(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022136464
(43)【公開日】2022-09-21
(54)【発明の名称】化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/891 20060101AFI20220913BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20220913BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20220913BHJP
A61Q 1/02 20060101ALI20220913BHJP
A61Q 1/12 20060101ALI20220913BHJP
A61Q 1/04 20060101ALI20220913BHJP
A61Q 1/10 20060101ALI20220913BHJP
A61Q 5/00 20060101ALI20220913BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20220913BHJP
C08G 77/50 20060101ALI20220913BHJP
C08L 83/14 20060101ALI20220913BHJP
C08L 91/00 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
A61K8/891
A61Q19/00
A61Q17/04
A61Q1/02
A61Q1/12
A61Q1/04
A61Q1/10
A61Q5/00
A61Q5/12
C08G77/50
C08L83/14
C08L91/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021036091
(22)【出願日】2021-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000002060
【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(72)【発明者】
【氏名】赤羽 絵美
(72)【発明者】
【氏名】小西 将幸
【テーマコード(参考)】
4C083
4J002
4J246
【Fターム(参考)】
4C083AA081
4C083AA121
4C083AA122
4C083AB152
4C083AB172
4C083AB192
4C083AB212
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB332
4C083AB352
4C083AB362
4C083AB372
4C083AB432
4C083AB442
4C083AB472
4C083AC011
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC092
4C083AC102
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC132
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC212
4C083AC302
4C083AC331
4C083AC342
4C083AC352
4C083AC372
4C083AC392
4C083AC422
4C083AC432
4C083AC442
4C083AC472
4C083AC482
4C083AC512
4C083AC532
4C083AC552
4C083AC612
4C083AC662
4C083AC682
4C083AC692
4C083AC792
4C083AC811
4C083AC842
4C083AC852
4C083AD022
4C083AD042
4C083AD092
4C083AD112
4C083AD132
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD172
4C083AD202
4C083AD212
4C083AD242
4C083AD282
4C083AD332
4C083AD392
4C083AD532
4C083AD662
4C083BB13
4C083BB46
4C083CC01
4C083CC02
4C083CC05
4C083CC12
4C083CC13
4C083CC14
4C083CC19
4C083CC31
4C083CC33
4C083DD08
4C083DD11
4C083DD17
4C083DD21
4C083DD22
4C083DD23
4C083DD28
4C083DD30
4C083DD32
4C083DD41
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE07
4J002AE05X
4J002CP03X
4J002CP19W
4J002EE026
4J002EH126
4J002EU116
4J002FD056
4J002GB00
4J246AA11
4J246AB15
4J246BA020
4J246BA02X
4J246BB020
4J246BB021
4J246BB02X
4J246BB140
4J246BB142
4J246BB14X
4J246CA010
4J246CA01U
4J246CA01X
4J246CA240
4J246CA24X
4J246CA340
4J246CA34U
4J246CA34X
4J246CA400
4J246CA40X
4J246FA221
4J246FA321
4J246FA441
4J246FC161
4J246FE26
4J246GB12
4J246HA53
(57)【要約】
【課題】高極性油や紫外線吸収剤を安定に配合することができ、良好な感触、使用感を有する化粧料を提供することを目的とする。
【解決手段】
下記(A)成分を含む化粧料であって、
(A)成分:(A1)のオルガノハイドロジェン(ポリ)シロキサン及び(A2)のオルガノ(ポリ)シロキサンのヒドロシリル化反応物であり、かつアリール基及びアラルキル基のモル数の合計とケイ素原子のモル数との比が0.34以上である芳香族基変性架橋型オルガノシロキサン、を含むものであることを特徴とする化粧料。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)成分を含む化粧料であって、
(A)成分:下記(A1)及び(A2)のヒドロシリル化反応物であり、かつアリール基及びアラルキル基のモル数の合計とケイ素原子のモル数との比が0.34以上である芳香族基変性架橋型オルガノシロキサン、を含むものであることを特徴とする化粧料。
(A1)下記一般式(1)
Ma1M’a2Db1D’b2Tc1T’c2Qd(1)
(式中、
Mは R1
3SiO1/2
M’は R1
2HSiO1/2
Dは R1
2SiO2/2
D’は R1HSiO2/2
Tは R1SiO3/2
T’は HSiO3/2
Qは SiO4/2
で示されるシロキサン単位を表し、R1は独立して炭素数1~30のアルキル基、アリール基、アラルキル基から選ばれる基であり、a1、a2、b1、b2、c1、c2、及びdはそれぞれ0≦a1、0≦a2、0≦b1、0≦b2、0≦c1、0≦c2、及び0≦dの整数であり、ただし、2≦a2+b2+c2≦50であり、2≦a1+a2+b1+b2+c1+c2+d≦100,000である。)
で示される1分子中に2個以上のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェン(ポリ)シロキサン。
(A2)下記一般式(2)
Me1M”e2Df1D”f2 (2)
(式中、M、Dは前記と同じであり、
M”は R1
2R2SiO1/2
D”は R1R2SiO2/2
で示されるシロキサン単位を表し、R1は前記と同じであり、R2は炭素数2~8のアルケニル基であり、e1、e2、f1、及びf2はそれぞれ0≦e1≦2、0≦e2≦2、0≦f1、0≦f2の整数であり、e1+e2=2、2≦e2+f2≦50、2≦e1+e2+f1+f2≦100,000である)。
で示される1分子中に2個以上の炭素数2~8のアルケニル基を有する直鎖状オルガノ(ポリ)シロキサン。
【請求項2】
前記一般式(2)において、f2=0であることを特徴とする請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
前記(A)成分が、さらに下記(A3)を含めたヒドロシリル化反応物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の化粧料。
(A3)下記一般式(3)
Mg1M’g2Dh (3)
(式中、M、M’、Dは上述の通り。g1、g2、及びhはそれぞれg1=g2=1、0≦h≦100の整数である)
で示される1分子中に1個のケイ素原子結合水素原子を有する直鎖状オルガノハイドロジェン(ポリ)シロキサン。
【請求項4】
前記(A)成分が、さらに下記(A4)を含めたヒドロシリル化反応物であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の化粧料。
(A4)下記一般式(4)
Mi1M”i2Dj (4)
(式中、M、M”、Dは上述の通り。i1、i2、及びjはそれぞれi1=i2=1、0≦j≦100の整数である)
で示される1分子中に1個の炭素数2~8のアルケニル基を有する直鎖状オルガノ(ポリ)シロキサン。
【請求項5】
前記(A)成分に加え、(B)25℃で液状の油剤を含むものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の化粧料。
【請求項6】
前記(B)成分が、変性シリコーン油、炭化水素油、フッ素系油、エステル油、天然動植物油、および半合成油から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項5に記載の化粧料。
【請求項7】
前記(A)成分と前記(B)成分の一部が予め混合されているものであることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の化粧料。
【請求項8】
さらに(C)成分として、紫外線吸収剤を含むものであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香族基変性架橋型オルガノシロキサンを用いた化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコーン油、特にジメチルシリコーン油を化粧料やパーソナルケア組成物に安定に配合する方法として、3次元架橋構造を有するオルガノシロキサン重合物が提案されている。
【0003】
たとえば、特許文献1および2には、ハイドロジェンポリシロキサンとジエン化合物からなる架橋エラストマーと希釈剤を含むエラストマー組成物が提案されているが、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエンに代表されるようなジエン化合物は、不快な特異臭を有しており、残留した場合、化粧料用途には不向きとなる問題があった。特許文献3で提案される、特定のシリコーン重合物と低粘度シリコーン油をせん断下で混合して得られるペースト状組成物は、化粧料に配合することで、経時安定性だけでなく、なめらかでさっぱりとした感触を有する使用感や使用性を提供することが可能であるが、シリコーン油以外の油剤、たとえば炭化水素油やエステル油、さらには紫外線吸収剤を含む高極性油に対しては、その効果は充分満足できるものとは言い難かった。
【0004】
この問題を解決するために、長鎖アルキル基を導入し、シリコーン油および炭化水素油やエステル油に対しても親和性の高い架橋型オルガノシロキサン重合物の利用も提案されている(特許文献4)。しかしながら、紫外線吸収剤を含む高極性油との相溶性に対してその効果は不十分であった。
【0005】
一方、フェニル基を有するシリコーン油は、紫外線吸収剤との相溶性を有することが知られており、フェニル基を有する架橋型オルガノシロキサンであれば、紫外線吸収剤との相溶性も期待される。上述した文献等にも、ケイ素原子に結合可能な置換基として、フェニル基の利用は記載されている。フェニル基を有する架橋型オルガノシロキサンの化粧料への利用例としては、フェニル基を導入することにより生じる独特の感触を利用した特許文献5や、フェニル変性シリコーン油の安定配合を目的とした特許文献6があり、フェニル基の有用性についてある程度認知はされているものの、紫外線吸収剤との相溶性については開示されていない。特許文献7や特許文献8等のように、フェニル基を有さず、紫外線吸収剤との相溶性も有していない架橋型オルガノシロキサン重合物と同等の扱いとされる例もあり、化粧品原料としての性能および構造については、未だ改善の余地を残していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5654362号
【特許文献2】特表2005-537364号公報
【特許文献3】特開平1-207354号公報
【特許文献4】国際公開第2003/024413号
【特許文献5】特開2013-103885号公報
【特許文献6】特開2011-231102号公報
【特許文献7】特開2015-086196号公報
【特許文献8】特開2020-029409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、高極性油や紫外線吸収剤を安定に配合することができ、良好な感触、使用感と塗布性を有する化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明では、
下記(A)成分を含む化粧料であって、
(A)成分:下記(A1)及び(A2)のヒドロシリル化反応物であり、かつアリール基及びアラルキル基のモル数の合計とケイ素原子のモル数との比が0.34以上である芳香族基変性架橋型オルガノシロキサン、を含むものである化粧料を提供する。
(A1)下記一般式(1)
Ma1M’a2Db1D’b2Tc1T’c2Qd(1)
(式中、
Mは R1
3SiO1/2
M’は R1
2HSiO1/2
Dは R1
2SiO2/2
D’は R1HSiO2/2
Tは R1SiO3/2
T’は HSiO3/2
Qは SiO4/2
で示されるシロキサン単位を表し、R1は独立して炭素数1~30のアルキル基、アリール基、アラルキル基から選ばれる基であり、a1、a2、b1、b2、c1、c2、及びdはそれぞれ0≦a1、0≦a2、0≦b1、0≦b2、0≦c1、0≦c2、及び0≦dの整数であり、ただし、2≦a2+b2+c2≦50であり、2≦a1+a2+b1+b2+c1+c2+d≦100,000である。)
で示される1分子中に2個以上のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェン(ポリ)シロキサン。
(A2)下記一般式(2)
Me1M”e2Df1D”f2 (2)
(式中、M、Dは前記と同じであり、
M”は R1
2R2SiO1/2
D”は R1R2SiO2/2
で示されるシロキサン単位を表し、R1は前記と同じであり、R2は炭素数2~8のアルケニル基であり、e1、e2、f1、及びf2はそれぞれ0≦e1≦2、0≦e2≦2、0≦f1、0≦f2の整数であり、e1+e2=2、2≦e2+f2≦50、2≦e1+e2+f1+f2≦100,000である)。
で示される1分子中に2個以上の炭素数2~8のアルケニル基を有する直鎖状オルガノ(ポリ)シロキサン。
【0009】
このような(A)成分の架橋型オルガノシロキサンであれば、紫外線吸収剤や高極性油との相溶性が改善されたものであるため、化粧料に配合した際に、外観を損ねることなく、良好な感触と化粧持ちが提供可能となる。
【0010】
前記一般式(2)において、f2=0であることが好ましい。
【0011】
このような(A2)成分のアルケニル基含有オルガノシロキサンを用いることで、(A1)成分との重合反応を円滑に進めることができ、柔軟で増粘効果の高い重合物(ヒドロシリル化反応物)を得ることができる。
【0012】
前記(A)成分が、さらに下記(A3)を含めたヒドロシリル化反応物であることが好ましい。
(A3)下記一般式(3)
Mg1M’g2Dh (3)
(式中、M、M’、Dは上述の通り。g1、g2、及びhはそれぞれg1=g2=1、0≦h≦100の整数である)
で示される1分子中に1個のケイ素原子結合水素原子を有する直鎖状オルガノハイドロジェン(ポリ)シロキサン。
【0013】
前記(A)成分が、さらに下記(A4)を含めたヒドロシリル化反応物であることが好ましい。
(A4)下記一般式(4)
Mi1M”i2Dj (4)
(式中、M、M”、Dは上述の通り。i1、i2、及びjはそれぞれi1=i2=1、0≦j≦100の整数である)
で示される1分子中に1個の炭素数2~8のアルケニル基を有する直鎖状オルガノ(ポリ)シロキサン。
【0014】
このようにすれば、ヒドロシリル化反応の架橋密度を調節することにより、(A)成分の性状を化粧料の種類に応じて適切なものとすることができる。
【0015】
本発明の化粧料は、前記(A)成分に加え、(B)25℃で液状の油剤を含むものであることが好ましい。
【0016】
前記(B)成分が、変性シリコーン油、炭化水素油、フッ素系油、エステル油、天然動植物油、および半合成油から選ばれる1種以上であることが好ましい。
【0017】
このようなものであれば、化粧料の外観や使用感も良好なものとなり、取り扱いも容易となる。
【0018】
また本発明の化粧料は、前記(A)成分と前記(B)成分の一部が予め混合されているものであることが好ましい。
【0019】
上記(A)成分の芳香族基変性架橋型オルガノシロキサンは、樹脂状もしくは高粘度のガム状物であることが多いため、予め液状の(B)成分である油剤と混合し、滑らかなペースト状とすることで、化粧料への配合が容易になるため好ましい。
【0020】
さらに本発明の化粧料は、(C)成分として、紫外線吸収剤を含むものであることが好ましい。
【0021】
紫外線吸収剤を配合することにより、紫外線吸収能に優れた化粧料を得ることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の化粧料に用いる(A)芳香族基変性架橋型オルガノシロキサンは、高極性油との相溶性が改善されたものであるため、化粧料に配合した際の増粘性、安定性に優れ、良好な感触と塗布性が得られる化粧料を提供できる。特に、シリコーンとの相溶性に乏しいとされる紫外線吸収剤を配合しても、安定性に優れた化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定の構造の芳香族基変性架橋型オルガノシロキサンを用いることによって、高極性油との相溶性に優れた化粧料を得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。この架橋型オルガノシロキサンは、特殊な置換基を使うことなく合成可能であり、高極性油や紫外線吸収剤との相溶性を容易に向上させることができ、さらに複雑な製造工程も必要としないため、工業的にも有用な手段である。
【0024】
即ち、本発明は、下記(A)成分を含む化粧料であって、
(A)成分:下記(A1)及び(A2)のヒドロシリル化反応物であり、かつアリール基及びアラルキル基のモル数の合計とケイ素原子のモル数との比が0.34以上である芳香族基変性架橋型オルガノシロキサン、を含むものである化粧料である。
(A1)下記一般式(1)
Ma1M’a2Db1D’b2Tc1T’c2Qd(1)
(式中、
Mは R1
3SiO1/2
M’は R1
2HSiO1/2
Dは R1
2SiO2/2
D’は R1HSiO2/2
Tは R1SiO3/2
T’は HSiO3/2
Qは SiO4/2
で示されるシロキサン単位を表し、R1は独立して炭素数1~30のアルキル基、アリール基、アラルキル基から選ばれる基であり、a1、a2、b1、b2、c1、c2、及びdはそれぞれ0≦a1、0≦a2、0≦b1、0≦b2、0≦c1、0≦c2、及び0≦dの整数であり、ただし、2≦a2+b2+c2≦50であり、2≦a1+a2+b1+b2+c1+c2+d≦100,000である。)
