)のスペクトル分離によって分離される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の空間像と前記第2の空間像の間の前記分離距離が、前記単一露光パスの間に変化する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記単一露光パスが、第1の露光パスであり、
前記方法がさらに、第2の露光パスの間、かつ前記第1の露光パスが完了した後に、前記光ビームの光パルスの第2のセットを前記マスクを通過させて前記ウェーハに向けることを含み、
前記第1の空間像と前記第2の空間像の間の前記分離距離が、前記第1の露光パス及び前記第2の露光パスの間異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の空間像と前記第2の空間像の間の前記分離距離が、前記単一露光パスに先立って設定され、
前記分離距離が、前記単一露光パスの間変化しない、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の空間像と前記第2の空間像の間の前記分離距離が、前記フォトリソグラフィシステムの1つ以上のフィーチャに適応するように設定される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記パルスセットが、光パルスの第1のグループと光パルスの第2のグループとを含み、
前記光パルスの第1のグループの各パルスが、前記第1の一次波長を有し、
前記光パルスの第2のグループの各パルスが、前記第2の一次波長を有し、
前記方法がさらに、
前記パルスの第1のグループの特性を制御することによって前記第1の空間像の光量を制御することと、
前記パルスの第2のグループの特性を制御することによって前記第2の空間像の光量を制御することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のグループの前記特性が、前記第1のグループのパルス数を含み、
前記第2のグループの前記特性が、前記第2のグループのパルス数を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のグループの前記パルス数を制御することが、前記パルスの第1のグループに含む第1のパルス数を、前記単一露光パスが始まる前に決定することを含み、
前記パルスの第2のグループの前記パルス数を制御することが、前記パルスの第2のグループに含む第2のパルス数を、前記単一露光パスの前に決定することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のパルス数及び前記第2のパルス数を決定することが、(a)オペレータからの入力を受け取ることと、(b)前記フォトリソグラフィシステムと関連付けられたあらかじめ規定された設定にアクセスすることと、の1つ以上を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記パルスの第1のグループの前記特性が、前記第1のグループの各パルスの強度を含み、
前記パルスの第2のグループの前記特性が、前記第2のグループの各パルスの強度を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記ウェーハ上の前記第1の平面及び前記ウェーハ上の前記第2の平面が、前記伝搬方向に対して実質的に垂直な平面である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記パルスの第1のグループ及び前記パルスの第2のグループが、前記単一露光パスにおいて前記マスクを通過する全てのパルスを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記3次元半導体の第1のフィーチャが、前記第1の平面に形成され、
前記3次元半導体の第2のフィーチャが、前記第2の平面に形成され、
前記第1及び第2のフィーチャが、前記伝搬方向に実質的に平行に延在する側壁によって互いから離れている、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記3次元半導体コンポーネントが、3次元NANDフラッシュメモリコンポーネントを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の平面が、第1の焦点面に対応し、
前記第2の平面が、第2の焦点面に対応し、
前記第1の平面と前記第2の平面の間の前記分離距離が、前記マスクを通過する光パルスの1つ以上の波長の差、又は前記パルスセットの個別のパルス間の波長の差に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
光源と、
前記光源からのパルス光ビームと相互作用するように配置されたマスクと、ウェーハホルダと、を有するリソグラフィスキャナ装置と、
前記光源に結合された制御システムと、
を備えたフォトリソグラフィシステムであって、
前記制御システムが、前記光源に、単一露光パスの間に前記パルス光ビームを前記リソグラフィスキャナ装置に向けて放出させるように構成され、前記単一露光パスの間、少なくとも第1の空間像及び第2の空間像が、前記ウェーハホルダで支えられたウェーハ上に、前記マスクを伝搬方向に沿って通過する光パルスの一セットの光パルスに基づいて形成され、前記第1の空間像が前記ウェーハ上の第1の平面にあり、前記第2の空間像が前記ウェーハ上の第2の平面にあり、前記第1の平面及び前記第2の平面が、前記伝搬方向に沿って分離距離だけ互いに離れており、3次元半導体コンポーネントが、前記第1の空間像の光と前記ウェーハの第1の部分の材料との相互作用及び前記第2の空間像の光と前記ウェーハの第2の部分の材料との相互作用に基づいて形成され、
前記パルスセット内のパルスの少なくとも1つが、第1の一次波長を有し、
前記パルスセット内の他のパルスの少なくとも1つが、前記パルスの第1及び第2のセットのスペクトルがスペクトル的に異なるように、前記第1の一次波長と異なる第2の一次波長を有し、
前記分離距離が、前記第1の一次波長と前記第2の一次波長の差に基づく、フォトリソグラフィシステム。
【請求項19】
前記制御システムが、コンピュータ可読記憶媒体と、前記コンピュータ可読記憶媒体と結合された1つ以上の電子プロセッサと、入出力インターフェイスと、を備え、
前記フォトリソグラフィシステムに関連するレシピが、前記コンピュータ可読記憶媒体に記憶される、請求項18に記載のフォトリソグラフィシステム。
【請求項20】
前記レシピが、前記分離距離を規定する、請求項19に記載のフォトリソグラフィシステム。
【請求項21】
前記レシピが、ウェーハごと又はロットごとに前記分離距離を規定する、請求項20に記載のフォトリソグラフィシステム。
【請求項22】
前記光源が、フッ化クリプトン(KrF)利得媒質又はフッ化アルゴン(ArF)利得媒質を含む、請求項18に記載のフォトリソグラフィシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] この出願は、2017年10月19日に出願された米国仮特許出願第62/574,628号の優先権を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] この開示は、単一リソグラフィ露光パスで複数の空間像を形成することに関する。以下で考察される技術は、例えば3次元半導体コンポーネントを形成するのに用いることができる。
【背景技術】
【0003】
[0003] フォトリソグラフィは、半導体回路をシリコンウェーハなどの基板上にパターニングするプロセスである。フォトリソグラフィ光源は、ウェーハ上のフォトレジストを露光するのに用いられる深紫外線(DUV)光を提供する。フォトリソグラフィ用のDUV光はエキシマ光源によって生成される。多くの場合、光源はレーザ源であり、パルス光ビームはパルスレーザビームである。光ビームはビームデリバリユニット、レチクル又はマスクを通過し、それから用意されたシリコンウェーハ上に投射される。このようにしてチップ設計がフォトレジスト上にパターニングされ、その後エッチング及び洗浄され、そしてこのプロセスは繰り返される。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 1つの一般的な態様において、フォトリソグラフィシステムを使用して3次元半導体コンポーネントを形成する方法が、複数の光パルスを含むパルス光ビームを伝搬方向に沿ってマスクに向けること、単一露光パスの間に光ビームの光パルスの一セットを、マスクを通過させてウェーハに向けること、単一露光パスの間に、マスクを通過するパルスセット内の光パルスに基づいて、ウェーハ上に少なくとも第1の空間像及び第2の空間像を生成することであって、第1の空間像がウェーハ上の第1の平面にあり、第2の空間像がウェーハ上の第2の平面にあり、第1の平面及び第2の平面が互いに空間個別的であり、伝搬方向に沿って分離距離だけ互いに離れていること、及び第1の空間像の光とウェーハの第1の部分の材料との相互作用及び第2の空間像の光とウェーハの第2の部分の材料との相互作用に基づいて3次元半導体コンポーネントを形成すること、を含む。パルスセット内のパルスの少なくとも1つが第1の一次波長を有し、パルスセット内の他のパルスの少なくとも1つが、第1の一次波長と異なる第2の一次波長を有することにより、分離距離が第1の一次波長と第2の一次波長の差に基づいて単一露光パスの間に形成される。
【0005】
[0005] 実装形態は以下の特徴の1つ以上を備えることができる。単一露光パスの間にマスクを通過するパルスセット内のパルスの少なくとも1つは、2つ以上の光の一次波長を有することができる。
【0006】
[0006] 各一次波長は、最も近い別の一次波長から200フェムトメートル(fm)から500ピコメートル(pm)のスペクトル分離によって分離される可能性がある。
【0007】