で示される1分子中に2個以上のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェン(ポリ)シロキサン。
(A2)下記一般式(2)
Me1M”e2Df1D”f2 (2)
(式中、M、Dは前記と同じであり、
M”は R1
2R2SiO1/2
D”は R1R2SiO2/2
で示されるシロキサン単位を表し、R1は前記と同じであり、R2は炭素数2~8のアルケニル基であり、e1、e2、f1、及びf2はそれぞれ0≦e1≦2、0≦e2≦2、0≦f1、0≦f2の整数であり、e1+e2=2、2≦e2+f2≦50、2≦e1+e2+f1+f2≦100,000である)。
で示される1分子中に2個以上の炭素数2~8のアルケニル基を有する直鎖状オルガノ(ポリ)シロキサン。
【0025】
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】
(A)芳香族基変性架橋型オルガノシロキサン
本発明の必須成分である(A)成分の芳香族基変性架橋型オルガノシロキサンは、下記(A1)成分及び(A2)成分のヒドロシリル化反応物であり、かつアリール基及びアラルキル基のモル数の合計とケイ素原子のモル数との比が0.34以上である芳香族基変性架橋型オルガノシロキサンである。
(A1)下記一般式(1)
Ma1M’a2Db1D’b2Tc1T’c2Qd(1)
(式中、
Mは R1
3SiO1/2
M’は R1
2HSiO1/2
Dは R1
2SiO2/2
D’は R1HSiO2/2
Tは R1SiO3/2
T’は HSiO3/2
Qは SiO4/2
で示されるシロキサン単位を表し、R1は独立して炭素数1~30のアルキル基、アリール基、アラルキル基から選ばれる基であり、a1、a2、b1、b2、c1、c2、及びdはそれぞれ0≦a1、0≦a2、0≦b1、0≦b2、0≦c1、0≦c2、及び0≦dの整数であり、ただし、2≦a2+b2+c2≦50であり、2≦a1+a2+b1+b2+c1+c2+d≦100,000である。)
で示される1分子中に2個以上のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェン(ポリ)シロキサン。
(A2)下記一般式(2)
Me1M”e2Df1D”f2 (2)
(式中、M、Dは前記と同じであり、
M”は R1
2R2SiO1/2
D”は R1R2SiO2/2
で示されるシロキサン単位を表し、R1は前記と同じであり、R2は炭素数2~8のアルケニル基であり、0≦e1≦2、0≦e2≦2、0≦f1、0≦f2の整数であり、e1、e2、f1、及びf2はそれぞれe1+e2=2、2≦e2+f2≦50、2≦e1+e2+f1+f2≦100,000である)。
で示される1分子中に2個以上の炭素数2~8のアルケニル基を有する直鎖状オルガノ(ポリ)シロキサン。
【0027】
このような(A)成分であれば、紫外線吸収剤や高極性油との相溶性が改善されたものであるため、化粧料に配合した際、相溶性に優れ、良好な感触と化粧持ちを示す。
【0028】
上記(A1)成分の一般式(1)において、R1は独立して炭素数1~30のアルキル基、アリール基、アラルキル基から選ばれる基である。
【0029】
上記アルキル基は、好ましくは炭素数1~10、より好ましくは炭素数1~6のアルキル基である。アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基等の鎖状アルキル基やシクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基である。
【0030】
上記アリール基は、好ましくは炭素数6~20、より好ましくは炭素数6~10のアリール基である。アリール基の例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基等が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
【0031】
上記アラルキル基は、好ましくは炭素数7~20、より好ましくは炭素数7~10のアラルキル基である。アラルキル基の例としては、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられ、好ましくはベンジル基である。
【0032】
また、上記一般式(1)において、a1は0≦a1、好ましくは0≦a1≦100、より好ましくは0≦a1≦50の整数であり、a2は0≦a2、好ましくは0≦a2≦30、より好ましくは0≦a2≦10の整数であり、b1は0≦b1、好ましくは0≦b1≦5,000、より好ましくは0≦b1≦2,000の整数であり、b2は0≦b2、好ましくは0≦b2≦50、より好ましくは0≦b2≦30の整数であり、c1は0≦c1、好ましくは0≦c1≦100、より好ましくは0≦c1≦50の整数であり、c2は0≦c2、好ましくは0≦c2≦30、より好ましくは0≦c2≦10の整数であり、及びdは0≦d、好ましくは0≦d≦100、より好ましくは0≦d≦50の整数である。
【0033】
ただし、2≦a2+b2+c2≦50であり、好ましくは2≦a2+b2+c2≦10であり、より好ましくは2≦a2+b2+c2≦5である。a2+b2+c2が50を超えると、液状の油剤や紫外線吸収剤に対する膨潤性や化粧料とした際の感触が悪くなってしまうため、好ましくない。
【0034】
さらに、2≦a1+a2+b1+b2+c1+c2+d≦100,000であり、好ましくは2≦a1+a2+b1+b2+c1+c2+d≦10,000であり、より好ましくは2≦a1+a2+b1+b2+c1+c2+d≦2,000である。
【0035】
上記(A2)成分の一般式(2)において、R1は独立して炭素数1~30のアルキル基、アリール基、アラルキル基から選ばれる基である。それぞれの基の具体例、好ましい態様については、上記(A1)成分で例示されたものと同じものを選択することができる。
【0036】
また、R2は、炭素数2~8のアルケニル基であり、例えば、末端に不飽和基を有する炭素数2~8の1価炭化水素基である。R2の例としては、ビニル基、アリル基、プロぺニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などがあげられるが、ケイ素結合水素原子とのヒドロシリル化反応のし易さや安定性の良さから、ビニル基であることが好ましい。
【0037】
また、上記一般式(2)において、e1は0≦e1≦2の整数であり、e2は0≦e2≦2の整数であり、e1+e2=2である。また、f1は0≦f1、好ましくは0≦f1≦5,000、より好ましくは0≦f1≦1,000の整数であり、f2は0≦f2、好ましくは0≦f2≦50、より好ましくは0≦f2≦10の整数である。また、f2=0とすれば、(A)成分は柔軟で増粘効果の高いものとなるため好ましい。
【0038】
ただし、2≦e2+f2≦50であり、好ましくは2≦e2+f2≦10であり、より好ましくは2≦e2+f2≦5である。e2+f2が50を超えると、液状の油剤や紫外線吸収剤に対する膨潤性や化粧料とした際の感触が悪くなってしまうため、好ましくない。
【0039】
さらに、2≦e1+e2+f1+f2≦100,000であり、好ましくは2≦e1+e2+f1+f2≦10,000であり、より好ましくは2≦e1+e2+f1+f2≦1,000である。
【0040】
また、上記一般式(1)で示される1分子中に2個以上のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェン(ポリ)シロキサンに加えて、(A3)成分として下記一般式(3)で示される1分子中に1個のケイ素原子結合水素原子を有する直鎖状オルガノハイドロジェン(ポリ)シロキサンを加えてもよい。
(A3)下記一般式(3)
Mg1M’g2Dh (3)
【0041】
上記式中、M、M’、及びDは上記式(1)で示されるものと同じである。g1、g2、及びhはそれぞれg1=g2=1であり、0≦h≦100、好ましくは0≦h≦50の整数である。
【0042】
上記(A1)成分と、上記(A3)成分との配合比(A1:A3)は特に規定されないが、質量比で0.1:99.9から99:1であることが好ましい。
【0043】
また、上記一般式(2)で示される1分子中に2個以上のアルケニル基を有するオルガノ(ポリ)シロキサンに加えて、(A4)成分として下記一般式(4)で示される1分子中に1個の炭素数2~8のアルケニル基を有する直鎖状オルガノ(ポリ)シロキサンを加えてもよい。
(A4)下記式(4)
Mi1M”i2Dj (4)
【0044】
上記式中、M、M”、及びDは上記一般式(2)で示されるものと同じである。i1、i2、及びjはそれぞれi1=i2=1であり、0≦j≦100、好ましくは0≦j≦50の整数である。
【0045】
上記(A2)成分と、上記(A4)成分との配合比は特に規定されないが、質量比で0.1:99.9から99:1であることが好ましい。
【0046】
本発明の化粧料は、上記(A)成分の架橋型オルガノシロキサン中のアリール基及びアラルキル基のモル数の合計(X1)とケイ素原子のモル数(X2)との比(X1/X2)が0.34以上であることを特徴とし、0.34~0.80の範囲であることがより好ましい。上記モル比が0.34未満であると、(A)成分である芳香族基変性架橋型オルガノシロキサンと、高極性の液状の油剤との相溶性が低下し、例えば上記オルガノシロキサンと同量以上の油剤を含有することができなくなる。それゆえに、化粧品に配合した際、外観が損なわれたり、安定性低下の要因となったりするため好ましくない。
【0047】
また、上記芳香族基変性架橋型オルガノシロキサン中のアリール基及びアラルキル基は、架橋物全体として上記比率を満たす量が変性されていればよいが、効率よく液状の油剤や紫外線吸収剤を取り込めるという点で、上記(A2)成分、更には(A4)成分がアリール基及びアラルキル基で変性されていることが好ましい。
【0048】
(A)成分中のアリール基及びアラルキル基から選ばれる芳香族基の合計数と、ケイ素原子の数との比は、以下に示す計算式で求めたものである。例えば、下記一般式(1-1)と下記一般式(2-1)のヒドロシリル化反応により得られた架橋物の場合を示す。
【化1】
フェニル基:3
ケイ素原子:40
反応基:5
【化2】
フェニル基:6
ケイ素原子:35
反応基:2
計算式:(3×2+6×5)/(40×2+35×5)=0.14
ここで、ヒドロシリル化反応を完結させるために必要なモル数は、(1-1):(2-1)=2:5として計算した。
【0049】
本発明における(A)芳香族基変性架橋型オルガノシロキサンは、例えば上記(A1)成分及び(A2)成分、場合によっては更に(A3)成分、及び/または(A4)成分を含むシリコーン組成物をヒドロシリル化反応用触媒存在下に反応させて得られた芳香族基変性架橋型オルガノシロキサンである。
【0050】
ここで、ヒドロシリル化反応用触媒としては特に制限はないが、例えば、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸-ビニルシロキサン錯体等の白金化合物、又はロジウム化合物等が挙げられる。ヒドロシリル化反応用触媒の存在下で(A1)成分及び(A3)成分のオルガノハイドロジェンシロキサンと、(A2)成分及び(A4)成分のアルケニル基含有オルガノシロキサンを反応させればよい。
【0051】
この際、反応温度は特に限定されないが、20~120℃であることが好ましい。ヒドロシリル化反応用触媒の添加量は周知の有効量でよく、オルガノポリシロキサン混合物の合計量に対して白金族金属の換算量で、通常、0.1~500ppm、好ましくは0.5~200ppm、より好ましくは、1~100ppmである。
【0052】
また、このヒドロシリル化反応において、全脂肪族不飽和基/ヒドロシリル基のモル比は、特に限定されないが、好ましくは、1/10~10/1であり、より好ましくは、8/10~3/1である。
【0053】
ヒドロシリル化反応を行う際には、無溶剤で行なってもよいし、必要に応じて有機溶剤や揮発性のあるジメチルシリコーン油を使用してもよい。
【0054】
かかる有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、2―プロパノール、ブタノール等の脂肪族アルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;n-ペンタン、n-ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族又は脂環式炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤等が挙げられるが、化粧品用途として用いるという観点から、無溶剤、エタノール又は2-プロパノールが好ましい。
【0055】
揮発性のあるジメチルシリコーン油としては、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、動粘度5mm2/s以下のジメチルポリシロキサン等があげられる。
【0056】
これらの有機溶剤、揮発性のあるジメチルシリコーン油は、必要に応じて、ヒドロシリル化反応後に、減圧加熱などで取り除くことも可能である。また、ヒドロシリル化反応を成分(B)の存在下に行ってもよく、使用性や製造上、この方法が最も好ましい。
【0057】
本発明における芳香族基変性架橋型オルガノポリシロキサンは、高極性油剤や紫外線吸収剤との相溶性を向上させたものであり、その性状は、使用される目的に応じて適宜調整可能である。具体的には、球状の粒子状、不定形の粒子状、樹脂状、流動性のないガム状、流動性のあるガム状、粘稠液状などの性状があり、これらは、目視または、光学顕微鏡、電子顕微鏡にて観察することができる。紫外線吸収剤やそのほかの油剤への膨潤性の点から、球状粒子状以外の構造であることが好ましい。
【0058】
性状の違いによる使用感や使用性については、一般的には粒子状や樹脂状の芳香族基変性架橋型オルガノポリシロキサンを化粧料に配合することで、ソフトフォーカス性に優れ、しっとりとしながらもべたつかず、さらさらとした軽い感触の化粧料となり、ガム状、液状であれば、増粘効果に優れ、しっとりとした感触や光沢のある化粧料が得やすくなる。
【0059】
(B)25℃で液状の油剤
本発明の化粧料には、(B)25℃で液状の油剤を配合することが好ましい。また、特に本発明の(A)成分である芳香族基変性架橋型オルガノポリシロキサンは、(B)25℃で液状の油剤の一部と予め均一に混合されていることが好ましい。本発明に用いる(A)芳香族基変性架橋型オルガノポリシロキサンは、高粘度のガム状や硬い樹脂である場合が多く、また、凝集しやすい性質でもあるため、(B)成分と予め混合しておくことにより、化粧料に直接配合することが容易になる。さらに、(A)成分を化粧料中に均一に分散させることにより、外観や使用感が良好となり、安定性にも優れるため好ましい。
【0060】
本発明で用いる(B)成分としては、取り扱い性が良い点で、25℃における動粘度が0.65~10,000mm2/sである液状油が好ましく、後述の(C)紫外線吸収剤と相溶性の良い液状油であることが好ましい。なお、本発明において、動粘度とはJIS Z 8803:2011記載のキャノン-フェンスケ粘度計を用いた方法により測定したものである。その種類としては、取り扱いを容易にすることが目的のため、特に限定されないが、好ましい油剤としては、以下の変性シリコーン油、炭化水素油、フッ素系油、エステル油、天然動植物油、半合成油があげられる。
【0061】
本明細書において、上記変性シリコーン油とは、ジメチコン(INCI)以外のシリコーン油のことを指すものとし、具体的には、エチルメチコン(INCI)、エチルトリシロキサン(INCI)、へキシルジメチコン(INCI)等のアルキル変性シリコーン、カプリリルメチコン(INCI)等の長鎖アルキル変性シリコーン、フェニルトリメチコン(INCI)、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(INCI)、ジフェニルジメチコン(INCI)、テトラフェニルジメチルジシロキサン(INCI)、等の直鎖或いは分岐状のオルガノポリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン等の環状オルガノポリシロキサン等の芳香族基変性シリコーン、アモジメチコン(INCI)、アミノプロピルジメチコン(INCI)等のアミノ変性オルガノポリシロキサン、PCAジメチコン(INCI)等のピロリドン変性オルガノポリシロキサン、ピロリドンカルボン酸変性オルガノポリシロキサン、アミノ酸変性シリコーン、フッ素変性シリコーンが挙げられる。
【0062】
上記炭化水素油としては、鎖式及び環式の炭化水素油が挙げられる。具体的には、オレフィンオリゴマー(INCI)、(C13,14)イソパラフィン(INCI)等のイソパラフィン、イソドデカン(INCI)、ウンデカン(INCI)、ドデカン(INCI)、イソヘキサデカン(INCI)、水添ポリイソブテン(INCI:Hydrogenated Polyisobutene)、スクワラン(INCI)、ミネラルオイル(INCI)、ヤシアルカン(INCI)、(C13-15)アルカン(INCI)などのアルカン等が挙げられる。
【0063】
上記フッ素系油としては、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等が挙げられる。
【0064】
上記エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル(INCI:Diisobutyl Adipate)、アジピン酸ジヘキシルデシル(表示名称)、アジピン酸ジヘプチルウンデシル(INCI:Diheptylundecyl Adipate)、イソステアリン酸イソステアリル(INCI:Isostearyl Isostearate)等のモノイソステアリン酸n-アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル(INCI:Isocetyl Isostearate)、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン(INCI:Trimethylolpropane Triisostearate)、ジエチルヘキサン酸グリコール(INCI:Glycol Diethylhexanoate)、エチルヘキサン酸セチル(INCI:Cetyl Ethylhexanoate)、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン(INCI:Trimethylolpropane Triethylhexanoate)、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル(INCI:Pentaerythrityl Tetraethylhexanoate)、オクタン酸セチル(INCI:Cetyl Ethylhexanoate)、ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシル(INCI:Octyldodecyl Stearoyl Stearate)等のオクチルドデシルエステル、オレイン酸オレイル(INCI:Oleyl Oleate)、オレイン酸オクチルドデシル(INCI:Octyldodecyl Oleate)、オレイン酸デシル(INCI:Decyl Oleate)、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール(INCI:Neopentyl Glycol Diethylhexanoate)、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(INCI:Neopentyl Glycol Dicaprate)、リンゴ酸ジイソステアリル(INCI:Diisostearyl Malate)、クエン酸トリエチル(INCI:Triethyl Citrate)、コハク酸ジエチルヘキシル(INCI:Diethylhexyl Succinate)、酢酸アミル(INCI:Amyl Acetate)、酢酸エチル(INCI:Etyl Acetate)、酢酸ブチル(INCI:Butyl Aceetate)、ステアリン酸イソセチル(INCI:Isocetyl Stearate)、ステアリン酸ブチル(INCI:Butyl Stearate)、セバシン酸ジイソプロピル(INCI:Diisopropyl Sebacate)、セバシン酸ジエチルヘキシル(INCI:Diethylhexyl Sebacate)、乳酸セチル(INCI:Cetyl Lactate)、乳酸ミリスチル(INCI:Myristyl Lactate)、イソノナン酸イソノニル(INCI:Isononyl Isononanoate)、イソノナン酸イソトリデシル(INCI:Isotridecyl Isononanoate)、パルミチン酸イソプロピル(INCI:Isopropyl Palmitate)、パルミチン酸エチルヘキシル(INCI:Ethylhexyl Isopalmitate)、パルミチン酸ヘキシルデシル(INCI:Isocetyl Palmitate、Hexyldecyl Palmitate)等のパルミチン酸エステル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル(INCI:Cholesteryl Hydroxystearate)、ミリスチン酸イソプロピル(INCI:Isopropyl Myristate)、ミリスチン酸オクチルドデシル(INCI:Octyldodecyl Myristate)、ミリスチン酸ミリスチル(INCI:Myristyl Myristate)等のミリスチン酸エステル、ラウリン酸エチルへキシル(INCI:Ethylhexyl Laurate)、ラウリン酸ヘキシル(INCI:Hexyl Laurate)、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル(INCI:Dioctyldodecyl Lauroyl Glutamate)、ラウロイルサルコシンイソプロピルエステル(INCI:Isopropyl Lauroyl Sarcosinate)等が挙げられる。
【0065】
また、エステル油の中で、グリセライド油としては、トリエチルヘキサノイン(INCI)、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル(INCI:Caprylic/Capric Triglyceride)、ココグリセリル(INCI)、(カプリル酸/カプリン酸/コハク酸)トリグリセリル(INCI:Caprylic/Capric/Succinic Triglyceride)、(カプリル酸/カプリン酸)グリセリズ(INCI)等が挙げられる。
【0066】
また、上記天然動植物油剤及び半合成油剤としては、アボガド油(INCI:Persea Gratissima (Avocado) Oil)、アマニ油(INCI:Linum Usitatissimum (Linseed) Seed Oil)、アーモンド油(INCI:Prunus Amygdalus Dulcis (Sweet Almond) Oil)、エゴマ油(表示名称)、オリーブ油(INCI:Olea Europaea (Olive) Fruit Oil)、アメリカガヤ油(INCI:Torreya Californica (California Nutmeg) Oil)、コウスイガヤ油(INCI:Cymbopogon Nardus (Citronella) Oil)、カヤ種子油(INCI:Torreya Nucifera Seed Oil)、キョウニン油(INCI:Kyounin Yu)、コムギ胚芽油(INCI:Triticum Vulgare (Wheat) Germ Oil)、ゴマ油(INCI:Sesamum Indicum (Sesame) Seed Oil)、コムギ胚芽油(INCI:Triticum Vulgare (Wheat) Germ Oil)、コメ胚芽油(INCI:Oryza Sativa (Rice) Germ Oil)、コメヌカ油(INCI:Oryza Sativa (Rice) Bran Oil)、サザンカ油(INCI:Camellia Kissi Seed Oil)、サフラワー油(INCI:Carthamus Tinctorius (Safflower) Seed Oil)、ダイズ油(INCI:Glycine Soja(Soybean)Oil)、チャ実油(INCI:Camellia Sinensis Seed Oil)、ツバキ油(INCI:Camellia Japonica Seed Oil)、月見草油(INCI:Oenothera Biennis (Evening Primrose) Oil)、ナタネ油(INCI:RAPE SHUSHI YU)、トウモロコシ胚芽油(INCI:Zea Mays (Corn) Germ Oil)、コムギ胚芽油(INCI:Triticum Vulgare (Wheat) Germ Oil)等の胚芽油、パーシック油(表示名称)、パーム油(INCI:Elaeis Guineensis (Palm) Oil)、パーム核油(INCI:Elaeis Guineensis (Palm) Kernel Oil)、ヒマシ油(INCI:Ricinus Communis (Castor) Seed Oil)、ヒマワリ油(INCI:Helianthus Annuus (Sunflower) Seed Oil)、ブドウ種子油(INCI:Vitis Vinifera (Grape) Seed Oil)油、ホホバ種子油(INCI:Simmondsia Chinensis (Jojoba) Seed Oil)、マカデミア種子油(INCI:Macadamia Ternifolia Seed Oil)、メドウフォーム油(INCI:Limnanthes Alba (Meadowfoam) Seed Oil)、綿実油(INCI:Gossypium Herbaceum (Cotton) Seed Oil)、ヤシ油(INCI:Cocos Nucifera (Coconut) Oil)、落花生油などの天然植物油、サメ肝油(INCI:Shark Liver Oil)、タラ肝油(INCI:Cod Liver Oil)、魚肝油(INCI:Fish Liver Oil)、タートル油(INCI:Turtle Oil)、ミンク油(INCI:Mink Oil)、卵黄油(INCI:Egg Oil)などの天然動物油、水添ヤシ油(INCI:Hydrogenated Coconut Oil)、液状ラノリン(INCI)等の半合成油脂等が挙げられる。
【0067】
上記(B)成分の中では、変性シリコーン油、エステル油が好ましく、変性シリコーン油としては、フェニル基を有するシリコーン油であるフェニルトリメチコン(INCI)、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(INCI)、ジフェニルジメチコン(INCI)、ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等の直鎖或いは分岐状のオルガノポリシロキサンが特に好ましい。市販されているものの例としては、ジフェニルジメチコン(信越化学工業(株)製:KP-54、KP-54HV等)、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(信越化学工業(株)製:KP-56A)が挙げられる。
【0068】
エステル油としては、トリエチルヘキサノン(INCI)、イソノナン酸イソノニル(INCI:Isononyl Isononanoate)、イソノナン酸イソトリデシル(INCI:Isotridecyl Isononanoate)、エチルヘキサン酸セチル(INCI:Cetyl Ethylhexanoate)、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル(INCI:Caprylic/Capric Triglyceride)、パルミチン酸エチルヘキシル(INCI:Ethylhexyl Isopalmitate)が特に好ましい。
【0069】
上記(A)成分と上記(B)成分との混合割合((A)成分/(B)成分)は、特に制限はないが、1/30~30/1(質量比)であることが好ましく、1/20~10/1であることがより好ましい。混合手法について制限はなく、例えば、3本ロールミル、2本ロールミル、ニーダー、マスコロイダー、サンドグラインダー、コロイドミル、ガウリンホモジナイザー、ディスパー、ハイシェアミキサー等公知の方法で行うことができるが、滑らかな外観のペースト組成物にするためには、3本ロールミル又はディスパーによる方法が好ましい。
【0070】
(C)紫外線吸収剤
本発明の(A)芳香族基変性架橋型オルガノシロキサンを用いた化粧料には、(C)紫外線吸収剤を配合することが好ましい。(A)成分の芳香族基変性架橋型オルガノシロキサンが、紫外線吸収剤に対して高い相溶性を示すため、安定性に優れた化粧料を調製することができる。
【0071】
上記(C)成分の紫外線吸収剤としては、ホモサレート(INCI)、オクトクリレン(INCI)、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン(INCI:Butyl Methoxydibenzoylmethane)、サリチル酸エチルヘキシル(INCI:Ethylhexyl Salicylate)、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(INCI:Diethylamino Hydroxybenzoyl Hexyl Benzoate)、オキシベンゾン-6(INCI:Benzophenone-6)、オキシベンゾン-9(INCI:Benzophenone-9)、オキシベンゾン-1(INCI:Benzophenone-1)、ポリシリコーン-15(INCI)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル(INCI:Ethylhexyl Dimethoxybenzylidene Dioxoimidazolidine Propionate)、オキシベンゾン-2(INCI:Benzophenone-2)、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸(INCI:Terephthalylidene Dicamphor Sulfonic Acid)、エチルヘキシルトリアゾン(INCI)、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル(INCI:Isopentyl Trimethoxycinnamate Trisiloxane)、ドロメトリゾールトリシロキサン(INCI)、ジメチルPABAエチルヘキシル(INCI:Ethylhexyl Dimethyl PABA)、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル(INCI:Isopropyl Methoxycinnamate)、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(INCI:Ethylhexyl Methoxycinnamate)、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(INCI:Bis-Ethylhexyloxyphenol Methoxyphenyl Triazine)、オキシベンゾン-3(INCI:Benzophenone-3)、オキシベンゾン-4(INCI:Benzophenone-4)、オキシベンゾン-5(INCI:Benzophenone-5)、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(INCI:Phenylbenzimidazole Sulfonic Acid)、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(INCI:Methylene Bis-Benzotriazolyl Tetramethylbutylphenol)、ジメトキシケイ皮酸エチルヘキサン酸グリセリル(INCI:Glyceryl Ethylhexanoate Dimethoxycinnamate)、グリセリルPABA(INCI:Glyceryl PABA)、ジイソプロピルケイ皮酸メチル(INCI:Diisopropyl Methyl Cinnamate)、シノキサート(INCI)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸エチルヘキシル(INCI:Ethylhexyl Dimethoxybenzylidene Dioxoimidazolidine Propionate)等が挙げられる。
【0072】
また、UVA吸収剤(例えば、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(INCI:Diethylamino Hydroxybenzoyl Hexyl Benzoate)等)と、UVB吸収剤(例えば、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(INCI:Ethylhexyl Methoxycinnamat)等)を併用することが可能であり、それぞれを任意に組み合わせることも可能である。
【0073】
この中でも、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、サリチル酸エチルヘキシル、ポリシリコーン-15、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、サリチル酸ホモメンチル及びオクトクリレンから選択される1種または2種以上の有機紫外線吸収剤であれば、特に、油剤との相溶性の観点から好ましい。
【0074】
(A)成分である芳香族基変性架橋型オルガノシロキサンは(C)成分との相溶性や増粘性が高く、(C)成分を含有する化粧料の安定化や使用感改善に優れる。(C)成分の配合量は特に限定されないが、化粧料全体の0.1質量%~35質量%が好ましく、5質量%~27質量%がより好ましく、7質量%~20質量%がさらに好ましく、10質量%~20質量%が最も好ましい。特に、本発明は(C)成分を高配合する系で不安定化するような化粧料への安定化に好ましい。
【0075】
<その他の成分>
本発明の化粧料には、その他の成分として、下記化粧料に配合できる各種成分を配合することができる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。これらの成分は、化粧料の種類等に応じて適宜選択使用され、またその配合量も化粧料の種類等に応じた公知の配合量とすることができる。
【0076】
・水性成分
水性成分は、通常化粧料に配合できる水性成分であれば、特に限定されない。具体的には、水、エタノール等の低級アルコール、エリスリトール、マルチトール、キシリトール、ソルビトール等の糖アルコール、1,3-BG、グリセリン、PG、DPG、ペンチレングリコール等の多価アルコール等の保湿剤等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。この成分を配合する場合の配合量は、化粧料中0.1~90質量%が好ましい。
【0077】
・(B)成分以外の油性成分
上記(B)成分以外の油性成分としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に限定なく、例えば、25℃でペースト状のエステル、ワセリン、ラノリンや、固形状のロウ類、シリコーンワックスなどが挙げられる。
【0078】
・粉体
粉体は通常化粧料に配合できる原料であれば、特に限定されないが、例えば、着色顔料、無機粉体、有機粉体、無機・有機複合粉体、金属粉体等が挙げられる。粉体を配合する場合、粉体の配合量は特に限定されないが、化粧料全体の0.1~90質量%配合することが好ましく、1~35質量%がより好ましく、1~18質量%がさらに好ましい。
【0079】
着色顔料としては、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、白色酸化チタン、黒色酸化鉄、ベンガラ、グンジョウ、コンジョウ、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト、酸化鉄ドープ酸化チタン、チタン酸鉄、(チタン/酸化チタン)焼成物、チタン酸(Li/コバルト)、チタン酸コバルト、窒化チタン、水酸化鉄、γ-酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄土等の無機黄色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの等の有色顔料等、いずれのものも使用することができる。
【0080】
無機粉体としては、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、劈開タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、二酸化ケイ素、フュームドシリカ、含水二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックス、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、チッ化ホウ素、チッ化ボロン、ガラス等からなる微粒子が挙げられる。また、無機着色パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等のパール顔料が挙げられる。紫外線遮蔽用途として、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウムが挙げられ、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛が紫外線遮蔽や使用性の点で好ましい。これら紫外線遮蔽用無機粉体は単独でも併用してもよく、吸収波長や分散性などにより適宜選択される。
【0081】
紫外線遮蔽用途の無機粉体の配合量は特に限定されないが、化粧料全体の0.1~35質量%配合することが好ましく、1~18質量%がより好ましく、1~10質量%がさらに好ましく、1~5質量%が最も好ましい。本発明の(A)成分は(C)成分との相溶性が高いため、化粧料に(C)成分を高配合することが可能である。そのため、所望される紫外線遮蔽効果を得る為、(C)成分を高配合する一方で、紫外線遮蔽用途の無機粉体の配合量を低減することが可能であり、無機粉体特有の軋み感や白さを抑え、透明性の高い日焼け止め化粧料の調製が可能となる。あるいは、所望される紫外線遮蔽効果によっては、(C)成分を高配合し、これに加えて、紫外線遮蔽用途の無機粉体も高配合することが可能であり、より高い紫外線遮蔽効果を有する安定な化粧料を調製することが可能である。
【0082】
有機粉体としては、例えば、シリコーン、ポリアミド、ポリアクリル酸・アクリル酸エステル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン、ポリメチルベンゾグアナミン、テトラフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレート(例えば、ポリメタクリル酸メチル等)、セルロース、シルク、ナイロン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート等からなる粉体が挙げられる。特に、シリコーンとしては、シリコーン樹脂粒子(具体例としては、信越化学工業(株)製:KMP-590、KMP-591、KMP-592等)やシリコーンゴム粉末(具体例としては、信越化学工業(株)製:KMP-597、KMP-598等)やシリコーン樹脂被覆シリコーンゴム粉末(具体例としては、信越化学工業(株)製:KSP-100、KSP-101、KSP-102、KSP-105、KSP-300、KSP-411、KSP-441等)が挙げられ、あらかじめ水中や油中に分散していてもよい(具体例としては、信越化学工業(株)製:KM-9729、KSG-016F等)。また、金属石鹸等も挙げられ、具体例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等からなる粉体も挙げられる。さらに、有機系色素等も挙げられ、具体例としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等のタール色素、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等の天然色素が挙げられる。