[0007] 第1の空間像と第2の空間像の間の分離距離は、単一露光パスの間に変化することができる。
【0008】
[0008] 単一露光パスは第1の露光パスであってよく、方法はさらに、第2の露光パスの間、かつ第1の露光パスが完了した後に、光ビームの光パルスの第2のセットをマスクを通過させてウェーハに向けることを含むことができる。第1の空間像と第2の空間像の間の分離距離は、第1の露光パス及び第2の露光パスの間異なる。
【0009】
[0009] 第1の空間像と第2の空間像の間の分離距離は、単一露光パスに先立って設定することができ、一部の実装形態では、分離距離は単一露光パスの間変化しない。第1の空間像と第2の空間像の間の分離距離は、フォトリソグラフィシステムの1つ以上のフィーチャに適応するように設定することができる。
【0010】
[0010] パルスセットは、光パルスの第1のグループと光パルスの第2のグループとを含み、光パルスの第1のグループの各パルスは第1の一次波長を有し、光パルスの第2のグループの各パルスは第2の一次波長を有し、方法はさらに、パルスの第1のグループの特性を制御することによって第1の空間像の光量を制御すること、及びパルスの第2のグループの特性を制御することによって第2の空間像の光量を制御することを含む。第1のグループの特性は第1のグループのパルス数であってよく、第2のグループの特性は第2のグループのパルス数であってよい。第1のグループのパルス数を制御することは、パルスの第1のグループに含む第1のパルス数を、単一露光パスが始まる前に決定することを含むことができ、第2のパルス数を制御することは、パルスの第2のグループに含む第2のパルス数を、単一露光パスの前に決定することを含むことができる。パルスの第1のグループ及びパルスの第2のグループは、単一露光パスにおいてマスクを通過する全てのパルスを含むことができる。第1のパルス数及び第2のパルス数を決定することは、(a)オペレータからの入力を受け取ること、及び(b)フォトリソグラフィシステムと関連付けられたあらかじめ規定された設定にアクセスすること、の1つ以上を含むことができる。パルスの第1のグループの特性は第1のグループの各パルスの強度を含むことができ、パルスの第2のグループの特性は第2のグループの各パルスの強度を含むことができる。
【0011】
[0011] ウェーハ上の第1の平面及びウェーハ上の第2の平面は、伝搬方向に対して実質的に垂直な平面であってよい。
【0012】
[0012] 一部の実装形態では、3次元半導体の第1のフィーチャが第1の平面に形成され、3次元半導体の第2のフィーチャが第2の平面に形成され、第1及び第2のフィーチャは、伝搬方向に実質的に平行に延在する側壁によって互いから離れている。
【0013】
[0013] 3次元半導体コンポーネントは3次元NANDフラッシュメモリコンポーネントであってよい。
【0014】
[0014] 第1の平面は第1の焦点面に対応してよく、第2の平面は第2の焦点面に対応し、第1の平面と第2の平面の間の分離距離は、マスクを通過する光パルスの1つ以上の波長の差、又はパルスセットの個別のパルス間の波長の差に基づく。
【0015】
[0015] 別の一般的な態様において、フォトリソグラフィシステムが、光源と、光源からのパルス光ビームと相互作用するように配置されたマスクと、ウェーハホルダと、を備えたリソグラフィスキャナ装置と、光源に結合された制御システムと、を備え、制御システムは、光源に単一露光パスの間にパルス光ビームをリソグラフィスキャナ装置に向けて放出させるように構成され、単一露光パスの間、少なくとも第1の空間像及び第2の空間像が、ウェーハホルダで支えられたウェーハ上に、マスクを伝搬方向に沿って通過する光パルスの一セットの光パルスに基づいて形成され、第1の空間像はウェーハ上の第1の平面にあり、第2の空間像はウェーハ上の第2の平面にあり、第1の平面及び第2の平面は、互いに空間個別的であり、伝搬方向に沿って分離距離だけ互いに離れており、3次元半導体コンポーネントが、第1の空間像の光とウェーハの第1の部分の材料との相互作用及び第2の空間像の光とウェーハの第2の部分の材料との相互作用に基づいて形成される。パルスセット内のパルスの少なくとも1つは第1の一次波長を有し、パルスセット内の他のパルスの少なくとも1つは、第1の一次波長と異なる第2の一次波長を有し、第1の空間像と第2の空間像の間の分離距離は、第1の一次波長と第2の一次波長の差に基づく。
【0016】
[0016] 実装形態は以下の特徴の1つ以上を備えることができる。制御システムは、コンピュータ可読記憶媒体と、コンピュータ可読記憶媒体と結合された1つ以上の電子プロセッサと、入出力インターフェイスと、を備え、フォトリソグラフィシステムに関連するレシピがコンピュータ可読記憶媒体に記憶される。レシピは分離距離を規定することができる。レシピは、ウェーハごと又はロットごとに分離距離を規定する。光源は、フッ化クリプトン(KrF)利得媒質又はフッ化アルゴン(ArF)利得媒質を含むことができる。
【0017】
[0017] 本明細書において上記で説明された技術のうちのいずれかの実装形態は、プロセス、装置、制御システム、非一時的な機械可読コンピュータ媒体上に格納された命令、及び/又は方法を含んでもよい。1つ以上の実装形態の詳細は、添付の図面及び以下の説明において明らかにされる。他の特徴は、説明及び図面から、且つ特許請求の範囲から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1A】[0018] フォトリソグラフィシステムの例示的な実装形態のブロック図である。
【
図1B】[0019]
図1Aのフォトリソグラフィシステムのための光学系の例示的な実装形態のブロック図である。
【
図1C】[0020]
図1Aのフォトリソグラフィシステムにより露光された例示的なウェーハの断面図である。
【
図2A】[0021] フォトリソグラフィシステムの別の例示的な実装形態のブロック図である。
【
図2B】[0022] フォトリソグラフィシステムで使用し得るスペクトル特徴選択モジュールの例示的な実装形態のブロック図である。
【
図2C】[0023] ライン狭隘化モジュールの例示的な実装形態のブロック図である。
【
図3A】[0024] 光源におけるパルス及び/又はパルスのバーストの生成に関連するデータのプロットである。
【
図3B】[0024] 光源におけるパルス及び/又はパルスのバーストの生成に関連するデータのプロットである。
【
図4】[0025] フォトリソグラフィシステムの別の例示的な実装形態のブロック図である。
【
図5】[0026] 3次元半導体コンポーネントを形成するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【
図6A】[0027] 単一の光パルスの例示的な光学スペクトルを示す。
【
図6B】[0027] 単一の光パルスの例示的な光学スペクトルを示す。
【
図7】[0028] 単一露光パスの例示的な平均光学スペクトルを示す。
【
図8A】[0029] 例示的なウェーハの垂直断面図を示す。
【
図8B】[0029] 例示的なウェーハの水平断面図を示す。
【
図9A】[0030] 例示的な3次元半導体コンポーネントの垂直断面図を示す。
【
図9B】[0030] 例示的な3次元半導体コンポーネントの水平断面図を示す。
【
図10A】[0031] 例示的な模擬データを示す。
【
図10B】[0031] 例示的な模擬データを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[0032] 本明細書では、2つ以上の空間像を単一リソグラフィパスでそれぞれ異なる平面に形成する技術及びこの空間像を使用して3次元半導体コンポーネントを形成する技術が考察される。
【0020】
[0033]
図1Aを参照すると、フォトリソグラフィシステム100が、リソグラフィ露光装置169に光ビーム160を供給する光源105を備え、リソグラフィ露光装置169は、ウェーハホルダ又はステージ171により支えられたウェーハ170を処理する。光ビーム160は、時間的に互いに分離された光のパルスを含むパルス光ビームである。リソグラフィ露光装置169は、光ビーム160がウェーハ170に到達する前に通過する投影光学システム175と、メトロロジシステム172とを備える。メトロロジシステム172は、例えば、ウェーハ170の像及び/又はウェーハ170における光ビーム160を捕捉することができるカメラもしくは他のデバイス、又は、xy平面におけるウェーハ170での光ビーム160の強度などの光ビーム160の特性を記述するデータを収集することができる光ディテクタを備えることができる。リソグラフィ露光装置169は、液浸システム又はドライシステムとすることができる。フォトリソグラフィシステム100はまた、光源105及び/又はリソグラフィ露光装置169を制御する制御システム150を備えることができる。
【0021】
[0034] 例えば、ウェーハ170上の放射感応性フォトレジスト材料の層を光ビーム160で露光することによって、マイクロ電子フィーチャがウェーハ170上に形成される。また
図1Bを参照すると、投影光学システム175は、スリット176と、マスク174と、レンズ177を含む投影対物系とを備える。光ビーム160は、光学システム175に入射し、スリット176に衝突し、ビーム160の少なくとも一部がスリット176を通過する。
図1A及び
図1Bの例において、スリット176は矩形であり、細長い矩形状の光ビームへと光ビーム160を成形する。パターンがマスク174上に形成され、パターンは、成形された光ビームのどの部分が、マスク174によって透過されるか、及びどの部分がマスク174によってブロックされるかを決定する。パターンの設計は、ウェーハ170上に形成されることになる特定のマイクロ電子回路設計によって決定される。
【0022】