【0083】
無機・有機複合粉体としては、例えば、無機粉体表面が、公知公用の方法により有機粉体で被覆された複合粉体が挙げられる。
【0084】
金属粉体としては、例えば、アルミニウム、銅、ステンレス、銀等からなる金属微粒子が挙げられる。
【0085】
なお、上述の粉体は、粒子表面を処理したものも使用できる。また、その表面処理剤は、化粧料の耐水性の観点から疎水性を付与できるものが好ましく、この疎水性を付与する処理剤としては特に限定されず、シリコーン処理剤、ワックス類、パラフィン類、ペルフルオロアルキルとリン酸塩等の有機フッ素化合物、界面活性剤、N-アシルグルタミン酸等のアミノ酸、ステアリン酸アルミニウム、ミリスチン酸マグネシウム等の金属石鹸等の処理剤が挙げられる。
【0086】
より好ましくはシリコーン処理剤で、カプリルシラン(信越化学工業(株)製:AES-3083)、または、トリメトキシシリルジメチコン等のシラン類又はシリル化剤、ジメチルシリコーン(信越化学工業(株)製:KF-96Aシリーズ)、メチルハイドロジェン型ポリシロキサン(信越化学工業(株)製:KF-99P、KF-9901等)、シリコーン分岐型シリコーン処理剤(信越化学工業(株)製:KF-9908、KF-9909等)等のシリコーンオイル、アクリルシリコーン(信越化学工業(株)製:KP-574、KP-541)等が挙げられる。更に、上記の表面疎水化処理剤は、単独、あるいは、2種以上を組合せ使用しても良い。
【0087】
シリコーン処理剤のなかでもトリエトキシシリル基とポリジメチルシロキシエチル基とヘキシル基とを側鎖に有するジメチルポリシロキサンであるトリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン(信越化学工業(株)製:KF-9909)等が、本発明に係る高疎水化度処理着色顔料を分散させる分散媒がシリコーン並びに炭化水素等の混合組成であっても高い親和性を発現する点から有効に用いられる。更に、上記の表面疎水化処理剤は、単独、あるいは、2種以上を組合せ使用しても良い。表面疎水化処理を施した着色顔料の具体例としては、KTP-09シリーズ、特に、KTP-09W、KTP-09R、KTP-09Y、KTP-09B等(信越化学工業製)が挙げられる。
【0088】
・界面活性剤
界面活性剤としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性及び両性の活性剤があるが、特に制限されるものではなく、通常の化粧料に使用されるものであれば、いずれのものも使用することができる。これらの界面活性剤の中でも、部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン、部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ピロリドン変性オルガノポリシロキサンであることが好ましい。
【0089】
これらの界面活性剤において、親水性のポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基又はポリグリセリン残基の含有量が、分子中の10~70質量%を占めることが好ましい。
【0090】
また、部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン、部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーンのような架橋型オルガノポリシロキサンを用いる場合には、当該架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物において、架橋型オルガノポリシロキサンは、液状油に対し、自重以上の該液状油剤を含んで膨潤することが好ましい。当該液状油剤としては、(B)成分の油剤中の液状のシリコーン、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、半合成油等、フッ素系油を用いることができ、例えば、0.65~100mm2/s(25℃)の低粘度シリコーン、流動パラフィン、スクワラン、イソドデカン、イソヘキサデカン等の炭化水素油やトリオクタノイン等のグリセライド油、イソノナン酸イソトリデシル、N-アシルグルタミン酸エステル、ラウロイルサルコシン酸エステル等のエステル油、マカデミアナッツ油等の天然動植物油が挙げられる。
【0091】
架橋型オルガノポリシロキサンが液状油剤を含んで膨潤したものの具体例としては、信越化学工業(株)製:KSG-210、KSG-240、KSG-310、KSG-320、KSG-330、KSG-340、KSG-320Z、KSG-350Z、KSG-710、KSG-810、KSG-820、KSG-830、KSG-840、KSG-820Z、KSG-850Z等が挙げられる。
【0092】
架橋型オルガノポリシロキサンではない界面活性剤の具体例としては、信越化学工業(株)製:KF-6011、KF-6013、KF-6043、KF-6017、KF-6028、KF-6038、KF-6048、KF-6100、KF-6104、KF-6105、KF-6106等が挙げられる。
【0093】
何れの場合においても界面活性剤の配合量としては、化粧料全体の0.1~20質量%が好ましい。0.1質量%以上であれば、分散や乳化の機能を十分に果たすことができ、20質量%以下であれば化粧料がべたついた使用感になる恐れがないために好ましい。界面活性剤のHLBは、限定されないが化粧料の耐水性を維持するという目的から2~14.5が好ましい。
【0094】
・(A)成分以外の架橋型オルガノポリシロキサン
本発明においては、上記(A)成分以外の架橋型オルガノポリシロキサンを配合してもよい。このような架橋型オルガノポリシロキサンとしては、通常化粧品に使用されるものであれば特に限定されず、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。この架橋型オルガノポリシロキサンは、上記の粉体と異なり、球状の形状を有していない。また、上記の界面活性剤とは異なり、分子構造中、ポリエーテル又はポリグリセリン構造を有しない化合物である。上記(B)成分で膨潤することにより、構造粘性を有するエラストマーである。
【0095】
具体例としては、化粧品表示名称で定義される、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビスビニルジメチコン)クロスポリマー等が挙げられる。これらは室温で液状のオイルを含む膨潤物として市販され、具体例としては、信越化学工業(株)製のKSG-15、KSG-1510、KSG-16、KSG-1610、KSG-18A、KSG-19、KSG-41A、KSG-42A、KSG-43、KSG-44、KSG-042Z、KSG-045Z、KSG-048Z等が挙げられる。この成分を配合する場合の配合量は、固形分として化粧料中0.01~30質量%が好ましい。
【0096】
・皮膜剤
皮膜剤としては、通常化粧料に配合できる原料であれば特に限定されないが、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸アルキル等のラテックス類、デキストリン、アルキルセルロースやニトロセルロース等のセルロース誘導体、トリ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルカルバミド酸プルラン等のシリコーン化多糖化合物、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー等のアクリル-シリコーン系グラフト共重合体、トリメチルシロキシケイ酸等のシリコーン樹脂、シリコーン変性ポリノルボルネン、フッ素変性シリコーン樹脂等のシリコーン系樹脂、フッ素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、ポリマーエマルジョン樹脂、テルペン系樹脂、ポリブテン、ポリイソプレン、アルキド樹脂、ポリビニルピロリドン変性ポリマー、ロジン変性樹脂、ポリウレタン等が用いられる。
【0097】
これらの中でも特に、シリコーン系の皮膜剤が好ましく、中でもトリ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルカルバミド酸プルラン〔市販品としては、溶剤に溶解したものとして、信越化学工業(株)製:TSPL-30-D5、ID〕や、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー〔市販品としては、溶剤に溶解したものとして、信越化学工業(株)製:KP-543、KP-545、KP-549、KP-550、KP-545L等〕や、トリメチルシロキシケイ酸〔市販品としては、溶剤に溶解したものとして、信越化学工業(株)製:KF-7312J、X-21-5250等〕やシリコーン変性ポリノルボルネン〔市販品としては、溶剤に溶解したものとして、信越化学工業(株)製:NBN-30-ID等〕、オルガノシロキサングラフトポリビニルアルコール系重合体を用いることができるが、これらに限定されるものではない。皮膜剤としては1種又は2種以上を用いることができる。この成分を配合する場合の配合量は、化粧料中0.1~20質量%が好ましい。
【0098】
・その他の添加剤
その他の添加剤としては、油溶性ゲル化剤、水溶性増粘剤、制汗剤、防腐剤・殺菌剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物等が挙げられる。
【0099】
・油溶性ゲル化剤
油溶性ゲル化剤としては、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン;N-ラウロイル-L-グルタミン酸、α,γ-ジ-n-ブチルアミン等のアミノ酸誘導体;デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2-エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル;ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル;フラクトオリゴ糖ステアリン酸エステル、フラクトオリゴ糖2-エチルヘキサン酸エステル等のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステル;モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体;ジステアルジモニウムヘクトライト、ステアラルコニウムクトライト、ヘクトライトの有機変性粘土鉱物等が挙げられる。
【0100】
・水溶性増粘剤
水溶性増粘剤として、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ等)、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、カチオン化セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、アクリロイルジメチルタウリン塩コポリマー等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等他の合成水溶性高分子、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子等がある。
【0101】
中でも、植物系高分子、微生物系高分子、動物系高分子、デンプン系高分子、セルロース系高分子、アルギン酸系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、アクリル系高分子、及び無機系水溶性高分子から選ばれる1種又は2種以上の水溶性増粘剤が好ましく使用される。
【0102】
・制汗剤
制汗剤として、クロルヒドロキシアルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム等のヒドロキシハロゲン化アルミニウム、塩化アルミニウム等のハロゲン化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、タンニン酸、カキタンニン、硫酸アルミニウムカリウム、酸化亜鉛、パラフェノールスルホン酸亜鉛、焼きミョウバン、テトラクロロ(Al/ジルコニウム)水和物、トリクロロハイドレックスグリシン(Al/ジルコニウム)等が挙げられる。特に、高い効果を発現する成分として、ヒドロキシハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化アルミニウム、ならびにこれらのオキシハロゲン化ジルコニル及びヒドロキシハロゲン化ジルコニルとの錯体又は混合物(例えば、テトラクロロ(Al/ジルコニウム)水和物、トリクロロハイドレックスグリシン(Al/ジルコニウム))等が好ましい。
【0103】
・防腐剤・殺菌剤
防腐剤・殺菌剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、イミダゾリジニルウレア、サリチル酸、イソプロピルメチルフェノール、石炭酸、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、ポリリジン、感光素、銀、植物エキス等が挙げられる。
【0104】
・香料
香料としては、天然香料及び合成香料がある。天然香料としては花、葉、材、果皮等から分離した植物性香料、ムスク、シベット等の動物性香料がある。合成香料としてはモノテルペン等の炭化水素類、脂肪族アルコール、芳香族アルコール等のアルコール類、テルペンアルデヒド、芳香族アルデヒド等のアルデヒド類、脂環式ケトン等のケトン類、テルペン系エステル等のエステル類、ラクトン類、フェノール類、オキサイド類、含チッソ化合物類、アセタール類等が挙げられる。
【0105】
・塩類
塩類としては、無機塩、有機酸塩、アミン塩及びアミノ酸塩が挙げられる。無機塩としては、例えば、塩酸、硫酸、炭酸、硝酸等の無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、ジルコニウム塩、亜鉛塩等が挙げられる。有機酸塩としては、例えば、酢酸、デヒドロ酢酸、クエン酸、りんご酸、コハク酸、アスコルビン酸、ステアリン酸等の有機酸類の塩が挙げられる。アミン塩及びアミノ酸塩としては、例えば、トリエタノールアミン等のアミン類の塩、グルタミン酸等のアミノ酸類の塩等が挙げられる。また、その他、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等の塩等や、さらには、製剤処方の中で使用される酸-アルカリの中和塩等も使用することができる。
【0106】
・酸化防止剤
酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、カロチノイド、アスコルビン酸及びその塩、ステアリン酸アスコルビル、トコフェノール、酢酸トコフェノール、トコフェロール、p-t-ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、フィチン酸、フェルラ酸、チオタウリン、ヒポタウリン、亜硫酸塩、エリソルビン酸及びその塩、クロロゲン酸、エピカテキン、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート、アピゲニン、カンフェロール、ミリセチン、ケルセチン等が挙げられる。
【0107】
・pH調整剤
pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl-リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
【0108】
・キレート剤
キレート剤としては、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸等が挙げられる。
【0109】
・清涼剤
清涼剤としては、L-メントール、カンフル、乳酸メンチル等が挙げられる。
【0110】
・抗炎症剤
抗炎症剤としては、アラントイン、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びグリチルレチン酸ステアリル、トラネキサム酸、アズレン等が挙げられる。
【0111】
・美肌用成分
美肌用成分としては、胎盤抽出液、アルブチン、グルタチオン、トラネキサム酸、アスコルビン酸誘導体、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ロイヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体、幼牛血液抽出液等の細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β-ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α-ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ-オリザノール等の血行促進剤、皮膚収斂剤、イオウ、チアントロール等の抗脂漏剤等が挙げられる。
【0112】
・ビタミン類
ビタミン類としては、ビタミンA油、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類、リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート、ピリドキシントリパルミテート等のビタミンB6類、ビタミンB12及びその誘導体、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L-アスコルビン酸-2-硫酸ナトリウム、L-アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム等のビタミンC類、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール、ニコチン酸dl-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロール等のビタミンE類;ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類、ビタミンH、ビタミンP、パントテン酸カルシウム、D-パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、ビオチン等が挙げられる。
【0113】
・アミノ酸類
アミノ酸類としては、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等が挙げられる。
【0114】
・核酸
核酸としては、デオキシリボ核酸等が挙げられる。
【0115】
・ホルモン
ホルモンとしては、エストラジオール、エテニルエストラジオール等が挙げられる。
【0116】
・包接化合物
包接化合物としては、シクロデキストリン等が挙げられる。
【0117】
<化粧料>
本発明における(A)芳香族基変性架橋型オルガノシロキサンは、各種用途の化粧料に使用することができるが、特に皮膚や毛髪に外用されるすべての化粧料の原料として適用可能である。この場合、上記(A)成分の配合量は、化粧料全体の0.01~10質量%の範囲が好ましく、0.05~2質量%の範囲が更に好ましい。0.01質量%以上であれば十分な増粘性が得られ、10質量%以下であれば使用感が良好である。
【0118】
上記した化粧料の形態は、乳化系、非水系、水系のいずれでもよい。みずみずしい使用感を付与したいときは乳化形態を選択し、乳化形態としては、O/W型エマルジョン、W/O型エマルジョン、O/W/O型エマルジョン、W/O/W型エマルジョンのいずれの形態でもよく、油性感や耐水性を得たいときは非水系組成物、又は、粉体組成物を選択でき、さっぱりとした使用感を得たい場合は水系組成物を選択でき、いずれの場合でも良好な化粧料が得られる。なお、本発明において「非水系組成物」とは、水を意図的に配合しない組成物をいい、「水系組成物」とは、油性成分を意図的に配合しない組成物をいう。これらの中でも特に高い増粘性が期待できるW/O型エマルジョンや非水系組成物が好ましい。W/O型エマルジョンとしては、使用前に良く振盪する2層分離型や振盪せずそのまま使用できる非分離型が挙げられる。2層分離型には、幾らかの種類があるが、広義では、静置時に乳化組成物や分散液が複数の相に分離するものを指す。例えば、静置時、粉体を含む層とエマルジョン層の2層に分かれるもの、粉体を含む層と油層が2層に分かれるもの、水層と油層とが2層に分かれるもの、エマルジョン層と水層の一部が分かれるもの、粉体を含むエマルジョン層と水層の一部が分かれるもの、粉体と油層成分からなる層と水層が分かれる等があり、何れも振とう直後は乳化分散、あるいは、分散された1層になることを特徴とする。また、振盪時に容易に混合する為、ステンレスボールを容器中に入れている製剤がある。また、これら2層分離型は、2層式、シェイキングタイプ、シャカシャカタイプ(口語で用いられる場合がある)などと呼ばれる。本発明に係るW/O型エマルジョンとしては、これら使用前に良く振盪する2層分離型、または、振盪せずそのまま使用できる非分離型において、本発明の効果を発現するが、使用性の点で振盪を必要としない非分離型が好ましい。
【0119】
本発明の芳香族基変性架橋型オルガノシロキサンを用いた化粧料は、種々の方法で配合することができる。例えば、油剤や紫外線吸収剤、粉体に混合したり、乳化組成物の場合は乳化前の油相、又は乳化後の乳化物、又はその両方に混合しても良く、室温工程でも加熱工程でも良い。混合方法は特に限定されず、パルセーター、プロペラミキサー、パドルミキサー、ディスパー、ホモミキサー、ロール、ヘンシェル、アトマイザー、ピンミル、自転・公転型ミキサー等を用いても良い。
【0120】
本発明における化粧料は、特に限定されるものではないが、例えば、美容液、乳液、クリーム、ヘアケア、ファンデーション、化粧下地、日焼け止め、コンシーラー、チークカラー、口紅、グロス、バーム、マスカラ、アイシャドウ、アイライナー、ボディーメーキャップ、デオドラント剤、爪用化粧料等、種々の製品に応用することが可能である。これらの中でも特に、乳液、クリーム、ヘアケア、ファンデーション等のメイクアップ化粧料や日焼け止め効果を付与した化粧料が好ましい。本発明の化粧料の性状としては、液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、ムース状、スフレ状、粘土状、パウダー状、スティック状等の種々の性状を選択することができる。
【実施例0121】
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0122】
〔実施例1〕
反応器中に、下記平均組成式(1-2)で表されるオルガノシロキサン12.96質量部、および下記平均組成式(2-2)で表されるオルガノシロキサン66.04質量部、イソプロピルアルコール79.00質量部、及びヒドロシリル化反応用触媒として、1質量%塩化白金酸エタノール溶液0.04質量部を仕込み、内温を70~80℃に維持して3時間反応させた後、減圧下で内温を100℃に加熱し、揮発成分を除去することによって、無色半透明で弾力があり柔軟な樹脂状のフェニル変性架橋型オルガノシロキサンを得た。このとき、フェニル基とケイ素原子の比は、0.34であった。
【化3】
【化4】
【0123】
〔実施例2〕
実施例1で得られた樹脂20.00gとジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(表示名称)(信越化学工業(株)社製 KF-56A)とを3本ロールを用いて混合し、濃度12%のペースト状組成物を得た。このとき、屈折率は1.496、粘度は8295mPa・sであった。
【0124】
なお本実施例においては、粘度は、Anton Paar社製 MCR102を用い、せん断速度20(1/s)での測定値を記載した。測定条件は、25℃、50mmパラレルプレート、ギャップ0.5mmとした。
【0125】
〔実施例3〕
反応器中に、下記平均組成式(1-3)で表されるオルガノシロキサン7.46質量部、上記平均組成式(2-2)で表されるオルガノシロキサン51.89質量部、イソプロピルアルコール59.35質量部及び1質量%塩化白金酸エタノール溶液0.03質量部を仕込み、内温を70~80℃に維持して3時間反応させた後、減圧下で内温を100℃に加熱し、揮発成分を除去することによって、無色半透明で弾力があり柔軟な樹脂状のフェニル変性架橋型オルガノシロキサンを得た。このとき、フェニル基とケイ素原子の比は、0.36であった。
【化5】
【0126】
〔実施例4〕
実施例3で得られた樹脂20.00gとジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(表示名称)(信越化学工業(株)社製 KF-56A)とを3本ロールを用いて混合し、濃度12%のペースト状組成物を得た。このとき、屈折率は1.496、粘度は13382mPa・sであった。
【0127】
〔実施例5〕
反応器中に、下記平均組成式(1-4)で表されるオルガノシロキサン48.70質量部、下記平均組成式(2-3)で表されるオルガノシロキサン12.68質量部、イソプロピルアルコール61.38質量部及び1質量%塩化白金酸エタノール溶液0.03質量部を仕込み、内温を70~80℃に維持して3時間反応させた後、減圧下で内温を100℃に加熱し、揮発成分を除去することによって、無色半透明で弾力があり柔軟な樹脂状のフェニル変性架橋型オルガノシロキサンを得た。このとき、フェニル基とケイ素原子の比は、0.37であった。
【化6】
【化7】
【0128】
〔実施例6〕
実施例5で得られた樹脂20.00gとジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(表示名称)(信越化学工業(株)社製 KF-56A)とを3本ロールを用いて混合し、濃度25%のペースト状組成物を得た。このとき、屈折率は1.493、粘度は36672mPa・sであった。
【0129】
〔実施例7〕
反応器中に、下記平均組成式(1-5)で表されるオルガノシロキサン1.66質量部、下記平均組成式(1-6)で表されるオルガノシロキサン3.89質量部、および下記平均組成式(2-4)で表されるオルガノシロキサン55.94質量部、イソプロピルアルコール62.01質量部、及び1質量%塩化白金酸エタノール溶液0.03質量部を仕込み、内温を70~80℃に維持して3時間反応させた後、減圧下で内温を100℃に加熱し、揮発成分を除去することによって、無色半透明で弾力のある樹脂状のフェニル変性架橋型オルガノシロキサンを得た。このとき、フェニル基とケイ素原子の比は、0.44であった。
【化8】
【化9】
【0130】
〔実施例8〕
実施例7で得られた樹脂20.00gとジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール(表示名称)(日清オイリオグループ(株)社製コスモール525)とを3本ロールを用いて混合し、濃度14%のペースト状組成物を得た。このとき、屈折率は1.444、粘度は25253mPa・sであった。
【0131】
〔実施例9〕
反応器中に、下記平均組成式(1-7)で表されるオルガノシロキサン5.11質量部、および下記平均組成式(2-5)で表されるオルガノシロキサン58.51質量部、イソプロピルアルコール63.61質量部、及び1質量%塩化白金酸エタノール溶液0.03質量部を仕込み、内温を70~80℃に維持して3時間反応させた後、減圧下で内温を100℃に加熱し、揮発成分を除去することによって、無色半透明で弾力のある樹脂状のフェニル変性架橋型オルガノシロキサンを得た。このとき、フェニル基とケイ素原子の比は、0.63であった。
【化10】
【化11】
【0132】
〔実施例10〕
実施例9で得られた樹脂20.00gとジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(表示名称)(信越化学工業(株)社製 KF-56A)とを3本ロールを用いて混合し、濃度22%のペースト状組成物を得た。このとき、屈折率は1.502、粘度は5612mPa・sであった。
【0133】
〔実施例11〕
反応器中に、下記平均組成式(1-8)で表されるオルガノシロキサン8.18質量部、および下記平均組成式(2-6)で表されるオルガノシロキサン51.91質量部、イソプロピルアルコール61.38質量部、及び1質量%塩化白金酸エタノール溶液0.03質量部を仕込み、内温を70~80℃に維持して3時間反応させた後、減圧下で内温を100℃に加熱し、揮発成分を除去することによって、無色半透明で弾力のある樹脂状のフェニル変性架橋型オルガノシロキサンを得た。このとき、フェニル基とケイ素原子の比は、0.80であった。
【化12】
【化13】
【0134】
〔実施例12〕
実施例11で得られた樹脂20.00gとジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(表示名称)(信越化学工業(株)社製 KF-56A)とを3本ロールを用いて混合し、濃度30%のペースト状組成物を得た。このとき、屈折率は1.508、粘度は9797mPa・sであった。
【0135】
〔実施例13〕
反応器中に、下記平均組成式(1-9)で表されるオルガノシロキサン54.33質量部、および上記平均組成式(2-2)で表されるオルガノシロキサン61.32質量部、及び1質量%塩化白金酸エタノール溶液0.06質量部を仕込み、内温を70~80℃に維持して3時間反応させた後、白色粘稠なフェニル変性架橋型オルガノシロキサンを得た。このとき、フェニル基とケイ素原子の比は、0.37であった。
【化14】
【0136】
〔実施例14〕
実施例13で得られた樹脂20.00gとイソドデカン(表示名称)(丸善石油(株)社製マルカゾールR)をディスパーを用いて混合し、濃度90%のペースト状組成物を得た。このとき、屈折率は1.473、粘度は15427mPa・sであった。
【0137】
〔実施例15〕
反応器中に、上記平均組成式(1-5)で表されるオルガノシロキサン3.75質量部、および下記平均組成式(2-7)で表されるオルガノシロキサン1.46質量部、上記平均組成式(2-2)で表されるオルガノシロキサン49.53質量部、イソプロピルアルコール55.78質量部、及び1質量%塩化白金酸エタノール溶液0.02質量部を仕込み、内温を70~80℃に維持して3時間反応させた後、減圧下で内温を100℃に加熱し、揮発成分を除去することによって、無色半透明で弾力のある樹脂状のフェニル変性架橋型オルガノシロキサンを得た。このとき、フェニル基とケイ素原子の比は、0.39であった。
【化15】
【0138】
〔実施例16〕
実施例15で得られた樹脂20.00gとジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(表示名称)(信越化学工業(株)社製 KF-56A)とを3本ロールを用いて混合し、濃度16%のペースト状組成物を得た。このとき、屈折率は1.495、粘度は19609mPa・sであった。
【0139】
〔実施例17〕
反応器中に、下記平均組成式(1-10)で表されるオルガノシロキサン8.03質量部、および下記平均組成式(2-8)で表されるオルガノシロキサン38.20質量部、イソプロピルアルコール46.23質量部、及び1質量%塩化白金酸エタノール溶液0.03質量部を仕込み、内温を70~80℃に維持して3時間反応させた後、減圧下で内温を100℃に加熱し、揮発成分を除去することによって、白色で柔らかい不定形樹脂状のフェニル変性架橋型オルガノシロキサンを得た。このとき、フェニル基とケイ素原子の比は、0.36であった。
【化16】
【化17】
【0140】
〔実施例18〕
実施例17で得られた樹脂20.00gとジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(表示名称)(信越化学工業(株)社製 KF-56A)とを3本ロールを用いて混合し、濃度15%のペースト状組成物を得た。このとき、屈折率は1.495、粘度は16437mPa・sであった。
【0141】
〔実施例19〕
反応器中に、上記平均組成式(1-7)で表されるオルガノシロキサン4.09質量部、および上記平均組成式(2-2)で表されるオルガノシロキサン32.77質量部、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(表示名称)(信越化学工業(株)社製 KF-56A)84.00質量部、及び1質量%塩化白金酸ジビニルテトラメチルジシロキサン溶液0.03質量部を仕込み、内温を70~80℃に維持して3時間反応させた後、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(表示名称)(信越化学工業(株)社製 KF-56A)304.9質量部と均一になるよう混合し、濃度8.5%のペースト状組成物を得た。この時、屈折率は1.497、粘度は116640mPa・sであった。また、フェニル基とケイ素原子の比は、0.37であった。
【0142】
〔実施例20〕
反応器中に、上記平均組成式(1-7)で表されるオルガノシロキサン2.56質量部、および下記平均組成式(2-9)で表されるオルガノシロキサン27.92質量部、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(表示名称)(信越化学工業(株)社製 KF-56A)71.11質量部、及び1質量%塩化白金酸ジビニルテトラメチルジシロキサン溶液0.02質量部を仕込み、内温を70~80℃に維持して3時間反応させた後、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(表示名称)(信越化学工業(株)社製 KF-56A)256.90質量部と均一になるよう混合し、濃度8.5%のペースト状組成物を得た。この時、屈折率は1.499、粘度は6370mPa・sであった。また、フェニル基とケイ素原子の比は、0.50であった。
【化18】
【0143】
〔実施例21〕
反応器中に、下記平均組成式(1-11)で表されるオルガノシロキサン2.37質量部、および上記平均組成式(2-9)で表されるオルガノシロキサン30.58質量部、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(表示名称)(信越化学工業(株)社製 KF-56A)76.88質量部、及び1質量%塩化白金酸ジビニルテトラメチルジシロキサン溶液0.02質量部を仕込み、内温を70~80℃に維持して3時間反応させた後、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(表示名称)(信越化学工業(株)社製 KF-56A)462.15質量部と均一になるよう混合し、濃度8.5%のペースト状組成物を得た。この時、屈折率は1.499、粘度は12500mPa・sであった。また、フェニル基とケイ素原子の比は、0.51であった。
【化19】
【0144】
〔実施例22〕
反応器中に、上記平均組成式(1-7)で表されるオルガノシロキサン2.86質量部、および上記平均組成式(2-5)で表されるオルガノシロキサン32.77質量部、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(表示名称)(信越化学工業(株)社製 KF-56A)を84.00質量部、及び1質量%塩化白金酸エタノール溶液0.02質量部を仕込み、内温を70~80℃に維持して3時間反応させた後、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(表示名称)(信越化学工業(株)社製 KF-56A)299.5質量部と均一になる様に混合し、濃度8.5%のペースト状組成物を得た。この時、屈折率は1.499、粘度は3990mPa・sであった。また、フェニル基とケイ素原子の比は、0.63であった。
【0145】
〔実施例23〕
反応器中に、下記平均組成式(1-12)で表されるオルガノシロキサン4.00質量部、および上記平均組成式(2-2)で表されるオルガノシロキサン40.09質量部、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(表示名称)(信越化学工業(株)社製 KF-56A)を66.14質量部、及び1質量%塩化白金酸エタノール溶液0.02質量部を仕込み、内温を70~80℃に維持して3時間反応させた後、三本ロールを用いて、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(表示名称)(信越化学工業(株)社製 KF-56A)408.5質量部と均一になる様に混合し、濃度11%のペースト状組成物を得た。この時、屈折率は1.497、粘度は22430mPa・sであった。また、フェニル基とケイ素原子の比は、0.39であった。
【化20】
【0146】
〔実施例24〕
反応器中に、下記平均組成式(1-13)で表されるオルガノシロキサン4.36質量部、および上記平均組成式(2-9)で表されるオルガノシロキサン29.40質量部、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(表示名称)(信越化学工業(株)社製 KF-56A)を78.76質量部、及び1質量%塩化白金酸エタノール溶液0.02質量部を仕込み、内温を70~80℃に維持して3時間反応させた後、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(表示名称)(信越化学工業(株)社製 KF-56A)284.66質量部と均一になる様に混合し、濃度8.5%のペースト状組成物を得た。この時、屈折率は1.498、粘度は10170mPa・sであった。また、フェニル基とケイ素原子の比は、0.46であった。
【化21】
【0147】
〔比較例1〕
反応器中に、上記平均組成式(1-9)で表されるオルガノシロキサン49.73質量部、および下記平均組成式(2-10)で表されるオルガノシロキサン54.09質量部、イソプロピルアルコール44.50量部、及び1質量%塩化白金酸エタノール溶液0.05質量部を仕込み、内温を70~80℃に維持して3時間反応させた後、減圧下で内温を100℃に加熱し、揮発成分を除去することによって、褐色半透明で粘稠なフェニル変性架橋型オルガノシロキサンを得た。このとき、フェニル基とケイ素原子の比は、0.18であった。
【化22】
【0148】
〔比較例2〕
比較例1で得られた樹脂20.00gとイソドデカン(表示名称)(丸善石油(株)社製 マルカゾールR)とをディスパーを用いて均一に混合し、濃度70%のペースト状組成物を得た。このとき、屈折率は1.49、粘度は8828mPa・sであった。
【0149】
〔比較例3〕
反応器中に、下記平均組成式(1-14)で表されるオルガノシロキサン13.55質量部、および上記平均組成式(2-2)で表されるオルガノシロキサン45.28質量部、イソプロピルアルコール59.23量部、及び1質量%塩化白金酸エタノール溶液0.03質量部を仕込み、内温を70~80℃に維持して3時間反応させた後、減圧下で内温を100℃に加熱し、揮発成分を除去することによって、褐色半透明で粘稠なフェニル変性架橋型オルガノシロキサンを得た。このとき、フェニル基とケイ素原子の比は、0.29であった。
【化23】
【0150】
〔比較例4〕
比較例3で得られた樹脂20.00gとジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(表示名称)(信越化学工業(株)社製 KF-56A)とを3本ロールを用いて混合し、濃度16%のペースト状組成物を得た。このとき、屈折率は1.49、粘度は38013mPa・sであった。
【0151】