[0035] 成形された光ビームはマスク174と相互作用する。マスク174により透過された成形された光ビームの一部分は、投影レンズ177を通過し(そして投影レンズ177によって合焦することができ)、ウェーハ170を露光する。マスク174により透過された成形された光ビームの一部分は、ウェーハ170のxy平面に空間像を形成する。空間像は、マスク174と相互作用した後にウェーハ170に到達する光により形成される強度パターンである。空間像はウェーハ170にあり、概ねxy平面に延在する。
【0023】
[0036] システム100は、単一露光パスの間に、それぞれがウェーハ170のz軸に沿った空間的に異なる位置にある複数の空間像を形成することができる。また、ウェーハ170のyz平面の断面図を示す
図1Cを参照すると、投影光学システム175は、単一露光パスにおいてz軸に沿った異なる平面に2つの空間像173a、173bを形成する。以下でより詳しく考察されるように、空間像173a、173bのそれぞれは、異なる一次波長を有する光から形成される。
【0024】
[0037] z軸に沿った空間像の位置は、(投影レンズ177及びマスク174を備えた)光学システム175の特性及び光ビーム160の波長に依存する。レンズ177の焦点位置は、レンズ177に入射する光の波長に依存する。したがって、光ビーム160の波長を変化させるあるいは制御することによって、空間像の位置を制御することができる。単一露光パスの間に異なる光の一次波長を有するパルスを供給することによって、それぞれz軸に沿って異なる位置にある複数(2つ以上)の空間像を、光学システム175(又は光学システム175の任意のコンポーネント)及びウェーハ170を互いに対してz軸に沿って移動させることなく、単一露光パスで形成することができる。
【0025】
[0038]
図1Aの例では、マスク174を通過した光は、投影レンズ177によって焦点面に合焦される。投影レンズ177の焦点面は、投影レンズ177とウェーハステージ171の間にあり、焦点面のz軸に沿った位置は、光学システム175の特性及び光ビーム160の波長に依存する。空間像173a、173bは、異なる波長を有する光から形成されるため、ウェーハ170の異なる位置にある。空間像173a、173bは、z軸に沿って互いに分離距離179だけ離れている。分離距離179は、空間像173aを形成する光の波長と空間像173bを形成する光の波長の差に依存する。
【0026】
[0039] ウェーハステージ171及びマスク174(又は光学システム175の他の部品)は、一般に通常の性能補正及び動作のためのスキャン中にx、y、及びz方向に互いに対して移動し、例えばこの運動を利用して、基本レベリング、レンズ歪みの補正、ステージ位置決め誤差の補正を達成することができる。この相対運動を付随的な動作運動と呼ぶ。しかしながら、
図1Aのシステムでは、ウェーハステージ171と光学システム175の相対運動は、分離距離179を形成することには利用されない。そうではなく、分離距離179は、露光パスの間にマスク174を通過するパルスの一次波長を制御できることによって形成される。したがって、分離距離179は、一部の従来のシステムと異なり、光学システム175及びウェーハ170をz軸に沿って互いに対して移動させるだけでは作られない。また、空間像173a及び173bは、同じ露光パスの間、共にウェーハ170に存在する。換言すれば、システム100は、空間像173aが第1の露光パスにおいて形成され、空間像173bが後続の第2の露光パスにおいて形成されることを要求しない。
【0027】
[0040] 第1の空間像173a内の光は、部分178aにおいてウェーハと相互作用し、第2の空間像173b内の光は、部分178bにおいてウェーハと相互作用する。これらの相互作用は、電子フィーチャ、又は、開口や孔などのその他の物理的特徴をウェーハ170上に形成することができる。空間像173a、173bはz軸に沿った異なる平面にあるため、空間像173a、173bを使用してウェーハ170上に3次元フィーチャを形成することができる。例えば、空間像173aを用いて周辺領域を形成することができ、空間像173bを用いて、z軸に沿って異なる位置にあるチャネル、トレンチ、又は窪みを形成することができる。したがって、本明細書で考察される技術を用いて、3次元NANDフラッシュメモリコンポーネントなどの3次元半導体コンポーネントを形成することができる。
【0028】
[0041] 単一露光パスで複数の空間像を形成することに関するさらなる詳細を考察する前に、光源105及びフォトリソグラフィシステム100の例示的な実装形態について
図2Aから
図2C、
図3Aから
図3C、及び
図4を参照して考察する。
【0029】
[0042]
図2Aを参照すると、フォトリソグラフィシステム200のブロック図が示されている。システム200は、システム100(
図1A)の例示的な実装形態である。例えば、フォトリソグラフィシステム200では、光源205が光源105(
図1A)として使用される。光源205は、パルス光ビーム260を生成し、パルス光ビーム260は、リソグラフィ露光装置169に供給される。光源205は、例えばパルス光ビーム260(レーザビームであってよい)を出力するエキシマ光源であってよい。パルス光ビーム260がリソグラフィ露光装置169に入ると、パルス光ビーム260は、投影光学システム175を通って導かれ、ウェーハ170上に投影される。このように、1つ以上のマイクロ電子フィーチャがウェーハ170上のフォトレジスト上にパターニングされ、次にウェーハ170は、後続のプロセスステップに先立って現像及び洗浄され、プロセスは繰り返す。フォトリソグラフィシステム200はまた、制御システム250を備え、制御システム250は、
図2Aの例において、システム200の様々な動作を制御するために、リソグラフィ露光装置169と同様に光源205のコンポーネントに接続される。制御システム250は、
図1Aの制御システム250の例示的な実装形態である。
【0030】
[0043]
図2Aに示されている例において、光源205は、電力増幅器(PA)230にシード光ビーム224を供給する主発振器(MO)212を備える2段レーザシステムである。MO212及びPA230は、光源205のサブシステム、又は光源205の一部であるシステムと見なされてよい。電力増幅器230は、主発振器212からシード光ビーム224を受け取り、シード光ビーム224を増幅してリソグラフィ露光装置169で使用する光ビーム260を生成する。例えば、主発振器212は、パルス当たり約1ミリジュール(mJ)のシードパルスエネルギーを有するパルスシード光ビームを放出することができ、これらのシードパルスは、電力増幅器230によって約10~15mJに増幅することができる。
【0031】
[0044] 主発振器212は、2つの細長い電極217を有する放電チャンバ240と、ガス混合物である利得媒質219と、電極217間でガスを循環させるためのファンとを備える。共振器が、放電チャンバ240の一方の側のライン狭隘化モジュール216と、放電チャンバ240の第2の側の出力カプラ218との間に形成される。ライン狭隘化モジュール216は、放電チャンバ240のスペクトル出力を細かく調整する格子などの回折光学部品を備えることができる。
図2B及び
図2Cは、ライン狭隘化モジュール216についてのさらなる詳細を提供する。
【0032】
[0045]
図2Bは、ライン狭隘化モジュール216の1つ以上の例を含むスペクトル特徴選択モジュール258の例示的な実装形態のブロック図である。スペクトル特徴選択モジュール258は、光源205を伝搬する光に結合する。(例えば
図2Bに示す)一部の実装形態では、スペクトル特徴選択モジュール258は、主発振器212のチャンバ214から光を受け取って、主発振器212内での波長や帯域幅などのスペクトル特徴の微調整を可能にする。
【0033】
[0046] スペクトル特徴選択モジュール258は、ファームウェア及びソフトウェアの任意の組み合わせの形の電子部品を含むスペクトル特徴制御モジュール254などの制御モジュールを含むことができる。制御モジュール254は、スペクトル特徴作動システム255_1~255_nなどの1つ以上の作動システムに接続される。作動システム255_1~255_nのそれぞれは、光学系257のそれぞれの光学的特徴256_1~256_nに接続される1つ以上のアクチュエータを備えることができる。光学的特徴256_1~256_nは、生成された光ビーム260の特定の特性を調整することによって、光ビーム260のスペクトル特徴を調整するように構成される。制御モジュール254は、制御システム250から、作動システム255_1~255_nの1つ以上を動作させる又は制御するための特定コマンドを含む制御信号を受け取る。作動システム255_1~255_nは、共に、すなわち協力して働くように選択及び設計することができる、又は作動システム255_1~255_nは、個別に働くように構成することができる。また、作動システム255_1~255_nは、それぞれ特定クラスの妨害に対処するように最適化することができる。
【0034】
[0047] 各光学的特徴256_1~256_nは、光源105により生成される光ビーム260に光学的に結合される。光学系257は、
図2Cに示されるようなライン狭隘化モジュール216Cとして実装することができる。ライン狭隘化モジュールは、光学的特徴256_1~256_nとして反射格子291などの分散光学素子と、プリズム292、293、294、295などの屈折光学素子とを備える。プリズム292、293、294、295の1つ以上は回転可能である可能性がある。このライン狭隘化モジュールの例は、2009年10月23日出願のSYSTEM METHOD AN APPARATUS FOR SELECTING AND CONTROLLING LIGHT SOURCE BANDWIDTHという名称の米国出願第12/605,306号(第‘306号出願)に見ることができる。第‘306号出願には、ビームエクスパンダ(1つ以上のプリズム292、293、294、295を含む)及び格子291などの分散素子を備えたライン狭隘化モジュールが記載されている。
図2Cには、格子291及びプリズム292、293、294、295の1つ以上などの作動可能な光学的特徴の各作動システムは示されていない。
【0035】
[0048] 作動システム255_1~255_nのアクチュエータのそれぞれは、光学系257の各光学的特徴256_1~256_nを移動させる又は制御するための機械デバイスである。アクチュエータは、モジュール254からエネルギーを受け取り、そのエネルギーを光学系257の光学的特徴256_1~256_nに与えられる何らかの種類の動きに変換する。例えば、第‘306号出願には、(格子の領域に力を印加するための)フォースデバイス、及びビームエクスパンダのプリズムの1つ以上を回転させるための回転ステージなどの作動システムが記載されている。作動システム255_1~255_nは、例えば、ステッパモータなどのモータ、バルブ、圧力制御デバイス、ピエゾデバイス、リニアモータ、油圧アクチュエータ、及び/又はボイスコイルなどを備えることができる。
【0036】
[0049] 先に見た
図2Aでは、主発振器212はまた、出力カプラ218からの出力光ビームを受ける線中心分析モジュール220と、必要に応じて出力光ビームの大きさ又は形を変更してシード光ビーム224を形成するビーム結合光学システム222とを備える。線中心分析モジュール220は、シード光ビーム224の波長を測定又は監視するのに用い得る測定システムである。線中心分析モジュール220は、光源205内の他の位置に配置することができる、又は光源205の出力に配置することができる。
【0037】
[0050] 放電チャンバ240内で用いられる混合ガスは、この適用例に必要な波長及び帯域幅で光ビームを生成するのに適した任意のガスであってよい。エキシマ源の場合、混合ガスは、緩衝ガスであるヘリウム及び/又はネオン以外の、例えばアルゴンやクリプトンなどの貴ガス(希ガス)、例えばフッ素又は塩素及び微量のキセノンなどのハロゲンを含むことができる。混合ガスの具体的な例は、約193nmの波長で光を放出するフッ化アルゴン(ArF)、約248nmの波長で光を放出するフッ化クリプトン(KrF)、又は約351nmの波長で光を放出する塩化キセノン(XeCl)を含む。エキシマ利得媒質(混合ガス)は、細長い電極217に電圧を印加することによって高圧放電時の短い(例えばナノ秒の)電流パルスで励起される。
【0038】
[0051] 電力増幅器230は、主発振器212からシード光ビーム224を受け、光ビームを放電チャンバ240を通してビームターニング光学素子248に誘導するビーム結合光学システム232を備え、ビーム結合光学システム232は、シード光ビーム224が放電チャンバ240内に送り返されるようにその方向を変更する又は変化させる。放電チャンバ240は、一対の細長い電極241と、混合ガスである利得媒質219と、電極241間で混合ガスを循環させるためのファンとを備える。
【0039】
[0052] 出力光ビーム260は、ビーム260の種々のパラメータ(帯域幅や波長など)を測定可能な帯域幅分析モジュール262を通って誘導される。出力光ビーム260はまた、ビーム生成システム263を通して誘導することができる。ビーム生成システム263は、例えば、出力光ビーム260の各パルスが、例えば光学遅延ユニットにおいて時間的に引き伸ばされて、リソグラフィ露光装置169に衝突する光ビームの性能特性を調整するパルスストレッチャを備えることができる。ビーム生成システム263はまた、ビーム260に作用することができる他のコンポーネント、例えば、反射及び/又は屈折光学素子(例えばレンズ及びミラーなど)、フィルタ、及び光学的開口(自動シャッタを含む)などを備えることができる。
【0040】
[0053] フォトリソグラフィシステム200はまた、制御システム250を備える。
図2Aに示された実装形態では、制御システム250は、光源205の種々のコンポーネントに接続される。例えば、制御システム250は、光源205が光のパルス又は1つ以上の光のパルスを含む光パルスのバーストを放出するとき、光源205に1つ以上の信号を送信することによって制御を行うことができる。制御システム250はまた、リソグラフィ露光装置169に接続される。したがって、制御システム250はまた、リソグラフィ露光装置169の様々な態様を制御することができる。例えば、制御システム250は、ウェーハ170の露光を制御することができ、したがって、ウェーハ170上に電子フィーチャがどのようにプリントされるかを制御するのに使用することができる。一部の実装形態では、制御システム250は、スリット176のxy平面における動き(
図1B)を制御することによって、ウェーハ170のスキャンを制御することができる。また、制御システム250は、メトロロジシステム172及び/又は光学システム175とデータをやりとりすることができる。
【0041】
[0054] リソグラフィ露光装置169はまた、例えば、温度制御デバイス(空調デバイス及び/又は加熱デバイスなど)、及び/又は様々な電気コンポーネント用の電源を備えることができる。制御システム250はまた、これらのコンポーネントを制御することができる。一部の実装形態では、制御システム250は、2つ以上の副制御システムを備えるように実装され、少なくとも1つの副制御システム(リソグラフィコントローラ)は、リソグラフィ露光装置169の態様を制御することに特化している。これらの実装形態では、制御システム250は、リソグラフィコントローラを使用する代わりに、又は使用することに加えて、リソグラフィ露光装置169の態様を制御するのに使用することができる。
【0042】
[0055] 制御システム250は、電子プロセッサ251と、電子ストレージ252と、I/Oインターフェイス253とを備える。電子プロセッサ251は、汎用又は専用マイクロプロセッサなどの、コンピュータプログラムの実行に適した1つ以上のプロセッサ、及び何れかの種類のデジタルコンピュータの何れか1つ以上のプロセッサを含む。一般に、電子プロセッサは、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、又はその両方から命令及びデータを受け取る。電子プロセッサ251は、何れのタイプの電子プロセッサでもよい。
【0043】
[0056] 電子ストレージ252は、RAMなどの揮発性メモリ、又は不揮発性メモリであってよい。一部の実装形態では、電子ストレージ252は、不揮発性及び揮発性の部分又はコンポーネントを備える。電子ストレージ252は、制御システム250、制御システム250のコンポーネント、及び/又は制御システム250により制御されるシステムの動作で使用されるデータ及び情報を記憶することができる。情報は、例えばルックアップテーブル又はデータベースに記憶することができる。例えば、電子ストレージ252は、異なる動作条件及び性能シナリオの下で、ビーム260の様々な特性の値を示すデータを記憶することができる。
【0044】
[0057] また、電子ストレージ252は、使用中に光ビーム260のパラメータを決定する様々なレシピ又は処理プログラム259を記憶することができる。例えば、電子ストレージ252は、特定の露光パスについての光ビーム260中の各パルスの波長を示すレシピを記憶することができる。レシピは、異なる露光パスについて異なる波長を示すことができる。以下で考察される波長制御技術は、パルスごとの基準で適用することができる。換言すれば、波長成分は、露光パスにおいて個々のパルスごとに制御して、z軸に沿った所望の位置への空間像の形成を促進することができる。
【0045】
[0058] 電子ストレージ252はまた、実行されると、プロセッサ251を制御システム250、光学システム205、及び/又はリソグラフィ露光装置169内のコンポーネントと通信させる命令、恐らくはコンピュータプログラムを記憶することができる。
【0046】
[0059] I/Oインターフェイス253は、制御システム250がオペレータ、光学システム205、リソグラフィ露光装置169、光学システム205及び/又はリソグラフィ露光装置169内の任意のコンポーネント又はシステム、並びに/又は別の電子デバイスで動作する自動化プロセスとの間でデータ及び信号の受信及び/又は提供を行うことを可能にする任意の種類の電子インターフェイスである。例えば、I/Oインターフェイス253は、画像表示装置、キーボード、及び通信インターフェイスのうちの1つ以上を含むことができる。
【0047】
[0060] 光ビーム260(及び光ビーム160)は、パルス光ビームであり、時間的に互いに分離された1つ以上のパルスのバーストを含むことができる。各バーストは1つ以上の光のパルスを含むことができる。一部の実装形態では、バーストは数百個のパルス、例えば100~400個のパルスを含む。
図3Aから
図3Cは、光源205におけるパルス及びバーストの生成の概観を提供する。
図3Aは、時間の関数としてウェーハ露光信号300の振幅を示し、
図3Bは、時間の関数としてゲート信号315の振幅を示し、
図3Cは、時間の関数としてトリガ信号の振幅を示す。
【0048】
[0061] 制御システム250は、光ビーム260を生成するように光源205を制御するために、ウェーハ露光信号300を光源205に送信するように構成することができる。
図3Aに示されている例において、ウェーハ露光信号300は、光源205が光パルスのバーストを生成する期間である期間307用の高値305(例えば1)を有する。別の状況で、ウェーハ170が露光されていない場合に、ウェーハ露光信号300は低値310(例えば0)を有する。
【0049】
[0062]
図3Bを参照すると、光ビーム260は、パルス光ビームであり、光ビーム260は、パルスバーストを含む。制御システム250はまた、ゲート信号315を光源205に送信することによって、パルスバーストの持続期間及び周波数を制御する。ゲート信号315は、パルスバーストの間に高値320(例えば1)を、そして連続バースト間の時間中に低値325(例えば0)を有する。示されている例において、ゲート信号315が高値を有する期間はまた、バースト316の持続期間である。バーストは、バースト間の時間間隔によって時間的に分離される。バースト間の時間間隔中に、リソグラフィ露光装置169は、露光のためにウェーハ170上に次のダイを配置することができる。