〔比較例5〕
反応器中に、上記平均組成式(1-14)で表されるオルガノシロキサン3.61質量部、および上記平均組成式(2-2)で表されるオルガノシロキサン12.08質量部、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(表示名称)(信越化学工業(株)社製 KF-56A)を88.90質量部、及び1質量%塩化白金酸エタノール溶液0.01質量部を仕込み、内温を70~80℃に維持して3時間反応させた後、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(表示名称)(信越化学工業(株)社製 KF-56A)80.00質量部と均一になる様に混合し、濃度8.5%のペースト状組成物を得た。この時、屈折率は1.46、粘度は5420mPa・sであった。また、フェニル基とケイ素原子の比は、0.29であった。
【0152】
表1に実施例1、3、5、7、9、11、13、15、17および比較例1、3で得られたフェニル変性架橋型オルガノシロキサンの平均組成式から計算し求めたフェニル基とケイ素原子の比率(以下フェニル量と記載)、並びに各種油剤への吸収性を示す。
【0153】
吸収性については、フェニル変性架橋型オルガノシロキサンと同量の油剤を混ぜ、振とう器にて12時間振とうさせた後、外観を目視で観察し、結果を下記の通り評価した。
◎:非常に良好な吸収を確認
○:吸収を確認
△:わずかに吸収されていない油剤を確認
×:殆ど吸収されていない
【0154】
【表1】
(注1) 信越化学工業(株)社製:KF-56A
(注2) 信越化学工業(株)社製:KF-96A-6CS
(注3) 信越化学工業(株)社製:KF-96L―2CS
(注4) 信越化学工業(株)社製:KF-995
【0155】
表1より、フェニル量が0.29以上の場合、極性油であるメトキシケイヒ酸エチルヘキシルやフェニルメチルシリコーンオイルに対し、良好な吸収性を示した。一方、比較例1は、フェニル量が0.34未満であり、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルを殆ど吸収しなかった。比較例3は、全てに油剤に対し良好な吸収性を示したが、ジメチコンの吸収性が非常に優れており、シリコーン油との相溶性が良いことが示された。
【0156】
表2に、実施例2、4、6、8、10、12、14、16、18、19~24、および比較例2、4、5で得られた、フェニル変性架橋型オルガノシロキサンと油剤を混合したペースト状組成物5gと、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル2gを混合したときのHAZE値から、ペースト状組成物5gと該組成物の作製時の希釈に使用した油剤2gを混合したときのHAZE値を差し引いた結果を示す。また、市販品として入手可能なフェニル変性架橋型シリコーンである、KSG-18A(信越化学工業(株)社製のジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(表示名称))15%とジフェニルシロキシフェニルトリメチコン85%のペースト状組成物)を用いて、同様の評価を実施した結果も記載した。
【0157】
HAZE値は、76mm×52mmのガラスプレートに、厚み1.1mmで挟み込み測定した。測定には、日本電色工業(株)社製、HAZE METER NDH 5000SPを使用した。
【0158】
メトキシケイヒ酸エチルヘキシルと混合した際のHAZE値から、上記希釈時の油剤を混合した際のHAZE値を引いた値は、下記基準で記載した。
◎:0未満
〇:0~10未満
△:10~40未満
×:40以上
【0159】
【0160】
表2より、実施例では、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルと混合した場合と、上記希釈油剤と混合した場合で、HAZE値に大きな違いは確認されず、外観が損なわれることはなかった。比較例2は、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルをほとんど吸収しなかった樹脂(比較例1)を用いたものであるが、HAZE値の評価結果から、外観も著しく損なわれていた。比較例4は、樹脂そのもの(比較例3)では、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルへの吸油性を示したものの、HAZE値が大きく変化し、外観が著しく損なわれた。また、比較例4より濃度の低い比較例5では、HAZE値に大きな違いは見られなかったが、これは濃度が低いためであると考えられる。市販されているKSG-18Aについても同様に、外観が損なわれることが確認された。また、KSG-18Aをヘキサンで抽出して得た樹脂は、同量のメトキシケイヒ酸エチルヘキシルを吸収できなかったが、同量のジメチルシリコーン(6cS、2cS)およびシクロペンタシロキサンを吸収したことから、フェニル量は0.29未満であると判断した。
【0161】
[実施例25~28、比較例6]
表3に示す処方でW/O型クリームを作製した。
【表3】
(注1)信越化学工業(株)製:(ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(:表示名称)85%+(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー(:表示名称)15%の混合物)
(注2)信越化学工業(株)製:セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン(:表示名称)
(注3)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(:表示名称)
【0162】
(製造方法)
成分1~3を均一になるよう混合した。これに、成分4~6を均一混合後に穏やかに加え、乳化した。これを所定の容器に充填し、乳液を得た。
【0163】
得られたW/O型乳液について、(1)使用感(べたつきのなさ)、(2)塗布性(化粧料の伸び広がりの良さや止まり感)、(3)増粘性について、下記の評価基準にて評価した。実施例25~28及び比較例6の評価結果を表4に示す。
【0164】
〔特性評価〕
化粧料について、使用感、塗布性の項目を、下記に示される評価基準により10名の専門パネラーが評価した。結果を10名の平均値に基づき、下記判断基準に従って判定した。
【0165】
〔評価基準〕
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:やや不良
1点:不良
とし、得られた平均点について、下記の基準に従って○×で判定した。
平均点の判定:
得られた平均点が4.5点以上 ◎
得られた平均点が3.5点以上4.5点未満 ○
得られた平均点が2.5点以上3.5点未満 △
得られた平均点が1.5点以上2.5点未満 ×
得られた平均点が1.5点未満 ××
「〇」以上を合格とした。
【0166】
〔増粘性〕
架橋型フェニル変性シリコーン混合物を配合していないブランクと比較した増粘率で評価した。なお、粘度の測定はB型粘度計(TVB-10型、東機産業製)を使用し、スピンドルNo.4、毎分6回転、測定時間60秒で測定を行った。
◎ :200%以上
○ :150%以上~175%未満
△ :125%以上~150%未満
× :100%以上~125%未満
××:100%未満
「〇」以上を合格とした。
【0167】
【0168】
表4から明らかなように、実施例25~28のW/O型乳液は比較例6と比べ、使用感、塗布性、増粘性が良好であることが実証された。
【0169】
[実施例29~32、比較例7~9]
表5に示す処方でW/O型クリームを作製した。
【表5】
(注1)信越化学工業(株)製:(ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(:表示名称)85%+(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー(:表示名称)15%の混合物)
(注2)(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー(:表示名称)20%とシクロペンタシロキサン(:表示名称)80%の混合物
(注3)信越化学工業(株)製:セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン(:表示名称)
(注4)信越化学工業(株)製:シクロペンタシロキサン(:表示名称)
(注5)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(:表示名称)
【0170】
(製造方法)
成分1~9を均一になるよう混合した。これに、成分10~13を均一混合後に穏やかに加え、乳化した。これを所定の容器に充填し、日焼け止めクリーム乳液を得た。
【0171】
得られたW/O型日焼け止めクリームについて、(1)使用感(べたつきのなさ)、(2)塗布性(化粧料の伸び広がりの良さ)、(3)増粘性、(4)安定性について、下記の評価基準にて評価した。実施例29~32及び比較例7~9の評価結果を表6に示す。
【0172】
〔特性評価〕
化粧料について、使用感、塗布性の項目を、下記に示される評価基準により10名の専門パネラーが評価した。結果を10名の平均値に基づき、下記判断基準に従って判定した。
【0173】
〔評価基準〕
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:やや不良
1点:不良
とし、得られた平均点について、下記の基準に従って○×で判定した。
平均点の判定:
得られた平均点が4.5点以上 ◎
得られた平均点が3.5点以上4.5点未満 ○
得られた平均点が2.5点以上3.5点未満 △
得られた平均点が1.5点以上2.5点未満 ×
得られた平均点が1.5点未満 ××
「〇」以上を合格とした。
【0174】
〔増粘性〕
架橋型フェニル変性シリコーン混合物を配合していないブランクと比較した増粘率で評価した。なお、粘度の測定はB型粘度計(TVB-10型、東機産業製)を使用し、スピンドルNo.4、毎分6回転、測定時間60秒で測定を行った。
◎ :120%以上
○ :100%以上~120%未満
△ :80%以上~100%未満
× :60%以上~80%未満
××:60%未満
「〇」以上を合格とした。
【0175】
〔安定性〕
50℃、-5℃の恒温槽下で静置して、外観に油浮などの問題がないか確認した。
◎ :1か月後に50℃、-5℃いずれも問題がなかった
○ :1か月後に50℃、-5℃いずれかで問題が生じた
△ :3週間後に50℃、-5℃いずれかで問題が生じた
× :2週間後に50℃、-5℃いずれかで問題が生じた
××:1週間後に50℃、-5℃いずれかで問題が生じた
「〇」以上を合格とした。
【0176】
【0177】
表6から明らかなように、実施例29~32のW/O型乳液は比較例7~9と比べ、使用感、塗布性、増粘性、安定性が良好であることが実証された。さらに、比較例7、8の結果からも分かるように、本発明では、単純な架橋型フェニル変性シリコーン量の配合量増加による増粘では得られない安定化が可能であることが分かった。比較例9は比較例5の通りHAZE値の変化は小さかったが、フェニル基とケイ素原子の比が0.34より小さいので、使用感、塗布性、増粘性、安定性は悪かった。
【0178】
[実施例33]
W/Oサンスクリーンクリーム
<化粧料の調製>
A:成分9~11をディスパーにて均一分散後、成分1~8を加え均一に混合した。
B:成分12~17を均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化し、W/Oサンスクリーンクリームを得た。
【0179】
成分 質量%
1. KSG-320(注1) 3
2. 実施例23の組成物(11%) 2
3. KF-6048(注2) 2.5
4. ジステアルジモニウムヘクト 0.3
5. メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 7.5
6. オクトクリレン 3
7. ホモサレート 5
8. 炭酸ジカプリリル 7
9. TMF-1.5(注3) 10.5
10.KF-6105(注4) 1.5
11.アルキルシラン処理微粒子酸化亜鉛(注5) 18
12.BG 3
13.エタノール 5
14.クエン酸Na 0.2
15.塩化Na 1
16.アラントイン 0.2
17.精製水 残量
合計 100
(注1)信越化学工業(株)製:(PEG-15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー(:表示名称)25%とイソドデカン(:表示名称)75%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン(:表示名称)
(注3)信越化学工業(株)製:メチルトリメチコン(表示名称)
(注4)信越化学工業(株)製:ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(:表示名称)
(注5)信越化学工業(株)製:AES-3083処理
【0180】
得られたW/Oサンスクリーンクリームは、使用感、塗布性が良好で、保存安定性に優れていた。
【0181】
[実施例34]
W/Oシェイキングサンスクリーン
<化粧料の調製>
A:成分5~10、11~14を加熱溶解後、成分1~4と均一に混合した。
B:成分15~19を均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化し、W/Oシェイキングサンスクリーンを得た。
【0182】
成分 質量%
1. 実施例22の組成物(8.5%) 2
2. KF-6048(注1) 2.5
3. ジステアルジモニウムヘクト 0.2
4. KMP-590(注2) 2
5. メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 7.5
6. オクトクリレン 5
7. ホモサレート 5
8. ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 2.5
9. ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン 2
10.サリチル酸エチルヘキシル 5
11.(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル 12
12.イソステアリン酸エチル 10
13.ラウリン酸ヘキシル 8
14.グリチルリチン酸ステアリル 0.2
15.BG 3
16.エタノール 6
17.クエン酸Na 0.2
18.塩化Na 1
19.精製水 残量
合計 100
(注1)信越化学工業(株)製:セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン(:表示名称)
(注2)信越化学工業(株)製:ポリメチルシルセスキオキサン(:表示名称)
【0183】
得られたW/Oシェイキングサンスクリーンは、使用感、塗布性が良好で、保存安定性に優れていた。
【0184】
[実施例35]
W/Oアイクリーム
<化粧料の調製>
A:成分1~8を均一に混合した。
B:成分9~15を均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化し、アイクリームを得た。
【0185】
成分 質量%
1. KSG-840(注1) 3
2. 実施例20の組成物(8.5%) 3
3. KSG-19(注2) 3
4. KF-6105(注3) 1.5
5. ホホバ種子油 6
6. メドウフォーム油 12
7. シア脂 1
8. KSP-300(注4) 2
9. ヒアルロン酸Na 0.1
10.エリスリトール 5
11.メチルグルセスー10 3
12.フェノキシエタノール 0.3
13.ペンチレングリコール 3
14.塩化ナトリウム 0.5
15.水 残量
合計 100
(注1)信越化学工業(株)製:(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー(:表示名称)30%とスクワラン(:表示名称)70%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー(表示名称)15%とジメチコン(:表示名称)85%の混合物
(注3)信越化学工業(株)製:ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(:表示名称)
(注4)信越化学工業(株)製:(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー(:表示名称)
【0186】
得られたW/Oアイクリームは、使用感、塗布性が良好で、保存安定性に優れていた。
【0187】
[実施例36]
O/W乳液
<化粧料の調製>
A:成分1~6を90℃で均一に混合した。
B:成分7~12を85℃で均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化して冷却後、成分13を加えて均一に混合し、乳液を得た。
【0188】
成分 質量%
1. BG 6
2. イソステアリン酸PEG-20グリセリル 1.2
3. パルミチン酸エチルヘキシル 4
4. 実施例23の組成物(11%) 2
5. ポリクオタニウムー51 0.1
6. トコフェロール 0.05
7. ジグリセリン 2
8. エチルヘキシルグリセリン 0.1
9. グリセリン 8
10.ソルビトール 3
11.アルキル変性カルボマー 0.2
12.水 残量
13.水酸化K(10%水溶液) 0.5
合計 100
【0189】
得られたO/W乳液は、使用感、塗布性が良好で、保存安定性に優れていた。
【0190】
[実施例37]
バーム
<化粧料の調製>
A:成分1~11を90℃で均一に混合し冷却後、バームを得た。
【0191】
成分 質量%
1. ワセリン 27
2. スクワラン 残量
3. KSP-101(注1) 10
4. KMP-590(注2) 6
5. 実施例19の組成物(8.5%) 5
6. 実施例23の組成物(11%) 3
7. ジメチコン(6cs) 7
8. KF-56A(注3) 4
9. KP-561P(注4) 2
10.KF-6038(注5) 0.2
11.パルミチン酸デキストリン 10
合計 100
(注1)信越化学工業(株)製:(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー(:表示名称)
(注2)信越化学工業(株)製:ポリメチルシルセスキオキサン(:表示名称)
(注3)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(:表示名称)
(注4)信越化学工業(株)製:(アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー(:表示名称)
(注5)信越化学工業(株)製:ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(:表示名称)
【0192】
得られたバームは、使用感、塗布性が良好で、保存安定性に優れていた。
【0193】
[実施例38]
W/Oサンスクリーンミルク
<化粧料の調製>
A:成分1~7を均一に混合した。
B:成分10~16を均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化し、8、9を添加して均一に混合し、W/Oサンスクリーンミルクを得た。
【0194】
成分 質量%
1. KSG-210(注1) 3
2. 実施例24の組成物(8.5%) 2
3. KF-6028(注2) 1
4. ホホバ種子油 2
5. ジメチルポリシロキサン(6cs) 5
6. KF-9021L(注3) 2
7. イソノナン酸イソトリデシル 5
8. SPD-T5L(注4) 20
9. SPD-Z5L(注5) 28
10.ジプロピレングリコール 2
11.クエン酸Na 0.2
12.塩化Na 1
13.アルブチン 2
14.グリチルリチン酸2K 0.2
15.ピロ亜硫酸Na 0.05