【0050】
[0063]
図3Cを参照すると、制御システム250はまた、トリガ信号330を用いて、各バースト内のパルスの繰り返し率を制御する。トリガ信号330は、トリガ340を含み、その1つは、光源205に光パルスを生成させるために、光源205に供給される。制御システム250は、パルスが生成されることになるたびに、光源205にトリガ340を送信することができる。したがって、光源205により生成されたパルスの繰り返し率(2つの連続パルス間の時間)は、トリガ信号330によって設定することができる。
【0051】
[0064] 上述したように、利得媒質219が電極217に電圧を印加することによって励起される場合に、利得媒質219は光を放出する。電圧がパルスで電極217に印加される場合に、媒質219から放出される光もまたパルス化される。したがって、パルス光ビーム260の繰り返し率は、電圧が電極217に印加される割合によって決定され、電圧が印加されるたびに光パルスが生成される。光パルスは、利得媒質219を通って伝搬し、出力カプラ218を通ってチャンバ214を出る。したがって、パルス列が、電圧が電極217へ周期的に繰り返し印加されることによって生成される。トリガ信号330は、例えば、電極217への電圧の印加及びパルスの繰り返し率を制御するのに使用することができ、パルスの繰り返し率は、ほとんどの適用例で約500~6,000Hzの間である可能性がある。一部の実装形態では、繰り返し率は、6,000Hzより大きくてよく、例えば12,000Hz以上であってよい。
【0052】
[0065] 制御システム250からの信号はまた、主発振器212及び電力増幅器230のそれぞれのパルスエネルギー、ひいては光ビーム260のエネルギーを制御するために、主発振器212及び電力増幅器230内の電極217、241をそれぞれ制御するのに使用することができる。電極217に供給される信号と電極241に供給される信号との間には遅延が存在する可能性がある。遅延量は、パルス光ビーム260におけるコヒーレンス量などのビーム260の特性に影響を及ぼす可能性がある。
【0053】
[0066] パルス光ビーム260は、数十ワットの範囲、例えば約50W~約130Wにおける平均出力電力を有することができる。出力部における光ビーム260の放射照度(すなわち、単位面積当たりの平均電力)は、60W/cm2~80W/cm2に及ぶ可能性がある。
【0054】
[0067] また、
図4を参照すると、ウェーハ170は光ビーム260を照射される。リソグラフィ露光装置169は光学システム175(
図1A及び
図1B)を備える。
図4の例では、光学システム175(図示せず)は、対物構成432を備えたイルミネータシステム429を備える。対物構成432は、投影レンズ177(
図1B)を備え、マスク174からウェーハ170上のフォトレジストへの像転写を可能にする。イルミネータシステム429は、マスク174に当たる光ビーム260の角度範囲を調整する。イルミネータシステム429はまた、マスク174にわたってxy平面における光ビーム260の強度分布を均等化する(均一にする)ことができる。
【0055】
[0068] 一部の実装形態では、液浸媒質を供給してウェーハ170を覆うことがある。液浸媒質は、液浸リソグラフィ用の液体(水など)であってよい。リソグラフィが乾式である他の実装形態では、液浸媒質は、乾燥窒素、乾燥空気、又は清浄空気などのガスであってよい。他の実装形態では、ウェーハ170は、圧力制御環境(真空又は部分真空など)の内部で露光することができる。
【0056】
[0069] 露光パスの間、光ビーム260の複数のN個のパルスはウェーハ170の同じエリアを照明する。Nは1より大きい任意の整数である。同じエリアを照明する光ビーム110のパルス数Nは、露光ウィンドウ又は露光パス400と呼ばれることがある。ウィンドウ400のサイズはスリット176によって制御することができる。例えば、スリット176は、複数のブレードを備えることができ、複数のブレードは、一方の形状においてアパーチャを形成し、他方の形状においてアパーチャを閉じるように移動可能である。特定のサイズのアパーチャを形成するようにスリット176のブレードを配置することによって、ウィンドウ400のサイズを制御することもできる。
【0057】
[0070] N個のパルスはまた、露光パスの照明量を決定する。照明量は、露光パスの間にウェーハに供給される光エネルギーの量である。したがって、各パルスの光エネルギーなどのN個のパルスの特性が照明量を決定する。また、以下でより詳細に考察されるように、N個のパルスはまた、各空間像173a、173bの光の量を決定するのに使用することができる。具体的には、レシピが、N個のパルスのうち、ある一定数のパルスが空間像173aを形成する第1の一次波長を有し、ある一定数のパルスが空間像173bを形成する第2の一次波長を有することを規定することができる。
【0058】
[0071] また、スリット176及び/又はマスク174は、ウェーハ170の一部のみが所定の時間に又は特定の露光スキャン(もしくは露光パス)の間に露光されるようにxy平面をスキャン方向に移動することができる。ウェーハ170上の光ビーム160により露光されるエリアのサイズは、ブレード間の非スキャン方向の距離によって、また、スキャンのスキャン方向の長さ(距離)によって決定される。一部の実装形態では、Nの値は数十であり、例えば10~100パルスである。他の実装形態では、Nの値は100パルスより大きく、例えば100~500パルスである。ウェーハ170の露光フィールド479は、リソグラフィ露光装置169内で露光スリット又はウィンドウの1回のスキャンで露光されるウェーハ170の物理領域である。
【0059】
[0072] ウェーハステージ171、マスク174、及び対物構成432は、関連する作動システムに取り付けられてスキャン構成を形成する。スキャン構成では、マスク174、対物構成432、及びウェーハ170(ステージ171を介する)の1つ以上は、xy平面を互いに対して移動することができる。ただし、ウェーハステージ171、マスク174、及び対物構成432間の付随的な相対動作運動を別として、これらの要素は、露光パス又は露光パスの間にz軸に沿って互いに対して移動しない。
【0060】
[0073]
図5を参照すると、プロセス500のフローチャートが示されている。プロセス500は、3次元半導体コンポーネント又はこのようなコンポーネントの一部分を形成するためのプロセスの例である。プロセス500は、フォトリソグラフィシステム100又は200を使用して実行することができる。プロセス500は、
図2Aに示したシステム200に関して考察される。プロセス500はまた、
図6Aから
図10Bに関して考察される。
【0061】
[0074] 光ビーム260をマスク174に向ける(510)。光ビーム260は、それぞれが
図3Cに示したように時間的に互いに分離された複数のパルスを含むパルス光ビームである。
図6A及び
図6Bは、光ビーム260の一部である単一パルスの光学スペクトルの例を示している。光ビーム260の他のパルスは異なる光学スペクトルを有することができる。
【0062】
[0075]
図6Aを参照すると、光パルス600Aの光学スペクトル601Aが示されている。パルス600Aは、波長帯域内に非ゼロ強度を有する。波長帯域は、パルス600Aの帯域幅と呼ばれることもある。
【0063】
[0076]
図6Aに示された情報は、パルス600Aの瞬間光学スペクトル601A(又は発光スペクトル)である。光学スペクトル601Aは、光ビーム260のパルスの光エネルギー又はパワーが異なる波長(又は周波数)にどのように分布しているかについての情報を含む。光学スペクトル601Aは、図式的に描かれており、スペクトル強度(必ずしも絶対較正を伴わない)が波長又は光周波数の関数としてプロットされている。光学スペクトル601Aは、光ビーム260のパルスのスペクトル形状又は強度スペクトルと呼ばれることがある。パルス600Aは、
図6Aの例ではピーク強度である一次波長602Aを有する。光ビーム260のパルス及び光ビーム260のパルスにより形成される空間像の考察はパルスの一次波長について言及しているが、パルスは一次波長以外の波長を含み、メトリックにより特徴付け可能な有限帯域幅を有する。例えば、スペクトル形状の最大ピーク強度の分数(X)のスペクトル601Aの全体幅(FWXMと呼ぶ)を使用して、光ビーム帯域幅を特徴付けることができる。別の例として、積分スペクトル強度の分数(Y)を含むスペクトルの幅(EYと呼ぶ)を使用して、光ビーム帯域幅を特徴付けることができる。
【0064】
[0077] パルス600Aは、光ビーム260に存在し得るパルスの一例として示されている。パルス600Aを使用してウェーハ120の一部分を露光する場合、パルスの光は空間像を形成する。空間像のz方向の位置(
図1C及び
図4)は、一次波長602Aの値によって決定される。光ビーム260の様々なパルスは、異なる一次波長を有することができる。例えば、単一露光パスの間に2つの空間像を生成するために、光ビーム260の一部のパルスは1つの一次波長(第1の一次波長)を有し、光ビーム260の他のパルスは別の一次波長(第2の一次波長)を有する。第1及び第2の一次波長は異なる波長である。第1及び第2の一次波長間の波長差は、スペクトル分離と呼ばれることがある。スペクトル分離は、例えば200フェムトメートル(fm)~5ピコメートル(pm)であってよい。光ビーム260の様々なパルスの波長は異なる可能性があるが、パルスの光学スペクトルの形状は同じである可能性がある。
【0065】
[0078] 光源205は、あらゆるパルスが時間的にそのパルスの直前又は直後のパルスと異なる一次波長を有するように、パルスごとに一次波長をディザリングする、すなわち第1及び第2の一次波長間で切り替えることができる。これらの実装形態では、光ビーム260の全てのパルスが同じ強度を有すると仮定して、このように第1及び第2の一次波長を分布させることで、z方向の異なる位置に同じ強度を有する2つの空間像を生じさせる。
【0066】
[0079] 一部の実装形態では、パルスの一部分(例えば33%)が第1の一次波長を有し、残りの部分(この例では67%)が第2の一次波長を有する。これらの実装形態では、光ビーム260の全てのパルスが同じ強度を有すると仮定して、異なる強度を有する2つの空間像が形成される。第1の一次波長を有するパルスにより形成された空間像は、第2の一次波長を有するパルスにより形成された空間像の約半分の強度を有する。このようにして、ウェーハ170のz軸に沿った特定の位置に供給される線量は、第1及び第2の一次波長のそれぞれを有するN個のパルスの一部分を制御することによって制御することができる。
【0067】
[0080] 露光パスのための特定の一次波長を有することになるパルスの一部分は、電子ストレージ252に記憶されているレシピファイル259に規定することができる。レシピ259は、露光パスのための様々な一次波長の割合を規定する。レシピ259はまた、他の露光パスのための割合を規定することができ、その結果、他の露光パスに異なる割合を使用することができ、空間像をフィールドごとに調整又は制御することができる。
【0068】
[0081]
図6Bを参照すると、パルス600Bの光学スペクトル601Bが示されている。パルス600Bは、光ビーム260のパルスの別の例である。パルス600Bの光学スペクトル601Bは、光学スペクトル601Aと異なる形状を有する。具体的には、光学スペクトル601Bは、パルス600Bの2つの一次波長602B_1及び602B_2に対応する2つのピークを有する。パルス600Bは光ビーム260の一部である。パルス600Bを使用してウェーハ120の一部分を露光するとき、パルスの光は、ウェーハ上のz軸に沿った異なる位置に2つの空間像を形成する。空間像の位置は、一次波長602B_1及び602B_2の波長によって決定される。
【0069】
[0082]
図6A及び
図6Bに示されているパルスは、このようなパルスを形成可能な任意のハードウェアによって形成することができる。例えば、パルス600Aなどのパルスのパルス列は、
図2Cのライン狭隘化モジュール216Cと同様のライン狭隘化モジュールを使用して形成することができる。格子291により回折された光の波長は、格子に入射する光の角度に依存する。格子291と相互作用する光の入射角度を変化させるメカニズムが、このようなライン狭隘化モジュールと共に使用されて、露光パスのためのN個のパルスを含むパルス列を作成することができ、N個のパルスの少なくとも1つは、N個のパルスの別のパルスの一次波長と異なる一次波長を有する。例えば、プリズム292、293、294、295の1つを回転させて、格子291に入射する光の角度をパルスごとに変化させることができる。一部の実装形態では、ライン狭隘化モジュールは、ビーム260の経路にあり、格子291に入射する光の角度を変化させるために移動可能なミラーを備える。このような実装形態の例は、例えば2001年2月20日発行の、NARROW BAND LASER WITH FINE WAVELENGTH CONTROLという名称の米国特許第6,192,064号において考察されている。
【0070】
[0083] パルス600B(
図6B)などのパルスもまた、
図2Cのライン狭隘化モジュール216Cと同様のライン狭隘化モジュールを使用して形成することができる。例えば、音響光学モジュレータなどの刺激された光学素子を、ビーム260の経路上のライン狭隘化モジュール216Cに配置することができる。音響光学モジュレータは、モジュレータを励起するのに使用される音波の周波数に依存する角度で入射光を偏向させる。音響モジュレータは、音波の伝搬を可能にするガラスやクォーツなどの材料と、材料と結合したトランスデューサとを備える。トランスデューサは励起信号に応答して振動し、振動は材料中に音波を生成する。音波は、材料の屈折率を変化させる移動膨張面及び移動圧縮面を形成する。結果として、音波は、入射光を回折させる回折格子の機能を果たし、いくつかの異なる角度で同時に材料から出る。2つ以上の次数からの光を格子291に到達させることができ、様々な回折次数のそれぞれの光は、格子291に対して異なる入射角を有する。このようにして、2つ以上の一次波長を含む単一パルスを形成することができる。音響光学モジュレータを備えたライン狭隘化モジュールの例は、例えば2006年12月26日発行のLASER OUTPUT BEAM WAVEFRONT SPLITTER FOR BANDWIDTH SPECTRUM CONTROLという名称の米国特許第7,154,928号において考察されている。
【0071】
[0084] 単一露光パスの間、光パルスの一セットをウェーハ170に向けてマスク174を通過させる(520)。以上で考察したように、N個の光パルスを露光パスの間にウェーハ170に供給することができる。N個の光パルスは、ビーム260の連続光パルスであってよい。ウェーハ170の露光部分は、露光パスの間のN個のパルスのそれぞれの光学スペクトルの平均値となる。したがって、N個のパルスの一部分が第1の一次波長を有し、N個のパルスの残りが第2の一次波長を有する場合、ウェーハ170における平均光学スペクトルは、第1の一次波長におけるピークと第2の一次波長におけるピークとを含む光学スペクトルとなる。同様に、N個のパルスの個々のパルスの全て又は一部が2つ以上の一次波長を有する場合、それらの一次波長は平均光学スペクトルにピークを形成することができる。
図7は、ウェーハ170における平均光学スペクトル701の例を示している。平均光学スペクトル701は、第1の一次波長702_1と第2の一次波長702_2とを含む。
図7の例では、第1の一次波長702_1及び第2の一次波長702_2は、約500fmのスペクトル分離703によって分離されているが、他の組み合わせも考えられる。スペクトル分離703は、第1の一次波長702_1及び第2の一次波長702_2が異なり、平均光学スペクトル701が波長702_1及び702_2間に強度がほとんど又は全くないスペクトル領域704を含むものである。
【0072】
[0085] 2つ以上の空間像、例えば、第1の一次波長に基づいた第1の空間像及び第2の一次波長に基づいた第2の空間像が、平均光学スペクトルに基づいてウェーハ170に形成される(530)。平均光学スペクトル701の例を続け、さらに
図8Aを参照すると、2つの空間像873a及び873bが、N個のパルスに基づいて単一露光パスで形成される。N個のパルスは、第1の一次波長702_1を有するパルスと、第2の一次波長702_2を有するパルスとを含む。第1の一次波長702_1を有するパルスは第1の空間像873aを形成し、第2の一次波長702_2を有するパルスは第2の空間像873bを形成する。空間像873aは第1の平面878aに形成され、空間像873bは第2の平面878bに形成される。平面878a及び878bは、ウェーハ170における光ビーム260の伝搬方向に対して垂直である。平面878a及び878bは、z方向に沿って分離距離879だけ離れている。
【0073】
[0086] 分離距離879は、単一の一次波長を有する平均光学スペクトルのリソグラフィ装置169の焦点深度より大きい。焦点深度は、線量値(ウェーハに供給される光エネルギーの量)に対して、その線量がウェーハ170に適用されているプロセスにフィーチャサイズの許容範囲内にあるフィーチャサイズを提供する、z方向に沿った焦点範囲として定めることができる。プロセス500は、単一露光パスの間に2つ以上の異なる空間像をウェーハ170に提供することによって、リソグラフィ露光装置169の焦点深度を増大させることができる。これは、複数の空間像がそれぞれ、フィーチャサイズの許容範囲内にあるフィーチャを用いてz方向の異なる位置にあるウェーハを露光することができるためである。換言すれば、プロセス500は、単一露光パスの間にリソグラフィ露光装置169により広範な焦点深度を提供することができる。以上で考察したように、リソグラフィ露光装置169のオペレータは、レシピファイル259を使って露光プロセスの種々のパラメータを制御することができる。一部の実装形態では、リソグラフィ露光装置169のオペレータは、ASML社の傘下にあるBrionから市販されているTachyon Source-Mask Optimization(SMO)などのシミュレーションプログラムから情報を入手することができ、この情報を利用して、レシピファイル259のパラメータをプログラムしたり、あるいは指定したりすることができる。例えば、リソグラフィ露光装置169のオペレータは、次回のロットが前回露光したロットほどの焦点深度を必要としないであろうことを知っていることがある。この例では、オペレータは、焦点深度及び線量変動をシミュレーションプログラムに指定し、シミュレーションプログラムは、スペクトル分離703の値を返して所望のパラメータを得る。次に、オペレータは、I/Oインターフェイス253を使ってレシピファイル259をプログラムすることによって、次回のロットのためのスペクトル分離703の値を規定することができる。一部の実装形態では、オペレータはシミュレーションを使用して、特定の露光パスに(例えば異なる平面にある複数の空間像を用いてウェーハ170を露光することにより可能な)より大きい焦点深度が必要か否かを決定することができる。半導体コンポーネントの特定の部分を形成するためにより大きい焦点深度が要求されない場合、レシピファイル259は、例えば、半導体コンポーネントのその特定の部分を形成するのに使用される露光パスが単一の一次波長を含む平均光学スペクトルを有するように構成することができる。
【0074】
[0087] また、オペレータ及び/又はシミュレータは、メトロロジシステム172により、又は別のセンサにより測定される、形成された3次元コンポーネントについての情報を入手することができる。例えば、メトロロジシステム172は、形成された3D半導体コンポーネントの側壁角度に関するデータを提供することができ、このデータを使用して、後続の露光パスのためにレシピファイル259内のパラメータをプログラムすることができる。