16.精製水 残量
合計 100
(注1)信越化学工業(株)製:(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー(:表示名称)25%とジメチコン75%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(表示名称)
(注3)信越化学工業(株)製:トリメチルシロキシケイ酸(:表示名称(INCI:Trimethylsiloxysilicater)
(注4)信越化学工業(株)製:酸化チタン40%分散物
(注5)信越化学工業(株)製:酸化亜鉛60%の分散物
【0195】
得られたW/Oサンスクリーンミルクは、使用感、塗布性が良好で、保存安定性に優れていた。
【0196】
[実施例39]
O/Wサンスクリーンクリーム
<化粧料の調製>
A:成分1~6を85℃まで加熱し、均一に混合した。
B:成分7~15を85℃まで加熱し、均一に混合した。
C:BをAに添加して85℃で乳化後、攪拌しながら徐冷しサンスクリーンクリームを得た。
【0197】
成分 質量%
1. ヒドロキシエチルセルロース 0.1
2. エタノール 10
3. BG 6
4. アラントイン 0.1
5. SIMULGEL EG(注1) 2.5
6. 水 残量
7. KF-56A(注2) 3
8. 実施例20の組成物(8.5%) 1
9. セタノール 2
10.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 7.5
11.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 2
12.サリチル酸エチルヘキシル 5
13.ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 1
14.KF-6011(注3) 0.5
15.トコフェロール 0.05
合計 100
(注1)SEPPIC社製:アクリル酸ナトリウム・アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体組成物
(注2)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(:表示名称)
(注3)信越化学工業(株)製:PEG-11メチルエーテルジメチコン(:表示名称)
【0198】
得られたO/Wサンスクリーンクリームは、使用感、塗布性が良好で、保存安定性に優れていた。
【0199】
[実施例40]
サンスクリーンジェル
<化粧料の調製>
A:成分1~10を均一に混合し、サンスクリーンジェルを得た。
【0200】
成分 質量%
1. KSG-42A(注1) 10
2. 実施例4の組成物(8.5%) 25
3. KSG-042Z(注2) 残量
4. KF-56A(注3) 7.5
5. オクトクリレン 2
6. ホモサレート 10
7. サリチル酸エチルヘキシル 5
8. ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン 3
9. KSP-441(注4) 10
10.KMP-592(注5) 2
合計 100
(注1)信越化学工業(株)製:(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー(表示名称)20%とイソドデカン(:表示名称)80%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:((ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビスビニルジメチコン)クロスポリマー(:表示名称)20%とイソドデカン(:表示名称)80%の混合物
(注3)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(:表示名称)
(注4)信越化学工業(株)製:ポリシリコーン-22(:表示名称)
(注5)信越化学工業(株)製:(メチル/フェニル)ポリシルセスキオキサン(:表示名称)
【0201】
得られたサンスクリーンジェルは使用感、塗布性が良好で、保存安定性、透明性に優れていた。
【0202】
[実施例41]
非水系サンスクリーン
<化粧料の調製>
A:成分1~6を均一に混合溶解した。
B:成分7~10を均一に混合した。
C:AとBを均一に混合し、非水系サンスクリーンを得た。
【0203】
成分 質量%
1. ジメチコン(2cs) 残量
2. オクトクリレン 5
3. ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 2
4. サリチル酸エチルヘキシル 5
5. グリチルレチン酸ステアリル 0.2
6. BHT 0.1
7. KSG-380Z(注1) 5
8. 実施例20の組成物(8.5%) 15
9. SPD-Z5L(注2) 58
10.KSP-105(注3) 4
合計 100
(注1)信越化学工業(株)製:(PEG-15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー(:表示名称)30%とジメチコンの混合物
(注2)信越化学工業(株)製:酸化亜鉛60%の分散物
(注3)信越化学工業(株)製:(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー(:表示名称)
【0204】
得られた非水系サンスクリーンは、使用感、塗布性が良好で、保存安定性に優れていた。
【0205】
[実施例42]
W/Oリキッドファンデーション
<化粧料の調製>
A:成分9~14を三本ロールミルにて分散した。
B:成分1~8を均一に混合した。
C:成分15~18を均一に混合した。
D:CをBに添加して乳化し、Aを添加して、W/Oリキッドファンデーションを得た。
【0206】
成分 質量%
1. KSG-210(注1) 3.5
2. 実施例20の組成物(8.5%) 5
3. KF-6038(注2) 2.5
4. 有機変性粘土鉱物 1
5. ジメチコン(2cs) 21
6. オクトクリレン 5
7. ポリシリコーン-15 2
8. KSP-101(注3) 2
9. イソノナン酸イソノニル 3.7
10.KP-578(注4) 0.3
11.KTP-09W(注5) 14
12.KTP-09R(注5) 0.2
13.KTP-09Y(注5) 0.5
14.KTP-09B(注5) 1
15.BG 5
16.クエン酸Na 0.2
17.塩化Na 1
18.水 残量
合計 100
(注1)信越化学工業(株)製:(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー(:表示名称)25%とジメチコン75%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(:表示名称)
(注3)信越化学工業(株)製:(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー(:表示名称)
(注4)信越化学工業(株)製:(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー(:表示名称)
(注5)信越化学工業(株)製:KF-9909処理着色無機顔料,W:白・R:赤・Y:黄・B:黒
【0207】
得られたW/Oリキッドファンデーションは、使用感、塗布性が良好で、保存安定性に優れていた。
【0208】
[実施例43]
W/O固形ファンデーション
<化粧料の調製>
A:成分7~12を三本ロールミルにて分散した。
B:成分1~6を90℃で溶解後、Aを加え均一に混合した。
C:成分13~17を均一に混合した。
D:CをBに添加して乳化し、W/O固形ファンデーションを得た。
【0209】
成分 質量%
1. KSG-710(注1) 5
2. 実施例20の組成物(8.5%) 3
3. KF-6038(注2) 2
4. SPD-T7(注3) 10
5. KF-56A(注4) 7.35
6. セレシン 5
7. イソノナン酸イソトリデシル 2
8. シリコーン処理酸化チタン(注5) 7
9. シリコーン処理黒酸化鉄(注5) 0.1
10.シリコーン処理ベンガラ(注5) 0.3
11.シリコーン処理黄酸化鉄(注5) 0.6
12.KP-545(注6) 0.3
13.BG 7
14.グリセリン 5
15.クエン酸Na 0.2
16.塩化Na 1
17.水 残量
合計 100
(注1)信越化学工業(株)製:(ジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー(:表示名称)25%とジメチコン75%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(表示名称)
(注3)信越化学工業(株)製:酸化チタン_45%分散物
(注4)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(:表示名称)
(注5)信越化学工業(株)製:KF-9909処理
(注6)信越化学工業(株)製:(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー(:表示名称)
【0210】
得られたW/O固形ファンデーションは、使用感、塗布性が良好で、保存安定性に優れていた。
【0211】
[実施例44]
スティックコンシーラー
<化粧料の調製>
A:成分1~7を95℃で均一に混合し、スティック容器に充填しスティックコンシーラーを得た。
【0212】
成分 質量%
1. 実施例22の組成物(8.5%) 6
2. KSP-411(注1) 10
3. KMP-592(注2) 16
4. ジメチコン(6cs) 22
5. トリエチルヘキサノイン 30
6. マイクロクリスタリンワックス 6
7. セレシン 10
合計 100
(注1)信越化学工業(株)製:ポリシリコーン-1クロスポリマー(:表示名称)
(注2)信越化学工業(株)製:(メチル/フェニル)ポリシルセスキオキサン(:表示名称)
【0213】
得られたスティックコンシーラーは、使用感、塗布性が良好で、保存安定性に優れていた。
【0214】
[実施例45]
口紅
<化粧料の調製>
A:成分11~18をロールにて分散した。
B:成分1~9を95℃にて均一に混合した。
C:BにA、10を添加して冷却し、口紅を得た。
【0215】
成分 質量%
1. 実施例21の組成物(8.5%) 5
2. ポリエチレン 7
3. マイクロクリスタリンワックス 3
4. KP-561P(注1) 10
5. トリエチルヘキサノイン 13
6. ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール 15
7. ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 7
8. 水添ポリイソブテン 残量
9. KF-54HV(注2) 8
10.パール顔料 5
11.マイカ 0.3
12.赤202 0.1
13.黄4 0.3
14.KP-574(注3)処理酸化チタン 0.8
15.KP-574(注3)処理黒酸化鉄 0.06
16.赤201 0.04
17.KP-574(注3)処理ベンガラ 0.2
18.トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2 1.2
合計 100
(注1)信越化学工業(株)製:(アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー(:表示名称)
(注2)信越化学工業(株)製:ジフェニルジメチコン(:表示名称)
(注3)信越化学工業(株)製:(アクリレーツ/アクリル酸トリデシル/メタクリル酸トリエトキシシリルプロピル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー(:表示名称)
【0216】
得られた口紅は、使用感、塗布性が良好で、保存安定性に優れていた。
【0217】
[実施例46]
マスカラ
<化粧料の調製>
A:成分1~7を90℃で均一に混合した。
B:Aに成分8~13を加え均一に混合し、マスカラを得た。
【0218】
成分 質量%
1. 実施例24の組成物(8.5%) 5
2. TSPL-30-ID(注1) 10
3. イソドデカン 残量
4. パルミチン酸デキストリン 2
5. セレシン 7
6. マイクロクリスタリンワックス 5
7. ジステアルジモニウムヘクト 5
8. アルキルシラン処理黒酸化鉄(注2) 5
9. アルキルシラン処理タルク(注2) 5
10.KMP-590(注3) 5
11.シリコーン分岐型ポリエーテル変性シリコーン(注4) 1.2
12.炭酸プロピレン 1.6
13.フェノキシエタノール 0.2
合計 100
(注1)信越化学工業(株)製:トリ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルカルバミド酸プルラン(:表示名称)
(注2)信越化学工業(株)製:AES-3083処理
(注3)信越化学工業(株)製:ポリメチルシルセスキオキサン(:表示名称)
(注4)信越化学工業(株)製:PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(:表示名称)
【0219】
得られたマスカラは、使用感、塗布性が良好で、保存安定性に優れていた。
【0220】
[実施例47]
パウダーファンデーション
<化粧料の調製>
A:成分1~5を50℃まで加熱して均一に混合し、室温まで冷却した。
B:成分6~14を均一に混合した。
C:AをBに添加し、ヘンシェルミキサーにて均一に混合した。得られた粉末を、メッシュを通した後、金型を用いて金皿に打型してパウダーファンデーションを得た。
【0221】
成分 質量%
1. メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 4
2. KF-56A(注1) 4.5
3. トリエチルヘキサノイン 1.5
4. KP-561P(注2) 1
5. 実施例19の組成物(8.5%) 1
6. シリコーン処理マイカ(注3) 30
7. 硫酸Ba 10
8. KSP-300(注4) 5
9. KSP-100(注5) 4
10.シリコーン処理タルク(注3) 残量
11.シリコーン処理酸化チタン(注3) 6
12.シリコーン処理黄酸化鉄(注3) 0.5
13.シリコーン処理赤酸化鉄(注3) 0.2
14.シリコーン処理黒酸化鉄(注3) 0.1
合計 100
(注1)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(:表示名称)
(注2)信越化学工業(株)製:(アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー(:表示名称)
(注3)信越化学工業(株)製:KF-9909処理
(注4)信越化学工業(株)製:(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー(:表示名称)
(注5)信越化学工業(株)製:(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー(:表示名称)
【0222】
得られたパウダーファンデーションは、使用感、塗布性が良好で、保存安定性に優れていた。
【0223】
[実施例48]
ヘアオイル
<化粧料の調製>
A:成分1~7を均一に混合し、ヘアオイルを得た。
【0224】
成分 質量%
1. 実施例22の組成物(8.5%) 3
2. KF-56A(注1) 7
3. コハク酸ジエチルヘキシル 10
4. X-21-5613(注2) 1.5
5. トコフェロール 0.1
6. 香料 0.1
7. 軽質流動イソパラフィン 残量
合計 100
(注1)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルジメチコン(:表示名称)
(注2)信越化学工業(株)製:ジメチコノール(:表示名称)
【0225】
得られたヘアオイルは、使用感、塗布性が良好で、保存安定性に優れていた。
【0226】
[実施例49]
ヘアトリートメント
<化粧料の調製>
A:成分6~9を70℃まで加熱し、均一に混合した。
B:成分1~5を70℃まで加熱し、均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化し、徐冷後、成分10、11を添加してヘアトリートメントを得た。
【0227】
成分 質量%
1. 実施例20の組成物(8.5%) 1
2. セタノール 2
3. オクタン酸セチル 3
4. パラオキシ安息香酸ブチル 0.1
5. KF-56A(注1) 1
6. ベヘントリモニウムクロリド 1
7. プロピレングリコール 5
8. ヒドロキシエチルセルロース 0.1
9. 水 残量
10.X-52-2328(注2) 4
11.香料 適量
合計 100
(注1)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルジメチコン(:表示名称)
(注2)信越化学工業(株)製:アミノプロピルジメチコン(:表示名称)
【0228】
得られたヘアトリートメントは、使用感、塗布性が良好で、保存安定性に優れていた。
【0229】
[実施例50]
W/Oサンスクリーン
<化粧料の調製>
A:成分1~9を加熱し、均一に混合した。
B:成分11~14を均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化後、成分10を加えて均一混合し、W/Oサンスクリーンを得た。
【0230】
成分 質量%
1. 実施例20の組成物(8.5%) 1
2. KSG-240(注1) 3.5
3. KF-6048(注2) 2
4. メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 7.5
5. オクトクリレン 2.5
6. ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 3
7. サリチル酸エチルヘキシル 3
8. ホモサレート 4
9. KF-56A(注3) 2
10.SPD-T5(注4) 12
11.エタノール 6
12.クエン酸Na 0.5
13.塩化Na 0.5
14.水 残量
合計 100
(注1)信越化学工業(株)製:(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー(:表示名称)20% とシクロペンタシロキサン(:表示名称)80%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン(:表示名称)
(注3)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルジメチコン(:表示名称)
(注4)信越化学工業(株)製:酸化チタン40%分散物
【0231】
得られたW/Oサンスクリーンは、使用感、塗布性、透明性が良好で、保存安定性に優れていた。
【0232】
[実施例51]
W/Oリキッドファンデーション
<化粧料の調製>
A:成分9~15を三本ロールミルにて分散した。
B:成分1~8を均一に混合した。
C:成分16~19を均一に混合した。
D:CをBに添加して乳化し、Aを添加して、W/Oリキッドファンデーションを得た。
【0233】
成分 質量%
1. KSG-210(注1) 3.5
2. 実施例14の組成物(90%) 5
3. KF-6038(注2) 2.5
4. 有機変性粘土鉱物 0.8
5. ジメチコン(2cs) 21
6. メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 7.5
7. ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 2.5
8. KSP-101(注3) 2
9. TMF-1.5(注4) 6
10.KF-6105(注5) 0.5
11.KTP-09W(注6) 10
12.KTP-09R(注6) 0.2
13.KTP-09Y(注6) 0.5
14.KTP-09B(注6) 0.1
15.アルキルシラン処理微粒子酸化亜鉛 10