【0075】
[0088]
図8Bは、平面878aにおける(
図8Aの紙面をのぞき込む)xy平面の空間像873aを示している。空間像873a及び873bは一般に、xy平面に形成された2次元強度パターンである。この強度パターンの性質は、マスク174の特性に依存する。第1及び第2の平面878a、878bはウェーハ170の一部分である。
図8Bに示すように、第1の平面878aは、ウェーハ170全体のほんの小さな一部分である可能性がある。
【0076】
[0089] 分離距離879の値は、スペクトル分離703と光学システム275の特性とに依存する。例えば、分離距離879の値は、光学システム275内のレンズ及びその他の光学素子の焦点距離、収差、及びその他の特性に依存する可能性がある。色収差Cを有するスキャナレンズの場合、分離距離879は、式1から決定することができる:
ΔD=C*Δλ 式(1)
式中、ΔDは分離距離879(単位:ナノメートル(nm))であり、Cは色収差(焦点面が波長変化のために伝搬方向に移動する距離として定義される)であり、Δλはスペクトル分離873(単位:ピコメートル)である。分離距離875は、例えば5000nm(5μm)であってよく、スペクトル分離873は約200~300fmであってよい。
【0077】
[0090] また、製造及び設置プロセスの変化及び/又はエンドユーザによる変更に起因して、あるタイプのリソグラフィ露光装置169の特定の例に望ましい分離距離879を実現するのに、異なる一次波長が必要になる可能性がある。以上で考察したように、レシピ又はプロセス制御プログラム259を、制御システム250の電子ストレージ252に記憶することができる。レシピ259を変更又はプログラムして、特定の露光装置又はあるタイプの露光装置に合わせてカスタマイズすることができる。レシピ259は、リソグラフィシステム200が製造されるときにプログラムすることができる、及び/又は、レシピ259は、例えばI/Oインターフェイス253を介して、エンドユーザ又はシステム200の動作に精通した他のオペレータによってプログラムすることができる。
【0078】
[0091] レシピ259はまた、ウェーハ170の異なるエリアを露光するのに使用される異なる露光パスのための異なる分離距離879を規定することができる。付加的又は代替的に、レシピ259は、ロットごともしくはレイヤごと、又はウェーハごとに分離距離879を規定することができる。ロット又はレイヤは、同じ公称条件下で同じ露光装置により処理される一群のウェーハである。レシピ259はまた、各像により提供される線量などの空間像873a、873bに関連する他のパラメータを規定することを可能にする。例えば、レシピ259は、N個のパルスのうち、第1の一次波長702_1を有するパルスの数と第2の一次波長702_2を有するパルスの数の割合を規定することができる。これらの他のパラメータはまた、フィールドごと、ロットごと(もしくはレイヤごと)、及び/又はウェーハごとに規定することができる。
【0079】
[0092] また、レシピ259は、一部のレイヤが第1の一次波長702_1及び第2の一次波長702_2で露光されず、その代わりに単一の一次波長を含む光学スペクトルを有するパルスで露光されることを規定することができる。このような光学スペクトルは、例えば、3次元半導体コンポーネントではなく、平面半導体コンポーネントを形成しようとする場合に使用することができる。I/Oインターフェイス253は、エンドユーザ及び/又は製造者が、単一の一次波長が、例えば特定のレイヤ又はロットのために使用されるシナリオを含む、一次波長の数を規定するレシピをプログラム又は作成することを可能にする。
【0080】
[0093] また、上記の例は2つの一次波長を有する平均光学スペクトル701について考察しているが、他の例では、平均光学スペクトル701は、3つ以上の一次波長(例えば、3つ、4つ、又は5つの一次波長)を有することができ、一次波長はそれぞれ最も近い他の一次波長からスペクトル分離及び領域704などの領域で分離される。I/Oインターフェイス253は、エンドユーザ及び/又は製造者がこれらのパラメータを規定するレシピをプログラム又は作成することを可能にする。
【0081】
[0094] 3次元(3D)半導体コンポーネントが形成される(540)。
図9Aは、例示的な3D半導体コンポーネント995の断面図を示している。
図9Bは、ウェーハ170、及び第1の平面878aにおけるxy平面のコンポーネント995を示している。3D半導体コンポーネント995は、完全なコンポーネント、又はより大きいコンポーネントの一部分であってよい。3D半導体コンポーネント995は、全てがウェーハ170内の1つのz位置に形成されるわけではないフィーチャを有する任意のタイプの半導体コンポーネントであってよい。例えば、3D半導体コンポーネントは、z軸に沿って延在する窪み又は開口を備えるデバイスであってよい。例えば、3D半導体コンポーネントは、3D NANDフラッシュメモリコンポーネントの全部又は一部であってよい。3D NANDフラッシュメモリは、メモリセルがz軸に沿って積層されたメモリである。
【0082】
[0095]
図9Aの例では、3D半導体コンポーネント995は、外面999に形成された窪み996を備える。窪み996は、フロア997と、外面999及びフロア997間に概ねz軸に沿って延在する側壁998とを備える。フロア997は、第2の空間像873b(
図8A)内にある光で平面878bにあるフォトレジストを露光することによって形成される。外面999上のフィーチャは、第1の空間像873a(
図8A)内にある光を使用して形成される。
【0083】
[0096] プロセス500を用いることはまた、90°に等しい、又は他のプロセスを用いて可能であるよりも90°に近い側壁角992を生じさせることができる。側壁角992は、フロア997と側壁998との間の角である。側壁998がxz平面に延在し、フロアがxy平面に延在する場合、側壁角992は90°であり、この例では垂直と見なすことができる。垂直な側壁角は望ましい。なぜなら、例えばこのような側壁は、3D半導体コンポーネントのより良好に画定されたフィーチャを可能にするためである。プロセス500は、90°に等しい又は近い側壁角992を実現する。なぜなら、第1の空間像873a及び第2の空間像873bの位置(それぞれ第1の平面878a及び第2の平面878b)は、ウェーハ170の異なる部分にある離れた像であるためである。単一の露光パスにおいて離れた空間像を形成することは、各像の品質を向上させることができ、低品質の単一の空間像により形成されたフィーチャと比較してより垂直に配向されたより明確なフィーチャをもたらす。
【0084】
[0097]
図10A及び
図10Bは、プロセス500に関連する模擬データの例である。
図10Aは、空間像強度対y軸に沿ったマスク位置(
図9A)の3つのプロット1001、1002、1003を示している。各プロット1001、1002、1003は1つの空間像の強度対マスク位置を表す。
図10Aでは、プロット1001は、
図5について上述したような単一露光パスの間に2つの空間像を形成する平均光学スペクトルのシミュレーションを表す。プロット1002は、焦点深度を増大させて3次元フィーチャ(ビア及び孔など)のウェーハへのプリントを促進する手順であるASMLのEFESE技術に従ってウェーハステージを傾ける状況のシミュレーションを表す。EFESE技術では、ウェーハステージをある角度に傾けて、ウェーハを露光しながら焦点を通して空間像をスキャンする。EFESE技術は一般に、より大きな焦点深度をもたらす。
図10Aでは、プロット1002のみがEFESE技術を用いてシミュレートされたデータを表す。
図10Aに示す残りのデータはEFESE技術を採用しなかった。プロット1003は、線量に基づいた最良焦点のシミュレーションからのデータを表す。
【0085】
[0098]
図10Aに示すマスク位置の関数としての空間像強度は、単一露光パスで2つ以上の空間像を形成することがウェーハステージを傾けるのと同様のコントラストを生成する可能性があることを示す。コントラストが大きくなるということは、z軸に沿った異なる位置にある3次元フィーチャ(
図8A)が適切に形成される可能性が高くなることを示す。
【0086】
[0099]
図10Bは、それぞれが露光パスの間に平均化された3つの異なる空間像についての焦点位置の関数としてのクリティカルディメンジョンの3つのプロット1004、1005、1006を示している。
図10Bのプロット1004は、EFESE技術を適用せず、単一の空間像を形成したシミュレーションからのデータを表す。プロット1005は、EFESE技術を適用したシミュレーションからのデータを表す。図のように、クリティカルディメンジョン値がゼロ焦点からさらに離れたところで変わらないため、EFESE技術は、EFESEの適用のないシミュレーションと比べて焦点深度を増大させる。プロット1005は、2つの空間像を単一露光パスで生成し、EFESE技術を適用しなかったシミュレーションからのデータを表す。複数の空間像を使用してEFESE技術を用いないシミュレーションの焦点深度は同等か又はEFESE技術より良好である。したがって、EFESEなどの技術に頼ることなく、プロセス500を用いて、単一露光パスにおいてより大きな焦点深度を実現することができる。
【0087】
[0100] 実施形態を以下の条項を用いてさらに説明することができる。
1.フォトリソグラフィシステムを使用して3次元半導体コンポーネントを形成する方法であって、方法が、
複数の光パルスを含むパルス光ビームを伝搬方向に沿ってマスクに向けること、
単一露光パスの間に光ビームの光パルスの一セットを、マスクを通過させてウェーハに向けること、