16.BG 5
17.クエン酸Na 0.2
18.塩化Na 1
19.水 残量
合計 100
(注1)信越化学工業(株)製:(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー(:表示名称)25%とジメチコン75%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン(:表示名称)
(注3)信越化学工業(株)製:(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー(:表示名称)
(注4)信越化学工業(株)製:メチルトリメチコン(:表示名称)
(注5)信越化学工業(株)製:ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(:表示名称)
(注6)信越化学工業(株)製:KF-9909処理着色無機顔料,W:白・R:赤・Y:黄・B:黒
【0234】
得られたW/Oリキッドファンデーションは、使用感、塗布性が良好で、保存安定性に優れていた。
【0235】
[実施例52]
W/Oリキッドファンデーション
<化粧料の調製>
A:成分9~15を三本ロールミルにて分散した。
B:成分1~8を均一に混合した。
C:成分16~19を均一に混合した。
D:CをBに添加して乳化し、Aを添加して、W/Oリキッドファンデーションを得た。
【0236】
成分 質量%
1. KSG-210(注1) 3.5
2. 実施例20の組成物(8.5%) 5
3. KF-6028(注2) 2.5
4. 有機変性粘土鉱物 0.8
5. ジメチコン(2cs) 21
6. パルミチン酸エチルヘキシル 7
7. トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 5
8. KSP-101(注3) 2
9. KF-56A(注4) 7
10.KF-6106(注5) 1
11.KTP-09W(注6) 10
12.KTP-09R(注6) 0.2
13.KTP-09Y(注6) 0.5
14.KTP-09B(注6) 0.1
15.金属石鹸処理微粒子酸化チタン 10
16.BG 5
17.クエン酸Na 0.2
18.塩化Na 1
19.水 残量
合計 100
(注1)信越化学工業(株)製:(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー(:表示名称)25%とジメチコン75%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(:表示名称)
(注3)信越化学工業(株)製:(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー(:表示名称)
(注4)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルジメチコン(:表示名称)
(注5)信越化学工業(株)製:ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(:表示名称)
(注6)信越化学工業(株)製:KF-9909処理着色無機顔料,W:白・R:赤・Y:黄・B:黒
【0237】
得られたW/Oリキッドファンデーションは、使用感、塗布性が良好で、保存安定性に優れていた。
【0238】
[実施例53]
サンケアスティック
<化粧料の調製>
A:成分1~14を110℃で均一に混合し、スティック容器に充填しサンケアスティックを得た。
【0239】
成分 質量%
1. 実施例20の組成物(8.5%) 6
2. KF-56A(注1) 残量
3. KMP-592(注2) 0.5
4. セバシン酸ジイソプロピル 10
5. メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 7.5
6. オクトクリレン 2.5
7. ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 5
8. サリチル酸エチルヘキシル 5
9. ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン 3
10.ポリシリコーン-15 2
11.ホモサレート 10
12.ジブチルラウロイルグルタミド 3.5
13.オクチルドデカノール 10
14.ミネラルオイル 2
合計 100
(注1)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルジメチコン(:表示名称)
(注2)信越化学工業(株)製:(メチル/フェニル)ポリシルセスキオキサン(:表示名称)
【0240】
得られたサンケアスティックは、使用感、塗布性、透明感が良好で、保存安定性に優れていた。
【0241】
[実施例54]
W/O美容スティック
<化粧料の調製>
A:成分1~6を90℃で均一に混合した。
B:成分7~12を85℃で均一に混合した。
C:BをAに添加して乳化し、スティック容器に充填してW/O美容スティックを得た。
【0242】
成分 質量%
1. KSG-830(注1) 5
2. 実施例23の組成物(11%) 5
3. KF-6105(注2) 0.5
4. メドウフォーム油 2
5. KF-56A(注3) 8
6. セレシン 10
7. BG 7
8. PCA-Na 2
9. ジグリセリン 3
10.クエン酸Na 0.2
11.硫酸Mg 1
12.水 残量
合計 100
(注1)信越化学工業(株)製:(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー(:表示名称)20%とトリエチルヘキサノイン(:表示名称)80%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(表示名称)
(注3)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(:表示名称)
【0243】
得られたW/O美容スティックは、使用感、塗布性が良好で、保存安定性に優れていた。
【0244】
[実施例55]
W/Oスティックファンデーション
<化粧料の調製>
A:成分12~17を三本ロールミルにて分散した。
B:成分1~11を90℃で溶解後、Aを加え均一に混合した。
C:成分18~23を均一に混合した。
D:CをBに添加して乳化し、スティック容器に充填してW/Oスティックファンデーションを得た。
【0245】
成分 質量%
1. KSG-710(注1) 5
2. 実施例19の組成物(8.5%) 3
3. KF-6038(注2) 2
4. KF-995(注3) 10
5. ステアリン酸イヌリン 3
6. 合成ワックス 7
7. t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン 2
8. サリチル酸エチルヘキシル 4
9. ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン 2
10.ポリシリコーン-15 2
11.ホモサレート 5
12.イソノナン酸イソトリデシル 2
13.KP-578(注4) 0.3
14.シリコーン処理酸化チタン(注5) 7
15.シリコーン処理黒酸化鉄(注5) 0.1
16.シリコーン処理ベンガラ(注5) 0.3
17.シリコーン処理黄酸化鉄(注5) 0.6
18.BG 7
19.グリセリン 5
20.クエン酸Na 0.2
21.塩化Na 1
22.エデト酸2Na 0.1
23.水 残量
合計 100
(注1)信越化学工業(株)製:(ジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー(:表示名称)25%とジメチコン75%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(表示名称)
(注3)信越化学工業(株)製:シクロペンタシロキサン(:表示名称)
(注4)信越化学工業(株)製:(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー(:表示名称)
(注5)信越化学工業(株)製:KF-9901処理
【0246】
得られたW/Oスティックファンデーションは、使用感、塗布性が良好で、保存安定性に優れていた。
【0247】
[実施例56]
ムースファンデーション
<化粧料の調製>
A:成分9~16を三本ロールミルにて分散した。
B:成分1~8を均一に混合した。
C:AをBに添加して均一に混合し、ムースファンデーションを得た。
【0248】
成分 質量%
1. KSG-16(注1) 20
2. 実施例8の組成物(14%) 12
3. KF-7312T(注2) 8
4. ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール 4
5. ジメチコン(2cs) 残量
6. ホホバ油 0.5
7. KSP-105(注3) 2
8. ポリメタクリル酸メチル 6
9. ジメチコン(6cs) 10
10.シリコーン処理酸化チタン(注4) 5
11.金属石鹸処理微粒子酸化チタン 10
12.シリコーン処理赤酸化鉄(注4) 0.2
13.シリコーン処理黄酸化鉄(注4) 0.5
14.シリコーン処理黒酸化鉄(注4) 0.1
15.シリコーン処理タルク(注4) 3
16.シリコーン処理黒マイカ(注4) 5
合計 100
(注1)信越化学工業(株)製:(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー(表示名称)25%とジメチコン(:表示名称)75%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:トリメチルシロキシケイ酸(:表示名称(INCI:Trimethylsiloxysilicater)
(注3)信越化学工業(株)製:(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー(:表示名称)
(注4)信越化学工業(株)製:KF-9908処理
【0249】
得られたムースファンデーションは、使用感、塗布性が良好で、保存安定性に優れていた。
【0250】
[実施例57]
ムースファンデーション
<化粧料の調製>
A:成分12~19を三本ロールミルにて分散した。
B:成分1~11を均一に混合した。
C:AをBに添加して均一に混合し、ムースファンデーションを得た。
【0251】
成分 質量%
1. KSG-18A(注1) 8
2. 実施例24の組成物(8.5%) 25
3. KF-7312J(注2) 8
4. シクロペンタシロキサン 残量
5. ジメチルシリル化シリカ 0.5
6. メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 7
7. ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシ 2
8. ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン 1
9. ホモサレート 5
10.KSP-105(注3) 2
11.ポリメタクリル酸メチル 6
12.KF-56A(注4) 10
13.アルキルシラン処理酸化チタン(注5) 5
14.金属石鹸処理微粒子酸化チタン 8
15.アルキルシラン処理赤酸化鉄(注5) 0.2
16.アルキルシラン処理黄酸化鉄(注5) 0.5
17.アルキルシラン処理黒酸化鉄(注5) 0.1
18.アルキルシラン処理タルク(注5) 3
19.アルキルシラン処理黒マイカ(注5) 4
合計 100
(注1)信越化学工業(株)製:(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー(表示名称)15%とジメチコン(:表示名称)85%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:トリメチルシロキシケイ酸(:表示名称(INCI:Trimethylsiloxysilicater)
(注3)信越化学工業(株)製:(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー(:表示名称)
(注4)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(:表示名称)
(注5)信越化学工業(株)製:AES-3083処理
【0252】
得られたムースファンデーションは、使用感、塗布性が良好で、保存安定性に優れていた。
【0253】
[実施例58]
ゲルアイカラー
<化粧料の調製>
A:成分1~3を80℃にて均一に混合した。
B:Aと成分4~5を60℃にて均一に混合した。
C:Bと成分6~11を均一に混合しゲルアイカラーを得た。
【0254】
成分 質量%
1. イソノナン酸イソトリデシル 24
2. スクワラン 残量
3. パルミチン酸デキストリン 10
4. 実施例21の組成物(8.5%) 12
5. ジメチルシリル化シリカ 0.1
6. KSP-100(注1) 8
7. KMP-590(注2) 2
8. 硫酸Ba 5
9. シリコーン処理合成マイカ(注3) 13
10.ガラス末 7
11.(PET/Al)ラミネート 4.5
合計 100
(注1)信越化学工業(株)製:(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー(:表示名称)
(注2)信越化学工業(株)製:ポリメチルシルセスキオキサン(:表示名称)
(注3)信越化学工業(株)製:KP-574処理
【0255】
得られたゲルアイカラーは、使用感、塗布性が良好で、保存安定性に優れていた。
【0256】
[実施例59]
アイカラー
<化粧料の調製>
A:成分1~5を均一に混合した。
B:成分6~15を均一に混合した。
C:AをBに添加し、ヘンシェルミキサーにて均一に混合した。得られた粉末を、メッシュを通した後、金型を用いて金皿に打型してアイカラーを得た。
【0257】
成分 質量%
1. リンゴ酸ジイソステアリル 3
2. KF-56A(注1) 2
3. トリエチルヘキサノイン 1.5
4. 実施例22の組成物(8.5%) 3
5. ワセリン 2
6. KMP-590(注2) 2
7. シリコーン処理マイカ(注3) 残量
8. シリコーン処理タルク(注3) 25
9. 硫酸Ba 3
10.合成フルオロフロゴパイト 10
11.窒化ホウ素 2
12.KSP-300(注4) 4
13.ミリスチン酸亜鉛 0.5
14.セスキイソステアリン酸ソルビタン 0.2
15.ガラスベースパール顔料 12
合計 100
(注1)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(:表示名称)
(注2)信越化学工業(株)製:ポリメチルシルセスキオキサン(:表示名称)
(注3)信越化学工業(株)製:KF-9909処理
(注4)信越化学工業(株)製:(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー(:表示名称)
【0258】
得られたアイカラーは、使用感、塗布性が良好で、保存安定性に優れていた。
【0259】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
上記エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル(INCI:Diisobutyl Adipate)、アジピン酸ジヘキシルデシル(表示名称)、アジピン酸ジヘプチルウンデシル(INCI:Diheptylundecyl Adipate)、イソステアリン酸イソステアリル(INCI:Isostearyl Isostearate)等のモノイソステアリン酸n-アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル(INCI:Isocetyl Isostearate)、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン(INCI:Trimethylolpropane Triisostearate)、ジエチルヘキサン酸グリコール(INCI:Glycol Diethylhexanoate)、エチルヘキサン酸セチル(INCI:Cetyl Ethylhexanoate)、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン(INCI:Trimethylolpropane Triethylhexanoate)、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル(INCI:Pentaerythrityl Tetraethylhexanoate)、オクタン酸セチル(INCI:Cetyl Ethylhexanoate)、ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシル(INCI:Octyldodecyl Stearoyl Stearate)等のオクチルドデシルエステル、オレイン酸オレイル(INCI:Oleyl Oleate)、オレイン酸オクチルドデシル(INCI:Octyldodecyl Oleate)、オレイン酸デシル(INCI:Decyl Oleate)、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール(INCI:Neopentyl Glycol Diethylhexanoate)、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(INCI:Neopentyl Glycol Dicaprate)、リンゴ酸ジイソステアリル(INCI:Diisostearyl Malate)、クエン酸トリエチル(INCI:Triethyl Citrate)、コハク酸ジエチルヘキシル(INCI:Diethylhexyl Succinate)、酢酸アミル(INCI:Amyl Acetate)、酢酸エチル(INCI:Etyl Acetate)、酢酸ブチル(INCI:Butyl Acetate)、ステアリン酸イソセチル(INCI:Isocetyl Stearate)、ステアリン酸ブチル(INCI:Butyl Stearate)、セバシン酸ジイソプロピル(INCI:Diisopropyl Sebacate)、セバシン酸ジエチルヘキシル(INCI:Diethylhexyl Sebacate)、乳酸セチル(INCI:Cetyl Lactate)、乳酸ミリスチル(INCI:Myristyl Lactate)、イソノナン酸イソノニル(INCI:Isononyl Isononanoate)、イソノナン酸イソトリデシル(INCI:Isotridecyl Isononanoate)、パルミチン酸イソプロピル(INCI:Isopropyl Palmitate)、パルミチン酸エチルヘキシル(INCI:Ethylhexyl Isopalmitate)、パルミチン酸ヘキシルデシル(INCI:Isocetyl Palmitate、Hexyldecyl Palmitate)等のパルミチン酸エステル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル(INCI:Cholesteryl Hydroxystearate)、ミリスチン酸イソプロピル(INCI:Isopropyl Myristate)、ミリスチン酸オクチルドデシル(INCI:Octyldodecyl Myristate)、ミリスチン酸ミリスチル(INCI:Myristyl Myristate)等のミリスチン酸エステル、ラウリン酸エチルへキシル(INCI:Ethylhexyl Laurate)、ラウリン酸ヘキシル(INCI:Hexyl Laurate)、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル(INCI:Dioctyldodecyl Lauroyl Glutamate)、ラウロイルサルコシンイソプロピルエステル(INCI:Isopropyl Lauroyl Sarcosinate)等が挙げられる。