単一露光パスの間に、マスクを通過するパルスセット内の光パルスに基づいて、ウェーハ上に少なくとも第1の空間像及び第2の空間像を生成することであって、第1の空間像がウェーハ上の第1の平面にあり、第2の空間像がウェーハ上の第2の平面にあり、第1の平面及び第2の平面が伝搬方向に沿って分離距離だけ互いに離れていること、及び
第1の空間像の光とウェーハの第1の部分の材料との相互作用及び第2の空間像の光とウェーハの第2の部分の材料との相互作用に基づいて、フォトレジストに3次元半導体コンポーネントをパターニングすること、を含み、
パルスセット内のパルスの少なくとも1つが第1の一次波長を有し、パルスセット内の他のパルスの少なくとも1つが、第1の一次波長と異なる第2の一次波長を有することにより、第1及び第2のパルスセットのスペクトルがスペクトル的に異なり、分離距離が第1の一次波長と第2の一次波長の差に基づく、方法。
2.単一露光パスの間にマスクを通過するパルスセット内のパルスの少なくとも1つが2つ以上の光の一次波長を含む、条項1に記載の方法。
3.各一次波長が、最も近い別の一次波長から200フェムトメートル(fm)から500ピコメートル(pm)のスペクトル分離によって分離される、条項2に記載の方法。
4.第1の空間像と第2の空間像の間の分離距離が単一露光パスの間に変化する、条項1に記載の方法。
5.単一露光パスが第1の露光パスであり、方法がさらに、第2の露光パスの間、かつ第1の露光パスが完了した後に、光ビームの光パルスの第2のセットをマスクを通過させてウェーハに向けることを含み、第1の空間像と第2の空間像の間の分離距離が、第1の露光パス及び第2の露光パスの間異なる、条項1に記載の方法。
6.第1の空間像と第2の空間像の間の分離距離が単一露光パスに先立って設定され、分離距離が単一露光パスの間変化しない、条項1に記載の方法。
7.第1の空間像と第2の空間像の間の分離距離が、フォトリソグラフィシステムの1つ以上のフィーチャに適応するように設定される、条項6に記載の方法。
8.パルスセットが、光パルスの第1のグループと光パルスの第2のグループとを含み、光パルスの第1のグループの各パルスが第1の一次波長を有し、光パルスの第2のグループの各パルスが第2の一次波長を有し、方法がさらに、
パルスの第1のグループの特性を制御することによって第1の空間像の光量を制御すること、及び
パルスの第2のグループの特性を制御することによって第2の空間像の光量を制御することを含む、条項1に記載の方法。
9.第1のグループの特性が第1のグループのパルス数を含み、第2のグループの特性が第2のグループのパルス数を含む、条項8に記載の方法。
10.第1のグループのパルス数を制御することが、パルスの第1のグループに含む第1のパルス数を、単一露光パスが始まる前に決定することを含み、パルスの第2のグループのパルス数を制御することが、パルスの第2のグループに含む第2のパルス数を、単一露光パスの前に決定することを含む、条項9に記載の方法。
11.第1のパルス数及び第2のパルス数を決定することが、(a)オペレータからの入力を受け取ること、及び(b)フォトリソグラフィシステムと関連付けられたあらかじめ規定された設定にアクセスすること、の1つ以上を含む、条項10に記載の方法。
12.パルスの第1のグループの特性が第1のグループの各パルスの強度を含み、パルスの第2のグループの特性が第2のグループの各パルスの強度を含む、条項8に記載の方法。
13.ウェーハ上の第1の平面及びウェーハ上の第2の平面が、伝搬方向に対して実質的に垂直な平面である、条項1に記載の方法。
14.パルスの第1のグループ及びパルスの第2のグループが、単一露光パスにおいてマスクを通過する全てのパルスを含む、条項9に記載の方法。
15.3次元半導体の第1のフィーチャが第1の平面に形成され、
3次元半導体の第2のフィーチャが第2の平面に形成され、
第1及び第2のフィーチャが、伝搬方向に実質的に平行に延在する側壁によって互いから離れている、条項1に記載の方法。
16.3次元半導体コンポーネントが、3次元NANDフラッシュメモリコンポーネントを含む、条項1に記載の方法。
17.第1の平面が第1の焦点面に対応し、第2の平面が第2の焦点面に対応し、第1の平面と第2の平面の間の分離距離が、マスクを通過する光パルスの1つ以上の波長の差、又はパルスセットの個別のパルス間の波長の差に基づく、条項1に記載の方法。
18.光源と、
光源からのパルス光ビームと相互作用するように配置されたマスクと、
ウェーハホルダと、を備えたリソグラフィスキャナ装置と、
光源に結合された制御システムと、を備えたフォトリソグラフィシステムであって、
制御システムが、光源に、単一露光パスの間にパルス光ビームをリソグラフィスキャナ装置に向けて放出させるように構成され、単一露光パスの間、少なくとも第1の空間像及び第2の空間像が、ウェーハホルダで支えられたウェーハ上に、マスクを伝搬方向に沿って通過する光パルスの一セットの光パルスに基づいて形成され、第1の空間像がウェーハ上の第1の平面にあり、第2の空間像がウェーハ上の第2の平面にあり、第1の平面及び第2の平面が、伝搬方向に沿って分離距離だけ互いに離れており、3次元半導体コンポーネントが、第1の空間像の光とウェーハの第1の部分の材料との相互作用及び第2の空間像の光とウェーハの第2の部分の材料との相互作用に基づいて形成され、
パルスセット内のパルスの少なくとも1つが第1の一次波長を有し、
パルスセット内の他のパルスの少なくとも1つが、パルスの第1及び第2のセットのスペクトルがスペクトル的に異なるように、第1の一次波長と異なる第2の一次波長を有し、
分離距離が第1の一次波長と第2の一次波長の差に基づく、フォトリソグラフィシステム。
19.制御システムが、コンピュータ可読記憶媒体と、コンピュータ可読記憶媒体と結合された1つ以上の電子プロセッサと、入出力インターフェイスと、を備え、フォトリソグラフィシステムに関連するレシピがコンピュータ可読記憶媒体に記憶される、条項18に記載のフォトリソグラフィシステム。
20.レシピが分離距離を規定する、条項19に記載のフォトリソグラフィシステム。
21.レシピが、ウェーハごと又はロットごとに分離距離を規定する、条項20に記載のフォトリソグラフィシステム。
22.光源が、フッ化クリプトン(KrF)利得媒質又はフッ化アルゴン(ArF)利得媒質を含む、条項18に記載のフォトリソグラフィシステム。
【0088】
[0101] 他の実装形態は特許請求の範囲の範囲内にある。
【手続補正書】
【提出日】2022-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
【
図1A】[0018] フォトリソグラフィシステムの例示的な実装形態のブロック図である。
【
図1B】[0019]
図1Aのフォトリソグラフィシステムのための光学系の例示的な実装形態のブロック図である。
【
図1C】[0020]
図1Aのフォトリソグラフィシステムにより露光された例示的なウェーハの断面図である。
【
図2A】[0021] フォトリソグラフィシステムの別の例示的な実装形態のブロック図である。
【
図2B】[0022] フォトリソグラフィシステムで使用し得るスペクトル特徴選択モジュールの例示的な実装形態のブロック図である。
【
図2C】[0023] ライン狭隘化モジュールの例示的な実装形態のブロック図である。
【
図3A】[0024] 光源におけるパルス及び/又はパルスのバーストの生成に関連するデータのプロットである。
【
図3B】[0024] 光源におけるパルス及び/又はパルスのバーストの生成に関連するデータのプロットである。
【
図3C】
光源におけるパルス及び/又はパルスのバーストの生成に関連するデータのプ
ロットである。
【
図4】[0025] フォトリソグラフィシステムの別の例示的な実装形態のブロック図である。
【
図5】[0026] 3次元半導体コンポーネントを形成するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【
図6A】[0027] 単一の光パルスの例示的な光学スペクトルを示す。
【
図6B】[0027] 単一の光パルスの例示的な光学スペクトルを示す。
【
図7】[0028] 単一露光パスの例示的な平均光学スペクトルを示す。
【
図8A】[0029] 例示的なウェーハの垂直断面図を示す。
【
図8B】[0029] 例示的なウェーハの水平断面図を示す。
【
図9A】[0030] 例示的な3次元半導体コンポーネントの垂直断面図を示す。
【
図9B】[0030] 例示的な3次元半導体コンポーネントの水平断面図を示す。
【
図10A】[0031] 例示的な模擬データを示す。
【
図10B】[0031] 例示的な模擬データを示す。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトリソグラフィシステムを使用して3次元半導体コンポーネントを形成する方法であって、
複数の光パルスを含むパルス光ビームを伝搬方向に沿ってマスクに向けることと、
単一露光パスの間に前記光ビームの前記光パルスの一セットを、前記マスクを通過させてウェーハに向けることと、
前記単一露光パスの間に、前記マスクを通過する前記パルスセット内の光パルスに基づいて、前記ウェーハ上に少なくとも第1の空間像及び第2の空間像を生成することであって、前記第1の空間像が前記ウェーハ上の第1の平面にあり、前記第2の空間像が前記ウェーハ上の第2の平面にあり、前記第1の平面及び前記第2の平面が前記伝搬方向に沿って分離距離だけ互いに離れていることと、
前記第1の空間像の光と前記ウェーハの第1の部分の材料との相互作用及び前記第2の空間像の光と前記ウェーハの第2の部分の材料との相互作用に基づいて、フォトレジストに前記3次元半導体コンポーネントをパターニングすることと、を含み、
前記パルスセット内のパルスの少なくとも1つが第1の一次波長を有し、前記パルスセット内の他のパルスの少なくとも1つが前記第1の一次波長と異なる第2の一次波長を有することにより、前記第1及び第2のパルスセットのスペクトルがスペクトル的に異なり、
前記分離距離が、前記第1の一次波長と前記第2の一次波長の差に基づく、方法。
【外国語明細書】